JP2020089599A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】散乱線推定処理に要する演算負荷を低減し、処理時間の短縮化を図ること。【解決手段】複数の画素を含む放射線検出部から出力される放射線画像を処理する画像処理装置は、放射線発生部から放射線検出部に放射線が直接到達する直接線領域を放射線画像に基づいて判定する領域判定部と、直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、放射線画像に含まれる散乱線を推定する散乱線推定部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関するものである。
近年ではFlat Panel Detector(以下、「FPD」と略す)と呼ばれる、放射線を電気信号に変換するための半導体素子を2次元行列状に多数配設させたものを用いた放射線撮影装置が広く普及している。
放射線撮影装置で被写体を撮影した際、FPDに入る放射線は、主に放射線源からFPDまで直進して到達する1次放射線と、コンプトン効果により被写体内で放射線の方向が変化した後、FPDに到達する2次放射線(以降、「散乱線」と記す)と、主に2種類の成分に分けられる。
画像処理で放射線画像から散乱線成分を推定し、推定した散乱線成分を放射線画像から減算することで散乱線を低減する方法(以降、「散乱線低減処理」)では、放射線発生部から放射線検出部に放射線が直接到達する領域(以降、「直接線領域」)といった、散乱線の特性が被写体領域と異なる領域があると散乱線低減処理における推定精度に影響が生じ得る。
特許文献1には、直接線領域の影響を取り除く方法として、直接線領域以外の領域から散乱線成分を算出するフィルタ処理が開示されている。
特開平1-258074号公報
しかしながら、散乱線推定処理において、直接線領域と直接線領域以外の領域とで条件分岐した処理を実行する場合、演算負荷が増大することにより散乱線推定処理に長時間を要する場合が生じ得る。
本発明は上記の課題に鑑み、散乱線推定処理に要する演算負荷を低減し、処理時間の短縮化を図ることが可能な画像処理技術を提供する。
本発明の一態様に係る画像処理装置は、複数の画素を含む放射線検出手段から出力される放射線画像を処理する画像処理装置であって、放射線発生手段から前記放射線検出手段に放射線が直接到達する直接線領域を前記放射線画像に基づいて判定する領域判定手段と、
前記直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、前記放射線画像に含まれる散乱線を推定する散乱線推定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る画像処理方法は、複数の画素を含む放射線検出手段から出力される放射線画像を処理する画像処理方法であって、放射線発生手段から前記放射線検出手段に放射線が直接到達する直接線領域を前記放射線画像に基づいて判定する工程と、
前記直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、前記放射線画像に含まれる散乱線を推定する工程と、を有することを特徴とする。
散乱線低減処理において、散乱線推定処理に要する演算負荷を低減し、処理時間の短縮化を図ることが可能になる。
第1実施形態に係る放射線撮影装置の構成例を示す図。 第1実施形態に係る画像処理部の各機能構成の処理を説明する図。 直接線領域判定処理により、直接線領域と、それ以外の領域とに分けた結果を模式的に示す図。 画素値が修正された結果を模式的に示す図。 散乱線の分布率を取得する処理を説明する図。 第2実施形態に係る画像処理部の各機能構成の処理を説明する図。 第2実施形態に係る散乱線推定処理の流れを説明する図。 第3実施形態に係る放射線撮影装置の構成例を示す図。 第3実施形態に係る画像処理部の各機能構成の処理を説明する図。 被写体領域及び直接線領域の画素値の分布を模式的に示す図。 画素値が修正された結果を模式的に示す図。 散乱線調整処理の流れを説明する図。 調整処理部の内部処理の流れを示す図。 直接線領域における画素値の調整結果を模式的に示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
[第1実施形態]
本実施形態では、放射線撮影装置の構成例として散乱線推定処理の前段で、直接線領域の画素値を修正する構成について説明する。
図1は、実施形態に係る放射線撮影装置10の構成例を示す図である。まず、放射線管100から被写体15の延長線上に配置されているFPD200(放射線検出部)に放射線を照射する。放射線を照射されたFPD200は、放射線を撮影画像に変換し、変換した撮影画像を画像処理部300のI/O部301へ送信する。この時、複数の画素を含むFPD200(放射線検出部)から出力される撮影画像(以降、放射線画像ともいう)を処理する画像処理部300は、放射線管100から、線量や管電圧などの画像撮影時の撮影条件等に関する撮影情報を取得することが可能である。操作部500は、画像処理部300の操作や撮影画像の入力等に使用される。
I/O部301(取得部)は、FPD200から送信された撮影画像の取得と、放射線管100から送信された撮影情報の取得を行い、記憶媒体302に保存する。記憶媒体302には、画像処理プログラムの実行により各種の処理を実行する機能構成として、放射線管100(放射線発生部)からFPD200(放射線検出部)に放射線が直接到達する直接線領域を放射線画像に基づいて判定する領域判定部303、画素値の修正処理を行う画素値修正部304、散乱線推定部305及び散乱線減算部306が保存されている。制御部として機能するCPU309の制御の下に、各機能構成(領域判定部303、画素値修正部304、散乱線推定部305及び散乱線減算部306)は、記憶媒体302に保存されている撮影情報および撮影画像を、作業領域として機能するメモリ308に一時的に読み出し、各種の演算処理を実行することが可能である。
CPU309(制御部)は画像処理の結果を表示部400に表示するための表示制御を行うこが可能である。尚、CPU309の代わりにGPUや画像処理用チップ等の演算装置を用いることも可能である。
次に、画像処理部300の各機能構成の処理について、図2に示したブロック図を用いて説明する。放射線管100から照射された放射線が被写体15を透過してFPD200に到達すると、FPD200は、放射線を撮影画像に変換し、変換した撮影画像を画像処理部300へ転送する(S101)。画像処理部300において、領域判定部303は、撮影画像(S101)から、直接線領域の情報(直接線領域情報)を取得する直接線領域の判定処理を行う(S102)。直接線領域の判定処理により、撮影画像を直接線領域と、それ以外の領域とに分けることができる。
次に、画素値修正部304は、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報に基づいて、撮影画像(S101)における直接線領域の画素値を修正した画像(修正画像)を取得する画素値修正処理を行う(S103)。画素値修正処理の詳細については後に説明する。
散乱線推定部305は、直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、放射線画像に含まれる散乱線を推定する。本実施形態では、散乱線推定部305は、画素値修正処理(S103)で生成された修正画像に基づいて、散乱線を推定する散乱線推定処理を行う(S104)。そして、散乱線減算部306は、撮影画像(S101)と、散乱線推定処理(S104)で取得した散乱線推定画像とを用いて、撮影画像から散乱線推定画像を除いた散乱線低減画像を取得する散乱線減算処理を行う(S106)。
(直接線領域判定処理:S102)
次に、画像処理プログラムの各処理について個々の具体例を説明する。まず、領域判定部303が、S101で取得した撮影画像から直接線領域情報を取得する直接線領域判定処理(S102)を実行する。領域判定部303は、撮影画像(放射線画像)における画素値に基づいて、撮影画像から直接線領域と、当該直接線領域以外の領域とを判定する。例えば、撮影画像における画像値の上位から一定比率の値を閾値とし、閾値を超えた画素を直接線領域とすることが可能である。あるいは、画素値のヒストグラムから直接線領域とそれ以外の画素値をk-means法によって、直接線領域と、直接線領域以外の領域とを分別してもよい。
領域判定部303は、判定の結果に基づいて、直接線領域の分布を示す直接線領域情報(直接線領域マップ)を取得する。直接線領域情報(直接線領域マップ)は、例えば直接線領域を示す画素を「1」、それ以外の領域を「0」とした画像として区別できるようにすることで実現できる。直接線領域を示す画素を「1」、それ以外の領域を「0」とした画像は、直接線領域マップとして取得され、直接線領域判定処理により、撮影画像を直接線領域と、それ以外の領域に分けることができる。
図3Aは、領域判定部303の直接線領域判定処理により、直接線領域と、それ以外の領域(被写体領域)とに分けた結果を模式的に示す図である。図3Aでは、放射線管100からFPD200まで直進して到達する1次放射線31に基づいた画素値は、例えば、FPD200の飽和画素値32であり、FPD200に到達した放射線量(到達線量)相当の画素値33に比べて低い画素値となる。
被写体15に到達した放射線34は、被写体15内で放射線の方向が変化した散乱線35となりFPD200に到達する。被写体領域の画素値36は被写体15を透過した画素値を示す。
直接線領域における画素値(例えば、飽和画素値32)は、到達線量相当の画素値33に比べて低いため、散乱線推定処理ではこの領域に被写体が存在するかのような演算処理が実行され得る。直接線領域と被写体領域とを区別しやすくするため、本実施形態では、次の画素値修正処理により直接線領域の画素値(例えば、飽和画素値32)を修正する処理を行う。
(画素値修正処理:S103)
画素値修正部304は、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報に基づいて、撮影画像(S101)における直接線領域の画素値を修正した画像(修正画像)を取得する画素値修正処理(S103)を実行する。ここで、画素値修正処理(S103)において、画素値の修正とは、直接線領域判定処理S102で取得した直接線領域の画素値を、散乱線が発生し得ない画素値に修正する処理(変更する処理)をいう。散乱線が発生し得ない画素値には、例えば、放射線管100(放射線発生部)から被写体15を介さずFPD200(放射線検出部)に到達した到達線量相当の画素値が含まれ、画素値修正部304は、直接線領域の画素値を、到達線量相当の画素値に修正する。画素値修正部304は、直接線領域の画素値を修正した画像を取得する。
画素値修正部304は、到達線量相当の画素値を、放射線管100(放射線発生部)に設定されている撮影条件や、S101で取得した撮影画像(放射線画像)の画像処理の結果に基づいて取得することが可能であり、画素値修正部304は、取得した到達線量相当の画素値に基づいて画素値修正処理(S103)を実行する。
図3Bは、画素値修正部304により、画素値が修正された結果を模式的に示す図である。画素値修正処理は、直接線領域の画素値を、散乱線推定処理S104における演算処理で散乱線が発生し得ない画素値に修正することで実現できる。図3Bの例では、直接線領域における画素値(飽和画素値32)が、到達線量相当の画素値33に変更されている例を示している。図3Bに示す画素値の修正において、画素値修正部304は、飽和画素値32に対して所定値を加算する加算処理ではなく、直接線領域の画素値(飽和画素値32)自体を、散乱線が発生し得ない画素値として到達線量相当の画素値33に変更している。すなわち、画素値修正部304は、直接線領域の画素値を書き換えている。
散乱線が発生し得ない画素値は、散乱線推定処理(S104)によって異なるため、散乱線推定処理(S104)の具体的処理を示してから、その後に散乱線推定処理に適用する画素値修正処理S103の具体的な処理を説明する。
(散乱線推定処理:S104)
まず、散乱線推定部305が実行する散乱線推定処理について、具体例として(1)式を用いた散乱線推定処理(S104)を説明する。
Figure 2020089599
(1)式において、S(x,y)は散乱線推定画像の画素値であり、Vcは修正画像の画素値である。x,yはそれぞれX軸とY軸の注目画素の座標を示し、iとjはそれぞれ修正画像のX軸とY軸の座標を示す。
nとmはそれぞれ修正画像のX軸とY軸の画像サイズであり、kは撮影時の管電圧、gは撮影時の線量、dは撮影距離である。また、Vは撮影条件と撮影画像の画素値に依存した散乱線総発生量であり、WはX軸とY軸の距離に対する散乱線の分布率を示す。
(1)式において、散乱線推定部305は、注目画素の座標(x,y)の散乱線推定画像の画素値S(x,y)を、散乱線総発生量Vと、散乱線の分布率Wの畳み込み積分に基づいて取得することができる。(1)式を詳しく説明すると、座標(i,j)から発生する散乱線の総量である散乱線総発生量Vと、散乱線の分布率Wの積算が、座標(i,j)から座標(x,y)へ到達した散乱線量を示しており、散乱線推定部305は、それらの総和から散乱線推定画像の画素値S(x,y)を取得する。ここで、管電圧k、線量g、撮影距離dの撮影条件は、操作部500からユーザに入力されたものを用いてもよいし、事前に設定した撮影条件の代表値を用いることが可能である。
なお、公知の手法では、直接線領域の影響を受けない様にするため、(1)式の座標(i,j)が直接線領域であるとき、この領域を計算から除外する必要があった。そのため、プログラムとしては畳み込み積分を行う際に除外判定のための条件分岐が必要となり処理時間がかかるという課題があった。そこで、本発明の実施形態では画素値修正処理(S103)にて予め直接線領域の影響を受けない画素値に修正することで、条件分岐が不要な構成としている。画素値修正処理(S103)による画素値の修正により、散乱線推定処理に要する演算負荷を低減することが可能になり、処理時間の短縮化を図ることが可能になる。
次に、(1)式における散乱線発生量Vと散乱線の分布率Wを具体的に説明する。散乱線総発生量Vは、例えば、事前の実験で均一な厚さの人体に近い放射線減衰率の被写体に対し、散乱線除去率の高いグリッドを挿入したグリッド撮影画像と、グリッドを挿入しない非グリッド撮影画像と、グリッドの1次放射線透過率とに基づいて、取得することができる。
均一な厚さの被写体を撮影した場合、散乱線総発生量Vは、周囲から受けた散乱線の総量である散乱線の画素値Sと、おおよそ等しいと言える。これを利用して、散乱線の画素値Sを求めることにより、散乱線総発生量Vを導出する手法の説明をする。散乱線の画素値Sは、以下の(2)式、(3)式の様に求めることができる。
Figure 2020089599
(2)式において、k,g,dの定義は(1)式と同様である。Aは撮影条件が管電圧k、線量g、撮影距離dのときの非グリッド撮影画像の平均画素値であり、Sは、撮影条件が管電圧k、線量g、撮影距離dのときの非グリッド撮影画像の平均画素値がAのときの散乱線の画素値であり、Pは撮影条件が管電圧k、線量g、撮影距離dのときの1次放射線画像の平均画素値を示す。
(2)式で表される様に、散乱線の画素値Sは、非グリッド撮影画像の平均画素値から1次放射線画像の平均画素値P(k,g,d)を減算することで得られる。ここで、(2)式の1次放射線画像の平均画素値P(k,g,d)は、以下(3)式で取得することができる。
Figure 2020089599
(3)式において、Aは撮影条件が電圧k、線量g、撮影距離dのときのグリッドを挿入した撮影画像(グリッド撮影画像)の平均画素値を示し、Tはグリッドの1次放射線透過率を示す。
(3)式に示すように、1次放射線画像の平均画素値Pは、散乱線が除去されたグリッド撮影画像の平均画素値Aに、グリッド特性である1次放射線透過率Tの逆数を積算し、グリッドによる放射線の減衰を補正して取得することができる。尚、(3)式において、1次放射線透過率Tはグリッドのメーカー公表値を用いてもよいし、JIS規格(JIS Z 4910:2000)で示されている測定方法によって取得することも可能である。
上記の(2)式で取得した散乱線の画素値S(A、k、g、d)を、散乱線総発生量V(A、k、g、d)と等しいものとして代用する。具体的には、実験で得た条件を様々に変更したときの画像から、散乱線総発生量Vと等しい散乱線の画素値Sを算出し、テーブル化しておくことも可能である。実施方法の例としては、例えば、テーブルをそのまま用いてもよいし、テーブルを撮影条件と撮影画像の画素値を変数とした多変量多項式によりテーブルの値を近似してもよい。また、テーブルを用いる場合は、離散的な撮影条件データの間を線形補間するなどしてテーブルの値を補ってもよい。
散乱線の分布率Wは、例えば、図3CのST1に示すように均一な被写体15の前にピンホールの空いた放射線を遮蔽する遮蔽板310を配置して撮影した、FPD200の画像から取得することができる。
具体的な例としては、例えば、図3CのST2に示すような画像のプロファイルのように、撮影画像のピンホール部分は1次放射線の画素値なので除外した散乱線の分布画像を作り、更に、図3CのSTに示すような散乱線の分布画像の画素値の総和で正規化することで散乱線の分布率Wを取得することができる。散乱線の分布率Wは2次元のテーブルとして用いても良いし、例えば式(4)のように近似式を用いてもよい。
Figure 2020089599
ここで、rとrはそれぞれX軸とY軸の散乱線の発生画素から到達画素までの距離を示し、βは散乱線の分布率のテーブルを近似するための係数を示す。
(4)式の近似式の例は、散乱線の発生画素から到達画素までの距離に対する散乱線の分布率を、ガウシアン関数を基に近似したものである。係数βの取得方法は、例えば最小二乗法や最尤法を用いて取得することが可能である。
次に、上記の散乱線推定処理(S104)の演算処理に適用するように、直接線領域の画素値を変更する画素値修正処理を説明する。画素値修正部304が実行する画素値修正処理(S103)により、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報に基づいて、S101で取得した撮影画像における直接線領域の画素値を修正した修正画像が生成される。修正画像では、直接線領域の画素は、散乱線が発生し得ない画素値に修正されている。
具体的には、(1)式の散乱線推定画像の画素値S(x,y)を求める際、座標(i,j)が直接線領域であった場合に、散乱線が発生しないような画素値として、散乱線総発生量Vが0になるような修正画像の画素値Vに直接線領域の画素値を修正すればよい。(2)式に示すように、撮影条件によらず必ず散乱線総発生量Vが0になる条件は、非グリッド撮影画像の平均画素値Aが0でかつ、1次放射線画像の平均画素値Pが0の場合である。
但し、1次放射線画像の平均画素値Pは非グリッド撮影画像の平均画素値Aの散乱線が入っていない画素値を示すので必ずA以下になり、非グリッド撮影画像の平均画素値Aが0であれば必ず散乱線総発生量Vは0になる。つまり、(1)式において、散乱線総発生量Vを0にするには、(2)式の散乱線総発生量Vが0になる非グリッド撮影画像の平均画素値Aの値0を、修正画像の画素値Vに代入すればよい。
上記の関係を式にすると、修正画像の画素値は、(5)式のように、撮影画像に対して直接線領域の画素値を修正することで取得することができる。散乱線推定処理(S104)では、(5)式の関係を(1)式の修正画像の画素値Vに適用することで、S103における画素値修正処理の結果を散乱線推定処理に反映することができる。
Figure 2020089599
(5)式において、iとjはそれぞれ画像のX軸とY軸の座標を示し、Vは修正画像のi,j座標の画素値を示し、Vinは、S101で取得した撮影画像のi,j座標の画素値を示す。
(5)式のように、S101で取得した撮影画像に画素値修正処理(S103)を行った修正画像に基づいて、散乱線推定処理(S104)を行うことで、散乱線推定処理における条件分岐の演算処理は低減される。これにより、散乱線推定画像の取得において、散乱線推定処理に要する演算負荷を低減することが可能になり、処理時間の短縮化を図ることが可能になる。
(散乱線減算処理:S105)
次に、散乱線減算部306は、散乱線推定処理(S104)で取得した散乱線推定画像に基づいて、撮影画像(S101)に含まれる散乱線成分を減算(低減)する散乱線減算処理(S105)を実行する。具体的な例としては、(6)式のような様な計算式に基づいて、散乱線減算部306は、散乱線を低減した散乱線低減画像を取得することができる(S106)。
Figure 2020089599
ここで、Voutはx,y座標の散乱線低減画像の画素値であり、Vinは撮影画像の画素値であり、αは散乱線透過率、Sはx,y座標の散乱線推定画像の画素値を示す。
(6)式では、撮影画像の画素値Vinから散乱線推定画像Sの画素値を減算し1次放射線画像を求めた1次放射線の項と、散乱線推定画像Sに散乱線透過率αを掛けた散乱線の項と、の和から散乱線低減画像を取得している(S106)。ここで、散乱線透過率αは、事前にユーザの好みに合わせて設定してもよいし、グリッドのメーカーが公表している散乱線透過率に合わせて設定してもよい。
散乱線減算部306は、取得した散乱線低減画像(S106)をI/O部301(入出力部)を通して表示部400に送り、CPU309(制御部)は散乱線低減画像を表示部400に表示するための表示制御を行う。ここで、散乱線減算部306は、I/O部301に送る前に階調処理や周波数強調処理等の画像処理を散乱線低減画像に対して行いユーザに見やすい画像に調整することが可能である。
以上の処理によって、直接線領域の画素値を散乱線推定処理(S104)の前段階で画素値を修正することで、散乱線推定画像の取得において、散乱線推定処理に要する演算負荷を低減することが可能になり、処理時間の短縮化を図ることが可能になる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、散乱線推定処理(S104)の前段階で直接線領域の画素値を修正する構成について説明したが、第2実施形態では、散乱線推定処理に、直接線領域の画素値を修正する構成を組み込んだ処理の構成について説明する。
本実施形態における放射線撮影装置10の構成例は図1と同様であり、画像処理部300の各機能構成の処理について、図4に示したブロック図を用いて説明する。放射線管100から照射された放射線が被写体15を透過してFPD200に到達すると、FPD200は、放射線を撮影画像に変換し、変換した撮影画像を画像処理部300へ転送する(S101)。
画像処理部300において、領域判定部303は、撮影画像(S101)から、直接線領域の情報(直接線領域情報)を取得する直接線領域の判定処理を行う(S102)。直接線領域の判定処理により、撮影画像を直接線領域と、それ以外の領域とに分けることができる。
次に、散乱線推定部305は、S101で取得した撮影画像と、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域の情報(直接線領域情報)と、を用いて散乱線を推定する散乱線推定処理を行う(S104)。そして、散乱線減算部306は、撮影画像(S101)と、散乱線推定処理(S104)で取得した散乱線推定画像とを用いて、撮影画像から散乱線推定画像を除いた散乱線低減画像を取得する散乱線減算処理を行う(S106)。
第2実施形態の構成と第1実施形態との構成の違いは、画像処理プログラムにおける散乱線推定処理(S104)であるので、以下に散乱線推定処理S104の具体的な処理を説明する。
(散乱線推定処理:S104)
図5は、第2実施形態に係る散乱線推定処理の流れを説明する図であり、散乱線推定処理(S104)では、S101で取得した撮影画像と、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報と、を用いて散乱線推定画像を取得する。
まず、S201において、散乱線推定部305は、撮影画像(S101)から仮の1次放射線画像を取得するために1次放射線画像取得処理を行う。
次に、S202において、散乱線推定部305は、1次放射線画像取得処理(S201)で取得した1次放射線画像と、S102で取得した直接線領域情報から体厚画像を取得する体厚画像取得処理を行う。
次に、S203において、散乱線推定部305は、体厚画像取得処理(S202)により取得した体厚画像を用いて、仮の散乱線推定画像を取得する仮散乱線推定画像取得処理を行う。
次に、S204において、散乱線推定部305は、撮影画像(S101)と、1次放射線画像(S201)と、S203で取得した仮の散乱線推定画像とに基づいて、1次放射線画像を更新する1次放射線画像更新処理を実行する。
S205において、散乱線推定部305は、1次放射線画像更新処理(S204)で更新される前の仮の1次放射線画像と更新後の1次放射線画像とに基づいて、ループ終了判定処理を行う。ループ終了判定処理S205でループ終了の判定となった場合は(S205−Yes)、散乱線推定処理S104を終了し、ループ未終了の判定となった場合は(S205−No)、散乱線推定部305は、処理をステップS202(体厚画像取得処理)に戻し、ループ終了判定になるまで同様の処理を繰り返す。
そして、S206において、散乱線推定部305は、ループの最後に更新された1次放射線画像と撮影画像の画素値を用いて散乱線推定画像を取得する。
次に、図5で説明したフローチャートの各ステップにおける具体的な処理方法を説明する。
図5の1次放射線画像取得処理(S201)では、被写体15の被写体厚の情報を示す体厚画像を取得するために仮の1次放射線画像を取得する。S201で取得する仮の1次放射線画像は、後の1次放射線画像更新処理(S204)で真値に近づけるため、あくまで初期値としての1次放射線画像を設定する処理となる。
具体的な例としては、1次放射線画像として、S101で取得した撮影画像をそのまま用いてもよいし、1次放射線画像の真値に近づけるために事前に1次放射線含有率を設定しておき仮の1次放射線画像取得時において撮影画像(S101)に1次放射線含有率を積算して、仮の1次放射線画像を取得してもよい。
次に、図5の体厚画像取得処理(S202)では、仮散乱線推定画像取得処理(S203)で散乱線の算出に用いられる被写体厚の情報を示す体厚画像を取得する。
散乱線推定部305は、直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、放射線画像に含まれる散乱線を推定する。本実施形態では、散乱線推定部305は、撮影画像(放射線画像)に基づいて、被写体厚の情報を示す体厚画像を取得し、散乱線推定部305は、領域判定部303の判定結果に基づいて、直接線領域では散乱線が発生しないように体厚画像の画素値を修正する。すなわち、散乱線推定部305は、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報(領域判定部303の判定結果)に基づいて、直接線領域では散乱線が発生しないように体厚画像の画素値を修正する。具体的な例としては、体厚画像は次の(7)式で取得することができる。(7)式に示すように、散乱線推定部305は、直接線領域では散乱線が発生しないように体厚画像の画素値をゼロに修正する。体厚画像における画素値の修正は、散乱線推定処理において、直接線領域の画素値を修正する構成を組み込んだ処理となり、散乱線推定部305は、画素値を修正した体厚画像に基づいて、放射線画像に含まれる散乱線を推定する。
Figure 2020089599
ここで、xとyはそれぞれ画像のX軸とY軸の座標を示し、B(x,y)は体厚画像の画素値を示す。また、μは放射線減衰係数を示し、P(x,y)はx,y座標の1次放射線画像の画素値を示し、Eは被写体を介さずFPD200に到達した直接到達線量値(到達線量相当の画素値)を示す。
(7)式に示したように、1次放射線画像と体厚画像の画素値はランベルトの法則を用いて取得することができる。(7)式の直接到達線量値Eは、被写体を介さずFPD200に到達した放射線の画素値を示す。具体的な例としては、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報に基づいて、撮影画像(S101)における直接線領域の画素値の平均値を使ってもよいし、NDD法を使っての撮影条件等から到達画素値を推定する等してもよい。
(7)式の放射線減衰係数μは、被写体の放射線減衰係数の代表値を示す。例えば、事前に実験で得られた脂肪の放射線減衰係数と筋肉の放射線減衰係数の平均値を用いることが可能である。
図5の仮散乱線推定画像取得処理(S203)では、例えば、(8)式に示すような散乱線の発生に関する近似式を用いて仮の散乱線推定画像を取得する。
Figure 2020089599
ここで、(8)式において、S(x,y)は散乱線推定画像の画素値であり、Bは体厚画像の画素値である。x,yはX軸とY軸のそれぞれの座標であり、iとjはそれぞれ修正画像のX軸とY軸の座標を示す。また、nとmはそれぞれ画像のX軸とY軸の画像サイズを示し、αは係数、Eは被写体を介さずFPD200に到達した直接到達線量値(到達線量相当の画素値)、Wは散乱線の分布率を示す。
(8)式に示したように、ある注目画素の散乱線量S(x,y)は、体厚画像の画素値Bと直接到達線量値Eとその2つの変数から散乱線の発生量の画素値に換算する係数αからなる散乱線総発生量と、散乱線の分布を示す散乱線分布率Wの畳み込み積分で取得することができる。
従来技術では(8)式の座標(i,j)が直接線領域であるとき、直接線領域の影響を受けないようにするため、計算から除外される条件分岐処理が必要とされる。本発明の実施形態では、体厚画像取得処理(S202)にて直接線領域の影響を受けないように直接線領域の画素値が修正されるため、条件分岐が必要なくなっている。
(8)式の係数αは、具体的には(2)式と同じく事前に均一な被写体をグリッド挿入時と非グリッド挿入時で撮影した画像から散乱線総発生量を計算し、散乱線総発生量から(9)式のように取得することができる。
Figure 2020089599
ここで、αは係数であり、Vは散乱線総発生量を示す。また、Eは被写体を介さずFPD200に到達した直接到達線量値(到達線量相当の画素値)を示し、B(i,j)はi,j座標における体厚画像の画素値を示す。
また、(8)式の散乱線の分布率Wは、第1実施形態で説明した(4)式と同様の近似式である。
次に、図5の1次放射線画像更新処理(S204)では、撮影画像(S101)と、1次放射線画像(S201)と、仮散乱線推定画像取得処理(S203)で取得した仮の散乱線推定画像とに基づいて、1次放射線画像が真値に近づくように更新する。
1次放射線画像更新処理(S204)は、例えば、最尤法や最小二乗法等を用いることにより実行することが可能である。具体的な例として、(10)式は最尤法を用いた場合の1次放射線画像更新処理を例示するものである。
Figure 2020089599
ここで、P(x,y)は更新前の1次放射線画像の画素値を示し、P'(x,y)は更新後の1次放射線画像の画素値を示す。S(x,y)は散乱線推定画像の画素値を示し、Vinは撮影画像(S101)の画素値を示す。
(10)式に示したように、更新後の1次放射線画像の画素値P'(x,y)は、撮影画像の画素値Vinを、更新前の1次放射線画像P(x,y)と散乱線推定画像Sの画素値とを加算した加算値で除算し、除算結果に1次放射線画像P(x,y)を乗算することにより取得される。
更新後の1次放射線画像の画素値P'(x,y)は、(10)式に含まれる(11)式の因子によって、(12)式の関係式を満たすように更新することで真値に近づく。
Figure 2020089599
Figure 2020089599
次に、図5のループ終了判定処理(S205)では、例えば、(10)式に示したような最尤法により真値に近い値に収束させていくための繰り返し演算を継続するか否かを判定する。具体的な例としては、1次放射線画像更新処理(S204)の更新前の1次放射線画像P(x,y)の画素値と更新後の1次放射線画像P'(x,y)の画素値とを比較し、両者の差分が所定の閾値より小さければループを終了するようにしてもよいし、処理時間が長くなり過ぎない様に、ループ回数を事前に設定する等してもよい。
次に、図5の散乱線推定画像取得処理(S206)では、ステップS205において、ループの最後に更新された1次放射線画像と撮影画像の画素値を用いて散乱線推定画像を取得する。
(13)式は、散乱線推定画像取得処理(S206)における具体的な処理の例を示す演算式である。
Figure 2020089599
ここで、S(x,y)は散乱線推定画像の画素値を示し、Vinは撮影画像(S101)の画素値を示す。P(i,j)はループの最後に更新された1次放射線画像の画素値を示す。
(13)式に示すように、散乱線推定画像S(x,y)の画素値は、撮影画像の画素値Vinから1次放射線画像の画素値を減算することにより取得することができる。以上により散乱線推定処理(S104)は終了する。
本実施形態によれば、散乱線の発生しない直接線領域の影響を排除する散乱線低減処理において、画素間の演算負荷の多い仮散乱線推定画像取得処理(S203)の前段の処理(S202)で、体厚画像における直接線領域の画像値を修正することで、散乱線推定処理における条件分岐の演算処理は低減される。これにより、散乱線推定画像の取得において、散乱線推定処理に要する演算負荷を低減することが可能になり、処理時間の短縮化を図ることが可能になる。
[第3実施形態]
本実施形態では、第1及び第2実施形態で説明したように直接線領域の画素値を修正する構成に加えて、直接線領域における散乱線の値を調整する構成について説明する。
図6は本実施形態における放射線撮影装置30の構成例を示す図であり、画像処理部300の機能構成として、調整処理部307が追加されている点で図1の放射線撮影装置10の構成と相違する。
次に画像処理部300の各機能構成の処理について、図7に示したブロック図を用いて説明する。放射線管100から照射された放射線が被写体15を透過してFPD200に到達すると、FPD200は、放射線を撮影画像に変換し、変換した撮影画像を画像処理部300へ転送する(S101)。画像処理部300において、領域判定部303は、撮影画像(S101)から、直接線領域の情報(直接線領域情報)を取得する直接線領域の判定処理を行う(S102)。直接線領域の判定処理により、撮影画像を直接線領域と、それ以外の領域とに分けることができる。
画素値修正部304は、直接線領域判定処理(S102)で取得した直接線領域情報に基づいて、撮影画像(S101)における直接線領域の画素値を修正した画像(修正画像)を取得する画素値修正処理を行う(S103)。この画素値修正処理は第1実施形態で説明した処理と同様の処理である。図7では、第1実施形態の構成に基づいて説明しているが、第2実施形態の図4で説明したように、散乱線推定処理(S104)に画素値の修正処理を組み込んでもよい。
散乱線推定部305は、画素値修正処理(S103)で生成された修正画像に基づいて、散乱線を推定する散乱線推定処理を行う(S104)。
調整処理部307は、散乱線の散乱線推定処理により取得された散乱線推定画像に対して画素値の調整処理を行う。調整処理部307は、散乱線推定画像と、直接線領域の分布を示す情報に基づいて、散乱線推定画像における直接線領域の画素値を調整する。ここで、直接線領域の分布を示す情報とは、領域判定部303の判定の結果により取得された直接線領域情報(直接線領域マップ)である。すなわち、調整処理部307は、散乱線推定処理(S104)により取得された散乱線推定画像と、直接線領域判定処理(S102)で取得された、直接線領域の分布を示す直接線領域情報(直接線領域マップ)に基づいて、散乱線推定画像における直接線領域の画素値を調整する散乱線調整処理を行う(S107)。散乱線調整処理として、調整処理部307は、散乱線推定画像における直接線領域と当該直接線領域以外の領域(被写体領域)との間における画素値の差(段差)が滑らかになるように、直接線領域判定処理により判定された直接線領域の画素値を調整する。この散乱線調整処理の詳細については後に説明する。
そして、散乱線減算部306は、撮影画像(S101)と、散乱線調整処理に基づいて、被写体領域との境となる直接線領域の画素値が調整された散乱線推定画像とを用いて、撮影画像から調整された散乱線推定画像を除いた散乱線低減画像を取得する散乱線減算処理を行う(S106)。
図7に示したブロック図において、直接線領域判定処理(S102)、画素値修正処理(S103)、散乱線推定処理(S104)、散乱線減算処理(S105)の具体的な処理内容は、第1実施形態と同様の処理となる。第1実施形態の構成と相違する散乱線調整処理(S107)について、以下、図8A〜図11を参照して具体的な処理の内容を説明する。
図8Aは、被写体領域及び直接線領域における画素値の分布を模式的に示す図である。図8Aにおいて、放射線管100からFPD200まで直進して到達する1次放射線31に基づいた画素値はFPD200の飽和画素値32であり、FPD200に到達した放射線量(到達線量)相当の画素値33に比べて低い画素値となる。
被写体15に到達した放射線34は、被写体15内で放射線の方向が変化した散乱線35となりFPD200に到達する。被写体領域の画素値36は被写体15を透過した画素値を示す。
被写体領域の一部が飽和している画像や手など厚さの薄い被写体でシェーディングが発生している画像では、被写体領域及び直接線領域において画素値の分布が同等の分布となる場合が生じ得る。例えば、被写体領域の端部の領域801では、直接線領域における飽和画素値32と同等に被写体領域の画素値が高くなるため、画素値を用いて、被写体領域と直接線領域とを分別することが困難となる場合が生じ得る。
図8Bは、画素値修正部304により、画素値が修正された結果を模式的に示す図である。直接線領域における画素値(飽和画素値32)と同等の画素値を有する被写体領域の端部の領域801は、被写体領域に含まれる領域であるが、直接線領域と誤判定され、到達線量相当の画素値33に変更されている。すなわち、直接線領域における画素値(飽和画素値32)は、到達線量相当の画素値33に書き換えられている。誤判定された画素と正しく判定された画素との境界で推定される散乱線量に連続性が無くなり画素値の差(段差)が発生する。この段差がアーチファクトとして見えてしまう場合が生じ得る。
本実施形態の調整処理部307は、散乱線推定画像における直接線領域と被写体領域との間における画素値の差(段差)が滑らかになるように、直接線領域判定処理により判定された直接線領域の画素値を調整する。
図9は、調整処理部307が実行する散乱線調整処理(S107)の流れを説明する図である。S901において、調整処理部307は、散乱線推定部305から取得した散乱線推定画像にローパスフィルタ(LPF)を掛けて低周波散乱線推定画像を取得する(散乱線推定画像の低周波成分の抽出処理)。
S902において、調整処理部307は、S901で用いたローパスフィルタ(LPF)と同じLPFを、領域判定部303から取得した直接線領域の分布を示す直接線領域情報(直接線マップ)(例えば、直接線領域=1[LSB],その他の領域=0)に掛けて、0〜1の値で直接線の比率を示す直接線マップの低周波画像(直接線比率画像)を取得する(直接線マップの低周波成分の抽出処理)。
そして、S903において、調整処理部307は、散乱線推定部305から取得した散乱線推定画像と領域判定部303から取得した直接線マップと、S901で取得した低周波散乱線推定画像と、S902で取得した直接線比率画像とに基づいて、直接線領域の画素値を調整した散乱線推定画像(調整後散乱線推定画像)を生成する。
図10は、S903の処理(散乱線調整処理)を実行する際の調整処理部307の内部処理の流れを示すブロック図である。調整処理部307は、散乱線推定部305から取得した散乱線推定画像1010にローパスフィルタ(LPF1012)を掛けて低周波成分の散乱線推定画像(低周波散乱線推定画像1014)を取得する。
また、調整処理部307は、領域判定部303から取得した直接線領域マップ1020にローパスフィルタ(LPF1022)を掛けて直接線比率画像1024を取得する。ここで、LPF1022とLPF1012とは同一のローパスフィルタである。
図10の画素値調整処理1030において、調整処理部307は、直接線領域マップ1020を飽和画素判定用(領域判定用)として用いる。すなわち、調整処理部307は、直接線領域マップ1020に基づいて、散乱線推定画像1010における直接線領域と、それ以外の領域に分けることができる。
調整処理部307は、画素値調整処理1030において直接線領域における画素値を以下の(14)式に基づいて取得し、直接線領域以外のその他の領域の画素値を(15)式に基づいて取得する。
調整処理部307は、ローパスフィルタ処理(LPF1012)により散乱線推定画像1010から取得した低周波成分の散乱線推定画像(低周波散乱線推定画像1014)と、ローパスフィルタ処理(LPF1022)により直接線領域の分布を示す情報(直接線領域マップ1020)から取得した、直接線の比率を示す直接線比率画像1024とに基づいて、画素値の調整を行う。この画素値の調整は以下の(14)式、(15)式に基づいて実行される。
Figure 2020089599
Figure 2020089599
(14)及び(15)式において、x,yはX軸とY軸のそれぞれの座標であり、S(x,y)は散乱線推定画像の画素値を示し、S'(x,y)は調整後の散乱線推定画像の画素値を示している。また、(14)式において、SLPF(x,y)は、低周波散乱線推定画像を示し、DLPF(x,y)は直接線比率画像を示している。
(14)式の上段の式は、被写体領域に対して近い側に位置する直接線領域の内側における画素値の分布を示す演算式であり、(14)式の下段の式は、被写体領域に対して遠い側に位置する直接線領域の外側における画素値の分布を示す演算式である。直接線比率画像DLPF(x,y)は、直接領域から被写体領域に近づくに従い、直接線の比率が漸減する傾向を示す画像であり、DLPF(x,y)が0.5となるとき、(14)式における上段と下段の式は一致する。
(15)式に示すように、直接線領域以外のその他の領域、すなわち領域判定処理で誤判定されずに正常に被写体領域と判定され領域の画素値は、散乱線調整処理において変更されず、調整後の散乱線推定画像の画素値S'(x,y)は、散乱線推定画像における画素値S(x,y)と等しくなるように設定される。
図10の画素値調整処理1030において、調整処理部307は、(14)式及び(15)式に基づいて、散乱線推定画像における直接線領域の画素値を調整した調整後散乱線推定画像1040を生成する。
図11は、調整処理部307による直接線領域における画素値の調整結果を模式的に示す図である。調整処理部307は、散乱線推定画像において、散乱線推定画像における直接線領域と被写体領域との間における画素値の差(段差)が滑らかになるように、直接線領域判定処理により判定された直接線領域の画素値を調整する。すなわち、図11に示すように、調整処理部307は、直接線領域以外の領域(被写体領域)との境となる直接線領域の画素値(散乱線推定画像の画素値)を、直接線領域以外の領域(被写体領域)の画素値に近づけるように滑らかに減少させて画素値の調整を行う。すなわち、調整処理部307は、直接線領域以外の領域(被写体領域)との境となる直接線領域の画素値(散乱線推定画像の画素値)を、直接線領域以外の領域(被写体領域)の画素値に近づけるように画素値を連続的に減少させて画素値の調整を行う。調整処理部307は、直接線領域から直接線領域以外の領域(被写体領域)への距離が近づくにつれて、直接線領域の画素値の減少の度合いを大きくして画素値の調整を行う。
誤判定されずに正常に被写体領域と判定され領域の画素値36は、散乱線調整処理(S107)において変更されず、散乱線推定画像における画素値S(x,y)の値が調整後の散乱線推定画像の画素値として設定される。
被写体領域に含まれる領域であるが、直接線領域と誤判定された領域801を含む直接線領域においては、散乱線調整処理(S107)により、直接線領域における修正後の画素値と、誤判定されずに正常に被写体領域と判定された画素値36とが滑らかに接続される。
本実施形態によれば、被写体領域が領域判定処理で誤判定され、直接線領域に含まれてしまった場合でも、直接線領域の修正後の画素値と被写体領域の画素値との間における画素値の差(段差)が滑らかになるように、直接線領域判定処理により判定された直接線領域の画素値を調整することができ、これにより、直接線領域と被写体領域との境界に生じ得るアーチファクトを低減することが可能になる。
以上、本発明の実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。散乱線推定処理における具体的な計算式は例示的なものであり、本発明の適用例はこれに限るものではない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
15:被写体、100:放射線管、200:FPD、300:画像処理部、301:I/O部、302:記憶媒体、303:領域判定部、304:画素値修正部、305:散乱線推定部、306:散乱線減算部、307:調整処理部、308:メモリ、309:CPU、400:表示装置、500:操作装置

Claims (16)

  1. 複数の画素を含む放射線検出手段から出力される放射線画像を処理する画像処理装置であって、
    放射線発生手段から前記放射線検出手段に放射線が直接到達する直接線領域を前記放射線画像に基づいて判定する領域判定手段と、
    前記直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、前記放射線画像に含まれる散乱線を推定する散乱線推定手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記領域判定手段は、前記放射線画像における画素値に基づいて、前記直接線領域と、当該直接線領域以外の領域とを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記領域判定手段は、前記判定の結果に基づいて、前記直接線領域の分布を示す直接線領域マップを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記直接線領域の画素値を修正した画像を取得する画素値修正手段を更に備え、前記画素値修正手段は、前記直接線領域の画素値を、前記散乱線が発生し得ない画素値に修正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記散乱線が発生し得ない画素値には、前記放射線発生手段から被写体を介さず前記放射線検出手段に到達した到達線量相当の画素値が含まれ、
    前記画素値修正手段は、前記直接線領域の画素値を、前記到達線量相当の画素値に修正することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記画素値修正手段は、前記到達線量相当の画素値を、前記放射線発生手段に設定されている撮影条件、または、前記放射線画像の画像処理の結果に基づいて取得することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記画素値修正手段は、前記直接線領域の画素値を修正した前記画像を取得することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記散乱線推定手段は、前記放射線画像に基づいて、被写体厚の情報を示す体厚画像を取得し、
    散乱線推定手段は、前記領域判定手段の判定結果に基づいて、前記直接線領域では散乱線が発生しないように前記体厚画像の画素値を修正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記散乱線推定手段は、前記直接線領域では前記散乱線が発生しないように前記体厚画像の画素値をゼロに修正することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記散乱線推定手段は、前記画素値を修正した前記体厚画像に基づいて、前記放射線画像に含まれる散乱線を推定することを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。
  11. 前記散乱線の散乱線推定処理により取得された散乱線推定画像に対して画素値の調整処理を行う調整処理手段を更に備え、
    前記調整処理手段は、前記散乱線推定画像と、前記直接線領域の分布を示す情報に基づいて、前記散乱線推定画像における直接線領域の画素値を調整することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記調整処理手段は、前記直接線領域以外の領域との境となる直接線領域の散乱線推定画像の画素値を、直接線領域以外の領域の画素値に近づけるように滑らかに減少させて前記画素値の調整を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記調整処理手段は、前記直接線領域から前記直接線領域以外の領域への距離が近づくにつれて、前記直接線領域の画素値の減少の度合いを大きくして前記画素値の調整を行うことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記調整処理手段は、ローパスフィルタ処理により前記散乱線推定画像から取得した低周波成分の散乱線推定画像と、前記ローパスフィルタ処理により前記直接線領域の分布を示す情報から取得した、直接線の比率を示す直接線比率画像とに基づいて、前記画素値の調整を行うことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 複数の画素を含む放射線検出手段から出力される放射線画像を処理する画像処理方法であって、
    放射線発生手段から前記放射線検出手段に放射線が直接到達する直接線領域を前記放射線画像に基づいて判定する工程と、
    前記直接線領域と判定された領域の画素値を修正し、前記放射線画像に含まれる散乱線を推定する工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  16. コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるプログラム。
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