JP2020093209A - 濾材 - Google Patents

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Mitsuo Yoshida
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Abstract

【課題】耐アルカリ性、耐熱性を有する濾材であって、濾過効率と濾過寿命に優れた濾材を提供することを目的とする。【解決手段】ポリオレフィン系繊維、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維、変法濾水度300ml以上のフィブリル化耐熱繊維を必須成分として含有した不織布からなることを特徴とする濾材。変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。【選択図】図2

Description

本発明は、気体、液体中に含有される固体粒子を効率良く除去して清浄な気体や液体を得るための濾材である。
気体、液体中に含有される固体粒子を効率良く除去して清浄な気体や液体を得るための濾材は、濾過する気体や液体の多様化により、耐アルカリ性、耐酸性、耐溶剤性、耐熱性等の要求が高まっている。耐アルカリ性に優れた濾材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系素材で構成されたメルトブロー不織布からなる濾材が提案されている。
例えば特許文献1には、平均繊維径が5〜20μmで、目付量が10〜50g/mの第1メルトブロー不織布と、その第1メルトブロー不織布上への繊維の溶出により積層形成され、平均繊維径が40〜100μmで、目付量が60〜120g/mの第2メルトブロー不織布とを備え、濾材全体に高剛性を備えた濾材が提案されている。
特許文献2では、ポリオレフィン及び/又はポリエステルを主体に構成された単一層からなるメルトブロー不織布であって、目付が80〜140g/m、厚みが0.5〜1.5mm、剛軟度が3mN以上であり、及び該単一層が厚み方向に充填率勾配を有するエアフィルター用不織布が提案されている。
また、特許文献3には、混繊メルトブロー不織布が、少なくとも2種類の繊維群を含む混繊メルトブロー不織布であって、第1の繊維群はポリオレフィン系樹脂成分Aからなり各々の繊維径が7.0μm以下であり、第2の繊維群は樹脂成分Bからなり各々の繊維径が15μm〜100μmであり、前記混繊メルトブロー不織布の長さ方向における引張強力が単位目付あたり0.45(N/5cm)/(g/m)以上であり、さらに前記混繊メルトブロー不織布に6kg/cmの荷重をかけた後の圧力損失の上昇率が25%以下である混繊メルトブロー不織布が提案されている。
また、特許文献4には、ポリフェニレンサルファイド繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱性有機繊維と、オレフィン系繊維、変性ナイロン繊維、変性ポリエステル繊維、オレフィン/ポリエステル芯鞘繊維、変性ナイロン/ポリエステル芯鞘繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の融点100〜180℃範囲の低融点繊維又は該繊維を鞘部とする複合繊をそれぞれ計量、混綿、カーディング、ラッピング後ニードルパンチ工程にて嵩高く見掛け密度が20gf/cmの荷重を加えたとき0.005〜0.020g/cmの範囲にある如く繊維を絡合したのち、熱風にて低融点繊維を融着固化せしめ、次いで該嵩高さを維持した状態でポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などからなる群から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂をスプレー加工あるいは含浸―サクション加工を行い、再度耐熱性有機繊維を固着固化することを特徴とする嵩高性、耐熱性、風合い硬さを併せ有する耐熱フィルター用濾材の製造方法が提案されている。
特許文献1〜3に示される濾材及び不織布は、オレフィン系素材のため、耐薬品性が良好である。しかし、耐熱性に関しては考慮されていなかった。また、特許文献4に示される耐熱フィルター用濾材は、耐熱性を有する繊維を使用することにより、嵩高性、耐熱性、風合い硬さを有しているが、ニードルパンチ加工で濾材に穿孔することから、捕集効率は決して満足するものではなかった。
特開2012−152706号公報 特開2009−106824号公報 特許第6007899号公報 特開2011−183236号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、耐アルカリ性、耐熱性を有する濾材であって、濾過効率と濾過寿命に優れた濾材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)ポリオレフィン系繊維、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維、変法濾水度300ml以上のフィブリル化耐熱繊維を必須成分として含有した不織布からなることを特徴とする濾材。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。
(2)濾材における変法濾水度300ml以上のフィブリル化耐熱繊維の配合率が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする(1)記載の濾材。
を見出した。
本発明の濾材(1)は、ポリオレフィン系繊維、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維、フィブリル化耐熱繊維を必須成分として含有した不織布からなる。さらに、フィブリル化耐熱繊維の変法濾水度が300ml以上であり、捕集効率が高まり、粒子径1.0〜5.0μmの粒子の捕捉を効率的に行うことができる。
また、フィブリル化耐熱繊維の配合率が、濾材に対して1質量%超40質量%以下であることで、耐アルカリ性と耐熱性も兼ね備え、捕集効率を維持しつつ、圧力損失を抑えるものである。
フィブリル化耐熱繊維を含まない濾材の電子顕微鏡写真である。 変法濾水度が320mlのフィブリル化耐熱繊維を含む濾材の電子顕微鏡写真である。 フィブリル化耐熱繊維を含まない濾材(写真の左)とフィブリル化耐熱繊維を含む濾材(写真の右)を160℃の熱風乾燥機内で30分間加温した後の濾材の写真である。
以下、本発明の濾材について詳説する。
本発明の濾材は、ポリオレフィン系繊維、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維、フィブリル化耐熱繊維を必須成分として含有した不織布からなる。図2は、変法濾水度が320mlのフィブリル化耐熱繊維を含む濾材の電子顕微鏡写真であるが、フィブリル化耐熱繊維は、主に繊維軸と平行な方向に非常に細く分割された微小繊維である。フィブリル化されているために、フィブリル化耐熱繊維は、ポリオレフィン系繊維とポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維に絡まり易く、濾材全体に分布し易い。そのため、濾材の捕集効率を高めることができたと推測できる。
本発明において、フィブリル化耐熱繊維としては、全芳香族ポリアミド(アラミド)、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂からなる耐熱性繊維をフィブリル化したものが用いられる。これらの中でも、親水性が高く、フィブリル化し易いため、全芳香族ポリアミドが好ましい。
フィブリル化耐熱繊維は、耐熱性繊維をリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速の回転する円筒の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得ることができる。
本発明におけるフィブリル化耐熱繊維の変法濾水度は300ml以上であり、好ましくは300ml以上700ml未満であり、より好ましくは300ml以上600ml未満であり、更に好ましくは300ml以上450ml未満である。300ml未満の場合、抄紙ワイヤーから脱落するフィブリル化耐熱繊維が増す場合や、濾材の圧力損失が高まる場合がある。変法濾水度が700ml以上の場合、フィブリル化があまり進んでいないため、捕集効率が高まりにくい場合がある。
本発明における変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値のことである。
フィブリル化耐熱繊維において、質量加重平均繊維長は、1.00mm以上1.50mm以下であることが好ましい。また、長さ加重平均繊維長は、0.50mm以上1.00mm以下であることが好ましい。平均繊維長が好ましい範囲よりも短い場合、ポリオレフィン系繊維とポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維との絡みが不足し、抄紙ワイヤーから脱落する場合があり、平均繊維長が好ましい範囲よりも長い場合、繊維同士が撚れてダマになり、濾材の均一性が低下する場合がある。
本発明において、質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して、投影繊維長(Proj)モードにおいて測定した質量加重平均繊維長(L(w))と長さ加重平均繊維長(L(l))である。
フィブリル化耐熱繊維の平均繊維幅は、5μm以上40μm以下が好ましく、5μm以上35μm以下がより好ましく、5μm以上30μm以下が更に好ましい。平均繊維幅が40μmを超えた場合、捕集効率が高まりにくい。また、平均繊維幅が5μm未満の場合、ポリオレフィン系繊維とポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維との絡みが不足し、抄紙ワイヤーから脱落する場合がある。
本発明において、平均繊維幅は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した繊維幅(Fiber Width)である。
本発明の濾材において、フィブリル化耐熱繊維の配合率は、1質量%以上40質量%以下が好ましく、3質量%以上35質量%以下がより好ましく、5質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。フィブリル化耐熱繊維の配合率が1質量%未満の場合、均一性や捕集効率や耐熱性が向上しない場合がある。図3の左の写真は、フィブリル化耐熱繊維を含まない濾材を160℃の乾燥機内で30分間加温後の状態を示す。写真より、加温後の濾材の4隅は反り上がり変形していることが分かる。一方、図3の右の写真は、フィブリル化耐熱繊維を5質量%配合した濾材を同条件で加温した後の状態を示す。写真より、反り上がりが見られず、変形もなく、耐熱性が高まっていることが分かる。また、フィブリル化耐熱繊維の配合率が40質量%を超えると、圧力損失が高すぎる場合がある。
本発明の濾材において、ポリオレフィン系繊維の配合率は、10〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。ポリオレフィン系繊維の配合率が10質量%未満の場合、通液抵抗を高める場合がある。また、ポリオレフィン系繊維の配合率が50質量%を超えると、強度が不足して目開きが起こる場合がある。
本発明において、ポリオレフィン系繊維を構成する樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンの重合物が挙げられ、例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。ポリオレフィン系繊維は、湿式抄紙のヤンキードライヤー等の乾燥工程で溶融しない繊維であり、濾材の骨材として機能する繊維である。
ポリオレフィン系繊維は、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる繊維(複合繊維)であっても良い。また、本発明の濾材に含まれるポリオレフィン系繊維は、1種でも良いし、繊維径、繊維長、樹脂組成、樹脂構成が異なる2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
ポリオレフィン系繊維の繊維径は、1〜20μmが好ましく、3〜18μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。ポリオレフィン系繊維の繊維径が20μmを超えた場合、濾材の均一性が確保できなくなる場合がある。また、ポリオレフィン系繊維の繊維径が1μm未満の場合、繊維が抄紙ワイヤーから脱落し、安定製造が困難になる場合がある。
ポリオレフィン系繊維の繊維長としては、1mm以上15mm以下が好ましく、1mm以上10mm以下がより好ましく、2mm以上7mm以下がさらに好ましい。繊維長が15mmを超えた場合、地合不良となる場合がある。一方、繊維長が1mm未満の場合には、濾材の機械的強度が低くなる場合がある。
ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維は、ポリオレフィン系繊維やフィブリル化耐熱繊維を点又は線で接着するために配合するものであり、ポリオレフィン系繊維やフィブリル化耐熱繊維よりも融点が低いものである。ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維は、融点が低い鞘部分と融点が高い芯部分からなる芯鞘型、同様の素材で融点が低い鞘部分と融点が高い芯部分からなり、芯成分が偏っている偏芯型、融点が低い部分と融点が高い部分が半円ずつ分かれているサイドバイサイド型、その他海島型、オレンジ型、多重バイメタル型の複合繊維、あるいはポリオレフィン系繊維の製造工程の中で延伸工程をあえて行わずに未延伸状態で短繊維にカットして湿式抄紙した後の乾燥工程で軟化して他の繊維と接着する未延伸単繊維等が挙げられるが、濾材の強度を高めるという点から、特に、芯鞘型のポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維を使用することが好ましい。例えば、芯鞘型ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維における繊維表面の鞘部分の樹脂成分は、JIS K7121:2012に規定される示差走査熱量分析(以下、DSCという)で測定した融点が50〜150℃であることが好ましく、より好ましくは60〜140℃である。融点が50℃未満の場合、濾材が高温にさらされた場合に軟化して強度低下を招く場合がある。一方、融点が150℃を超えた場合、熱融着機能を発現させるために、高温で加熱する必要があり、多くのエネルギーが必要となる場合がある。融点が低い鞘部分には、ポリエチレンを使用することが好ましく、融点が高い芯部分には、ポリプロピレンを使用することが好ましい。
本発明の濾材において、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率は、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が80質量%を超えると、濾材の圧力損失が高まる場合や、フィブリル化耐熱繊維のネットワークをフィルム状に覆ってしまい、捕集効率が低下する場合がある。
ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の繊維径は、1〜20μmが好ましく、3〜18μmがより好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の繊維径が20μmを超えた場合、濾材の均一性が確保できなくなる場合がある。また、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の繊維径が1μm未満の場合、繊維の安定製造が困難になる。
ポリオレフィン系繊維及びポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の繊維長としては、1mm以上15mm以下が好ましく、1mm以上10mm以下がより好ましく、1mm以上7mm以下がさらに好ましい。繊維長が15mmを超えた場合、地合不良となる場合がある。一方、繊維長が1mm未満の場合には、濾材の機械的強度が低くなる場合がある。
本発明の濾材は、一般紙や湿式不織布を製造するための抄紙機、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で設置されている抄紙機;長網や傾斜ワイヤー抄紙機で同一ワイヤー上に2つ以上のヘッドを有した2層以上の多層抄紙可能な抄紙機;これらの抄紙網の同種または異種の2機以上がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等により製造することができる。抄紙機で製造された湿紙は、エアードライヤー、ヤンキードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等のドライヤーで乾燥させる。
本発明の濾材は、エンジンオイル用、燃料用、油水分離用、油圧機器用等の液体濾過用フィルタ用濾材として好適となる。また、気体用濾材としても使用できる。そして、アルカリ性の液体の濾過だけではなく、アルカリ性の気体を濾過する場合にも濾材の強度低下及び性能低下が少なく、好適となる。さらに、酸性の液体又は気体の濾過にも使用することができる。
本発明の濾材の目付は、特に限定しないが、30〜150g/mが好ましく、40〜120g/mがより好ましく、50〜100g/mがさらに好ましい。150g/mを超えると、圧力損失が高くなりすぎたり、厚みが過剰となり、30g/m未満であると、濾材の強度が弱く、通液又は通気の際の圧力で濾材が変形する場合がある。なお、目付はJIS P8124:2011(紙及び板紙−坪量の測定方法)に規定された方法に基づく坪量を意味する。
本発明の濾材の厚みは特に限定しないが、50〜1000μmが好ましく、100〜800μmがより好ましく、200〜600μmがさらに好ましい。1000μmを超えると、圧力損失が過剰になる場合があり、50μm未満であると、通液又は通気の際の圧力で濾材が変形する場合がある。なお、厚みは、JIS B7502:2016により規定された外側マイクロメーターを用いて、5N荷重時の測定された値を意味する。
本発明の濾材において、濾材の密度は、0.05〜0.8g/cmであることが好ましく、0.10〜0.6g/cmがより好ましく、0.15〜0.5g/cmがさらに好ましい。密度が0.05g/cm未満の場合、通液性が高まり捕集効率が低くなる場合がある。逆に、0.8g/cmを超えると、圧力損失が大きくなる場合がある。
本発明の濾材には、必要に応じて濾材の特性を阻害しない範囲で、架橋剤、撥水剤、分散剤、歩留り向上剤、紙力剤、染料等の添加剤を適宜配合することができる。また、濾材には、機械的強度、耐水性を付与するために熱可塑性樹脂を含有させることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、合成ゴム系、ウレタン系、ポリエステル系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、ポリビニルアルコール系、澱粉系、フェノール樹脂等が挙げられ、これらを単独または2種類以上を併用できる。
濾材に含有せしめる熱可塑性樹脂の量としては、濾材に対して0.01〜10質量%が適当である。10質量%を超えると、濾材の圧力損失が大きくなる。また、0.01質量%未満では、熱可塑性樹脂を含有しない濾材と比較して、機械的強度や耐水性が向上しない。
熱可塑性樹脂を濾材に含有させる方法としては、特に限定はしないが、サイズプレス方式、タブサイズプレス方式、スプレー方式、内添方式、グラビア塗工方式等の方法が挙げられる。支持体層のみに含有させるためには、スプレー方式、グラビア塗工方式を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂を含有させた後に、エアードライヤー、ヤンキードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
<PP繊維1>
繊度0.3dtex(繊維径:6.5μm)、繊維長3mm、融点160℃のポリプロピレン繊維をPP繊維1とした。
<PP繊維2>
繊度0.4dtex(繊維径:7.5μm)、繊維長5mm、融点160℃のポリプロピレン繊維をPP維2とした。
<PP繊維3>
繊度2.2dtex(繊維径:17.6μm)、繊維長5mm、融点160℃のポリプロピレン繊維をPP繊維3とした。
<PET繊維4>
繊度2.2dtex(繊維径:14.3μm)、繊維長5mm、融点160℃の延伸ポリエステル繊維をPET繊維4とした。
<ポリオレフィン系バインダー繊維1>
繊度0.2dtex(繊維径:5.3μm)、繊維長3mmの芯部がポリプロピレン、鞘部が融点130℃のポリエチレンの芯鞘型バインダー繊維をポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維1とした。
<ポリオレフィン系バインダー繊維2>
繊度0.8dtex(繊維径:10.6μm)、繊維長5mmの芯部がポリプロピレン、鞘部が融点130℃のポリエチレンの芯鞘型バインダー繊維をポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維2とした。
<ポリオレフィン系バインダー繊維3>
繊度2.2dtex(繊維径:17.6μm)、繊維長5mmの芯部がポリプロピレン、鞘部が融点130℃のポリエチレンの芯鞘型バインダー繊維をポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維3とした。
<ポリエステルバインダー繊維4>
繊維径2.2dtex(繊維径:14.3μm)、繊維長5mmの、芯部がPET(融点253℃)、鞘部がポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(軟化点75℃)のポリエステル系芯鞘型熱融着繊維をポリエステルバインダー繊維4とした。
<フィブリル化耐熱繊維1>
繊維径10μm、繊維長3mmのパラ系全芳香族ポリアミド繊維を、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理して得た、変法濾水度320mlフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化耐熱繊維1とした。
<フィブリル化耐熱繊維2>
繊維径10μm、繊維長3mmのパラ系全芳香族ポリアミド繊維を、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理して得た、変法濾水度250mlフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維をフィブリル化耐熱繊維2とした。
(実施例1〜12及び比較例1〜5)
2mの分散タンクに水を投入後、表1に示す比率で配合し、分散濃度0.2質量%で5分間分散して、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(0.2%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、130℃のシリンダードライヤーによって、バインダー繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付60g/mの濾材を作製した。
<評価>
実施例1〜12及び比較例1〜5で得られた濾材について、下記の評価を行い、耐アルカリ性、圧力損失、捕集効率、プリーツ加工性、耐熱性の評価結果を表1に示した。
[耐アルカリ性]
濾材をマシンの流れ方向(MD)に対して幅25mm、長さ160mmに5枚断裁してMDの引張強度用サンプルとし、マシンの横方向(CD)に対して幅25mm、長さ160mmに5枚断裁してCDの引張強度用サンプルとした。これらの断裁したサンプルを、25℃の水酸化ナトリウム水溶液(10%濃度)に100時間浸漬した後に水洗して風乾し、耐アルカリ性評価用サンプルとした。サンプルを卓上型材料試験機(商品名:STA−1150、(株)オリエンテック製)を用いて、つかみ間隔100mm、引張速度20mm/分の条件で伸長し、切断時の荷重値を引張強度とし、以下の基準で評価した。予め水酸化ナトリウム水溶液に浸漬していない濾材における5枚のMDと5枚のCDの全サンプルの引張強度を測定し、その平均値を100として、別途切り出した耐アルカリ性評価用サンプルにおける5枚のMDと5枚のCDの全サンプルの引張強度の平均値が、98以上であれば「◎」、95以上98未満であれば「○」、90以上95未満であれば「△」、90未満又は評価不能であれば「×」とした。
[圧力損失](単位:Pa)
JIS B9908:2011に準じて、面風速5.3cm/秒の条件で測定した。圧力損失は低いほど好ましく、150Pa未満であれば「◎」、150Pa以上200Pa未満であれば「○」、200Pa以上250Pa未満であれば「△」、250Pa以上を「×」とした。
[捕集効率](単位:%)
JIS B9908:2011に準じて、面風速5.3cm/秒の条件で測定した。測定対象粒子は、大気塵を使用して、粒子径1.0〜5.0μmの粒子についての捕集効率をパーティクルカウンター(商品名「KC−11」、リオン社製)を使用して測定した。捕集効率は高いほど好ましく、90%以上であれば「◎」、70%以上90%未満であれば「○」、50%以上70%未満であれば「△」、50%未満であれば「×」とした。
[プリーツ加工性]
濾材をマシンの流れ方向(MD)30cm、横方向(CD)20cmに裁断し、流れ方向を横切るように5cm毎に山折、谷折を繰り返し、畳んだ濾材の上に、直径5cm、長さ30cm、重さ3kgの円柱状金属ロールをゆっくり転がして折り目をつけ蛇腹状とする。折り目が明確で歪みがなく、折り目を押しても変形しなければ良好「○」とし、若干変形したが使用上問題ないレベルのものを「△」とし、それ以外を「×」とした。また、非常に硬く「○」よりも優れているものを「◎」とした。
[耐熱性]
濾材をマシンの流れ方向(MD)10cm、横方向(CD)10cmの正方形に裁断し、裁断した濾材を160℃に設定した送風定温乾燥機(東京理化器械社製、WHO−450ND)内で30分間加温した後に濾材を取り出し、濾材を観察した。濾材の四隅の反りの平均値が0〜2mm未満であれば良好「○」とし、4隅の反りの平均値が2mm〜5mm未満であれば使用上問題ないレベルのものを「△」とし、4隅の反りの平均値が5mm以上のものを「×」とした。
実施例1〜4と比較例1との比較から、フィブリル化耐熱繊維を配合していない比較例1の濾材は、捕集効率が低く、50%未満であり、濾材に適さないレベルであり、耐熱性も低かった。一方、フィブリル化耐熱繊維を1%配合した実施例1の濾材及び3%配合した実施例2の濾材は、捕集効率が50%以上であり、濾材に使用可能なレベルであった。フィブリル化耐熱繊維を5%配合した実施例3の濾材及び10%配合した実施例4の濾材は、捕集効率が70%以上であり、濾材として良好なレベルであった。
ポリプロピレン繊維とポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の繊維径を、実施例5に対して、実施例6及び実施例7は太くした例である。実施例5及び実施例6の濾材の捕集効率は90%以上であり、非常に良好であるが、さらに太くした実施例7の濾材の捕集効率は、実施例5及び実施例6より低く、90%未満となったが、濾材として良好なレベルであった。
実施例8〜10の比較から、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が30%の実施例8の濾材と比較して、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が20%の実施例9の濾材は、プリーツ加工性が低下し、圧力損失が上昇するが、使用可能なレベルであった。また、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が10%の実施例10の濾材は、実施例8の濾材と比較して、プリーツ加工性と耐アルカリ性が低下し、圧力損失が上昇するが、使用可能なレベルであった。
実施例6、実施例11、実施例12との比較から、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が50%の実施例6の濾材の捕集効率が90%以上であるのに対して、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が60%の実施例11及びポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が70%の実施例12の濾材の捕集効率は90%未満となったが、濾材として良好なレベルであった。プリーツ加工性に関しては、実施例11及び実施例12の濾材は、実施例6の濾材と比較して硬さが増して非常に良好なレベルとなった。
ポリプロピレン繊維を全く配合せず、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維の配合率が80%である比較例2の濾材では、圧力損失が250Pa以上であり、濾材に適さないレベルであった。一方、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維を全く配合しない比較例3で得られた濾材では、プリーツ加工性が非常に悪く変形が起こった。また、耐アルカリ性評価において、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬後に取り出す際に濾材に破れが生じ、耐アルカリ性の評価ができなかった。ポリエステル繊維、ポリエステルバインダー繊維を配合した比較例4の濾材では、圧力損失、捕集効率、プリーツ加工性は良好であったが、耐アルカリ性が非常に劣っていた。
実施例10と比較例5との比較から、フィブリル化耐熱繊維の変法濾水度が320mlの実施例10の濾材は、全評価項目で使用可能レベルであったが、フィブリル化耐熱繊維の変法濾水度が250mlの比較例5の濾材は、圧力損失が250Pa以上となり、濾材として不適なレベルとなった。
本発明の濾材は、エアフィルタ用濾材、液体フィルター用濾材に好適に利用でき、特にアルカリ性の液体濾過用に好適に利用できる。

Claims (2)

  1. ポリオレフィン系繊維、ポリオレフィン系熱融着性バインダー繊維、変法濾水度300ml以上のフィブリル化耐熱繊維を必須成分として含有した不織布からなることを特徴とする濾材。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2:2012に準拠して測定した値。
  2. 前記濾材における変法濾水度300ml以上のフィブリル化耐熱繊維の配合率が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の濾材。
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