JP2020083521A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シワの発生を抑制しつつ、ユーザの利便性を向上させる。【解決手段】状態検知手段は、離間機構が第1ローラ対を離間可能な状態にあるか否かを検知する。幅検知手段は、シート支持手段に支持されているシートのシート位置を規制する規制部材の間隔を検知する。離間機構が第1ローラ対を離間可能な状態にある場合(S102:N)、規制部材の間隔が第1の範囲(S104,S109)にあるときに搬送動作を実行する。離間機構が第1ローラ対を離間可能な状態にない場合(S102:Y)、規制部材の間隔が第1の範囲より狭い第2の範囲にあるときに搬送動作を実行し、第1の範囲の内側かつ第2の範囲の外側にあるときは搬送動作を実行しない(S103,S109)。【選択図】図13

Description

本発明は、シートを搬送するシート搬送装置及びシートに画像を形成する画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に搭載されるシート搬送装置には、停止状態のレジストレーションローラ対にシートの先端を突き当ててシートを撓ませることでシートの斜行を補正する技術が広く用いられている。このような構成において、レジストレーションローラ対と、レジストレーションローラ対より上流でシートを挟持する搬送ローラ対との間で、斜行補正に伴ってシートがよじれた状態となることがある。この状態でレジストレーションローラ対が回転を開始すると、シートのよじれた部分がローラ対に挟まれることでシートにシワが発生する場合がある。
特許文献1には、用紙の先端をレジストレーションローラ対に突き当てて斜行補正し、レジストレーションローラ対の回転が開始した後に、レジストレーションローラ対の上流に配置された搬送ローラ対を一時的に離間させることが記載されている。搬送ローラ対を離間及び当接させる動作は、ソレノイドによって行われている。この文献によると、搬送ローラ対のグリップが解除されることで、斜行補正によって生じる用紙のゆがみが解消されるため、シワの発生が低減される。
特開平11−79474号公報
一般的に、シートの搬送に関わる搬送ローラ対を当接及び離間させる機構に何らかの理由で異常が発生したことを検知した場合、シートの搬送を停止するように設定されている場合が多い。しかしながら、例えば上記文献のソレノイドに異常が発生して搬送ローラ対を離間させることができない場合であっても、用紙の斜行が小さければ、シワを発生させることなくシートを搬送することができると考えられる。従って、異常を検知した場合は常にシートの搬送を行わないことにすると、検知された異常への対処としては過度に装置の使用を制限してしまい、結果としてユーザの利便性を低下させている可能性があった。
そこで、本発明は、シワの発生を抑制しつつ、ユーザの利便性を向上可能なシート搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シートを支持するシート支持手段と、前記シート支持手段から給送されるシートを挟持してシート搬送方向に搬送する第1ローラ対と、前記第1ローラ対を離間させる離間機構と、前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にあるか否かを検知する状態検知手段と、前記シート支持手段に支持されているシートの幅方向の両端部に当接し、前記幅方向におけるシート位置を規制する規制部材と、前記幅方向における前記規制部材の間隔を検知する幅検知手段と、前記シート支持手段から前記第1ローラ対を介してシートを搬送させる搬送動作を実行可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にあることを前記状態検知手段が検知した場合、前記幅検知手段により検知された前記規制部材の間隔が第1の範囲にあるときに前記搬送動作を実行し、前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にないことを前記状態検知手段が検知した場合、前記幅検知手段により検知された前記規制部材の間隔が前記第1の範囲より狭い第2の範囲にあるときに前記搬送動作を実行し、前記第1の範囲の内側かつ前記第2の範囲の外側にあるときは前記搬送動作を実行しない、ことを特徴とするシート搬送装置である。
本発明によれば、シワの発生を抑制しつつ、ユーザの利便性を向上可能である。
本開示の実施例に係る画像形成装置の概略図。 本実施例に係る画像形成装置の制御系を示すブロック図。 本実施例に係るレジ前ローラ対が当接した状態を表す模式図。 本実施例に係るレジ前ローラ対が離間した状態を表す模式図。 本実施例に係るレジ前ローラ対が当接した状態に対応する、レジ前ローラ対の駆動機構を示す斜視図。 本実施例に係るレジ前ローラ対が離間した状態に対応する、レジ前ローラ対の駆動機構を示す斜視図。 本実施例に係るレジ前ローラ対を回転させる際の駆動機構の模式図。 本実施例に係るレジ前ローラ対の離間動作を行う際の駆動機構の模式図。 本実施例に係るマルチトレイを上方から見た模式図。 本実施例におけるガイド幅の算出方法を説明するためのグラフ。 本実施例に係るマルチトレイにおけるシートとシート幅ガイドとの位置関係を示す模式図(a、b)。 シートのよじれについて説明するための模式図。 本実施例に係る画像形成装置の制御方法を表すフローチャート。 本実施例に係る操作部に表示される警告画面の例を示す画像図。
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施例に係る画像形成装置100の概略図である。画像形成装置100は、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録媒体として用いられるシートに画像を形成する。記録媒体として用いられるシートには、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルム、並びに布が含まれる。
画像形成装置100は、画像形成部150を収容する装置本体100Aと、装置本体100Aの上方に配置され原稿から画像情報を読取る画像読取装置300と、を備える。画像形成手段の一例である画像形成部150は、4つの画像形成ステーションPY,PM,PC,PK及び中間転写ベルト155と、定着器160とを含む、中間転写方式の電子写真ユニットである。
各画像形成ステーションPY〜PKは、電子写真プロセスを実行して感光ドラム151の表面にトナー像を形成する。即ち、画像形成ステーションPY〜PKに対してトナー像の形成が要求されると、感光体である感光ドラム151が回転駆動され、帯電装置が感光ドラム151の表面を一様に帯電させる。装置本体100Aの下部に設けられた露光装置152は、画像情報に基づくレーザ光を感光ドラム151に照射してドラム表面を露光し、感光ドラム151に静電潜像を書き込む。現像装置153は、感光ドラム151に帯電したトナー粒子を供給し、ドラム表面の静電潜像をトナー像として現像する。画像形成ステーションPY〜PKによって形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ154により、感光ドラム151から中間転写ベルト155に一次転写される。感光ドラム151に残留したトナー等の付着物は、各画像形成ステーションPY〜PKに設けられたクリーニング装置によって除去される。
中間転写体である中間転写ベルト155は、二次転写内ローラ156、テンションローラ157、及び張架ローラ158に巻き回されており、図中反時計回り方向に回転駆動される。中間転写ベルト155に担持されたトナー像は、二次転写内ローラ156に対向する二次転写ローラ159と中間転写ベルト155との間に形成される二次転写部においてシートSに二次転写される。中間転写ベルト155に残留したトナー等の付着物は、ベルトクリーニング装置によって除去される。
トナー像を転写されたシートSは、定着器160へ受け渡される。本実施例の定着手段である定着器160は、シートSを搬送する回転体としての定着ローラと、定着ローラと共にシートを挟持する加圧ローラと、定着ローラを加熱する熱源(例えば、ハロゲンヒータ)とを有する。定着器160は、シートSを搬送しながらトナー像に熱及び圧力を付与することによりトナーを溶融させ、その後トナーが固着することで、シートSに画像が定着する。
このような画像形成プロセスに並行して、カセット給送部110又はマルチ給送部115から画像形成部150へ向けてシートSが1枚ずつ給送される。カセット給送部110は、シート支持手段としての給送カセット111と、給送カセット111からシートSを給送する給送ユニット112とを含む。また、マルチ給送部115は、シート支持手段の他の例であるマルチトレイ116と、マルチトレイ116にセットされたシートSを給送する給送ユニット117とを含む。給送ユニット112,117は、シートSを送り出す給送ローラ112a,117aと、給送ローラ112a,117aによって搬送されるシートSを他のシートから分離する分離ローラ112b,117bとを含む。なお、給送ユニット112,117はシートSを給送するシート給送手段の一例であり、分離パッド方式やエア給送方式等の他の機構に置き換えてもよい。また、マルチトレイ116は、一般に多目的トレイ又は手差しトレイとも呼ばれる。
給送ユニット112,117によって給送されるシートSは、引抜ローラ対113,119を介して斜行補正部130に搬送される。本実施例の斜行補正部130は、レジストレーション前ローラ対(以下、レジ前ローラ対とする)121及びレジストレーションローラ対(以下、レジローラ対とする)131によって構成される。詳しくは後述するように、斜行補正部130は、シートSの斜行を補正し、画像形成部150による画像形成プロセスの進捗に合わせたタイミングでシートSを二次転写部に送り込む。
二次転写部及び定着器160を通過することで画像を形成されたシートSは、シート排出部170において排出パス172を介して排出ローラ対171へ搬送される。片面印刷の場合、排出ローラ対171によってシートSは装置本体100Aと画像読取装置300との間に設けられた排出トレイ180へと排出される。両面印刷の場合、第1面に画像形成されたシートSは排出ローラ対171によって反転搬送(スイッチバック搬送)されて両面搬送部190に受け渡され、搬送ローラ対193,193により両面パス192を介して搬送される。そして、再び斜行補正部130に到達したシートSは、画像形成部150によって第2面に画像を形成された後、排出ローラ対171によって排出トレイ180に排出される。
以上の説明において、画像形成部150は画像形成手段の一例であり、直接転写方式の電子写真ユニットや、インクジェット方式又はオフセット印刷方式の画像形成ユニットを用いてもよい。
(制御系)
図2は画像形成装置100の制御系を示すブロック図である。画像形成装置100の装置本体には、本実施例の制御手段である制御装置200が搭載されている。制御装置200は、中央処理装置(CPU)201を含む少なくとも1つのプロセッサと、読み出し専用メモリ(ROM)202を含む非一過性の記憶部と、ランダムアクセスメモリ(RAM)203とを含む一過性の記憶部とを含む。CPU201は、ROM202等に格納されたプログラムを読み出して実行し、画像形成装置全体の動作を制御する。例えば、CPU201は画像形成部150及び定着器160に指令信号を送ることで、画像形成部150におけるトナー像の形成プロセスや定着器160の温度制御等を行う。ROM202及びRAM203等の記憶部は、プログラム及びデータの保管場所となると共にCPU201がプログラムを実行する際の作業スペースとなる。
CPU201は、レジローラ対131を回転させるレジ駆動モータ133、レジ前ローラ対121を回転させるレジ前駆動モータ145、及び引抜ローラ対119を回転させる引抜駆動モータ120をそれぞれ駆動するモータ駆動回路204に駆動信号を送る。レジ駆動モータ133はレジローラ対131の駆動ローラであるレジ駆動ローラ131aに連結され、レジ前駆動モータ145はレジ前ローラ対121の駆動ローラであるレジ前駆動ローラ121aに連結されている。また、引抜駆動モータ120は引抜ローラ対119の駆動ローラである引抜駆動ローラ119aに連結されている。
駆動信号を受け取ったモータ駆動回路204は各モータに電流を供給し、各モータを回転させる。なお、後述するように、レジ前駆動モータ145はレジ前ローラ対121の離間機構140を作動させる駆動源を兼ねており、第1方向及びその反対の第2方向に回転可能である。CPU201は、レジ前駆動モータ145に関しては回転速度を指定するだけでなく回転方向も指定する駆動信号を送り、モータ駆動回路204は指定された回転方向にレジ前駆動モータ145を回転させる。
センサ出力検知回路205は、本実施例に係るシート搬送動作の制御に用いられる各種のセンサ(129,132,134)の出力信号を検知する。例えばセンサとして発光素子及び受光素子を有する光電センサを用いる場合において、受光量が閾値以上であることをセンサの出力信号が表している場合、センサ出力検知回路205はハイレベルの信号(ON信号)を出力する。一方、受光量が閾値未満であることをセンサの出力信号が表している場合、センサ出力検知回路205はローレベルの信号(OFF信号)を出力する。ここではセンサ出力検知回路205が2値信号を出力する場合を例示したが、センサの出力信号に応じた多値信号を出力するようにしてもよい。以下、センサの出力信号に応じてセンサ出力検知回路205から出力される信号を、各センサの検知結果として扱う。
離間センサ129は、離間機構140の状態を検知する本実施例の状態検知手段である。離間センサ129は、レジ前ローラ対121が離間状態にある場合にONとなり、レジ前ローラ対121が当接状態にある場合にOFFとなるように構成される。レジストレーションセンサ(以下、レジセンサとする)132は、レジローラ対131へのシートの到達を検知するセンサであり、検知位置におけるシートの存在を検知するとONとなり、シートを検知していない場合にOFFとなる。
マルチサイズセンサ134は、シート支持手段に支持されているシートのサイズに関する情報を取得可能なセンサの一例である。本実施例の幅検知手段であるマルチサイズセンサ134は、マルチトレイ116(図1)に配置される一対のシート幅ガイドの、シートの幅方向における間隔を検知する。CPU201は、マルチサイズセンサ134の検知結果に基づいて、マルチトレイ116に支持されているシートの幅を認識することができる。
また、制御装置200は、画像形成装置100のユーザインタフェースとなる操作部301に接続されている。操作部301は、ユーザに情報を表示する表示手段としてのディスプレイ装置を備える。制御装置200は、操作部301に指令信号を送り、ユーザに報知するための情報を含む画像をディスプレイ装置に表示させる。また、操作部301は、ユーザの入力操作を受け付ける物理キー及びディスプレイ装置のタッチパネル機能を備え、画像形成装置100に対して設定情報や動作指示を入力可能な入力手段としても機能する。操作部301に対して入力された情報(シートの属性情報、印刷条件の設定情報、画像形成動作の開始を指示する指令等)は、制御装置200へと送信される。
(斜行補正部)
次に、本実施例に係る斜行補正部130の構成及び動作について説明する。図3及び図4は斜行補正部130の概略図であり、図3はレジ前ローラ対121の当接状態に、図4はレジ前ローラ対121の離間状態に対応する。
図3及び図4に示すように、斜行補正部130は、レジローラ対131と、その上流に配置されたレジ前ローラ対121と、を含む。また、マルチ給送部115から給送されるシートSの場合、レジ前ローラ対121のさらに上流に引抜ローラ対119が配置されている。以下、引抜ローラ対119からレジ前ローラ対121を経由してレジローラ対131を通るシートSの搬送経路に沿った方向をシート搬送方向とする。レジ前ローラ対121は本実施例の第1ローラ対であり、レジローラ対131は本実施例の第2ローラ対である。また、引抜ローラ対119は本実施例の上流ローラ対である。
引抜ローラ対119は、引抜駆動ローラ119a及びこれに従動回転する引抜従動ローラ119bからなり、マルチ給送部115の給送ユニット117(図1)から受け取ったシートを挟持して搬送する。レジ前ローラ対121は、レジ前駆動ローラ121a及びこれに従動回転するレジ前従動ローラ121bからなり、引抜ローラ対119から受け取ったシートを挟持して搬送する。また、後述する離間機構140により、レジ前ローラ対121は、レジ前駆動ローラ121aとレジ前従動ローラ121bとが当接してニップ部を形成している当接状態と、ニップ部が開放された離間状態とを切換可能である。レジローラ対131は、レジ駆動ローラ131a及びレジ従動ローラ131bからなり、シートSを挟持して二次転写部へ向けて搬送する。
また、斜行補正部130には、レジ前ローラ対121とレジローラ対131の間の検知位置でシートSを検知可能なセンサであるレジセンサ132が配置されている。レジセンサ132としては、シート搬送路に光を照射してシートSからの反射光を検知可能な反射型の光電センサや、シート搬送路に突出するフラグの回動を検知する透過型の光電センサを用いることができる。
シート搬送動作において、レジ前ローラ対121から送り出されるシートの先端(又は、引抜ローラ対119から送り出されて離間状態のレジ前ローラ対121を通過したシートの先端)は、停止状態のレジローラ対131に突き当てられる。これにより、シート搬送方向に直交するシートの幅方向から見てシートSが撓んだ形状となり(ループを形成する)、シート先端がレジローラ対131のニップ部に倣うようにして斜行が補正される。
図3に示すように、斜行補正部130のシート搬送路を形成する搬送ガイド126は、シートSの一方の面に対向する第1ガイド126aと、シートSの他方の面に対向する第2ガイド126bとを備えている。搬送ガイド126は、レジ前ローラ対121とレジローラ対131との間でシートSがループL1を形成することを許容するループ空間を形成している。言い換えると、第1ガイド126aは、シートの幅方向から見てレジ前ローラ対121のニップ部とレジローラ対131のニップ部とを結ぶ線分から遠ざかるように膨らんだ形状を有し、湾曲したシートの外側に位置するように配置されている。
ところで、記録媒体として用いられるシートの多様化に伴い、画像形成装置に用いられるシート搬送装置は様々なサイズのシートを安定して搬送可能であることが求められている。具体的には、小さなシート(例えば、はがき)が上流側の搬送ローラ対から下流側の搬送ローラ対に確実に受け渡されるように、シート搬送方向における搬送ローラ対同士の間隔を狭く設定する場合がある。本実施例の場合、シート搬送方向における引抜ローラ対119とレジ前ローラ対121、並びにレジ前ローラ対121とレジローラ対131の間隔は、いずれも画像形成装置100がサポートする最小のシートより短くなるように構成されている。
しかしながら、このようにレジ前ローラ対121とレジローラ対131の間隔が狭まる構成では、レジローラ対131がシートSの搬送を開始する際にシートSのシワが発生する可能性に注意する必要がある。即ち、レジローラ対131が回転を開始する前の状態では、シート先端が停止状態のレジローラ対131に突き当てられてループを形成している。図12に示すように、ループ形成前にシートが斜行していた場合、レジローラ対131に突き当てられたシートSには幅方向に関して非対称なループが形成される。このようなシートのよじれが生じている状態でレジローラ対131が回転を開始すると、非対称に変形している部分がレジローラ対131に挟み込まれることでシートSにシワが生じることがあった。
シートのよじれに起因するシワは、坪量が小さい薄紙等、剛性の低い(コシの弱い)シートを搬送する場合に生じやすい。また、シート搬送方向におけるシートの長さが大きい程、シワの発生率が高くなる傾向がある。これは、斜行補正前のシートに斜行がある場合、レジ前ローラ対121によって挟持されている部分のシートの位置が、レジ前ローラ対121の回転に伴って幅方向に(図12の場合、図中左側に)徐々にずれていくためである。レジローラ対131におけるシート位置とレジ前ローラ対121におけるシート位置のずれがシートの搬送に伴って大きくなる結果、シートのよじれも大きくなってシワが発生しやすくなる。
そこで、本実施例では、レジ前ローラ対121を必要に応じて離間させることで、レジローラ対131がシートSの搬送を開始する際のシワの発生を低減する。そのため、斜行補正部130にはレジ前ローラ対121を当接状態(図3)と離間状態(図4)とに切替える離間機構140が設けられている。
図3及び図4に示すように、離間機構140は、離間軸141を中心に揺動する離間アーム142を有し、離間アーム142がレジ前従動ローラ121bのローラ軸を移動させることでレジ前ローラ対121を当接及び離間させる。なお、レジ前従動ローラ121bのローラ軸と、画像形成装置100の枠体に対して固定された板金144との間には弾性部材である加圧バネ143が設けられ、レジ前従動ローラ121bをレジ前駆動ローラ121aに圧接するように付勢している。
図5及び図6は離間機構140の詳細を示す斜視図であり、図5がレジ前ローラ対121の当接状態、図6がレジ前ローラ対121の離間状態に対応する。図5及び図6に示すように、離間機構140は、離間軸141及び離間アーム142に加えて、離間ギヤ146、離間伝達軸148、カム149、レバー127、姿勢決めバネ128及び離間センサ129を含んでいる。
離間ギヤ146及びカム149は離間伝達軸148に支持され、レジ前駆動モータ145の駆動力によって一体的に回転する。カム部材であるカム149は、離間軸141に設けられたレバー127を押圧することで、離間軸141を回動させる。離間軸141に接続される姿勢決めバネ128は、レバー127をカム149に押し付けるように離間軸141を付勢している。離間軸141に取付けられた離間アーム142は、レバー127の移動に伴って揺動し、レジ前従動ローラ121bの回転軸121dをレジ前駆動ローラ121aに対して接近及び離間する方向に移動させる。これにより、カム149がレバー127を押圧するとき(図6)、加圧バネ143の付勢力に抗して離間アーム142が回転軸121dを移動させてレジ前ローラ対121が離間する(図4)。一方、カム149によるレバー127の押圧が解除されると(図5)、加圧バネ143の付勢力によってレジ前ローラ対121は当接状態となる(図3)。
離間センサ129は、離間軸141に設けられたフラグ部141aを検知可能な透過型の光電センサである。フラグ部141aは、離間軸141がレジ前ローラ対121の当接状態に対応する角度と離間状態に対応する角度との間で回動する間に離間センサ129の検知信号が変化するように配置されている。なお、離間センサ129はレジ前ローラ対121が当接しているか離間しているかを検知可能なセンサの一例であり、例えばレジ前従動ローラ121bの回転軸121dの位置を検知する構成に置き換えてもよい。
図7及び図8に示すように、レジ前駆動モータ145の出力ギヤ145aは、上記離間ギヤ146と、レジ前駆動ローラ121aの駆動軸121cに取付けられたレジ前駆動ギヤ147との両方に噛合っている。以下、レジ前駆動モータ145の回転方向を、出力軸が突出している方向から視て時計回りの方向をCW方向と表し、その反対である反時計回りの方向をCCW方向と表す。CW方向は本実施例の第1方向であり、CCW方向は本実施例の第2方向である。レジ前駆動ギヤ147には、出力ギヤ145aがCW方向に回転するときに駆動軸121cに駆動力を伝達し、出力ギヤ145aがCCW方向に回転するときは空転するワンウェイクラッチ機構が設けられている。また、離間ギヤ146には、出力ギヤ145aがCCW方向に回転するときに離間伝達軸148に駆動力を伝達し、出力ギヤがCW方向に回転するときは空転するワンウェイクラッチ機構が設けられている。
図7に示すようにレジ前駆動モータ145がCW方向(第1方向)に回転する場合、レジ前駆動ギヤ147を介して駆動軸121cに駆動力が伝達され、レジ前ローラ対121が回転する。このとき、離間伝達軸148には駆動力が伝達されず、離間機構140は作動しないため、レジ前ローラ対121は当接状態又は離間状態が維持される。
一方、図8に示すようにレジ前駆動モータ145がCCW方向(第2方向)に回転する場合、離間ギヤ146を介して離間伝達軸148に駆動力が伝達され、離間機構140によってレジ前ローラ対121の当接状態と離間状態とが切換わる。このとき、駆動軸121cには駆動力が伝達されず、レジ前ローラ対121は駆動されていない状態となる。このように、本実施例に係るレジ前ローラ対121の駆動構成は、駆動モータであるレジ前駆動モータ145の回転方向を切換えることで、レジ前ローラ対121の回転駆動と離間機構140の駆動とを切換可能である。
次に、レジ前ローラ対121が当接している状態及び離間している状態における、斜行補正部130でのシートの挙動について、図3及び図4を用いて説明する。
レジ前ローラ対121が当接状態にある場合、図3に示すように、引抜ローラ対119によって搬送されてきたシートSは、当接状態のレジ前ローラ対121によって挟持されて搬送される。そして、シートSの前端が停止状態のレジローラ対131のニップ部に当接した後、レジ前ローラ対121が所定量回転することで、レジ前ローラ対121とレジローラ対131との間でシートSのループL1が形成される。
一方、レジ前ローラ対121が離間状態にある場合、図4に示すように、引抜ローラ対119とレジローラ対131との間でシートSのループL2が形成される。ただし、本実施例では、レジ前ローラ対121を予め離間させた状態で引抜ローラ対119によりループL2を形成する場合と、レジ前ローラ対121が当接している状態でループを形成させた後、レジ前ローラ対121を離間させる場合の両方が存在する。図4に示す状態では、レジ前ローラ対121が当接状態にある場合に比べて、シートSを挟持しているローラ対の間隔が広がる。そして、第1ガイド126a及び第2ガイド126bの間のループ空間だけでなく、引抜ローラ対119とレジ前ローラ対121の間のシート搬送路もシートのループL2を許容する空間として利用される。このため、レジ前ローラ対121が当接状態である場合に比べて、図12に示すようなシートSのよじれは緩和される。
ここで、シート搬送路を構成する搬送ガイド126の形状は、レジ前ローラ対121の上流側においてシートSの下面を支持して下方への垂れ下がりを抑制可能となるように設定されている。具体的には、幅方向から視てレジ前ローラ対121のニップ部を通る接線T1が、レジ前ローラ対121の上流側で、搬送ガイド126の下側ガイド面126uに交差するように配置される。また、レジ前ローラ対121の上流側におけるシート搬送路の幅(シート厚さ方向の間隔)の最大値は、レジ前ローラ対121とレジローラ対131の間のシート搬送路の最大幅、つまりループ空間の幅より小さく設定されている。
仮に、離間状態のレジ前ローラ対121と引抜ローラ対119の間でシートSが大きく垂れ下がるような構成の場合、引抜ローラ対119がシートを送り出す力の一部が垂れ下がった部分の撓みとして吸収されてしまう。この場合、シートSの前端をレジローラ対131のニップ部に押し当てる力が不足し、斜行補正機能が低下する可能性がある。一方、本実施例では下側ガイド面126uによってシートSの下側の面が支持された状態でシートSの突き当てが行われるため、斜行補正機能を確保しつつシートSのよじれを緩和することができる。
(シート及びガイドの隙間とシートの斜行)
次に、シート幅ガイド118の位置の検知方法及びこれに基づくレジ前ローラ対121の離間動作について説明する。図9は、マルチトレイ116の上面図である。シート幅ガイド118,118は、シートの幅方向(シート給送方向に直交する方向)に移動し、シートの幅方向の両端部に当接することでシート位置を規制可能な一対の規制部材である。シート幅ガイド118,118は、それぞれトレイ内部に配置されているスライドバー118a,118aに対して固定され、スライドバー118a,118aはピニオンギヤ118bを介して連結されている。従って、左右のシート幅ガイド118,118は、幅方向に関して対称な位置を保つように連動する。
上述のマルチサイズセンサ134(図2)は、ピニオンギヤ118bの軸に取り付けられた可変抵抗を有する。この可変抵抗は、軸の回転角度によって、つまり幅方向におけるシート幅ガイド118,118の間隔(以下、ガイド幅とする)に応じて抵抗値が変化するように構成されている。
図10は、制御装置200がマルチサイズセンサ134の検出値からガイド幅を算出するための、検出値Hとガイド幅Wとの対応関係を表すグラフである。本実施例のマルチサイズセンサ134は、検出値Hとガイド幅Wとが比例関係となるように構成されているため、検出値Hに予め用意されている係数を乗算することでガイド幅Wが算出される。なお、検出値とガイド幅とが比例関係にはない場合であっても、検出値とガイド幅との対応関係を表す関数を演算したり、予め用意しておいたテーブルを参照したりする既知の方法によりガイド幅Wを求めることができる。CPU201は、求めたガイド幅Wの値に基づいて、マルチトレイ116に載置されたシートがどの定型サイズかを判別することができる。例えば、検出値Hから算出したガイド幅Wが297mmに近い値(例えば、298mm)であるとき、CPU201はマルチトレイ116に載置されているシートがA4サイズであると判断する。
ここで、マルチサイズセンサ134によって検知されるガイド幅は、常に実際のシート幅と一致するとは限らず、ユーザがシートを斜めにセットした場合やシート幅ガイド118がシートの端部から離間している場合には実際のシート幅との誤差が生じる。図11(a)に示すように、定型サイズの判別においてシート幅ガイド118とシートSの端部との間に隙間(突き当て誤差ΔW)があったとしても、隙間の大きさが所定の閾値以下であれば許容されるように設定される。例えば、突き当て誤差ΔWの閾値が+4mmに設定されている場合、シート幅ガイド118,118がA4サイズのシートの両端からそれぞれ4mm弱離れている状態(合計で8mm弱の隙間がある状態)であっても、A4サイズのシートとして認識される。ガイド幅にある程度の誤差を許容することで、シート幅ガイド118の過度に精密な操作が要求されることを避けられるため、ユーザビリティが向上する。
その一方で、許容される突き当て誤差ΔWが大きい程、図11(b)に示すように、シートSに許容される斜行の程度も大きくなる。斜行の程度とは、例えばシートの先端を基準とするとき、幅方向に延びる仮想直線に対するシート先端の傾斜角度で表される。斜行した状態のシートSがマルチトレイ116から給送されて停止状態のレジローラ対131に突き当てられると、図12に示すようにシートがよじれるように面外変形し、シワが発生しやすくなる。このような理由で、斜行の程度が大きくなる程、シワの発生率が高まることが実験的に確認されている。
本実施例の画像形成装置100は離間機構140を備えているため、斜行補正の前に予めレジ前ローラ対121を離間させておくか、又は斜行補正の後にレジ前ローラ対121を離間させることにより、シートのシワを低減することが可能である。しかし、離間機構140に何らかの異常が生じてレジ前ローラ対121の離間動作を行えない場合、レジ前ローラ対121を離間させることによるシワの低減作用は得られない。なお、後述の制御を行う場合に異常の原因を特定する必要はないが、部材の破損や配線の接続不良等は離間機構140が正常に動作することを妨げる可能性がある。
その一方で、離間機構140に異常が生じてレジ前ローラ対121の離間動作が行えない場合であっても、マルチトレイ116に載置されたシートの斜行が小さい場合には、シートを給送してもシワが発生する可能性は低い。従って、そのような場合も含めて、離間機構140の異常が検知された場合は一律でマルチトレイ116からのシートの給送を禁止する設定にすると、実際には問題なく画像形成できる状況でも画像形成装置100の使用が制限される。つまり、検知された異常に対して必要な対処の水準に比べて、シート搬送装置の使用を過度に制限することにより、結果としてユーザの利便性を低下させている可能性がある。
そこで、本実施例では、機械的な異常等によって離間機構140の離間動作が制限されている場合であっても、シート搬送動作の実行条件を離間動作が制限されていない場合に比べて狭めた上で、シート搬送動作を実行可能とするように構成される。具体的には、離間機構140がレジ前ローラ対121を離間可能な状態か否かに応じて、上述の突き当て誤差の許容範囲を変更した上で、マルチトレイ116からシートを給送可能かどうかを判断する。
(制御方法)
本実施例におけるシート搬送装置の制御方法について、図13のフローチャートに沿って説明する。本フローチャートの処理は、画像形成装置100の電源が投入された際に開始される。また、フローチャートの各工程の処理は、制御装置200のCPU201が記憶部からプログラムを読み出して実行することによって実現される。
画像形成装置100が起動すると、離間機構140の動作テストが実行される(S101)。動作テストの内容は、例えばレジ前駆動モータ145のCW回転とCCW回転とを順番に実行し、離間センサ129が回転方向から予測できる通りにON状態とOFF状態との間で切り替わるか否かを確認する。この場合、離間センサ129が予測通りの信号を出力した場合は離間機構140が正常な状態であると判定され、離間センサ129が予測と異なる信号を出力した場合、離間機構140に異常があると判定される。
動作テストの結果、レジ前ローラ対121が当接状態にあり、かつ、離間機構140に異常が生じている状態(即ち、本実施例では離間センサ129がOFF状態のまま動作テストで変化しなかった)か否かが判断される(S102)。S102の判断結果に応じて、マルチトレイ116に載置されたシートのサイズ判定に用いられる閾値Wm[mm]の値が設定される。Wmの値は、上述の突き当て誤差ΔWが許容される上限を表している。レジ前ローラ対121が当接状態かつ離間機構140に異常がある場合、Wm=+2[mm]に設定され(S103)、そうでない場合はWm=+4[mm]に設定される(S104)。閾値Wmの値は、RAM203に用意されている記憶領域に格納される。
なお、レジ前ローラ対121が離間状態で離間機構140に異常が発生している場合や、離間センサ129の異常によって検知結果を取得できない場合も考えられる。これらの場合については詳しい説明を省略するが、一般的なエラーの対処方法を適用することができる。例えば、シートの搬送又は画像形成動作に支障があると判断してマルチトレイ116及び給送カセット111からのシートの給送を停止させると共に、操作部301に警告を表示させることが考えられる。
その後、CPU201は画像形成装置100に対して画像形成の指示を受信されるまで待機する(S105)。画像形成の指示とは、ユーザが操作部301の印刷実行ボタンを押下して印刷を指示した場合や、ページ記述言語で記述された印刷データがネットワークを介して外部のコンピュータから画像形成装置100に送信された場合を指す。
画像形成指示を受信されると、CPU201は画像形成を実行可能か否かを判定するための処理(S106〜S110)が行われる。以下、マルチトレイ116からシートを給送して画像形成を実行するものとして説明する。マルチトレイ116からシートが給送される場合として、マルチトレイ116にシートが載置されていることをトレイに配置されたシート有無センサが検知し、CPU201がシートの供給元を自動的にマルチトレイ116に設定する場合がある。また、操作部301又はネットワークを介して画像形成指示を行うに当たって、マルチトレイ116がシートの供給元として明示的に指定されている場合もある。
まず、CPU201はマルチサイズセンサ134の検出値Hを取得し(S106)、図10を用いて説明した算出方法に従ってガイド幅Wを算出する(S107)。続いて、画像形成指示の対象である画像形成のタスク(プリントジョブ)の設定情報を参照し、シートの種類が薄紙か否かを判断する(S108)。本実施例の薄紙とは、坪量が52g/m以下である紙を指す。なお、マルチトレイ116に載置されているシートの種類は予め設定されているものとする。例えば、ユーザがマルチトレイ116にシートを載置すると、シート有無センサによってシートが検知され、操作部301にシート種類の選択画面が表示される。ユーザがいずれかのシート種類を選択すると、選択されたシート種類を表す情報がRAM203に用意されている記憶領域に格納される。CPU201は、この記憶領域を参照することによってマルチトレイ116のシートが薄紙か否かを判断することができる。
シート種類が薄紙の場合、S103,S104で設定された閾値Wmの値に基づいてサイズ判定が行われる(S109)。即ち、S107で算出されたガイド幅Wが、所定の定型サイズWsに対してWs<W<Ws+2×Wmの不等式を満たすとき、CPU201はマルチトレイ116に当該定型サイズのシートが給送可能な状態で載置されていると判断する(S109:Y)。ただし、所定の定型サイズとは、「A4」又は「B5」等の定型サイズの内、マルチトレイ116から給送可能なシートのサイズとして予め設定され、制御装置200の記憶部に格納されているサイズを指す。従って、S109で「Y」と判定されるには、所定の定型サイズのいずれかについて上記の条件が満たされていればよい。
上記不等式を満たす所定の定型サイズが存在しないとき、CPU201はマルチトレイ116に載置されているシートのサイズを正しく認識できないために画像形成を開始できないと判断する(S109:N)。この場合、ユーザに対する報知処理として、CPU201は図14に示す警告画面14を操作部301に表示させる(S111)。本実施例の警告画面14には、シート幅ガイド118とシートの間に隙間が空いているか、又はマルチトレイ116が対応していないサイズのシートが載置されていることを示唆するメッセージが表示される。警告画面14を見たユーザが適切な定型サイズのシートを載置し、かつ、シート幅ガイド118を適切な位置に移動させた状態で再び画像形成の指示を行うと、画像形成を開始可能と判断される(S109:Y)。
S109において画像形成を開始可能と判断された場合、さらに、CPU201はレジ前ローラ対121を離間させる必要があるか否かを判断する(S112)。本実施例では、シート幅ガイド118,118のガイド幅Wと定型サイズWsとの差が4mmより大きい場合に、レジ前ローラ対121を離間させる必要があると判断され、レジ前駆動モータ145をCCW方向に回転させて離間動作が実行される(S113)。差が4mm以下であれば、レジ前ローラ対121は初期状態である当接状態に設定される。レジ前ローラ対121が当接している状態でマルチトレイ116からシートを給送させる場合が本実施例の第1モードであり、レジ前ローラ対121を予め離間させた状態でマルチトレイ116からシートを給送させる場合が本実施例の第2モードである。
つまり、離間機構140に異常がない場合、S104でWm=+4[mm]と設定される結果、片側の突き当て誤差ΔWが0〜4mmの許容範囲内にあれば画像形成が実行される。ただし、2×ΔW=W−Wsである。この内、ΔWが2〜4mmの範囲にあるときは、画像形成を実行する際にレジ前ローラ対121の離間動作が行われる。ΔWが2mmより大きい場合、マルチトレイ116に載置されているシートが比較的大きく斜行している可能性があり、シワの発生リスクが比較的高いためである。一方、ΔWが0〜2mmの範囲にあるときは離間動作が行われない。ΔWが2mm以下であれば、シワの発生リスクは相対的に低いためである。なお、不要な離間動作を省略することにより、FCOT(First Copy Output Time)の短縮及びスループットの向上が可能である。
これに対し、テスト動作で離間機構140の異常が検知された場合、S103でWm=+2[mm]と設定される結果、突き当て誤差ΔWの許容範囲は0〜2mmに制限される。つまり、離間動作を行わずともシワの発生リスクが低い場合に限り、画像形成が実行可能となるように設定されている。一方、ΔWが2mmより大きい場合(即ち、離間機構140に異常がない状態であればシワ対策で離間動作が行われる場合)、離間機構140に異常が検知された状態では画像形成を実行しないように構成されている。
その後、CPU201はマルチトレイ116からシートを1枚ずつ給送させ、画像形成部150による画像形成を行わせた後(S114)、本フローチャートの処理を終了する。なお、画像形成の終了後は、CPU201はS105に戻って次の画像形成指示を待機する。
一方、S108においてシートの種類が薄紙以外の場合、シートの剛性が高いため、レジ前ローラ対121の離間動作を行わなくともシワの発生リスクは比較的低い。そのため、S107で算出されたガイド幅Wが、所定の定型サイズWsに対してWs<W<Ws+8の不等式を満たすとき、CPU201はマルチトレイ116に当該定型サイズのシートが給送可能な状態で載置されていると判断する(S109:Y)。つまり、離間機構140に異常があるか否かに関わらず、画像形成を実行可能か否かの判定における突き当て誤差の閾値として所定の値(本実施例では8mm)が用いられる。その後、CPU201はマルチトレイ116からシートを1枚ずつ給送させ、画像形成部150による画像形成を行わせた後(S114)、本フローチャートの処理を終了する。
以上説明した通り、本実施例では、レジ前ローラ対121の離間機構140に異常を検知した場合、シート幅ガイド118のガイド幅Wに許容される突き当て誤差の範囲を、異常を検知していない場合に比べて狭める処理を行う。つまり、離間機構140がレジ前ローラ対121を離間可能な状態にあることを離間センサ129を用いて検知した場合(S102:N)、CPU201はガイド幅Wが第1の範囲(Ws<W<Ws+8)にあるときに搬送動作を実行する。これに対し、離間機構140がレジ前ローラ対121を離間可能な状態にないことを離間センサ129を用いて検知した場合(S102:Y)、CPU201はガイド幅Wの許容範囲を狭める。即ち、CPU201はガイド幅Wが第1の範囲より狭い第2の範囲(Ws<W<Ws+4)にあるときに前記搬送動作を実行し、第1の範囲の内側かつ第2の範囲の外側(Ws+4≦W<Ws+8)にあるときは搬送動作を実行しない。
これにより、離間機構140がレジ前ローラ対121を離間可能な状態にない場合であっても、ガイド幅Wの突き当て誤差ΔWが小さい状態であれば、ユーザは画像形成された成果物を得ることができる。即ち、本実施例の構成により、シワの発生を抑制しつつ、ユーザの利便性を向上可能なシート搬送装置及び画像形成装置を提供することが可能となる。
(変形例)
上記実施例では、離間機構140がレジ前ローラ対121を離間可能な状態にない場合として、離間機構140に異常が発生して離間動作を実行できない場合について説明した。これに対し、画像形成を行う際にレジ前ローラ対121を離間させる機能を使用するか否かを、操作部301を介してユーザ等が選択できる構成に本技術を適用してもよい。この場合、レジ前ローラ対121を離間させる機能が無効化されている場合の動作が、本実施例において離間機構140に異常が検知された場合(S102:Y)の動作に対応する。また、レジ前ローラ対121を離間させる機能が有効か無効かを表す設定情報を取得する機能を実現する回路又はプログラムが、離間機構140の状態を検知する状態検知手段に相当する。なお、レジ前ローラ対121を離間させる機能を無効化するメリットとしては、離間動作を省略することによる生産性の向上が挙げられる。
また、上記実施例において、画像形成を実行可能と判断するためのガイド幅Wの許容範囲は、シート搬送動作全体の安定性等を考慮して適宜変更可能である。閾値Wmを上記以外の値に変更してもよい。また、第1の範囲及び/又は第2の範囲の下限を、所定の定型サイズ未満の値に設定してもよい。
また、上記実施例では、離間機構140に異常がない場合に画像形成が実行され、離間機構140に異常がある場合には画像形成が実行されない突き当て誤差の範囲と、離間機構140に異常がない場合に離間動作が行われる突き当て誤差の範囲が一致している。(つまり、ΔWが2〜4mmの範囲である。)しかしながら、これらの範囲を常に一致させる必要はない。例えば、シートが薄紙であり、かつ、ガイド幅WがS109の条件を満たしている場合は常にS113の離間動作を行うようにしてもよい。
また、上記実施例では、マルチサイズセンサ134によって検知したガイド幅Wに基づいて、予め設定されている複数の定型サイズの1つを、マルチトレイ116に載置されているシートのサイズとして選択し、これに基づいて画像形成の可否を判定している。つまり、図13のS109,S110はシートサイズの推定とシート搬送動作の実行可否の判定とを兼ねている。これに対し、マルチトレイ116に載置されているシートのサイズが、画像形成指示が与えられる際に指定されるような場合にも本技術は適用可能である。この場合、Wsの値として、指定されたシートのサイズに対応するシートの幅を用いることにより、本実施例と同様の利点を得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100…シート搬送装置、画像形成装置/111,116…シート支持手段(給送カセット、マルチトレイ)/119…上流ローラ対(引抜ローラ対)/121…第1ローラ対(レジ前ローラ対)/129…状態検知手段(離間センサ)/131…第2ローラ対(レジローラ対)/134…幅検知手段(マルチサイズセンサ)/140…離間機構/145…駆動源(レジ前駆動モータ)/150…画像形成手段(画像形成部)/200…制御手段(制御装置)/202,203…記憶部(ROM,RAM)/301…表示手段(操作部)

Claims (11)

  1. シートを支持するシート支持手段と、
    前記シート支持手段から給送されるシートを挟持してシート搬送方向に搬送する第1ローラ対と、
    前記第1ローラ対を離間させる離間機構と、
    前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にあるか否かを検知する状態検知手段と、
    前記シート支持手段に支持されているシートの幅方向の両端部に当接し、前記幅方向におけるシート位置を規制する規制部材と、
    前記幅方向における前記規制部材の間隔を検知する幅検知手段と、
    前記シート支持手段から前記第1ローラ対を介してシートを搬送させる搬送動作を実行可能な制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にあることを前記状態検知手段が検知した場合、前記幅検知手段により検知された前記規制部材の間隔が第1の範囲にあるときに前記搬送動作を実行し、
    前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にないことを前記状態検知手段が検知した場合、前記幅検知手段により検知された前記規制部材の間隔が前記第1の範囲より狭い第2の範囲にあるときに前記搬送動作を実行し、前記第1の範囲の内側かつ前記第2の範囲の外側にあるときは前記搬送動作を実行しない、
    ことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記離間機構を駆動する駆動源をさらに備え、
    前記状態検知手段は、前記第1ローラ対が離間していることを検知可能なセンサを有し、前記駆動源が前記離間機構を駆動した際の前記センサの出力信号に基づいて前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にあるか否かを検知する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記駆動源は、第1方向及び前記第1方向の反対の第2方向に回転可能であり、前記第1方向に回転する場合に前記第1ローラ対を回転させ、前記第2方向に回転する場合に前記離間機構を駆動するように、前記第1ローラ対及び前記離間機構に連結されたモータである、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. 予め設定されたシートの幅を記憶している記憶部をさらに備え、
    前記第1の範囲の上限及び前記第2の範囲の上限は、前記記憶部に記憶されているシートの幅より大きな値に設定され、かつ、前記第2の範囲の上限が前記第1の範囲の上限より小さい、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  5. 前記記憶部は、複数のシートの幅を記憶しており、
    前記制御手段は、前記幅検知手段が前記規制部材の間隔を検知したとき、検知された間隔に基づいて前記複数のシートの幅の中から1つを選択し、選択されたシートの幅に基づいて前記第1の範囲又は前記第2の範囲を設定して前記搬送動作を実行するか否かを判断する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
  6. 前記シート搬送方向において前記第1ローラ対の下流に配置され、シートを挟持して搬送する第2ローラ対をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記搬送動作において、前記第1ローラ対が当接している状態で前記第2ローラ対の回転を開始させる第1モードと、前記離間機構により前記第1ローラ対を離間させた状態で前記第2ローラ対の回転を開始させる第2モードとを実行可能であり、
    前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にある場合、前記第1モード又は前記第2モードを実行し、
    前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にない場合、前記第1モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  7. 前記制御手段は、前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にある場合において、前記規制部材の間隔が前記第2の範囲にあるときは前記第1モードを実行し、前記規制部材の間隔が前記第1の範囲の内側かつ前記第2の範囲の外側にあるときは前記第2モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシート搬送装置。
  8. 前記制御手段は、前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にある場合において前記規制部材の間隔が前記第1の範囲にないとき、又は、前記離間機構が前記第1ローラ対を離間可能な状態にない場合において前記規制部材の間隔が前記第2の範囲にないとき、前記シート支持手段に支持されているシートに関する情報を報知する報知処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  9. 画像により情報を表示する表示手段を備え、
    前記制御手段は、前記報知処理において、前記規制部材の位置を確認することを求める情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする請求項8に記載のシート搬送装置。
  10. 前記制御手段は、シート搬送装置の電源が投入された場合に前記離間機構の動作テストを実行し、前記動作テストの後にジョブが投入された場合、前記動作テストにおける前記状態検知手段の検知結果に基づいて前記搬送動作を実行するか否かを判断する、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
    前記シート搬送装置によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成手段と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。

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