JP2020036457A - 電機子の製造方法 - Google Patents

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清隆 古賀
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隆洋 小淵
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Abstract

【課題】シート状の接合部絶縁部材を容易に接合部の間に配置することが可能な電機子の製造方法を提供する。【解決手段】このステータ100(電機子)の製造方法は、複数のセグメント導体40のうちのステータコア10(電機子コア)の中心軸線方向の一方側に配置される複数の第2導体80(一方側セグメント導体)の脚部81を、ステータコア10の中心軸線方向の一方側からステータコア10のスロット12に挿入する工程と、複数の第2導体80をスロット12に配置した後に、複数の第2導体80のうち、1つのスロット12において径方向に隣接する第2導体80の脚部81の第2対向面84の間に、シート状の第2絶縁部材21(接合部絶縁部材)を配置する工程とを備える。【選択図】図23

Description

本発明は、電機子の製造方法に関する。
従来、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられた電機子コアを備える電機子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、中心軸線方向(軸方向)に延びる複数のスロットが設けられたステータコアを備える回転電機ステータ(以下、「ステータ」という)が開示されている。このステータのスロットには、コイルが配置されている。コイルは、3分割されている。具体的には、コイルは、1つの直線形状の直線部導体セグメントと、2つの略U字形状(または、略V字形状)のコイルエンド部導体セグメントとにより構成されている。
また、上記特許文献1では、複数のスロットの各々に絶縁インシュレータが配置されている。絶縁インシュレータは、樹脂により形成されている。また、絶縁インシュレータには、直線部導体セグメントが挿入される挿入孔が設けられている。挿入孔は、1つの絶縁インシュレータに複数設けられている。そして、絶縁インシュレータの挿入孔の内部において、直線部導体セグメントとコイルエンド部導体セグメントとが接合されている。また、複数の挿入孔の各々に直線部導体セグメントが中心軸線方向(軸方向)に沿って挿入されることにより、直線部導体セグメント同士(および、直線部導体セグメントとコイルエンド部導体セグメントとの接合部同士)が絶縁されている。
特開2006−141076号公報
しかしながら、上記特許文献1の電機子では、直線部導体セグメントとコイルエンド部導体セグメントとの接合部同士を絶縁するための絶縁インシュレータが樹脂により形成されているため、絶縁インシュレータ(絶縁部材)を形成するのが比較的困難であるという不都合がある。そこで、このような不都合を解消するように、比較的厚みの薄いシート状の絶縁部材により接合部同士を絶縁することが考えられる。しかしながら、シート状の絶縁部材は変形しやすいため、シート状の絶縁部材(接合部絶縁部材)を接合部の間に配置することが比較的困難な場合があるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シート状の接合部絶縁部材を容易に接合部の間に配置することが可能な電機子の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における電機子の製造方法は、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、中心軸線方向に延びる脚部を有する複数のセグメント導体の脚部の先端部同士が、1つのスロット内または1つのスロットの中心軸線方向の外側において接合されることにより形成されるコイル部と、セグメント導体の脚部の先端部同士が接合された接合部のうち、径方向に隣接する接合部同士を絶縁するシート状の接合部絶縁部材と、を備える、電機子の製造方法であって、複数のセグメント導体のうちの電機子コアの中心軸線方向の一方側に配置される複数の一方側セグメント導体の脚部を、電機子コアの中心軸線方向の一方側から電機子コアのスロットに挿入する一方側セグメント導体挿入工程と、複数の一方側セグメント導体をスロットに配置した後に、複数の一方側セグメント導体のうち、1つのスロットにおいて径方向に隣接する一方側セグメント導体の脚部の先端部の間に、シート状の接合部絶縁部材を配置する接合部絶縁部材配置工程と、電機子コアの中心軸線方向の他方側に配置され、一方側セグメント導体の脚部よりも短い脚部を有する複数の他方側セグメント導体のうち、少なくとも一部の他方側セグメント導体の脚部の先端部を、電機子コアの中心軸線方向の他方側から複数の一方側セグメント導体の脚部の先端部に当接させる他方側セグメント導体当接工程と、複数の一方側セグメント導体の脚部の先端部と他方側セグメント導体の脚部の先端部とを接合する接合工程とを備える。
この発明の一の局面による電機子の製造方法では、上記のように、複数の一方側セグメント導体をスロットに配置した後に、複数の一方側セグメント導体のうち、1つのスロットにおいて径方向に隣接する一方側セグメント導体の脚部の先端部の間に、シート状の接合部絶縁部材を配置する接合部絶縁部材配置工程を備える。これにより、複数の他方側セグメント導体の脚部よりも長い脚部を有する複数の一方側セグメント導体が先にスロットに配置されるので、中心軸線方向におけるスロットの端部側に、複数の一方側セグメント導体の脚部の先端部が配置される。そして、中心軸線方向におけるスロットの端部側に配置される複数の一方側セグメント導体の脚部の先端部の間にシート状の接合部絶縁部材を配置するので、接合部絶縁部材の中心軸線方向における移動距離を比較的短くすることができる。これにより、シート状の接合部絶縁部材を容易に接合部の間に配置することができる。その結果、シート状の接合部絶縁部材を接合部の間に配置する工程の生産性を向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、シート状の絶縁部材を容易に接合部の間に配置することができる。
一実施形態によるステータ(回転電機)の構成を示す平面図である。 一実施形態によるステータの構成を示す斜視図である。 一実施形態によるステータの分解斜視図である。 一実施形態によるステータコアの構成を示す平面図である。 一実施形態による第1絶縁部材および第2絶縁部材の構成を示す断面図である。 一実施形態によるコイル部の結線構成を示す回路図である。 一実施形態による第2コイルアッセンブリの一部を示す斜視図である。 一実施形態によるセグメント導体の構成を示す横断面図である。 一実施形態による第1セグメント導体の構成を示す図である。 一実施形態による第2セグメント導体の構成を示す図である。 一実施形態による動力セグメント導体の構成を示す図である。 一実施形態による外径側中性点導体の構成を示す図である。 一実施形態による内径側中性点導体の構成を示す図である。 図1の1000−1000線に沿った断面図である。 一実施形態による第1絶縁部材の配置位置と第2絶縁部材の配置位置との関係を示す図である。 一実施形態による第1絶縁部材の構成を模式的に示した断面図である。 一実施形態による発泡される前の固定層を含む第1絶縁部材および第2絶縁部材の構成を示す断面図である。 一実施形態による発泡された後の固定層を含む第1絶縁部材と第2絶縁部材との境界近傍を示す断面図である。 一実施形態による第2絶縁部材の構成を示す断面図である。 一実施形態による第2絶縁部材の構成を示す斜視図である。 一実施形態による第1絶縁部材の厚みおよび第2絶縁部材の厚みを示す図である。 一実施形態によるステータの製造装置を示す図である。 一実施形態によるステータの製造方法を説明するためのフロー図である。 スロットに第1絶縁部材を配置する工程を説明するための図である。 スロットに第2導体を配置する工程を説明するための図である。 スロットに第2絶縁部材を配置する工程を説明するための図である。 スロットに第1導体を配置する工程を説明するための図である。 変形例によるステータの製造方法を説明するための図である。 第1変形例による第2絶縁部材を上方から見た断面図である。 第2変形例による第2絶縁部材を上方から見た断面図である。 第3変形例による第2絶縁部材を上方から見た断面図である。 第4変形例による第2絶縁部材を上方から見た断面図である。
以下、本発明の本実施形態を図面に基づいて説明する。
[ステータの構造]
図1〜図21を参照して、本実施形態によるステータ100の構造について説明する。ステータ100は、中心軸線C1を中心に円環形状を有する。なお、ステータ100は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
本願明細書では、「軸方向(中心軸線方向、軸線方向)」とは、図1に示すように、ステータ100の中心軸線C1(ロータ101の回転軸線)に沿った方向(Z方向)を意味する。また、「周方向」とは、ステータ100の周方向(A1方向、A2方向)を意味する。また、「径方向」とは、ステータ100の半径方向(R方向)を意味する。また、「径方向内側」とは、径方向に沿ってステータ100の中心軸線C1に向かう方向(R1方向)を意味する。また、「径方向外側」とは、径方向に沿ってステータ100の外に向かう方向(R2方向)を意味する。
ステータ100は、ロータ101と共に、回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成される。ステータ100は、図1に示すように、永久磁石(図示せず)が設けられるロータ101の径方向外側に配置されている。すなわち、本実施形態では、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部を構成する。
図2に示すように、ステータ100は、ステータコア10と、第1絶縁部材20と、コイル部30とを備える。また、図3に示すように、コイル部30は、第1コイルアッセンブリ30a(反リード側コイル)と第2コイルアッセンブリ30b(リード側コイル)とを含む。また、図3に示すように、コイル部30は、複数のセグメント導体40からなる。また、本実施形態では、ステータ100は、第1絶縁部材20とは別個に設けられた第2絶縁部材21を備える。なお、ステータコア10は、特許請求の範囲の「電機子コア」の一例である。また、第1絶縁部材20は、特許請求の範囲の「コア脚部絶縁部材」の一例である。また、第2絶縁部材21は、特許請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
(ステータコアの構造)
ステータコア10は、中心軸線C1(図1参照)を中心軸とした円筒形状を有する。また、ステータコア10は、たとえば、複数枚の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)が軸方向に積層されることにより、形成されている。ここで、本実施形態では、ステータコア10は、熱膨張係数K1を有する複数の珪素鋼板が積層されて形成されている。図4に示すように、ステータコア10は、軸方向に見て円環状を有するバックヨーク11と、バックヨーク11の径方向内側に設けられ、軸方向に延びる複数のスロット12とが設けられている。そして、ステータコア10には、スロット12の周方向両側に複数のティース13が設けられている。
スロット12は、径方向外側に設けられたバックヨーク11の壁部11aと、2つのティース13の周方向側面13aとに囲まれた部分である。そして、スロット12には、径方向内側に開口する開口部12aが設けられている。また、スロット12は、軸方向両側のそれぞれに開口している。ティース13は、バックヨーク11から径方向内側に突出するように形成されており、径方向内側の先端部にスロット12の開口部12aを構成する凸部13bが形成されている。
開口部12aは、周方向に開口幅W1を有する。ここで、開口幅W1は、ティース13の凸部13bの先端部同士の距離に対応する。また、スロット12のコイル部30が配置される部分の幅W2は、開口幅W1よりも大きい。すなわち、スロット12は、セミオープン型のスロットとして構成されている。ここで、幅W2は、スロット12の周方向両側に配置されているティース13の周方向側面13a同士の距離に対応する。また、スロット12の幅W2は、径方向に亘って略一定である。
(コイル部の構造)
コイル部30は、図5に示すように、平角導線により構成されている。本実施形態では、コイル部30は、ステータコア10の熱膨張係数K1(線膨張係数)よりも大きい熱膨張係数K2を有する材料により構成されている。たとえば、コイル部30(導体本体40c)は、熱膨張係数K1よりも大きい熱膨張係数K2を有する銅またはアルミニウムにより構成されている。
また、コイル部30は、図2および図3に示すように、軸方向一方側(矢印Z2方向側)に設けられた第1コイルアッセンブリ30aと、軸方向他方側(矢印Z1方向側)に設けられた第2コイルアッセンブリ30bとが、軸方向に組み合わされるとともに、接合されて形成されている。第1コイルアッセンブリ30aおよび第2コイルアッセンブリ30bは、それぞれ、ステータコア10と同一の中心軸線C1(図1参照)を中心とした円環状に形成されている。また、図5に示すように、本実施形態では、コイル部30は、複数のセグメント導体40の後述する第1脚部71と第2脚部81とが、接合部90において接合されて形成されている。なお、第1脚部71および第2脚部81は、特許請求の範囲の「脚部」の一例である。
コイル部30は、たとえば、波巻きコイルとして構成されている。また、コイル部30は、8ターンのコイルとして構成されている。すなわち、コイル部30は、スロット12内に、径方向に8個のセグメント導体40が並列して配置されて構成されている。
〈コイル部の結線の構成〉
図6に示すように、コイル部30では、電源部(図示せず)から3相交流の電力が供給されることにより、磁束を発生させるように構成されている。具体的には、コイル部30は、3相のY結線により接続(結線)されている。すなわち、コイル部30は、U相コイル部30Uと、V相コイル部30Vと、W相コイル部30Wとを含む。そして、コイル部30には、複数(たとえば、2つ)の中性点Nが設けられている。詳細には、コイル部30は、4並列結線(スター結線)されている。すなわち、U相コイル部30Uには、4つの中性点接続端部NtUと、4つの動力線接続端部PtUとが設けられている。V相コイル部30Vには、4つの中性点接続端部NtVと、4つの動力線接続端部PtVとが設けられている。W相コイル部30Wには、4つの中性点接続端部NtWと、4つの動力線接続端部PtWとが設けられている。なお、以下の記載では、中性点接続端部および動力線接続端部について、U相、V相、および、W相を特に区別しない場合、単に、「中性点接続端部Nt」および「動力線接続端部Pt」として記載する。
〈コイルアッセンブリの構造〉
図3に示すように、第1コイルアッセンブリ30aは、セグメント導体40としての複数の第1セグメント導体70(以下、「第1導体70」とする)から構成されている。好ましくは、第1コイルアッセンブリ30aは、複数の第1導体70のみが組み合わされて構成されている。なお、第1セグメント導体70(第1導体70)は、特許請求の範囲の「他方側セグメント導体」の一例である。
図7に示すように、第2コイルアッセンブリ30bは、セグメント導体40としての複数(たとえば、3つ)の動力セグメント導体50(以下、「動力導体50」とする)と、セグメント導体40としての複数(たとえば、2つ)の中性点セグメント導体60(以下、「中性点導体60」とする)と、複数のセグメント導体40のうちの動力導体50および中性点導体60とは異なる導体(一般のセグメント導体40)であり、コイル部30を構成する第2セグメント導体80(以下、「第2導体80」とする)とを含む。すなわち、ステータ100に設けられる動力導体50および中性点導体60の全ては、第2コイルアッセンブリ30bに設けられている。なお、第2セグメント導体80(第2導体80)は、特許請求の範囲の「一方側セグメント導体」の一例である。
(セグメント導体の構造)
セグメント導体40は、図8に示すように、横断面が略矩形形状を有する平角導線として構成されている。そして、セグメント導体40の導体表面40bには、厚みt1を有する絶縁被膜40aが設けられている。絶縁被膜40aの厚みt1は、たとえば、相間絶縁性能(第1コイルエンド部72同士の絶縁、第2コイルエンド部82同士の絶縁{図2参照})を確保することが可能な程度に設定されている。なお、図8では、説明のために、厚み等の大小関係を強調して図示しているが、この図示の例に限られない。
〈第1導体および第2導体の構造〉
図9および図10に示すように、複数のセグメント導体40は、ステータコア10の軸方向の一方側(Z2方向側)に配置される複数の第1導体70と、ステータコア10の軸方向の他方側(Z1方向側)で、且つ、第1導体70に対して中心軸線方向に対向して配置される複数の第2導体80とを含む。すなわち、コイル部30は、軸方向に2分割された第1導体70と第2導体80とが接合されて形成されている。ここで、第2導体80とは、第2コイルアッセンブリ30bを構成するセグメント導体40のうちの動力導体50および中性点導体60以外のセグメント導体40である。そして、本実施形態では、第1導体70は、軸方向の長さL1を有する中心軸線方向に延びる第1脚部71を含む。また、第2導体80は、第1脚部71のZ1方向側に配置され、軸方向に長さL1よりも大きい長さL2を有する中心軸線方向に延びる第2脚部81を含む。なお、一対の第1脚部71の長さL1は、互いに略等しい。また、一対の第2脚部81の長さL2は、互いに略等しい。
本実施形態では、図9に示すように、複数の第1導体70は、それぞれ、互いに異なるスロット12に配置される一対の第1脚部71が互いに接続されることにより、径方向に見てU字状(略U字状)を有するように形成されている。第1導体70のコイルピッチは6である。すなわち、一対の第1脚部71は、スロット12が6つ分、周方向に異なる位置に配置される。すなわち、一対の第1脚部71のうちの一方の第1脚部71が配置されているスロット12と、他方の第1脚部71が配置されているスロット12との間に、5つのスロットが設けられている。具体的には、第1導体70は、互いに異なるスロット12に配置され、それぞれ軸方向に沿って直線状に形成されている一対の第1脚部71と、第1コイルエンド部72とを含む。第1脚部71とは、ステータコア10の端面10a(図2参照)の軸方向位置からスロット12の内に配置されている部分を意味し、第1コイルエンド部72は、第1脚部71に連続して形成され、ステータコア10の端面10aよりも軸方向外側に配置されている部分を意味するものとする。また、第1コイルエンド部72は、軸方向に折れ曲がる屈曲形状を有する。また、第1コイルエンド部72は、軸方向から見て、径方向に1本のセグメント導体40の幅分、階段状に屈曲するクランク状に形成された第1クランク部分73を有する。つまり、第1クランク部分73の径方向の幅は、1本のセグメント導体40の幅の2倍である。
また、一対の第1脚部71の軸方向長さL1は互いに略等しい。なお、第1脚部71の軸方向長さL1とは、第1脚部71の最先端から第1コイルエンド部72に接続される屈曲部分までの長さを意味する。また、軸方向長さL1は、ステータコア10の軸方向長さL3(図2参照)よりも小さい。なお、ステータコア10の軸方向長さL3とは、軸方向の端面10aと端面10bとの距離(間隔)を意味する。
同様に、図10に示すように、第2導体80は、スロット12に配置される一対の第2脚部81と、第2コイルエンド部82とを含む。また、第2コイルエンド部82は、第2クランク部分83を有する。本実施形態では、第2導体80は、互いに異なるスロット12に配置される一対の第2脚部81が互いに接続されることにより、U字状を有するように形成されている。また、第2導体80の一対の第2脚部81の軸方向長さL2は互いに略等しい。また、第2導体80の一対の第2脚部81の軸方向長さL2は、第1導体70の一対の第1脚部71の軸方向長さL1よりも大きい(L2>L1)。なお、第2脚部81の軸方向長さL2とは、第2脚部81の最先端から第2コイルエンド部82に接続される屈曲部分までの長さを意味する。
〈動力導体の構成〉
図11に示すように、動力導体50では、同相の複数(たとえば、4つ)の動力線接続端部Pt同士が電気的に接続されているとともに、接続された複数の動力線接続端部Ptと1つの動力端子部材51とが電気的に接続されている。動力導体50は、一対の第1脚部71のうちの一方に接合(図14参照)されている第2脚部81と、動力端子部材51とが接合されている。そして、動力導体50は、電源部(図示せず)からコイル部30に電力を導入する機能を有する。
詳細には、動力導体50は、スロット12(図1参照)の径方向外側に配置され、動力線接続端部Ptを有する外径側動力導体52と、外径側動力導体52よりも径方向内側でかつ軸方向外側に配置され、動力線接続端部Ptを有する内径側動力導体53とを含む。言い換えると、動力導体50は、二股状に形成されている。
また、外径側動力導体52と動力端子部材51とは、引出線54により電気的に接続されている。また、内径側動力導体53と動力端子部材51とは、引出線54とにより電気的に接続されている。外径側動力導体52と内径側動力導体53とは、動力端子部材51および引出線54を介して、電気的に接続されている。また、引出線54は、たとえば、撚線(導体)により形成されており、絶縁チューブ51aが外周に配置されている。
外径側動力導体52および内径側動力導体53には、それぞれ、第2脚部81が設けられている一方、第1コイルエンド部72または第2コイルエンド部82は設けられていない。また、外径側動力導体52および内径側動力導体53では、引出線54と第2脚部81とが、導体板55を介して、接合されている。たとえば、この接合は、ロウ付け、または、溶接(たとえば、抵抗溶接、アーク溶接、レーザー溶接、または、高エネルギービーム溶接のいずれか)により実施される。
〈中性点導体の構成〉
図1に示すように、中性点導体60は、外径側中性点導体61と内径側中性点導体62とを含む。図6に示すように、外径側中性点導体61および内径側中性点導体62は、それぞれ、中性点Nを含み、U相コイル部30Uの中性点接続端部NtUと、V相コイル部30Vの中性点接続端部NtVと、W相コイル部30Wの中性点接続端部NtWとが電気的に接続されたものである。
外径側中性点導体61は、図12に示すように、2つのU相W相中性点セグメント導体61aと、2つのV相中性点セグメント導体61bとを含む。U相W相中性点セグメント導体61aは、3相交流のうちのU相の第1導体70の第1脚部71に接続されるU相用の第2脚部81と、W相の第1脚部71に接続されるW相用の第2脚部81と、U相用の第2脚部81とW相用の第2脚部81とを接続する2つの中性点コイルエンド部61cとを含む。中性点コイルエンド部61cは、U相用の第2脚部81に連続して形成されているとともに、W相用の第2脚部81に連続して形成されている。
U相W相中性点セグメント導体61aは、径方向内側から見て、略U字(略コの字)形状に形成されている。V相中性点セグメント導体61bは、径方向内側から見て、略直線状に形成されている。
中性点コイルエンド部61cは、図1に示すように、第2導体80の第2コイルエンド部82の径方向外側において、周方向に沿って形成されている。そして、中性点コイルエンド部61cは、矢印Z2方向に見て、略円弧状に形成されている。2つのU相W相中性点セグメント導体61aのうちの一方は、他方の軸方向外側(矢印Z1方向側)に配置されている。
V相中性点セグメント導体61bは、図12に示すように、V相の第1導体70に接続されるV相用の第2脚部81と、中性点コイルエンド部61dとを含む。中性点コイルエンド部61dは、第2脚部81から軸方向外側(矢印Z1方向に)突出するように形成されている。そして、2つの中性点コイルエンド部61dは、それぞれ、2つの中性点コイルエンド部61cの両方に接合されることにより、電気的に接合されている。
内径側中性点導体62は、図13に示すように、2つのU相W相中性点セグメント導体62aと、2つのV相中性点セグメント導体62bとを含む。U相W相中性点セグメント導体62aは、3相交流のうちのU相の第1導体70の第1脚部71に接続されるU相用の第2脚部81と、W相の第1導体70に接続されるW相用の第2脚部81と、U相用の第2脚部81とW相用の第2脚部81とを接続する中性点コイルエンド部62cとを含む。中性点コイルエンド部62cは、U相用の第2脚部81に連続して形成されているとともに、W相用の第2脚部81に連続して形成されている。これにより、U相W相中性点セグメント導体62aは、径方向内側から見て、略U字(略コの字)形状に形成されている。V相中性点セグメント導体62bは、径方向内側から見て、略直線状に形成されている。
中性点コイルエンド部62cは、図14に示すように、第2導体80の第2コイルエンド部82よりも軸方向外側に突出して形成されている。そして、中性点コイルエンド部62cは、第2導体80の第2コイルエンド部82の軸方向外側に近接して配置されているとともに、軸方向に見て、周方向に沿って形成されている。そして、2つのU相W相中性点セグメント導体62aのうちの一方は、他方の径方向外側に配置されている。
V相中性点セグメント導体62bは、V相の第1導体70の第1脚部71に接続されるV相用の第2脚部81と、中性点コイルエンド部62dとを含む。中性点コイルエンド部62dは、第2脚部81から軸方向外側(矢印Z1方向に)突出するように形成されている。そして、2つの中性点コイルエンド部62dは、それぞれ、2つの中性点コイルエンド部62cの両方に接合されることにより、電気的に接合されている。
(接合部の構成)
図14に示すように、1つのスロット12内において、複数の第1導体70と複数の第2導体80とが接合されている。また、本実施形態では、第2導体80の一対の第2脚部81の軸方向長さL2は、第1導体70の一対の第1脚部71の軸方向長さL1よりも大きい(L2>L1)ことによって、第1導体70の第1脚部71の第1対向面74と、第2導体80の第2脚部81の第2対向面84とが接合された接合部90は、スロット12内において、ステータコア10の軸方向における中心よりも一方の端部側(端面10a近傍)に配置されている。また、ステータコア10の全てのスロット12において、接合部90は、軸方向の一方側の端面10aの近傍に設けられている。ここで、端面10aの近傍とは、たとえば、軸方向において、軸方向中心C2よりもZ2方向側で、端面10aと同一の位置、および、端面10aからZ1方向またはZ2方向に略絶縁沿面距離の範囲内を含む。
また、本実施形態では、第1脚部71は、1つのスロット12内において、ステータコア10の径方向に隣り合って複数設けられている。すなわち、複数の第1脚部71および複数の第2脚部81の接合部90同士は、1つのスロット12内において、径方向に隣り合って配置されている。
〈対向面の構成〉
図15に示すように、複数のセグメント導体40のうちの第1導体70には、第2導体80の第2対向面84に対向する第1対向面74が設けられている。また、第2導体80には、第1導体70の第1対向面74に対向する第2対向面84が設けられている。そして、接合部90は、軸方向に対向し合う第1導体70および第2導体80の径方向に対向し合う第1対向面74と第2対向面84とが接合されることにより形成されている。すなわち、接合部90とは、第1導体70と第2導体80とが接合された部分を意味する。なお、第1対向面74および第2対向面84は、それぞれ、特許請求の範囲の「他方側セグメント導体の先端部」および「一方側セグメント導体の先端部」の一例である。
詳細には、第1脚部71は、径方向内側(矢印R1方向側)を向くとともに、第2脚部81に対向する第1対向面74を含む。また、第2脚部81は、径方向外側(矢印R2方向側)を向くとともに、第1対向面74に対向する第2対向面84を含む。そして、第1脚部71の第1対向面74と、第2脚部81の第2対向面84とが接合されることにより、第1導体70と第2導体80とが接合されている。
また、第1脚部71の第1対向面74と、第2脚部81の第2対向面84とは、たとえば、接合材(図示せず)により接合されている。接合材は、第1対向面74と第2対向面84とを接合させて電気的に接続している。具体的には、接合材は、銀または銅等の導電性材料を含む。好ましくは、接合材は、溶剤に、銀をナノメートルレベルまで微細化した金属粒子を導電性粒子として含んだペースト状の接合材(銀ナノペースト)である。また、接合材には、加熱された際に揮発する部材(樹脂部材)が含有されており、揮発する部材が加熱されることにより、接合材の体積が減少して、第1対向面74と第2対向面84とを近接させる機能を有する。
図15に示すように、第1導体70と第2導体80とが接合された接合部90は、径方向から見て、径方向に隣り合う接合部90がオーバラップするように構成されている。具体的には、1つのスロット12内に配置される複数の(全ての)接合部90は、径方向から見て、オーバラップするように構成されている。つまり、1つのスロット12内に配置される全ての接合部90が水平方向に沿って並んだ状態で配置されている。言い換えると、1つのスロット12内において、軸方向における複数の接合部90の各々位置は、互いに略等しい。なお、接合部90は、径方向から見て、第1脚部71の第1対向面74と、第2脚部81の第2対向面84とが接合された(オーバラップした)部分である。
(第1絶縁部材の構造)
第1絶縁部材20は、図5に示すように、壁部11aおよびティース13と、第1脚部71および第2脚部81(セグメント導体40)との間に配置されている。図16に示すように、第1絶縁部材20は、3層構造を有している。具体的には、図14に示すように、本実施形態では、第1絶縁部材20は、スロット12内において、バックヨーク11の壁部11aおよびティース13の周方向側面13a(図5参照)と、第1脚部71および第2脚部81との間に設けられ、壁部11aおよび周方向側面13aと、第1脚部71および第2脚部81とを絶縁する絶縁層20aと、絶縁層20aのうちの接合部90に対応する軸方向の位置P1とは異なる位置(領域)(P2)の部分20bに重ねて設けられ、ステータコア10と第2脚部81とを固定する固定層20cとを含む。固定層20cは、好ましくは、接着剤を含む接着層として構成されている。また、位置P2は、たとえば、軸方向において、軸方向の位置P1を除く部分のスロット12内の全域と、ステータコア10の端面10bの近傍部分(スロット12よりも軸方向外側の部分を含む)とを含む。
そして、第1絶縁部材20は、矢印Z2方向に見て、径方向に並列して配置された複数の第2脚部81の周囲を一体的に覆うように配置されている。言い換えると、径方向に並列して配置された複数の第2脚部81の周方向両側および径方向両側が第1絶縁部材20により覆われる。これにより、第1絶縁部材20によって、接合部90とステータコア10との絶縁を確保することが可能となる。
絶縁層20aは、たとえば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS:Poly Phenylene Sulfide Resin)により構成されている。また、絶縁層20aは、アラミド紙等の不織布状に形成されていてもよい。また、本実施形態では、図14に示すように、絶縁層20aは、ステータコア10の軸方向の一方側の端面10aから他方側の端面10bに亘って設けられている。すなわち、絶縁層20aは、各スロット内において、壁部11aおよび周方向側面13aを覆うように配置されている。なお、「覆う」とは、壁部11aおよび周方向側面13aの全ての部分を被覆することのみを意味するものではなく、図5に示すように、周方向側面13aの径方向内側部分(先端隙部分)が露出している場合も含む、広い概念を意味するものとする。
固定層20cは、図16に示すように、本実施形態では、熱によって発泡する発泡剤20d(膨張剤)を含む。具体的には、固定層20cは、たとえば、発泡剤20dとしての複数のカプセル体が、熱硬化性樹脂20eに配合されて形成されている。発泡剤20dは、発泡温度T1以上に加熱されることにより、カプセル体の体積が膨張するように構成されている。固定層20cは、たとえば、ステータ100の製造工程において、加熱されることにより、厚みがt2(図17参照)からt3(図18参照)に増大する。これにより、固定層20cは、加熱された際に、発泡剤20dが発泡(膨張)することにより、第2脚部81と壁部11aおよび周方向側面13aとの間を満たす。
また、熱硬化性樹脂20eは、発泡温度T1よりも高い温度である硬化温度T2以上に加熱されることにより、硬化するように構成されている。固定層20cを構成する熱硬化性樹脂20eは、たとえば、エポキシ樹脂である。そして、固定層20cは、加熱された際に、熱硬化性樹脂20eが硬化することにより、第2脚部81と壁部11aおよび周方向側面13aとを接着して固定するように構成されている。
図14に示すように、本実施形態では、発泡された状態の発泡剤20dを含む固定層20cにより、接合部90に対応する軸方向の位置P1とは異なる位置P2において、第2脚部81の少なくとも一部と、スロット12を構成する壁部11aおよび周方向側面13aとの間が満たされている。詳細には、本実施形態では、固定層20cは、絶縁層20aのうちの接合部90に対応する軸方向の位置P1よりも軸方向の他方側(Z1方向側)の部分20bに重ねて設けられている。言い換えると、固定層20cは、絶縁層20aのうちの軸方向の一方側(Z2方向側)の端面10aの近傍よりも軸方向の他方側の部分20bに重ねて設けられている。また、固定層20cは、スロット12内において、絶縁層20aのうちの第2脚部81とステータコア10との間に配置される部分20bに重ねて設けられている。たとえば、図16に示すように、固定層20cは、絶縁層20aのうちの接合部90に対応する軸方向の位置とは異なる位置の部分20bにおいて、絶縁層20aを挟み込むように重ねて設けられている。
また、本実施形態では、図15に示すように、スロット12とコイル部30との間に設けられる第1絶縁部材20と、第1絶縁部材20とは別個に設けられる第2絶縁部材21とが設けられている。そして、図19に示すように、1つのスロット12において径方向に隣接するコイル間における第1導体70の第1脚部71の第1対向面74と、第2導体80の第2脚部81の第2対向面84とが接合された接合部90のうち、径方向に隣接する接合部90同士は、第1絶縁部材20とは別個に設けられるシート状の第2絶縁部材21により絶縁されている。なお、「コイル」とは、コイル部30における、第1導体70と第2導体80とが接合された後のスロット12内に配置される直線状の部分を意味する。したがって、一つのスロット12には、複数のコイルが配置される。
ここで、本実施形態では、図19に示すように、第2絶縁部材21は、たとえば、ノーメックスなどの1枚のシート状の絶縁部材が折りたたまれて形成されている。そして、第2絶縁部材21は、径方向に隣り合う接合部90の対向面90aを覆う対向面絶縁部分21aと、対向面絶縁部分21aの周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部90の周方向面90bのうちのいずれか一方を少なくとも絶縁距離分覆う周方向面絶縁部分21bとを含む。なお、接合部90の対向面90aとは、径方向に隣り合う接合部90の互いに対向する径方向外側の面および径方向内側の面を意味する。また、絶縁距離とは、周方向面絶縁部分21bの径方向に沿った長さであるとともに、径方向に隣り合う接合部90同士を絶縁するために十分な距離(沿面距離)を意味する。
なお、図20に示すように、第2絶縁部材21は、最外径側に配置される接合部90の径方向外側を覆う部分21cと、最内径側に配置される接合部90の径方向内側を覆う部分21dとを含む。
また、第2絶縁部材21では、径方向に隣り合う対向面絶縁部分21aは、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分21bにより連結されている。具体的には、径方向に隣り合うように配置される一対の対向面絶縁部分21aのうちの径方向外側の対向面絶縁部分21aと、周方向の一方側に設けられる周方向面絶縁部分21bと、一対の対向面絶縁部分21aのうちの径方向内側の対向面絶縁部分21aと、周方向の他方側に設けられる周方向面絶縁部分21bとが連続するように形成されている。つまり、接合部90のA1方向側の周方向面90bと、接合部90のA2方向側の周方向面90bとが交互に、周方向面絶縁部分21bにより覆われる。言い換えると、第2絶縁部材21は、径方向に沿って隣り合うように配置される複数の接合部90の周方向面90bを連続して覆わないように構成されている。
このように、第2絶縁部材21は、中心軸線方向から見て、蛇行形状(蛇腹形状)を有する。また、1つの第2絶縁部材21によって、1つのスロット12内に配置される全ての接合部90同士が絶縁される。これにより、1つのスロット12内に配置される複数の接合部90を個別に絶縁部材により覆う場合と比べて、第2絶縁部材21を配置するための工程数を低減することが可能になる。
また、本実施形態では、図20に示すように、第2絶縁部材21は、径方向に沿って伸縮可能に構成されている。第2絶縁部材21は、柔軟性を有するシート状の絶縁部材により構成されているとともに、径方向に沿って隣り合うように配置される複数の接合部90の周方向面90bを連続して覆わないように構成されているためである。これにより、第1脚部71と第2脚部81との接合する際に、第1脚部71および第2脚部81が径方向または軸方向に沿って押圧されても、第1脚部71および第2脚部81の移動とともに第2絶縁部材21は変形可能である。
また、図15に示すように、第2絶縁部材21は、軸方向における一方側の縁部が、ステータコア10の中心軸線方向の端面10aから外側に突出するように配置されている。具体的には、中心軸線方向において、第2絶縁部材21のZ2方向側は、ステータコア10の端面10aから外側に突出しており、Z1方向側は、スロット12内に配置されている。
また、図15に示すように、第1絶縁部材20も、第2絶縁部材21と共に、ステータコア10の中心軸線方向の端面10aから外側に突出するように配置されている。そして、第2絶縁部材21のステータコア10の端面10aから外側に突出した部分の高さ位置h1と、第1絶縁部材20のステータコア10の端面10aから外側に突出した部分の高さ位置h2とは、略等しい。また、第1絶縁部材20および第2絶縁部材21の、ステータコア10の端面10aからの突出量は、第1絶縁部材20および第2絶縁部材21が、第2セグメント導体80の第2コイルエンド部82に接触して折れ曲がらない程度に調整されている。
また、図3に示すように、中心軸線方向において、第2絶縁部材21の長さL12は、第1絶縁部材20の長さL11よりも小さい。具体的には、第1絶縁部材20の長さL11は、中心軸線方向におけるステータコア10の長さL3よりも大きい。また、第2絶縁部材21の長さL12は、ステータコア10の長さL3よりも小さい。また、第2絶縁部材21は、接合部90を覆うとともに、接合部90からZ1方向側とZ2方向側とに延びるように設けられている。第2絶縁部材21の長さL12は、コイル部30に印加される電圧の大きさなどに基づいて(必要な沿面距離に基づいて)調整される。
また、第2絶縁部材21の長さL12が第1絶縁部材20の長さL11よりも小さいので、図21に示すように、第1絶縁部材20は、径方向から見て、第2絶縁部材21にオーバラップする部分20fと、オーバラップしない部分20bとを含む。具体的には、スロット12内における中心軸線方向の端部(端面10a)近傍において、第1絶縁部材20は、第2絶縁部材21にオーバラップしている。そして、第1絶縁部材20の第2絶縁部材21にオーバラップする部分20fの厚みt11は、第1絶縁部材20の第2絶縁部材21にオーバラップしない部分20bの厚みt12よりも小さい。
また、第2絶縁部材21の厚みt13は、厚みt11よりも小さい。また、厚みt12は、厚みt11に固定層20cの厚みt3の2枚分(t3×2)を加えたものである。
また、第2絶縁部材21は、第1絶縁部材20の固定層20cよりも軸方向の一方側(Z2方向側)で、かつ、接合部90同士の径方向の間に配置され、接合部90同士を絶縁するように構成されている。具体的には、固定層20cは、絶縁層20aのうちの第2絶縁部材21と径方向に見てオーバラップしない部分20bに重ねて設けられている。また、絶縁層20aは、第2絶縁部材21と、径方向に見てオーバラップする部分20fに配置されている。
(ステータの製造装置)
次に、図14および図22を参照して、ステータ100の製造装置200について説明する。ステータ100の製造装置200は、押圧治具201を備えている。押圧治具201は、複数のスロット12に配置された第1導体70の第1脚部71と第2導体80の第2脚部81とを、複数のスロット12毎に径方向に独立して押圧するように構成されている。具体的には、押圧治具201は、複数のスロット12毎に配置され、径方向に移動可能に構成されている。また、押圧治具201は、複数のスロット12に対応するように複数(スロット12の数と同数)設けられており、複数の押圧治具201毎に、独立して径方向に移動可能に構成されている。
また、ステータ100の製造装置200は、複数のスロット12毎に独立して押圧治具201を移動させる移動機構部202を備える。移動機構部202は、複数の押圧治具201毎に設けられており、複数の押圧治具201毎に径方向の移動量を調整可能に構成されている。移動機構部202は、たとえば、アクチュエータからなる。
図14に示すように、ステータ100の製造装置200は、接着層加熱部203を備える。接着層加熱部203は、ステータコア10よりも径方向内側または径方向外側の少なくとも一方(好ましくは、両方)に配置され、誘導加熱(IH:Induction Heating)を行うことが可能に構成されている。そして、接着層加熱部203は、第1絶縁部材20の接着層20cを発泡温度T1よりも高く、かつ、硬化温度T2よりも高い温度に(室温から)加熱するように構成されている。なお、接着層加熱部203は、誘導加熱を用いることにより、一般的な加熱炉に比べて、所望の温度上昇率(比較的高い温度上昇率)で接着層20cを加熱させることが可能である。また、接合部90は、押圧治具201に押圧された状態で、加熱炉に配置されることにより、加熱される。
[ステータの製造方法]
次に、本実施形態によるステータ100の製造方法について説明する。図23に、ステータ100の製造方法を説明するためのフローチャートを示す。
(セグメント導体を準備する工程)
まず、ステップS1において、複数のセグメント導体40が準備される。具体的には、Y結線されたコイル部30の各相の動力線接続端部Ptを構成する動力導体50と、コイル部30の各相の中性点接続端部Ntを構成する中性点導体60と、コイル部30のその他の部分を構成する第1導体70および第2導体80とが準備される。
たとえば、図8に示すように、銅等の導電性材料からなる平角状の導体表面40bに、ポリイミド等の絶縁材料からなる絶縁被膜40aが形成(コーティング)される。その後、絶縁被膜40aが形成された導体(平角導線)が成形冶具(図示せず)により成形されることにより、第1導体70(図9)、第2導体80(図10)、動力導体50の一部または中性点導体60の一部を構成する第2脚部81(図11および図12)が形成される。
〈動力導体の形成〉
図11に示すように、外径側動力導体52および内径側動力導体53が、それぞれ、引出線54を介して、共通の動力端子部材51に電気的に接合されることにより、外径側動力導体52および内径側動力導体53が電気的に接続され、動力導体50が形成される。動力導体50は、各相毎に形成される。
詳細には、2つの第2脚部81と、導体板55とがロウ付けまたは溶接(接合)されて、外径側動力導体52が形成される。また、2つの第2脚部81と、導体板55とがロウ付けまたは溶接(接合)されて、内径側動力導体53が形成される。たとえば、溶接は、抵抗溶接、アーク溶接、レーザー溶接、または、高エネルギービーム溶接のいずれかにより実施される。また、絶縁チューブ51aが外周に取り付けられ、動力端子部材51に接合された複数の引出線54が準備される。そして、外径側動力導体52の導体板55の径方向外側に、引出線54が溶接される。また、内径側動力導体53の導体板55の軸方向外側(矢印Z1方向側)に引出線54が溶接される。これにより、径方向外側に配置される外径側動力導体52と径方向内側に配置される内径側動力導体53とに跨る二股状の動力導体50が形成される。
〈中性点導体の形成〉
図12に示すように、U相用の第2脚部81とW相用の第2脚部81とを接続する中性点コイルエンド部61cを含む、U相W相中性点セグメント導体61aが成形される。そして、2つのU相W相中性点セグメント導体61aのうちの一方は、他方の軸方向外側(矢印Z1方向側)に配置される。V相用の第2脚部81と、中性点コイルエンド部61dとを含む、V相中性点セグメント導体61bが成形される。
その後、2つの中性点コイルエンド部61cの径方向外側の端面において、2つの中性点コイルエンド部61d(コイルエンド部同士)が溶接され(中性点導体接合工程が実施され)る。これにより、U相コイル部30Uの中性点接続端部NtUと、V相コイル部30Vの中性点接続端部NtVと、W相コイル部30Wの中性点接続端部NtWとが電気的に接続された、外径側中性点導体61(中性点導体60)が形成される。
図13に示すように、U相用の第2脚部81とW相用の第2脚部81とを接続する中性点コイルエンド部62cを含む、U相W相中性点セグメント導体62aが成形される。V相用の第2脚部81と、中性点コイルエンド部62dとを含む、V相中性点セグメント導体62bが成形される。その後、2つの中性点コイルエンド部62cの軸方向外側の端面において、2つの中性点コイルエンド部62d(コイルエンド部同士)が溶接され、内径側中性点導体62(中性点導体60)が形成される。
(第1コイルアッセンブリおよび第2コイルアッセンブリの形成)
ステップS2(図23参照)において、図3に示すように、複数のセグメント導体40からなる円環状の第1コイルアッセンブリ30aおよび第2コイルアッセンブリ30bが形成される。第1コイルアッセンブリ30aおよび第2コイルアッセンブリ30bは、セグメント導体40が径方向に複数(たとえば、8個)並列した状態で、かつ、周方向にスロット12の数分並列した状態に、形成される。図7に示すように、第2コイルアッセンブリ30bには、動力導体50および中性点導体60が配置されている。
(第1絶縁部材をスロットに配置する工程)
ステップS3(図23参照)において、図24に示すように、複数の第2導体80をスロット12に挿入する工程(ステップS4)の前に、スロット12とコイル部30とを絶縁するためのシート状の第1絶縁部材20がスロット12に挿入される。第1絶縁部材20は、軸方向両側が開放または開口されているとともに径方向内側が閉じた状態で配置される。また、図17に示すように、発泡されていない状態の発泡剤20dを含む接着層20cを有する第1絶縁部材20がスロット12に配置される。すなわち、この時の接着層20cの厚みt2は、発泡された状態の発泡剤20dを含む接着層20cの厚みt3(図18参照)よりも小さい。なお、第1絶縁部材20をスロット12に配置する工程は、特許請求の範囲の「コア脚部絶縁部材挿入工程」の一例である。
(第2導体をスロットに配置する工程)
ステップS4(図23参照)において、図25に示すように、複数のセグメント導体40のうちのステータコア10の中心軸線方向の一方側(Z1方向側)に配置される複数の第2導体80の第2脚部81が、ステータコア10の中心軸線方向の一方側からステータコア10のスロット12に挿入される。なお、円環状に組み合わされた複数の(全ての)第2導体80(第2コイルアッセンブリ30b)の第2脚部81が、一斉にスロット12に挿入される。具体的には、第2コイルアッセンブリ30bを、複数のスロット12に対して軸方向に相対移動させることにより、第2コイルアッセンブリ30bを構成する動力導体50、中性点導体60および第2導体80の各第2脚部81が、各スロット12に挿入される。つまり、全てのスロット12に、全ての第2導体80の第2脚部81が挿入される。なお、複数の第2導体80は、リード線(動力導体50、中性点導体60)が接続される側の導体である。なお、第2導体80をスロット12に配置する工程は、特許請求の範囲の「一方側セグメント導体挿入工程」の一例である。
なお、第2導体80の第2脚部81の長さL2(図10参照)が、第1導体70の第1脚部71の長さL1(図9参照)よりも長い(L2>L1)ので、第2脚部81の第2対向面84は、ステータコア10の端面10a側(近傍)に配置される。つまり、スロット12に対する第2脚部81の中心軸線方向に沿った相対的な移動距離は、比較的長くなる。
(第2絶縁部材を配置する工程)
ステップS5(図23参照)において、図26に示すように、複数の第2導体80をスロット12に配置した後に、複数の第2導体80のうち、1つのスロット12において径方向に隣接する第2導体80の第2脚部81の第2対向面84(第2脚部81)の間に、シート状の第2絶縁部材21を配置する。また、スロット12に挿入された第1絶縁部材20に少なくとも一部が当接するように、シート状の第2絶縁部材21が配置される。詳細には、図5に示すように、1つのスロット12に径方向に沿って複数配置されている第2導体80の第2脚部81同士の間と、第2導体80と第1絶縁部材20との間とに、第2絶縁部材21を配置する。また、図26に示すように、第2導体80の径方向一方側および他方側を覆うように、第2絶縁部材21を配置する。なお、第2絶縁部材21は、シート状の絶縁部材が折り曲げられることにより形成される。また、第2絶縁部材21を配置する工程は、特許請求の範囲の「接合部絶縁部材配置工程」の一例である。
なお、第2導体80の第2脚部81の第2対向面84が、ステータコア10の端面10a側(近傍)に配置されているので、スロット12に対する第2絶縁部材21の中心軸線方向に沿った相対的な移動距離は、比較的短い。また、第2脚部81の第2対向面84が、ステータコア10の端面10a側(近傍)に配置されているので、第2脚部81に対して第2絶縁部材21が適切に配置されたか否かを視認することが可能である。
(第1導体をスロットに配置する工程)
ステップS6(図23参照)において、図27に示すように、シート状の第2絶縁部材21を複数の第2導体80の第2対向面84の間に配置する工程の後に、ステータコア10の中心軸線方向の他方側(Z2方向側)に配置される、第2導体80の第2脚部81よりも短い第1脚部71を有する複数の第1導体70のうちの少なくとも一部を、ステータコア10の中心軸線方向の他方側からステータコア10に対して相対的に移動させる。これにより、第1導体70の第1脚部71がスロット12内に挿入される。そして、複数の第1導体70の第1対向面74を複数の第2導体80の第2対向面84に当接させる。なお、複数の第1導体70は、リード線(動力導体50、中性点導体60)が接続される側とは反対側の導体である。なお、第1導体70をスロット12に配置する工程は、特許請求の範囲の「他方側セグメント導体当接工程」の一例である。
具体的には、第1コイルアッセンブリ30aを、複数のスロット12に対して軸方向に相対移動させることにより、第1コイルアッセンブリ30aを構成する第1導体70の第1脚部71が、各スロット12に配置される。これにより、円環状に組み合わされた複数の第1導体70の第1対向面74が、一斉に、複数の第2導体80の第2対向面84に当接される。つまり、全てのスロット12に、全ての第1導体70の第1脚部71が挿入される。また、第1導体70は、第1導体70の第1対向面74が第2導体80の第2対向面84に径方向に対向するように配置される。これにより、第1導体70のR2方向側の面(第1対向面74と反対側の面)と、第2導体80のR1方向側の面(第2対向面84とは反対側の面)とが、第2絶縁部材21に覆われる。
(ステータコアと第2脚部との接着および第1脚部と第2脚部との接合を行う工程)
ステップS7(図23参照)において、接着層20cにより、ステータコア10と第2脚部81との接着が行われ、径方向に複数のセグメント導体40が押圧されることにより、第1脚部71と第2脚部81との接合が行われる。なお、第1脚部71と第2脚部81とを接合する工程は、特許請求の範囲の「接合工程」の一例である。
具体的には、図14に示すように、第1脚部71の第1対向面74および第2脚部81の第2対向面84の径方向内側(開口部12a)に押圧治具201が配置される。たとえば、接合部90がスロット12内においてZ2方向側の端部(端面10a)近傍のみに配置されるので、接合部90を径方向内側と径方向外側とからクランプする治具(図示せず)が、Z2方向側のみに配置される。これにより、ステータコア10のZ1方向側でかつ径方向内側および径方向外側において、比較的大きなスペースが生じる。そして、このスペースに接着層加熱部203が配置される。
そして、図14に示すように、接着層加熱部203により、所定の温度上昇率で、ステータコア10の全体を略均一に加熱することにより、第1絶縁部材20の接着層20cが加熱される。これにより、接着層20cに含まれる発泡剤20dが発泡(膨張)されて体積が増大し、接着層20cの厚みがt2(図17参照)からt3(図18参照)に大きくなる。また、接着層20cに含まれる熱硬化性樹脂20eが熱硬化することにより、第2脚部81とステータコア10(壁部11aおよび周方向側面13a)とが接着される。
その後、第1脚部71と、第1導体70に軸方向に対向する第2導体80の第2脚部81とが、複数のスロット12毎に押圧治具201により径方向に押圧(加圧)されながら、たとえば、加熱炉内に配置されることにより、加熱される。これにより、第1対向面74と第2対向面84とが接合材(たとえば、銀ナノペースト)により、電気的および機械的に接合される。これにより、スロット12内で、動力導体50および中性点導体60の第2脚部81と、第1導体70の第1脚部71とが接合される。その結果、波巻き状のコイル部30が形成される。
また、図22に示すように、第1脚部71と第2脚部81とは、径方向内側が閉じている第1絶縁部材20とともに、径方向内側から押圧治具201によって押圧される。その後、図2に示すように、ステータ100が完成される。なお、図1に示すように、ステータ100とロータ101とが組み合わされることにより、回転電機102が製造される。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、複数の一方側セグメント導体(80)をスロット(12)に配置した後に、複数の一方側セグメント導体(80)のうち、1つのスロット(12)において径方向に隣接する一方側セグメント導体(80)の脚部(81)の先端部(84)の間に、シート状の接合部絶縁部材(21)を配置する工程を備える。これにより、複数の他方側セグメント導体(70)の脚部(71)よりも長い脚部(81)を有する複数の一方側セグメント導体(80)が先にスロット(12)に配置されるので、中心軸線方向におけるスロット(12)の端部側に、複数の一方側セグメント導体(80)の脚部(81)の先端部(84)が配置される。そして、中心軸線方向におけるスロット(12)の端部側に配置される複数の一方側セグメント導体(80)の脚部(81)の先端部(84)の間にシート状の接合部絶縁部材(21)を配置するので、接合部絶縁部材(21)の中心軸線方向における移動距離を比較的短くすることができる。これにより、シート状の接合部絶縁部材(21)を容易に接合部(90)の間に配置することができる。その結果、シート状の接合部絶縁部材(21)を接合部(90)の間に配置する工程の生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)を複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)に当接させる工程は、シート状の接合部絶縁部材(21)を複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)同士の間に配置する工程の後に行われる。このように構成すれば、複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)同士の間に、シート状の接合部絶縁部材(21)が適切に配置されたか否かを視認した後に、複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)を複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)に当接させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、まず、リード線が接続される側の複数の一方側セグメント導体(80)をスロット(12)に挿入する。その後、リード線が接続される側とは反対側の複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)を、複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)に当接させる。このように構成すれば、リード線の長さを一方側セグメント導体(80)の脚部(81)の長さ(L2)と同様に比較的長くすることができるので、スロット(12)内においてリード線を安定した状態で配置することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の一方側セグメント導体(80)を一斉にスロット(12)に挿入する。このように構成すれば、複数の一方側セグメント導体(80)を一部分ずつスロット(12)に挿入する場合と比べて、複数の一方側セグメント導体(80)をスロット(12)に配置するための時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、円環状に組み合わされた複数の一方側セグメント導体(80)を一斉にスロット(12)に挿入する。このように構成すれば、円環状に配置される複数のスロット(12)に、同時に、複数の一方側セグメント導体(80)を挿入することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)を、一斉に、複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)に当接させる。このように構成すれば、複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)を一部分ずつ複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)に当接させる場合と比べて、複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)と複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)とを当接させるための時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、円環状に組み合わされた複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)を一斉に複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)に当接させる。このように構成すれば、円環状に配置される複数のスロット(12)において、同時に、複数の一方側セグメント導体(80)の先端部(84)と複数の他方側セグメント導体(70)の先端部(74)とを当接させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の一方側セグメント導体(80)をスロット(12)に挿入する工程の前に、スロット(12)とコイル部(30)とを絶縁するためのシート状のコア脚部絶縁部材(20)をスロット(12)に挿入する。このように構成すれば、複数の一方側セグメント導体(80)がスロット(12)に挿入された後にコア脚部絶縁部材(20)をスロット(12)に挿入する場合と異なり、コア脚部絶縁部材(20)を容易にスロット(12)に挿入することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スロット(12)に挿入されたコア脚部絶縁部材(20)に少なくとも一部が当接するように、シート状の接合部絶縁部材(21)を配置する。このように構成すれば、接合部絶縁部材(21)とコア脚部絶縁部材(20)とが重ねられるので、接合部(90)に対する絶縁性を高めることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、シート状の第2絶縁部材をスロット内に配置する工程の後に、複数の第1導体をスロット内に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、シート状の第2絶縁部材を複数の第1導体の第1対向面の間に配置した状態で、第2絶縁部材と第1導体とを共にスロット内に挿入してもよい。
また、上記実施形態では、脚部の長い第2導体がリード側の導体であり、脚部の短い第1導体が反リード側の導体である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、脚部の長い第2導体が反リード側の導体であり、脚部の短い第1導体がリード側の導体であってもよい。
また、上記実施形態では、円環状に組み合わされた、脚部の長い複数の第2導体(コイルアッセンブリ)が一斉にスロットに挿入される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、脚部の長い複数の第2導体を一部分ずつ、スロットに挿入してもよい、
また、上記実施形態では、円環状に組み合わされた、脚部の短い複数の第1導体が一斉にスロット内に配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図28に示すように、第1脚部71の短い複数の第1導体70を一部分ずつ順に、スロット12内に配置して、第1対向面74と第2対向面84とを当接させてもよい。たとえば、複数の第1導体70の一部(各々のスロット12において最外径と最外径から2番目の位置に配置される第1導体70)が円環状に組み合わされるとともに、円環状に組み合わされた第1導体70がスロット12に配置される。その後、径方向外側から径方向内側に向かって順々に、円環状に組み合わされた第1導体70がスロット12に配置される。これにより、順々に挿入される複数の第1導体70の第1対向面74の一部分が、複数の第2導体80の第2対向面84に適切に当接されたか否かを確認しながら、複数の第2導体80の第2対向面84と複数の第1導体70の第1対向面74とを当接させる工程を行うことができる。また、複数の第1導体70(のうちの一部分)が円環状に組み合わされた状態で、スロット12内に挿入されてもよい。これにより、円環状に配置される複数のスロット12において、同時に、複数の第1導体70を挿入することができる。
また、上記実施形態では、径方向に隣り合うように配置される対向面絶縁部分が、周方向の一方側と他方側とにおいて、交互に周方向面絶縁部分により連結されている(つまり、第2絶縁部材が一体的に形成されている)例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図29に示す第1変形例による第2絶縁部材121のように、対向面絶縁部分121a同士が、周方向の一方(または他方)において、周方向面絶縁部分121bにより連結され、周方向の他方(または一方)において、絶縁距離L21分だけR1方向(またはR2方向)に延びる周方向面絶縁部分121cに連結されていてもよい。この場合、1つのスロット12内に複数の第2絶縁部材121が設けられている。なお、第2絶縁部材121は、特許請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
また、図30に示す第2変形例による第2絶縁部材221のように、対向面絶縁部分221a同士が、周方向の一方において、周方向面絶縁部分221bにより連結され、周方向の他方において、絶縁距離L21分だけR2方向に延びる周方向面絶縁部分221cに連結されていてもよい。この場合も、1つのスロット12内に複数の第2絶縁部材221が設けられている。なお、第2絶縁部材221は、特許請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
また、図31に示す第3変形例による第2絶縁部材321のように、中心軸線方向から見て、第2絶縁部材321がU字形状を有していてもよい。なお、第2絶縁部材321の周方向面絶縁部分321bは、図31に示すように対向面絶縁部分321aから径方向外側に向かって延びるように設けられていてもよいし、径方向内側に向かって延びるように設けられていてもよい。また、図32に示す第4変形例による第2絶縁部材421のように、周方向面絶縁部分421bが、対向面絶縁部分421aの周方向の一方側の端部から、径方向外側に向かって延びるように設けられているとともに、周方向面絶縁部分421cが、対向面絶縁部分421aの周方向の他方側の端部から、径方向内側に向かって延びるように設けられていてもよい。なお、第2絶縁部材321および第2絶縁部材421は、特許請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
また、上記実施形態では、第1導体と第2導体とがスロット内において接合されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1導体と第2導体とがスロットの中心軸線方向の外側において接合されていてもよい。
また、上記実施形態では、接着層として構成された固定層を含む第1絶縁部材を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着層とは異なる膨張材(膨張層)を含む第1絶縁部材を用いて、接着せずに壁部および周方向側面と第2脚部とを押圧させ合うこと(押圧力)により固定させてもよい。
10 ステータコア(電機子コア)
12 スロット
20 第1絶縁部材(コア脚部絶縁部材)
21、121、221、321、421 第2絶縁部材(接合部絶縁部材)
30 コイル部
40 セグメント導体
70 第1導体(他方側セグメント導体)
71 第1脚部(脚部)
74 第1対向面(他方側セグメント導体の脚部の先端部)
80 第2導体(一方側セグメント導体)
81 第2脚部(脚部)
84 第2対向面(一方側セグメント導体の脚部の先端部)
90 接合部
100 ステータ(電機子)

Claims (11)

  1. 中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、前記中心軸線方向に延びる脚部を有する複数のセグメント導体の脚部の先端部同士が、1つの前記スロット内または1つの前記スロットの前記中心軸線方向の外側において接合されることにより形成されるコイル部と、前記セグメント導体の脚部の先端部同士が接合された接合部のうち、径方向に隣接する接合部同士を絶縁するシート状の接合部絶縁部材と、を備える、電機子の製造方法であって、
    前記複数のセグメント導体のうちの前記電機子コアの前記中心軸線方向の一方側に配置される複数の一方側セグメント導体の脚部を、前記電機子コアの前記中心軸線方向の一方側から前記電機子コアの前記スロットに挿入する一方側セグメント導体挿入工程と、
    前記複数の一方側セグメント導体を前記スロットに配置した後に、前記複数の一方側セグメント導体のうち、1つの前記スロットにおいて径方向に隣接する一方側セグメント導体の脚部の先端部の間に、前記シート状の接合部絶縁部材を配置する接合部絶縁部材配置工程と、
    前記電機子コアの前記中心軸線方向の他方側に配置され、前記一方側セグメント導体の前記脚部よりも短い脚部を有する複数の他方側セグメント導体のうち、少なくとも一部の前記他方側セグメント導体の脚部の先端部を、前記電機子コアの前記中心軸線方向の他方側から前記複数の一方側セグメント導体の脚部の先端部に当接させる他方側セグメント導体当接工程と、
    前記複数の一方側セグメント導体の脚部の先端部と前記他方側セグメント導体の脚部の先端部とを接合する接合工程とを備える、電機子の製造方法。
  2. 前記他方側セグメント導体当接工程は、前記接合部絶縁部材配置工程の後に行われる、請求項1に記載の電機子の製造方法。
  3. 前記一方側セグメント導体挿入工程は、リード線が接続される側の前記複数の一方側セグメント導体を前記スロットに挿入する工程であり、
    前記他方側セグメント導体当接工程は、前記リード線が接続される側とは反対側の前記複数の他方側セグメント導体の先端部を、前記複数の一方側セグメント導体の先端部に当接させる工程である、請求項1または2に記載の電機子の製造方法。
  4. 前記一方側セグメント導体挿入工程は、前記複数の一方側セグメント導体を一斉に前記スロットに挿入する工程である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
  5. 前記一方側セグメント導体挿入工程は、円環状に組み合わされた前記複数の一方側セグメント導体を一斉に前記スロットに挿入する工程である、請求項4に記載の電機子の製造方法。
  6. 前記他方側セグメント導体当接工程は、前記複数の他方側セグメント導体の先端部を、一斉に、前記複数の一方側セグメント導体の先端部に当接させる工程である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
  7. 前記他方側セグメント導体当接工程は、円環状に組み合わされた前記複数の他方側セグメント導体の先端部を一斉に前記複数の一方側セグメント導体の先端部に当接させる工程である、請求項6に記載の電機子の製造方法。
  8. 前記他方側セグメント導体当接工程は、前記複数の他方側セグメント導体の先端部を、一部分ずつ順に、前記複数の一方側セグメント導体の先端部に当接させる工程である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
  9. 前記他方側セグメント導体当接工程は、前記複数の他方側セグメント導体の一部分が円環状に組み合わされた状態で、円環状に組み合わされた前記複数の他方側セグメント導体の先端部を前記複数の一方側セグメント導体の先端部に当接させる工程である、請求項8に記載の電機子の製造方法。
  10. 前記一方側セグメント導体挿入工程の前に、前記スロットと前記コイル部とを絶縁するためのコア脚部絶縁部材を前記スロットに挿入するコア脚部絶縁部材挿入工程をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
  11. 前記接合部絶縁部材配置工程は、前記スロットに挿入された前記コア脚部絶縁部材に少なくとも一部が当接するように、前記シート状の接合部絶縁部材を配置する工程である、請求項10に記載の電機子の製造方法。
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