JP2020030997A - 亜鉛イオン電池用正極 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規の亜鉛イオン電池用正極活物質を開示する。【解決手段】導電助材として知られるフラーレンが、所定の電位にて亜鉛イオンを脱挿入可能であることを見出した。すなわち、フラーレンは亜鉛イオン電池用の正極活物質として動作する。【選択図】図2

Description

本願は亜鉛イオン電池に用いられる正極等を開示する。
非特許文献1や特許文献1に開示されているように、亜鉛イオン電池の正極活物質としてα−MnOが知られている。非特許文献1に開示された亜鉛イオン電池においては、α−MnOとHとのコンヴァージョン反応を利用している。尚、特許文献1においては、正極活物質層中の導電材を構成する材料、或いは、正極活物質層と正極集電体層との間の導電層を構成する材料として、フラーレンを例示している。
国際公開第2016/154885号
Huilin Pan et al., Nature Energy, 2016, 1, 16039
亜鉛イオン電池には正極活物質の選択肢が少ないという課題がある。亜鉛イオンを電気化学的に脱挿入可能な新たな正極活物質が求められている。
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、正極活物質としてフラーレンのみを含む亜鉛イオン電池用正極を開示する。
本発明者は、従来、導電助剤として使用されてきたフラーレンが、亜鉛イオンを含む溶液中で所定の電位にて亜鉛イオンの脱挿入に伴う酸化還元反応を示すことを見出した。すなわち、フラーレンは亜鉛イオン電池の正極において正極活物質として機能し得る。
亜鉛イオン電池100の構成を説明するための概略図である。 実施例の評価結果を示す図である。
1.亜鉛イオン電池用正極活物質
本開示の技術は、亜鉛イオン電池用正極活物質としての側面を有する。すなわち、本開示の正極活物質は、亜鉛イオン電池に用いられる正極活物質であってフラーレンを含むことを特徴とする。本開示の正極活物質は、少なくとも一部にフラーレンを含んでいればよく、正極活物質全体としての組成は特に限定されるものではない。一方で、正極活物質としての亜鉛イオンの脱挿入特性と正極活物質そのものの導電性とを両立する観点から、本開示の正極活物質はフラーレンのみからなっていてもよい。正極活物質中にフラーレンが含まれているか否かについては、当該正極活物質を電子顕微鏡で観察したり或いはX線回折パターンを確認すること等によって容易に判断できる。
1.1.フラーレンの種類
フラーレンとしては、炭素数60の一般的なフラーレンのほか、低次フラーレンや高次フラーレンを用いることも可能である。ただし、より安定的に亜鉛イオンの脱挿入を可能とする観点から、炭素数60のフラーレン(C60フラーレン)が好ましい。
1.2.形状
本開示の正極活物質の形状や大きさは特に限定されるものではなく、亜鉛イオン電池の正極に適用可能なものであればよい。フラーレンとして一般的な形状のものをいずれも採用できる。好ましくは粒子状である。正極活物質が粒子状である場合、その一次粒子径が1nm以上1000μm以下であることが好ましい。下限がより好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上、特に好ましくは50nm以上であり、上限がより好ましくは100μm以下、さらに好ましくは30μm以下、特に好ましくは10μm以下である。尚、正極活物質は1次粒子同士が集合して2次粒子を形成していてもよい。この場合、2次粒子の粒子径は、特に限定されるものではないが、通常0.5μm以上1000μm以下である。正極活物質の粒子径がこのような範囲であれば、イオン伝導性及び電子伝導性に一層優れる正極を得ることができるものと考えられる。
1.3.効果
本開示の正極活物質は、亜鉛イオンを含む溶液において、フラーレンが亜鉛イオンの脱挿入に伴う酸化還元反応を示す。本発明者の見出した限りでは、フラーレンの亜鉛イオンの脱挿入電位の平均は0.45V vs.Ag/AgCl程度であり、負極として金属亜鉛(亜鉛イオンの脱挿入電位は約−0.8〜−0.9V vs.Ag/AgCl程度)と組み合わせた場合、1.25〜1.35V程度の電圧を有する亜鉛イオン電池を作製可能と考えられる。
2.亜鉛イオン電池用正極
本開示の技術は、亜鉛イオン電池用正極としての側面を有する。すなわち、本開示の正極は、亜鉛イオン電池に用いられる正極であって、正極活物質としてフラーレンを含むことを特徴とする。上述したように正極活物質はフラーレンに加えてフラーレン以外の公知の活物質を含んでいてもよい。一方、上述したように、正極活物質としての亜鉛イオンの脱挿入特性と正極の導電性とを両立する観点等から、本開示の亜鉛イオン電池用正極は、正極活物質としてフラーレンのみを含んでいてもよい。
正極は、正極集電体層と当該正極集電体層に接触する正極活物質層とを備えることが好ましい。この場合、正極活物質層に本開示の正極活物質が含まれることとなる。
2.1.正極集電体層
正極集電体層としては、亜鉛イオン電池の正極集電体層として使用可能な公知の金属を用いることができる。正極集電体層を構成する金属の種類は特に限定されるものではない。例えば、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Pb、Co、Cr、Ge、In、Sn、Zrからなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。正極集電体層の形態は特に限定されるものではない。箔状、メッシュ状、多孔質状等、種々の形態とすることができる。基材の表面に上記金属を蒸着・めっきしたものであってもよい。
2.2.正極活物質層
正極活物質層は本開示の正極活物質を含む。上述したように、正極活物質は、フラーレン以外に公知の正極活物質を含んでいてもよいし、上記の両立効果を発揮させる観点からフラーレンのみからなっていてもよい。公知の正極活物質としては、ZnMn、α−MnO、β−MnO、Zn0.25、プルシアンブルー等が挙げられる。正極活物質において、フラーレンが占める割合は特に限定されるものではなく、目的とする電池の性能に応じて適宜決定すればよい。正極活物質層に含まれる正極活物質の量は特に限定されるものではない。例えば、正極活物質層全体を基準(100質量%)として、正極活物質が好ましくは10質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上含まれている。上限は特に限定されるものではないが、好ましくは99質量%以下、より好ましくは94質量%以下、さらに好ましくは88質量%以下である。正極活物質の含有量がこのような範囲であれば、イオン伝導性及び電子伝導性に一層優れる正極を得ることができるものと考えられる。
正極活物質層は導電助剤やバインダーを含んでいてもよい。導電助剤は、亜鉛イオン電池において使用される導電助剤をいずれも採用可能である。具体的には、フラーレン以外の炭素材料を挙げることができる。例えば、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(VGCF)、アセチレンブラック(AB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンブラック、コークス、黒鉛から選ばれる炭素材料が好ましい。或いは、電池の使用時の環境に耐えることが可能な金属材料を用いてもよい。導電助剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。導電助剤の形状は、粉末状、繊維状等、種々の形状を採用できる。正極活物質層に含まれる導電助剤の量は特に限定されるものではない。例えば、正極活物質層全体を基準(100質量%)として、導電助剤が好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上含まれている。上限は特に限定されるものではないが、好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。導電助剤の含有量がこのような範囲であれば、イオン伝導性及び電子伝導性に一層優れる正極を得ることができるものと考えられる。ただし、上述したように、本開示の正極においてはフラーレンによって正極の導電性を確保することができるものと考えられ、正極において導電助剤を削減或いは省略することが可能である。例えば、本開示の正極は、フラーレン以外の炭素材料を実質的に含まなくともよい。バインダーは、亜鉛イオン電池において使用されるバインダーをいずれも採用可能である。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等である。バインダーは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。正極活物質層に含まれるバインダーの量は特に限定されるものではない。例えば、正極活物質層全体を基準(100質量%)として、バインダーが好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上含まれている。上限は特に限定されるものではないが、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。バインダーの含有量がこのような範囲であれば、本開示の正極活物質等を適切に結着することができるとともに、イオン伝導性及び電子伝導性に一層優れる正極を得ることができるものと考えられる。
正極活物質層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
3.亜鉛イオン電池
本開示の技術は、亜鉛イオン電池としての側面も有する。図1に亜鉛イオン電池100の構成を概略的に示す。図1に示すように、亜鉛イオン電池100は、正極10と、負極20と、正極10及び負極20と接触するとともにキャリアイオンとして亜鉛イオンを含む電解液30とを備えている。ここで、亜鉛イオン電池100は、正極10が上記した本開示の正極である点に一つの特徴がある。すなわち、亜鉛イオン電池100において、正極10は正極活物質としてフラーレンを含む。或いは、正極10は正極活物質としてフラーレンのみを含む。本開示の亜鉛イオン電池100は二次電池としても機能し得る。
3.1.正極10
正極10については上述した通りである。ここでは説明を省略する。
3.2.負極20
負極20は亜鉛イオン電池の負極として公知のものをいずれも採用可能である。特に、負極20は、負極集電体層20aと負極集電体層20aに接触する負極活物質層20bとを備えることが好ましい。
負極集電体層20aは、亜鉛イオン電池の負極集電体層として使用可能な公知の金属により構成することができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Pb、Co、Cr、Zn、Ge、In、Sn、Zrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む金属材料を例示することができる。特に、負極集電体層20aは、Cu、Ni、Zn、Sn、SnでめっきしたCu、又は、SnでめっきしたNi、SnでめっきしたZnにより構成されることが好ましい。或いは、Zn箔を用いて、負極集電体層20a及び負極活物質層20bの双方を兼ねることも有り得る。負極集電体層20aの形態は特に限定されるものではない。箔状、メッシュ状、多孔質状等、種々の形態とすることができる。金属以外の基材の表面に上記の金属をめっき・蒸着したものであってもよい。
負極活物質層20bは負極活物質を含んでいる。また、負極活物質層20bは負極活物質以外に導電助剤やバインダーを含んでいてもよい。負極活物質は、亜鉛イオン電池の負極活物質として公知のものをいずれも採用可能である。例えば、金属亜鉛や亜鉛酸化物である。負極活物質は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。負極活物質の形状は特に限定されるものではない。例えば、負極活物質は、上記の負極集電体層20aの表面にめっきされて薄膜状とされていてもよい。或いは、Zn箔のような金属箔状としてもよい。或いは、粒子状としてもよい。負極活物質を粒子状とする場合、負極活物質層20bに含まれる負極活物質の量は特に限定されるものではない。例えば、負極活物質層20b全体を基準(100質量%)として、負極活物質が好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上含まれている。上限は特に限定されるものではなく、導電助剤やバインダーの有無や量に応じて調整される。上述の通り、負極集電体層20aの表面に負極活物質をめっきする場合や、金属箔によって負極活物質層20aを構成する場合、導電助剤やバインダーは不要である。負極活物質層20aの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
3.3.電解液30
電解液系の亜鉛イオン電池においては、正極の内部、負極の内部、及び、正極と負極との間に電解液が存在しており、これにより、正極と負極との間の亜鉛イオン伝導性が確保される。電池100においてもこの形態が採用されている。具体的には、電池100においては、正極10と負極20との間にセパレータ(不図示)が設けられており、当該セパレータと正極活物質層10bと負極活物質層20bとは、ともに電解液30に浸漬されている。電解液30は、正極活物質層10b及び負極活物質層20bの内部に浸透している。電解液30は、キャリアイオンとして亜鉛イオンを含む電解液であればよく、水系電解液であっても非水系電解液であってもよい。特に水系電解液が好ましい。すなわち、電解液30は、溶媒の主成分として水を含んでいることが好ましい。この場合、電解液30を構成する溶媒の全量を基準(100mol%)として、50mol%以上、好ましくは70mol%以上、より好ましくは90mol%以上、特に好ましくは95mol%以上を水が占める。一方、溶媒に占める水の割合の上限は特に限定されない。溶媒は水のみからなっていてもよい。一方、電解液30を水系電解液とする場合でも、例えば電極の表面にSEI(Solid Electrolyte Interphase)を形成する観点から、水に加えて水以外の溶媒を含んでいてもよい。水以外の溶媒としては、例えば、エーテル類、カーボネート類、ニトリル類、アルコール類、ケトン類、アミン類、アミド類、硫黄化合物類及び炭化水素類から選ばれる1種以上の有機溶媒が挙げられる。電解液30を水系電解液とする場合、水以外の溶媒は、電解液を構成する溶媒の全量を基準(100mol%)として、好ましくは50mol%以下、より好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは10mol%以下、特に好ましくは5mol%以下を占める。電解液30には電解質が溶解されており、当該電解質は電解液において溶解してカチオンとアニオンとに解離し得る。電解質としては各種亜鉛化合物が挙げられる。例えば、ZnSO、Zn(CFSO、Zn(NO、ZnCl、ZnI、ZnO、ZnCO等である。電解液30における電解質の濃度は特に限定されるものではなく、目的とする電池の性能に応じて適宜決定すればよい。尚、電解液30は上記の溶媒及び電解質の他、電解液のpHを調整するための酸や水酸化物等が含まれていてもよい。また、各種添加剤が含まれていてもよい。
3.4.その他の構成
上述の通り、亜鉛イオン電池100においては、正極10と負極20との間にセパレータを設けることが好ましい。セパレータは有機材料、無機材料のいずれからなるものであってもよい。セパレータは従来の電解液電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、亜鉛空気電池等)において使用されるセパレータを採用することが好ましい。電解液30として水系電解液を採用する場合、セパレータとしては、例えば、セルロースを材料とした不織布等の親水性を有するものを好ましく用いることができる。セパレータの厚みは特に限定されるものではなく、例えば、5μm以上1mm以下のものを用いることができる。
亜鉛イオン電池100は、上記の構成の他、端子や電池ケース等を備え得る。その他の構成については自明であることから、ここでは説明を省略する。
4.亜鉛イオン電池の製造方法
亜鉛イオン電池100は、例えば、正極10を製造する工程と、負極20を製造する工程と、電解液30を製造する工程と、製造した正極10、負極20及び電解液30を電池ケースに収容する工程とを経て製造することができる。
4.1.正極の製造
正極を製造する工程は、正極活物質としてフラーレンを用いること以外は、公知の工程と同様とすればよい。例えば、正極活物質層10bを構成する正極活物質等を溶媒に分散させて正極合剤ペースト(スラリー)を得る。この場合に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、水や各種有機溶媒を用いることができる。ドクターブレード等を用いて正極合剤ペースト(スラリー)を正極集電体層10aの表面に塗工し、その後乾燥させることで、正極集電体層10aの表面に正極活物質層10bを形成し、正極10とする。塗工方法としては、ドクターブレード法のほか、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法等を採用することもできる。或いは、正極活物質を含む粉体を乾式で成形し、正極集電体層と重ね合わせて正極としてもよい。
4.2.負極の製造
負極を製造する工程は、公知の工程と同様とすればよい。例えば、上述の通り、負極集電体層20aの表面に負極活物質(例えば、金属亜鉛)をめっきすることで負極20を得ることができる。或いは、Zn箔のような金属箔をそのまま負極として用いてもよい。或いは、負極活物質層20bを構成する負極活物質等を溶媒に分散させて負極合剤ペースト(スラリー)を得る。この場合に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、水や各種有機溶媒を用いることができる。ドクターブレード等を用いて負極合剤ペースト(スラリー)を負極集電体層20aの表面に塗工し、その後乾燥させることで、負極集電体層20aの表面に負極活物質層20bを形成し、負極20とする。塗工方法としては、ドクターブレード法のほか、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法等を採用することもできる。或いは、負極活物質を含む粉体を乾式で成形し、負極集電体層と重ね合わせて負極としてもよい。
4.3.電解液の製造
電解液30は、所定の溶媒に所定の電解質や任意に添加剤等を添加して混合することにより製造することができる。
4.4.電池ケースへの収容
製造した正極10、負極20及び電解液30は、電池ケースに収容されて亜鉛イオン電池100となる。例えば、正極10と負極20とでセパレータを挟み込み、正極集電体層10a、正極活物質層10b、セパレータ、負極活物質層20b及び負極集電体層20aをこの順に有する積層体を得る。積層体には必要に応じて端子等のその他の部材を取り付ける。積層体を電池ケースに収容するとともに電池ケース内に電解液30を充填し、積層体を電解液30に浸漬するようにして、電池ケース内に積層体及び電解液を密封することで、亜鉛イオン電池100とすることができる。
5.補足
亜鉛イオン電池の正極活物質としては、非特許文献1に開示されたα−MnOのほか、プルシアンブルーや、Zn0.25が知られている。α−MnOを用いる場合、コンバージョン反応による劣化の問題やHOが反応に関与するといった問題がある。プルシアンブルーは容量や寿命の点で問題がある。Zn0.25は、Vの酸化還元電位の関係から動作電位が低いという問題がある。本開示の正極活物質は、このような問題を解決する可能性のある新規材料として期待できる。
1.電解液の作製
水にZnSO4-を溶解させて電解液とした。ZnSO4-の濃度は、水1kgに対して2molとした。作製した電解液は、恒温槽で30℃にて一晩温調にかけ、下記の評価の3時間以上前に25℃の恒温槽にて温調をかけて温度が安定してから使用するものとした。
2.正極(作用極)の作製
質量比で、正極活物質:導電助剤:バインダー=47.5:47.5:5となるように、各々を秤量してNMPとともに混合し、正極合材スラリーを得た。ここで、正極材料としてフラーレン(C60フラーレン)を用い、導電助剤としてアセチレンブラックを用い、バインダーとしてPVdFを用いた。具体的には、正極活物質と導電助剤とを乳鉢で混合した後、バインダーを添加してさらに混合し、粘性を確認しながらNMPを添加して、さらに乳鉢による混合を続けた。その後、混合物を軟膏容器に移して、泡とり練太郎(Shinky社製)にて3000rpmで10分間混合し、正極合材スラリーを得た。得られたスラリーを金属箔の表面に載せ、所定の目付量になるようにドクターブレードにより塗工した。その後、60℃の乾燥機にて一晩乾燥させて、評価用の正極(作用極)を作製した。尚、得られた正極はφ16mmで打ち抜き、空隙率が約40%となるようにロールプレスをかけた。最終的に得られた正極において、合材の目付は約0.6mAh/cmであった。
3.評価セルの作製
作製した正極(作用極)と、対極としてZn箔(ニラコ社製)とを、開孔径φ13mmの対向セル(SB1A、イーシーフロンティア社製)に組み付けた。参照極にAg/AgCl(インターケミ社製)を用い、セルに電解液を注液(約2cc)することで評価セルを作製した。
4.評価条件
下記装置及び条件にて、OCPからアノード側に掃引を開始し、1.4V vs.Ag/AgClで掃引を反転させ、−0.7V vs.Ag/AgClまでカソード掃引をした後、掃引を反転させ、再びアノード側へ1.4V vs.Ag/AgClまで掃引することで、正極活物質への亜鉛イオンの脱挿入が可能か評価した。
[装置]電気化学測定装置:VMP3(Bio Logic社製)
恒温槽:LU−124(Espec社製)
[条件]サイクリックボルタンメトリー(CV)、1mV/s、25℃
5.評価結果
図2にCV測定結果を示す。図2に示すように−0.1V付近に還元ピークが確認できる。これは正極活物質であるフラーレンに亜鉛イオンが挿入されたことに伴うものである。また、1.0V付近に酸化ピークが確認できる。これは、フラーレンに挿入された亜鉛イオンが脱離したことに伴うものである。以上の通り、フラーレンは、亜鉛イオンの脱挿入が可能であり、亜鉛イオン電池の正極活物質として機能し得ることが分かった。実施例に係るフラーレンの亜鉛イオンの脱挿入電位の平均が0.45V vs.Ag/AgCl程度であることから、負極として金属亜鉛(亜鉛イオンの脱挿入電位は約−0.8〜−0.9V vs.Ag/AgCl程度)と組み合わせると、1.25〜1.35V程度の電圧を有する亜鉛イオン電池を作製可能と考えられる。
本開示の正極活物質及び正極を用いた亜鉛イオン電池は、車搭載用の大型電源から携帯端末用の小型電源まで広く利用可能である。
10 正極
10a 正極集電体層
10b 正極活物質層
20 負極
20a 負極集電体層
20b 負極活物質層
30 電解液
100 亜鉛イオン電池

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  1. 正極活物質としてフラーレンのみを含む、亜鉛イオン電池用正極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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