JP2020055442A - 軸受ユニットとこれを備えたサスペンションマウント、及びこのサスペンションマウントを備えたサスペンション - Google Patents

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四郎 田村
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Abstract

【課題】ばね下重量が大きい場合であっても、自動車用サスペンションの作動トルクを低減化すると共に、サスペンションマウントの軸受ユニットにおけるシール性能とスプリング経由の振動抑制効果の向上を図る。【解決手段】本発明に係る軸受ユニット24は、第一軌道輪28と、第二軌道輪29と、第一軌道輪28と第二軌道輪29との間に配設される複数の転動体30とを備えると共に、各軌道輪28,29の外側を覆うブーツ31をさらに備える。このブーツ31は、第一軌道輪28を第二軌道輪29に連結している。【選択図】図3

Description

本発明は、軸受ユニットとこれを備えたサスペンションマウント、及びこのサスペンションマウントを備えたサスペンションに関する。
自動車用サスペンションのダンパーやスプリングを車体に連結するためのサスペンションマウントには、転舵時におけるスプリング側の相対回転(ねじれ)を許容するための軸受ユニットが組み込まれている。この軸受ユニットは、通常、スラストタイプの軸受ユニットであり、例えば上側軌道輪と下側軌道輪、及び上側軌道輪と下側軌道輪との間に配設される複数の転動体とで構成される。また、この種の軸受ユニットに適用されるシール構造としては、ラビリンス型とシールリップ型とがそれぞれ知られている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。
ところで、上記軸受ユニットが組み込まれるサスペンションマウントは、路面から飛散する泥水に曝される環境下で使用される。そのため、上記軸受ユニットのシール構造には、高い密封性が求められている。一方で、この種のサスペンションには、転舵時における作動トルク(転舵に必要なトルク)の低減化に対する要求があり、摺動抵抗の低減化が課題として存在する。ここで、ラビリンス型のシール構造を適用した場合、摺動抵抗の点ではシールリップ型よりも優れる反面、密封性の点ではシールリップ型に劣るといった問題がある。一方、シールリップ型のシール構造を適用した場合、密封性の点ではラビリンス型よりも優れる反面、摺動抵抗の点ではラビリンス型に劣るといった問題がある。
以上の問題を踏まえて、本願出願人は、特許文献3に記載のように、新たなシール構造を備えたサスペンションマウント用の軸受ユニットを提案している。この軸受ユニットは、半径方向又は軸方向に移動可能なシーリングエレメントを有し、隣接するアッパートップカバー又はアッパースプリングシートとの間に一定の隙間を保持する構造を有する。この構造により、優れたシール性能を示しつつも、作動トルクを低く抑えることを可能としている。
特開2000−145800号公報 特開2008−175349号公報 特開2014−54984号公報
ところで、最近では、車輪用ホイールの内側領域にモータを配置して、このモータで車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置の開発が進められており、電気自動車などの量産品への導入が検討されている。このようにインホイールモータ駆動装置を導入する場合、ばね下重量の増加により、サスペンションマウントに組み込まれる軸受ユニットの変形が避けられず、またスプリングを経由して車体側に伝わる振動も増大する。そのため、現行品以上に高いシール性能並びに振動抑制効果が要求される。
以上の実情に鑑み、本明細書では、ばね下重量が大きい場合であっても、自動車用サスペンションの作動トルクを低減化すると共に、サスペンションマウントの軸受ユニットにおけるシール性能とスプリング経由の振動抑制効果の向上を図ることを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る軸受ユニットによって達成される。すなわち、この軸受ユニットは、自動車用のサスペンションマウントに用いられる軸受ユニットであって、第一軌道輪と、第二軌道輪と、第一軌道輪と第二軌道輪との間に配設される複数の転動体とを備えた軸受ユニットにおいて、各軌道輪の外側を覆うブーツをさらに備え、かつブーツが第一軌道輪を第二軌道輪に連結している点をもって特徴付けられる。
このように、本発明に係る軸受ユニットでは、各軌道輪の外側を覆うブーツを新たに設け、かつこのブーツで軌道輪同士を連結した構造とした。このようにブーツで軌道輪の外側を覆うシール構造とすることで、軸受ユニットのシール性能を高めることができる。また、ブーツで軌道輪同士を連結することで軸受内部空間をシールしているので、軸受ユニットを構成する部材が変形したとしても、連結状態を維持することで、シール性を高レベルに保つことができる。また、本構成に係るシール構造であれば、シールリップのような摺動部分がないため、作動トルクを低く抑えることができる。また、シール隙間もないため、シール隙間に関連する部材に高い寸法精度を求めなくてもよい。そのため、例えば軌道輪を保持する部材をゴムなど振動抑制効果の高い材質に変更することができる。これにより、弾性部材(ゴムブッシュ)のうち軸受ユニットと車体連結部材の間に介在する部分の厚み寸法を変えなくても、スプリングを経由した振動の抑制効果を高めることが可能となる。また、ブーツであれば、他の構成要素(軌道輪やその保持部材など)に比べて設計自由度が高いので、例えばブーツに変形し易い部分を設けることで、転舵に伴うねじれ変形をブーツで優先的に吸収することができる。そのため、上下の軌道輪同士をブーツで連結した構成であっても、正常な転舵動作並びに軸受性能を阻害する心配はない。以上より、本発明によれば、作動トルクを低く抑えつつも、優れたシール性及び振動抑制効果を得ることが可能となる。
また、本発明に係る軸受ユニットにおいて、ブーツは、ゴムで形成されてもよい。
このようにブーツをゴムで形成することによって、ブーツをより変形し易くさせることができる。よって、転舵に伴うねじれ変形をブーツでより効果的に吸収させることができ、正常な転舵動作並びに軸受性能を確保することが可能となる。また、ブーツをゴムで形成することにより、ブーツ自体の振動抑制効果を高めることができるので、軸受ユニット全体の振動抑制効果をさらに高めることが可能となる。
また、本発明に係る軸受ユニットにおいて、ブーツは、円周方向に伸縮可能な伸縮部を有してもよい。
上記構成によれば、転舵に伴い軸受ユニットに入力されるねじれ変形の大部分をブーツの伸縮部で吸収させることができる。よって、ブーツと軌道輪との連結部における変形を確実に防止して、優れたシール性能を長期にわたって発揮させることが可能となる。
また、ブーツが伸縮部を有する場合、伸縮部は、蛇腹形状をなすものであってもよい。
上記構成によれば、ブーツの一部を薄肉化して伸縮可能に構成する必要がないため、伸縮部の肉厚を一定の大きさに保つことができる。これにより、伸縮部の強度を高めて、ブーツの耐久性を高めることができる。
また、本発明に係る軸受ユニットは、第一軌道輪を保持する第一ケーシングをさらに備えてもよく、また、その場合、ブーツと第一ケーシングとが、ゴムで一体に形成されてもよい。
このように第一軌道輪とブーツとの間に第一ケーシングを介在させることで、軌道輪とブーツを容易に連結することができる。また、ゴムで形成される部材が増えることで、振動抑制効果をさらに高めることができる。
また、本発明に係る軸受ユニットは、第二軌道輪を保持する第二ケーシングをさらに備えてもよく、また、その場合、ブーツが、第二ケーシングに連結されてもよい。
このように第二軌道輪とブーツとの間に第二ケーシングを介在させることによっても、軌道輪とブーツを容易に連結することができる、
また、ブーツが第二ケーシングに連結される場合、アッパースプリングシートと第二ケーシングとが、ゴムで一体に形成されてもよい。
このように、サスペンションのスプリングを車体側で受けるアッパースプリングシートを、第二ケーシングとゴムで一体に形成することで、アッパースプリングシートと第二ケーシング、及びブーツをすべてゴムで形成することができる。これにより、スプリングを介して軸受ユニットに伝達される振動をより効果的に抑制することが可能となる。
また、以上の説明に係る軸受ユニットは、低作動トルクでありながら、優れたシール性能とスプリング経由の振動抑制効果を兼ね備えることから、例えば上記軸受ユニットと、軸受ユニットの第一軌道輪を車体に連結する車体連結部材と、第一軌道輪と車体連結部材との間に配設される弾性部材とを備えたサスペンションマウントとして好適に提供可能である。あるいは、上記サスペンションマウントと、ダンパーと、スプリングとを備えたサスペンションとしても好適に提供可能である。
また、本発明に係る軸受ユニットが上記構成のサスペンションとして提供される場合、スプリングの車体から遠い側にインホイールモータ駆動装置が連結されていてもよい。
このようにスプリングの車体から遠い側、すなわち車輪側にインホイールモータ駆動装置を連結した構造をとることで、インホイールモータ駆動装置の駆動に起因して生じた振動をより効果的に抑制することが可能となる。
以上述べたように、本発明によれば、ばね下重量が大きい場合であっても、自動車用サスペンションの作動トルクを低減化すると共に、サスペンションマウントの軸受ユニットにおけるシール性能とスプリング経由の振動抑制効果の向上を図ることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るサスペンションの断面図である。 図1に示すサスペンションマウントの断面図である。 図1及び図2に示す軸受ユニットの断面図である。 本発明の第二実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 本発明の第三実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 本発明の第四実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 図6に示すブーツのA−A断面図である。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るサスペンション10の要部の構成を示す断面図である。図1に示すように、このサスペンション10は、自動車の車体11に対して車輪12を独立懸架して支持する方式(具体的にはストラット式)で、本実施形態では、インホイールモータ駆動装置13を搭載した車輪12を懸架可能としている。ここで、サスペンション10は、ダンパー14と、ダンパー14と同軸に配置されるコイルスプリング15と、図示しない所定のアーム部材と、ダンパー14及びコイルスプリング15を車体11に取付けるサスペンションマウントとしてのストラットマウント16とを主に備える。
ダンパー14は、本実施形態では、単筒高圧式のダンパーであり、相互に軸方向に移動可能なシリンダー17及びロッド18を有する。また、ロッド18のピストン部18aとシリンダー17との間、及びシリンダー17の開口部17aとロッド18との間にはそれぞれシール部19,20が配設されており、シリンダー17とロッド18とが、相互に摺動を伴って軸回転可能に構成されている。
また、本実施形態では、シリンダー17の外周に、コイルスプリング15の下端部15aを受けるための金属製のロアスプリングシート21が設けられると共に、シリンダー17の下端に、インホイールモータ駆動装置13と連結するモータ連結部材22が設けられている。
次に、ストラットマウント16の構成について、図2を参照して説明する。
ストラットマウント16は、ダンパー14の車体11側が取付けられる金属製の取付け部材23と、コイルスプリング15の車体11側を回転可能に支持する軸受ユニット24と、内側に取付け部材23が固定され、外側に軸受ユニット24が固定される弾性部材としてのゴムブッシュ25と、ゴムブッシュ25を介して取付け部材23及び軸受ユニット24を車体11に連結する金属製の車体連結部材26とを備える。
取付け部材23は、例えば略筒状をなし、ゴムブッシュ25の内側に固定される。取付け部材23には穴部23aが設けられており、この穴部23aにはダンパー14の上端部となるロッド18の上端部18bが挿通されている。そして、ロッド18の上端部18bが任意の手段で取付け部材23に取付けられる。本実施形態では、ロッド18の上端部18bと取付け部材23との間に、ラジアル軸受27が配設されており、その内輪27aをロッド18の上端部18bに固定し、その外輪27bを取付け部材23に固定することにより、ロッド18をラジアル軸受27で回転支持可能としている。なお、図示は省略するが、ラジアル軸受27に代えてスラスト軸受を採用してもよい。また、場合によっては、ラジアル軸受27などの軸受を介在させることなくロッド18の上端部18bを取付け部材23に直接固定してもよい。
図3は、軸受ユニット24の半径方向片側の断面図を示している。図3に示すように、軸受ユニット24は、例えばスラスト軸受で構成され、第一軌道輪としての上側軌道輪28と、第二軌道輪としての下側軌道輪29と、複数の転動体30と、ブーツ31とを有する。本実施形態では、軸受ユニット24は、上側軌道輪28を保持する第一ケーシング32と、下側軌道輪29を保持する第二ケーシング33とをさらに有する。なお、図示は省略するが、軸受ユニット24は、転動体30を保持する保持器をさらに有してもよい。
本実施形態では、第一ケーシング32がゴムブッシュ25を介して車体連結部材26に固定されると共に、第二ケーシング33がアッパースプリングシート34に固定されている。アッパースプリングシート34は、コイルスプリング15の上端部15bを受けている。これにより、コイルスプリング15の車体11側がアッパースプリングシート34を介して軸受ユニット24で回転支持される。言い換えると、コイルスプリング15の車体11側と車体連結部材26との間で円周方向の相対変位が可能なように、コイルスプリング15の車体11側が軸受ユニット24で支持される。また、コイルスプリング15に作用した荷重が軸受ユニット24、ゴムブッシュ25を介して、車体連結部材26に伝達され得る。
ここで、ブーツ31は、上側軌道輪28及び下側軌道輪29の外側を覆うと共に、双方の軌道輪28,29同士を連結するもので、本実施形態では、筒状をなし上側軌道輪28及び下側軌道輪29の外側に位置する本体部35と、本体部35を第二ケーシング33に連結する連結部36と、本体部35と連結部36との間に設けられるねじれ変形吸収部37とを有する。これら本体部35と連結部36、及びねじれ変形吸収部37は何れもゴムで一体に形成されている。また、本実施形態では、上記構成のブーツ31と第一ケーシング32とがゴムで一体に形成されると共に、アッパースプリングシート34と第二ケーシング33とがゴムで一体に形成されている。この場合、双方の軌道輪28,29、転動体30、ブーツ31、第一及び第二ケーシング32,33、及びアッパースプリングシート34で軸受ユニット24が構成される。
ねじれ変形吸収部37は、コイルスプリング15の中心軸線(ここでは軸受ユニット24の回転軸線)まわりのねじれ変形を吸収可能なように構成される。本実施形態では、ねじれ変形吸収部37は、本体部35の下端から内側に折り返した形態をなす折り返し部38で構成されており、折り返し部38の内径側の上端部38aが連結部36とつながっている。
上記構成のブーツ31と上側軌道輪28とは、例えば加硫接着で相互に固定される。また、ゴムでアッパースプリングシート34と一体に形成した第二ケーシング33と下側軌道輪29とは、例えば加硫接着で相互に固定される。もちろん、十分な固定力が得られる限りにおいて、固定手段は任意である。
上記構成を成すストラットマウント16及びこのストラットマウント16を備えたサスペンション10によれば、コイルスプリング15に作用した荷重の伝達経路をダンパー14に作用した荷重の伝達経路から分離可能としたので、インホイールモータ駆動装置13を含むばね下部分(本実施形態ではシリンダー17、インホイールモータ駆動装置13、車輪12)を懸架しつつも、ばね下から車体11に伝わる振動を効果的に抑制することが可能となる。
また、上記構成のストラットマウント16に組込まれる本発明の軸受ユニット24では、各軌道輪28,29の外側を覆うブーツ31を新たに設け、かつこのブーツ31で軌道輪28,29同士を連結した構造とした。このようなシール構造とすることで、ブーツ31により転動体30が保持される各軌道輪28,29間の空間が密封状態でシールされるので、軸受ユニット24のシール性能を高めることができる。また、ブーツ31で軌道輪28,29同士を連結することで軸受内部空間をシールしているので、軸受ユニット24を構成する部材、本実施形態でいえば第一及び第二ケーシング32,33が変形したとしても、連結状態を維持することで、シール性を高レベルに保つことができる。また、本構成に係るシール構造であれば、シールリップのような摺動部分がないため、作動トルクを低く抑えることができる。また、シール隙間もないため、第一及び第二ケーシング32,33に高い寸法精度を求めなくてもよい。そのため、これら第一及び第二ケーシング32,33をゴムなど振動抑制効果の高い材質で形成することができる。これにより、ゴムブッシュ25のうち軸受ユニット24と車体連結部材26の間に介在する部分25a(図2及び図3を参照)の厚み寸法を変えなくても、コイルスプリング15を経由した振動の抑制効果を高めることが可能となる。以上より、本発明によれば、作動トルクを低く抑えつつも、優れたシール性及び振動抑制効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、第二ケーシング33をアッパースプリングシート34とゴムで一体に形成したので、アッパースプリングシート34と第一及び第二ケーシング32,33、及びブーツ31をすべてゴムで形成することができる。これにより、コイルスプリング15、さらには軸受ユニット24を介して車体11側に伝達される振動をより効果的に抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る軸受ユニット24では、ブーツ31の本体部35と連結部36との間にねじれ変形吸収部37を設けた。これにより、コイルスプリング15の車体11側に生じるねじれ変形をブーツ31の一部(ねじれ変形吸収部37)で優先的に吸収することができる。これにより、本体部35及び連結部36に過度な変形が生じる事態を防止して、良好なシール性能を維持することが可能となる。
また、本実施形態では、ねじれ変形吸収部37を、本体部35の下端から内側に折り返した形態をなす折り返し部38で構成した。このように構成することで、ブーツ31のうち、ねじれ変形を優先的に生じる部分の容積(表面積)を大幅に増加させることができる。これにより、ねじれ変形の大部分を折り返し部38で吸収することができ、あるいはより大きなねじれ変形を効果的に折り返し部38で吸収することができる。従って、連結部36に過度な変形が生じる事態をより確実に防止して、良好なシール性能を維持することが可能となる。
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明に係る軸受ユニットとこの軸受ユニットを備えたサスペンションマウント、及びサスペンションは、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば上記実施形態では、ブーツ31のねじれ変形吸収部37を、筒状をなす本体部35の下端から内側に折り返してなる折り返し部38で構成した場合を例示したが、ねじれ変形吸収部37は、これ以外の形態をとることも可能である。図4は、その一例(本発明の第二実施形態)に係る軸受ユニット40の要部断面図である。本実施形態に係る軸受ユニット40は、ブーツ41のねじれ変形吸収部42を、本体部35に比べて薄肉の薄肉部43をその自重でたわませて成るたわみ部44で構成している。よって、この場合、図4中の二点鎖線で示すように、薄肉部43の一端部(本体部35と反対側の端部)とつながる連結部36を第二ケーシング33から取り外した状態では、薄肉部43は、下方に垂れ下がる程度の厚み寸法に設定されている。
このように、本実施形態に係る軸受ユニット40では、ブーツ41のねじれ変形吸収部42を、薄肉部43を自重でたわませて成るたわみ部44で構成したので、ブーツ41に作用するねじれ変形をより効果的に吸収することができる。従って、この構成によっても、本体部35及び連結部36に過度な変形が生じる事態をより確実に防止して、良好なシール性能を維持することが可能となる。
図5は、本発明の第三実施形態に係る軸受ユニット50の要部断面図である。本実施形態に係る軸受ユニット50は、ブーツ51のねじれ変形吸収部52を、本体部35に比べて剛性の低い、言い換えると変形しやすい材質からなる軟質部53で形成している。軟質部53の形状は任意であり、図5では第一実施形態と同様の形状(折り返し部38となる形状)をとっている。すなわち、本実施形態に係るブーツ51は、相対的に剛性の高い本体部35及び連結部36と、相対的に剛性の低い軟質部53からなるねじれ変形吸収部52とを一体的に有する。
このように、本実施形態に係る軸受ユニット50では、ブーツ51のねじれ変形吸収部52を、本体部35に比べて剛性の低い材質からなる軟質部53で形成したので、ブーツ51のうち軟質部53で形成されるねじれ変形吸収部52をより積極的にねじれ変形させることができる。従って、この構成によっても、本体部35及び連結部36に過度な変形が生じる事態をより確実に防止して、良好なシール性能を維持することが可能となる。
図6は、本発明の第四実施形態に係る軸受ユニット60の要部断面図である。本実施形態に係る軸受ユニット60は、ブーツ61のねじれ変形吸収部62を、円周方向の伸縮部63で構成している。この伸縮部63は、図7に示すように、ブーツ61の円周方向に伸縮可能な構造を成すものであり、例えば半径方向寸法が相対的に大きな山部63aと、半径方向寸法が相対的に小さな谷部63bとを円周方向で交互に連ねてなる。言い換えると、この場合、伸縮部63は、円周方向に伸縮可能な蛇腹形状を成している。
このように、本実施形態に係る軸受ユニット60によれば、転舵に伴い軸受ユニット60に入力されるねじれ変形の大部分をブーツ61の伸縮部63で吸収させることができる。よって、ブーツ61の本体部35及び連結部36における変形を確実に防止して、優れたシール性能を長期にわたって発揮させることが可能となる。特に、図7に示すように、伸縮部63を蛇腹形状にすることで、ブーツ61の一部を薄肉化して伸縮可能に構成する必要がないため、伸縮部63の肉厚を一定の大きさに保つことができる。これにより、伸縮部63の強度を高めて、ブーツ61の耐久性を高めることができる。
なお、以上の実施形態では、ねじれ変形吸収部37,42,52,62をそれぞれ構成する折り返し部38、たわみ部44、軟質部53、及び伸縮部63を何れも円周方向の全域にわたって設けた場合を例示したが、もちろんこれには限定されない。例えば上述したねじれ変形吸収部37,42,52,62の各構成要素を円周方向の一部領域に設けることも可能である。また、その際の配置態様についても特に限定されず、例えば複数の折り返し部38を円周方向に沿って断続的に設けることも可能である。このようにすることで、例えば図3に示す形態の軸受ユニット24の組立て時、ブーツ31の折り返し部38を容易に外側に押し開いた状態で下側軌道輪29と、アッパースプリングシート34を一体化した第二ケーシング33との一体品を下方から組み込むことができる。
もちろん、上述したねじれ変形吸収部37,42,52,62の構成は何れも例示に過ぎず、コイルスプリング15を経由して伝達されるねじれ変形を吸収可能な限りにおいて、本発明に係るねじれ変形吸収部は任意の形態をとり得る。
また、以上の実施形態では、第一軌道輪としての上側軌道輪28を保持する第一ケーシング32とブーツ31,41,51,61を一体的に形成し、ブーツ31,41,51,61の連結部36を第二軌道輪としての下側軌道輪29を保持する第二ケーシング33に連結した場合を例示したが、第二ケーシング33と別体に形成したアッパースプリングシート34に連結部36を連結してもよいし、下側軌道輪29に連結してもよい。あるいは、図示は省略するが、第二ケーシング33と一体にブーツ31,41,51,61を形成し、その連結部をブーツ31,41,51,61と別体に形成した第一ケーシング32又は上側軌道輪28に連結してもよい。もちろん、第一ケーシング32と第二ケーシング33の少なくとも一方を省略して、ブーツ31を上側軌道輪28と下側軌道輪29の少なくとも一方と直接連結した構造をとることも可能である。
また、各構成要素の材質についても任意であり、例えばブーツ31,41,51,61をゴムに代えて軟質の樹脂などゴム以外の材料で形成することが可能である。同様に、第一及び第二ケーシング32,33やアッパースプリングシート34についてもその材質は任意であり、振動抑制効果が確保できる範囲において、軟質の樹脂などゴム以外の材料で形成することが可能である。
なお、以上の実施形態では、コイルスプリング15の車体11側を支持する軸受ユニット24,40,50,60として、スラスト玉軸受を適用した場合を例示したが、これ以外の種類のスラスト軸受を適用することも可能である。また、スラスト荷重の負荷容量の点で特に問題ないようであれば、ラジアル軸受を適用することも可能である。
また、以上の実施形態では、コイルスプリング15から車体11に至る荷重の伝達経路とダンパー14から車体11に至る荷重の伝達経路とが分離している形式、いわゆる入力分離型のサスペンションマウント(ストラットマウント16)に本発明に係る軸受ユニット24,40,50,60を適用した場合を例示したが、本発明は、コイルスプリング15から車体11に至る荷重の伝達経路とダンパー14から車体11に至る荷重の伝達経路とが一本化されている形式、いわゆる入力一体型のサスペンションマウントに組込まれる軸受ユニットに適用することも可能である。
また、以上の実施形態では、ダンパー14のシリンダー17にモータ連結部材22を設けて、ダンパー14を直接的にインホイールモータ駆動装置13に連結した場合を例示したが、もちろんこれ以外の連結形態を採ることも可能である。例えば図示は省略するが、サスペンション10を構成する所定のアーム部材にダンパー14を連結することも可能である。
また、以上の実施形態では、インホイールモータ駆動装置13を搭載した車輪12を懸架するサスペンション10を例示したが、もちろん本発明は、インホイールモータ駆動装置13のない車輪12を懸架する場合にも適用可能である。
10 サスペンション
11 車体
12 車輪
13 インホイールモータ駆動装置
14 ダンパー
15 コイルスプリング
15a 下端部
15b 上端部
16 ストラットマウント
17 シリンダー
17a 開口部
18 ロッド
18a ピストン部
18b 上端部
19,20 シール部
21 ロアスプリングシート
22 モータ連結部材
23 取付け部材
23a 穴部
24,40,50,60 軸受ユニット
25 ゴムブッシュ
25a 車体連結部材と軸受ユニットとの間に介在する部分
26 車体連結部材
27 ラジアル軸受
27a 内輪
27b 外輪
28 上側軌道輪
28,29 軌道輪
30 転動体
31,41,51,61 ブーツ
32 第一ケーシング
33 第二ケーシング
34 アッパースプリングシート
35 本体部
36 連結部
37,42,52,62 ねじれ変形吸収部
38 折り返し部
38a 上端部
43 薄肉部
44 たわみ部
53 軟質部
63 伸縮部
63a 山部
63b 谷部

Claims (10)

  1. 自動車用のサスペンションマウントに用いられる軸受ユニットであって、
    第一軌道輪と、第二軌道輪と、前記第一軌道輪と前記第二軌道輪との間に配設される複数の転動体とを備えた軸受ユニットにおいて、
    前記各軌道輪の外側を覆うブーツをさらに備え、かつ
    前記ブーツが前記第一軌道輪を前記第二軌道輪に連結していることを特徴とする軸受ユニット。
  2. 前記ブーツは、ゴムで形成される請求項1に記載の軸受ユニット。
  3. 前記ブーツは、円周方向に伸縮可能な伸縮部を有する請求項1又は2に記載の軸受ユニット。
  4. 前記伸縮部は、蛇腹形状をなす請求項3に記載の軸受ユニット。
  5. 前記第一軌道輪を保持する第一ケーシングをさらに備え、
    前記ブーツと前記第一ケーシングとが、ゴムで一体に形成される請求項1〜4の何れか一項に記載の軸受ユニット。
  6. 前記第二軌道輪を保持する第二ケーシングをさらに備え、
    前記ブーツが、前記第二ケーシングに連結される請求項1〜5の何れか一項に記載の軸受ユニット。
  7. アッパースプリングシートと前記第二ケーシングとが、ゴムで一体に形成される請求項6に記載の軸受ユニット。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の軸受ユニットと、前記軸受ユニットの前記第一軌道輪を前記車体に連結する車体連結部材と、前記第一軌道輪と前記車体連結部材との間に配設される弾性部材とを備えたサスペンションマウント。
  9. 請求項8に記載のサスペンションマウントと、ダンパーと、スプリングとを備えたサスペンション。
  10. 前記スプリングの前記車体から遠い側にインホイールモータ駆動装置が連結されている請求項9に記載のサスペンション。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113799868A (zh) * 2020-06-17 2021-12-17 现代自动车株式会社 车辆的转弯模块

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