JP2020066778A - 汚染水処理用鉄粉及び汚染水処理用鉄粉製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、汚染水中の重金属類及びフッ素を除去することができる汚染水処理用鉄粉を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る汚染水処理用鉄粉は、汚染水中の重金属類を除去する汚染水処理用鉄粉であって、鉄を主成分とし、シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む鉄系析出物を粒子内に有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、汚染水処理用鉄粉及び汚染水処理用鉄粉製造方法に関する。
重金属等によって汚染された水を浄化する方法としては、凝集剤を用いる方法及び多孔質吸着剤を用いる方法に加えて、例えば特許第4755159号公報に記載されるように鉄粉(処理剤)の表面に重金属等を析出させて除去する方法が提案されている。上記公報に記載の鉄粉は、硫黄を含むものであり、セレン、鉛、カドミウム及びクロムの少なくとも1種の重金属類を鉄粉表面に析出させて除去することができるとされている。
水道法では、上記公報に記載の方法により除去されるセレン、鉛、カドミウム及びクロム等の重金属類以外にも、フッ素についても含有量が基準値以下でなければならないとされている。
特許第4755159号公報
上記事情に鑑みて、本発明は、汚染水中の重金属類及びフッ素を除去することができる汚染水処理用鉄粉及び汚染水処理用鉄粉製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る汚染水処理用鉄粉は、汚染水中の重金属類を除去する汚染水処理用鉄粉であって、鉄を主成分とし、シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む鉄系析出物を粒子内に有することを特徴とする。
当該汚染水処理用鉄粉は、シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む鉄系析出物を粒子内に有することによって、この鉄系析出物と鉄基材との間に電位差が生じる局部電池作用によって鉄のアノード反応が促進され、汚染水中の汚染元素の還元反応又は不溶化反応が促進される。このため、当該汚染水処理用鉄粉は、汚染水中の重金属類に加えてフッ素を鉄粉粒子の表面に析出させて除去することができる。
当該汚染水処理用鉄粉において、粒子断面における上記鉄系析出物の平均面積率としては0.8%以上50%以下が好ましい。このように、粒子断面における上記鉄系析出物の平均面積率が上記範囲内であることによって、当該汚染水処理用鉄粉は、鉄基材のアノード反応を効果的に促進し、汚染水中の重金属類及びフッ素を効率よく除去することができる。
当該汚染水処理用鉄粉において、粒子内の平均空隙率としては5%以下が好ましい。このように、粒子内の平均空隙率を上記上限以下とすることによって、当該汚染水処理用鉄粉は、アトマイズ法により製造することができるので、組成の調整が容易であり、かつ上記鉄系析出物を確実に形成できるため、効率よく製造することができる。
本発明の一態様に係る汚染水処理用鉄粉製造方法は、汚染水中の重金属類を除去する汚染水処理用鉄粉の製造方法であって、炉で溶鉄を調製する工程と、取鍋で上記溶鉄にシリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む副原料を添加する工程と、上記添加後の上記溶鉄に水を噴射して粉化する工程と備えることを特徴とする。
当該汚染水処理用鉄粉製造方法は、上記調製工程、上記添加工程及び上記粉化工程を備え、上記添加工程において、取鍋の中で溶鉄にシリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む副原料を添加するので、上記副原料が完全に溶融して鉄と合金化する前に上記粉化工程を行って、鉄を主成分とし、シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む鉄系析出物を鉄粉粒子内に均一に分散して形成することができる。このため、当該汚染水処理用鉄粉製造方法によって得られる当該汚染水処理用鉄粉は、上記鉄系析出物を粒子内に有するため、この鉄系析出物と鉄基材との局部電池作用によって汚染水中の重金属類に加えてフッ素を鉄粉粒子の表面に析出させて除去することができる。
ここで、「主成分」とは、最も質量含有率が大きい成分を意味する。また、「溶鉄」とは、炭素含有量を問わず、溶融した鉄及び鋼全般を包含する概念である。
上述のように、本発明の汚染水処理用鉄粉及び汚染水処理用鉄粉製造方法によって製造される汚染水処理用鉄粉は、汚染水中の重金属類及びフッ素を除去することができる。
本発明の一実施形態の汚染水処理用鉄粉の粒子断面の電子顕微鏡画像である。 汚染水処理用鉄粉の試作例を用いた汚染水処理試験における汚染元素の除去率を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[汚染水処理用鉄粉]
本発明に係る汚染水処理用鉄粉は、汚染水中のヒ素、セレン、鉛、カドミウム及びクロムを含む重金属類を除去するために用いられるものである。さらに、当該汚染水処理用鉄粉は、重金属類に加えてフッ素を除去することができる。
当該汚染水処理用鉄粉は、鉄を主成分とし、シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロム(以下、包括して特定元素ということがある)の少なくとも1種を含む鉄系析出物を粒子内に有する。つまり、当該汚染水処理用鉄粉は、鉄又は鉄合金からなる鉄基材の粒子内に上記鉄系析出物を有する。
当該汚染水処理用鉄粉は、例えばアトマイズ鉄粉、鋳鉄粉、還元鉄粉等であってもよいが、成分や粒径を揃えやすく、上記鉄系析出物を効率よく形成できる点で、水アトマイズ鉄粉であることが好ましい。
当該汚染水処理用鉄粉が含有する鉄及び上記特定元素以外の元素としては、例えば炭素、酸素、銅、ニッケル、モリブデン、亜鉛、アルミニウム、コバルト等を挙げることができる。また、当該汚染水処理用鉄粉は、意図的に添加される元素以外の不可避的不純物を含み得る。本発明においては、上記不可避的不純物は、上記鉄系析出物に含まれる上記特定元素の対象とはしない。つまり、不可避的にシリコン、マンガン、リン、硫黄又はクロムが含まれても、鉄系析出物が「シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む」とはみなさないものとする。なお、上記不可避的不純物は、元素単体の含有量で通常1質量%未満であり、好ましくは0.01質量%未満である。
図1に、当該汚染水処理用鉄粉の粒子の断面を走査型電子顕微鏡を用いて撮影した画像の一例を図示する。図において、黒点状の部分が鉄系析出物である。このように、当該汚染水処理用鉄粉は、粒子内に複数の鉄系析出物を分散して有することが好ましい。
当該汚染水処理用鉄粉の鉄系析出物は、上記特定元素を核として形成されるものであり、鉄を主成分とし、通常は酸素を含む。
当該汚染水処理用鉄粉の平均粒径の下限としては、1μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、当該汚染水処理用鉄粉の平均粒径の上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。当該汚染水処理用鉄粉の平均粒径が上記下限に満たない場合、当該汚染水処理用鉄粉の生産効率や取り扱い性が不十分となるおそれがある。逆に、当該汚染水処理用鉄粉の平均粒径が上記上限を超える場合、表面積が小さくなることで汚染水中の重金属類及びフッ素を十分に除去することができないおそれがある。なお、「平均粒径」とは、JIS−Z8801(2006)に規定されるふるいを用いた乾式ふるい分け試験により粒子径分布を求め、この粒子径分布において累積質量が50%となる粒径をいう。
当該汚染水処理用鉄粉における上記特定元素の合計含有量の下限としては、0.3質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。一方、当該汚染水処理用鉄粉における上記特定元素の合計含有量の上限としては、5質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましい。当該汚染水処理用鉄粉における上記特定元素の合計含有量が上記下限に満たない場合、十分な量の鉄系析出物を形成することが困難となるおそれがある。逆に、当該汚染水処理用鉄粉における上記特定元素の合計含有量が上記上限を超える場合、当該汚染水処理用鉄粉の製造コストが不必要に増大するおそれがある。
当該汚染水処理用鉄粉の鉄系析出物における上記特定元素の合計含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。上記特定元素の合計含有量が上記下限未満であると、汚染水中の重金属類及びフッ素の除去効率が不十分となるおそれがある。一方、上記特定元素の合計含有量は、特に限定されず、除去対象となる汚染水の成分等により適宜決定されるが、たとえば50質量%とできる。
当該汚染水処理用鉄粉の粒子内の平均空隙率の上限としては、5%が好ましく、3%がより好ましい。一方、当該汚染水処理用鉄粉の粒子内の平均空隙率の上限としては特に限定されず、物理的な限界値として0%である。当該汚染水処理用鉄粉の粒子内の平均空隙率が上記上限を超える場合、水アトマイズ法によって製造することが難しくなるため、全体組成及び鉄系析出物の含有量を調節することが困難となるおそれがある。つまり、当該汚染水処理用鉄粉は、平均空隙率を上記上限以下にすることによって、水アトマイズ法により比較的効率よく製造することができる。なお、空隙率は、粒子断面の電子顕微鏡観察画像における空隙の面積率として測定される。
当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均面積率の下限としては、0.8%が好ましく、1.0%がより好ましい。一方、当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均面積率の上限としては、50%が好ましく、30%がより好ましい。当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均面積率が上記下限に満たない場合、局部電池作用が不十分となることで重金属類及びフッ素を効率よく析出させることができず、汚染水中の重金属類及びフッ素を十分に除去することができないおそれがある。逆に、当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均面積率が上記上限を超える場合、局部電池作用においてアノードとなる鉄基材の面積が相対的に小さくなることで、汚染水中の重金属類及びフッ素を十分に除去することができないおそれがある。なお、当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均面積率は、画像解析ソフトウェアを用いて粒子断面の電子顕微鏡観察画像を鉄系析出物部分と鉄基材部分とに二値化することによって測定できる。この場合、二値化のための閾値が適宜設定されるが、電子顕微鏡観察画像における鉄系析出物と鉄基材とのコントラストは大きいため、閾値を技術常識に従って適切な範囲内で設定する限り、二値化に起因する測定誤差は十分に小さい。
当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均径(円相当径)の下限としては、0.1μmが好ましく、0.15μmがより好ましい。一方、当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均径の上限としては、10μmが好ましく、1μmがより好ましい。当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均径が上記下限に満たない場合、局部電池作用が不十分となるおそれがある。逆に、当該汚染水処理用鉄粉の粒子断面における鉄系析出物の平均径が上記上限を超える場合、当該汚染水処理用鉄粉の粒子毎の重金属類及びフッ素を除去する能力にばらつきが生じ、結果として当該汚染水処理用鉄粉全体としての重金属類及びフッ素を除去する能力が不十分となるおそれがある。
<利点>
当該汚染水処理用鉄粉は、上述の鉄系析出物を粒子内に有することによって、この鉄系析出物と鉄基材との間に電位差が生じて局部電池作用により鉄基材のアノード反応が促進されることで、重金属類に加えてフッ素も粒子表面に析出させて比較的効率よく除去することができる。
[汚染水処理用鉄粉製造方法]
上述の汚染水処理用鉄粉は、本発明の一実施形態に係る汚染水処理用鉄粉製造方法によって製造することができる。
当該汚染水処理用鉄粉製造方法は、炉で溶鉄を調製する工程<調製工程>と、取鍋で溶鉄にシリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む副原料を添加する工程<添加工程>と、副原料を添加した後の溶鉄に水を噴射して粉化する工程<粉化工程>とを備える。
<調製工程>
調製工程では、例えば転炉、電気炉等の炉において溶鉄を調製する。この調製工程では、例えば脱珪、脱燐、脱炭、脱酸等の不純物を除去する公知の精錬処理を行ってもよく、溶鉄の成分を調整するために鉄以外の原料を加えてもよい。
<添加工程>
添加工程では、取鍋において、上記鉄系析出物を形成する核となる特定元素を含む副原料を添加する。このように、取鍋において副原料を添加することによって、副原料の添加から次の粉化工程までの時間を短くして、副原料中の特定元素が鉄と完全には合金化せず、溶鉄中に特定元素のクラスターが分散(微視的に特定元素が偏在)している状態で溶鉄を粉化することができると考えられる。これにより、溶鉄中に分散している特定元素のクラスターを核として鉄系析出物を形成することができる。
この添加工程では、炉から抜き出した溶鉄を貯留している取鍋に後から副原料を投入してもよいが、予め副原料を投入した取鍋に溶鉄を注ぎ入れることによって、短時間で効率よく溶鉄に副原料を添加することができる。
また、副原料は、一部が合金化して得られる汚染水処理用鉄粉の鉄基材中に取り込まれる。このため、この添加工程で添加される副原料を考慮して、先の調製工程において調製する溶鉄の組成を調節することが好ましい。逆に、副原料の添加量が同じであっても、調製工程で調製される溶鉄の組成によって形成される鉄系析出物の量や組成が変化する。このため、添加工程において溶鉄に添加する副原料の種類及び量は、調製工程で調製される溶鉄の組成を考慮して選択することが好ましい。
(副原料)
副原料としては、例えばフェロシリコン、フェロマンガン、リン鉄、硫化鉄、フェロクロム等の特定元素と鉄との化合物が好適に用いられる。これらの副原料は、一部又は全部が、調製工程において精錬処理に用いられる処理剤又は溶鋼の組成調整のために添加される材料と同じものであってもよい。
<粉化工程>
粉化工程では、水アトマイズ法により、溶鉄を微細化しつつ急速冷却して粉化する。このとき、溶鉄中に分散している特定元素のクラスターが核となり、粉体粒子内に鉄系析出物を形成することで、当該汚染水処理用鉄粉が得られると考えられる。
水アトマイズ法では、溶鉄を流下し、流下している溶鉄に水を噴射することにより、溶鉄を微細化すると共に急速冷却して鉄粉を得る。溶鉄に噴射する水の量及び圧力を調節することによって、得られる鉄粉の粒径を調節することができる。
<利点>
当該汚染水処理用鉄粉製造方法は、上記調製工程、上記添加工程及び上記粉化工程を備え、添加工程において、取鍋の中で溶鉄に特定元素を含む副原料を添加するので、副原料が完全に分散する前に粉化工程を行って、鉄系析出物を鉄粉粒子内に均一に分散して形成することができる。このため、当該汚染水処理用鉄粉製造方法によって得られる汚染水処理用鉄粉は、鉄系析出物と鉄基材との局部電池作用によって汚染水中の重金属類及びフッ素を鉄粉表面に析出させて効率よく除去することができる。
また、当該汚染水処理用鉄粉製造方法は、添加工程において、取鍋の中で溶鉄に副原料を添加するので、調製工程を行う炉の耐火物の融点が副原料により低下することを防止できる。このため、当該汚染水処理用鉄粉製造方法は、製錬工程を行う炉の耐火物の劣化が比較的小さく、冷却や保全のための停止時間を抑制して生産効率を向上できる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
本発明に係る汚染水処理用鉄粉は、上述の汚染水処理用鉄粉製造方法によって製造されるものに限定されない。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
<試作例1>
電気炉で鉄原料を溶解して鉄原料比0.1質量%のフェロマンガンを投入して不純物を除去することにより調製された溶鉄全量を予め鉄原料比0.1質量%のフェロマンガンを投入しておいた取鍋に取り出してから、水アトマイズ法により粉化することで、平均粒径90μmの汚染水処理用鉄粉の試作例1を得た。なお、「平均粒径」は、JIS−Z8801(2006)に規定されるふるいを用いた乾式ふるい分け試験により測定した「粒度分布」からロジンラムラー分布で近似することにより算出した。
<試作例2>
電気炉で鉄原料を溶解して鉄原料比0.2質量%のフェロマンガンを投入して不純物を除去することにより調製された溶鉄全量を予め鉄原料比0.1質量%のフェロマンガン及び鉄原料比0.8質量%の硫化鉄を投入しておいた取鍋に取り出してから、水アトマイズ法により粉化することで、平均粒径92μmの汚染水処理用鉄粉の試作例2を得た。
<試作例3>
電気炉で鉄原料を溶解して鉄原料比3.5質量%の硫化鉄を投入して不純物を除去することにより調製された溶鉄全量を予め鉄原料比0.1質量%のフェロマンガン及び鉄原料比0.3質量%の硫化鉄を投入しておいた取鍋に取り出してから、水アトマイズ法により粉化することで、平均粒径88μmの汚染水処理用鉄粉の試作例3を得た。
汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3中の微量元素の含有量を測定した。具体的には、C及びSの含有量を赤外線吸収法により測定し、Si、Mn及びPの含有量をICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析法により測定した。この結果を次の表1に示す。
Figure 2020066778
また、汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3を樹脂で固めた試料をダイアモンド砥粒で1μm研磨することにより、汚染水処理用鉄粉の粒子を切断した。そして、この粒子断面をFEI社製の「Quanta200FEG」を用いて撮影した。走査型電子顕微鏡の設定は、電圧15.0kV、レンズから物体面までの作動距離10mmとし、BSE(反射電子像)を取得した。また、電子像の取得にあたり、コントラストは90程度、ブライトネスは40程度の設定とした。さらに、この電子顕微鏡画像を三谷商事社の画像解析ソフト「WIN−ROOF ver5.5.0」を用い、256階調(0〜255)での輝度範囲80以上175以下の画素を鉄系析出物領域として抽出する二値化処理を行い、ノイズ除去(設定値0.001)及び穴埋め処理を行って鉄系析出物の面積率を算出した。
また、上記試料の断面の鉄系析出物部分の組成をエネルギー分散型X線分析(EDX)により分析した。具体的には、各試料の中から粒子径が異なる3つの粒子を選択して、各粒子内の3つの鉄系析出物についてエネルギー分散型X線分析を行ない、各汚染水処理用鉄粉の試作品の粒度分布に基づいて加重平均することによって、鉄系析出物の組成を算出した。
次の表2に、汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3の鉄系析出物の面積率及び鉄系析出物に組成を示す。なお、表中の「−」は、その元素が検出されなかったことを意味する。
Figure 2020066778
試験用汚染水として、As濃度を1mg/Lに調整したヒ酸水素二ナトリウム七水和物水溶液、Se濃度を1mg/Lに調整したセレン酸ナトリウムの水溶液、Cr濃度を1mg/Lに調整した二クロム酸カリウムの水溶液、Pb濃度を1mg/Lに調整した硝酸鉛の水溶液、Cd濃度を1mg/Lに調整した硝酸カドミウムの水溶液、及びF濃度を1mg/Lに調整したフッ化ナトリウムの水溶液を用意した。
上記試験用汚染水に汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3を0.1質量%加え、室温で24時間連続振とう(200rpm、振とう幅は3〜5cm)した後、目開き0.45μmのフィルターで濾過してから、溶液中の汚染元素(除去対象となる重金属又はフッ素)の濃度を測定する汚染水処理試験を行った。汚染元素の濃度は、JIS−K0102(2016)に準拠して測定した。
次の表3に、汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3による処理後の各試験用汚染水の残留汚染元素の濃度の測定結果を示す。
Figure 2020066778
上記残留汚染元素の濃度の測定結果から、汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3による各汚染元素の除去率を算出し、これをまとめて図2に示す。
このように、鉄系析出物を有する汚染水処理用鉄粉の試作例1〜3は、試験用汚染水中の重金属類及びフッ素を除去することができた。中でも粒子断面における鉄系析出物の面積率が比較的大きい汚染水処理用鉄粉の試作例2,3は、比較的除去が困難なクロム、カドミウム及びフッ素についても十分に大きい除去率を得ることができた。
本発明に係る汚染水処理用鉄粉及び本発明に係る汚染水処理用鉄粉製造方法によって得られる汚染水処理用鉄粉は、汚染水の浄化に広く利用することができる。

Claims (4)

  1. 汚染水中の重金属類を除去する汚染水処理用鉄粉であって、
    鉄を主成分とし、シリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む鉄系析出物を粒子内に有することを特徴とする汚染水処理用鉄粉。
  2. 粒子断面における上記鉄系析出物の平均面積率が0.8%以上50%以下である請求項1に記載の汚染水処理用鉄粉。
  3. 粒子内の平均空隙率が5%以下である請求項1又は請求項2に記載の汚染水処理用鉄粉。
  4. 汚染水中の重金属類を除去する汚染水処理用鉄粉の製造方法であって、
    炉で溶鉄を調製する工程と、
    取鍋で上記溶鉄にシリコン、マンガン、リン、硫黄及びクロムの少なくとも1種を含む副原料を添加する工程と、
    上記添加後の上記溶鉄に水を噴射して粉化する工程と
    を備えることを特徴とする汚染水処理用鉄粉製造方法。



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