JP2020044456A - ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水性に優れたハードコートフィルム及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明によれば、(メタ)アクリレートと、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、光開始剤と、を含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂組成物層を形成する樹脂組成物層形成工程と、表面層の表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を、前記樹脂組成物層に接触させる被覆部材接触工程と、前記被覆部材が前記樹脂組成物層に接触した状態で前記樹脂組成物層を光硬化することによって樹脂層を形成する光硬化工程と、前記被覆部材を前記樹脂層から離脱させる離脱工程を備える方法によって形成される、ハードコートフィルム、が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、撥水性を発現するハードコートフィルム及びその製造方法に関する。
特許文献1には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて形成した、微細凹凸構造を有する物品が開示されている。
特開2016−183252号公報
従来、光硬化プロセスにて作製される撥水性ハードコートフィルムが知られている。このようなハードコートフィルムとしては、光開始剤、多官能アクリレート及びフッ素若しくはシリコーンを有する添加剤を含む樹脂組成物を基材フィルム上に塗布後、光照射してなるものが知られているが、満足のいく撥水性ハードコートフィルムは得られないでいた。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、優れた撥水性を発現するハードコートフィルムを提供するものである。
本発明によれば、(メタ)アクリレートと、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、光開始剤と、を含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂組成物層を形成する樹脂組成物層形成工程と、表面層の表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を、前記樹脂組成物層に接触させる被覆部材接触工程と、前記被覆部材が前記樹脂組成物層に接触した状態で前記樹脂組成物層を光硬化することによって樹脂層を形成する光硬化工程と、前記被覆部材を前記樹脂層から離脱させる離脱工程を備える方法によって形成される、ハードコートフィルムが提供される。
本発明者らは、(メタ)アクリレートと、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、光開始剤と、を含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し、表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を、基材上に塗布された樹脂組成物に接触させて、樹脂組成物を光硬化することで非常に優れた撥水性ハードコートフィルムが得られることを見出し、本発明の完成に至った。本発明のハードコートフィルムの撥水性が良好になるメカニズムは完全には明らかになっていないが、光硬化性樹脂組成物が上記添加剤を含まない場合や、被覆部材の表面自由エネルギーが18mN/mを超える場合には、ハードコートフィルムの撥水性が良好にならないので、上記添加剤を含む光硬化性樹脂組成物と表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材の間の何らかの相互作用によって、従来には存在しない特殊な構成の樹脂層が形成され、その結果、撥水性が高まると考えられている。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記被覆部材は、前記表面層が撥水化処理によって形成された撥水化処理層を備える、請求項1に記載のハードコートフィルム、である。
好ましくは、前記撥水化処理層は、シリコーン化合物層を備える、ハードコートフィルムである。
好ましくは、前記被覆部材は、無機物又はシリコーン化合物の層からなる下地層を備え、前記撥水化処理層は、前記下地層上に形成される、ハードコートフィルムである。
好ましくは、前記撥水化処理層は、前記下地層をシランカップリング剤で処理されて形成される、ハードコートフィルムである。
好ましくは、前記添加剤は、フッ素原子含有基及びシリコーン骨格を有する化合物を含む、ハードコートフィルムである。
好ましくは、前記被覆部材が表面に凹凸形状を有し、前記樹脂層が前記凹凸形状を転写されてなる、
ハードコートフィルムである。
本発明の別の観点によれば、(メタ)アクリレートと、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、光開始剤と、を含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂組成物層を形成する樹脂組成物層形成工程と、表面層の表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を、前記樹脂組成物層に接触させる被覆部材接触工程と、前記被覆部材が前記樹脂組成物層に接触した状態で前記樹脂組成物層を光硬化することによって樹脂層を形成する光硬化工程と、前記被覆部材を前記樹脂層から離脱させる離脱工程を備えるハードコートフィルムの製造方法が提供される。
好ましくは、前記被覆部材は、前記表面層が撥水化処理によって形成された撥水化処理層を備える、ハードコートフィルムの製造方法、である。
好ましくは、前記撥水化処理層は、シリコーン化合物層を備える、ハードコートフィルムの製造方法である。
好ましくは、前記被覆部材は、無機物又はシリコーン化合物の層からなる下地層を備え、前記撥水化処理層は、前記下地層上に形成される、ハードコートフィルムの製造方法である。
好ましくは、前記撥水化処理層は、前記下地層をシランカップリング剤で処理されて形成される、ハードコートフィルムの製造方法である。
好ましくは、前記添加剤は、フッ素原子含有基及びシリコーン骨格を有する化合物を含む、ハードコートフィルムの製造方法である。
好ましくは、前記被覆部材が表面に凹凸形状を有し、前記樹脂層に前記凹凸形状を転写する凹凸形状転写工程を備える、ハードコートフィルムの製造方法である。
本発明の第1実施形態のハードコートフィルム1の断面図を示す。 図2A〜図2Cは、本発明の第1実施形態のハードコートフィルム1の製造工程を示す。 本発明の第2実施形態のハードコートフィルム1の断面図を示す。 図4A〜図4C本発明の第2実施形態のハードコートフィルム1の製造工程を示す。 本発明の実施例・比較例のハードコートフィルムに対して油性インクで描画した場合の状態の画像を示す。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明する。
1.第1実施形態
1−1.ハードコートフィルム
図1に示すように、本発明の第1実施形態のハードコートフィルム1は、基材3と、基材3の少なくとも一方の面に樹脂層5を備えている。樹脂層5は、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤を含有している。また、本発明の第1実施形態のハードコートフィルム1は、表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を基材3上に塗布された樹脂組成物に接触させて光硬化させて得られる。
ハードコートフィルム1の形態は特に限定されないが、可撓性を有する撥水性を有するフィルムであることが好ましい。ハードコートフィルム1の水に対する接触角は特に限定されないが、110度以上が好ましく、120度以上がさらに好ましく、ハードコートフィルム1は、撥油性も有することが好ましく、インクはじき性を有することが好ましい。
また、ハードコートフィルム1は、その最表面のフッ素元素濃度及び/又はケイ素元素濃度が、ハードコートフィルム1を構成する樹脂層5内部のフッ素元素濃度及び/又はケイ素元素濃度以上であることが好ましい。そのような構成とすることでハードコートフィルム1の表面自由エネルギーを低いものとすることができる。本発明では、ハードコートフィルム1の最表面から1.2nmまでの範囲においてフッ素元素濃度が20原子%以上であることが好ましく、また、ケイ素元素濃度が1.0原子%以上であることが好ましい。
本明細書中の「ハードコートフィルムの最表面」とは、例えばハードコートフィルム1の樹脂層5の最表面部を示す。本発明において、ハードコートフィルム1の最表面のフッ素元素濃度及び/又はケイ素元素濃度は、後述するX線光電子測定法(以下、XPS)により求めた値を言い、イオンスパッタリングを用いた深さ方向におけるXPS測定の測定値をもってその濃度としている。
1−2.基材
基材3の材質は特に限定されないが、樹脂基材、シリコーン基材、石英基材などの透明基材であることが好ましく、可撓性の観点から樹脂基材であることがさらに好ましい。樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、環状ポリオレフィン及びポリエチレンナフタレートからなる群から選ばれる1種からなるものである。また、樹脂基材を用いる場合には、同種又は異種の基材を積層したり、樹脂基材に樹脂組成物を膜状に積層させたりしてもよい。また、基材3は可撓性を有するフィルム状であることが好ましく、その厚さは25〜500μmの範囲であることが好ましい。
1−3.樹脂層
樹脂層5は、(メタ)アクリレート樹脂中にフッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物又はこの化合物から誘導された部位を含有する。また、樹脂層5の表面は、周期性又は非周期性の凹凸形状が形成されていてもよい。その場合、得られるハードコートフィルムの撥水性に優れるという点で好ましい。
樹脂層5は、樹脂組成物層形成工程と、被覆部材接触工程と、光硬化工程を備える方法によって形成することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
<樹脂組成物層形成工程>
この工程では、図2Aに示すように、(メタ)アクリレートモノマーと、フッ素原子及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、光開始剤とを含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂組成物層10を形成する。光硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線29の照射によって硬化する性質を有する。「活性エネルギー線」は、UV光、可視光、電子線などの、光硬化性樹脂組成物を硬化可能なエネルギー線の総称である。
(メタ)アクリレートとしては、構造は特に限定されないが、単官能(メタ)アクリレートとしては、イソボロニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、多官能(メタ)アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、2,2,4,4,6,6ヘキサ[2−((メタ)アクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとはメタクリレートおよびアクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルとはメタクリロイルおよびアクリロイルを意味する。
添加剤は、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物Aを含む。添加剤は、化合物Aのみで構成されていてもよいし、化合物Aと別の物質の混合物であってもよい。化合物Aは、フッ素原子含有基とシリコーン骨格の何れか一方を有してもよく、両方を有してもよい。
フッ素原子含有基は、一例では、パーフルオロアルキル基であり、より具体的には、パーフルオロアルコシキシラン基である。パーフルオロアルキル基の炭素数は、例えば1〜20であり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、上記フッ素原子含有化合物が有する(メタ)アクリロイル基は、ハードコートフィルム1の撥水性を発現させるという観点から、1〜6個であるのが好ましい。
フッ素原子含有基を有する化合物は、フッ素原子含有基を有する以外の構造は特に限定されず、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられ、具体的には、炭化水素ポリマー、ポリエーテルのようなポリマーが挙げられる。これらに相当するもののうち、本実施形態の樹脂層5により形成されるハードコートフィルム1の撥水性を優れたものとする観点から、分子内にシリコーン骨格を有するものが好ましい。
シリコーン骨格は、化合物の主鎖にシリコーン骨格構造を有しているものであれば特に限定されず、例えば、側鎖にメチル基等のアルキル基を有するものが用いられる。また、シリコーン分子内の側鎖や末端、あるいは両末端が有機基等(エポキシ基、カルビノール基、ジオール基、メタクリル基、カルボキシル基、ポリエーテル基、アミノ基、メルカプト基、フェノール、シラノール基、アクリル基等によって変性されたもの又はそれらの塩)によって置換されていてもよい。また、シリコーン分子内において一部がフッ素置換されていてもよい。
化合物Aは、重合性不飽和結合を有することが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有することがさらに好ましい。樹脂層5は、通常、(メタ)アクリレートの重合によって形成されるが、化合物Aが重合性不飽和結合を有する場合には、樹脂層5を構成する(メタ)アクリレートモノマーと化合物Aが共重合して化合物Aが樹脂層5中において安定的に保持されるからである。化合物Aが重合性不飽和結合を有する場合、化合物Aは樹脂層5を構成するポリマーの一部となるので、樹脂層5は、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物から誘導された部位を有することになる。一方、化合物Aが重合性不飽和結合を有しない場合、化合物Aは樹脂層5内において樹脂層5を構成するポリマーの一部にはならないので、樹脂層5は、フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を有することになる。
添加剤としては、例えば、SUA1900Lシリーズ(新中村化学工業社製)、UT−3971(日本合成化学工業社製)、フロロサーフFSシリーズ(フロロテクノロジー社製)、メガファックRSシリーズ及びディフェンサTF3000シリーズ(DIC社製)、ライトプロコートAFC3000、LINC−3A(共栄社化学社製)、KSN5300(信越化学工業社製)、KY−1203(信越化学工業社製)、UVHCシリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、フタージェント601ADH2(ネオス社製)等の市販品を用いることができる。これらのうち、分子内にフッ素原子含有基及びシリコーン骨格を有する化合物を含むKY−1203(信越化学工業社製)を用いるのが好ましい。樹脂層5を形成する(メタ)アクリレートモノマーが多官能であり、添加剤がKY−1203((メタ)アクリロイル基を有する化合物)である場合に、ハードコートフィルム1の撥水性が向上することが実験的に明らかになったからである。
光硬化性樹脂組成物に対する添加剤の質量比は、特に限定されないが、例えば、0.005〜0.10である。この質量比は、具体的には例えば、0.005、0.01、0.02、0.03、0.05、0.07、0.10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
光開始剤は、(メタ)アクリレートの重合を促進するために添加される成分であり、前記(メタ)アクリレート100質量部に対して0.1質量部以上含有されることが好ましい。光開始剤の含有量の上限は、特に規定されないが、例えば、前記(メタ)アクリレート100質量部に対して20質量部である。
光硬化性樹脂組成物は、溶剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、光増感剤、充填剤、レベリング剤、無機物、無機粒子、UV吸収剤などの成分を光硬化性樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲で含んでいてもよい。
光硬化性樹脂組成物は、上記成分を公知の方法で混合することにより製造することができる。光硬化性樹脂組成物は、スピンコート、スプレーコート、バーコート、ディップコート、ダイコートおよびスリットコート等の方法で基材3上に塗布して樹脂組成物層10を形成することが可能である。
樹脂組成物層10の厚さは、特に限定されないが、樹脂組成物を均一の厚さに塗布できる程度の厚さが好ましく、例えば、20nm〜1mmであり、好ましくは50nm〜500μm、より好ましくは100nm〜200μm、さらに好ましくは500nm〜50μmである。
<被覆部材接触工程>
本実施形態では、図2A〜図2Bに示すように、樹脂組成物層10に被覆部材11を接触させる工程を備えている。樹脂組成物層10に押し付ける圧力は、被覆部材11の表面が樹脂組成物層10と接触する状態を保持できれば特に制限されるものではない。本実施形態の被覆部材11は、表面自由エネルギーが18mN/m以下である。表面自由エネルギーが18mN/m以下の被覆部材11を接触させた状態で樹脂組成物層10の光硬化を行うことによってハードコートフィルム1の撥水性が向上することが実験的に明らかになったからである。被覆部材11の表面自由エネルギーは、撥水性の観点から低いものであればよいが、15mN/m以下であればさらに好ましく、10mN/m以下であればさらに好ましく、5mN/m以下であればさらに好ましい。以下、被覆部材11について説明する。
(被覆部材)
被覆部材11の種類は特に限定されないが、例えば、樹脂製、ニッケル製のものが利用可能である。被覆部材11は、一例では、図2示すように、被覆部材基材13上に表面層15を形成することによって形成することができる。表面層15は、表面自由エネルギーが18mN/m以下であることが好ましい。表面層15は、撥水化処理によって形成された撥水化処理層15bを備えることが好ましい。ここで、撥水化処理とは、被覆部材の撥水性を高められる処理であれば特に限定されない。撥水化処理層15bは、シリコーン化合物層やフッ素原子含有層である。シリコーン化合物層は、樹脂層13上に形成されることが好ましい。フッ素原子含有層は、下地層15a上に形成されることが好ましい。
シリコーン化合物層は、例えば、ケイ素化合物を気化した状態でプラズマ処理してケイ素化合物を重合することで樹脂層5上に形成することができる。ケイ素化合物としては、プラズマ処理を行う際に気体状になるものであれば特に限定されない。例えば、シラン化合物、シロキサン化合物及びシラザン化合物等を用いることができる。シラン化合物の例としては、ジメチルジシラン、トリメチルジシラン、テトラメチルジシラン、ペンタメチルジシラン、ヘキサメチルジシラン等が挙げられ、シロキサン化合物の例としては、ジメチルジシロキサン、トリメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシクロトリシロキサン、テトラメチルシクロトリシロキサン、ペンタメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。また、シラザン化合物の例としては、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。これらのケイ素化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリコーン化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等の各種シリコーン化合物(置換シリコーン、変性シリコーン等)等が挙げられる。好ましくは、含ケイ素ポリマーであり、より好ましくはポリジメチルシロキサンである。
表面層15が下地層15aと撥水化処理層15bを備える場合、表面層15は、一例では、下地層形成工程と、撥水化処理工程を備える方法によって形成することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
(被覆部材下地層形成工程)
下地層15aは、被覆部材基材13を覆うように無機物又はシリコーン化合物の層により形成する。下地層としては、無機酸化膜、無機窒化膜、無機酸窒化膜などが挙げられる。下地層を構成する無機元素としては、ケイ素やアルミニウムが挙げられる。下地層は、例えば、二酸化ケイ素膜や酸化アルミニウム膜である。シリコーン化合物としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等の各種シリコーン化合物(置換シリコーン、変性シリコーン等)等が挙げられる。好ましくは、含ケイ素ポリマーであり、より好ましくはポリジメチルシロキサンである。
下地層15aが無機物からなる場合、下地層15aは、蒸着やスパッタリングなどの方法で形成可能である。下地層15aがシリコーン化合物からなる場合、下地層15aは、シリコーン化合物にプラズマ照射して重合膜を形成することによって形成することができる。下地層15aは、被覆部材基材13の少なくとも一部を覆うように形成すればよい。下地層15aの厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜50nmである。
(被覆部材撥水化処理層形成工程)
撥水化処理層15bは、下地層15aを表面処理して形成する。撥水化処理層15bは、一例として、フッ素原子含有層により構成される。そうすることでハードコートフィルム1の撥水性を高めることができる。フッ素原子含有層は、フッ素原子を含んでいればよく、その厚さや構成は限定されない。フッ素原子含有層は、フッ素原子を含むフッ素原子含有基を含むことが好ましい。フッ素原子含有基は、一例では、パーフルオロアルキル基であり、より具体的には、パーフルオロアルコシキシラン基である。フッ素原子含有基は、好ましくは、被覆部材基材13の樹脂、又は下地層15aに化学結合されている。一般に、フッ素原子含有基は、下地層15aに対して強固な化学結合を形成しやすいので、被覆部材基材13とフッ素原子含有層の間に下地層15aを設けることによってフッ素原子含有層が被覆部材基材13上に強固に保持される。
一例としては、下地層15aにシランカップリング剤を反応させることによって下地層15aを覆うように撥水化処理層15bを形成する。シランカップリング剤としては、フッ素原子を含有しているフッ素原子含有シランカップリング剤が好ましく、例えば、パーフルオロアルキルトリアルコキシ(メトキシ、エトキシなど)シランであり、市販品としては、オプツールDSX(ダイキン工業社製)が挙げられる。撥水化処理層15bは、下地層15aの少なくとも一部を覆うように形成すればよい。
下地層15aを形成せずに被覆部材基材13の樹脂にシランカップリング剤を作用させても強固な化学結合が形成されにくいので、予め被覆部材基材13上に下地層15aを形成することが好ましい。ただし、被覆部材基材13に含まれる樹脂がシランカップリング剤と化学結合が形成しやすい場合にはその限りではない。
表面層15は、一例として上記のような処理を行うことにより被覆部材11の表面自由エネルギーを低いものとすることができる。本実施形態では、被覆部材11の表面自由エネルギーが18mN/m以下である。
<光硬化工程>
この工程では、図2Bに示すように、被覆部材11を樹脂組成物層10に接触させた状態で光硬化することによって樹脂層5を形成する。
樹脂組成物層10は、樹脂組成物層10側から又は被覆部材基材13側から樹脂組成物層10に活性エネルギー線29を照射することによって光硬化させることができる。樹脂組成物層10へ照射する活性エネルギー線29は、樹脂組成物層10が十分に硬化する程度の積算光量で照射すればよく、積算光量は、例えば100〜10000mJ/cmである。活性エネルギー線29の照射によって、樹脂組成物層10が硬化される。本実施形態では、樹脂組成物層10側から活性エネルギー線29の照射を行っているが、基材側から活性エネルギー線29の照射を行ってもよい。
<離脱工程>
続いて図2Cに示すように、被覆部材11を離脱することで、図1に示すように、基材3上に樹脂層5を備えるハードコートフィルム1が形成される。
本発明のハードコートフィルム1は、撥水性を高めるために樹脂層5上にさらに表面層を設けてもよい。表面層は、被覆部材11の表面層と同様の構成のものが採用可能であり、同様の方法で形成可能である。
2.第2実施形態
2−1.ハードコートフィルム
図3に示すように、本発明の第2実施形態のハードコートフィルム1は、基材3と、基材3の少なくとも一方の面に樹脂層5を備えている。樹脂層5は、被覆部材により転写された凹凸形状27を備える。被覆部材から転写される形状は、後ほど詳細に説明する。本実施形態のハードコートフィルム1の、凹凸形状以外の構成である、基材、樹脂層、表面層、下地層、撥水下処理層の説明は、第1実施形態と同様である。
2−2.ハードコートフィルムの製造方法
本実施形態のハードコートフィルム1の製造方法は、被覆部材接触工程が、凹凸形状を備える被覆部材11を用いて凹凸形状を転写する凹凸形状転写工程を備える。
<凹凸形状転写工程>
図4A〜図4Cに示すように、基材3上に形成した樹脂組成物層10に対して予め準備した凹凸形状を備える被覆部材11を接触させて凹凸形状を転写する。この状態で光硬化工程を行うことにより樹脂組成物層10硬化し、樹脂層5を得る。その後、被覆部材11を離脱することで凹凸形状が転写されたハードコートフィルム1を得ることができる。
本実施形態のハードコートフィルム1の製造方法において、凹凸形状転写工程以外の工程である、樹脂組成物層形成工程、光硬化工程、離脱工程については、「1−3.樹脂層」で説明した各樹脂組成物層形成工程、光硬化工程、離脱工程と同様である。
(被覆部材)
第2実施形態のハードコートフィルム1の製造工程で用いる被覆部材11は、表面層15が凹凸形状を有していて、その凹凸形状を樹脂組成物層に転写する機能を有している。この場合、凹凸形状の凸部は、その高さ方向に断面積が実質的に一定である凸部である。凸部の断面形状は円が好ましいが、楕円、長円、多角形(正方形、長方形、正六角形など)などの別の形状であってもよい。凸部の断面形状が円である場合、その直径は40〜2000nmが好ましく、100〜1800nmがさらに好ましい。
凸部が形成されるピッチPは、90〜4000nmであり、200〜3500nmがさらに好ましい。隣接した2つの凸部の間の隙間Gは、50〜1500nmであり、50〜300nmがさらに好ましい。ピッチPが小さすぎたり、隙間Gが小さすぎる場合には、隣接する凸部間の間隔が狭くなりすぎて、撥水性が高くなりにくい。また、ピッチPが大きすぎると凸部によって構造色が発現されて透明性が損なわれやすくなるからである。
凸部の高さは、特に限定されないが、例えば、50〜2000nmであり、100〜400nmが好ましい。凸部の高さが50nm以上であると撥水性を高くすることができ、凸部の高さが2000nm以下であると凸部が倒壊されにくくなるため好ましい。
凹凸形状を有する被覆部材の作製方法について以下、説明する。図4Aに示すように、PETフィルム等の被覆部材基材13上に光硬化性樹脂組成物を塗工した後に凹凸形状を備える金型により凹凸形状を転写することで被覆部材樹脂層19を形成する。
その後、第1実施形態と同様の方法で表面層15を形成することによって、本実施形態の被覆部材11が得られる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
まず、(メタ)アクリレート、架橋剤、添加剤、光開始剤、溶媒を以下に示す割合で配合し、光硬化性樹脂組成物を調製した。配合について一覧にしたものを表1に示す。
<配合成分>
ジペンタエリスリトールポリアクリレート:新中村化学工業社製NKエステルA−9570W
HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート):東ソー社製HDI
KY−1203(末端(メタ)アクリル変性パーフルオロポリエーテル):信越化学工業社製
NIKKOL TDP−8(ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸:日光ケミカルズ社製
イルガキュア184:BASFジャパン社製
MIBK(メチルイソブチルケトン)
<被覆部材製造例1〜7・比較製造例1〜3>
[製造例1]
125μm厚の易接着処理がされたPET基材を基材として用いて基材上に光硬化性樹脂を塗工した後に硬化することで樹脂層を有する被覆部材を形成した。樹脂層を有する被覆部材に必要に応じてSiOを10nm真空蒸着により下地層を形成した後、下地層の表面をフッ素原子含有シランカップリング剤(パーフルオロアルコキシシラン溶液)にディップコートにより表面処理することにより撥水化処理層を形成した被覆部材E1を得た。
[製造例2〜5・比較製造例3]
製造例2〜5・比較製造例3については、被覆部材に係る基材、下地層、撥水化処理層、及び形状について表2のように変更した以外は、製造例1と同様にして被覆部材E2〜E5、C3を作製した。
[比較製造例1、2]
比較製造例1、2については、基材及び形状について表2のようにして被覆部材C1、C2を作製した。
[製造例6、7]
製造例6、7については、無機粒子を含む樹脂層に対してSAMCO製酸素プラズマ装置により50[Pa]以下の真空下において、高周波(13.56MHz)を200Wの出力で300秒処理を行うことで、被覆部材の形状をランダム形状とし、かつ基材、下地層、及び撥水化処理層について表3のように変更した以外は、製造例1と同様にして被覆部材E6、E7を作製した。
そのようにして作製した各被覆部材E1〜E7及びC1〜C4における基材、下地層有無、撥水化処理層有無、形状、形状寸法、及び表面自由エネルギーについて一覧にしたものを表2及び表3に示す。
<実施例・比較例>
[実施例1]
上記配合1に示される成分を配合し、撹拌により混合して、光硬化性樹脂組成物を得た。この光硬化性樹脂組成物及び被覆部材E1を用いて、以下の方法でハードコートフィルムを作製した。
<樹脂組成物層形成工程>
まず、125μm厚のPET基材に対して、上記の光硬化性樹脂組成物を5μm厚になるようにバーコートした後、110℃(乾燥状態)で5分間熱処理することによって樹脂組成物層を形成した。
<被覆部材接触工程>
次に、PET基材上に形成した樹脂組成物層に上記被覆部材E1(表面自由エネルギーが13.3mN/m)を接触させた。
<光硬化工程>
次に、樹脂組成物層に上記被覆部材E1を接触させた状態でUV照射を行うことにより樹脂組成物層を光硬化し、その後被覆部材E1を離脱することにより、樹脂組成物層が光硬化された樹脂層を形成し、ハードコートフィルムを作製した。
[比較例1]
被覆部材を用いずに大気中でUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例2]
被覆部材を用いずに真空中でUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例3]
被覆部材E1の代わりに被覆部材C1(非易接着処理PET:表面自由エネルギーが46.7mN/m)を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例4]
被覆部材E1の代わりに被覆部材C2(シリコーンセパレータ:表面自由エネルギーが20.2mN/m)を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例5]
被覆部材E1の代わりに被覆部材C3を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。しかし、被覆部材を離脱する際に被覆部材へ樹脂の転着が起こり、離脱ができずハードコートフィルムを得ることはできなかった。
[比較例6]
配合1の代わりに配合2を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例7]
配合2の代わりに配合3を用いたこと以外は、比較例6と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[実施例2]
被覆部材E1の代わりに被覆部材E2を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[実施例3]
被覆部材E1の代わりに被覆部材E3を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[実施例4]
被覆部材E1の代わりに被覆部材E4を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[実施例5]
被覆部材E1の代わりに被覆部材E5を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[実施例6]
被覆部材E1の代わりに被覆部材E6を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[実施例7]
被覆部材E1の代わりに被覆部材E7を用いてUV照射を行うことにより樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例8]
配合1の代わりに配合2を用いたこと以外は、実施例7と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
[比較例9]
配合2の代わりに配合3を用いたこと以外は、比較例8と同様の方法でハードコートフィルムを作製した。
<5点平均形状高さ>
5点平均形状高さは、走査型プローブ顕微鏡(SII.Nanotechnology社製)のDFMモード観察によって得られた像から、走査型プローブ顕微鏡PCソフト「Spisel32」を用いて測定、表面粗さ解析から得られた任意の形状5点の高さの平均値を示す。
<平均面粗さ測定>
平均面粗さは、走査型プローブ顕微鏡(SII.Nanotechnology社製)のDFMモード観察によって得られた像から、走査型プローブ顕微鏡PCソフト「Spisel32」を用いて測定して得られた数値を示す。
<表面積率測定>
表面積率は、走査型プローブ顕微鏡(SII.Nanotechnology社製)のDFMモード観察によって得られた像から、走査型プローブ顕微鏡PCソフト「Spisel32」を用いて測定して得られた数値を示す。
<表面自由エネルギー測定>
表面自由エネルギーは、イオン交換水をジヨードメタンに変更して、上記と同様の方法で接触角を測定し、得られた測定値からOwens-Wendt理論より算出した。
<水接触角測定>
得られたハードコートフィルムについて、接触角計(KRUSS社製,DSA25S)を用いて、室温(25℃)下において、当該フィルムの表面にイオン交換水2〜10μl滴下し、フィルムと水の接する角度(水接触角)の測定を行い、n=10の平均値を測定値とした。
<インクはじき性>
形状を有していない各被覆部材を用いて得られたハードコートフィルムについて、その表面に油性インクを用いて線を描いた際にインクをどの程度はじくかを下記の基準により評価した。インクとしては、マッキーケア極細(黒、青、赤)(ゼブラ社製)を用いた。
○:ほぼはじく
△:僅かにはじく
×:はじかない
実施例・比較例における得られたハードコートフィルムの表面自由エネルギー、水接触角、及びインクはじき性を一覧にしたものを表4に示す。
表4に示すように、実施例1では、水接触角が110度以上であり、撥水性に優れており、さらにインクはじき性にも優れていることが分かった。一方、被覆部材E1を用いなかった比較例1〜2ではともに水接触角が小さくなり、インクはじき性も悪くなった。図5にインクはじき性を評価の際に撮影した画像を示す。各画像中に示される線図は上から順に、黒、青、赤、それぞれのインクで描いたものを示す。また、被覆部材E1の代わりに非易接着処理PETやシリコーンセパレータを用いた比較例3〜4ではさらに水接触角が小さくなり撥水性に劣ることが分かった。ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸を含む配合を用いた比較例6〜7では、表面自由エネルギーがかなり高く、かつ水接触角が小さくなり、撥水性に劣ることが分かった。ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸を含む配合であってかつ被覆部材E7を用いた比較例8〜9の場合においても水接触角は小さく撥水性に劣っていた。
実施例2〜7では、いずれもハードコートフィルムの表面自由エネルギーが小さくなり、水接触角が大きくなったことで非常に優れた撥水性を発現していることが分かった。
<ハードコートフィルム最表面の元素濃度測定>
実施例1及び比較例1で得られたハードコートフィルムの表面の各元素濃度をXPSにて測定した。XPS測定は下記条件にて行った。得られた結果を表5に示す。
XPS測定条件:
使用機器:PHI Quantum 2000
X線源:単色化AlKα1486.6eV
許容角度:±23°
離陸角:45°
分析エリア:1400μm×300μm
電荷補正:C1s 284.8eV(C−C、C−H)
イオン銃条件:Ar+、3keV、2.6mm×1mmラスタ
スパッタレート:8nm/min PET
Zalar回転:OFF

表面に形状を設けていないハードコートフィルムでの比較では比較例1に比べて、実施例1では最表面におけるフッ素およびケイ素原子濃度比が明らかに高く、本発明のハードコートフィルムにおいて被覆部材の効果が確認できる。形状付きの被覆部材を用いて得たハードコートフィルムも上記と同様に被覆部材の効果が得られるものと推察される。
1:ハードコートフィルム
3:基材
5:樹脂層
10:樹脂組成物層
11:被覆部材
13:被覆部材基材
15:被覆部材表面層
15a:被覆部材下地層
15b:被覆部材撥水化処理層
19:被覆部材樹脂層
21:被覆部材凸部
25:樹脂層
27:凸部
29:活性エネルギー線

Claims (14)

  1. (メタ)アクリレートと、
    フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、
    光開始剤と、
    を含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂組成物層を形成する樹脂組成物層形成工程と、
    表面層の表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を、前記樹脂組成物層に接触させる被覆部材接触工程と、
    前記被覆部材が前記樹脂組成物層に接触した状態で前記樹脂組成物層を光硬化することによって樹脂層を形成する光硬化工程と、
    前記被覆部材を前記樹脂層から離脱させる離脱工程を備える方法によって形成される、ハードコートフィルム。
  2. 前記被覆部材は、前記表面層が撥水化処理によって形成された撥水化処理層を備える、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記撥水化処理層は、シリコーン化合物層を備える、請求項2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記被覆部材は、無機物又はシリコーン化合物の層からなる下地層を備え、
    前記撥水化処理層は、前記下地層上に形成される、請求項2又は請求項3に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記撥水化処理層は、前記下地層をシランカップリング剤で処理されて形成される、請求項4に記載のハードコートフィルム。
  6. 前記添加剤は、フッ素原子含有基及びシリコーン骨格を有する化合物を含む、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のハードコートフィルム。
  7. 前記被覆部材が表面に凹凸形状を有し、前記樹脂層が前記凹凸形状を転写されてなる、
    請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のハードコートフィルム。
  8. (メタ)アクリレートと、
    フッ素原子含有基及び/又はシリコーン骨格を有する化合物を含む添加剤と、
    光開始剤と、
    を含む光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂組成物層を形成する樹脂組成物層形成工程と、
    表面層の表面自由エネルギーが18mN/m以下である被覆部材を、前記樹脂組成物層に接触させる被覆部材接触工程と、
    前記被覆部材が前記樹脂組成物層に接触した状態で前記樹脂組成物層を光硬化することによって樹脂層を形成する光硬化工程と、
    前記被覆部材を前記樹脂層から離脱させる離脱工程を備えるハードコートフィルムの製造方法。
  9. 前記被覆部材は、前記表面層が撥水化処理によって形成された撥水化処理層を備える、請求項8に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  10. 前記撥水化処理層は、シリコーン化合物層を備える、請求項9に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  11. 前記被覆部材は、無機物又はシリコーン化合物の層からなる下地層を備え、
    前記撥水化処理層は、前記下地層上に形成される、請求項9又は請求項10に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  12. 前記撥水化処理層は、前記下地層をシランカップリング剤で処理されて形成される、請求項11に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  13. 前記添加剤は、フッ素原子含有基及びシリコーン骨格を有する化合物を含む、請求項8〜請求項12の何れか1項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  14. 前記被覆部材が表面に凹凸形状を有し、前記樹脂層に前記凹凸形状を転写する凹凸形状転写工程を備える、請求項8〜請求項13の何れか1項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
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