JP2020092876A - 吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】液漏れを効果的に抑制し、且つ吸液後の厚みの増大が少ない吸収体及びこれを備えた吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収体1は、担持シート2と、該担持シート2の一方の面に担持された吸水性ポリマーの粒子3と、該担持シート2よりも嵩高である嵩高層4とを備えている。担持シート2は、前記一方の面が嵩高層4と対向するように積層されている。嵩高層4は、熱融着繊維51及び高吸収性繊維53を含んでいる。高吸収性繊維53は、嵩高層4の厚み方向において、担持シート2に近い部位に偏在しているか、又は該担持シート2から遠い部位に偏在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸収体及び吸収性物品に関する。
おむつ等の吸収性物品が備えている吸収体について、その構成繊維や構造について種々の検討がなされている。例えば、吸収性能等の観点から、吸水性ポリマーと熱融着繊維と吸収性繊維とを含む吸収体が提案されている(特許文献1〜3)。また、吸水性ポリマーと吸収性繊維を含む吸収体として、織布状基材とその表面に担持された高吸水性樹脂の粒子とを有する吸収層と、接着剤とを備えた複合吸収体が、セルロース系不織布からなるシート材料と前記接着剤を介して相互に一体化した多機能複層吸収体が提案されている(特許文献4)。特許文献4に記載の吸収体によれば、膨潤した高吸水性樹脂が安定して保持されると、同文献には記載されている。
特開平8−120550号公報 特開平11−241203号公報 特開2007−61319号公報 特開2002−113800号公報
特許文献1ないし4に記載の吸収体に用いられる吸水性ポリマー粒子は、吸収容量が大きい吸収性材料の一つである。しかし、パルプや合成繊維等の吸収性繊維に比して吸収速度が遅い。そのため、吸水性ポリマー粒子に吸収されずに拡散した水分を吸収体内に保持することができない場合、該水分が漏れ出す虞があった。また、吸液後に体積が増加した吸水性ポリマー粒子によって、吸収体の厚みが増大し、該吸収体を備える吸収性物品のフィット性や外観が損なわれることがあった。特許文献1ないし4に記載の吸収体は、液漏れを防止し、且つ吸液後の吸収体の厚みの増大を抑制するものではない。
したがって、本発明の課題は、従来技術の欠点を解決する吸収体及びこれを備えた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、担持シートと、該担持シートの一方の面に担持された吸水性ポリマーの粒子と、該担持シートよりも嵩高である嵩高層とを備え、
前記担持シートは、前記一方の面が前記嵩高層と対向するように、該嵩高層と積層されており、
前記嵩高層は、熱融着繊維及び高吸収性繊維を含んでおり、
前記高吸収性繊維が、前記嵩高層の厚み方向において、前記担持シートに近い部位に偏在しているか、又は該担持シートから遠い部位に偏在している、吸収体を提供するものである。
また本発明は、前記吸収体を備え、該吸収体における前記担持シートが着用者の肌に対向するように配置された吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、液漏れを効果的に抑制し、且つ吸液後の厚みの増大が少ない吸収体及びこれを備えた吸収性物品を提供することができる。
図1(a)は、本発明の吸収体の一実施形態を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)の吸収体が液を吸収した後の状態を示す模式図である。 図2は、本発明の吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図3は、本発明の吸収体の製造装置の一実施形態を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づいて図面を参照しながら説明する。本発明の吸収体1は、図1(a)に示すように、担持シート2と、吸水性ポリマーの粒子3と、嵩高層4とを備えている。以下、吸水性ポリマーの粒子を単に「吸水性ポリマー粒子」ともいう。本実施形態の吸収体1は、担持シート2及び嵩高層4の外面を被覆するコアラップシート6をさらに備えている。
担持シート2は、その一方の面に吸水性ポリマー粒子3が担持されている。「吸水性ポリマー粒子が担持されている」とは、担持シート2に対して外部から応力が加わっても吸水性ポリマー粒子3の極端な移動や脱落が起こりにくい程度に担持シート2と吸水性ポリマー粒子3とが接合されている状態をいう。本実施形態においては、吸水性ポリマー粒子3は、担持シート2の一方の面に施された接着剤7を介して、該担持シート2に担持されている。担持シート2の他方の面には、吸水性ポリマー粒子3は担持されていない。担持シート2は、吸水性ポリマー粒子3を担持している面が、後述する嵩高層4と対向するように該嵩高層4と積層されている。吸収体1においては、担持シート2側の面〔図1(a)中、上面〕が受液面として用いられる。
担持シート2としては、当該技術分野において、吸収体に従来用いられている液透過性のシートを特に制限なく用いることができる。担持シート2としては、例えばティッシュペーパー等の紙、及び親水性不織布(スパンボンド不織布、アクリルやレーヨンなどの親水性繊維を含むスパンレース不織布等)などの繊維シート、並びに開孔フィルム等が挙げられる。担持シート2は、上述のように液透過性で、且つ、親水性であることが好ましい。
吸収体1は、吸水性ポリマー粒子3を備えることで、尿や血液などの***液を安定的且つ大量に吸収し、保持することが可能となる。吸水性ポリマー粒子3は、各種のヒドロゲル材料、例えばアクリル酸若しくはアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体の架橋物、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体の架橋物、デンプン又はカルボキシメチル化セルロースの架橋物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物等から構成される。吸水性ポリマー粒子3の形状としては、例えば球状や塊状、俵状、不定形等が挙げられる。
嵩高層4は、担持シート2よりも嵩高に形成されている。本明細書における「嵩高」とは、嵩高層4が担持シート2よりも密度が低く、且つ担持シート2よりも厚みが厚いことをいう。嵩高層4にエアスルー法によって製造した不織布を用いる場合、該不織布に熱風を当てて、その厚みを回復させてもよい。嵩高層4は、その一方の面が担持シート2における吸水性ポリマー粒子3が担持されている面と対向するように配されている。嵩高層4における担持シート2と対向する面には、接着剤が塗布されて嵩高層4と担持シート2とが接合されていてもよく、あるいは接着剤が塗布されておらず嵩高層4と担持シート2とが接合されていなくてもよい。
嵩高層4は、熱融着繊維51及び高吸収性繊維53を含んでいる。熱融着繊維51としては、熱の作用によって互いに融着する繊維、例えば熱可塑性樹脂を原料とした繊維を用いることができる。熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。高吸収性繊維53は、繊維形成能を有する合成樹脂からなる合成繊維であって、水を吸収して保持できるものであり、尿等の水を含む溶液を吸収する場合、該溶液に含まれる水とともに、該溶液に含まれる溶解物も吸収可能なものであってもよい。高吸収性繊維53は、自重の30倍以上の水を吸収して保持できるものであることが好ましい。高吸収性繊維としては、Super Absorbent Fibre(TechnicalAbsorbents.Ltd社製)や、ポリアクリル酸繊維等の吸収性繊維であるランシール(東洋紡績株式会社製,ランシールは登録商標)、ポリアクリル酸ナトリウム塩を主成分とするポリマーを直接紡糸し繊維形状化させたベルオアシス(カネボウ株式会社製)等が挙げられる。嵩高層4は、熱融着繊維51及び高吸収性繊維53に加え、これら以外の他の繊維を含んでいてもよい。
高吸収性繊維53は、嵩高層4の厚み方向Zにおいて、担持シート2に近い部位に偏在しているか、又は該担持シート2から遠い部位に偏在している〔図1(a)及び図2参照〕。即ち、高吸収性繊維53は、嵩高層4の厚み方向Zに沿う断面視において、該厚み方向Zの全体に均一に存在しておらず、担持シート2に近い部位及び担持シート2から遠い部位の何れか一方寄りに偏って存在している。嵩高層4に含まれる高吸収性繊維53以外の繊維、即ち熱融着繊維51や他の繊維は、嵩高層4の厚み方向Zにおいて、担持シート2に近い部位又は該担持シート2から遠い部位に偏在していてもよく、嵩高層4の厚み方向に均一に存在していてもよい。吸液後の保形性を維持する観点から、熱融着繊維51や他の繊維は、嵩高層4の厚み方向に均一に存在していることが好ましい。
上述した構成を有する嵩高層4は、例えば、高吸収性繊維53の含有量が相異なる二つ以上のウェブや不織布を積層して形成することができる。
吸収体1は、担持シート2側の面を受液面にした状態で、吸収性物品に組み込まれて使用される。尿等の***液は、担持シート2を通過した後、吸水性ポリマー粒子3に吸収され、該吸水性ポリマー粒子3が膨潤する。吸水性ポリマー粒子3は、吸水速度が比較的遅いので、***液の全量を直ぐには吸収することができないことがある。吸水性ポリマー粒子3で吸収しきれなかった***液は、嵩高層4中に拡散し、主に高吸収性繊維53に吸収され、該高吸収性繊維53が膨潤する。高吸収性繊維53は吸水性ポリマー粒子3よりも表面積が大きいので、吸水性ポリマー粒子3よりも吸収速度が速い。そのため、高吸収性繊維53は、吸水性ポリマー粒子3が直ぐには吸収できなかった***液を十分に吸収できる。その結果、液漏れを効果的に抑制することができる。特に、高吸収性繊維53が嵩高層4の厚み方向Zにおいて、担持シート2から遠い部位に偏在している場合〔図1(a)参照〕、***液は熱着繊維51や他の繊維によって嵩高層4中に広く拡散されるため、吸収体1の吸収能力を十分に活用可能となり、高い液漏れ防止効果を得ることができる。しかも、吸水性ポリマー粒子3が受液面側に配されているため、吸収体1に吸収された***液が着用者の肌側に逆戻りすることを抑制できる。
吸収体1では、吸水性ポリマー粒子3のみならず、高吸収性繊維53も吸液するため、吸液によって膨潤した吸水性ポリマー粒子3による吸収体1の厚みの大幅な増大が抑制される。熱融着繊維51を含む嵩高層4では、吸水性ポリマー粒子3が吸液して体積が増加すると、嵩高層4が潰れるように変形し、吸水性ポリマー粒子3の体積の増加分が嵩高層4に吸収される。さらに、高吸収性繊維53が吸液してその体積が増加しても、その体積の増加分が熱融着繊維51間の空間に吸収される。これらの作用によって、本実施形態の吸収体によれば、吸水性ポリマー粒子3及び高吸収性繊維53の膨潤に伴う、吸収体1の厚みの増大を抑制できる。また、嵩高層4が着用者の身体の凹凸に沿って容易に変形するため、本実施形態の吸収体は、フィット性に優れたものになる。
熱融着繊維51を含む嵩高層4は、着用者の体圧が加わると圧縮された状態になるが、その加圧が解除されれば厚みが復元する。吸収体が圧縮された状態であると、通常、吸水性ポリマーが厚み方向に膨潤し難くなり、これに起因して吸収体の吸収性能が低下することがあるが、本実施形態の吸収体1によれば、高吸収性繊維53が、荷重のかかっていない平面方向に膨潤可能であるので、圧縮による吸収性能の低下を抑制できる。
高吸収性繊維53が、嵩高層4の厚み方向Zにおいて、担持シート2から近い部位に偏在している場合(図2参照)、***液は、吸水性ポリマー粒子3よりも吸水速度が速い高吸収性繊維53に優先的に吸収されるため、吸水性ポリマー粒子3で保持される水分量が少なくなる。これにより、吸水性ポリマー粒子3が膨潤しにくくなるため、***液が繰り返し***されても、吸水性ポリマー粒子3の膨潤に起因するゲルブロッキングが効果的に抑制される。その結果、***液が繰り返し***されても該***液の嵩高層4への移行性が維持され、良好な通液性を得ることができる。
嵩高層4の厚み方向Zにおける高吸収性繊維53の偏在状態は、以下の方法により確認することができる。
〔嵩高層の厚み方向における高吸収性繊維の存在状態の確認方法〕
吸収体から50mm×50mmの測定片を切り出し、該測定片における担持シート側の面又はその反対側の面の全面が濡れるように、0.5質量%の青色水溶液(ダイワ化成製造の藍染食用色素の食用青色1号)を適量加え、3分静置後に該測定片の表面にある青色水溶液をふき取る。これにより、高吸収性繊維を青色水溶液によって染色する。次いで、定温乾燥器(例えば、ヤマト科学株式会社製「Drying Oven DV600」)を用いて、測定片を十分に乾燥させ、乾燥後の測定片を任意の位置で切り出し、その断面を、光学顕微鏡(例えば、キーエンス製マイクロスコープ「VHX−100」)を用いて観察する。観察時の倍率は、染色された繊維が10〜70本程度観察できる程度の倍率であって、通常20〜200倍の倍率である。高吸収性繊維が嵩高層の厚み方向Zにおいて偏在している場合、前記青色水溶液による染色部分が測定片の厚み方向Zにおいて偏在した状態で観察される。即ち、前記染色部分が、測定片における嵩高層の厚みを二等分する二等分線Eを境に、担持シート側か、該担持シートとは反対側に多く存在している場合に、高吸収性繊維の偏在を確認することができる。
以下の説明においては、嵩高層4を、その厚みを二等分する二等分線Eを境に、高吸収性繊維53が偏在した領域を第1領域R1、該高吸収性繊維53の存在量が少ない領域を第2領域R2ともいう。嵩高層4における***液の拡散性を高める観点から、第1領域R1における高吸収性繊維53の密度をD1とし、第2領域R2における高吸収性繊維53の密度をD2としたとき、D2に対するD1の比率であるD1/D2の値が、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であり、また好ましくは50以下、より好ましくは20以下であり、また好ましくは1.5以上50以下、より好ましくは2.0以上20以下である。
第1領域R1又は第2領域R2における高吸収性繊維53の密度D1,D2は、前述の〔嵩高層の厚み方向における高吸収性繊維の存在状態の確認方法〕における測定片の厚み方向Zの断面の画像を画像解析によって二値化し、第1領域に占める染色部分の面積率を求め、これを第1領域R1における高吸収性繊維53の密度D1とする。第1領域に占める染色部分の面積率は、前記画像における第1領域の面積に対する染色部分の面積の比率である。同様に、第2領域に占める染色部分の面積率を求め、これを第2領域R2における高吸収性繊維53の密度D2とする。
嵩高層4における***液の拡散性を高める観点、又は吸水性ポリマー粒子3の膨潤に起因するゲルブロッキングをより抑制する観点から、前記第1領域R1における高吸収性繊維53の坪量は、前記第2領域R2における高吸収性繊維53の坪量に対して、好ましくは300%以上、より好ましくは500%以上である。前記第1領域R1における高吸収性繊維53の坪量及び前記第2領域R2における高吸収性繊維53の坪量それぞれは、第1領域R1が第2領域R2よりも高吸収性繊維の坪量が高いことを条件として、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは25g/m以下、より好ましくは20g/m以下であり、また5g/m以上25g/m以下、より好ましくは10g/m以上20g/m以下である。
前記第1領域R1及び前記第2領域R2それぞれにおける高吸収性繊維53の坪量は、以下の方法により測定される。先ず、吸収体から取り出した嵩高層から50mm×50mm切り出したものを測定片とし、該測定片の坪量を求める。次いで、前述の〔嵩高層の厚み方向における高吸収性繊維の存在状態の確認方法〕と同様の方法により、前記測定片を染色及び乾燥させる。次いで、測定片の断面の画像を用いて、前述した画像解析により第1領域R1の高吸収性繊維の密度D1、及び第2領域R2の高吸収性繊維の密度D2を求める。そして、下記式(1)及び(2)により、第1領域R1の高吸収性繊維の坪量、及び第2領域R2の高吸収性繊維の坪量を算出する。
第1領域R1における高吸収性繊維の坪量(g/m)=E×D1・・・(1)
第2領域R2における高吸収性繊維の坪量(g/m)=E×D2・・・(2)
E:測定片の坪量(g/m
D1:第1領域R1における高吸収性繊維の密度
D2:第2領域R2における高吸収性繊維の密度
嵩高層4の嵩高さを向上させて、熱融着繊維51間において高吸収性繊維53を膨潤させ易くする観点から、熱融着繊維51と高吸収性繊維53との繊維径が互いに異なることが好ましい。特に、熱融着繊維51の繊維径に比して高吸収性繊維53の繊維径が小さいことがより好ましい。上記と同様の観点から、熱融着繊維51の繊維径は、高吸収性繊維53の繊維径に対して好ましくは1.25倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは3.0倍以下、より好ましくは2.5倍以下であり、また好ましくは1.25倍以上3.0倍以下、より好ましくは1.5倍以上2.5倍以下である。
嵩高層4の嵩高さと強度とを両立させる観点から、熱融着繊維51の繊維径は、好ましくは30μm以上、より好ましくは40μm以上であり、また好ましくは55μm以下、より好ましくは50μm以下であり、また好ましくは30μm以上55μm以下、より好ましくは40μm以上50μm以下である。
表面積を大きくして、吸収性能を向上させる観点から、高吸収性繊維53の繊維径は、熱融着繊維の繊維径よりも小さいことを条件として、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、また好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下であり、また好ましくは10μm以上35μm以下、より好ましくは15μm以上30μm以下である。繊維の繊維径は、例えば、以下の方法により測定される。前述した測定片の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、その二次元画像から、繊維の塊及び繊維の交差部分を除いて、繊維を任意に10本選び出す。これら繊維の長手方向に直交する線を引いたときの、繊維と重なる線の長さの平均値を求め、これを本発明における繊維径(平均繊維径)とする。なお、本発明における繊維径(平均繊維径)は乾燥時に測定する。
熱融着繊維51及び高吸収性繊維53の繊維径は、溶融した原料樹脂を吐出するノズルの径や、該ノズルから吐出された原料樹脂を延伸させる引張力や引張速度等を適宜設定することで、調整することができる。
嵩高層4の嵩高性を向上させる観点から、熱融着繊維51の繊維長は、好ましくは40mm以上、より好ましくは45mm以上であり、また好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下であり、また好ましくは40mm以上60mm以下、より好ましくは45mm以上55mm以下である。
嵩高層4における吸収性能を向上させる観点から、高吸収性繊維53の繊維長は、好ましくは40mm以上、より好ましくは45mm以上であり、また好ましくは60mm以下、より好ましくは50mm以下であり、また好ましくは40mm以上60mm以下、より好ましくは45mm以上50mm以下である。繊維長は、拡大平面視で繊維長手方向における最短寸法で定義される繊維の長さのことであり、例えば嵩高層4から取り出した繊維を、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−5000によって30〜50倍に拡大観察して測定される。
嵩高層4の嵩高性及び柔軟性を向上させ、吸液時の嵩高層4の変形を促す観点から、嵩高層4は、熱融着繊維51どうしの交点が融着した融着点を有しているとともに、該融着点の一部が切断されていることが好ましい。このような融着点を有する熱融着繊維51を含む嵩高層4としては、例えばスパンボンド法又はエアスルー法によって製造した不織布の表面に機械的な加工をさらに施して融着点の一部を切断したもの(以下、この加工を「機械加工」ともいう。)を含んでいることが好ましい。機械加工は、不織布の片面のみに施してもよく、不織布の両面に施してもよい。融着点の切断の有無は、嵩高層における熱融着繊維51を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した時に、熱融着繊維51の繊維径より太い繊維塊が1本の熱融着繊維51に付着した状態となっているか、又は複数の熱融着繊維を巻き込んで付着した状態となっているかによって判断することができる。具体的には、融着点の一部が切断されている場合に、熱融着繊維51の繊維径より太い繊維塊が1本の熱融着繊維51に付着した状態となっているか、又は複数の熱融着繊維を巻き込んで付着した状態が観察される。
前記と同様の観点から、熱融着繊維51どうしの融着点間の距離は、300μm以上であることが好ましく、350μm以上であることがより好ましく、400μm以上であることがさらに好ましく、またその上限は800μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがより好ましく、600μm以下であることがさらに好ましい。熱融着繊維どうしの融着点間の距離は以下の方法で測定される。まず、測定対象の嵩高層を、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製、VHX−1000)を用いて倍率100倍で観察する。観察視野内に存在する繊維どうしの融着点をランダムに1つ選択し、選択した融着点と、該融着点に隣接する融着点との間の距離を測定する。この測定を30回繰り返し、測定値の平均値を融着点間の距離とする。
嵩高層4の保形性を向上させる観点から、嵩高層4における熱融着繊維51の含有量(質量)をC1とし、嵩高層4における高吸収性繊維53の含有量(質量)をC2としたとき、C1に対するC2の比率であるC2/C1の値は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上であり、また好ましくは0.5未満、より好ましくは0.4以下であり、また好ましくは0.1以上0.5未満、より好ましくは0.2以上0.4以下である。本実施形態における嵩高層4は、熱融着繊維51及び高吸収性繊維53のみを含むが、嵩高層4はこれら繊維に加えて他の繊維を含んでいてもよい。
嵩高層4の嵩高さを向上させ、吸液後の吸水性ポリマー粒子3の膨潤に起因する吸収体全体の厚み増加を一層抑える観点から、熱融着繊維51及び高吸収性繊維53、並びに、含まれている場合には他の繊維、即ち嵩高層を構成する繊維のうち少なくとも一種の繊維が厚み方向Zに配向していることが好ましい。斯かる構成により、嵩高層4の嵩高さが一層向上し、吸液時に嵩高層4がより変形し易くなるので、***液を吸収したときの吸収体1の厚みの増加をより抑えることができる。厚み方向Zへの繊維の配向は、例えば嵩高層4としてエアスルー不織布を用いる場合には、該不織布の製造時にウェブに吹き付ける熱風の風速や風向等の制御によって達成することができる。また、前記機械加工によっても、繊維を厚み方向Zに配向させることができる。繊維の厚み方向Zへの配向は、嵩高層4の厚み方向Z全体について満たす必要はなく、少なくとも嵩高層4における担持シート2との対向面及び該対向面近傍の領域において満たしていればよい。また、繊維の配向の程度も一様である必要はなく、例えば嵩高層4における担持シート2との非対向面から嵩高層4における担持シート2との対向面に向けて、繊維の厚み方向Zへの配向が、階段状に又は連続的に大きくなっていてもよい。
繊維の配向は、繊維の配向角及び配向強度によって評価することができる。配向角は繊維が最も配向している角度を示し、配向強度はその配向角における強度を示している。具体的には、繊維の配向角は、色々な方向性を有する複数の繊維が全体としてどの方向に配向しているかを示す概念で、繊維の集合体の形状を数値化している。配向角として、嵩高層が配されている方向(嵩高層の延在方向)と繊維とのなす角が90度に近い値ほど、繊維がシート厚み方向Zに配向していることを示している。繊維の配向強度は、配向角を示す繊維の量を示す概念である。配向強度が1.05未満では配向しておらず、1.05以上で配向を有しているといえる。また、配向強度の値が大きいほど繊維の配向が一致していることを表す。
熱融着繊維51、及び高吸収性繊維53、並びに、含まれている場合には、他の繊維の少なくとも一種は、繊維の配向角が90度に近い値であるほど好ましい。具体的には、前記繊維の配向角が、40度以上140度以下であることが好ましく、50度以上130度以下であることがさらに好ましい。
熱融着繊維51、及び高吸収性繊維53、並びに、含まれている場合には、他の繊維の少なくとも一種は、繊維の配向強度が、1.05以上であることが好ましい。
繊維の配向角及び配向強度は、以下のように評価することができる。
〔繊維の配向角及び配向強度の測定方法〕
まず、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−1000を使用し、測定する部位が観察可能な大きさ(10〜100倍)に拡大する。嵩高層4の厚み方向Zと前記スコープの上下方向とが一致するようにサンプルを静置する。次いで、サンプルの測定面に対して垂直の方向から撮影した画像を印刷する。この印刷した画像の上に透明PET製シートを載せ、該透明PET製シート越しに繊維をなぞり、該透明PET製シートに画像中の繊維の配向状態を転写する。この透明PETシートをスキャンしてパソコン内に取り込み、株式会社ネクサス社製のnexusNewQube(商品名;スタンドアロン版)画像処理ソフトウエアを使用して、透明PETシートに転写した繊維の画像を二値化する。続いて、前記二値化した画像を、繊維配向解析プログラムである、Fiber Orientation Analysis 8.13 Singleソフト(商品名)を用い、フーリエ変換してパワースペクトルを得て、該スペクトルを楕円近似した分布図から、配向角と配向強度を得る。測定は3ヶ所行い、測定値を平均して、それぞれ測定サンプルの配向角と配向強度とする。
吸収体1の吸収性能を向上させる観点から、吸水性ポリマー粒子3は、対象物が尿であれば自重の20倍以上、特に30倍以上を吸収して保持できるものが好ましく、血液であれば自重の1倍以上、好ましくは3倍以上を吸収・保持できるものが好ましい。吸水性ポリマー粒子3における水の吸収・保持の上限値に特に制限はないが、自重の1000倍を上限の目安とすることができる。
嵩高層4中に***液をより拡散させるとともに、液漏れの発生をより抑制する観点から、吸水性ポリマー粒子3構成する吸水性ポリマーは、JIS K 7224に従って測定したボルテックス法による吸水速度が好ましくは40秒以上、より好ましくは50秒以上であり、また好ましくは90秒以下、より好ましくは80秒以下であり、また好ましくは40秒以上90秒以下、より好ましくは50秒以上80秒以下である。ボルテックス法による吸水速度は、吸水時間を測定することにより評価するので、その値が大きいほど吸水時間が長い、即ち吸水速度が遅いことを示す。吸水性ポリマー粒子3のボルテックス法による吸水速度を調整する方法としては、例えば吸水性ポリマーの粒子径や架橋密度などを適宜調整することによっても行うことができる。
吸収体における吸水性と薄さとを両立させる観点から、嵩高層4における吸水性ポリマー粒子3の坪量は、150g/m以上であることが好ましく、200g/m以上であることがさらに好ましく、また350g/m以下であることが好ましく、300g/m以下であることがさらに好ましい。
吸水性ポリマー粒子3は、前述したように、担持シート2の一方の面に塗布された接着剤7を介して担持されている。***液の担持シート2から嵩高層4への移行性を向上させる観点から、吸水性ポリマー粒子3は、繊維状のホットメルト接着剤7を介して担持シート2に担持されていることが好ましい。この場合、ホットメルト接着剤7は、担持シート2の吸水性ポリマー粒子3が担持される面に、不規則に又は規則的に繊維ネット状に(即ち、繊維状且つ網目状に)塗布されていることが好ましい。ホットメルト接着剤7は、例えばスパイラル式、サミット式、オメガ式、又はカーテン式の装置を用いて塗布することができる。装置一つ当たりの塗布幅が限られる場合は、所望の塗布幅に応じて、複数の塗布装置を用いればよい。その他の接着剤の塗布方法としては、例えば霧状に接着剤を噴霧することもできる。
吸水性ポリマー粒子3の担持シート2への保持性と、***液の移行性とを両立させる観点から、ホットメルト接着剤7の塗布量(坪量)は、好ましくは2.0g/m以上、より好ましくは3.0g/m以上であり、さらに好ましくは4.0g/m以上であり、また好ましくは15.0g/m以下、より好ましくは13.0g/m以下、さらに好ましくは12.0g/m以下であり、また好ましくは2.0g/m以上15.0g/m以下、より好ましくは3.0g/m以上13.0g/m以下、さらに好ましくは4.0g/m以上12.0g/m以下である。
吸液後でも着用者の身体に対し吸収体を追従させ易くして、フィット性をより確実に確保する観点から、液吸収前の吸収体1の厚みT10(図1(a)参照)に対する、液を吸収した後(液吸収後)の吸収体1の厚みT11(図1(b)参照)の比が、その下限を1(厚みが変化しない)として、その上限は3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがさらに好ましく、2.0以下であることが一層好ましい。なお本明細書において、「液吸収後」とは、後述する所定の面積を有する吸収体に50mLの生理食塩水を吸収させた状態と定義する。
高吸収性繊維53を膨潤させるための空間を嵩高層4内により確実に確保する観点から、液吸収前の吸収体1の厚みT10は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは8.0mm以下であり、また好ましくは1.5mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上8mm以下である。
液吸収後の吸収体1の厚みの増加による装着感の低下を抑制する観点から、液吸収後の吸収体1の厚みT11は、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは4.0mm以上であり、また好ましくは12mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは3mm以上12mm以下、より好ましくは4mm以上10mm以下である。
液吸収前後の吸収体の厚みT10,T11は、以下の方法に従って測定することができる。すなわち、長さ200mm×幅100mmの寸法となるように切り出した吸収体の生理食塩水の吸収前(液吸収前)の厚みT10を測定する。次に、この吸収体の中央部に、担持シート2側から生理食塩水を50mL滴下し吸収させ、10分以上静置する。その後、生理食塩水を滴下した部分の吸収体の厚み(液吸収後の厚み)T11を測定する。液吸収前後の吸収体の厚みT10,T11は、厚み測定装置(株式会社キーエンス製、IL−065)を用いて、0.02N/cm荷重下においてそれぞれ測定する。なお、吸収体を切り出す際の前記「長さ」は、吸収体の長手方向と一致させ、「幅」は、該長手方向と直交する方向と一致させて切り出しを行う。
吸収体のクッション性及び高吸収性繊維53を膨潤させるための空間をより確実に確保する観点から、液吸収前の嵩高層4の厚みは、担持シート2の厚みよりも大きいことを条件として、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、さらに好ましくは2mm以上であり、また好ましくは4mm以下、より好ましくは3.5mm以下、さらに好ましくは3mm以下であり、また好ましくは1mm以上4mm以下、より好ましくは1.5mm以上3.5mm以下、さらに好ましくは2mm以上3mm以下である。嵩高層4の厚みは、上述の吸収体1の厚みT10の測定方法と同様に測定することができる。
嵩高層4の嵩高性及び吸収性能を両立させる観点から、嵩高層4の坪量は、好ましくは30g/m以上、より好ましくは35g/m以上、さらに好ましくは40g/m以上であり、また好ましくは100g/m以下、より好ましくは90g/m以下、さらに好ましくは80g/m以下であり、また好ましくは30g/m以上100g/m以下、より好ましくは35g/m以上90g/m以下、さらに好ましくは40g/m以上80g/m以下である。
前記と同様の観点から、嵩高層4の密度は、担持シート2の密度よりも低いことを条件として、0.010g/cm以上であることが好ましく、0.015g/cm以上であることがさらに好ましく、またその上限は0.030g/cm以下であることが好ましく、0.025g/cm以下であることがさらに好ましい。嵩高層4の密度は、嵩高層4の坪量を嵩高層4の厚みで除することによって算出される。
吸収体1全体の構造を維持しつつ、液吸収後の吸収体の厚み増加を抑制する観点から、担持シート2の密度ρ2に対する嵩高層4の密度ρ4の比(ρ4/ρ2)は、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下である。
液透過性と吸水性ポリマー粒子3の担持性とのバランスを図る観点から、担持シート2は、その厚み、坪量及び密度が以下の範囲内であることが好ましい。
担持シート2の厚みT2〔図1(a)参照〕は、嵩高層4の厚みよりも小さいことを条件として、0.05mm以上であることが好ましく、0.07mm以上であることがさらに好ましく、またその上限は0.15mm以下であることが好ましく、0.12mm以下であることがさらに好ましい。担持シート2の厚みT2は、厚み測定装置(株式会社キーエンス製、IL−065)を用いて、5cm×5cmの担持シート2に0.02N/cmの荷重を負荷した状態で測定する。
担持シート2の坪量は5g/m以上であることが好ましく、7g/m以上であることがさらに好ましく、またその上限は15g/m以下であることが好ましく、10g/m以下であることがさらに好ましい。
担持シート2の密度は、嵩高層4の密度よりも高いことを条件として、0.06g/cm以上であることが好ましく、0.08g/cm以上であることがさらに好ましく、またその上限は0.12g/cm以下であることが好ましく、0.10g/cm以下であることがさらに好ましい。担持シート2の密度は、担持シート2の坪量を厚みT2で除することによって算出される。
吸収体1は、前述したように、担持シート2及び嵩高層4の外面を被覆するコアラップシート6を備えている。斯かる構成により、吸収性物品の使用中における吸水性ポリマー粒子3や嵩高層4の構成繊維の脱落を効率的に防ぐことができ、且つ吸収体1の形状安定性を向上させることができる。
また、吸収体1は、コアラップシートを備えなくてもよい。この場合、担持シート2によって、嵩高層4の外面の全域が被覆されている態様となっていてもよい。つまり、担持シート2がコアラップシートを兼ねる態様となっていてもよい。例えば、コアラップシートとしての一枚の担持シート2のみを用い、該担持シート2によって嵩高層4の外面の全域を筒状に被覆するとともに、筒状になった該担持シート2の開口した両端部を接着や圧着等の接合手段によって封止していてもよい。
コアラップシート6は、液透過性のシートであれば特に制限されず、担持シート2と同一の又は異なるシートを用いることができる。コアラップシート6を設けた場合の吸収体1の厚みとは、コアラップシート6を含めた厚みのことである。
次に吸収体1の好ましい製造方法を、図3に基づいて説明する。図3には吸収体1の製造に好適に用いられる装置が示されている。同図に示す製造装置10は、担持シート供給部10A及び嵩高層供給部10Bを備えている。
担持シート供給部10Aは、第1原反ロール21から繰り出された担持シート2を、第1ガイドロール22を介して、搬送方向Dに向けて供給するものである。第1原反ロール21から繰り出された担持シート2の上方には、担持シート2の一方の面に接着剤を塗布するための第1接着剤塗布部20と、吸水性ポリマー粒子3を担持シート2上に散布するためのポリマー散布部30とが備えられている。図3に示すように、第1接着剤塗布部20及びポリマー散布部30は、搬送方向Dに沿ってこの順で設けられている。
嵩高層供給部10Bは、第2原反ロール41から繰り出された嵩高層4を、搬送ロール42を介して、搬送方向Dに向けて供給するものである。第2原反ロール41から繰り出された嵩高層4の上方には、第2接着剤塗布部40が設けられており、嵩高層4の一方の面に接着剤を塗布できるようになっている。さらに、嵩高層4の原料となるシートをロールから繰り出し、該シートに熱風を当てる等の嵩高化加工を施して嵩高層4となし、該嵩高層4を供給してもよい。また、前記嵩高化加工に加えて、さらに別の工程(図示せず)において、嵩高層4に用いられる不織布の表面に機械的な加工をさらに施して、融着点の一部を切断してもよい(機械加工)。当該加工は、嵩高層4のいずれか一方の表面に施されていてもよく、あるいは両面に施されていてもよい。嵩高化加工及び機械加工は、第2原反ロール41と第2接着剤塗布部40との間に備えられた嵩高化加工装置及び機械加工装置(いずれも図示せず)によって行うことができる。
図3に示す製造装置10を用いた吸収体1の好適な製造方法は以下に述べるとおりである。本製造方法は、担持シート2に接着剤を塗布する工程と、接着剤が塗布された担持シート2に吸水性ポリマー粒子3を散布する工程と、嵩高層4に接着剤を塗布する工程と、担持シート2と嵩高層4との間に吸水性ポリマー粒子3が介在するように、担持シート2と嵩高層4とを貼り合わせる工程とに大別される。
まず、第1原反ロール21から第1ガイドロール22を介して、担持シート2を搬送方向Dに向けて供給する。担持シート2が搬送方向Dへ搬送されている間に、担持シート2の上方に備えられた第1接着剤塗布部20によって、担持シート2の一方の面に接着剤が塗布される。接着剤は、シートの透水性及び柔軟性の確保の観点から、いわゆるベタ塗りでなく、非塗工部が生じるように繊維ネット状(繊維状且つ網目状)に塗布されることが好ましい。
担持シート2にムラなく接着剤を塗布して、吸水性ポリマー粒子3をより強固に担持する観点から、第1接着剤塗布部20は複数配置されていることが好ましい。第1接着剤塗布部20の配置位置は、例えば搬送方向Dに沿って複数配置されていてもよく、搬送方向Dに直交する幅方向に沿って複数配置されていてもよく、これらの組み合わせで複数配置されていてもよい。第1接着剤塗布部20を複数配置する場合、隣接する該塗布部20によって形成される接着剤の塗布パターンどうしが重なり合うように配置することが好ましい。
次に、接着剤が塗布された担持シート2の面上に吸水性ポリマー粒子3を散布して、担持シート2の一方の面に吸水性ポリマー粒子3を担持させる。吸水性ポリマー粒子3は接着剤の塗布幅の範囲内に配されることが好ましい。このような工程を経ることによって、担持シート2は、その一方の面上に吸水性ポリマー粒子3が担持された状態で搬送方向Dへ搬送される。
担持シート2に吸水性ポリマー粒子3を担持させる工程と並行して、第2原反ロール41から嵩高層4を供給し、搬送ロール42の回転によって搬送方向Dへ搬送する。嵩高層4が搬送方向Dへ搬送されている間に、嵩高層4の上方に備えられた第2接着剤塗布部40は、嵩高層4の一方の面に接着剤を塗布する。本工程においても、接着剤は、シートの透水性及び柔軟性の確保の観点から、いわゆるベタ塗りでなく、非塗工部が生じるように繊維ネット状(繊維状且つ網目状)に塗布されることが好ましい。また、第2接着剤塗布部40は、第1接着剤塗布部20と同様に、複数配置されていてもよい。なお、嵩高層4は、不織布に上述の嵩高化加工や機械加工を施して、製造することができる。
続いて、担持シート2と嵩高層4との間に吸水性ポリマー粒子3が介在するように担持シート2と嵩高層4とを貼り合わせる。詳細には、接着剤が塗布された嵩高層4は、搬送ロール42の外周面に巻き掛けられている状態で搬送されているので、嵩高層4における接着剤の塗布面は、担持シート2における吸水性ポリマー粒子3が担持されている面と対向するように搬送される。このように、搬送ロール42によって搬送された嵩高層4は、その接着剤の塗布面と、担持シート2における吸水性ポリマー粒子3とが接触するようにして、担持シート2に貼り合わされる。これらの工程を経て製造された吸収体1は、必要に応じて、適切な長さにカットしてもよく、所望の形状に成形してもよい。
また、コアラップシート6を備えた吸収体1を製造する場合、製造装置10は、担持シート供給部10A及び嵩高層供給部10Bに加え、コアラップシート供給部10Cを備える。コアラップシート供給部10Cは、コアラップシート6の一方の面に接着剤を塗布するとともに、該接着剤が塗布されたコアラップシート6を、担持シート2と嵩高層4とが積層した積層体に供給するようになされている。本実施形態においてコアラップシート供給部10Cは、第3原反ロール61から第2ガイドロール62,62を介して、搬送方向Dに向けてコアラップシート6を供給するものである。また、コアラップシート供給部10Cは、第3接着剤塗布部60を備え、該塗布部60によって搬送中のコアラップシート6の一方の面に接着剤を塗布する。コアラップシート供給部により供給されたコアラップシートは、接着剤が塗布された面が、担持シート2における吸水性ポリマー粒子3が担持されていない面側に当接するように搬送され、前記積層体と接着する。その後、担持シート2及び嵩高層4の外面を被覆するようにコアラップシート6を折り返す(不図示)。この工程を経て、コアラップシート6を備えた吸収体1が製造される。
上述した製造方法において塗布される接着剤の塗布量(坪量)は、上述したホットメルト接着剤の塗布量の好ましい範囲内であることが好ましい。また、担持シート2、嵩高層4、及びコアラップシートに塗布される接着剤の塗布量(坪量)は、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。接着剤の坪量は、例えば単位時間当たりの接着剤塗布量(g/min)を、接着剤の塗布幅(m)とシートの搬送速度(m/min)との積(m/min)で除することによって求めることができる。
上述した吸収体は、吸収性物品の吸収体として好ましく用いることができる。吸収性物品は、主として尿、経血等の身体から***される体液を吸収保持するために用いられるものである。吸収性物品には、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。吸収性物品はさらに、その具体的な用途に応じた各種部材を具備していても良い。そのような部材は当業者に公知である。上述した効果をより確実に奏させる観点から、吸収体1を備える吸収性物品において、吸収体1は、担持シート2及び嵩高層4のうち担持シート2の側が着用者の肌に対向するように配置されていることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されない。例えば、上述した実施形態において、高吸収性繊維53は、担持シート2に近い部位及び該担持シート2から遠い部位の何れか一方に偏在していたが、高吸収性繊維53は、担持シート2に近い部位及び該担持シート2から遠い部位の双方に偏在していてもよい。この場合、吸収体の厚み方向Zにおいて、担持シート2に近い部位及び該担持シート2から遠い部位では、嵩高層4の厚みを二等分する二等分線Eの周辺域に比して、高吸収性繊維53が多く存在している。
コアラップシート6は一枚のシートから構成されていたが、コアラップシートは、二枚以上のシートで構成されていてもよい。この場合、コアラップシートは、吸収体の担持シート側の外面を被覆するシートと、吸収体の担持シート側とは反対側の外面を被覆するシートとを含んで構成される。
上述した実施形態においては、担持シート2と嵩高層4との間には何も介在させない状態で、担持シート2と嵩高層4とが直接接触するように対向していたが、担持シート2と嵩高層4との間に不織布等のシートを介在させた状態で、担持シート2と嵩高層4とが対向していてもよい。
上述した実施形態においては、担持シート2の一方の面に吸水性ポリマー粒子3が担持されており、該担持シート2の他方の面に、吸水性ポリマー粒子3は担持されていなかったが、本発明の効果を損なわない限り、担持シート2の他方の面に吸水性ポリマー粒子3が担持されていてもよい。
1 吸収体
2 担持シート
3 吸水性ポリマー粒子
4 嵩高層
6 コアラップシート
7 接着剤
51 熱融着繊維
53 高吸収性繊維
10 製造装置
D 搬送方向
Z 厚み方向

Claims (10)

  1. 担持シートと、該担持シートの一方の面に担持された吸水性ポリマーの粒子と、該担持シートよりも嵩高である嵩高層とを備え、
    前記担持シートは、前記一方の面が前記嵩高層と対向するように、該嵩高層と積層されており、
    前記嵩高層は、熱融着繊維及び高吸収性繊維を含んでおり、
    前記高吸収性繊維が、前記嵩高層の厚み方向において、前記担持シートに近い部位に偏在しているか、又は該担持シートから遠い部位に偏在している、吸収体。
  2. 前記熱融着繊維と前記高吸収性繊維との繊維径が互いに異なる、請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記嵩高層は、前記熱融着繊維どうしの交点が融着した融着点を有しており、該融着点の一部が切断されている、請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 前記吸水性ポリマーの粒子は、繊維状のホットメルト接着剤を介して前記担持シートに担持されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収体。
  5. 前記吸水性ポリマーの粒子は、JIS K 7224に従って測定したボルテックス法による吸水速度が40秒以上である、請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収体。
  6. 前記嵩高層の厚みが1mm以上4mm以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の吸収体。
  7. 前記嵩高層を構成する繊維のうち、少なくとも一種の繊維が厚み方向に配向している、請求項1〜6の何れか一項に記載の吸収体。
  8. 長さ200mm×幅100mmの寸法に切り出した前記吸収体について、生理食塩水の吸収前の厚みに対する生理食塩水を50mL吸収させた後の厚みの比が3.0以下である、請求項1〜7の何れか一項に記載の吸収体。
  9. 前記嵩高層における前記熱融着繊維の含有量をC1とし、前記嵩高層における前記高吸収性繊維の含有量をC2としたとき、C1に対するC2の比率であるC2/C1の値が0.5未満である、請求項1〜8の何れか一項に記載の吸収体。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の吸収体を備え、該吸収体における前記担持シート及び前記嵩高層のうち前記担持シートの側が着用者の肌に対向するように配置された吸収性物品。
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