JP2020083872A - 歯科用清掃材 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩の析出を抑制することで性能のばらつきをなくし、その上で歯科用修復物、及び支台歯のタンパク質含有体液による汚染に対して優れた洗浄性を示し、洗浄後の接着耐久性に優れ、かつ口腔内で使用した際にも安全である歯科用清掃材を提供する。【解決手段】酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を含有する歯科用清掃材。【選択図】なし

Description

本発明は、陶材、セラミックス、金属酸化物、無機フィラーと樹脂とを含む歯科用コンポジットレジン硬化物(以下、単に「歯科用コンポジットレジン硬化物」と表現する)などの歯科用修復物、及び歯面などの支台歯の清掃などに用いる歯科用清掃材に関する。
従来、歯科分野での修復治療において、歯科用修復物は、陶材、セラミックス、金属酸化物、歯科用コンポジットレジン硬化物などからなり、様々な様式で歯の欠損部に適合させるために使用されてきた。この歯科用修復物は、一般的に、適合性を確認する目的で、固定する前に予備的に挿入する試適を行う。その際、歯科用ラバーダムを使用した場合でも、タンパク質含有体液(例えば唾液、歯液、血液など)による歯科用修復物及び支台歯の汚染は、事実上不可避である。これらのタンパク質含有体液等は、その後の歯科用修復物と支台歯との接着の際に、歯科用修復物と歯科用接着材若しくは歯科用セメントとの間、又は、支台歯と歯科用接着材若しくは歯科用セメントとの間での接着性低下をもたらす。このタンパク質含有体液による汚染を除去するための手段として、歯科用清掃材が提案されている(特許文献1及び2)。
特許文献1には、歯面のプラークや着色などを除去する方法として歯面清掃材のことが記載されている。特許文献2には、歯科用修復物の洗浄、特に、タンパク質汚染物質を除去するための洗浄用粒子を含有する組成物のことが記載されている。
特開2016−003213号公報 特許第5607559号公報
しかしながら、特許文献1には、pH12〜13の水、界面活性剤、塩基性物質を含む歯科用清掃材が定義されているが、強アルカリ性であることから口腔内では使用不可であり、安全性に問題があった。また、特許文献2には、歯科用修復材料の接着剤固定の範囲内で、タンパク質汚染物質を除去するための洗浄用粒子を含有する組成物について記載されているが、この組成物は水酸化ナトリウムを含む塩基性物質であることから、口腔内では使用不可であり、安全性に問題があった。
また、歯科用清掃材としては冷蔵庫内で保管中に析出物の生成を抑制する必要がある。析出物の生成により、組成物が不均一となり性能にばらつきが生じる可能性がある。また、洗浄中に固体が補綴物表面に残留することで接着力低下を招く恐れがある。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、析出物の生成を抑制することで性能のばらつきをなくし、その上で歯科用修復物、及び支台歯のタンパク質含有体液による汚染に対して優れた洗浄性を示し、洗浄後の接着耐久性に優れ、かつ口腔内で使用した際にも安全である歯科用清掃材を提供することである。
鋭意検討した結果、本発明者らは、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を含有することによって前記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を含有する、歯科用清掃材。
[2]pHが8.0未満である、[1]に記載の歯科用清掃材。
[3]前記酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)が、リン酸基含有(メタ)アクリル系単量体、ピロリン酸基含有(メタ)アクリル系単量体、及びカルボン酸基含有(メタ)アクリル系単量体からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の歯科用清掃材。
[4]前記有機アミン化合物(c)が第三級の有機アミン化合物を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の歯科用清掃材。
[5]さらに塩基性無機化合物(d)を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の歯科用清掃材。
[6]前記塩基性無機化合物(d)がリン酸塩、リン酸水素塩、及びリン酸二水素塩からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性物質である、[5]に記載の歯科用清掃材。
[7]前記塩基性無機化合物(d)が、リン酸アルカリ金属塩、リン酸水素アルカリ金属塩、及びリン酸二水素アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[5]又は[6]に記載の歯科用清掃材。
[8]さらに親水性フィラー(e−1)、疎水性フィラー(e−2)、及び高分子系増粘剤(e−3)からなる群から選択される少なくとも1種のゲル化剤(e)を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の歯科用清掃材。
[9]前記ゲル化剤(e)が親水性フィラー(e−1)及び疎水性フィラー(e−2)である、[8]に記載の歯科用清掃材。
[10]前記親水性フィラー(e−1)が親水性ヒュームドシリカであって、かつ前記疎水性フィラー(e−2)が疎水性ヒュームドシリカである、[9]に記載の歯科用清掃材。
[11]前記親水性フィラー(e−1)と前記疎水性フィラー(e−2)の質量比が4:6〜2:8の範囲である、[9]又は[10]に記載の歯科用清掃材。
[12]酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を混合する工程を含む、歯科用清掃材の製造方法。
本発明の歯科用清掃材は、歯科用修復物、及び支台歯のタンパク質含有体液による汚染に対して優れた洗浄性を示し、洗浄後の接着耐久性に優れ、かつ口腔内で使用した際にも安全である。また、保存中及び使用中での固体の析出物の生成がないため性能のばらつきや接着を阻害する恐れはない。さらに、本発明の歯科用清掃材は、カビなどの繁殖を防ぐ防腐性にも優れる。
本発明の歯科用清掃材は、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を含有することを特徴とする。
以下、本発明の歯科用清掃材の成分である、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)について説明する。
まず、本発明で用いられる、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)について説明する。
酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、有機アミン化合物(c)と反応して塩を形成し、界面活性効果により、タンパク質含有体液やタンパク質含有体液由来の物質(例えばプラーク、ペリクルなど)による汚染に対する洗浄効果を向上させる。また、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、歯質を脱灰しながら浸透して歯質と結合し、歯質に対する接着性を向上させる。さらに、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、有機アミン化合物(c)と組み合わせることで、洗浄後の歯質及び歯科用補綴物に対して優れた接着耐久性を示す。また、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、有機アミン化合物(c)と組み合わせることで、カビなどの繁殖を防ぐ防腐性を示す。酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、リン酸基、ホスホン酸基、ピロリン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を少なくとも1個有し、かつアクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などのラジカル重合性基を少なくとも1個有する重合性単量体である。前記酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、リン酸基含有(メタ)アクリル系単量体、ピロリン酸基含有(メタ)アクリル系単量体、及びカルボン酸基含有(メタ)アクリル系単量体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。エナメル質に対する接着性の観点から、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基及びメタクリルアミド基のいずれか1個を有する単官能性の酸性基含有(メタ)アクリル系単量体であることが好ましい。具体例としては、下記のものが挙げられる。なお、本明細書において、メタクリルとアクリルとを「(メタ)アクリル」と総称する。
リン酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシイコシルジハイドロジェンホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート、これらのアミン塩が挙げられる。
ホスホン酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−3−ホスホノプロピオネート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシル−3−ホスホノプロピオネート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−ホスホノアセテート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシル−ホスホノアセテート、これらのアミン塩が挙げられる。
ピロリン酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、ピロリン酸ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ピロリン酸ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕、ピロリン酸ビス〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕、ピロリン酸ビス〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕、ピロリン酸ビス〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕、これらのアミン塩が挙げられる。
カルボン酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸;4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシオクチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルオキシカルボニルフタル酸及びこれらの酸無水物;5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ヘキサンジカルボン酸、8−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−オクタンジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、これらのアミン塩が挙げられる。
スルホン酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、これらのアミン塩が挙げられる。
上記の酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の中では、リン酸基、ピロリン酸基又はカルボン酸基含有(メタ)アクリル系単量体が歯科用修復物及び歯質に対してより優れた接着力を発現するので好ましく、特に、リン酸基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましい。その中でも、分子内に主鎖として炭素数が6〜20のアルキル基又はアルキレン基を有する2価のリン酸基含有(メタ)アクリル系単量体がより好ましく、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートなどの分子内に主鎖として炭素数が8〜12のアルキレン基を有する2価のリン酸基含有(メタ)アクリル系単量体が最も好ましい。
酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)は、1種単独を配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の含有量は、少なすぎると、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の配合による効果が得られないおそれがあり、多すぎると、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)が歯科用修復物、及び支台歯に多く残存し、その後に適用する歯科用接着材の硬化性が低下して、接着性が低下するおそれがある。酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、歯科用清掃材の合計100質量部において、0.1〜30質量部の範囲が好ましく、0.5〜20質量部の範囲がより好ましく、1.0〜15質量部の範囲がさらに好ましく、2.0〜8.0質量部の範囲が特に好ましい。
本発明に係る歯科用清掃材は、重合性単量体として、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)以外に、酸性基を含有しないラジカル重合性単量体を含んでいてもよい。酸性基を含有しないラジカル重合性単量体としては、酸性基を含有しないラジカル親水性重合性単量体、酸性基を含有しない疎水性重合性単量体が挙げられる。酸性基を含有しないラジカル親水性重合性単量体とは、25℃における水に対する溶解度が10質量%以上のものを意味し、該溶解度が30質量%以上のものが好ましく、25℃において任意の割合で水に溶解可能なものがより好ましい。酸性基を含有しない疎水性重合性単量体とは、25℃における水に対する溶解度が10質量%未満のものを意味し、例えば、芳香族化合物系の二官能性重合性単量体、脂肪族化合物系の二官能性重合性単量体、三官能性以上の重合性単量体などの架橋性の重合性単量体が例示される。ある好適な実施形態としては、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を含有し、実質的に酸性基を含有しないラジカル重合性単量体を含まない、歯科用清掃材が挙げられる。実質的に酸性基を含有しないラジカル重合性単量体を含まないとは、酸性基を含有しないラジカル重合性単量体の含有量が、歯科用清掃材に含まれる重合性単量体の総量に対して5.0質量%未満であり、好ましくは1.0質量%未満であることを意味する。
次に、本発明で用いられる、水(b)について説明する。
水(b)は、有機アミン化合物(c)、及び酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)を溶解させる溶媒である。また、歯質に対する酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の脱灰作用を促進し、接着性を向上させる。水(b)は、接着性に悪影響を及ぼす不純物を実質的に含有しないものを使用する必要があり、蒸留水又はイオン交換水が好ましい。水(b)の含有量は、歯科用清掃材の合計100質量部において、40〜99.8質量部の範囲が好ましく、50〜99質量部の範囲がより好ましく、60〜98質量部の範囲がさらに好ましい。
本発明に係る歯科用清掃材には、さらに水以外の溶媒を配合してもよい。水以外の溶媒をさらに配合することにより、歯科用清掃材の粘度の調節や有効成分の濃縮による、より効率的な洗浄効果が期待できる場合もある。前記水以外の溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどの有機溶媒;エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、1,2−ペンタジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどのアルコール類;などが挙げられる。前記水(b)以外の溶媒の含有量は、特に限定されないが、歯科用清掃材の合計100質量部において、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。また、前記水(b)以外の溶媒の含有量は、水(b)100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、85質量部以下がより好ましく、60質量部以下であってもよい。
続いて、本発明で用いられる、有機アミン化合物(c)について説明する。
有機アミン化合物(c)は、タンパク質含有体液やタンパク質含有体液由来の物質による汚染に対する洗浄効果及び酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の水に対する溶解性の向上をもたらし、冷蔵保管中の析出物の生成を抑制することができ、性能のばらつきなく、優れた接着強さ及び接着耐久性を歯科用清掃材に付与することができる。また、有機アミン化合物(c)の一部は、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)と反応して塩を形成し、界面活性効果により、タンパク質含有体液による汚染に対する洗浄効果をさらに向上させることができる。さらに、歯科用清掃材が有機アミン化合物(c)を含むことによって、歯科用修復物及び歯質に対して、洗浄後に優れた接着強さ及び接着耐久性をもたらす。前記有機アミン化合物(c)は、第一級有機アミン化合物や第二級有機アミン化合物を含んでいてもよいが、副反応抑制の観点から第三級の有機アミン化合物を含むことが好ましい。有機アミン化合物(c)は、脂肪族であっても芳香族であってもよい。ある実施形態では、有機アミン化合物(c)は、性能のばらつきなく、より優れた接着強さ及び接着耐久性を歯科用清掃材に付与することができることから、水酸基を1個以上有する脂肪族系の第三級の有機アミン化合物、水酸基を1個以上有する芳香族系の第三級の有機アミン化合物を含むことが好ましく、水酸基を2個以上有する脂肪族系の第三級の有機アミン化合物、水酸基を2個以上有する芳香族系の第三級の有機アミン化合物を含むことがより好ましい。
第三級の有機アミン化合物の脂肪族の例としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられ、性能のばらつきなく、接着強さ及び接着耐久性により優れることからトリエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートがより好ましい。
第三級の有機アミン化合物の芳香族の例としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸ブチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸n−ブトキシエチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、性能のばらつきなく、接着強さ及び接着耐久性により優れることから、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンがより好ましい。
有機アミン化合物(c)は、1種単独を配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。有機アミン化合物(c)の含有量は、少なすぎると、有機アミン化合物(c)の配合による効果が得られないおそれがあり、多すぎると、塩基性が強くなって、タンパク質の変性をおこすため、口腔内での安全性が低下するおそれがある。有機アミン化合物(c)の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、歯科用清掃材(溶液又は懸濁液)のpHの観点から、歯科用清掃材の合計100質量部において、0.1〜20質量部の範囲が好ましく、0.2〜10質量部の範囲がより好ましく、0.25〜5質量部の範囲がさらに好ましい。
本発明の歯科用清掃材は、塩基性無機化合物(d)を含有することが好ましい。塩基性無機化合物(d)は、リン酸塩、リン酸水素塩、及びリン酸二水素塩から選択される少なくとも1種の塩基性物質であることが好ましく、少量の配合であってもタンパク質含有体液やタンパク質含有体液由来の物質による汚染に対する洗浄効果をもたらす。また、塩基性無機化合物(d)の一部は、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)と反応して塩を形成し、界面活性効果により、タンパク質含有体液による汚染に対する洗浄効果を向上させることができる。さらに、歯科用清掃材が塩基性無機化合物(d)を含むことによって、歯科用修復物及び歯質に対して、洗浄後に優れた接着強さ及び接着耐久性を有する。塩基性無機化合物(d)としては、例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムなどのリン酸アルカリ金属塩、リン酸水素アルカリ金属塩又はリン酸二水素アルカリ金属塩;リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなどのリン酸アルカリ土類金属塩、リン酸水素アルカリ土類金属塩又はリン酸二水素アルカリ土類金属塩;リン酸三マグネシウム、リン酸水素マグネシウムなどが挙げられ、リン酸アルカリ金属塩、リン酸水素アルカリ金属塩及びリン酸二水素アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。中でもリン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウムがより好ましい。
塩基性無機化合物(d)は、1種単独を配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。塩基性無機化合物(d)の含有量は、少なすぎると、塩基性無機化合物(d)の配合による効果が得られないおそれがあり、多すぎると、塩基性が強くなって、タンパク質の変性をおこすため、口腔内での安全性が低下するおそれがある。また、多すぎると、塩基性無機化合物(d)自体が析出して、操作性が低下し、十分なタンパク質含有体液に対する洗浄効果が得られないおそれがある。塩基性無機化合物(d)の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、歯科用清掃材(溶液又は懸濁液)のpHの観点から、歯科用清掃材の合計100質量部において、0.1〜20質量部の範囲が好ましく、0.2〜10質量部の範囲がより好ましく、0.25〜5質量部の範囲がさらに好ましい。
本発明の歯科用清掃材は、pHが8.0未満であることが好ましい。pHが前記範囲を満たすことにより、洗浄後に優れた接着強さ及び接着耐久性を有し、より安全な歯科用清掃材が得られ、2.0以上8.0未満が好ましく、2.5以上7.5以下がより好ましく、3.0以上6.5以下がさらに好ましく、3.5以上5.5以下が特に好ましい。前記pHは公知の測定装置を用いて測定できる。測定装置としては、例えば、株式会社堀場製作所製「LAQUAtwin」が挙げられる。
本発明の歯科用清掃材は、ゲル化剤(e)を含有することが好ましい。ゲル化剤(e)としては、親水性フィラー(e−1)、疎水性フィラー(e−2)、高分子系増粘剤(e−3)が挙げられる。ゲル化剤(e)は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。本発明のある実施形態では、歯科用清掃材は、ゲル化剤(e)として親水性フィラー(e−1)及び疎水性フィラー(e−2)を含有する。他の実施形態では、歯科用清掃材は、ゲル化剤(e)として高分子系増粘剤(e−3)のみを含有する。さらに他の実施形態では、歯科用清掃材は、親水性フィラー(e−1)、疎水性フィラー(e−2)及び高分子系増粘剤(e−3)を含有する。歯科用清掃材としては、親水性フィラー(e−1)と疎水性フィラー(e−2)及び高分子系増粘剤(e−3)の3種全てを組み合わせたゲル化剤(e)を含有することが好ましい。親水性フィラー(e−1)と疎水性フィラー(e−2)及び高分子系増粘剤(e−3)の併用により歯科用清掃材がゲル化し、歯科用修復物、及び歯面などの支台歯に対する塗りやすさをより向上させることができ、かつ界面活性効果を阻害することなく、タンパク質含有体液やタンパク質含有体液由来の物質を洗浄する効果をもたらす。
親水性フィラー(e−1)とは、粒子の表面が疎水化処理されていないフィラーを意味する。例えば、親水性フィラー(e−1)が、シリカ等の表面にシラノール基を有する粒子である場合、当該表面のシラノール基が未処理の粒子を意味する。疎水性フィラー(e−2)とは、粒子の表面が疎水化処理されているフィラーを意味する。例えば、疎水性フィラー(e−2)が、シリカ等の表面にシラノール基を有する粒子である場合、当該表面のシラノール基がジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、メタクリルシリル、アルキルシリルなどの置換基で疎水化された粒子である。親水性フィラー(e−1)としては、親水性無機フィラーが好ましく、親水性ヒュームドシリカがより好ましい。疎水性フィラー(e−2)としては、疎水性無機フィラーが好ましく、疎水性ヒュームドシリカがより好ましい。本明細書において、親水性フィラー(e−1)及び疎水性フィラー(e−2)の平均粒子径は、特に限定されず、0.0001〜50μmが好ましく、0.001〜10μmがより好ましく、歯科用清掃材の塗布性により優れる点から、0.001〜1.0μmがさらに好ましい。親水性フィラー(e−1)及び疎水性フィラー(e−2)の平均粒子径とは平均一次粒子径であり、レーザー回折散乱法や粒子の電子顕微鏡観察により求められる。具体的には、0.1μm以上の粒子の粒子径測定にはレーザー回折散乱法が、0.1μm未満の超微粒子の粒子径測定には電子顕微鏡観察が簡便である。0.1μmはレーザー回折散乱法により測定した値である。レーザー回折散乱法により求めることができる。レーザー回折散乱法は、具体的に例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2300:株式会社島津製作所製)により、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒に用いて測定することができる。電子顕微鏡観察には、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、SU3800、S−4000等)を使用できる。電子顕微鏡観察は、具体的に例えば、粒子の電子顕微鏡写真を撮り、その写真の単位視野内に観察される粒子(200個以上)の粒子径を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac−View(株式会社マウンテック製))を用いて測定することにより求めることができる。このとき、粒子径は、粒子の最長の長さと最短の長さの算術平均値として求められ、粒子の数とその粒子径より、平均一次粒子径が算出される。
親水性フィラー(e−1)としては、親水性ヒュームドシリカ:日本アエロジル株式会社製の微粒子シリカが挙げられ、AEROSIL(登録商標)90、AEROSIL(登録商標)130、AEROSIL(登録商標)150、AEROSIL(登録商標)200、AEROSIL(登録商標)255、AEROSIL(登録商標)300、AEROSIL(登録商標)380、AEROSIL(登録商標)OX50、AEROSIL(登録商標)TT600、AEROSIL(登録商標)200 F、AEROSIL(登録商標)380 F、AEROSIL(登録商標)200 Pharma、AEROSIL(登録商標)300 Pharmaが挙げられ、AEROSIL(登録商標)130が好ましい。。
疎水性フィラー(e−2)としては、疎水性ヒュームドシリカ:日本アエロジル株式会社製の微粒子シリカが挙げられ、AEROSIL(登録商標)R972、AEROSIL(登録商標)R974、AEROSIL(登録商標)R104、AEROSIL(登録商標)R106、AEROSIL(登録商標)R202 、AEROSIL(登録商標)R208、AEROSIL(登録商標)R805、AEROSIL(登録商標)R812、AEROSIL(登録商標)R812 S、AEROSIL(登録商標)R816、AEROSIL(登録商標)R7200、AEROSIL(登録商標)R8200、AEROSIL(登録商標)R9200、AEROSIL(登録商標)R711、AEROSIL(登録商標)R50 、AEROSIL(登録商標)NY50、AEROSIL(登録商標)NY50 L、AEROSIL(登録商標)NY200、AEROSIL(登録商標)RY200 S、AEROSIL(登録商標)RX50、AEROSIL(登録商標)NY50、AEROSIL(登録商標)RX、AEROSIL(登録商標)RX00、AEROSIL(登録商標)R504、AEROSIL(登録商標)RNX90 S、AEROSIL(登録商標)NX90 G、AEROSIL(登録商標)RY300、AEROSIL(登録商標)REA90、AEROSIL(登録商標)REA200、AEROSIL(登録商標)RY51、AEROSIL(登録商標)NA50 Y、AEROSIL(登録商標)RA200 HS、AEROSIL(登録商標)NA50 H、AEROSIL(登録商標)RA200 HS、AEROSIL(登録商標)NA130 K、AEROSIL(登録商標)NA200 Y、AEROSIL(登録商標)NX130、AEROSIL(登録商標)RY200 L、AEROSIL(登録商標)R709、AEROSIL(登録商標)R976 Sが挙げられ、AEROSIL(登録商標)R972が好ましい。
また、高分子系増粘剤(e−3)とは、粘度を調節するために材料に添加され、分散性、増粘性の向上をもたらす高分子を指し、天然物質であってもよく、合成物質であってもよい。天然物質では、例えばカゼインやメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、合成物質では、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。高分子系増粘剤(e−3)としては市販されているものを使用することができ、ポリエチレングリコール系の増粘剤であるマクロゴール4000(丸石製薬株式会社製)、マクロゴール400(丸石製薬株式会社製)や、ポリビニルピロリドン(株式会社IPSコーポレーション製)が挙げられ、なかでも、マクロゴール4000(丸石製薬株式会社製)が好ましい。
前記親水性フィラー(e−1)が親水性ヒュームドシリカであって、かつ前記疎水性フィラー(e−2)が疎水性ヒュームドシリカであることが好ましい。また、歯科用清掃材に含まれるゲル成分と液体成分の分離抑制の観点から、前記親水性フィラー(e−1)と前記疎水性フィラー(e−2)の質量比が4:6〜2:8の範囲であることが好ましく、4.3:5.7〜2.2:7.8範囲がより好ましい。さらに、高分子系増粘剤(e−3)に関しては、歯科用清掃材に含まれるゲル成分と液体成分の分離抑制の観点から、歯科用清掃材の合計100質量部に対して、1〜25質量部の範囲が好ましく、4〜20質量部の範囲がより好ましく、8〜17質量部がさらに好ましい。
この他、本発明の歯科用清掃材には、本発明の効果を阻害しない範囲で、フッ素イオン放出性物質、pH調整剤、重合禁止剤(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ))、着色剤、蛍光剤、香料などを配合してもよい。また、セチルピリジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド、トリクロサンなどの抗菌性物質を配合してもよい。
本発明の歯科用清掃材の製造方法は、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を混合する工程を含むことを特徴とする。混合方法や混合に用いる装置は本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)の水(b)への溶解性が低い場合には、有機アミン化合物(c)を水(b)に混合した後、酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)を混合させる方法、または有機アミン化合物(c)を酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)に混合した後、水(b)を混合する方法が好ましい。なお、歯科用清掃材が前述の(a)〜(c)成分以外の他の成分を含む場合には、(a)〜(c)成分と該他の成分を併せて同時に混合してもよく、(a)〜(c)成分を混合する工程とは別に該成分を混合する工程を組み合わせてもよい。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的思想の範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。以下で用いる略記号は次の通りである。
〔酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)〕
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
〔有機アミン化合物(c)〕
TTA:トリエタノールアミン
DEPT:N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
DMAEMA:2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
〔ゲル化剤(e)〕
(e−1):親水性ヒュームドシリカ:日本アエロジル株式会社製の微粒子シリカ「AEROSIL(登録商標)130」(平均粒子径:16nm)
(e−2):疎水性ヒュームドシリカ:日本アエロジル株式会社製の微粒子シリカ「AEROSIL(登録商標)R972」(平均粒子径:16nm)
(e−3):ポリビニルピロリドン(株式会社IPSコーポレーション製)、マクロゴール4000(丸石製薬株式会社製)
[実施例1〜9及び比較例1〜7]
実施例及び比較例として、歯科用清掃材を以下のように調製した。
[歯科用清掃材の調製]
下記表3及び4に記載の各成分を、表3及び4に記載の質量比で常温下において混合して歯科用清掃材を作製した。得られた歯科用清掃材は、「ティースメイト(登録商標)ディセンシタイザー 液剤」(クラレノリタケデンタル株式会社製)の容器に充填して用いた。
[pH測定]
調製した歯科用清掃材のpHを、pHメーター(株式会社堀場製作所製「LAQUAtwin」)を用いて測定した。
[冷蔵保存中の析出物の生成の有無の検証]
歯科用清掃材を440mLの容器に充填し、4℃の冷蔵庫に1週間保存した際の析出物の生成の有無を目視で確認し、析出物が全く生成しないものを「○」、析出物が生成したものを「×」と評価した。
[カビなどの繁殖を防ぐ防腐性の有無の検証]
第十七改正日本薬局方 参考情報「保存効力試験法」に従い保存効力試験を行い、歯科用清掃材の防腐性を評価した。試験菌液は下記表1の試験菌株を前記保存効力試験法の培養条件に従って培養し調製した。歯科用清掃材に試験菌液を添加し2週間後に生菌数を測定した。初期の生菌数は1mLあたり105CPU以上であり、2週間後に5種全ての生菌数が10CPU未満であるものを「○」、5種全ての生菌数が105CPU未満であって、少なくとも1種の生菌数が10CPU以上105CPU未満であるものを「△」、少なくとも1種の生菌数が105CPU以上であるものを「×」とした。
Figure 2020083872
[人工唾液の調製]
下記表2に記載の各成分を、表2に記載の組成で常温下において混合して人工唾液を作製した。
Figure 2020083872
[洗浄操作後のジルコニアに対する接着耐久性試験]
CAD/CAMシステム用のジルコニアディスク(商品名:「カタナ(登録商標) ジルコニア」HT、クラレノリタケデンタル株式会社製)から作製した円柱状(内径12mm×高さ5mm)のジルコニア焼結体(1500℃で2時間焼成したもの)を#1000シリコンカーバイド紙(日本研紙株式会社製)で研磨して、平坦面を露出させたサンプルを得た。得られたサンプルを超音波洗浄機(ヤマト科学株式会社製)で5分間洗浄後、表面の水をエアブローすることで乾燥した。このジルコニア焼結体を人工唾液に1分間浸漬し、次いで、エアブローで乾燥した後、調製した歯科用清掃材を塗布して10秒間擦り洗浄を実施し、水洗した。次いで、エアブローすることで乾燥した後、直径5mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、接着面積を規定し、被着体処理面とした。
得られた被着体処理面の上に、歯科用レジンセメント(クラレノリタケデンタル株式会社製、商品名「SA セメント プラス オートミックス(登録商標)」)を、ミキシングチップを用いて載置し、ステンレス製円柱棒(直径7mm、長さ2.5cm)の一方の端面(円形断面)を接着し、60分間静置した。ステンレス製円柱棒の周囲からはみ出た余剰の歯科用レジンセメントを除去した後、蒸留水に浸漬した。蒸留水に浸漬したサンプルを、37℃に保持した恒温器内に24時間静置した後に、70℃に保持した恒温器内7日間静置して、接着試験供試サンプルとした。接着試験供試サンプルは全部で5個作製した。
上記5個の接着試験供試サンプルの引張接着強さを、万能試験機(株式会社島津製作所製)にてクロスヘッドスピードを2mm/分に設定して測定した。引張接着強さの平均値を接着耐久性とし、引張接着強さのばらつきの値(SD)を算出した。接着耐久性としては16MPa以上が好ましく、18MPa以上がより好ましく、20MPa以上がさらに好ましい。引張接着強さのばらつきの値(SD)は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。
[ジルコニアに対する洗浄効果試験]
CAD/CAMシステム用のジルコニアディスク(商品名:カタナ(登録商標)ジルコニアHT、クラレノリタケデンタル株式会社製)から作製した円柱状(内径12mm×高さ5mm)のジルコニア焼結体(1500℃で2時間焼成したもの)を、ラッピングフィルムシート(株式会社スリーエム製、粒度1ミクロン)で研磨し、平坦面を露出させたサンプルを得た。得られたサンプルを超音波洗浄機(ヤマト科学株式会社製)で5分間洗浄後、表面の水をエアブローすることで乾燥した。このサンプルを人工唾液に1分間浸漬し、次いでエアブローすることで乾燥した。その後、歯科用清掃材を塗布して10秒間擦り洗浄を実施し水洗した。なお、この歯科用清掃材は4℃の冷蔵庫に1週間保存し析出物が生成した場合には生成したまま洗浄に用いた。次いで、エアブローすることで乾燥後、走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「SU3500」)を用いて、倍率1000倍で洗浄効果を観察し、下記の基準に基づいて評価した。
○:洗浄後に付着物なし
×:洗浄後に付着物あり
Figure 2020083872
Figure 2020083872
表3に示すように、本発明に係る歯科用清掃材は、洗浄後のジルコニアに対して、歯科用セメントを適用し接着耐久性を検証したところ、20MPa以上の優れた接着耐久性が得られたことから、タンパク質含有体液による汚染に対して優れた洗浄効果を示すことが分かる。また、冷蔵保存下での析出物の生成は認められなかった。また、4℃の冷蔵庫に1週間保存した歯科用清掃材を用いて洗浄したジルコニア表面について、走査電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、優れた洗浄効果を有することが確認された。これに対して、表4に示すように、比較例では、タンパク質含有体液による汚染に対する洗浄効果が低いため接着耐久性が得られず、洗浄後のジルコニアに対する歯科用セメントの接着耐久性が15MPa以下であるとともに、冷蔵保存下において析出物の生成が認められた。
また、表3に示すように、実施例5、7、8、9において、防腐性が付与され生菌数の増加を抑制し、「〇」の評価結果となった。有機アミン化合物(c)は1種を単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合した際も防腐性を示すことが認められた。また塩基性無機化合物(d)を含有してもよく、防腐性を示すことが認められた。
本発明に係る歯科用清掃材は、歯科用修復物、及び支台歯の清掃などに用いることができる。

Claims (12)

  1. 酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を含有する、歯科用清掃材。
  2. pHが8.0未満である、請求項1に記載の歯科用清掃材。
  3. 前記酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)が、リン酸基含有(メタ)アクリル系単量体、ピロリン酸基含有(メタ)アクリル系単量体、及びカルボン酸基含有(メタ)アクリル系単量体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の歯科用清掃材。
  4. 前記有機アミン化合物(c)が第三級の有機アミン化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用清掃材。
  5. さらに塩基性無機化合物(d)を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用清掃材。
  6. 前記塩基性無機化合物(d)がリン酸塩、リン酸水素塩、及びリン酸二水素塩からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性物質である、請求項5に記載の歯科用清掃材。
  7. 前記塩基性無機化合物(d)が、リン酸アルカリ金属塩、リン酸水素アルカリ金属塩、及びリン酸二水素アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5又は6に記載の歯科用清掃材。
  8. さらに親水性フィラー(e−1)、疎水性フィラー(e−2)、及び高分子系増粘剤(e−3)からなる群から選択される少なくとも1種のゲル化剤(e)を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の歯科用清掃材。
  9. 前記ゲル化剤(e)が親水性フィラー(e−1)及び疎水性フィラー(e−2)である、請求項8に記載の歯科用清掃材。
  10. 前記親水性フィラー(e−1)が親水性ヒュームドシリカであって、かつ前記疎水性フィラー(e−2)が疎水性ヒュームドシリカである、請求項9に記載の歯科用清掃材。
  11. 前記親水性フィラー(e−1)と前記疎水性フィラー(e−2)の質量比が4:6〜2:8の範囲である、請求項9又は10に記載の歯科用清掃材。
  12. 酸性基含有ラジカル重合性単量体(a)、水(b)、及び有機アミン化合物(c)を混合する工程を含む、歯科用清掃材の製造方法。
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