JP5995971B2 - 対向するピストンを備えるガンマ型形態のフリーピストン・スターリング機関 - Google Patents

対向するピストンを備えるガンマ型形態のフリーピストン・スターリング機関 Download PDF

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Description

本発明は、フリーピストン・スターリング・エンジン、ヒートポンプ及び冷却器に関し、特にスターリング機関に生じる運転状態に対して、より正確に適合し、かつ最適化できるように改良した出力制御を備えることによって、対向するパワー・ピストンを有するガンマ型形態のフリーピストン・スターリング機関の性能を改良することに関する。本発明では、デスプレーサは、パワー・ピストンを通り越して電磁リニア変換器に延伸する連結ロッドを有する。電磁リニア変換器は、デスプレーサの往復運動の振幅と位相とを制御して、スターリング冷凍機やヒートポンプの熱交換率を最大にし、あるいは作動温度の全域に亘って熱効率を最大にする。さらに電磁リニア変換器は、スターリング機関を制御して、作動温度の全域に亘り、エンジンの許容限度内において、エンジンの出力を、熱効率と安定性とを最大にするときに要求される負荷に釣り合わせる。
スターリング機関の基礎原理
従来から周知のように、スターリング機関では、膨張空間と圧縮空間とを含む作動空間内に、作動ガスが密閉される。作動ガスは、機械的仕事を行なうために、あるいは膨張空間から圧縮空間へ熱を汲み上げるために、交互に膨張と圧縮とを行う。作動ガスは、1個または複数のパワー・ピストンと、ある機関ではデスプレーサとの運動によって、圧縮空間と膨張空間との間を周期的に往復する。圧縮空間と膨張空間とは、受熱器、蓄熱器及び放熱器を介して、流体が移動できるように連結される。往復運動は、それぞれの空間内における作動ガスの相対的な割合を、周期的に変化させる。膨張空間内にある作動ガス、および蓄熱器と膨張空間との間の熱交換器(受熱器)を介して膨張空間内に流れ込む作動ガスは、外周面から受熱する。圧縮空間内にある作動ガス、および蓄熱器と圧縮空間との間の熱交換器(放熱器)を介して圧縮空間内に流れ込む作動ガスは、外周面から放熱する。全ての作動空間において、作動ガスの圧力は、いかなる瞬間でも基本的には同等である。これは、膨張空間と圧縮空間とが、流れ抵抗が比較的少ない通路を介して接続されるからである。しかしながら作動空間内の作動ガスの圧力は、全体として定期的に繰り返し変化する。作動ガスの大部分が圧縮空間内にある場合は、作動ガスは放熱する。作動ガスの大部分が膨張空間内にある場合は、作動ガスは受熱する。これは機関がヒートポンプとして、あるいはエンジンとして作動しているかにかかわらず正しい。仕事を行なうことと、熱を汲み上げること、とを区別するために必要な唯一の条件は、膨張行程が行なわれるときの温度である。この膨張行程における温度が圧縮空間の温度よりも高い場合には、機関は仕事を行なうようになり、エンジンとして機能する。またこの膨張行程における温度が圧縮空間の温度よりも低い場合には、機関は、冷熱源から温熱源へ熱を汲み上げる。
また周知のように、スターリング機関には、3つの主要な形態がある。アルファ型の形態は、少なくとも2つのピストンを別々のシリンダ内に有し、各々のピストンによって区画された膨張空間は、蓄熱器を介して、他のシリンダ内において他のピストンによって区画された圧縮空間に接続する。これらの接続は、複数のシリンダの膨張空間と圧縮空間とを接続する直列ループを構成するように配置される。ベータ型のスターリング機関は、通常に単にピストンと呼ばれる1個のパワー・ピストンを有し、このパワー・ピストンは、通常に単にデスプレーサと呼ばれるデスプレーサ・ピストンと、同一または同軸のシリンダ内に配置される。ガンマ型のスターリング機関は同様に、デスプレーサと少なくとも1個のパワー・ピストンとを有するが、パワー・ピストンは、デスプレーサと衝突しないように、デスプレーサ用のシリンダの軸と平行であって十分離れた別のシリンダに取付けられる。
スターリング機関は、次の2つの形態のいずれかで作動する。(1)エンジンであって、膨張空間において外部の熱エネルギ源から受熱して、圧縮空間において熱を放熱することによって駆動される1個のピストンまたは複数のピストンを有し、よって機械的な仕事を行なうことができる原動機として作動する。あるいは、(2)ヒートポンプであって、原動機によって往復駆動される1個のパワー・ピストンまたは複数のピストン(ときにはデスプレーサ)を有し、このパワー・ピストンによって熱を膨張空間から圧縮空間へ汲み上げ、よって熱エネルギを冷熱源から温熱源に汲み上げることができる。ヒートポンプの形態は、膨張空間に熱的に接続された対象を極低温を含む温度にまで冷却するために、スターリング機関を使用し、あるいは圧縮空間に熱的に接続された対象、例えば家庭暖房用熱交換器の加熱のために、スターリング機関を使用する。したがって、スターリング「機関」という用語は、スターリング・エンジンとスターリング・ヒートポンプの両方を総称的に含むように用いられる。
膨張空間から熱を汲み上げるスターリング機関は、膨張空間に熱的に接続された対象を冷却することが目的の場合は、時として冷却器と称され、圧縮空間に熱的に接続された対象を加熱することが目的の場合は、時としてヒートポンプと称される。両者は、基本的に同等な機関であって、異なる用語が、膨張空間から圧縮空間に熱を汲み上げる(移動させる)機関の双方に与えられている。作動ガスは、膨張空間において膨張して、スターリング機関の膨張空間を取り巻く内壁から吸熱し、圧縮空間において圧縮されて、スターリング機関を取り巻く圧縮空間の内壁に放熱する。したがって、冷却器/ヒートポンプ、冷却器及びヒートポンプという用語は、基本的な機関に適用するときには、同意語として用いられる。
同様に、スターリング・エンジンとスターリング冷却器/ヒートポンプとは、基本的には同等な出力変換装置であって、2つの動力形態、すなわち機械的及び熱的な形態の間において、動力をいずれかの方向に変換する。
発明が解決しようとする課題
周知のとおり、ベータ型及びガンマ型の形態のフリーピストン・スターリング・エンジン及び冷却器(以下「FPSE/C」ともいう。)は、2つの主要な可動部品、すなわちデスプレーサ及び、ピストンあるいはガンマ型の形態では対向する複数のピストンを用いている。機関の内部で生じる作動ガスの圧力変化によって、デスプレーサが駆動される。したがってデスプレーサにおいて適正な動的な作動が得られるよう、デスプレーサにかかる力を、非常に注意深く均衡させることが要求される。これらの力は、バネ力、慣性力、圧力を下げる力及びデスプレーサ・ロッドの両端の間に生じる圧力差から成る。デスプレーサの運動は、機関の機能を直接制御する。すなわち機関が冷却器/ヒートポンプの場合には、制御された機能によって、熱を汲み上げる。あるいは機関がエンジンの場合には、制御された機能によって、機械的な動力を供給する。汲み上げる熱量、及び供給する動力の程度は、デスプレーサとピストンとの運動の間における相対的な位相角度、及びデスプレーサの運動の振幅によって決まる。
デスプレーサをガス圧のみによって駆動する場合の根本的な問題や難しさは、次のとおりである。
a. ヒートポンプでは、全ての運転状態に亘って、最大限に可能な熱効率(性能係数)を維持することはできない。したがって機関は、運転状態が設計点から外れるほど、ますます妥協した性能になっていく。
b. 原動機またはエンジンでは、負荷が変動するときに運転を安定させることは、多くの場合、負荷とエンジンとの関係を電気的に制御する場合にのみ可能となるので、問題は一層深刻になる。このような電気的な制御装置は、少なくともエンジンが供給できる最大動力と同程度の動力能力や、少なくともエンジンの応答時間より短い応答能力を必要とする。またa点で述べたように、異なる運転状態において、常に最大効率を引き出すことはできないという問題がある。
したがって本発明の目的及び特徴は、対向ピストンを備えるガンマ型の形態において、質量と無駄な容積との増加を最小限にしつつ、全面的であるが独立したデスプレーサ制御装置を提供することにある。
本発明の更なる目的は、対向ピストンを備えるガンマ型のエンジンに対して、改良された制御可能なフリーピストン・スターリング形態を提供するものであって、エンジンの出力カーブが負荷カーブより緩やかに増加するという条件の下で、エンジンの出力カーブを変更するようにデスプレーサの運動を制御して、可変ではあるが安定した運転条件を常に確立することにある。
本発明の更なる目的は、対向ピストンを備えるガンマ型のエンジン及びヒートポンプに対して、改良された制御可能なフリーピストン・スターリング形態を提供するものであって、装置がエンジンあるいはヒートポンプとして作動するかに関わらず、熱効率または性能係数を最大にするように、デスプレーサの運動を調整することにある。
本発明のより更なる目的は、対向ピストンを備えるガンマ型のヒートポンプに対して、改良された制御可能なフリーピストン・スターリング形態を提供するものであって、機関においていずれの方向にも熱を汲み上げることができるように、デスプレーサの位相を逆転できるようにすることにある。
本発明は、対向ピストンを備えるガンマ型のスターリング機関の改良であって、運転の安定性を改良し、熱効率あるいは性能係数を最適化し、かつスターリング冷却器/ヒートポンプにおいて、いずれの方向にも熱を汲み上げることができるようにする。また本発明は、電磁リニア変換器を改良するものであって、この電磁リニア変換器は、デスプレーサを駆動するようデスプレーサに連結され、パワー・ピストンの往復運動軸を挟んで、デスプレーサとは(好ましくは如何なるはね返り空間とも)反対側に位置し、かつ電気的な制御装置によって制御することができる。本発明は、デスプレーサの振幅と位相とを、独立に制御できるようにする。電磁リニア変換器は、スターリング機関の熱効率、価格、及び性能に悪影響を与え得る、設計上の妥協や修正の必要性を回避できる個所に配置される。結果として望ましい振幅と位相とが得られるような適正な位相にて、電磁リニア変換器によって十分な力がデスプレーサに付与されるように、デスプレーサの振幅と位相とを設計者が望むとおりに設定できるという意味において、デスプレーサの制御は独立である。この点は、デスプレーサを駆動するように連結した電磁リニア変換器の駆動力が、デスプレーサに対する単独の駆動力源であるか、あるいはデスプレーサを駆動する力が、同時に付与される従来手段によるデスプレーサ駆動力によって補足されるかに関わらず正しい。スターリング冷却器/ヒートポンプに対しては、機関において、ある方向に熱を汲み上げるような位相角(1)において、あるいは逆方向に熱を汲み上げると共に、熱の汲み上げ方向を選択的に切り替えることができるような位相角(2)において、電子制御によってデスプレーサを駆動することができる。
本発明の第1実施例を示す概略図である。
本発明の第2実施例を示す概略図である。
本発明の第3実施例を示す概略図である。
本発明の実用的な実施例の垂直断面図であって、ヒートポンプの圧縮機を直接駆動する対向ピストンを備える、ガンマ型のスターリング・エンジンを示す。
従来技術による設計と制御とに基づいて圧縮機を駆動するスターリング・エンジンの、代表的な出力カーブを示すグラフである。
本発明の原理に基づいて圧縮機を駆動するスターリング・エンジンの、代表的な出力カーブを示すグラフである。
スターリング冷却器/ヒートポンプのデスプレーサとピストンとの相対的な位相関係を示す位相図であって、本発明の手段によって熱を第1の方向に汲み上げるように作動する。
スターリング冷却器/ヒートポンプのデスプレーサとピストンとの相対的な位相関係を示す位相図であって、本発明の手段によって熱を図7に示す方向と逆の方向に汲み上げるように作動する。
電気的な負荷や主電力系統に電力を供給する、発電機を駆動するスターリング・エンジンに対する、基本的な制御を示す概略図である。
冷却器/ヒートポンプとして駆動するスターリング機関に対する、基本的な制御部品を示す概略図である。
ヒートポンプの圧縮機を駆動するスターリング・エンジンに対する、基本的な制御部品を示す概略図である。
図面に示した本発明の好ましい実施の形態を説明する際には、説明を明確にするために特定の専門用語が用いられる。しかし本発明を、そのように選択された特定の用語に限定することを意図するものではなく、それぞれの特定の用語は、同様の目的を達成するために同様の態様で作動する全ての技術的に等価なものを含むものと理解すべきである。
本願発明と同一の発明者による米国公開特許出願(公開番号:US2011/0005220、出願番号:12/828,387、出願日:2011.1.13)を参考として示す。本発明は、上記米国公開出願において開示された、複数のピストンを備えるガンマ型の配置に適用できる。
用語の定義
本発明の説明において用いられる用語は、当業者であれば理解できるものであっても、説明や発明の理解を容易にするために、いくつかの用語について簡単に説明しておくことが望ましい。
電磁リニア変換器について説明する。公知のように、電気モーターと発電機とは共に、基本的には同等の装置である。これらは、通常巻き線を備えた電機子を有する固定子と、通常永久磁石を用いる磁石を含む回転または往復運動する要素とを有する電磁リニア変換器である。これらは、動力を、電力と機械力との間において、いずれかの方向に変換する。モーター/発電機の構成は、原動機によって機械的に駆動されて電気的な出力を生み出す、あるいは交流電力源によって駆動され、機械的な出力を生み出すモーターとして作動する。
したがって、スターリング機関とモーター/発電機との構成は共に、2つの態様のいずれかで作動するエネルギ変換器である。これらは相互に駆動接続され、一方が原動機として作動し、他方が、電力を発生または熱を移動する仕事を行うことができる。
共振とは、ばねが物体に連結または接続されており、ばねと物体の質量とが、ある共振数を有する共振システムを形成するような特性を備えることを意味する。ばね定数、力定数または、ばねのねじり係数は、物体の全質量と関連し、角振動(物体を回転振動させる)、あるいはリニア振動(往復運動)のいずれかの振動について、固有振動数を有する。本発明における物体の共振数は、スターリング機関が作動する振動数である。共振システムにおける一つまたはそれ以上の物体の振動運動を記述するときは、しばしばデスプレーサのような主要な構造が共振すると言う。共振システムにおける物体の実質的な質量には、物体に付属したり一緒に運動したりする全ての構成要素の質量も含まれることを、理解すべきである。従来技術として公知のように、共振システムは、一般にデスプレーサや他の往復運動する物体の慣性力を、バランスさせるために用いられる。
本発明において、ばねは、振動及び往復運動する質量を共振させるために用いる。ばねという用語には、機械的なばね(例えばコイルばね、板ばね、平面ばね、及び渦巻きやらせん状のばねのような)、限られた容積内で移動する表面を有するピストンによって形成される気体ばね、電磁ばね、及び公知の他のばね、またはこれらから選択したものを組合わせたばねが含まれる。気体ばねは、スターリング機関の作動空間内の作動ガスを含み、ある実施の形態では、背後空間(back space)を含む。なぜなら、ガスが、空間の容積の変化にしたがって移動する狭い空間の壁に、ばね力を与えるからである。当業者には公知であるように、一般に、ばねは、単一の構造または複数の構造の組合せからなり、一つの物体が他の物体に対して変位する量に比例する力を、2つの物体に与える。変位に対するばね力で表される比例定数は、ばね定数、力定数、あるいはねじり係数と呼ばれる。
駆動ロッド及び連結ロッドについて説明する。連結ロッドは、2つまたはそれ以上の物体を連結して、単一の要素として一緒に移動させる。通常は、一つの物体が連結ロッドを介して他の物体によって駆動される。スターリング機関における駆動ロッドは、デスプレーサに駆動力を与えるように作動する。従来よりデスプレーサは、変動するガス圧によって駆動されて往復運動する。駆動ロッドは、デスプレーサから延伸し、嵌合する円筒状の壁内を通って、しばしば背後空間と呼ばれるはね返り空間に連結する。はね返り空間は、限られた空間であって、作動空間とは連通しない。したがって、はね返り空間内の圧力は、作動空間の圧力が変化しても変動しない。駆動ロッドは、その構成要素であるピストンに、したがってデスプレーサに付与される、正味の駆動力によって作動する一種のピストンであって、この正味の駆動力は、駆動ロッドの断面積に対して、一方の方向に付与される作動空間内のガスによる圧力と、反対方向に付与されるはね返り空間内のガスによる圧力との差に基づく。駆動ロッドは、他の物体に連結され、加えて対向する端部において圧力に差がある円筒状の壁内を通って延伸する故に、連結ロッドとしても作動する。したがって、ロッドという用語は、連結機能だけを有するロッド、駆動機能だけを有するロッド、および双方を有するロッドに用いられる。スターリング機関及び本発明の説明では、ロッドという用語は、中実の円柱状のロッドに限定されない。連結ロッドは、中空でもよく、また2つの物体を機械的に連結できる限り、他の断面形状を有してもよい。駆動ロッドについては、円柱状の断面形状が最も実用的ではあるが、他の形状を用いることもできる。
図1は、対向ピストンを備えるガンマ型の形態のスターリング機関を示しており、外側ケーシング10と、この外側ケーシング10内の作動空間12を有している。作動空間12は、膨張空間14と圧縮空間16とを含む。しかしながら、当業者に知られているように、空間14と16のいずれが、膨張空間として作動するか、あるいは圧縮空間として作動するかは、スターリング機関の設計によって決まり、エンジンあるいは冷却器/ヒートポンプのいずれとして作動するかは、とりわけデスプレーサの位相に依存する。一般的に膨張空間は、例えば空間14ように、実用限度内において、ピストンや他の部品とできるだけ離れた機関の先端に位置する。膨張空間は、通常、最も高温になるからである。
デスプレーサ18は、デスプレーサ・シリンダ20に取り付けられ、デスプレーサの往復運動軸22に沿って往復運動し、膨張空間と圧縮空間との間で、作動ガスの配分割合を周期的に変動させる。一対のパワー・ピストン24と26とは、ピストン・シリンダ28及び30内に、デスプレーサの往復運動軸22を挟んで互いに対向する側に取付けられて、パワー・ピストンの往復運動軸32に沿って往復運動する。それぞれのピストンは、本発明において新たに発明したものではない、電磁リニア変換器に連結される。すなわち電磁リニア変換器は従来技術によって構成されており、ピストン24と26とに固定されて、固定子内においてピストン24と26と共に往復運動する環状に配置した磁石33を有している。固定子は巻線を有する電機子35を備えており、この電機子は、磁石33の周囲に環状に配置されている。ピストン24と26とに連結された電磁リニア変換器は、スターリング機関を駆動したり冷凍機/ヒートポンプとして作動させたりするリニアモーターとして作動すると共に、スターリング機関がエンジンとして作動する場合には、リニア発電機として作動する。
本発明を実施する手段として、デスプレーサ連結ロッド34が、デスプレーサ18に連結され、パワー・ピストン24と26との間の空間を通って、ピストンの往復運動軸32を超えて延伸する。電磁リニア変換器36が、パワー・ピストンの往復運動軸32を挟んで、スプレーサ18とは反対側であって、パワー・ピストンが往復運動するときに占める全空間の外側の位置において、デスプレーサ連結ロッド34を駆動するように連結される。好ましくは、図示するように、電磁リニア変換器36を、延長させたはね返り空間38内に設ける。電磁リニア変換器36をはね返り空間38内に設けることによって、電磁リニア変換器36を装備しても、作動空間に影響を与えず、あるいは作動空間内に無駄な空間(デッドスペース)を増やす必要も無い。また、このような配置は、蓄熱器、放熱熱交換器、受熱熱交換器、あるいはパワー・ピストン近傍の構造について、妥協的な折り合いや改修を必要としない。簡単化するため、図示した電磁リニア変換器は、米国特許4,602,174に示すような、運動磁石タイプとしている。電磁リニア変換器36は、デスプレーサ連結ロッド34の端部に連結されて、このデスプレーサ連結ロッドとデスプレーサ18と共に往復運動する磁石40を有している。電磁リニア変換器36は、巻線コイル44と共に固定子42を有し、この固定子は、外側ケーシング10に取付けられて、デスプレーサ18と外側ケーシング10との間の相対運動を、磁石4と固定子42との間の相対運動と同等にする。デスプレーサ連結ロッド34は、嵌合するシリンダ内で往復運動するピストン46に連結され、ピストン46の互に反対側となる端部に与えられる圧力差によって作動するサイクルから動力を引き出し、この動力を、従来技術において周知の方法によってデスプレーサに伝える。この方法では、ピストン46は、駆動ロッドを占める比較的短い部分であって、従来技術による駆動ロッドとしても機能するが、電磁リニア変換器36によるデスプレーサ18の駆動力を補う。ピストン46と全長に亘って同一の直径を有するような従来の駆動ロッドを、デスプレーサ連結ロッド34及びピストン46と代替することもできる。しかしながら、図示したような直径が細いデスプレーサ連結ロッド34を有する構造とすることが望ましい。なぜならば、往復運動するパワー・ピストン24と26との間において、デスプレーサ連結ロッドが占める空間がより少なくなり、したがって作動空間に含まれる無駄な空間がより少なくなるからである。無駄な空間の削減は、熱効率の増加をもたらす。従来のフリーピストン・スターリング機関では、駆動ロッドの直径は、パワー・ピストン24及び26に関連する適正な振幅と位相とをもって、デスプレーサ18を駆動するのに十分な動力を付与できるサイズにしてある。本発明では、ピストン46は、デスプレーサを駆動する補助的な動力を与え得るサイズにしてある。なおデスプレーサを駆動するために必要な残りの動力は、電磁リニア変換器36によって与えられる。はね返り空間38内にある電磁リニア変換器36は、適正な作動に必要な追加の動力を与える。また、ときには、デスプレーサの動的な作動の変更、例えば熱効率を最大にするような特別な出力を発生したり、エンジンの出力に対する負荷変動に応答したりするために、動力を減少させる。
平板型の機械式ばね48が、従来技術と同様に、デスプレーサ18の慣性力をバランスさせるために用いられる。通常、このようなばねは、デスプレーサ、ロッド及びこれらに固定される他の部品を合せた質量が、スターリング・エンジンの正規の設計運転振動数において、共振するシステムを構成するバネ定数を有している。これらのばね48の存在によって、電磁リニア変換器36が必要とするデスプレーサを駆動するための最大動力が減少する。電磁リニア変換器の駆動に必要な動力を少なくする結果として、電磁リニア変換器をより小型にし、付与される電圧において、より少ない電流で運転ができるようになる。
電子制御器49は、動力を供給したり、必要な場合にはリニア変換器の動力を削減したりすると共に、一つ、あるいはさらに多くの機関からの要求に応答すべく運転を制御する。電子制御器49は、電磁リニア変換器36の固定子のコイルに接続する出力端子を有し、少なくともデスプレーサ18の往復振動数、位相及び振幅の内の1つを、機関の運転パラメタの機能として制御、調整する。これらの運転パラメタは、リアルタイムで計測され、制御器に入力される。従来から公知のように、この制御は、電磁リニア変換器36の固定子のコイル44に付加される電圧の振幅、位相及び周波数の内、一つまたはそれ以上を制御しつつ調整することによって達成される。本発明の実施例において、単独または複数の入力として用いる計測パラメタは、一般的に数個のパラメタの内、実施例の目的によって決まる一つまたはそれ以上を含む。通常の計測パラメタには、ピストンの振幅及び上死点(TDC)に対する進角、デスプレーサの振幅及び上死点(TDC)に対する進角、並びに/または、スターリング冷却器/ヒートポンプによって冷却または加熱される対象物、または対象物の格納容器の温度が含まれる。従来技術には、これらのパラメタの値をリアルタイムに計測する装置について、多数の事例がある。電子制御の技術分野において公知のように、機関を目標値に設定するための入力は、手動による制御または他の制御システムによって、機関をその目標値、例えば好ましい温度、圧力または電圧において作動するように制御できる入力である。電子制御器は、電磁リニア変換器に電力を与えて、デスプレーサを往復運動させ、あるいは電磁リニア変換器から電力を吸収して、デスプレーサの往復運動の振幅を減少させる。次に、本発明の実施例に適用する電子制御器の代表的な事例について詳述する。
直ちに明らかなように、図1、2、3及び4は、細部において同等、またはほぼ同等の多くの構成部品を示している。これらの部品は殆ど、従来技術において公知であるが、本発明の背景技術を説明するために記載してある。本発明は、対向ピストンを備えるガンマ型の形態であって、制御が容易なフリーピストン・スターリング・エンジンについて、極めて多様な構造を実現することができる。図2、図3及び図4に示す実施例を説明する際、既に説明した形状に関連する構造部品については、再度説明しない。
図2は、本発明の別の実施例を示している。本発明による電磁リニア変換器によって、デスプレーサを駆動する駆動力を付与することを容易かつ便利にするため、駆動ロッドと、この駆動ロッドによるデスプレーサの補足駆動とを、全て省くことができる。この場合、通常の駆動ロッドより小さな直径の連結ロッド52を用いて簡略化し、電磁リニア変換器54の磁石を搭載して往復運動する磁石支持部材に連結する。電磁リニア変換器54は、デスプレーサに対する単独の駆動手段として要求される出力より大きな出力を発揮するように、幾分大き目のサイズにすべきである。平板型の機械式ばね56のようなばねは、慣性力をバランスさせることによって、電磁リニア変換器に要求される駆動力を減少する。このような構成は、機関の最大能力の範囲内で、総合的な出力制御(エンジンの場合)、または総合的な加熱制御(ヒートポンプの場合)を提供する。連結ロッド50は、作動空間60とはね返り空間62との間における過度なガス漏れを防止するため、後部の軸受部58において、狭いすきま嵌めにすべきである。しかしながら、駆動ロッドに較べて小さい直径の連結ロッド50は、軸受間隙が同じであれば、ガス漏れを少なくし、あるいはガス漏れ量が同じであれば、軸受の嵌め合い寸法を緩和する。本発明による発電機の実施例の利点としては、太陽光システムに利用できることであり、一次的にはデスプレーサの振幅、二次的にはデスプレーサの位相の制御は、最高許容温度において熱を入力することを可能とし、これにより最高の熱効率を維持できる。小規模のコジェネレーションに利用する場合には、ピストンを駆動するリニア変換器は送電網に接続される一方、発電の程度は、デスプレーサの運動の調節によって処理される。ヒートポンプに利用する場合の利点としては、次に説明するように、熱の汲み上げ動作の全反転が可能となることである。
図3は、本発明による多様なデスプレーサ制御について、他の実施例を示す。スターリング機関は、エンジンであって、図示するようにパワー・ピストン70と72とが、圧縮機74と76とを直接駆動する。ガスばねによるデスプレーサ組立78が、デスプレーサの慣性力をバランスさせるために用いられる。このようなガスばねは、どのような実施例にも使用することができ、平板型の機械式ばねを、このガスばねと共に、他の実施例として使用することもできる。磁石を搭載する電磁リニア変換器の往復運動部品80は、駆動ロッド86を形成するガスばね式のピストン84に連結される。駆動ロッド86は、補足動力を付与し、その程度は、実施例における要求に依存する。
図4は、本発明による実施例であって、ヒートポンプを駆動する、実際に設計したスターリング・エンジンを示している。電磁リニア変換器102の往復運動部品100は、連結ロッド104に連結されている。一方連結ロッド104は、連結ロッド106を介して上方のデスプレーサ108に連結され、下方の平板型のばね110に連結される。電磁リニア変換器102の固定子112は、デスプレーサ・シリンダ117の延長部116において、ケーシング114に取付けられる。デスプレーサ・シリンダ117は、一体部品であって、機関の底部からデスプレーサ108に延伸する。デスプレーサ・シリンダ117と延長部116とを形成する一体部品は、垂直方向に沿って切除した互いに対向する部分を備え、対向するスターリング機関のパワー・ピストン118及び120のシリンダが連結する。これらのパワー・ピストン118及び120は、圧縮機126及び128の圧縮機ピストン122と124とに、それぞれ直接連結される。燃焼器130は、従来方法によって、エンジンを駆動するエネルギを与える。ガスばね132と平板型の機械式ばね110とは、デスプレーサの慣性力に対抗するばね力を付与する。また平板型の機械式ばね110は、デスプレーサ組立を中心軸に向かわせる力を付与する。デスプレーサの制御器134は、電圧及び周波数を出力し、本発明によってデスプレーサ108を制御して、スターリング・エンジンによる出力と、圧縮機による動力の消費との間において、安定な運転状態を保持する。
図5と6とは、スターリング・エンジンが、図3に示す圧縮機のような負荷、すなわちピストンの振幅に対して直線状に変化する負荷を駆動する場合に特有の安定性の問題と、本発明による解決手段とを示す。従来技術によってデスプレーサを駆動するフリーピストン・スターリング・エンジンの出力は、通常、150Aや150Bに示すような、ピストンの振幅の二乗に比例するカーブとなる。一方圧縮機は、与えられた吸引圧力と吐出圧力において、152Aや152Bの直線グラフに表すように、ピストンの振幅に直接に比例する動力を吸収する。
安定した運転のためには、2つの条件が必要となる。すなわち(a)スターリング・エンジン(原動機)の出力が、直線的な特性を有する負荷(が吸収する動力)と一致しなければならない。および(b)このような負荷(が吸収する動力)は、パワー・ピストンの振幅の増加によって増大するスターリング・エンジンの出力に較べて、より急速に増大しなければならない。図5において、負荷とエンジン出力カーブとの最初の交差点229における運転は、上記(a)、(b)の双方の条件が一致するため、安定である。2番目の交差点230では、運転が不安定になる。なぜならば、最初の交差点229では、双方の条件に合致するが、2番目の交差点230では、上記(b)の条件が合致しないからである。すなわち2番目の交差点230においては、エンジンの出力は、パワー・ピストンの振幅の増大と共に、負荷よりも急速に増大するからである。以上から導きだされる結論は、受動的に駆動される(積極的に制御されない)デスプレーサを備えるフリーピストン・スターリング・エンジンは、最初の交差点においては運転できるものの、より望ましい高出力である2番目の交差点では、運転させる方法はないということである。実際のところ、仮に2番目の交差点に移行すれば、システムは不安定になって、エンジンの往復運動する部品は、エンドストッパーに衝突するまで往復運動の振幅を増大させて、破壊的な結果をもたらす。
図6に示すように、本発明に基づいてデスプレーサを積極的に制御することによって、利用可能な最大出力カーブ150Bより任意の量だけ低い出力カーブ232に沿って、エンジンを運転することができる。この最大出力カーブ150Bは、デスプレーサの最大振幅と、ゼロから最大値まで変化するパワー・ピストンの振幅とによって決まる。最大出力点231において運転することは、出力カーブが232で示す形となるように、デスプレーサの動作を制御するということに尽きる。制御器は、パワー・ピストンの往復運動の振幅が減少するように、デスプレーサの往復運動の振幅を変化させ、これにより定常出力の作動点において、パワー・ピストン及びデスプレーサの往復運動の振幅が安定するように維持する。定常出力の状態は、要求される負荷が一定であり、それゆえに制御器が、要求される負荷に合致する作動点に、エンジンの定格出力を保持しようとするときに実現する。このような定常状態の下では、制御器は、選択したいかなる作動点においても、パワー・ピストンの振幅の増加に応答してデスプレーサの振幅を減少させ、パワー・ピストンの振幅の減少に応答してデスプレーサの振幅を増加させることによって、安定性を保持する。エンジンの出力を減少させる作用は、図6において逆比例するライン232によって示されるが、出力を減少させる他の作用を用いることもできる。エンジンの出力を減少させる作用は、安定な運転の条件を満たす。なぜならば、出力と負荷とが合致しようとする(上記条件(a))と共に、パワー・ピストンの振幅の増加に対して、負荷要求が、エンジンの出力より急速に増加する(上記条件(b))からである。逆比例の作用は、逆方向(下方に向かって)に傾斜する出力カーブ232に反映されている。このような逆比例の作用は、ネガティブ・フィードバックを形成して、パワー・ピストンの振幅が増加するときに、デスプレーサの振幅を減少させ、よってパワー・ピストンの振幅を減少させて、平衡状態の作動点に復帰させる。パワー・ピストンの振幅が減少する逆の場合も同様である。
更に多い、あるいは少ない負荷要求と、スターリング・エンジンの出力とに合致するような、他の安定な作動点は、単に出力カーブ232を、例えば出力カーブ234あるいは236のような、上方または下方の出力カーブに移動させることに尽きる。出力カーブ232は、デスプレーサの振幅を減少させることによって、例えばカーブ236のような下方の出力カーブに移動する。すなわちデスプレーサの振幅を減少させることによって、エンジンの出力を、より低い定常出力の作動点に減少させ、そしてこの新たな作動点において、デスプレーサの往復運動の振幅が、パワー・ピストンの往復運動の振幅を減少させるように作用するように、デスプレーサの振幅を制御する。したがってエンジンの出力カーブは、このような方法によって、圧縮機の負荷カーブに沿って上下方向に連続的に移動する。
図7と8とは、本発明よるスターリング冷却器/ヒートポンプにおいて、熱を汲み上げる方向を逆転可能にするために利用する簡単な位相図を示している。本発明は、デスプレーサの振幅と位相とを独立に制御することができるので、パワー・ピストンを基準にして、デスプレーサの振幅と位相とを、全ての状態において設計者の望みどおりに設定することができる。ヒートポンプの形態の場合、このようなデスプレーサの運動に対する独立した制御は、同一の機関において、放熱器を吸熱器として作動させ、吸熱器を放熱器として作動させることによって、全く逆の作動をさせることができる。換言すると、電磁リニア変換器で制御するデスプレーサは、熱の汲み上げ方向を、要求に応じて変更することができる。機関の同一の部品や部位が、加熱するために熱を移動するか、あるいは熱を奪って冷却するために熱を移動するかの、いずれにも切り替えることができる。機関内の同一部位において、加熱と冷却とを切り替えることは、膨張空間と圧縮空間との機能を、相互に交換することによって達成する。空間が膨張空間として機能するか、あるいは圧縮空間として機能するかは、デスプレーサの位相によって決まる。例えば、図2に示す実施例(空間67が膨張空間、空間69が圧縮空間)において、上端から下端に向かって熱を汲み上げたい場合には、デスプレーサ61は、図7に示すように、パワー・ピストン63と65とに対して、位相角度がほぼ60度先行するように作動する(なおパワー・ピストン63と65とは、熱力学的には同一位相で、機械的には逆位相で作動する。)。また、逆方向に向かって熱を汲み上げたい場合(空間67が圧縮空間、空間69が膨張空間)には、デスプレーサは、図8に示すように、パワー・ピストンに対して位相角度がほぼマイナス120度後行するように作動する必要がある。このような制御は、デスプレーサを受動的に駆動する場合には、簡単には実現できない。
このようにスターリング冷却器/ヒートポンプを作動させて、熱の汲み上げ方向を逆転させる手段は、デスプレーサを利用する他のスターリング機関にも適用できる。この手段は、原動機によってパワー・ピストンを周期的に往復運動させる駆動と、パワー・ピストンの位相角度に関連して選択した位相角度において駆動される電磁リニア変換器によって、デスプレーサを周期的に往復運動させる駆動とを構成する。ある場合には選択した位相角度が、第1の位相角度となるように制御されて、作動空間内の第1の空間が対象物を冷却する膨張空間として作動し、第2の空間が、スターリング機関から放熱する圧縮空間として作動する。他の場合には、選択した位相角度が、第2の位相角度に変換され、第1の空間が対象物を加熱する圧縮空間となり、第2の空間が、熱を受け取る膨張空間となる。第1の位相角度は、概ね40度から70度の範囲とすべきであり、第2の位相角度は、概ねマイナス110度からマイナス140度の範囲とすべきである。最も好ましくは、第1の位相角度は、概ね60度であり、第2の位相角度は、概ねマイナス120度である。デスプレーサを駆動する電磁リニア変換器は、通常、交流電流によって駆動され、電磁リニア変換器を制御する手段には、さらに交流電流の周波数と電圧とを調整することが含まれる。
本発明に用いることができる電子制御器を、図9、10及び11に示す。勿論、従来技術による公知の他の制御原理を制御器に組み込み、本発明においてデスプレーサを駆動する電磁リニア変換器を制御することもできる。同様に、本発明によるデスプレーサを駆動する電磁リニア変換器を制御するための制御原理を、従来技術による制御システムに組み込んで、デスプレーサを駆動する電磁リニア変換器を駆動するために出力させることもできる。
本発明では、デスプレーサに機械的に連結されている電磁リニア変換器は、殆どの実施例において、しばしば制御器から供給される交流電流によって駆動されるリニアモーターが、デスプレーサに駆動力を与え、デスプレーサの往復運動の振幅を維持あるいは増加するような作動状態の下で作動する。本実施例における同じ電磁リニア変換器は、他の場合には、デスプレーサから動力を吸収して、往復運動の振幅を減少させるような異なる作動状態で、作動することができる。デスプレーサに機械的に連結されている電磁リニア変換器は、ある実施例では、デスプレーサを往復運動させる単一の動力源として、そして他の実施例では、従来技術による周知の手段による駆動力と共に、デスプレーサを駆動させる補足的な動力源として用いることができる。
図9は、対向ピストンを備えるガンマ型のスターリング・エンジンが有するデスプレーサ制御器の、基本的な構成要素を示している。この構成要素は、電磁リニア変換器を発電機として駆動すると共に、任意の電気的負荷や電気配線網に連結される、スターリング・エンジンに用いられる。デスプレーサに設けた電磁リニア変換器の電圧Vdを制御することによって、電流はIsetに、電圧はVsetに制限される。デスプレーサの制御器の出力は、パワー・ピストンによって駆動される交流発電機の電圧と、位相が同期される。スターリング・エンジンの頂部の温度は、別の温度制御器355によって一定温度Thに保持され、この一定温度Thの保持は、温度制御器355が熱の入力を調整することによって達成される。頂部温度の制御器の詳細は、本発明とは密接に関係しないが、出力の変更に伴って、熱の入力を変化させて一定温度に維持させることは明らかである。制御の論理回路357は、パワー・ピストンに電気的に接続された交流発電機361と363とにおいて計測された電流または電圧が、IsetやVsetの設定値を超える場合は、デスプレーサの駆動装置359に、電磁リニア変換器365に付与する駆動電圧Vdを減ずる信号を伝える。Vdが減少すれば、デスプレーサの振幅が減少して、パワー・ピストンの交流発電機が発電する電力も減少する。電流または電圧のいずれかが設定値より低い場合には、デスプレーサの駆動装置359は、電磁リニア変換器の駆動電圧Vdを増加する信号を受け取って、デスプレーサの振幅を増大させ、これによりパワー・ピストンが生み出す出力が増大する。先行するデスプレーサの運動の位相は、測定した電圧Vpに対して電圧Vdの位相を設定する位相同期回路367によって、パワー・ピストンの運動に同期される。2つの有り得るケースが生じる。すなわちエンジン出力を、小型家庭用コジェネレーションのような電気配線網に接続するケースと、単に任意の電気的な負荷に接続するケースとである。最初のケースでは、電圧は一定値より高いか低いかであり、制御は、通常、電流に対してのみ行われる。しかしながら、負荷が無い開放回路のケースでは、電流はゼロになるが、無負荷に基づくパワー・ピストンの振幅の増加にしたがって、計測される電圧も増加する。パワー・ピストンによって駆動される交流発電機の電圧がVsetを超える場合には、制御の論理回路357は、デスプレーサの制御器359に、パワー・ピストンが生み出す出力が、機関の内部損失に丁度打ち勝つ出力になるまで、デスプレーサの駆動電圧を減少させる信号を伝える。この作動点においてパワー・ピストンは、Vsetを丁度維持できるが、出力を発生しない振幅で作動する。パワー・ピストンの交流発電機に任意の負荷が掛る(すなわち電気回線に接続しない)ケースでは、電圧と電流との双方が、デスプレーサに信号を送る。このケースでは、Vsetは、機関への供給電圧を定める。勿論、いかなる実施例においても、設定点と測定点とが相違することに由来する誤信号が生じる。この誤信号は、デスプレーサの駆動装置に対する主入力となる。
図10は、デスプレーサ制御器の基本的な構成要素を示しており、冷却機関として作動する対向ピストンを備えるガンマ型のスターリング・ヒートポンプに適用する。制御の論理回路475への入力は、低温の頂部温度Tcoldであり、この低温の頂部温度は、デスプレーサを駆動する電磁リニア変換器の電圧Vdを調整することによって制御される。パワー・ピストンの駆動装置469は、一定の入力電圧と、ピストン・リニアモータ組立471及び473の共振数に近い周波数(電流源/交流電流駆動装置)とを付与する。パワー・ピストンの駆動装置469は、ピストン・リニアモータ組立の最大振幅を設定する。デスプレーサの振幅がゼロのときは、熱の汲み上げ(冷却能力)は無く、デスプレーサの振幅が最大で、パワー・ピストンに先行する位相角度がほぼ40度〜70度のときには、熱の汲み上げが最大になる。制御の論理回路475は、温度TcoldがTsetより高いときには、デスプレーサを駆動する電磁リニア変換器477の電圧Vdを増加する信号を、デスプレーサの駆動装置476に伝える。TcoldがTsetに近づくと、要求温度においてTcoldが一定になるまで、Vdは、誤差信号によって下げられる。位相同期回路479において、デスプレーサの制御器476の出力は、デスプレーサの位相を、ピストン・リニアモータにおけるパワー・ピストンの駆動電圧Vpに同期させる。位相同期回路479は、デスプレーサの位相を、より高く、すなわち最大冷却速度が得られる70度に、より近づくように設定し、一旦目標温度に達すれば、機関の熱効率を最大にする40度に、より近づくまで減少させるように調整する。この調整は、入力する位相を最少化または最大化するように変更することによって、動的に処理される。このケースでは、ピストン・リニアモータへの電流とVpに関連する電流の位相とが、入力の大きさを決めるために計測される。熱の汲み上げ方向を完全に逆転することを望む場合には、Vdの位相を、Vpに対してほぼ120度に増加しなければならない。このケースでは、冷却側は、放熱器となって放熱する。制御アルゴリズムは、それゆえ、TcoldがTsetより低い場合には、設定温度の保持に必要な熱を付与するため、Vdを増加させる。このような装置は、外気温度がTsetより高いまたは低い環境における、一定の温度空間を制御する場合に限定される。
図11は、対向ピストンを備えるガンマ型のエンジンのデスプレーサを制御する、制御器の基本的な構造要素を示しており、このエンジンは、家庭用ヒートポンプ(米国特許6,701,721)に利用できるような圧縮機を直接駆動する。この実施例では、パワー・ピストンとデスプレーサとに作動変換器が必要となる。好ましいデスプレーサの位相(このケースでは40度)を保持するために、振幅及び位相の情報が抽出されて、デスプレーサの制御器に付与される。この装置では、パワー・ピストンが作動の中心点から外れて作動するので、更に上死点(TDC)の情報が、下死点における衝突を回避するために必要となる。エンジンの頂部の温度は、熱の入力を調整することによって一定に保たれる。サーモスタットが、熱要求に対応する。
上述したように、圧縮機の負荷は、パワー・ピストンの振幅に比例し、スターリング・エンジンの出力は、パワー・ピストンの振幅のほぼ二乗に比例する。説明を簡単にするために、頂部の温度Thは、熱の入力制御器581によって一定に保持されると仮定する。加熱(または冷却)の要求は、サーモスタット583によって検知される。パワー・ピストンには、リニア発電機もモーターも設けていないので、通常小型の位置計測器である、別の変換器585と587とによって、パワー・ピストンの動きを測定する必要がある。デスプレーサの電磁リニア変換器588を、デスプレーサの位置計測器として使用してもよく、あるいは替りに、別の位置計測器589を使用してもよい。制御の論理回路590は、デスプレーサの制御器591に対する入力を与え、これによりデスプレーサの駆動装置/負荷装置592への入力が決まる。一旦Thが十分に高くなれば、機関は、デスプレーサの制御器591によって始動し、このデスプレーサの制御器は、デスプレーサの駆動装置/負荷装置592に、始動交流電圧と初期周波数とを与える。パワー・ピストンとデスプレーサとの作動を検知する計測器は、作動部品の振幅と上死点(TDCs)とを測定する。制御の論理回路は、デスプレーサやパワー・ピストンが最大振幅限度を超えたか否かを最初に調べ、もし超えていれば、デスプレーサの制御器に、デスプレーサを駆動する電圧を下げる信号を送る。もし振幅が制限値以内であれば、デスプレーサとパワー・ピストンとの間の位相を決定する(対向するピストンは、常に同一位相で、すなわち双方が外側に、あるいは内側に移動する。)。もし位相が、設計点、通常約40度より大きければ、制御の論理回路は、デスプレーサの制御器に、デスプレーサを駆動する周波数を減じる信号を送る。もし位相が、設計位相より小さければ、制御の論理回路は、デスプレーサの制御器に、デスプレーサを駆動する周波数を増加する信号を送る。デスプレーサの駆動装置への電圧は、サーモスタット583が設定する要求によって制御される。駆動電圧と周波数とに対して増減を要求する割合の違いが、システムの安定性にとって重要であることは理解できる。しかしながら、全ての状態において、圧縮機に十分な動力を付与するための本質的な要求は、デスプレーサの制御器と制御論理によって確立される。
本発明は、次の3つの優位性を含む。
(1)デスプレーサに対する独立した制御によって、スターリング機関の制御を改良すること。この独立した制御は、本発明によって可能となり、安定性と熱効率とを改善する。
(2)無駄な容積(デッド・スペース)を少なくすること。これにより熱効率を改善できる。
(3)本発明による電磁リニア変換器を、往復運動するピストン軸を挟んでデスプレーサと反対側に配置することによって、スターリング機関の別の個所に変換器を配置する場合に、強いられる妥協や制限を必要としない好ましい特性に基づいて、より自由に変換器の設計や構成ができるような空間配置あるいは構造を提供すること。
本発明は、2つまたはそれ以上のパワー・ピストンを、デスプレーサの運動に直交するように配置した、ガンマ型のスターリング機関に適用することができる。無駄な容積を最小限にするために、デスプレーサを駆動する区域は、デスプレーサのばねの上に設けられる。またデスプレーサを駆動する区域は、パワー・ピストンを越えて取り付けられるため、従来技術によるベータ型の機関のように、パワー・ピストンがデスプレーサの駆動装置あるいは連結ロッドを収容する必要がなくなる。この配置によって、未だ完全ではないものの、大幅に釣り合いをとることができる。デスプレーサにはアンバランスが残るが、一般にデスプレーサの質量は、機関の全質量に比べると少ないので、残りのアンバランスは、実施的には極めて少なく、多くの場合許容できる。
本発明は、はね返り空間内に位置するデスプレーサの後端に取付けられた、電磁リニア変換器を提供する。この空間は、自由に構成することができ、かつ機関の性能に重要な影響を与えないので、スターリング機関の別の個所に設ける場合に強いられる妥協を行うことなく、熱効率や要求される出力レベルに基づき、可動部の質量を最小限にしつつ、電磁リニア変換器のサイズを決めることができる。
避けるべき設計上の妥協点には、次が含まれる。
a. 電磁リニア変換器の空間配置が、デスプレーサの形や大きさによって制限されないこと。磁石の直径は、電磁リニア変換器に対する設計上の要求によってのみ決定され、機関の他の構成部品の大きさや個所には影響されないこと。性能に対する要求のみによって制限される任意の空間に電磁リニア変換器を配置することによって、最適な性能と大きさとを有する電磁リニア変換器が可能になること。例えば設計者は、特定の状況においては、全面的で十分な制御には、小さな出力差のみが要求されるようにすることができる。このように決意すれば、スターリング機関のはね返り空間領域に容易に収納できる、小さな電磁リニア変換器が必要になるだけとなる。
b. 電磁リニア変換器、特にその固定子組立てを、作動空間、放熱器及びデスプレーサから離して配置することによって、これらの部品の設計や配置に何等影響を与えることが無くなること。したがって放熱器を発電機との接続部分の近傍から離して配置させる必要も無くなるので、機関の性能を下げるような重要な個所に無駄な空間を設けることがない。
c. デスプレーサと一緒に作動する電磁リニア変換器の磁束を運ぶ鉄材を、内部に要しないこと。この鉄材は、質量を増加し、ケーシングに伝わる力を増大する。このような力は、ケーシングの振動を増幅し、一般的にエンジン振動を許容レベルまで下げるための動的吸収装置や他の手段が必要となる。
d. デスプレーサを駆動する電磁リニア変換器は、はね返り空間に設けられるので、他の個所に配置された場合に必要となる、熱力学的な妥協を回避することができること。
e.スターリング機関において、狭い嵌め合い寸法が必要な部品が無いこと。従来のデスプレーサのような部品は、シリンダ内において高精度の嵌め合いを必要とし、電気的及び機械的な作動にも適するような材料を要求する際に妥協が必要となる。例えば磁界を伝える材料や、透磁率が低い他の材料を有するような、高精度部品が不要となる。
f.高低温度における熱膨張差の問題を引き起こす多種材料(例えば、銅、変換器用の鉄、アルミニウム及びステンレス鋼)の使用により、圧縮空間におけるデスプレーサのシール機能の調整と保持とを達成することを極端に難しくしないこと。極めて狭い嵌合(デスプレーサの直径に対してほぼ25μm)個所に、このような多種材料を使用することは、コストを高めることになる。
図面と関連する詳細な説明は、主に本発明の現時点における望ましい実施形態についての説明として意図されており、本発明を構成したり、あるいは利用したりすることができる唯一の構成を表すことを意図するものではない。この説明は、図示の実施形態と関連して、本発明を実施する設計、機能、手段および方法を記述している。しかしながら、本発明の思想および範囲内に包含するように意図された異なる実施形態によって、同一または同等な機能および特徴を達成でき、また本発明あるいは次の請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更を採用することができると理解すべきである。

Claims (11)

  1. 対向するピストンを備えるガンマ型の構造を有する制御可能なフリーピストン・スターリング機関であって、外側のケーシングと、このケーシング内にある作動空間とを有し、
    上記作動空間は、膨張空間と圧縮空間とを含み、
    上記フリーピストン・スターリング機関は、デスプレーサ、少なくとも2つのパワー・ピストン、デスプレーサ・ロッド、電磁リニア変換器電子制御器および上記デスプレーサに作用するはね返り空間を備えており、
    (a)上記デスプレーサは、デスプレーサ・シリンダ内に取り付けられて往復運動軸に沿って往復運動し、上記膨張空間と圧縮空間との間で作動ガスの配分割合を周期的に変化させ、
    (b)上記パワー・ピストンは、ピストン・シリンダ内であって、上記デスプレーサの往復運動軸を中心として軸対称となる位置に取付けられて、往復運動軸に沿って往復運動し、
    (c)上記デスプレーサ・ロッドは、上記デスプレーサに連結されると共に、上記複数のパワー・ピストンの間を通って、このパワー・ピストンの往復運動軸を超えて延伸し、
    (d)上記電磁リニア変換器は、上記デスプレーサ・ロッドを駆動するように連結され、この連結される位置は、上記パワー・ピストンの往復運動軸を挟んで上記デスプレーサと反対側であって、このパワー・ピストンが往復運動するときに占める全作動空間の外側に位置する上記はね返り空間内であり、
    (e)上記電子制御器は、上記電磁リニア変換器に連結される出力端子を有しており、上記デスプレーサの振幅を、計測した機関の運転パラメタとして制御し、上記電子制御器は、上記電磁リニア変換器に電力を供給して、上記デスプレーサを駆動して往復運動させ、あるいはこの電磁リニア変換器から電力を吸収して、このデスプレーサの往復運動の振幅を減少させる
    ことを特徴とする。
  2. 上記電子制御器は、さらに上記パワー・ピストンの往復運動の振幅を上記機関の運転パラメタとして制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  3. 上記デスプレーサの往復運動軸に沿ってばね力を付与するばねが、上記デスプレーサ・ロッドと外側ケーシングとの間に連結され、往復運動するこのデスプレーサの慣性力を釣り合わせる
    ことを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  4. 上記ばねは、ガスばねであることを特徴とする請求項3に記載のスターリング機関。
  5. 上記ばねは、平面型のばねであることを特徴とする請求項3に記載のスターリング機関。
  6. 上記デスプレーサ・ロッドは、上記作動空間とはね返り空間との間に挿入された接続シリンダを介して延伸する駆動ロッドを有し、
    上記駆動ロッドは、この駆動ロッドの対向する両端部に掛る圧力の差によって、作動サイクルから出力を取り出し、これによって上記電磁リニア変換器による上記デスプレーサの駆動力を補足する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  7. 上記デスプレーサ・ロッドは、駆動ロッドを有しない連結ロッドであって、
    上記デスプレーサを駆動して往復運動させる動力は、全て上記電磁リニア変換器によって供給される
    ことを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  8. 上記スターリング機関はエンジンであって、上記パワー・ピストンは、ガス圧縮機のピストンを駆動するように連結され、
    上記パワー・ピストンの振幅に対する出力を示すグラフにおいて、上記ガス圧縮機を駆動するために特有な出力カーブは、全域に亘って上記エンジンが出し得る最大出力カーブより低い側にあり、
    上記電子制御器は、上記パワー・ピストンの往復運動の振幅が減少するように、上記デスプレーサの往復運動の振幅を変化させることによって、定常出力の作動点において上記パワー・ピストンとデスプレーサとの往復振動の振幅が安定するように維持する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関。
  9. パワー・ピストン及び作動空間を第1熱交換器に熱的に連結した第1空間と、第2熱交換器に熱的に連結した第2空間とに区切るデスプレーサを有するスターリング冷却器/ヒートポンプにおいて、このスターリング冷却器/ヒートポンプを、任意かつ選択的に、この第1熱交換器から第2熱交換器に熱を汲み上げるか、あるいはその代わりに、この第2熱交換器から第1熱交換器に熱を汲み上げて、いずれかの上記熱交換器に熱的に連結された対象物を、選択的に加熱または冷却するように運転する方法であって、
    (a)原動機によって、上記パワー・ピストンを駆動して周期的に往復運動させる工程と、
    (b)上記パワー・ピストンの位相角度に関連して選択した位相角度で駆動される電磁リニア変換器によって、上記デスプレーサを駆動して周期的に往復運動させる工程と、
    (c)時には上記選択した位相角度を第1の位相角度に変更して、上記第1空間を、熱を受け取る膨張空間とすると共に、上記第2空間を、熱を捨てる圧縮空間とする工程と、
    (d)時には上記選択した位相角度を第2の位相角度に変更して、上記第1空間を、熱を捨てる圧縮空間とし、上記第2空間を、熱を受け取る膨張空間とする工程とを備え
    上記電磁リニア変換器は、交流電流によって駆動され
    上記選択した位相角度は、上記交流電流の周波数の増減によって変更される
    ことを特徴とする。
  10. 上記第1の位相角度は、40度から70度の範囲であって、
    上記第2の位相角度は、マイナス110度からマイナス140度の範囲である
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. さらに上記交流電流の周波数、位相及び電圧を調整する手段を備える
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
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