JP2020104386A - 形状転写用シート及び形状転写用シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着シートの製造に用いられる形状転写用シートを従来よりも簡素な方法で製造可能とすることにより、形状転写用シートの製造工程数及び生産コストの増大を防止する。【解決手段】形状転写用シートは、表面形状が対象物の表面に転写される形状転写用シートであって、第1フィルム部材と、第1フィルム部材に重ねて配置され、第1フィルム部材よりも熱収縮率が大きく、第1フィルム部材とは反対側の面に複数の溝部が形成された第2フィルム部材と、第2フィルム部材の第1フィルム部材とは反対側に重ねて配置され、第2フィルム部材とは反対側の転写面に第2フィルム部材の溝部に沿って窪んだ複数の溝部が形成された転写部材とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、形状転写用シート及び形状転写用シートの製造方法に関する。
シート状の基材と、当該基材の一方の面に配置されて対象面に貼着される粘着部材とを備える粘着シートが知られている。粘着部材の表面には、例えば、粘着シートと対象面との間にエアが混入するのを防止しながら粘着シートを対象面に密着して配置できるように、粘着シートの貼着時に対象面との間に存在するエアを抜く複数の微細なエア抜き用流路が形成される場合がある。
粘着部材は、例えば特許文献1に開示されるように、表面に凹凸が形成された形状転写用シートの表面に粘着成分を含む材料を貼着して硬化させることにより、前記材料に形状転写用シートの表面形状を転写することで製造される。形状転写用シートは、最終的には粘着部材から剥離される。
特開2011−769号公報
形状転写用シートは、例えば、加熱した熱可塑性樹脂シートを、エンボスロール等のエンボス成形体を用いてプレス加工することにより製造される。このため、製造時にはプレス加工が必須であり、形状転写用シートの製造工程数が増大する。また、エンボス成形体を準備する必要があるため、形状転写用シートの生産コストが増大する。
そこで本発明は、粘着シートの製造に用いられる形状転写用シートを従来よりも簡素な方法で製造可能とすることにより、形状転写用シートの製造工程数及び生産コストの増大を防止することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る形状転写用シートは、表面形状が対象物の表面に転写される形状転写用シートであって、第1フィルム部材と、前記第1フィルム部材に重ねて配置され、前記第1フィルム部材よりも熱収縮率が大きく、前記第1フィルム部材とは反対側の面に複数の溝部が形成された第2フィルム部材と、前記第2フィルム部材の前記第1フィルム部材とは反対側に重ねて配置され、前記第1フィルム部材よりも熱収縮率が大きく、前記第2フィルム部材とは反対側の転写面に前記第2フィルム部材の前記溝部に沿って窪んだ複数の溝部が形成された転写部材とを備える。
上記構成では、第2フィルム部材が、第1フィルム部材よりも熱収縮率が大きくなっている。このため、例えば、第1フィルム部材に第2フィルム部材の材料を重ねて配置した状態でこれらを一体的に加熱することで、第1フィルム部材を平坦に保ったまま前記材料だけを熱収縮させて、前記材料から第2フィルム部材を形成する共に第2フィルム部材の第1フィルム部材とは反対側の面に複数の溝部を形成できる。これにより、転写部材を第2フィルム部材の溝部に沿って窪ませることができ、転写部材に複数の溝部を効率よく形成できる。
よって、形状転写用シートを製造する際にエンボス成形体を用いて材料をプレス加工する必要がなく、形状転写用シートの製造工程数が増大するのを防止できる。また、エンボス成形体やプレス加工設備を省略することで製造設備を簡素化できるため、形状転写用シートの生産コストが増大するのを防止できる。
また、本発明の一態様に係る形状転写用シートの製造方法は、表面形状が対象物の表面に転写される形状転写用シートの製造方法であって、第1フィルム層の一方の面に、前記第1フィルム層よりも熱収縮率が大きい第2フィルム層を重ね、前記第2フィルム層の前記第1フィルム層とは反対側の面に、転写層を重ねることで積層体を形成する積層工程と、前記第2フィルム層を熱収縮させるように前記積層体を加熱することによって、前記第2フィルム層の前記第1フィルム層とは反対側の面に複数の溝部を形成し、前記転写層の前記第2フィルム層とは反対側の転写面に前記第2フィルム層の前記溝部に沿って窪んだ複数の溝部を形成する加熱工程とを有する。
上記方法では、第2フィルム層が、第1フィルム層よりも熱収縮率が大きくなっている。このため加熱工程において、第1フィルム層、第2フィルム層、及び転写層を一体的に加熱することで、第1フィルム層を平坦に保ったまま第2フィルム層を熱収縮させて、第2フィルム層の第1フィルム層とは反対側の面に複数の溝部を効率よく形成できる。これにより形成された第2フィルム層を用い、転写層に複数の溝部を効率よく形成できる。
よって、形状転写用シートを製造する際にエンボス成形体を用いて材料をプレス加工する必要がなく、形状転写用シートの製造工程数が増大するのを防止できる。また、エンボス成形体やプレス加工設備を省略することで製造設備を簡素化できるため、形状転写用シートの生産コストが増大するのを防止できる。
本発明によれば、粘着シートの製造に用いられる形状転写用シートを従来よりも簡素な方法で製造できるので、形状転写用シートの製造工程数及び生産コストの増大を防止できる。
実施形態に係る形状転写用シートの断面図である。 図1の形状転写用シートの正面写真である。 (a)は、積層工程における積層体の断面図である。(b)は、加熱工程における積層体の断面図である。 図1の形状転写用シートを製造する形状転写用シート製造装置の全体図である。 形状転写用シートから粘着シートを剥離するときの形状転写用シートと粘着シートとの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、各図を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る形状転写用シート1の断面図である。図2は、図1の形状転写用シート1の正面写真である。図2は、光学顕微鏡による拡大写真である。形状転写用シート1は、表面形状が対象物の表面に転写される。本実施形態の形状転写用シート1は、粘着シート15の粘着部材5(図5参照)の元となる粘着層の表面に凹凸形状を転写するためのシートである。
図1及び2に示すように、形状転写用シート1は、第1フィルム部材2と、第2フィルム部材3と、転写部材4とを備える。第1フィルム部材2は、第2フィルム部材3を支持する。第2フィルム部材3は、第1フィルム部材2に重ねて配置されている。第2フィルム部材3の第1フィルム部材2とは反対側の面には、複数の溝部3aが形成されている。本実施形態では、第2フィルム部材3の複数の溝部3aは、第2フィルム部材の熱収縮部である。
転写部材4は、第2フィルム部材3の第1フィルム部材2とは反対側に重ねて配置され、対象物(ここでは粘着シート15)から剥離可能に対象物の表面に貼着される。転写部材4の第2フィルム部材3とは反対側の転写面には、第2フィルム部材3の溝部3aに沿って窪んだ複数の溝部4aが形成されている。
溝部4aは、溝部3aと対応する形状を有する。即ち、複数の溝部3a及び複数の溝部4aは、平面視において、複数の方向に延びるように形成されている。本実施形態では、溝部3a及び溝部4aは、各々の長手方向がランダム(不規則)に配置されている。溝部4aは、隣接する別の溝部4aと連通している。言い換えると、平面視において、溝部3a及び溝部4aは、皺状に形成されている。
溝部3a及び溝部4aは、光学顕微鏡等により確認可能である。また例えば、第2フィルム部材3の表面を観察した際、溝部3aの長手方向がランダムに配置されていることを確認することにより、溝部3aが熱収縮により形成されていることを特定できる。
第1フィルム部材2と第2フィルム部材3の熱収縮率は、互いに異なっている。第2フィルム部材3は、第1フィルム部材2よりも熱収縮率が大きい。これにより、第2フィルム部材3は、第1フィルム部材2よりも熱収縮し易くなっている。
第1フィルム部材2と第2フィルム部材3との熱収縮率の差は、適宜設定可能であるが、例えば、第2フィルム部材3の熱収縮率は、第1フィルム部材2の熱収縮率よりも大きいことが必要である。
ここでは、第1フィルム部材の熱収縮率をL1、前記第2フィルム部材の熱収縮率をL2とした場合、熱収縮率差L2/L1が、1.8以上8.0以下の範囲の値に設定されている。熱収縮率L1,L2の値は、JIS−C2151,JIS−K7133に準拠して測定し、150℃で30分間加熱処理したときの値とする。
また、上記測定条件での第1フィルム部材2の熱収縮率L1は、0.1以上0.8%以下の値に設定されている。また、上記測定条件での第2フィルム部材3の熱収縮率は、1.0%以上6.0%以下の範囲の値に設定されている。第1フィルム部材2の熱収縮率L1は小さいほど好ましく、熱収縮率差L2/L1は、大きいほど好ましい。
これにより、第2フィルム部材3は、第1フィルム部材2が熱収縮する温度域よりも低い温度域において、第1フィルム部材2とは反対側の面が熱収縮するように構成されている。なお、第2フィルム部材3の第1フィルム部材2側の面は、第1フィルム部材2の面に付着しているため、このような熱収縮が抑制されており、平坦に保持されている。
本実施形態の第1フィルム部材2及び第2フィルム部材3は、樹脂材料からなる。一例として、第1フィルム部材2は、耐熱性の比較的高い材料、例えば、汎用エンプラ樹脂材料からなる。このような材料としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアセタール、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を挙げることができる。耐熱性が比較的高い材料の基材10製造時の加温条件にて前処理したものを基準とし、180℃で30分間加熱処理したときの熱収縮率の値は、例えば0.1%以上0.8%以下の範囲の値である。本実施形態の第1フィルム部材2は、PETからなる。
第2フィルム部材3は、耐熱性の比較的低い材料、例えば、汎用プラスチック材料からなる。この耐熱性が比較的低い材料の基材10製造時の加温条件にて前処理したものを基準とし、180℃で30分間加熱処理したときの熱収縮率の値は、例えば1.0%以上6.0%以下の範囲の値である。このような材料としては、PP(ポリプロプレン)、PE(ポリエチレン)等を挙げることができる。本実施形態の第2フィルム部材3は、PEからなる。
本実施形態の第1フィルム部材2と第2フィルム部材3とは、プラスチックフィルムであり、互いにラミネートされている。一例として形状転写用シート1は、PET及びPEからなるラミネートシートである。製造容易性及びコストパフォーマンス等の観点から、形状転写用シート1は、第1フィルム部材2としてPETフィルムを用い、第2フィルム部材3としてPEフィルムを用いるのが望ましい。
このように形状転写用シート1は、例えば、熱収縮性の異なる2種類のプラスチックフィルムを貼り合わせることで構成される。また例えば、熱収縮性の異なる同一素材のフィルム(例えばPETフィルム)同士を貼り合わせることで構成されてもよい。転写部材4の表面に形成される溝部4aを深くしてエア抜き性を高めるためには、例えば、第1フィルム部材2と第2フィルム部材3との熱収縮性の差が大きいものを組み合わせるのがよい。
なお、本書において「熱収縮性が小さい」とは、「耐熱性が大きい」と言い換えることができ、「熱収縮性が大きい」とは、「耐熱性が小さい」と言い換えることができる。この場合、第1フィルム部材2は、耐熱性が比較的大きく、第2フィルム部材3は、耐熱性が比較的小さいと言い換えることができる。即ち形状転写用シート1は、例えば、耐熱性の異なる2種類のフィルム部材を貼り合わせることで構成される。
形状転写用シート1は、第1フィルム部材2及び第2フィルム部材3以外のフィルム部材を含んでいてもよい。第1フィルム部材2及び第2フィルム部材3の各厚み寸法は、個別に適宜設定可能である。
本実施形態では、第2フィルム部材3の溝形成を容易にするため、第2フィルム部材3の厚み寸法が、第1フィルム部材2の厚み寸法よりも小さいことが望ましい。第2フィルム部材3の厚み寸法は、例えば、第1フィルム部材2の厚み寸法の10%以上90%以下の範囲の値であることが望ましく、15%以上60%以下の範囲の値であることがより望ましく、20%以上50%以下の範囲の値であることが一層望ましい。
ここで図3(a)は、積層工程における積層体30の断面図である。図3(b)は、加熱工程における積層体30の断面図である。本実施形態の形状転写用シート1の製造方法は、積層工程と加熱工程とを有する。
積層工程では、第1フィルム層12(第1フィルム部材2)の一方の面に、第1フィルム層12よりも熱収縮率が大きい第2フィルム層13(第2フィルム部材3)を重ね、第2フィルム層13の第1フィルム層12とは反対側の面に、転写層14(転写部材4)を重ねることで積層体30を形成する。この積層体30を形成するに際し、一例として、第1フィルム層12と第2フィルム層13とがラミネートされた基材10を用いる。
加熱工程では、第2フィルム層13を熱収縮させるように積層体30を加熱することによって、第2フィルム層13の第1フィルム層12とは反対側の面に複数の溝部13a(3a)を形成し、転写層14の第2フィルム層13とは反対側の転写面に第2フィルム層13の溝部13a(3a)に沿って窪んだ複数の溝部14a(4a)を形成する(図3(b))。
図3(b)に示すように、具体的に加熱工程では、溝部3aを有する第2フィルム部材3を形成すると共に、転写層14を第2フィルム部材3の溝部3aに沿って窪ませることにより、複数の溝部14aを形成する。これにより、形状転写用シート1が製造される。
ここで本実施形態の準備工程では、第1フィルム層12として耐熱性の大きい材料を用い、第2フィルム層13として耐熱性の小さい材料を用いて両者をラミネートすることにより基材10を形成する。また積層工程では、上記ラミネートして形成された基材10に転写層14をコーティングすることにより、積層体30を形成する。
また本実施形態の加熱工程では、厚み寸法が第1フィルム層12の厚み寸法よりも小さい第2フィルム層13を用いて積層体30(1)を形成する。また加熱工程では、第2フィルム層13が縮んだ結果として、平面視において、複数の方向に延びるように転写層14の複数の溝部4aを形成する。
加熱工程は、具体的には、以下に示す形状転写用シート製造装置20を用いて行われる。図4は、図1の形状転写用シート1を製造する形状転写用シート製造装置20の全体図である。この形状転写用シート製造装置20は、コーター法(一例としてグラビアコーター法)により形状転写用シート1を製造する装置であって、複数のロールR1〜R6、貯留パン21、ドクターブレード22、及び加熱乾燥装置23を備える。
複数のロールR1〜R6は、予め定められた形状転写用シート1の搬送路に沿って配置されている。搬送路の最上流側には、基材10が連続的に巻き出されるロールR1(巻出しロール)が配置されている。搬送路の最下流側には、製造された形状転写用シート1が連続的に巻き取られるロールR6(巻取ロール)が配置されている。
基材10は、例えば、押出ラミネート法やドライラミネート法等の公知のラミネート方法により製造される。基材10の厚み寸法は適宜設定可能であるが、例えば、40μm以上200μm以下の範囲の値に設定できる。このような値に基材10の厚み寸法を設定すれば、形状転写用シート1の製造時の作業性やコストパフォーマンスが向上するため好ましい。
また、第2フィルム部材3の溝部3aを容易に形成可能にするため、例えば、第2フィルム層13の厚み寸法は、上記したように第2フィルム部材3の厚み寸法が第1フィルム部材2の厚み寸法よりも小さくなるように設定することが好ましい。これにより、形状転写用シート1のコストパフォーマンス向上を期待できる。
貯留パン21は、ロールR1,R6の間に配置されている。貯留パン21には、転写層14の材料である溶液24(以下、単に溶液24と称する。)が貯留されている。貯留パン21の上側には、一対のロールR3,R4がロール軸を平行にした状態で上下方向に配置されている。下側のロールR4は、グラビアロールであり、周面の一部が貯留パン21内の溶液24に浸されている。ドクターブレード22は、ロールR4の周面に付着した溶液24の量を調節可能に配置されている。溶液24は、一例としてシリコーン樹脂成分と揮発成分とを含む。
ロールR2は、ロールR3,R4のニップ点よりも基材10の搬送方向上流側に配置され、ロールR5は、当該ニップ点よりも基材10の搬送方向下流側に配置されている。ロールR2,R5は、当該ニップ点を通過する基材10のテンションを調整可能に配置されている。
加熱乾燥装置23は、積層体30を搬送方向に搬送しながら加熱乾燥する。ロールR6は、加熱乾燥装置23を通過することにより製造された形状転写用シート1を巻回する。
形状転写用シート製造装置20によれば、ロールR1に巻回された基材10が、ロールR2,R5によりテンションを付与されながら、ロールR3,R4のニップ点に案内される。基材10の第2フィルム層13は、このニップ点において、ロールR4により一方の面(図4では下面)に転写層14を重ねられる。その後、基材10は転写層14と共に加熱乾燥装置23に導入される。
加熱乾燥装置23において、基材10は転写層14と共に加熱乾燥される。第2フィルム層13は、この加熱により第1フィルム層12とは反対側の面が熱収縮し、溝部3aが形成された第2フィルム部材3となる。
また転写層14は、この加熱により揮発成分が揮発されて乾燥される。このとき、転写層14の一部は、第2フィルム部材3の溝部3aの形状に追従し、溝部3aに沿って窪むように流動する。これにより、第2フィルム部材3とは反対側の面に溝部4aが形成された転写部材4が形成される。以上で形状転写用シート1が得られる(図3(b))。
形状転写用シート1は、ロールR6により連続的に巻き取られる。上記コーター法は、例えば、コンマコーター法、リバースコーター法、リップコーター法、スロットダイコーター法等であってもよい。
加熱工程の設定条件は、第1フィルム部材2及び第2フィルム部材3の種類や物性等に応じて設定される。一例として、第1フィルム部材2がPETからなり、第2フィルム部材3がPEからなる場合、一例として、加熱温度は、180℃以上200℃以下の範囲の値(例えば200℃)に設定され、加熱処理に係る時間は、15分以上30分以下の範囲(例えば30分)に設定される。
本実施形態によれば、形状転写用シート1を製造するために材料をプレス加工する必要はなく、積層体30を加熱するだけで溝部4aが形成される。よって、形状転写用シート1の製造工程が簡素化される。
次に、本発明の形状転写用シート1を用いた粘着シート15の使用形態の一例を示す。図5は、形状転写用シート1から粘着シート15を剥離するときの形状転写用シート1と粘着シート15との断面図である。一例として図5に示すように、粘着シート15が使用される直前まで、粘着シート15は形状転写用シート1の転写部材4に貼着されている。粘着シート15は、支持フィルム部材6と、支持フィルム部材6の一方の面に配置された粘着部材5とを有する。
粘着シート15は、粘着部材5が形状転写用シート1により覆われて保護された状態で販売され、その使用直前に、ユーザにより粘着部材5から形状転写用シート1が剥離される。このため見方を変えると、形状転写用シート1は、転写部材4の表面が所定の表面形状を有し且つ粘着シート15から剥離される剥離用シートでもある。
粘着シート15の製造時には、支持フィルム部材6の一方の面に粘着部材5の元となる粘着層を重ねて配置し、この粘着層の支持フィルム部材6とは反対側の粘着面を転写部材4の転写面に貼着する。その後、粘着層を硬化させることで粘着部材5を形成する。粘着部材5の粘着面には、転写部材4の溝部4aの形状が転写されてなる微細なエア抜き用流路5aが形成される。これにより、粘着シート15が製造される。
以上説明したように、本実施形態の形状転写用シート1では、第2フィルム部材3が、第1フィルム部材2よりも熱収縮率が大きくなっている。このため、第1フィルム部材2に第2フィルム部材3の材料を重ねて配置した状態でこれらを一体的に加熱することで、第1フィルム部材2を平坦に保ったまま前記材料だけを熱収縮させて第2フィルム部材3を形成すると共に、第2フィルム部材3の第1フィルム部材2とは反対側の面に複数の溝部3aを形成できる。これにより、転写部材4を第2フィルム部材3の溝部3aに沿って窪ませることができ、転写部材4に複数の溝部4aを効率よく形成できる。
よって、形状転写用シート1を製造する際にエンボス成形体を用いて材料をプレス加工する必要がなく、形状転写用シート1の製造工程数が増大するのを防止できる。また、エンボス成形体やプレス加工設備を省略することで製造設備を簡素化できるため、形状転写用シート1の生産コストが増大するのを防止できる。
また複数の溝部4aは、平面視において、複数の方向に延びる溝状に形成されているので、形状転写用シート1を用いることにより、対象面との間のエア抜きを容易に行える粘着シート15の粘着部材5を製造できる。
また、形状転写用シート1では、熱収縮率差L2/L1が1.8以上8.0以下の範囲の値に設定されているので、第1フィルム部材2の形態を維持しながら第2フィルム部材3を選択的に熱収縮させ易くすることができる。これにより、第2フィルム部材3の複数の溝部3a、及び、転写部材4の複数の溝部4aを適切に形成し易くすることができる。
また、第2フィルム部材3の厚み寸法を第1フィルム部材2の厚み寸法よりも小さくすることで、比較的低い加熱温度でも、第2フィルム部材3を選択的に熱収縮させることができる。これにより、加熱工程を行い易くできると共に、第1フィルム部材2の熱収縮を適切に防止し易くすることができる。
また、第2フィルム部材3の溝部3aは、第2フィルム部材3の熱収縮部であるため、転写部材4の溝部4aを形成するためのエンボス成形体等のツールを用いる必要がなく、形状転写用シート1の生産コストの低減を良好に図れる。
また、第1フィルム部材2と第2フィルム部材3とは、プラスチックフィルムであり、互いにラミネートされているので、形状転写用シート1の製造時における第1フィルム部材2と第2フィルム部材3の取り回しを良好に行える。また、加熱工程時に第2フィルム部材3の第1フィルム部材2側の面が熱収縮するのを一層良好に防止できる。
(確認試験)
次に、確認試験について説明するが、本発明は、以下に示す各実施例に限定されるものではない。
図4に示した形状転写用シート製造装置20を用いて形状転写用シート1を製造した。PETフィルムからなる第1フィルム層12(厚み寸法50μm)と、PEフィルムからなる第2フィルム層13(厚み寸法25μm)とを押出しラミネート法によりラミネートすることにより基材10を製造した。また溶液24として、市販品のシリコーン樹脂(信越化学工業(株)製「KS−847T」)を含むトルエン5質量%溶液を調製した。
転写層14を塗布した基材10を、搬送速度1m/分で加熱乾燥装置23内の乾燥ゾーン(加熱雰囲気温度200℃)に搬送することにより、第2フィルム部材3を形成すると共に、厚み寸法が0.5g/mに設定された転写部材4を形成した。
ここで、加熱乾燥装置23内の加熱雰囲気温度と基材10の搬送速度とを調整することで、第2フィルム部材3に形成される溝部3aの形状や程度を制御できる。この乾燥条件の調整時には、第1フィルム部材2が熱収縮しないように留意する。
この実施例では、基材10の搬送速度を1m/分に設定した場合、加熱乾燥装置23内の加熱雰囲気温度を180℃以上200℃以下の範囲に設定することにより、第1フィルム部材2の熱収縮を抑制しつつ、第2フィルム部材3を良好に形成できることが確認された。基材10の搬送速度を更に高める場合、加熱乾燥装置23内の加熱雰囲気温度を高めに設定することが望ましい。
次に、加熱乾燥装置23内の乾燥ゾーンの加熱雰囲気温度と基材10の搬送速度を変化させたときに製造される転写部材4を対象面に貼着した際、対象面との間に存在するエアを排出する転写部材4のエア抜け性について、以下の手順で確認試験を行った。
加熱乾燥装置23内の加熱雰囲気温度を、150℃、180℃、200℃、及び220℃のいずれかに設定した。また基材10の搬送速度を、1m/分及び2m/分のいずれかに設定した。これにより、形状転写用シートのサンプル1〜6を得た。
次に、サンプル1〜6の転写部材4に粘着成分を含む溶液を塗布・乾燥させて、転写部材4の表面に粘着部材を配置した。この粘着部材の転写部材4とは反対側の表面には、転写部材4の溝部4aに沿って前記溶液が窪むことにより、転写部材4の溝部4aに対応した形状の溝部が形成される。
次に、形状転写用シートの粘着部材が配置された表面を、ガラス板の平坦面に貼着した。このとき平面視において、粘着部材の周縁部をガラス板の平坦面に貼着した後、形状転写用シートの第1フィルム部材2側から、スキージにより粘着部材の全面をガラス板の平坦面に押圧した。粘着部材とガラス板との間に残留するエアの量に基づいて、転写部材4のエア抜け性を評価した。
この評価では、エアの残留部分(形状転写用シートの膨れ部分)の面積が、粘着部材のガラス板に対する貼着面全体の面積の5%未満の範囲であって、エアがほとんど残留しておらず、エア抜け性に優れていると評価されるものをAとした。
また、エアの残留部分の面積が、粘着部材のガラス板に対する貼着面全体の面積の5%以上20%未満の範囲であって、Aに次いで空気抜け性に優れていると評価されるものをBとした。また、エアの残留部分の面積が、粘着部材のガラス板に対する貼着面全体の面積の20%以上の範囲であって、空気抜け性がやや不良であると評価されるものをCとした。この評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、加熱雰囲気温度が比較的高く、加熱時間が比較的長く、且つ、搬送速度が比較的遅いサンプル1や、加熱雰囲気温度が比較的低く、加熱時間が比較的長く、且つ、搬送速度が比較的遅いサンプル3では、転写部材4が高いエア抜け性を有することが分かった。
これに対し、加熱雰囲気温度が比較的高く、加熱時間が比較的短く、且つ、搬送速度が比較的速いサンプル2や、加熱雰囲気温度が比較的低く、加熱時間が比較的短く、且つ、搬送速度が比較的速いサンプル4では、転写部材4がサンプル1,3に次ぐエア抜け性を有することが分かった。
サンプル1,3が優れた評価となった理由としては、例えば、搬送速度を遅くして加熱温度を長く確保したことにより、第2フィルム層13が良好に加熱され、表面に良好な形状の溝部3aが豊富に形成された第2フィルム部材3が得られたことが考えられる。
加熱雰囲気温度が非常に高く、加熱時間が比較的長いサンプル5については、搬送速度を速くすることにより、第2フィルム部材3に溝部3aが適切に形成され、エア抜け性が向上するものと考えられる。また、加熱雰囲気温度が非常に低く、加熱時間が比較的長いサンプル6では、搬送速度を遅くすることにより、第2フィルム部材3に溝部3aが適切に形成され、エア抜け性が向上するものと考えられる。
加熱工程における加熱温度としては、本試験より、例えば、180℃以上200℃以下の範囲の値が望ましいと考えられる。また加熱工程における加熱時間は、加熱温度等に応じて設定されるが、本試験より、例えば、15分以上30分以下の範囲の時間が望ましいと考えられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、又は削除することができる。
以上のように本発明によれば、粘着シートの製造に用いられる形状転写用シートを従来よりも簡素な方法で製造可能とすることにより、形状転写用シートの製造工程数及び生産コストの増大を防止できる優れた効果を有する。従って、この効果の意義を発揮できる形状転写用シート及び形状転写用シートの製造方法として広く適用すると有益である。
1 形状転写用シート
2 第1フィルム部材
3 第2フィルム部材
3a,4a,13a,14a 溝部
4 転写部材
12 第1フィルム層
13 第2フィルム層
14 転写層
30 積層体

Claims (10)

  1. 表面形状が対象物の表面に転写される形状転写用シートであって、
    第1フィルム部材と、
    前記第1フィルム部材に重ねて配置され、前記第1フィルム部材よりも熱収縮率が大きく、前記第1フィルム部材とは反対側の面に複数の溝部が形成された第2フィルム部材と、
    前記第2フィルム部材の前記第1フィルム部材とは反対側に重ねて配置され、前記第1フィルム部材よりも熱収縮率が大きく、前記第2フィルム部材とは反対側の転写面に前記第2フィルム部材の前記溝部に沿って窪んだ複数の溝部が形成された転写部材とを備える、形状転写用シート。
  2. 前記転写部材の前記複数の溝部は、平面視において、複数の方向に延びている、請求項1に記載の形状転写用シート。
  3. 前記第1フィルム部材の熱収縮率をL1、前記第2フィルム部材の熱収縮率をL2とした場合、熱収縮率差L2/L1が、1.8以上8.0以下の範囲の値に設定されている、請求項1又は2に記載の形状転写用シート。
    但し、熱収縮率L1,L2の値は、JIS−C2151,JIS−K7133に準拠して測定し、150℃で30分間加熱処理したときの値とする。
  4. 前記第2フィルム部材の厚み寸法が、前記第1フィルム部材の厚み寸法よりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状転写用シート。
  5. 前記第2フィルム部材の前記複数の溝部は、前記第2フィルム部材の熱収縮部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の形状転写用シート。
  6. 前記第1フィルム部材と前記第2フィルム部材とは、プラスチックフィルムであり、互いにラミネートされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の形状転写用シート。
  7. 表面形状が対象物の表面に転写される形状転写用シートの製造方法であって、
    第1フィルム層の一方の面に、前記第1フィルム層よりも熱収縮率が大きい第2フィルム層を重ね、前記第2フィルム層の前記第1フィルム層とは反対側の面に、転写層を重ねることで積層体を形成する積層工程と、
    前記第2フィルム層を熱収縮させるように前記積層体を加熱することによって、前記第2フィルム層の前記第1フィルム層とは反対側の面に複数の溝部を形成し、前記転写層の前記第2フィルム層とは反対側の転写面に前記第2フィルム層の前記溝部に沿って窪んだ複数の溝部を形成する加熱工程とを有する形状転写用シートの製造方法。
  8. 前記加熱工程では、平面視において、複数の方向に延びるように前記転写層の前記複数の溝部を形成する、請求項7に記載の形状転写用シートの製造方法。
  9. 前記積層工程では、前記第1フィルム層の熱収縮率をL1、前記第2フィルム層の熱収縮率をL2とした場合、熱収縮差L2/L1が1.8以上8.0以下の範囲の値に設定された前記第1フィルム層と前記第2フィルム層を用いて前記積層体を形成する、請求項7又は8に記載の形状転写用シートの製造方法。
    但し、熱収縮率L1,L2の値は、JIS−C2151,JIS−K7133に準拠して測定し、150℃で30分間加熱処理したときの値とする。
  10. 前記積層工程では、厚み寸法が前記第1フィルム層の厚み寸法よりも小さい前記第2フィルム層を用いて前記積層体を形成する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の形状転写用シートの製造方法。
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