JP2020027150A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ニップを用紙が通過するときの定着回転体の表面速度と用紙の表面速度に速度差を与えて光沢度を変化させる画像形成装置において、画像ノイズの発生を抑制する。【解決手段】画像形成装置1の制御部10は、高光沢モードでの動作時において、定着ベルト181と加圧ローラー184が圧接状態で定着ニップを用紙が通過していないときは、定着ベルト181の表面速度と加圧ローラー184の表面速度の速度差の絶対値が、定着ニップを用紙が通過するときの定着ベルト181の表面速度と用紙Pの表面速度の速度差の絶対値より小さくなるように制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、定着回転体と加圧回転体とをそれぞれ独立した駆動部によって回転駆動して、定着ニップにおけるニップ圧がニップ圧調整機構によって適宜に可変されるように構成した定着装置において、ニップ圧調整機構の稼働が開始されてから終了するまでの間に、定着ニップにおける定着回転体と加圧回転体との線速度差が大きくならないように、定着回転体又は/及び加圧回転体の回転数を可変制御する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−14774号公報
ところで、定着ニップを用紙が通過するときの定着回転体の表面速度と用紙の表面速度に速度差を与えると、用紙の画像表面にずり(剪断力)が発生して画像表面が平滑にならされ、光沢度が上昇すると考えられる。しかし、光沢度を上昇させるために、定着回転体と用紙にずりを生じさせると、定着回転体の表層が痛む場合があり、画像ノイズが発生してしまうという問題がある。
本発明の課題は、定着ニップを用紙が通過するときの定着回転体の表面速度と用紙の表面速度に速度差を与えて光沢度を変化させる画像形成装置において、画像ノイズの発生を抑制することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
定着回転体と加圧回転体との間で定着ニップを形成し、搬送された用紙を前記定着ニップにおいて加熱及び加圧することで前記用紙に形成されているトナー画像を前記用紙に定着させる定着部と、
高光沢モードでの動作時に、前記定着回転体の表面速度と前記定着ニップを通過する用紙の表面速度に速度差を与えることによって前記用紙に形成されているトナー画像の光沢を調整する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記定着回転体と前記加圧回転体が圧接状態で前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度と前記加圧回転体の表面速度の速度差の絶対値が、前記高光沢モードでの動作時に前記定着ニップを用紙が通過するときの前記定着回転体の表面速度と前記用紙の表面速度の速度差の絶対値より小さくなるように制御する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記定着回転体の表面速度を測定する測定部を備え、
前記制御部は、前記測定部による測定結果に基づいて前記定着回転体の表面速度を調整することによって、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度と前記加圧回転体の表面速度の速度差を制御する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記制御部は、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度が前記加圧回転体の表面速度と略同等となるように調整する。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、
前記制御部は、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度と前記加圧回転体の表面速度との大小関係が、前記定着ニップを用紙が通過しているときの前記定着回転体の表面速度と前記用紙の表面速度との大小関係と同じとなるように前記定着回転体の表面速度を調整する。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御部は、前記定着回転体を駆動する駆動部に入力する制御値を調整することによって前記定着回転体の表面速度を調整する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記制御部により過去に調整された前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記駆動部の制御値を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている制御値を、前記定着ニップを用紙が通過していないときに前記駆動部に入力する制御値に決定する。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記制御部により過去に調整された前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記駆動部の制御値と、その制御値を前記駆動部に入力したときの前記定着回転体の表面速度とを対応付けて複数記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている過去の前記駆動部の制御値と前記定着回転体の表面速度との関係に基づいて、前記定着回転体の表面速度が前記加圧回転体の表面速度と略同等となる前記駆動部の制御値を予測して、前記定着ニップを用紙が通過していないときに前記駆動部に入力する制御値として決定する。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、
前記制御部は、所定の状態を検出した場合に、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度が前記加圧回転体の表面速度と略同等となるように前記駆動部の制御値を調整し、調整した制御値及び/又はその制御値を前記駆動部に入力したときの前記定着回転体の表面速度を前記記憶部に記憶させる。
請求項9に記載の発明の画像形成装置は、
定着回転体と加圧回転体との間で定着ニップを形成し、搬送された用紙を前記定着ニップにおいて加熱及び加圧することで前記用紙に形成されているトナー画像を前記用紙に定着させる定着部と、
高光沢モードでの動作時に、前記定着回転体の表面速度と前記定着ニップを通過する用紙の表面速度に速度差を与えることによって前記用紙に形成されているトナー画像の光沢を調整する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記定着回転体と前記加圧回転体が圧接状態で前記定着ニップを用紙が通過していない場合、前記定着回転体を駆動せずに前記加圧回転体の回転に従動させる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明において、
前記定着回転体の表層は、ナノインデンテーションで測定した押し込み硬度HITが3.5N/mm以下である。
本発明によれば、定着ニップを用紙が通過するときの定着回転体の表面速度と用紙の表面速度に速度差を与えて光沢度を変化させる画像形成装置において、画像ノイズの発生を抑制することが可能となる。
画像形成装置の概略構成を示す図である。 画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 定着部の構成を示す模式図である。 図2の制御部により実行される定着ベルト速度制御処理Aを示すフローチャートである。 (a)は、定着ベルト表面速度<加圧ローラー表面速度(用紙Pの表面速度)の場合の定着ニップの上下流の定着ベルトの様子を模式的に示す図、(b)は、定着ベルト表面速度>加圧ローラー表面速度(用紙Pの表面速度)の場合の定着ニップの上下流の定着ベルトの様子を模式的に示す図である。 図2の制御部により実行される定着ベルト速度制御処理Bを示すフローチャートである。 図2の制御部により実行される定着ベルト速度制御処理Cを示すフローチャートである。 図2の制御部により実行される調整モード処理を示すフローチャートである。 図2の制御部により実行される定着ベルト速度制御処理Dを示すフローチャートである。
以下、本実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
<第1の実施形態>
(画像形成装置1の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、CPU101(Central Processing Unit)、RAM102(Random Access Memory)及びROM103(Read Only Memory)を有する制御部10、記憶部11、操作部12、表示部13、インターフェース14、スキャナー15、画像処理部16、画像形成部17、定着部18及び搬送部19等を備える。制御部10は、バス21を介して記憶部11、操作部12、表示部13、インターフェース14、スキャナー15、画像処理部16、画像形成部17、定着部18及び搬送部19と接続されている。
CPU101は、ROM103又は記憶部11に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各種演算処理を行う。
RAM102は、CPU101に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
ROM103は、CPU101により実行される各種プログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM103に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable
Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用い
られても良い。
これらのCPU101、RAM102及びROM103を備える制御部10は、上述の各種プログラムに従って画像形成装置1の各部を統括制御する。例えば、制御部10は、操作部12やインターフェース14によりジョブ実行指令が入力されると、ジョブを実行し、スキャナー15やインターフェース14により入力される画像データに基づいて用紙Pにトナー画像を形成させる制御を行う。また、制御部10は、実行指令が入力されたジョブが高光沢モードでのジョブである場合、後述する定着ベルト速度制御処理Aを実行し、定着ベルト181(図3参照)の表面速度の制御を行う。
記憶部11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、スキャナー15により取得された画像データや、インターフェース14を介して外部から入力された画像データ等が記憶される。なお、これらの画像データ等はRAM102に記憶されても良い。
操作部12は、ユーザーによって設定される種々の情報を制御部10のCPU101に出力する。操作部12としては、例えば、ディスプレイ上に表示される情報に従い、入力操作を行うことが可能なタッチパネルを用いることができる。かかる操作部12を通じて、ユーザーは、ジョブにおける印刷条件、すなわち、ジョブで使用する用紙Pの種類(コート紙、普通紙等)、坪量、サイズ、給紙トレイ、画像の濃度、倍率、両面印刷の有無などを設定することができる。設定された印刷条件は、記憶部11に記憶される。RAM102に記憶されてもよい。また、ユーザーは、操作部12を通じて、ジョブの実行指令等を入力することができる。
表示部13は、LCD(Liquid crystal display)等の表示装置を備え、画像形成装置1の状態や、タッチパネルへの入力操作の内容を示す操作画面等を表示する。
インターフェース14は、外部のコンピューター、他の画像形成装置などとの間でデータの送受信を行う手段であり、例えば各種シリアルインターフェースのいずれかにより構成される。
スキャナー15は、原稿の画像を読み取り、R(赤)、G(緑)及びB(青)の色成分ごとの単色画像データを含む画像データを生成して記憶部11に記憶させる。
画像処理部16は、例えばラスタライズ処理部、色変換部、階調補正部、ハーフトーン処理部を備え、記憶部11に記憶された画像データに各種画像処理を施して記憶部11に記憶させる。
画像形成部17は、記憶部11に記憶された画像データに基づき、搬送されてきた用紙Pに画像を形成する。画像形成部17は、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色成分に各々対応する4組の露光部171、感光体172及び現像部173を備えている。また、画像形成部17は、転写体174及び2次転写ローラー175を備えている。
露光部171は、発光素子としてのLD(Laser Diode)を備えている。露光部171
は、画像データに基づいてLDを駆動し、帯電する感光体172上にレーザー光を照射、露光して感光体172上に静電潜像を形成する。現像部173は、露光された感光体172上に帯電する現像ローラーにより所定の色(C、M、Y及びKのいずれか)のトナー(色材)を供給して、感光体172上に形成された静電潜像を現像する。
C、M、Y及びKに対応する4つの感光体172上に各々C、M、Y及びKのトナーで形成された画像(単色画像)は、各感光体172から転写体174上に順次重ねられて転写される。これにより、転写体174上にC、M、Y及びKを色成分とするカラー画像が形成される。転写体174は、複数の転写体搬送ローラーに巻き回された無端ベルトであり、各転写体搬送ローラーの回転に従って回転する。
2次転写ローラー175は、転写体174上のカラー画像を、給紙トレイ22から給紙された用紙P上に転写する。詳しくは、用紙P及び転写体174を挟持する2次転写ローラー175に所定の転写電圧が印加されることにより、転写体174上においてカラー画像を形成しているトナーが用紙P側に引き寄せられて用紙Pに転写される。
定着部18は、トナー画像が転写された用紙Pを加熱及び加圧してトナーを用紙Pに定着させる定着処理を行う。
図3は、定着部18の構成を示す模式図である。定着部18は、定着ベルト(定着回転体)181、定着ローラー182、加熱ローラー183、加圧ローラー(加圧回転体)184、速度測定部185、第1駆動部186、第2駆動部187等を備えて構成されている。制御部10は、第1駆動部186、第2駆動部187、加熱ローラー183に備えられるヒーター183a、加圧ローラー184に備えられるヒーター184a等に接続されており、定着部18の各部を制御する。
定着ベルト181は、定着ローラー182と加熱ローラー183と略同じ幅を有する無端状ベルトであり、定着ローラー182と加熱ローラー183とに張架されている。定着ベルト181は、定着ローラー182経由で駆動が与えられ、定着ローラー182及び加熱ローラー183に沿って図3に示す矢印方向に走行し、トナー画像が転写された用紙Pを搬送しながら加熱する。
定着ベルト181は、例えば、耐熱性のポリイミドからなるフィルム基材の外周面に、シリコーンゴムからなる弾性層と、フッ素系樹脂からなる表面離型層が順に積層した構成を有する。フッ素系樹脂は、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)の何れかを含有、又は好ましくは何れかを主として構成される。これにより、トナー樹脂やトナー粒子に含まれるワックスに対する定着ベルト181の表面離型性が向上し、定着時の定着ベルト181へのトナーの付着を防ぐことができる。
本実施形態において、定着ベルト181の表層は、ナノインデンテーションで測定した押し込み硬度HITが3.5N/mm以下である。定着ベルト表層を低硬度とすると、光沢制御範囲が大きくなるからである。
定着ローラー182は、その軸部が第1駆動部186に連結され、第1駆動部186により駆動されて図3に示す矢印方向に回転し、定着ベルト181を回転させる。また、定着ローラー182は、定着ベルト181介して加圧ローラー184に圧接し、定着ベルト181と加圧ローラー184との間で定着ニップを形成する。
定着ローラー182は、例えば鉄等からなる円柱状の芯金の外周面に、シリコーンゴム等からなる弾性層が形成された構成を有する。さらに、弾性層の外周面に、前述のようなフッ素系樹脂から成る表面離型層を形成することも可能である。
加熱ローラー183は、その回転軸方向に延在するヒーター183aを内部に備えて構成され、定着ベルト181を加熱する。ヒーター183aとしては、例えば、ハロゲンランプヒーター、IHヒーター等を用いることができる。
加圧ローラー184は、その軸部が第2駆動部187に連結され、第2駆動部187に駆動されて図3に示す矢印方向に回転するように構成されている。また、加圧ローラー184は、ヒーター184aを内部に備えて構成され、図示しない圧接駆動機構に駆動されて定着ベルト181を介して定着ローラー182と圧接することにより定着ベルト181との間で定着ニップを形成し、トナー画像が転写された用紙Pを挟持搬送しながら加熱及び加圧してトナー画像を用紙Pに定着させる。
加圧ローラー184は、例えば、定着ローラー182と同様に、鉄等からなる円柱状の芯金の外周面に、シリコーンゴム等からなる弾性層が形成された構成を有する。さらに、弾性層の外周面に、前述のようなフッ素系樹脂から成る表面離型層を形成することも可能である。ただし、加圧ローラー184は定着ローラー182より弾性層が薄く、剛体に近い。そのため、温度や使用による径の変化は小さい。
速度測定部185は、定着ベルト181の表面速度を測定し、測定結果を制御部10に出力する。速度測定部185は、例えば、レーザードップラー方式を利用した速度センサーや、定着ベルト表層に反射率の違う表層の目印を設け、反射型のセンサーで目印を検出した時間間隔に基づいて速度を検出するもの等を用いることができる。
第1駆動部186は、モーター等により構成され、制御部10から入力された制御値(例えば、回転数)に基づいて定着ローラー182を回転させる。
第2駆動部187は、モーター等により構成され、制御部10から入力された制御値(例えば、回転数)に基づいて加圧ローラー184を回転させる。
図1に戻り、搬送部19は、用紙Pを挟持した状態で回転することで用紙Pを搬送する用紙搬送ローラーを複数備え、給紙トレイ22から用紙Pを給紙して所定の搬送経路で搬送する。搬送部19は、定着部18により定着処理が行われた用紙Pの表裏を反転させて2次転写ローラー175へ搬送する反転機構191を備えている。画像形成装置1では、用紙Pの両面に画像を形成する場合に反転機構191による用紙Pの表裏の反転が行われて両面に画像が形成された後に用紙Pが排紙トレイ23に排出される。用紙Pの片面にのみ画像を形成する場合には、反転機構191による用紙Pの表裏の反転が行われることなく片面に画像が形成された用紙Pが排紙トレイ23に排出される。
(画像形成装置1の動作)
次に、画像形成装置1の動作について説明する。
本実施形態における画像形成装置1は、標準モード又は高光沢モードで動作可能である。標準モードは、用紙Pに形成されたトナー画像に光沢を付与しないモードであり、定着ベルト181と加圧ローラー184が圧接状態のとき、定着ニップを通過する用紙Pの表面速度と定着ベルト181の表面速度にほとんど速度差をつけないように(両者の速度がほぼ同等になるように)制御するモードである。
高光沢モードは、定着ベルト181と加圧ローラー184が圧接状態のとき、定着ニップを通過する用紙Pの表面速度と定着ベルト181の表面速度に速度差を与えてずりを発生させ、用紙Pに形成されたトナー画像の光沢度を高めるモードである。
ここで、定着ベルト181の表面速度と、定着ベルト181に圧接する用紙Pや加圧ローラー184の表面速度との間に速度差を与えて剪断力を発生させた場合、速度差が大きいと、定着ベルト181が痛んでベルト表層が劣化し、定着ベルト181が寿命となる前に画像ノイズが発生してしまう。そこで、本実施形態においては、高光沢モードでの動作時において、加圧ローラー184と定着ベルト181が圧接状態のとき、光沢制御に関係のない、定着ニップへの用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度差の絶対値V2が用紙通過時の定着ベルト181と用紙Pの表面速度差の絶対値V1より小さくなるように制御することにより定着ベルト181の劣化を抑制する。以下、用紙通過時とは、定着ニップを用紙Pが通過している時のことをいい、用紙非通過時とは、定着ニップを用紙Pが通過していない時のことをいう(第2〜第5の実施形態についても同様)。
なお、一般的にプリントに用いられる紙種(特別な厚紙ではない紙種)を用紙Pとして用いる場合、用紙Pの表面速度は加圧ローラー184の表面速度とほぼ同等である。そこで、用紙Pの表面速度は加圧ローラー184の表面速度により規定することができるが、例えば、用紙Pとして厚さが所定の閾値を超える所定の紙種を用いる場合には、加圧ローラー184の表面速度に、厚さに応じた所定の値を加算して用紙Pの表面速度を求めることとしてもよい。
図4は、制御部10により実行される定着ベルト速度制御処理Aを示すフローチャートである。定着ベルト速度制御処理Aは、高光沢モードでのジョブの実行指令に応じて実行される。
まず、制御部10は、ステップS1〜S5を実行し、高光沢モードにおける用紙非通過時の定着ベルト表面速度(第1駆動部186の制御値)を調整する。
ステップS1において、制御部10は、加圧ローラー184を定着ベルト181に圧接させ、第1駆動部186及び第2駆動部187にジョブの条件に応じた高光沢モード用の制御値を入力して定着ローラー182及び加圧ローラー184を回転させる(ステップS1)。
高光沢モード用の制御値とは、高光沢モードにおける用紙通過時用の制御値を指す。これに対し、高光沢モードにおける用紙非通過時の制御値を用紙非通過時用の制御値と呼ぶ。高光沢モード用の第1駆動部186及び第2駆動部187のそれぞれの制御値は、紙種や坪量等の条件毎に、予めROM103又は記憶部11に記憶されている。この高光沢モード用の第1駆動部186及び第2駆動部187の制御値は、その制御値で駆動したときに定着ベルト181の表面速度と用紙Pの表面速度の速度差の絶対値V1が所定の値(V1>0)となるように予め設定されている(第2〜第5の実施形態についても同様)。
次いで、制御部10は、速度測定部185による定着ベルト181の表面速度の測定結果を取得する(ステップS2)。
次いで、制御部10は、定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じであるか否かを判断する(ステップS3)。
ここで、上述のように、加圧ローラー184は表層厚が薄く剛体に近いため、温度や使用よる径の変化が充分に小さい。そのため、加圧ローラー184の表面速度を測定しなくても第2駆動部187へ入力した制御値から加圧ローラー184の表面速度を求めることが可能である。なお、加圧ローラー184の表面速度を測定する速度測定部を設けて加圧ローラー184の表面速度を取得することとしてもよい。
一方、定着ベルト181には、使用による定着ローラー182の径変化やベルト裏面と定着ローラー182の摩擦係数変化、加圧ローラー184表層とベルト表面の摩擦係数変化が存在するため、定着ベルト181の表面速度は、第1駆動部186へ入力した制御値に対して一定とはならない。そのため、精度の高い制御を実施する場合、速度測定部185により測定することが好ましい。ただし、ライフ設定や劣化が遅い系では、速度測定部185による測定は必須ではない。
なお、ステップS3においては、定着ベルト181の表面速度と加圧ローラー184の表面速度の差が微差(所定の範囲以下)であれば、定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じであると判断する。
定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じではないと判断した場合(ステップS3;NO)、制御部10は、定着ベルト181の表面速度を調整し(ステップS4)、ステップS2に戻る。
ステップS4では、定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度に近づく(略同じとなる)ように、定着ローラー182を駆動する第1駆動部186の制御値を調整する。例えば、調整後の第1駆動部186への制御値は、以下の(式1)により求めることができる。
調整後の第1駆動部186の制御値=調整前の第1駆動部186の制御値×(加圧ローラー184の表面速度/測定した定着ベルト181の表面速度)・・・(式1)
なお、直近の複数の第1駆動部186の制御値と定着ベルト181の表面速度との関係から近似式で調整後の制御値を求めてもよいし、第1駆動部186の調整手法は(式1)に限定されない。
また、調整後の第1駆動部186の制御値は、用紙非通過時の定着ベルト181の表面速度と加圧ローラー184の表面速度との大小関係が、用紙通過時の定着ベルト181の表面速度と用紙Pの表面速度との大小関係と同じとなるように調整することが好ましい。
図5(a)は、定着ベルト表面速度<加圧ローラー表面速度(用紙Pの表面速度)の場合の定着ニップの上下流の定着ベルトの様子を模式的に示す図、(b)は、定着ベルト表面速度>加圧ローラー表面速度(用紙Pの表面速度)の場合の定着ニップの上下流の定着ベルト181の様子を模式的に示す図である。図5(a)、(b)に示すように定着ベルト181の表面速度と定着ベルト181に接する加圧ローラー184や用紙Pの表面速度との大小関係が変化すると、定着ベルト181が上流側に膨らむか下流側に膨らむかが変わる。そのため、用紙通過時の定着ベルト181と用紙Pの表面速度の大小関係と用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度の大小関係を変化させてしまうと、定着ベルト181がばたつき、定着ベルトに不要な負荷がかかると考えられる。そこで、用紙通過時から用紙非通過時に移行する際には、用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度の大小関係が用紙通過時の定着ベルト181と用紙Pの表面速度の大小関係と同じとなるように、調整後の第1駆動部186の制御値を調整することが好ましい。
定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じであると判断した場合(ステップS3;YES)、制御部10は、調整後の第1駆動部186の制御値を用紙非通過時用の制御値として決定してRAM102に記憶し(ステップS5)、ステップS6に移行する。
ステップS6において、制御部10は、ジョブを開始させ(ステップS6)、用紙Pの先端が定着ニップに到達したか否かを判断する(ステップS7)。用紙Pの先端が定着ニップに到達したか否かは、例えば、定着ニップの用紙搬送方向上流側に設けられた図示しないセンサー(例えば、光学センサー)による検出結果に基づいて判断することができる。
用紙Pが定着ニップに到達していないと判断した場合(ステップS7;NO)、制御部10は、ステップS11に移行する。
用紙Pが定着ニップに到達したと判断した場合(ステップS7;YES)、制御部10は、第1駆動部186に高光沢モード用の制御値を入力して、定着ベルト181と用紙Pの表面速度差の絶対値V1が所定の値となるように制御する(ステップS8)。
次いで、制御部10は、用紙Pの後端が定着ニップを抜けるのを待機する(ステップS9)。用紙Pの後端が定着ニップを抜けたか否かは、例えば、定着ニップの用紙搬送方向下流側に設けられた図示しないセンサー(例えば、光学センサー)による検出結果に基づいて判断することができる。
用紙Pの後端が定着ニップを抜けたと判断した場合(ステップS9;YES)、制御部10は、ステップS10に移行する。
ステップS10において、制御部10は、第1駆動部186に用紙非通過時用の制御値を入力して定着ベルト181と加圧ローラー184との表面速度差の絶対値V2が絶対値V1より小さくなるように制御し(ステップS10)、ステップS11に移行する。
ステップS11において、制御部10は、ジョブが終了したか否かを判断する(ステップS11)。
ジョブが終了していないと判断した場合(ステップS11;NO)、制御部10は、ステップS7に戻る。
ジョブが終了したと判断した場合(ステップS11;YES)、制御部10は、定着ベルト181と加圧ローラー184を離間させ(ステップS12)、定着ベルト速度制御処理Aを終了する。
(第1の実施形態の検証実験)
第1の実施形態の効果を検証するため、検証実験(実験1〜6)を行った。以下に、各実験共通の基本条件を示す。
[基本条件]
用紙:PODグロスコート128g/m2
定着ベルト径:φ120
定着ベルト温度:180℃
定着ベルト表層:ナノインデンテーションで測定した押し込み硬度HITが3.5N/mm2
加熱ローラー径:φ58
定着ローラー径:φ70
定着ローラー弾性層厚:t20
加圧ローラー径:φ70
加圧ローラー弾性層厚:t3
加圧ローラー速度(表面速度):500mm/s
紙間の長さ:90mm
紙間の時間:0.18秒
ジョブ間:10秒
実験では、上記の基本条件の定着部を有する画像形成装置において、高光沢モードで100プリントのジョブを繰り返し実行した。各ジョブの冒頭(ジョブ間)に図4のステップS1〜S5の処理を実行し、ジョブ実行時には、図4のステップS6〜S12の処理を実行して、画像にノイズが出た時点のプリント枚数をカウントした(実験1〜6)。また、比較例として、標準モードでの100プリントのジョブを繰り返し実行した(Ref1〜2)。
また、用紙の表面速度≒加圧ローラー184の表面速度であるため、用紙の表面速度は加圧ローラー表面速度として規定した。
[表I]に、各実験の固有条件及び実験結果を示す。なお、実験1〜6では、各実験における用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度(mm/s)([表I]では項目をベルト速度と略記。[表II]〜[表VI]についても同様。)が[表I]に示す値となるように、高光沢モード用の制御値を第1駆動部186に設定するとともに、図4のステップS3では、定着ベルト表面速度が[表I]に記載の用紙非通過時の値と同じであるかを判断した。
Figure 2020027150
実験1〜3は、用紙通過時の定着ベルト表面速度が加圧ローラー表面速度より大きい場合の実験である。実験1は、用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度差の絶対値が用紙通過時と同じケースである。実験2、3は用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度差の絶対値が用紙通過時より小さいケースである。実験4〜6は、用紙通過時の定着ベルト表面速度が加圧ローラー表面速度より小さい場合の実験である。実験4は、用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184との表面速度差の絶対値が用紙通過時と同じケースである。実験5、6は用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度差の絶対値が用紙通過時より小さいケースである。
[表I]に示すように、実験2、3では、実験1よりも画像ノイズが抑制され、実験5、6では、実験4よりも画像ノイズが抑制された(画像ノイズの発生時点を遅らせることができた)。すなわち、光沢制御に関係のない用紙非通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184の表面速度差の絶対値が用紙通過時の定着ベルト181と加圧ローラー184(用紙P)の表面速度差の絶対値より小さくなるように制御することで、定着ベルト181の劣化を抑制し、画像ノイズを抑制できることが確認できた。
また、実験2よりも実験3の方が、実験5よりも実験6の方が、ノイズ抑制効果が高い結果となった。これは、実験2、5では、用紙通過時から用紙非通過時に移行する際に定着ベルト181の表面速度と加圧ローラー184の表面速度の大小関係が変化しているのに対し、実験3、6では、用紙通過時から用紙非通過時に移行する際に定着ベルト181の表面速度と加圧ローラー184の表面速度の大小関係が変化していないため、実験3、6の方が定着ベルト181のばたつきを抑えることができ、定着ベルト181にかかる負荷が抑えられたためと考えられる。
また、用紙非通過時における定着ローラー182を駆動する第1駆動部186の制御値が用紙通過時の値から調整した値に穏やかに変化するようにしたところ、[表I]の各実験1〜6の結果に対して、画像ノイズの発生時点をさらに約20(千枚)遅らせることができた。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、ジョブ毎に定着部18における用紙非通過時の第1駆動部186の制御値を調整する例について説明したが、第2の実施形態では、前回に調整した制御値を引き継ぐ例について説明する。
第2の実施形態において、記憶部11には、紙種や坪量等の条件毎に(条件に対応付けて)、高光沢モード用の第1駆動部186及び第2駆動部187の制御値が記憶されているとともに、さらに、紙種や坪量等の条件毎に、前回(過去)に調整された用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値の調整値を記憶する領域が設けられている。
画像形成装置1のその他の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態の動作について説明する。
図6は、第2の実施形態において制御部10により実行される定着ベルト速度制御処理Bを示すフローチャートである。定着ベルト速度制御処理Bは、高光沢モードでのジョブの実行指令に応じて実行される。
まず、制御部10は、記憶部11に、ジョブの紙種や坪量等の条件に応じた用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値が記憶されているか否かを判断する(ステップS21)。
ジョブの条件に応じた用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値が記憶されていないと判断した場合(ステップS21;NO)、制御部10は、ステップS22〜S25の処理を実行し、用紙非通過時用に第1駆動部186の制御値を調整し、調整した制御値をジョブの紙種や坪量の条件に対応付けて記憶部11の所定の記憶領域に記憶させ(ステップS26)、ステップS27に移行する。ステップS22〜S25の処理は、図4のステップS1〜S4と同様であるので説明を援用する。
ジョブの条件に応じた用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値が記憶されていると判断した場合(ステップS21;YES)、ステップS27に移行する。
ステップS27において、制御部10は、ジョブを開始してステップS28〜S33の処理を実行する。ステップS28〜S33の処理は、図4のステップS7〜S12と同様であるので説明を援用する。ただし、定着ベルト181と加圧ローラー184が圧接、回転していない場合(ステップS21でNOと判断された場合)、制御部10は、ジョブ開始時に定着ベルト181と加圧ローラー184を圧接、回転させる。また、ステップS31においては、記憶部11に記憶されているジョブの条件に応じた用紙非通過時の制御値を読み出して第1駆動部186に入力する。ステップS28〜S33の処理が終了すると、制御部10は、定着ベルト速度制御処理Bを終了する。
(第2の実施形態の検証実験)
第2の実施形態の効果を検証するため、検証実験(実験7〜12)を行った。各実験共通の基本条件は、第1の実施形態と同様である。
実験では、上記の基本条件の定着部を有する画像形成装置1において、高光沢モードで100プリントのジョブを繰り返し実行した。各ジョブの冒頭(ジョブ間)に図6のステップS21〜S26の処理を実行し、ジョブ実行時には、図6のステップS27〜S33の処理を実行して、画像にノイズが出た時点のプリント枚数をカウントした。すなわち、最初のジョブの冒頭において用紙非通過時用の定着ベルト表面速度(第1駆動部186の制御値)の調整を行い、2番目以降のジョブについては、最初のジョブで算出された制御値を引き継いで使用した。
また、用紙の表面速度≒加圧ローラー184の表面速度であるため、用紙の表面速度は加圧ローラー表面速度として規定した。
[表II]に、各実験の固有条件及び実験結果を示す。実験7〜12では、用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度が[表II]に示す値となるように、高光沢モード用の第1駆動部186の制御値を設定するとともに、図6のステップS24では、定着ベルト表面速度が[表II]に記載の用紙非通過時の値と同じであるかを判断した。なお、実験7〜12の用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度の条件は、それぞれ実験1〜6と同じである。
Figure 2020027150
[表II]に示すように、実験7〜12では、それぞれ[表I]に示す実験1〜6よりもノイズの抑制効果が大きかった(画像ノイズの発生時点を遅らせることができた)。これは、実験7〜12では、最初のジョブで用紙非通過時の定着ベルト181の表面速度調整を行い、2番目以降のジョブでは調整を行わないため、定着ベルトと加圧ローラーを圧接させる時間を実験1〜6に比べて短くすることができ、定着ベルトのダメージを抑制できたためと考えられる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、調整済みの用紙非通過時の第1駆動部186の制御値を以降のジョブで引き継ぐ例について説明したが、第3の実施形態では、過去に調整した制御値に基づいて、ジョブで使用する制御値を予測して決定する場合について説明する。
第3の実施形態において、記憶部11には、紙種や坪量等の条件毎に(条件に対応付けて)高光沢モード用の第1駆動部186及び第2駆動部187の制御値が記憶されているとともに、さらに、紙種や坪量等の条件毎に、過去の所定回数分(複数)の調整により取得された用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値を、その制御値での定着ベルト表面速度及び調整時点でのカウンター値(例えば、プリント枚数)に対応付けて記憶する領域が設けられている。
画像形成装置1のその他の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第3の実施形態の動作について説明する。
図7は、第3の実施形態において制御部10により実行される定着ベルト速度制御処理Cを示すフローチャートである。定着ベルト速度制御処理Cは、高光沢モードでのジョブの実行指令に応じて実行される。
まず、制御部10は、記憶部11に、ジョブの紙種や坪量等の条件に応じた過去の用紙非通過時の第1駆動部186の制御値が所定数以上記憶されているか否かを判断する(ステップS41)。
ジョブの条件に応じた用紙非通過時の第1駆動部186の制御値が所定数以上記憶されていないと判断した場合(ステップS41;NO)、制御部10は、ステップS42〜S45の処理を実行し、用紙非通過時用に第1駆動部186の制御値を調整し、調整した制御値をジョブの紙種や坪量の条件、その制御値での定着ベルト表面速度及び調整時点のカウンター値に対応付けて記憶部11の所定の記憶領域に記憶させ(ステップS46)、ステップS48に移行する。ステップS42〜S45の処理は、図4のステップS1〜S4と同様であるので説明を援用する。
ジョブの条件に応じた用紙非通過時の第1駆動部186の制御値が所定数以上記憶されていると判断した場合(ステップS41;YES)、記憶部11に記憶されている、ジョブの条件に応じた過去の用紙非通過時の第1駆動部186の制御値と定着ベルト表面速度との関係に基づいて、例えば、近似式等を用いて今回のジョブで使用する制御値を予測してRAM102に記憶し(ステップS47)、ステップS48に移行する。
ステップS48において、制御部10は、ジョブを開始してステップS49〜S54の処理を実行する。ステップS49〜S54の処理は、図4のステップS7〜S12と同様であるので説明を援用する。ただし、定着ベルト181と加圧ローラー184が圧接、回転していない場合(ステップS41でNOと判断された場合)、制御部10は、ジョブ開始時に定着ベルト181と加圧ローラー184を圧接、回転させる。また、ステップS52においては、記憶部11に記憶されている、ジョブの条件に応じた用紙非通過時の制御値(調整を行った場合)、又はRAM102に記憶されている予測された制御値(予測を行った場合)を読み出して第1駆動部186に入力する。ステップS49〜S54の処理が終了すると、制御部10は、定着ベルト速度制御処理Cを終了する。
(第3の実施形態の検証実験)
第3の実施形態の効果を検証するため、検証実験(実験13〜18)を行った。各実験の基本条件は、第1の実施形態と同様である。
各実験では、上記の基本条件の定着部18を有する画像形成装置1において、高光沢モードで100プリントのジョブを繰り返し実行した。各ジョブの冒頭(ジョブ間)に図7のステップS41〜S47の処理を実行し、ジョブ実行時には、図7のステップS48〜S54の処理を実行して、画像にノイズが出た時点のプリント枚数をカウントした。すなわち、所定回数のジョブの冒頭において用紙非通過時用の定着ベルト表面速度(第1駆動部186の制御値)の調整を行い、それ以降のジョブについては、過去のジョブで算出された制御値と定着ベルト表面速度との関係に基づいて、直線近似によりジョブで使用する制御値を予測した。
また、用紙の表面速度≒加圧ローラー184の表面速度であるため、用紙の表面速度は加圧ローラー表面速度として規定した。
[表III]に、各実験の固有条件及び実験結果を示す。実験番号13〜18では、用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度が[表III]に示す値となるように、高光沢モード用の定着ローラーの制御値を設定するとともに、図7のステップS44では、定着ベルト表面速度が[表III]に記載の用紙非通過時の値と同じであるかを判断した。なお、実験13〜18の用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度は、それぞれ実験1〜6、実験7〜12と同じである。
Figure 2020027150
[表III]に示すように、実験13〜18では、それぞれ実験1〜6、実験7〜12の対応する実験よりもノイズの抑制効果が大きかった(画像ノイズの発生時点を遅らせることができた)。これは、実験13〜18では、所定回数のジョブで定着ベルト181の表面速度調整を行い、それ以降のジョブでは調整を行わないため、定着ベルト181と加圧ローラー184を速度差のある状態で圧接させる時間を実験1〜6に比べて短くすることができ、定着ベルト181のダメージを抑制できたためと考えられる。また、定着ベルト181は、使用による定着ベルト表面と加圧ローラー間の摩擦係数変化、定着ベルト裏面と定着ローラー間の摩擦係数変化により、同一制御値で制御しても、その表面速度は変化していくが、実験13〜18では、この定着ベルト181の表面速度の変化を加味して制御値の予測を行ったため、速度のずれを最小限に抑え、定着ベルト181のダメージを効果的に抑制することができたと考えられる。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
上述のように、使用による定着ベルト表面と加圧ローラー間の摩擦係数変化、定着ベルト裏面と定着ローラー間の摩擦係数変化により、同一制御値でも、定着ベルト181の表面速度は変化していく。ここで、画像形成装置1では、例えば、ジョブで用いられる用紙Pの紙種や坪量等の条件によって定着速度や定着温度を変える。第2の実施形態又は第3の実施形態の動作の場合、よく使われる条件のものは、用紙非通過時における第1駆動部186の制御値が初期値(ここでは、高光沢モード用の制御値)から調整されるが、ユーザーに、ほとんど使用されない条件は、制御値が初期値のまま残ってしまう。また、制御値が初期値から調整された条件であっても、調整から時間がたって装置状態が変化している場合、過去に調整された制御値が現状にそぐわない値となっている場合がある。画像形成装置1のように、定着ベルト表面速度と用紙Pの表面速度に差を設けることにより発生する剪断力によって高光沢モードを実現する画像形成装置では、定着ベルト表面速度の使用によるズレが大きいため、耐久末期等に現状に合っていない制御値で制御すると、定着ベルト181に部分的な損傷を生じることにつながる。
そこで、第4の実施形態では、プリント数が耐久枚数に到達した、加圧ローラー184のモータトルク(第2駆動部187のトルク)が変化した等の所定の状態が検出されたタイミングで、高光沢モードの用紙非通過時の第1駆動部186の制御値を調整する調整モードを有する。
なお、上述のように、加圧ローラー184の表面速度変化は定着ベルト181に比べて小さいが、長期間の使用によりずれが生じる場合もあるため、以下に説明するように加圧ローラー184を駆動する第2駆動部187の制御値の調整を合わせて行うことが好ましい。
第4の実施形態において、ROM103には、図8に示す調整モード処理を実行するためのプログラムが記憶されている。また、図6に示す定着ベルト速度制御処理B又は図7に示す定着ベルト速度制御処理Cを実行するためのプログラムが記憶されている。
また、記憶部11には、紙種や坪量等の条件毎に(条件に対応付けて)高光沢モード用の定着ベルト表面速度及び加圧ローラー表面速度、並びに第1駆動部186及び第2駆動部187の制御値が記憶されているとともに、さらに、紙種や坪量等の条件毎に、過去の調整により取得された用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値(その制御値での定着ベルト表面速度及び調整点でのカウンター値)を記憶する領域が設けられている。
また、速度測定部185は、さらに、加圧ローラー184の表面速度を測定し、測定結果を制御部10に出力するセンサーを有している。
その他の第4の実施形態の構成は、第1〜第3の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、第4の実施形態の動作について説明する。
第4の実施形態において、制御部10は、高光沢モードのジョブ実行指令が入力されると、上述の定着ベルト速度制御処理B又は定着ベルト速度制御処理Cを実行する。
また、制御部10は、所定の状態を検出した場合に、調整モード処理を実行する。所定の状態とは、例えば、プリント枚数が耐久枚数に到達した状態、又は加圧ローラー184のモータートルクが変化した状態等の、耐久末期状態であることを示す状態である。
図8は、第4の実施形態において制御部10により実行される調整モード処理を示すフローチャートである。
まず、制御部10は、加圧ローラー184を定着ベルト181に圧接させるとともに、紙種や坪量等の条件を選択して、選択した条件に対応する高光沢モード用の制御値を第1駆動部186及び第2駆動部187に入力して定着ローラー182及び加圧ローラー184を回転させる(ステップS61)。
次いで、制御部10は、速度測定部185による加圧ローラー184の表面速度の測定結果を取得する(ステップS62)。
次いで、制御部10は、測定した加圧ローラー184の表面速度が記憶部11に記憶されている高光沢モード用の加圧ローラー表面速度と同じであるか否かを判断する(ステップS63)。
加圧ローラー184の表面速度が高光沢モード用の加圧ローラー表面速度と同じではないと判断した場合(ステップS63;NO)、制御部10は、加圧ローラー184の表面速度を調整し(ステップS64)、ステップS62に戻る。
ステップS64では、加圧ローラー184の表面速度が高光沢モード用の加圧ローラー表面速度となるように、加圧ローラー184を駆動する第2駆動部187の制御値を調整する。例えば、調整後の第2駆動部187への制御値は、以下の(式2)により求めることができる。
調整後の第2駆動部187の制御値=調整前の第2駆動部187の制御値×(高光沢モード用の加圧ローラー表面速度/測定した加圧ローラー184の表面速度)・・・(式2)
加圧ローラー184の表面速度が高光沢モード用の加圧ローラー表面速度と同じであると判断した場合(ステップS63;YES)、制御部10は、調整後の第2駆動部187の制御値により記憶部11に記憶されている第2駆動部187の制御値を更新し(ステップS65)、ステップS66に移行する。
ステップS66において、速度測定部185による定着ベルト181の表面速度の測定結果を取得する(ステップS66)。
次いで、制御部10は、定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じであるか否かを判断する(ステップS67)。
定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じではないと判断した場合(ステップS67;NO)、制御部10は、定着ベルト181の表面速度を調整し(ステップS68)、ステップS66に戻る。
ステップS68では、定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度に近づく(略同じとなる)ように、定着ローラー182を駆動する第1駆動部186の制御値を調整する。例えば、調整後の第1駆動部186への制御値は、上記(式1)により求めることができる。
定着ベルト181の表面速度が加圧ローラー184の表面速度と同じであると判断した場合(ステップS67;YES)、制御部10は、調整後の第1駆動部186の制御値を用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値として決定して記憶部11に記憶させ(ステップS69)、ステップS70に移行する。
ステップS69においては、例えば、ジョブ実行指令の入力時に定着ベルト速度制御処理Bを実行する装置の場合、調整後の第1駆動部186の制御値を用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値として記憶部11の所定の領域に記憶(上書き)する。ジョブ実行指令の入力時に定着ベルト速度制御処理Cを実行する装置の場合、調整後の第1駆動部186の制御値を用紙非通過時用の第1駆動部186の制御値として、定着ベルト181の表面速度及び調整時点のカウンター値に対応付けて記憶部11の所定の領域に記憶(追加)する。
ステップS70において、制御部10は、全ての条件についてステップS61〜69の処理が終了したか否かを判断する。
全ての条件についてステップS61〜S69の処理が終了していないと判断した場合(ステップS70;NO)、制御部10は、ステップS61に戻る。
全ての条件についてステップS61〜S69の処理が終了したと判断した場合(ステップS70;YES)、制御部10は、定着ベルト181と加圧ローラー184を離間させ(ステップS71)、調整モード処理を終了する。
なお、上記調整モード処理では、高光沢モード用の第1駆動部186の制御値の調整をしていないが、高光沢モード用の第1駆動部186の制御値についても調整を行うことが好ましい。
(第4の実施形態の検証実験)
第4の実施形態の効果を検証するため、検証実験(実験19〜20)を行った。
実験19では、以下の条件で調整モード処理を実行せずに1000(千枚)のプリントを実施した。また、実験20では、以下の条件で100(千枚)毎に上述の調整モード処理を実行して1000(千枚)のプリントを行った。
(条件)
加圧ローラー速度(表面速度):800mm/s
定着ベルト表面速度の目標値:800±5mm/s
定着温度:180℃
その他の基本条件は、第1の実施形態で示したものと同様である。
なお、用紙の表面速度≒加圧ローラー184の表面速度であるため、用紙の表面速度は加圧ローラー表面速度として規定した。
[表IV]に実験結果を示す。
Figure 2020027150
[表IV]に示すように、調整モード処理を実行せずに1000(千枚)のプリントを行った実験19の場合、圧接時に定着ベルトに小さな傷が入り、画像ノイズが発生したが、100(千枚)毎に上述の調整モード処理を実行して1000(千枚)のプリントを行った実験20の場合、画像ノイズは発生しなかった。
このように、調整モード処理を実行することで、長期間使用されていない条件でジョブが実行されたときであっても画像ノイズを抑制することができることが確認できた。
<第5の実施形態>
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。
上述のように、定着ベルトの表面速度と用紙P(加圧ローラー184)の表面速度に速度差を設けると高光沢の画像を得ることができるが、速度差を設けたまま圧接を続けると定着ベルト181の表層が劣化し、画像ノイズが発生する。
そこで、第5の実施形態では、ジョブにおける定着ニップの用紙非通過時に、定着ベルト181を加圧ローラー184に従動させて速度差を設けないようにする例について説明する。
画像形成装置1の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。なお、速度測定部185は、本実施形態ではなくても構わない。
以下、第5の実施形態の動作について説明する。
図9は、制御部10により実行される定着ベルト速度制御処理Dを示すフローチャートである。定着ベルト速度制御処理Dは、高光沢モードでのジョブの実行指令に応じて実行される。
まず、制御部10は、ジョブを開始させ、加圧ローラー184を定着ベルト181に圧接させ、第2駆動部187に高光沢モード用の制御値を入力して加圧ローラー184を回転させる(ステップS81)。これにより定着ローラー182及び定着ベルト181が加圧ローラー184に従動する。
高光沢モード用の第1駆動部186及び第2駆動部187の制御値は、紙種や坪量等の条件毎に、予めROM103又は記憶部に記憶されている。
次いで、制御部10は、用紙Pの先端が定着ニップに到達したか否かを判断する(ステップS82)。用紙Pの先端が定着ニップに到達したか否かは、例えば、定着ニップの用紙搬送方向上流側に設けられた図示しないセンサー(例えば、光学センサー)による検出結果に基づいて判断することができる。
用紙Pが定着ニップに到達していないと判断した場合(ステップS82;NO)、制御部10は、ステップS86に移行する。
用紙Pが定着ニップに到達したと判断した場合(ステップS82;YES)、制御部10は、第1駆動部186に高光沢モード用の制御値を入力して定着ベルト181と用紙Pの表面速度差の絶対値が所定の値V1(V1>0)となるように制御する(ステップS83)。
次いで、制御部10は、用紙Pの後端が定着ニップを抜けるのを待機する(ステップS84)。用紙Pの後端が定着ニップを抜けたか否かは、例えば、定着ニップの用紙搬送方向下流側に設けられた図示しないセンサー(例えば、光学センサー)による検出結果に基づいて判断することができる。
用紙Pの後端が定着ニップを抜けたと判断した場合(ステップS84;YES)、制御部10は、第1駆動部186の駆動を停止させ、定着ローラー182及び定着ベルト181が加圧ローラー184に従動するように制御し(ステップS85)、ステップS86に移行する。
ステップS86において、制御部10は、ジョブが終了したか否かを判断する(ステップS86)。
ジョブが終了していないと判断した場合(ステップS86;NO)、制御部10は、ステップS82に戻る。
ジョブが終了したと判断した場合(ステップS86;YES)、制御部10は、定着ベルト181と加圧ローラー184を離間させ(ステップS87)、定着ベルト速度制御処理Dを終了する。
上記定着ベルト速度制御処理Dを実行することにより、光沢制御に関係のない用紙非通過時は定着ベルト181を加圧ローラー184に従動させることによって、用紙非通過時の加圧ローラー184と定着ベルト181の表面速度差をなくすことができるので、定着ベルト181の劣化を抑制し、画像ノイズを抑制することが可能となる。
(第5の実施形態の検証実験)
第5の実施形態の効果を検証するため、検証実験(実験21〜24)を行った。
各実験では、加圧ローラー表面速度を600mm/sとし、用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度を[表V]に示す条件として、高光沢モードで連続印刷を行い、画像にノイズが出た時点のプリント枚数をチェックした。ここで、ブレーキとは、加圧ローラー表面速度より定着ベルト表面速度が遅いことを指し、アシストとは、加圧ローラー表面速度よりも定着ベルト表面速度が速いことを指す。[表V]においては、定着ニップの用紙通過時及び用紙非通過時の定着ベルト表面速度を加圧ローラー表面速度に対する速度ベースの増分(%)、減分(%)で示している。なお、加圧ローラー表面速度以外の基本条件は第1の実施形態の検証実験と同様である(ただし、本実験ではジョブ間は存在しない)。
Figure 2020027150
[表V]に示すように、定着ニップへの用紙通過時にブレーキ又はアシストをかけ、用紙非通過時においてもそのままブレーキ又はアシストをかけた状態とした場合(実験21、23)に対し、用紙非通過時にブレーキ又はアシストをOFFにして定着ベルト181を加圧ローラー184に従動させた場合(実験22、24)のほうが画像ノイズを抑制できる(画像ノイズの発生時点を遅らせることができる)ことが確認できた。
(定着ベルト表面硬度による比較実験)
[表I]に示す実験1〜3と同じ条件で、定着ベルト表面硬度(HIT)を変えて、定着ベルト181の耐久を比較する実験を行った(実験25〜30)。
[表VI]に、実験結果を示す。
Figure 2020027150
[表VI]に示すように、ナノインデンテーションで測定した押し込み硬度HITが3.5N/mm以下の、表層が柔らかい定着ベルト181の場合に、用紙非通過時の定着ベルト表面速度と加圧ローラー184の表面速度の絶対値差を用紙通過時より小さくすることの効果が顕著に表れている。定着ベルト181の表層が硬い場合においてもノイズ抑制本発明の制御の効果はあるが、ベルト表層が頑強であるため効果の程度は低い。
以上、本発明の第1〜第5の実施形態について説明したが、上記した実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、上記した実施形態では、画像形成装置1が、感光体上のトナー像を転写体に順次転写するカラー画像形成装置であるものとしたが、各色毎の複数像担持体を中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置であっても良いし、単色のトナーで画像形成を行うモノクロ画像形成装置であっても良い。
その他、画像形成装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 画像形成装置
10 制御部
101 CPU
102 RAM
103 ROM
18 定着部
181 定着ベルト
182 定着ローラー
183 加熱ローラー
184 加圧ローラー
185 速度測定部
186 第1駆動部
187 第2駆動部

Claims (10)

  1. 定着回転体と加圧回転体との間で定着ニップを形成し、搬送された用紙を前記定着ニップにおいて加熱及び加圧することで前記用紙に形成されているトナー画像を前記用紙に定着させる定着部と、
    高光沢モードでの動作時に、前記定着回転体の表面速度と前記定着ニップを通過する用紙の表面速度に速度差を与えることによって前記用紙に形成されているトナー画像の光沢を調整する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記定着回転体と前記加圧回転体が圧接状態で前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度と前記加圧回転体の表面速度の速度差の絶対値が、前記高光沢モードでの動作時に前記定着ニップを用紙が通過するときの前記定着回転体の表面速度と前記用紙の表面速度の速度差の絶対値より小さくなるように制御する画像形成装置。
  2. 前記定着回転体の表面速度を測定する測定部を備え、
    前記制御部は、前記測定部による測定結果に基づいて前記定着回転体の表面速度を調整することによって、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度と前記加圧回転体の表面速度の速度差を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度が前記加圧回転体の表面速度と略同等となるように調整する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度と前記加圧回転体の表面速度との大小関係が、前記定着ニップを用紙が通過しているときの前記定着回転体の表面速度と前記用紙の表面速度との大小関係と同じとなるように前記定着回転体の表面速度を調整する請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記定着回転体を駆動する駆動部に入力する制御値を調整することによって前記定着回転体の表面速度を調整する請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部により過去に調整された前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記駆動部の制御値を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶されている制御値を、前記定着ニップを用紙が通過していないときに前記駆動部に入力する制御値に決定する請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部により過去に調整された前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記駆動部の制御値と、その制御値を前記駆動部に入力したときの前記定着回転体の表面速度とを対応付けて複数記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶されている過去の前記駆動部の制御値と前記定着回転体の表面速度との関係に基づいて、前記定着回転体の表面速度が前記加圧回転体の表面速度と略同等となる前記駆動部の制御値を予測して、前記定着ニップを用紙が通過していないときに前記駆動部に入力する制御値として決定する請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、所定の状態を検出した場合に、前記定着ニップを用紙が通過していないときの前記定着回転体の表面速度が前記加圧回転体の表面速度と略同等となるように前記駆動部の制御値を調整し、調整した制御値及び/又はその制御値を前記駆動部に入力したときの前記定着回転体の表面速度を前記記憶部に記憶させる請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 定着回転体と加圧回転体との間で定着ニップを形成し、搬送された用紙を前記定着ニップにおいて加熱及び加圧することで前記用紙に形成されているトナー画像を前記用紙に定着させる定着部と、
    高光沢モードでの動作時に、前記定着回転体の表面速度と前記定着ニップを通過する用紙の表面速度に速度差を与えることによって前記用紙に形成されているトナー画像の光沢を調整する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記定着回転体と前記加圧回転体が圧接状態で前記定着ニップを用紙が通過していない場合、前記定着回転体を駆動せずに前記加圧回転体の回転に従動させる画像形成装置。
  10. 前記定着回転体の表層は、ナノインデンテーションで測定した押し込み硬度HITが3.5N/mm以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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