JP2020071075A - 慣性センサー、電子機器および移動体 - Google Patents

慣性センサー、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度化と小型化の両立を図ることのできる慣性センサー、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】本発明の慣性センサーは、Z軸に沿う方向を厚さ方向とする基板と、基板に設けられ、物理量を検出するセンサー素子と、を備えている。センサー素子は、基板に固定されている固定部と、基板に対して物理量の検出軸であるX軸に沿う方向に変位する可動部と、可動部に設けられている可動電極指と、固定部と可動部とを接続するばねと、基板に固定され、可動電極指と対向する固定電極指と、を備えている。可動電極指は、Z軸に沿う方向からの平面視で、可動部に接続され、X軸に交差する第1軸に沿って延びる第1可動電極部と、第1可動電極部に接続され、X軸および第1軸に交差する第2軸に沿って延びる第2可動電極部と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、慣性センサー、電子機器および移動体に関するものである。
特許文献1に記載されている加速度センサーは、アンカー部と、アンカー部にばねを介して揺動自在に支持される可動電極部と、可動電極部に櫛歯状に噛合されている固定電極部と、を備えている。このような構成では、加速度が加わると可動電極部が揺動し、これにより、可動電極部と固定電極部とのギャップが変化し、これらの間の静電容量が変化するため、当該静電容量の変化に基づいて加速度を検出することができる。
特開2013−217835号公報
特許文献1に記載の加速度センサーにおいて、加速度検出の高感度化を図る方法として、例えば、可動電極部および固定電極部をそれぞれさらに長くし、これらの間に形成される静電容量を増加させる方法がある。しかしながら、このような方法では、可動電極部および固定電極部が長くなる分、加速度センサーの大型化を招いてしまう。つまり、特許文献1に記載の加速度センサーでは、加速度検出の高感度化と装置の小型化との両立を図ることができない。
本発明の慣性センサーは、互いに直行する3軸をX軸、Y軸およびZ軸としたとき、
Z軸に沿う方向を厚さ方向とする基板と、
前記基板に設けられ、物理量を検出するセンサー素子と、を備え、
前記センサー素子は、
前記基板に固定されている固定部と、
前記基板に対して前記物理量の検出軸である前記X軸に沿う方向に変位する可動部と、
前記可動部に設けられている可動電極指と、
前記固定部と前記可動部とを接続するばねと、
前記基板に固定され、前記可動電極指と対向する固定電極指と、を備え、
前記可動電極指は、
前記Z軸に沿う方向からの平面視で、
前記可動部に接続され、前記X軸に交差する第1軸に沿って延びる第1可動電極部と、
前記第1可動電極部に接続され、前記X軸および前記第1軸に交差する第2軸に沿って延びる第2可動電極部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の第1実施形態に係る慣性センサーを示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 センサー素子の部分拡大平面図である。 第1可動電極指の部分拡大平面図である。 第1可動電極指の部分拡大平面図である。 電極指の長さLと共振周波数fとの関係を示すグラフである。 1≦n≦8におけるθyとηとの関係を示すグラフである。 9≦n≦49におけるθyとηとの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る慣性センサーを示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る慣性センサーを示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係る電子機器としてのスマートフォンを示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る電子機器としての慣性計測装置を示す分解斜視図である。 図12に示す慣性計測装置が有する基板の斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る電子機器としての移動体測位装置の全体システムを示すブロック図である。 図14に示す移動体測位装置の作用を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る移動体を示す斜視図である。
以下、本発明の慣性センサー、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る慣性センサーを示す平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、センサー素子の部分拡大平面図である。図4および図5は、それぞれ、第1可動電極指の部分拡大平面図である。図6は、電極指の長さLと共振周波数fとの関係を示すグラフである。図7は、1≦n≦8におけるθyとηとの関係を示すグラフである。図8は、9≦n≦49におけるθyとηとの関係を示すグラフである。
各図には、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、X軸に沿うすなわち平行な方向を「X軸方向」、Y軸に沿うすなわち平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に沿うすなわち平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上」とも言い、Z軸方向マイナス側を「下」とも言う。
また、本願明細書において、「直交」とは、90°で交わっている場合の他、90°から若干傾いた角度、例えば90°±10°以内の範囲で交わっている場合も含むものである。具体的には、X軸がYZ平面の法線方向に対して±10°以内の範囲で傾いている場合、Y軸がXZ平面の法線方向に対して±10°以内の範囲で傾いている場合、Z軸がXY平面の法線方向に対して±10°以内の範囲で傾いている場合についてもそれぞれ「直交」に含まれる。また、本願明細書において、「平行」とは、完全に平行となっている場合の他、一方が他方に対して若干、例えば±10°以内の範囲で傾斜している場合も含むものである。
図1に示す慣性センサー1は、X軸方向の加速度Axを検出することのできる加速度センサーである。この慣性センサー1は、基板2と、基板2上に配置されたセンサー素子3と、センサー素子3を覆うように基板2に接合された蓋8と、を有している。
−基板−
図1に示すように、基板2は、上面側に開放する凹部21を有している。また、Z軸方向からの平面視で、凹部21は、センサー素子3よりも大きく形成され、その内側にセンサー素子3を内包している。また、基板2は、上面側に開放する3つの溝25、26、27を有している。また、基板2は、凹部21の底面に設けられた3つの突起状のマウント部22、23、24を有している。マウント部22には後述する第1固定電極41が接合され、マウント部23には後述する第2固定電極46が接合され、マウント部24には後述する固定部51が接合されている。
基板2としては、アルカリ金属イオンを含むガラス材料、例えば、テンパックスガラス、パイレックスガラス(いずれも登録商標)のような硼珪酸ガラスで構成されたガラス基板を用いることができる。これにより、基板2の加工が容易となる。さらには、基板2とセンサー素子3とを陽極接合により接合することができ、これらを強固に接合することができる。また、光透過性を有する基板2が得られ、慣性センサー1の外側からセンサー素子3の状態を視認することができる。ただし、基板2としては、ガラス基板に限定されず、例えば、シリコン基板やセラミックス基板を用いてもよい。
また、図1に示すように、溝25、26、27には配線71、72、73が設けられている。配線71、72、73の一端部は、それぞれ、蓋8の外側に露出しており、外部装置との電気的な接続を行う端子として機能する。また、図2に示すように、配線71の他端部は、マウント部22上で第1固定電極41と電気的に接続され、配線72の他端部は、マウント部23上で第2固定電極46と電気的に接続され、配線73は、マウント部24上で固定部51と電気的に接続されている。
−蓋−
図2に示すように、蓋8は、下面側に開放する凹部81を有している。また、蓋8は、凹部81内にセンサー素子3を収納するようにして、基板2の上面に接合されている。そして、蓋8および基板2によって、センサー素子3を気密的に収納する収納空間Sが形成されている。このような蓋8は、シリコン基板で構成され、ガラスフリット89を介して接合されている。ただし、蓋8の構成材料や蓋8と基板2との接合方法については、特に限定されない。
−センサー素子−
図1に示すように、センサー素子3は、基板2に固定された固定電極4と、基板2に固定された固定部51と、固定部51に対して加速度Axの検出軸であるX軸方向に変位する可動部52と、固定部51と可動部52とを連結するばね53、54と、可動部52に設けられた可動電極6と、ストッパー9と、を有している。センサー素子3は、リン(P)、ボロン(B)等の不純物がドープされたシリコン基板をドライエッチングによってパターニングすることで形成することができる。また、センサー素子3は、陽極接合によってマウント部22、23、24に接合されている。ただし、センサー素子3の材料や、センサー素子3と基板2との接合方法としては、特に限定されない。
図1に示すように、固定部51は、X軸方向に延在する長手形状をなし、X軸方向のマイナス側の端部においてマウント部24に接合されている。以下では、固定部51を二等分し、X軸に沿った仮想軸をセンサー素子3の中心軸Cとも言う。
可動部52は、Z軸方向からの平面視で、枠状をなし、固定部51、ばね53、54および第1、第2固定電極41、46を囲んでいる。また、可動部52は、固定部51に対してY軸方向プラス側に位置し、内側に第1固定電極41が配置された第1開口部528と、固定部51に対してY軸方向マイナス側に位置し、内側に第2固定電極46が配置された第2開口部529と、を有している。
ばね53、54は、それぞれ、X軸方向に弾性変形可能であり、このばね53、54が弾性変形することにより、可動部52が固定部51に対してX軸方向に変位する。ばね53は、固定部51のX軸方向プラス側において、固定部51と可動部52とを接続し、ばね54は、固定部51のX軸方向マイナス側において、固定部51と可動部52とを接続している。
また、固定電極4は、第1開口部528内に位置する第1固定電極41と、第2開口部529内に位置する第2固定電極46と、を有している。
第1固定電極41は、マウント部22に接合された第1固定部42と、第1固定部42に支持された第1幹部43と、第1幹部43からY軸方向両側に延出した複数の第1固定電極指44と、を有している。
第1幹部43は、棒状をなし、その一端が第1固定部42に接続され、他端が自由端となっている。また、第1幹部43は、Z軸方向からの平面視で、X軸およびY軸のそれぞれに対して傾斜した軸Q1に沿って延在している。なお、軸Q1は、X軸方向プラス側ほど中心軸Cとの離間距離が大きくなるように傾斜している。
第1固定電極指44は、第1幹部43からY軸方向プラス側に延出した第1固定電極指441と、第1幹部43からY軸方向マイナス側に延出した第1固定電極指442と、を含んでいる。また、第1固定電極指441、442は、それぞれ、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられている。また、第1固定電極指441は、X軸方向プラス側に位置するものほど短く、第1固定電極指442は、X軸方向プラス側に位置するものほど長い。また、第1固定電極指441、442は、それぞれ、長手方向の途中で屈曲した形状となっている。
第2固定電極46は、マウント部23に接合された第2固定部47と、第2固定部47に支持された第2幹部48と、第2幹部48からY軸方向両側に延出した複数の第2固定電極指49と、を有している。
第2幹部48は、棒状をなし、その一端が第2固定部47に接続され、他端が自由端となっている。また、第2幹部48は、Z軸方向からの平面視で、X軸およびY軸のそれぞれに対して傾斜した軸Q2に沿って延在している。なお、軸Q2は、X軸方向プラス側ほど中心軸Cとの離間距離が大きくなるように傾斜しており、中心軸Cに対して軸Q1と線対称である。すなわち、第1幹部43と第2幹部48とは、中心軸Cに対して線対称に配置されている。ただし、第1幹部43および第2幹部48の構成としては、特に限定されず、例えば、それぞれ、X軸方向に沿って延在していてもよいし、途中で屈曲または湾曲していてもよい。また、第1幹部43と第2幹部48は、中心軸Cに対して非対称であってもよい。
第2固定電極指49は、第2幹部48からY軸方向マイナス側に延出した第2固定電極指491と、第2幹部48からY軸方向プラス側に延出した第2固定電極指492と、を含んでいる。また、第2固定電極指491、492は、それぞれ、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられている。また、第2固定電極指491は、X軸方向プラス側に位置するものほど短く、第2固定電極指492は、X軸方向プラス側に位置するものほど長い。また、第2固定電極指491、492は、それぞれ、長手方向の途中で屈曲した形状となっている。
また、図1に示すように、可動電極6は、第1開口部528内に位置し、可動部52に支持された第1可動電極指64と、第2開口部529内に位置し、可動部52に支持された第2可動電極指69と、を有している。
第1可動電極指64は、第1幹部43に対してY軸方向プラス側に位置し、第1固定電極指441と対向する第1可動電極指641と、第1幹部43に対してY軸方向マイナス側に位置し、第1固定電極指442と対向する第1可動電極指642と、を有している。また、第1可動電極指641は、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられ、複数の第1固定電極指441と櫛歯状にかみ合っている。同様に、第1可動電極指642は、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられ、複数の第1固定電極指442と櫛歯状にかみ合っている。
また、第1可動電極指641は、X軸方向プラス側に位置するものほど短く、第1可動電極指642は、X軸方向プラス側に位置するものほど長い。また、第1可動電極指641、642は、それぞれ、第1固定電極指441、442と対応するように、長手方向の途中で屈曲した形状となっている。これら各第1可動電極指64は、対をなす第1固定電極指44に対してX軸方向マイナス側に位置し、第1固定電極指44とギャップを介して対向している。
第2可動電極指69は、第2幹部48に対してY軸方向マイナス側に位置し、第2固定電極指491と対向する第2可動電極指691と、第2幹部48に対してY軸方向プラス側に位置し、第2固定電極指492と対向する第2可動電極指692と、を有している。また、第2可動電極指661は、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられ、複数の第2固定電極指491と櫛歯状にかみ合っている。同様に、第2可動電極指692は、X軸方向に沿って互いに離間して複数設けられ、複数の第2固定電極指492と櫛歯状にかみ合っている。
また、第2可動電極指691は、X軸方向プラス側に位置するものほど短く、第2可動電極指692は、X軸方向プラス側に位置するものほど長い。また、第2可動電極指691、692は、それぞれ、第2固定電極指491、492に対応するように、長手方向の途中で屈曲した形状となっている。これら各第2可動電極指69は、対をなす第2固定電極指49に対してX軸方向プラス側に位置し、第2固定電極指49とギャップを介して対向している。
ストッパー9は、可動部52のX軸方向プラス側への過度な変位を規制し、第1可動電極指64と第1固定電極指44との接触および第2可動電極指69と第2固定電極指49との接触を防止する第1ストッパー91と、可動部52のX軸方向マイナス側への過度な変位を規制し、第1可動電極指64と第1固定電極指44との接触および第2可動電極指69と第2固定電極指49との接触を防止する第2ストッパー92と、を有している。
第1ストッパー91は、可動部52のY軸方向に沿って延在する部分と最もX軸方向プラス側に位置する第2可動電極指69との間に配置されるとともに、可動部52のY軸方向に沿って延在する部分と対向して配置され、可動部52がX軸方向プラス側に変位すると、第1可動電極指64が第1固定電極指44と接触する前に可動部52と接触する。換言すると、第1ストッパー91と可動部52のY軸方向に沿って延在する部分とのX軸方向の距離D1は、第1ストッパー91と最もX軸方向プラス側に位置する第2可動電極指69とのX軸方向の距離D2より短い。第1ストッパー91は、第2開口部529内であって、第2可動電極指69を屈曲形状としたことにより生じるデッドスペースに配置されている。そのため、第1ストッパー91を配置することによる慣性センサー1の大型化を抑制することができる。
第2ストッパー92は、可動部52のY軸方向に沿って延在する部分と最もX軸方向マイナス側に位置する第1可動電極指64との間に配置されるとともに、可動部52のY軸方向に沿って延在する部分と対向して配置され、可動部52がX軸方向マイナス側に変位すると、第2可動電極指69が第2固定電極指49と接触する前に可動部52と接触する。換言すると、第2ストッパー92と可動部52のY軸方向に沿って延在する部分とのX軸方向の距離D3は、第2ストッパー92と最もX軸方向マイナス側に位置する第2可動電極指69とのX軸方向の距離D4より短い。第2ストッパー92は、第1開口部528内であって、第1可動電極指64を屈曲形状としたことにより生じるデッドスペースに配置されている。そのため、第2ストッパー92を配置することによる慣性センサー1の大型化を抑制することができる。
以上、慣性センサー1の構成について簡単に説明した。このような慣性センサー1に加速度Axが加わると、その加速度Axの大きさに基づいて、可動部52がばね53、54を弾性変形させながらX軸方向に変位する。このような変位に伴って、第1可動電極指64と第1固定電極指44とのギャップおよび第2可動電極指69と第2固定電極指49とのギャップがそれぞれ変化し、この変化に伴って、第1可動電極指64と第1固定電極指44との間の静電容量および第2可動電極指69と第2固定電極指49との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。そのため、これら静電容量の変化に基づいて加速度Axを検出することができる。
次に、第1、第2可動電極指64、69および第1、第2固定電極指44、49の構成について詳細に説明する。ただし、第1、第2可動電極指64、69は、それぞれ、同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1可動電極指64について代表して説明し、第2可動電極指69については、その説明を省略する。また、第1、第2固定電極指44、49は、それぞれ、同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1固定電極指44について代表して説明し、第2固定電極指49については、その説明を省略する。
図3に示すように、第1可動電極指641は、可動部52から延出した長手形状をなし、その長手方向の途中において屈曲した形状となっている。具体的には、第1可動電極指641は、Z軸方向からの平面視で、X軸に交差する第1軸J1に沿って直線状に延びる第1可動電極部643と、X軸および第1軸J1に交差する第2軸J2に沿って直線状に延びる第2可動電極部644と、を備えている。第1可動電極部643は、その基端部において可動部52に接続され、第2可動電極部644は、その基端部において接続部645を介して第1可動電極部643の先端部に接続されている。また、第1軸J1および第2軸J2は、それぞれ、X軸およびY軸に対して傾斜している。なお、本実施形態では、第1、第2軸J1、J2のX軸に対する傾きが等しいが、これに限定されず、異なっていてもよい。
また、第1可動電極指641の基端部は、丸み付けされており、基端側へ向けて幅が漸増するテーパー状となっている。これにより、第1可動電極指641と可動部52との接続部への応力集中が緩和されると共に、第1可動電極指641の機械的強度が向上する。
一方、第1固定電極指441は、第1幹部43から延出した長手形状をなし、第1可動電極指641に対応してその長手方向の途中において屈曲した形状となっている。具体的には、第1固定電極指441は、第1軸J1に沿って延び、第1可動電極部643と対向する第1固定電極部443と、第2軸J2に沿って延び、第2可動電極部644と対向する第2固定電極部444と、を備えている。第2固定電極部444は、その基端部が第1幹部43に接続されており、第1固定電極部443は、その基端部が接続部445を介して第2固定電極部444の先端部に接続されている。
また、第1固定電極指441の基端部は、丸み付けされており、基端側へ向けて幅が漸増するテーパー状となっている。これにより、第1固定電極指441と第1幹部43との接続部への応力集中が緩和されると共に、第1固定電極指441の機械的強度が向上する。
このような構成の第1可動電極指641および第1固定電極指441では、第1可動電極指641の第1固定電極指441と対向する面641aが凹形状となっており、第1固定電極指441の第1可動電極指641と対向する面441aが面641aに対応して相補的な凸形状となっているとも言える。
第1可動電極指642および第1固定電極指442は、第1可動電極指641および第1固定電極指441と同じ形状を有するが、第1可動電極指641および第1固定電極指441に対して反対側に屈曲している。このような構成とすることにより、第1開口部528内に、第1可動電極指64および第1固定電極指44を省スペースで配置することができ、慣性センサー1の小型化を図ることができる。
図4に、Y軸方向に直線的に延在する従来の第1可動電極指64Aを鎖線で図示し、本実施形態の第1可動電極指64を実線で図示する。これら第1可動電極指64、64Aは、共にY軸方向の長さがLyであるが、第1可動電極指64は、屈曲している分、その全長が長さLyよりも長くなる。そのため、本実施形態によれば、図4に示す従来の構成と比べて、慣性センサー1のY軸方向への大型化を伴うことなく、第1可動電極指64と第1固定電極指44との間に形成される静電容量を大きくすることができ、慣性センサー1の加速度Axの検出感度が向上する。
また、図5に、Y軸に対して傾斜した方向に直線的に延在する従来の第1可動電極指64Bを鎖線で図示し、本実施形態の第1可動電極指64を実線で図示する。これら第1可動電極指64、64Bは、その長さが等しいため、第1固定電極指44との間に形成される静電容量が等しいが、第1可動電極指64は、屈曲している分、そのX軸方向への長さLxが第1可動電極指64Bよりも小さくなる。そのため、慣性センサー1は、図5に示す従来の構成と比べて、慣性センサー1の小型化を図ることができる。
また、図3に示すように、第1可動電極部643と第2可動電極部644との接続部645と、第1固定電極部443と第2固定電極部444との接続部445と、がX軸方向に並び、接続部645、445を結ぶ直線FがX軸に沿っている。つまり、直線Fは、X軸と平行である。そのため、第1可動電極指641と第1固定電極指441とのギャップをその全域において等しくすることができる。具体的には、第1可動電極部643と第1固定電極部443とのギャップと、第2可動電極部644と第2固定電極部444とのギャップと、を等しくすることができる。そのため、第1可動電極指641と第1固定電極指441との接触を抑制しつつ、これらを全体的により接近させて配置することができる。よって、これらの間に形成される静電容量をより大きくすることができると共に、慣性センサー1のX軸方向への小型化を図ることができる。なお、接続部645は、面641aの屈曲点とも言え、接続部445は、面441aの屈曲点とも言える。ただし、慣性センサー1の構成は、特に限定されず、例えば、直線FがX軸に対して傾斜していてもよい。
また、複数ある第1可動電極指641と第1固定電極指441との組同士で直線Fの位置を比べると、直線FがY軸方向に互いにずれており、X軸方向プラス側に位置する対ほど、直線Fが中心軸Cに対して遠くなっている。ただし、慣性センサー1の構成は、特に限定されず、各対の直線FがX軸方向に同一直線状に位置していてもよい。
次に、第1可動電極指641の長さL(第1可動電極部643の長さL1と第2可動電極部644の長さL2の和)と、第1可動電極部643の長さL1との関係について図4を参照しつつ説明する。長さL1は、例えば、0.225≦L1/L≦0.775の関係を満足することが好ましく、0.5≦L1/L≦0.775の関係を満足することがより好ましく、0.5=L1/Lの関係を満足することがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、第1可動電極指641および第1固定電極指441の共振周波数を、慣性センサー1が外部から受ける振動(以下「外乱」とも言う)の周波数に対して十分に高めることができる。そのため、外乱によって第1可動電極指641や第1固定電極指441が共振することを効果的に抑制でき、より検出精度の高い慣性センサー1となると共に、より破損し難い慣性センサー1となる。
上述の効果について、図6に示すグラフに基づいて説明する。同図は、長さLが200μm、幅が3μm、厚さが30μmであり、長手方向の途中で150°に屈曲した第1可動電極指64および第1固定電極指44について、L1/Lと共振周波数fとの関係を示している。また、同図の縦軸は、共振周波数fを、L1=0のときの共振周波数f0との比(f/f0)で示している。なお、上述したサイズや屈曲角度については、特に限定されず、異なるサイズや屈曲角度であっても同様の傾向を示す。
図6から、0.225≦L1/L≦0.775の範囲内では、電極指64、44の共振周波数fが共にL1/L=0およびL1/L=1の場合すなわち電極指64、44が直線状の場合と比べて十分に高い。したがって、このような範囲とすることにより、上述した効果を確実に発揮することができる。また、0.5≦L1/L≦0.775の範囲内では、特に、第1固定電極指441の共振周波数fが高い。第1固定電極指441は、基板2に固定されているため、ばね53、54を介して基板2に接続された第1可動電極指641と比べて外乱が伝わり易い。そのため、第1固定電極指441の共振周波数fをより高くし、第1固定電極指441への外乱の影響をより低減することにより、上述した効果をより顕著に発揮することができる。また、0.5=L1/Lでは、第1可動電極指641および第1固定電極指441の共振周波数fが共に最大値となっている。そのため、このような関係とすることにより、上述した効果をさらに顕著に発揮することができる。
ここで、上述の関係は、複数の第1可動電極指641の少なくとも1つが満足していることが好ましく、半分以上の第1可動電極指641が満足していることが好ましく、全ての第1可動電極指641が満足していることが好ましい。これにより、上述した効果をより顕著に発揮することができる。
図3で示したように、第1可動電極指64および第1固定電極指44が屈曲しているため、従来の構成と比べて、Y軸方向の長さLyの増加を抑えつつ、これらの間に形成される静電容量を大きくすることができる。しかしながら、第1可動電極指64および第1固定電極指44がX軸方向に広がってしまう。静電容量の増加というメリットとX軸方向への大型化というデメリットとは、トレードオフの関係にあり、これらのバランスをとることが重要となる。当該バランスは、Y軸に対する第1可動電極指64および第1固定電極指44の傾きθyによってとることができ、θyの値は、一対の第1可動電極指64および第1固定電極指44からなる組の数nによって異なっている。具体的には、1≦n≦8の場合は、14°≦θy<90°であることが好ましく、9≦n≦49の場合は、2.5°≦θy≦45°であることが好ましい。以下、このことについて説明する。
まず、第1可動電極指64および第1固定電極指44を屈曲させることにより、従来の直線状の構成に対して増加した第1可動電極指64および第1固定電極指44の長さをξ(m)とし、ξを静電容量増加のメリットを示す値とする。一方、第1可動電極指64および第1固定電極指44を屈曲させることにより、従来の直線状の構成に対して増加した第1可動電極指64および第1固定電極指44のX軸方向へ広がり分をψ(m)とし、ψをX軸方向への大型化のデメリットを示す値とする。そして、メリットξとデメリットψとを等価の関係とし、ξ/ψ=ηとする。そのため、η>1でメリットがデメリットを上回ることとなる。ここで、θyとηの関係を調べると、発明者らは、θyの増加と共にηがほぼ線形に増加するnの範囲と、θyの増加と共にηに飽和傾向がみられるnの範囲とが存在することを見出し、前者のnの範囲が1≦n≦8であり、後者のnの範囲が9≦n≦49であった。
図7は、1≦n≦8のときのθyとηとの関係を示したグラフである。同図から分かるように、θyが55°以上であれば、nの値に関係なく、η>1となる。そのため、1≦n≦8の場合は、55°≦θy<90°とすることによりメリットがデメリットを上回る。
一方、図8は、9≦n≦49のときのθyとηとの関係を示したグラフである。同図から分かるように、θyが12.5°以上であれば、nの値に関係なく、η>1となる。そのため、9≦n≦49の場合は、12.5°≦θyとすることにより、メリットがデメリットを上回る。ただし、θyが増加するにつれてηの増加量が減少するため、比較的小さいθy、具体的にはθy≦45°であることが好ましい。これにより、θyの増加によってηを効率よく増加させることができる。したがって、9≦n≦49の場合は、12.5°≦θy≦45°とすることにより、メリットがデメリットを上回ると共に、θyの増加によってηを効率よく増加させることができる。
以上、慣性センサー1について説明した。このような慣性センサー1は、前述したように、互いに直行する3軸をX軸、Y軸およびZ軸としたとき、Z軸に沿う方向を厚さ方向とする基板2と、基板2に設けられ、物理量としての加速度Axを検出するセンサー素子3と、を備えている。また、センサー素子3は、基板2に固定されている固定部51と、基板2に対して加速度Axの検出軸であるX軸に沿う方向に変位する可動部52と、可動部52に設けられている可動電極指としての第1、第2可動電極指641、642、691、692と、固定部51と可動部52とを接続するばね53、54と、基板2に固定され、第1、第2可動電極指641、642、691、692と対向する固定電極指としての第1、第2固定電極指441、442、491、492と、を備えている。また、第1可動電極指641は、Z軸に沿う方向からの平面視で、可動部52に接続され、X軸に交差する第1軸J1に沿って延びる第1可動電極部643と、第1可動電極部643に接続され、X軸および第1軸J1に交差する第2軸J2に沿って延びる第2可動電極部644と、を備えている。その他の第1、第2可動電極指642、691、692についても、第1可動電極指641と同様の構成となっている。このような構成とすることにより、第1、第2可動電極指641、642、691、692のY軸方向の長さを抑えつつ、第1、第2可動電極指641、642、691、692と第1、第2固定電極指441、442、491、492との対向面積を大きくすることができる。そのため、小型で加速度Axの検出感度の高い慣性センサー1が得られる。
また、前述したように、第1軸J1および第2軸J2は、それぞれ、Y軸に対して交差している。これにより、第1、第2可動電極指641、642、691、692のY軸方向の長さをより効果的に抑えつつ、第1、第2可動電極指641、642、691、692と第1、第2固定電極指441、442、491、492との対向面積をより大きくすることができる。
また、前述したように、第1固定電極指441は、第1軸J1に沿って延び、第1可動電極部643と対向する第1固定電極部443と、第1固定電極部443に接続され、第2軸J2に沿って延び、第2可動電極部644と対向する第2固定電極部444と、を備えている。その他の第1、第2固定電極指442、491、492についても、第1固定電極指441と同様の構成となっている。これにより、第1、第2固定電極指441、442、491、492がそれぞれ第1、第2可動電極指641、642、691、692に対応する形状となり、第1、第2可動電極指641、642、691、692と第1、第2固定電極指441、442、491、492とをより接近させて配置することができる。そのため、小型で加速度Axの検出感度の高い慣性センサー1となる。
また、第1可動電極部643と第2可動電極部644との接続部645と、第1固定電極部443と第2固定電極部444との接続部445と、を結ぶ直線Fは、X軸に沿っている。これにより、第1可動電極指641と第1固定電極指441とのギャップをその全域において等しくすることができる。その他の第1、第2可動電極指642、691、692と第1、第2固定電極指442、491、492とについても同様である。このような構成とすることにより、第1、第2可動電極指641、642、691、692と第1固定電極指441、442、491、492との接触を抑制しつつ、これらを全体的により接近させて配置することができる。よって、小型で加速度Axの検出感度の高い慣性センサー1となる。
また、前述したように、第1可動電極部643の長さをL1とし、第2可動電極部644の長さをL2とし、L1+L2=Lとしたとき、0.225≦L1/L≦0.775の関係を満足することが好ましく、0.5≦L1/L≦0.775の関係を満足することがより好ましい。これにより、第1、第2可動電極指641、642、691、692および第1、第2固定電極指441、442、491、492の共振周波数fを外乱の周波数に対して十分に高めることができる。そのため、外乱によって第1、第2可動電極指641、642、691、692や第1、第2固定電極指441、442、491、492が共振することを効果的に抑制でき、より検出精度が高く、より破損し難い慣性センサー1が得られる。
また、前述したように、慣性センサー1は、第1固定電極指44を支持する電極支持部としての第1幹部43と、第2固定電極指49を支持する電極支持部としての第2幹部48と、を有している。そして、第1幹部43は、その両側に第1固定電極指44を支持し、第2幹部48は、その両側に第2固定電極指49を支持している。これにより、第1、第2固定電極指44、49の数を増やすことができ、加速度Axの検出感度をより高めることができる。
また、前述したように、慣性センサー1は、電極支持部として、第1幹部43と第2幹部48とを備えている。すなわち、慣性センサー1は、複数の電極支持部を備えている。これにより、第1、第2固定電極指44、49の数を増やすことができ、加速度Axの検出感度をより高めることができる。
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る慣性センサーを示す平面図である。
本実施形態に係る慣性センサー1は、主に、第1、第2可動電極指64、69および第1、第2固定電極指44、49の形状が異なること以外は、前述した第1実施形態の慣性センサー1と同様である。以下の説明では、第2実施形態の慣性センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
なお、第1、第2可動電極指64、69は、それぞれ、同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1可動電極指64について代表して説明し、第2可動電極指69については、その説明を省略する。同様に、第1、第2固定電極指44、49は、それぞれ、同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1固定電極指44について代表して説明し、第2固定電極指49については、その説明を省略する。
図9に示すように、第1可動電極指641では、第1可動電極部643がX軸およびY軸に対して傾斜した方向に沿って延在し、第2可動電極部644がY軸に沿って延在している。これに対応して、第1固定電極指441では、第2固定電極部444がY軸に沿って延在し、第1固定電極部443が第1可動電極部643と平行となるようにX軸およびY軸に対して傾斜した方向に沿って延在している。
このような構成によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態に係る慣性センサーを示す平面図である。
本実施形態に係る慣性センサー1は、主に、第1、第2可動電極指64、69および第1、第2固定電極指44、49の形状が異なること以外は、前述した第1実施形態の慣性センサー1と同様である。以下の説明では、第2実施形態の慣性センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
なお、第1、第2可動電極指64、69は、それぞれ、同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1可動電極指64について代表して説明し、第2可動電極指69については、その説明を省略する。同様に、第1、第2固定電極指44、49は、それぞれ、同様の構成であるため、以下では、説明の便宜上、第1固定電極指44について代表して説明し、第2固定電極指49については、その説明を省略する。
図10に示すように、第1可動電極指641は、長手方向の途中で交互に複数回屈曲した蛇腹形状となっている。具体的には、可動部52から第1軸J1に沿って延出する第1可動電極部643と、第1可動電極部643の先端部から第2軸J2に沿って延出する第2可動電極部644と、第2可動電極部644の先端部から第1軸J1に沿って延出する第3可動電極部646と、第3可動電極部646の先端部から第2軸J2に沿って延出する第4可動電極部647と、を有している。
第1固定電極指441は、第1可動電極指641の形状と対応するように長手方向の途中で複数回屈曲した蛇腹形状となっている。具体的には、第1軸J1に沿って延び、第1可動電極部643と対向する第1固定電極部443と、第2軸J2に沿って延び、第2可動電極部644と対向する第2固定電極部444と、第1軸J1に沿って延び、第3可動電極部646と対向する第3固定電極部446と、第2軸J2に沿って延び、第4可動電極部647と対向する第4固定電極部447と、を有している。
このように、第1可動電極指641および第1固定電極指441をその長手方向の途中で交互に複数回屈曲した形状とすることにより、例えば、前述した第1実施形態と比較して、第1可動電極指641および第1固定電極指441の間に形成される静電容量の大きさを等しく保ちつつ、第1可動電極指641および第1固定電極指441のX軸方向の長さLxを小さくすることができる。そのため、慣性センサー1のさらなる小型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、第1可動電極指641および第1固定電極指441がその長手方向の途中において3回屈曲しているが、この屈曲回数としては、特に限定されず、例えば、2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
このような構成によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
図11は、本発明の第4実施形態に係る電子機器としてのスマートフォンを示す平面図である。
図11に示すスマートフォン1200は、本発明の電子機器を適用したものである。スマートフォン1200には、慣性センサー1と、慣性センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1210と、が内蔵されている。慣性センサー1によって検出された検出データは、制御回路1210に送信され、制御回路1210は、受信した検出データからスマートフォン1200の姿勢や挙動を認識して、表示部1208に表示されている表示画像を変化させたり、警告音や効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。
このような電子機器としてのスマートフォン1200は、慣性センサー1を有している。そのため、前述した慣性センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述したスマートフォン1200の他にも、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチールカメラ、タブレット端末、時計、スマートウォッチ、インクジェットプリンタ、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、車両、航空機、船舶等の各種計器類、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等に適用することができる。
<第5実施形態>
図12は、本発明の第5実施形態に係る電子機器としての慣性計測装置を示す分解斜視図である。図13は、図12に示す慣性計測装置が有する基板の斜視図である。
図12に示す電子機器としての慣性計測装置2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの被装着装置の姿勢や、挙動を検出する慣性計測装置である。慣性計測装置2000は、3軸加速度センサーおよび3軸角速度センサーを備えた6軸モーションセンサーとして機能する。
慣性計測装置2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測装置2000を固定することができる。なお、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
慣性計測装置2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。アウターケース2100の外形は、前述した慣性計測装置2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を防止するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には接着剤を介して基板2320が接合されている。
図13に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサー2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340xおよびY軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。これら各センサー2340x、2340y、2340z、2350として、本発明の慣性センサーを用いることができる。
また、基板2320の下面には、制御IC2360が実装されている。制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、慣性計測装置2000の各部を制御する。記憶部には、加速度および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。なお、基板2320にはその他にも複数の電子部品が実装されている。
<第6実施形態>
図14は、本発明の第6実施形態に係る電子機器としての移動体測位装置の全体システムを示すブロック図である。図15は、図14に示す移動体測位装置の作用を示す図である。
図14に示す移動体測位装置3000は、移動体に装着して用い、当該移動体の測位を行うための装置である。なお、移動体としては、特に限定されず、自転車、自動車、自動二輪車、電車、飛行機、船等のいずれでもよいが、本実施形態では移動体として四輪自動車を用いた場合について説明する。
移動体測位装置3000は、慣性計測装置3100(IMU)と、演算処理部3200と、GPS受信部3300と、受信アンテナ3400と、位置情報取得部3500と、位置合成部3600と、処理部3700と、通信部3800と、表示部3900と、を有している。なお、慣性計測装置3100としては、例えば、前述した慣性計測装置2000を用いることができる。
慣性計測装置3100は、3軸の加速度センサー3110と、3軸の角速度センサー3120と、を有している。演算処理部3200は、加速度センサー3110からの加速度データおよび角速度センサー3120からの角速度データを受け、これらデータに対して慣性航法演算処理を行い、移動体の加速度および姿勢を含む慣性航法測位データを出力する。
また、GPS受信部3300は、受信アンテナ3400を介してGPS衛星からの信号を受信する。また、位置情報取得部3500は、GPS受信部3300が受信した信号に基づいて、移動体測位装置3000の位置(緯度、経度、高度)、速度、方位を表すGPS測位データを出力する。このGPS測位データには、受信状態や受信時刻等を示すステータスデータも含まれている。
位置合成部3600は、演算処理部3200から出力された慣性航法測位データおよび位置情報取得部3500から出力されたGPS測位データに基づいて、移動体の位置、具体的には移動体が地面のどの位置を走行しているかを算出する。例えば、GPS測位データに含まれている移動体の位置が同じであっても、図15に示すように、地面の傾斜θ等の影響によって移動体の姿勢が異なっていれば、地面の異なる位置を移動体が走行していることになる。そのため、GPS測位データだけでは移動体の正確な位置を算出することができない。そこで、位置合成部3600は、慣性航法測位データを用いて、移動体が地面のどの位置を走行しているのかを算出する。
位置合成部3600から出力された位置データは、処理部3700によって所定の処理が行われ、測位結果として表示部3900に表示される。また、位置データは、通信部3800によって外部装置に送信されるようになっていてもよい。
<第7実施形態>
図16は、本発明の第7実施形態に係る移動体を示す斜視図である。
図16に示す自動車1500は、本発明の移動体を適用した自動車である。この図において、自動車1500は、エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステムの少なくとも何れかのシステム1510を含んでいる。また、自動車1500には、慣性センサー1が内蔵されており、慣性センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。慣性センサー1の検出信号は、制御装置1502に供給され、制御装置1502は、その信号に基づいてシステム1510を制御することができる。
このように、移動体としての自動車1500は、慣性センサー1を有している。そのため、前述した慣性センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、慣性センサー1は、他にも、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。また、移動体としては、自動車1500に限定されず、例えば、飛行機、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、二足歩行ロボット、ドローン等の無人飛行機等にも適用することができる。
以上、本発明の慣性センサー、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、慣性センサーとして加速度を検出する加速度センサーについて説明したが、慣性センサーが検出する物理量としては、加速度に限定されず、例えば、角速度、圧力等であってもよい。
1…慣性センサー、2…基板、21…凹部、22、23、24…マウント部、25、26、27…溝、3…センサー素子、4…固定電極、41…第1固定電極、42…第1固定部、43…第1幹部、44、441、442…第1固定電極指、441a…面、443…第1固定電極部、444…第2固定電極部、445…接続部、446…第3固定電極部、447…第4固定電極部、46…第2固定電極、47…第2固定部、48…第2幹部、49、491、492…第2固定電極指、51…固定部、52…可動部、528…第1開口部、529…第2開口部、53、54…ばね、6…可動電極、64、64A、64B、641、642…第1可動電極指、641a…面、643…第1可動電極部、644…第2可動電極部、645…接続部、646…第3可動電極部、647…第4可動電極部、69、691、692…第2可動電極指、71、72、73…配線、8…蓋、81…凹部、89…ガラスフリット、9…ストッパー、91…第1ストッパー、92…第2ストッパー、1200…スマートフォン、1208…表示部、1210…制御回路、1500…自動車、1501…車体、1502…制御装置、1510…システム、2000…慣性計測装置、2100…アウターケース、2110…ネジ穴、2200…接合部材、2300…センサーモジュール、2310…インナーケース、2311…凹部、2312…開口、2320…基板、2330…コネクター、2340x、2340y、2340z…角速度センサー、2350…加速度センサー、2360…制御IC、3000…移動体測位装置、3100…慣性計測装置、3110…加速度センサー、3120…角速度センサー、3200…演算処理部、3300…GPS受信部、3400…受信アンテナ、3500…位置情報取得部、3600…位置合成部、3700…処理部、3800…通信部、3900…表示部、Ax…加速度、C…中心軸、D1〜D4…距離、J1…第1軸、J2…第2軸、Q1…軸、Q2…軸、S…収納空間、f、f0…共振周波数、θ…傾斜、θy…傾き

Claims (10)

  1. 互いに直行する3軸をX軸、Y軸およびZ軸としたとき、
    Z軸に沿う方向を厚さ方向とする基板と、
    前記基板に設けられ、物理量を検出するセンサー素子と、を備え、
    前記センサー素子は、
    前記基板に固定されている固定部と、
    前記基板に対して前記物理量の検出軸である前記X軸に沿う方向に変位する可動部と、
    前記可動部に設けられている可動電極指と、
    前記固定部と前記可動部とを接続するばねと、
    前記基板に固定され、前記可動電極指と対向する固定電極指と、を備え、
    前記可動電極指は、
    前記Z軸に沿う方向からの平面視で、
    前記可動部に接続され、前記X軸に交差する第1軸に沿って延びる第1可動電極部と、
    前記第1可動電極部に接続され、前記X軸および前記第1軸に交差する第2軸に沿って延びる第2可動電極部と、を備えていることを特徴とする慣性センサー。
  2. 前記第1軸および前記第2軸は、それぞれ、前記Y軸に対して交差している請求項1に記載の慣性センサー。
  3. 前記固定電極指は、
    前記第1軸に沿って延び、前記第1可動電極部と対向する第1固定電極部と、
    前記第1固定電極部に接続され、前記第2軸に沿って延び、前記第2可動電極部と対向する第2固定電極部と、を備える請求項1または2に記載の慣性センサー。
  4. 前記第1可動電極部と前記第2可動電極部との接続部と、前記第1固定電極部と前記第2固定電極部との接続部と、を結ぶ直線は、前記X軸に沿っている請求項3に記載の慣性センサー。
  5. 前記第1可動電極部の長さをL1とし、
    前記第2可動電極部の長さをL2としたとき、
    0.225≦L1/(L1+L2)≦0.775の関係を満足する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の慣性センサー。
  6. 0.5≦L1/(L1+L2)≦0.775の関係を満足する請求項5に記載の慣性センサー。
  7. 前記固定電極指を支持する電極支持部を有し、
    前記電極支持部は、その両側に前記固定電極指を支持している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の慣性センサー。
  8. 複数の前記電極支持部を備えている請求項7に記載の慣性センサー。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の慣性センサーを有することを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の慣性センサーを有することを特徴とする移動体。
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