JP2020053641A - 光発電繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

光発電繊維構造物およびその製造方法 Download PDF

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Naoki Asai
直希 浅井
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悟 下村
典子 長井
Noriko Nagai
典子 長井
竹田 恵司
Keiji Takeda
恵司 竹田
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Abstract

【課題】本発明は外観や見栄えを重視した光起電力素子と繊維の複合体である光発電繊維構造物を提供することを課題とする。具体的には、高級感が有り、柔軟性に富み自由な形に変形が可能で、より付加価値の高い光発電繊維構造物とその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】繊維構造物と光起電力素子からなり、該光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設けてなり、該繊維構造物で光起電力素子が挟まれ担持されている光発電繊維構造物。【選択図】なし

Description

本発明は、光発電繊維構造物、その製造方法に関する。
太陽電池は、環境にやさしい電気エネルギー源であり、現在深刻さを増すエネルギー問題に対する有力なエネルギー源として注目されている。
一方、電子機器は小型化、軽量化に伴い、電車や車での移動時に屋外に持ち出して、使用する事が多くなっている。これらの電子機器は、電池やバッテリーが切れると使用できなくなることから、電子機器を屋外で使用する場合には、屋外においても電力を確保できるようになることが望まれている。
例えば、太陽電池を上着や帽子等の衣類に取付け、屋外においても電力を確保できるようにする試みが行われている。
特許文献1には、可撓性基板上に推積されてなる薄膜太陽電池の裏面に衣服と着脱可能に取付けると共に、該薄膜太陽電池と衣服のポケット内部に設置された2次電池とをリード線で接続した構造をなす、太陽電池付き衣服が開示されている。
特許文献2には、衣類に透明なポケットを設け、太陽電池を着脱可能とし、着心地がよく、外観や見栄えに優れた太陽電池付き衣類が開示されている。
特許文献3には、鞄に透明なポケットを設け、メンテナンス性に優れ、外観及び見栄えの良好な太陽電池付き鞄が開示されている。
実開平2−33211号公報 特開2014−38980号公報 特開2014−36795号公報
太陽電池を衣服や鞄に取り付ける試みは、従来から行われているが、衣服にポケットを設置し、そのポケットにシート型太陽電池を取り付けるため、外観や見栄えに支障があるものであった。
かかる状況に鑑み、本発明は外観や見栄えを重視した光起電力素子と繊維の複合体である光発電繊維構造物を提供することを課題とする。具体的には、高級感が有り、柔軟性に富み自由な形に変形が可能で、より付加価値の高い光発電繊維構造物とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設け、繊維構造物で光起電力素子を挟まれた構造にすることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は下記構成を有する。
(1)繊維構造物と光起電力素子からなり、該光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設けてなり、該繊維構造物で光起電力素子が挟まれ担持されている光発電繊維構造物。
(2) 該光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の光透過率が10%以上98%以下である上記(1)に記載の光発電繊維構造物。
(3) 該光発電繊維構造物のKES測定で規定される曲げ剛性測定値が0.01×10−4N・m/m以上6×10−4N・m/m以下である上記(1)または(2)に記載の光発電繊維構造物。
(4)該光発電素子と繊維構造物の間に透明な接着剤が存在してなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光発電繊維構造物。
(5) 繊維構造物と光起電力素子からなり、該光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設けてなり、該繊維構造物で光起電力素子が挟まれ担持されている光発電繊維構造物の製造方法。
(6)該光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の光透過率が10%以上98%以下である上記(5)に記載の光発電繊維構造物の製造方法。
(7) 接着に透明な接着剤を用いる上記(5)または(6)記載の光発電繊維構造物の製造方法。
本発明の光発電繊維構造物は、外観や見栄えが良好であり、高級感が有り、柔軟性に富み自由な形に変形が可能で、より付加価値の高い素材を得られる光発電繊維構造物である。
また、本発明の光発電繊維構造物は、衣類に取り付けることにより、腕時計、携帯電話、エアーファン、エアーヒーター、ウェアラブルデバイスなどのバッテリーとして、好適に用いることができる。また、これらのバッテリーは携行容易であるので、非常用電源、山岳・海洋地帯の観測機器をはじめ、宇宙ステーション等の厳しい環境下でも好適に用いることができる。
本発明で用いる光電変換素子の一態様を示す模式図である。 本発明で用いる光電変換素子の別の態様を示す模式図である。
次に、本発明にかかる光発電繊維構造物について詳細に説明する。
本発明における繊維構造物としては、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合繊繊維のうち少なくとも一つからなるフィラメント、紡績糸、織物、編物、不織布、立毛体などを用いることができる。天然繊維としては綿、獣毛繊維、絹、麻など、再生繊維としてはセルロース系再生繊維のレーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ(銅アンモニアレーヨン)など、半合成繊維としてはセルロース系半合成繊維としてアセテート(トリアセテート)など、また合成繊維としてはポリエステル、ナイロン、アクリル、アラミドなどの各種繊維を使用することができる。
なかでも、汎用繊維の中で衣料や産業資材用途やインテリア材などに広い用途を持つ素材としてポリエステル系繊維が最も汎用性があるため、本発明ではポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維構造物を用いることがより有効である。
ポリエステル系繊維構造物としては、ポリエステル繊維のみからなるもの以外に、綿、羊毛などの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、ナイロンなどの合成繊維のうち少なくとも一つとポリエステル系繊維を混紡または交撚、交織、交編などしたものなどが含まれる。
本発明において、光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の目付は、500g/m以下であることが好ましい。500g/mより大きいと、光透過率が小さくなり、光エネルギーを十分に吸収することができない。より好ましくは、300g/m以下、さらに好ましくは、100g/m以下であり、下限としては、10g/m以上であることが好ましい。
本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の色相は、明度L* 値が100に近いほど光電変換効率高く、明度L値が0に近いほど光電変換効率は低くなる。光電変換効率を向上させるためには、明度L値が100に近い繊維構造物が好ましい、
本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物と非受光面に設けられている繊維構造物の色差ΔEは、小さいほど、理想的には0に近いほど光電力素子がわかりにくく、目立たなくなり、高級感がある光発電繊維構造物となる。通常5以下であれば、実用上目立ちにくい範囲となり、3以下であるとほぼ目立たなくなる点でより好ましい。
上記において、色差ΔEは、下記式により求められる値である。
ΔEab={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL:本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の明度L
−本発明の光起電力素子の非受光面に設けられている繊維構造物の明度L
Δa:本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の色度a
−本発明の光起電力素子の非受光面に設けられている繊維構造物の色度a
Δb* :本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の色度b
−本発明の光起電力素子の非受光面に設けられている繊維構造物の色度b
〔光起電力素子〕
本発明において光起電力素子は、光エネルギーを電気に変換する素子のことを指す。本発明の光起電力素子は、少なくとも正極、光電変換層および負極をこの順に有するものである。図1は本発明の光電変換素子の一実施形態を示す模式図である。図1に示す実施形態は、基板(1)/正極(2)/光電変換層(3)/負極(4)の順で積層されてなる光電変換素子である。また、本発明の光電変換素子は、図2に示す実施形態のように、基板(1)/負極(4)/光電変換層(3)/正極(2)の順で積層されたものであってもよい。しかしながら、本発明の光電変換素子は、図1および図2に示す態様に限定されるものではない。また、本発明の光電変換素子は、少なくとも正極、光電変換層、および負極をこの順に有している限り、各層の間に他の層を有する態様を排除するものではない。
〔基板〕
光電変換素子は、一般に、基板上に各層を形成することで作製される。基板は、光電変換層に用いられる材料の種類や用途に応じて、電極材料や有機半導体層が積層できる基板、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、アルミニウム、鉄、銅、およびステンレスなどの合金、等の無機材料、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレンポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂等の有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。また、基板側から光を入射して用いる場合は、上記に示した各基板に光透過性を持たせておくことが好ましく、特に20%以上の光透過性を持たせておくことがより好ましい。ここで、基板の光透過率とは、
[基板の透過光強度(W/m)/基板の入射光強度(W/m)]×100(%)
で与えられる値である。
上記基板の光透過率を求めるために必要な基板の透過光強度は、任意の光源とその光強度を測定するディテクターを用い、光源とディテクター間距離を固定、その際の光強度を入射光強度、ディテクターへ入射する光全てが基板を通過するように、基板を光源とディテクター間に挿入した際の光強度を透過光強度としたものである。通常光強度はどのような光源を使うかで大きく変わる。本発明においては、ある波長(例えば500nm)の光透過性が20%を超えてさえいれば、その他ほぼ透過しなくても、基板として用いることができるので、光源、ディテクターについては、特に限定することを要しない。よってこれら光源、ディテクターについては、用途により適宜選択して用いればよい。これはある波長(例えば500nm)の光透過性が20%を超えてさえいれば、その他ほぼ透過しなくても、基板として用いることができるためである。
〔電極(正極・負極)〕
本発明において、光電変換素子の正極または負極は光透過性を有することが好ましい。正極または負極は、少なくともいずれか一方が光透過性を有すればよく、両方が光透過性を有してもよい。ここで光透過性を有するとは、光透過率が0%を超えることをいう。
光透過性を有する電極は、光電変換層に入射光が到達して起電力が発生する程度に光が透過すればよく、具体的には400nm以上900nm以下の全ての波長領域において光透過率が20〜100%であることが好ましく、より好ましくは60〜100%である。また、光透過性を有する電極の厚さは十分な導電性が得られればよく、材料によって異なるが、20nm〜300nmが好ましい。なお、光透過性を有しない電極は、導電性があれば十分であり、厚さも特に限定されない。
電極材料としては、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、アルミニウム、インジウム、クロム、ニッケル、コバルト、スカンジウム、バナジウム、イットリウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、などの金属のほか、インジウム酸化物、スズ酸化物、モリブデン酸化物、ニッケル酸化物などの金属酸化物、複合金属酸化物(インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)など)が挙げられる。上記以外の金属として、アルカリ金属やアルカリ土類金属、具体的にはリチウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、なども好ましく用いられる。さらに、上記の金属からなる合金や上記の金属の積層体からなる電極も好ましく用いられる。また、グラファイト、グラファイト層間化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体を含む電極も好ましく用いられる。また、上記の電極は2種以上の材料から成る混合層であってもよく、異なる材料からなる2層以上の層が積層された積層構造を持つものであってもよい。
本発明において、正極に用いられる導電性材料は、光電変換層とオーミック接合するものであることが好ましい。後述する正孔輸送層を用いた場合においては、正極に用いられる導電性材料は正孔輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。
また、負極に用いられる導電性材料は、電子輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。
〔正孔輸送層〕
本発明の有機起電力素子では、正極と光電変換層の間に正孔輸送層を設けてもよい。前記正孔輸送層を形成する材料としては、正孔輸送性材料、例えば、ポリチオフェン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール重合体、ポリアニリン重合体、ポリフラン重合体、ポリピリジン重合体、ポリカルバゾール重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体、アセン系化合物(テトラセン、ペンタセンなど)などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物、グラフェンや酸化グラフェンなどの炭素化合物、MoO3などの酸化モリブデン(MoO)、WOなどの酸化タングステン(WO)、NiOなどの酸化ニッケル(NiO)、Vなどの酸化バナジウム(VO)、ZrOなどの酸化ジルコニウム(ZrO)、CuOなどの酸化銅(CuO)、ヨウ化銅、RuOなどの酸化ルテニウム(RuO)、Reなどの酸化ルテニウム(ReO)などの無機材料が好ましく用いられる。中でも、ポリチオフェン系重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたもの(以下、PEDOT:PSSと記載する場合がある)、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステンがより好ましく用いられる。
正孔輸送層を形成する材料のうち、無機材料を用いて正孔輸送層を形成する方法としては、その金属塩や金属アルコキシドなどの前駆体溶液を塗布した後、加熱して層を形成する方法や、ナノ粒子分散液を基板に塗布して層を形成する方法が挙げられる。このとき、前記無機材料は、加熱温度や時間、及びナノ粒子の合成条件により、完全には反応が進行しておらず、部分的に加水分解したり、部分的に縮合したりすることで、中間生成物となっていたり、前駆体と中間生成物、最終生成物などの混合物となっていても良い。
正孔輸送層は単独の化合物から成る層であっても良いし、2種以上の化合物から成る混合層、または積層構造であってもよい。また、前記正孔輸送層は光電変換層から電極への正孔輸送を著しく妨げない範囲において、正孔輸送性を有しない物質を含んでいても良い。例えば、塗布性、平滑性を向上させる界面活性剤、粘度調整剤、バインダー樹脂、フィラー等が挙げられる。
前記正孔輸送層の厚さは0.1nm〜1000nmの厚さが好ましく、より好ましくは0.5nm〜100nm、さらに好ましくは5nm〜50nmである。
〔光電変換層〕
次に、本発明で用いる光電変換素子における光電変換層としては特に限定しないが、光電変換素子の柔軟性を担保するために、1μm以下の薄膜であること、または、無機系アモルファス材料や有機系材料から形成されることが望ましい。
有機系材料から成る光電変換層としては、後述する電子供与性有機材料および電子受容性有機材料を含むものが挙げられる。前記有機系材料から成る光電変換層について説明する。
光電変換層の構造として、例えば、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の混合物を含む層からなる構造、電子供与性有機材料からなる層と電子受容性有機材料からなる層を積層した構造、電子供与性有機材料からなる層と電子受容性有機材料からなる層の間に、これらの混合物からなる層を積層した構造などが挙げられる。
これらのうち、電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の混合物を含む層からなる構造がより好ましい。前記混合物の混合方法としては特に限定されるものではないが、所望の比率で溶媒に添加した後、加熱、撹拌、超音波照射などの方法を1種または複数種組み合わせて溶媒中に溶解させる方法が挙げられる。
光電変換層は、電子供与性有機材料および/または電子受容性有機材料を2種以上含有してもよい。
光電変換層における電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率は特に限定されないが、電子供与性有機材料:電子受容性有機材料(ドナーアクセプター比)が、1:99〜99:1の範囲であることが好ましく、10:90〜90:10の範囲であることがより好ましく、20:80〜60:40の範囲であることがさらに好ましい。
なお、後述するように、光電変換素子用材料が一層の有機半導体層を形成する場合は、上述の含有比率はその一層に含まれる電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率となり、光電変換層が二層以上の積層構造である場合は、有機半導体層全体における電子供与性有機材料と電子受容性有機材料の含有比率を意味する。
光電変換層は、本発明の目的を阻害しない範囲において、界面活性剤やバインダー樹脂、フィラー等の他の成分を含んでいてもよい。
光電変換層の厚さは、電子供与性有機材料および電子受容性有機材料が光吸収によって光電変換を生じるのに十分な厚さであればよい。前記光電変換層の厚さは、材料によって異なるが、10nm〜1000nmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。
電子供与性有機材料は、p型半導体特性を示す有機化合物であれば特に限定されない。例えば、ポリチオフェン系重合体、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体、キノキサリン−チオフェン系共重合体、チオフェンーベンゾジチオフェン系共重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリフルオレン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリチエニレンビニレン系重合体などの共役系重合体、H2フタロシアニン(H2Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)等のフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン(NPD)等のトリアリールアミン誘導体、4,4’−ジ(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)等のカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体(ターチオフェン、クウォーターチオフェン、セキシチオフェン、オクチチオフェンなど)等の低分子有機化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ポリチオフェン系重合体とは、チオフェン骨格を主鎖に有する共役系重合体を指し、側鎖を有するものも含む。具体的には、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリ−3−ブチルチオフェン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリ−3−オクチルチオフェン、ポリ−3−デシルチオフェンなどのポリ−3−アルキルチオフェン、ポリ−3−メトキシチオフェン、ポリ−3−エトキシチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシチオフェンなどのポリ−3−アルコキシチオフェン、ポリ−3−メトキシ−4−メチルチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシ−4−メチルチオフェンなどのポリ−3−アルコキシ−4−アルキルチオフェンなどが挙げられる。
2,1,3−ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格と2,1,3−ベンゾチアジアゾール骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。2,1,3−ベンゾチアジアゾール−チオフェン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
キノキサリン−チオフェン系共重合体とは、チオフェン骨格とキノキサリン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。キノキサリン−チオフェン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
チオフェン−ベンゾジチオフェン系重合体とは、チオフェン骨格とベンゾジチオフェン骨格を主鎖に有する共役系共重合体を指す。チオフェン−ベンゾジチオフェン系共重合体として、具体的には下記のような構造が挙げられる。下記式において、nは1〜1000の整数を示す。
ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体とは、p−フェニレンビニレン骨格を主鎖に有する共役系重合体を指し、側鎖を有するものも含む。具体的には、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]などが挙げられる。
上記のように例示した電子供与性有機半導体の中でも、下記式(4)〜(6)のいずれかで表される骨格を有する共役系重合体は、1,8−ジヨードオクタンを添加剤に用いた際に、光電変換特性が向上することが多数報告されており(例えば、特許第05829734号公報、「アドヴァンスト マテリアルズ(Advanced Materials)」、2010年、22巻、E135−E138頁、「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミストリー(Journal of the American Chemistry)、2010年、132巻、7595−7597頁、」、「マクロモルキュールズ(Macromolecules)、2012年、45巻、6923−6929頁、」、「アドヴァンスト マテリアルズ(Advanced Materials)」、2011年、23巻、3315−3319頁など)、本発明の組成物の電子供与性有機半導体として含まれていると好ましい。
(上記式(4)中、Rはそれぞれ同じでも異なっていても良く、アルキル基、アルコキシ基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいアリール基またはチオアルコキシ基を示す。Xはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄、セレンまたは酸素原子を表す。)
(上記式(5)中、Rはアルコキシカルボニル基またはアルカノイル基を表す。Yは水素原子またはハロゲンを表す。)
(上記式(6)中、Rはアルキル基、置換されていてもよいヘテロアリール基または置換されていてもよいアリール基を示す。)
上記の骨格構造を有する共役系重合体の中でも、広い光吸収波長領域と深いHOMO準位を有することから高い光電変換特性が得られる下記式(7)で表される共役系重合体が本発明の組成物の電子供与性有機半導体としてより好ましい。
(上記式(7)中、R、R、X、Yは、上記式(4)および(5)と同様である。)
本発明における光電変換層中に含まれる電子受容性有機材料は、n型半導体特性を示す有機物であれば特に限定されない。例えば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(NTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジアンハイドライド(PTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスベンズイミダゾール(PTCBI)、N,N’−ジオクチル−3,4,9,10−ナフチルテトラカルボキシジイミド(PTCDI−C8H)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、2,5−ジ(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)等のオキサゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、フラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。安定でキャリア移動度の高いn型半導体であることから、フラーレン誘導体が好ましく用いられる。
フラーレン誘導体の具体例として、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−C61−PCBM、または[60]PCBM)、[5,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドヘキシルエステル、[6,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドドデシルエステル、フェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル([70]PCBM)を始めとする置換誘導体などが挙げられる。なかでも、60PCBM、70PCBMがより好ましい。
〔電子輸送層〕
本発明の光起電力素子は、有機半導体層3と負極4の間に電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層を形成する材料として、特に限定されるものではないが、電子受容性有機材料(NTCDA、PTCDA、PTCDI−C8H、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ホスフィンスルフィド誘導体、キノリン誘導体、フラーレン化合物、CNT、CN−PPVなど)のようにn型半導体特性を示す有機材料が好ましく用いられる。また、イオン性の置換フルオレン系ポリマー(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2011年、23巻、4636−4643頁、「オーガニック エレクトロニクス(Organic Electronics)」、2009年、10巻、496−500頁)や、イオン性の置換フルオレン系ポリマーと置換チオフェン系ポリマーの組み合わせ(「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)」、2011年、133巻、8416−8419頁)などのイオン性化合物、ポリエチレンオキサイド(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2007年、19巻、1835−1838頁)なども電子取出し層として用いることができる。また、イオン性の置換フルオレン系ポリマー(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2011年、23巻、4636−4643頁、「オーガニック エレクトロニクス(Organic Electronics)」、2009年、10巻、496−500頁)や、イオン性の置換フルオレン系ポリマーと置換チオフェン系ポリマーの組み合わせ(「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)」、2011年、133巻、8416−8419頁)などのイオン性化合物、ポリエチレンオキサイド(「アドバンスド マテリアルズ(Advanced Materials)」、2007年、19巻、1835−1838頁)なども電子取出し層として用いることができる。
また、イオン性基を有する化合物、例えば、アンモニウム塩、アミン塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、硫酸塩、硝酸塩、アセトナート塩、オキソ酸塩、ならびに金属錯体なども電子輸送層として用いることができる。
具体的には塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムブロミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酪酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ヘプタデカフルオロノナン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム、亜鉛アセチルアセトナート、クロム酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、六フッ化ジルコニウム酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、テトラクロロ亜鉛酸アンモニウム、オルトチタン酸テトライソプロピル、ニッケル酸リチウム、過マンガン酸カリウム、銀フェナントロリン錯体、AgTCNQや特開2013−58714記載の電子輸送層に用いられる化合物などが挙げられる。
また、TiOなどの酸化チタン(TiO)、ZnOなどの酸化亜鉛(ZnO)、SiOなどの酸化ケイ素(SiO)、SnOなどの酸化錫(SnO)、WOなどの酸化タングステン(WO)、Taなどの酸化タンタル(TaO)、BaTiOなどのチタン酸バリウム(BaTi)、BaZrOなどのジルコン酸バリウム(BaZr)、ZrOなどの酸化ジルコニウム(ZrO)、HfOなどの酸化ハフニウム(HfO)、Alなどの酸化アルミニウム(AlO)、Yなどの酸化イットリウム(YO)、ZrSiOなどのケイ酸ジルコニウム(ZrSi)のような金属酸化物、Siなどの窒化ケイ素(SiN)のような窒化物、CdSなどの硫化カドミウム(CdS)、ZnSeなどのセレン化亜鉛(ZnSe)、ZnSなどの硫化亜鉛(ZnS)、CdTeなどのテルル化カドミウム(CdTe)のような半導体などの無機材料も好ましく用いられる。
上記無機材料で電子取出し層を形成する方法としては、その金属塩や金属アルコキシドなどの前駆体溶液を塗布した後、加熱して層を形成する方法や、ナノ粒子分散液を基板に塗布して層を形成する方法がある。このとき、加熱温度や時間、及びナノ粒子の合成条件により、完全には反応が進行しておらず、部分的に加水分解したり、部分的に縮合したりすることで、中間生成物となったり、前駆体と中間性生物、最終生成物などの混合物となったりしても良い。
本発明の光電変換素子は、1つ以上の電荷再結合層を介して2層以上の光電変換層を積層(タンデム化)して直列接合を形成してもよい。例えば、基板/正極/第1の光電変換層/電荷再結合層/第2の光電変換層/負極という積層構成を挙げることができる。このように積層することにより、開放電圧をより高くすることができる。なお、正極と第1の光電変換層の間、および、電荷再結合層と第2の光電変換層の間に上述の正孔輸送層を設けてもよく、第1の光電変換層と電荷再結合層の間、および、第2の光電変換層と負極の間に上述の電子輸送層を設けてもよい。
ここで用いられる電荷再結合層は、複数の光電変換層が光吸収できるようにするため、光透過性を有する必要がある。また、電荷再結合層は、十分に正孔と電子が再結合するように設計されていればよいので、必ずしも膜である必要は無く、例えば光電変換層上に一様に形成された金属クラスターであってもかまわない。
電荷再結合層には、金、白金、クロム、ニッケル、リチウム、マグネシウム、カルシウム、錫、銀、アルミニウムなどからなる数オングストロームから数十オングストローム程度の光透過性を有する非常に薄い金属膜や金属クラスター(合金を含む)、ITO、IZO、AZO、GZO、FTO、酸化チタンや酸化モリブデンなどの光透過性の高い金属酸化物膜およびクラスター、PEDOT:PSSなどの導電性有機材料膜、またはこれらの複合体等が用いられる。
本発明において、光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設けてなりとは、光発電力素子の表面と裏面に繊維構造物を配置することである。ここで光発電力素子の表面と裏面に繊維構造物を配置する形態としては、光起電力素子の両面に繊維構造物を設置、固定、接着などすればよい。光起電力素子の両面の繊維構造物は、両面同一の繊維構造物でもよいし、異なる繊維構造物でもよい。繊維構造物は、着色されていてもよい。着色する方法としては、染色、プリント、コーティング等既知の方法を用いる。繊維構造物と光起電力素子の間には、本発明の効果を妨げない範囲で、接着剤、接着材、空隙などが存在していてもよい。
本発明で光起電力素子と繊維構造物を接着する場合、その接着は光起電力素子あるいは繊維構造物の一部を溶融して接着する方式でもよいし、接着剤あるいは接着材を用いる方式でもよい。接着する場合は、接着剤あるいは接着材は透明であることが望ましい。
本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物は、光起電力素子に光エネルギーを十分に吸収できるよう、光起電力素子の受光面側に設けられた繊維構造物の光透過率が10%以上98%以下であることが望ましい。この理由は光透過率がこれより小さいと光が透過せず、光エネルギーを十分に吸収することができない。光透過率がこれより大きいと光起電力素子の存在が明らかになりすぎて十分な装飾性が得られにくくなる。ここで光透過率は、測色計(SIMAZU社製UV−3150など)を透過測定モードで使用し、布帛を設置しない場合と布帛を設置した場合の全波長積分強度の比から算出すればよい。
本発明の光発電構造物は、柔軟性に富み自由な形に変形することを可能とするために、繊維構造物の風合い測定システムとして一般的に用いられているKES(Kawabata Evaluation System)で規定される曲げ剛性測定値(B)が0.01×10−4N・m/m以上6×10−4N・m/m以下であることが望ましい。ここで、曲げ剛性測定値(B)の単位は10−4N・m/mとする。この理由は曲げ剛性がこれより大きいと、曲げ変形に必要な力が大きく自由な変形はできなくなるからで、曲げ剛性がこれより小さいものは素材や厚みが光起電力素子としての機能を果たすに十分な構成にできない傾向があるからである。本発明ではより柔軟性の高い複合体ほどデザインの自由度が高まるため、この曲げ剛性測定値は3×10−4N・m/m以下であるとより好ましい。
このような柔軟性を得るため、本発明の光起電力素子に用いる基板は厚みが80μm以下であることが望ましい。さらに60μm以下であることが望ましく、40μm以下であることがより望ましい。一方で、機械強度の観点から1μm以上であることが望ましい。さらに5μm以上であることが望ましく、10μm以上がより望ましい。
次に本発明の光発電構造物の製造方法について説明する。本発明では、光起電力素子と繊維構造物を接着する。ここで接着するとは、接着剤あるいは接着材を用いて光起電力素子と繊維構造物を接合することをいう。光起電力素子と繊維構造物の接合は、光起電力素子の受光面でも非受光面でも問題はない。光起電力素子の非受光面と接合することが好ましい。接着剤とは糊などのように化学物質で構成されて基材同士の接合を行うものの総称であり、接着材とはネジやピンやボタンなどのように物理的に基材同士の接合を行うものの総称である。
本発明では接着剤、特に透明で低モジュラスである接着剤を用いることが望ましい。この理由は、透明な接着剤を用いることで、光発電構造物は、光をできるだけ多く吸収することができ、低モジュラス接着剤を用いることで光発電構造物は、柔軟性に富み、自由な形に変形が可能となるからである。透明な接着剤の例としてはエポキシ系、シアノアクリレート系、ウレタン系、メラミン系、アクリル系その他の種々の接着剤の中で透明性の高いものを用いればよい。特に透明性が高く、低モジュラスである接着剤が好ましい。接着剤のモジュラスは、10MPa以下が好ましく、もっとも好ましい5MPa以下である。
また、本発明で用いる接着剤のタイプとしては熱硬化型、湿気硬化型、ホットメルト型、光硬化型など、種々のタイプのものを用いることができる。
接着剤の塗布はスクリーン印刷や各種コーティング装置などを用いて行い、光起電力素子および/または繊維構造物に塗布した後、圧着してそれぞれのタイプの接着剤に合わせた方法で接着剤を硬化させる。例えば、熱硬化型接着剤の場合は120〜150℃程度の温度で熱処理、加圧加熱処理を行えばよい。熱処理、加圧加熱処理方法は、特に限定されるものではないが、熱風通過などの熱処理、カレンダー加工、エンボス加工、ホットプレス加工などの加圧加熱処理などが挙げられる。
本発明の光発電繊維構造物の光起電力素子の受光面と非受光面の両面の繊維構造物の固定、接着は、特に規定はなく、一般的に用いられる方法でよい。
本発明の光発電繊維構造物は、腕時計、携帯電話、エアーファン、エアーヒーター、ウェアラブルデバイスなどのバッテリーとして、また、非常用電源、山岳・海洋地帯の観測機器、宇宙ステーションまで好適に用いられる。
<密度>
2010年度版JIS L1906記載の密度評価方法に準拠して測定した。
<目付>
2010年度版JIS L1906記載の単位面積当たりの質量の密度評価方法に準拠して測定した。
<色差ΔE*ab>
分光測色計(ミノルタ株式会社製:CM−3700d)を用いて、受光面側に用いた繊維構造物および非受講面側に用いた繊維構造物のそれぞれについてL* a* b* を測定し、次の式から色差ΔEabを算出した。
ΔEab={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL:本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の明度L
−本発明の光起電力素子の非受光面に設けられている繊維構造物の明度L
Δa:本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の色度a
−本発明の光起電力素子の非受光面に設けられている繊維構造物の色度a
Δb:本発明の光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の色度b
−本発明の光起電力素子の非受光面に設けられている繊維構造物の色度b
<光発電素子の受光面に設けられた繊維構造物の光透過率>
受光面に設けた繊維構造物について、測色計(ミノルタ3700d)を透過測定モードで使用し、繊維構造物を設置しない場合と繊維構造物を設置した場合全波長積分強度の比から算出した。
<光電変換効率>
光発電繊維構造物中の光起電力素子の正極と負極をケースレー社製2400シリーズソースメータに接続して、大気中でITO層側から擬似太陽光(分光計器株式会社製 OTENTO−SUNIII、スペクトル形状:AM1.5、強度:100mW/cm)を照射し、印加電圧を−1Vから+2Vまで変化させたときの電流値を測定した。得られた電流値より光電変換効率(η)を算出した。
<曲げ剛性>
光発電繊維研構造物について、風合い計測システムKES(Kawabata Evaluation System)測定機(カトーテック社製)を用い、試料の曲げ剛性のたて、よこの平均値Bを測定した。
なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また実施例等で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
ITO:インジウム錫酸化物
PEDOT:ポリエチレンジオキシチオフェン(正孔輸送層を形成する材料)
PSS:ポリスチレンスルホネート
A−1:下記式で表される化合物(nは重合度)
[70]PCBM:フェニル C71 ブチリックアシッドメチルエステル(電子受容性有機材料)
THF:テトラヒドロフラン
n−BuLi:ノルマルブチルリチウム
[合成例1]
化合物A−1を式1に示す方法で合成した。なお、化合物(1−i)はジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティ(Journal of the American Chemical Society)、2009年、131巻、7792−7799頁に記載されている方法を参考に、化合物(1−p)はアンゲバンテケミ インターナショナルエディション(Angewandte Chem Internatioal Edition)、2011年、50巻、9697−9702頁に記載されている方法を参考にして合成した。
メチル−2−チオフェンカルボキシレート(東京化成工業(株)製)38g(0.27mol)およびクロロメチルメチルエーテル(東京化成工業(株)製)108g(1.34mol)を0℃で撹拌しているところに、四塩化スズ(和光純薬工業(株)製)125g(0.48mol)を1時間かけて加え、その後室温で8時間撹拌した。撹拌終了後、水100mlを0℃でゆっくり加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで溶媒を乾燥後、溶媒を減圧除去した。得られた茶褐色固体をメタノールから再結晶することにより化合物(1−b)を薄黄色固体(24.8g、収率39%)として得た。化合物(1−b)のH−NMRの測定結果を以下に示す。なお、H−NMR測定にはFT−NMR装置((株)日本電子製JEOL JNM−EX270)を用いた。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.71(s,1H),4.79(s,1H),4.59(s,1H),3.88(s,3H)ppm。
上記化合物(1−b)24.8g(0.10mmol)をメタノール(佐々木化学工業(株)製)1.2Lに溶解させ、60℃で撹拌しているところに硫化ナトリウム(アルドリッチ社製)8.9g(0.11mol)のメタノール溶液100mlを1時間かけて滴下し、さらに60℃で4時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧除去し、クロロホルム200mlと水200mlを加え、不溶物をろ別した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧除去した。粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(1−c)を白色固体(9.8g、収率48%)として得た。化合物(1−c)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.48(s,1H),4.19(t,J=3.0Hz,2H),4.05(t,J=3.0Hz,2H),3.87(s,3H)ppm。
上記化合物(1−c)9.8g(49mmol)に水100mlついで3M水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、80℃で4時間加熱撹拌した。反応終了後、濃塩酸15mlを0℃で加え、析出した固体をろ取し、水で数回洗浄した。得られた固体を乾燥し、化合物(1−d)を白色固体(8.9g、収率98%)として得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d):7.46(s,1H),4.18(t,J=3.2Hz,2H),4.01(t,J=3.2Hz,2H)ppm。
上記化合物(1−d)1.46g(7.8mmol)を脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)60mlに溶解し、−78℃で撹拌しているところに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)10.7ml(17.2mmol)を滴下し、−78℃で1時間攪拌した。次いでN−フルオロベンゼンスルホンイミド(東京化成工業(株)製)4.91g(15.6mmol)の乾燥テトラヒドロフラン溶液20mlを−78℃で10分間かけて滴下し、室温で12時間攪拌した。反応終了後、水50mlをゆっくり加えた。3M塩酸を加えて水層を酸性にした後、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル)で副生成物を除去した後に酢酸エチルから再結晶することで化合物(1−e)を薄黄色粉末(980mg、収率61%)として得た。化合物(1−e)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,DMSO−d):13.31(brs,1H),4.20(t,J=3.0Hz,2H),4.03(t,J=3.0Hz,2H)ppm。
上記化合物(1−e)800mg(3.9mmol)の脱水ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)溶液10mlに、オキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)1ml、次いでジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1滴を加え、室温で3時間攪拌した。溶媒と過剰の塩化オキサリルを減圧除去することで、化合物(1−f)を黄色オイルとして得た。化合物(1−f)はそのまま次の反応に用いた。
上記化合物(1−f、粗精製物)のジクロロメタン溶液10mlを1−オクタノール(和光純薬工業(株)製)1.3g(10mmol)およびトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)800mg(8mmol)のジクロロメタン溶液15mlに室温で加え、6時間室温で撹拌した。反応溶液を1M塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム)で精製することにより化合物(1−g)を薄黄色固体(1.12g、収率90%)として得た。化合物(1−g)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.27(t,J=6.7Hz,2H),4.16(t,J=3.0Hz,2H),4.01(t,J=3.0Hz,2H),1.72(m,2H),1.5−1.3(m,12H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)ppm。
上記化合物(1−g)1.1g(3.5mmol)の酢酸エチル溶液40mlに、メタクロロ安息香酸(ナカライテスク(株)製)630mg(3.6mmol)の酢酸エチル溶液10mlを0℃で滴下し、室温で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去した後に無水酢酸30mlを加え、3時間加熱還流した。溶媒を再び減圧除去した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)で精製することにより化合物(1−h)を薄黄色オイル(1.03g、収率94%)として得た。化合物(1−h)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.65(d,J=2.7Hz,1H),7.28(dd,J=2.7Hz and 5.4Hz,1H),4.31(t,J=6.8Hz,2H),1.75(m,2H),1.42−1.29(m,12H),0.89(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
上記化合物(1−h)1.0g(3.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液20mlに、N−ブロモスクシンイミド(和光純薬工業(株)製)1.25g(7.0mmol)を室温で加え、3時間室温で撹拌した。反応終了後、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液10mlを加え、5分間攪拌した。酢酸エチル80mlを加え、有機層を水で5回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、クロロホルム:ヘキサン=1:3)で精製することにより化合物(1−i)を薄黄色固体(1.2g、収率79%)として得た。化合物(1−i)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):4.32(t,J=6.5Hz,2H),1.75(m,2H),1.42−1.29(m,12H),0.89(t,J=6.8Hz,3H)ppm。
ジエチルアミン(和光純薬工業(株)製)110g(1.5mol)のジクロロメタン溶液300mlに、3−チオフェンカルボニルクロリド(和光純薬工業(株)製)100g(0.68mol)を0℃で1時間かけて加え、室温で3時間攪拌した。撹拌終了後、水200mlを加え、有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留することにより、化合物(1−k)を淡橙色液体(102g、収率82%)として得た。化合物(1−k)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.47(dd,J=3.2Hz and 1.0Hz,1H),7.32(dd,J=5.0Hz and 3.2Hz,1H),7.19(dd,J=5.0Hz and 1.0Hz,1H),3.43(brs,4H),1.20(t,J=6.5Hz,6H)ppm。
上記化合物(1−k)73.3g(0.40mol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)250ml(0.40mol)を0℃で30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温で4時間攪拌した。撹拌終了後、水100mlをゆっくり加えしばらく撹拌した後、反応混合物を水800mlに注いだ。析出した固体をろ取し、水、メタノール、ついでヘキサンの順で洗浄することにより化合物(1−l)を黄色固体(23.8g、収率27%)として得た。化合物(1−l)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.69(d,J=4.9Hz,2H),7.64(d,J=4.9Hz,2H)ppm。
チオフェン42g(0.50mol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)250ml(0.40mol)を−78℃で30分間かけて滴下した。反応混合物を−78℃で1時間攪拌した後、2−エチルヘキシルブロミド(和光純薬工業(株)製)76.4g(0.40mol)を−78℃で15分間かけて滴下した。反応溶液を室温で30分間撹拌した後、60℃で6時間加熱撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を室温まで冷却し、水200mlおよびジエチルエーテル200mlを加えた。有機層を水で2回、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を減圧蒸留することで化合物(1−n)を無色液体(28.3g、36%)として得た。化合物(1−n)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.11(d,4.9Hz,1H),6.92(dd,4.9Hz and 3.2Hz,1H),6.76(d,J=3.2Hz,1H),2.76(d,J=6.8Hz,2H),1.62(m,1H),1.4−1.3(m,8H),0.88(m,6H)ppm。
上記化合物(1−n)17.5g(89mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液400mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)57ml(89mmol)を0℃で30分間かけて滴下した。反応溶液を50℃で1時間撹拌した後、上記化合物(1−l)4.9g(22mmol)を50℃で加え、そのまま1時間撹拌した。撹拌終了後、反応溶液を0℃に冷却し、塩化すず二水和物(和光純薬工業(株)製)39.2g(175mmol)を10%塩酸80mlに溶かした溶液を加え、室温で1時間撹拌した。撹拌終了後、水200ml、ジエチルエーテル200mlを加え、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ヘキサン)で精製することにより化合物(1−o)を黄色オイル(7.7g、収率59%)として得た。化合物(1−o)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.63(d,J=5.7Hz,1H),7.45(d,J=5.7Hz,1H),7.29(d,J=3.6Hz,1H),6.88(d,J=3.6Hz,1H),2.86(d,J=7.0Hz,2H),1.70−1.61(m,1H),1.56−1.41(m,8H),0.97−0.89(m,6H)ppm。
上記化合物(1−o)870mg(1.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)溶液25mlに、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M、和光純薬工業(株)製)2.0ml(3.3mmol)を−78℃でシリンジを用いて加え、−78℃で30分間、室温で30分間攪拌した。反応混合物を−78℃まで冷却した後、トリメチルスズクロリド(和光純薬工業(株)製)800mg(4.0mmol)を−78℃で一度に加え、室温で4時間撹拌した。撹拌終了後、ジエチルエーテル50mlおよび水50mlを加え5分間室温で撹拌した後、有機層を水で2回、次いで飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで溶媒を乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた橙色オイルをエタノールより再結晶することで、化合物(1−p)を薄黄色固体(710mg、収率52%)として得た。化合物(1−p)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):7.68(s,2H),7.31(d,J=3.2Hz,2H),6.90(d,J=3.2Hz,2H),2.87(d,J=6.2Hz,4H),1.69(m,2H),1.40−1.30(m,16H),1.0−0.9(m,12H),0.39(s,18H)ppm。
化合物(1−i)71mg(0.15mmol)および化合物(1−p)136mg(0.15mmol)をトルエン(和光純薬工業(株)製)4mlおよびジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1mlに溶解させたところに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(東京化成工業(株)製)5mgを加え、窒素雰囲気下、100℃で15時間撹拌した。次いで、ブロモベンゼン(東京化成工業(株)製)15mgを加え、100℃にて1時間撹拌した。次いで、トリブチル(2−チエニル)すず(東京化成工業(株)製)40mgを加え、100℃にてさらに1時間撹拌した。撹拌終了後、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール100mlに注いだ。析出した固体をろ取し、メタノール、水、アセトンの順に洗浄した。次いでソックスレー抽出器を用いてアセトン、ヘキサンの順で洗浄した。次に、得られた固体をクロロホルムに溶解させ、セライト(ナカライテスク(株)製)、次いでシリカゲルカラム(遊離液、クロロホルム)に通した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を再度クロロホルムに溶解させた後、メタノールに再沈殿し、化合物A−1(85mg)を得た。重量平均分子量は25,000、数平均分子量は16,000であった。なお、平均分子量(数平均分子量、重量平均分子量)はGPC装置(クロロホルムを送液したTOSOH社製、高速GPC装置HLC−8320GPC)を用い、絶対検量線法によって算出した。重合度nは以下の式で算出した。
重合度n=[(重量平均分子量)/(繰り返しユニットの分子量)]
(実施例1)
水5μLとエタノール溶媒(和光純薬工業(株)製)0.5mLを、酢酸亜鉛2水和物(和光純薬工業(株)製)10mgの入ったサンプル瓶の中に加え、ここに、さらにエタノールアミン(和光純薬工業(株)製)を5μL加えて熱溶解し、溶液Aを得た。
電子供与性有機半導体として1,8−ジヨードオクタン(東京化成工業(株)製)を2体積%の割合で混合したクロロホルム溶媒0.2mLを、化合物A−1 0.9mg、[70]PCBM(ソレーヌ社製)1.1mgの入ったサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2、出力120W)中で30分間超音波照射することにより溶液Bを得た。
上記においてドナーアクセプター比(化合物A-1(電子供与性有機半導体):[70]PCBM(電子受容性有機材料)=45:55であった。
PEDOT:PSS水溶液(CLEVIOS P VP AI4083)と水と2−プロパノール(和光純薬工業(株)製)とを40:35:25の体積%で混合し、溶液Cを得た。
ガラス基板上に離型剤(“Novec2702”(3M(株)製))をスピンコートした後、100℃、1分間加熱することで約50nmの剥離層を形成した。ここにポリイミドワニスをスピンコートし、焼成することでガラス基板上に10μm厚のポリイミドフィルムを形成した。
このガラス基板にスパッタリング法により負極となるITO透明導電層を100nm堆積させ、ITOをフォトリソグラフィー法によりパターニングした。上記の溶液Aをガラス基板上に滴下し、スピンコートした後、ホットプレート上で150℃,30分間加熱することで、約30nm厚の電子輸送層を成膜した。
次に、溶液Bを電子輸送層上に滴下し、スピンコートした後、ホットプレート上で80℃,5分間加熱乾燥することで膜厚約130nmの光電変換層を形成した。
さらに、溶液Cを光電変換層上に滴下し、スピンコートした後、ホットプレート上で80℃,1分間加熱することで正孔輸送層を形成した。
その後、基板と正極用マスクを真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度を1×10−3Pa以下になるまで排気し、抵抗加熱法によって正極となる銀層を200nmの厚さに蒸着した。
その後、フロリナートFC−43に3wt%の分量、AF1600X(米ケマーズ社製)を溶解させた溶液をスピンコートし、100℃30分間ホットプレートで加熱し、約300nmの保護膜を形成したのち、PET製バリアトップ04(東レフィルム加工(株)製)を接着バリアテープ(テサテープ(株)製)により貼り付け、封止層とした。
その後、ガラス基板からポリイミドフィルムを剥離し、光起電力素子を得た。
このようにして作製された光起電力素子の正極と負極をケースレー社製2400シリーズソースメータに接続して、大気中でITO層側から擬似太陽光(分光計器株式会社製 OTENTO−SUNIII、スペクトル形状:AM1.5、強度:100mW/cm)を照射し、印加電圧を−1Vから+2Vまで変化させたときの電流値を測定した。得られた電流値より光電変換効率(η)を算出した。
光起電力素子の非受光面に、熱硬化型接着剤(クリスボンOA360)を3g/m2の塗布量で塗布、120℃で熱処理を行い、ポリエステル織物(糸使い:経糸、緯糸とも総繊度84デシテックス−36マルチフィラメント、織密度:経120×緯90本/2.54cm、織組織:平、目付72g/m、色相:L*(D65)23.24、a*(D65)0.32、b*(D65)−1.25)に光起電力素子の非受光面を重ねて、ホットプレス加工で130℃15秒熱処理を行うことにより接着剤を硬化させた。
光起電力素子の受光面にも非受光面と同様のポリエステル織物を取り付け、光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、高級感が有り、非常に柔軟で変形が容易であった。
(実施例2)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)74.56、a*(D65)4.2、b*(D65)−15.00のポリエステル織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率53.8%のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、非常に柔軟で変形が容易であった。
(実施例3)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)70.23、a*(D65)−7.5、b*(D65)56.50のポリエステル織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率46.2%のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例4)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)40.53、a*(D65)49.8、b*(D65)−0.61のポリエステル織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率44.5%のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立ちにくく、外観がよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例5)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)38.25、a*(D65)0.9、b*(D65)−35.38のポリエステル織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率47.9%のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例6)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)33.23、a*(D65)5.8、b*(D65)−9.75のポリエステル織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率44.1%のポリエステル織物に変更した以外は実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例7)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)17.12、a*(D65)0.33、b*(D65)−3.10)の羊毛織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率22.0%の羊毛織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例8)
光起電力素子の非受光面側の繊維構造物を色相:L*(D65)16.32、a*(D65)0.74、b*(D65)−2.5の羊毛/ポリエステル織物に、受光面側の繊維構造物を光透過率32.2%の羊毛/ポリエステル織物に変更した以外は実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例9)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)18.36、a*(D65)0.18、b*(D65)−1.23のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例10)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)82.02、a*(D65)4.59、b*(D65)−15.11のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例11)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)19.83、a*(D65)−0.31、b*(D65)−1.40のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例12)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)80.73、a*(D65)4.46、b*(D65)−14.53のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例13)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)23.17、a*(D65)−0.79、b*(D65)−1.50のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例14)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)46.48、a*(D65)1.81、b*(D65)−8.89のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例15)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)17.47、a*(D65)0.43、b*(D65)−3.22の羊毛織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、高級感が有り、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(実施例16)
光起電力素子の受光面側の繊維構造物、非受光面側の繊維構造物ともに色相:L*(D65)17.61、a*(D65)0.8、b*(D65)−3.00のポリエステル織物に変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。使用した材料および得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、受光面から観察したとき、内部の光起電力素子が目立たず、外観や見栄えがよく、高級感が有り、柔軟性に富み自由な形に変形が可能であった。
(比較例1)
実施例1の光起電力素子をSUNY00 solar lomited製太陽電池モジュール 0.5W SY−M 0.5wに変更し、受光面に繊維構造物を取り付けない以外は、実施例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、太陽電池が目立ち、外観や見栄えが悪く、柔軟性がないものであった。
(比較例2)
比較例1の光起電力素子をアーテック社製光電池 1.7V8365に変更した以外は、比較例1と同じ処理を行って光発電繊維構造物を得た。得られた光透過率、光電変換効率、曲げ剛性の特性を表1〜3に示す。得られた光発電繊維構造物は、光電池が目立ち、外観や見栄えが悪く、柔軟性がないものであった。
1 基板
2 正極
3 光電変換層
4 負極

Claims (7)

  1. 繊維構造物と光起電力素子からなり、該光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設けてなり、該繊維構造物で光起電力素子が挟まれ担持されている光発電繊維構造物。
  2. 該光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の光透過率が10%以上98%以下である請求項1に記載の光発電繊維構造物。
  3. 該光発電繊維構造物のKES測定で規定される曲げ剛性測定値が0.01×10−4N・m/m以上6×10−4N・m/m以下である請求項1または2に記載の光発電繊維構造物。
  4. 該光発電素子と繊維構造物の間に透明な接着剤が存在してなる請求項1〜3のいずれかに記載の光発電繊維構造物。
  5. 繊維構造物と光起電力素子からなり、該光起電力素子の受光面と非受光面の両面に繊維構造物を設けてなり、該繊維構造物で光起電力素子が挟まれ担持されている光発電繊維構造物の製造方法。
  6. 該光起電力素子の受光面に設けられている繊維構造物の光透過率が10%以上98%以下である請求項5に記載の光発電繊維構造物の製造方法。
  7. 接着に透明な接着剤を用いる請求項5または6に記載の光発電繊維構造物の製造方法。
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