JP2020032397A - 固化処理土の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】10メガニュートン毎平方メートル以上の一軸圧縮強度を有しながら製造時に求められる流動性を有する固化処理土を安価に製造する。【解決手段】製造者は、水分未調整の原料土の含水比を測定し、これを初期値に設定することにより、含水比が既知の土質材料として準備する。製造者は、準備した土質材料に対して固化材(又は固化材及び水)を、添加後の水/固化材重量比が規定値になるように添加し、回分式の撹拌機によって撹拌する。製造者は、製造した固化処理土の流動性が条件を満たすか否かを判定する。固化処理土の流動性が条件を満たさないと判定した場合、製造者は、添加・撹拌後の水/固化材重量比が規定値を維持するように固化材及び水をさらに添加して、撹拌する。【選択図】図1

Description

本発明は、含水比が既知の土質材料に対して少なくとも固化材を添加することにより、固化処理土を製造する、固化処理土の製造方法に関する。本願では、土質材料とは土粒子と水との混合物を意味し、固化材は水を含まない固体を意味する。固化材は、例えば、粒径が0.1ミリメートル未満の粉体状で提供される。
浚渫土は、処分場が不足しているため、有効利用が求められている。浚渫土の大きな処分方法の一つは、浚渫土に固化材を混合して埋立材として利用することであり、各地の建設工事などで既に利用されている。この場合の固化処理土の一軸圧縮強度は、設計基準強度がおよそ0.1〜0.2メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]であり、安全率を考慮した室内配合強度は0.2〜0.5メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]である。
さらなる用途拡大のため、浚渫土を用いて一軸圧縮強度が10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上の高強度固化処理土ブロックを製造することも検討されている。この高強度固化処理土は、砂礫や自然石の代替品として利用することが考えられる。
一軸圧縮強度が約10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上の固化処理土は、日本工業規格(JIS)のA5003:1995「石材」において、強度的に準硬石の分類に入り、海水中で利用してもカルシウム分の溶出による劣化がほとんど生じないため、長期的安定性が期待される、という特長がある。
非特許文献1には、一軸圧縮強度が10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上の固化処理土を製造する方法として、高圧フィルタープレスを用いる方法が記載されている。この方法は、高含水比に調整した浚渫土に固化材を混合した後、4メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]の高圧で脱水し、高強度の固化処理土を製造する方法である。
山下祐佳,善功企,陳光斉,笠間清伸:脱水固化処理による大型浚渫土ブロックの均質性および強度特性,土木学会論文集B3 (海洋開発), Vol.67, No.2, pp.440-444, 2011.
しかしながら、非特許文献1に記載の方法はコストが高く、大量製造には向かないという問題がある。
本発明の目的の一つは、10メガニュートン毎平方メートル以上の一軸圧縮強度を有しながら製造時に求められる流動性を有する固化処理土を、高圧フィルタープレスを用いる方法に比べて安価に製造することである。
本発明の請求項1に係る固化処理土の製造方法は、含水比が既知の土質材料を準備する工程と、前記土質材料に少なくとも固化材を添加して、回分式の撹拌機により撹拌し、水と固化材との比率が定められた値の固化処理土を製造する工程と、前記固化処理土の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する工程と、前記流動性が前記条件を満たすと判定されるまで、前記比率が前記値を維持するように前記固化処理土に固化材及び水を添加して前記撹拌機により撹拌する工程と、を有する固化処理土の製造方法である。
本発明の請求項2に係る固化処理土の製造方法は、請求項1に記載の固化処理土の製造方法において、前記固化処理土の流動性が前記条件を満たすか否かを判定する工程には、前記撹拌機に撹拌された前記固化処理土の歩留まりが用いられることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る固化処理土の製造方法は、請求項1又は2に記載の固化処理土の製造方法において、前記固化処理土の流動性が前記条件を満たすか否かを判定する工程には、前記固化処理土のベーンせん断試験、針貫入試験、コーン貫入試験のうち少なくとも1以上の試験の結果が用いられることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る固化処理土の製造方法は、請求項1から3のいずれか1項に記載の固化処理土の製造方法において、含水比が所定範囲で前記土質材料に等しい、所定量の第2土質材料を準備する工程と、前記流動性が前記条件を満たすと判定されるまでに前記土質材料に添加された固化材の総量と、水の総量と、を特定する工程と、前記第2土質材料に対して、特定された前記固化材の総量に相当する量の固化材を添加するとともに、特定された前記水の総量の半分以下に相当する量の水を添加して前記撹拌機により撹拌する第1撹拌工程と、前記第1撹拌工程による撹拌の後で、添加した水の累積量が前記水の総量に相当する量になるように、残りの水を前記第2土質材料に添加して、前記撹拌機により撹拌する第2撹拌工程と、を有する。
本発明によれば、10メガニュートン毎平方メートル以上の一軸圧縮強度を有しながら製造時に求められる流動性を有する固化処理土を、高圧フィルタープレスを用いる方法に比べて安価に製造することができる。
固化処理土の製造方法の例を示す図。 表2に示す一軸圧縮強度試験結果を示す図。 表3に示す針貫入試験結果を示す図。 表4に示す貫入抵抗値とせん断強さとの関係を示す図。 変形例1における現場での固化処理土の製造方法を示す図。 変形例1における混合材料の針貫入試験結果を示す図。 変形例1における混合材料の空気量と一軸圧縮強度とを示す図。
<固化処理土の製造方法>
図1は、固化処理土の製造方法の例を示す図である。固化処理土の製造者は、まず、固化処理土に利用する浚渫土等の土質材料の原料(原料土という)を選択し、この原料土の含水比を測定する(ステップS101)。原料土は、水と土粒子とで構成されているので、原料土の含水比は、原料土の水/土粒子重量比のことである。
そして、製造者は、それぞれ異なる量の固化材及び水を原料土に添加して撹拌し、決められた期間にわたり養生することで、複数のサンプルを作成する(ステップS102)。これらのサンプルは、原料土中の土粒子に対する水の混合比率(「水/土粒子重量比」という)と、添加した固化材に対する水の混合比率(「水/固化材重量比」という)と、を異ならせたサンプルとなる。サンプルは、例えば、28日間にわたる養生を経て作成される。なお、作成するサンプルに、原料土の含水比よりも水/土粒子重量比が低くなるものが含まれている場合、製造者は、原料土を乾燥させて含水比を低下させた土質材料(乾燥処理土という)を用いてもよい。
製造者は、作成された複数のサンプルに対して、例えば、JISのA1108:2006「コンクリートの圧縮強度試験方法」やJISのA1216:2009「土の一軸圧縮試験方法」に沿って、サンプルの一軸圧縮強度をそれぞれ測定する(ステップS103)。
そして、製造者は、水/土粒子重量比が決められた範囲内の全てにおいて、一軸圧縮強度が決められた基準を満たす、水/固化材重量比を決定する(ステップS104)。ここで、決められた範囲内とは、例えば、水/土粒子重量比が60%以上の範囲等である。また、決められた基準とは、例えば、10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上という条件等である。
製造者は、ステップS101で測定された原料土の含水比を、水/土粒子重量比の初期値に設定する(ステップS105)。すなわち、製造者は、含水量を調整していない原料土を、含水比が既知の土質材料として準備する。なお、製造者は、原料土を乾燥させて、又は原料土に加水して、水/土粒子重量比を決められた初期値に調整した土質材料を準備してもよい。この場合にも、乾燥又は加水後の水/土粒子重量比は初期値に調整されているので、準備された土質材料の含水比は既知である。
製造者は、準備した土質材料に対して固化材(又は固化材及び水)を添加して、撹拌する(ステップS106)。この添加は、添加・撹拌後の水/固化材重量比が、ステップS104で決定した水/固化材重量比になるように行われる。また、この撹拌は、回分式の撹拌機により行われる。これにより水と固化材との比率が定められた値の固化処理土が製造される。なお、ステップS106において、製造者は、固化材だけを添加してもよいし、固化材及び水を添加してもよい。
ステップS105は、含水比が既知の土質材料を準備する工程の一例である。
また、ステップS105に続いて行われるステップS106は、土質材料に少なくとも固化材を添加して、回分式の撹拌機により撹拌し、水と固化材との比率が定められた値の固化処理土を製造する工程の一例である。
製造者は、ステップS106で製造した固化処理土の流動性が条件を満たすか否かを判定する(ステップS107)。この流動性の判定には、撹拌機から取り出す際の固化処理土の歩留まりが用いられてもよいし、固化処理土のせん断強さ又は固化処理土のせん断強さに相関のある(換算可能な)指標が用いられてもよい。
固化処理土のせん断強さは、例えば、ベーンせん断試験の結果により求められる。ベーンせん断試験とは、例えば、地盤工学会基準JGS1411−2012「原位置ベーンせん断試験方法」に規定されるベーンせん断試験等である。
また、例えば、針貫入試験、コーン貫入試験等の試験結果は、せん断強さに換算可能である。針貫入試験とは、例えば、JISのA1147:2007「コンクリートの凝結時間試験方法」に規定される貫入試験等である。コーン貫入試験とは、例えば、JISのA1220「オランダ式二重管コーン貫入試験方法」や、地盤工学会基準JGS1431−2003「ポータブルコーン貫入試験方法」等に規定されるコーン貫入試験である。
製造者は、固化処理土に対する、ベーンせん断試験、針貫入試験、コーン貫入試験のうち少なくとも1以上の試験の結果を用いて、固化処理土の流動性が前記条件を満たすか否かを判定すればよい。
固化処理土の流動性が条件を満たすと判定した場合(ステップS107;YES)、製造者は、処理を終了する。
一方、固化処理土の流動性が条件を満たさないと判定した場合(ステップS107;NO)、製造者は、ステップS106を繰り返す。すなわち、製造者は、添加・撹拌後の水/固化材重量比が、ステップS104で決定した水/固化材重量比を維持するように固化材及び水を添加して、撹拌する。
なお、上述したステップS106を繰り返すことが可能なのは、添加した固化材の凝結が始まる前までに限られることは言うまでもない。
ステップS107は、固化処理土の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する工程の一例である。
なお、流動性の判定に固化処理土の歩留まりが用いられる場合、ステップS107は、撹拌機に撹拌された固化処理土の歩留まりを用いて、この固化処理土の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する工程の一例である。
また、流動性の判定に固化処理土のせん断強さ等(せん断強さ又はせん断強さに換算可能な指標)が用いられる場合、ステップS107は、固化処理土のせん断強さ等を用いて、この固化処理土の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する工程の一例である。
また、ステップS107を経た後に行われるステップS106は、流動性が決められた条件を満たすと判定されるまで、水と固化材との比率が定められた値を維持するように固化処理土に固化材及び水を添加して撹拌機により撹拌する工程の一例である。
上述した通り、室内配合強度の目標値を満たす固化処理土を製造するための水/固化材重量比が決定される。そして、この決定された水/固化材重量比を用いて、原料土を乾燥又は加水して土質材料を準備し、準備した土質材料に、少なくとも固化材を混合することで、固化処理土が製造される。
<実験例>
以下に、実験例に基づいて説明する。
<原料土の特性>
表1は、固化処理土に利用する原料土の物理特性を示す表である。なお、この例で本発明者は、原料土として、浚渫土である名古屋港海成粘土を使用した。
<配合案の策定>
本発明者は、原料土の含水比を測定し、この原料土(又は乾燥処理土)に添加する固化材及び水の量を変えることで、水/土粒子重量比と、水/固化材重量比と、を変えた配合案を策定した。そして、本発明者は、配合案に沿って、原料土(又は乾燥処理土)に固化材及び水をそれぞれ添加して撹拌し、28日間にわたって養生して9種類の固化処理土を製造し、そのそれぞれに対して一軸圧縮強度を測定した。この例では、固化材に太平洋セメント株式会社製の高炉B種セメントを、水に水道水を用いた。
表2は、この配合案で製造された試料(サンプルともいう)の一軸圧縮強度試験の結果を示す表である。なお、表2において水/固化材重量比[−]は、「Ww/Wc」で表され、上述した水/土粒子重量比[%]は、「100×Ww/Ws」で表される。また、表2において、材齢28日のサンプルの一軸圧縮強度[MN/m2]は、「qu28」で表される。
この配合案において、水/土粒子重量比「100×Ww/Ws」は60%、80%、100%とされ、水/固化材重量比「Ww/Wc」は1.2、2.0、4.0とされた。なお、用いた原料土の含水比を測定したところ、この含水比は「80%」であった。
試料番号「1」「2」「3」は、いずれも水/固化材重量比が「1.2」のグループである。それぞれの水/土粒子重量比は、試料番号「1」が「60%」、試料番号「2」が「80%」、試料番号「3」が「100%」である。
試料番号「4」「5」「6」は、いずれも水/固化材重量比が「2.0」のグループである。それぞれの水/土粒子重量比は、試料番号「4」が「60%」、試料番号「5」が「80%」、試料番号「6」が「100%」である。
試料番号「7」「8」「9」は、いずれも水/固化材重量比が「4.0」のグループである。それぞれの水/土粒子重量比は、試料番号「7」が「60%」、試料番号「8」が「80%」、試料番号「9」が「100%」である。
<規定値の決定>
図2は、表2に示す一軸圧縮強度試験結果を示す図である。図2には、水/固化材重量比ごと分類された各グループの水/土粒子重量比[%]が横軸に、一軸圧縮強度[MN/m2]が縦軸に表されている。
本発明者は、表2及び図2に示したデータを参照し、グループごとに一軸圧縮強度を比較した。これにより、水/土粒子重量比「60%」「80%」「100%」のいずれにおいても、一軸圧縮強度が条件を満たすのは、水/固化材重量比が「1.2」のグループのみであることが分かった。本発明者は、水/固化材重量比の規定値を「1.2」に決定した。なお、一軸圧縮強度の条件は、10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上という条件とした。
また、水/固化材重量比が「1.2」のグループのうち、一軸圧縮強度が最も高かったのは、水/土粒子重量比が「80%」である試料番号「2」であり、原料土の含水比の測定値も「80%」である。そこで、本発明者は、水/土粒子重量比の初期値を原料土の含水比である「80%」に決定した。
なお、上述した例では、水/土粒子重量比の決められた範囲を「60%以上」と設定したが、例えば、水/土粒子重量比の決められた範囲を「80%以上」と設定してもよい。この場合、表2及び図2に示す水/固化材重量比が「2.0」のグループも、水/土粒子重量比が「80%以上」のときに一軸圧縮強度が条件を満たすので、水/固化材重量比の規定値は、「2.0」に決定されてもよい。すなわち、水/土粒子重量比の範囲をどのように決めるかによって、水/固化材重量比の規定値は変わり得る。
<流動性の判定>
<一回目の撹拌>
本発明者は、測定した原料土の含水比「80%」を、水/土粒子重量比の初期値と設定した。すなわち、本発明者は、含水量を調整していない原料土を「含水比が既知である土質材料」として準備した。
続いて、本発明者は、準備した土質材料に対して、水/固化材重量比が規定値の「1.2」になるように固化材を添加し、回分式の撹拌機で撹拌した。撹拌機には、北川鉄工所製の二軸強制練りミキサーを用いた。この撹拌機は、シャフトのない螺旋状のリボンで構成された2本の羽根で、撹拌容量の定格値が60リットルに定められている撹拌室に投入した粉体や液体を撹拌する装置である。なお、この撹拌容量の定格値は、この撹拌機の能力に対して余裕を見込んで定められた値であり、実際にこの撹拌機が撹拌可能な容量は、この定格値を大きく上回るものであった。撹拌機の下部には、幅11センチメートル、長さ65センチメートルの開口部が設けられており、撹拌後の固化処理土は、この開口部から取り出される。開口部の大きさや形状は、固化処理土が円滑に取り出せるように設定されることが望ましい。
一回目の撹拌では、水を添加せずに固化材、すなわち、高炉B種セメントのみを添加して、60リットルの固化処理土を製造した。これにより、水/土粒子重量比は、初期値の「80%」に維持された。固化材の添加量は、含水比を調整して準備された土質材料の含む水量に応じて決められ、その結果、固化処理土の水/固化材重量比は「1.2」となった。上述した固化材のみが添加された固化処理土は、撹拌機によって3分間にわたり撹拌された。本発明者は、撹拌室内の固化処理土が均一に混合されていることを目視で確認した上で、製造された固化処理土について、その流動性が決められた条件を満たすか否か判定した。
この一回目の撹拌によって製造された固化処理土は、撹拌機下部の開口部から取り出すことができなかった。すなわち、歩留まりは0%であった。本発明者は、歩留まりが0%であったことを受けて、流動性が決められた条件を満たさないと判定し、さらなる固化材の添加と撹拌とを行った。
<二回目の撹拌>
二回目の撹拌では、一回目の撹拌によって製造された固化処理土に対し、さらに固化材を添加し、その後、この固化材の添加量に応じた添加量の水を添加し、合計4リットルを追加した。なお、二回目以降の撹拌の際において、添加の順序は、上述したものに限られない。例えば、固化材と水とを同時に添加してもよいし、事前に固化材と水とを混合した固化材スラリーを添加してもよい。固化材及び水の添加量は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」になるように調整された。
上述した固化材及び水が添加された固化処理土は、撹拌機によって3分間にわたり撹拌された。その結果、撹拌後の固化処理土は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」となり、水/土粒子重量比が「89.1%」となった。本発明者は、撹拌室内の固化処理土が均一に混合されていることを目視で確認した上で、製造された固化処理土について、その流動性が決められた条件を満たすか否か判定した。
この二回目の撹拌によって製造された固化処理土は、撹拌機下部の開口部から取り出すことができなかった。本発明者は、これを受けて、流動性が決められた条件を満たさないと判定し、さらなる固化材の添加と撹拌とを行った。
<三回目の撹拌>
三回目の撹拌では、二回目の撹拌によって製造された固化処理土に対し、さらに固化材を添加し、その後、この固化材の添加量に応じた添加量の水を添加し、合計4リットルを追加した。固化材及び水の添加量は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」になるように調整された。
上述した固化材及び水が添加された固化処理土は、撹拌機によって3分間にわたり撹拌された。その結果、撹拌後の固化処理土は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」となり、水/土粒子重量比が「98.3%」となった。本発明者は、撹拌室内の固化処理土が均一に混合されていることを目視で確認した上で、製造された固化処理土について、その流動性が決められた条件を満たすか否か判定した。
この三回目の撹拌によって製造された固化処理土は、撹拌機下部の開口部から取り出された重量を測定すると、このとき撹拌室内で製造された全量に対して70%であった。すなわち、歩留まりは70%であった。本発明者は、これを受けて、流動性が決められた条件を満たしたと判定した。
<四回目の撹拌>
本発明者は、新たに含水比が既知である土質材料として、含水量を調整していない原料土を準備した。この含水比、すなわち、水/土粒子重量比は、初期値の「80%」である。そして、本発明者は、上述した三回目の撹拌で撹拌室内に残留した固化処理土を除去せずに、準備した土質材料と固化材とを合計60リットル追加し、この撹拌機によって3分間にわたり撹拌した。固化材の添加量は、土質材料に含まれる水量に応じて、添加後の固化処理土の水/固化材重量比が規定値の「1.2」となるように決められた。その結果、四回目の撹拌によって製造された固化処理土は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」となった。
この四回目の撹拌では、一回目の撹拌で固化処理土の歩留まりが0%であったことを踏まえて、本発明者は、流動性について判定をしなかった。そして、本発明者は、この四回目の撹拌によって製造された固化処理土に対し、さらに、固化材を添加し、その後、この固化材の添加量に応じた添加量の水を添加した。固化材及び水の添加量は、上述した二回目及び三回目の添加を一度にまとめて行う量とし、合計8リットルを追加した。
<五回目の撹拌>
五回目の撹拌において、上述した固化材及び水が添加された固化処理土は、撹拌機によって3分間にわたり撹拌された。その結果、撹拌後の固化処理土は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」となり、水/土粒子重量比が「98.3%」となった。本発明者は、この五回目の撹拌についても、得られた固化処理土の流動性について判定をせず、さらに、固化材を添加し、その後、この固化材の添加量に応じた添加量の水を添加し、合計4リットルを追加した。固化材の添加量は、固化処理土の水/固化材重量比が規定値の「1.2」となるように決められた。
<六回目の撹拌>
六回目の撹拌において、上述した固化材及び水が添加された固化処理土は、撹拌機によって3分間にわたり撹拌された。その結果、撹拌後の固化処理土は、水/固化材重量比が規定値の「1.2」となり、水/土粒子重量比が「107.4%」となった。本発明者は、撹拌室内の固化処理土が均一に混合されていることを目視で確認した上で、製造された固化処理土について、その流動性が決められた条件を満たすか否か判定した。
この六回目の撹拌によって製造された固化処理土は、撹拌機下部の開口部から95%が取り出された。すなわち、歩留まりは95%であった。本発明者は、これを受けて、流動性が決められた条件を満たしたと判定した。
<針貫入試験>
表3は、固化処理土の針貫入試験結果を示す表である。本発明者は、上述した一回目から六回目までのそれぞれの固化処理土に対して、JISのA1147:2007に準じた針貫入試験を行った。
図3は、表3に示す針貫入試験結果を示す図である。図3には、表3に示した固化処理土の水/土粒子重量比[%]が横軸に、5mm貫入抵抗値[kN/m2]が縦軸に表されている。この図より、水/土粒子重量比の増加に伴って、5mm貫入抵抗値が低下することが示されているため、水/固化材重量比を規定値に保った条件下で加水することで、固化処理土の流動性が増加することがわかった。
<ベーンせん断試験>
本発明者は、複数種類の土質材料等に対して、JISのA1147:2007「コンクリートの凝結時間試験方法」に準じた貫入試験(針貫入試験)とともに、地盤工学会基準JGS1411−2012「原位置ベーンせん断試験方法」に準じた原位置ベーンせん断試験(ベーンせん断試験の一例)を行った。
表4は、各試料の5mm貫入抵抗値p[kN/m2]と、せん断強さτ[kN/m2]と、を対応付けて示した表である。
図4は、表4に示す貫入抵抗値とせん断強さとの関係を示す図である。図4には、表4に示した5mm貫入抵抗値p[kN/m2]が横軸に、せん断強さτ[kN/m2]が縦軸に表されている。この図より、土質材料等のせん断強さは、その土質材料の貫入抵抗値のべき乗に比例することがわかった。すなわち、固化処理土の5mm貫入抵抗値は、その固化処理土のせん断強さの指標として用いることが可能である。なお、固化処理土のせん断強さの指標には、せん断強さに換算可能な他の指標が用いられてもよい。他の指標としては、例えばコーン貫入試験の結果等が挙げられる。
本発明者は、5mm貫入抵抗値p[kN/m2]と、せん断強さτ[kN/m2]と、の各プロットについて最小二乗法等により補間計算を行い、次の式(1)で示される近似式を得た。
τ=0.2143p0.8262 …(1)
式(1)で示される近似式によると、上述した試料番号14の5mm貫入抵抗値pは22[kN/m2]であるため、そのせん断強さτは2.76[kN/m2]と推定される。
<一軸圧縮強度試験>
上述した試料番号14で示される固化処理土を28日間にわたり養生したサンプルに対して、JISのA1108:2006「コンクリート用圧縮強度試験」に準じた一軸圧縮強度測定試験を行った。その結果、試料番号14で示される固化処理土の、材齢28日の一軸圧縮強さは、16.9[MN/m2]であり、10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上であった。
以上、説明した通り、含水比が既知の土質材料に少なくとも固化材を添加して回分式の撹拌機により撹拌し、水と固化材の比率が規定値を維持するように、さらに固化材及び水を添加して撹拌することで、10メガニュートン毎平方メートル[MN/m2]以上の一軸圧縮強度を有しながら、製造時に求められる流動性を有する固化処理土を、高圧フィルタープレスを用いる方法に比べて安価に製造することが可能となることがわかった。
<補足>
以下の点は実施形態の補足説明である。すなわち、図1に示すステップS101からステップS105までの工程は、含水比が既知の土質材料を準備する工程の例である。また、一回目に行われるステップS106の工程は、土質材料に少なくとも固化材を添加して、回分式の撹拌機により撹拌して混合材料を得る第1の混合工程の例であり、一回目に行われるステップS107の工程は、第1の撹拌工程で得た混合材料の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する第1の判定工程の例である。
そして、二回目以降に行われるステップS106の工程は、流動性が条件を満たしていない場合に、混合材料に固化材及び水を添加して混合する第2の撹拌工程の例であり、二回目以降に行われるステップS107の工程は、第2の混合工程で固化材及び水を添加して混合した混合材料の流動性が条件を満たすか否かを判定する第2の判定工程の例である。
二回目以降に行われるステップS106の工程は、第2の撹拌工程であるから、終了時の混合材料に含まれる水と固化材との比率が、開始時の混合材料に含まれる水と固化材との比率と同じであり、第2の判定工程において、混合材料の流動性が条件を満たすまで繰り返される。
すなわち、上述した実施形態に係る固化処理土の製造方法は、以下の通り観念し得る。
含水比が既知の土質材料を準備する工程と、
前記土質材料に少なくとも固化材を添加して、回分式の撹拌機により混合して混合材料を得る第1の混合工程と、
前記第1の混合工程で得た混合材料の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する第1の判定工程と、
前記流動性が前記条件を満たしていない場合に、前記混合材料に固化材及び水を添加して混合する第2の混合工程と、
前記第2の混合工程で前記固化材及び前記水を添加して混合した混合材料の流動性が前記条件を満たすか否かを判定する第2の判定工程と、
前記第1の判定工程又は前記第2の判定工程において、前記条件を満たした前記混合材料を養生することにより固化処理土を得る工程と、
を有し、
前記第2の混合工程は、終了時の混合材料に含まれる水と固化材との比率が、開始時の混合材料に含まれる水と固化材との比率と同じであり、前記第2の判定工程において、前記混合材料の流動性が前記条件を満たすまで繰り返される
ことを特徴とする固化処理土の製造方法。
なお、上述した通り、第1の判定工程又は第2の判定工程には、撹拌機に混合された混合材料の歩留まりが用いられてもよい。
すなわち、上述した実施形態に係る固化処理土の製造方法は、以下の通り観念し得る。
前記第1の判定工程又は前記第2の判定工程には、前記撹拌機に混合された前記混合材料の歩留まりが用いられる
ことを特徴とする固化処理土の製造方法。
また、上述した通り、第1の判定工程又は第2の判定工程には、混合材料のベーンせん断試験、針貫入試験、コーン貫入試験のうち少なくとも1以上の試験の結果が用いられてもよい。
すなわち、上述した実施形態に係る固化処理土の製造方法は、以下の通り観念し得る。
前記第1の判定工程又は前記第2の判定工程には、前記混合材料のベーンせん断試験、針貫入試験、コーン貫入試験のうち少なくとも1以上の試験の結果が用いられる
ことを特徴とする固化処理土の製造方法。
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組合せてもよい。
<変形例1>
上述した実施形態において、固化処理土の製造者は、室内配合強度の目標値を満たし、かつ、流動性の条件を満たす固化処理土を製造するための水/固化材重量比及び水/土粒子重量比を決定したが、決定したこの水/固化材重量比及び水/土粒子重量比、を用いて、必要とする量の固化処理土を現場で製造してもよい。固化処理土の製造者は、例えば、上述したステップS101からステップS107までの工程のうち、ステップS101からステップS104までの工程を室内試験として行い、この室内試験で決定した数値を用いて、現場で、水/土粒子重量比を求めるための試験(以下、現場試験という)及び、必要量の固化処理土の製造を行ってもよい。
現場で製造を行う場合、上述した室内試験及び現場試験で添加量を決定した水及び固化材のうち、少なくとも水を、複数回に分けて添加するとよい。例えば、第1回の撹拌の際には、室内試験での固化材の総量に相当する量の固化材と、室内試験及び現場試験で決まった水の総量の半分(半量)以下に相当する量の水とを添加し、第2回の撹拌の際には、残りの水を添加してもよい。
図5は、現場における固化処理土の製造方法を示す図である。
図5に示すステップS201は、図1のステップS101からS104までの工程(室内試験)である。この室内試験の結果、固化処理土の製造者は、水/土粒子重量比が決められた範囲内の全てにおいて、一軸圧縮強度が決められた基準を満たす、水/固化材重量比を決定する。そして、この製造者は、室内試験の後、上述した「決められた範囲内」に基づいて土質材料の含水比を決定し、原料土の含水比が決定した含水比になるように調整する。原料土の含水比と決定した含水比とが異なる場合、製造者は、原料土を乾燥させるか、又は原料土に加水する。これにより、製造者は、含水比が既知の土質材料を準備する(ステップS202)。
次に、製造者は、ステップS202で準備した土質材料から1バッチ分の土質材料を取得し(ステップS203)、この取得した土質材料に対して固化材(又は固化材及び水)を添加して、現場に設置した回分式の撹拌機により撹拌する(ステップS204)。この添加は、添加・撹拌後の水/固化材重量比が、ステップS201の室内試験で決定した水/固化材重量比になるように行われる。このステップS204は、図1に示すステップS106と同じステップである。これにより水と固化材との比率が定められた値の混合材料が製造される。なお、ステップS204において、製造者は、固化材だけを添加してもよいし、固化材及び水を添加してもよい。
ここで「混合材料」とは、少なくとも固化材が添加された土質材料であって、撹拌機等によって攪拌混合されている最中、又は、攪拌混合の直後の材料である。したがって混合材料は、未だ固化が完了していない段階の固化処理土である。混合材料は、所定の時間にわたって養生されることで固化し、固化処理土となる。
固化処理土の製造者は、現場に設置した撹拌機に収容されている、ステップS204により製造された混合材料を取り出して、その流動性が条件を満たすか否かを判定する(ステップS205)。この流動性の判定には、撹拌機から取り出す際の混合材料の歩留まりが用いられてもよいし、取り出した混合材料を養生して得られた固化処理土のせん断強さ、又はそのせん断強さに相関のある(換算可能な)指標が用いられてもよい。このステップS205は、図1に示すステップS107と同じステップである。
混合材料の流動性が条件を満たさないと判定した場合(ステップS205;NO)、製造者は、ステップS203及びステップS204を繰り返す。つまり、ステップS204の添加・撹拌の工程は、終了時(添加・撹拌後)の混合材料に含まれる水と固化材との比率が、開始時(添加前)の混合材料に含まれる水と固化材との比率と同じであり、混合材料の流動性が条件を満たすまで繰り返される工程である。なお、上述したステップS204を繰り返すことが可能なのは、添加した固化材の凝結が始まる前までに限られることは言うまでもない。
一方、混合材料の流動性が条件を満たすと判定した場合(ステップS205;YES)、製造者は、現場試験を終了し、新たにステップS202で準備した土質材料から1バッチ分の土質材料を取得して(ステップS206)、上述した撹拌機に投入する。
このステップS206で取得する土質材料は、ステップS202で準備した同じ土質材料から取得されている。したがって、取得したタイミングの違いを踏まえても、ステップS206で取得する土質材料は、ステップS203で取得した土質材料と、含水比が所定範囲(例えば、±3%等の範囲)で等しいものである。このステップS206で取得する土質材料を、以下、第2土質材料という。したがって、ステップS206は、「含水比が所定範囲で現場試験に用いられた土質材料に等しい、所定量の第2土質材料を準備する工程」の一例である。
製造者は、上述した室内試験で室内配合強度の目標値を満たし、かつ、現場試験で流動性の条件を満たした固化材及び水の総量を特定し、その固化材の総量に相当する量の固化材と、水の総量に相当する量の半分(半量)の水と、を第2土質材料に添加する(ステップS207)。このステップS207のうち、固化材及び水の総量を特定する工程は、「室内試験及び現場試験において流動性が条件を満たすと判定されるまでに土質材料に添加された固化材の総量と、水の総量と、を特定する工程」の一例である。
そして、製造者は、ステップS207において固化材と水とが添加された第2土質材料を撹拌機により撹拌し、混合する(ステップS208)。ステップS207及びステップS208の工程は、「第2土質材料に対して、特定された固化材の総量に相当する量の固化材を添加するとともに、特定された水の総量の半分以下に相当する量の水を添加して撹拌機により撹拌する第1撹拌工程」の一例である。
所定の時間にわたって第1撹拌工程による撹拌・混合が行われた後、製造者は、上述した室内試験で流動性が条件を満たしたときの水の総量に相当する量のうち、ステップS207で添加していない残りの水を添加する(ステップS209)。
そして、製造者は、ステップS209において残りの水が添加された第2土質材料を撹拌機により撹拌し、混合する(ステップS210)。残りの水が添加されることにより、ステップS207で添加された水と、ステップS209で添加された水と、の累積量は、室内試験で流動性が条件を満たしたときの水の総量に相当する量になる。つまり、ステップS209及びステップS210の工程は、「第1撹拌工程による撹拌の後で、添加した水の累積量が水の総量に相当する量になるように、残りの水を第2土質材料に添加して、撹拌機により撹拌する第2撹拌工程」の一例である。
所定の時間にわたって第2撹拌工程による撹拌・混合が行われた後、製造者は、撹拌機に収容されている混合材料を取り出して、製造者は、取り出した混合材料の合計が所定量になったか否かを判断する(ステップS211)。
取り出した混合材料の合計が所定量になっていないと判断する場合(ステップS211;NO)、製造者は、ステップS206の処理に戻り、不足している混合材料の製造を続ける。一方、取り出した混合材料の合計が所定量になっていると判断する場合(ステップS211;YES)、製造者は、処理を終了する。
室内試験で特定された「水/固化材重量比」と、現場試験で特定された「水/土粒子重量比」と、に基づくと、新たに取得した所定量の第2土質材料に対しても、添加すべき水及び固化材の総量が定まる。
本発明者は、実験を行った結果から、この現場での製造工程において、少なくとも水を複数回に分けて添加すると、一回にまとめて添加した場合に比べて、製造される固化処理土の強度が増加することを導き出した。したがって、少なくとも水については上述した通り、例えば二回等の複数回に分けて添加することが望ましい。
以下に、この変形例1に係る実験例に基づいて説明する。表5は、固化処理土に利用する原料土の物理特性を示す表である。この例で本発明者は、原料土として、浚渫土である名古屋港海成粘土を使用した。なお、表5に示す原料土は、ロットの違いのため、表1に示す原料土の物理特性とは異なる。
本発明者は、原料土の含水比を測定し、それぞれ異なる量の固化材及び水を原料土に添加して撹拌し、決められた期間にわたり養生することで、複数のサンプルを作成した。
本発明者は、作成された複数のサンプルに対して、サンプルの一軸圧縮強度をそれぞれ測定し、水/土粒子重量比が決められた範囲内の全てにおいて、一軸圧縮強度が決められた基準を満たす、水/固化材重量比を決定した。ここで、水/固化材重量比には「1.2」が採用された。
本発明者は、測定された原料土を乾燥させて、又は原料土に加水して、水/土粒子重量比を決められた初期値に調整した土質材料を準備した。ここで、水/土粒子重量比の初期値には「65%」が採用された。準備したこの土質材料は、上述した「含水比が既知の土質材料」である。
本発明者は、準備した土質材料に対して固化材(又は固化材及び水)を添加して、回分式の撹拌機により撹拌した。この添加は、添加・撹拌後の水/固化材重量比が、上述の通り決定した水/固化材重量比「1.2」になるように行われた。つまり、本発明者は、終了時の混合材料に含まれる水と固化材との比率(水/固化材重量比)が、開始時の混合材料に含まれる水と固化材との比率である「1.2」と同じになるように、水及び固化材を添加して、混合した。
本発明者は、製造した固化処理土の流動性が条件を満たすか否かを判定し、条件を満たすと判定するまで水及び固化材の添加・撹拌を繰り返した。この結果、本発明者は固化処理土の配合を決定した。
表6は、室内試験及び現場試験により決定した固化処理土の配合を示す表である。現場試験では、室内試験により決定した水/固化材重量比が「1.2」を維持するように添加・撹拌を行ったため、表6に示す通り、水/固化材重量比は「1.2」となった。そして、現場試験において固化処理土の流動性が条件を満たすと判定されたときの水/土粒子重量比は、表6に示す通り「100%」であった。
次に、本発明者は、室内試験及び現場試験の結果に基づいて、固化処理土の現場での製造を行った。すなわち、本発明者は、1バッチ分の第2土質材料を取得して撹拌機に入れ、特定した固化材の総量に相当する量の固化材(総量の固化材)と、水の総量に相当する量の半分の水(半量の水)と、を第2土質材料に添加し、添加後の第2土質材料を撹拌することにより混合した(第1撹拌工程)。
表6に示した通り、初期の含水比が65%に調整されている第2土質材料は、最終的に水/土粒子重量比が100%の混合材料、及び固化処理土になるため、添加する水の総量は、第2土質材料の乾燥重量(土粒子の重量)の35%である。
そして、表6に示した通り、最終的に水/固化材重量比は1.2になるため、添加する固化材の総量の1.2倍が、添加する水の総量に等しくなるように固化材の総量が特定される。上述した通り、固化処理土の水/土粒子重量比は100%であるから、固化処理土に使われる水と土粒子との重量は同じである。つまり、固化材の総量は、その1.2倍が第2土質材料の乾燥重量(土粒子の重量)と等しくなるように決められる。言い換えると、添加する固化材の総量は、第2土質材料の乾燥重量の約0.833倍である。
したがって、本発明者は、室内試験及び現場試験において特定した固化材の総量に相当する量の固化材として、第2土質材料の乾燥重量の約0.833倍の固化材を添加するとともに、室内試験及び現場試験において特定した水の総量に相当する量の半分の水として、第2土質材料の乾燥重量の17.5%の水を添加した。
次に、本発明者は、室内試験及び現場試験において特定した水の総量に相当する量のうち、未だ添加していない残りの水を添加し、添加後の第2土質材料を撹拌機で撹拌することにより混合した(第2撹拌工程)。残りの水の重量は、水の総量に相当する量の半分であるから、第2土質材料の乾燥重量の17.5%である。
そして、本発明者は、撹拌機に収容されている混合材料を取り出し、その合計が所定量になったか否かを判断し、この合計が所定量になるまで上述した処理を繰り返した。この製造方法により製造された混合材料のサンプルの試料番号を「41」とする。
なお、本発明者は、比較のために、添加する水及び固化材の量及び順序を変更したサンプルも作成した。
すなわち、本発明者は、比較例1として、水の総量に相当する量の水を撹拌機に入れた第2土質材料に添加し、添加後の第2土質材料を撹拌することにより混合した。そして、その後で、本発明者は、固化材の総量に相当する量の固化材を第2土質材料に添加し、添加後の第2土質材料を撹拌することにより混合した。すなわち、比較例1は、室内試験において添加すべき総量を特定した水及び固化材を、先に水のみを添加して撹拌・混合した後、固化材のみを添加して撹拌・混合するものである。比較例1で示した方法により製造された混合材料のサンプルの試料番号を「42」とする。
また、本発明者は、比較例2として、固化材の総量に相当する量の固化材を撹拌機に入れた第2土質材料に添加し、添加後の第2土質材料を撹拌することにより混合した。そして、その後で、本発明者は、水の総量に相当する量の水を第2土質材料に添加し、添加後の第2土質材料を撹拌することにより混合した。すなわち、比較例2は、室内試験において添加すべき総量を特定した水及び固化材を、先に固化材のみを添加して撹拌・混合した後、水のみを添加して撹拌・混合するものである。比較例2で示した方法により製造された混合材料のサンプルの試料番号を「43」とする。
本発明者は、変形例1に係る試料番号「41」のサンプルとともに、比較例1に係る試料番号「42」のサンプルと、比較例2に係る試料番号「43」のサンプルと、に対し流動性及び強度を評価する試験をそれぞれ行った。
本発明者は、流動性を評価する試験として直径11.3ミリメートルの丸棒を毎分2ミリメートルの速度で供試体に貫入する針貫入試験を用いた。この針貫入試験は、JISのA1147:2007に準じた針貫入試験であり、撹拌機から取り出された直後のサンプルに対して行われた。
図6は、この変形例1における混合材料の針貫入試験結果を示す図である。図6の横軸は針貫入量[mm]を示し、縦軸は針貫入抵抗[kN/m2]を示している。図6に示す破線は、針貫入量が5ミリメートルであることを示す線であり、実験結果が示す曲線がそれぞれ、この破線に交差するときの縦軸の値が、5mm貫入抵抗値[kN/m2]である。図6に示す通り、5mm貫入抵抗値[kN/m2]は、試料番号42よりも、試料番号41及び試料番号43の方が小さいことがわかった。
すなわち、試料番号41及び試料番号43が、試料番号42よりも流動性が増加したことがわかった。このことは、水の総量を先に添加して混合した後、固化材の総量を添加して混合すると、固化材の総量を添加して混合した後に、水の少なくとも半分を添加して混合する場合に比べて流動性が低下することを意味している。
つまり、第2土質材料に対して、はじめに、固化材の総量に相当する量の固化材を添加するとともに、水の総量の半分以下(半量でもゼロでもよい)に相当する量の水を添加して撹拌した後、残りの水(半量でも総量でもよい)を第2土質材料に添加して撹拌することで、製造される混合材料の流動性が高まる、ということがわかった。
また、本発明者は、試料番号41〜43で示される混合材料の空気量を、それぞれ撹拌機から取り出した直後に測定した。そして、本発明者は、強度を評価する試験としてJISのA1108:2006「コンクリート用圧縮強度試験」に準じた一軸圧縮強度測定試験を行った。この一軸圧縮強度測定試験は、試料番号41〜43で示される混合材料を28日間にわたり養生したサンプルに対して行われた。
図7は、この変形例1における混合材料の空気量と一軸圧縮強度とを示す図である。図7(a)に示す通り、空気量は、試料番号42のサンプルが、試料番号41及び試料番号43のサンプルより大きい。通常、針貫入抵抗が大きいと空気量が大きくなる傾向がある。したがって、この実験結果は、上述した図6に示す針貫入試験結果と合わせて、この傾向に一致する。
また、図7(b)に示す通り、これらサンプルの、材齢28日の一軸圧縮強度は、約18[MN/m2]以上、23[MN/m2]以下であった。試料番号41及び試料番号42のサンプルの一軸圧縮強度は同等であり、試料番号43のサンプルの一軸圧縮強度は、それらよりも幾分大きかった。この結果から、第2土質材料に対して、はじめに、固化材の総量に相当する量の固化材を添加するとともに、水の総量の半分以下(半量でもゼロでもよい)に相当する量の水を添加して撹拌した後、残りの水(半量でも総量でもよい)を第2土質材料に添加して撹拌することで、製造される混合材料の一軸圧縮強度が高まる、ということがわかった。
<変形例2>
上述した変形例1において、現場における製造工程には、第2土質材料に対して、特定された固化材の総量に相当する量の固化材を添加するとともに、特定された水の総量の半分以下に相当する量の水を添加して撹拌機により撹拌する第1撹拌工程と、第1撹拌工程による撹拌の後で、添加した水の累積量が水の総量に相当する量になるように、残りの水を第2土質材料に添加して、撹拌機により撹拌する第2撹拌工程と、が行われていた。すなわち、変形例1では、現場試験の後の、現場における製造工程において、少なくとも水を複数回に分けて添加していたが、現場試験においても、水を複数回に分けて添加するようにしてもよい。
例えば、製造者は、図1に示す、二回目以降に行われるステップS106において、混合材料に添加する固化材及び水のうち、まず、固化材の総量と、水の半分と、を添加して混合し、その後、残りの水を添加して混合してもよい。この場合、二回目以降に行われるステップS106では、固化材は一回で添加されるが、水は二回に分けて添加される。つまり、二回目以降に行われるステップS106は、少なくとも水を複数回に分けて添加して混合してもよい。この場合にも、実験により室内試験で得られる混合材料の一軸圧縮強度が高まる、ということがわかった。
すなわち、上述した実施形態に係る固化処理土の製造方法は、以下の通り観念し得る。
前記第2の混合工程は、少なくとも前記水を複数回に分けて添加して混合する
ことを特徴とする固化処理土の製造方法。

Claims (4)

  1. 含水比が既知の土質材料を準備する工程と、
    前記土質材料に少なくとも固化材を添加して、回分式の撹拌機により撹拌し、水と固化材との比率が定められた値の固化処理土を製造する工程と、
    前記固化処理土の流動性が決められた条件を満たすか否かを判定する工程と、
    前記流動性が前記条件を満たすと判定されるまで、前記比率が前記値を維持するように前記固化処理土に固化材及び水を添加して前記撹拌機により撹拌する工程と、
    を有する固化処理土の製造方法。
  2. 前記固化処理土の流動性が前記条件を満たすか否かを判定する工程には、前記撹拌機に撹拌された前記固化処理土の歩留まりが用いられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記固化処理土の流動性が前記条件を満たすか否かを判定する工程には、前記固化処理土のベーンせん断試験、針貫入試験、コーン貫入試験のうち少なくとも1以上の試験の結果が用いられる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 含水比が所定範囲で前記土質材料に等しい、所定量の第2土質材料を準備する工程と、
    前記流動性が前記条件を満たすと判定されるまでに前記土質材料に添加された固化材の総量と、水の総量と、を特定する工程と、
    前記第2土質材料に対して、特定された前記固化材の総量に相当する量の固化材を添加するとともに、特定された前記水の総量の半分以下に相当する量の水を添加して前記撹拌機により撹拌する第1撹拌工程と、
    前記第1撹拌工程による撹拌の後で、添加した水の累積量が前記水の総量に相当する量になるように、残りの水を前記第2土質材料に添加して、前記撹拌機により撹拌する第2撹拌工程と、
    を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
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