JP2020040764A - エレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置および劣化計測方法 - Google Patents

エレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置および劣化計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正確なワイヤーロープの劣化状態を計測することができるエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置および劣化計測方法を提供する。【解決手段】ワイヤーロープ5の劣化を計測する劣化計測装置10は、ワイヤーロープ5を挟持するように取り付けられる半割構造のガイド体11と、ガイド体11を回転可能に支持する支持部材12と、支持部材12に取り付けられてワイヤーロープ5の表面を撮影するカメラ13と、カメラ13で撮影した画像からワイヤーロープ5の劣化度を計測する画像解析装置14とを備えており、ガイド体11の内側にワイヤーロープ5の外周面の螺旋状の凹凸形状に対応した形状の係合部15aが設けられていると共に、ガイド体11の外表面にカメラで認識可能な第1および第2マーカー16a,16bが設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、エレベーターを駆動させるワイヤーロープの劣化度を計測するエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置および劣化計測方法に関する。
エレベーターを駆動させるワイヤーロープは、素線と呼ばれる複数の鋼線が撚り合わされてストランドを形成し、このストランドを中央部の繊維芯のまわりに複数本撚り合わすことで構成されている。そのため、ワイヤーロープの外周面には、軸方向に螺旋状の凹凸形状が形成されている。
ワイヤーロープは、ストランドの撚り1回転(1ピッチ)中に発生する素線切れの個数が所定以上になると破断に至る虞があるため、定期的に素線切れの個数を確認して劣化状態を点検するようにしている。
従来より、ワイヤーロープの劣化状態を点検する方法として、作業者が乗りかご上に乗り込んで、ワイヤーロープの点検ができる位置まで移動した後、当該位置で作業者の目視により素線切れの個数を確認するという技術が広く知られている。
また、他の従来技術として、特許文献1に記載されているように、ワイヤーロープの画像を所定の昇降工程にわたって撮影した映像信号と、エレベーター制御盤から得られるかご位置信号とに基づいて、所定距離の範囲内における素線切れの個数を検出し、所定距離の範囲内で素線切れの個数が所定数を超えて検出されたときに、ロープ交換が必要であると判定するようにしたワイヤーロープの素線切れ検査装置が提案されている。
特開2009−12903号公報
しかし、作業者の目視により素線切れを確認するという前者の従来技術では、ロープの一方向のみから目視検査で素線切れをチェックするため、多大の時間を必要とするだけでなく、素線切れを見逃してしまうことが多く、交換すべきロープが見落とされる可能性がある。
これに対し、特許文献1に記載された後者の従来技術では、カメラで撮影した画像から素線切れを計測しているため、作業者の目視に比べると素線切れを見逃してしまう可能性は低くなるが、ワイヤーロープの素線切れを確認する範囲を、エレベーターのかご位置信号に基づいて得られる距離から間接的に判断しているため、正確なかご位置信号を得ることができない古いエレベーター等に適用する場合、ワイヤーロープの劣化度を正確に計測することができなくなる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、正確なワイヤーロープの劣化状態を計測することができるエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置および劣化計測方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、代表的な本発明は、エレベーターの乗りかごを昇降させるワイヤーロープの劣化を計測するエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置であって、前記ワイヤーロープを挟持するように取り付けられる半割構造のガイド体と、前記ガイド体を回転可能に支持する支持部材と、前記支持部材に取り付けられて前記ワイヤーロープの表面を撮影するカメラと、前記カメラで撮影した画像から前記ワイヤーロープの劣化度を計測する画像解析装置と、を備え、前記ガイド体の内側に前記ワイヤーロープの外周面の螺旋状の凹凸形状に対応した形状を有する係合部が設けられていると共に、前記ガイド体の外表面に前記カメラで認識可能なマーカーが設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、正確なワイヤーロープの劣化状態を計測することができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
エレベーターの主要部を示す概略構成図である。 図1のエレベーターに使用されるワイヤーロープの外観の一部を拡大して示す説明図である。 実施形態に係る劣化計測装置の使用状態を示す説明図である。 劣化計測装置に備えられるガイド体の外観斜視図である。 ガイド体の半割部分を示す斜視図である。 劣化計測装置に備えられる支持部材の接続部を示す斜視図である。 劣化計測装置に備えられる画像解析装置を示すブロック構成図である。 画像解析装置の処理動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る劣化計測方法の作業手順を示すフローチャートである。
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明が適用されるエレベーターの主要部を示す概略構成図である。
図1に示すエレベーター1は、昇降路2の上部の機械室に設置された巻上機3の綱車とそらせ車4にワイヤーロープ5を掛けると共に、このワイヤーロープ5の一端側に乗りかご6を、他端側に釣合いおもり7をそれぞれ吊り下げ、巻上機3を駆動してワイヤーロープ5を巻き上げることにより、乗りかご6と釣合いおもり7が昇降路2内を釣瓶式に昇降するように構成されている。
図2はワイヤーロープ5の外観の一部を拡大して示す説明図である。図2に示すように、ワイヤーロープ5は、複数の素線5aが撚り合わされてストランド5bを形成し、このストランド5bを中央部の繊維芯(図示せず)のまわりに複数本撚り合わすことで構成されている。ここで、ワイヤーロープ5が最も劣化する部分は、基準階(例えば1階)に設定されている階付近で乗りかご6が加減速するとき、巻上機3の綱車とそらせ車4に掛かっている箇所であり、当該箇所におけるワイヤーロープ5の表面に素線切れ5cが集中して発生し易くなる。このような理由から、本実施形態では、最も素線切れ5cが多く発生する部分のワイヤーロープ5に予め黄色マーク等の目印を付けてあり、この目印が付いた部分のワイヤーロープ5を点検するようにしている。
本発明は、後述する劣化計測装置のカメラで撮影した画像から、ストランド5bの1ピッチ内に発生した素線切れ5cの数を自動認識し、それによってワイヤーロープ5の劣化状態を計測するようにしている。以下、本発明の実施形態に係るエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置について、図3〜図9を参照しつつ詳細に説明する。
図3は実施形態に係る劣化計測装置の使用状態を示す説明図、図4は劣化計測装置に備えられるガイド体の斜視図、図5はガイド体の半割部分を示す斜視図、図6は劣化計測装置に備えられる支持部材の接続部を示す斜視図である。
図3〜図6に示すように、実施形態に係る劣化計測装置10は、ワイヤーロープ5を挟持するように取り付けられる半割構造のガイド体11と、ガイド体11を回転可能に支持する支持部材12と、支持部材12に取り付けられたカメラ13と、カメラ13で撮影した画像からワイヤーロープ5の劣化度を計測する画像解析装置14と、を備えて構成されている。
ガイド体11は、円筒状の回転部11aと、回転部11aの上下両端部から径方向へ突出する大径の鍔部11bとを有しており、全体的にボビン状に形成されている。ここで、ガイド体11は2つの半割ガイド体11Aに分割できるようになっており、これら半割ガイド体11Aの中心には上下方向(軸方向)に貫通する係合孔15が設けられている。図5に示すように、一方の半割ガイド体11Aの係合孔15には、ワイヤーロープ5の外周面の螺旋状の凹凸形状に対応した形状の係合部15aが形成されており、他方の半割ガイド体11Aの係合孔15にも同様の係合部15aが形成されている。したがって、ガイド体11をワイヤーロープ5の軸線方向に沿って移動させると、ガイド体11は、ストランド5bの1回転分だけ巻かれている範囲(1ピッチ)を移動する間にワイヤーロープ5の周囲を1回転する。
また、ガイド体11の上側の鍔部11bの外周面には、1つの第1マーカー16aと複数の第2マーカー16bが周方向に所定間隔を存して形成されている。第1マーカー16aと第2マーカー16bは、後述するカメラの画像から容易に識別できるように互いの切り欠き形状を異ならせている。具体的には、第1マーカー16aが鍔部11bの厚みと同じ長寸形状に形成されているのに対し、第2マーカー16bは鍔部11bの約半分の厚みの短寸形状に形成されている。ただし、第1マーカー16aと第2マーカー16bを識別する手段は形状の違いに限定されず、それ以外にも互いの色や模様等を変えるようにしても良い。なお、ガイド体11の下側の鍔部11bにも同様の第1マーカー16aと第2マーカー16bが形成されており、ガイド体11を上下逆向きにした状態でワイヤーロープ5に取り付けたとしても、必ず上側の鍔部11bに第1マーカー16aと第2マーカー16bが位置するようになっている。
支持部材12は、ワイヤーロープ5と所定距離を隔てて平行に延びる鉛直支持部12aと、鉛直支持部12aのほぼ中央位置からガイド体11に向かって延びる水平支持部12bとを有し、鉛直支持部12aのうち、水平支持部12bよりも下側部位は把持部12cとなっている。鉛直支持部12aの上下両端には揺れ防止板17がそれぞれ固着されており、これら支持部材12の鉛直支持部12aと水平支持部12bおよび一対の揺れ防止板17とにより、全体的にE字状に組み合わされた構造体が構成されている。また、両揺れ防止板17の先端側には半円筒状の当接部17aが形成されており、これら当接部17aをワイヤーロープ5の表面に押し当てることにより、劣化計測装置10をワイヤーロープ5に対してガタ付きなく安定的に支えられるようにしている。
支持部材12の水平支持部12bの先端側には、ガイド体11を回転可能に支持する接続部18が設けられている。図6に示すように、この接続部18は、2分割可能な一対の半円筒状体18A,18bと、これら両半円筒状体18A,18bを連結する締結具(ボルト19と蝶ナット20)とからなり、一方の半円筒状体18Aが水平支持部12bの先端に固着されている。そして、ガイド体11の回転部11aが両半円筒状体18A,18bで回転可能に挟み込まれ、上下の鍔部11bが両半円筒状体18A,18bよりも径方向外側へ突出することにより、ガイド体11は接続部18からの脱落が防止されている。
カメラ13は鉛直支持部12aのうち水平支持部12bよりも上側部位に取り付けられており、このカメラ13によってワイヤーロープ5の表面とガイド体11の第1および第2マーカー16a,16bとを同時に撮影可能としている。カメラ13で撮影した画像データは画像解析装置14に取り込まれ、画像解析装置14は、その画像データに基づいてワイヤーロープ5の劣化度を計測する。カメラ13と画像解析装置14は、有線または無線通信により接続可能になっているが、例えばカメラ機能付きスマートフォンのように、カメラ13と画像解析装置14を同一の機器で構成するようにしても良い。
図7は画像解析装置14のブロック構成図であり、この画像解析装置14は、コンピュータから成り、ガイド体11の回転量とワイヤーロープ5の素線切れ5cの個数を計測する計測部21と、計測部21の計測結果を表示するモニタ22と、を備えている。
計測部21は、入力部23、演算部24、記憶部25、出力部26を有している。入力部23は、カメラ13で撮影したワイヤーロープ5の表面の画像データと、カメラ13で同時に撮影したガイド体11の外表面の画像データとを入力し、これら画像データを演算部24に出力する。演算部24は、記憶部25に記憶されているプログラムや素線切れ画像の識別情報等に従い、ストランド5bの1ピッチ中に発生している素線切れ5cの個数を計測する。出力部26は、演算部24で処理された素線切れ5cの個数の演算結果をモニタ22に出力する。モニタ22の図示しない表示制御部は、出力部26からの指令に従い、モニタ22の画面に1ピッチ当たりの素線切れ5cの個数や、ワイヤーロープ5の交換を促す警告等を表示する。
図8は画像解析装置14の処理動作を示すフローチャートである。図8に示すように、演算部24は、入力部23からカメラ13の画像データを取得すると(ステップS1)、この画像データに基づいてガイド体11の回転量を計測し(ステップS2)、同時に素線切れ5cの個数を計測する(ステップS3)。ここで、ガイド体11はストランド5bの1ピッチを移動する間に1回転し、それに伴って回転するガイド体11の第1および第2マーカー16a,16bがカメラ13で撮影されるため、画像データ上の第1マーカー16aと第2マーカー16bを認識することにより、ガイド体11が何回転したかを計測することができる。しかも、複数の第1および第2マーカー16a,16bのうち、1つの第1マーカー16aだけが残り複数の第2マーカー16bと異なる切り欠き形状となっているため、第1マーカー16aが画像内を通過したことを認識することにより、ガイド体11の回転量を1回転ごとに補正することができる。
演算部24は、計測したガイド体11の回転量と素線切れ5cのカウント数から、ストランド5bの1ピッチ中に発生している素線切れ5cの個数(n)を演算し(ステップS4)、その演算結果を、出力部26を介してモニタ22に出力し(ステップS5)、モニタ22に素線切れ5cの個数が表示される。そして、演算部24は、1ピッチ当たりの素線切れ5cの個数(n)が所定数(N)を超えているか否か(n≧N?)を判定し(ステップS6)、素線切れ5cの個数(n)が所定数(N)よりも少ない場合(ステップS6/No)は処理を終了する。一方、演算部24は、素線切れ5cの個数(n)が所定数(N)以上である場合(ステップS6/Yes)は、出力部26を介してモニタ22にワイヤーロープ5の交換を促す旨の警告を表示させ、必要に応じてブザー等の発報指令を出力してから処理を終了する。
次に、図1〜図8を参照しつつ、図9に示すフローチャートに基づいて実施形態に係る劣化計測方法の作業手順について説明する。
最初に、図1に示すように、作業者100が乗りかご6上に乗り込み、ワイヤーロープ5の点検ができる位置まで移動する。前述したように、ワイヤーロープ5が最も劣化する特定部分に予め黄色マーク等の目印が付けられているため、作業者100は目印の付いた箇所に届く位置まで移動した後、実施形態に係る劣化計測装置10を用いて以下の作業を行う。
まず、ガイド体11を2つの半割ガイド体11Aに一旦分割し、これら両半割ガイド体11Aでワイヤーロープ5を挟み込むようにして、ガイド体11をワイヤーロープ5に取り付ける(ステップS10)。これにより、ガイド体11の係合孔15に形成された係合部15aがワイヤーロープ5の外周面の螺旋凹凸形状に係合する。
次に、支持部材12に設けられた接続部18を2つの半円筒状体18A,18bに分割し、これら両半円筒状体18A,18bの中にガイド体11の回転部11aを挿入した後、ボルト19と蝶ナット20を用いて両半円筒状体18A,18bを接合・一体化する。これにより、ガイド体11が支持部材12の接続部18に回転可能に連結される(ステップS11)。
この状態で劣化計測装置10のワイヤーロープ5への取り付けは完了し、支持部材12の上下両端に設けられた揺れ防止板17の当接部17aがワイヤーロープ5の表面に当接することにより、劣化計測装置10はワイヤーロープ5に対して安定した姿勢で取り付けられる。また、カメラ13は、ガイド体11の上方に位置するワイヤーロープ5の表面と、ガイド体11の上側の鍔部11bに設けられた第1および第2マーカー16a,16bとを同時に撮影できるように、その位置および角度が設定されている。
このように劣化計測装置10の取り付けが完了した後、作業者100は、カメラ13の撮影と画像解析装置14の処理動作を開始させ、支持部材12の把持部12cを掴みながら劣化計測装置10を下方へ移動する(ステップS12)。劣化計測装置10を下方へ移動すると、ガイド体11は、ワイヤーロープ5と係合部15aとの螺旋凹凸形状の係合により、劣化計測装置10の移動に合わせてワイヤーロープ5の周囲を回転しながら下方へ移動していく。
作業者100が劣化計測装置10を下方へ移動している間、カメラ13は、下降しながら回転するガイド体11の第1および第2マーカー16a,16bと、ガイド体11の移動方向の上流側に位置するワイヤーロープ5の表面とを同時に撮影する(ステップS13)。このとき、ガイド体11はワイヤーロープ5の表面の凹凸形状に合わせた係合部15aで係合しているため、ガイド体11がワイヤーロープ5を下方へ向かって移動する際に、ワイヤーロープ5の表面に堆積した油を含む汚れがガイド体11の係合部15aによって掻き落とされる(除去される)。これにより、ガイド体11の通過後のワイヤーロープ5の表面は油汚れのない綺麗な状態となり、カメラ13は常に綺麗な状態のワイヤーロープ5の表面を撮影することができる。
カメラ13で撮影した画像データが画像解析装置14に取り込まれると、前述したように、画像解析装置14の演算部24は、この画像データからワイヤーロープ5に発生している素線切れ5cの個数をカウントし、同時に、ガイド体11に設けられた第1および第2マーカー16a,16bの動きに基づいてガイド体11の回転量を計測する。このように、劣化計測装置10が移動した範囲のワイヤーロープ5の撚り数を計測し、その範囲中に発生する素線切れ5cの個数を計測することにより、画像解析装置14がワイヤーロープ5の劣化度を計測する(ステップS14)。ここで、本実施形態では、ガイド体11に設けた複数の第1および第2マーカー16a,16bのうち、1つの第1マーカー16aだけが残り複数の第2マーカー16bと異なる切り欠き形状となっているため、第1マーカー16aが画像内を通過したことを認識することにより、ガイド体11の回転量を1回転ごとに補正することができる。
画像解析装置14は計測したワイヤーロープ5の劣化度をモニタ22に出力し、作業者100は、モニタ22に表示された表示内容からワイヤーロープ5の劣化度を認識することができる。その際、モニタ22の表示画面には、画像解析装置14の演算部24で計測されたストランド5bの1ピッチ中に発生している素線切れ5cの個数nが表示されるため、作業者100は、この個数nが所定数Nを超えていればワイヤーロープ5を交換する必要があり、個数nが所定数Nに達していなければワイヤーロープ5を交換する必要がないと判断することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置10は、ワイヤーロープ5を挟持するように取り付けられる半割構造のガイド体11と、ガイド体11を回転可能に支持する支持部材12と、支持部材12に取り付けられてワイヤーロープ5の表面を撮影するカメラ13と、カメラ13で撮影した画像からワイヤーロープ5の劣化度を計測する画像解析装置14と、を備え、ガイド体11の内側にワイヤーロープ5の外周面の螺旋状の凹凸形状に対応した形状の係合部15aが設けられていると共に、ガイド体11の外表面にカメラで認識可能な第1および第2マーカー16a,16bが設けられているため、カメラ13で撮影したワイヤーロープ5の表面とガイド体11の動きの画像から、ワイヤーロープ5の劣化状態を簡単かつ正確に計測することができる。
また、本実施形態に係る劣化計測装置10では、ガイド体11がワイヤーロープ5の表面の凹凸形状に合わせた係合部15aで係合しているため、ガイド体11がワイヤーロープ5の軸線方向に沿って移動する際に、ワイヤーロープ5の表面に堆積した油汚れをガイド体11によって除去することができる。したがって、素線切れ5cを確認する前にわざわざ手作業で油汚れを除去する必要がなくなり、ワイヤーロープ5の点検と清掃を同時に行うことができる。
また、本実施形態に係る劣化計測装置10では、ガイド体11を回転可能に支持する接続部18が、2分割可能な一対の半円筒状体18A,18bと、これら半円筒状体18A,18bを連結する締結具(ボルト19と蝶ナット20)とで構成され、一方の半円筒状体18Aが支持部材12に固着されているため、ガイド体11と支持部材12の接続部18を容易に連結することができる。しかも、両半円筒状体18A,18bでガイド体11の回転部11aを回転可能に挟み込むと共に、両半円筒状体18A,18bの上下両端から鍔部11bが径方向外側へ突出しているため、ガイド体11の接続部18からの脱落を確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る劣化計測装置10では、支持部材12の鉛直支持部12aの上下両端にそれぞれ揺れ防止板17を設け、これら揺れ防止板17の先端側の当接部17aをワイヤーロープ5の表面に押し当てて劣化計測装置10を支えているため、カメラ13で撮影する範囲のワイヤーロープ5の撓み変形を抑制することができる。なお、揺れ防止板17は鉛直支持部12aの上下両端にあると効果的であるが、少なくともカメラ13が取り付けられている側の端部(本実施形態では上端部)に設けられていれば良い。
また、本実施形態に係るエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測方法によれば、上記した劣化計測装置10を用いて、ワイヤーロープ5の劣化状態を簡単かつ正確に計測することができると共に、ワイヤーロープ5の点検と清掃を同時に行うことができる。
なお、上記した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、作業者100が乗りかご6上に乗り込み、ワイヤーロープ5の点検ができる位置まで移動した後、劣化計測装置10をワイヤーロープ5に取り付けて点検作業を行うようにしているが、巻上機3等が設置された機械室内で劣化計測装置10を使用することも可能である。
また、上記の実施形態では、巻上機に掛けられたワイヤーロープの両端に乗りかごと釣り合いおもりが接続されたエレベーターに本発明を適用した場合ついて説明したが、本発明は、ワイヤーロープの両袖に乗りかごが接続された両かごエレベーターと呼ばれるエレベーターにも適用可能である。
1 エレベーター
2 昇降路
3 巻上機
4 そらせ車
5 ワイヤーロープ
5a 素線
5b ストランド
5c 素線切れ
6 乗りかご
7 釣合いおもり
10 劣化計測装置
11 ガイド体
11a 回転部11a
11b 鍔部
11A 半割ガイド体
12 支持部材
12a 鉛直支持部
12b 水平支持部
12c 把持部
13 カメラ
14 画像解析装置
15 係合孔
15a 係合部
16a 第1マーカー
16b 第2マーカー
17 揺れ防止板
17a 当接部
18 接続部
18A,18B 半円筒状体
19 ボルト
20 蝶ナット
21 計測部
22 モニタ
23 入力部
24 演算部
25 記憶部
26 出力部

Claims (8)

  1. エレベーターの乗りかごを昇降させるワイヤーロープの劣化を計測するエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置であって、
    前記ワイヤーロープを挟持するように取り付けられる半割構造のガイド体と、
    前記ガイド体を回転可能に支持する支持部材と、
    前記支持部材に取り付けられて前記ワイヤーロープの表面を撮影するカメラと、
    前記カメラで撮影した画像から前記ワイヤーロープの劣化度を計測する画像解析装置と、
    を備え、
    前記ガイド体の内側に前記ワイヤーロープの外周面の螺旋状の凹凸形状に対応した形状を有する係合部が設けられていると共に、前記ガイド体の外表面に前記カメラで認識可能なマーカーが設けられていることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  2. 請求項1に記載のエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置において、
    前記マーカーは、前記ガイド体の円周方向に沿って配列された少なくとも1つの第1マーカーと複数の第2マーカーとからなり、これら第1マーカーと第2マーカーは互いに識別可能であることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  3. 請求項1に記載のエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置において、
    前記ガイド体は、前記ガイド体の接続部に回転可能に支持された円筒状の回転部と、前記回転部の両端側に形成された大径の鍔部とを有し、前記鍔部の表面に前記マーカーが形成されていることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  4. 請求項3に記載のエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置において、
    前記接続部は、2分割可能な一対の半円筒状体と、これら両半円筒状体を連結する締結具とからなり、いずれか一方の前記半円筒状体が前記支持部材に固着されていることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  5. 請求項1に記載のエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置において、
    前記支持部材は、前記ワイヤーロープと所定距離を隔てて平行に延びる鉛直支持部と、前記鉛直支持部の途中位置から前記ガイド体に向かって延びる水平支持部とを有し、
    前記水平支持部を境にして2つの部位に区分けされた前記鉛直支持部のうち、いずれか一方の部位に前記カメラが取り付けられていると共に、いずれか他方の部位が作業者によって把持される把持部となっていることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  6. 請求項5に記載のエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置において、
    前記鉛直支持部の上下両端のうち、少なくとも前記カメラが取り付けられた部位の端部に、前記水平支持部と平行に延びる揺れ防止部が設けられており、この揺れ防止部の先端側が前記ワイヤーロープの表面と当接可能になっていることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  7. 請求項1に記載のエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置において、
    前記画像解析装置は、前記カメラで撮影した前記ワイヤーロープの画像と前記マーカーの動きに基づいて、前記ガイド体の1回転中における前記ワイヤーロープの素線切れの個数を計測する計測部と、前記計測部の計測結果を表示するモニタと、を備えていることを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測装置。
  8. エレベーターの乗りかごを昇降させるワイヤーロープの劣化を計測するエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測方法であって、
    前記ワイヤーロープの外周面の螺旋状の凹凸形状に対応する係合孔が設けられたガイド体を前記ワイヤーロープに取り付ける工程と、
    前記ガイド体に支持部材を回転可能に連結する工程と、
    前記支持部材を手動操作して前記ガイド体を前記ワイヤーロープの一方向へ移動することにより、前記ガイド体を前記支持部材の移動に合わせて回転させる工程と、
    前記支持部材に取り付けたカメラにより、移動方向の下流側に位置する前記ワイヤーロープの表面と、前記ガイド体の外表面に設けたマーカーとを同時に撮影する工程と、
    前記カメラで撮影した画像から前記ワイヤーロープの劣化度を計測する工程と、
    を含むことを特徴とするエレベーター用ワイヤーロープの劣化計測方法。
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