JP2020068896A - 清掃ロボット - Google Patents

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加藤 崇
Takashi Kato
崇 加藤
仁一 安原
Jinichi Yasuhara
仁一 安原
純平 御幡
Jumpei Obata
純平 御幡
明功 池田
Akinori Ikeda
明功 池田
健司 田頭
Kenji Tagashira
健司 田頭
秀樹 玉井
Hideki Tamai
秀樹 玉井
直道 寺島
Naomichi Terashima
直道 寺島
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Abstract

【課題】建設現場等の床面に存在する段差部、傾斜部等の障害物にいずれの向きからロボット本体が近づいても動作不能にならず、従動輪が床面の孔に落ち込んでも清掃作業を継続できる清掃ロボットを提供する。【解決手段】ロボット本体2の底部より高さが低く床面Fより高さが高い所定位置でロボット本体2を支持する補助輪9が、前輪キャスター5より前方であってロボット本体2の平面視矩形状の底部前方コーナー部近傍に各々配置されている。【選択図】図3

Description

本開示は、例えば建設現場等で床面の粉塵を清掃する清掃ロボットに関するものである。
室内を自走しながら自動で清掃する清掃ロボットが、広く使用されている。
例えば特許文献1(特許第6068823号公報)には、図1に示されるような清掃ロボットが開示されている。清掃ロボットは円盤状の筐体の外周部に可動式バンパーを備えている。また、筐体の底部前方には、バンパーが変位した位置から底面に連なる傾斜板が設けられ、傾斜板の後端部に前方補助輪が床面より浮かせて設けられている。
床面に障害物があると、バンパーが接触して後退し、次いで傾斜面沿って移動することで或いは前方補助輪が障害物に乗り上げることで障害物を乗り越えられるようになっている。
特許第6068823号公報
上記清掃ロボットを、施工期間中の建設作業場等で使用することは、次のような理由により難しい。建設作業場においては、建設資材を集積している場所や、コンクリートを打設した直後の床等の養生のために複数の敷き鉄板が敷設されることがある。各敷き鉄板には、溶接された段差や鉄板持ち運び用の吊り孔(貫通孔)が設けられている。ロボット本体の正面から段差に近づいた場合には、上記傾斜板による傾斜角度を緩やかにすることはできるが、進行方向斜め前方からロボット本体に段差が近づいた場合には、ロボット本体底部が段差面に乗り上げて身動きが取れなくなるおそれがある。また、敷き鉄板に設けられた吊り孔が大きく、駆動輪や後輪が落ち込んでロボット本体の底部が床面に当接して身動きが取れないおそれもある。
また、前方補助輪の前方や一対の駆動輪の前方にも床面検知センサが設けられている。床面に設けられた開口や段差にロボット本体が進行方向に正面から近づく場合には、前方補助輪や駆動輪が開口に落ち込む前に清掃ロボットの走行を停止させることができるが、開口や段差に対してロボット本体が斜め前方に見ながら近づいた場合には、いずれかの床面検知センサが開口(貫通孔、凹部等)や段差を検知したときには、ロボット本体を構成する筐体が広い範囲にわたって開口側若しくは段差下側にはみ出した状態となる。このとき、ロボット本体が重心に近い位置まではみ出すと、ロボット本体が傾いて開口内や段差下に落下するおそれがある。特に、建設現場等で用いられる大型で比較的重量のある清掃ロボットには、転落事故防止への対策を図る必要がある。
また、使用する落下防止センサ(赤外線測距センサ)においては、光沢の大きい床材(例えば光沢金属材、光沢樹脂材等)の場合、乱反射してセンサ出力が小さくなり、開口等が存在しないにもかかわらず誤検知による回避動作を行うなどの誤動作が発生するおそれがあった。
以下に述べるいくつかの実施形態に適用される開示は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、建設現場等における床面に存在する段差部、傾斜部等の障害物にいずれの向きからロボット本体が近づいても動作不能にならず、従動輪が床面の孔に落ち込んでも清掃作業を継続できる清掃ロボットを提供し、また床面に存在する開口や段差下への落下事故やセンサの誤検知による誤動作を未然に防止した清掃ロボットを提供することにある。
以下に述べるいくつかの実施形態に関する開示は、少なくとも次の構成を備える。即ち、ロボット本体に、床面上を自律走行する走行手段と、前記床面から集塵して清掃する清掃手段を備える清掃ロボットであって、前記走行手段は、前記ロボット本体の底部後方に前記床面に接して設けられ駆動源より駆動伝達されて回転駆動される駆動輪と、前記ロボット本体の底部前方に前記床面に接して設けられた従動輪と、を備え、前記ロボット本体の底部より高さが低く前記床面より高さが高い所定位置で前記ロボット本体を支持する補助輪が、前記従動輪より前方であって前記ロボット本体の平面視矩形状の底部前方コーナー部近傍に各々配置されていることを特徴とする。
これにより、清掃ロボットが建設現場等の床面を走行しながら段差部、傾斜部等の障害物に左右斜め前方から近づいたとしても、ロボット本体の平面視矩形状の底部前方コーナー部近傍に設けられた補助輪が段差部や傾斜部等に当たってロボット本体の移動が止まることはなく、補助輪が段差面や傾斜面に乗り上げ乗り越えることで清掃作業を継続することができる。また、床面に吊り孔等の貫通孔が空いており、仮に従動輪が貫通孔に落ち込んだとしても、床面には補助輪が当接してロボット本体の落ち込みを食い止めてロボット本体の底部が床面に直接接触することはないので、駆動輪の駆動で従動輪が貫通孔より脱出して清掃作業を継続することができる。
前記清掃手段として床面に当接したまま回転駆動される回転ブラシの他に、前記回転ブラシの前方に床面に当接したまま前記ロボット本体が走行するにしたがって床面に存在する塵埃を前記回転ブラシへ向かって誘導する補助ブラシが前記従動輪の両側に各々設けられており、前記補助輪は前記補助ブラシより前方に各々配置されていることが好ましい。
これにより、先ず補助輪が段差面や傾斜面部等の障害物に乗り上げ乗り越えながら走行するため、補助ブラシが段差部や傾斜部に直接当たって変形したり破損したりするのを防ぐことができる。また、補助ブラシが駆動輪の前方に配置されることで、駆動輪に付着する粉塵を低減し床面への再付着を低減することができる。
前記補助輪は、一対の自在キャスターが用いられることが好ましい。
これにより、補助輪には回転方向性はないので、いずれの向きから障害物(段差や傾斜面等)に当接しても補助輪が従動回転可能であるので、駆動輪の駆動によりロボット本体が障害物を乗り越えながら走行することができる。
前記ロボット本体の底部には、前記従動輪及び前記駆動輪の進行方向前方に床面の開口を検知する従動輪用前方落下防止センサ及び駆動輪用前方落下防止センサが各々設けられ、前記駆動輪の進行方向後方には床面の開口を検知する駆動輪用後方落下防止センサが各々設けられており、前記駆動輪と前記従動輪の車軸を結ぶ前後輪車輪間ラインと前記ロボット本体の重心との距離から可及的に離れた位置に前記駆動輪用前方落下防止センサが設けられていてもよい。
これにより、清掃ロボットが床面に存在する開口(貫通孔や凹部等)が従動輪用前方落下防止センサに検知され難い向き、例えば左右斜め前方から近づいた場合に、駆動輪用前方落下防止センサが前後輪車輪間ラインと前記ロボット本体の重心との距離より可及的に離れた位置(例えばロボット本体の底部前方コーナー部近傍)に配置することで、ロボット本体の重心が開口位置(貫通孔位置や段差下位置)に近づく前に駆動輪用前方落下防止センサにより検知可能となる。これにより、ロボット本体の重心が開口位置に近づいた状態(例えばロボット本体が開口内に大きくはみ出した状態)となることはなく、落下事故を未然に防止することができる。
前記従動輪用前方落下防止センサ、前記駆動輪用前方落下防止センサ及び前記駆動輪用後方落下防止センサのいずれかがON状態となると、前記ロボット本体の進行方向への動作を停止させ、前記駆動輪の駆動方向を転換させることが好ましい。
これにより、清掃ロボットの進行方向前方若しくは後方に開口が存在するため、動作を一旦停止させて駆動輪の駆動方向を転換することで、ロボット本体を進行方向から後退させて落下事故を未然に防止することができる。
少なくとも前記従動輪用前方落下センサ若しくは前記駆動輪用前方落下防止センサのいずれかと前記駆動輪用後方落下防止センサが共にON状態となると、前記ロボット本体の走行を停止させて清掃動作を中止することが望ましい。
このように、ロボット本体の前進方向及び後退方向の落下防止センサが共にON状態となると、誤検知を生ずる床面状態、例えば、床面が光沢の大きい床材(例えば光沢金属材、光沢樹脂材等)であって、乱反射して落下防止センサの出力が小さくなる場合や、ロボット本体の前後方向共に段差等が迫った異常事態と判断される。
このような異常事態を検知すると、ロボット本体の走行を停止させて清掃動作を中止することで、開口等が存在しないにもかかわらず誤検知による回避動作を繰り返すなどの誤動作が発生することはなく、ロボット本体の段差下等への落下も未然に防ぐことができ、フェイルセーフ機能を持たせることができる。
建設現場等の床面に存在する乗り越え可能な段差部、傾斜部等の障害物にいずれの向きからロボット本体が近づいても動作不能にならずに清掃動作を継続でき、かつ開口や段差下への落下事故やセンサの誤検知による誤動作を未然に防止した清掃ロボットを提供することができる。
(a)は清掃ロボットの側面図、(b)は正面図である。 図1(a)の清掃ロボットの内部構造を示す内視図である。 清掃ロボットの底面図である。 ロボット本体の前方に設けられたボールキャスター及び距離計測装置の動作範囲を示す説明図である。 清掃ロボットの制御系を示すブロック構成図である。
図1(a)は、清掃ロボット1の側面図、図1(b)は正面図である。本実施形態においては、清掃ロボット1は、施工期間中の建設作業場において床面清掃用に使用されるものである。
図2に示すように、清掃ロボット1は、筐体状のロボット本体2に走行手段3と清掃手段4を備えている。走行手段3は、図3に示すようにロボット本体2の平面視矩形状の底部に進行方向前方中央部に前輪キャスター5(従動輪)を備え、進行方向後方両側には一対の駆動輪6を備えている。一対の駆動輪6は、ロボット本体2内に設けられた駆動輪用モータ7とプーリ間に架設された無端状のタイミングベルト8を通じて各々回転駆動される。図2において、前輪キャスター5は、偏心した支持軸部5a(垂直軸)を中心に360°回転可能に支持された例えば直径φ100mm程度の自在輪である。前輪キャスター5は、清掃ロボット1の進行方向に追随して従動回転する。清掃ロボット1は、これら前輪キャスター5及び一対の駆動輪6が床面Fに接した状態で使用される。各駆動輪用モータ7には、充電可能なリチウムイオンバッテリー24から電力が供給されている。
図3に示す右側駆動輪用モータ7aと左側駆動輪用モータ7bの回転量は、後述するロボット制御部50(図5参照)によって個別に制御される。右側駆動輪用モータ7aの回転量と左側駆動輪用モータ7bの回転量が同じ場合には、清掃ロボット1は直進する。右側駆動輪用モータ7aの回転量が左側駆動輪用モータ7bの回転量より大きい場合は、清掃ロボット1は左方向に曲がるように旋回する。右側駆動輪用モータ7aの回転量が左側駆動輪用モータ7bの回転量より小さい場合は、清掃ロボット1は右方向に曲がるように旋回する。一対の駆動輪6の径の大きさ、駆動輪用モータ7a,7bのトルクは、建設作業場に釘やビスが落下していても、或いは後述するように床面Fに所定高さ範囲の傾斜部、段差部等の障害物が存在してもこれに駆動輪6がロックされずに乗り越えることができる程度に設計されている。
図3において、ロボット本体2の平面視矩形状の底部には、前輪キャスター5より前方であってロボット本体2の底面の前方コーナー部近傍に、ボールキャスター9(補助輪:自在キャスター)が回転自在に各々組み付けられている。図4に示すように、ボールキャスター9の床面からの高さh1は、ロボット本体2の底面より低く床面Fより高い位置(例えば床面より19mm程度)となるように組み付けられる。尚、ロボット本体2の底部の床面Fからの最低高さHは例えば50mm程度に設計されている。
これにより、清掃ロボット1が自律走行しながら、床面Fに設けられた段差部、傾斜部等の障害物に左右斜め前方から近づいたとして、先ずボールキャスター9が障害物にあたってロボット本体2の移動が止まることはなく、ボールキャスター9が段差面や傾斜面に乗り上げ乗り越えることで清掃作業を継続することができる。また、床面Fに吊り孔等の貫通孔が空いており、仮に前輪キャスター5が貫通孔に落ち込んだとしても、床面Fには一対のボールキャスター9が当接してロボット本体2の落ち込みを食い止めてロボット本体2の底面が床面Fに直接接触することはない。よって、一対の駆動輪6の駆動で前輪キャスター5が貫通孔より脱出して清掃作業を継続することができる。
具体的には、建設現場で使用される敷き鉄板(例えば厚さ19mm、22mm、25mm等)に対して、前輪キャスター5では床面Fからの高さ20mmの段差(凸部)を乗り越えられず、吊り孔に前輪キャスター5が脱落すると、ロボット本体2が走行不能になるおそれがあった。本実施例に示すボールキャスター9の配置により、前輪キャスター5が敷き鉄板の厚さである高さ22mmや25mmの段差を乗り越えることができ、仮に前輪キャスター5が吊り孔に脱落しても落ち込み量(19mm程度)を減少させて嵌り込むことがなく、脱出して清掃作業を継続することができる。
また、ロボット本体2の進行方向左右斜め前方から傾斜面が近づいてきた場合、ロボット本体2の底部が傾斜面に乗り上げて動作不能となる場合があったが、ボールキャスター9の配置により、ロボット本体2の底部の乗り上げを防ぐことができる。特にボールキャスター9には回転方向性はないので、いずれの向きから障害物(段差面や傾斜面等)に当接しても従動回転可能であるので、ロボット本体2の進行方向を変えずに駆動輪6の駆動により走行することができる。
図2において、清掃手段4は、回転ブラシ10(清掃ブラシ)、ブラシ駆動モータ11(図5参照)及びホッパ12を備えている。回転ブラシ10は、円柱形状に形成されており、円柱形状の側面に多数のブラシが径方向に林立して設けられている。回転ブラシ10は、軸方向がロボット本体2の左右側面方向と一致するように配置され、円柱形状の中心軸を中心に回転可能に組み付けられている。回転ブラシ10はロボット本体2の底部に取り付けられており、ブラシの下側が常時床面Fに接触した状態で設けられている。回転ブラシ10は、リチウムイオンバッテリー24から電力を供給されて起動するブラシ駆動モータ11(図5参照)によって反時計回り方向に回転され、床面F上に存在する塵埃、ゴミ等を絡め捕り、ロボット本体2の後方へ送り出す。回転ブラシ10の後方には、ホッパ12が設けられている。ホッパ12は、回転ブラシ10の回転によってロボット本体2の後方へ送り出された塵埃、ゴミ等をエア吸引しながら回収して格納する。清掃ロボット1の床面Fからの最低高さ位置h2は、例えば31mm程度に調整されている。ブラシ駆動モータ11は、後述するロボット制御部50によって、一定の速度で回転するように制御される。
図3において、ロボット本体2の底部において、一対の補助ブラシ13が前輪キャスター5の両側に進行方向(矢印方向)に向かってブラシ間の幅が両側に漸進広がるように組み付けられている。補助ブラシ13は回転ブラシ10の前方に設けられ、ロボット本体2が走行するにしたがって床面Fに存在するゴミや塵埃を回転ブラシ10へ向かって誘導する。図2において、回転ブラシ10の軸方向両側には、一対の遮蔽板14が設けられている。遮蔽板14は、可撓性のあるゴム板等が用いられ、回転ブラシ10によって後方に送り出されるゴミや塵埃が両側に拡散しないように床面Fとの隙間を覆っている。
一対のボールキャスター9は、図3に示すように、ロボット本体2の平面視矩形状底部において、補助ブラシ13より前方であって、ロボット本体2の底部前方コーナー部近傍に各々設けられている。これにより、ボールキャスター9が先に段差面や傾斜面等に乗り上げて乗り越えるため、補助ブラシ13が段差部や傾斜部等の障害物に直接当たって変形したり破損したりするのを防ぐことができる。また、補助ブラシ13が駆動輪6の前方に配置されることで、駆動輪6に付着する粉塵を低減し床面Fへの再付着を低減することができる。
また図1(b)に示すようにロボット本体2の進行方向前面中央部には、距離計測装置15を備えている。距離計測装置15は、光を出射し、障害物より反射した反射光を受光することで当該反射光を受光するまでの時間を計測して、障害物との距離を計測する。本実施形態においては、距離計測装置15は、レーザーレンジファインダーが用いられ、光源よりレーザー光が出射される。距離計測装置15は、例えば光源より照射されたレーザー光を反射鏡により水平前方に向かって反射させ、当該反射鏡を内蔵するモータにより回転駆動することで水平方向に走査する。例えばレーザー光を一秒間に1081回の頻度で、図4の進行方向前方から左右両側に例えば各々90°を超える範囲、最大検知範囲270°で往復動させてレーザー光を水平方向に光走査することで、周囲の物体までの距離を計測する。距離計測装置15の光の射程距離は、例えば最大30m程度である。
また、距離計測装置15は図4の水平姿勢を0°として例えば上方向回転角θ1(例えば30°)、下方向回転角θ2(例えば40°)で1秒間に1回往復動させて、レーザー光を垂直方向に走査することで周囲の物体までの距離を計測できるようになっている。具体的には、距離計測装置15は、ロボット本体2の前面に設けられた支持部2a上に起立して固定されている。距離計測装置15は、レーザー光を水平走査する測域センサ15aと該測域センサ15aを上下動させる回転動作部15bを備えている。回転動作部15bは、正逆回転駆動可能な上下動モータ15cを有する。上下動モータ15cは例えばステッピングモータが用いられる。上下動モータ15cのモータ軸15d(回転軸)が、測域センサ15aの底部に冶具を介して連結されている。この上下動モータ15cを正逆回転駆動することにより、測域センサ15aがモータ軸15dを中心に上下方向に所定角度範囲(例えば上方向30°下方向40°範囲)で回動するようになっている。尚、本実施例では測域センサ15aは、水平姿勢より上方向回転角θ1が30°下方向回転角θ2が40°範囲で往復動するようになっているが、これらの上下方向回転角θ1、θ2の値は必要に応じて変更可能である。
上述したように距離計測装置15が水平方向のみならず上下方向に走査可能としたことに伴い、ロボット制御部50(図5参照)は、図4に示す床面Fより所定高さH(例えば50mm程度)の仮想面Eより下方にある障害物を検知対象から除外する処理をおこなう。具体的には、側域センサ15aが前方測定距離D(例えば500mm)を含む垂直面Vにある障害物の有無を検知する。側域センサ15aは水平姿勢より下方に向いたとき、光軸Bと垂直面Vとの交点Zより手前側で、床面Fより高さHの範囲内にある乗り越え可能な障害物を検知してしまう。そこで、光軸Bが仮想面Eとの交点Zから下方回転角θ2(最大回転角)まで回転する間は、当該仮想面Eより低い範囲の障害物の有無をロボット制御部50は検知しないようになっている。これにより、清掃ロボット1が乗り越え可能な床面Fからの高さ25mm(敷き鉄板の厚さに相当)以下の段差等の障害物を検知対象から外して、清掃動作を継続できるようになっている。
上述した構成により、距離計測装置15は、清掃ロボット1の直進方向を基点(0°)として、水平方向に−90°〜90°、上下方向に30°〜−40°の角度範囲における、距離計測装置15から前方測定距離D(例えば500mm以内)を含む垂直面Vに位置する物体までの距離を測距することができる。即ち、測域センサ15aから水平方向及び上下方向に走査されるレーザー光の反射光により、光源から測定距離Dの前方にある垂直面V内における障害物の二次元配置を計測する。測域センサ15aは、例えば、測距精度が0.1〜10mで±30mm、測距分解能1mm単位、角度分解能は約0.25°、走査時間は25msのレーザーレンジファインダーが用いられる。距離計測装置15によって取得された測距情報は、後述するロボット制御部50に送信される。このように、測域センサ15aは、水平方向のみならず上下方向にも回動するため、広範囲で死角の少ない障害物検知が可能となる。
図1(b)に示すように、ロボット本体2の正面部には、障害物との衝突を回避するため超音波センサ16がロボット本体2の正面部に複数箇所に設けられている。超音波センサ16は、超音波を発信して反射波を受信するまでの時間を計測して障害物までの距離を非接触で検知するものである。超音波センサ16は、測域センサ15aの検知範囲を補完し、非接触でロボット本体2が障害物に近づく前にその存在を把握するものである。測域センサ15aと併用して障害物の有無を二重に検知することで安全性を担保するためと、測域センサ15aが検知し難いとされるガラス等の透明体や反射フィルムの貼られたコーン等の検知を確実に行って、衝突を回避するものである。また、超音波センサ16は、ロボット本体2の前面に水平姿勢から上向きに超音波を発信するように配置されることが望ましい。測域センサ15aが、床面Fより所定高さH(例えば50mm程度)の仮想面Eより高さが低い障害物を検知しない処理と同様に、乗り越え可能な段差等の障害物を検知しないようにするためである。超音波センサ16によって取得された測距情報は、後述するロボット制御部50に送信される。
また、図4に示すように、ロボット本体2の左右斜め前方に正面両端部にリミットスイッチ17が設けられている。リミットスイッチ17は、例えば長さ70mm程度の検知バー17aの元端部に設けられた接触スイッチである。リミットスイッチ17は非接触センサである測域センサ15aや超音波センサ16の検知範囲を補完するために設けられる。例えば、ロボット本体2が高さ25mm以下の段差を乗り越えて進行する際に進行方向左右側面に存在する障害物の検知や、ロボット本体2が障害物回避動作において障害物検知を行うなど、障害物の有無を三重に検知することで安全性を担保するようになっている。リミットスイッチ17が障害物を検知すると進行方向への走行を停止し、ロボット本体2の方向転換を促すようになっている。
尚、図4に示すロボット本体2の前面下方に設けられた弾性を有するバンパー2b内には、バンパーセンサ18(接触センサ:図5参照)が設けられていてもよい。バンパーセンサ18は、リミットセンサ17と同様に、ロボット本体2が走行中に床面Fに限らず進行方向に中間突起物等の異物が存在する場合に衝突を回避する。バンパーセンサ18は障害物を検知すると進行方向への走行を停止し、ロボット本体2の方向転換を促すようになっている。
例えば、床面Fからの高さ50mm未満の障害物であれば、ロボット本体2との衝突は回避されるため、進行方向を変更しないが、床面Fから高さ50mm以上の障害物であれば、リミットスイッチ17やバンパーセンサ18が検知可能であるため、進行方向を変更することで衝突を回避する。リミットスイッチ17やバンパーセンサ18の検知信号は、後述するロボット制御部50(図5参照)に送信される。
図3に示すように、ロボット本体2の底部において、前輪キャスター5の進行方向前方には従動輪用前方落下防止センサ19が設けられている。また、左右駆動輪6の進行方向前方には駆動輪用前方落下防止センサ20aが各々設けられ、進行方向後方には駆動輪用後方落下防止センサ20bが各々設けられている。これらのうち、駆動輪用前方落下防止センサ20aは、通常は駆動輪6の進行方向直前位置(矢印X3参照)に配置されるが、本実施例はそれとは異なる位置に配置されている。即ち、左右一対の駆動輪用前方落下防止センサ20aは、一対の駆動輪6と前輪キャスター5の車軸を結ぶ前後輪車輪間ラインKとロボット本体2の重心Gとの距離X1より可及的に離れた位置X2に設けられている。具体的には、前輪キャスター5より前方であって、ボールキャスター9の近傍(ロボット本体2の底部前方コーナー部近傍)に、一対の駆動輪用前方落下防止センサ20aが各々設けられている。上記従動輪用前方落下防止センサ19、駆動輪用前方落下防止センサ20a及び駆動輪用後方落下防止センサ20bとしては、例えば赤外線センサ等が用いられる。
このように、駆動輪用前方落下防止センサ20aが前後輪車輪間ラインKとロボット本体2の重心Gとの距離X1より可及的に離れた位置X2に配置することで、清掃ロボット1が床面に存在する開口(貫通孔や凹部等)に従動輪用前方落下防止センサ19に検知され難い向き、例えば左右斜め前方から近づいた場合に、ロボット本体2の重心Gが開口位置に近づく前にいずれかの駆動輪用前方落下防止センサ20aにより検知可能となる。これにより、ロボット本体2の重心Gが開口位置に近づいた不安定な状態(例えばロボット本体2が開口内に大きくはみ出した状態)となることはなく、落下事故を未然に防止することができる。
ロボット制御部50は、従動輪用前方落下防止センサ19、駆動輪用前方落下防止センサ20a及び駆動輪用後方落下防止センサ20bのいずれかがON状態を検知すると、ロボット本体2の進行方向への走行動作を停止させ、駆動輪6の駆動方向を転換させることが好ましい。これにより、清掃ロボット1の進行方向前方若しくは後方に開口(貫通孔、凹部等)が存在するため、走行動作を一旦停止させて駆動輪6の駆動方向を転換することで落下事故を未然に防止することができる。
また、ロボット制御部50は、少なくとも従動輪用前方落下防止センサ19及び駆動輪用前方落下防止センサ20aのいずれかと駆動輪用後方落下防止センサ20bが共にON状態を検知すると、ロボット本体2の進行方向への動作(駆動輪用モータ7)を停止させ、ブラシ駆動モータ11(図5参照)を停止させて清掃動作を中止する。
このように、ロボット本体2の前進方向及び後退方向の落下防止センサが共にON状態となると、誤検知を生ずる床面状態、例えば、床面が光沢の大きい床材(例えば光沢金属材、光沢樹脂材等)であって、乱反射して落下防止センサの出力が小さくなる場合や、ロボット本体2の前後方向共に段差等が迫った危険な状態等の異常事態と判断される。
ロボット制御部50はこのような異常事態を検知すると、ロボット本体2の走行を停止させて清掃動作を中止することで、開口等が存在しないにもかかわらず落下防止センサ19,20a,20bの誤検知による回避動作を繰り返すなどの誤動作が発生することはなく、ロボット本体2の段差下等への落下も未然に防ぐことができ、フェイルセーフ機能を持たせることができる。
図2に示すように、清掃ロボット1は、ロボット本体2の後方上面部に操作部21を備えている。図5に示すように操作部21は、各種操作キーが設けられた操作パネル21a及び有線リモコン装置21bを備え、いずれも例えば電源スイッチ、自動運転ボタン、非常停止ボタン、走行停止ボタン、或いは手動操作する場合の移動速度や移動方向などの各種入力情報が入力できるようになっている。操作部21の入力情報は、後述するロボット制御部50へ送信される。
図5に示すように、清掃ロボット1は、表示部22を備えている。表示部22は清掃ロボット1の状態(電源ON/OFF、バッテリー充電状態、走行状態、待機状態、フィルタ目詰まり状態、センサ検知異常状態、非常停止状態等)を点灯の有無、発光色、点灯若しくは点滅で報知する表示灯22a、清掃ロボット1が走行中であることを音により報知するメロディスピーカ22bを備えている。表示灯22aは、図1(a)、図2に示すように、有線リモコン装置21bと並んでロボット本体2の後方上面部に設けられている。
図2に示すように清掃ロボット1は、リチウムイオンバッテリー24を備えている。図5に示すように、リチウムイオンバッテリー24は、コンセントを商用電源AC100Vに接続して充電器23を介して充電可能となっている。ロボット制御部50は、マイクロコンピュータを備えており、清掃ロボット1の清掃動作や走行動作を制御するCPUや、各種動作プログラムを格納したROM、入力情報を一時記憶したり、動作プログラムを読みだしたりするCPUのワークエリアとして使用されるRAM等の記憶部などを有している。
ロボット制御部50には、操作部21からの入力情報、各種センサ(測域センサ15a、超音波センサ16、リミットスイッチ17、バンパーセンサ18(省略可)、従動輪前方落下防止センサ19,駆動輪前方落下防止センサ20a,駆動輪後方落下防止センサ20b)からの検知信号が入力される。また、ロボット制御部50からは、ブラシ駆動モータ11、駆動輪用モータ7a,7b、上下動モータ15cに駆動信号を出力し、表示部22(表示灯22a、メロディスピーカ22b)に対して清掃ロボット1の動作状態を報知させるべく表示指令信号を出力する。
尚、ロボット制御部50の障害物判定角度は、上下方向首振り角度となっており、CPUのデータ処理能力に応じてレーザーセンサ出力値を間引いたり、レーザーセンサの走査時間を判定頻度より少なくしたりして計算負荷低減を図っている。
ロボット制御部50は、物体の種類を次のように推定して、物体が障害物か否かを判定する。例えば、物体が上下方向に30°〜−40°の角度範囲における全ての範囲において略同等の距離で検知されている場合には、物体は壁であり障害物であると推定可能である。
また、物体が上記上下方向の角度範囲における一定の小さな範囲の高さにおいてのみ検知されて、水平方向における他の角度においても同じ一定範囲の高さに物体が検知された場合には、空中に幅の小さな物体が水平方向に延在して位置しており、この物体はコーンバー、すなわち回避すべき障害物であると推定可能である。
更に、物体が上記上下方向の角度範囲におけるある一定の角度よりも上方全てにおいて検知されてはいるが、この物体は清掃ロボット1の全高よりも高い位置に位置すると判断される場合には、これは実際には障害物ではなく、その下方を清掃可能であると判断してもよい。
ロボット制御部50は、距離計測装置15から清掃ロボット1の直進方向を基準(0°)として水平方向に−90°〜90°、上下方向に30°〜−40°の角度範囲における、障害物の方向及び距離情報を受信すると、これらの計測結果を基に、障害物を回避するように進行方向を決定する。尚、障害物として判定した物体が存在しない場合においては、直進するように指示する。
距離計測装置15が障害物として判定した物体が存在する場合には、ロボット制御部50は例えば次のように清掃ロボット1の進行方向を決定する。
直進方向から右方向距離と、左方向距離が等しい場合においては、清掃ロボット1がコーンバー、壁等の障害物に対して、直交するように接近していると判断し、左右いずれかに曲がって障害物を回避するように指示する。
また、障害物に対する、直進方向から右方向距離が、左方向距離よりも短くなっている場合においては、ロボット制御部50は清掃ロボット1が障害物に対して、斜め方向右側から接近していると判断し、左側に曲がって障害物を回避するように指示する。逆に、直進方向から右方向距離が、左方向距離よりも長くなっている場合においては、ロボット制御部50は、清掃ロボット1が障害物に対して、斜め方向左側から接近していると判断し、右側に曲がって障害物を回避するように、指示する。
このように、障害物に対して斜め方向から接近していると判断した場合においては、ロボット制御部50は、左右何れかのうち鈍角に曲がることにより障害物を回避可能な方向に曲がって障害物を回避するように指示する。尚、上記制御動作は、リミットスイッチ17の検知結果を合わせて行ってもよい。
また、第一,第二落下防止センサ19,20が、進行方向の床面Fに開口(貫通孔、凹部等)を検知した場合には、ロボット制御部50は、清掃ロボット1をその場で停止させて、駆動輪6の回転を逆転させてロボット本体2を後退させる。
ロボット制御部50は、一定の速度で回転ブラシ10を回転させるように、ブラシ駆動モータ11の駆動を制御する。また、ロボット制御部50は、各種センサにより検知された障害物、吊り孔や開口の有無により、右側駆動輪用モータ7a及び左側駆動輪用モータ7bの各々に対し回転方向、回転量を制御することで、清掃ロボット1の直進、後退及び旋回動作を切り替え制御する。操作部21から、作業者によって入力された移動方向指示を受信した場合には、操作部21から受信した移動方向指示を優先させ、移動方向指示に基づいて、右側駆動輪用モータ7a及び左側駆動輪用モータ7bの各々に対し、回転量を制御する。
ロボット制御部50は、距離計測装置15の測域センサ15aの上下動範囲を上下動モータ15cの回転範囲を変更することで、レーザー光の出射角度を左右方向及び上下方向に変化させることができる。より具体的には、ロボット制御部50は、距離計測装置15を上下方向に回動させて向きを変え、距離計測装置15からのレーザー光の出射角度を、図4に示される下限位置(下方回転角θ2)と上限位置(上方回転角θ1)の間で、上下方向に変化させるように、上下動モータ15cを駆動制御する。表示部22は、操作部21によって入力された各種入力情報及び距離計測装置15によって検知された物体に関する情報等を受信し、表示灯22aに点灯表示させたりメロディスピーカ22bに出力させたりして清掃ロボット1の状態表示を行なう。
次に、清掃ロボット1の清掃動作例について説明する。作業者が、操作部21に対して電源をONして清掃開始を指示することにより、処理が開始される。清掃ロボット1は停止した状態で、距離計測装置15が、清掃ロボット1の直進方向を基点として、水平方向に−90°〜90°、上下方向に−40°〜30°の角度範囲における、距離計測装置15から500mm以内の空間に位置する物体を検知可能な状態となる。以降、ロボット制御部50の表示灯22aが点灯し、距離計測装置15によって検知された物体に関する情報を、表示灯22aやメロディスピーカ22bを通じて表示する。
ロボット制御部50は、ブラシ駆動モータ11を駆動制御し、一定の速度で回転させる。同時に右側駆動輪用モータ7a及び左側駆動輪用モータ7bを同一の回転量で作動させることで、清掃ロボット1を直進させる。清掃ロボット1は床面を清掃しながら直進走行して障害物の有無を検知する。
具体的には、ロボット制御部50が、距離計測装置15から送信された情報を受信し、図4に示すように、水平方向に−90°〜90°の角度範囲及び上下方向に−40°〜30°における物体の情報を、距離計測装置15から受信した情報から抽出する。ロボット制御部50は、前述したように抽出された各物体が障害物であるか否かを判定する。障害物の存在が検知されなければ、右側駆動輪用モータ7a及び左側駆動輪用モータ7bを同一の回転量で作動させることで、清掃ロボット1を直進させる。このとき、ロボット制御部50は測域センサ15aより検知された床面Fより所定高さH(例えば50mm程度)の仮想面Eより下方にある障害物を検知対象から除外する。この結果、例えば床面Fからの高さ25mm(敷き鉄板の厚さ)以下の段差を距離計測装置15が検知することはなく、例えば、敷き鉄板の吊り孔が存在し、前輪キャスター5が落ち込んだとてもロボット本体2の底部に設けられたボールキャスター9がロボット本体2を支持し、敷き鉄板どうしの段差や傾斜部が進行方向斜め前方から近づいたとしてもボールキャスター9により段差面に乗り上げ乗り越えるため、ロボット本体2が走行面に接触してロックすることはなく、敷き鉄板の厚さに相当する最大高さ25mm以下の段差を乗り越えて走行しながら清掃動作を継続することができる。
ロボット制御部50は、測域センサ15aから障害物検知の情報が送信された場合は、距離計測装置15における計測結果を基に、障害物を回避するように進行方向を決定する。例えば、障害物に対する、直進方向右側の距離が、左側の距離よりも短くなっている場合においては、清掃ロボット1が障害物に対して、斜め方向右側から接近していると判断し、左側に曲がって障害物を回避するように、走行動作を制御する。具体的には、左側駆動輪用モータ7bの回転量より右側駆動輪用モータ7aの回転量を増やすことにより清掃ロボット1を左旋回させて方向転換させ、障害物を回避する。
また、ロボット制御部50は、従動輪用前方落下防止センサ19、駆動輪用前方落下防止センサ20a及び駆動輪用後方落下防止センサ20bのいずれかがON状態を検知すると、ロボット本体2の進行方向への走行動作を停止させ、駆動輪6の駆動方向を転換させることが好ましい。これにより、清掃ロボット1の進行方向前方若しくは後方に開口又は孔等が存在するため、走行動作を一旦停止させて右側駆動輪用モータ7a及び左側駆動輪用モータ7bを逆回転させて清掃ロボット1を後退させ落下事故を未然に防止することができる。
また、ロボット制御部50は、少なくとも従動輪用前方落下センサ19若しくは駆動輪用前方落下防止センサ20aのいずれかと駆動輪用後方落下防止センサ20bが共にON状態となると、駆動輪用モータ7、ブラシ駆動モータ11の駆動を停止させて清掃動作を中止する。このように、ロボット本体2の前進方向及び後退方向の落下防止センサが共にON状態となると、誤検知を生ずる床面状態、例えば、床面が光沢の大きい床材(例えば光沢金属材、光沢樹脂材等)であって、乱反射して落下防止センサ19,20a,20bの出力が小さくなる場合や、ロボット本体2の前後方向共に段差等が迫った異常事態と判断される。
このような異常事態を検知すると、ロボット本体2の走行を停止させて清掃動作を中止することで、開口等が存在しないにもかかわらず誤検知による回避動作を繰り返すなどの誤動作が発生することはなく、ロボット本体2の段差下等への落下も未然に防ぐことができ、フェイルセーフ機能を持たせることができる。
ロボット制御部50は、予め設定された一定の時間が処理開始から経過した時点で、清掃が完了したと判断する。清掃が完了したと判断した場合には、処理を終了して清掃ロボット1の自動運転停止を停止する。このとき清掃ロボット1の電源はON状態にあるので、充填場所への移動やレンタル回収用の移動等必要に応じて手動運転することができる。清掃が完了していないと判断した場合には、清掃動作及び障害物検知処理を繰り返す。尚、リチウムイオンバッテリー24の容量が例えば残り20%以下となった場合に清掃動作を停止するようにしてもよい。これにより、節電により可能な限り長い時間、清掃することが可能となる。
上述したように、清掃ロボット1が自律走行しながら敷き鉄板等の床面Fに存在する段差部、傾斜部等の乗り越え可能な障害物に左右斜め前方から近づいたとしても、先ずボールキャスター9が障害物にあたってロボット本体2の移動が止まることはなく、ボールキャスター9が段差面や傾斜面に乗り上げ乗り超えることで清掃作業を継続することができる。また、床面Fに吊り孔が空いており、仮に前輪キャスター5が吊り孔に落ち込んだとしても、床面Fにはボールキャスター9が当接してロボット本体2の落ち込みを食い止めてロボット本体2の底面が床面Fに直接接触することはないので、駆動輪6の駆動で前輪キャスター5が吊り孔より脱出して清掃作業を継続することができる。
また、駆動輪用前方落下防止センサ20aを前後輪車輪間ラインKとロボット本体2の重心Gとの距離X1より可及的に離れた位置X2に配置することで、清掃ロボット1が床面Fに存在する開口(貫通孔、凹部等)を従動輪用前方落下防止センサ19で検知され難い向き、例えば左右斜め前方から近づいた場合に、ロボット本体2の重心Gが開口位置に近づく前に駆動輪用前方落下防止センサ20aにより検知可能となる。よって、ロボット本体2の重心Gが開口位置に近づいた不安定な状態(例えば開口内に大きくはみ出した状態)となることはなく、落下事故を未然に防止することができる。
よって、建設現場等の床面に敷き鉄板どうしのつなぎ目等に存在する段差部、傾斜部等の乗り越え可能な高さの障害物にいずれの向きからロボット本体2が近づいても動作不能にならずに清掃作業を継続でき、かつ開口(貫通孔、凹部等)への落下事故やセンサの誤検知を未然に防止した清掃ロボット1を提供することができる。
なお、本発明の清掃ロボット1は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が考えられる。例えば、上記実施形態においては、ゴミ等は回転ブラシ10で絡め捕られた後にホッパ12内に格納されるのみであるが、真空モータを設置してゴミ等を吸引するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、距離計測装置15の検知範囲を水平方向に−90°〜90°の角度範囲における物体の情報を、距離計測装置15から受信した情報から抽出しているが、検知可能角度270°の範囲内で他の角度であっても構わない。
また、距離計測装置15は、出射する光が、上方向30°から下方向40°の範囲で上下方向に回動するように制御されているが、回動範囲はこれに限定されるものではなく、距離計測装置15を覆う外側筐体(ロボット本体2)を障害物であると誤って認識しない角度であれば、より大きな他の角度であっても構わない。或いは、距離計測装置15が特定の障害物(例えばコーンバー)検出用の高さ位置に設けられた場合においては、上方向回転角度は30°より小さな値であっても構わない。また、距離計測装置15が計測可能な床面Fからの高さHの仮想面Eは、高さ50mmに限らず、乗り越え可能な障害物の高さに応じてそれより小さくても大きくてもよい。
また、上記実施形態においては、距離計測装置15から出射する光の水平方向の往復頻度は1秒間に1081回であり、距離計測装置15の上下方向の回動頻度は1秒間に1回であったが、他の値であっても構わないのは言うまでもない。
また、上記実施形態においては、回転ブラシ10の回転速度は一定となるように、ロボット制御部50によって制御されているが、これに限られない。例えば、障害物が粉塵と判断した場合においては、清掃中の場所は粉塵が床面に多く散乱していると推測して、スイーパー10の回転速度を上昇させ、粉塵の回収効率を高めてもよい。
1 清掃ロボット 2 ロボット本体 2a 支持部 2b バンパー 3 走行手段 4 清掃手段 5 前輪キャスター 5a 支持軸部 6 駆動輪 7 駆動輪用モータ 7a 右側駆動輪用モータ 7b 左側駆動輪用モータ 8 タイミングベルト 9 ボールキャスター 10 回転ブラシ(清掃ブラシ) 11 ブラシ駆動モータ 12 ホッパ 13 補助ブラシ 14 遮蔽板 15 距離計測装置 15a 測域センサ 15b 回転動作部 15c 上下動モータ 15d モータ軸 16 超音波センサ 17 リミットスイッチ 17a 検知バー 18 バンパーセンサ 19 従動輪用前方落下防止センサ 20a 駆動輪用前方落下防止センサ 20b 駆動輪用後方落下防止センサ 21 操作部 21a 操作パネル 21b 有線リモコン装置 22 表示部 22a 表示灯 22b メロディスピーカ 23 充電器 24 リチウムイオンバッテリー 50 ロボット制御部

Claims (6)

  1. ロボット本体に、床面上を自律走行する走行手段と、前記床面から集塵して清掃する清掃手段を備える清掃ロボットであって、
    前記走行手段は、前記ロボット本体の底部後方に前記床面に接して設けられ駆動源より駆動伝達されて回転駆動される駆動輪と、
    前記ロボット本体の底部前方に前記床面に接して設けられた従動輪と、を備え、
    前記ロボット本体の底部より高さが低く前記床面より高さが高い所定位置で前記ロボット本体を支持する補助輪が、前記従動輪より前方であって前記ロボット本体の平面視矩形状の底部前方コーナー部近傍に各々配置されていることを特徴とする清掃ロボット。
  2. 前記清掃手段として床面に当接したまま回転駆動される清掃ブラシの他に、前記清掃ブラシの前方に床面に当接したまま前記ロボット本体が走行するにしたがって床面に存在する塵埃を前記清掃ブラシへ向かって誘導する補助ブラシが前記従動輪の両側に各々設けられており、前記補助輪は前記補助ブラシより前方に各々配置されている請求項1記載の清掃ロボット。
  3. 前記補助輪は、一対の自在キャスターが用いられる請求項1又は請求項2記載の清掃ロボット。
  4. 前記ロボット本体の底部には、前記従動輪及び前記駆動輪の進行方向前方に床面の開口を検知する従動輪用前方落下防止センサ及び駆動輪用前方落下防止センサが各々設けられ、前記駆動輪の進行方向後方には床面の開口を検知する駆動輪用後方落下防止センサが各々設けられており、前記駆動輪と前記従動輪の車軸を結ぶ前後輪車輪間ラインと前記ロボット本体の重心との距離から可及的に離れた位置に前記駆動輪用前方落下防止センサが設けられている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の清掃ロボット。
  5. 前記従動輪用前方落下防止センサ、前記駆動輪用前方落下防止センサ及び前記駆動輪用後方落下防止センサのいずれかがON状態となると、前記ロボット本体の進行方向への動作を停止させ、前記駆動輪の駆動方向を転換させる請求項4記載の清掃ロボット。
  6. 少なくとも前記従動輪用前方落下センサ若しくは前記駆動輪用前方落下防止センサのいずれかと前記駆動輪用後方落下防止センサが共にON状態となると、前記ロボット本体の走行を停止させて清掃動作を中止する請求項4又は請求項5記載の清掃ロボット。
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