JP2020073909A - 磁場検出装置 - Google Patents

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真己 永田
Masaki Nagata
真己 永田
司也 渡部
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司也 渡部
圭祐 内田
Keisuke Uchida
圭祐 内田
康平 本間
Kohei Homma
康平 本間
啓 平林
Hiroshi Hirabayashi
啓 平林
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Abstract

【課題】より優れた磁場検出性能を有する磁場検出装置を提供する。【解決手段】この磁場検出装置は、第1の軟磁性体および第2の軟磁性体と、磁気検出素子とを有する。第1の軟磁性体および第2の軟磁性体は、第1の方向およびこの第1の方向と直交する第2の方向の双方を含む第1の面に沿って広がると共に、第1の方向および第2の方向の双方と直交する第3の方向において対向配置されたものである。磁気検出素子は、第3の方向において第1の軟磁性体と第2の軟磁性体との間に設けられたものである。【選択図】図1A

Description

本発明は、磁気検出素子を用いて磁場を検出する磁場検出装置に関する。
外部磁場を検出する磁場検出装置(磁界検出装置)として、ホール素子や磁気抵抗効果素子を利用したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開2008/146809号
ところで、近年、磁場検出の性能向上が求められている。したがって、より優れた磁場検出性能を有する磁場検出装置を提供することが望ましい。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置は、第1の軟磁性体および第2の軟磁性体と、磁気検出素子とを有する。第1の軟磁性体および第2の軟磁性体は、第1の方向およびこの第1の方向と直交する第2の方向の双方を含む第1の面に沿って広がると共に、第1の方向および第2の方向の双方と直交する第3の方向において対向配置されている。磁気検出素子は、第3の方向において第1の軟磁性体と第2の軟磁性体との間に設けられたものである。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置では、磁気検出素子を第3の方向において挟むように第1の軟磁性体および第2の軟磁性体を設けるようにした。このため、第3の方向の外部磁場成分に対しては、第1の軟磁性体および第2の軟磁性体がいずれも磁気ヨークとして振舞うこととなる。一方、第1の面に沿った外部磁場成分に対しては、第1の軟磁性体および第2の軟磁性体がいずれも磁気シールドとして振舞うこととなる。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置では、第1の軟磁性体および第2の軟磁性体のうちの少なくとも一方において、第1の方向の寸法をLXとし、第2の方向の寸法をLYとしたとき、下記の条件式(1)を満たすことが望ましい。
1≦LX/LY≦4 ……(1)
その第1の軟磁性体および第2の軟磁性体のうちの少なくとも一方における第2の方向の磁場に対する限界磁場強度が高まるので、第1の面に沿った第2の方向の磁場に対する磁気的なシールド効果がより向上するからである。なお、ここでいう限界磁場強度とは、その磁性体(この場合は第1の軟磁性体および第2の軟磁性体)の磁化が飽和してしまうこととなる外部磁場の強度をいう。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置では、磁気検出素子は磁気抵抗効果素子であってもよい。また、第1の軟磁性体は第2の軟磁性体と対向する第1の対向面を含み、第2の軟磁性体は第1の軟磁性体と対向する第2の対向面を含み、第1の面に対する、磁気検出素子と第1の対向面の端縁とを結ぶ第1の直線のなす第1の角度が45°以下であり、第1の面に対する、磁気検出素子と第2の対向面の端縁とを結ぶ第2の直線のなす第2の角度が45°以下であるとよい。その場合、第3の方向において、第1の対向面の端縁の位置と第2の対向面の端縁の位置とが一致していると共に、下記の条件式(2)を満たしているとよい。
L≧D/2 ……(2)
ただし、Lは第1の面に沿った方向における、第1の対向面の端縁と磁気検出素子の端縁との距離であり、Dは第1の対向面と第2の対向面との距離である。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置では、第1の対向面および第2の対向面のうちの少なくとも一方には、1以上の突起部が形成されているとよい。その場合、突起部の一部は、第1の面に対して実質的に平行であって磁気検出素子を含む階層の一部を占めているとよい。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置によれば、第1の軟磁性体および第2の軟磁性体が、第1の面に沿った外部磁場成分に対してシールド効果を発揮する一方で第3の方向の外部磁場成分に対してはその増強を行う。したがって、第3の方向の外部磁場成分に対し、高い磁場検出性能を発揮することができる。
本発明の第1の実施の形態としての磁場検出装置の全体構成を表す概略斜視図である。 図1に示した磁場検出装置の断面構成を表す断面図である。 図1に示した磁気検出素子の断面構成を表す拡大断面図である。 図1に示した磁場検出装置に搭載される信号検出回路の一例を表す回路図である。 本発明の第2の実施の形態としての磁場検出装置の全体構成を表す概略斜視図である。 図4Aに示した磁場検出装置の断面構成を表す断面図である。 図4Aおよび図4Bに示した磁場検出装置の変形例(第1の変形例)を表す斜視図である。 図5Aに示した磁場検出装置の断面構成を表す断面図である。 図4Aおよび図4Bに示した磁場検出装置の変形例(第2の変形例)を表す断面図である。 図4Aおよび図4Bに示した磁場検出装置の変形例(第3の変形例)を表す断面図である。 図4Aおよび図4Bに示した磁場検出装置の変形例(第4の変形例)を表す断面図である。 実験例1−1の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例1−2の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例1−3の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例1−4の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例1−5の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例2−1の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例2−2の磁場検出装置における磁場強度分布を表す特性図である。 実験例3−1〜3−8の磁場検出装置における臨界磁場強度を表す特性図である。 軟磁性体の平面形状の第1の変形例を表す概略図である。 軟磁性体の平面形状の第2の変形例を表す概略図である。 軟磁性体の平面形状の第3の変形例を表す概略図である。 軟磁性体の平面形状の第4の変形例を表す概略図である。 第5の変形例としての磁場検出装置を表す断面図である。 第6の変形例としての磁場検出装置を表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
平坦面を各々有する1対の軟磁性層を備えた磁場検出装置の例。
2.第2の実施の形態およびその変形例
2.1 平坦面上に設けられた凸部を各々有する1対の軟磁性層を備えた磁場検出装置の例。
2.2 第1の変形例(1対の軟磁性層に挟まれた複数の磁気検出素子を備えた磁場検出装置の例)。
2.3 第2の変形例(一方の軟磁性層のみに凸部が形成された例)。
2.4 第3の変形例(軟磁性層が他の形状の凸部を有する例)。
2.5 第4の変形例(1対の軟磁性層にそれぞれ異なるピッチで凸部が配列されている例)。
3.実験例
4.その他の変形例
<1.第1の実施の形態>
[磁場検出装置1の構成]
最初に、図1A,図1Bおよび図2などを参照して、本発明における第1の実施の形態としての磁場検出装置1の構成について説明する。図1Aは、磁場検出装置1の全体構成例を表す斜視図である。図1Bは、図1Aに示したIB−IB線に沿った矢視方向における磁場検出装置1の断面構成例を表すものである。図2は、図1Aおよび図1Bに示した磁気検出素子20の断面構成例を表すものである。
磁場検出装置1は、自らに及ぶ外部磁場の有無や方向、強度などを検出するデバイスであり、例えば電子コンパスに搭載されるものである。磁場検出装置1は、例えばZ軸方向において対向配置された1対の軟磁性層11,12と、Z軸方向において軟磁性層11と軟磁性層12との間に設けられた磁気検出素子20とを備えている。磁場検出装置1は、さらに、磁気検出素子20へセンス電流を流すためのリード21,22を有している。なお、図2では、リード21,22の図示を省略している。
(軟磁性層11,12)
軟磁性層11,12は、いずれも、Z軸方向と直交するXY平面に沿って広がっている。軟磁性層11,12は、例えばニッケル鉄合金(NiFe)などの高飽和磁束密度を有する軟磁性金属材料により構成されている。軟磁性層11,12は、図1Aに示したように、XY平面における平面形状が矩形であり、X軸方向の寸法をLXとし、Y軸方向の寸法をLYとしたとき、寸法LYに対する寸法LXの比(LX/LY)が1以上4以下であることが望ましい。すなわち、下記の条件式(1)を満たすことが望ましい。
1≦LX/LY≦4 ……(1)
その場合、軟磁性層11,12は、Y軸方向の外部磁場が磁気検出素子20に及ぶのをより効果的に防止する磁気シールドとして機能するからである。したがって、この磁場検出装置1を用いる際には、Y軸方向を、検出対象とする外部磁場成分と異なる方向の不要な外部磁場成分の方向と一致させるようにするとよい。そのように磁場検出装置1の姿勢(向き)を設定することで、不要な外部磁場成分から磁気検出素子20を磁気的にシールドすることができるからである。軟磁性層11は、軟磁性層12と対向する平坦面11Sを含んでおり、一方の軟磁性層12は、軟磁性層11と対向する平坦面12Sを含んでいる。平坦面11Sおよび平坦面12Sは、いずれもXY平面に実質的に平行である。
(磁気検出素子20)
磁気検出素子20は、例えば外部磁場の方向や強度に応じて抵抗変化を示す磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子が用いられる。磁気検出素子20は、例えば図2に示したように、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造を有するCPP(Current Perpendicular to Plane)型のMR素子であり、センス電流が自らの内部を積層方向に流れるものである。具体的には、磁気検出素子20は、図2に示したように、反強磁性層31と、一定方向に固着された磁化を有する磁化固着層32と、特定の磁化方向を発現しない中間層33と、外部磁場に応じて変化する磁化を有する磁化自由層34とが順に積層された積層体を含むものである。なお、反強磁性層31、磁化固着層32,中間層33および磁化自由層34は、いずれも単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。このようなMR素子においては、その積層方向と直交する膜面内に沿った磁束の変化に応じて抵抗変化が生じる。この磁場検出装置1において磁気検出素子20の積層方向をZ軸方向とした場合、Z軸方向の磁束F(図1B)の変化に応じて抵抗変化を生じるようにするためには、第2の実施の形態以降で説明するとおり、磁気検出素子20の近傍において磁束Fの向きを磁気検出素子20の感磁方向であるXY面内方向に沿うように曲げることができる凸部等を設けることが好ましい。
反強磁性層31は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されるものである。反強磁性層31は、例えば隣接する磁化固着層32の磁化の向きと実質的に同じ方向のスピン磁気モーメントと、それと正反対の方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固着層32の磁化の向きを、一定方向へ固定するように作用する。
磁化固着層32は、例えばコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)、コバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などの強磁性材料からなる。
中間層33は、磁気検出素子20が磁気トンネル接合(MTJ:magnetic tunneling junction)素子である場合、例えば酸化マグネシウム(MgO)からなる非磁性のトンネルバリア層であり、量子力学に基づくトンネル電流が通過可能な程度に厚みの薄いものである。MgOからなるトンネルバリア層は、例えば、MgOからなるターゲットを用いたスパッタリング処理のほか、マグネシウム(Mg)の薄膜の酸化処理、あるいは酸素雰囲気中でマグネシウムのスパッタリングを行う反応性スパッタリング処理などによって得られる。また、MgOのほか、アルミニウム(Al),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf)の各酸化物もしくは窒化物を用いて中間層33を構成することも可能である。また、磁気検出素子20が例えばGMR(Giant Magnetoresistive)素子である場合、中間層33は銅(Cu)、ルテニウム(Ru)または金(Au)などの非磁性高導電性材料により構成される。
磁化自由層34は軟質強磁性層であり、例えば磁化固着層32の磁化の向きと実質的に直交する磁化容易軸を有するものである。磁化自由層34は、例えばコバルト鉄合金(CoFe)、ニッケル鉄合金(NiFe)あるいはコバルト鉄ボロン(CoFeB)などによって構成される。
(リード21,22)
リード21は磁気検出素子20の一端面(例えば磁化自由層34)と接するようにXY平面において延在し、リード22は磁気検出素子20の他端面(例えば反強磁性層31)と接するようにXY平面において延在している。リード21,22は、例えば銅やアルミニウム(Al)などの、高導電性非磁性材料により形成されている。
(磁気検出素子20の配置位置)
図1Bに示したように、磁場検出装置1では、平坦面11Sに対する、磁気検出素子20と平坦面11SのY軸方向の両端に位置する端縁11T1,11T2とを結ぶ直線LA1,LA2のなす角度A1,A2がいずれも45°以下であるとよい。さらに、平坦面12Sに対する、磁気検出素子20と平坦面12SのY軸方向の両端に位置する端縁12T1,12T2とを結ぶ直線LB1,LB2のなす角度B1,B2がいずれも45°以下であるとよい。すなわち、磁気検出素子20は、図1Bに示した4つの直線LA1,LA2,LB1,LB2より取り囲まれた空間に配置されているとよい。磁気検出素子20が、Y軸方向の外部磁場成分から軟磁性層11,12により十分にシールドされるからである。なお、図1Bに示したように、端縁11T1は端面11E1と平坦面11Sとが交差する部分であり、端縁11T2は端面11E2と平坦面11Sとが交差する部分である。同様に、端縁12T1は端面12E1と平坦面12Sとが交差する部分であり、端縁12T2は端面12E2と平坦面12Sとが交差する部分である。端縁11T1,11T2,12T1,12T2はいずれもX軸方向に直線状に延在している。
図1Bに示したように、Z軸方向において、軟磁性層11の端縁11T1,11T2の位置と軟磁性層12の端縁12T1,12T2の位置とがそれぞれ実質的に一致している場合、下記の条件式(2)を満たすことが望ましい。この場合も、磁気検出素子20が、Y軸方向の外部磁場成分から軟磁性層11,12により十分にシールドされるからである。
L≧D/2 ……(2)
ただし、Lは、Y軸方向における、端縁11T1,11T2と磁気検出素子20の端縁との距離であり、Dは、平坦面11Sと平坦面12Sとの距離である(図1B参照)。
(信号検出回路)
磁場検出装置1は、例えば図3に示した信号検出回路を有している。この信号検出回路は、例えば電圧印加部101と、磁気検出素子20と、抵抗変化検出部102と、信号処理部103とを含んでいる。磁気検出素子20には、電圧印加部101と、抵抗変化検出部102とが接続されている。信号処理部103は抵抗変化検出部102と接続されている。
[磁場検出装置1の作用効果]
磁場検出装置1では、上記の信号検出回路により、磁場検出装置1に及ぶ外部磁場に応じた出力が得られる。具体的には、上記の信号検出回路において、電圧印加部101により、リード21とリード22との間に所定の電圧を印加することで、そのときの磁気検出素子20の電気抵抗に対応したセンス電流が流れる。磁気検出素子20の電気抵抗は、磁気検出素子20の磁化状態、すなわち、磁化固着層32の磁化の向きに対する磁化自由層34の磁化の向きによって変化する。磁気検出素子20を流れるセンス電流は抵抗変化検出部102において検出され、抵抗変化検出部102により信号処理部103へ信号が出力される。さらに、信号処理部103において抵抗変化検出部102からの出力に基づいた信号が生成されて外部へ出力される。これにより、磁場検出装置1に及ぶ外部磁場に応じた出力が信号検出回路から得られる。
本実施の形態の磁場検出装置1では、磁気検出素子20をZ軸方向において挟むように対向配置された1対の軟磁性層11と軟磁性層12とを設けるようにした。このため、Z軸方向の外部磁場成分に対しては、軟磁性層11および軟磁性層12がいずれも磁気ヨークとして振舞うこととなる。一方、Y軸方向の外部磁場成分に対しては、軟磁性層11および軟磁性層12がいずれも磁気シールドとして振舞うこととなる。すなわち、磁場検出装置1によれば、軟磁性層11および軟磁性層12が、Y軸方向の外部磁場成分に対してシールド効果を発揮する一方でZ軸方向の外部磁場成分に対してはその増強を行うこととなる。したがって、Z軸方向の外部磁場成分に対し、高い磁場検出性能を発揮することができる。
<2.第2の実施の形態>
[2.1 磁場検出装置2]
次に、図4Aおよび図4Bを参照して、本発明における第2の実施の形態としての磁場検出装置2の構成について説明する。図4Aは、磁場検出装置2の全体構成例を表す斜視図である。図4Bは、図4Aに示したIVB−IVB線に沿った矢視方向における磁場検出装置2のYZ断面の構成例を表すものである。
本実施の形態の磁場検出装置2では、軟磁性層11の平坦面11S上に凸部11Pを設けると共に、軟磁性層12の平坦面12S上に凸部12Pを設けるようにした。さらに、磁気検出素子20としてのMR素子の積層方向をZ軸方向とし、リード21を磁気検出素子20の上面と接続し、リード22を磁気検出素子20の下面と接続するようにした。磁場検出装置2は、これらの点を除き、他は上記第1の実施の形態における磁場検出装置1と実質的に同様の構成を有する。
図4Aおよび図4Bに示したように、凸部11Pは、平坦面11S上において、平坦面12Sへ向けて突出するように立設されている。一方凸部12Pは、平坦面12S上において、対向する平坦面11Sへ向けて突出するように立設されている。但し、凸部11Pと凸部12Pとは、XY面内において互いに異なる位置に設けられている。また、磁気検出素子20は、XY面内において(ここではY軸方向において)凸部11Pと凸部12Pとの間に挟まれる位置に配置されている。
このように磁場検出装置2では、軟磁性層11,12に凸部11P,12Pを設け、それらの間に磁気検出素子20を設けるようにしたので、Z軸方向の外部磁場成分による磁束Fを磁気検出素子20に集中させることができる。その際、磁気検出素子20の近傍において磁束Fの向きを磁気検出素子20の感磁方向であるXY面内方向に沿うように曲げることができる。よって、軟磁性層11,12の延在方向と磁気検出素子20の各層の延在方向とを実質的に一致させることができ、製造が容易となる。
[2.2 磁場検出装置2A]
次に、図5Aおよび図5Bを参照して、上記第2の実施の形態における第1の変形例としての磁場検出装置2Aについて説明する。図5Aは、磁場検出装置2Aの全体構成例を表す斜視図である。図5Bは、図5Aに示したVB−VB線に沿った矢視方向における磁場検出装置2Aの断面構成例を表すものである。
磁場検出装置2Aは、1対の軟磁性層11,12の間に挟まれた複数の磁気検出素子20を備えるようにしたものである。図5Aでは2行3列で配列された6つの磁気検出素子20を例示しているが、複数の磁気検出素子20の個数およびそれらの配列の形態についてはそれに限定されるものではない。但し、複数の磁気検出素子20は、全て同一の階層に設けられているとよい。複数の磁気検出素子20は、例えば、複数のリード23と複数のリード24とによって全体として直列に接続されている。また、隣り合う磁気検出素子20同士の間に、凸部11Pまたは凸部12Pが設けられている(図5B)。こうすることにより、磁場検出装置2Aでは、磁場検出装置2と比較して全体の出力を増大させることができる。なお、図5Aでは、煩雑さを避けるため、凸部11Pおよび凸部12Pの図示を省略している。
[2.3 磁場検出装置2B]
次に、図6を参照して、上記第2の実施の形態における第2の変形例としての磁場検出装置2Bについて説明する。図6は、磁場検出装置2Bの全体構成例を表す断面図である。上記磁場検出装置2Aでは、軟磁性層11に凸部11Pを設けると共に軟磁性層12に凸部12Pを設けるようにしたが、本変形例としての磁場検出装置2Bでは、軟磁性層11のみに凸部11Pを設けるようにした。なお、軟磁性層12のみに凸部12Pを設けるようにしてもよい。この場合であっても。第1の実施の形態の磁場検出装置1のように凸部を有しない場合と比較して、Z軸方向の外部磁場成分の磁束を集束させて磁気検出素子20へ導くことができる。
本変形例としての磁場検出装置2Bによれば、磁場検出装置2Aと比較してZ軸方向に対する磁場の検出感度は低下するものの、磁気検出素子20の設置場所の自由度が高まる。例えば、1つの凸部11Pの周囲に複数の磁気検出素子20を配置することも可能となる。また、下地となる軟磁性層12の平坦面12Sが各々の磁気検出素子20と対向することとなるので、複数の磁気検出素子20の相互間における、各々の磁気検出素子20におよぶ磁束密度のばらつきや検出感度のばらつきを低減しやすい。さらに、軟磁性層12に凸部12Pを設ける工程が不要となるので、磁場検出装置2Aの製造プロセスと比較して磁場検出装置2Bの製造プロセスは簡略化される。
[2.4 磁場検出装置2C]
次に、図7を参照して、上記第2の実施の形態における第3の変形例としての磁場検出装置2Cについて説明する。図7は、磁場検出装置2Cの全体構成例を表す断面図である。上記磁場検出装置2では、軟磁性層11に矩形状の凸部11Pを設けると共に軟磁性層12に矩形状の凸部12Pを設けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。本変形例としての磁場検出装置2Cでは、頭頂部が丸みを帯びた略円錐台形状の凸部11P,12Pを設けるようにした。また、本変形例では、凸部11P,12Pの一部は、XY平面に対して実質的に平行である、磁気検出素子20を含む階層と同一の階層に存在している。
本変形例としての磁場検出装置2Cによれば、凸部11P,12Pの頭頂部が丸みを帯びた形状を有するので、例えばZ軸方向の外部磁場成分を検出する場合に、凸部11P,12Pの頭頂部周辺における磁場強度の空間変化が滑らかになる。よって、複数の磁気検出素子20の配置位置のずれに起因する検出誤差が緩和されることが期待できる。
[2.5 磁場検出装置2D]
次に、図8を参照して、上記第2の実施の形態における第4の変形例としての磁場検出装置2Dについて説明する。図8は、磁場検出装置2Dの全体構成例を表す断面図である。上記磁場検出装置2Aでは、軟磁性層11に設けられた複数の凸部11Pの配列間隔と、軟磁性層12に設けられた複数の凸部12Pの配列間隔とが実質的に一致するようにした。これに対し本変形例では、複数の凸部11Pの配列間隔が、複数の凸部12Pの配列間隔と異なっている。図8では、複数の凸部11Pの配列間隔P11が複数の凸部12Pの配列間隔P12よりも長い場合を例示している。
本変形例としての磁場検出装置2Dによれば、複数の磁気検出素子20における各々の磁場検出感度を、各々の磁気検出素子20と凸部11Pおよび凸部12Pとの距離を変更することで適宜調整することができる。
<3.実験例>
[3.1 実験例1−1〜1−5]
次に、本発明の磁場検出装置(例えば磁場検出装置1)に対しY軸方向の外部磁場が印加されたときの、その磁場検出装置周辺の磁場強度分布をシミュレーションにより求めた。ここでは、軟磁性層11,12において、X軸方向の寸法LXを180μm、Y軸方向の寸法LYを140μm、厚さTを10μmとした。また、軟磁性層11と軟磁性層12との間隔Dを10μm〜150μmの範囲で変化させた。具体的には、実験例1−1では間隔Dを10μm、実験例1−2では間隔Dを20μm、実験例1−3では間隔Dを30μm、実験例1−4では間隔Dを100μm、実験例1−5では間隔Dを150μmとした。それらのシミュレーション結果を図9A〜図9Eにそれぞれ示す。図9A〜図9Eに示したように、軟磁性層11と軟磁性層12との間隔D距離(ギャップ)を大きくするほど、軟磁性層11と軟磁性層12とによって挟まれた空間に磁束が少しずつ入り込むことが確認された。図9Aに示したように、間隔Dが小さい場合には軟磁性層11および軟磁性層12によって極めて高いシールド効果が発揮されており、磁束は軟磁性層11と軟磁性層12との間の空間へはほとんど入り込んでいない。一方、間隔Dが大きくなるほど、軟磁性層11および軟磁性層12の各々の周縁部において徐々に磁束が進入する様子が確認された(図9B〜図9E)。しかしながら、軟磁性層11と軟磁性層12とによって挟まれた空間に磁気検出素子を配置すれば、Y軸方向の外部磁場につき、その磁気検出素子に対するシールド効果が得られることがわかった。
[3.2 実験例2−1,2−2]
(実験例2−1)
次に、本発明の磁場検出装置(例えば磁場検出装置1)に対しY軸方向の外部磁場が印加されたときの、軟磁性層11,12の端部近傍における磁場強度分布をシミュレーションにより求めた。ここでは、軟磁性層11,12の各々の厚さTを10μmとし、軟磁性層11と軟磁性層12との間隔Dを10μm〜30μmの範囲で変化させた。それらのシミュレーション結果を図10に示す。
(実験例2−2)
軟磁性層11,12の各々の厚さTを20μmとし、軟磁性層11と軟磁性層12との間隔Dを20μm、40μmまたは60μmとしたことを除き、他は同様にして、実験例2−1と同様のシミュレーションを行った。その結果を図11に示す。
図10および図11の結果から、軟磁性層11,12の端縁からほぼ一定の磁場強度となる領域までの侵入長LLは、間隔Dのほぼ1/2(すなわちLL≒D/2)となることがわかった。したがって、軟磁性層11,12の端縁から、間隔Dに相当する長さの半分の長さよりも後退した位置に磁気検出素子20を配置すれば、より正確な磁場検出が可能となることがわかった。
[3.3 実験例3−1〜3−8]
次に、本発明の磁場検出装置(例えば磁場検出装置1)に対しY軸方向の外部磁場が印加されたときの、軟磁性層11,12の臨界磁場強度をシミュレーションにより求めた。ここでは、軟磁性層11,12の各々の厚さTを10μmとし、軟磁性層11と軟磁性層12との間隔Dを10μmとし、軟磁性層11,12の各々の寸法LYを200μmとし、軟磁性層11,12の各々の寸法LXを20μm〜800μmの範囲(すなわちLX/LY=0.1〜4の範囲)で変化させた。それらのシミュレーション結果を図12に示す。
図12に示したように、LX/LYが1以下の場合と比べてLX/LYが1以上4以下である場合に、より高い臨界磁場強度が得られることが確認された。
<4.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明では、軟磁性層の形状は上記実施の形態等のものに限定されない。例えば、平面形状については矩形状のものに限定されず、図13A〜13Dにそれぞれ示したように各種形状を採用することができる。その場合も、平面内における最大寸法bと、平面内において最大寸法bを有する方向と直交する方向における寸法aとの比が所定の範囲であることが望ましい。
また上記実施の形態等では、磁気検出素子として感磁方向がXY面内方向であるスピンバルブ構造を有するCPP型MR素子を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばCIP(Current in Plane)型MR素子や磁気トンネル接合(MTJ素子)素子を用いてもよいし、MR素子以外の、感磁方向がZ軸方向である磁気検出素子(例えばホール素子)などのセンサを用いてもよい。磁気検出素子としてホール素子を用いた場合、例えば図14Aおよび図14Bに例示した磁場検出装置3Aおよび磁場検出装置3Bのように、凸部11P,12P(突起部)とZ軸方向において重複する位置、すなわち、凸部11P,12P(突起部)の直上もしくは直下にホール素子20Hを配置するとよい。
1,2…磁場検出装置、11,12…軟磁性層、11P,12P…凸部、20…磁気検出素子、21〜24…リード。

Claims (9)

  1. 第1の方向および前記第1の方向と直交する第2の方向の双方を含む第1の面に沿って広がると共に、前記第1の方向および前記第2の方向の双方と直交する第3の方向において対向配置された第1の軟磁性体および第2の軟磁性体と、
    前記第3の方向において前記第1の軟磁性体と前記第2の軟磁性体との間に設けられた磁気検出素子と
    を有する
    磁場検出装置。
  2. 前記第1の軟磁性体および前記第2の軟磁性体のうちの少なくとも一方において、下記の条件式(1)を満たす
    請求項1記載の磁場検出装置。
    1≦LX/LY≦4 ……(1)
    ただし、
    LX:第1の方向の寸法
    LY:第2の方向の寸法
  3. 前記磁気検出素子は、磁気抵抗効果素子である
    請求項1または請求項2に記載の磁場検出装置。
  4. 前記第1の軟磁性体は、前記第2の軟磁性体と対向する第1の対向面を含み、
    前記第2の軟磁性体は、前記第1の軟磁性体と対向する第2の対向面を含み、
    前記第1の面に対する、前記磁気検出素子と前記第1の対向面の端縁とを結ぶ第1の直線のなす第1の角度が45°以下であり、
    前記第1の面に対する、前記磁気検出素子と前記第2の対向面の端縁とを結ぶ第2の直線のなす第2の角度が45°以下である
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  5. 前記第3の方向において、前記第1の対向面の端縁の位置と前記第2の対向面の端縁の位置とが実質的に一致しており、
    下記の条件式(2)を満たす
    請求項4に記載の磁場検出装置。
    L≧D/2 ……(2)
    ただし、
    L:第1の面に沿った方向における、第1の対向面の端縁と磁気検出素子の端縁との距離。
    D:第1の対向面と第2の対向面との距離。
  6. 前記第1の軟磁性体は、前記第2の軟磁性体と対向する第1の対向面を含み、
    前記第2の軟磁性体は、前記第1の軟磁性体と対向する第2の対向面を含み、
    前記第1の対向面および前記第2の対向面のうちの少なくとも一方には、1以上の突起部が形成されている
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  7. 前記突起部の一部は、前記第1の面に対して実質的に平行である前記磁気検出素子を含む階層の一部を占めている
    請求項6に記載の磁場検出装置。
  8. 前記第1の軟磁性体における前記第1の面に平行な第1の平面形状と、前記第2の軟磁性体における前記第1の面に平行な第2の平面形状とが実質的に等しい
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  9. 前記第2の方向は、検出対象とする磁場成分以外の不要な磁場成分の方向と実質的に一致している
    請求項2に記載の磁場検出装置。
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