JP2020101414A - 穴部形状の測定検具、穴部形状測定装置及び穴部形状測定方法 - Google Patents

穴部形状の測定検具、穴部形状測定装置及び穴部形状測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来では、車両用パネルに穿設された孔部を測定する際に、測定箇所のばらつきにより精度良く穴部の形状を測定し難いという問題があった。【解決手段】本発明の穴部形状の測定検具10は、測定ピン11を備え、測定ピン11は、主に、穴部14に係止される傾斜面15と、穴部14の外径φ1を測定するための第1の測定面16と、穴部14の中心位置Cを測定するための測定柱状部17及び測定柱状部17の外周面である第2の測定面18と、を有している。この構造により、測定対象物の1つである車両用パネル13の主面13Aと略平行となる測定ピン11の平坦面11Cを測定することで、測定箇所のばらつきが無くなり、精度良く穴部14の形状を判定することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のパネル等の測定対象物に穿設される穴部の形状を精度よく測定するための穴部形状の測定検具、穴部形状測定装置及び穴部形状測定方法に関する。
従来の自動車のパネルに形成された長孔の計測方法として、接触式の三次元測定器を用いた計測方法が知られている。接触式の三次測定器は、例えば、プローブと、プローブ駆動部と、座標測定部と、測定動作制御部と、を有している。そして、プローブが、ワークの表面に複数箇所接触し、各接触位置の座標を座標測定部により測定する。測定動作制御部では、プローブ駆動部の動作を制御し、また、座標測定部によって測定された座標を記憶する。
計測者は、上記測定結果を長孔の設計値と比較して長孔が正常に形成されている場合には、長孔の形成工程が正常に行われていると判断する(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3606034号公報
接触式の三次元測定器を用いた長孔の計測方法では、プローブが、ワークの表面に複数箇所接触することで、各接触位置の座標を測定する。そのため、測定対象がラッチ穴部の場合には、ラッチ穴部の開口端部は曲面加工が施されるため、プローブの接触箇所が定まらず、測定ばらつきが発生するという課題がある。
同様に、測定対象がピアス穴部の場合においても、プレス成形時の型抜き方向に応じて開口端部にバリやまくれが発生し、プローブの接触箇所が定まらず、測定ばらつきが発生するという課題がある。また、作業者が、ノギスを用いてピアス穴部の測定を行う場合においても、開口端部の上記バリやまくれにより、ノギスを測定対象に対して面直に設定し難く、測定ばらつきが発生するという課題がある。
特に、作業者の手作業により上記ラッチ穴部等の測定を行う場合には、作業者の感覚により測定箇所にばらつきが発生し易く、安定した正確な判定をし難いという課題がある。その結果、判定結果のばらつきにより再測定を行う必要もあり、作業効率が悪く、作業時間の短縮をし難いという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、自動車のパネル等の測定対象物に穿設される穴部の形状を精度よく測定するための穴部形状の測定検具、穴部形状測定装置及び穴部形状測定方法を提供することにある。
本発明の穴部形状の測定検具では、測定対象物に穿設された穴部に対して、前記穴部の形状を測定する時に前記穴部に挿入される測定ピンを備えた測定検具であって、前記測定ピンは、少なくともその一部が前記穴部の端部または内側面と接触する傾斜面と、前記測定対象物の一主面と略平行になると共に、前記一主面側に位置する平坦面と、を有し、前記測定ピンの前記平坦面は、前記穴部の外径を測定するための第1の測定面として用いられることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、前記穴部はラッチ穴であり、前記ラッチ穴は前記測定対象物の前記一主面と反対側の他の主面側へと突出する環状の傾斜部に形成され、前記測定ピンの前記傾斜面と前記平坦面との成す角度は、前記穴部の前記内側面と前記測定対象物の前記一主面との成す角度と略同一であることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、前記測定ピンは、前記平坦面の中心位置に軸心を有する測定柱状部と、を有し、前記測定柱状部の外周面は、前記穴部の中心位置を測定するための第2の測定面として用いられることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、前記測定ピンは、前記傾斜面よりも下方側に前記測定柱状部の前記軸心と同一の軸心を有する固定柱状部と、を有し、前記固定柱状部の下端側の外周面には、係止部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、前記穴部の形状を測定する時に前記測定対象物の前記一主面側に配設されると共に、前記測定ピンが挿入される挿入穴を有するホルダ部を更に備え、前記ホルダ部は、前記測定対象物の前記一主面と略平行となる平坦面を有し、前記ホルダ部の前記平坦面は、前記穴部の外径を測定するための第3の測定面として用いられることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、前記穴部の形状を測定する時に前記測定対象物の前記一主面側に配設されると共に、前記測定ピンが挿入される挿入穴を有するホルダ部を更に備え、前記ホルダ部近傍の前記測定対象物の前記一主面が、前記穴部の外径を測定するための第3の測定面として用いられることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、前記ホルダ部及び前記測定ピンには、それぞれ磁石が内蔵されていることを特徴とする。
本発明の穴部形状測定装置では、前記測定対象物に穿設された前記穴部の形状を測定する穴部形状測定装置において、前記穴部に係止された状態の前記測定検具の前記測定ピンを測定する測定手段と、少なくとも前記穴部の設計データ及び前記穴部に係止された状態時の前記測定ピンの測定データを記憶する記憶手段と、前記測定データを用いて演算し、前記穴部の形状を特定する算出測定データを生成する測定データ算出手段と、前記算出測定データと前記穴部の設計データとを対比し、前記穴部の形状を判定する穴部形状判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の穴部形状測定装置では、前記測定手段は、接触式または非接触式の三次元測定器であることを特徴とする。
本発明の穴部形状測定方法では、前記測定検具を用いて、前記測定対象物に穿設された前記穴部の形状を測定する穴部形状測定方法において、前記測定対象物の前記穴部の軸心と前記測定検具の前記測定ピンの軸心とが略一致するように、前記測定対象物の上面に前記測定ピンを配設する工程と、前記測定ピンの外周面と前記測定対象物の前記一主面との位置関係を測定することで、前記穴部の形状を判定する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の穴部形状測定方法では、前記測定検具及び前記穴部形状測定装置を用いて、前記測定対象物に穿設された前記穴部の形状を測定する穴部形状測定方法において、前記測定対象物の前記穴部の軸心と前記測定検具の前記測定ピンの軸心とが略一致するように、前記測定対象物の上面に前記測定ピンを配設する工程と、前記穴部形状測定装置の前記測定手段を用いて前記測定ピンの前記第1の測定面及び前記第2の測定面を測定すると共に、前記測定検具の前記ホルダ部あるいは前記測定対象物の前記一主面に設定された前記第3の測定面を測定する工程と、前記穴部形状測定装置の前記測定データ算出手段により算出された前記算出測定データと前記穴部形状測定装置の前記記憶手段に記憶された前記穴部の設計データとを対比し、前記穴部の形状を判定する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の穴部形状の測定検具は、穴部の形状を測定する時に穴部に挿入される測定ピンを備え、測定ピンは、穴部の端部または内側面と接触する傾斜面と、測定対象物の一主面と略平行になる平坦面と、を有し、測定ピンの平坦面は、穴部の外径を測定するための第1の測定面として用いられる。この構造により、測定ピンの平坦面を測定することで、穴部の形状を測定する際に、測定箇所のばらつきが無くなり、精度良く穴部の形状を判定することができる。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、測定ピンの傾斜面と平坦面との成す角度は、ラッチ穴部の内側面と測定対象物の一主面との成す角度と略同一である。この構造により、ラッチ穴部の外径を測定する際に、ラッチ穴部の外径を想定円の直径として規定し、測定を行うことができ、精度良くラッチ穴部の外径を判定することができる。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、測定ピンは、平坦面の中心位置に軸心を有する測定柱状部と、を有し、測定柱状部の外周面は、穴部の中心位置を測定するための第2の測定面として用いられる。この構造により、測定ピンを用いることで、精度良く穴部の中心位置を判定することができる。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、測定ピンは、傾斜面よりも下方側に測定柱状部の軸心と同一の軸心を有する固定柱状部と、を有し、固定柱状部の下端側の外周面には、係止部が形成されている。この構造により、測定対象物が、磁着しない材料から成る場合でも、測定ピンを位置精度良く配設することで、精度良く穴部の形状を判定することができる。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、測定ピンが挿入される挿入穴を有するホルダ部を備え、ホルダ部の上面側の平坦面は、穴部の外径を測定するための第3の測定面として用いられる。この構造により、ホルダ部が、穴部に対して測定ピンを位置精度良く保持すると共に、ホルダ部の平坦面が測定面として用いられることで、精度良く穴部の形状を判定することができる。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、測定ピンが挿入される挿入穴を有するホルダ部を備え、ホルダ部近傍の測定対象物の一主面が、穴部の外径を測定するための第3の測定面として用いられる。この構造により、ホルダ部は、穴部に対して測定ピンを位置精度良く保持し、測定対象物の一主面の平坦面を測定することで、精度良く穴部の形状を判定することができる。
また、本発明の穴部形状の測定検具では、ホルダ部及び測定ピンには、それぞれ磁石が内蔵されている。この構造により、測定ピンは、鋼板等の磁着可能な測定対象物の穴部に対して所定状態を維持した状態にて測定対象物上面に固定されることで、精度良く穴部の形状を判定することができる。
本発明の穴部形状測定装置は、穴部に係止される測定ピンを備える測定検具と、穴部に係止された状態の測定ピンを測定する測定手段と、少なくとも穴部の設計データ及び穴部に係止された状態時の測定ピンの測定データを記憶する記憶手段と、測定データを用いて演算し、穴部の形状を特定する算出測定データを生成する測定データ算出手段と、算出測定データと穴部の設計データとを対比し、穴部の形状を判定する穴部形状判定手段と、を備えている。この構造により、測定ピンを用いて、測定ピン等に設定された平坦な測定面を三次元測定器等の測定手段により測定することで、穴部の形状を測定する際に、測定箇所のばらつきが無くなり、精度良く穴部の形状を判定することができる。
また、本発明の穴部形状測定装置では、測定手段は、接触式または非接触式の三次元測定器である。この構造により、プローブ等の接触式の三次元測定器を用いた場合、あるいは、レーザー測定器等の三次元測定器を用いた場合でも、穴部の形状を測定する際に、測定箇所のばらつきが無くなり、精度良く穴部の形状を判定することができる。
本発明の穴部形状測定方法では、測定対象物の穴部の軸心と測定検具の測定ピンの軸心とが略一致するように、測定対象物の上面に測定ピンを配設する工程と、測定ピンの外周面と測定対象物の一主面との位置関係を測定することで、穴部の形状を判定する工程と、を有する。この測定方法により、三次元測定器等の測定手段が設備されていない製造現場においても、測定ピンを用いることで精度良く穴部の形状を判定することができる。
また、本発明の穴部形状測定方法では、測定対象物の穴部の軸心と測定検具の測定ピンの軸心とが略一致するように、測定対象物の上面に測定ピンを配設する工程と、穴部形状測定装置の測定手段を用いて測定ピンの第1の測定面及び第2の測定面を測定すると共に、測定検具のホルダ部あるいは測定対象物の一主面に設定された第3の測定面を測定する工程と、穴部形状測定装置の測定データ算出手段により算出された算出測定データと穴部形状測定装置の記憶手段に記憶された穴部の設計データとを対比し、穴部の形状を判定する工程と、を有する。この測定方法により、測定ピンを用いて、測定ピン等に設定された平坦な測定面を三次元測定器等の測定手段により測定することで、穴部の形状を測定する際に、測定箇所のばらつきが無くなり、精度良く穴部の形状を判定することができる。
本発明の一実施形態である穴部形状を測定する測定検具を説明する(A)斜視図、(B)斜視図である。 本発明の一実施形態である穴部形状を測定する測定検具の使用状態を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図である。 本発明の一実施形態である穴部形状を測定する測定検具の使用状態を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図である。 本発明の一実施形態である穴部形状を測定する測定検具を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 本発明の一実施形態である穴部形状測定装置を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態である穴部形状測定装置を用いて穴部形状の測定方法を説明する(A)断面図、(B)説明図、(C)断面図、(D)説明図である。
最初に、本発明の一実施形態に係る穴部形状を測定する測定検具10(以下、「測定検具10」と呼ぶ)を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1(A)は、本実施形態の測定検具10を構成する測定ピン11を説明する斜視図である。図1(B)本実施形態の測定検具10を構成するホルダ部12を説明する斜視図である。図2(A)から図2(C)は、本実施形態の測定検具10をラッチ穴部14Aに対して使用する状態を説明する断面図である。図3(A)から図3(C)は、本実施形態の測定検具10をピアス穴部14Bに対して使用する状態を説明する断面図である。
測定対象物の1つである車両用パネル13には、車両用部品や締結部品等を組み付けるための多数の穴部14、例えば、ラッチ穴部14A(図2(A)参照)やピアス穴部14B(図3(A)参照)が形成されている。そして、穴部14が、車両用パネル13の設計通りの穴部形状として形成されているか、否かを試作工程や検査工程にて測定し、判定する必要がある。その測定方法としては、例えば、プローブを用いた接触式の三次元測定方法やレーザー測定器やスキャナー測定器等を用いた非接触式の三次元測定方法が知られている。
本実施形態では、測定検具10を穴部14に対して所定状態に配置した後、上記非接触式の三次元測定器を用いて測定することで、穴部14の形状、例えば、穴部14の外径φ1及び中心位置Cを簡易に且つ精度良く測定することができる。尚、本実施形態では、測定検具10に対してプローブを接触させて測定する上記接触式の三次元測定方法を用いる場合でも良い。
図1(A)に示す如く、測定検具10は、測定ピン11を備えている。そして、測定ピン11は、主に、穴部14に係止される傾斜面15と、穴部14の外径φ1を測定するための第1の測定面16と、穴部14の中心位置Cを測定するための測定柱状部17及び測定柱状部17の外周面である第2の測定面18と、を有している。
測定ピン11は、例えば、鋼材を切削加工して製作され、その内部に磁石(図示せず)を内蔵する。この構造により、測定時には、測定ピン11は、鋼板等の磁着可能な車両用パネル13の穴部14に対して所定状態を維持して、車両用パネル13上面に固定される。
測定ピン11は、穴部14の形状に合わせて様々な外形形状に加工される。図示したように、穴部14を上面から見た形状が円の場合には、上記円形状の寸法に合わせた円柱形状の本体部11Aが形成される。そして、本体部11Aの下端側の円錐形状部11Bには、その外周面から成る環状の傾斜面15が形成される。
傾斜面15の角度θ1は、測定する穴部14の設計形状に合わせて30度、45度、60度等と任意に設定されるが、本実施形態では、傾斜面15の角度θ1が45度の場合を図示している。詳細は後述するが、傾斜面15が、穴部14の内側面31Aや端部42(図3(A)参照)と接触することで、測定ピン11は、その一部が穴部14内に挿入された状態にて係止される。尚、本実施形態では、傾斜面15の角度θ1は、測定ピン11の傾斜面15と第1の測定面16である平坦面11Cとの成す角度とする。
本体部11Aの上面は円形状の平坦面11Cとして形成され、平坦面11Cは穴部14の外径φ1を測定するための第1の測定面16として用いられる。詳細は後述するが、測定ピン11の本体部11Aが、ホルダ部12(図1(B)参照)の挿入穴21(図1(B)参照)内に挿入されることで、第1の測定面16は、穴部14近傍の車両用パネル13の主面13Aと略平行となる。そして、上記平行な状態の第1の測定面16及び第3の測定面22(図1(B)参照)を測定することで、穴部14の外径φ1が算出され、穴部14の形状が判定される。
測定柱状部17は、本体部11Aの平坦面11C上に一体に形成されている。測定柱状部17は、例えば、円柱形状に形成され、測定柱状部17の軸心は、平坦面11Cの中心位置と一致するように形成されている。つまり、測定ピン11では、一点鎖線19にて示すように、傾斜面15が形成される円錐形状部11B、本体部11A及び測定柱状部17の軸心が一致している。そして、測定柱状部17の外周面は、穴部14の中心位置Cを測定するための第2の測定面18として用いられる。
図1(B)に示す如く、測定検具10は、ホルダ部12を備えている。そして、ホルダ部12は、主に、車両用パネル13上面に着脱自在に配設される本体部20と、本体部20を上下方向に貫通する挿入穴21と、穴部14の外径φ1を測定するための第3の測定面22と、を有している。尚、ホルダ部12は、測定検具10として必須の構成部材ではなく、測定検具10としてホルダ部12が存在しない場合には、穴部14近傍の車両用パネル13の主面13Aが第3の測定面22として用いられる。
ホルダ部12は、例えば、鋼材を切削加工して製作され、その内部に磁石(図示せず)を内蔵する。この構造により、測定時には、ホルダ部12は、鋼板等の磁着可能な車両用パネル13や磁石が内蔵された測定ピン11と磁着し、車両用パネル13に対して所定状態を維持して固定される。
本体部20は、例えば、円柱形状であり、本体部20の上面側の平坦面20Aと下面側の平坦面20Bとは、略平行に形成されている。そして、測定時には、車両用パネル13の主面13Aにホルダ部12を配設することで、本体部20の平坦面20Aが、車両用パネル13の主面13Aと略平行な面となり、第3の測定面22として用いられる。尚、上述したように、ホルダ部12は、測定ピン11を保持する部材であり、ホルダ部12を用いた場合でも、車両用パネル13の主面13Aを第3の測定面22として用いても良い。
挿入穴21は、本体部20を上下方向に貫通し、円柱形状の開口部として形成されている。ホルダ部12は、測定ピン11(図1(A)参照)を車両用パネル13の主面13Aに対して鉛直方向に直立した状態に保持するために用いられる。そのため、挿入穴21の穴径φ2は、測定ピン11の本体部11Aの外径φ3より若干広くなる。そして、測定ピン11の外周面11Dが、挿入穴21の内周面21Aと当接した状態にて摺動しながら、測定ピン11は挿入穴21内へと挿入される。
図2(A)から図2(C)では、検査工程等にて、車両用パネル13に形成されたラッチ穴部14Aを測定する時の測定検具10の使用状況を示している。そして、図2(B)では、測定検具10として測定ピン11及びホルダ部12を用いる場合を示し、図2(C)では、測定検具10として測定ピン11のみを用いる場合を示している。
図2(A)は、プレス加工により車両用パネル13に形成されたラッチ穴部14Aを示している。ラッチ穴部14Aは、例えば、上面から見ると円形状であり、ラッチ穴部14Aの形成領域では、車両用パネル13の傾斜部31が、車両用パネル13の主面13Aに対して45度の角度にて折り曲げ加工されている。尚、ラッチ穴部14Aは、丸穴形状、長穴形状、台形形状や多角形穴形状、例えば、三角穴形状、四角穴形状、五角穴形状、六角穴形状等、用途に応じて種々の形状に加工される。
ここで、ラッチ穴部14Aでは、丸印32にて示すように、ラッチ穴部14Aの外径φ1を形成するコーナー部は、応力集中を防止し、耐久性を向上させるために、例えば、曲率半径が0.3mmの曲面34が形成されている。そのため、ラッチ穴部14Aの外径φ1や中心位置Cを測定する際に、曲面34に対して測定点のばらつきが起り易く、精度良く測定を行うことができないという問題がある。
そこで、本実施形態では、点線にて示すように、車両用パネル13の主面13Aの延長面と傾斜部31の内側面31Aの延長面とが交差する仮想円を想定し、ラッチ穴部14Aの外径φ1は、その仮想円の直径として規定する。同様に、ラッチ穴部14Aの中心位置Cは、その仮想円の中心位置として規定する。そして、測定ピン11を用いて非接触式の三次元測定方法を用いることで、測定点のばらつきが無くなり、精度良くラッチ穴部14Aの外径φ1や中心位置Cを測定することができる。
具体的には、図2(B)に示す如く、検査用テーブル33上面に車両用パネル13を配設した後、一点鎖線19にて示すように、ホルダ部12の挿入穴21の軸心とラッチ穴部14Aの軸心とが一致するように、ホルダ部12を車両用パネル13の主面13A上面に固定する。そして、測定ピン11の外周面11Dと挿入穴21の内周面21Aとが当接した状態にて、測定ピン11を挿入穴21内へと摺動させながら挿入する。
その後、測定ピン11の傾斜面15が、ラッチ穴部14Aの傾斜部31の内側面31Aと接触することで、測定ピン11がラッチ穴部14Aに係止される。このとき、測定ピン11は、挿入穴21を介してホルダ部12にも保持されている。上述したように、測定ピン11は、挿入穴21にガイドされながらラッチ穴部14A内へと挿入されることで、一点鎖線19にて示すように、測定ピン11の軸心もラッチ穴部14Aの軸心及び挿入穴21の軸心と一致する。
また、ホルダ部12の平坦面20Bが、車両用パネル13の主面13Aと当接した状態にて、ホルダ部12が車両用パネル13の主面13A上に固定されることで、ホルダ部12の第3の測定面22及び測定ピン11の第1の測定面16は、車両用パネル13の主面13Aに対して略平行な状態となる。
つまり、測定ピン11の軸心が、ラッチ穴部14Aの軸心と一致し、第1の測定面16及び第3の測定面22が、車両用パネル13の主面13Aと略平行な平坦面となることで、三次元測定方法による測定ばらつきが無くなり、精度良くラッチ穴部14Aの外径φ1が算出される。同様に、測定ピン11の軸心が、ラッチ穴部14Aの軸心と一致し、第2の測定面18を測定することで、三次元測定方法による測定ばらつきが無くなり、精度良くラッチ穴部14Aの中心位置Cが算出される。
尚、ラッチ穴部14Aの測定では、測定ピン11の傾斜面15の角度θ1(図1(A)参照)は、ラッチ穴部14Aの傾斜部31の内側面31Aの角度θ2、つまりラッチ穴部14Aの内側面31Aと車両用パネル13の主面13Aとの成す角度θ2と略同一となるものが使用される。そして、ラッチ穴部14Aが、設計通りに形成されている場合には、挿入穴21に挿入された部分の測定ピン11の傾斜面15は、ラッチ穴部14Aの内側面31Aと略全面に渡り接触する。この場合には、ホルダ部12を用いることなく、一点鎖線19にて示すように、測定ピン11の軸心とラッチ穴部14Aの軸心とは一致している。
一方、図2(C)に示す如く、測定検具10として測定ピン11のみを用いて、非接触式の三次元測定方法によりラッチ穴部14Aの外径φ1や中心位置Cを測定する場合でも良い。上述したように、測定ピン11には磁石が内蔵されているため、測定ピン11は、単独にて、測定中に車両用パネル13の主面13Aに対して鉛直方向に直立した状態にて自立することもできる。この場合には、車両用パネル13の主面13Aを第3の測定面22として用いることで、非接触式の三次元測定方法を用いることができる。
図3(A)から図3(C)では、検査工程等にて、車両用パネル13に形成されたピアス穴部14Bを測定する時の測定検具10の使用状況を示している。そして、図3(B)では、測定検具10として測定ピン11及びホルダ部12を用いる場合を示し、図3(C)では、測定検具10として測定ピン11のみを用いる場合を示している。尚、ピアス穴部14Bの測定では、ピアス穴部14Bの外径φ1の大きさに応じて、所望の角度θ1(図1(A)参照)の測定ピン11を用いることができる。
図3(A)は、プレス加工により車両用パネル13に形成されたピアス穴部14Bを示している。ピアス穴部14Bは、例えば、上面から見ると円形状であり、ピアス穴部14Bは、車両用パネル13の厚み方向に略同一の円形状にて打ち抜かれた開口部である。尚、ピアス穴部14Bは、丸穴形状、長穴形状、台形形状や多角形穴形状、例えば、三角穴形状、四角穴形状、五角穴形状、六角穴形状等、用途に応じて種々の形状に加工される。
ここで、ピアス穴部14Bでは、丸印41にて示すように、ピアス穴部14Bの端部42には、プレス加工時の型抜き方向に応じてバリやまくれが発生する場合がある。上記バリ等が発生した場合には、ピアス穴部14Bの外径φ1や中心位置Cを測定する際に、測定点のばらつきが起り易く、精度良く測定を行うことができないという問題がある。
そこで、本実施形態では、測定ピン11を用いて非接触式の三次元測定方法を用いることで、測定点のばらつきが無くなり、精度良くピアス穴部14Bの外径φ1や中心位置Cを測定することができる。
具体的には、図3(B)に示す如く、検査用テーブル33上面に車両用パネル13を配設した後、一点鎖線19にて示すように、ホルダ部12の挿入穴21の軸心とピアス穴部14Bの軸心とが一致するように、ホルダ部12を車両用パネル13の主面13A上面に固定する。そして、測定ピン11の外周面11Dが挿入穴21の内周面21Aと当接した状態にて、測定ピン11が挿入穴21内へと摺動しながら挿入される。
その後、測定ピン11の傾斜面15が、ピアス穴部14Bの端部42と接触することで、測定ピン11がピアス穴部14Bに係止される。このとき、測定ピン11は、挿入穴21を介してホルダ部12に保持されている。上述したように、測定ピン11は、挿入穴21にガイドされながらピアス穴部14B内へと挿入されることで、一点鎖線19にて示すように、測定ピン11の軸心もピアス穴部14Bの軸心及び挿入穴21の軸心と一致する。
また、ホルダ部12の平坦面20Bが、車両用パネル13の主面13Aと当接した状態にて、ホルダ部12が車両用パネル13の主面13A上に固定されることで、ホルダ部12の第3の測定面22及び測定ピン11の第1の測定面16は、車両用パネル13の主面13Aに対して略平行な状態となる。
つまり、測定ピン11の軸心が、ピアス穴部14Bの軸心と一致し、第1の測定面16及び第3の測定面22が、車両用パネル13の主面13Aと略平行な平坦面となることで、三次元測定方法による測定ばらつきが無くなり、精度良くピアス穴部14Bの外径φ1が算出される。同様に、測定ピン11の軸心が、ピアス穴部14Bの軸心と一致し、第2の測定面18を測定することで、三次元測定方法による測定ばらつきが無くなり、精度良くピアス穴部14Bの中心位置Cが算出される。
尚、上述したように、測定ピン11及びホルダ部12には、それぞれ磁石が内蔵されているため、測定ピン11及びホルダ部12は、測定中に車両用パネル13の主面13A上に所定状態を維持しながら固定されている。
一方、図3(C)に示す如く、測定検具10として測定ピン11のみを用いて、非接触式の三次元測定方法によりピアス穴部14Bの外径φ1や中心位置Cを測定する場合でも良い。上述したように、測定ピン11には磁石が内蔵されているため、測定ピン11は、単独にて、測定中に車両用パネル13の主面13Aに対して鉛直方向に直立した状態にて自立することもできる。この場合には、車両用パネル13の主面13Aを第3の測定面22として用いることで、非接触式の三次元測定方法を用いることができる。
次に、図4(A)及び図4(B)では、車両用パネル13がアルミニウム等の磁着不可能な材料から成る場合に用いられる測定ピン51を示している。そして、図4(A)は、測定ピン51を用いてピアス穴部14Bの形状を測定する状況を説明する断面図である。図4(B)は、測定ピン51の係止部54の係止状況を説明する断面図である。
尚、測定ピン51の説明に際し、図1から図3を用いて説明した測定ピン11と同じ構成要素には同一の符番を付し、その上述した説明を参照し、繰り返しの説明は省略する。また、測定ピン51は、ピアス穴部14Bの形状を測定する場合にのみ用いられるものではなく、ラッチ穴部14Aの形状を測定する場合にも用いることができる。
図4(A)に示す如く、測定ピン51は、主に、ピアス穴部14Bに係止される傾斜面15と、ピアス穴部14Bの外径φ1(図3(A)参照)を測定するための第1の測定面16と、ピアス穴部14Bの中心位置C(図3(A)参照)を測定するための測定柱状部17及び測定柱状部17の外周面である第2の測定面18と、測定ピン51を検査用テーブル52に固定するための固定柱状部53と、固定柱状部53の下端側に形成される係止部54と、を有している。
測定ピン51は、車両用パネル13がアルミニウム等の磁着不可能な材料から成る場合に用いられるため、測定ピン51には磁石は内蔵されていない。そのため、測定ピン51には、検査用テーブル52に固定するための固定柱状部53及び固定柱状部53の下端側に形成される係止部54が形成されている。
測定ピン51は、例えば、鋼材を切削加工して製作され、傾斜面15の下方側に固定柱状部53が形成されている。一点鎖線19にて示すように、固定柱状部53の軸心は、本体部11A及び円錐形状部11Bの軸心と略一致するように形成されている。そして、固定柱状部53は、例えば、円柱形状にて形成され、固定柱状部53の下端面53Aは、第1の測定面16と略平行となる平坦面として形成されている。
また、固定柱状部53の下端側の外周面には、係止部54が形成されている。本実施形態では、係止部54は、例えば、おねじ形状であり、検査用テーブル52の固定穴52A(図4(B)参照)のめねじ形状に対して装着される。尚、係止部54の形状としては、上記ネジ形状に限定するものではなく、測定ピン51が、検査用テーブル52の固定穴52Aに対して係止される構造であれば良い。
図4(B)は、図4(A)の丸印55にて示す領域を拡大して図示しているが、固定穴52Aのめねじ形状と係止部54のおねじ形状との位置関係を示している。図示したように、固定穴52A内では、固定穴52Aのめねじ形状と係止部54のおねじ形状とは、クリアランスW1として、例えば、0.5mm程度有している。また、図4(A)に示すように、一点鎖線19にて示すように、検査用テーブル52の固定穴52Aの軸心が、ピアス穴部14Bの軸心と一致するように、車両用パネル13は、検査用テーブル52に配設されている。
この構造により、測定ピン51の傾斜面15が、ピアス穴部14Bの端部42(図3(A)参照)と接触することで、測定ピン51がピアス穴部14Bに係止される。このとき、同時に固定柱状部53の係止部54が、検査用テーブル52の固定穴52A内へと装着されることで、測定ピン51は、検査用テーブル52に保持される。上述したように、固定穴52A内では、上記クリアランスW1を有することで、測定ピン51の軸心が、係止部54での嵌合状態により傾斜してしまうことが防止される。その結果、測定中に、測定ピン51の軸心が車両用パネル13の主面13Aに対して鉛直方向に位置するように、測定ピン51は、ピアス穴部14Bの端部42との接触状態に応じて固定される。
次に、本発明の他の実施形態に係る穴部形状測定装置60及び穴部形状測定方法を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、図1から図4を用いて説明した測定検具10等の説明を適宜参照し、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図5は、本実施形態の穴部形状測定装置60を説明するブロック図である。図6(A)は、測定ピン11を用いてピアス穴部14Bの形状を測定する状況を示す断面図である。図6(B)は、穴部形状測定装置60内での計算方法を説明する算出表である。図6(C)は、測定ピン51を用いてピアス穴部14Bの形状を測定する状況を示す断面図である。図6(D)は、穴部形状測定装置60内での計算方法を説明する算出表である。
図5に示す如く、穴部形状測定装置60は、主に、測定検具10と、制御ユニット61と、測定手段62と、記憶手段63と、測定データ算出手段64と、穴部形状判定手段65と、を備えている。尚、記憶手段63、測定データ算出手段64、穴部形状判定手段65は、制御ユニット61内に設けられている。
制御ユニット61は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有して構成され、各種の演算等を実行する電子制御ユニット(ECU)である。尚、制御ユニット61としてパーソナルコンピュータ(図示せず)を用い、測定手段62を制御する場合でも良い。
測定手段62は、接触式の三次元測定を行う場合には、例えば、測定検具10の測定面を直接接触するプローブである。一方、測定手段62は、非接触式の三次元測定を行う場合には、例えば、測定検具10の測定面を測定するレーザー測定器やスキャナー測定器である。そして、測定手段62は、測定検具10等に設けられた第1から第3の測定面16、18、22をそれぞれ複数箇所測定する。
記憶手段63は、穴部14の設計データ等、穴部14の形状を判定するために必要な各種データが記憶される。穴部14の設計データとしては、例えば、各穴部14の大きさや形状毎の設計データに公差を含ませたデータである。また、記憶手段63には、図6(B)及び図6(D)を用いて後述する算出表データが記憶されている。
測定データ算出手段64は、測定手段62により測定した第1から第3の測定面16、18、22を測定した測定データを記憶手段63に記憶させる。そして、測定データ算出手段64は、穴部14の外径φ1に対しては、第1及び第3の測定面16、22の測定データを用いて演算し、算出した穴部14の外径φ1の算出測定データを記憶手段63に記憶させる。一方、穴部14の中心位置Cに対しては、第2の測定面18の測定データを用いて演算し、算出した穴部14の中心位置Cの算出測定データを記憶手段63に記憶させる。
穴部形状判定手段65は、算出測定データと穴部14の設計データや算出表データとを対比し、上記算出測定データが、穴部14の設計データの範囲内に収まっている場合には、穴部14の形状が正常である旨を通知する。一方、算出測定データが、穴部14の設計データの範囲内に収まっていない場合には、穴部14の形状が不良である旨を通知する。
例えば、図6(A)及び図6(B)により、測定ピン11及びホルダ部12を用いてピアス穴部14Bの形状を測定する状況を説明する。尚、測定ピン11及びホルダ部12の説明は、図1から図3を用いて上述した説明を参照し、繰り返しの説明は省略する。また、測定ピン11及びホルダ部12は、ピアス穴部14Bの形状を測定する場合にのみ用いられるものではなく、ラッチ穴部14A(図2(A)参照)の形状を測定する場合にも用いることができる。
図6(B)では、算出表の横軸はピアス穴部14Bの外径φ1の大きさを示し、算出表の縦軸は横軸のピアス穴部14Bの外径φ1を高さ方向の長さに換算した数値を示している。そして、上記高さ方向の長さとは、ホルダ部12の第3の測定面22から測定ピン11の第1の測定面16までの高さ方向の長さである。また、算出表内に記載された直線は、それぞれ測定ピン11の傾斜面15の角度θ1(図1(A)参照)に応じた線である。
先ず、測定手段62(図5参照)は、測定検具10の第1の測定面16及びホルダ部12の第3の測定面22をそれぞれ複数箇所測定する。次に、測定データ算出手段64は、第1及び第3の測定面16、22の測定から得られる高さ方向の長さと、使用された測定ピン11の傾斜面15の角度θ1とを用いて、ピアス穴部14Bの外径φ1を算出した算出測定データを生成する。次に、穴部形状判定手段65は、上記算出測定データが、ピアス穴部14Bの設計データの範囲内に収まっているか、否かを判定し、判定結果を通知する。
例えば、穴部形状判定手段65では、測定ピン11の外形φ1は8.0mm、傾斜面15の角度は45度であり、第3の測定面22から第1の測定面16までの長さの測定値が、1.5mmの場合には、上記測定値が、上記換算した数値と一致し、ピアス穴部14Bが設計値通りに成形され、良判定となる。一方、上記測定値が、1.5mmより小さい場合には、ピアス穴部14Bが設計値よりも大きく成形されている可能性があり否判定となる。また、上記測定値が、1.5mmより大きい場合には、ピアス穴部14Bの端部にバリ等が発生している可能性があり、否判定となる。
作業員は、上記判定結果が否判定の場合には、ピアス穴部14Bの端部42にバリ等が発生していることを想定し、再度、測定したピアス穴部14Bを検査することができる。
尚、穴部形状測定装置60が配置されていない製造現場においても、測定ピン11及びホルダ部12を用いて、作業員の目視にて製造現場にてピアス穴部14Bの形状の良否判定を行うこともできる。図6(A)に示すように、車両用パネル13上に測定ピン11及びホルダ部12を位置精度良く配置した後、作業員が、測定ピン11の傾斜面15の量りを目視にて確認し、ピアス穴部14Bの外径が設計値通りに8.0mmの場合には、良判定となる。
また、例えば、図6(C)及び図6(D)を用いて、測定ピン51を用いてピアス穴部14Bの形状を測定する状況を説明する。尚、測定ピン51の説明は、図4(A)及び図4(B)を用いて上述した説明を参照し、繰り返しの説明は省略する。また、測定ピン51は、ピアス穴部14Bの形状を測定する場合にのみ用いられるものではなく、ラッチ穴部14A(図2(A)参照)の形状を測定する場合にも用いることができる。
図6(D)では、算出表の横軸はピアス穴部14Bの外径φ1の大きさを示し、算出表の縦軸は横軸のピアス穴部14Bの外径φ1を高さ方向の長さに換算した数値を示している。そして、上記高さ方向の長さとは、車両用パネル13の第3の測定面22から測定ピン11の第1の測定面16までの高さ方向の長さである。算出表内に記載された直線は、それぞれ測定ピン51の傾斜面15の角度θ1(図1(A)参照)に応じた線である。
図6(A)及び図6(B)を用いて上述した場合と同様に、測定手段62(図5参照)は、測定検具10の第1の測定面16及び車両用パネル13の第3の測定面22をそれぞれ複数箇所測定する。その後、測定データ算出手段64及び穴部形状判定手段65により、記憶手段63に記憶された算出表データや設計データを用いて演算し、ピアス穴部14Bの形状を判定する。例えば、測定ピン51の外形φ1は8.0mm、傾斜面15の角度は45度であり、第3の測定面22から第1の測定面16までの測定値が、5.5mmの場合には、上記測定値が、上記換算した数値と一致し、ピアス穴部14Bが設計値通りに成形され、良判定となる。
最後に、穴部形状測定装置60を用いた穴部形状測定方法について、図2(B)及び図5を用いて説明する。尚、以下の説明では、図2(B)を用いてラッチ穴部14Aの形状を測定する場合について説明するが、図3(B)に示すピアス穴部14Bの形状を測定する場合でも同様である。
穴部形状測定方法では、図2(B)に示すように、測定検具10である測定ピン11及びホルダ部12を車両用パネル13のラッチ穴部14Aに対して測定時の所定状態に配設する。そして、レーザー測定器やスキャナー測定器等の測定手段62(図5参照)を用いて、非接触式の三次元測定方法により測定ピン11等の第1から第3の測定面16、18、22を測定することで、ラッチ穴部14Aの形状が、設計通りに車両用パネル13に加工されているか、否かを判定する。
具体的には、検査用テーブル33上面に車両用パネル13を配設した後、一点鎖線19にて示すように、ホルダ部12の挿入穴21の軸心とラッチ穴部14Aの軸心とが一致するように、ホルダ部12を車両用パネル13の主面13A上面に固定する。そして、測定ピン11の外周面11Dと挿入穴21の内周面21Aとが当接した状態にて、測定ピン11を挿入穴21内へと摺動させながら挿入する。
その後、測定ピン11の傾斜面15が、ラッチ穴部14Aの傾斜部31の内側面31Aと接触することで、測定ピン11がラッチ穴部14Aに係止される。このとき、測定ピン11は、挿入穴21を介してホルダ部12にも保持されている。上述したように、測定ピン11は、挿入穴21にガイドされながらラッチ穴部14A内へと挿入されることで、一点鎖線19にて示すように、測定ピン11の軸心もラッチ穴部14Aの軸心及び挿入穴21の軸心と一致する。
次に、測定手段62により、第1から第3の測定面16、18、22を測定する。上述したように、測定ピン11の軸心をラッチ穴部14Aの軸心や挿入穴21の軸心と一致させることで、測定ピン11の第1の測定面16及びホルダ部12の第3の測定面22は、車両用パネル13の主面13Aに対して略平行な状態となる。この測定時の設置状態おいて、測定手段62により平坦面の第1及び第3の測定面16、22を測定することで、測定箇所のばらつきがなくなり、精度良い複数の測定データを取得できる。尚、第2の測定面18の測定でも、上記軸心の一致により精度良い複数の測定データを取得できる。
その後、測定データ算出手段64は、上記複数の測定データを用いて演算し、算出したラッチ穴部14Aの外径φ1や中心位置Cの算出測定データを生成する。その後、穴部形状判定手段65は、記憶手段63の算出表データ、ラッチ穴部14Aの設計データや算出測定データを用いて演算し、ラッチ穴部14Aの形状が、設計通りに加工されているか、否かを判定する。
尚、本実施形態では、穴部形状測定装置60を用いて、接触式または非接触式の三次元測定方法にて穴部14の形状の良否判定を行う場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、穴部形状測定装置60の測定手段62が設備されていない製造現場においても、測定ピン11を車両用パネル13の穴部14に配設し、測定ピン11の傾斜面15に形成された量りを目視にて確認することで、穴部14の形状の良否判定を行うこともできる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10 穴部形状の測定検具
11,51 測定ピン
11C 平坦面
12 ホルダ部
13 車両用パネル
13A 主面
14 穴部
14A ラッチ穴部
14B ピアス穴部
15 傾斜面
16 第1の測定面
17 測定柱状部
18 第2の測定面
20A,20B 平坦面
21 挿入穴
21A 内周面
22 第3の測定面
31 傾斜部
31A 内側面
33,52 検査用テーブル
42 端部
52A 固定穴
53 固定柱状部
54 係止部
60 穴部形状測定装置
61 制御ユニット
62 測定手段
63 記憶手段
64 測定データ算出手段
65 穴部形状判定手段

Claims (11)

  1. 測定対象物に穿設された穴部に対して、前記穴部の形状を測定する時に前記穴部に挿入される測定ピンを備えた測定検具であって、
    前記測定ピンは、
    少なくともその一部が前記穴部の端部または内側面と接触する傾斜面と、
    前記測定対象物の一主面と略平行になると共に、前記一主面側に位置する平坦面と、を有し、
    前記測定ピンの前記平坦面は、前記穴部の外径を測定するための第1の測定面として用いられることを特徴とする穴部形状の測定検具。
  2. 前記穴部はラッチ穴であり、前記ラッチ穴は前記測定対象物の前記一主面と反対側の他の主面側へと突出する環状の傾斜部に形成され、
    前記測定ピンの前記傾斜面と前記平坦面との成す角度は、前記穴部の前記内側面と前記測定対象物の前記一主面との成す角度と略同一であることを特徴とする請求項1に記載の穴部形状の測定検具。
  3. 前記測定ピンは、前記平坦面の中心位置に軸心を有する測定柱状部と、を有し、
    前記測定柱状部の外周面は、前記穴部の中心位置を測定するための第2の測定面として用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の穴部形状の測定検具。
  4. 前記測定ピンは、前記傾斜面よりも下方側に前記測定柱状部の前記軸心と同一の軸心を有する固定柱状部と、を有し、
    前記固定柱状部の下端側の外周面には、係止部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の穴部形状の測定検具。
  5. 前記穴部の形状を測定する時に前記測定対象物の前記一主面側に配設されると共に、前記測定ピンが挿入される挿入穴を有するホルダ部を更に備え、
    前記ホルダ部は、前記測定対象物の前記一主面と略平行となる平坦面を有し、
    前記ホルダ部の前記平坦面は、前記穴部の外径を測定するための第3の測定面として用いられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の穴部形状の測定検具。
  6. 前記穴部の形状を測定する時に前記測定対象物の前記一主面側に配設されると共に、前記測定ピンが挿入される挿入穴を有するホルダ部を更に備え、
    前記ホルダ部近傍の前記測定対象物の前記一主面が、前記穴部の外径を測定するための第3の測定面として用いられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の穴部形状の測定検具。
  7. 前記ホルダ部及び前記測定ピンには、それぞれ磁石が内蔵されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の穴部形状の測定検具。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の前記測定検具を用いて、前記測定対象物に穿設された前記穴部の形状を測定する穴部形状測定装置において、
    前記穴部に係止された状態の前記測定検具の前記測定ピンを測定する測定手段と、
    少なくとも前記穴部の設計データ及び前記穴部に係止された状態時の前記測定ピンの測定データを記憶する記憶手段と、
    前記測定データを用いて演算し、前記穴部の形状を特定する算出測定データを生成する測定データ算出手段と、
    前記算出測定データと前記穴部の設計データとを対比し、前記穴部の形状を判定する穴部形状判定手段と、を備えることを特徴とする穴部形状測定装置。
  9. 前記測定手段は、接触式または非接触式の三次元測定器であることを特徴とする請求項8に記載の穴部形状測定装置。
  10. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の前記測定検具を用いて、前記測定対象物に穿設された前記穴部の形状を測定する穴部形状測定方法において、
    前記測定対象物の前記穴部の軸心と前記測定検具の前記測定ピンの軸心とが略一致するように、前記測定対象物の上面に前記測定ピンを配設する工程と、
    前記測定ピンの外周面と前記測定対象物の前記一主面との位置関係を測定することで、前記穴部の形状を判定する工程と、を有することを特徴とする穴部形状測定方法。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の前記穴部形状測定装置を用いて、前記測定対象物に穿設された前記穴部の形状を測定する穴部形状測定方法において、
    前記測定対象物の前記穴部の軸心と前記測定検具の前記測定ピンの軸心とが略一致するように、前記測定対象物の上面に前記測定ピンを配設する工程と、
    前記穴部形状測定装置の前記測定手段を用いて前記測定ピンの前記第1の測定面及び前記第2の測定面を測定すると共に、前記測定検具の前記ホルダ部あるいは前記測定対象物の前記一主面に設定された前記第3の測定面を測定する工程と、
    前記穴部形状測定装置の前記測定データ算出手段により算出された前記算出測定データと前記穴部形状測定装置の前記記憶手段に記憶された前記穴部の設計データとを対比し、前記穴部の形状を判定する工程と、を有することを特徴とする穴部形状測定方法。
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