以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2であるユーザが所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は制御基板1150を内蔵している。
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載される。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるマルチプレイゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自身のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウントによりログインして、本実施形態のゲームを楽しむ。
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨(仮想通貨)であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額相当のゲームコインをプレーヤ2に付与する。
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
[原理]
図3は、本実施形態における特典付与の概要を説明する図である。本実施形態のゲームでは、ゲームをプレイするプレーヤに対して、ログイン特典、追加特典、連続ログイン特典、および制覇特典の各種特典の付与を行う。
1.ログイン特典の付与
本実施形態のゲームでは、所定の付与期間が到来する毎に、当該付与期間内にプレーヤ端末1500を操作してログインしたゲームのプレーヤに対し、ログイン特典(ログインボーナス)として、ゲームで利用可能なゲームオブジェクトを付与する。
ログイン特典として付与され得るゲームオブジェクトには、例えば、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、スキン、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、新しいゲームステージやマップの開放、抽選権等が含まれる。より詳細には、ログイン特典には、例えば、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタであったり、プレーヤキャラクタを強化するためのアイテム、ゲームを進行する上で必要となるアイテム、これらキャラクタやアイテム等を獲得するための抽選(ガシャ)を行うことができる抽選チケット等のゲームオブジェクトが含まれ得る。
或いは、ログイン特典を、キャラクタや装備等のアイテムとする。そして、キャラクタやアイテムをログイン特典としてプレーヤに付与する際には、当該キャラクタ等に所定の能力パラメータを付加した状態で付与したり、当該キャラクタ等の所定の能力パラメータを増加させた状態で付与するとしてもよい。例えば、ログイン特典として付与する際のキャラクタの攻撃力の設定を、規定値より20%高くして設定しておくとか、ログイン特典として付与する際のアイテムの設定を、所定のスキル(例えば「マジックポイント回復能力」等)を付加した設定にしておくことで実現できる。これによれば、ログイン特典によって、キャラクタやアイテム等を強化した状態でプレーヤに付与することが可能となる。
付与期間は、例えば1日(0時〜24時までの24時間)とされ、予め日毎にログイン特典が定められる。したがって、プレーヤは、1日1回ログインすることで、当日のログイン特典を獲得できる。勿論、付与期間は1日に限らず、適宜設定してよい。例えば、1日を「朝」「昼」「晩」の3つの時間帯で区切った各期間を付与期間とし、1日に3回ログイン特典を付与する構成としてもよいし、1週間を1つの付与期間としてもよい。また、各期間は時間的に連続していてもよいし、間欠的な期間としてもよい。
例えば、図3(a)に示すプレーヤ21のログイン状況によれば、プレーヤ21は、12/24までは毎日ログインしている。したがって、例えば12/23には、その日のログイン特典であるキャラクタO1がプレーヤ21に付与されている。
そして、本実施形態のゲームでは、プレーヤによるログインがなかった付与期間である徒過期間に係るログイン特典を、当該プレーヤに付与する期間後付与を行う。ゲームがリリースされてから日数が経過した後に新規にプレイする新規プレーヤが初めてログインする場合は、リリースされてから初めてログインするまでの経過日数が徒過期間となる。
例えば、図3(a)のログイン状況が示すように、プレーヤ21のログインが12/24を最後に一旦途切れ、その後12/30に再開されたとする。本例の場合、プレーヤ21のログインがないまま徒過したことでそのログイン特典が付与されなかった付与期間(徒過期間)は、プレーヤ21のログインがなくなった12/25から、プレーヤ21の新たなログインがあった12/30の前日までの5日間の各付与期間となる。期間後付与では、この徒過期間に係るログイン特典O21,O22,O23,O24,O25を最大で全部、プレーヤ21に付与する。本実施形態では、新たなログインがあった12/30の時点で、期間後付与を行う。
このログイン特典の付与のため、サーバシステム1100は、日毎の付与期間が到来する毎に、ログインしたプレーヤにその日のログイン特典を付与する(期間内付与処理)。また、サーバシステム1100は、プレーヤによるログインがなかった付与期間である徒過期間の経過後にそのプレーヤの新たなログインがあった場合に、当該プレーヤ(以下「対象プレーヤ」ともいう。)が所与の付与条件を満たしたかを判定する(付与条件判定処理)。そして、付与条件が肯定判定された場合に期間後付与を行って、徒過期間に係るログイン特典の一部又は全部を対象プレーヤに付与する(期間後付与処理)。
1−1.期間内付与処理
期間内付与処理では、プレーヤがログインした場合であって、それがその日の最初のログインであった場合に、当日のログイン特典を当該プレーヤに付与する。
1−2.付与条件判定処理
図4は、付与条件判定処理で判定する付与条件を説明する図であり、図5は、付与条件を設定した付与条件テーブル571のデータ構成例を示す図である。また、図6は、付与条件判定処理を説明する図である。本実施形態では、付与条件として、期間後付与を行う付与対象の範囲(付与対象範囲)に応じた複数段階の条件が予め定められる。そして、付与対象範囲は、新たなログインの時点から段階的に遡った徒過期間の範囲とされる。
具体的には、図4に示すように、徒過期間の全範囲(以下「徒過期間全範囲」ともいう。)が例えば5つの単位区間A2に等分され、新たなログインの時点から単位区間A2の1つ分を遡った徒過期間の範囲が第1の付与段階(第1段階)に係る付与対象範囲(第1付与対象範囲)A21とされて、その条件である第1条件が設定される。同様に、新たなログインの時点から単位区間A2の2つ分を遡った徒過期間の範囲が第2の付与段階(第2段階)に係る付与対象範囲(第2付与対象範囲)A22とされ、その条件である第2条件が設定される。以降も同様である。そして、新たなログインの時点から単位区間A2の5つ分を遡った徒過期間の範囲(すなわち徒過期間全範囲)が第5の付与段階(第5段階)に係る付与対象範囲(第5付与対象範囲)A25とされ、その条件である第5条件が設定される。なお、付与段階の数は5段階に限定されるものではなく、2段階以上で適宜選択してよい。
各付与段階における付与対象範囲と条件との関係は、例えば、図5に示す付与条件テーブル571として予め用意しておく。図5に示すように、付与条件テーブル571には、付与段階と対応付けて、徒過期間割合と、条件(例えば月別プレイ時間Tc)とが設定される。
先ず、付与条件テーブル571において、各付与段階に対応する付与対象範囲は、徒過期間全範囲に対する当該付与対象範囲の割合(徒過期間割合)として定められる。本実施形態では、図4を参照して説明したように、徒過期間全範囲を5等分した1つが単位区間A2とされ、付与対象範囲は、各付与段階で単位区間A2ずつ長くなる。したがって、徒過期間割合は、第1段階の場合を20%として、段階的に20%ずつ高く設定される。
次に、条件は、徒過期間以前のゲームプレイに基づいて成否が決せられる過去条件であり、本実施形態では、徒過期間以前のゲーム進行状況に基づく条件とされる。ゲーム進行状況としては、例えば、ゲームのプレイ時間、ゲーム進行度、プレイレベル等を用いることができる。
そのために、サーバシステム1100は、各プレーヤのプレイ時間やゲーム進行度、プレイレベル等を例えば所定期間毎に集計して管理する。所定期間は、1ヶ月でもよいし、1週間や1日等としてもよい。本実施形態では所定期間を1ヶ月とし、サーバシステム1100は、月別のプレイ時間の合計値(月別プレイ時間)や、月別のゲーム進行度(月別進行度)、月別のプレイレベルの上昇度(月別レベル上昇度)等をプレーヤ毎に算出して管理する。
例えば、図5では、対応する付与段階で要求される月別プレイ時間Tcの範囲として条件が定められ、第1段階から順に段階的に長くなるように設定される。
そして、サーバシステム1100は、新たなログインがあった場合に付与条件判定処理を実行する。具体的な処理手順としては先ず、過去条件である各付与段階の条件を判定することで、付与条件を満たしたかを判定する。本実施形態では、徒過期間以前の対象プレーヤの月別プレイ時間Tcを用い、付与条件テーブル571に定められた各付与段階のどの条件が成立するかを判断することで、対象プレーヤが満たす付与段階を判定する。その際、対象プレーヤの月別プレイ時間Tcとしては、例えば、ログインが途切れた日の前月の月別プレイ時間を用いる。ただし、当月の月別プレイ時間を用いてもよいし、徒過期間以前の月別プレイ時間の平均値を用いるとしてもよい。
その後、対象プレーヤが満たすと判定した付与段階に対応する付与対象範囲を、適用付与範囲として決定する。
例えば、図6に示すように、徒過期間以前のプレーヤ21の月別プレイ時間Tcが25時間であった場合は、図5の付与条件テーブル571により、プレーヤ21が満たす条件の付与段階を第2段階と判定する。そして、その場合は、第2段階の徒過期間割合である「40%」に従って、新たなログインの時点から遡って徒過期間全範囲の40%の範囲(第2付与対象範囲)を、適用付与範囲A31として決定する。例えば徒過期間全範囲が100日間であったとすると、新たなログインの日から遡って40日間が適用付与範囲となる。
一方、徒過期間以前のプレーヤ21の月別プレイ時間Tcが350時間であった場合には、図5の付与条件テーブル571により、プレーヤ21が満たす条件の付与段階を第5段階と判定する。そして、その場合は、第5段階の徒過期間割合である「100%」に従って、新たなログインの時点から遡って徒過期間の全範囲(第5付与対象範囲)を、適用付与範囲A33として決定する。
このように、徒過期間以前の対象プレーヤのゲーム進行状況に基づく過去条件を判定することによれば、徒過期間以前にゲームをたくさんプレイしていたプレーヤほど広い範囲を適用付与範囲として決定することができ、最大で徒過期間の全範囲を遡って、適用付与範囲を決定することができる。
なお、図5の付与条件テーブル571は、対象プレーヤの月別プレイ時間が各付与段階の何れかの条件を満たすように定められているため、付与条件は必ず肯定判定される。具体的には、第1段階の月別プレイ時間Tcの範囲を「20時間未満」としている。したがって、対象プレーヤの月別プレイ時間Tcが0時間であったとしても、対応する徒過期間割合である「20%」に従って適用付与範囲が決定されることとなる。これに対し、第1段階の月別プレイ時間Tcの範囲を例えば「5時間以上20時間未満」等として下限値を設定し、何れの付与段階にも属さない時間帯(本例では5時間未満の場合)を設けてもよい。これによれば、対象プレーヤの月別プレイ時間Tcが例えば5時間未満と短く、徒過期間以前にほとんどゲームをプレイしていないプレーヤである場合に、付与条件を否定判定することができる。
また、図5では、付与条件(付与段階毎の条件)としてプレイ時間に関する条件(月別プレイ時間)を例示したが、ゲーム進行度やプレイレベル等のその他のゲーム進行状況項目に関する条件としてもよいし、複数のゲーム進行状況項目を組み合わせた条件としてもよい。
また、付与条件は、徒過期間以前のログイン状況に基づく条件とすることもできる。ログイン状況としては、例えば、ログイン回数、ログイン頻度、連続ログイン数等を用いることができる。
その場合は、サーバシステム1100は、各プレーヤのログイン回数やログイン頻度等について、所定期間毎に集計して管理する。例えば、所定期間を1ヶ月として、月別のログイン回数の合計値(月別ログイン回数)や、月別のログイン頻度(月別ログイン頻度)等をプレーヤ毎に算出して管理する。連続ログイン数についても別途計数する。一方で、例えば、段階的な月別ログイン回数の範囲を付与段階毎の条件として定めた付与条件テーブルを用意しておく。
そして、上記した付与条件判定処理と同様の要領で、徒過期間以前の対象プレーヤの月別ログイン回数をもとに、対象プレーヤが満たす付与段階を付与条件テーブルに従って判定する。勿論、ログイン回数に関する条件に限らず、ログイン頻度や連続ログイン数等のその他のログイン状況項目に関する条件を定めてこれを判定してもよいし、複数のログイン状況項目を組み合わせた条件を定めてこれを判定するのでもよい。過去にゲームプレイをしたことのない新規プレーヤによる1回目のログイン(初めてのログイン)であることを第1段階の条件(第1条件)を満たす条件の1つとしたり、或いは、第2段階の条件(第2条件)を満たす条件の1つとしたりしてもよい。
このように、徒過期間以前の対象プレーヤのログイン状況に基づく過去条件を判定することによれば、徒過期間以前に高い頻度でゲームにログインしていたプレーヤほど広い範囲を適用付与範囲として決定することができ、最大で徒過期間の全範囲を遡って、適用付与範囲を決定することができる。
1−3.期間後付与処理
本実施形態では、所与の対価の徴収と引き換えに、期間後付与を行う。具体的には、サーバシステム1100は先ず、対象プレーヤから対価の徴収処理を行う。本実施形態では、予め定められる所定の対価額分の仮想通貨であるゲームコインを対象プレーヤから徴収する。ここでの処理により、対象プレーヤの所有するゲームコインの残高から、対価額分が減額されて消費される。ゲームコインは、図示しないメニュー画面からゲームコインの購入メニューを選ぶと購入できる。なお、ゲームコインの消費によって対価を徴収する構成に限らず、実通貨の消費によって徴収する構成でも構わない。
そして、サーバシステム1100は、徴収処理で対価額のゲームコインを徴収したならば、適用付与範囲に属する付与期間に係るログイン特典を、対象プレーヤに付与する。例えば、図3(a)の例においてプレーヤ21が12/30にログインした際、徒過期間の全範囲が適用付与範囲として決定されて、プレーヤ21から対価の徴収がなされた場合には、当該新たなログインの時点で、徒過期間である12/25〜12/29のログイン特典O21〜O25の全部がプレーヤ21に付与される。これに対し、適用付与範囲に属するのが12/29のみの場合には、そのログイン特典O25だけがプレーヤ21に付与されることとなる。
なお、対価の額は一律の額としてもよいし、適用付与範囲が広いほど高く設定する等、適用付与範囲に応じて変えてもよい。或いは、対価を徴収しない構成も可能である。その場合は、徴収処理を行わずに、期間後付与を行う。
2.追加特典の付与
本実施形態のゲームでは、ログイン特典の期間後付与と併せて、当該期間後付与により付与したログイン特典とは異なる所与の追加特典を、対象プレーヤに付与する。例えば、図3(a)では、追加特典として、20枚の抽選チケットO3を例示している。
追加特典の付与に際しては、サーバシステム1100は、対象プレーヤのプレイレベルと、対象プレーヤ以外の他のプレーヤのプレイレベルとに基づいて、付与する追加特典を決定する追加特典決定処理を行う。
ここで、追加特典は、1度ログインしなくなったプレーヤがゲームを再開した際に、他のプレーヤとのレベル差が広がってしまったこと等に起因してゲーム意欲が減退するのを防いでゲームを長く続けてもらうことを目的として、対象プレーヤに付与される。そのため、例えば、追加特典としてキャラクタやアイテムを付与する場合であれば、他のプレーヤとのレベル差が大きいほど強いキャラクタや強い武器を付与するとか、追加特典として抽選チケットを付与する場合であれば、他のプレーヤとのレベル差が大きいほどその付与枚数を増やす等、そのレベル差を効率良く縮めていけるようなゲームオブジェクトが、追加特典として予め用意される。具体的には、本実施形態では、追加特典は、レベル差の範囲と対応付けて予め定められる(図9の追加特典データ565を参照)。
そして、追加特典決定処理では先ず、他のプレーヤのプレイレベルの平均値を求め、求めた平均値と対象プレーヤのプレイレベルとの差をレベル差として算出する。他のプレーヤのプレイレベルの平均値は、対象プレーヤ以外のユーザ登録されている全てのプレーヤのプレイレベルの平均値として求めるのでもよいし、その中で対象プレーヤがフレンド登録しているプレーヤのプレイレベルの平均値として求める構成でもよい。或いは、ユーザ登録されているプレーヤのうち、ゲームを継続しているプレーヤを選出してそのプレイレベルの平均値を求めてもよい。ゲームを継続しているか否かは、直近の所定期間(例えば1日でもよいし、1週間でもよい)にログインがあったかどうかで判断することができる。
或いは、ゲームに参加している対象プレーヤ以外の全てのプレーヤのプレイレベルを統計処理し、正規分布の最頻値等を求めてもよい。そして、求めた最頻値と対象プレーヤのプレイレベルとの差を、レベル差として算出するようにしてもよい。
レベル差を算出したならば、追加特典データ565を参照し、そのレベル差に対応する追加特典を選んで付与する追加特典を決定する。その後は、決定した追加特典を、対象プレーヤに付与する。
なお、他のプレーヤとのレベル差に限らず、徒過期間の長さ(日数)に応じて付与する追加特典を決定する構成も可能である。その場合は、徒過期間の長さと対応付けて追加特典を定めておけばよい。或いは、対象プレーヤのプレイレベルに応じて追加特典を決定してもよい。また、他のプレーヤとのレベル差や徒過期間の長さ、対象プレーヤのプレイレベルを適宜組み合わせて用い、付与する追加特典を決定するとしてもよい。
3.連続ログイン特典の付与
本実施形態のゲームでは、付与期間毎のログインを継続した連続ログイン数に応じた連続ログイン特典を、プレーヤに付与する。連続ログイン特典は、図3(b)に示すように、例えば、特定の連続ログイン数(付与連続数)と対応付けて予め定められる。そして、各連続ログイン特典は、対応する付与連続数が大きいほどその価値が高くなるように設定される。例えば、付与連続数が大きくなるにつれてレア度の高いキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトを設定しておく。或いは、付与連続数が大きいほど販売価格(それを購入する場合に必要となるゲームコイン数)が高額であるゲームオブジェクトを設定するとしてもよい。プレーヤは、毎日ログインして連続ログイン数を増やしていくことで、到達した付与連続数の連続ログイン特典を獲得することができる。
例えば、図3(a)の例では、12/24の時点でプレーヤ21の連続ログイン数は「98」である。したがって、図3(b)の対応する付与連続数が「3」「10」「50」の各連続ログイン特典O41,O42,O43については、連続ログイン数が該当する数に到達した日のログイン時に、プレーヤ21に付与されている。
ここで、図3(a)の例では、連続ログイン数が「98」に到達した翌日(12/25)にプレーヤ21のログインが途切れているため、プレーヤ21の連続ログイン数は、基本的には「0」にリセットされる。ただし、本実施形態では、ログイン特典が期間後付与された付与期間については、ログインがなされていたものとみなされて連続ログイン数が計数されるようになっている。
具体的には、サーバシステム1100は、徒過期間の存在するプレーヤ(対象プレーヤ)の新たなログインがあり、上記したログイン特典の期間後付与を行った場合は、当該期間後付与に係る付与期間(適用付与範囲に属するとしてログイン特典の期間後付与を行った付与期間)については対象プレーヤのログインがなされたていたとみなして、その連続ログイン数を計数する。そして、連続ログイン数が新たに付与連続数に到達したときには、対応する連続ログイン特典を対象プレーヤに付与する。
例えば、図3(a)の例において、12/25〜12/29の徒過期間全範囲が適用付与範囲とされて、全てのログイン特典O21〜O25がプレーヤ21に期間後付与されたとする。その場合は、徒過期間に係る5日間の各付与期間(12/25〜12/29)にプレーヤ21のログインがなされていたとみなす。そして、徒過期間以前に到達していた連続ログイン数「98」に、それら徒過期間と新たなログインの日(12/30)の分の「6」を加えて、連続ログイン数を「104」として計数・更新する。結果、新たに図3(b)の付与連続数「100」に到達したことになるので、連続ログイン特典O44である抽選チケットを5枚、プレーヤ21に付与する。
一方、適用付与範囲に属する付与期間が12/28と12/29の2日間であった場合は、ログインがなされたていたとみなされない徒過期間(12/25〜12/27)が残るため、連続ログイン数を「0」にリセットする。その上で、新たなログイン当日(12/30)の分と合わせて、連続ログイン数を「3」として計数・更新する。結果、新たに図3(b)に示す付与連続数「3」に到達したことになるので、連続ログイン特典O41であるアイテムをプレーヤ21に付与する。ただし、連続ログイン数をリセットした場合は、既に付与された連続ログイン特典については付与しない構成としてもよい。すなわち、本例では、プレーヤ21の徒過期間以前の連続ログイン数は「98」であることから連続ログイン特典O41の付与は既に行われているため、再度付与しない構成としてもよい。
4.制覇特典の付与
本実施形態のゲームでは、予め付与期間の組み合わせとして定められる制覇条件を満たしたプレーヤに、制覇特典を付与する。そのために、本実施形態のゲームでは、所定のスタンプラリー期間(例えばクリスマスやお正月、夏休み等)を設定したスタンプラリーイベントが随時開催される。例えば、図3(c)に示すように、クリスマスを含む12/20〜12/25の各付与期間をスタンプラリー期間としたスタンプラリーイベントの開催時であれば、そのスタンプラリー期間を構成する全ての付与期間でログインしたプレーヤについて、制覇条件を満たしたと判定する。そして、制覇条件を満たしたプレーヤに、その制覇特典(図3(c)ではアイテムO5)を付与する。制覇特典は、そのスタンプラリー期間限定のキャラクタやアイテム等とすることができる。
なお、スタンプラリー期間は、例示したような連続する期間に限定されない。例えば、ある月(例えば1月)の第1〜第4金曜日の4日間をスタンプラリー期間(制覇条件)とすることもできる。
ここで、図3(a)の例では、プレーヤ21は、スタンプラリー期間を構成する12/25にログインしていない。したがって、基本的には、12/30におけるプレーヤ21の新たなログイン時において、当該スタンプラリーイベントについて制覇条件は否定判定される。ただし、本実施形態では、ログイン特典が期間後付与された付与期間については、ログインがなされていたものとみなされて制覇条件が判定されるようになっている。
具体的には、サーバシステム1100は、プレーヤのログインがあった場合に、制覇条件の成否が未判定のスタンプラリーイベントがあれば、その制覇条件を判定する。その際、当該ログインが徒過期間を挟んだ新たなログインの場合であって、スタンプラリー期間を構成する付与期間に徒過期間が存在する場合には、そのうちの期間後付与に係る付与期間については当該プレーヤ(対象プレーヤ)のログインがなされたていたとみなして、制覇条件の成否を判定する。そして、制覇条件を満たした場合には、そのプレーヤに制覇特典を付与する。
例えば、図3(a)の例では、スタンプラリー期間を構成する付与期間には、徒過期間の12/25が含まれる。そして、12/25は徒過期間の初日である。したがって、本例の場合は、12/25〜12/29の徒過期間全範囲が適用付与範囲とされ、全てのログイン特典O21〜O25がプレーヤ21に期間後付与された場合に、12/25が期間後付与に係る付与期間に該当することとなる。その場合は、制覇特典を満たすと判定して、制覇特典であるアイテムO5をプレーヤ21に付与する。
[機能構成]
1.サーバシステム
図7は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
課金処理部220は、プレーヤによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該プレーヤに付与する。
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、期間内付与部231と、付与条件判定部233と、期間後付与部235と、徴収制御部237と、追加特典付与部239と、連続ログイン特典付与部241と、制覇特典付与部243と、ゲーム進行制御部245と、連続ログイン数計数部247とを含む。
期間内付与部231は、付与期間が到来する毎に、当該付与期間にログインしたプレーヤに対して、当該付与期間に係るログイン特典を付与する。
付与条件判定部233は、プレーヤのログインに際し、それが徒過期間の経過後の新たなログインであった場合に、当該プレーヤ(対象プレーヤ)が付与条件を満たしたかを判定する。本実施形態では、徒過期間以前の対象プレーヤのゲーム進行状況に基づいて、付与条件テーブル571において対象プレーヤが満たす付与段階を判定する。そして、判定した付与段階に対応する徒過期間割合に従って対象プレーヤの新たなログインの時点から遡った徒過期間の範囲を、適用付与範囲として決定する。
期間後付与部235は、付与条件が肯定判定された場合に期間後付与を行い、徒過期間に係るログイン特典の一部又は全部を対象プレーヤに付与する。本実施形態では、付与条件判定部233によって決定された適用付与範囲に従って、当該適用付与範囲に属する付与期間に係るログイン特典を、対象プレーヤに付与する。
徴収制御部237は、期間後付与に際し、予め定められる所定の対価額分のゲームコインを、対象プレーヤから徴収する制御を行う。
追加特典付与部239は、期間後付与部235によってプレーヤに期間後付与されたログイン特典とは異なる追加特典を、対象プレーヤに付与する。本実施形態では、追加特典の付与に先立ち追加特典決定処理を実行し、先ず、対象プレーヤのプレイレベルと、対象プレーヤ以外の他のプレーヤのプレイレベルとのレベル差を算出する。そして、追加特典データ565からそのレベル差が属するレベル差範囲の追加特典を選び、付与する追加特典として決定する。
連続ログイン特典付与部241は、付与期間毎のログインを継続した連続ログイン数533に応じた連続ログイン特典を、プレーヤに付与する。本実施形態では、連続ログイン特典データ567を参照し、更新後の連続ログイン数533が新たに付与連続数に到達した場合に、対応する連続ログイン特典を当該プレーヤに付与する。
制覇特典付与部243は、予め設定された付与期間の組み合わせを構成する各付与期間にログインがなされた制覇条件を満たしたプレーヤに、制覇特典を付与する。本実施形態では、スタンプラリー期間を構成する各付与期間においてプレーヤのログインがなされた場合に、制覇条件を満たすと判定する。またその際に、当該プレーヤのログインが徒過期間を挟んだ新たなログインの場合であって、スタンプラリー期間を構成する付与期間に徒過期間が存在する場合には、期間後付与に係る付与期間について当該プレーヤ(対象プレーヤ)のログインがなされていたとみなして、制覇条件を判定する。そして、制覇条件を満たしたプレーヤに対し、そのスタンプラリーイベントに係る制覇特典を付与する。
ゲーム進行制御部245は、プレーヤ端末1500との通信を随時行って当該プレーヤ端末1500におけるゲームプレイの進行を制御し、プレイ結果の反映に関する処理を行う。
連続ログイン数計数部247は、プレーヤ毎に、連続ログイン数533を計数する。本実施形態では、プレーヤがログインした場合であって、それがその日の最初のログインであった場合に、当該プレーヤの連続ログイン数533に「1」を加えて更新する。またその際に、当該プレーヤのログインが徒過期間を挟んだ新たなログインの場合であって、期間後付与部235によって期間後付与が行われた場合には、当該期間後付与に係る付与期間について当該プレーヤ(対象プレーヤ)のログインがなされていたとみなして、その連続ログイン数533を計数・更新する。
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム初期設定データ560と、プレイデータ590とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図10を参照)の原本である。
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、図8に示すように、該当するプレーヤのプレーヤIDを含むアカウント511と、決済媒体帳簿データ513と、所有オブジェクトリスト515と、フレンドリスト517と、ゲーム進行状況データ520と、ログイン状況データ530と、ログイン特典付与状況540とを含む。また、その他にも、ゲームのセーブデータ等を含む。
決済媒体帳簿データ513は、該当するプレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲーム内通貨であるゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴、総課金額、信用度指標値の算出に用いる過去所定期間の課金額等を格納する。
所有オブジェクトリスト515は、該当するプレーヤがゲームの過程で入手し、現時点で保有しているキャラクタや武器、アイテム等のゲームオブジェクトのリストを格納する。本実施形態では、ログイン特典、追加特典、連続ログイン特典、および制覇特典の各種特典の付与に当たり、そのゲームオブジェクトのオブジェクトIDがこの所有オブジェクトリスト515に追加される。
フレンドリスト517は、該当するプレーヤがフレンド登録した他のプレーヤのアカウントを格納する。
ゲーム進行状況データ520は、該当するプレーヤのプレイ時間、ゲーム進行度、プレイレベル等のゲーム進行状況に関する各種データを格納する。例えば、プレイレベル521、プレイ日時のリスト523、プレイ時間(それまでのプレイ時間の累計値)525、月別プレイ時間(Tc)527の他、月別のゲーム進行度や、月別レベル上昇度等を適宜格納する。
ログイン状況データ530は、該当するプレーヤのログイン回数、ログイン頻度、連続ログイン等のログイン状況に関する各種データを格納する。例えば、ログイン日時のリスト531、連続ログイン数533、それまでの総ログイン回数535、月別ログイン回数537の他、ログイン頻度や、月別ログイン頻度等を適宜格納する。
ログイン特典付与状況540は、当日までの日毎(付与期間毎)に、その付与フラグを格納する。付与フラグには、初期値として「OFF」が設定される。そして、対応する付与期間に係るログイン特典を当該付与期間内に該当するプレーヤに付与した場合に、期間内付与フラグが「ON」に書き換えられる。さらに、対応する付与期間に係るログイン特典の期間後付与を行って当該プレーヤに付与した場合に、期間後付与フラグが「ON」に書き換えられる。
図7に戻り、ゲーム初期設定データ560は、ゲームを実行するために必要な初期設定データを格納する。このゲーム初期設定データ560は、図9に示すように、オブジェクト定義データ561と、ログイン特典データ563と、追加特典データ565と、連続ログイン特典データ567と、制覇特典データ569と、付与条件テーブル571(図5を参照)とを含む。
オブジェクト定義データ561は、ゲームの過程でプレーヤが入手し得る各種ゲームオブジェクト毎に用意され、当該ゲームオブジェクトのデータをそのオブジェクトIDと対応付けて格納する。例えば、それがキャラクタであれば、攻撃力や防御力といった各種能力値やスキル等の能力パラメータ、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を格納する。このオブジェクト定義データ561には、ログイン特典、追加特典、連続ログイン特典、および制覇特典の各種特典として定められるゲームオブジェクトのデータが含まれる。
ログイン特典データ563は、付与期間毎に、ログイン特典として付与されるゲームオブジェクトのオブジェクトIDを格納する。
追加特典データ565は、レベル差範囲と対応付けて、追加特典として付与されるゲームオブジェクトのオブジェクトIDを格納する。また、図3(a)において追加特典として示した抽選チケットO3を20枚付与する場合のように、同じゲームオブジェクトを複数付与する場合には、その個数も格納する。なお、図9では、レベル差範囲を5段階として示しているが、段階数は特に限定されるものではなく、2段階や3段階としてもよいし、5段階以上にさらに細かく分けて追加特典を定めておくのでもよい。
連続ログイン特典データ567は、付与連続数と対応付けて、連続ログイン特典として付与されるゲームオブジェクトのオブジェクトIDを格納する。
制覇特典データ569は、スタンプラリーイベント毎に用意される。そして、1つの制覇特典データ569は、該当するスタンプラリーイベントについて制覇条件として判定されるスタンプラリー期間と、制覇条件を満たした場合に制覇特典として付与されるゲームオブジェクトのオブジェクトIDとを格納する。
図7に戻り、プレイデータ590は、サーバシステム1100にログインしてゲームをプレイしているプレーヤ毎に用意され、ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する。
2.プレーヤ端末
図10は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図10に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図7を参照)のコピーとする。
[処理の流れ]
図11および図12は、サーバシステム1100における処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
先ず、サーバシステム1100は、プレーヤ端末1500のログイン手続きを待機する。そして、プレーヤ端末1500を操作してプレーヤがゲームにログインした場合であって(ステップS1:YES)、当該プレーヤのログインが現在日時の属する付与期間において最初のログインであった場合に(ステップS3:YES)、期間内付与部231が期間内付与処理を実行して、当日のログイン特典を当該プレーヤに付与する(ステップS5)。
続いて、ステップS3でのログインが、当該プレーヤ(対象プレーヤ)のログインがなかった徒過期間の経過後の新たなログインであった場合に(ステップS7:YES)、付与条件判定部233が付与条件判定処理を実行する。すなわち先ず、対象プレーヤのゲーム進行状況データ520を用い、付与条件テーブル571のどの条件が成立するかを判断して対象プレーヤが満たす付与段階を判定する(ステップS9)。そして、満たすと判定した付与段階の徒過期間割合に従って、ステップS3での新たなログインの時点から当該徒過期間割合の分を遡った徒過期間の範囲を、適用付与範囲として決定する(ステップS11)。
続いて、徴収制御部237が、所定の対価額分のゲームコインを対象プレーヤから徴収する制御を行う(ステップS13)。
そして、ステップS13の徴収処理で対象プレーヤから対価を徴収した場合には(ステップS15:YES)、期間後付与部235が期間後付与処理を実行し、適用付与範囲に属する付与期間に係るログイン特典を、対象プレーヤに付与する期間後付与を行う(ステップS17)。
期間後付与を行ったならば、続いて、追加特典付与部239が、対象プレーヤのプレイレベルと、その他のプレーヤのプレイレベルとのレベル差を算出する(ステップS19)。そして、追加特典データ565を参照して、ステップS19で算出したレベル差に応じた追加特典を決定する(ステップS21)。その後、ステップS21で決定した追加特典を、対象プレーヤに付与する(ステップS23)。
続いて、連続ログイン数計数部247が、対象プレーヤの連続ログイン数533を更新する(ステップS25)。具体的には、連続ログイン数計数部247は、ステップS17での期間後付与に係る付与期間については対象プレーヤのログインがなされていたとみなして、対象プレーヤの連続ログイン数533を計数・更新する。
また、連続ログイン数計数部247は、ステップS3でのプレーヤのログインが徒過期間を挟んだ新たなログインではない場合は(ステップS7:NO)、当該プレーヤの連続ログイン数533に「1」を加えて更新する(ステップS27)。ステップS13での対価の徴収がなされなかった場合には(ステップS15:NO)、当該プレーヤの連続ログイン数533を「0」にリセットした上で、当日の分を計数して「1」とする(ステップS29)。
その後、連続ログイン特典付与部241が、連続ログイン特典データ567を参照して、該当するプレーヤへの連続ログイン特典の付与を行う。具体的には、連続ログイン特典付与部241は、図12に示すように、更新された連続ログイン数533が新たに付与連続数に到達した場合に(ステップS31:YES)、対応する連続ログイン特典を付与する(ステップS33)。
続いて、制覇特典付与部243が、制覇特典データ569を参照して、その成否が未判定の制覇条件を判定する(ステップS35)。その際、スタンプラリー期間を構成する付与期間のうちのステップS17での期間後付与に係る付与期間については、対象プレーヤのログインがなされたていたとみなして制覇条件の成否を判定する。そして、制覇条件を満たした場合には(ステップS37:YES)、そのプレーヤに制覇特典を付与する(ステップS39)。
以上説明したように、ログイン特典の期間後付与によれば、対象プレーヤの徒過期間以前のゲーム進行状況に応じて新たなログインの時点から遡った徒過期間の範囲を適用付与範囲として決定し、適用付与範囲に属する付与期間のログイン特典を対象プレーヤに付与することができる。したがって、徒過期間以前にたくさんプレイしていたプレーヤに対して、徒過期間に係るログイン特典を、最大で全部付与することができる。さらに、対象プレーヤのプレイレベルと他のプレーヤのプレイレベルとのレベル差に応じた追加特典を、対象プレーヤに付与することができる。また、期間後付与に係る付与期間については対象プレーヤのログインがなされていたとみなして、連続ログイン特典や制覇特典を対象プレーヤに付与することができる。よって、ゲームへのログインがなされずに徒過した付与期間や、その間の他のプレーヤのゲームの進行度等をもとに、過去のログイン特典や追加特典、連続ログイン特典、制覇特典等の各種特典をプレーヤに付与することができる。
これによれば、プレーヤは、一度ゲームから離れてログインしなくなったゲームを再開する際に、その間にログインしていれば獲得できたゲームオブジェクトや、それとは別に追加で付与されたゲームオブジェクトを用いてゲームを効率よく進めていくことができ、ゲーム意欲の減退を防いで持続させる技術の提供が実現できる。ゲームがリリースされて日数が経過した後に初めて当該ゲームをプレイするプレーヤに対しても、リリース日から初めてのログイン日までの間の徒過期間に関して、同様の特典を付与することができる。
なお、上記実施形態では、付与条件として、徒過期間以前のゲームプレイに基づいて成否が決せられる過去条件を例示したが、新たなログイン以降に成立し得る将来条件とすることもできる。具体的な条件の内容は、上記実施形態と同様に、対象プレーヤのゲーム進行状況を判定する条件とすることができる。或いは、対象プレーヤのログイン状況を判定する条件としてもよい。
図13は、本変形例における付与条件判定処理を説明する図である。図13の例では、新たなログイン後の判定期間におけるプレーヤ23のゲーム進行状況に基づいて、プレーヤ23が満たす条件を判定する。所定期間は、1週間でもよいし、1ヶ月や1日等としてもよい。ここでは、判定期間を例えば1週間とし、新たなログインの時点から1週間のプレーヤ23のプレイ時間の合計値(週間プレイ時間)Tdを用いる。
付与条件テーブルとしては、付与段階毎の条件として週間プレイ時間Tdの範囲を定めたものを用意する。例えば、週間プレイ時間Tdが5時間未満の場合を第1段階、5時間以上20時間未満の場合を第2段階、20時間以上50時間未満の場合を第3段階、50時間以上60時間未満の場合を第4段階、60時間以上の場合を第5段階とするといった具合である。また、各付与段階と対応付けて、図5の付与条件テーブル571と同様の要領で徒過期間割合を設定しておく。
そして、本変形例では、サーバシステム1100は、プレーヤ23の新たなログインの後、判定期間(ここでは1週間)が経過したときに、付与条件判定処理を実行する。具体的には、プレーヤ23の週間プレイ時間Tdを用い、付与条件テーブルに定められた各付与段階のどの条件が成立するかを判定することで、プレーヤ23が満たす付与段階を判定する。
例えば、図13に示すように、新たなログイン後の1週間である判定期間におけるプレーヤ23の週間プレイ時間Tdが15時間であった場合は、付与条件テーブルにより、プレーヤ23が満たす条件の付与段階を第2段階と判定する。そして、その場合は、第2段階の徒過期間割合である「40%」に従って、新たなログインの時点から遡って徒過期間全範囲の40%の範囲(第2付与対象範囲)を、適用付与範囲A41として決定する。
一方、徒過期間以前のプレーヤ23の週間プレイ時間Tdが70時間であった場合には、図5の付与条件テーブル571により、プレーヤ23が満たす条件の付与段階を第5段階と判定する。そして、その場合は、第5段階の徒過期間割合である「100%」に従って、新たなログインの時点から遡って徒過期間の全範囲(第5付与対象範囲)を、適用付与範囲A43として決定する。
このように、新たなログイン後の対象プレーヤのゲーム進行状況に基づく将来条件を判定することによれば、新たなログイン後にゲームをたくさんプレイしたプレーヤほど広い範囲を適用付与範囲として決定することができ、最大で徒過期間の全範囲を遡って、適用付与範囲を決定することができる。また、ゲーム進行状況にかえて、新たなログイン後の対象プレーヤのログイン状況に基づく将来条件を判定することによれば、新たなログイン後に高い頻度でゲームにログインしていたプレーヤほど広い範囲を適用付与範囲として決定することができ、最大で徒過期間の全範囲を遡って、適用付与範囲を決定することができる。
そして、その後は、上記した実施形態と同様に期間後付与処理を実行し、適宜対価の徴収を行った後で、適用付与範囲に属する付与期間に係るログイン特典を対象プレーヤに付与する。したがって、本変形例では、新たなログイン以降において、判定期間を経過した後で期間後付与を行うこととなる。