JP2020069189A - 姿勢維持装置 - Google Patents

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小澤 浩司
Koji Ozawa
浩司 小澤
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Abstract

【課題】中高齢の脊柱後弯患者の日常生活上の動作を円滑に支援ないし補助するとともに、疼痛を抑制することが可能な実用的な姿勢維持装置を提供する。【解決手段】姿勢維持装置1は、歩行時に体幹が前傾する脊柱後弯患者の胴部に装着される体幹硬性装具2と、左右いずれか一方の前大腿部にあてがわれる円弧状に湾曲した硬性パッド31と、硬性パッド31を前大腿部に装着する軟性バンド32とを備える大腿装具3と、上部継手杆5に対して下部継手杆6を回動可能に連結し、下部継手杆6が略鉛直下方を向く所定の姿勢維持角度α内に回動範囲を制限するとともにバネ力により姿勢維持角度α内での下部継手杆6の揺動を制動するロック状態と、姿勢維持角度α内にある下部継手杆6が前側上方を向く角度まで回動可能な非ロック状態とに切り換わる関節継手4と、を有する。【選択図】図8

Description

本発明は脊椎疾患の保存療法に用いられる装具に関し、特に、中高年の脊柱後弯患者の歩行障害に対して有用な姿勢維持装置に関する。
加齢にともなう椎間板の変性や背筋機能の低下等により、中高年の患者では、しばしば、脊柱後弯を呈する。脊柱後弯患者の特徴的な歩行障害は、歩行時間や歩行距離が増すにつれて徐々に増悪する腰部の痛み、重苦感、疲労感と体幹の前傾化である(非特許文献1)。脊柱後弯患者の立位ないし歩行時の背筋には、前屈が増すことによる遠心性筋収縮が生じ、この収縮様式が脊柱後弯患者の痛みのメカニズムに関与している(非特許文献1)。
加齢性脊柱後弯症では脊柱起立筋の力が著しく低下し脊柱伸展力が不足することに着目して開発された装具として、特許文献1に開示される脊柱治療用コルセットが知られている。もっとも、当該技術は、吸気、呼気を繰り返す呼吸運動において、胸郭の押し上げを繰り返すことによって、自力による能動的脊柱伸展運動を促し、無理なく呼吸筋や背筋などの筋肉を強化することができるとする脊柱治療用コルセットを提供するものであり、脊柱後弯患者の歩行運動の支援ないし補助を目的とした装具ではない。
特開2010−196号公報
中村 豪、外2名、「胸腰椎の姿勢異常の症候学」、脊椎脊髄ジャーナル、三輪書店、2013年、第26巻、第6号、p.645−652
脊柱後弯患者には、立位時には、長く立っていられない、立っていると痛みで腰が曲がってくる、歩行時には、長歩きができない、歩行で徐々に前屈みとなるといった持久性の障害が認められており、歩行時間や歩行距離が増すにつれて腰が徐々に曲がって歩けなくなるという症状を呈する。
脊柱後弯による歩行障害は、高齢者の日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼすものの、高齢や合併症のために手術対象とならない脊柱後弯患者の歩行運動を支援ないし補助するとともに疼痛の発生を抑制することが可能な装具は存在しなかった。これまでに、股関節疾患に対する手術後の固定装具やリハビリに使用することを想定した装具が開発されているが(特許文献1等)、脊柱後弯患者で立つ、歩く、座るといった日常生活上の動作を円滑(スムーズ)に支援ないし補助することが可能なものとはいえない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、中高齢の脊柱後弯患者の日常生活上の動作を円滑に支援ないし補助するとともに、疼痛を抑制することが可能な実用的な姿勢維持装置を提供することを目的とする。
本発明の姿勢維持装置は、
側面部に上部継手杆が固定され、歩行時に体幹が前傾する脊柱後弯患者の胴部に装着される体幹硬性装具と、
側面部に下部継手杆が固定され左右いずれか一方の前大腿部にあてがわれる円弧状に湾曲した硬性パッドと、前記硬性パットに接続され後大腿部側から巻き付けられることにより前記硬性パッドを当該前大腿部に装着する軟性バンドとを備える大腿装具と、
身体の側方に配置され、前記上部継手杆に対して前記下部継手杆を回動可能に連結し、前記下部継手杆が略鉛直下方を向く所定の姿勢維持角度内に回動範囲を制限するとともにバネ力により当該姿勢維持角度内での前記下部継手杆の揺動を制動するロック状態と、前記姿勢維持角度内にある前記下部継手杆が前側上方を向く角度まで回動可能な非ロック状態とに切り換わる関節継手と、
を有することを特徴とする。
本発明の姿勢維持装置は、好ましくは、
前記下部継手杆の表面側中腹部には下向きに屈曲した逆L字状のフックが突設されており、
前記関節継手には下端にリングが取り付けられたケーブルが組み込まれており、
前記リングを把持し前記ケーブルを引っ張って前記フックに掛け留めることにより前記非ロック状態に切り換わり、前記リングを前記フックから外して略鉛直下方に向けて前記下部継手杆を回転させることにより前記ロック状態に切り換わるようにしても良い。
本発明の姿勢維持装置によれば、中高齢の脊柱後弯患者の日常生活上の動作を円滑に支援ないし補助するとともに、立位ないし歩行時の疼痛を抑制することができる。本発明の姿勢維持装置によれば、歩行障害を抱える脊柱後弯患者が、自らの筋力で、立つ、長時間歩く、座るといった日常生活上の動作を円滑に行うことができ、着脱が容易であり、日常生活において実用的に用いることができる。
本発明の一実施の形態である姿勢維持装置の正面図である。 図1に示す硬性コルセット等の正面図である。 図1に示す姿勢維持装置の左側面図である。 図1に示す姿勢維持装置の右側面図である。 図1に示す姿勢維持装置の背面図である。 関節継手に組み込まれるロックピンの一例を簡略的に示した説明図である。 図1に示す姿勢維持装置を装着した状態を示す正面図である。 図1に示す姿勢維持装置を装着した状態を示す側面図である。 図1に示す姿勢維持装置を装着した患者が、椅子に座る際の、関節継手の作動状態を示す第1の説明図である。 図1に示す姿勢維持装置を装着した患者が、椅子に座る際の、関節継手の作動状態を示す第2の説明図である。
本発明は、体幹(骨盤を含む)の前傾化を防ぐことにより上記課題を解決する新たな姿勢維持装置を提案するものである。以下、本発明の一実施の形態である姿勢維持装置1の構成及び作用を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
{構成}
図1は本発明の一実施の形態である姿勢維持装置1の正面図であり、図2は図1に示す硬性コルセット等の正面図であり、図3は図1に示す姿勢維持装置1の左側面図であり、図4は図1に示す姿勢維持装置1の右側面図であり、図5は図1に示す姿勢維持装置1の背面図である。姿勢維持装置1は、図1ないし図5に示すとおり、側面部211に上部継手杆5が固定され、歩行時に体幹が前傾する脊柱後弯患者の胴部に装着される体幹硬性装具2と、側面部311に下部継手杆6が固定され、左右いずれか一方の前大腿部にあてがわれる円弧状に湾曲した硬性パッド31と、硬性パット31に接続され、後大腿部側から巻き付けられることにより硬性パッド31を前大腿部に装着する軟性バンド32とを備える大腿装具3と、身体の側方に配置され、上部継手杆5に対して下部継手杆6を回動可能に連結し、下部継手杆6が略鉛直下方を向く所定の姿勢維持角度α(図8参照)内に回動範囲を制限するとともにバネ力により姿勢維持角度α内での下部継手杆6の揺動を制動するロック状態と、姿勢維持角度α内にある下部継手杆6が前側上方を向く角度まで回動可能な非ロック状態とに切り換わる関節継手4と、を有する。次に、姿勢維持装置1を構成する要素ごとに詳細に説明する。
体幹硬性装具2は、脊柱後弯患者の胴部に着脱自在に装着される上部装具であり、より具体的には、骨盤の上部から肋骨の下部までを覆うように形成されている。体幹硬性装具2は、脊柱の伸展を補助し、後述する関節継手4を介して連結された大腿装具3と協働して、立位時および歩行時の体幹(骨盤を含む)の前傾を抑制して、適正な姿勢を維持する。体幹硬性装具2は、胴型の硬性コルセット21と、硬性コルセット21に取り付けられる軟性シート23、24と、装着用締付具である雌雄一対のバックル22とを有する。
硬性コルセット21は、骨盤の上部から肋骨の下部までの形状に沿ってくびれるように形成されており、装着時において、胴部に圧接して脊柱の曲がりを補正する。硬性コルセット21は正面(前面)側が開閉する上面視C字状のプラスチック樹脂製装具であり、通気性を確保するために、内外に連通する複数の孔212が穿設されており、装着時の不快感を低減している。後述の大腿装具3が左右いずれか一方の大腿に装着されることに対応して、当該大腿装具3が配置される側の側面部211には固定用孔が穿設され、当該固定用孔に固定用プレート51がリベット91にて固定され、固定用プレート51に対して上部継手杆5が雄ネジ92にて固定されている。
軟性シート23は、柔軟に曲げられクッション性を有する厚みのある生地により形成されており、硬性コルセット21の内周面に沿って取り付けられる。装着時に硬性コルセット21と胴部との間に軟性シート23が挟み込まれることにより、硬性コルセット21が直接身体に接触しないため、装着感が良い。また、軟性シート23の周長(胴回りのサイズ)は、図1に示すように、正面視で、硬性コルセット21の前側開口部を塞ぐように、硬性コルセット21の周長よりも長く設定されている。なお、図3及び図4に示すように、硬性コルセット21の側腹下部は、側方に張り出す臀部周りの形状に対応して円弧状に切り欠いてあり、当該切欠き部には軟性シート24が取り付けられ、股関節等の動きを過度に制限しないように構成されている。
バックル22は、身体装着用部材としてリュックサックやシートベルト等に通常一般に用いられるプラスチック樹脂製の締結具を利用したものである。バックル22は、雌型の収容体221と、弾性変形する爪部223が突設され収容体221に嵌入可能な雄型の挿入体222とにより構成され、収容体221に挿入体222を押し込んで爪部223を係合させることにより相互に連結される。収容体221は、硬性コルセット21の一方の開口端側にリベット接続されたバンド25を介して硬性コルセット21の一方の開口端側に取り付けられており、挿入体222は、硬性コルセット21の他方の開口端側にリベット接続されたバンド26を介して硬性コルセット21の他方の開口端側に取り付けられており、バンド25、26の長さを調節することにより、装着者の胴回りサイズに調整対応することができる。開閉可能な硬性コルセット21の着脱部およびバックル22のそれぞれを正面側に配置したことにより、一人でも容易に体幹硬性装具2を着脱したり、バンド25、26の長さを調節したりすることができ、着脱が容易である。なお、バックル22は硬性コルセットに設けられる装着用締結具の一例に過ぎず、装着者の希望に応じ、バックル22に代えて、ベルクロ(登録商標)テープ式バンドのような面ファスナーが設けられた軟性バンドを適宜用いるようにしても良い。
大腿装具3は、脊柱後弯患者の左右いずれか一方の大腿に着脱自在に装着される下部装具であり、本実施の形態では左脚側に装着している。大腿装具3は、関節継手4を介して、後述のロック状態において体幹硬性装具2を所定の姿勢維持角度にて支持することにより、装着者の立位時の姿勢を適正な角度に維持するとともに、歩行時の体幹(骨盤を含む)の前傾を抑制する。大腿装具3は、左右いずれか一方の前大腿部にあてがわれる硬性パッド31と、装着用締付具である軟性バンド32とを備える。大腿装具3は、装着者が歩行し易い側の太腿に装着されるが、左右いずれの大腿に装着するかについては、患者の手の付き方や体幹の傾きがその判断指標となる。例えば、体を支える際に右太腿に手をつく患者であれば手をつく側の右太腿に装着し、立位ないし歩行時に左側に傾く患者であれば体が傾く側の左太腿に装着する。
硬性パッド31は、大腿の前面側を覆うように半月状に湾曲している、プラスチック樹脂製のカバーである。硬性パッド31は、下部継手杆6に対してリベット93により固定されている。硬性パッド31の外表面上には、面ファスナー321に着脱自在に噛み合う面ファスナー312が設けられている。硬性パッド31の裏面側には、軟性シート23と同様、柔軟に曲げられクッション性を有する軟性シート(図示省略)が取り付けられており、装着感の向上が図られている。
軟性バンド32は、一端側が硬性パッド31に接続されており、他端側の裏面には面ファスナー312に着脱自在に噛み合う面ファスナー321が設けられている。硬性パッド31を前大腿部にあてがった後、軟性バンド32を後大腿部にあてがうようにして前大腿部側まで巻き付けて、身体装着用部材である面ファスナー312、321同士を噛み合わせて締め付けることにより、大腿部に対して緩みなく装着することができる。
このように硬性パッド31を前大腿部にあてがうことで太腿を前面側から押えるように構成したことにより、支柱としての機能が増し、ロック状態において、股関節が深く曲がることが防止される。加えて、非ロック状態においては、軸体41を回転中心として身体の前側上方に跳ね上げるように回転移動できるよう構成されていることから、大腿装具3の装着及び脱着を容易に行うことができ、後述のとおり着座動作も容易である。
上部継手杆5は、プレート形状の上部支柱であり、衣服に摺れないように外方に屈曲し、側腹部の側方に隙間を設けて配置されており、その上端側が体幹硬性装具2の側面部211に固定され、その下端側が後述の固定側基盤42の延設部422に雄ネジ94にて固定されている。
下部継手杆6は、プレート形状の下部支柱であり、大腿の側方に隙間を設けて配置され、その上端側が後述の回動側基盤43の延設部432に雄ネジ95にて固定され、その下端側が大腿装具3の側面部311に固定されている。下部継手杆6は、体の骨格に対応して、図3に示すように、上部継手杆5の長手方向よりも若干前側に傾斜するように配置しても良い。
下部継手杆6の表面側中腹部にはフック8が突設されている。フック8は、下向きに屈曲した側面視逆L字状の係合金具であり、後述のリング72を掛け留めることができる。フック8は、好ましくは、立位で、手が届く位置に突設される。
関節継手4は、身体の側方に配置され、上部継手杆5に対して下部継手杆6を相対的に回動可能に連結するロック機構付きの回転動作規制手段であり、下部継手杆6が略鉛直下方を向く所定の姿勢維持角度α内に回動範囲を制限するとともにバネ力により姿勢維持角度α内での下部継手杆6の揺動を制動するロック状態と、姿勢維持角度α内にある下部継手杆6が角度αを超えて前側上方を向く角度まで回動可能な非ロック状態とに選択的に切り換えることができる。なお、姿勢維持角度αとは、立位ないし歩行時の適正姿勢を保持するための所定の範囲をもった角度の意味で用いており(図8参照)、背中の硬さ等の症状に応じて個別に設定される。また、関節継手4はバネ式の関節継手であり、ロック状態においては、バネ力により、下部継手杆6が姿勢維持角度α内の特定の角度を向く方向に付勢されている。すなわち、ロック状態にある下部継手杆6は、可動範囲が所定の姿勢維持角度α内に制限されるとともに、当該特定の角度から揺動させたときにバネによる制動力が負荷され、下部継手杆6を特定の角度に押し戻そうとする力が作用する。関節継手4には下端にリング72が取り付けられたケーブル71が組み込まれており、リング72を把持しケーブル71を引っ張ってフック8に掛け留めることにより非ロック状態に切り換わり、リング72をフック8から外して略鉛直下方に向くように下部継手杆6を後方に向けて回転させることによりロック状態に切り換わる。
ロック状態と非ロック状態とを切り換えるための手段として関節継手4にロックピン44等を組み込むようにしても良い。図6は関節継手に組み込まれるロックピンの一例を簡略的に示した説明図である。関節継手4は、固定側基盤42と、回動側基盤43と、ロックピン44とを有する。固定側基盤42は、軸体41が突設されるとともに軸体41に向けてピン孔45が穿設された固定側円盤部421と、固定側円盤部421と一体形成され上部継手杆5が固定される延設部422とを備える。回動側基盤43は、軸体41に対して回動可能に枢着された回動側円盤部431と、回動側円盤部431と一体形成され下部継手杆6が固定される延設部432とを備える回動側基盤43とを備える。ロックピン44は、ピン孔45に往復動可能に組み込まれ、略鉛直下方に向けて下部継手杆6を回転させたとき、バネ力により軸体41に向けて前進し回動側基盤43の回転を規制する。
ロックピン44にはケーブル71が連結されている。本実施例のケーブル71は、しなやかに曲げられる鋼製部材であり、一端(上端)にロックピン44の基端部が連結され(図6参照)、他端(下端)に樹脂製である把持用のリング72が取り付けられている。ケーブル71は、リング72を把持しケーブル71を引っ張ってフック8に掛け留めることによりロックピン44が後退して非ロック状態で保持される長さに設定されている。
上述のとおりにロックピン44を作動させる手段として、例えば、略鉛直下方に向けて下部継手杆6を所定の位置まで回転させたときに固定側円盤部421のピン孔45に連通する回動側ピン孔(図示省略)を回動側円盤部431等に設けるとともに、ロックピン44を軸体41に向けて前進させる方向に押圧するバネ部材(図示省略)を組み込むようにしても良い。これにより、略鉛直下方に向けて下部継手杆6を回転させたとき、ピン孔45と回動側ピン孔とが連通してバネ力により軸体41に向けてロックピン44が前進して回動側ピン孔内に進入することによって、ロックピン44が回動側基盤43(又はこれと連動して回動する部材)に係合してその回転が規制される一方、ケーブル71を引っ張ってフック8に掛け留めることによりロックピン44を回動側ピン孔から抜き出すことで回動側基盤43との係合状態を解消して、回動側基盤43を予め設定した範囲内で回動可能とすることができる。なお、上記ロックピン44やピン孔等の内部構造は、ロック状態と非ロック状態とを切り換えるための手段の一例に過ぎない。
上述の作動をする関節継手4としては、従来一般に知られている各種の関節継手に用いられた技術を利用ないし応用することができる。関節継手は、例えば、継手基盤内に装填された複数の球体の出し入れによって関節の可動域を調整できるように構成し、作動ピンを挿脱することにより、付勢力を及ぼしつつ下部継手杆の可動範囲を所定の姿勢維持角度内に制限する状態と、下部継手杆をフリーに回転させられる状態、即ち、姿勢維持角度内にある下部継手杆が前側上方を向く角度まで回転可能な状態とに切り換えることができるものを利用することができる。
{作用}
図7は図1に示す姿勢維持装置1を装着した状態を示す正面図であり、図8は図1に示す姿勢維持装置1を装着した状態を示す側面図である。図9は図1に示す姿勢維持装置1を装着した患者が、椅子に座る際の、関節継手の作動状態を示す第1の説明図であり、特に、非ロック状態に切り換えて着座した状態を示す図である。図10は図1に示す姿勢維持装置1を装着した患者が、椅子に座る際の、関節継手の作動状態を示す第2の説明図であり、特に、大腿装具を跳ね上げるように回転させた状態を示す図である。上述の姿勢維持装置1によれば、リング72をフック8から外した状態で、更に、大腿装具3を装着した方の脚を後方に引いて下部継手杆6が略鉛直下方を向くように回転させることにより、ロック状態に切り換わり、下部継手杆6の可動範囲が所定の姿勢維持角度α(図8参照)の範囲内に制限される。このロック状態においては、上部継手杆5に対して下部継手杆6が完全には固定されておらず、下部継手杆6の回転が姿勢維持角度α内に制限され、かつ、その揺動運動がバネ力により制動される。そのため、歩行時において、下部継手杆6が上部継手杆5に対して姿勢維持角度αを超えて回転することを規制する、換言すれば、体幹硬性装具2が大腿装具3に対して姿勢維持角度αを超えて前傾することを規制することができ、体幹の前傾を抑制することができる。加えて、姿勢維持角度α内においては、バネ力が負荷された状態での股関節の回転動作が可能であり、歩行動作を過度に制限しない。
発明者らの実施した脊柱後弯患者の歩行解析により、骨盤の前傾が体幹の前傾に大きく影響し、歩行開始時に骨盤が前傾するタイプでは、歩行により体幹と骨盤の前傾が更に増し、股関節が屈曲して、歩行障害が生じることを解明した。この点、股装具1によれば、ロック状態において、姿勢維持装置1が支柱としての機能を発揮し、深く屈曲することができず、歩行時の股関節の屈曲および体幹(骨盤を含む)の前傾化が抑制される。また、股装具1は、両下肢の一方にのみ装着されるため、他方の脚(股関節)は自由に動かすことができ、大腿装具3が装着された側の脚についてもバネ力に抗して力を入れると姿勢維持角度α内で股関節を揺動させることができる。したがって、体幹の前傾を阻止しつつスムーズに歩行することができ、長歩きができない、歩行で徐々に前屈みとなるといった障害を解消することができる。なお、従来の股装具は専ら股関節の固定を目的としたものであり、股関節の動きが硬直的に制限されるため、スムーズに歩行することができず、また、装具を脱がずに着座を行うことが出来なかった。
姿勢維持装置1によれば、下部継手杆6の表面側中腹部(好ましくは立位で手の届く位置)には下向きに屈曲した逆L字状のフック8が突設されており、関節継手4には下端にリング72が取り付けられたケーブル71が組み込まれており、リング72を把持しケーブル71を引っ張ってフック8に掛け留めることにより非ロック状態に切り換わり、リング72をフック8から外して略鉛直下方に向くように下部継手杆6を後方に向けて回転させることによりロック状態に切り換えることができる。このように容易にロック状態と非ロック状態とを切り換えることができ、立つ、歩く、座るといった日常生活上の動作を円滑に行うことができる。また、身体装着用部材であるバックル22や面ファスナー312を体の正面(前面)側に配置しており、かつ、非ロック状態とすることで大腿装具3を前側上方に向けて跳ね上げるように回転させられるため(図9及び図10参照)、着脱が容易である。とくに、大腿装具3は、図10に示すように、前側上方に向けて跳ね上がられるように取り外すことができるため、楽に座ることができる。
次に、姿勢維持装置1の装着手順に沿って、姿勢維持装置1の作用について詳細に述べる。(1)装着者は、リング72をフック8に掛け留めて関節継手4を非ロック状態とした後、背側から体幹硬性装具2を胴部に嵌め込んで、身体の前面側に配置されたバックル22を締結することにより体幹硬性装具2を装着する。次に、(2)一方の前大腿部に硬性パッド31をあてがい、軟性バンド32を後大腿部にあてがうようにして前大腿部側まで巻き付け、面ファスナー312、321同士を噛み合わせて締め付けることにより、大腿部に対して大腿装具3を装着する。立位のままでは装着が困難な者は、椅子に座ってから、大腿装具3を装着するようにしても良い。次いで、(3)立ち上がった姿勢にて、リング72をフックから外し、大腿装具3を装着した方の脚を後方に引くようにして下部継手杆6を後方に向けて回転させることにより、ロック状態に切り換える。ロック状態においては、関節継手4は姿勢維持角度αを超えて回動させることができず、姿勢維持装置1が支柱としての機能を発揮する。そのため、装着者の姿勢が支承され、立位時には、長く立っていられない、立っていると痛みで腰が曲がってくるといった障害の発生を抑制することができる。(4)ロック状態のまま歩行を開始すると、歩行時の股関節の屈曲および体幹(骨盤を含む)の前傾化が抑制される一方で、姿勢維持角度α内では、バネ力に抗して力を入れると僅かながら可動することから、歩行に支障のない範囲で股関節を揺動させることができ、歩行運動の妨げとならない。(5)リング72をフック8に掛け止めることにより、非ロック状態に切り換えることができ、椅子にも容易に腰掛けることができる(図9参照)。脱着時には、軟性バンド32を外すとともに、大腿装具3を把持して、軸体41を回転中心として大腿装具3を前側上方に跳ね上げるようにして回転移動できることから(図10参照)、体幹硬性装具2を装着した状態であっても、着座したまま、大腿装具3の脱着を容易に行うことができる。(6)再度立ち上がって歩行する場合には、前記(2)以降のステップを繰り返す。
脊柱後弯症においては、立位と歩行時の姿勢は異なり、歩行を持続すると骨盤仙骨が次第に前方に傾き体幹も大きく前傾し、更に、体幹の前傾のため歩行能力が落ちる。この点、腰部等の体幹に装着される従来の硬性コルセット単独では骨盤の傾きをコントロールすることができなかった。しかしながら、姿勢維持装置1によれば、歩行時の体幹(骨盤を含む)の前傾を抑制することができ、歩行障害を抱える脊柱後弯患者が、自らの筋力で、長時間歩く、座るといった日常生活上の動作を円滑に行うことが可能である。姿勢維持装置1は、高齢や合併症のため手術対象とならない患者にも有効である。
姿勢維持装置1によれば、体幹硬性装具2の側面部211に固定された上部継手杆5と、大腿装具3の側面部311に固定された下部継手杆6と、身体の側方に配置され上部継手杆5と下部継手杆6とを連結する関節継手4とにより、前後方向のみならず、左右方向(側面方向)の傾きも抑制することができるので、側弯を伴う患者の歩行支援にも併用することができる。すなわち、側方への体幹の傾きに対して、姿勢維持装置1が姿勢をまっすぐに保持する支柱としての機能を発揮する。なお、脊柱後弯を発症しておらず歩行時に体幹が前傾しない患者については、ロック状態としなくても体幹が前傾しないので、非ロック状態でも歩行機能改善に効果がある。
脊柱の後弯による体幹の前傾化がある場合、立位、歩行時に重心は前方に移動しており、バランスを保持するためには背筋の持続収縮が必要となる。このように、脊柱後弯患者の立位ないし歩行時の背筋には、筋収縮しながらも前屈が増すことによる遠心性筋収縮が生じ、この収縮様式が脊柱後弯患者の痛みのメカニズムに関与しているが、姿勢維持装置1によれば、立位及び歩行時における体幹の前傾化が抑制されるため、立位ないし歩行時の疼痛の発生を抑制することができる。
本発明は、上記実施の形態ないし実施例に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。
本発明は、中高齢の脊柱後弯患者の日常生活上の動作を円滑に支援ないし補助するとともに、疼痛を抑制することが可能な実用的な姿勢維持装置として利用することができる。
1 姿勢維持装置
2 体幹硬性装具
21 硬性コルセット
211 側面部
212 孔
22 バックル
221 収容体
222 挿入体
223 爪部
23 軟性シート
24 軟性シート
25 バンド(収容体側)
26 バンド(挿入体側)
3 大腿装具
31 硬性パッド
311 側面部
312 面ファスナー
32 軟性バンド
321 面ファスナー
4 関節継手
41 軸体
42 固定側基盤
421 固定側円盤部
422 延設部
43 回動側基盤
431 回動側円盤部
432 延設部
44 ロックピン
45 ピン孔
5 上部継手杆
51 固定用プレート
6 下部継手杆
71 ケーブル
72 リング
8 フック
91 リベット
92 雄ネジ
93 リベット
94 雄ネジ
95 雄ネジ

Claims (2)

  1. 側面部に上部継手杆が固定され、歩行時に体幹が前傾する脊柱後弯患者の胴部に装着される体幹硬性装具と、
    側面部に下部継手杆が固定され左右いずれか一方の前大腿部にあてがわれる円弧状に湾曲した硬性パッドと、前記硬性パットに接続され後大腿部側から巻き付けられることにより前記硬性パッドを当該前大腿部に装着する軟性バンドとを備える大腿装具と、
    身体の側方に配置され、前記上部継手杆に対して前記下部継手杆を回動可能に連結し、前記下部継手杆が略鉛直下方を向く所定の姿勢維持角度内に回動範囲を制限するとともにバネ力により当該姿勢維持角度内での前記下部継手杆の揺動を制動するロック状態と、前記姿勢維持角度内にある前記下部継手杆が前側上方を向く角度まで回動可能な非ロック状態とに切り換わる関節継手と、
    を有することを特徴とする姿勢維持装置。
  2. 前記下部継手杆の表面側中腹部には下向きに屈曲した逆L字状のフックが突設されており、
    前記関節継手には下端にリングが取り付けられたケーブルが組み込まれており、
    前記リングを把持し前記ケーブルを引っ張って前記フックに掛け留めることにより前記非ロック状態に切り換わり、前記リングを前記フックから外して略鉛直下方に向けて前記下部継手杆を回転させることにより前記ロック状態に切り換わる
    ことを特徴とする請求項1記載の姿勢維持装置。


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