JP2020082304A - びびり振動検知装置、びびり振動検知方法、びびり振動検知プログラム、及びびびり振動抑制装置 - Google Patents

びびり振動検知装置、びびり振動検知方法、びびり振動検知プログラム、及びびびり振動抑制装置 Download PDF

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Abstract

【課題】びびり振動を高精度に検知することを可能にする。【解決手段】びびり振動検知装置(100)は、加工装置の切削工具(201)の振動を検出するセンサ(204)から出力されたセンサデータ(D0)に基づいてびびり振動の有無を判定する装置であって、ラベル付きセンサデータ(101a)を記憶する第1の記憶部(101)と、ラベル付きセンサデータから1つ以上の第1の特徴量を学習用データ(L2)として抽出する第1の抽出処理と、センサデータから1つ以上の第2の特徴量を含む判定対象データ(D2)を抽出する第2の抽出処理と、を行う特徴量抽出部(103)と、学習用データから学習モデル(105a)を生成するびびり振動学習部(104)と、判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、学習モデルを参照して判定するびびり振動判定部(106)とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、びびり振動を検知するびびり振動検知装置、びびり振動を検知するために使用されるびびり振動検知方法及びびびり振動検知プログラム、並びに、びびり振動を抑制するびびり振動抑制装置に関する。
回転する切削工具で加工対象物(すなわち、被加工物)を切削加工する種々の加工装置が使用されている。このような加工装置では、切削加工時に、びびり振動が発生することがある。びびり振動は、再生びびり振動と強制びびり振動に分類できる。再生びびり振動は、例えば、切削工具の先行する刃先によって切削された加工対象物の加工面に生じた起伏により、次の刃先によって加工対象物の加工面から切り取られる部分の厚さが変動し、その結果、切削力が変動して発生する。強制びびり振動は、例えば、何らかの強制的な振動が加工装置の切削工具の回転によって生じる振動と共振して、発生する。びびり振動が発生すると、加工対象物の加工面に縞模様が生じ、加工面の品質の低下又は切削工具の刃先の損傷などが生じやすい(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の装置は、切削工具である回転刃の回転数[rpm]の周波数[Hz](=回転数[rpm]/60)に回転刃の刃数(すなわち、刃先の数)を乗じて振動数[Hz]を算出し、算出された振動数以外の周波数のピークの値(すなわち、ピークパワー)が閾値を超えた場合に、びびり振動(この場合は、再生びびり振動)の予兆が有ると判定している。
また、特許文献2に記載の装置は、切削工具の回転数[rpm]に切削工具の刃数を乗じ、さらに60で除算して切削基本周波数[Hz]を算出し、この切削基本周波数の整数倍の周波数にピークがあり、そのピークパワーが閾値を超えた場合に、びびり振動(この場合は、強制びびり振動)が発生していると判定している。
特開2010−247316号公報(例えば、第7頁) 特開2018−020426号公報(例えば、段落0044、0055)
社本英二著、「切削加工におけるびびり振動の発生機構と抑制」、大同特殊鋼株式会社 研究開発本部発行、電気製鋼/大同特殊鋼技報 第82巻第2号、143−155頁、2011年12月27日 Platt J.C.、 "Probabilistic Outputs for Support Vector Machines and Comparisons to Regularized Likelihood Methods"、 Advances in Large Margin Classifiers、 MIT Press、 1999, pp.1−11.
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、算出された振動数と異なる値の周波数[Hz]にピークが存在し、そのピークパワーが閾値を超えている場合であっても、ピークが存在する周波数[Hz]にびびり振動が発生していないことがある。また、算出された振動数と異なる周波数[Hz]にピークが存在し、そのピークパワーが閾値を超えていない場合であっても、ピークが存在する周波数[Hz]にびびり振動が発生していることがある。
また、特許文献2に記載の装置では、切削基本周波数の整数倍の周波数[Hz]にピークが存在し、そのピークパワーが閾値を超えている場合であっても、ピークが存在する周波数[Hz]にびびり振動が発生していないことがある。また、切削基本周波数の整数倍の周波数[Hz]にピークが存在し、そのピークパワーが閾値を超えていない場合であっても、ピークが存在する周波数[Hz]にびびり振動が発生していることがある。
つまり、ピークパワーと予め決められた閾値との比較結果に基づいてびびり振動の有無を判定するだけでは、びびり振動の検知の精度が低いという問題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、高い精度でびびり振動を検知することができるびびり振動検知装置、高い精度でびびり振動を検知することを可能にするびびり振動検知方法及びびびり振動検知プログラム、並びに、高い精度でびびり振動を抑制することができるびびり振動抑制装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るびびり振動検知装置は、加工対象物を加工する加工装置の切削工具の振動を検出するセンサから出力されたセンサデータに基づいて、びびり振動の有無を判定する装置であって、センサデータにびびり振動の有無を示すラベルを付加することによって作成されたラベル付きセンサデータを記憶する第1の記憶部と、前記ラベル付きセンサデータから1つ以上の第1の特徴量を学習用データとして抽出する第1の抽出処理と、前記センサデータから1つ以上の第2の特徴量を含む判定対象データを抽出する第2の抽出処理と、を行う特徴量抽出部と、前記学習用データから学習モデルを生成するびびり振動学習部と、前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定するびびり振動判定部とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係るびびり振動検知方法は、加工対象物を加工する加工装置の切削工具の振動を検出するセンサから出力されたセンサデータに基づいて、びびり振動の有無を判定する方法であって、センサデータにびびり振動の有無を示すラベルを付加することによって作成されたラベル付きセンサデータから1つ以上の第1の特徴量を学習用データとして抽出する第1の抽出処理を行うステップと、前記センサデータから1つ以上の第2の特徴量を含む判定対象データを抽出する第2の抽出処理を行うステップと、前記学習用データから学習モデルを生成するステップと、前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定するステップとを有することを特徴とする。
本発明によるびびり振動検知装置、びびり振動検知方法、又はびびり振動検知プログラムを用いれば、高い精度でびびり振動を検知することができる。
また、本発明によるびびり振動抑制装置を用いれば、高い精度でびびり振動を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るびびり振動抑制装置の構成及び切削加工を行う加工装置の構成を概略的に示す図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置における学習モデルの生成プロセスを示す説明図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置におけるびびり振動の有無の判定プロセスを示す説明図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置のFFT演算部の動作を示す説明図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置の特徴量抽出部の動作を示す説明図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置の学習処理時に、特徴量抽出部によって生成される特徴ベクトルを含む学習用データの例を表形式で示す図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置の判定処理時における動作を示す説明図である。 実施の形態1に係るびびり振動検知装置のびびり振動判定部に入力される1フレーム分の特徴量を含む判定対象データの例を表形式で示す図である。 (A)から(I)は、本発明の実施の形態2に係るびびり振動検知装置の特徴量抽出部が抽出する特徴量の例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るびびり振動検知装置の学習処理時に、特徴量抽出部によって生成される特徴ベクトルを含む学習用データの例を表形式で示す図である。 実施の形態3に係るびびり振動検知装置の判定処理時に、びびり振動判定部に入力される1フレーム分の特徴量を含む判定対象データの例を表形式で示す図である。 本発明の実施の形態4及び5に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態7に係るびびり振動抑制装置の構成及び切削加工を行う加工装置の構成を概略的に示す図である。 実施の形態7に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態8に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態9に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態9の変形例に係るびびり振動検知装置の構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態1から9の変形例に係るびびり振動検知装置のハードウェア構成の例を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るびびり振動検知装置、びびり振動検知方法、びびり振動検知プログラム、及びびびり振動抑制装置を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。なお、図において、x、y及びzは、xyz直交座標系における座標軸を示す。
《1》実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るびびり振動抑制装置10の構成及び切削加工を行う加工装置200の構成を概略的に示す図である。
加工対象物を加工する加工装置200は、例えば、切削工具201を用いて被加工物である加工対象物206の不要部分を削り取る装置である。切削工具201は、例えば、エンドミルである。この場合、加工装置200は、エンドミル加工を行う。加工装置200は、x方向を向く軸線を中心にして回転する切削工具201と、切削工具201を支持する主軸部202と、主軸部202を+x方向及び−x方向に移動可能に支持するステージ203とを備えている。また、加工装置200は、切削工具201の振動を検出するセンサ(例えば、加速度センサ)204と、加工対象物206を+y方向、−y方向、+z方向及び−z方向に移動可能に支持する支持部205と、加工装置200の動作を制御する制御装置であるNC(Numerical Control:数値制御)装置207とを備えている。NC装置207は、切削加工における切削工具201の回転速度及び切込み量、加工対象物206の送り速度、などの加工条件を制御する。また、NC装置207は、加工条件をびびり振動検知装置100に通知することができる。センサ204は、互いに直交する3軸方向、すなわち、x方向、y方向及びz方向の振動を示す検出信号、又は、検出信号のサンプリングデータであるセンサデータD0を出力する。
びびり振動抑制装置10は、びびり振動検知装置100と、びびり振動抑制部107とを備えている。びびり振動検知装置100は、センサ204から出力されたセンサデータD0に基づいて、加工装置200の切削工具201におけるびびり振動の有無を判定し、びびり振動の有無を示す判定結果情報D3を出力する。センサ204から検出信号が出力される場合には、サンプリングデータD0の生成は、びびり振動検知装置100によって行われる。びびり振動抑制部107は、びびり振動検知装置100から出力された判定結果情報D3に基づいて、びびり振動を抑制するため動作、すなわち、びびり振動抑制動作を行うための制御信号C1を加工装置200に送信する。このとき、制御信号C1は、NC装置207に送信されてもよい。制御信号C1を受信した加工装置200は、例えば、切削工具201の回転速度をびびり振動が存在する判定されたときの回転速度から僅かに変更する。加工装置200は、回転速度を変更することで、びびり振動が発生しない回転速度で回転する切削工具201で加工対象物206の切削加工を行うことができる。
図2は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100の構成を概略的に示すブロック図である。びびり振動検知装置100は、実施の形態1に係るびびり振動検知方法を実施することができる装置である。びびり振動検知装置100は、センサ204から出力されたセンサデータD0を用いる学習によって、びびり振動の有無の判定用の学習モデル105aを生成する学習処理と、切削加工時においてセンサ204ら出力されたセンサデータD0に対して、学習モデル105aを用いて、びびり振動の有無を判定する判定処理とを行う。
図2に示されるように、びびり振動検知装置100は、第1の記憶部としての記憶部101と、フーリエ変換を行う変換処理部としてのFFT(Fast Fourier Transform)演算部102と、特徴量抽出部103と、びびり振動学習部104と、第2の記憶部としての記憶部105と、びびり振動判定部106とを備えている。記憶部101及び記憶部105は、びびり振動検知装置100の外部に備えられた情報記憶装置の記憶領域の一部であってもよい。また、びびり振動検知装置100は、びびり振動検知プログラムを実行するコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。また、びびり振動抑制装置10は、コンピュータなどの情報処理装置であってもよい。さらに、びびり振動抑制装置10とNC装置207とを、コンピュータなどの情報処理装置で構成することも可能である。
記憶部101は、学習用のセンサデータにびびり振動の有無を示す情報であるラベルを付与することによって作成されたラベル付きセンサデータ101aを予め記憶している。びびり振動検知装置100は、びびり振動の学習処理時に、記憶部101に記憶されているラベル付きセンサデータ101aを用いて学習モデル105aを生成する。ラベル付きセンサデータ101aは、事前に収集されたセンサデータに、センサデータが収集されたときにおけるびびり振動の有無を示す情報をラベルとしてセンサデータに関連付けすることで生成されたデータである。
FFT演算部102は、学習処理時にラベル付きセンサデータ101aをフーリエ変換することによって周波数空間(すなわち、周波数領域)のデータ(「第1のデータ」とも言う。)L1を生成する変換処理(「第1の変換処理」とも言う。)と、判定処理時に時系列のセンサデータD0をフーリエ変換することによって周波数空間のデータ(「第2のデータ」とも言う。)D1を生成する変換処理(「第2の変換処理」とも言う。)とを行う。
特徴量抽出部103は、NC装置207から切削基本周波数を含む加工条件パラメータD4を取得する。加工条件パラメータD4は、例えば、切削回転速度(すなわち、切削回転周波数)、加工対象物の材質、加工対象物の送り速度、加工対象物の削り厚、加工の種別(例えば、エンドミル加工又は突切り加工など)、などである。特徴量抽出部103は、この加工条件パラメータD4を使用して、学習処理時にFFT演算部102でラベル付きセンサデータ101aから生成された周波数空間のデータL1から1つ以上の特徴量(「第1の特徴量」とも言う。)から構成される特徴ベクトルを含む学習用データL2として抽出する抽出処理(「第1の抽出処理」とも言う。)と、判定処理時にFFT演算部102でセンサデータD0から生成された周波数空間のデータD1から1つ以上の特徴量(「第2の特徴量」とも言う。)を含む判定対象データD2を抽出する抽出処理(「第2の抽出処理」とも言う。)とを行う。特徴ベクトルに含まれる特徴量の数を増やすことによって、びびり振動の有無の判定の精度を向上させることが可能である。したがって、特徴ベクトルに含まれる特徴量の数は、複数であることが望ましい。
びびり振動学習部104は、特徴量抽出部103で生成された特徴ベクトルを含む学習用データL2を受け取り、特徴ベクトルに含まれる特徴量と、特徴量に対応するびびり振動の有無を示すラベルとに基づいて、予め用意された学習アルゴリズムにより、びびり振動の有無を判定するために用いる境界面を取得し、この学習の結果である学習モデル105aを生成する。境界面の一例は、後述の図8に超平面として示される。生成された学習モデル105aは、記憶部105に格納される。
びびり振動の有無の判定処理時には、切削加工時にセンサ204から出力されたセンサデータD0がFFT演算部102に入力され、FFT演算部102で周波数空間のデータD1に変換される。切削加工時に、特徴量抽出部103は、周波数空間のデータD1から特徴量D2を抽出する。特徴量抽出部103は、切削加工時に、学習処理時と同様の方法で、特徴量D2を抽出するが、学習処理時と異なり、特徴量D2にびびり振動の有無を示すラベルの付与は行わない。特徴量抽出部103は、抽出された特徴量D2を、びびり振動判定部106に出力する。
びびり振動判定部106は、記憶部105に記憶されている学習モデル105aを用いて、特徴量D2に対して、びびり振動の有無の判定を行い、この判定の結果を示す判定結果情報D3を出力する。実施の形態1において、判定結果情報D3は、びびり振動抑制部107に出力される。
ところで、びびり振動は、強制びびり振動と再生びびり振動とに分類できる。強制びびり振動は、例えば、切削工具201の刃が加工対象物206に接触して発生する。再生びびり振動は、切削工具の先行する刃先によって切削された加工対象物の加工面に生じた起伏により、次の刃先によって加工対象物の加工面から切り取られる部分の厚さが変動し、その結果、切削力が変動して発生する。強制びびり振動は、切削基本周波数Fcに相関のある振動である。再生びびり振動は、切削基本周波数Fcとは相関のない振動である。
図3は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100における学習モデル105aの生成プロセス、すなわち、学習処理時のプロセスを示す説明図である。
記憶部101は、切削加工時に発生したびびり振動を捉えたセンサ204から出力されたセンサデータD0と、びびり振動が発生していない正常動作時にセンサ204から出力されたセンサデータD0と、を事前に大量に収集する。記憶部101が、各センサデータD0を、びびり振動有りのファイルと、びびり振動無しのファイルと、に予め分類し、それぞれのファイルに、びびり振動有りのラベル及びびびり振動無しのラベルを予め付与することで、ラベル付きセンサデータ101aが生成される。
実施の形態1では、ラベル付与のためのびびり振動の有無の判定は、切削加工時に発生する音に基づいて、又は加工対象物の加工面を観察した結果に基づいて、行われる。びびり振動の有無の判定は、人によって行われる。ただし、びびり振動の有無の判定は、音の分析又は加工面の画像の分析などを行う装置によって行われてもよい。1つ以上の特徴量にラベルが付与されたセンサデータが、ラベル付きセンサデータ101aである。
ラベル付きセンサデータ101aは、FFT演算部102にて、サンプリング周波数Fsで収集されたx,y,z方向の各センサデータに対して、Ws個のサンプルデータ毎にまとめられ、Ws個のサンプルデータを1フレームとするグルーピングが行われる。グルーピングによって生成された複数のフレームは、時間軸方向にオーバラップする部分を有してもよい。なお、1フレームを構成するサンプルデータの数Wsの決定の仕方は、後述される。FFT演算部102は、このようにして生成された複数フレームのフレームデータを、時間順に周波数空間のデータL1に変換するShort Time FFTを行う(図3のステップS11)。Short Time FFTは、SFFTとも表記される。
次に、特徴量抽出部103は、周波数空間のデータL1に変換された複数のフレームの各々から、特徴量(図3では、特徴量1〜特徴量f)を抽出し、びびり振動の有無のラベルを付与した特徴ベクトルを含む学習用データL2を生成する(図3のステップS12)。なお、特徴ベクトルは、例えば、f個(fは正の整数)の特徴量と、びびり振動の有無を示すラベルと、を要素として含む。
次に、びびり振動学習部104は、学習用データL2に対して、びびり振動の有無の判定のための学習処理を行うことによって、びびり振動の有無判定用の学習モデル105aを生成する(図3のステップS13)。
図4は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100におけるびびり振動の有無の判定プロセス、すなわち、判定処理時のプロセスを示す説明図である。
切削加工時にサンプリングされるx,y,z方向の各センサデータからリアルタイムでびびり振動の有無の判定を行うため、FFT演算部102は、センサ204から出力されたセンサデータD0を、Ws個のサンプルデータ毎にフレーム化し、SFFT処理により周波数空間のデータD1に変換する(図4のステップS21)。
次に、特徴量抽出部103は、周波数空間のデータD1から1つ以上の特徴量を含む判定対象データD2を抽出する(図4のステップS22)。判定対象データD2は、例えば、特徴量1〜特徴量fの複数の特徴量を含む特徴ベクトルである。ただし、判定対象データD2は、びびり振動の有無を示すラベルを含んでいない。
次に、びびり振動判定部106は、びびり振動の有無を、フレーム毎にリアルタイムで判定し、逐次、その判定の結果を示す判定結果情報D3をびびり振動抑制部107に出力する(ステップS23)。びびり振動抑制部107は、びびり振動の有無の判定の結果を示す判定結果情報D3に基づいて、びびり振動抑制のための制御を行う。
図5は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100のFFT演算部102の動作を示す説明図である。図5は、1フレームを構成するWs個のサンプルデータに対してSFFT処理を行うことによって生成された周波数空間のデータ(L1又はD1)の周波数スペクトルを示す。Wsは、正の整数である。データのサンプリング周波数はFs[Hz]であるので、図5における周波数の座標軸(すなわち、横軸)上の最小分割単位である周波数分解能Fstepは、以下の式(1)で計算されることができる。
Figure 2020082304
切削工具201の切削基本周波数Fc[Hz]は、切削工具201の回転数Rc[rpm]と切削工具201の刃数Bcとによって、以下の式(2)のように決まる。
Figure 2020082304
びびり振動の有無を高精度に判定するためには、有効な特徴量を抽出し、この有効な特徴量から学習モデル105aを生成することが望ましい。びびり振動は、切削基本周波数Fcと相関のある強制びびり振動と、切削基本周波数Fcと相関のない再生びびり振動と、に分類される。すなわち、切削基本周波数Fcの整数倍の周波数に顕著なピーク(すなわち、ピークパワーの大きいピーク)がある場合、強制びびり振動が発生している可能性が高いと考えられる。また、切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数に顕著なピークがある場合、再生びびり振動が発生している可能性が高いと考えられる。したがって、びびり振動検知のために有効な特徴量を抽出するためには、切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つピークが確実に抽出されていることが望ましい。そのためには、切削基本周波数Fcの整数倍の周波数が、周波数分解能Fstepの整数倍となるように、周波数分解能Fstepを決定することが望ましい。言い換えれば、以下の式(3)を満たすことが望ましい。
Figure 2020082304
ここで、mは、正の整数である。
式(1)から(3)により、1フレームを構成するサンプルデータの数Ws、すなわち、FFTのウィンドウサイズは、以下の式(4)によって求められる。
Figure 2020082304
以上に説明したように、FFT演算部102は、1フレームを構成するサンプルデータの数Wsを、式(4)に示されるように、サンプリング周波数Fsと切削基本周波数Fcとに基づいて決定する。なお、切削基本周波数Fcは、例えば、NC装置207から取得される。
図6は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100の特徴量抽出部103の動作を示す説明図である。
特徴量抽出部103は、学習処理のための抽出処理において、FFT演算部102にてフレーム単位で変換された周波数空間のデータ(すなわち、周波数スペクトル)に対して、1つ以上のピーク(学習処理時におけるピークを「第1のピーク」とも言う。)を求め、1つ以上のピークの周波数と1つ以上のピークのパワーであるピークパワーとを求める。特徴量抽出部103は、学習処理のための抽出処理において、抽出されたピークに対して以下処理を行う。まず、特徴量抽出部103は、周波数スペクトルの全周波数帯域BaをN分割し、分割によって得られたN個の周波数帯域(すなわち、分割帯域)B1〜B5と、全周波数帯域Baとに対して、例えば、以下の第1から第10の学習情報(U1)〜(U10)を特徴量として抽出する処理を行う。なお、Nは正の整数であり、図6ではN=5である。
(U1)第1のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第1の学習情報。
(U2)第1のピークの数を示す第2の学習情報。
(U3)第1のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第1のピークのパワー及び周波数を示す第3の学習情報。
(U4)切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第1のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第4の学習情報。
(U5)切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第1のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第1のピークのパワー及び周波数を示す第5の学習情報。
(U6)切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第1のピークの数を示す第6の学習情報。
(U7)全周波数帯域Baにおける第1のピークの数に対する切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第1のピークの数の割合を示す第7の学習情報。
(U8)切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つ第1のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第8の学習情報。
(U9)切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つ第1のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第1のピークのパワー及び周波数を示す第9の学習情報。
(U10)切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つ第1のピークの数を示す第10の学習情報。
びびり振動学習部104は、学習処理において、第1から第10の学習情報(U1)〜(U10)のうちの2つ以上の学習情報の組み合わせから学習モデル105aを生成することができる。
特徴量抽出部103は、判定処理のための抽出処理において、学習処理のための抽出処理と同様の処理を行う。特徴量抽出部103は、判定処理のための抽出処理において、FFT演算部102にてフレーム単位で変換された周波数空間のデータ(すなわち、周波数スペクトル)に対して、1つ以上のピーク(判定処理時におけるピークを「第2のピーク」とも言う。)を求め、1つ以上の第2のピークの周波数と1つ以上の第2のピークのパワーとを求める。周波数スペクトルに変換されたデータに対して、第2のピークを求め、この第2のピークの周波数と第2のピークのパワーとを求める。特徴量抽出部103は、抽出された第2のピークに対して以下の処理を行う。まず、特徴量抽出部103は、周波数スペクトルの全周波数帯域BaをN分割し、分割によって得られたN個の周波数帯域(すなわち、分割帯域)B1〜B5と、全周波数帯域Baとに対して、例えば、以下の第1から第10の判定情報(V1)〜(V10)を特徴量として抽出する処理を行う。
(V1)第2のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第1の判定情報。
(V2)第2のピークの数を示す第2の判定情報。
(V3)第2のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第2のピークのパワー及び周波数を示す第3の判定情報。
(V4)切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第2のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第4の判定情報。
(V5)切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第2のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第2のピークのパワー及び周波数を示す第5の判定情報。
(V6)切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第2のピークの数を示す第6の判定情報。
(V7)全周波数帯域Baにおける第2のピークの数に対する切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第2のピークの数の割合を示す第7の判定情報。
(V8)切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つ第2のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第8の判定情報。
(V9)切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つ第2のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第2のピークのパワー及び周波数を示す第9の判定情報。
(V10)切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つ第2のピークの数を示す第10の判定情報。
びびり振動判定部106は、判定処理において、第1から第10の判定情報(V1)〜(V10)のうちの、抽出された2つ以上の判定情報の組み合わせに基づいて、判定対象データD2がびびり振動有りを示すデータであるか否かを、学習モデル105aを参照して判定する。びびり振動判定部106によって行われる判定処理は、学習モデル105aに格納されている学習情報を取得する際に行われた学習処理に対応する処理である。
図7は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100の学習処理時に、特徴量抽出部103によって生成される特徴ベクトルを含む学習用データL2の例を表形式で示す図である。図7は、n個(nは正の整数)の特徴量と、びびり振動の有無を示す情報であるラベルと、から構成される1つ以上の特徴ベクトルを生成する。びびり振動学習部104は、生成された1つ以上の特徴ベクトルを含む学習用データL2から学習モデル105aを生成し、これを記憶部105に格納する。
図8は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100のびびり振動学習部104の動作を示す説明図である。図8は、図7の特徴量のうちの2つの特徴量、すなわち、特徴量1と特徴量nを座標軸とする多次元の特徴量空間を2つのクラスに分類する超平面(すなわち、境界面)を見出す処理を示している。図8においては、例えば、白丸で示される特徴量の組み合わせの点は、びびり振動無しを示しており、網掛けの丸で示される特徴量の組み合わせの点は、びびり振動有りを示している。また、曲線で示される超平面は、びびり振動の有無の境界を示している。多次元の特徴量空間において、超平面を取得するために使用可能な方法、すなわち、使用可能な学習アルゴリズムは、公知であり、具体的には、サポートベクターマシン、決定木、判別分析、ロジスティック回帰、最近傍分類器、複数の分類器の結果を融合して分類するアンサンブル分類器、又はニューラルネットワーク、などを用いる方法が知られている。また、びびり振動学習部104は、最も分類性能が高くなる2つ以上の特徴量の組み合わせを選択し、選択された2つ以上の特徴量から特徴ベクトルを生成することが望ましい。このように、びびり振動学習部104は、選択された2つ以上の特徴量から、びびり振動の有無を判定可能にする学習モデル105aを生成することができる。なお、多次元の特徴量空間は、3次元以上の空間であってもよい。
図9は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100の判定処理時に、びびり振動判定部106に入力される1フレーム分の特徴量を含む判定対象データD2の例を表形式で示す図である。切削加工時には、x,y,z方向のセンサ204から出力されたセンサデータに対して学習処理時と同様の方法で、FFT演算部102によるフレーム化と周波数空間のデータへの変換処理と、特徴量抽出部103によるフレーム毎の特徴量抽出処理とが行われる。図9に示されるデータ形式で1フレーム分の特徴量をびびり振動判定部106へ入力すると、びびり振動判定部106は、事前の学習で取得された学習モデル105aを用いて、入力された1フレーム分のデータ毎に、びびり振動の有無をリアルタイムで判定し、判定結果情報D3をびびり振動抑制部107へ出力する。
以上に説明したように、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100又はびびり振動検知方法を用いれば、びびり振動を高精度に検知することができる。具体的に言えば、複数の特徴量を座標軸とする多次元の特徴量空間を用いて、特徴量の組み合わせに基づいてびびり振動の有無を判定するので、びびり振動の有無の判定精度を向上させることができる。
また、FFT演算部102は、切削基本周波数Fcが周波数分解能Fstepの整数倍になるようフーリエ変換におけるウィンドウサイズWsを決定し、特徴量抽出部103で周波数空間におけるピークを抽出するようにしたので、切削基本周波数Fcの整数倍の周波数を持つピークとして、尖度の高いピークを取得することができる。このため、尖度が高いピークを強制びびり振動の存在を示すピークと判定し、尖度が比較的低いピークを再生びびり振動の存在を示すピークと判定することができる。
また、特徴量抽出部103で、周波数スペクトルの全周波数帯域BaをN分割し、分割によって得られた各分割帯域と全周波数帯域Baとのそれぞれに対して、特徴量を抽出することにより、切削基本周波数Fcが切削加工時に僅かに変動する場合、又は、切削工具若しくは加工対象物の材料及び加工条件が変わり共振周波数が変わる場合であっても、分割帯域内における各特徴量の変動を小さくすることが可能である。すなわち、同一の学習モデル105aの汎用性が高い。特に、びびり振動の検知時に、びびり振動抑制制御として切削基本周波数Fcを少し変化させて切削加工を行う場合であって、使用する学習モデル105aを切り替えずに、同じ学習モデル105aを使用することができる。
また、多数の特徴量からびびり振動の有無を判定する際に使用される複数の閾値を設計者が決めることは非常に困難である。しかし、びびり振動学習部104は、学習によって、多次元の周波数空間においてびびり振動の有無を分類する超平面を容易に見出すことができる。
また、びびり振動は、切削基本周波数Fcの整数倍の周波数の振動が非常に大きい場合に発生する強制びびり振動と、切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数の振動が大きい場合に発生する再生びびり振動とに分類される。切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数のピークとピークのパワーと、切削基本周波数Fcの整数倍の周波数のピークとピークのパワーと、を周波数の統計情報として、学習処理に用い及び判定処理に用いるので、びびり振動の有無を分類する適切な超平面を見出すことができる。
《2》実施の形態2.
実施の形態2に係るびびり振動検知装置は、図1及び図2に示される構成と同様の構成を有している。したがって、実施の形態2に係るびびり振動検知装置の説明に際しては、図1及び図2を参照する。実施の形態2に係るびびり振動検知装置は、特徴量抽出部103によって抽出される特徴量の種類の点に関して、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100と異なる。この点以外に関しては、実施の形態2に係るびびり振動検知装置は、実施の形態1に係るびびり振動検知装置100と同じである。
実施の形態2における特徴量抽出部103は、以下のように特徴量を抽出する。まず、実施の形態2における特徴量抽出部103は、実施の形態1における特徴量抽出部103が抽出した特徴量を用いてびびり振動の有無の検知精度を求める。次に、実施の形態2における特徴量抽出部103は、抽出した特徴量のうちの1つの特徴量を除外した場合の、びびり振動の有無の検知精度を求める。このように、抽出した特徴量のうちの1つの特徴量を除外した場合の、びびり振動の有無の検知精度を互いに比較し、検知精度が最も低くなった場合に、除外された特徴量を特定する。検知精度が最も低くなったときに除外された特徴量は、びびり振動の検知にとって、最も有効な特徴量であると考えられる。実施の形態2においては、このような方法によって、びびり振動の検知にとって有効な上位10位までの特徴量を決定している。これら上位10位の特徴量を組み合わせて学習モデル105aを生成することで、びびり振動の有無の判定を高精度に行うことができる。
実施の形態2においては、特徴量抽出部103は、学習処理のための抽出処理において、FFT演算部102にてフレーム単位で変換された周波数空間のデータ(すなわち、周波数スペクトル)に対して、1つ以上のピーク(学習処理時における第1のピーク)を求め、1つ以上の第1のピークの周波数と1つ以上の第1のピークのパワーとを求める。特徴量抽出部103は、抽出された第1のピークに対して以下処理を行う。まず、特徴量抽出部103は、周波数スペクトルの全周波数帯域BaをN分割し、分割によって得られたN個の周波数帯域(すなわち、分割帯域)と、全周波数帯域Baとに対して、例えば、以下の第1から第10の学習情報(J1)〜(J10)を特徴量として抽出する処理を行う。
(J1)全周波数帯域Baにおいて切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第1のピークのパワーのうちの最大のパワーである最大ピークパワー(「第1の最大ピークパワー」とも言う。)を示す第1の学習情報。
(J2)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークのパワーの合計を示す第2の学習情報。
(J3)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークのパワーの平均を示す第3の学習情報。
(J4)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークのパワーの分散を示す第4の学習情報。
(J5)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークにおいて、1番目に大きいパワーを持つ第1のピークのパワーを示す第5の学習情報。
(J6)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークにおいて、2番目に大きいパワーを持つ第1のピークのパワーを示す第6の学習情報。
(J7)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークにおいて、3番目に大きいパワーを持つ第1のピークのパワーを示す第7の学習情報。
(J8)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第1のピークの数を示す第8の学習情報。
(J9)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークの数を示す第9の学習情報。
(J10)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第1のピークの数の、全周波数帯域における第1のピークの全数に対する割合を示す第10の学習情報。
びびり振動学習部104は、学習処理において、第1から第10の学習情報(J1)〜(J10)のうちの2つ以上の学習情報の組み合わせから学習モデル105aを生成することができる。
特徴量抽出部103は、判定処理のための抽出処理において、学習処理時のための抽出処理と同様の処理を行う。特徴量抽出部103は、判定処理のための抽出処理において、FFT演算部102にてフレーム単位で変換された周波数空間のデータ(すなわち、周波数スペクトル)に対して、1つ以上のピーク(判定処理時における第2のピーク)を求め、1つ以上の第2のピークの周波数と1つ以上の第2のピークのパワーとを求める。周波数スペクトルに変換されたデータに対して、第2のピークを求め、この第2のピークの周波数と第2のピークのパワーとを求める。特徴量抽出部103は、抽出された第2のピークに対して以下の処理を行う。まず、特徴量抽出部103は、周波数スペクトルの全周波数帯域BaをN分割し、分割によって得られたN個の周波数帯域(すなわち、分割帯域)と、全周波数帯域Baとに対して、例えば、以下の第1から第10の判定情報(K1)〜(K10)を特徴量として抽出する処理を行う。
(K1)全周波数帯域Baにおいて切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第2のピークのパワーのうちの最大のパワーである最大ピークパワー(「第2の最大ピークパワー」とも言う。)を示す第1の判定情報。
(K2)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークのパワーの合計を示す第2の判定情報。
(K3)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークのパワーの平均を示す第3の判定情報。
(K4)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークのパワーの分散を示す第4の判定情報。
(K5)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークにおいて、1番目に大きいパワーを持つ第2のピークのパワーを示す第5の判定情報。
(K6)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークにおいて、2番目に大きいパワーを持つ第2のピークのパワーを示す第6の判定情報。
(K7)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークにおいて、3番目に大きいパワーを持つ第2のピークのパワーを示す第7の判定情報。
(K8)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つ第2のピークの数を示す第8の判定情報。
(K9)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークの数を示す第9の判定情報。
(K10)複数の分割帯域のうちの切削基本周波数Fcを含む分割帯域における第2のピークの数の、全周波数帯域における第2のピークの全数に対する割合を示す第10の判定情報。
びびり振動判定部106は、判定処理において、第1から第10の判定情報(K1)〜(K10)のうちの、抽出された2つ以上の判定情報の組み合わせに基づいて、判定対象データD2がびびり振動有りを示すデータであるか否かを、学習モデル105aを参照して判定する。びびり振動判定部106によって行われる判定処理は、学習モデル105aに格納されている学習情報を取得する際に行われた学習処理に対応する処理である。
図10(A)から(I)は、実施の形態2に係るびびり振動検知装置の特徴量抽出部103によって抽出される特徴量の例を示す図である。図10(A)から(I)は、特徴量抽出部103によって抽出された特徴量のうち、全周波数帯域Baにおいて切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数を持つピークのパワーのうちの最大のパワーである最大ピークパワーを示す第1の学習情報(J1)と、第2から第10の学習情報(J2)〜(J10)のいずれか1つ以上とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(A)は、第1の学習情報(J1)と第8の学習情報(J8)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(B)は、第1の学習情報(J1)と第9の学習情報(J9)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(C)は、第1の学習情報(J1)と第10の学習情報(J10)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(D)は、第1の学習情報(J1)と第2の学習情報(J2)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(E)は、第1の学習情報(J1)と第3の学習情報(J3)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(F)は、第1の学習情報(J1)と第4の学習情報(J4)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(G)は、第1の学習情報(J1)と第5の学習情報(J5)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(H)は、第1の学習情報(J1)と第6の学習情報(J6)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(I)は、第1の学習情報(J1)と第7の学習情報(J7)とを組み合わせた特徴量空間に、実際の切削加工時におけるx方向の振動を検出するセンサ204からのセンサデータをプロットし、びびり振動の有無の分布を可視化した結果を示している。
図10(A)から(I)から理解できるように、横軸である「全周波数帯域Baにおける切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数のうちの最大ピークパワー」の特徴量が大きい値では、びびり振動有りの分布(すなわち、白い三角形印)が、特徴量が小さい値の場合は、びびり振動無しの分布(すなわち、黒い丸印)になっていることがわかる。
また、図10(A)から(I)の縦軸を見ると、「分割帯域B1(切削基本周波数Fcを含む分割帯域)でのピークパワーの分散」、或いは、「分割帯域B1(切削基本周波数Fcを含む分割帯域)での3番目に大きいピークパワー」が小さな値の場合は、びびり振動無しの分布が、大きな値の場合は、びびり振動有りの分布が存在していることがわかる。これら2つの組み合わせで見ると、左下の領域がびびり振動無しの分布領域、それ以外の領域がびびり振動有りの分布領域となっていることが概略的に理解できる。
以上に説明したように、実施の形態2に係るびびり振動検知装置又はびびり振動検知方法を用いれば、「全周波数帯域Baにおける切削基本周波数Fcの非整数倍の周波数のうちの最大ピークパワー」は、びびり振動の有無の分布を分類するのに非常に効果的な特徴量であり、さらに、「分割帯域B1(切削基本周波数Fcを含む分割帯域)でのピークパワーの分散」又は「分割帯域B1(切削基本周波数Fcを含む分割帯域)での3番目に大きいピークパワー」のような効果的な特徴量を使用することにより、びびり振動の有無の判定を正確かつ容易に行うことが可能になる。
なお、複数の特徴量の他の組み合わせもよる多次元の周波数空間を用いて、びびり振動の有無を判定することも可能である。
実施の形態2においては、実施の形態1における特徴量の1つ減らした場合に、びびり振動の有無の判定精度がどの程度低下するかという観点から、びびり振動の有無の判定に用いる特徴量の種類を選択した例を説明している。つまり、特徴量を1つ減らした場合に、びびり振動の判定精度が大きく低下する場合には、その特徴量は、びびり振動の有無の判定に非常に有効な特徴量の組み合わせであると考えられる。このような処理を、学習モデル105aの生成に適用することで、びびり振動の有無の判定を高精度に行うことができる。
《3》実施の形態3.
実施の形態3に係るびびり振動検知装置は、図1及び図2に示される構成と同様の構成を有している。したがって、実施の形態3に係るびびり振動検知装置の説明に際しては、図1及び図2も参照する。実施の形態3に係るびびり振動検知装置は、特徴量抽出部103によって抽出される特徴量の点に関して、実施の形態1又は2に係るびびり振動検知装置と異なる。この点以外に関しては、実施の形態3に係るびびり振動検知装置は、実施の形態1又は2に係るびびり振動検知装置と同じである。
図11は、実施の形態3に係るびびり振動検知装置の学習処理時に、特徴量抽出部103によって生成される特徴ベクトルを含む学習用データL2の例を表形式で示す図である。図12は、実施の形態3に係るびびり振動検知装置の判定処理時に、びびり振動判定部106に入力される1フレーム分の特徴量を含む判定対象データD2の例を表形式で示す図である。
実施の形態3に係るびびり振動検知装置は、NC装置207から加工条件パラメータD4を取得する。加工条件パラメータD4は、例えば、切削回転速度(すなわち、切削回転周波数)、加工対象物の材質、加工対象物の送り速度、加工対象物の削り厚、加工の種別(例えば、エンドミル加工又は突切り加工など)、などである。
びびり振動の有無の学習処理時には、特徴量抽出部103は、図11に示されるような1つ以上の特徴ベクトルを生成する。びびり振動学習部104は、生成された1つ以上の特徴ベクトルから生成された学習モデル105aを記憶部105に格納する。
びびり振動の有無の判定時には、特徴量抽出部103は、図12に示されるような特徴量を生成し、びびり振動判定部106は、特徴量抽出部103によって生成された特徴量について、学習モデル105aを参照して、びびり振動の有無を判定する。
以上に説明したように、実施の形態3に係るびびり振動検知装置又はびびり振動検知方法を用いれば、NC装置207から切削加工時のパラメータを取得し特徴ベクトルに加えて、びびり振動の有無の学習を行う。また、NC装置207から切削加工時のパラメータを取得し特徴ベクトルに加えて、びびり振動の有無の判定を行う。このように、実施の形態3に係るびびり振動検知装置又はびびり振動検知方法を用いれば、各種の切削条件の各々に、学習モデル105aを用意する必要がなく、1つの学習モデル105aを、複数の切削条件におけるびびり振動の有無の判定に用いることができる。
《4》実施の形態4.
図13は、実施の形態4に係るびびり振動検知装置400の構成を概略的に示すブロック図である。図13において、図2に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図2に示される符号と同一の符号が付されている。実施の形態4に係るびびり振動検知装置400は、ユーザが学習用ラベルを入力するときに使用する操作入力部としての学習用ラベル入力部301と、切削加工時におけるセンサデータD0を一時記憶する一時記憶部303と、一時記憶部303に一時記憶されたセンサデータD0にユーザが入力した学習用ラベルを付与し、ラベル付きセンサデータ101aに学習用データを追加する学習データ生成部302とを備えている点が、実施の形態1から3に係るびびり振動検知装置と異なる。この点以外に関しては、実施の形態4に係るびびり振動検知装置は、実施の形態1から3のいずれかに係るびびり振動検知装置と同じである。
実施の形態1から3に係るびびり振動検知装置は、事前の学習処理によって生成された学習モデル105aを使用して、びびり振動の有無の判定処理を実施する。しかし、新しいパターンの切削加工を行う場合には、学習モデル105aが、新しいパターンの切削加工に対応できず、びびり振動の有無の判定を正確に行うことができない状況が有りうる。
そこで、実施の形態4に係るびびり振動検知装置400では、切削加工時にセンサデータD0を一時記憶部303で一時記憶する。そして、びびり振動判定部106によって判定されたびびり振動の有無の判定結果情報は、判定結果表示部304に表示される。ユーザは、表示された判定結果情報を確認する。ユーザは、判定結果情報が、自身が直接認識したびびり振動の有無の状態と異なる場合には、誤判定が生じたと認識し、正しい判定結果を学習用ラベル入力部301から、例えば、手で入力する。学習データ生成部302は、一時記憶部303に一時記憶されたセンサ204から出力されたセンサデータD0に対して、ユーザが入力した学習用ラベルL0を付与し、新たなラベル付きセンサデータを作成し、既存のラベル付きセンサデータに新たなラベル付きセンサデータ(すなわち、新たな学習用データ)を追加する。そして、新たな学習用データとしてFFT演算部102、特徴量抽出部103での処理で特徴ベクトルを生成し、びびり振動学習部104で学習を行うことで学習モデル105aを更新する。
以上に説明したように、実施の形態4に係るびびり振動検知装置400又はびびり振動検知方法を用いれば、びびり振動判定部106のびびり振動の判定結果が誤判定であった場合、ユーザが学習用ラベル入力部301から正しい判定結果を入力することが可能である。このため、オンサイト(例えば、サービス提供者が加工装置200のびびり振動検知装置100の設置場所に出向いて行うサービス)での追加学習が可能になり、びびり振動の新たな発生パターンにも柔軟に対応することができる。
《5》実施の形態5.
実施の形態5に係るびびり振動検知装置は、図13に示される構成と同様の構成を有している。したがって、実施の形態5に係るびびり振動検知装置の説明に際しては、図13を参照する。実施の形態5に係るびびり振動検知装置は、判定結果表示部304が、びびり振動の判定結果の確信度を示すびびり振動検知確信度を提示情報D3aとしてユーザに提示する点が、実施の形態4に係るびびり振動検知装置と異なる。この点以外に関しては、実施の形態5に係るびびり振動検知装置は、実施の形態4に係るびびり振動検知装置と同じである。
びびり振動判定部106は、びびり振動検知確信度を公知の方法によって、取得することができる。例えば、びびり振動判定部106がサポートベクターマシンである場合には、びびり振動判定部106は、2つのクラスを分ける境界面からの符号付き距離を、シグモイド関数により、入力が特定のクラスに属している事後確率に変換し、これを確信度として出力することができる。この方法は、例えば、非特許文献2に記載されている。
以上に説明したように、実施の形態5に係るびびり振動検知装置又はびびり振動検知方法を用いれば、びびり振動判定結果の確信度をユーザが把握でき、各進度が低い場合に、ユーザが正しい学習用ラベルを入力することで、学習モデル105aをオンサイトで更新することができる
《6》実施の形態6.
図14は、実施の形態6に係るびびり振動検知装置600の構成を概略的に示すブロック図である。図14において、図13に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図13に示される符号と同一の符号が付されている。実施の形態6に係るびびり振動検知装置600は、びびり振動検知確信度D5が、学習データ生成部302に提供されている点が、実施の形態5に係るびびり振動検知装置と異なる。この点以外に関しては、実施の形態6に係るびびり振動検知装置は、実施の形態5に係るびびり振動検知装置と同じである。
実施の形態6に係るびびり振動検知装置600では、学習データ生成部302は、びびり振動判定部106が出力したびびり振動検知確信度D5が予め設定しておいた閾値よりも高い場合、一時記憶部303に一時記憶されたセンサデータD0に、びびり振動判定部106が判定した判定結果を学習用ラベルとして付与する。
以上に説明したように、実施の形態6に係るびびり振動検知装置600又はびびり振動検知方法を用いれば、びびり振動判定部106がびびり振動検知確信度D5を学習データ生成部302に提供するので、びびり振動の判定結果が正しいものとしてセンサデータD0に対して判定したびびり振動の有無の結果を学習用ラベルとして付与することができ、学習強化をオンサイトで自動的に行うことができる
《7》実施の形態7.
図15は、実施の形態7に係るびびり振動抑制装置70の構成及び切削加工を行う加工装置200の構成を概略的に示す図である。図15において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。実施の形態7に係るびびり振動検知装置700を含むシステムは、NC装置207から加工位置情報L3を取得し、さらに、切削加工後に加工面を撮影する加工面撮影部401と、加工面撮影部401が撮影した加工面の画像からびびり振動の有無の判定を行う画像判定部402とを備えている点に関して、図1に示されるシステムと異なる。
図16は、実施の形態7に係るびびり振動検知装置700の構成を概略的に示すブロック図である。図16において、図13に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図13に示される符号と同じ符号が付されている。実施の形態7に係るびびり振動検知装置700の内部構成を示す。実施の形態1の構成に対して、上述した加工面撮影部401、画像判定部402が追加されている。この点以外に関しては、実施の形態7に係るびびり振動検知装置700は、実施の形態4に係るびびり振動検知装置と同じである。
次に、実施の形態7における動作を説明する。一時記憶部303は、切削加工時にセンサ204から出力されたセンサデータD0を一時記憶するとともに、切削加工時に加工位置情報L3をセンサデータD0と関連付けて一時記憶する。切削加工が終了すると、加工面撮影部401は、加工面の画像を撮影する。そして、画像判定部402は、撮影された加工面の画像の画像データI0からびびり振動の有無の判定処理を行い、その画像内の座標を含む判定結果情報I1を出力する。ここで、加工面の画像からびびり振動の有無を判定する判定アルゴリズムは、公知である。この判定アルゴリズムでは、例えば、画像認識に適した畳み込みニューラルネットワークによる深層学習により、事前に、びびり振動が有る場合と無い場合の画像を学習し、その学習モデルを用いる。
そして、学習データ生成部302は、加工面の画像データI0から取得した、びびり振動の有無の判定結果に対応する画像内の座標を含む判定結果情報I1と、NC装置207から取得した加工位置情報L3とに基づいて、一時記憶したセンサデータD0に、新たなびびり振動の有無の学習用ラベルを付加する。具体的には、事前のキャリブレーションによって、画像内のピクセル座標と実際の加工座標系の座標との関係が得られており、ピクセル座標から実際の加工座標系の座標への座標変換を可能としている。画像判定部402が検知したびびり振動有りのピクセル座標又はびびり振動無しのピクセル座標を、実際の加工座標系の座標に変換することで、切削加工時のセンサ204から出力されたセンサデータD0に対してびびり振動の有無のラベルの付与を、フレーム単位の精度で行うことができる。ラベルが付与されたセンサデータは、ラベル付きセンサデータ101aに新規の学習用データとして追加される。そして、FFT演算部102及び特徴量抽出部103は、追加された学習用データを含むラベル付きセンサデータから、特徴ベクトルを生成する。びびり振動学習部104は、特徴ベクトルを用いて学習を行うことで、学習モデル105aを更新する。上記の学習用データの追加の処理は、びびり振動判定部106の判定結果が、画像判定部402での判定結果と異なった場合に実施される。
以上に説明したように、実施の形態7に係るびびり振動検知装置700又はびびり振動検知方法を用いれば、びびり振動判定部106の判定結果が、画像判定部402での判定結果と異なった場合に、画像判定部402での判定結果を用いてセンシングデータに対してラベル付与を自動で行う。このため、ユーザによる学習用ラベル生成のための入力作業は不要であり、オンサイトでの追加学習が可能になる。
また、学習データ生成部302により、切削加工時にびびり振動が発生した場合であっても、対応するセンサデータD0の箇所に、正しく学習用ラベルの付与を行うことができる。このため、学習モデルの更新の自動化が可能となり、学習モデルの更新による学習強化が可能になる。
《8》実施の形態8.
図17は、実施の形態8に係るびびり振動検知装置800の構成を概略的に示すブロック図である。図17において、図16に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図16に示される符号と同じ符号が付されている。この点以外に関して、実施の形態8に係るびびり振動検知装置800は、実施の形態7に係るびびり振動検知装置と同じである。
実施の形態7では、学習用データの追加の処理は、びびり振動判定部106の判定結果が、画像判定部402での判定結果と異なった場合に実施されている。これに対し、実施の形態8に係るびびり振動検知装置800では、びびり振動判定部106は、実施の形態5で説明されたびびり振動検知確信度D5を学習データ生成部302に出力する。出力されたびびり振動検知確信度D5が予め決められた閾値よりも低い場合、学習データ生成部302は、画像判定部402からの、びびり振動の有無の判定結果に対応する画像内の座標を含む判定結果情報I1を用いて、学習用データを更新する。
以上に説明したように、実施の形態8に係るびびり振動検知装置800又はびびり振動検知方法を用いれば、びびり振動判定部106がびびり振動検知確信度D5を出力し、このびびり振動検知確信度D5が予め決められた閾値よりも低い場合に、画像判定部402による学習用ラベルと一時記憶したセンサデータD0を用いて学習用データを生成するようにしている。このため、精度向上に効果的な新たな学習用データを追加することができる。このため、学習モデルの更新の自動化が可能となり、学習モデルの更新による学習強化が可能になる。
《9》実施の形態9.
実施の形態5及び6において、図14におけるびびり振動判定部106がびびり振動検知確信度D5に応じて、学習データ生成部302が追加の学習用データを生成し、これをラベル付きセンサデータ101aに追加し、オンサイトで追加学習を実施し、学習モデル105aを更新している。同様に、実施の形態7及び8において、図17におけるびびり振動判定部106がびびり振動検知確信度D5に応じて、学習データ生成部302が追加の学習用データを生成し、ラベル付きセンサデータ101aに追加し、オンサイトで追加学習を実施し、学習モデル105aを更新している。
図18は、実施の形態9に係るびびり振動検知装置900の構成を概略的に示すブロック図である。図18において、図13に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図13に示される符号と同じ符号が付されている。図19は、実施の形態9の変形例に係るびびり振動検知装置901の構成を概略的に示すブロック図である。図19において、図18に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図18に示される符号と同じ符号が付されている。
実施の形態9に係るびびり振動検知装置900,901は、学習データ生成部302が学習用データをオンサイトで新規に生成し、図18又は図19に示されるように、ラベル付きセンサデータ101aが追加された際に、サーバ501にラベル付きセンサデータ101aが送信するための通信制御部108を備えている。通信制御部108は、データ通信量を抑制するために、追加又は変更された学習用データのみをサーバ501に送信してもよい。サーバ501は、びびり振動検知装置900又は901と、図示されていない複数のびびり振動検知装置と、ネットワークを介して接続されており、複数のびびり振動検知装置から収集された学習用データを用いて、FFT演算部102、特徴量抽出部103、びびり振動学習部104と同じ処理で学習を行ってもよい。このようなサーバ501に接続されることによって、新たに生成された学習モデル105aは、同じタイプの複数のびびり振動検知装置の学習モデル105aの更新に利用することができる。このようなサーバ501からの送信データに基づく更新処理は、各びびり振動検知装置が必要とするタイミングで、行うことができる。
また、サーバ501からの送信データに基づく学習モデルの更新を行うか否かは、加工条件パラメータD4を参照して、決められてもよい。例えば、学習モデルを採用するびびり振動検知装置の加工条件パラメータD4と、更新対象の学習モデルを有するびびり振動検知装置の更新対象の加工条件パラメータD4とが一致する場合、又は、一致度が予め決められた閾値以上である場合に、更新対象の学習モデルを有するびびり振動検知装置の学習モデルを更新するようにしてもよい。言い換えれば、通信制御部108は、学習用データに対応する加工条件パラメータD4をサーバ501に送信し、送信された加工条件パラメータD4と同じ又はこの加工条件パラメータD4と予め決められた関係を持つ加工条件パラメータD4の学習用データを新たな学習モデルとして受信するようにしてもよい。
以上に説明したように、実施の形態9に係るびびり振動検知装置900,901又はびびり振動検知方法を用いれば、各びびり振動検知装置100が生成した学習用データをサーバ501が収集し新たな学習モデル105aを生成し、各びびり振動検知装置100に配信する。このため、びびり振動検知装置のみによるオンサイトでの学習よりも、効率的に学習強化ができ、様々なびびり振動を高精度化で検知することができる。
また、サーバ501が、同一又は近い加工条件ごとに、学習モデル105aを生成し、各びびり振動検知装置は、実施しようとする加工条件と同一又は近い加工条件パラメータD4の学習用データで生成された学習モデル105aをサーバ501から取得することが可能である。この場合には、びびり振動の有無を高精度で判定することができる。また、サーバでこのような個々の加工条件に対する学習用データを生成することで、効率良く学習用データを生成することができる。
《10》変形例.
図20は、実施の形態1から9の変形例に係るびびり振動検知装置のハードウェア構成の例を示す図である。実施の形態1から9の変形例に係るびびり振動検知装置は、例えば、ソフトウェアとしてのプログラム、すなわち、実施の形態1から9に係るびびり振動検知プログラムを格納する記憶装置としてのメモリ602と、メモリ602に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ601と備える。変形例に係るびびり振動検知装置は、例えば、コンピュータである。変形例に係るびびり振動検知プログラムは、情報を記憶する記憶媒体から読取装置(図示せず)を介して又はインターネットなどに接続可能な通信インタフェース(図示せず)を介してメモリ602に格納される。また、変形例に係るびびり振動検知装置は、マウス603及びキーボード604などのようなユーザ操作部である入力装置と、画像を表示する表示装置605及び音声を出力する音声出力部(図示せず)などのような出力装置とを有してもよい。また、変形例に係るびびり振動検知装置は、データベースなどの各種情報を格納する補助記憶装置606を有してもよい。補助記憶装置606は、通信インタフェース(図示せず)を介して接続可能なクラウド上に存在する記憶装置であってもよい。
実施の形態1から9のいずれかにおけるFFT演算部102、特徴量抽出部103、びびり振動学習部104、びびり振動判定部106、びびり振動抑制部107、学習データ生成部302、画像判定部402、通信制御部108、及びNC装置207の全体又は一部は、図20のメモリ602に格納されているプログラムを実行するプロセッサ601によって実現されることができる。また、記憶部101、記憶部105、一時記憶部303は、図20の補助記憶装置606の一部であってもよい。
実施の形態1から9及びそれらの変形例における構成は、適宜、互いに組み合わせることができる。
10,70 びびり振動抑制装置、 100,400,600,700,800,900,901 びびり振動検知装置、 101 記憶部(第1の記憶部)、 101a ラベル付きセンサデータ、 102 FFT演算部(変換処理部)、 103 特徴量抽出部、 104 びびり振動学習部、 105 記憶部(第2の記憶部)、 105a 学習モデル、 106 びびり振動判定部、 107 びびり振動抑制部、 200 加工装置、 201 切削工具、 202 主軸部、 203 ステージ、 204 センサ(加速度センサ)、 205 支持部、 206 加工対象物(被加工物)、 207 NC装置、 301 学習用ラベル入力部、 302 学習データ生成部、 303 一時記憶部、 304 判定結果表示部、 401 加工面撮影部、 402 画像判定部、 501 サーバ。

Claims (17)

  1. 加工対象物を加工する加工装置の切削工具の振動を検出するセンサから出力されたセンサデータに基づいて、びびり振動の有無を判定するびびり振動検知装置であって、
    センサデータにびびり振動の有無を示すラベルを付加することによって作成されたラベル付きセンサデータを記憶する第1の記憶部と、
    前記ラベル付きセンサデータから1つ以上の第1の特徴量を学習用データとして抽出する第1の抽出処理と、前記センサデータから1つ以上の第2の特徴量を含む判定対象データを抽出する第2の抽出処理と、を行う特徴量抽出部と、
    前記学習用データから学習モデルを生成するびびり振動学習部と、
    前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定するびびり振動判定部と、
    を備えたことを特徴とするびびり振動検知装置。
  2. 前記ラベル付きセンサデータをフーリエ変換することによって周波数空間の第1のデータを生成する第1の変換処理と、前記センサから出力された前記センサデータをフーリエ変換することによって周波数空間の第2のデータを生成する第2の変換処理と、を行う変換処理部をさらに備え、
    前記特徴量抽出部は、前記第1のデータから前記学習用データを抽出し、前記第2のデータから前記判定対象データを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のびびり振動検知装置。
  3. 前記変換処理部は、単位時間に加工対象物を切削する前記切削工具の刃の数に対応する切削基本周波数が、前記センサデータのサンプリング周波数によって決まる周波数分解能の整数倍になるように、前記フーリエ変換におけるウィンドウサイズを決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のびびり振動検知装置。
  4. 前記特徴量抽出部は、
    前記変換処理部から出力された前記第1のデータから抽出された1つ以上の第1のピークの周波数と前記1つ以上の第1のピークのパワーとに基づいて前記1つ以上の前記第1の特徴量を抽出し、
    前記変換処理部から出力された前記第2のデータから抽出された1つ以上の第2のピークの周波数と前記1つ以上の第2のピークのパワーとに基づいて前記1つ以上の前記第2の特徴量を抽出する
    ことを特徴とする請求項3に記載のびびり振動検知装置。
  5. 前記特徴量抽出部は、前記第1の抽出処理に際し、
    前記第1のデータの周波数スペクトルの全周波数帯域を予め決められた数の複数の周波数帯域に分割し、
    前記複数の周波数帯域である複数の分割帯域の各々において、
    前記第1のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第1の学習情報、
    前記第1のピークの数を示す第2の学習情報、
    前記第1のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ前記第1のピークのパワー及び周波数を示す第3の学習情報、
    前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第1のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第4の学習情報、
    前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第1のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ前記第1のピークのパワー及び周波数を示す第5の学習情報、
    前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第1のピークの数を示す第6の学習情報、
    前記全周波数帯域における前記第1のピークの数に対する前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第1のピークの数の割合を示す第7の学習情報、
    前記切削基本周波数の整数倍の周波数を持つ前記第1のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第8の学習情報、
    前記切削基本周波数の整数倍の周波数を持つ前記第1のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第1のピークのパワー及び周波数を示す第9の学習情報、及び
    前記切削基本周波数の整数倍の周波数を持つ前記第1のピークの数を示す第10の学習情報、
    のうちの2つ以上の学習情報を抽出し、
    前記びびり振動学習部は、前記第1から第10の学習情報のうちの2つ以上の学習情報の組み合わせから前記学習モデルを生成し、
    前記特徴量抽出部は、前記第2の抽出処理に際し、
    前記第2のデータの周波数スペクトルの全周波数帯域を前記複数の分割帯域に分割し、
    前記複数の分割帯域の各々において、
    前記第2のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第1の判定情報、
    前記第2のピークの数を示す第2の判定情報、
    前記第2のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ前記第2のピークのパワー及び周波数を示す第3の判定情報、
    前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第2のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第4の判定情報、
    前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第2のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ前記第2のピークのパワー及び周波数を示す第5の判定情報、
    前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第2のピークの数を示す第6の判定情報、
    前記全周波数帯域における前記第2のピークの数に対する前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ前記第2のピークの数の割合を示す第7の判定情報、
    前記切削基本周波数の整数倍の周波数を持つ前記第2のピークのパワーの合計、平均、又は分散を示す第8の判定情報、
    前記切削基本周波数の整数倍の周波数を持つ前記第2のピークのうちの、上位3位以内のパワーを持つ第2のピークのパワー及び周波数を示す第9の判定情報、及び
    前記切削基本周波数の整数倍の周波数を持つ前記第2のピークの数を示す第10の判定情報、
    のうちの2つ以上の判定情報を抽出し、
    前記びびり振動判定部は、前記第1から第10の判定情報のうちの、抽出された前記2つ以上の判定情報の組み合わせに基づいて、前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のびびり振動検知装置。
  6. 前記特徴量抽出部は、前記第1の抽出処理に際し、
    前記第1のデータの周波数スペクトルの全周波数帯域を予め決められた数の複数の周波数帯域に分割し、
    全周波数帯域において前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ第1のピークのパワーのうちの最大のパワーである第1の最大ピークパワーを示す第1の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークのパワーの合計を示す第2の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークのパワーの平均を示す第3の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークのパワーの分散を示す第4の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークにおいて、1番目に大きいパワーを持つ第1のピークのパワーを示す第5の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークにおいて、2番目に大きいパワーを持つ第1のピークのパワーを示す第6の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークにおいて、3番目に大きいパワーを持つ第1のピークのパワーを示す第7の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ第1のピークの数を示す第8の学習情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークの数を示す第9の学習情報、及び
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第1のピークの数の、前記全周波数帯域における第1のピークの全数に対する割合を示す第10の学習情報、
    のうちの2つ以上の学習情報を抽出し、
    前記びびり振動学習部は、前記第1から第10の学習情報のうちの2つ以上の学習情報の組み合わせから前記学習モデルを生成し、
    前記特徴量抽出部は、前記第2の抽出処理に際し、
    前記第2のデータの周波数スペクトルの全周波数帯域を前記複数の分割帯域に分割し、
    全周波数帯域において前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ第2のピークのパワーのうちの最大のパワーである第2の最大ピークパワーを示す第1の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークのパワーの合計を示す第2の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークのパワーの平均を示す第3の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークのパワーの分散を示す第4の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークにおいて、1番目に大きいパワーを持つ第2のピークのパワーを示す第5の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークにおいて、2番目に大きいパワーを持つ第2のピークのパワーを示す第6の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークにおいて、3番目に大きいパワーを持つ第2のピークのパワーを示す第7の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における前記切削基本周波数の非整数倍の周波数を持つ第2のピークの数を示す第8の判定情報、
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークの数を示す第9の判定情報、及び
    前記複数の分割帯域のうちの前記切削基本周波数を含む分割帯域における第2のピークの数の、前記全周波数帯域における第2のピークの全数に対する割合を示す第10の判定情報、
    のうちの2つ以上の判定情報を抽出し、
    前記びびり振動判定部は、前記第1から第10の判定情報のうちの2つ以上の判定情報の組み合わせに基づいて、前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のびびり振動検知装置。
  7. 前記学習用データは、前記加工装置による切削加工の条件である加工条件パラメータを含み、
    前記びびり振動学習部は、前記加工条件パラメータを含む学習用データから前記学習モデルを生成し、
    前記判定対象データは、前記加工装置による加工条件パラメータを含み、
    前記びびり振動判定部は、前記加工条件パラメータを含む判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のびびり振動検知装置。
  8. ユーザ入力を受け付ける学習用ラベル入力部と、
    前記センサデータを一時的に記憶する一時記憶部と、
    前記一時記憶部に記憶されている前記センサデータと前記ユーザ入力とから、新たなラベル付きセンサデータを生成し、前記第1の記憶部に記憶されているラベル付きセンサデータを、前記新たなラベル付きセンサデータを用いて更新する学習データ生成部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のびびり振動検知装置。
  9. 前記びびり振動判定部は、前記びびり振動判定部による判定の結果の確信度を示すびびり振動検知確信度を生成し、前記びびり振動検知確信度を表示装置に表示させる表示信号を出力することを特徴とする請求項8に記載のびびり振動検知装置。
  10. 前記センサデータを一時的に記憶する一時記憶部と、
    前記加工対象物の加工面を撮影することで得られた画像に基づくびびり振動の有無の判定の結果とから、新たなラベル付きセンサデータを生成し、前記第1の記憶部に記憶されているラベル付きセンサデータを、前記新たなラベル付きセンサデータを用いて更新する学習データ生成部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のびびり振動検知装置。
  11. 前記センサデータを一時的に記憶する一時記憶部と、
    前記加工対象物の加工面を撮影することで得られた画像に基づいてびびり振動の有無を判定する画像判定部と、
    前記判定の結果から、新たなラベル付きセンサデータを生成し、前記第1の記憶部に記憶されているラベル付きセンサデータを、前記新たなラベル付きセンサデータを用いて更新する学習データ生成部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のびびり振動検知装置。
  12. 前記びびり振動判定部は、前記びびり振動判定部による判定の結果の確信度を示すびびり振動検知確信度を生成し、
    前記びびり振動判定部が出力したびびり振動検知確信度が予め決められた確信度の閾値よりも低い場合、前記学習データ生成部は、前記画像を用いて判定の結果に基づいて前記ラベル付きセンサデータを更新する
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のびびり振動検知装置。
  13. 前記学習モデルを記憶する第2の記憶部と、
    複数のびびり振動検知装置から学習用データを収集し、前記学習用データを用いて学習を行うサーバとの通信を可能にする通信制御部と、
    をさらに備え、
    前記通信制御部は、前記サーバで生成された新たな学習モデルを用いて前記学習モデルを更新する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のびびり振動検知装置。
  14. 前記通信制御部は、前記学習用データに対応する加工条件パラメータを前記サーバに送信し、送信された前記加工条件パラメータと同じ又は前記加工条件パラメータと予め決められた関係を持つ加工条件パラメータの学習用データを前記新たな学習モデルとして受信することを特徴とする請求項13に記載のびびり振動検知装置。
  15. 加工対象物を加工する加工装置の切削工具の振動を検出するセンサから出力されたセンサデータに基づいて、びびり振動の有無を判定するびびり振動検知方法であって、
    センサデータにびびり振動の有無を示すラベルを付加することによって作成されたラベル付きセンサデータから1つ以上の第1の特徴量を学習用データとして抽出する第1の抽出処理を行うステップと、
    前記センサデータから1つ以上の第2の特徴量を含む判定対象データを抽出する第2の抽出処理を行うステップと、
    前記学習用データから学習モデルを生成するステップと、
    前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定するステップと
    を有することを特徴とするびびり振動検知方法。
  16. 加工対象物を加工する加工装置の切削工具の振動を検出するセンサから出力されたセンサデータに基づいて、びびり振動の有無を判定するびびり振動検知処理をコンピュータに実行させるびびり振動検知プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    センサデータにびびり振動の有無を示すラベルを付加することによって作成されたラベル付きセンサデータから1つ以上の第1の特徴量を学習用データとして抽出する第1の抽出処理と、
    前記センサデータから1つ以上の第2の特徴量を含む判定対象データを抽出する第2の抽出処理と、
    前記学習用データから学習モデルを生成するステップと、
    前記判定対象データがびびり振動有りを示すデータであるか否かを、前記学習モデルを参照して判定する処理と
    を実行させることを特徴とするびびり振動検知プログラム。
  17. 請求項1から14のいずれか1項に記載のびびり振動検知装置と、
    前記びびり振動検知装置の前記びびり振動判定部から出力された前記判定の結果に基づいて、前記加工装置の動作を制御するびびり振動抑制部と、
    を備えたことを特徴とするびびり振動抑制装置。
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