次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される基体としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する基体としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の演出図柄を変動表示させて図柄組合せ演出を表示する第1の表示装置(第1の表示部)17が着脱可能に配設されている。実施例では、第1の表示装置17で変動表示および停止表示される演出図柄が第1の識別情報であって、以下飾図という場合がある。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された基体としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。すなわち、第1の表示装置17は、表示による演出を行う演出実行手段として機能している。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記前枠13には、窓口13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記第1の表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄組合せ演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記前枠13には、図1に示す如く、前記下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域27に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下領域27a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤に形成された第2球流下領域27b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。なお、実施例では、前記第1の表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記第1の表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21によりパチンコ球が流下する遊技領域27が画成されて、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域27内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、各種入賞部29,30,40,ゲート部48等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域27の最下部位置には、該遊技領域27に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜に決定される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域27の略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体(装飾部材)25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して第1の表示装置17の表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域27を流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口32を有する第2始動入賞部30が取り付けられている。ここで、前記第2始動入賞部30は、後述する普図当りの発生に伴ってパチンコ球が入賞可能に開放される普図当り用入賞手段とされている。
ここで、前記枠状装飾体25は、前記表示窓口25aの左右側部および上部に亘って連続して延在する庇状部が前記遊技盤20の前面から前方へ突出するように設けられて、前記遊技領域27と表示窓口25aとを区画するよう構成されており、遊技領域27を流下するパチンコ球が枠状装飾体25の表示窓口25a内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例の遊技領域27は、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下領域27aと、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下領域27bとに区画されて、遊技盤20の遊技領域27に打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下領域27aをパチンコ球が流下する遊技形態(左打ち)または第2球流下領域27bをパチンコ球が流下する遊技形態(右打ち)が行われるようになっている。
また、前記遊技盤20には、遊技領域27を流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口31,32,41,46が適宜の位置に設けられており、各入賞口31,32,41,46へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサSE1〜SE4の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄組合せ演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)31,32と、後述する特別遊技(特別遊技状態)としての当り遊技(大当り遊技)の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件のみが成立する普通入賞口46とが設けられている。実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞口31,32は、前記第1球流下領域27aおよび第2球流下領域27bの夫々に設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域27の第2球流下領域27bに設けられると共に、前記普通入賞口46は、遊技領域27の第1球流下領域27aおよび第2球流下領域27bの夫々に設けられている(図2参照)。
(始動入賞口31,32について)
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、第1始動入賞口31を備えた第1始動入賞部29が設けられている。第1始動入賞口31は、遊技領域27内で常に上方へ開口する常時開放型の入賞口とされる。また、前記遊技盤20には、図2に示すように、前記枠状装飾体25の右下方位置に、前記第2始動入賞口32を開閉する第2始動入賞部30が設けられている。前記第2始動入賞部30は、前記枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域27(第2球流下領域27b)内で第2始動入賞口32が開口するよう設けられると共に、当該第2始動入賞口32を開閉する始動用開閉部材34を備えており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド33(図8参照)の駆動に伴って始動用開閉部材34が第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、前記第2始動入賞口32は、パチンコ球の入賞態様を可変する始動用開閉部材34を備えた可変入賞口として構成されている。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31は、前記遊技領域27(第1球流下領域27a)を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口32は、始動入賞ソレノイド33を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記始動用開閉部材34が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域27(第1球流下領域27a)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも、遊技領域27の第2球流下領域27bを流下するパチンコ球が第2始動入賞口32へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記始動用開閉部材34が開放位置に変位した状態では、始動用開閉部材34で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口32に案内されることで、前記遊技領域27(第1球流下領域27a)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも、遊技領域27の第2球流下領域27bを流下するパチンコ球が第2始動入賞口32へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記始動用開閉部材34が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口32が開放した状態を閉鎖位置としてもよい。
また、前記第1および第2始動入賞口31,32は、該第1および第2始動入賞口31,32に入賞したパチンコ球を検出する始動検出手段(検出手段)としての始動入賞検出センサSE1,SE2(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサSE1,SE2は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1および第2始動入賞口31,32に対応した始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。なお、第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数は、任意に決定することができる。
また、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1,第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り判定(当り判定)が行われるよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2がパチンコ球を検出すること(すなわち第1,第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞すること)がメイン制御CPU60aによる特図当り判定が行われるための判定条件となっている。そして、特図当り判定の結果に基づいて(始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機として)前記第1の表示装置17において図柄組合せ演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記第1の表示装置17での図柄組合せ演出の結果、該第1の表示装置17に所定の当り表示となる図柄組合せ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示された後に、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
実施例では、前記始動入賞検出センサSE1,SE2が始動入賞口31,32毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31に対応するセンサを第1始動入賞検出センサSE1と指称し、第2始動入賞口32に対応するセンサを第2始動入賞検出センサSE2と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかからの検出信号が入力されると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、図示しない球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球数は、パチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(特別入賞部)40は、図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域27(第2球流下領域27b)に配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域27に開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する特別用開閉部材43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って特別用開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。実施例では、前記特別用開閉部材43が閉鎖位置に変位した状態では、前記特別入賞口41へパチンコ球が入賞しないよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE3(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサSE3は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサSE3がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサSE3からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では14個)の賞球を払い出させるようになっている。また、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1,第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する当り遊技が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞口46について)
前記普通入賞口46は、図2に示すように、前記遊技盤20の遊技領域27内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域27を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞口46には、該普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE4(図8参照)が設けられている。前記普通入賞検出センサSE4は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサSE4からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、普通入賞検出センサSE4によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御基板60が所定数(実施例では第1球流下領域27aの普通入賞口46の入賞では8個、第2球流下領域27bの普通入賞口46の入賞では7個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
(ゲート部48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域27の第2球流下領域27bを流下するパチンコ球が通過可能なゲート部48が設けられている。前記ゲート部48にはゲートセンサSE5(図8参照)が配設されており、該ゲート部48を通過するパチンコ球をゲートセンサSE5で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサSE5は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサSE5からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサSE5のパチンコ球の検出)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定が行われるよう構成されている。そして、この普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド33が駆動制御されて始動用開閉部材34が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサSE5によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口32を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域27外の左下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56およびラウンド表示部57等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(特別図柄表示手段)50A,50Bは、前記第1,第2始動入賞口31,32への入賞を契機として行われる特図当り判定の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。すなわち、特図表示部50A,50Bは、特図当り判定の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示手段である。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての200種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り判定の結果に応じて決定された1つの特図が、特図変動表示の結果として、各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、大当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1,第2始動入賞口31,32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄組合せ演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、上下に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が上から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が上から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサSE5のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、普図表示部55では、ゲートセンサSE5のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、図2に示すように、上下に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから普図表示部55が構成されており、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を表示するようになっている。具体的には、上側LEDだけが点灯する発光態様および下側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、下側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、上側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。すなわち、普図表示部55は、普図当り判定の判定結果を示す普通図柄を変動および停止表示する普通図柄表示手段である。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド表示部57について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定(特図当り判定)に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、前記ラウンド表示部57で当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するよう構成されている。ラウンド表示部57は、図2に示すように、複数個(実施例では8個)の発光表示部により構成されている。また、本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「2回」、「4回」および「16回」の3種類が設定されており、該ラウンド表示部57の表示内容によって規定ラウンド数を識別可能に報知するようになっている。
(第1の表示装置17について)
前記特図表示部50A,50Bとは別に設けられる前記第1の表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1,第2始動入賞口31,32への入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。また、第1の表示装置17には、組合せの対象となる飾図が確定停止表示される複数の組合せ図柄位置L,C,Rが設定されて、図柄組合せ演出の結果として当該組合せ図柄位置L,C,Rの夫々に停止表示された飾図の組合せが予め定められた当り表示となる場合に、特図当り判定の判定結果が当りであることが報知されるよう構成されている。実施例の第1の表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の組合せ図柄位置L,C,Rが1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄組合せ演出が行われるようになっている。すなわち、実施例では、3列の図柄列26a,26b,26cに対応した3つの飾図の組合せで当りか否かを報知し得るよう構成されており、第1の表示装置17は、始動条件の成立を契機として所定の演出を実行した後に、前記メイン制御CPU60aでの当り判定の判定結果に応じた飾図の組合せを停止表示するようになっている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記第1の表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示範囲は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、第1の表示装置17の組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された図柄組合せから大当りやはずれを認識できる。
前記第1の表示装置17には、図柄組合せ演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄組合せ演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、第1の表示装置17で実行される図柄組合せ演出の演出内容や特図始動保留情報の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記第1の表示装置17では、図柄組合せ演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄組合せ演出が終了するようになっている。すなわち、図柄組合せ演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。ここで、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出に基づく図柄組合せ演出(第1,第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として800ms(ミリ秒)が設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置L,C,Rに留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、組合せ図柄位置L,C,Rにおいて飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。また、「飾図の変動」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が認識可能な状態で表示されていない状態であって、組合せ図柄位置に表示される飾図が所定順序で変化したり、組合せ図柄位置に飾図が表示されていない状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと第1の表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄組合せ演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと第1の表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄組合せ演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る第1の表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)が付与される可能性が高いことを遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性が高いか否かを認識不能な第2の識別図柄とに分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後詳する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。なお、実施例では、第1の識別図柄は、確変状態が付与されることを確定的に報知する図柄として説明する。
そして、前記第1の表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組合せであった場合に、当り遊技(大当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組合せとして、各図柄列の組合せ図柄位置L,C,Rに同じ飾図が確定停止表示される図柄組合せ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組合せが、第1の表示装置17に表示される大当り表示(当り表示)となり、図柄組合せ演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、第1の表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の組合せ図柄位置L,C,Rの何れか(例えば中図柄列26bの組合せ図柄位置C)に特殊な飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組合せが、第1の表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、第1の表示装置17の組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組合せ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組合せが、第1の表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組合せのうち、特定の図柄組合せを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組合せとは、当該図柄組合せから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組合せの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組合せ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組合せ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合せとなる図柄組合せ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組合せは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組合せとされる。
また、図柄組合せ演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組合せ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)の飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
このように、第1の表示装置17は、図柄組合せ演出を表示すると共に複数の飾り図柄を停止表示する演出表示手段である。そして、演出表示手段としての第1の表示装置17に、組合せの対象となる飾図(演出図柄)が停止表示される複数の組合せ図柄位置が設定されて、当該組合せ図柄位置の夫々に停止表示された演出図柄の組合せが予め定められた当り表示となる場合に、特図当り判定の判定が当りであることが報知されるよう構成されている。
また、前記第1の表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組合せが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、第1の表示装置17に表示される飾図の図柄組合せとが夫々対応しており、図柄組合せ演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、第1の表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組合せは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組合せの中から1つの飾図による図柄組合せが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、大当り遊技(当り遊技)の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1010/65536)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。また、前記低確率および高確率は一例であって、これに限られるものではない。実施例では、確変状態が付与される場合には、大当り遊技終了後、所定回数(規定回数)の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある(図3参照)。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間(以下、確変状態が継続する図柄組合せ演出(特図変動表示)の変動回数を確変回数という)としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。なお、実施例のように確変回数を規定回数とした構成では、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変回数カウンタに確変回数を設定し、図柄組合せ演出毎(特図変動表示毎)にカウンタ値を1減算し、「0」になった場合に確変フラグを「0」とするようになっている。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。言い換えると、入賞率向上状態は、前記ゲートセンサSE5の検出に伴って行われる普図当り判定において単位時間に普図当りと判定される割合が向上した状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動用開閉部材34の開放時間を増やすこと等により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組合せることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動用開閉部材34の開放時間を増やすに際しては、始動用開閉部材34の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動用開閉部材34の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組合せて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短状態では、大当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、16384/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。また、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口32への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記始動用開閉部材34を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、始動用開閉部材34の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。
ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(実施例において後述する図柄Aおよび図柄c)である場合に、大当り遊技の終了後、200回の図柄組合せ演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され(変短回数=200回)、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(実施例において後述する図柄d)である場合に、大当り遊技の終了後、100回の図柄組合せ演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され(変短回数=100回)、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた非確変図柄(実施例において後述する図柄Bおよび図柄e)である場合に、100回の図柄組合せ演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている(変短回数=100回)。すなわち、実施例では、大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合に200回または100回の変短回数が付与され、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない場合に100回の変短回数が付与されるように設定されている。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄組合せ演出毎(特図変動表示毎)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
前記確変機能および変短機能を備えたパチンコ機10では、該パチンコ機10において制御条件が異なる遊技状態として、確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態(非確変・非変短状態、すなわち通常状態)、確変状態が付与されない一方で変短状態が付与された遊技状態(非確変・変短状態)、確変状態が付与される一方で変短状態が付与されない遊技状態(確変・非変短状態)および確変状態および変短状態が何れも付与された遊技状態(確変・変短状態)の4種類が設定可能となっている。そして、実施例のパチンコ機10では、確変・非変短状態を除く3種類の遊技状態が、付与される大当り遊技の種類によって変更可能に構成されている。また実施例では、確変・変短状態および非確変・変短状態の2種類の遊技状態が、前記メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が決定可能な特別遊技状態として設定されている。なお、実施例では、大当り遊技が実行されている大当り状態について、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が決定可能な特別遊技状態である。また、パチンコ機10において設定可能な各遊技状態(確変・変短状態、非確変・変短状態および通常状態)においては、前記第1の表示装置17で実行される図柄組合せ演出(飾図、識別情報)の表示条件(演出内容(後述する特図変動パターンや演出パターン))の一部または全部が異なっており、これらの遊技状態毎に特有の演出が実行され得るよう設定されて、該図柄組合せ演出の態様によって遊技中の遊技状態を認識し得るようになっている。
また、実施例のパチンコ機10は、遊技状態が前記確変状態や変短状態となった場合には、当該遊技状態であることを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を前記第1の表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。実施例では、遊技状態として前記確変・変短状態、非確変・変短状態および通常状態が設定されており、当該遊技状態に対応する遊技状態示唆画像が設定されている。なお、各遊技状態(確変・変短状態、非確変・変短状態および通常状態)の夫々において第1の表示装置17に表示される遊技状態示唆画像は1種類である必要はなく、これらの遊技状態毎に複数種類の遊技状態示唆画像を設定することができる。第1の表示装置17に表示される遊技状態に対応した遊技状態示唆画像としては、具体的には、第1の表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が遊技状態に応じて異なるように設定されており、該背景画像の種類から現在の遊技状態を遊技者が認識し得るようになっている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技(当り遊技)について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の特別用開閉部材43が開閉動作される。図3に示すように、大当り遊技は、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では2ラウンド、4ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。ラウンド遊技では、特別入賞装置40の特別用開閉部材43が開放してパチンコ球の特別入賞口41への入賞が許容される。なお、1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。また、大当り遊技における各ラウンド遊技の間のラウンド間インターバル時間の間は、特別用開閉部材43が閉鎖状態で保持される。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の特別用開閉部材43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも特別用開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組合せて構成されている。なお、実施例では、長時間開放動作において特別用開閉部材43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間開放動作において特別用開閉部材43が最大で0.06秒間開放するよう設定される。また、実施例のパチンコ機10では、前記オープニング演出OPが実行されるオープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、前記エンディング演出EDが実行されるエンディング演出時間として「13.0(秒)」が設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定(特図当り判定)に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄c、図柄d、図柄eの3つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに74種類、図柄Bに26種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄cに70種類、図柄dに20種類、図柄eに10種類が夫々振り分けられている。なお、大当り遊技の種類や特図の振り分けは、これに限られるものではなく、適宜に設定可能である。
(第1特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の大当り図柄(図柄A、図柄B)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機10では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、74%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、26%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択されるよう特図決定用判定値(後述)が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分け割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では200回)の図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として、200回が設定されている。
前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別用開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として、100回が設定されている。
前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.06(秒)」が設定されている。なお、第2の大当り遊技では、ラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、第2の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.06(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第2の大当り遊技は、入賞球は殆ど発生することはなく賞球数が最も少ない大当り遊技として設定されている。
(第2特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄c、図柄d、図柄e)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機10では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、70%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択され、20%の割合で大当り図柄としての図柄dが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄eが選択されるように特図決定用判定値(後述)が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分け割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄cに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、図柄c(第3の大当り遊技)が決定された場合に、第3の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では200回)の図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄c(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として、200回が設定されている。
前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第3の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第3の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。このように、第3の大当り遊技は、実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も付与される利益が大きい大当り遊技として設定されている。
(第4の大当り遊技について)
前記図柄dに対応した第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第4の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、図柄d(第4の大当り遊技)が決定された場合に、第4の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では200回)の図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄d(第4の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として、100回が設定されている。
前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また、第4の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。このように、第4の大当り遊技は、前述した第3の大当り遊技と同様に大当り遊技の終了後には確変状態および変短状態が付与されるものの、大当り遊技中において獲得可能な賞球数は、第3の大当り遊技よりは少ない大当り遊技として設定されている。また、第4の大当り遊技では、大当り遊技の終了後に付与される変短回数が100回であるのに対し、第3の大当り遊技では、大当り遊技の終了後に付与される変短回数が200回であり、付与される変短回数の違いによっても第4の大当り遊技より第3の大当り遊技の方が遊技者にとって有利な大当り遊技となっている。
(第5の大当り遊技について)
前記図柄eに対応した第5の大当り遊技は、当該第5の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第5の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3参照)。具体的に、実施例では、図柄e(第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として、100回が設定されている。
前記第5の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また、第5の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。このように、第5の大当り遊技は、前述した第3の大当り遊技と同様に、実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も獲得可能な賞球数が多い大当り遊技として設定されている。但し、第5の大当り遊技では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されないのに対し、第3の大当り遊技では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される点で、第5の大当り遊技より第3の大当り遊技の方が、遊技者にとって有利な大当り遊技となっている。また、第4の大当り遊技と第5の大当り遊技とを比較すると、大当り遊技中に獲得可能な賞球数の点では第5の大当り遊技が有利であるが、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される点では第4の大当り遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞口31への入賞を契機とする第1特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数が「2」または「4回」に設定された第1〜第2大当り遊技に対して大当り図柄としての特図1(図柄A,図柄B)が割り当てられているのに対し、第2始動入賞口32への入賞を契機とする第2特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数が「4回」または「16回」に設定された第3〜第5の大当り遊技に対して大当り図柄としての特図2(図柄c,図柄d,図柄e)が夫々割り当てられている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口32への入賞に基づいた大当り判定の判定結果が当りの場合に、第1始動入賞口31への入賞に基づいた大当り判定の判定結果が当りの場合と比べて、獲得可能な賞球数(付与される特典量)が同等または多くなる高い大当り遊技の種類(大当り図柄)をメイン制御CPU60aが決定するよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70,72,73に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、第1の表示装置17の表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄組合せ演出や発光演出、音演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、第1の表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄組合せ演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備えるスピーカ19からの音演出の出力タイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサSE1,SE2、特別入賞検出センサSE3、普通入賞検出センサSE4、ゲートセンサSE5等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57等)が接続されて、各検出センサSE1〜SE5の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,57の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口32を開閉する始動用開閉部材34に連繋する始動入賞ソレノイド33、特別入賞口41を開閉する特別用開閉部材43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド33,42を駆動させることで、対応する開閉部材34,43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別用開閉部材43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1,第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1,第2始動入賞口31,32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)にメイン制御CPU60aが一時的に記憶保持させるよう構成されている。特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄組合せ演出(特図変動表示)を実行する場合に、特図始動保留情報をメイン制御RAM60cに記憶した順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。なお、以下の説明では、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第1特図始動保留情報と指称し、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第2特図始動保留情報と指称して区別する場合もある。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域は、第1領域〜第4領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサSE1,SE2の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、特図当り判定(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。すなわち、最大で8個の始動保留情報(すなわち4個の第1始動保留情報および4個の第2始動保留情報)をメイン制御RAM60cに記憶させ得るよう構成されており、当該メイン制御RAM60cが記憶する最大で8個の第1および第2特図始動保留情報の内で最も古い情報から順に、メイン制御CPU60aが特図始動保留情報を読み出すよう設定されている。
前記特図当り判定用乱数は、図柄組合せ演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの特図当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「199」の全200通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す200種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄組合せ演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、第1の表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、1回の図柄組合せ演出において各図柄列26a,26b,26cの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、第1の表示装置17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音演出により第1の表示装置17に当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄組合せ演出における演出時間を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数値は、第1,第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1,第2始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。ここで、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31,32への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE5がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサSE5の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサSE5の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサSE5をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口32の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE5がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄組合せ演出の結果、大当り遊技を発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当り遊技を発生させるか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されている場合は、付与されていない場合よりも多く設定されて、確変状態では非確変状態より大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が大当りの場合(大当り遊技に当選した場合)に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した200種類の特図決定用乱数に対応した種類の整数値が設定されている。そして、第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図1の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄A〜図柄Bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄A〜図柄Bの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。同様に、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図2の大当り図柄として設定された前記3種類の図柄c〜図柄eに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄c〜図柄eの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、特図当り判定の結果がはずれ(否定)の場合に、当り表示が第1の表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、最終的にはずれとなるリーチ演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態または変短状態)に応じて判定値の設定数が異なっている。具体的に、変短状態が付与されている場合よりも変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し難くなっている。
(特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄組合せ演出の表示内容、発光演出態様、音演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄組合せ演出および特図変動表示の時間)を特定している。
前記特図変動パターンとして、特図当り判定の結果がはずれ(否定)の場合にメイン制御CPU60aが選択可能なはずれ用の特図変動パターンとして、リーチ演出が行われない通常はずれ用のリーチなしはずれ特図変動パターンと、リーチ演出が行われるリーチはずれ用のノーマルリーチはずれ特図変動パターンおよびスーパーリーチはずれ特図変動パターンとが設けられている。通常はずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチなし特図変動パターン、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンおよびスーパーリーチはずれ特図変動パターンの夫々には、特定する演出内容が異なる複数種類が設定されている。また、特図変動パターンとして、特図当り判定の結果が当り(肯定)の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な当り用の特図変動パターンとして、リーチ演出が行われるノーマルリーチ当り特図変動パターン、スーパーリーチ当り特図変動パターンが設定されている。なお、ノーマルリーチ当り特図変動パターンおよびスーパーリーチ当り特図変動パターンの夫々についても、特定する演出内容が異なる複数種類が設定されている。
ここで、リーチ演出は、前記第1の表示装置17で行われる図柄組合せ演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組合せが停止表示されるまでの間に行われる演出である。また、リーチ演出には、図柄組合せ演出の変動時間が異なるノーマルリーチ演出およびスーパーリーチ演出等があり、各リーチ演出に対応する特図変動パターンが設定されている。なお、変動時間は、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出の順で長くなる。また、リーチ演出が行われない特図変動パターンの図柄組合せ演出の変動時間は、ノーマルリーチ演出が行われる特図変動パターンの図柄組合せ演出の変動時間より短く設定されている。
また、前記スーパーリーチ演出では、図柄組合せ演出中において、再変動や再抽選等の煽り演出を行う種類も設定されている。再変動とは、左図柄列26aの組合せ図柄位置Lに停止した有効飾図(有効演出図柄)と、右図柄列26cの組合せ図柄位置Rに停止した有効飾図(有効演出図柄)とによりリーチ表示された状態で、中図柄列26bの変動中の飾図の速度を遅くしてリーチ表示された組合せ図柄位置C上に停止するように見せ掛けた後に、速度を速やめて再変動させる演出形態である。これに対し、再抽選とは、組合せ図柄位置L,C,R上に同じ有効飾図(有効演出図柄)の組合わせで仮の大当り飾図(大当り演出図柄)を一旦停止表示(仮停止表示という場合もある)させた後に、該大当り飾図を再変動させて、最終的な大当り飾図を確定停止表示させる演出形態である。
前記メイン制御ROM60bには、変動パターン振分用判定値が記憶されている。変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じて決定可能な特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する際に用いる判定値であり、特図変動パターン振分用乱数の取り得る数値「0」〜「250」までの全251通りの整数の中から定められている。この変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じてメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンに対して所定数ずつ割り当てられている。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に対応する判定値が割り当てられた変動パターンを特定することで、図柄組合せ演出において実行される特図変動パターン(演出内容や変動時間)が決定される。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に基づいて複数の特図変動パターンから特図変動パターンを決定する際に、変動パターン振分用判定値の割当て数に応じて特図変動パターンの選択されやすさを調節している。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されている場合は、付与されていない場合よりも多く設定されて、変短状態では非変短状態より普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割り当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割り当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定の結果によって、割り当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに当選)の場合に1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば6000ms)を定めた普図変動パターンが決定されるのに対し、普図当り判定の結果が否定(普図当りに落選)の場合に別の1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば520ms)を定めた普図変動パターンが決定されるようになっている。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図8に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
前記演出制御ROM65bには、図柄組合せ演出において実行する図柄組合せ演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記第1の表示装置17で行わせる図柄組合せ演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。また、演出パターンには、図柄組合せ演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、前記演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、第1の表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、第1の表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
(演出パターンについて)
前記演出パターンとして、前記リーチなしはずれ特図変動パターン、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンおよびスーパーリーチはずれ特図変動パターンに対応するリーチなしはずれ演出パターンP1、ノーマルリーチはずれ演出パターンP2およびスーパーリーチはずれ演出パターンP3が設定されると共に、前記ノーマルリーチ当り特図変動パターンおよびスーパーリーチ当り特図変動パターンに対応するノーマルリーチ当り演出パターンP4およびスーパーリーチ当り演出パターンP5が設定されている(図10参照)。また、実施例のパチンコ機10では、演出パターンとして、スーパーリーチ当り特図変動パターンに対応して昇格演出パターンP6および非昇格演出パターンP7が設定されている。なお、各演出パターンP1〜P7の夫々について、演出内容が異なる複数種類が設定されている。
前記昇格演出パターンP6および非昇格演出パターンP7は、前記再抽選の演出形態を特定するものである。昇格演出パターンP6は、前記第1の表示装置17の組合せ図柄位置L,C,R上に、確変大当り遊技が付与されることが認識不能な種類の飾図(第2の識別図柄)を仮停止表示した後に、該飾図を再変動させて、最終的に確変大当り遊技が付与されることが認識できる種類の飾図(第1の識別図柄)を確定停止表示させる演出形態を特定している。また、非昇格演出パターンP7は、第1の表示装置17の組合せ図柄位置L,C,R上に、確変大当り遊技が付与されることが認識不能な種類の飾図(第2の識別図柄)を仮停止表示した後に、該飾図を再変動させて、最終的に確変大当り遊技が付与されることが認識不能な種類の飾図(第2の識別図柄)を確定停止表示させる演出形態を特定している。なお、前記演出制御CPU65aは、図柄組合せ演出の演出パターンとして非昇格演出パターンP7を決定した場合は、演出制御RAM65cの記憶領域に設定された演出パターンフラグに「1」を設定すると共に、非昇格演出パターンP7以外の演出パターンを決定した場合は該演出パターンフラグに「0」を設定し、後述する当り表示演出の種類を決定する際に、該演出パターンフラグを参照することで、図柄組合せ演出の演出パターンとして非昇格演出パターンP7が決定されたか否かを認識し得るようになっている。
(当り表示演出について)
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技中において前記第1の表示装置17で実行可能な複数種類の当り表示演出HE1、HE2が演出制御ROM65bに記憶されており、大当り図柄の種類(大当り遊技の種類)および演出パターンの種類に応じて演出制御CPU65aが対応する当り表示演出HE1、HE2を決定し、演出制御ROM65bに記憶されている当り表示演出情報に基づいて第1の表示装置17で当り表示演出HE1、HE2を実行し得るよう構成される。当り表示演出HE1、HE2は、大当り遊技に対応してオープニング演出と、ラウンド演出と、エンディング演出とのパートから構成され、実施例では、大当り遊技における1回目のラウンド遊技の開始から最終回のラウンド遊技の終了までの間に行われる演出がラウンド演出である。実施例では、オープニングの開始を当り遊技の開始とし、エンディングの終了を当り遊技の終了としている。
実施例では、演出内容が異なる2種類の当り表示演出HE1、HE2が演出制御ROM65bに記憶されており、図11に示すように、大当り判定に当選した大当り図柄毎に、演出制御CPU65aが決定可能な当り表示演出HE1、HE2の種類が設定されている。すなわち、特図1の図柄Aでは、第1当り表示演出HE1と第2当り表示演出HE2とが決定可能に設定され、特図1の図柄Bでは、第1当り表示演出HE1が決定可能に設定される。また、特図2の図柄c、dでは、第1当り表示演出HE1と第2当り表示演出HE2とが決定可能に設定され、特図2の図柄eでは、第1当り表示演出HE1が決定可能に設定される。
前記各当り表示演出HE1、HE2は、具体的な演出内容を特定する演出表示パターン(演出情報)を夫々複数種類備えており、前記演出制御CPU65aは、各図柄(大当り図柄)の種類毎に決められた当り表示演出の演出表示パターンを複数種類の中から決定し、該演出制御CPU65aからパターン指定コマンドが前記表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力されるよう設定される。そして、表示制御基板70では、パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出表示パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出表示パターンに対応した演出内容を表示するように第1の表示装置17を制御することで、大当り遊技に際して図柄の種類に応じた当り表示演出が実行されるようになっている。
ここで、前記当り表示演出HE2は、大当り遊技が確変大当りで、かつ演出パターンとして非昇格演出パターンP7が決定されていた場合にのみ演出制御CPU65aが決定可能な当り表示演出として設定されている。そして、当り表示演出HE2は、予め設定された回数目のラウンド遊技(実施例では3回目に設定されている場合で説明するがその他の回数目であってもよい)において、確変状態が付与されることを報知する確変昇格演出が実行される演出である。具体的に、確変昇格演出は、3回目のラウンド演出において前記第1の表示装置17に確定停止表示されている、確変状態が付与されることが認識不能な種類の飾図(第2の識別図柄)を変動させて、確変状態が付与されることが認識できる種類の飾図(第1の識別図柄)を確定停止表示させる演出形態を特定している。すなわち、第1の表示装置17に確定停止表示された飾図は、前記演出制御CPU65aが当り遊技中に変更可能な第1の識別情報である。
(電源基板100について)
前記パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板100が配設されている。この電源基板100には、図8に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ101と、制御RAM60c,65cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ102が設けられている。また電源基板100には、前記電源スイッチ101に接続し、該電源スイッチ101のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路(電源監視手段)103が設けられると共に、前記クリアスイッチ102に接続するクリアスイッチ回路104が設けられている。実施例では、クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60、演出制御基板65がメイン制御RAM60c、演出制御RAM65cを初期化(記憶情報を初期化)するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ101、クリアスイッチ回路104およびクリアスイッチ102からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路104とクリアスイッチ102とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ102をON操作したときにクリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力する構成を採用し得る。
図8に示す如く、前記電源基板100には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電気部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)105が設けられている。電源回路105には、各制御基板60,65,70が接続されており、該電源回路105は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70に対応する供給すベき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板60,65,70に供給するよう構成される。なお、電源回路105から各制御基板60,65,70に供給された電源電圧が、各制御基板60,65,70に配線接続される各種の電気機器に供給される。
前記電源基板100には、前記電源回路105に接続する前記電源断監視回路103が設けられ、該電源断監視回路103は、電源回路105に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路103は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電気部品(例えば、検出センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電気部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
前記電源基板100には、前記電源断監視回路103に接続するリセット信号回路106が設けられている。電源断監視回路103は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、演出制御基板65およびリセット信号回路106に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路106は、電力供給の開始時(電源投入時や停電解消による復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板70に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板70の動作を規制するようになっている。
前記電源基板100には、コンデンサ等のバックアップ電源107が設けられ、パチンコ機10の主電源が切断されて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ101のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路103からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源107は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報(記憶情報)を後述するバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。
(復電処理に関する構成について)
前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。このバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。実施例では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグ、変短フラグや演出モードフラグ)等の遊技状態を特定可能な情報等の各種情報(制御情報)が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報がバックアップエリアに記憶されるようになっている。また、バックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアへの記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
また、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aには、電源基板100のバックアップ電源107が接続されている。そして、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源107から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報をバックアップエリアに記憶し、電源回路105からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、保留数、演出モード等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。実施例では、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cが、電源回路105からの電力供給が遮断されるときの遊技情報を記憶して電力供給の遮断後も保持するバックアップ手段としての機能を有している。
(電源断処理について)
次に、電力供給が遮断された際に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが実行する電源断処理について説明する。
メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、電源断監視回路103からの電源断信号が入力されると、対応する制御RAM60c,65cに記憶された制御プログラムのうちの電源断処理プログラムに基づき、電源断処理を実行する。前記電源断監視回路103は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aおよびリセット信号回路106に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが夫々電源断処理を実行する。
電源断処理では、電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるもとで、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。次に、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路106からのリセット信号の入力を待機する。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
(電源投入時の処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路106は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、演出制御CPU65aに対してリセット信号を継続出力する。メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている電源投入処理プログラムに基づき、電源投入処理(復電処理)を実行する。この電源投入処理では、前記クリアスイッチ102が操作されているか否かを判定し、否定の場合は対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また、電源投入処理において前記クリアスイッチ102が操作されていると判定された場合は、各制御RAM60c,65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(初期化)する。電力供給の遮断前の状態に復帰した演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する各種制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aから入力された制御コマンドに基づいて第1の表示装置17の表示内容を制御する。
前記電源投入処理プログラムに基づき実行される電源投入処理について、図9に基づき説明する。電源投入処理では、電力供給が開始(電源スイッチ101のON操作および停電解消による電力供給の再開)された場合(ステップC10)、制御CPU60a,65aは、ステップC11でクリアスイッチ102がONか否かを判定する。そして、ステップC11の判定結果が肯定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去(初期化)し(ステップC12)、電源投入処理を終了する。一方、ステップC11の判定結果が否定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作されていない場合には、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させ(ステップC13)、電源投入処理を終了する。言い替えると、電源スイッチ101のON操作や停電からの復電時に外部電源からの電力供給が開始されて、電源断監視回路103から出力された電源ON信号(電源供給信号)のみが制御CPU60a,65aに入力された場合は、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報(バックアップデータ)を初期化することなく該各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる一方で、前記クリアスイッチ回路104から出力されたクリア信号が制御CPU60a,65aに入力された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去する初期化処理を実行する。
すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機(始動条件の成立を契機)として当り遊技(大当り遊技)を生起させるか否かの当り判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が当りの場合に、遊技者に与える特典量の異なる複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が備えている。すなわち、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機として当り遊技を発生させることを決定する当り決定手段としての機能を、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が有している。またメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄組合せ演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、始動入賞検出センサSE1,SE2の何れかの球検出を契機として、前記第1の表示装置(第1の表示部)17で行わせる図柄組合せ演出(第1の識別情報の変動表示)の変動時間を特定する変動パターン(特図変動パターン)を、記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が当りとなる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する第1遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する第1遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。またメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別表示部(特図表示部50A,50B)に停止表示させるよう前記特図表示部(特図表示部50A,50B)の表示を制御する特別図柄表示制御手段として機能している。
更に、前記メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が当りの場合)に、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する第2遊技状態決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する期間決定手段として機能すると共に、決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を当り遊技終了後に付与する第2遊技状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄組合せ演出)が実行されるまでの間の期間を、入賞率向上状態の付与期間として決定するようになっている。また、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、当り遊技決定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が決定した当り遊技(大当り遊技)の種類に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、当り判定が当り判定の場合に、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。言い替えると、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、始動入賞検出センサSE1,SE2の検出を始動条件の成立として、該始動条件の成立を契機として特別遊技状態(当り遊技状態、確変状態、変短状態)を付与するかを判定する判定手段として機能すると共に、該判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が特別遊技状態を付与すると判定した場合に、複数種類の特別遊技状態の何れかを決定する遊技状態決定手段としての機能をメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が備えている。また、メイン制御CPU60a(メイン制御基板60)は、始動入賞検出センサSE1,SE2の球検出を契機として各種の入賞情報(乱数等)を取得する入賞情報取得手段としての機能を有している。
前記メイン制御RAM60cは、第1の表示装置17で図柄組合せ演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(第1の表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(第1の表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサSE2の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
また、前記演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、当り判定手段としてのメイン制御CPU60aの判定結果に基づいて前記第1の表示部としての第1の表示装置17に確定停止表示させる演出図柄(飾図,第1の識別情報)を決定する演出図柄決定手段として機能すると共に、決定された演出図柄(飾図,第1の識別情報)を停止表示させるように第1の表示部としての第1の表示装置17の表示を制御する演出制御手段として機能している。また、演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、前記入賞情報取得手段による入賞情報の取得(判定条件の成立)を契機として、前記第1の表示部で行わせる図柄組合せ演出の演出内容を特定する演出パターンを複数種類の中から1つ決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、演出パターン決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに基づいて演出パターンを決定するようになっている。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31に対応する第1始動入賞検出センサSE1がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口32に対応する第2始動入賞検出センサSE2がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bにおいて特図1または特図2が変動表示中(第1の表示装置17で図柄組合せ演出中)であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数(記憶数)を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数(記憶数)が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数(記憶数)=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数(記憶数)>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数(記憶数)を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り判定)を行う(ステップB22)。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。すなわち、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づいて特図2を決定することで、大当り図柄を決定する。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
ここで、実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定される。また、確変状態については、前述したように大当り図柄の種類によって付与されるか否かが決定されるよう構成されているので、大当り図柄が確変図柄(実施例では図柄A,c,d)の場合には、大当り遊技の終了後に確変フラグは「1」に設定される。また、大当り図柄が非確変図柄(実施例では図柄B,e)の場合は、確変フラグを「0」に設定する。そして、確変フラグおよび変短フラグは、確変状態の終了条件および変短状態の終了条件が満たされると、対応するフラグが「0」に設定される。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組合せを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態の終了条件および変短状態の終了条件を満たした場合には、確変終了コマンドおよび変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数(記憶数)=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数(記憶数)を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数(記憶数)が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数(記憶数)>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数(記憶数)を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口32への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄組合せ演出が優先的に実行されるようになっている。なお、特図始動保留情報に基づく図柄組合せ演出を実行するに際しては、メイン制御RAM60cに特図始動保留情報が記憶された順で該特図始動保留情報に基づく図柄組合せ演出を実行するようにしてもよい。すなわち、パチンコ球が入賞した始動入賞口の種類(第1始動入賞口31および第2始動入賞口32)に関係なく、始動入賞口31,32への入賞を契機として取得される特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶された順で、該特図始動保留情報に基づく図柄組合せ演出が実行されるものであってもよい。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数(記憶数)に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。すなわち、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づいて特図1を決定することで、大当り図柄を決定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。なお、前述したように、実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されると共に、確変状態については、大当り図柄(大当り遊技)の種類によって付与されるか否かが決定されるよう構成されているので、変短フラグは大当り遊技の終了後に「1」に設定され、確変フラグは大当り図柄の種類に応じて「1」または「0」に設定される。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組合せを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態および変短状態の終了条件を満たした場合には、確変状態および変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数(記憶数)=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(演出制御について)
次に、演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄組合せ演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。すなわち、演出制御CPU65aは、決定された演出パターンに基づいて第1の表示装置17で図柄組合せ演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。
ここで、演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、前述したように特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて第1の表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cに確定停止される飾図が決定される。
前記メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変フラグを演出制御CPU65aが演出制御RAM65cの記憶領域に設定するようになっている。具体的には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄(確変図柄)に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄(非確変図柄)に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、変短フラグを演出制御CPU65aが演出制御RAM65cの記憶領域に設定するようになっている。具体的には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、前述したように本実施例のパチンコ機10では、全ての大当り図柄が変短状態を付与するものとして設定されているため、変短フラグは何れも「1」に設定される。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを第1の表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組合せを決定する。また、演出制御CPU65aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成飾図を含むはずれを認識可能な図柄組合せを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成飾図を含まないはずれを認識可能な図柄組合せを決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出制御基板65からコマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容で図柄組合せ演出を実行させるように第1の表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図指定コマンドで指示された飾図を第1の表示装置17に確定停止表示させるように該第1の表示装置17を制御し、図柄組合せ演出を終了させる。
ここで、前記第1の表示装置17で実行される図柄組合せ演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは演出制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが図柄組合せ演出の内容を特定する演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有している。
実施例では、後述する演出モードに関連する演出を第1の表示装置17に表示させる制御は、演出制御CPU65aが表示制御基板70(表示制御CPU70a)を介して行うよう構成されているが、以後は演出制御CPU65aが第1の表示装置17を制御するという場合がある。
ここで、大当り遊技が終了した際に、遊技者が所有しているパチンコ球を景品に交換するか、そのままパチンコ球を遊技者が所有して遊技を継続するかのルール(ラッキーナンバー制)を採用する遊技店の運営形態がある。そして、持ち球継続とするか持ち球交換とするかについては、後述する第2の表示装置80に停止表示された第2の演出図柄の種類に依拠するようにしている。実施例では、第2の表示装置80で変動表示および停止表示される演出図柄が第2の識別情報であって、以下特殊飾図という場合がある。ラッキーナンバー制について、具体的に説明すると、該ラッキーナンバー制では、持ち球継続が可能なラッキーナンバーと、持ち球交換となるアンラッキーナンバーとが決められて、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に大当りに当選した場合に表示された特殊飾図が予め決められたラッキーナンバーであった場合には、大当り遊技により得られた賞球を含む持ち球を交換することなく継続して使用することができ、その後の大当りの当選時に表示される特殊飾図がアンラッキーナンバー以外(ラッキーナンバーおよびラッキーナンバーやアンラッキーナンバー以外のその他のナンバー)である限りは、持ち球継続状態となる。そして、この持ち球継続状態において大当りの当選時に特殊飾図としてアンラッキーナンバーが表示されることで、持ち球継続状態が終了して持ち球交換状態となり、アンラッキーナンバーが表示された当該の大当り遊技の終了後には持ち球を全て交換することが要求される。なお、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に大当りに当選した場合とは、通常状態でかつ持ち球交換状態(持ち球継続状態となっていない状態)において大当りに当選した場合である。
より具体的にラッキーナンバー制を説明すると、ラッキーナンバーとして「3」、「5」、「7」が設定されると共に、アンラッキーナンバーとして「4」、「6」、「8」が設定されていれば、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に大当りに当選した場合に表示された特殊飾図が「3」、「5」、「7」であれば持ち球継続状態となる。また、ラッキーナンバーは、大当り遊技として確変大当り遊技が付与される場合に表示される種類が設定される場合が多く、当該大当り遊技の終了後における確変状態および変短状態が終了しても持ち球継続状態が維持される。すなわち、確変状態や変短状態が終了して通常状態に移行しても持ち球継続状態が維持されており、この通常状態において大当りに当選した場合に表示された演出図柄がアンラッキーナンバーである「4」、「6」、「8」以外、すなわち「0」、「1」、「2」、「3」、「5」、「7」、「9」であれば引き続き持ち球継続状態が維持される。なお、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に当選した大当りが確変大当りで表示された特殊飾図がラッキーナンバーであった場合に、当該大当り遊技の終了後に付与される確変状態または変短状態で大当りに当選したときに表示された特殊飾図がアンラッキーナンバーであった場合でも、持ち球継続状態は維持される。そして、持ち球継続状態での通常状態において大当りに当選した場合に表示された特殊飾図がアンラッキーナンバーであった場合に、持ち球継続状態が終了してアンラッキーナンバーが表示された当該の大当り遊技の終了後に持ち球を全て交換しなければならなくなる。すなわち、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に当選した大当りが確変大当りで表示された特殊飾図がラッキーナンバーであった場合は、通常状態に戻るまでに大当りに当選した場合に表示される特殊飾図の種類に関係なく持ち球継続状態が継続される。これに対し、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に大当りに当選した場合に表示された特殊飾図が「3」、「5」、「7」以外、すなわちアンラッキーナンバーを含む「0」、「1」、「2」、「4」、「6」、「8」、「9」であれば、持ち球交換状態となり、大当り遊技の終了後には全ての持ち球を交換することが必要となる。すなわち、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に当選した大当りが確変大当りであったとしても、表示された特殊飾図がラッキーナンバー以外であれば、持ち球継続状態とはならず、確変状態での連荘終了後または変短状態の終了後には全ての持ち球の交換が必要となる。更にいうと、通常状態(非確変・非変短状態)において最初に当選した大当りが確変大当りであったとしても、表示された特殊飾図がラッキーナンバー以外であれば、確変・変短状態中において大当りに当選した場合に表示された特殊飾図がラッキーナンバーであったとしても、最初の大当り時に表示された特殊飾図がラッキーナンバー以外であったために持ち球継続状態とはならず、確変状態での連荘終了後または変短状態の終了後には全ての持ち球の交換が必要となる。
そして、実施例のパチンコ機10では、前記特図表示部50A,50Bおよび第1の表示装置17とは別に、前記特図当り判定の判定結果が当りで、特図の種類が決定された以降の適宜のタイミングで特殊飾図を停止表示させるラッキーナンバー制用の第2の表示装置(第2の表示部)80(図2、図12参照)を設けている。実施例では、第2の表示装置80に停止表示させる特殊飾図として、第1の表示装置17で用いられる10種類の飾図と同じ、「0」〜「9」までの10種の特殊飾図(数字)が設定されている。なお、特殊飾図の種類が、飾図の種類と全て同じとする必要はなく、一部が同じであってもよく、また特殊飾図の種類と飾図の種類とが全く異なるものであってもよい。
実施例の第2の表示装置80は、図12に示す如く、表示可能な特殊飾図の数に対応する数のLED等のランプ81a〜81jを円状に配置して構成されて、各ランプ81a〜81jを点灯することで対応する特殊飾図を表示し得るよう構成される。第2の表示装置80は、10個の各ランプ81a〜81jの点灯、消灯を、右回り(時計回り)に順に実行することで、恰も光が回転することを表わす演出を実行した後に、何れか一つのランプ 81a〜81jのみを点灯することで、特殊飾図を停止表示するよう構成される。実施例では、特殊飾図を停止表示する前に第2の表示装置80で実行される演出の態様によって、停止表示される特殊飾図の種類を示唆するようになっており、該演出が予告演出(以下、ナンバー予告演出という)として設定されている。なお、ナンバー予告演出については、後述する。また、前記第2の表示装置80は、複数のランプ81a〜81jで囲われた中央に、後述する特殊モードの種類を表示可能なモード表示部82が設けられており、該モード表示部82の表示を確認することで、設定されている特殊モードの種類を確認可能になっている。実施例では、第2の表示装置80を遊技領域内におけるパチンコ球が接触しない部位において、遊技者(パチンコ機正面側)から特殊飾図が視認し得るように設けているが、遊技者から特殊飾図が視認可能な位置であれば、前枠13等、その他の部位に設けてもよい。
前記第2の表示装置80に停止表示される複数種類の特殊飾図の中で、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数の特殊飾図をラッキーナンバーに分類し、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数の特殊飾図をアンラッキーナンバーに分類し、第2の表示装置80にラッキーナンバーが停止表示された場合は持ち球継続とし、第2の表示装置80にアンラッキーナンバーが停止表示された場合には、持ち球交換とする場合で説明する。なお、ラッキーナンバーおよびアンラッキーナンバーについては、奇数や偶数の特殊飾図の一部であってもよい。
(特殊モードについて)
実施例のパチンコ機10では、前記10種類の特殊飾図の何れかが、前記第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図として決定される割合が異なる複数種類の特殊モード(表示条件特定状態,特殊図柄演出モード)RM1〜RM5が設定されている。そして、前記演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、モード変更条件の成立を契機として複数種類の特殊モードRM1〜RM5の中から1つの特殊モードRM1〜RM5を決定するよう構成される。実施例では、第1特殊モードRM1〜第5特殊モードRM5の5種類の特殊モードが設定されているが、特殊モードの数は5種類に限られるものではなく、任意の数に設定可能である。また、実施例のパチンコ機10では、前記電源スイッチ101による電源投入時に前記クリアスイッチ102をON操作することで制御RAM60c,65cを初期化することを条件とし、第2の表示装置80におけるモード表示部82の表示が点滅状態となり、この状態でパチンコ機10に設けられた操作ボタンを操作することで特殊モードRM1〜RM5を選択可能に構成されている。具体的に、操作ボタンには変更ボタンと決定ボタンとが設定されると共に、モード表示部82の表示が点滅状態となることで初期設定されている第1特殊モードRM1であることを示す「RM1」がモード表示部82に表示される。そして、変更ボタンを操作することでモード表示部82の表示が「RM1」→「RM2」→「RM3」→「RM4」→「RM5」と変化し、選択した特殊モードを示す表示がモード表示部82に表示されている状態で決定ボタンを操作することで、選択した特殊モードが演出制御RAM65cに設定記憶される。すなわち、特殊モードRM1〜RM5を選択(変更)する契機となるモード変更条件(所定条件)の成立が、電源スイッチ101およびクリアスイッチ102をON操作することに設定されている。なお、電源スイッチ101およびクリアスイッチ102は、遊技者が操作不能なパチンコ機10の裏側に設けられており、特殊モードRM1〜RM5の選択(変更)は、前記外枠11に対して中枠12を開放することで遊技店の関係者のみによって可能となっている。また、前述したように、クリアスイッチ102がON操作されていない状態での復電時には、演出制御RAM65cに記憶されている特殊モードの情報は初期化されることはなく、既に設定記憶されている特殊モードでの遊技を継続し得るようになっている。なお、モード表示部82での特殊モードの種類の表示は、該種類の決定後の、例えば中枠12を外枠11に対して閉成したこと等を所定条件の成立として非表示としたり種類が認識できない適宜の図柄に変更することが、特殊モードの種類が遊技者に識別されないので好ましい。
(特殊モードRM1〜RM5での特殊飾図の決定割合について)
前記演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aからの特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合に、特殊飾図の抽選を実行するよう構成される。具体的には、大当り遊技後に確変状態が付与される図柄A,c,dの場合に、演出制御CPU65aは特殊飾図の抽選を実行するよう構成される。この特殊飾図の抽選では、演出制御ROM65bに記憶される特殊飾図用乱数および特殊飾図用判定値を用いて第2の表示装置80に停止表示する特殊飾図を決定するよう構成される。特殊飾図用乱数として、複数通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、特殊飾図用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。また、演出制御ROM65bには、特殊飾図用判定値が各特殊飾図に振分けられた特殊飾図抽選用テーブルTB1(図13参照)が記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、大当り表示となる飾図を指定する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されたことを契機として特殊飾図用乱数を取得し、該特殊飾図用乱数を特殊飾図抽選用テーブルTB1に設定されている特殊飾図用判定値と比較して特殊飾図の種類を決定するよう構成される。また、演出制御CPU65aは、決定した特殊飾図の種類を演出制御RAM65cの記憶領域に記憶する。
前記特殊飾図抽選用テーブルTB1における特殊飾図用判定値の振分け割合について、図13を参照して各特殊モードRM1〜RM5毎に説明する。第1特殊モードRM1に滞在している場合は、全ての特殊飾図の決定割合が同じ(10%)となるように特殊飾図用判定値が振分けられている。また、第2特殊モードRM2に滞在している場合は、「3」および「7」が、他の特殊飾図より約2倍決定され易く設定されている。また、第3特殊モードRM3に滞在している場合は、「4」、「6」、「8」が、他の特殊飾図より約2倍決定され易く設定されている。また、第4特殊モードRM4に滞在している場合は、奇数の特殊飾図が偶数の特殊飾図より約2倍決定され易く、第5特殊モードRM5に滞在している場合は、偶数の特殊飾図が奇数の特殊飾図より約2倍決定され易く設定されている。なお、各特殊モードRM1〜RM5における奇数の特殊飾図(ラッキーナンバー)と偶数の特殊飾図(アンラッキーナンバー)との具体的な決定割合については、第1特殊モードRM1では奇数の特殊飾図が50%で偶数の特殊飾図が50%に設定され、第2特殊モードRM2では奇数の特殊飾図が60%で偶数の特殊飾図が40%に設定され、第3特殊モードRM3では奇数の特殊飾図が35%で偶数の特殊飾図が65%に設定され、第4特殊モードRM4では奇数の特殊飾図が70%で偶数の特殊飾図が30%に設定され、第5特殊モードRM5では奇数の特殊飾図が30%で偶数の特殊飾図が70%に設定されている。ここで、大当り遊技後に確変状態が付与される図柄A,c,dの場合に、演出制御CPU65aが特殊飾図抽選用テーブルTB1を参照して特殊飾図の抽選を実行するよう構成しているが、大当り遊技後に確変状態が付与されない図柄B,eの場合において特殊飾図の抽選をするために参照する第2の特殊飾図抽選用テーブルを設定して、図柄B,eの場合には第2の特殊飾図抽選用テーブルを参照して特殊飾図の抽選を実行することができる。この場合に、特殊飾図抽選用テーブルTB1および第2の特殊飾図抽選用テーブルでの奇数の特殊飾図と偶数の特殊飾図との決定割合を異なるように設定する。具体的には、特殊飾図抽選用テーブルTB1を参照して特殊飾図を決定する場合の方が、第2の特殊飾図抽選用テーブルを参照して特殊飾図を決定する場合より奇数の特殊図柄が決定され易くすることが好ましい。
このように、実施例のパチンコ機10では、前記演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、初期化処理の操作(電源スイッチ101およびクリアスイッチ102のON操作)を契機に複数種類の特殊モードRM1〜RM5の中から1つを決定するモード決定手段としての機能を備える。そして、当り判定手段としてのメイン制御CPU60a(メイン制御基板60)が特別遊技状態(大当り遊技)を付与すると判定した場合に、演出図柄決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)が第2の表示部としての第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図(演出図柄)の種類を決定する割合は、モード決定手段としての演出制御CPU65a(演出制御基板65)が決定した特殊モードの種類に応じて異なるよう構成されている。
実施例のパチンコ機10では、図柄組合せ演出が実行されて前記第1の表示装置17に大当り飾図が確定停止表示された以降のタイミングで、演出制御ROM65bが前記第2の表示装置80に停止表示する特殊飾図として決定した種類の特殊飾図(ラッキーナンバーまたはアンラッキーナンバー)を第2の表示装置80に停止表示する前に、ナンバー予告演出(予告演出)を該第2の表示装置80で実行可能に構成されている。ナンバー予告演出の態様として複数種類が設定されて、該複数種類の中から選択(決定)されたナンバー予告演出が第2の表示装置80で実行されるようになっている。すなわち、前記演出制御ROM65bには、ナンバー予告演出の演出内容や演出期間等の態様が異なる複数種類のナンバー予告演出が記憶されており、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから送信された特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドに基づいて、ナンバー予告演出の種類を選択(決定)すると、第2の表示装置80で対応するナンバー予告演出を実行させるように該第2の表示装置80の表示を制御するよう構成される。なお、ナンバー予告演出の種類が異なるものとして、実施例では演出内容(態様)が異なる場合で説明する。具体的に、ナンバー予告演出の種類が選択されると、該種類のナンバー予告演出を特定する予告演出指定コマンド(制御コマンド)が演出制御CPU65aから表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力される。そして、表示制御基板70では、予告演出指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定されるナンバー予告演出の種類に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該ナンバー予告演出の種類に対応した表示内容を表示するように第2の表示装置80を制御するよう構成される。なお、演出制御ROM65bには、具体的にはナンバー予告演出の演出内容や演出期間等の演出の態様を特定する予告演出パターンが種類種類記憶されて、該予告演出パターンの種類が選択されると対応する演出態様のナンバー予告演出が実行される。そこで、実施例では、演出制御ROM65bにナンバー予告演出が記憶されているものとして説明する。
実施例では、前記ナンバー予告演出として、第1ナンバー予告演出A1,第2ナンバー予告演出A2,第3ナンバー予告演出A3,第4ナンバー予告演出A4の4種類が設けられている(図14参照)。ナンバー予告演出A1〜A4の基本をなす演出は、前述したように、10個の各ランプ81a〜81jの点灯、消灯を、右回り(時計回り)に順に実行することで、恰も光が回転することを表わす演出であって、実施例では、ランプ81a〜81jの点灯色を変えることで演出態様の種類を異ならせている。具体的に、第1ナンバー予告演出A1の発光色は「白色」、第2ナンバー予告演出A2の発光色は「黄色」、第3ナンバー予告演出A3の発光色は「緑色」、第4ナンバー予告演出A4の発光色は「赤色」に設定されている。なお、前記各ナンバー予告演出における点灯色(形態)は一例であって、その他の点灯色であってもよく、また決定可能なナンバー予告演出の数についても、3つ以下の複数や5つ以上であってもよい。
前記演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶される選択用乱数および選択用判定値を用いて、実行するナンバー予告演出の種類を決定する選択抽選を実行する。実施例では、選択用乱数として、複数通り(例えば「0」〜「99」の全100通り)の整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、選択用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。また、演出制御ROM65bには、選択用判定値が各ナンバー予告演出に振分けられた予告演出抽選用テーブルTB2(図14参照)が記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、大当り表示となる飾図を指定する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されたことを契機として選択用乱数を取得し、該選択用乱数を予告演出抽選用テーブルTB2に設定されている選択用判定値と比較してナンバー予告演出の種類を決定するよう構成される。
ナンバー予告演出の選択抽選に用いられる予告演出抽選用テーブルTB2における選択用判定値の振分け割合について、図14を参照して説明する。実施例では、演出制御CPU65aが、前記第2の表示装置80に停止表示する特殊飾図としてラッキーナンバーを決定した場合と、アンラッキーナンバーを決定した場合とによって、各ナンバー予告演出に対する選択用判定値の振分け割合が異なるよう設定される。具体的に、ラッキーナンバーが決定された場合は、第1ナンバー予告演出A1が5%、第2ナンバー予告演出A2が30%、第3ナンバー予告演出A3が55%、第4ナンバー予告演出A4が10%となるように、選択用判定値が振分けられている。また、アンラッキーナンバーが決定された場合は、第1ナンバー予告演出A1が60%、第2ナンバー予告演出A2が30%、第3ナンバー予告演出A3が10%、第4ナンバー予告演出A4が0%となるように、選択用判定値が振分けられている。
前記予告演出抽選用テーブルTB2に示す如く、アンラッキーナンバーが決定された場合は、第4ナンバー予告演出A4が選択される可能性はない一方で、ラッキーナンバーが決定された場合は、第4ナンバー予告演出A4が選択される可能性はあり、第4ナンバー予告演出A4が実行された場合は、ラッキーナンバーが表示されることが確定する。すなわち、前記第2の表示装置80のランプ81a〜81jが「赤色」で発光する第4ナンバー予告演出A4は、該第2の表示装置80にラッキーナンバーが表示されることを報知するプレミアム演出として設定されている。
ここで、前記第1ナンバー予告演出A1〜第3ナンバー予告演出A3における選択用判定値の振分け割合を比較すると、ラッキーナンバーが決定された場合は、第1ナンバー予告演出A1、第2ナンバー予告演出A2、第3ナンバー予告演出A3の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、アンラッキーナンバーが決定された場合は、第3ナンバー予告演出A3、第2ナンバー予告演出A2、第1ナンバー予告演出A1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。このように各ナンバー予告演出A1〜A3を決定する確率を設定することで、遊技者のラッキーナンバーが停止表示されることへの信頼度(期待度)は、第1ナンバー予告演出A1<第2ナンバー予告演出A2<第3ナンバー予告演出A3の順で高まることになる。このように、ナンバー予告演出A1〜A3は、第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図がラッキーナンバー(第1の識別図柄)である信頼度(期待度)が異なっており、ナンバー予告演出A1〜A3の中の何れか一つが決定されて、決定されたナンバー予告演出A1〜A3が、第2の表示装置80で実行された場合は、ラッキーナンバーが表示される期待度が示唆される。なお、前述したように、第4ナンバー予告演出A4におけるラッキーナンバーが表示される信頼度(期待度)は100%である。すなわち、第2の表示装置80で実行されるナンバー予告演出の種類によって、該第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図の種類(ラッキーナンバーまたはアンラッキーナンバー)が示唆されるようになっている。
ここで、前記演出制御CPU65aは、前記確変フラグに「1」が設定され、前記演出パターンフラグに「0」が設定されている場合は、大当り遊技のオープニング演出中において前記第2の表示装置80でナンバー予告演出を開始すると共に特殊飾図を停止表示し、前記確変フラグに「1」が設定され、前記演出パターンフラグに「1」が設定されている場合は、前記当り表示演出HE2で設定されている確変昇格演出が実行される回数目のラウンド遊技中において、該確変昇格演出が実行された後に前記第2の表示装置80でナンバー予告演出を開始すると共に特殊飾図を停止表示するよう構成される。また、演出制御CPU65aは、第2の表示装置80に停止表示させた特殊飾図を、大当り遊技中に変更しないよう構成されている。
(情報出力について)
前記パチンコ機10の裏側には、前記メイン制御基板60および演出制御基板65に配線接続される外部端子板(外部出力手段)90が配設され、前記メイン制御基板60および演出制御基板65は、該外部端子板90を介して遊技場の管理室等に設置されたホールコンピュータHCに電気的に接続されている(図8参照)。そして、メイン制御基板60からは、パチンコ機10の稼働データとして各種の信号(遊技情報)が外部端子板90を介してホールコンピュータHCに出力される。また、演出制御基板65からは、前記第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図(ラッキーナンバーまたはアンラッキーナンバー)に関する情報が外部端子板90を介してホールコンピュータHCに出力されるようになっている。具体的に、前記演出制御基板65には、前記演出制御CPU65aが第2の表示装置80に停止表示すると決定した特殊飾図を示す外部出力情報(信号)を外部に出力する外部出力手段としての情報出力ポート91が設けられ、該情報出力ポート91が外部端子板90を介してホールコンピュータHCに電気的に接続されている。
実施例では、第2の表示装置80に停止表示すると決定された特殊飾図の種類を特定可能な外部出力情報としてのパターン信号を前記演出制御CPU65aが生成し、該パターン信号を情報出力ポート91から出力するよう構成される。情報出力ポート91から出力されるパターン信号(外部出力情報)は、該パターン信号の開始を示す出力開始信号と、特殊飾図の種類を特定するための特殊飾図報知信号と、パターン信号(外部出力情報)の終了を示す出力終了信号とから構成されており、この順で各信号を出力することで、前記ホールコンピュータHCで第2の表示装置80に停止表示すると決定された特殊飾図の種類を認識し得るよう構成される。具体的に、情報出力ポート91から、図15に示す如く、Hレベルのパルス信号およびLレベルのパルス信号を出力可能に構成されて、前記出力開始信号および前記出力終了信号として、Hレベルの基準パルス幅(長さ)Kのパルス信号が設定され、特殊飾図報知信号として、該基準パルス幅Kより短い報知パルス幅K1のHレベルのパルス信号が設定される。すなわち、出力開始信号と出力終了信号との間に出力される特殊飾図報知信号の数によって、特殊飾図の種類を特定するよう構成される。例えば、図15に示すように、出力開始信号と出力終了信号との間に、特殊飾図報知信号を3つ出力することで、特殊飾図が「3」であることが特定される。これにより、前記パルス信号が入力されたホールコンピュータHCは、第2の表示装置80に停止表示すると決定された特殊飾図の種類を認識し得るようになっている。すなわち、前記演出制御CPU65aは、第2の表示装置80に停止表示すると決定された特殊飾図の種類に対応する数字(0,1,2・・・9)を特定する数の特殊飾図報知信号、出力開始信号および出力終了信号からなるパターン信号を生成し、該パターン信号を情報出力ポート91および外部端子板90からなる外部出力手段から外部に出力するよう構成される。なお、ホールコンピュータHCは、パチンコ機10からのパターン信号が入力されると、該パターン信号で特定される特殊飾図の種類(数字)を出力表示するようになっている。
実施例では、前記第1の表示装置17および第2の表示装置80の表示を制御する演出制御手段としての機能を有する演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aでの当り判定の判定結果が当りの場合に、大当り遊技の開始前に第1の表示装置17に確定停止表示した飾図(第1の識別情報)を、該大当り遊技中に変更可能であると共に、前記第1の表示装置17に飾図を確定停止表示させた以降に前記第2の表示装置80に停止表示した特殊飾図(第2の識別情報)を、前記大当り遊技中に変更しないよう構成される。また、演出制御CPU65aは、特殊飾図としてラッキーナンバーまたはアンラッキーナンバーを、特殊飾図抽選用テーブルTB1を参照して決定すると、該決定した特殊飾図の種類(ラッキーナンバーまたはアンラッキーナンバー)に応じて、ナンバー予告演出を複数種類から決定し、決定した種類のナンバー予告演出を第2の表示装置80で実行させるよう構成される。また、実施例では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されることを確定的に報知する飾図(第1の識別図柄)と、大当り遊技後に持ち球継続となる特殊飾図(ラッキーナンバー)の種類を同じに設定しているので、前記演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが確変大当り遊技の付与を決定することを特定の条件の成立として、該特定の条件が成立した場合に、前記第1の表示装置17および第2の表示装置80に、同じ種類の飾図および特殊飾図を停止表示するよう構成される。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することを契機として取得した入賞情報に基づいて、前記メイン制御CPU60aにおいて大当り判定が実行され、該大当り判定の結果が当りの場合には大当り図柄が決定される。また、演出制御CPU65aでは、大当り図柄の種類に応じて、前記第1の表示装置17において実行させる図柄組合せ演出を特定する演出パターンの種類および該図柄組合せ演出の結果として確定停止表示される飾図の種類を決定する。そして、演出制御CPU65aは、決定した種類の演出パターンで特定される図柄組合せ演出を第1の表示装置17で実行させた後に、決定した種類の飾図を第1の表示装置17に確定停止表示させる。
また、前記演出制御CPU65aは、大当り表示となる飾図の種類に応じて、前記第2の表示装置80において実行させるナンバー予告演出の種類および該ナンバー予告演出の結果として停止表示される特殊飾図の種類を決定する。そして、演出制御CPU65aは、前記演出パターンフラグに「0」が設定されている場合は、決定した種類のナンバー予告演出を大当り遊技のオープニング演出中において前記第2の表示装置80で実行させた後に、決定した種類の特殊飾図を停止表示させる。また、演出制御CPU65aは、前記演出パターンフラグに「1」が設定されている場合は、決定した種類のナンバー予告演出を前記当り表示演出HE2での確変昇格演出が実行された後に前記第2の表示装置80で実行させた後に、決定した種類の特殊飾図を停止表示させる。
実施例のパチンコ機10では、大当り判定の判定結果に応じた飾図を停止表示する第1の表示装置17とは別に、大当り判定の判定結果が当りの場合に特殊飾図を停止表示し得る第2の表示装置80を設けているので、大当り遊技が付与されるか否かに関係する飾図と、大当り遊技後に持ち球継続となるか持ち球交換となるかに関係する特殊飾図(ラッキーナンバーまたはアンラッキーナンバー)とを切り分けて両者を明確に報知することができる。また、第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図は、飾図とは異なり大当り遊技中に変更されることはないので、大当り遊技中であれば特殊飾図の種類を遊技店の関係者が確認することができる。すなわち、特殊飾図がラッキーナンバーであった場合に、大当り遊技中に特殊飾図が変更されてしまって、遊技者と遊技店との間でトラブルが発生するのを防ぐことができる。
実施例のパチンコ機10では、前記特殊モードRM1〜RM5を変更する場合は、パチンコ機10の裏側に設けられている前記電源スイッチ101をON操作すると共にクリアスイッチ102をON操作する。これにより、前記第2の表示装置80におけるモード表示部82の表示が点滅状態となり、遊技店の関係者は任意の特殊モードに対応する表示となるように変更ボタンを操作し、目的とする特殊モードに対応する表示が点滅状態で前記決定ボタンを操作することで、選択した特殊モードが演出制御RAM65cに設定記憶される。
前記第1特殊モードRM1に設定されている場合は、各特殊飾図は均等に表示される。これに対し、第2〜第5特殊モードRM2〜RM5では、特定の特殊飾図が偏って表示される可能性があり、各特殊モードRM2〜RM5毎に差別化ができる。例えば、第2特殊モードRM2および第4特殊モードRM4では、持ち球継続となる特殊飾図である奇数の特殊飾図(ラッキーナンバー)が偶数の特殊飾図(アンラッキーナンバー)より約2倍表示され易いので、持ち球継続率が高くなって遊技者にとってメリットがある。一方、第3特殊モードRM3および第5特殊モードRM5では、持ち球交換となる特殊飾図である偶数の特殊飾図(アンラッキーナンバー)が奇数の特殊飾図(ラッキーナンバー)より約2倍表示され易いので、持ち球交換率が高くなって遊技店にとってメリットがある。このように、特殊モードRM1〜RM5の種類によって、遊技者にメリットがあったり遊技店にメリットがあったりと変化するので、設定する特殊モードRM1〜RM5を変えることで特色を出すことができる。具体的に、新台導入時や新規開店等で遊技者へ出球感をアピールしたい場合には、持ち球継続率が高い第2特殊モードRM2や第4特殊モードRM4に設定することで集客力を上げることができる。一方、遊技店の粗利を上げたい場合は、持ち球交換率が高い第3特殊モードRM3や第5特殊モードRM5に設定する。このように、実施例のパチンコ機10は、特殊モードを変更することで、遊技店の各種の営業形態に対応することができる。
なお、前記特殊モードRM1〜RM5を変更することで出球率調整をなし得るので、従来のベース以外の出球率調整要素としても特殊モードRM1〜RM5を利用することが可能となる。また、特殊モードRM1〜RM5による出球率調整は、見た目では解り難いので、遊技者に悟らせることなく遊技店の粗利を上げる場合にも有利である。ここで、ベース(出球率)は、大当り状態以外の通常状態において、前記遊技領域27に打ち込まれた(投入された)パチンコ球の数(N)に対する賞球の数(M)の割合(M/N)である。より具体的には、単位時間に遊技領域27に打ち込まれたパチンコ球の数と、該単位時間に前記第1始動入賞口31、第2始動入賞口32および普通入賞口46にパチンコ球が入賞して払い出された賞球の数の割合である。
また、実施例のパチンコ機10では、前記クリアスイッチ102が操作された電源投入処理では、前記演出制御RAM65cの記憶情報が初期化されることで、特殊モードは初期設定された第1特殊モードRM1に設定される一方で、クリアスイッチ102が操作されていない電源投入処理では、演出制御RAM65cの記憶情報が初期化されないので、電力供給の遮断時(前)に設定されていた種類の特殊モードで遊技を継続することができる。
実施例のパチンコ機10では、前記第2の表示装置80に特殊飾図が停止表示される前に、停止表示される可能性のある特殊飾図の種類を示唆するナンバー予告演出を実行するよう構成したので、該ナンバー予告演出により興趣を向上することができる。しかも、ナンバー予告演出の種類によって、停止表示される特殊飾図の種類が異なる場合があるので、実行されるナンバー予告演出の種類に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されることを確定的に報知する飾図(第1の識別図柄)と、大当り遊技後に持ち球継続となる特殊飾図(ラッキーナンバー)の種類を同じに設定しているので、同じ種類の飾図および特殊飾図が対応する表示装置17,80で停止表示されることで、確変大当りに当選すると共に、大当り遊技後には持ち球継続となる条件(特定の条件)が成立したことを報知することができ、興趣を向上することができる。
実施例のパチンコ機10では、前記第2の表示装置80に停止表示される特殊飾図の種類を示す外部出力情報をホールコンピュータHCに出力するよう構成したので、第2の表示装置80に停止表示された特殊飾図の種類を、遊技者と遊技店との間で共有することができる。従って、遊技店の関係者は、第2の表示装置80を実際に目視で確認せずとも、ホールコンピュータHCの出力表示を確認すれば、ラッキーナンバーであるか否かを容易に把握することができる。従って、ラッキーナンバー制の運用において、従来と比較して遊技店の関係者の労力を軽減することができる。
また、外部出力情報を、パターン信号として出力するようにしたので、簡単な構成で、特殊飾図の種類を遊技店側に報知することができる。すなわち、外部出力手段について、複数種類ある特殊飾図の種類を個別に特定可能な複雑な構成の信号を出力し得る構成とすることなく、HレベルとLレベルの2種類のパルス信号を出力可能な簡単な構成とすることができ、コスト削減に寄与し得る。
(別実施例について)
次に、第2の表示装置の別実施例について説明する。実施例では、第2の表示装置を、特殊飾図である0〜9の数字を点灯によって表示する複数のランプで構成したが、別実施例では、第2の表示装置として7セグメント表示器92を用いている。図16に示す如く、7セグメント表示器92は、LEDからなる7つのセグメント93a〜93gを点灯・消灯制御することで英数字を表示可能な装置であって、該7セグメント表示器92は、前記演出制御CPU65aによって制御される。
別実施例では、7セグメント表示器92において、特殊飾図を停止表示する前に実行されるナンバー予告演出として、各セグメント93a〜93gを点灯、消灯して可変表示する複数種類の点灯可変演出が設定されている。また、演出制御ROM65bには、選択用判定値が各点灯可変演出に振分けられた予告演出抽選用テーブルTB3(図17参照)が記憶されている。そして、前記演出制御CPU65aは、実施例と同様に、大当り表示となる飾図を指定する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されたことを契機として選択用乱数を取得し、該選択用乱数を予告演出抽選用テーブルTB3に設定されている選択用判定値と比較して点灯可変演出の種類を決定するよう構成される。
別実施例では、点灯可変演出として、第1点灯可変演出B1,第2点灯可変演出B2,第3点灯可変演出B3,第4点灯可変演出B4の4種類が設けられている(図17参照)。別実施例では、前記第1〜第4点灯可変演出B1〜B4について、前記7セグメント表示器92における各セグメント93a〜93gの点灯・消灯のパターンを変えることで、演出の態様が異なることを表現するよう構成される。具体的に、第1点灯可変演出B1は、セグメント93g以外のセグメント93a〜93fを、右回りに順に点灯、消灯することで光が回転する演出を特定し、第2点灯可変演出B2は、セグメント93g以外のセグメント93a〜93fを、左回りに順に点灯、消灯することで光が回転する演出を特定し、第3点灯可変演出B3は、中央で上下方向に並ぶセグメント93a、93g、93dを順に点灯、消灯することで光が上から下へ流れる演出を特定し、第4点灯可変演出B4は、中央のセグメント93gを高速で点滅することでフリーズする演出を特定している。なお、図17に示す点灯可変演出の数や種類は一例であって、任意に設定することができる。
次に、ナンバー予告演出としての点灯可変演出の選択抽選に用いられる予告演出抽選用テーブルTB3における選択用判定値の振分け割合について、図17を参照して説明する。別実施例では、演出制御CPU65aが特殊飾図として、ラッキーナンバー(奇数の特殊飾図)を決定した場合と、アンラッキーナンバー(偶数の特殊飾図)を決定した場合とによって、各点灯可変演出B1〜B4に対する選択用判定値の振分け割合が異なるよう設定される。具体的に、ラッキーナンバーが決定された場合は、第1点灯可変演出B1が10%、第2点灯可変演出B2が20%、第3点灯可変演出B3が30%、第4点灯可変演出B4が40%となるように、選択用判定値が振分けられている。また、アンラッキーナンバーが決定された場合は、第1点灯可変演出B1が40%、第2点灯可変演出B2が30%、第3点灯可変演出B3が20%、第4点灯可変演出B4が10%となるように、選択用判定値が振分けられている。
ここで、前記第1点灯可変演出B1〜第4点灯可変演出B4における選択用判定値の振分け割合を比較すると、ラッキーナンバーが決定された場合は、第1点灯可変演出B1、第2点灯可変演出B2、第3点灯可変演出B3、第4点灯可変演出B4の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるのに対し、アンラッキーナンバーが決定された場合は、第4点灯可変演出B4、第3点灯可変演出B3、第2点灯可変演出B2、第1点灯可変演出B1の順で選択用判定値の振分け割合が多くなるよう設定されている。このように各点灯可変演出B1〜B4を決定する確率を設定することで、遊技者のラッキーナンバーが停止表示されることへの信頼度(期待度)は、第1点灯可変演出B1<第2点灯可変演出B2<第3点灯可変演出B3<第4点灯可変演出B4の順で高まることになる。このように、点灯可変演出B1〜B4は、7セグメント表示器(第2の表示部)92に停止表示される特殊飾図がラッキーナンバー(第1の識別図柄)である信頼度(期待度)が異なっており、点灯可変演出B1〜B4の中の何れか一つが決定されて、決定された点灯可変演出B1〜B4が、7セグメント表示器(第2の表示部)92で実行された場合は、ラッキーナンバーが表示される期待度が示唆される。
図18は、前記情報出力ポート91および外部端子板90からなる外部出力手段から出力される、特殊飾図の種類を特定するための外部出力情報の別実施例を示すものである。別実施例では、出力開始信号と出力終了信号との間に出力される特殊飾図報知信号の態様が、実施例と異なっている。すなわち、別実施例では、基準パルス幅Kより短い報知パルス幅K2において、該報知パルス幅K2の前半1/2においてHレベルのパルス信号を出力すると共に後半1/2においてLレベルのパルス信号を出力する第1の特殊飾図報知信号と、基準パルス幅Kより短い報知パルス幅K2において、該報知パルス幅K2でLレベルのパルス信号を出力する第2の特殊飾図報知信号とによって2進数の値を示すよう構成される。すなわち、第1の特殊飾図報知信号で「1」を表し、第2の特殊飾図報知信号で「0」を表すと共に、第1および第2の特殊飾図報知信号の出力された順で、2進数の桁を表すようになっている。従って、図17に示す、第1の特殊飾図報知信号、第1の特殊飾図報知信号、第2の特殊飾図報知信号、第2の特殊飾図報知信号の順であれば、2進数では「0011」となり、これを10進数の値に変換することで、「3」となる。よって、外部出力情報(パターン信号)によって、第2の表示装置(第2の表示部)80,92に停止表示される特殊飾図が「3」であることが特定される。すなわち、外部出力情報の態様が実施例とは異なる別実施例では、前記演出制御CPU65aは、第2の表示装置80に停止表示すると決定された特殊飾図の種類に対応する数字(0,1,2・・・9)を2進数の値に対応するパルス信号(第1の特殊飾図報知信号、第2の特殊飾図報知信号)に変換し、該パルス信号(第1の特殊飾図報知信号、第2の特殊飾図報知信号)、出力開始信号および出力終了信号からなるパターン信号を生成し、該パターン信号を情報出力ポート91および外部端子板90からなる外部出力手段から外部に出力するよう構成される。そして、前記パターン信号が入力されたホールコンピュータHCにおいて、2進数の値を10進数の値に変換することで、第2の表示装置80,92に停止表示すると決定された特殊飾図の種類を特定することができる。
第2の表示装置80,92に停止表示すると決定された特殊飾図の種類を、2進数の値で示すようにした別実施例では、前記実施例の作用効果に加えて、特殊飾図の数字が大きい場合(例えば「5」以上)であっても、出力開始信号と出力終了信号との間に出力する特殊飾図報知信号の数を少なくすることができ、出力に要する時間を短縮できる。
(変更例)
遊技機としては、前述したものに限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 第2の表示装置に特殊飾図が停止表示された場合に、該特殊飾図に関わる特殊報知演出(報知演出)を、演出制御ROMに記憶されている特殊報知演出情報に基づいて第1の表示装置で実行させる構成を採用することができる。例えば、特殊報知演出として、第2の表示装置に停止表示された特殊飾図が持ち球継続となる特殊飾図(ラッキーナンバー)である場合に、演出制御CPU(演出制御手段)が第1の表示装置で実行させる持ち球継続用特殊報知演出と、第2の表示装置に停止表示された特殊飾図が持ち球交換となる特殊飾図(アンラッキーナンバー)である場合に、演出制御CPUが第1の表示装置で実行させる持ち球交換用特殊報知演出とを設定する。持ち球継続用特殊報知演出としては、具体的には第1の表示装置に「持ち球を継続使用できます」の文字表示を表示し、持ち球交換用特殊報知演出としては、具体的には第1の表示装置に「持ち球を交換して下さい」の文字表示を表示する。すなわち、遊技者は、第1の表示装置に表示された特殊報知演出によって、持ち球を継続使用し得るのか交換する必要があるのかを明確に認識することができる。
(2) 特殊飾図抽選用テーブルで設定されている特殊飾図用判定値の振分け割合に従って特殊飾図を決定する特殊モードとは別に、第2の表示装置に表示された特殊飾図の種類によって特殊飾図の決定割合が変化する特定特殊モードを設定することができる。例えば、「3」または「7」の特殊飾図が表示されるまでは、「3」および「7」を含む奇数の特殊飾図の決定割合が20%であるが、「3」または「7」の特殊飾図が表示された後に「4」の特殊飾図が表示されるまでは奇数の特殊飾図の決定割合が80%に変化し、「4」の特殊飾図が表示されることで初期設定(奇数の特殊飾図の決定割合が20%)に戻るように設定された特定特殊モードが設定可能である。なお、特定特殊モードでの特殊飾図の決定割合の変化は、特殊飾図用判定値の振分け割合が異なる複数の特定特殊飾図抽選用テーブルを設定し、特殊飾図の決定割合を変化する契機となる種類の特殊飾図が第2の表示装置に停止表示された条件で、特殊飾図を決定する特定特殊飾図抽選用テーブルの種類を変えることで実現できる。具体的に、特定特殊モードが設定された場合は、「3」または「7」の特殊飾図が停止表示されるまでは、演出制御CPU(演出制御手段)は奇数の特殊飾図の決定割合が20%に設定された第1の特定特殊飾図抽選用テーブルを参照して特殊飾図を決定し、「3」または「7」の特殊飾図が停止表示された条件で演出制御CPU(演出制御手段)は奇数の特殊飾図の決定割合が80%に設定された第2の特定特殊飾図抽選用テーブルを参照して特殊飾図を決定し、そして「4」の特殊飾図が停止表示された条件で演出制御CPU(演出制御手段)が第1の特定特殊飾図抽選用テーブルを参照して特殊飾図を決定するよう構成する。なお、特殊飾図の決定割合が変化する決定割合の数値は一例であって、任意の数値に設定し得ると共に、特殊飾図の決定割合を変化させる契機となる特殊飾図の種類についても任意に設定し得る。また、全ての特殊モードを特定特殊モードとし、各特定特殊モード毎に特殊飾図の決定割合が変化する決定割合の数値や特殊飾図の決定割合を変化させる契機となる特殊飾図の種類を変えるように設定してもよい。
(3) 第2の表示装置に停止表示した特殊飾図について、大当り遊技の終了後、メイン制御CPU(当り判定手段)の判定結果が当りとなるまで継続して停止表示させるように、演出制御CPU(演出制御手段)が第2の表示装置を制御する構成を採用することができる。
(4) 第2の表示装置としては、液晶表示装置やその他、各種の表示装置を採用することができる。
(5) 第1の識別情報である飾図を表示する第1の表示装置(第1の表示部)とは別の装置として、第2の識別情報である特殊飾図を表示する第2の表示装置(第2の表示部)を設けるようにしたが、1つの表示装置(例えば、実施例の第1の表示装置)に、第1の識別情報を表示可能な第1表示領域(第1の表示部)および第2の識別情報を表示可能な第2表示領域(第2の表示部)を設け、1つの表示装置において第1の識別情報および第2の識別情報の両方を表示するようにしてもよい。
(6) 第2の表示装置に停止表示可能な特殊飾図の種類は、第1の表示装置に停止表示可能な飾図と同じ種類である必要はなく、一部が同じで、その他は異なるものであってもよいし、全ての種類が異なっていてもよい。例えば、飾図として数字の「1」〜「8」を用いる場合に、特殊飾図として「0」と「9」を用いる構成において、「9」をラッキーナンバーとし、「0」をアンラッキーナンバーとすることができる。また、特殊飾図としては、第2の表示装置で表示可能であれば、数字に限られず、任意の文字や図形、あるいはパチンコ機のモチーフとなるアイテムを模した図など、各種の図柄を用いることができる。
(7) 実施例では、特殊飾図の種類を示す外部出力情報を、演出制御CPU(演出制御手段)に接続する外部端子板から出力するよう構成したが、 メイン制御CPU(メイン制御手段)に接続する外部端子板から出力する構成を採用できる。すなわち、演出制御CPU(演出制御手段)の演出制御RAM(記憶手段)に記憶した特殊飾図の種類を、メイン制御CPU(メイン制御手段)が参照して前記パターン信号(外部出力情報)を生成し、該パターン信号を、メイン制御基板(メイン制御手段)が備える情報出力ポートおよび外部端子板から出力するようにすればよい。この構成では、外部端子板と演出制御基板との電気的な接続は不要となる。
(8) 実施例では、第2の表示装置においてナンバー予告演出を実行すると共に、特殊飾図を停止表示するタイミングが、大当り遊技におけるオープニング演出中またはラウンド演出中である場合について説明したが、該タイミングは、第1の表示装置に飾図が確定停止表示された以降であればよく、大当り遊技におけるエンディング演出中であってもよい。また、第2の表示装置において特殊飾図を停止表示するタイミングが、第1の表示装置に飾図が確定停止表示された以降であればよく、例えば第1の表示装置での図柄組合せ演出中にナンバー予告演出を開始し、飾図の確定停止表示と同時に特殊飾図も停止表示するようにしてもよい。
(9) モード表示部については、第2の表示装置とは別に、特殊モードを選択(変更)する契機となるモード変更条件を成立させるための手段(電源スイッチおよびクリアスイッチ)に近接して設け、外枠に対して中枠を閉成した状態ではパチンコ機の前側から視認不能な構成とすることができる。この構成によれば、モード表示部の表示によって、設定されている特殊モードの種類が遊技者に知られることはない。
(10) 実施例や別実施例では、ナンバー予告演出(予告演出パターン)の種類として、演出の態様である演出内容が異なる複数種類を設定した場合で説明したが、ナンバー予告演出の種類として、演出内容が同じで演出の態様である演出期間が異なる複数種類を設定し、ナンバー予告演出の選択抽選に用いられる選択用判定値の振分け割合を、演出期間が異なるナンバー予告演出の種類によって異ならせるようにする。例えば、ナンバー予告演出の演出期間が長い方が、短い方よりラッキーナンバーが停止されることへの信頼度(期待度)が高くなるようにすることで、興趣を向上することができる。また、ナンバー予告演出(予告演出パターン)の種類として、演出内容および演出期間の両方が異なる複数種類を設定してもよく、その演出内容の種類や演出期間の種類の組み合わせによって、ラッキーナンバーが停止されることへの信頼度(期待度)が異なるように、選択用判定値の振分け割合を設定することができる。なお、演出内容のみが異なる種類、演出期間のみが異なる種類、演出内容および演出期間の両方が異なる種類を設定し得ることは勿論である。
(11) 外部端子板から出力される信号(遊技情報)としては、当り、外れに関する信号大当り遊技などの遊技状態に関する信号、始動入賞口へパチンコ球が入球したことに関する信号、特図変動表示および普図変動表示が終了したことに関する信号、エラー発生したことに関するセキュリティ信号等があげられるが、その他の各種信号を出力するようにしてもよい。
(12) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして各実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(13) また、演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示制御CPU)が備える機能の全部または一部を演出制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、演出制御手段(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、演出制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行う発光制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(14) 遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(15) 実施例、別実施例および各変更例で説明した各構成については、相互に組み合せることができる。