JP2020035634A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の内部抵抗を低減することで、優れた出力特性を発揮しうる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】集電体と、前記集電体の表面に配置された、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層と、を含む電極;ならびに前記電極の間に配置された、セパレータに電解液が含浸されてなる電解質層を有する。ここで、前記電極1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、0.30≦yz/x≦1.06を満たす、非水電解質二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の普及の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、二次電池の開発が鋭意行われている。車載電源への適用を指向した非水電解質二次電池は、高容量であり、優れた出力特性を有することが求められる。
高容量化した電池を得るための技術として、特許文献1には、電極の膜厚を厚くすることにより、集電体やセパレータの相対的な割合を減少させて電池のエネルギー密度を高くするという手段が開示されている。
特開平9−204936号公報
しかしながら、特許文献1のように、電極の膜厚を厚くすると、電池の内部抵抗が増加することで、出力特性が低下するという問題が生じてしまう。
したがって、本発明は、電池の内部抵抗を低減することで、優れた出力特性を発揮しうる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層を有する電極と電解液とを用いた非水電解質二次電池において、電極の空孔体積、ゲル形成性ポリマーの体積および電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率が所定の関係を満たすように制御することが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る非水電解質二次電池は、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置された電極と、前記電極の間に配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層とを有する。ここで、前記電極1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、
を満たすことを特徴とする。
本発明の一形態に係る非水電解質二次電池によれば、電池の内部抵抗を低減することで、優れた出力特性を発揮することができる。
本発明の一実施形態である双極型二次電池を模式的に表した断面図である。 二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
本発明の一形態は、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置された電極と、前記電極の間に配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層とを有する非水電解質二次電池である。ここで、前記電極1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、
を満たすことを特徴とする。本形態の非水電解質二次電池によれば、電池の内部抵抗を低減することで、優れた出力特性を発揮することができる。
上記効果を奏する詳細なメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。なお、本発明の技術的範囲は下記メカニズムに何ら制限されない。
本形態では、電極活物質層が電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含有し、この際電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化している。上記yz/xの値を0.30以上に制御すると、電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化して、電極の空孔に浮遊する電極活物質の発生が抑制される。これにより、電子伝導を向上することができる。また、ゲル形成性ポリマーが電解液を吸液してイオン伝導を担うため、有効イオン伝導を向上することができる。よって、直流抵抗値を低減できる。また、上記yz/xの値を1.06以下に制御することで、ゲル形成性ポリマーが電極活物質を過剰に被覆することが抑制される。これにより、電子伝導の低下を抑制できる。また、ゲル形成性ポリマーが電極の空孔を過剰に占有すること、電解液量が減少することおよびイオン量(例えば、Liイオン量)が低下することを抑制することで、有効イオン伝導の低下を抑制できる。よって、直流抵抗値を低減できる。このように、yz/xの値を所定の範囲に制御することにより、本形態の非水電解質二次電池では、直流抵抗値を低減でき、優れた出力特性を発揮することができると考えられる。
以下、図面を参照しながら、上述した本発明に係る実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。以下では、非水電解質二次電池の一形態である、双極型リチウムイオン二次電池を例に挙げて本発明を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)、相対湿度40〜50%RHの条件で行う。
本明細書では、双極型リチウムイオン二次電池を単に「双極型二次電池」とも称し、双極型リチウムイオン二次電池用電極を単に「双極型電極」と称することがある。
<双極型二次電池>
図1は、本発明の一実施形態である双極型二次電池を模式的に表した断面図である。図1に示す双極型二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装体であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、本形態の双極型二次電池10の発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。各双極型電極23は、電解質層(セパレータ)17を介して積層されて発電要素21を形成する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。これにより、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止し、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止している。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。
さらに、図1に示す双極型二次電池10では、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板(正極タブ)25が配置され、これが延長されて電池外装体であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板(負極タブ)27が配置され、同様にこれが延長されてラミネートフィルム29から導出している。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型二次電池10では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型二次電池10でも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装体であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。なお、ここでは、双極型二次電池を例に挙げて本発明の実施形態を説明したが、本発明が適用可能な非水電解質電池の種類は特に制限されず、発電要素において単電池層が並列接続されてなる形式のいわゆる並列積層型電池などの従来公知の任意の非水電解質二次電池に適用可能である。
以下、上述した双極型二次電池の主な構成要素について説明する。
[電極]
電極は、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置された構成を有する。
〔集電体〕
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はないが、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔、またはカーボン被覆アルミニウム箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
また、後者の導電性を有する樹脂としては、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属またはこれらの金属を含む合金もしくは金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである。
導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜80質量%程度である。
なお、集電体は、単独の材料からなる単層構造であってもよいし、あるいは、これらの材料からなる層を適宜組み合わせた積層構造であっても構わない。集電体の軽量化の観点からは、少なくとも導電性を有する樹脂からなる導電性樹脂層を含むことが好ましい。また、単電池層間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、集電体の一部に金属層を設けてもよい。
〔電極活物質層〕
電極活物質層は、上記集電体の表面に配置され、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む。
電極活物質層中、電極活物質の含有量(固形分換算)は、出力特性の観点から、好ましくは60〜95質量%であり、より好ましくは80〜95質量%である。
電極活物質層中、ゲル形成性ポリマーの含有量(固形分換算)は、上記yz/xの範囲を満たすように適宜調整することができる。ゲル形成性ポリマーの含有量(固形分換算)は、出力特性の観点から、好ましくは0.5〜10.0質量%であり、より好ましくは1.0〜6.0質量%である。
電極活物質層の厚さは、正極活物質層については、好ましくは150〜1500μmであり、より好ましくは180〜950μmであり、さらに好ましくは200〜800μmである。また、負極活物質層の厚さは、好ましくは150〜1500μmであり、より好ましくは180〜1200μmであり、さらに好ましくは200〜1000μmである。電極活物質層の厚さが上述した下限値以上の値であれば、電池のエネルギー密度を十分に高めることができる。一方、電極活物質層の厚さが上述した上限値以下の値であれば、電極活物質層の構造を十分に維持することができる。
本形態において、電極活物質層では、電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化することで、機械的強度を向上させることができる。そのため、電極の膜厚を厚くしても、優れた出力特性を維持しつつ、電極の機械的強度を向上することができる。
(正極活物質)
正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Mn−Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられる。さらに好ましくはLi(Ni−Mn−Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、またはリチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物(以下単に、「NCA複合酸化物」とも称する)などが用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有する。そして、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
NMC複合酸化物は、上述したように、遷移金属元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Cr、Fe、B、Ga、In、Si、Mo、Y、Sn、V、Cu、Ag、Znなどが挙げられ、好ましくは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crであり、より好ましくは、Ti、Zr、P、Al、Mg、Crであり、サイクル特性向上の観点から、さらに好ましくは、Ti、Zr、Al、Mg、Crである。
NMC複合酸化物は、理論放電容量が高いことから、好ましくは、一般式(1):LiNiMnCo(但し、式中、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0≦c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たす。MはTi、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crから選ばれる元素で少なくとも1種類である)で表される組成を有する。ここで、aは、Liの原子比を表し、bは、Niの原子比を表し、cは、Mnの原子比を表し、dは、Coの原子比を表し、xは、Mの原子比を表す。サイクル特性の観点からは、一般式(1)において、0.4≦b≦0.6であることが好ましい。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
一般に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)は、材料の純度向上および電子伝導性向上という観点から、容量および出力特性に寄与することが知られている。Ti等は、結晶格子中の遷移金属を一部置換するものである。サイクル特性の観点からは、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されていることが好ましく、特に一般式(1)において0<x≦0.3であることが好ましい。Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種が固溶することにより結晶構造が安定化される。その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得ると考えられる。
より好ましい実施形態としては、一般式(1)において、b、cおよびdが、0.44≦b≦0.51、0.27≦c≦0.31、0.19≦d≦0.26であることが、容量と寿命特性とのバランスを向上させるという観点からは好ましい。例えば、LiNi0.5Mn0.3Co0.2は、一般的な民生電池で実績のあるLiCoO、LiMn、LiNi1/3Mn1/3Co1/3などと比較して、単位質量あたりの容量が大きい。これにより、エネルギー密度の向上が可能となり、コンパクトかつ高容量の電池を作製できるという利点を有しているため、航続距離の観点からも好ましい。
また、より好ましい実施形態としては、より容量が大きいという観点から、LiNi0.8Co0.1Al0.1やLiNi0.8Co0.15Al0.05が好ましい。
正極活物質の平均粒子径は、高出力化の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。本明細書において、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法の粒度分布測定装置により計測されたものを採用する。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料(スズ、シリコン)、リチウム合金系負極材料(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−アルミニウム−マンガン合金等)などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム合金系負極材料が、負極活物質として好ましく用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。
(ゲル形成性ポリマー)
ゲル形成性ポリマーは、イオン伝導性ポリマーであり、電極活物質と共に構造体を形成して、イオン伝導の役割を担うことができる。ゲル形成性ポリマーとしては、出力特性の観点から、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリメチルメタクリレート、およびこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である。
ゲル形成性ポリマーは、出力特性をより高めるとの観点から、好ましくはポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)から選択され、より好ましくはポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)である。
電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積は、特に制限されず、0.30≦yz/x≦1.06の関係式を満たすように適宜調整できる。電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積は、例えば0.006〜0.038mであり、好ましくは0.009〜0.035m、より好ましくは0.015〜0.028mである。電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積は、仕込み量などにより制御することができる。
ゲル形成性ポリマーは、電解液に対する吸液率が好ましくは10%以上であり、より好ましくは50%以上である。ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率の上限は、特に制限されないが、例えば200%以下であり、好ましくは120%以下であり、より好ましくは90%以下である。ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率が10%以上であると、ゲル形成性ポリマーが十分に電解液を保持することができるため、イオン伝導を担わせることができる。ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率が200%以下であると、電極活物質との構造体を維持できる。
本明細書において、「電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率」は、電解液への浸漬前および浸漬後のゲル形成性ポリマーの質量を測定して、以下の式により算出する。
吸液率(%)=[(電解液浸漬後のゲル形成性ポリマーの質量−電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの質量)/電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの質量]×100。
試料としては、上記ゲル形成性ポリマーをN−メチル−2−ピロリドンに溶解して、キャスト膜を作製する。キャスト膜の電解液への浸漬は、25℃〜50℃にて24時間行う。
吸液率を求めるための電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比1:1)にLiN(FSO 2mol/Lを溶解させて得られた電解液を用いる。
(導電助剤)
電極活物質層は、導電助剤をさらに含むことができる。
導電助剤は、電極活物質層中で電子伝導パス(導電通路)を形成する機能を有する。このような電子伝導パスが電極活物質層中に形成されると、電池の内部抵抗が低減し、高レートでの出力特性向上に寄与しうる。特に、導電助剤の少なくとも一部が、電極活物質層の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成している(本実施形態では、電極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成している)ことが好ましい。このような形態を有することで、電極活物質層中の厚さ方向の電子移動抵抗がさらに低減されるため、電池の高レートでの出力特性をより一層向上しうる。なお、導電助剤の少なくとも一部が、電極活物質層の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成している(本実施形態では、電極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成している)か否かは、SEMや光学顕微鏡を用いて電極活物質層の断面を観察することにより確認することができる。
このような導電通路を確実に形成するという観点から、導電助剤は、繊維状の形態を有する導電性繊維であることが好ましい。具体的には、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を、導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。なかでも、導電性に優れ、軽量であることから炭素繊維が好ましい。
ただし、繊維状の形態を有しない導電助剤が用いられてももちろんよい。例えば、粒子状(例えば、球状)の形態を有する導電助剤が用いられうる。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μm程度であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
粒子状(例えば、球状)の形態を有する導電助剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅、チタン等の金属、これらの金属を含む合金または金属酸化物;カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等のカーボンが挙げられるが、これらに限定されない。また、粒子状のセラミック材料や樹脂材料の周りに上記金属材料をめっき等でコーティングしたものも導電助剤として使用できる。これらの導電助剤のなかでも、電気的安定性の観点から、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウム、ステンレス、銀、金、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、カーボンを少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらの導電助剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
電極活物質層中における導電助剤の含有量は、電極活物質層の全固形分量(全ての部材の固形分量の合計)100質量%に対して、4〜8質量%であることが好ましい。導電助剤の含有量が上記範囲であると、電極活物質層中で電子伝導パスを良好に形成できるとともに、電池のエネルギー密度が低下するのを抑えることができるという利点がある。
(電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤からなる構造体)
本発明の好ましい実施形態において、電極活物質層は、電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤からなる構造体を含む。これにより、電極活物質は、導電助剤と良好に接触でき、電極活物質が活性状態となるため、電子伝導をより向上することできる。また、電極活物質周辺に導電助剤が構造化されることにより、優れた導電性を担保することができるため、出力および容量を向上させることができる。さらに、電極活物質周辺に導電助剤が構造化されることで、空孔内のパーコレーションが形成される。よって、有効イオン伝導度をより向上することができる。加えて、このような構造体とすることで、電極活物質層を自立膜とすることができ、電極の強度をさらに増加することもできる。
〔電極の空孔体積の算出方法〕
電極の空孔体積は、以下のようにして算出する。
(1)電極の単位面積当たりの質量を測定し、使用した材料の配合比から、単位面積当たりの各材料の質量を求める。
(2)電極の厚さ[A]を測定する。
(3)(1)で求めた各材料の質量と、各材料の密度とを用いて、空孔率0%である場合の電極の厚さ[B]を算出する。
(4)測定した電極の厚さ[A]と算出した電極の厚さ[B]との差(A−B)から電極の空孔体積を算出する。
電極1mあたりの空孔体積は、特に制限されず、0.30≦yz/x≦1.06の関係式を満たすように適宜調整できる。電極1mあたりの空孔体積は、例えば0.180m〜0.445mであり、好ましくは0.190m〜0.435mである。電極1mあたりの空孔体積は、電極活物質の粒子径、ゲル形成性ポリマーの仕込み量、電極活物質層の膜厚などにより調整することができる。また、後述するように、電極作製時にプレスすることなどにより調整することができる。
[電解質層]
電解質層は、電極の間に配置され、セパレータに電解液が含浸されてなる構成を有する。
電解液は、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。電解液層を構成する電解液は、非水溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。
非水溶媒は、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、プロピオン酸メチル(MP)、酢酸メチル(MA)、ギ酸メチル(MF)、4−メチルジオキソラン(4MeDOL)、ジオキソラン(DOL)、2−メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびγ−ブチロラクトン(GBL)などが挙げられる。中でも、非水溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)が好ましく、エチレンカーボネートを含むことが好ましい。添加される非水溶媒は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
リチウム塩としては、LiN(FSO、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。なかでも、電池出力および充放電サイクル特性の観点から、LiN(FSOより好ましい。
電解液中におけるリチウム塩の濃度は、0.1〜3.0mol/Lであることが好ましく、0.8〜2.2mol/Lであることがより好ましい。
電解液は、上述した成分以外の添加剤をさらに混合してもよい。また、添加剤は電解液に含有させてもよい。かような化合物の具体例としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ジフェニルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−1−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、ビニルオキシメチルエチレンカーボネート、アリルオキシメチルエチレンカーボネート、アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、メタクリルオキシメチルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、プロパルギルエチレンカーボネート、エチニルオキシメチルエチレンカーボネート、プロパルギルオキシエチレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、1,1−ジメチル−2−メチレンエチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、添加剤を電解液に使用する場合の使用量は、添加剤を添加する前の電解液100質量%に対して、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本形態では、電解質層にセパレータが用いられる。セパレータは、電解質を保持して正極と負極との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極と負極との間の隔壁としての機能を有する。
セパレータの形態としては、例えば、上記電解液を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
ポリマーないし繊維からなる多孔性シートのセパレータとしては、例えば、微多孔質(微多孔膜)を用いることができる。該ポリマーないし繊維からなる多孔性シートの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;これらを複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体など)、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔質(微多孔膜)セパレータが挙げられる。
微多孔質(微多孔膜)セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。1例を示せば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。前記微多孔質(微多孔膜)セパレータの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。
不織布セパレータとしては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。
また、セパレータとしては多孔質基体に耐熱絶縁層が積層されたセパレータ(耐熱絶縁層付セパレータ)であることが好ましい。耐熱絶縁層は、無機粒子およびバインダを含むセラミック層である。耐熱絶縁層付セパレータは融点または熱軟化点が150℃以上、好ましくは200℃以上である耐熱性の高いものを用いる。耐熱絶縁層を有することによって、温度上昇の際に増大するセパレータの内部応力が緩和されるため熱収縮抑制効果が得られうる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。また、耐熱絶縁層を有することによって、耐熱絶縁層付セパレータの機械的強度が向上し、セパレータの破膜が起こりにくい。さらに、熱収縮抑制効果および機械的強度の高さから、電池の製造工程でセパレータがカールしにくくなる。
耐熱絶縁層における無機粒子は、耐熱絶縁層の機械的強度や熱収縮抑制効果に寄与する。無機粒子として使用される材料は特に制限されない。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンの酸化物(SiO、Al、ZrO、TiO)、水酸化物、および窒化物、ならびにこれらの複合体が挙げられる。これらの無機粒子は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来のものであってもよいし、人工的に製造されたものであってもよい。また、これらの無機粒子は1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらのうち、コストの観点から、シリカ(SiO)またはアルミナ(Al)を用いることが好ましく、アルミナ(Al)を用いることがより好ましい。
耐熱性粒子の目付けは、特に限定されるものではないが、5〜15g/mであることが好ましい。この範囲であれば、十分なイオン伝導性が得られ、また、耐熱強度を維持する点で好ましい。
耐熱絶縁層におけるバインダは、無機粒子どうしや、無機粒子と樹脂多孔質基体層とを接着させる役割を有する。当該バインダによって、耐熱絶縁層が安定に形成され、また多孔質基体層および耐熱絶縁層の間の剥離を防止される。
耐熱絶縁層に使用されるバインダは、特に制限はなく、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリロニトリル、セルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アクリル酸メチルなどの化合物がバインダとして用いられうる。このうち、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル酸メチル、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることが好ましい。これらの化合物は、1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
耐熱絶縁層におけるバインダの含有量は、耐熱絶縁層100質量%に対して、2〜20質量%であることが好ましい。バインダの含有量が2質量%以上であると、耐熱絶縁層と多孔質基体層との間の剥離強度を高めることができ、セパレータの耐振動性を向上させることができる。一方、バインダの含有量が20質量%以下であると、無機粒子の隙間が適度に保たれるため、十分なリチウムイオン伝導性を確保することができる。
耐熱絶縁層付セパレータの熱収縮率は、150℃、2gf/cm条件下、1時間保持後にMD、TDともに10%以下であることが好ましい。このような耐熱性の高い材質を用いることで、発熱量が高くなり電池内部温度が150℃に達してもセパレータの収縮を有効に防止することができる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板27と負極集電板25とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[シール部]
シール部(絶縁層)31は、集電体同士の接触や単電池層の端部における短絡を防止する機能を有する。シール部を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン−プロピレン−ジエンゴム:EPDM)、等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いても良く、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いても良い。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが、好ましい。
[電池外装体]
電池外装体としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、図1に示すように発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルム29を用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができ、所望の電解液層厚みへと調整容易であることから、外装体はアルミネートラミネートがより好ましい。
本形態の双極型二次電池は、優れた出力特性を発揮することができる。したがって、本形態の双極型二次電池は、EV、HEVの駆動用電源として好適に使用される。
[電極の空孔体積、ゲル形成性ポリマーの体積およびゲル形成性ポリマーの吸液率]
本実施形態の非水電解質二次電池は、前記電極1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、
を満たすことを特徴とする。本発明者らは、電極の空孔に占めるゲル形成性ポリマーの割合とゲル形成性ポリマーの吸液率との間に適正範囲が存在することを見出し、その知見を上記関係式で数値化した。
このような構成を有する非水電解質二次電池によれば、電極活物質層が電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含有し、この際電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化している。上記yz/xの値を0.30以上に制御すると、電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化して、電極の空孔に浮遊する電極活物質の発生が抑制される。これにより、電子伝導を向上することができる。また、ゲル形成性ポリマーが電解液を吸液してイオン伝導を担うため、有効イオン伝導を向上することができる。よって、直流抵抗値を低減できる。また、上記yz/xの値を1.06以下に制御することで、ゲル形成性ポリマーが電極活物質を過剰に被覆することが抑制される。これにより、電子伝導の低下を抑制できる。また、ゲル形成性ポリマーが電極の空孔を過剰に占有すること、電解液量が減少することおよびLiイオン量が低下することを抑制することで、有効イオン伝導の低下を抑制できる。よって、直流抵抗値を低減できる。このように、yz/xの値を所定の範囲に制御することにより、本形態の非水電解質二次電池では、直流抵抗値を低減することで、優れた出力特性を発揮することができると考えられる。
上記x、yおよびzは、出力特性をより向上させるとの観点から、0.45≦yz/x≦0.86を満たすことが好ましく、0.50≦yz/x≦0.86を満たすことがより好ましい。
[非水電解質二次電池の製造方法]
本発明の一形態は、電極活物質、ゲル形成性ポリマー、導電助剤および溶媒を含む電極活物質スラリーを集電体の表面に塗工することにより電極活物質層を形成して電極を得る工程と、前記電極とセパレータとを積層して発電要素を得る工程と、前記発電要素を外装体で覆い、電解液を注入する工程と、有する非水電解質二次電池の製造方法である。この際、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率が10%以上である。本形態の非水電解質二次電池の製造方法によれば、ゲル形成性ポリマーを電極活物質および導電助剤と構造化すること、ならびにゲル形成性ポリマーに電解液を保持させることにより、電子伝導およびイオン電導とが最適化され、また直流抵抗値を低減することで、優れた出力特性を発揮する非水電解質二次電池を得ることができる。
(電極活物質、ゲル形成性ポリマー、導電助剤および溶媒を含む電極活物質スラリーを集電体の表面に塗工することにより電極活物質層を形成して電極を得る工程)
まず、上述した電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤を溶媒とともに混合して、電極活物質スラリーを調製する。
溶媒としては、特に制限されず、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、シクロヘキサン、ヘキサン、水などが用いられうる。
電極活物質、ゲル形成性ポリマー、導電助剤および溶媒を混合し、電極活物質スラリーを調製する方法は特に制限されず、部材の添加順、混合方法等、従来公知の知見が適宜参照される。
電極活物質スラリーの濃度は、特に制限されない。ただし、後述するスラリーの塗布を容易にする観点から、電極活物質スラリー100質量%に対する全固形分の濃度は、好ましくは35〜75質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。濃度が上記範囲内であると、塗布で十分な厚さを有する電極活物質層を容易に形成することができる。
次いで、電極活物質スラリーを集電体上に塗布し、乾燥させる。塗布後、必要に応じて、プレスを行ってもよい。このように、電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤を電極活物質スラリー調製の際に混合することにより、電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤からなる構造体を有する電極活物質層を形成することができる。
電極活物質スラリーの集電体への塗布方法としては、特に制限されず、スクリーン印刷法、スプレーコート法、静電スプレーコート法、インクジェット法、ドクターブレード法等が挙げられる。
電極活物質スラリーの塗工厚は、形成される電極活物質層の厚さを考慮して適宜設定さ
れる。電極活物質スラリーの塗工厚は、好ましくは200〜2000μmであり、より好
ましくは400〜1000μmである。
電極活物質スラリーを集電体上に塗布した後の乾燥方法としては、特に制限されず、溶媒の少なくとも一部が除去されればよい。当該乾燥方法としては、加熱が挙げられる。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、適用する電極活物質スラリーに含有される溶媒の揮発速度、電極活物質スラリーの塗布量等に応じて適宜設定されうる。
プレスを行う場合、プレス手段としては、特に限定されず、例えば、カレンダーロール、平板プレス等が用いられうる。
このようにして、電極(正極または負極)を得ることができる。
(電極とセパレータとを積層して発電要素を得る工程)
上記のように電極を作製した後、電極とセパレータとを積層して発電要素を作製する。発電要素の作製方法は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照される。一例としては、正極と負極とがセパレータを介して対向するように積層させて、単電池層を作製する。前記単電池層を所望の数となるまで積層することで、発電要素を得ることができる。
得られた発電要素に正極タブ、負極タブを溶接により接合する。必要に応じて、溶接後に余分なタブ等をトリミングにより除去するのが望ましい。接合方法としては特に制限されるものではないが、超音波溶接機にて行うのが、接合時に発熱(加熱)せず、極めて短時間で接合できる為、熱による電極活物質層(負極活物質層および正極活物質層)の劣化を防止できる点で優れている。この際、正極タブと、負極タブとは、同じ辺(同じ取出し側)で対向(対峙)するように配置することができる。これにより、各正極の正極タブを1つに束ねて1つの正極集電板として外装体から取り出すことができる。同様に各負極の負極タブを1つに束ねて1つの負極集電板として外装体から取り出すことができる。また、正極集電板(正極集電タブ)と、負極集電板(負極集電タブ)とが、反対の辺(異なる取出し辺)となるように配置してもよい。
(発電要素を外装体で覆い、電解液を注入する工程)
得られた発電要素を外装体で覆う。発電要素を外装体で覆う方法は制限されず、従来公知の知見が適宜参照される。一例としては、発電要素を電池外装体に用いるラミネートフィルムで、上下から、正極集電板(正極集電タブ)と、負極集電板(負極集電タブ)を電池外装体の外部に取り出せるようにして、挟み込む。
次に、上下のラミネートフィルムの外周部(封止部)のうち3辺を熱圧着して封止する。外周部のうち3辺を熱圧着して封止することで、3辺封止体を得る。この際、正極集電板(正極集電タブ)、負極集電板(負極集電タブ)を取り出す辺の熱封止部は、封止しておくのが好ましい。これは、その後の注液時に、これらの正極集電板、負極集電板が開口部にあると、注液時に電解液が飛び散るなどする恐れがあるためである。
なお、上記においては、積層構造の電池の説明を行ったが、積層型に限定されず、電池の構成としては、角形、ペーパー型、円筒型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。
次に、注液装置にて3辺封止体の残る1辺の開口部より、3辺封止体内部に、電解液を注入する。これによりセパレータに電解質を含浸した電解質層が形成される。この際、電解質が3辺封止体内部の積層体、特にセパレータおよび電極活物質層にできるだけ早く含浸できるように、3辺封止体は、真空ポンプに連結された真空ボックスに収納することが好ましい。さらに、減圧して内部を高真空状態にした状態で注入を行うのが望ましい。注入後、3辺封止体を真空ボックスから取出し、3辺封止体の残る1辺を仮封止して、ラミネートタイプ(積層構造)の非水電解質二次電池を得ることができる。
[セルサイズ]
図2は、二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図2に示すように、扁平な双極型二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、双極型二次電池50の電池外装体(ラミネートフィルム52)によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図1に示す双極型二次電池10の発電要素21に相当するものである。発電要素57は、双極型電極23が、電解質層17を介して複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装体に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図2に示すタブ(58、59)の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図2に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
一般的な電気自動車では、電池格納スペースが170L程度である。このスペースにセルおよび充放電制御機器等の補機を格納するため、通常セルの格納スペース効率は50%程度となる。この空間へのセルの積載効率が電気自動車の航続距離を支配する因子となる。単セルのサイズが小さくなると上記積載効率が損なわれるため、航続距離を確保できなくなる。
したがって、本発明において、発電要素を外装体で覆った電池構造体は大型であることが好ましい。具体的には、ラミネートセル電池の短辺の長さが100mm以上であることが好ましい。かような大型の電池は、車両用途に用いることができる。ここで、ラミネートセル電池の短辺の長さとは、最も長さが短い辺を指す。短辺の長さの上限は特に限定されるものではないが、通常400mm以下である。
[体積エネルギー密度および定格放電容量]
一般的な電気自動車では、一回の充電による走行距離(航続距離)をいかに長くするかが重要な開発目標である。かような点を考慮すると、電池の体積エネルギー密度は157Wh/L以上であることが好ましく、かつ定格容量は20Wh以上であることが好ましい。
また、電極の物理的な大きさの観点とは異なる、大型化電池の観点として、電池面積や電池容量の関係から電池の大型化を規定することもできる。例えば、扁平積層型ラミネート電池の場合には、定格容量に対する電池面積(電池外装体まで含めた電池の投影面積)の比の値が5cm/Ah以上であり、かつ、定格容量が3Ah以上である電池に対して本発明が適用されることが好ましい。さらに、矩形状の電極のアスペクト比は1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。なお、電極のアスペクト比は矩形状の正極活物質層の縦横比として定義される。アスペクト比をかような範囲とすることで、車両要求性能と搭載スペースを両立できるという利点がある。
[組電池]
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
電池が複数、直列にまたは並列に接続して装脱着可能な小型の組電池を形成することもできる。そして、この装脱着可能な小型の組電池をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池を形成することもできる。何個の電池を接続して組電池を作製するか、また、何段の小型組電池を積層して大容量の組電池を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
[車両]
本形態の非水電解質二次電池は、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記非水電解質二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
具体的には、電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を車両に搭載することができる。本発明では、長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
以下、実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに何ら限定されるわけではない。
[実施例1]
<正極の作製>
正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05(Li含有層状遷移金属酸化物、平均粒子径:9μm)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(デンカ株式会社製、デンカブラック(登録商標);平均粒子径(一次粒子径):0.023μm)および炭素繊維(大阪ガスケミカル株式会社製)と、ゲル形成性ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)(Kyner Flex 2501−10、Arkema製)と、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンとをそれぞれ8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)となるように配合し、遊星撹拌型混合混練装置「あわとり練太郎」(ARE−310、株式会社シンキー製)を用いて2000rpmで6分間混合し、正極スラリーを作製した。正極スラリーを平滑盤上に設置したAl箔の上に、正極活物質層の厚みが400μmとなるように、ドクターブレードを用いて均一に塗布した。その後、80℃に加温したホットプレート上で2時間乾燥することで、正極活物質質量(正極活物質の目付量)で94mg/cmの多孔質構造体である正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてのハードカーボン(株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製、カーボトロン(登録商標)PS(F)、平均粒子径:20μm)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(デンカ株式会社製、デンカブラック(登録商標);平均粒子径(一次粒子径):0.023μm)および炭素繊維(大阪ガスケミカル株式会社製)と、ゲル形成性ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)(Kyner Flex 2501−10、Arkema製)と、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンとをそれぞれ8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)となるように配合し、遊星撹拌型混合混練装置「あわとり練太郎」(ARE−310、株式会社シンキー製)を用いて2000rpmで6分間混合し、負極スラリーを作製した。負極スラリーを平滑盤上に設置したCu箔の上に、負極活物質層の厚みが420μmとなるように、ドクターブレードを用いて均一に塗布した。その後、80℃に加温したホットプレート上で2時間乾燥することで、負極活物質質量(負極活物質の目付量)で39mg/cmの多孔質構造体である負極を得た。
<リチウムイオン電池の作製>
得られた正極を12cm、負極を12.4cmとなるように裁断した。正極では、Al端子付きアルミ箔を裁断した正極の集電箔側に積層した。負極では、Ni端子付き銅箔を裁断した負極の集電箔側に積層した。セパレータ(セルガード社製、セルガード(登録商標)3501 PP製)を正極、負極の電極側に挿入し、積層体とした。この積層体を熱融着型アルミラミネートフィルムに挟み、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比1:1)にLiN(FSO 2mol/Lを溶解させて得られた非水電解液を注入後、真空封止することで、パウチ型リチウムイオン電池を作製した。
[実施例2]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.10:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.34:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[実施例3]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.13:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.45:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[実施例4]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.16:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.57:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[実施例5]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.20:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.68:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[比較例1]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.00:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.00:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[比較例2]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.23:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.80:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[比較例3]
正極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.06:6.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.26:6.00(質量比)へと変更し、負極用多孔質構造体の作製において、部材の配合比を8.28:0.54:0.18:0.21:9.00(質量比)から8.28:0.54:0.18:0.91:9.00(質量比)へと変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
[電極の空孔体積の算出]
実施例1〜5および比較例1〜3において作製した電極について、以下のようにして空孔体積を算出した。
(1)単位面積当たりの質量を測定した。材料の配合比から、単位面積当たりの各材料の質量を求めた。
(2)マイクロメーターを用いて、電極の厚さ[A]を測定した。
(3)(1)で求めた各材料の質量と、各材料の密度とを用いて、空孔率0%である場合の電極の厚さ[B]を算出した。
(4)測定した電極の厚さと算出した電極の厚さとの差(A−B)から電極の空孔体積を算出し、電極1mあたりの空孔体積を求めた。
結果を表1に示す。
[ゲル形成性ポリマー空孔占有率の算出]
実施例1〜5および比較例2〜3において作製した電極におけるゲル形成性ポリマー空孔占有率を算出した。
ゲル形成性ポリマー空孔占有率とは、ゲル形成性ポリマー以外の材料を用いて作製した電極の空孔体積に対する、ゲル形成性ポリマーを用いて作製した電極に含まれるゲル形成性ポリマーの体積の割合を意味する。すなわち、ゲル形成性ポリマー空孔占有率は、以下の式により算出した;
ゲル形成性ポリマー空孔占有率=ゲル形成性ポリマー体積/(ゲル形成性ポリマー体積+電極の空孔体積)。
具体的には、ゲル形成性ポリマー空孔占有率を以下のようにして算出した;
(1)単位面積当たりの質量を測定した。材料の配合比から、単位面積当たりの各材料の質量を求めた。
(2)マイクロメーターを用いて、電極の厚さ[A]を測定した。
(3)(1)で求めた各材料の質量と、各材料の密度とを用いて、空孔率0%である場合の電極の厚さ[B]と、各材料の体積とを算出した。
(4)測定した電極の厚さと算出した電極の厚さとの差(A−B)から電極の空孔体積を算出した。
(5)電極の空孔体積とゲル形成性ポリマーの体積とを用いて、ゲル形成性ポリマー空孔占有率を算出した。
結果を表1に示す。
[電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率の測定]
電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率は、電解液への浸漬前および浸漬後のゲル形成性ポリマーの質量を測定して、以下の式により算出した;
吸液率(%)=[(電解液浸漬後のゲル形成性ポリマーの質量−電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの質量)/電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの質量]×100。
試料としては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)(Kyner Flex 2501−10、Arkema製)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して、キャスト膜を作製した。キャスト膜の電解液への浸漬は、25℃〜50℃にて24時間行った。
吸液率を求めるための電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比1:1)にLiN(FSO 2mol/Lを溶解させて得られた電解液を用いた。
結果を表1に示す。
[出力特性評価]
出力評価は、25℃に設定した恒温槽内(ARSF−0250−10、エスペック株式会社製)に上記で作製したリチウムイオン電池を設置して実施した。出力評価は、リチウムイオン電池を厚み5mmウレタンラバーとシリコーンスポンジシートとで挟み込み、厚み10mmの金属板とM6ネジとを用いて6点拘束した状態で行った。初めに、低レート時の容量確認としてセル電圧範囲4.2〜2.5V、電流値0.05Cレートにて充放電評価を2回行い、得られた容量を基準容量とした。Cレートは、2.5Vカットオフにて得られるセル放電容量を基に算出した。次に、0.05Cにて4.2Vまで充電した後、0.05C、0.1C、0.2C、0.33C、0.5Cレートにて、セル電圧2.5Vになるまで放電を行った。得られた0.33Cにおける[実効容量/基準容量×100]を[0.33C実効容量比(%)]とした。結果を表1に示す。
[DCR抵抗測定]
出力特性評価と同様に、0.05Cレートにて2サイクル充放電を行った後、SOCを50%に調整した。調整後のセルに対し、30秒間直流電流を流すことで得られる電圧から抵抗値を算出した。オーム抵抗は、電流印加直後(0.1秒)の電圧差から算出した。反応抵抗は、電流印加後1秒後の電圧差から算出した。拡散抵抗は、電流印加後30秒後の電圧差から算出した。電流印加に伴うセルOCVの変化量は、30秒印加後、十分に緩和させた後の電圧変動分から、電流印加時間に割り当てた平均電圧変動量を補正して求めた。
上記結果から、本発明に係る実施例の非水電解質二次電池は、比較例の電池と比べて、DC抵抗率が顕著に低下し、出力特性に優れることが分かる。
10、50 双極型二次電池、
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板(正極タブ)、
27 負極集電板(負極タブ)、
29、52 ラミネートフィルム、
31 シール部、
58 正極タブ、
59 負極タブ。

Claims (6)

  1. 電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置された電極と、
    前記電極の間に配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層とを有し、
    前記電極1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、
    を満たす、非水電解質二次電池。
  2. 前記x、yおよびzが、
    を満たす、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記電極活物質層が前記電極活物質、前記ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤からなる構造体を含む、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記ゲル形成性ポリマーの吸液率が10%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記ゲル形成性ポリマーがポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HEP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートおよびポリプロピレングリコールジアクリレート、ならびにこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 電極活物質、ゲル形成性ポリマー、導電助剤および溶媒を含む電極活物質スラリーを集電体の表面に塗工することにより電極活物質層を形成して、電極を得る工程と、
    前記電極とセパレータとを積層して発電要素を得る工程と、
    前記発電要素を外装体で覆い、電解液を注入する工程と、
    を有し、
    前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率が10%以上である、非水電解質二次電池の製造方法。
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