JP2020108963A - 三次元造形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂により形成されるモデル材において、モデル材とともに形成されるサポート材が付随した状態の粗造形物からサポート材を効率よく除去でき、かつ精度の高い三次元造形物の製造方法を提供する。【解決手段】三次元造形物の製造方法として、モデル材が材料押出法により熱可塑性樹脂から形成され、三次元造形物を支持するサポート材が光硬化法により光硬化性樹脂から形成することにより、精度よく粗造形物を形成し、また粗造形物を水に浸漬することによりサポート材を効率よく容易に除去することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、材料押出法による三次元造形において、三次元造形物(モデル材)を支持する支持体(サポート材)を光硬化により形成し、サポート材は水溶性であり、造形後に水に浸漬することにより容易に除去されることを特徴とする三次元造形物の製造方法に関する。
三次元造形技術とは三次元の形状データをもとに、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、粉末樹脂、粉末金属等を溶融押出やインクジェット、レーザー光や電子ビーム等を用いて融着、硬化させることによって、薄膜状に積み重ねて目的の三次元造形物を得る技術である。形状データから直接造形物が得られ、中空やメッシュ状等の複雑な形状を一体成型できるため、小ロットもしくはオーダーメイドのテストモデル作成を始め、医療、航空機産業、産業用ロボット等利用分野が広がっている。
三次元造形物を得るには一般的に3Dプリンターと呼ばれる造形装置が使用されている。具体的には、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を紐状に形成したフィラメントを用い、押出ノズルを通じてフィラメントを溶融、積層していく方式(熱溶解積層方式)、アクリル等の光硬化樹脂を光硬化型インクジェット3Dプリンターにより積層していく方式(材料噴射方式)、他にも結合剤噴射方式、粉末床溶融結合方式や液槽光重合法方式等が知られている。
三次元造形では複雑な形状の三次元造形物を形成できるが、中空構造を製造する際に、三次元造形物が自重により変形することを防止するため、形状支持用の支持体が必要になる。特に熱溶解積層方式や材料噴射方式では、三次元造形物と支持体を同時に形成した粗造形物を作成していく必要があるので、粗造形物から支持体を除去する工程を設けなければならない。
粗造形物から支持体を除去する方法は様々な方法が提案されており、ヘラやブラシ等を用いて手作業で剥離したり、ウォータージェットで吹き飛ばしたりする等の物理的な方法、熱可塑性樹脂や熱溶融するワックスを用いて支持体のみを加熱溶融させて除去する方法、水やアルカリ性水溶液、有機溶剤等の溶媒を用いて、支持体を溶解、或いは崩壊させて除去する方法などが用いられている。
特に三次元造形物と支持体からなる一体の粗造形物を水に浸けておくだけで、支持体が水に溶解や分散し、又は支持体が吸水して崩壊することによって粗造形物から容易に除去可能となる手法は、特別な除去液を用意しなくても、造形物の細部に詰まった支持体を効率的に除去することができ、造形物の破損や変形も起こり難いため、様々な支持体用樹脂組成物が提案されている。例えば、熱溶解積層方式において支持体としてポリビニルアルコールを含有する樹脂(特許文献1)やアクリル酸を使用した樹脂(特許文献2)が提案されている。しかし、ポリビニルアルコールを含有する樹脂の除去性を向上させるために、十分な水溶性を付与することが有利であるが、それに比例して吸湿性が高くなってしまい、保管時にはデシケーター等で十分湿度管理する必要がある問題があった。また、支持体の水溶性の高いため、造形物を形成する樹脂との極性の差が大きく、セットで使用できる造形樹脂の種類が限定されたり、造形時に支持体と造形物間での界面剥離が発生したり、造形の成功率が低い問題があった。一方、低吸湿性樹脂を用いると、支持体の水溶性が不十分となり、良好な造形特性を示すが、支持体の除去困難であった。また、アクリル酸を使用した樹脂では、支持体の除去にはpH10以上のアルカリ水溶液が必要となり、操作上の危険性が高く、支持体除去後の三次元造形物に付着したアルカリの洗浄工程が新たに必要となる。
材料噴射方式においても水溶性や水分散性の光硬化性樹脂を支持体の造形に用いることが提案され、良好な除去性を有する支持体が得られている(特許文献3、特許文献4)。しかし、これらの三次元造形物も光硬化性樹脂を使用したため、熱溶解積層方式で得られるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂の造形物より、強度や耐熱性、耐衝撃性等が劣るため、汎用な日用品の製造に向かない問題があった。
一方で3Dプリンターによる造形は、テストモデルだけでなく、造形物をオーダーメイド品や小ロット生産品として日常的に使用することが増えてきて、実用品として十分な強度、耐熱性、耐衝撃性を有しながら、高速、高精度の造形方法が求められている。
特開2016−204550号公報 特開2016−078284号公報 特開2012−111226号公報 特開2017−031249号公報
本発明は、高性能の三次元造形物を形成される同時に、簡便かつ高速に除去可能支持体を形成し、得られる粗造形物を水に浸漬するだけで、支持体を効率よく除去できる新規な三次元造形物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、三次元造形物が熱可塑性樹脂からなる非水溶性または非水分散性のインクBを用いた材料押出法により形成され、支持体が水溶性または水分散性の光硬化性樹脂からなるインクAを用いた光硬化法により形成されることにより、前記の課題を解決し、目標を達成しえることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は
(1)水溶性または水分散性のサポート材を形成するインクAと非水溶性または非水分散性のモデル材を形成するインクBが同時に又は順番に吐出され、同じ層又は異なる層を形成しながら積層してなる積層体を水に浸漬し、サポート材が水に溶解又は分散することによってモデル材との界面から剥離し、三次元造形物を得る製造方法であって、インクAは光硬化性樹脂組成物から構成され、インクBは熱可塑性樹脂組成物から構成されることを特徴とする三次元造形物の製造方法、
(2)インクAは、インクジェット方式の吐出ヘッドにより液滴状に噴射しながら積層していくことを特徴とする前記(1)に記載の三次元造形物の製造方法、
(3)インクAは、温度0℃〜120℃で吐出され、かつ、25℃におけるインクAの粘度は1〜300mPa・sであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の三次元造形物の製造方法、
(4)インクAは、ディスペンサー方式の吐出ヘッドにより糸状に連続押し出しながら積層していくことを特徴とする前記(1)に記載の三次元造形物の製造方法、
(5)インクAは、温度0℃〜120℃で吐出され、かつ、25℃における粘度は0.01〜1000Pa・sであることを特徴とする前記(1)又は(3)に記載の三次元造形物の製造方法、
(6)インクBは、温度60℃〜400℃で吐出され、かつ、吐出温度におけるメルトフローレート(MFR)値が1〜400(g/10分、荷重2.16kg)であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(7)インクBの吐出温度T1、環境温度T2とサポート材のガラス転移温度T3は、以下の関係を満たすことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
300℃ ≧ T1−T3 ≧ 40℃;
T3 ≧ T2、且つ、T2=0℃〜130℃、T3=10℃〜150℃
(8)インクAの表面張力S1とインクBの表面張力S2は、以下の関係を満たすことを特徴とする戦記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
−5mN/m ≦ S2−S1 ≦ 10mN/m
(9)インクAは、水溶性単量体(a)10.0〜90.0質量%および非反応性化合物(b)10.0〜90.0質量%を含むことを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(10)水溶性単量体(a)は、N−置換(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(11)水溶性単量体(a)は、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビスヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上のモノマーであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(12)非反応性化合物(b)は、分子量100以上、かつ、2,000未満の水酸基を有する化合物(b1)であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(13)非反応性化合物(b)は、アミド系溶剤(b2)(水溶性単量体(a)の重合物を除く)であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(14)非反応性化合物(b)は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上、且つ、分子量が2,000以上の水溶性ポリマー(b3)から選択される1種以上の化合物であることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(15)非反応性化合物(b)は、(b1)、(b2)と(b3)からなら群より選択される1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(16)インクAは、水溶性単量体(a)10.0〜90.0質量%および非反応性化合物(b)10.0〜90.0質量%を含み、非反応性化合物(b)が分子量100以上、かつ、2,000未満の水酸基を有する化合物(b1)0.0〜60.0質量%、アミド系溶剤(b2)0.0〜50.0質量%および水溶性ポリマー(b3)0.0〜70.0質量%を含むことを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法、
(17)前記(1)〜(16)のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法に用いられ、インクAとインクBからなる三次元造形インクセット
を提供するものである。
本発明によれば、材料押出法による熱可塑性樹脂の三次元造形物を造形する際に、水溶性や水分散性が良好な光硬化性樹脂組成物の硬化物を支持体として用いることで、高性能の造形物が得られると同時に、支持体が簡便かつ高速に除去することができる。また造形物(モデル材)の表面張力に応じて、光硬化性樹脂組成物からなるインクは同程度の表面張力を有するように、容易に組成を調整することが可能であり、造形物と支持体(サポート材)が良好な密着性を有することにより、造形の際にモデル材とサポート材の界面剥離が抑制され、高精度の造形物を取得することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の三次元造形物の製造方法は、熱可塑性樹脂からなるインクBを用いて材料押出法によりモデル材が形成され、同時に、光硬化性樹脂からなるインクAを用いて光硬化法によりサポート材が形成され、得られる粗造形物からサポート材を除去することが特徴とする。
サポート材を形成する方法は光硬化法であれば、特に限定するものではないが、インクジェット等の材料噴射方式やディスペーサー等の材料押し出し方式の光造形法は、任意形状のサポート材を作成でき、かつ材料押出法によるモデル材の形成と平行してサポート材を形成できるため好ましい。材料噴射のノズルとしてはディスペンサーノズルやインクジェットノズルを用いることができ、また、材料押し出しのノズルとしてはディスペンサーノズル用いることができる。
本発明に用いられる三次元造形物のモデル材は熱可塑性樹脂からなるインクBを用いて、材料押出法により形成される。樹脂原料の形状は、定量的に造形装置に供給できるであれば、特に限定されず、粉末状、ペレット状、フィラメント状などが挙げられる。また、フィラメント状の樹脂が汎用の熱溶解積層方式の3Dプリンターで使用できるため好ましい。
インクBを構成する熱可塑性樹脂組成物について、形成されるモデル材は、サポート材の除去に用いる水に溶解も分散もしないであれば、特に限定することはない。例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・アクリレート・スチレン樹脂(ASA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)等の汎用樹脂、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエーテルケトン樹脂(PEK)、耐衝撃ポリスチレン(HIPS)等のエンジニアプラスチック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)等のスーパーエンジニアプラスチック、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、二トリルゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CP)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等のゴム状樹脂等が挙げられる。また、これら熱可塑性樹脂は1種を単独で用いても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。熱可塑性樹脂が2種以上を用いる場合、あらかじめ2種以上の樹脂を混合した粉末、ペレットやフィラメントを調製して使用する方法や、2種以上の樹脂をそれぞれに対応した押出ノズルを通じて溶融、積層していく方法や、2種以上の樹脂を1個の押出ノズルに集約し、押出ノズルにて任意の割合に混合して溶融、積層していく方法などが挙げられる。
本発明に用いられるインクBは熱可塑性樹脂組成物から構成され、それを吐出する際のノズル温度T1は60℃〜400℃であることが好ましい。この温度範囲内であれば、インクBを構成する熱可塑性樹脂組成物の物性に合わせて、適度な流動性を出すために吐出温度を適宜に調整することができ、モデル材を高精度に形成することができる。樹脂の成形加工時の流動性は通常メルトフローレート(MFR)値で評価され、インクBの吐出温度におけるMFR値(荷重2.16kg)が1〜400g/10分であれば、造形速度と造形精度のバランスが取りやすく好ましい。また、より好ましくは5〜100g/10分である。
インクBは、加熱されたノズルから溶融状態で吐出され、その後、冷却によって固形化し、モデル材を取得する。急冷却による得られるモデル材の内部に歪み等を生じやすいため、造形の環境温度を適切に制御することが好ましい。ここで、環境温度T2は造形装置に置かれている環境の温度(雰囲気)とモデル材を支持するサポート材の温度である。特に、インクBをサポート材上に直接吐出しながら造形する際に、サポート材を加熱または冷却することが高精度のモデル材を取得できる観点から、好ましい。環境温度T2はインクBの物性と吐出温度に合わせて設定するが、0℃〜130℃の範囲内であれば、低溶融温度の柔らかい樹脂材料からなるインクBを用いても、高溶融温度の強靭性エンジニアリングプラスチックスからなるインクBを用いても、高精度に造形することができ、より好ましい。
インクBは溶融状態でサポート材上に吐出され、固化する際に、サポート材と密着した状態を保ちながら固化することが、良好な造形精度が得られるため、好ましい。即ち、吐出されたインクBによりサポート材の表面が軟化し、密着できることが好ましいため、サポート材のガラス転移温度T3は10℃〜150℃であることが好ましい。また、T1はT3よりも40℃以上高温となることがより好ましい。さらにT1とT3の差が300℃以下であれば、高温に吐出されるインクBによるサポート材の変形が抑制されるため好ましい。即ちT1とT3は、式(300℃>=T1−T3>=40℃)の関係を満たすことが好ましい。T1−T3は100℃以上200℃以下であることが特に好ましい。
サポート材は環境温度T2に加熱又は冷却することが好ましいため、サポート材のガラス転移温度T3がT2と同等またはよりT2より高いことが好ましい。T3がT2よりも高い場合、サポートが軟化せず、サポート材の変形が抑制される。また、T3がT2よりも5℃以上高い場合がより好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法において、モデル材の形成と支持体の形成は同一の3Dプリンターで行っても良く、それぞれを別々の3Dプリンターで行っても良い。同一の3Dプリンターで造形を行う場合には、熱可塑性樹脂の押出ノズルと光硬化性樹脂組成物を吐出するディスペンサーノズルやインクジェットノズルは、同一の造形ヘッドに集約し、同時にまたは交互にモデル材とサポートの造形を行っても良いし、別々の造形ヘッドに搭載し、同時にまたは交互にモデル材とサポートの造形を行っても良い。異なる3Dプリンターで造形を行う場合には、熱可塑性材料のインクBを押出すための3Dプリンターと光硬化型インクAを吐出する3Dプリンター各1台以上を用いて、モデル材とサポートを交互に積層して造形しても良いし、サポート材を部分的又は完全に形成されてからモデル材を形成しても良い。
本発明におけるサポート材の除去は、従来のヘラやブラシ等を用いて手作業で剥離する方法、ウォータージェットで吹き飛ばす方法により勿論可能であるが、水に浸漬し、溶解または分散することにより容易に除去できる。除去に要する時間は24時間以下であることが好ましく、10時間以下であることがより好ましく、1時間以下であれば特に好ましい。24時間以下で除去できれば、一日毎に除去サイクルを繰り返すことができ、効率よく作業することができる。また、本発明において、溶解とは25℃における水に対する溶解度が1(g/100gの水)以上であることを言い、分散とは微粒子の状態で水中に散在していることを言う。
本発明におけるサポート材の除去に用いる水は通常の水道水、純水、イオン交換水等が挙げられる。またサポート材を溶解または分散させ、モデル材が溶解、分散しない限り、アルカリ性水溶液や電解質溶液を用いることも可能であり、有機溶剤を併用することも可能である。アルカリ性水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物の水溶液が挙げられ、電解質溶液としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の電解質の水溶液が挙げられる。有機溶剤としてはアルコール類、ケトン類、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類等が挙げられる。なお、有機溶媒を併用する場合、その含有量は80質量%を超えないものが好ましい。これらの水、アルカリ性水溶液、電解質溶液、有機溶剤は、1種を単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、更に安全性の面から水が特に好ましい。
サポート材の除去温度は0℃〜100℃であることが好ましく、また、10℃〜40℃であることがより好ましい。除去温度が100℃より高い場合、モデル材が熱による変形を起こす可能性がある。一方、0℃より低い場合、サポート材の溶解速度または分散速度が著しく低下し、必要な分散時間が24時間を越える可能性がある。
本発明に用いるサポート材は、光硬化性樹脂組成物からなるインクAを光硬化により形成することができる。インクAの表面張力S1とモデル材を形成するインクBの表面張力S2とは、式(−5mN/m≦S2−S1≦10mN/m)の関係を満たすことが好ましい。S2からS1を引いた値が−5mN/m〜10mN/mであれば、インクAがインクBに対する濡れ性がよく、サポート材とモデル材が密着した状態で形成することが可能であり、モデル材を精度よく形成できるため好ましい。また。S2からS1を引いた値が−3mN/m〜5mN/mであることは、より好ましい。
インクAは水溶性単量体(a)10.0〜90.0質量%および非反応性化合物(b)10.0〜90.0質量%を含むことが好ましい。この範囲内であると、光硬化して得られるサポート材の硬度に優れ、モデル材を精度良く形成することができる。また、サポート材を容易に除去できる点から、水溶性単量体(a)25.0〜70.0質量%および非反応性化合物(b)30.0〜75.0質量%を含有することがより好ましい。
インクAに用いられる水溶性単量体(a)としては、水溶性の(メタ)アクリレート、ビニル基を有するモノマー、アリル基を有するモノマー、マレイミド基を有するモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上の単量体である。これらの水溶性単量体は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いられる水溶性の(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、水溶性のN、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル(メタ)アクリレート塩、N,N−ジアルキルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラフリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルコハク酸等のカルボン酸導入(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシアルキルコハク酸塩等のカルボン酸塩導入(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸等のリン酸基導入(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸塩等のリン酸塩基導入(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの水溶性(メタ)アクリレートは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性のビニル基を有するモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、アクリロニトリル、ビニルオキサゾリン、酢酸ビニル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、トリフルオロ酢酸ビニル、ビニルオキシテトラヒドロピラン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸塩、ビニルホスホン酸塩等が挙げられ、これらの水溶性のビニル基を有するモノマーは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性のアリル基を有するモノマーとしては、N−アリルピロリドン、N−アリルカプロラクタム、N−アリルアセトアミド、アクリロニトリル、アリルオキサゾリン、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、酢酸アリル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、エチルアリルエーテル、トリフルオロ酢酸アリル、アリルオキシテトラヒドロピラン、ヒドロキシエチルアリルエーテル、アリルスルホン酸塩、アリルホスホン酸塩等が挙げられ、これらの水溶性のアリル基を有するモノマーは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性のマレイミド基を有するモノマーとしては、マレイミド基および炭素数1〜6の直鎖、分岐のアルキル基をα位及び/又はβ位に導入したα置換マレイミド基、α,β置換マレイミド基を有するモノマーが挙げられ、N−置換基として炭素数1〜12の直鎖、分岐または環状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、アルキルカルボン酸基、アルコキシシラン基を導入したα−アルキル−N−置換マレイミド、α,β−ジアルキル−N−置換マレイミド、α−フェニル−N−置換マレイミドおよびN−置換テトラヒドロフタルイミド等が挙げられ、これらの水溶性のマレイミド基を有するモノマーは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性のN−置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、炭素数が1〜6のアルキル基を導入したN−アルキル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1〜6のヒドロキシアルキル基を導入したN−ヒロドキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(ヒロドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル−N−(4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1〜6のヒドロキシアルキル基および炭素数1〜6のアルキル基を導入したN−アルキル−N−ヒロドキシアルキル(メタ)アクリルアミド、素数1〜6のジメチルアミノアルキル基を導入したN,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、素数1〜6のジエチルアミノアルキル基を導入したN,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1〜6のアルコキシ基と炭素数1〜6のアルキレン基からなるアルコキシアルキル基を導入したN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(アルコキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1〜6のアルコキシ基と炭素数1〜6のアルキレン基からなるアルコキシアルキル基、炭素数が1〜6のアルキル基を導入したN−アルキル−N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドや、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられ、これらの水溶性のN−置換(メタ)アクリルアミドは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性単量体(a)はアニオン、カチオン又は両方のイオンを有することができる。アニオンとしては、Cl、Br、I等のハロゲンイオン又はOH、CHCOO、NO 、ClO 、PF 、BF 、HSO 、CHSO 、CFSO 、CHSO 、CSO 、(CFSO、SCN等の無機酸アニオン又は有機酸アニオンが挙げられ、また、カチオンとしては、Li、Na、K、Ca2+、Mg2+等の無機カチオン、アンモニウム、イミダゾリウム、コリン、スルホニウム、オキサゾリウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム等の有機カチオンが挙げられる。これらのイオンは1種類を単独で有してもよく、2種類以上を有してもよい。
本発明に用いられる水溶性単量体(a)としては、水への溶解度が大きく、光照射による硬化性が高いため、N−置換(メタ)アクリルアミドを用いることがより好ましい。具体的には、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビスヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミドを用いることが好ましい。また、皮膚刺激性が低く、安全性が高くて取り扱い易いN−アクロイルモルホリン(皮膚一次刺激性インデックスPII=0.5)、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(PII=0.0)が特に好ましい。
本発明におけるN−置換(メタ)アクリルアミドの含有量は、インクA全体に対して10.0〜90.0質量%であることが好ましい。この範囲内であると、光硬化して得られるサポート材の硬度に優れ、モデル材を精度良く形成することができ、またサポート材を容易に除去できる点から好ましく、N−置換(メタ)アクリルアミド25.0〜70.0質量%を含有することがより好ましい。
本発明で用いる非反応性化合物(b)としては、水溶性単量体(a)とは反応せず、且つ相溶でければ、特に限定されることはない。具体的には、水、水溶性の有機溶剤、水溶性または水分散性のオリゴマー、ポリマー等が挙げられる。また、分子量100以上且つ2000未満(低分子量)の水酸基を有する化合物(b1)又はアミド系溶剤(b2)又は水溶性ポリマー(b3)のいずれか1種または2種以上からなることが好ましく、該低分子量の水酸基を有する化合物(b1)と共にアミド系溶剤(b2)および/又は水溶性ポリマー(b3)を更に含有することがより好ましい。
低分子量の水酸基を有する化合物(b1)としては、炭素数4〜10のアルキレングリコール類、炭素数2〜8のアルキレンオキシドの平均付加モル数が2〜45の範囲であるポリアルキレングリコール類、炭素数2〜8のアルキレン基、炭素数1〜4のアルキル基等からなるアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールジアルキルエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、炭素数2〜8のアルキレンオキシドの平均付加モル数が2〜45の範囲であり、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基等からなるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル類、ポリアルキレングリコールジアルケニルエーテル類、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、炭素数10〜22の飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸を導入したソルビタンモノ脂肪族エステル、ソルビタントリ脂肪族エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、炭素数10〜22の飽和脂肪酸およびポリエチレングリコールを導入したポリエチレングリコールソルビタンモノ脂肪族エステル等が挙げられ、これら化合物(b1)は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明における低分子量の水酸基を有する化合物(b1)の含有量は、インクA全体に対して90.0質量%以下であることが好ましく、10.0〜90.0質量%であることがより好ましい。10.0質量%以上であれば、インクAの粘度が低く、インクジェット方式のヘッドにもディスペンサー方式のヘッドにも好適に用いれ、また硬化して得られるサポート材が水性媒体に対して十分な溶解速度、分散速度を有するため好ましい。化合物(b1)の含有量が90.0質量%以下であれば、インクAを硬化して得られるサポート材の耐湿性や硬度に優れ、精度良く造形が行えるため好ましく、10.0〜60.0質量%であることが更に好ましい。
アミド系溶剤(b2)としては、分子内にアミド結合を一つ以上有する有機溶剤が挙げられる。具体的にはN−置換アミド、N,N−二置換アミド、脂肪酸アミド、N−置換脂肪酸アミドとN,N−二置換脂肪酸アミド、N−置換ラクラム類としてN−置換ピロリドン、N−置換ピペリドン、N−置換−ε−カプロラクタム、β−アルコキシ−N−置換プロピオンアミドとβ−アルコキシ−N,N−二置換プロピオンアミド、β−アミノ−N−置換プロピオンアミドとβ−アミノ−N,N−二置換プロピオンアミド等が挙げられ、これら化合物(b1)は1種類を単独で使用してもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いるアミド系溶剤(b2)は、得られるサポート材が洗浄水に対して十分な溶解性、分散性を提供できる観点から、水溶性であることが好ましい。水溶性アミド系溶剤は、具体的には炭素数1〜4のアルキル基を導入したアルキルホルムアミド、炭素数1〜4のアルキル基を導入したジアルキルホルムアミド、炭素数1〜4のアルキル基を導入したアルキルアセトアミド、炭素数1〜4のアルキル基を導入したジアルキルアセトアミド、炭素数1〜4のアルキル基を導入したアルキルプロピオンアミド、炭素数1〜4のアルキル基を導入したジアルキルプロピオンアミド、炭素数1〜4のアルキル基を導入したN−アルキルピロリドン、炭素数1〜4のアルキル基を導入したN−アルキル−ピペリドン、炭素数1〜4のアルキル基を導入したN−アルキル−ε−カプロラクタム、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を導入したβ−アルコキシ−N,N−ジアルキルプロピオンアミド、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を導入したβ−アミノ−N,N−ジアルキルプロピオンアミド等が挙げられる。また、β−アルコキシ−N,N−ジアルキルプロピオンアミドがインクAに配合される水溶性単量体(a)等の他の成分に対する優れる溶解性も有するため、より好ましい。
本発明におけるアミド系溶剤(b2)の含有量は、インクA全体に対して50.0質量%以下であることが好ましい。アミド系溶剤(b2)を含有する場合、インクAの粘度を低く調整できるため、インクジェット方式においてもディスペンサー方式においても適性に優れ、また硬化して得られるサポート材が洗浄水に対して十分な溶解速度、分散速度を有するため好ましい。アミド系溶剤(b2)の含有量は50.0質量%以下であれば、インクAを硬化して得られるサポート材の耐湿性や硬度に優れ、精度良く造形が行えるため好ましく、5.0〜30.0質量%であることがより好ましい。
本発明で用いる水溶性ポリマー(b3)は、不飽和化合物を重合してなるポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性ポリマーであり、不飽和化合物としては水溶性の(メタ)アクリレート、ビニル基を有するモノマー、アリル基を有するモノマー、マレイミド基を有するモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、から選ばれる1種以上の単量体であることが好ましく、前記水溶性単量体(a)に使用可能な単量体であることが好ましい。これらの水溶性単量体は1種類を単独で使用してもよいし、また2種類以上を併用してもよい。また水溶性ポリマー(b3)に用いる不飽和化合物は前記水溶性単量体(a)と同一であっても異なっていても良い。
本発明における水溶性ポリマー(b3)の数平均分子量は、2,000〜50,000であることが好ましい。数平均分子量が2,000以上であれば、インクAを硬化して得られるサポート材の耐湿性や硬度に優れ、精度良く造形が行えるため好ましい。数平均分子量が50,000以下であれば、インクAの粘度が高すぎにならず、その配合量によってインクジェット方式にも適用し、押し出しタイプのディスペンサー方式にも適用され、また硬化して得られるサポート材が水性媒体に対して十分な溶解速度、分散速度を有するため好ましく、更に数平均分子量が3,000〜30,000であることがより好ましい。
本発明における水溶性ポリマー(b3)の含有量は、インクA全体に対して70.0質量%以下であることが好ましい。水溶性ポリマー(b3)を含有する場合、インクAを硬化して得られるサポート材の耐湿性や硬度に優れ、精度良く造形が行えるため好ましい。水溶性ポリマー(b3)の含有量は70.0質量%以下であれば、インクAの粘度が高くでも、押し出しタイプのディスペンサー方式に適用可能の範囲内であり、また硬化して得られるサポート材が水性媒体に対して十分な溶解速度、分散速度を有するため好ましく、更に0.5〜60.0質量%であることがより好ましく、5.0〜55.0質量%であることが最も好ましい。
水溶性ポリマー(b3)は不飽和化合物を重合したポリマーであるが、この際の重合方法としては、特に限定することがなく、不飽和基の重合方法として公知の方法により得ることができる。例えば不飽和化合物をバルク重合、溶液重合、沈殿重合等を活性エネルギー線または熱によるラジカル重合やアニオン重合、カチオン重合等によって行うことができる。
不飽和化合物を重合する際に使用する開始剤は公知の光重合開始剤、熱重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としてはアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、αアミノケトン系、キサントン系、アントラキノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、高分子光重合開始剤系等を用いることができる。熱重合開始剤としてはアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等の通常のものを用いることができる。カチオン重合の開始剤にはプロトン酸やルイス酸等の通常のものを用いることができる。アニオン重合にはアルカリ金属や有機金属化合物等の通常のものを用いることができる。
水溶性ポリマー(b3)は不飽和化合物の重合後に必要に応じて精製したポリマーとして使用することもできる。ポリマーの精製方法としては再沈殿等の公知の方法により行うことができる。
水溶性ポリマー(b3)は不飽和化合物を低分子量の水酸基を有する化合物(b1)やアミド系溶剤(b2)中の溶液重合により得ることもできる。その場合、得られる水溶性ポリマー(b3)溶液に所定量の水溶性単量体(a)、低分子量の水酸基を有する化合物(b1)やアミド系溶剤(b2)を添加して、更に必要に応じて光重合開始剤や各種添加剤を添加、混合し、インクAとして直接使用することも可能である。
本発明の低分子量の水酸基を有する化合物は光硬化より硬化しサポートとなる組成物であるが、この際の光硬化に用いる光とは電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、可視光、電子線、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の活性エネルギー線などを指す。例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ、電子線加速装置、放射性元素などの線源が挙げられる。活性エネルギー線源として電子線を用いた場合は、通常、光重合開始剤を含有する必要はないが、その他の活性エネルギー線源を用いた場合は、光重合開始剤(c)を添加することが好ましい。照射する活性エネルギー線としては、インクAの保存安定性と硬化速度及び有害性の低さから紫外線が好ましい。
本発明で用いる光重合開始剤(c)としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、αアミノケトン系、キサントン系、アントラキノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、高分子光重合開始剤系等の通常のものから適宜選択すればよい。例えば、アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン類としては、ベンゾイン、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−ベンゾイルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、αアミノケトン類としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルフェニル)メチル−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン、キサントン類としては、キサントン、チオキサントン、アントラキノン類としては、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、アシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、高分子光重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパン−1−オンのポリマー等が挙げられ、これら光重合開始剤(c)は1種類を単独で使用してもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いる光重合開始剤(c)の含有量は、インクA全体に対して10.0質量%以下であることが好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。0.5質量%以上である場合には、インクAを光照射により十分に重合反応を起こし、硬化して得られるサポート材(C)中の残存モノマーが少なく、硬化物の硬度も耐湿性も十分に保たれ、サポート性が良好であると共に、非反応性化合物(b)のブリードアウトが抑制できる。また、5質量%以下である場合には、インクAのポットライフが長く、保管中のゲル化等のトラブルの発生を抑制できる。
インクAの光硬化に必要な活性エネルギー線照射量(積算光量)は、特に制限するものではない。インクAに用いられる水溶性単量体(a)および非反応性化合物(b)の種類と添加量によって変動し、積算光量が50mJ/cm以上5000mJ/cm以下であることが好ましい。積算光量が50mJ/cm以上であると、十分な硬化が進行し、硬化物の硬度と耐湿性が良好であり、高精度な三次元造形物を得ることができる。また、積算光量が5000mJ/cm以下であると、光照射時間が短く、サポート材の形成時間が短くなり、結果としてモデル材の生産性向上につながるため、好ましい。
インクAは、上記水溶性単量体(a)、低分量の水酸基を有する化合物(b1)、アミド系溶剤(b2)、水溶性ポリマー(b3)及び光重合開始剤(c)以外に界面活性剤(d)を使用し表面張力S1を調整することができる。
界面活性剤としては、例えばノニルフェノールのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリン酸ポリエチレンオキサイド付加物、ステアリン酸ポリエチレンオキサイド付加物等のアルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等の多価アルコール型非イオン界面活性剤、アセチレン系グリコール化合物型非イオン界面活性剤、アセチレン系ポリアルキレングリコール化合物型非イオン界面活性剤、パーフルオロアルキルポリエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等のフッ素含有界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル、両性の高分子界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は1種類を単独で使用してもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
界面活性剤の添加量としては、インクAの表面張力S1がインクBの表面張力S2に対して、式(−5mN/m≦S2−S1≦10mN/m3)を満たす様に調整することが好ましい。具体的な添加量としてはインクBの表面張力S2と添加する界面活性剤の種類により変化するが、界面活性剤は微量の添加により表面張力を低下させることから、インクAに対して0.0〜3.0質量%であることが好ましい。
本発明に用いられるインクAは、上記水溶性単量体(a)、低分子量の水酸基を含有する化合物(b1)、アミド系溶剤(b2)、水溶性ポリマー(b3)、光重合開始剤(c)及び界面活性剤(d)以外にその他(e)成分として、水や各種添加剤を使用することができる。
添加剤としては、熱重合禁止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線増感剤、防腐剤、リン酸エステル系およびその他の難燃剤、界面活性剤、湿潤分散材、帯電防止剤、着色剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、顔料、有機フィラー、無機フィラー等が挙げられる。これら各種樹脂や添加剤の添加量は、本発明によるインク(A)が発現する特性に悪影響を与えない程度であれば特に限定されず、インク(A)全体に対して5質量%以下であることが好ましい。
熱重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、フェノチアジン、ピロガロール、β−ナフトール等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等のヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、及びヒンダードアミン系の化合物が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性帯電防止剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等のアニオン性帯電防止剤、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のノニオン性帯電防止剤、アルキルベタイン、アルキルイミダソリウムベタイン等の両性の帯電防止剤、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等の重合性帯電防止剤が挙げられる。
本発明に用いられインクAの粘度は、サポート材を形成する際の操作性の面から、材料を噴射するインクジェット方式とディスペンサー方式では25℃において1〜300mPa・sであることが好ましく、材料を噴射するディスペンサー方式では25℃において0.01〜50Pa・sであることが好ましく、材料を押し出しするディスペンサー方式では25℃において1〜1000Pa・sであることが好ましい。インクジェットノズルから吐出する場合、安定吐出を行う観点から、粘度は25℃において1〜200mPa・sであることが好ましく、ディスペンサー方式で吐出する場合には、安定吐出を行う観点から、粘度は25℃において1〜500Pa・sであることがより好ましく、2〜300Pa・sであることが特に好ましい。吐出温度を高く設定するとインクAの粘度が低下し、高粘度の樹脂を吐出できるが、熱による変性や重合が起こりやすくなるため、吐出温度は0℃〜120℃の範囲であることが好ましく、20℃〜80℃の範囲であることがより好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法では、モデル材を形成するインクBにあわせてサポート材を形成するインクAの表面張力を設定可能なため、良好な濡れ性や密着性を実現でき、精度良く三次元造形物を形成でき、さらにサポート材が水性媒体に溶解又は分散可能なため、容易な支持体の除去が可能となっている。
本発明の三次元造形物の製造方法は、光造形の過程が必要となっているが、通常の光造形によって造形物を作成する製造方法に比べ、光造形はサポート材の形成のみに使用されるため、光照射量が通常に光造形と比較してより低露光量でも可能である。これは通常の光造形においては造形速度を向上させるため、造形物形成に必要な最低限の露光量の光照射しか行われない場合があり、形状は保てるものの、造形終了後に十分な硬化が進行していない場合があり、造形後のポストキュアが必要になることがあるが、本発明の三次元造形物の製造方法においては、光造形により形成されるのはサポート材であり、モデル材は材料押出によって形成される。そのため、形状を保てる必要最低限の光照射ができれば、サポート材の形成には十分であり、また造形終了後にはサポート材は除去するため、造形後のポストキュアを必要せず、また造形時に必要な光照射も最低限の露光量ですむため、造形速度を向上させることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法は、支持体を光造形により形成しており、材料押出法、特に熱溶解積層方式で形成した支持体と比較して、造形後の樹脂の冷却による歪みの発生がないため、支持体の造形精度が良く、高精度な三次元造形物を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」及び「%」は特記しない限りすべて質量基準である。
インク(A−1)〜(A−16)の製造
実施例1
N−アクリロイルモルフォリン(a−1)60.0質量部、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PEG平均分子量400、新中村化学社製NKエステルAM90G)(a−2)25.0質量部、数平均分子量400のプロピレングリコール(ユニオールD400、日油株式会社製)(b1−1)10.0質量部、Omnirad 184(c−1)4.0質量部、Omnirad TPO(c−2)1.0質量部をそれぞれ容器に仕込み、25℃で1時間攪拌することにより、均一透明な実施例1のインク(A−1)を得た。
実施例2〜16
表1に示す組成で、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例2〜16に相当するインク(A−2)〜(A−16)を得た。
(1)粘度測定
コーンプレート型粘度計(装置名:RE550型粘度計 東機産業株式会社製)を使用し、JIS K5600−2−3に準じて、25℃にて、各実施例で得られたインク(A−1)〜(A−16)の粘度を測定した。
(2)表面張力測定
全自動表面張力計(装置名:CBVP−Z 協和界面科学株式会社製)を使用し、白金プレート法を用いて、25℃にて、各実施例で得られた光硬化性樹脂組成物インク(A−1)〜(A−16)の表面張力を測定した。
(3)サポート材(C)のガラス転移温度(T3)測定
水平に設置したガラス板上に厚さ75μmの重剥離PETフィルム(東洋紡株式会社製、ポリエステルフィルムE7001)を密着させ、厚さ1mm、内部が10mm×10mmのスペーサーを設置し、スペーサーの内側に各実施例で得られたインク(A)を充填した後、更にその上に厚さ50μmの軽剥離PETフィルム(東洋紡株式会社製、ポリエステルフィルムE7002)を重ね、紫外線を照射(装置:アイグラフィックス製、インバーター式コンベア装置ECS−4011GX、メタルハライドランプ:アイグラフィックス製M04−L41、紫外線照度300mW/cm、積算光量1,000mJ/cm)し、インク(A)を硬化させ、1mm厚のサポート材(C)を形成した。サポート材(C)から各10mgのサンプルを切り出し、アルミパンに精秤して封入し、示差走査熱量計(DSC−60Plus:島津製作所社製)を用い、30℃から200℃まで10℃/minで昇温させた後、急速に−30℃まで冷却した。再び10℃/minで200℃まで昇温させて得られたDSC曲線より、ガラス転移温度T3(℃)を求めた。
表1中の略号の説明
(a):水溶性単量体
a−1:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社の登録商標「ACMO」と「Kohshylmer」)
a−2:メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PEG平均分子量400)(NKエステル AM90G、新中村化学株式会社製)
a−3:N−ビニルピロリドン
a−4:N−エチルマレイミド
a−5:ダイアセトンアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「Kohshylmer」)
a−6:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「HEAA」と「Kohshylmer」)
a−7:アクリル酸2−アミノエタノール塩
a−8:N,N−ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DMAA」と「Kohshylmer」)
a−9:N-イソプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「NIPAM」と「Kohshylmer」)
a−10:N,N,N−トリメチルアンモニウムプロピルアクリルアミド p−トルエンスルホン酸塩(KJケミカルズ株式会社の登録商標「Kohshylmer」)
(b):非反応性化合物
(b1):分子量100以上、かつ、2,000未満の水酸基を有する化合物
b1−1:ユニオールD400(日油株式会社製、数平均分子量400のポリプロピレングリコール)
b1−2:トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(分子量206.3)
b1−3:数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール(PTMG1000、三菱ケミカル株式会社製)
b1−4:ユニオールD1000(日油株式会社製、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール)
b1−5:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量120.2)
b1−6:ノニオンLP−20R(日油株式会社製、ソルビタンモノラウレート、分子量346.2)
b1−7:1,8−オクタンジオール(分子量146.2)
b1−8:トリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量164.2)
b1−9:数平均分子量200のポリエチレングリコール
b1−10:ノニオンE−205(日油株式会社製、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、数平均分子量分子量471)
b1−11:オクタンジオール(KHネオケム株式会社製、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、分子量146.2)
b1−12:ノニオンS−215(日油株式会社製、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、数平均分子量904)
(b2):アミド系溶剤
b2−1:β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「KJCBPA」)
b2−2:β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「KJCMPA」)
(b3):水溶性ポリマー
b3−1:ジメチルアクリルアミドのホモポリマー、Tg119℃、数平均分子量は5,000である。
b3−2:N,N−ジメチルアクリルアミドとヒドロキシエチルメタクリレートのコポリマー(4:1モル比)、Tg101℃、数平均分子量は5,000である。
b3−3:ヒドロキシエチルメタクリレートとヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー(3:2モル比)、Tg21℃、数平均分子量は12,000である。
b3−4:N-イソプロピルアクリルアミドのホモポリマー、Tg134℃、数平均分子量は12,000である。
b3−5:ジメチルアクリルアミドのホモポリマー、Tg119℃、数平均分子量は16,000である。
b3−6:アクリロイルモルフォリンのホモポリマー、Tg140℃、数平均分子量は2,200である。
b3−7:アクリロイルモルフォリンのホモポリマー、Tg145℃、数平均分子量は15,000である。
(c):光開始剤
c−1:Omnirad 184(1−ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、IGM Resins B.V.製)
c−2:Omnirad TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、IGM Resins B.V.製)
c−3:Omnirad 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、IGM Resins B.V.製)
(d):界面活性剤
d−1:TEGO−Rad2100(ポリジメチルシロキサン構造を有するシリコンアクリレート、エボニック デグサ製)
d−2:BYK−UV3500(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミージャパン株式会社製]
d−3:TSF4440(ポリエーテル変性シリコーンオイル、モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社)
d−4:BYK−UV3530(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビックケミージャパン株式会社製]
(e):その他
e−1:イオン交換水
e−2:(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)ラジカル
水溶性ポリマー(b3)の数平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製のLC−10Aを用いて、カラムはShodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)、溶離液としてテトラヒドロフランを使用した。)により測定し、標準ポリスチレン分子量換算により算出した。
実施例17
エアパルス式ディスペンサー(ノズル径0.5mm)を用いてノズル温度25℃にてインク(A−1)を吐出し、ガラス基板上に10mm/秒の速度で線を描画しながら、UVLED照射装置より紫外線(365nm、紫外線照度300mW/cm)を照射させ、厚み0.2mm、幅1mm、長さ30mmの線状の硬化物を得た。該線状の硬化物の長さ方向に沿って、密着させながら同様にインク(A−1)を吐出し、線を描画しなら硬化させた。この作業を30回繰り返し行うことにより、厚み0.2mm、縦30mm、横30mmの硬化膜を得た。該硬化膜上に同様にインク(A−1)の吐出、硬化を繰り返し行い、厚み1mm、縦30mm、横30mmの積層膜を形成し、サポート材(C−1)とした。次に、ガラス基板とサポート材(C−1)を共に熱溶解積層法3Dプリンターの造形テーブル上に固定し、インク(B−1)(polylite ABS(ポリメーカー社製 フィラメント経1.75mm)を用いて、ノズル温度T1を250℃、環境温度T2(造形テーブルの温度および造形エリアの温度)を25℃に設定し、ノズル径0.4mm、積層ピッチ0.2mm、造形速度20mm/秒にてサポート材(C−1)上に吐出による造形を行い、モデル材(D−1)(縦20mm×横20mm×厚み20mm)を成形し、サポート材とモデル材からなる実施例17の粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を以下の方法で実施した。結果を表3に示す。
実施例18〜24
表2に示す条件にてインク(A)とインク(B)を用いて、実施例17と同様に造形を行い、サポート材(C)とモデル材(D)からなる実施例18〜24に相当する粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を実施し、結果を表3に示す。
実施例25〜29
インク(A−7)〜(A−10)を用いて、WO2016−121587号報の記載と同様にしてサポート材(C−7)〜(C−10)(縦30mm×横30mm×厚み1mm)を形成した。得られたサポート材の上に、表2に示す条件にてインク(B)を用い、実施例17と同様に熱溶解積層法3Dプリンターにより各種のモデル材(D)を造形し、実施例25〜29の粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を実施し、結果を表3に示す。
比較例1
熱溶解積層法3Dプリンターにてインク(B−9)(Ultimaker PVA(Ultimaker社製、ポリビニルアルコール)を用いて、ノズル温度を190℃、環境温度(造形テーブルの温度および造形エリア)を80℃に設定し、ノズル径0.4mm、積層ピッチ0.2mm、造形速度20mm/秒にて縦30mm×横30mm×厚み1mmのサポート材(E−1)となる造形物を形成した。サポート材(E−1)上に、表2に示す条件にて実施例1と同様に熱溶解積層法3Dプリンターにてインク(B−5)(polyMAX−PLA(ポリメーカー社製、ポリ乳酸樹脂)を用いて、モデル材(F−1)(縦20mm×横20mm×厚み20mm)を形成し、サポート材とモデル材からなる比較例1の粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を実施し、結果を表3に示す。
比較例2
サポート材を形成するインクとして(B−10)を用いて、モデル材を形成するインクとして(B−1)を用いて、表2に示す条件にて比較例1と同様に三次元造形を行い、比較例2に相当する粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を実施し、結果を表3に示す。
インクBに用いる熱可塑性樹脂
B−1:polylite ABS(ポリメーカー社製、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、表面張力S2=35mN/m)
B−2:3D−Magic(ナノダックス社製、ポリプロピレン樹脂、表面張力S2=29mN/m)
B−3:Nylon680(Taulama3D社製、ポリアミド樹脂、表面張力S2=46mN/m)
B−4:FABRIAL−R(JSR株式会社製、ポリブタジエン樹脂、表面張力S2=32mN/m)
B−5:polyMAX−PLA(ポリメーカー社製、ポリ乳酸樹脂、表面張力S2=40mN/m)
B−6:PolyFlex TPU95(ポリメーカー社製、熱可塑性ポリウレタン樹脂、表面張力S2=31mN/m)
B−7:polyMAX−PC(ポリメーカー社製、ポリカーボネート樹脂、表面張力S2=42mN/m)
B−8:HPフィラメント®(PEEKタイプ) (ホッティーポリマー株式会社製、ポリエーテルエーテルケトン、表面張力 S2=40mN/m)
B−9:Ultimaker PVA(Ultimaker社製、ポリビニルアルコール、表面張力S2=37mN/m)
B−10:MELFIL(日本合成化学社製、ポリビニルアルコール、表面張力S2=37mN/m)
モデル材に用いる光硬化性樹脂(G−1)
イソボルニルアクリレート46.6質量部、ヘキサンジオールジアクリレート20.0質量部、CN991(ウレタンアクリレートオリゴマー、アルケマ社製)25.0質量部、Omnirad TPO 8.0質量部、TEGO−Rad2100 0.1質量部、(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)ラジカル0.3質量部をそれぞれ容器に仕込み、25℃で1時間攪拌することにより、特開2017−031249号公報の実施例M1に相当する均一透明な光硬化性樹脂(G−1)を得た。該光硬化性樹脂(G−1)は比較例3においてモデル材の形成に使用される。
モデル材に用いる光硬化性樹脂(G−2)
フェノキシエチルアクリレート46.6質量部、ヘキサンジオールジアクリレート20.0質量部、CN991(ウレタンアクリレートオリゴマー、アルケマ社製)25.0質量部、Omnirad TPO 8.0質量部、TEGO−Rad2100 0.1質量部、(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)ラジカル0.3質量部をそれぞれ容器に仕込み、25℃で1時間攪拌することにより、特開2017−031249号公報の実施例M5に相当する均一透明な光硬化性樹脂(G−2)を得た。該光硬化性樹脂(G−2)は比較例4においてモデル材の形成に使用される。
比較例3
エアパルス式ディスペンサー(ノズル径0.5mm)を用いて、25℃にてインク(A−9)を用いて実施例17と同様にして造形を行い、膜厚1.0mm、幅30mm、長さ30mmのサポート材(E−3)を得た。次にエアパルス式ディスペンサー(ノズル径0.5mm)を用いて25℃にて、サポート材(E−3)上に光硬化性樹脂(G−1)を吐出し、10mm/秒の速度で線を描画しながら、UVLED照射装置より紫外線(365nm、紫外線照度300mW/cm)を照射させ、厚み0.2mm、線幅1mm、長さ20mmの線状の硬化物を得た。該線状の硬化物の長さ方向に沿って、密着させながら同様に光硬化性樹脂(G−1)を吐出し、線を描画しなら硬化させた。この作業を繰り返し行うことにより、厚み20mm、縦20mm、横20mmの硬化膜をモデルとして形成し、サポート材とモデル材からなる比較例3の粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を実施し、結果を表3に示す。
比較例4
サポート材を形成するインクとして(A−9)を用いて、モデル材を形成するインクとして光硬化性樹脂(G−2)を用いて、表2に示す条件により比較例3と同様の操作を行い、粗造形物を得た。粗造形物を用いた各種評価を実施し、結果を表3に示す。
(4)MFR
インクBのメルトフローレート(MFR)値は、ノズル温度T1において、荷重2.16kgおける値として、ISO1133に準拠して測定した。結果を表2に示す。
(5)密着性
実施例で得られたサポート材(C)と比較例で得られたサポート(E)の上に熱溶解積層法3Dプリンターにて実施例のモデル材(D)と比較例のモデル材(F)を成形する際に、モデル材が造形中サポート材からに剥離せずに造形が成功するかどうかにて評価した。
◎:造形中にサポート材とモデル材が剥離せず、サポート材上へのモデル材造形の成功率が90%以上である(10回の造形に中に9回以上が成功した)。
○:造形中にサポート材とモデル材が剥離することがあり、サポート材上へのモデル材造形の成功率が50%以上、かつ、80%以下である。
△:造形中にサポート材とモデル材が剥離することが頻繁にあり、サポート材上へのモデル材造形の成功率が40%以下である。
×:サポート材からモデル材が容易に剥離し、サポート材上へのモデル材の造形ができない。
(6)造形精度
実施例で得られたサポート材(C)と比較例で得られたサポート(E)の上に熱溶解積層法3Dプリンターにて実施例のモデル材(D)と比較例のモデル材(F)を成形した後、サポート材を除去し、得られた三次元造型物(製品)の造形精度を下記方法により評価した。
◎:三次元造型物の厚みの誤差が、2cm厚の積層に対して、0.4mm以下
○:三次元造型物の厚みの誤差が、2cm厚の積層に対して、0.4mmより大きく、0.8mm以下
△:三次元造型物の厚みの誤差が、2cm厚の積層に対して、0.8mmより大きく、2.0mm以下
×:三次元造型物の厚みの誤差が、2cm厚の積層に対して、2.0mmより大きい
(7)除去性
各実施例17〜35、比較例1〜4にて得られた粗造形物を25℃のイオン交換水に浸漬し、サポート材を除去して得らえた三次元造型物の状態を確認し、サポート材の除去性を下記方法により評価した。
◎:サポート材がすべて除去(モデル材との接触部にザラツキ、油状のべた付き等も無い状態)
○:サポート材はほぼ除去(モデル材との接触部にザラツキ、油状のべた付き等がわずかにあるが、水流で残留物の除去可能な状態)
△:サポート材がイオン交換水により膨潤した樹脂がモデル材との接触部に残留しており、へら等による物理的な除去が必要な状態
×:サポート材が除去されていない状態
(8)除去時間
サポート材の除去性において、サポート材が水に溶解もしくは分散し、除去されるまでの時間を確認し、下記方法により評価した。
◎:サポート材が1時間未満の間に除去された。
○:サポート材が1時間〜10時間未満の間に除去された。
△:サポート材が10〜24時間未満の間に除去された。
×:サポート材が24時間までに除去されなかった。
(9)耐熱性
実施例36〜54と比較例5〜8で得られた三次元造型物(H)および(I)から各10mgのサンプルを切り出し、アルミパンに精秤して封入し、示差走査熱量計(DSC−60Plus:島津製作所社製)を用い、30℃から200℃まで10℃/minで昇温させた後、急速に−30℃まで冷却した。再び10℃/minで200℃まで昇温させて得られたDSC曲線より、ガラス転移温度(Tg)を求め、造形物の耐熱性を下記方法により評価した。
◎:100℃≦Tg
○:75℃≦Tg<100℃
△:50℃≦Tg<75℃
×:Tg<50℃
(10)耐衝撃性
実施例36〜54と比較例5〜8で得られた三次元造型物(H)および(I)を用いて、JIS K−7110(Izotノッチ有)に準じてアイゾット衝撃強度を測定し、下記方法により評価した。なお、株式会社安田精機製作所製のアイゾット・シャルピー衝撃試験機「型式No.195−R」を使用した。
◎:200J/m≦(Izotノッチ有)
○:100J/m≦(Izotノッチ有) <200J/m
△:50J/m≦(Izotノッチ有) <100J/m
×:(Izotノッチ有)<50J/m
表1と表2の結果から明らかなように、実施例1〜16のインク(A)は、25℃において1mPa・sから1000Pa・sの粘度を有し、インクジェット方式やディスペンサー方式での造形が可能であり、実施例1、2、4、5、7〜10は粘度100mPa・s以下インクであり、インクジェット方式のノズルから安定的に吐出することが可能であり、インクジェットインクとして好適に用いることができる。実施例17〜35においてモデル材を形成するインク(B)の表面張力S2とサポート材を形成するインク(A)の表面張力S1との差(S2−S1)が−5mN/mから10mN/mの範囲内に調整されたことにより、サポート材とモデル材の表面張力が近く、良好な密着性を示した。その結果、造形中のサポート材とモデル材の界面剥離等のトラブルがなく、高精度な造形物が取得することができた。また、いずれの実施例においても、サポート材の除去性が良好であって、所用の除去時間が短かった。さらに、熱可塑性樹脂からなるインク(B)を用いることにより、耐熱性と耐衝撃性が良好で日用品として用いられるモデル材を得ることができた。
一方、比較例において、比較例1と2では、サポート材として水溶性の熱可塑性樹脂ポリビニルアルコール(PVA)を使用し、水に浸漬することにより除去される可能性があるが、残渣が多く、除去に必要な時間が長く、造形作業の効率が悪かった。また、モデル材用インクとサポート材用インクの表面張力の差がそれほど大きくなかったが、PVA樹脂の吸湿性が高く、造形中にモデル材との密着性低下が発生し、造形精度の低下が見られた。比較例3と4では、モデル材もサポート材も光硬化法により形成され、それらの原料である光硬化性樹脂(F)やインク(A)は、表面張力の差(S2−S1)を小さく調整することが容易であるが、光硬化性樹脂から形成された造形物が十分な耐熱性と耐衝撃性を有せず、日用品として実用されることが極めて困難であった。
以上説明してきたように、本発明に用いられるサポート材は光硬化性樹脂組成物を光硬化することにより得られ、材料噴射方式のインクジェットヘッドもディスペンサーヘッドも用いることができ、また、材料押し出し方式のディスペンサーヘッドを用いることができる。本発明に用いられるモデル材は熱溶解積層法3Dプリンターにより形成される。サポート材はモデル材を形成する際に良好な支持性を示し、高精度のモデル材を形成することができる。また、造形後は、水への浸漬によりサポート材が溶解または分散することで容易に且つ迅速に粗造形物から除去することができる。さらに、サポート材とモデル材の密着性に優れるため、造形精度が高く、サポート材の除去性に優れ、水である洗浄液の安全性が高く、三次元造形の生産性向上が期待でき、工業的に好適に用いることができる。

Claims (17)

  1. 水溶性または水分散性のサポート材を形成するインクAと非水溶性または非水分散性のモデル材を形成するインクBが同時に又は順番に吐出され、同じ層又は異なる層を形成しながら積層してなる積層体を水に浸漬し、サポート材が水に溶解又は分散することによってモデル材との界面から剥離し、三次元造形物を得る製造方法であって、インクAは光硬化性樹脂組成物から構成され、インクBは熱可塑性樹脂組成物から構成されることを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. インクAは、インクジェット方式の吐出ヘッドにより液滴状に噴射しながら積層していくことを特徴とする請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. インクAは、温度0℃〜120℃で吐出され、かつ、25℃におけるインクAの粘度は1〜300mPa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. インクAは、ディスペンサー方式の吐出ヘッドにより糸状に連続押し出しながら積層していくことを特徴とする請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. インクAは、温度0℃〜120℃で吐出され、かつ、25℃における粘度は0.01〜1000Pa・sであることを特徴とする請求項1又は3に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. インクBは、温度60℃〜400℃で吐出され、かつ、吐出温度におけるメルトフローレート(MFR)値が1〜400(g/10分、荷重2.16kg)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. インクBの吐出温度T1、環境温度T2とサポート材のガラス転移温度T3は、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
    300℃ ≧ T1−T3 ≧ 40℃;
    T3 ≧ T2、且つ、T2=0℃〜130℃、T3=10℃〜150℃
  8. インクAの表面張力S1とインクBの表面張力S2は、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
    −5mN/m ≦ S2−S1 ≦ 10mN/m
  9. インクAは、水溶性単量体(a)10.0〜90.0質量%および非反応性化合物(b)10.0〜90.0質量%を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 水溶性単量体(a)は、N−置換(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  11. 水溶性単量体(a)は、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビスヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上のモノマーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  12. 非反応性化合物(b)は、分子量100以上、かつ2,000未満の水酸基を有する化合物(b1)であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  13. 非反応性化合物(b)は、アミド系溶剤(b2)(水溶性単量体(a)の重合物を除く)であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  14. 非反応性化合物(b)は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上、且つ、分子量が2,000以上の水溶性ポリマー(b3)から選択される1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  15. 非反応性化合物(b)は、(b1)、(b2)と(b3)からなら群より選択される1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  16. インクAは、水溶性単量体(a)10.0〜90.0質量%および非反応性化合物(b)10.0〜90.0質量%を含み、非反応性化合物(b)が分子量100以上、かつ、2,000以下の水酸基を有する化合物(b1)0.0〜60.0質量%、アミド系溶剤(b2)0.0〜50.0質量%および水溶性ポリマー(b3)0.0〜70.0質量%を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法に用いられ、インクAとインクBからなる三次元造形インクセット。
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