JP2020079611A - 気流発生構造体及び密封構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダストの侵入を更に一層抑制し得る気流発生構造体及び密封構造を提供する。【解決手段】密封構造1において、フィン構造体60は、オイルシール20が取り付けられるハウジング53と、ハウジング53の貫通穴53hを貫通する軸線周りに回転可能なボス部14の外周側に拡がるように延びてボス部14と一体に形成されたハブ11との間の隙間に配置され、ボス部14と一体に回転可能に取り付けられた本体部61を備えている。また、フィン構造体60は、本体部61の外周面61gから外周側に延びており、ボス部14が回転した際に軸線xとは垂直な遠心方向に気流を生じさせる複数の羽根部62と、ボス部14と一体に回転可能に取り付けられており、本体部61及び複数の羽根部62とハウジング53又はハブ11との間に設けられた板状部63とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、気流発生構造体及び密封構造に関し、例えば、車両等のエンジンの回転軸に発生する捩り振動を吸収するためのトーショナルダンパと、トーショナルダンパのためのオイルシールとによって形成される密封構造に適用されるものである。
従来から、例えば、車両のエンジンにおいて、クランクシャフトの一端には、クランクシャフトの回転変動によって発生する捩り振動を低減するために、トーショナルダンパが取り付けられている。一般に、車両のエンジンにおいて、このようなトーショナルダンパは、ダンパプーリとして用いられており、動力伝達用のベルトを介して、ウォーターポンプやエアコン用コンプレッサ等の補機にエンジンの動力の一部を伝達する。また、トーショナルダンパと、クランクシャフトが挿通される、例えば、フロントカバーの貫通穴との間の空間は、オイルシールによって密封されている。
車両のエンジンにおいて用いられているトーショナルダンパでは、例えば、トーショナルダンパにおけるハブの環状突起部とエンジンにおけるフロントカバーの環状突起部との間の組み合わせによる非接触のラビリンスシール構造が採用されている。このようなラビリンスシール構造においては、トルクを上昇させることなく、泥水や砂、ダスト等の異物に対する耐ダスト性を向上させるようになっている。
このような構造のトーショナルダンパにおいて、フロントカバーの環状突起部と対向する位置に、軸線に対して所定の角度で傾斜した複数のフィンが一体に設けられたトーショナルダンパが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような構成のトーショナルダンパにおいては、クランクシャフトと一体に回転した際、複数のフィンにより生じた風がハブの環状突起部とフロントカバーの環状突起部との間を内周側から外周側に向かって流れるので、ダストの侵入を抑制するようになっている。
特開2017−214994号公報
しかしながら、特許文献1のトーショナルダンパにおいては、トーショナルダンパを貫通する貫通窓からダストが侵入するため、ダストの侵入を抑制するには不十分であった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダストの侵入を更に一層抑制することができる気流発生構造体及び密封構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る気流発生構造体は、密封装置が取り付けられる被取付対象と、前記被取付対象の貫通穴を貫通する軸線周りに回転可能な軸部材の外周側に拡がるように延びて当該軸部材と一体に形成された円盤状部材との間の隙間に配置され、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられた本体部と、前記本体部の外周面から外周側に延びており、前記軸部材が回転した際に前記軸線とは垂直な遠心方向に気流を生じさせる複数の羽根部と、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられており、前記本体部及び前記複数の羽根部と前記被取付対象又は前記円盤状部材との間に設けられた板状部とを備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る気流発生構造体において、前記板状部は、前記本体部及び前記複数の羽根部と前記円盤状部材との間において、前記本体部及び前記複数の羽根部と一体に設けられている。
本発明の一態様に係る気流発生構造体において、前記板状部は、前記円盤状部材と同じ直径を有する円盤形状である。
本発明の一態様に係る気流発生構造体において、前記板状部の端部は、前記円盤状部材に設けられた貫通窓における外周側の端部よりも外周側に位置している。
本発明の一態様に係る気流発生構造体において、前記板状部には、前記密封装置よりも外周側において、少なくとも1つの通気孔が形成されている。
本発明の一態様に係る気流発生構造体において、前記通気孔は、前記本体部の前記外周面近傍に形成されている。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る密封構造は、密封装置と、前記密封装置が取り付けられる被取付対象と、前記被取付対象の貫通穴を貫通する軸線周りに回転可能な軸部材と、前記軸部材の外周側に拡がるように延びて当該軸部材と一体に形成された円盤状部材と、前記被取付対象と前記円盤状部材との間の隙間において、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられた本体部と、前記本体部の外周面から外周側に延びており、前記軸部材が回転した際に前記軸線とは垂直な遠心方向に気流を生じさせる複数の羽根部と、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられており、前記本体部及び前記複数の羽根部と前記被取付対象又は前記円盤状部材との間に設けられた板状部とを有する気流発生構造体とを備えることを特徴とする。
本発明に係る気流発生構造体及び密封構造によれば、ダストの侵入を更に一層抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るダンパプーリとオイルシールとを用いた密封構造の概略構成を示すための軸線に沿う断面における部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るダンパプーリ及びフィン構造体の概略構成を示す斜視図である。 図2における分解斜視図である。 図2における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す斜視図である。 図5におけるA−A断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るダンパプーリとオイルシールとを用いた密封構造の概略構成を示すための軸線に沿う断面における部分断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るダンパプーリ及びフィン構造体の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す正面図である。 図10におけるB−B断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係るダンパプーリとオイルシールとを用いた密封構造の概略構成を示すための軸線に沿う断面における部分断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す正面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るフィン構造体の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係るダンパプーリとオイルシールとを用いた密封構造の概略構成を示すための軸線に沿う断面における部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るダンパプーリ10とオイルシール20とを用いた密封構造1の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における部分断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るダンパプーリ10及びフィン構造体60の概略構成を示す斜視図である。図3は、図2における分解斜視図であり、図4は、図2における断面図である。本発明の第1の実施の形態に係るダンパプーリ10とオイルシール20とを用いた密封構造1は、例えば、自動車のエンジンに適用されている。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1参照)方向を外側とし、軸線x方向において矢印b(図1参照)方向を内側とする。より具体的には、外側とは、エンジンから離れる方向であり大気側であり、内側とは、エンジンに近づく方向でありエンジン側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る密封構造1は、トーショナルダンパとしてのダンパプーリ10と、オイルシール20とを備えている。ダンパプーリ10は、エンジン(図示せず)のクランクシャフト51の一端にボルト52によって固定されている。オイルシール20は、エンジンのハウジング53の貫通穴53hに装着されており、ハウジング53とダンパプーリ10との間を密封している。
ダンパプーリ10は、円盤状部材としてのハブ11と、プーリ12と、ハブ11とプーリ12との間に配設されたダンパ弾性体13とを備えている。ハブ11は、軸線xを中心とする環状の部材であり、内周側(矢印d方向)のボス部14と、外周側(矢印c方向)のリム部15と、ボス部14とリム部15とを接続する略円盤状の円盤部16とを備えている。ハブ11は、例えば、金属材料から鋳造等によって製造されている。
ハブ11のボス部14は、貫通穴14hが形成された軸線xを中心とする環状の部分であり、外側(矢印a方向)の部分の外周面から外周側(矢印c方向)に向かって円盤部16が延びている。ボス部14は、円筒状の内側(矢印b方向)の部分において外周側(矢印c方向)の面となる外周面14bを備えている。ボス部14の外周面14bは、滑らかな面となっており、後述するように、オイルシール20が装着される際のシール面となっている。
ハブ11のリム部15は、軸線xを中心とする円筒状の部分であり、ボス部14に対して同心的にボス部14よりも外周側(矢印c方向)に位置する部分である。リム部15の内周側(矢印d方向)の面である内周面15aから円盤部16が内周側(矢印d方向)に向かって延びている。リム部15の外周側(矢印c方向)の面である外周面15bにはダンパ弾性体13が圧着されている。
円盤部16は、ボス部14とリム部15との間を延びて、ボス部14とリム部15とを接続している。円盤部16は、軸線xに対して垂直な方向に延びているが、軸線xに対して傾斜する方向に延びていてもよい。また、円盤部16は、軸線xに沿う断面が湾曲した形状であってもよく、また、真っ直ぐに延びる形状であってもよい。
また、円盤部16を内側(矢印b方向)と外側(矢印a方向)との間を貫通する貫通穴である窓部16a(図3参照)が少なくとも1つ形成されており、本実施の形態においては、4つの窓部16aが軸線xに対して同心的に周方向に等角度間隔で形成されている。この窓部16aによって、ハブ11、ひいてはダンパプーリ10の軽量化が図られている。
プーリ12は、軸線xを中心とする環状の部材であり、ハブ11の外周側(矢印c方向)を覆う形状を呈している。具体的には、プーリ12の内周側(矢印d方向)の面である内周面12aは、ハブ11のリム部15の外周面15bに対応した形状を有している。プーリ12は、その内周面12aがリム部15の外周面15bに径方向(矢印cd方向)において間隔を空けて対向するように位置している。また、プーリ12の外周側(矢印c方向)の面である外周面12bには、環状のv溝12cが複数形成されており、図示しないタイミングベルトが巻回可能である。
ダンパ弾性体13は、プーリ12とリム部15との間に設けられている。ダンパ弾性体13は、ダンパゴムであり、耐熱性、耐寒性、及び疲労強度において優れたゴム状弾性材料から架橋(加硫)成形されている。ダンパ弾性体13は、プーリ12とリム部15との間に圧入されており、プーリ12の内周面12aとリム部15の外周面15bとに嵌着されて固定されている。
ダンパプーリ10において、プーリ12とダンパ弾性体13とがダンパ部を形成しており、ダンパ部の捩り方向固有振動数が、クランクシャフト51の捩れ角が最大となる所定の振動数域である、クランクシャフト51の捩り方向固有振動数と一致するように同調されている。つまり、ダンパ部の捩り方向固有振動数がクランクシャフト51の捩り方向固有振動数と一致するように、プーリ12の円周方向の慣性質量と、ダンパ弾性体13の捩り方向剪断ばね定数とが調整されている。
上述のように、ダンパプーリ10は、エンジン(図示せず)においてクランクシャフト51の一端に取り付けられている。具体的には、クランクシャフト51の一端がハブ11のボス部14の貫通穴14hに挿通され、外側(矢印a方向)からボルト52がクランクシャフト51に螺合されて、ダンパプーリ10がクランクシャフト51に固定されている。また、クランクシャフト51とボス部14との間には、クランクシャフト51とボス部14とに係合する半月キー等のキーが設けられており、ダンパプーリ10がクランクシャフト51に対して相対回動不能になっている。
ダンパプーリ10は、クランクシャフト51に取り付けられた状態において、ボス部14の外周面14bのうち内側(矢印b方向)の部分が被取付対象としてのハウジング53の貫通穴53h内に挿通された状態になっており、ボス部14の外周面14bと、ハウジング53との間に環状の空間が形成されている。この環状の空間にオイルシール20が装着されている。
オイルシール20は、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環21と、軸線xを中心とする環状の弾性体から成る弾性体部22とを備えている。弾性体部22は、補強環21に一体的に取り付けられている。補強環21の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。弾性体部22の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
補強環21は、例えば、プレス加工や鍛造によって製造され、弾性体部22は成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。この架橋成型の際に、補強環21は成形型の中に配置されており、弾性体部22が架橋(加硫)接着により補強環21に接着され、弾性体部22が補強環21と一体的に成形される。
補強環21は、例えば、断面略L字状の形状を呈しており、円盤部21aと、円筒部21bとを備えている。円盤部21aは、軸線xに略垂直な方向に広がる中空円盤状の部分である。円筒部21bは、円盤部21aの外周側(矢印c方向)の端部から軸線x方向において内側(矢印b方向)に延びる円筒状の部分である。
弾性体部22は、補強環21に取り付けられており、本発明の第1の実施の形態においては補強環21を外側(矢印a方向)及び外周側(矢印c方向)から覆うように補強環21と一体的に成形されている。弾性体部22は、リップ腰部23と、シールリップ24と、ダストリップ25とを備えている。
リップ腰部23は、補強環21の円盤部21aにおける内周側(矢印d方向)の端部の近傍に位置する部分である。シールリップ24は、リップ腰部23から内側(矢印b方向)に向かって延びる部分であり、補強環21の円筒部21bに対向して配置されている。ダストリップ25は、リップ腰部23から軸線x方向に向かって延びる部分である。
シールリップ24は、内側(矢印b方向)の端部に、その断面形状が内周側(矢印d方向)に向かって凸の楔形状の環状のリップ先端部24aを有している。リップ先端部24aは、後述するように、ハブ11のボス部14の外周面14bと摺動可能に外周面14bに密接して接触するように形成されており、ダンパプーリ10との間を密封するように取り付けられている。また、シールリップ24の外周側(矢印c方向)には、シールリップ24を径方向(矢印cd方向)において内周側(矢印d方向)に押し付けるガータースプリング26が嵌着されている。
ダストリップ25は、リップ腰部23から延びる部位であり、外側(矢印a方向)且つ内周側(矢印d方向)に斜めに延出している。ダストリップ25により、使用状態におけるリップ先端部24a方向への異物の侵入が防止されている。
また、弾性体部22は、外側カバー27と、ガスケット部28とを備えている。外側カバー27は、補強環21の円盤部21aを外側(矢印a方向)から覆い、ガスケット部28は、補強環21の円筒部21bを外周側(矢印c方向)から覆っている。
また、オイルシール20は、外側(矢印a方向)に向かって延びるサイドリップ29を備えている。サイドリップ29は、外側(矢印a方向)に延びており、具体的には、軸線xと平行に、又は、軸線xに対して外側(矢印a方向)及び外周側(矢印c方向)に斜めに延びた部位である。
上述のように、オイルシール20は、ハウジング53の貫通穴53hと、ダンパプーリ10のボス部14の外周面14bとの間に形成される空間を密封している。具体的には、オイルシール20は、ハウジング53の貫通穴53hに圧入されて取り付けられ、弾性体部22のガスケット部28が圧縮されてハウジング53の内周側(矢印d方向)の面である内周面53dに液密に当接している。
これにより、オイルシール20とハウジング53の貫通穴53hとの間が密閉されている。また、シールリップ24のリップ先端部24aが、ハブ11のボス部14の外周面14bに液密に当接し、オイルシール20とダンパプーリ10との間が密閉されている。
さらに、本発明の第1の実施の形態における密封構造1では、ハウジング53とダンパプーリ10との間に気流発生構造体としてのフィン構造体60が配置されている。図1,2に示すように、フィン構造体60は、ダンパプーリ10のハブ11のボス部14と一体化した状態でハブ11に取り付けられている。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るフィン構造体60の概略構成を示す正面図であり、図6は、フィン構造体60の概略構成を示す斜視図である。図7は、図5におけるA−A断面図である。フィン構造体60は、中央に貫通孔61hが形成された薄板円盤状の本体部61と、本体部61の外周面61gから外周側(矢印c方向)に放射状に延びる複数(この場合、6個)の羽根部62と、本体部61及び羽根部62と外側(矢印a方向)において一体に設けられた板状部63とを備えている。
なお、フィン構造体60は、樹脂やゴム状弾性部材又は金属からなり、射出成形又は削り出しにより形成される。ゴム状弾性部材としては、例えば、二トリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
フィン構造体60の本体部61の貫通孔61hは、ハブ11のボス部14の外周面14bと同じ又は僅かに小さくなっており、取り付け時には、ボス部14の外周面14bに対してしまり嵌めにより一体に固定される。本体部61は、外側(矢印c方向)において、後述するフィン構造体60の板状部63と一体に形成されている。本体部61と板状部63とを合わせた幅は、図7に示すように、プーリ12の内側(矢印b方向)の面である側端面12dとハウジング53の外側(矢印b方向)の面である外側面53aとの間の隙間よりも狭い軸線x方向の幅wとなっている。
また、本体部61は、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向する側の面であるハウジング側面61bを有している。本体部61のハウジング側面61bには、貫通孔61hの近傍において、ハウジング側面61bから外側(矢印a方向)に凹む軸線xを中心とした環状の凹部61dが形成されている。凹部61dは、貫通孔61hと連通している。
羽根部62は、図5に示すように、本体部61の外周面61gから平面視において外周側(矢印c方向)に放射状に延びる遠心気流発生用の羽根であり、フィン構造体60がハブ11に装着された状態において、羽根部62の外周側(矢印d方向)の端部62gは、ハブ11におけるプーリ12の外周側の端部にまで到達する長さを有している。また、羽根部62は、本体部61の外周面61gから外周側に向かって延びた後に、端部62gが平面視反時計回り方向の回転方向に向かって僅かに戻るように反った湾曲形状を有している。なお、羽根部62は、ハブ11におけるプーリ12の外周側の端部にまで到達する長さを有していなくてもよく、本体部61の外周面61gよりも外周側に延びていればよい。
羽根部62は、外側(矢印a方向)においてハブ11のプーリ12に対向する側の面であるプーリ側面62aと、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向する側の面であるハウジング側面62bを有している。羽根部62のプーリ側面62aは、後述するフィン構造体60の板状部63と一体に形成されている。
また、羽根部62は、軸線xとは垂直な遠心方向(径方向(矢印cd方向))でかつ軸線xに沿う面(図示せず)と平行に形成されたブレード面62cを有し、フィン構造体60の本体部61がクランクシャフト51と共に反時計回りの回転方向に回転したとき、ブレード面62cにより外周側(矢印d方向)に向かう気流V1(図1参照)を発生させる。なお、羽根部62は、この場合6個であるが、これに限らず、発生させたい気流の流速、流量、又は風圧に応じた任意の個数であってもよい。
板状部63は、円盤状又は略円盤状に形成されており、板状部63の直径は、羽根部62の端部62gにまで到達する長さを有している。つまり、板状部63の外周側の端部は、ハブ11の円盤部16の窓部16aにおける外周側の端部よりも外周側に位置している。なお、板状部63は、円盤状に限らず、例えば、羽根部62の個数に合わせて六角形板状に形成されていてもよく、板状の部材であればよい。また、板状部63は、羽根部62の端部62gにまで到達していなくてもよく、本体部61の外周面61gよりも外周側に延びていればよい。
また、板状部63は、外側(矢印a方向)においてハブ11のプーリ12に当接される側の面であるプーリ側面63aと、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向しており、本体部61及び羽根部62と一体に形成されている面であるハウジング側面63bとを有している。板状部63は、本体部61がボス部14の外周面14bに対して一体に固定される際、プーリ側面63aがプーリ12の側端面12dに当接された状態で取り付けられる。つまり、板状部63は、本体部61及び羽根部62とハブ11との間に、本体部61及び羽根部62とハウジング側面63bにおいて一体に設けられている。また、板状部63は、本体部61の貫通孔61hと同じ又は略同じ直径の貫通孔を有している。
このように密封構造1では、ハブ11と一体に固定されたフィン構造体60が、ハブ11とハウジング53との間に配置されることになる。このとき、フィン構造体60の板状部63のプーリ側面63aはプーリ12の内側(矢印b方向)の側端面12dに当接されているが、フィン構造体60の本体部61のハウジング側面61b及び羽根部62のハウジング側面62bはハウジング53と当接されることなく、ハウジング側面61b,62bとハウジング53との間に一定の隙間が存在することになる。
また、この密封構造1では、図1に示すように、フィン構造体60の本体部61に形成された凹部61dとボス部14の外周面14bとの間に、軸線xを中心とした環状のポケットP1が画成されている。ポケットP1は、フィン構造体60の本体部61のハウジング側面61bから環凹状に凹んだ軸線xを中心とする凹部である。すなわち、ポケットP1は、ボス部14の外周面14bを環状に取り囲んだ凹空間である。
ハウジング53とハブ11のボス部14との間には、オイルシール20が装着されており、オイルシール20のサイドリップ29がハウジング53の外側面53aから外側(矢印a方向)に突出している。
この場合、サイドリップ29の先端部が本体部61の凹部61dと径方向(矢印cd方向)において空間的に重なる位置に配置される。すなわち、サイドリップ29の先端部は、フィン構造体60の本体部61におけるハウジング側面61bよりも僅かに外側(矢印a方向)に位置し、軸線x方向(矢印ab方向)において、ポケットP1の内部空間に進入しており、ポケットP1と軸線xと垂直な方向においてオーバーラップしている。
ここで、サイドリップ29の先端部と凹部61d(ポケットP1)とが接触することはなく、いわゆるラビリンスシールを形成している。ただし、これに限るものではなく、ラビリンスシールを形成することができれば、サイドリップ29の先端部が凹部61d(ポケットP1)の内部空間に進入しておらず、凹部61d(ポケットP1)と軸線xと垂直な方向において非オーバーラップ状態にあってもよい。
以上の構成において、密封構造1では、フィン構造体60の板状部63が、本体部61及び羽根部62とハブ11との間に、本体部61及び羽根部62と一体に設けられている。このため、密封構造1では、ハブ11の円盤部16の窓部16aを介して外側(矢印a方向)から泥水や砂、ダスト等の異物が侵入することを板状部63によって物理的に抑制することができる。
これにより、ダンパプーリ10から侵入する異物にオイルシール20のシールリップ24が曝されることを抑制することができる。このため、オイルシール20のリップ先端部24aが異物を噛み込んで損傷又は劣化し、オイルシール20のシール性能が低下してオイルが漏洩することを抑制することができる。
また、密封構造1では、板状部63の直径が羽根部62の端部62gにまで到達する長さを有しており、板状部63の外周側の端部がハブ11の円盤部16の窓部16aにおける外周側の端部よりも外周側(矢印c方向)に位置している。このため、ハブ11の円盤部16の窓部16aを介して外側(矢印a方向)から異物が侵入することを未然に防止することができる。
また、密封構造1では、ハブ11が反時計回り方向に回転した場合、フィン構造体60における複数の羽根部62が軸線xを中心とした回転方向に対して正対する垂直なブレード面62cを有している。このため、密封構造1では、軸線x方向とは垂直な遠心方向(矢印cd方向)において内周側(矢印d方向)から外周側(矢印c方向)に向かってダイレクトに流れる空気の気流V1(図1参照)を発生させることが可能となり、従来に比して流速、流量及び風圧を増大させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態の密封構造70について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係るダンパプーリ10とオイルシール20とを用いた密封構造70の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における部分断面図である。図9は、ダンパプーリ10及びフィン構造体80の概略構成を示す分解斜視図である。図10は、本発明の第2の実施の形態に係るフィン構造体80の概略構成を示す正面図であり、図11は、図10におけるB−B断面図である。
以下、上述の第1の実施の形態に係る密封構造1と同一の又は類似する構成に対しては同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。第2の実施の形態に係る密封構造70は、第1の実施の形態に係る密封構造1に対してフィン構造体の構成が異なり、具体的には、フィン構造体60に代えて、フィン構造体80が設けられている。
フィン構造体80は、中央に貫通孔61hが形成された薄板円盤状の本体部61と、本体部61の外周面61gから外周側(矢印c方向)に放射状に延びる複数(この場合、6個)の羽根部82と、本体部61及び羽根部82と内側(矢印b方向)において一体に設けられた板状部83とを備えている。
本体部61は、後述するフィン構造体80の板状部83と一体に形成されている。本体部61と板状部83とを合わせた幅は、図11に示すように、プーリ12の内側(矢印b方向)の側端面12dとハウジング53の外側面53aとの間の隙間よりも狭い軸線x方向の幅wとなっている。
羽根部82は、図10に示すように、本体部61の外周面61gから平面視において外周側(矢印c方向)に放射状に延びる遠心気流発生用の羽根であり、フィン構造体80がハブ11に装着された状態において、羽根部82の外周側(矢印d方向)の端部82gは、ハブ11におけるプーリ12の外周側の端部にまで到達する長さを有している。また、羽根部82は、本体部61の外周面61gから外周側に向かって延びた後に、端部82gが平面視時計回り方向の回転方向に向かって僅かに戻るように反った湾曲形状を有している。
羽根部82は、外側(矢印a方向)においてハブ11のプーリ12に当接される側の面であるプーリ側面82aと、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向する側の面であるハウジング側面62bを有している。羽根部62のプーリ側面62aは、後述するフィン構造体80の板状部83と一体に形成されている。
また、羽根部82は、軸線xとは垂直な遠心方向(径方向(矢印cd方向))でかつ軸線xに沿う面(図示せず)と平行に形成されたブレード面82cを有し、フィン構造体80の本体部61がクランクシャフト51と共に回転方向に回転したとき、ブレード面823により外周側(矢印d方向)に向かう気流を発生させる。
板状部83は、円盤状又は略円盤状に形成されており、板状部83の直径は、羽根部82の端部82gにまで到達する長さを有している。つまり、板状部83の外周側の端部は、ハブ11の円盤部16の窓部16aにおける外周側の端部よりも外周側に位置している。
また、板状部83は、外側(矢印a方向)においてハブ11のプーリ12と対向しており、本体部61及び羽根部82と一体に形成されている面であるプーリ側面83aと、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向している面であるハウジング側面83bとを有している。つまり、板状部83は、本体部61及び羽根部82とハウジング53との間に、本体部61及び羽根部82とプーリ側面83aにおいて一体に設けられている。また、板状部83のハウジング側面83bには、貫通孔83hの近傍において、ハウジング側面83bから外側(矢印a方向)に凹む軸線xを中心とした環状の凹部83dが形成されている。凹部83dは、本体部61の貫通孔61hと連通している。
以上の構成において、密封構造70では、フィン構造体80の板状部83が、本体部61及び羽根部82とハウジング53との間に、本体部61及び羽根部82と一体に設けられている。このため、密封構造70では、ハブ11の円盤部16の窓部16aを介して外側(矢印a方向)から泥水や砂、ダスト等の異物が侵入することを板状部83によって物理的に抑制することができる。
また、羽根部82によってハブ11の円盤部16の窓部16aを介して内周側(矢印d方向)から外周側(矢印c方向)に向かってダイレクトに流れる空気の気流V2(図8参照)を発生させることが可能となり、空気の気流V1の流速、流量及び風圧を増大させることができると共に、空気の気流V1により異物を内周側(矢印d方向)から外周側(矢印c方向)に向かって掃き出すことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態の密封構造90について説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態に係るフィン構造体100の概略構成を示す正面図であり、図13は、フィン構造体100の概略構成を示す斜視図である。図14は、本発明の第3の実施の形態に係るダンパプーリ10とオイルシール20とを用いた密封構造90の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における部分断面図である。以下、上述の第1の実施の形態に係る密封構造1と同一の又は類似する構成に対しては同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。第3の実施の形態に係る密封構造90は、第1の実施の形態に係る密封構造1に対してフィン構造体の構成が異なり、具体的には、フィン構造体60に代えて、フィン構造体100が設けられている。
フィン構造体100は、中央に貫通孔61hが形成された薄板円盤状の本体部61と、本体部61の外周面から外周側(矢印c方向)に放射状に延びる複数(この場合、6個)の羽根部62と、本体部61及び羽根部62と外側(矢印a方向)において一体に設けられた板状部103とを備えている。板状部103は、円盤状又は略円盤状に形成されており、板状部103の直径は、羽根部62の端部62gにまで到達する長さを有している。つまり、板状部103の外周側の端部は、ハブ11の円盤部16の窓部16aにおける外周側の端部よりも外周側に位置している。
また、板状部103は、外側(矢印a方向)においてハブ11のプーリ12に当接される側の面であるプーリ側面103aと、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向しており、本体部61及び羽根部62と一体に形成されている面であるハウジング側面103bとを有している。板状部103は、ボス部14の外周面14bに対して一体に固定される際、プーリ側面103aがプーリ12の内側の側端面12dに当接された状態で取り付けられる。つまり、板状部103は、本体部61及び羽根部62とハブ11との間に、本体部61及び羽根部62とプーリ側面103aにおいて一体に設けられている。また、板状部103は、本体部61の貫通孔61hと同じ又は略同じ直径の貫通孔103hを有している。
また、板状部103には、オイルシール20よりも外周側(矢印d方向)において、少なくとも1つの通気孔103pが形成されている。通気孔103pは、本体部61の外周面61g近傍に形成されている。具体的に、板状部103には、本体部61と羽根部62とにより画成されるv状凸部における本体部61と羽根部62とにより挟まれた根元部分付近に複数(この場合、6個)の通気孔103pが形成されている。通気孔103pは、オイルシール20よりも外周側(矢印d方向)に軸線x周りに同心円状に等角度間隔に形成されている。通気孔103pは、平面視円状又は略円状に形成されているが、例えば、平面視矩形状や平面視六角形状等、種々の形状であってもよい。
以上の構成において、本発明の第3の実施の形態に係る密封構造90では、フィン構造体100の板状部103が、本体部61及び羽根部62とハブ11との間に一体に設けられており、板状部103には、オイルシール20よりも外周側(矢印d方向)において、少なくとも1つの通気孔103pが形成されている。このため、密封構造90では、ハブ11の円盤部16の窓部16aを介して外側(矢印a方向)から泥水や砂、ダスト等の異物が侵入することを板状部83によって物理的に抑制しつつ、通気孔103pによって外側(矢印a方向)から内側(矢印b方向)に向かってダイレクトに流れる空気の気流V3(図14参照)を発生させることが可能となり、空気の気流V1の流速、流量及び風圧を増大させることができる。
特に、密封構造90では、通気孔103pが、本体部61と羽根部62とにより画成されるv状凸部における本体部61と羽根部62とにより挟まれた根元部分付近に形成されているため、より内周側(矢印d方向)から空気の気流V3を発生させることが可能となり、空気の気流V1の流速、流量及び風圧を更に増大させることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態の密封構造110について説明する。図15は、本発明の第4の実施の形態に係るフィン構造体120の概略構成を示す正面図であり、図16は、フィン構造体120の概略構成を示す斜視図である。図17は、本発明の第4の実施の形態に係るダンパプーリ10とオイルシール20とを用いた密封構造110の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における部分断面図である。以下、上述の第2の実施の形態に係る密封構造70と同一の又は類似する構成に対しては同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。第4の実施の形態に係る密封構造110は、第2の実施の形態に係る密封構造70に対してフィン構造体の構成が異なり、具体的には、フィン構造体80に代えて、フィン構造体120が設けられている。
フィン構造体120は、中央に貫通孔61hが形成された薄板円盤状の本体部61と、本体部61の外周面から外周側(矢印c方向)に放射状に延びる複数(この場合、6個)の羽根部82と、本体部61及び羽根部82と内側(矢印b方向)において一体に設けられた板状部123とを備えている。板状部123は、円盤状又は略円盤状に形成されており、板状部123の直径は、羽根部82の外周側の端部82gにまで到達する長さを有している。つまり、板状部123の外周側の端部は、ハブ11の円盤部16の窓部16aにおける外周側の端部よりも外周側に位置している。
また、板状部123は、外側(矢印a方向)においてハブ11のプーリ12と対向しており、本体部61及び羽根部82と一体に形成されている面であるプーリ側面123aと、内側(矢印b方向)においてハウジング53と対向している面であるハウジング側面123bとを有している。つまり、板状部123は、本体部61及び羽根部82とハウジング53との間に、本体部61及び羽根部82とプーリ側面123aにおいて一体に設けられている。
また、板状部123には、オイルシール20よりも外周側(矢印d方向)において、少なくとも1つの通気孔123pが形成されている。通気孔123pは、本体部61の外周面61g近傍に形成されている。具体的に、板状部123には、本体部61と羽根部82とにより画成されるv状凸部における本体部61と羽根部82とにより挟まれた根元部分付近に複数(この場合、6個)の通気孔123pが形成されている。通気孔123pは、オイルシール20よりも外周側(矢印d方向)に軸線x周りに同心円状に等角度間隔に形成されている。通気孔123pは、平面視円状又は略円状に形成されているが、例えば、平面視矩形状や平面視六角形状等、種々の形状であってもよい。
以上の構成において、密封構造110では、フィン構造体120の板状部123が本体部61及び羽根部82とハウジング53との間に、本体部61及び羽根部82と一体に設けられており、板状部123には、オイルシール20よりも外周側(矢印d方向)において、少なくとも1つの通気孔123pが形成されている。このため、密封構造110では、ハブ11の円盤部16の窓部16aを介して外側(矢印a方向)から泥水や砂、ダスト等の異物が侵入することを板状部83によって物理的に抑制することができる。
また、羽根部82によってハブ11の円盤部16の窓部16aを介して内周側(矢印d方向)から外周側(矢印c方向)に向かってダイレクトに流れる空気の気流V2(図16参照)を発生させることが可能となり、空気の気流V1の流速、流量及び風圧を増大させることができると共に、空気の気流V1により異物を内周側(矢印d方向)から外周側(矢印c方向)に向かって掃き出すことができる。
さらに、板状部123のハウジング側面123bとハウジング53との間の隙間において、通気孔103pによって外周側(矢印c方向)から内周側(矢印d方向)に向かって空気を吸い込む気流V4を発生させることが可能となる。このため、空気の気流V1の流速、流量及び風圧を増大させることができると共に、空気の気流V1により板状部123のハウジング側面123bとハウジング53との間の隙間に侵入する異物を通気孔103pを介して内側(矢印b方向)から外側(矢印a方向)に向かって掃き出すことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
例えば、密封構造は、上述のトーショナルダンパであるダンパプーリ10とそのオイルシール20との間に適用された、トーショナルダンパとオイルシールとを用いた密封構造に限られるものではなく、軸部材又は回転する機能部材と、これらに用いられる密封装置との間に適用されるものであってもよい。例えば、本発明の実施の形態に係る密封構造は、エンジンの後端や、車輪を保持するためのハブベアリングや、ディファレンシャル装置等に適用することができる。
本発明の実施の形態に係る密封構造をエンジンの後端に適用する場合、クランクシャフトの後端においてケースとクランクシャフトの間の隙間を密封するために用いられるオイルシールが密封装置となり、フライホイールが機能部材となる。また、本発明の実施の形態に係る密封構造をディファレンシャル装置に適用する場合、ハウジングと出力軸との間の隙間を密封するために用いられるシールが密封装置となり、出力軸が軸部材となる。
また、上述のようなラビリンスシールを形成するポケットP1及びサイドリップ29をそれぞれ有しているものであれば、ダンパプーリ10、オイルシール20の形態は他の形態であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係るフィン構造体において、羽根部は、軸線xとは垂直な遠心方向(径方向)でかつ軸線xに沿う面(図示せず)と平行で、軸線xを中心とした回転方向に対して全体が正対する垂直なブレード面を有しているようにした場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、羽根部の少なくとも一部だけが、軸線xとは垂直な遠心方向(径方向)でかつ軸線xに沿う面(図示せず)と平行で、軸線xを中心とした回転方向に対して全体が正対する垂直なブレード面を有しているようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る密封構造は、自動車のエンジンに適用されるものとしたが、適用対象はこれに限られるものではなく、他の車両や汎用機械、産業機械等の回転軸等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
また、本発明の実施の形態に係るフィン構造体において、本体部及び羽根部と板状部とは一体である場合について述べたが、本発明はこれに限らず、板状部が本体部及び羽根部と別体であってもよい。また、本発明の実施の形態に係るフィン構造体において、羽根部又は板状部のプーリ側面は、プーリ12の側端面12dに当接されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、羽根部又は板状部のプーリ側面がプーリの側端面と離間していてもよく、本体部及び羽根部がハウジング又はハブとの間に設けられていればよい。
また、本発明の実施の形態に係るフィン構造体において、羽根部が本体部の外周面から外周側に向かって延びた後に、端部が平面視反時計回り方向の回転方向に向かって僅かに戻るように反った湾曲形状を有している場合について述べた。しかし、本発明はこれに限らず、本体部の外周面から平面視において外周側(矢印c方向)に放射状に延びる遠心気流発生用の羽根であればよい。例えば、羽根部は、本体部の外周面から平面視時計回り方向に向かって、外周側(矢印c方向)に弧状の滑らかな曲線を描きながら延びるような渦巻き形状を有していてもよい。
1,70,90,110…密封構造、10…ダンパプーリ(トーショナルダンパ)、11…ハブ(円盤状部材)、12…プーリ、12a…内周面、12b…外周面、12c…v溝、13…ダンパ弾性体、14…ボス部(軸部材)、14b…外周面、14h…貫通穴、15…リム部、16…円盤部、16a…窓部(貫通窓)、20…オイルシール(密封装置)、21…補強環、21a…円盤部、21b…円筒部、22…弾性体部、23…リップ腰部、24…シールリップ、24a…リップ先端部、25…ダストリップ、26…ガータースプリング、27…外側カバー、28…ガスケット部、29…サイドリップ、P1…ポケット、51…クランクシャフト(回転軸)、52…ボルト、53…ハウジング(被取付対象)、53a…外側面、53d…内周面、53h…貫通穴、60,80,100,120…フィン構造体、61…本体部、61b…ハウジング側面、61d,83d…凹部、61h…貫通孔、61g…外周面、62,82…羽根部、62a…プーリ側面、62b…ハウジング側面、62c,82c…ブレード面、62g…端部、63,83,103,123…板状部、63a,83a,103a,123a…プーリ側面、63b,83b,103b,123b…ハウジング側面、63h,83h,103h,123h…貫通孔、103p,123p…通気孔、P1…ポケット、x…軸線、V1〜V4…気流、w…幅

Claims (7)

  1. 密封装置が取り付けられる被取付対象と、前記被取付対象の貫通穴を貫通する軸線周りに回転可能な軸部材の外周側に拡がるように延びて当該軸部材と一体に形成された円盤状部材との間の隙間に配置され、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられた本体部と、
    前記本体部の外周面から外周側に延びており、前記軸部材が回転した際に前記軸線とは垂直な遠心方向に気流を生じさせる複数の羽根部と、
    前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられており、前記本体部及び前記複数の羽根部と前記被取付対象又は前記円盤状部材との間に設けられた板状部と
    を備えることを特徴とする気流発生構造体。
  2. 前記板状部は、前記本体部及び前記複数の羽根部と前記円盤状部材との間において、前記本体部及び前記複数の羽根部と一体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の気流発生構造体。
  3. 前記板状部は、前記円盤状部材と同じ直径を有する円盤形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の気流発生構造体。
  4. 前記板状部の端部は、前記円盤状部材に設けられた貫通窓における外周側の端部よりも外周側に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載の気流発生構造体。
  5. 前記板状部には、前記密封装置よりも外周側において、少なくとも1つの通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の気流発生構造体。
  6. 前記通気孔は、前記本体部の前記外周面近傍に形成されていることを特徴とする請求項5記載の気流発生構造体。
  7. 密封装置と、
    前記密封装置が取り付けられる被取付対象と、
    前記被取付対象の貫通穴を貫通する軸線周りに回転可能な軸部材と、
    前記軸部材の外周側に拡がるように延びて当該軸部材と一体に形成された円盤状部材と、
    前記被取付対象と前記円盤状部材との間の隙間において、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられた本体部と、前記本体部の外周面から外周側に延びており、前記軸部材が回転した際に前記軸線とは垂直な遠心方向に気流を生じさせる複数の羽根部と、前記軸部材と一体に回転可能に取り付けられており、前記本体部及び前記複数の羽根部と前記被取付対象又は前記円盤状部材との間に設けられた板状部とを有する気流発生構造体と
    を備えることを特徴とする密封構造。
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