JP2020094720A - 蓄冷式冷凍機 - Google Patents

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Hiroyasu Nomachi
博康 野町
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Abstract

【課題】 エネルギー効率をさほど低下させることなく、ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけることができる蓄冷式冷凍機を提供すること。【解決手段】 蓄冷式冷凍機1は、内部空間が形成された補助シリンダ41と、ディスプレーサ32に連結されるとともにディスプレーサ32に同期して往復移動可能に補助シリンダ41の内部空間に配設された補助ピストン42を備える。また、圧縮シリンダ21内の圧縮バッファ空間と補助シリンダ41内の補助バッファ空間が、バッファ空間連通路62により連通される。【選択図】 図1

Description

本発明は、蓄冷式冷凍機に関する。
圧縮シリンダ内に設けられる圧縮ピストンと膨張シリンダ内に設けられるディスプレーサを備える蓄冷式冷凍機においては、ディスプレーサにより区画される膨張シリンダ内の膨張空間の容積変動と圧力変動が所定の位相差となるように、ディスプレーサの往復移動が制御される。圧縮ピストンとディスプレーサが機械連結されている場合、或いは両者が別々の駆動源を持ち、それぞれの駆動源を同期させてこれらを動作させる場合、比較的容易に膨張空間の容積変動と圧力変動が所望の位相差になるようにディスプレーサを駆動させることができる。しかしながら、圧縮ピストンとディスプレーサが機械連結されておらず、且つ圧縮ピストンのみに駆動源が設けられるフリーピストンタイプの蓄冷式冷凍機にあっては、ディスプレーサは作動ガスの差圧を駆動源として往復移動するので、ディスプレーサの往復移動を制御することは非常に難しい。また、この場合、ディスプレーサ及びそれに追従して動作する可動部からなる振動系(以下、ディスプレーサ振動系)の共振周波数を、駆動周波数(すなわち圧縮ピストンの往復移動周波数であり、作動ガスの圧力変動周波数)と同じか若しくは可能な限り近づけなければならない。
ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけるために従来一般的に行われている方法は、ディスプレーサを弾性支持するサスペンションばね(例えばフレクシャ・ベアリング)の使用枚数を調整して、ディスプレーサ振動系の質量及び弾性係数を変更する方法である。しかしながら、この方法でディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけようとすると、高価な板ばね(サスペンションばね)の使用枚数が増加する傾向にあり、それ故に蓄冷式冷凍機のコストの増大が懸念される。
特許文献1は、軸方向に往復移動するディスプレーサに補助ピストン(ディスプレーサガスばねピストン)が同軸連結されてなるスターリング冷凍機を開示する。特許文献1に開示のスターリング冷凍機によれば、ディスプレーサに同軸連結された補助ピストンをディスプレーサの往復移動に連動させて密閉空間内で往復移動させる。補助ピストンのこうした往復移動によりガスばね力が生じる。このガスばね力とディスプレーサを弾性支持するサスペンションばねとで共振系を構成することにより、サスペンションばねの使用枚数を増加させることなくディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけることができるとともに、膨張空間の容積変化と圧力変化の位相差を所望の位相差である90°(容積変化が圧力変化より90°進んだ位相角)に近づけることが可能になる。
特開平5−215423号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に開示のスターリング冷凍機によれば、補助ピストンが密閉空間内で往復移動する際に密閉空間内の作動ガスがPV仕事を行う。このPV仕事は熱として消費されるためエネルギー効率が低下するという問題が発生する。
本発明は、エネルギー効率をさほど低下させることなく、ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけることができるように構成された蓄冷式冷凍機を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、内部空間が形成された圧縮シリンダ(21)と、圧縮シリンダの内部空間を圧縮空間(S1)と圧縮側バッファ空間(S2)とに区画するとともに圧縮空間及び圧縮側バッファ空間の容積が変動するように往復移動可能に圧縮シリンダの内部空間に配設された圧縮ピストン(22)と、圧縮ピストンを往復駆動させる駆動源(23)と、圧縮ピストンが往復移動可能であり且つ往復移動方向とは異なる方向に移動不能であるように圧縮ピストンを弾性支持する弾性支持部材(24)と、を有する圧縮ユニット(2)と、内部空間が形成された膨張シリンダ(31)と、膨張シリンダの内部空間を膨張空間(S3)と中間空間(S4)とに区画するとともに膨張空間及び中間空間の容積が変動するように往復移動可能に膨張シリンダの内部空間に配設されたディスプレーサ(32)と、圧縮空間と膨張空間とを連通する第一作動空間連通路(33,34)と、第一作動空間連通路の途中に介装され、前記圧縮空間から前記膨張空間に流れる作動ガスに冷熱を与えるとともに前記膨張空間から前記圧縮空間に流れる作動ガスから冷熱を奪う蓄冷手段(35)と、を有する膨張ユニット(3)と、内部空間が形成された補助シリンダ(41)と、補助シリンダの内部空間を補助中間空間(S5)と補助バッファ空間(S6)とに区画するとともに補助中間空間及び補助バッファ空間の容積が変動するように往復移動可能に補助シリンダの内部空間内に配設された補助ピストン(42)と、補助ピストンから補助中間空間及び中間空間を通過するように延設されるとともに延設端にてディスプレーサに接続した連結ロッド(45)と、を有する補助ユニット(4)と、圧縮側バッファ空間と補助バッファ空間とを連通するバッファ空間連通路(72)と、を備える、蓄冷式冷凍機(1)を提供する。
本発明に係る蓄冷式冷凍機によれば、連結ロッドを介してディスプレーサに連結された補助ピストンがディスプレーサと同期して補助シリンダ内を往復移動することにより、ガスばね力が発生する。このガスばね力を、補助ピストンの径の変更等により調整することにより、ディスプレーサを弾性支持するための板バネなどの枚数調整をすることなくディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけることができる。また、バッファ空間連通路により圧縮側バッファ空間と補助バッファ空間とを連通することにより、補助ピストンの往復移動によって生じる補助バッファ空間内の作動ガスのPV仕事が、圧縮側バッファ空間に回収されて、圧縮ピストンの駆動力を補助する。これにより補助バッファ空間内の作動ガスのPV仕事が有効利用される。このように、本発明によれば、補助バッファ空間内の作動ガスのPV仕事を有効利用することにより、エネルギー効率をさほど低下させることなく、ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけることができる。
本発明に係る蓄冷式冷凍機は、圧縮空間と補助中間空間とを連通する第二作動空間連通路(61)を備えていても良い。これによれば、第二作動空間連通路を介して圧縮空間内の作動ガスの圧力変動を補助中間空間に伝達することにより、補助ピストンの変位量を調整することができるとともに、膨張空間内の作動ガスの変位と圧力変動との位相差を最適な位相差(例えば90°)に近づけることができ、冷凍能力を高めることができる。
また、本発明に係る蓄冷式冷凍機は、補助ピストンが往復移動可能であり且つ往復移動方向とは異なる方向に移動不能であるように補助ピストンを弾性支持する補助弾性支持部材(44)を備えるとよい。そして、補助弾性支持部材が、補助バッファ空間内に配設されているとよい。補助弾性支持部材を補助バッファ空間内に配設することにより、補助ピストンの往復移動に伴う圧力変動の影響を低減でき、これにより共振周波数を一定に保つことが可能になる。
また、補助ピストンの断面積すなわち受圧面積が、ディスプレーサの断面積すなわち受圧面積よりも大きいとなお良い。この場合、補助ピストンの往復移動により生じるガスばね力が、蓄冷手段を作動ガスが通過する際の圧力損失により発生する力より大きくなるように、補助ピストンの断面積が設定されているとよい。これによれば、補助ピストンの往復移動により生じるガスばね力を大きくすることにより、ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数により近づけることができるとともに、膨張空間の容積変動と圧力変動との位相差を最適な位相差(90°)により近づけることが可能となる。
図1は、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機の模式的な断面図である。 図2は、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機を運転した場合に実行される各工程と、圧縮ピストン及び補助ピストンの位置との関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機の模式的な断面図である。なお、以下の説明において、「上下」、「上」、「下」という方向を表す用語は、図面に示された構成を図面に基づいて説明するために用いるのであって、必ずしも絶対空間における方向を表す必要はない。
図1に示すように、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機1は、圧縮ユニット2と、膨張ユニット3と、補助ユニット4と、を備える。
圧縮ユニット2は、圧縮シリンダ21と、圧縮ピストン22と、駆動源としてのリニアモータ23と、一対の弾性支持部材24,24とを有する。
圧縮シリンダ21は、上面211、下面212、及び側周面213を有し、略円筒状に形成される。略円筒状の圧縮シリンダ21の内部に略円柱状の内部空間が形成され、この内部空間内に、圧縮ピストン22、リニアモータ23、及び一対の弾性支持部材24,24が配設される。圧縮シリンダ21は、図1に示す例では、軸方向が上下方向に一致するように配設される。
圧縮ピストン22は、圧縮シリンダ21の内部空間のうち図1において上側の部分に配設される。図1に示すように、圧縮ピストン22は、上側を向く端面を構成する前面221と、下側を向く端面を構成する背面222と、外周面223とを有し、円柱状に形成される。圧縮ピストン22は、その外周面223が圧縮シリンダ21の側周面213の内壁に対面し、軸方向が上下方向に沿うように、圧縮シリンダ21に同軸状に配設される。この圧縮ピストン22により、圧縮シリンダ21の内部空間が、圧縮ピストン22の上方空間であり圧縮ピストン22の前面221に面する圧縮空間S1と、圧縮ピストン22の下方空間であり圧縮ピストン22の背面222に面する圧縮側バッファ空間S2とに区画される。圧縮ピストン22は、圧縮シリンダ21の軸方向である上下方向に往復移動可能に圧縮シリンダ21の内部空間に配設される。圧縮ピストン22が上下方向に往復移動すると、圧縮空間S1及び圧縮側バッファ空間S2の容積が変動する。つまり、圧縮ピストン22は、圧縮空間S1及び圧縮側バッファ空間S2の容積が変動するように往復移動可能に、圧縮シリンダ21の内部空間に配設される。
圧縮ピストン22よりも下側に形成される圧縮側バッファ空間S2に、リニアモータ23及び一対の弾性支持部材24,24が配設される。従って、リニアモータ23及び一対の弾性支持部材24,24は、圧縮ピストン22の下方位置に配設されることになる。
リニアモータ23は、永久磁石を含む円柱状のリニアモータ可動子231と、コイルを含むリング状のリニアモータ固定子232を有する。リニアモータ固定子232は、図略の固定ブラケットを介して圧縮シリンダ21の側周面213の内壁に接続される。これにより、リニアモータ固定子232は、圧縮シリンダ21の軸方向における所定の高さ位置にて、同軸状に圧縮シリンダ21に固定される。また、リニアモータ固定子232のコイルは、図略の交流電源に電気接続される。このリニアモータ固定子232の内周側に、リニアモータ可動子231が配設される。リニアモータ可動子231は、その外周面がリング状のリニアモータ固定子232の内周面に対面する態様で、リニアモータ固定子232の内周側に軸方向移動可能に配設される。
リニアモータ可動子231には、その中心軸を通るように図1において上下方向に貫通した貫通孔が形成されており、この貫通孔に第一連結ロッド25が挿通される。第一連結ロッド25は図1において上下方向に延設されており、リニアモータ可動子231の上記貫通孔に挿通された状態で、リニアモータ可動子231に接続される。これによりリニアモータ可動子231は、第一連結ロッド25と一体的に動作可能に同軸状に接続される。また、第一連結ロッド25の先端(上方端)は、圧縮ピストン22の背面222の中心部に接続される。このため圧縮ピストン22は、第一連結ロッド25を介してリニアモータ可動子231に同軸接続されていることになる。
一対の弾性支持部材24,24は、第一連結ロッド25に固定される。一対の弾性支持部材24,24は、リニアモータ23を上下から挟むような態様で、第一連結ロッド25に固定される。一対の弾性支持部材24,24は、それぞれ、複数枚の円板形状のフレクシャ・ベアリング(板バネ)により構成される。円板形状のフレクシャ・ベアリングの中心には円孔が形成される。この円孔に第一連結ロッド25が挿通された状態で、各フレクシャ・ベアリングが第一連結ロッド25に同軸状に固定される。
一対の弾性支持部材24,24のそれぞれを構成する複数枚のフレクシャ・ベアリングは、第一連結ロッド25の軸方向(上下方向)に沿って一定間隔で第一連結ロッド25に固定される。また、各フレクシャ・ベアリングの外周部分は、図略の固定ブラケットを介して、圧縮シリンダ21の側周面213の内壁に固定される。また、各フレクシャ・ベアリングには、厚み方向に貫通した複数のスリットにより渦巻き状の切り込みが形成される。この渦巻き状の切り込みの存在により、各フレクシャ・ベアリングは、その外周部分が固定された状態で、第一連結ロッド25の軸方向移動に伴い弾性変形することができるように構成される。つまり、各フレクシャ・ベアリングは、第一連結ロッド25を軸方向移動可能に弾性支持する。一方、フレクシャ・ベアリングの中心軸方向に交差する方向に関しては、その材料剛性により変形が不可能であるように構成される。ここで、上記したように、第一連結ロッド25にはリニアモータ可動子231及び圧縮ピストン22が接続されている。従って、リニア―モータ可動子231及び圧縮ピストン22は、第一連結ロッド25を介して、その軸方向(上下方向)である往復移動方向に移動可能であり且つ往復移動方向とは異なる方向に移動不能であるように、一対の弾性支持部材24,24により弾性支持されていることになる。
また、図1に示すように、圧縮側バッファ空間S2は、圧縮ピストン22の下方であり且つ一対の弾性支持部材24,24のうち上側の弾性支持部材24よりも上方の空間S21と、空間S21よりも下方であり一対の弾性支持部材24,24及びリニアモータ23が配設される空間S22と、空間S22よりも下方であり一対の弾性支持部材24,24のうち下側の弾性支持部材24と圧縮シリンダ21の下面212との間の空間S23とに、区分することができる。これらの空間S21,S22,S23は、圧縮シリンダ21に設けられている圧縮側均圧連通路214により連通される。これにより、空間S21,S22,S23の均圧化を図ることができる。
膨張ユニット3は、膨張シリンダ31と、ディスプレーサ32と、圧縮側連通路33と、膨張側連通路34と、蓄冷手段としての蓄冷器35と、放熱器36(アフタークーラ)とを有する。
圧縮側連通路33の一方端(下端)は、図1に示すように圧縮シリンダ21の上面211に接続されて、圧縮空間S1に開口する。従って、圧縮側連通路33は圧縮空間S1に連通する。また、圧縮側連通路33の他方端(上端)は、蓄冷器35に接続される。また、圧縮側連通路33の途中に放熱器36が介装される。
蓄冷器35は、高温端351及び低温端352を両端に備える円筒状に形成され、内部に低温比熱の高い材料により構成される蓄冷材が充填される充填空間が形成される。この蓄冷器35の高温端351に、圧縮側連通路33の他方端(上端)が接続されとともに蓄冷器35内の充填空間に開口する。また、蓄冷器35の低温端352に、膨張側連通路34の一方端が接続されるとともに蓄冷器35内の充填空間に開口する。従って、圧縮側連通路33と膨張側連通路34は、蓄冷器35内の充填空間を通じて連通する。膨張側連通路34の他方端は、膨張シリンダ31に接続される。
膨張シリンダ31は、上面311、下面312、及び側周面313を有し、円柱状の内部空間が内部に形成されるように円筒状に形成される。図1に示す例では、膨張シリンダ31は、その軸方向が上下方向に一致するように配設される。膨張シリンダ31の上面311に膨張側連通路34の他方端が接続される。
ディスプレーサ32は、膨張シリンダ31の内部空間に配設される。ディスプレーサ32は、図1に示す例では、上側を向く端面を構成する前面321と、下側を向く端面を構成する背面322と、外周面323とを有し、円柱状に形成される。ディスプレーサ32は、その外周面323が膨張シリンダ31の側周面313の内壁に対面し、軸方向が上下方向に沿うように、膨張シリンダ31に同軸状に配設される。このディスプレーサ32により、膨張シリンダ31の内部空間が、ディスプレーサ32の上方空間でありディスプレーサ32の前面321に面する膨張空間S3と、ディスプレーサ32の下方空間でありディスプレーサ32の背面322に面する中間空間S4とに区画される。ディスプレーサ32は、膨張シリンダ31の軸方向である上下方向に往復移動可能に膨張シリンダ31の内部空間に配設される。ディスプレーサ32が上下方向に往復移動すると、膨張空間S3及び中間空間S4の容積が変動する。つまり、ディスプレーサ32は、膨張空間S3と中間空間S4の容積が変動するように往復移動可能に、膨張シリンダ31の内部空間に配設される。
膨張シリンダ31の上面311に接続されている膨張側連通路34の他方端は、膨張空間S3に開口する。従って、膨張側連通路34は、膨張空間S3に連通する。ここで、膨張側連通路34は、蓄冷器35を介して圧縮側連通路33に連通している。圧縮側連通路33は上述したように圧縮空間S1に連通している。従って、圧縮空間S1と膨張空間S3は、圧縮側連通路33及び膨張側連通路34を介して連通していることになる。圧縮側連通路33及び膨張側連通路34が、本発明の第一作動空間連通路に相当する。この場合、蓄冷器35は、圧縮側連通路33と膨張側連通路34からなる第一作動空間連通路の途中に介装されていることになる。
膨張シリンダ31の下面312に、補助連通路52の一方端(上端)が接続される。補助連通路52の他方端(下端)に補助ユニット4が接続される。補助ユニット4は、補助シリンダ41と、補助ピストン42と、一対の補助弾性支持部材44,44と、第二連結ロッド45と、第三連結ロッド46とを有する。
補助シリンダ41は、上面411、下面412、及び側周面413を有し、略円筒状に形成される。略円筒状の補助シリンダ41の内部に略円柱状の内部空間が形成され、この内部空間内に、補助ピストン42、及び一対の補助弾性支持部材44,44が配設される。補助シリンダ41は、図1に示す例では、軸方向が上下方向に一致するように配設される。また、補助シリンダ41は、膨張シリンダ31と同軸配置される。
補助ピストン42は、補助シリンダ41の内部空間のうち図1において上側の部分に配設される。図1に示すように、補助ピストン42は、上側を向く端面を構成する前面421と、下側を向く端面を構成する背面422と、外周面423とを有し、円柱状に形成される。補助ピストン42は、その外周面423が補助シリンダ41の側周面413の内壁に対面し、その軸方向が上下方向に沿うように、補助シリンダ41に同軸状に配設される。この補助ピストン42により、補助シリンダ41の内部空間が、補助ピストン42の上方空間であり補助ピストン42の前面421に面する補助中間空間S5と、補助ピストン42の下方空間であり補助ピストン42の背面422に面する補助バッファ空間S6とに区画される。補助ピストン42は、補助シリンダ41の軸方向である上下方向に往復移動可能に補助シリンダ41の内部空間に配設される。補助ピストン42が上下方向に往復移動すると、補助中間空間S5及び補助バッファ空間S6の容積が変動する。つまり、補助ピストン42は、補助中間空間S5及び補助バッファ空間S6の容積が変動するように往復移動可能に、補助シリンダ41の内部空間に配設される。
補助ピストン42の前面421の中心部に、第二連結ロッド45の一方端が接続される。この第二連結ロッド45は、図1に示すように、補助ピストン42から上方に向かって、補助ピストン42の上側の補助中間空間S5、補助連通路52、及び膨張シリンダ31内の中間空間S4を通過するように延設され、その延設端が中間空間S4の上側のディスプレーサ32の背面322の中心部に接続される。第二連結ロッド45により、補助ピストン42がディスプレーサ32に同期して上下方向に往復移動することができるようにディスプレーサ32に接続される。第二連結ロッド45により接続されたディスプレーサ32及び補助ピストン42が同期して上方移動すると、膨張シリンダ31内の膨張空間S3の容積が減少するとともに補助シリンダ41内の補助中間空間S5の容積も減少する。一方、第二連結ロッド45により接続されたディスプレーサ32及び補助ピストン42が同期して下方移動すると、膨張シリンダ31内の膨張空間S3の容積が増加するとともに補助シリンダ41内の補助中間空間S5の容積も増加する。つまり、第二連結ロッド45は、膨張空間S3の容積変動状態と補助中間空間S5の容積変動状態が一致するように、補助ピストン42とディスプレーサ32とを連結する。第二連結ロッド45が本発明の連結ロッドに相当する。
また、補助ピストン42の背面422の中心部に、第三連結ロッド46の一方端が接続される。この第三連結ロッド46は、補助ピストン42から下方に延設される。従って、第三連結ロッド46は、補助シリンダ41内の補助バッファ空間S6内に配設されることになる。そして、この第三連結ロッド46に、一対の補助弾性支持部材44,44が固定される。
一対の補助弾性支持部材44,44は、図1に示すように上下方向に所定の間隔を開けて第三連結ロッド46に固定される。一対の補助弾性支持部材44,44は、それぞれ、一対の弾性支持部材24,24と同様に、複数枚の円板形状のフレクシャ・ベアリング(板バネ)により構成される。円板形状のフレクシャ・ベアリングの中心には円孔が形成される。この円孔に第三連結ロッド46が挿通された状態で、各フレクシャ・ベアリングが第三連結ロッド46に同軸状に固定される。
一対の補助弾性支持部材44,44のそれぞれを構成する複数枚のフレクシャ・ベアリングは、第三連結ロッド46の軸方向(上下方向)に沿って一定間隔で第三連結ロッド46に固定される。また、各フレクシャ・ベアリングの外周部分は、図略の固定ブラケットを介して、補助シリンダ41の側周面413の内壁に固定される。各フレクシャ・ベアリングの構成は、弾性支持部材24を構成する各フレクシャ・ベアリングの構成と同一であり、その外周部分が固定された状態で、第三連結ロッド46の軸方向移動に伴い弾性変形することができるように構成される。つまり、各フレクシャ・ベアリングは、第三連結ロッド46を軸方向移動可能に弾性支持する。一方、フレクシャ・ベアリングの中心軸方向に交差する方向に関しては、フレクシャ・ベアリングは、その材料剛性により変形が不可能であるように構成される。ここで、上記したように、第三連結ロッド46には補助ピストン42が接続されている。従って、補助ピストン42は、第二連結ロッド45を介して、その軸方向(上下方向)である往復移動方向に移動可能且つ往復移動方向とは異なる方向に移動不能に一対の補助弾性支持部材44,44により弾性支持されることになる。
また、図1に示すように、補助シリンダ41内の補助バッファ空間S6は、補助ピストン42の下方であり且つ一対の補助弾性支持部材44,44のうち上側の補助弾性支持部材44よりも上方の空間S61と、空間S61よりも下方であり一対の補助弾性支持部材44,44が配設される空間S62と、空間S62よりも下方であり一対の補助弾性支持部材44,44のうち下側の補助弾性支持部材44と補助シリンダ41の下面412との間の空間S63に、区分することができる。これらの空間S61,S62,S63は、補助シリンダ41に設けられている補助均圧連通路414により連通される。これにより、空間S61,S62,S63の均圧化を図ることができる。
また、図1からわかるように、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機1は、第二作動空間連通路61と、バッファ空間連通路62とを備える。第二作動空間連通路61の一方端は、圧縮シリンダ21の上面211に接続されて、圧縮空間S1に開口する。第二作動空間連通路61の他方端は、補助シリンダ41の上面411に接続されて、補助中間空間S5に開口する。このため第二作動空間連通路61は、圧縮空間S1と補助中間空間S5とを連通する。また、バッファ空間連通路62の一方端は、圧縮シリンダ21の下面212に接続されて、圧縮側バッファ空間S2に開口する。バッファ空間連通路62の他方端は、補助シリンダ41の下面412に接続されて、補助バッファ空間S6に開口する。このためバッファ空間連通路62は、圧縮側バッファ空間S2と補助バッファ空間S6とを連通する。
また、図1からわかるように、補助ピストン42の往復移動方向(軸方向)に垂直な断面積は、ディスプレーサ32の往復移動方向(軸方向)に垂直な断面積よりも大きい。補助ピストン42の上記断面積は、補助ピストンの前面421及び背面422の受圧面積を表し、ディスプレーサ32の上記断面積は、ディスプレーサ32の前面321及び背面322の受圧面積よりも大きい。従って、補助ピストン42の受圧面積は、ディスプレーサ32の受圧面積よりも大きい。
また、圧縮シリンダ21の内部空間、膨張シリンダ31の内部空間、補助シリンダ41の内部空間、及びそれに連通する全ての空間には、作動ガスが封入される。作動ガスは圧縮性であり、且つ、極低温状態で液化しないものが良い。一例として、ヘリウムガスが、作動ガスとして例示できる。
上記構成の蓄冷式冷凍機1の作動について説明する。図略の交流電源からリニアモータ固定子232のコイルに交流電力が供給されると、電磁誘導によりリニアモータ固定子232の回りに向きが周期的に逆となる磁界が発生する。この発生磁界はリニアモータ固定子232の内周側に配置されたリニアモータ可動子231が備える永久磁石により形成される磁界と干渉し、リニアモータ可動子231をその軸方向に往復させる推力となる。このようにして推力を得たリニアモータ可動子231は、圧縮シリンダ21内で図1の上下方向に往復移動する。リニアモータ可動子231の往復移動の周波数は、電源周波数である駆動周波数(運転周波数)に等しい。
リニアモータ可動子231の往復移動に伴い、第一連結ロッド25を介してリニアモータ可動子231に接続されている圧縮ピストン22も、図1の上下方向に往復移動する。このとき圧縮ピストン22は、一対の弾性支持部材24,24に弾性支持されながら、往復移動する。これにより、圧縮ピストン22の前面221に面した圧縮空間S1内の作動ガスが圧力変動する。作動ガスの圧力変動の周波数は駆動周波数に等しい。
圧縮空間S1内の作動ガスの圧力変動は、圧縮側連通路33及び膨張側連通路34を通じて圧縮空間S1に連通している膨張シリンダ31内の膨張空間S3に伝達される。このため膨張空間S3内の作動ガスも圧力変動する。膨張空間S3の圧力変動により膨張空間S3と中間空間S4との間で差圧が発生し、この差圧により、これらの空間の間に位置するディスプレーサ32が駆動される。この差圧の大きさは周期的に変動するため、ディスプレーサ32は軸方向(上下方向)に往復移動する。このときディスプレーサ32は、圧縮ピストン22の往復移動に対して所定の位相差を持って、同一周波数で往復移動する。
また、ディスプレーサ32は第二連結ロッド45を介して補助シリンダ41内の補助ピストン42に接続されている。従って、補助ピストン42はディスプレーサ32と同期して補助シリンダ41内で往復移動する。ここで、補助ピストン42は、一対の補助弾性支持部材44,44に弾性支持されている。従って、補助ピストン42及びディスプレーサ32は、一対の補助弾性支持部材44,44に弾性支持されながら、往復移動する。
上記のようにして所定の位相差を持って圧縮ピストン22とディスプレーサ32が往復移動した場合、圧縮空間S1内の作動ガスは圧縮空間S1内で圧縮された後に圧縮側連通路33に流れ、圧縮側連通路33の途中の放熱器36にて放熱される。放熱器36にて放熱した作動ガスはさらに蓄冷器35の高温端351から蓄冷器35内の充填空間に流れる。この蓄冷器35内の充填空間にて作動ガスは蓄冷材から冷熱を与えられて冷却される。その後作動ガスは蓄冷器35の低温端352から膨張側連通路34に流れ、さらに膨張側連通路34から膨張空間S3に至る。
膨張空間S3に導入された作動ガスは、膨張空間S3にて膨張されることによりさらに冷却される。膨張空間S3にて膨張された作動ガスは、その後、膨張側連通路34、蓄冷器35の充填空間、放熱器36、圧縮側連通路33を経由して、圧縮空間S1に移送される。この移送過程で作動ガスは蓄冷器35内の充填空間にて蓄冷材に冷熱を奪われるとともに放熱器36にて熱を外部に放散する。
上記したような冷凍サイクルが繰り返し行われることにより膨張空間S3にて冷熱が発生する。発生した冷熱は、膨張シリンダ31の壁面のうち膨張空間S3回りを構成する壁面に接触した被冷却体の冷却に供される。
本実施形態の蓄冷式冷凍機1のように、差圧によってディスプレーサ32が往復駆動する場合、ディスプレーサ振動系(ディスプレーサ32及びそれに追従して動作する可動部(補助ピストン42、第二連結ロッド45、第三連結ロッド46))の共振周波数を、作動ガスの圧力変動の周波数(圧縮ピストン22の往復周波数)に一致させるか又は可能な限り近づける必要がある。この場合、膨張空間S3の容積変動(作動ガスの変位)と圧力変動との位相差が90°であるとき、最大の冷凍能力を発揮する。
ディスプレーサ振動系の共振周波数の調整は、従来では、ディスプレーサ32を弾性支持する部材(例えばフレクシャ・ベアリング)の質量及び弾性係数を調整することによりなされていた。この場合、高価な弾性支持部材の使用枚数が増大する傾向にあり、それにより蓄冷式冷凍機のコストが高くなるという問題がある。
この点に関し、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機1は、ディスプレーサ32に同期して往復移動する補助ピストン42を備えており、この補助ピストン42は、ディスプレーサ32の往復移動に伴って、補助シリンダ41内で往復移動する。補助シリンダ41内で補助ピストン42が往復移動することにより、補助シリンダ41内の補助バッファ空間S6内の作動ガスが圧縮及び膨張する。これによりガスばね力が補助ピストン42に作用する。このガスばね力を、例えば補助ピストン42の径の変更等により調整することにより、高価な弾性支持部材(補助弾性支持部材44)の使用枚数を増加させることなく、ディスプレーサ振動系の共振周波数を調整して駆動周波数に近づけることができる。
また、蓄冷式冷凍機1の運転中、圧縮ピストン22が往復移動することにより生じる圧縮空間S1内の圧力変動は、第二作動空間連通路61を介して、補助中間空間S5に伝達される。第二作動空間連通路61によって圧縮空間S1内の圧力変動を補助中間空間S5に伝達することにより、ディスプレーサ32の変位を調整することができるとともに、膨張空間S3の容積変動と圧力変動との位相差を90°により近づけて冷凍能力を高めることができる。
また、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機1は、バッファ空間連通路62を備える。このバッファ空間連通路62により、圧縮側バッファ空間S2と補助バッファ空間S6が連通される。
補助バッファ空間S6内の作動ガスは、補助ピストン42の往復移動に伴って容積変動及び圧力変動することにより、PV仕事を行う。特許文献1においては、補助バッファ空間に相当する空間が非常に小さく、また密閉空間である。この密閉空間内での作動ガスのPV仕事は熱として消費されるため、エネルギー損失が発生していた。この点に関し、本実施形態では、補助バッファ空間S6内で行われたPV仕事がバッファ空間連通路62を介して圧縮側バッファ空間S2に回収される。このため補助バッファ空間S6で生じたPV仕事を有効利用することができる。
図2は、蓄冷式冷凍機1を運転した場合に実行される各工程と、圧縮ピストン22及び補助ピストン42の位置との関係を示す模式図である。図2に示すように、蓄冷式冷凍機1を運転した場合、圧縮工程、高圧移送工程、膨張工程、低圧移送工程、が、この順で繰り返されることにより、膨張空間S3にて冷熱が発生する。
図2(a)に示される圧縮工程では、圧縮ピストン22が上方移動することによって圧縮空間S1内の作動ガスが圧縮される。このとき補助ピストン42は上死点位置から下方移動しようとしている。
圧縮工程の次に、高圧移送工程が実施される。高圧移送工程では、図2(b)に示すように、圧縮ピストン22が上死点まで上方移動するとともに補助ピストン42が上死点から下方移動する。これにより、圧縮空間S1内の作動ガスが膨張空間S3側に移送される。このとき補助ピストン42の下方移動により補助バッファ空間S6内の作動ガスが圧縮される。斯かる圧縮により生じる圧縮力が、バッファ空間連通路62を介して圧縮側バッファ空間S2に伝達される。圧縮側バッファ空間S2に伝達された圧縮力は、圧縮ピストン22を上方に押し上げる力F1として圧縮ピストン22に作用する。上述したように高圧移送工程では、圧縮ピストン22が上方移動するため、力F1は、圧縮ピストン22を上方移動させるための補助力として圧縮ピストン22に作用する。
高圧移送工程の次に、膨張工程が実施される。膨張工程では、図2(c)に示すように、圧縮ピストン22が上死点から下方移動することによって膨張空間S3内の作動ガスが膨張する。これにより膨張空間S3にて低温が生成される。また、補助ピストン42は、下死点から上方移動しようとする。
膨張工程の次に、低圧移送工程が実施される。低圧移送工程では、図2(d)に示すように、圧縮ピストン22が下死点まで下方移動するとともに補助ピストン42が下死点から上方移動する。これにより、膨張空間S3内の作動ガスが圧縮空間S1側に移送される。このとき補助ピストン42の上方移動により補助バッファ空間S6内の作動ガスが膨張する。斯かる膨張により生じる膨張力が、バッファ空間連通路62を介して圧縮側バッファ空間S2に伝達される。圧縮側バッファ空間S2に伝達された膨張力は、圧縮ピストン22を下方に引き下げる力F2として圧縮ピストン22に作用する。上述したように低圧移送工程では、圧縮ピストン22が下方移動するため、力F2は、圧縮ピストン22を下方移動させるための補助力として圧縮ピストンに作用する。
このように、バッファ空間連通路62によって圧縮側バッファ空間S2と補助バッファ空間S6とを連通させることにより、補助バッファ空間S6内の作動ガスのPV仕事が圧縮ピストン22の駆動力の補助力として利用される。換言すれば、バッファ空間連通路62によって圧縮側バッファ空間S2と補助バッファ空間S6とを連通させることにより、補助バッファ空間S6内の作動ガスのPV仕事が回収される。このようにして補助バッファ空間S6内で生じたPV仕事を有効利用することで、蓄冷式冷凍機1のエネルギー効率の低下を抑えることができる。
また、バッファ空間連通路62によって圧縮側バッファ空間S2と補助バッファ空間S6とをつなげることにより、バッファ空間の容積が増大する。このためバッファ空間の圧力変動量を小さくすることができる。よって、バッファ空間内の作動ガスのPV仕事の一部が熱として消費されたとしても、圧力変動量が小さいために消費されるエネルギーは少ない。よって、エネルギー効率をさほど低下させることがない。
また、補助ピストン42の断面積(受圧面積)は、ディスプレーサ32の断面積(受圧面積)よりも大きい。この場合、補助ピストン42の往復移動により生じるガスばね力が、蓄冷器35を作動ガスが通過する際の圧力損失により発生する力より大きくなるように、補助ピストン42の断面積が設定されているとよい。これによれば、蓄冷式冷凍機1の運転中、補助バッファ空間S6から、蓄冷器35の圧力損失によりディスプレーサ32に生じる力を打ち消すような大きなガスばね力を得ることができる。このため、蓄冷器35の圧力損失によって位相角が90°からずれる大きさ(ずれ量)を低減することができる。よって、ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数により近づけることができるとともに、膨張空間の容積変動と圧力変動との位相差を最適な位相差(90°)により近づけることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る蓄冷式冷凍機1によれば、ディスプレーサ振動系の共振周波数を、作動ガスの圧力変動周波数に近づけることができる。また、バッファ空間連通路62によって圧縮側バッファ空間S2と補助バッファ空間S6とを連通させることにより、補助バッファ空間S6内での作動ガスのPV仕事を回収することができ、これにより、エネルギー効率の低下を抑えることができる。つまり、本実施形態によれば、エネルギー効率をさほど低下させることなく、ディスプレーサ振動系の共振周波数を駆動周波数に近づけることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されてはならないものである。例えば、図1に示す蓄冷式冷凍機1は、蓄冷器35がディスプレーサ32と分離して設けられているセパレートタイプの蓄冷式冷凍機であるが、ディスプレーサに蓄冷器が内蔵された一体型の蓄冷式冷凍機にも本発明を適用することができる。このように、本発明は、その技術思想またはその主要な特徴を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1,100…蓄冷式冷凍機、2…圧縮ユニット、21…圧縮シリンダ、22…圧縮ピストン、221…前面、222…背面、223…外周面、23…リニアモータ(駆動源)、231…リニアモータ可動子、232…リニアモータ固定子、24…弾性支持部材、25…第一連結ロッド、3…膨張ユニット、31…膨張シリンダ、32…ディスプレーサ、321…前面、322…背面、323…外周面、33…圧縮側連通路、34…膨張側連通路、35…蓄冷器(蓄冷手段)、36…放熱器、4…補助ユニット、41…補助シリンダ、42…補助ピストン、421…前面、422…背面、423…外周面、44…補助弾性支持部材、45…第二連結ロッド、46…第三連結ロッド、61…第二作動空間連通路、62…バッファ空間連通路、S1…圧縮空間、S2…圧縮側バッファ空間、S3…膨張空間、S4…中間空間、S5…補助中間空間、S6…補助バッファ空間

Claims (4)

  1. 内部空間が形成された圧縮シリンダと、前記圧縮シリンダの内部空間を圧縮空間と圧縮側バッファ空間とに区画するとともに前記圧縮空間及び前記圧縮側バッファ空間の容積が変動するように往復移動可能に前記圧縮シリンダの内部空間に配設された圧縮ピストンと、前記圧縮ピストンを往復駆動させる駆動源と、前記圧縮ピストンが往復移動可能であり且つ往復移動方向とは異なる方向に移動不能であるように前記圧縮ピストンを弾性支持する弾性支持部材と、を有する圧縮ユニットと、
    内部空間が形成された膨張シリンダと、前記膨張シリンダの内部空間を膨張空間と中間空間とに区画するとともに前記膨張空間及び前記中間空間の容積が変動するように往復移動可能に前記膨張シリンダの内部空間に配設されたディスプレーサと、前記圧縮空間と前記膨張空間とを連通する第一作動空間連通路と、前記第一作動空間連通路の途中に介装され、前記圧縮空間から前記膨張空間に流れる作動ガスに冷熱を与えるとともに前記膨張空間から前記圧縮空間に流れる作動ガスから冷熱を奪う蓄冷手段と、を有する膨張ユニットと、
    内部空間が形成された補助シリンダと、前記補助シリンダの内部空間を補助中間空間と補助バッファ空間とに区画するとともに前記補助中間空間及び前記補助バッファ空間の容積が変動するように往復移動可能に前記補助シリンダの内部空間内に配設された補助ピストンと、前記補助ピストンから前記補助中間空間及び前記中間空間を通過するように延設されるとともに延設端にて前記ディスプレーサに接続した連結ロッドと、を有する補助ユニットと、
    前記圧縮側バッファ空間と前記補助バッファ空間とを連通するバッファ空間連通路と、
    を備える、蓄冷式冷凍機。
  2. 請求項1に記載の蓄冷式冷凍機において、
    前記圧縮空間と前記補助中間空間とを連通する第二作動空間連通路を備える、蓄冷式冷凍機。
  3. 請求項1又は2に記載の蓄冷式冷凍機において、
    前記補助ユニットは、前記補助ピストンが往復移動可能であり且つ往復移動方向とは異なる方向に移動不能であるように前記補助ピストンを弾性支持する補助弾性支持部材を備え、
    前記補助弾性支持部材が、前記補助バッファ空間内に配設される、蓄冷式冷凍機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄冷式冷凍機において、
    前記補助ピストンの断面積が前記ディスプレーサの断面積よりも大きい、蓄冷式冷凍機。
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