JP2020075653A - ハイブリッド車のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】早期始動制御が禁止されている場合の加速遅れあるいは駆動力増大の遅れを回避もしくは抑制できるエンジン始動制御装置を提供する。【解決手段】早期始動の要求が成立していることを判断する早期始動判断手段(ステップS1)と、早期始動を実行できない禁止条件が成立していることを判断する早期始動禁止判断手段(ステップS3)と、ハイブリッド車の車速を判断する車速判断手段(ステップS5)とを備え、早期始動の要求が成立していることが判断されかつ禁止条件が成立していることが判断されている場合に、車速が予め定めた車速以上であればエンジンをクランキングする第1モータのトルクを増大補正し、車速が予め定めた車速未満であれば第2モータによって駆動トルクを増大させるように構成されている。【選択図】図2

Description

この発明は、駆動力源としてエンジンとモータとを備え、加速要求や充電残量などに基づいてエンジンを始動および停止する制御装置に関し、特にエンジンの始動を制御する装置に関するものである。
エンジンとモータとを駆動力源として備えたハイブリッド車は、モータの駆動力のみによって走行することも可能であるから、エンジンの運転を可及的に停止して燃費の向上を図っている。しかしながら、モータによって出力できる駆動力は、エンジンによる駆動力よりも小さいので、大きい加速要求(駆動力要求)が生じた場合には、それまで停止してていたエンジンを再始動することになる。特許文献1には、このようなエンジンの始動に関する発明が開示されている。特許文献1に記載されている始動制御装置は、直噴エンジンの出力軸に電動機を連結し、その電動機によってエンジンをクランキングできるように構成された車両を対象とする制御装置であって、エンジンを始動する際に失火などによってエンジン回転数が所定の回転数に達しない場合、あるいは回転数を維持できない場合に、電動機によるトルクアシストを行って、エンジン回転数を自立運転可能な回転数にまで引き上げるように構成されている。
特開2013−087710号公報
特許文献1に記載されている始動制御装置によれば、エンジンを始動する際に電動機によってエンジン回転数を強制的に引き上げることができるので、エンジンを確実に、また迅速に始動することができる。したがって、例えばモータの駆動力で走行している状態でアクセルペダルが急速にかつ大きく踏み込まれた場合、すなわち大きい加速要求(駆動力要求)が生じた場合に、その要求に即してエンジンを迅速に始動し、駆動力を増大させることができる。しかしながら、電動機によってエンジン回転数を強制的に引き上げてもエンジンにおける混合気の燃焼が円滑に生じなければ、エンジン回転数が直ちに自立運転可能になるわけではなく、またエンジンの出力トルクが増大する訳ではなく、さらには燃焼が正常に行われずに排ガスが悪化する可能性がある。このような場合、特許文献1に記載された装置では、電動機によってエンジン回転数を強制的に引き上げてエンジン始動を迅速化する制御を中止もしくは禁止することになり、その結果、駆動力の増大に遅れが生じ、いわゆるドライバビリティが悪化する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ハイブリッド車におけるエンジンの始動を早期に達成でき、また早期に達成できないとしても必要な駆動力を確保することのできるエンジン始動制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の目的を達成するために、第1モータによってクランキングされるエンジンと所定の車輪に駆動力を出力する第2モータとを駆動力源として備え、前記エンジンを始動する際のエンジン回転数の増大速度を予め定めた速度に設定する早期始動と前記エンジンを始動する際のエンジン回転数の増大速度を前記早期始動による速度より遅くする遅延始動とを選択できる、ハイブリッド車のエンジン始動装置において、前記早期始動の要求が成立していることを判断する早期始動判断手段と、前記早期始動を実行できない禁止条件が成立していることを判断する早期始動禁止判断手段と、前記ハイブリッド車の車速を判断する車速判断手段とを備え、前記早期始動の要求が成立していることが前記早期始動判断手段によって判断されかつ前記早期始動を実行できない禁止条件が成立していることが前記早期始動禁止判断手段によって判断されている場合に、前記車速判断手段で判断された車速が予め定めた車速以上であれば前記エンジンをクランキングする前記第1モータのトルクを増大補正し、前記車速判断手段で判断された車速が前記予め定めた車速未満であれば前記第2モータによって駆動トルクを増大させるように構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、エンジンを停止している状態で、急速かつ大きい加速要求もしくは駆動力要求があると早期始動判断手段がエンジンの始動の形態として早期始動を行うことの判断を行う。その場合、エンジンの温度(例えばエンジン水温)が所定温度以下であるなど早期始動を行うことを禁止するべき条件が成立していると、早期始動禁止判断手段がエンジンの早期始動を禁止することの判断を行う。これらの二つの判断が成立している状態で、ハイブリッド車の車速が予め定めた車速で以上のいわゆる高車速であれば、エンジンをクランキングする第1モータのトルクが増大補正される。その結果、エンジン回転数が、早期始動によるほどではないものの、迅速に増大してエンジンが自立回転してトルクを出力し始めるまでの時間が短縮され、加速要求もしくは駆動力要求に即した加速あるいは駆動力を得ることができる。また一方、車速が予め定めた所定の車速未満であれば、第2モータのトルクが増大させられて駆動力が増大し、その結果、加速要求もしくは駆動力要求に即した加速あるいは駆動力を得ることができる。結局、この発明によれば、早期始動を行えない場合であっても、ドライバビリティを損なうことなくエンジンを始動することができる。
この発明で対象とすることのできるハイブリッド車の一例を模式的に示すブロック図である。 この発明の実施形態で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 早期始動制御が実施される領域を定めたマップを概念的に示す図である。 エンジン水温について早期始動制御の禁止領域を説明するための線図である。 早期始動制御を行った場合と行わない場合とにおけるクランキングトルクの変化を示す線図である。 早期始動制御を行った場合と行わない場合とにおけるエンジン回転数の変化を示す線図である。 エンジンフリクションに対する車速に応じた各モータによるトルクアシストの割合を概念的に示す図である。
この発明の実施形態におけるハイブリッド車は、エンジンと二つのモータと自動変速機とを備えている。その一例を図1に模式的に示してある。ここに示すハイブリッド車1は、フロントエンジン・後輪駆動車(FR車)をベースとした電気式の四輪駆動車(e−4WD)の例であり、車体の前方側にエンジン(E/G)2が車体の後方に向けて配置されており、そのエンジン2に続けて第1モータ(MG1)3と自動変速機(AT)4とが順に配列されている。そして、エンジン2(より詳しくはエンジン2の出力軸)と第1モータ3(より詳しくは第1モータ3のロータ軸)とが自動変速機4の入力軸5に連結されている。
エンジン2は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(アクセル開度)などの要求駆動力に応じてスロットル開度や燃料噴射量が制御されて要求駆動力に応じたトルクを出力するように構成されている。第1モータ3は、永久磁石式同期電動機などの発電機能のあるモータ(モータ・ジェネレータ)である。したがって、第1モータ3は、エンジン2によって駆動されて発電し、またエンジン2を始動する場合にはエンジン2をクランキングしてスタータモートとして機能する。
自動変速機4は、複数の変速比(変速段)を設定することのできるいわゆる有段式の自動変速機であり、図示しない複数の係合機構を適宜に係合および解放することにより各変速段を設定することができ、その係合および解放の切り換えすなわち変速は、電気的な制御によって行われる。自動変速機4にはリヤプロペラシャフト6を介してリヤデファレンシャルギヤ7が連結されており、リヤデファレンシャルギヤ7から駆動輪である左右の後輪(車輪)8に駆動トルクが伝達される。
さらに、前輪(車輪)9を駆動するための第2モータ(MG2)10が設けられている。この第2モータ10は、上記の第1モータ3と同様に、永久磁石式の同期電動機であってよく、上記の自動変速機4あるいはリヤプロペラシャフト6と平行に配置されている。また、第2モータ10の出力軸(ロータ軸)にはフロントプロペラシャフト11が接続されており、そのフロントプロペラシャフト11は、左右の前輪9の差動回転を許容しつつそれらの前輪9にトルクを伝達するフロントデファレンシャルギヤ12に連結されている。
第1モータ3と第2モータ10とは、蓄電池やキャパシターなどの蓄電装置(BATT)およびインバータやコンバータを含むコントローラ13に電気的に接続されている。したがって、第1モータ3および第2モータ10を蓄電装置の電力によってモータとして機能させ、あるいはこれらのモータ3,10で発電した電力を蓄電装置に充電することが可能である。また、第1モータ3で発電した電力によって第2モータ10をモータとして機能させ、その第2モータ10のトルクで走行することも可能である。
上述したエンジン2、各モータ3,10、ならびに自動変速機4などを制御する電子制御装置(ECU)14が設けられている。このECU14はマイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されるデータおよび予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。ECU14は、エンジン2などの上述した機器を制御するためのものであるから、エンジン用ECUやモータ用ECUならびに自動変速機用ECUなどを統合した制御装置であってもよく、あるいはこれらの各ECUに指令信号を出力する上位の制御装置であってもよい。ECU14には、車速、アクセル開度、蓄電装置の充電残量、エンジン回転数、ブレーキオン・オフ信号入力軸5の回転数などが入力されている。また、制御指令信号として、第1モータ(MG1)3の制御信号、第2モータ(MG2)10の制御信号、エンジン2における電子スロットルバルブの開度信号、変速段制御信号などが出力される。
この発明の実施形態における上記のハイブリッド車1は、エンジン2と各モータ3,10とを駆動力源とした車両であり、エンジン2が出力するトルクと第2モータ10が出力するトルクとのいずれかのトルク、もしくは両方のトルクを駆動トルクとして走行することができる。第2モータ10のみを駆動力源として走行するいわゆるEVモードでは、燃料を消費しない替わりに、得られる駆動力が、エンジン2で後輪8を駆動する場合には比較して小さくなる。そのため、例えばエンジン2の運転を止めたEVモードで走行している状態でアクセルペダル(図示せず)が急速かつ大きく踏み込まれて大きい加速要求(駆動力要求)が発生すると、停止していたエンジン2を始動することになる。また、停車している状態からアクセルペダルが急速かつ大きく踏み込まれた場合にも、同様に、エンジン2を始動することになる。
エンジン2を始動する際のクランキングは、通常は、第1モータ3によってエンジン2を回転させることにより行う。その場合、エンジン回転数を増大させる速度は、第1モータ3によって高速、低速に制御でき、この発明の実施形態における制御装置は、エンジン2の始動を設計上、予め定めた時間内に達成する通常の始動制御(以下、遅延始動制御とする)と、遅延始動より迅速にエンジン2の始動を完了する始動制御(以下、早期始動制御とする)とを選択して実行するように構成されている。ここで、遅延始動制御は、第1モータ3によるエンジン回転数の引き上げ速度を早期始動制御に比較して遅くし、一般的なエンジンと同様に、エンジン回転数が所定の回転数に達した時点に燃料の噴射と点火とを実行する制御である。これに対して早期始動制御は、第1モータ3によるエンジン回転数の引き上げ速度を遅延始動制御によるよりも速くし、かつ第1モータ3によるエンジン回転数の引き上げとほぼ同時に燃料の噴射と点火とを実行する制御である。
早期始動制御によれば、エンジン2が迅速に自律回転に到るので、エンジン2による大きく駆動力を早期に発生させ、したがって急速かつ大きい加速要求(駆動力要求)を充足することができる。しかしながら、エンジン2の暖機が完了していないなど、円滑な燃焼が生じない状態あるいはフリクションが大きい状態では、排ガスが悪化したり、電力を過剰に消費したり、さらにエンジン回転数の増大に遅れが生じたりする。そのため、この発明の実施形態における制御装置では、早期始動制御を実行することに不都合がある場合には、早期始動制御を禁止することとしている。その禁止条件は、一例としてエンジン水温が所定の基準温度以下であることである。そして、早期始動制御が求められている状態でその禁止条件が成立している場合には、この発明の実施形態における制御装置は、以下の制御を行うように構成されている。
図2はその制御の一例を説明するためのフローチャートであり、その制御は前述したECU14によって実行される。図2に示す制御例では、先ず、早期始動制御を行うことの要求の有無が判断される(ステップS1)。その判断は、一例としてアクセルペダルの踏み込み量および踏み込みに要した時間に基づいて行うことができる。図3はその判断のために使用するマップの一例を示しており、アクセルペダルが踏み込まれた場合の踏み込み量についての閾値Aとその踏み込み量に達するまでに要した時間についての閾値Bとを定めてある。なお、これらの閾値A,Bは実験やシミュレーションなどによって設計上、定めておくことができる。踏み込み量について閾値Aより大きく、かつ踏み込み時間について閾値Bより短い領域が「早期始動要求がある」との判断が成立する領域である。したがって、検出されたアクセルペダルの踏み込み量が閾値A以上で、かつその踏み込み量になるのに要した時間が閾値B以下であれば、ステップS1で肯定的に判断される。なお、図3で右下がりの実線は、制御システム上の上限値を示している。
ステップS1での判断結果が否定的の場合には、前述した遅延始動制御が実行される(ステップS2)。エンジン2の始動およびエンジン2による駆動力の増大を、特に迅速に行うべき状態が生じていないからである。このステップS2の後、一旦リターンする。これとは反対にステップS1で肯定的に判断された場合には、早期始動禁止条件が成立しているか否かが判断される(ステップS3)。早期始動制御を実行する場合には、前述したように、エンジン2での燃焼やクランキングの際のフリクションが問題となり、したがってその早期始動禁止条件は、例えばエンジン水温が予め定めた基準温度以下とすることができる。図4に早期始動が禁止される領域を線図で示してあり、エンジン水温Teは、回転し始めた後の時間の経過と共に上昇するが、そのエンジン水温Teが基準温度Toに達するまでの状態(図4にハッチングを施してある)では、早期始動制御が禁止される。ステップS3では現在時点のエンジン水温Teが基準温度To以下か否かが判断される。
ステップS3で否定的に判断された場合、すなわち現在時点のエンジン水温Teが基準温度Toを超えていて早期始動禁止条件が成立していない場合には、早期始動制御が実行される(ステップS4)。その後、一旦、リターンする。したがって、この場合は、第1モータ3によってエンジン回転数が急速に引き上げられ、かつ燃料の噴射および点火が実行されるので、エンジン2での初爆が直ちに発生するとともに、エンジン2が自律回転してその時点の吸入空気量に応じたトルクを出力する。このようにして出力されるエンジントルクが後輪8に伝達され、要求に応じた加速あるいは駆動力が発生する。
一方、ステップS3で肯定的に判断された場合、すなわち早期始動禁止条件が成立していた場合には、その時点の車速が低車速か否かが判断される(ステップS5)。この判断は、早期始動要求が成立しているにも拘わらず、早期始動制御を実行できない状況におけるアシスト制御を選択するための判断である。すなわち、高車速であれば、第2モータ10の回転数が高回転数になっていて、第2モータ10で出力可能なトルクが小さくなっているから、第2モータ10による駆動力のアシストは充分に行い得ない可能性が高く、これとは反対に低車速であれば、第2モータ10による駆動力アシストは充分に行い得る。また、早期始動制御を実行し得ないとしても、エンジン回転数を第1モータ3のトルクによって引き上げることは可能である。このように、早期始動制御が禁止されていても、ハイブリッド車1の駆動力を増大もしくは維持する制御や駆動力の増大を速める制御などは可能であり、これらの制御を車速を基準にして選択することとしてある。ステップS5での判断の基準となる車速は、維持もしくは増大させるべき駆動力や、駆動力の増大要求の程度などを勘案して実験やシミュレーションなどによって予め求めておくことができる。
ステップS5で肯定的に判断された場合には、早期始動制御を実施しない状態で第2モータ10による駆動力のアシスト制御が実行される(ステップS6)。その後、リターンする。
早期始動制御を実施できないことにより、エンジン2が自律回転してトルクを出力するまでには長い時間を要する。これに対してモータのトルク応答性は、エンジン2より充分速い。したがって、早期始動要求が成立しているにも拘わらず早期始動制御を実行できない場合に、第2モータ10によって駆動力を増大させるアシスト制御を実行することにより、エンジン2がトルクを出力するまでの間の駆動力を要求に応じたトルクに増大させる。その結果、アクセルペダルの踏み込み量などで表される加速要求に応じた加速を達成でき、ドライバビリティを良好な状態に維持することができる。
これに対してステップS5で否定的に判断された場合、すなわちハイブリッド車1が高車速で走行している場合には、早期始動制御を実施しない状態で第1モータ10によるエンジン2のクランキングトルクを増大させる(ステップS7)。その後、リターンする。したがって、エンジン回転数は早期始動制御を実施した場合の回転数程度に増大するが、燃料の噴射や点火はエンジン回転数が充分に増大することを待って実行するので、クランキングを継続する時間(クランキング時間)は早期始動制御を行った場合よりも長くなる。高車速時のエンジン始動時にステップS7における第1モータ3によるクランキングトルクの増大補正を行うと、エンジン回転数が燃料の噴射や点火の可能な回転数に達するまでの時間が短くなる。すなわち、エンジン2が自律回転して吸入空気量に応じたトルクを出力し始めるまでの時間を短縮できるから、アクセルペダルの踏み込み量などで表される加速要求に応じた加速を達成までの時間遅れを解消もしくは抑制でき、その結果、ドライバビリティを良好な状態に維持し、あるいは悪化を抑制することができる。
図5は図3のフローチャートで示す制御を行った場合のクランキングトルクの時間的な変化を示しており、早期始動制御を行った場合には図5の実線で示すように変化する。すなわち、エンジン2の始動要求が成立すると、第1モータ3によるクランキングトルクが設計上予め定めた所定のトルクまで増大し、これと併せて実行される燃料の噴射および点火によって初爆が生じ、クランキングトルクが低下させられる。これに対して早期始動制御を実施せずに第1モータ3によるクランキングトルクを増大補正した場合は、クランキングトルクが図5に破線で示すように変化する。すなわち、燃料の噴射や点火は、エンジン回転数が所定の回転数にまで増大するのを待って行うので、クランキング時間が早期始動制御の場合より長くなる。なお、第1モータ3によるクランキングトルクの増大補正を行わないとすれば、エンジン回転数の増大が更に遅れるので、クランキング時間は更に長くなる。
図6はエンジン回転数の時間的な変化を示しており、早期始動制御を行った場合および早期始動制御を行わずに第1モータ3によるクランキングトルクを増大補正した場合には、エンジン回転数は実線で示すように変化し、これに対して遅延始動制御を行った場合には破線で示すように変化する。すなわち、早期始動制御を実施できないとしても第1モータ3によってクランキングトルクを増大させれば、エンジン回転数の増大速度が大きくなって燃料の噴射や点火が可能な回転数に達する時間(始動を完了できるまでの時間)を短くすることができる。これに対して遅延始動制御では、エンジン回転数の増大速度が遅いので、燃料の噴射や点火が可能な回転数に達する時間(始動を完了できるまでの時間)が長く、駆動力の増大(すなわち加速)に遅れが生じる。なお、早期始動制御では、エンジン回転数が図6に実線で示すように増大する過程で初爆が生じるが、燃料の噴射や点火は第1モータ3によるクランキングとほぼ同時に行うから、更に速い時点でエンジン2の始動が完了し、大きい駆動力を得ることができる。
図7はエンジン2をクランキングする際のエンジン2による抵抗力(すなわちエンジンフリクション)に対する車速に応じた第1モータ3と第2モータ10とによるトルク配分を概念的に示している。図7では横軸に車速を採ってあり、低車速側では第2モータ10によって駆動力のトルクアシストを行い、高車速側では第1モータ3によるクランキングトルクのアシストを行う。そして、これら第1モータ3および第2モータ10によるアシスト領域の境界領域では、車速の増大に従って第2モータ10によるトルクアシストの割合を下げるとともに、第1モータ3によるクランキングトルクのアシストの割合を増大させる。したがってこの境界領域では、各モータ3,10によるアシストを併用してよい。
上述したようにこの発明の実施形態における制御装置では、エンジン2についての早期始動制御が禁止されている場合には、車速に応じて、第2モータ10によって駆動トルクを補完し、あるいは第1モータ10によってエンジン回転数の増大を促進するので、加速要求あるいは駆動力増大要求に対する加速の遅れあるいは駆動力の増大の遅れを回避ミーもしくは抑制することができ、その結果、ハイブリッド車1のドライバビリティの悪化を抑制でき、あるいはドライバビリティを良好な状態に維持できる。
ここで上述した実施形態とこの発明との関係を説明すると、ステップS1を実行する機能的手段がこの発明の早期始動判断手段に相当し、ステップS3を実行する機能的手段がこの発明の早期始動禁止判断手段に相当し、ステップS5を実行する機能的手段がこの発明の車速判断手段に相当し、さらに第1モータ3およびこれを制御するコントローラ13やECU14がこの発明のエンジン始動装置に相当する。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、ハイブリッド車は電気式の四輪駆動車以外のハイブリッド駆動形式の車両であってよく、したがって2モータ式のシリーズハイブリッド式やパラレルハイブリッド式さらにはシリーズ・パラレル式のハイブリッド車であってもよい。
1…ハイブリッド車、 2…エンジン、 3…第1モータ、 4…自動変速機、 5…入力軸、 6…リヤプロペラシャフト、 7…リヤデファレンシャルギヤ、 8…後輪、 9…前輪、 10…第2モータ、 11…フロントプロペラシャフト、 12…フロントデファレンシャルギヤ、 13…コントローラ、 14…電子制御装置(ECU)、 To…基準温度、 Te…エンジン水温。

Claims (1)

  1. 第1モータによってクランキングされるエンジンと所定の車輪に駆動力を出力する第2モータとを駆動力源として備え、前記エンジンを始動する際のエンジン回転数の増大速度を予め定めた速度に設定する早期始動と前記エンジンを始動する際のエンジン回転数の増大速度を前記早期始動による速度より遅くする遅延始動とを選択できる、ハイブリッド車のエンジン始動装置において、
    前記早期始動の要求が成立していることを判断する早期始動判断手段と、
    前記早期始動を実行できない禁止条件が成立していることを判断する早期始動禁止判断手段と、
    前記ハイブリッド車の車速を判断する車速判断手段とを備え、
    前記早期始動の要求が成立していることが前記早期始動判断手段によって判断されかつ前記早期始動を実行できない禁止条件が成立していることが前記早期始動禁止判断手段によって判断されている場合に、前記車速判断手段で判断された車速が予め定めた車速以上であれば前記エンジンをクランキングする前記第1モータのトルクを増大補正し、前記車速判断手段で判断された車速が前記予め定めた車速未満であれば前記第2モータによって駆動トルクを増大させるように構成されていることを特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。
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