JP2020026490A - 導電性高分子含有インク及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダークスポットの発生確率、素子の耐久性・デバイス作製時の歩留まりを改良したポリチオフェン系導電性高分子含有組成物(インク)の提供。【解決手段】SO3M基を含有する特定の構造単位を含むポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、グリコール(C)、グリコールエーテル(D)、及び非プロトン性極性溶媒(E)を含む組成物。(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量が、各々、0.01〜1.0重量%、0.1〜10重量%、0.01〜30重量%、及び0.01〜30重量%であり、尚且つ(C)、(D)及び(E)の合計が60〜99重量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、良好な正孔輸送性と耐久性を両立した導電性高分子膜を作製できる新規な導電性高分子含有インクに関する。
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発され、例えば、帯電防止材、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、電磁波シールド、エレクトロクロミック素子、電極材料、正孔注入材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。これらの導電性高分子材料の中でも、化学的安定性の面からポリチオフェン系導電性高分子材料が実用上有用である。
ポリチオフェン系導電性高分子材料としては、(i)ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)又はパーフルオロエチレンスルホン酸の水溶液中で、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させることで得られるPEDOT/PSS、PEDOT/パーフルオロエチレンスルホン酸を含む水性分散液や、(ii)水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子(例えば、スルホン化ポリアニリン、PEDOT−S、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸 ポリマー等)等が知られている(例えば、非特許文献1、2、特許文献1参照)。
導電性高分子の用途は、従来の帯電防止剤や固体電解コンデンサの固体電解質への利用のみならず、有機エレクトロルミネセンス素子、有機薄膜太陽電池などの正孔注入層として開発が進められている。
正孔注入層は、上記導電性高分子を含有するインクを透明電極上に塗布・乾燥して得られる数十〜百数十nmの有機薄膜であり、適度な導電率(10−3S/cm未満)と平滑性が必要とされる。上記導電性高分子を含有するインクの報告例としては、例えば、PEDOT/PSSの場合、エチレングリコール等の水より高い沸点を有する溶媒を10〜50重量%、典型的には30重量%を含む水性分散液であるインクが報告されている(特許文献2)。又、メタノール、エタノール、1−プロパノール等のアルコール溶剤、2−ブトキシエタノール等のアルコールエーテル溶剤を5〜50重量%を含む水性分散液が報告されている(特許文献3)。更に、PEDOT/パーフルオロエチレンスルホン酸の場合、イソプロパノール等のアルコールを含み、且つHOを少なくとも40重量%含む水性分散液が報告されている(特許文献4)。
また、自己ドープ型ポリチオフェン系導電性高分子の正孔注入層の応用例としては、具体的な実施例がないものの、0.001〜10重量%の1価値又は2価値のアルコールを含有してもよい水溶性インクの記載が明細書に書かれている(特許文献5)。
このように、従来の正孔注入層に供するポリチオフェン系導電性高分子含有インクは、50重量%以上の水を含有している。
一方で、上記の導電性高分子含有インクを透明電極上に塗布する方法としては、通常、スピンコート法等が頻繁に利用されるが、材料利用効率・大型基板への適用を考慮するとインクジェット法での塗布が望ましい。インクジェット法は、目的の画素上に滴下したインクを画素内に均一に広げ、均一膜厚の薄膜を形成させるものであるが、しばしば、周辺の膜厚が厚くなる(Coffee Strain Effect)、ノズル先端が閉塞する等の問題を生じる。従って、適度なインク粘度(25mPa・s以下)と表面張力(40mN/m以下)を有し、インクジェット法での連続吐出が可能なことが必要であり、現状、満足できるものではない。
国際公開第2014/007299号パンフレット 特許第5235660号公報 特表2006−520994号公報 特表2006−500463号公報 特開2017−222831号公報
Journal of American Chemical Society,112,2801−2803(1990) Advanced Materials,Vol.23(38)4403−4408(2011)
上述のように、従来公知のポリチオフェン系導電性高分子(例えばPEDOT:PSS)を含有するインクは、水を50重量%以上含有するものであるが、水は、有機EL等の有機デバイスにおいては劣化因子でもあり、所謂ダークスポット(非発光領域)の発生確率を増大させ、その結果、有機デバイスの耐久性及び製品歩留まりが低下する課題がある。又、従来公知のポリチオフェン系導電性高分子は分散液のためにノズル先端で閉塞しやすい課題がある。このため、水含有量が50%未満であり、インクジェット法でのノズル閉塞の問題がないポリチオフェン系導電性高分子を含有する組成物(インク)が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、後述する導電性高分子含有組成物(インク)が、水含有量50重量%未満でありながら、インクジェット法でのノズル閉塞の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下[1]〜[16]に存する。
[1] 下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、グリコール(C)、下記一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)、及び非プロトン性極性溶媒(E)を含む組成物であって、(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量が、各々、0.005〜1.0重量%、0.1〜10重量%、0.01〜30重量%、及び0.01〜30重量%であり、尚且つ(C)、(D)及び(E)の合計が60〜99重量%であることを特徴とする組成物。
Figure 2020026490
[式(1)において、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1〜10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
Figure 2020026490
(式中、Rは、炭素数3〜6の直鎖又は分岐アルキル基を表す。R及びRは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。pは1又は2を表す。)
[2] (C)、(D)及び(E)の合計が70〜98重量%であることを特徴とする[1]記載の組成物。
[3] (C)、(D)及び(E)の合計が80〜98重量%であることを特徴とする[1]記載の組成物。
[4] ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)を、ポリチオフェン(A)1重量部に対して、5〜40重量部含有することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の組成物。
[5] グリコール(C)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の組成物。
[6] グリコール(C)の含有量が0.1〜15重量%であることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の組成物。
[7] グリコールエーテル(D)が、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、又はジプロピレングリコール モノn−ブチルエーテルであることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] グリコールエーテル(D)の含有量が0.1〜15重量%であることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の組成物。
[9] 非プロトン性極性溶媒(E)が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、及びN−エチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載の組成物。
[10] ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(アクリル酸―スチレンスルホン酸)共重合体、又はポリ(メタクリル酸―スチレンスルホン酸)共重合体であることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれか1つに記載の組成物。
[11] ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の重量平均分子量が1千〜50万であることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の組成物。
[12] さらに水を含有することを特徴とする[1]乃至[11]のいずれかに記載の組成物。
[13] 20℃での粘度が20mPa・s以下であり、尚且つ表面張力が20〜40mN/mであることを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか1つに記載の組成物。
[14] [1]乃至[13]のいずれかに記載の組成物からなる導電性高分子含有インク。
[15] [1]乃至[13]のいずれかに記載の組成物を塗布した後、乾燥させることを特徴とする膜の製造方法。
[16] [15]に記載の製造方法で得られた膜を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネセンス素子又は有機光電変換素子のいずれかの有機電子素子。
本発明の新規な導電性高分子含有組成物(インク)から作製される導電性高分子膜は、従来公知の導電性高分子含有組成物から作製されるものに比べてデバイス寿命に悪影響を及ぼすインク中の水の含有量が小さいため、高耐久性化及び高性能化という顕著な効果を奏する。
また、本発明の新規な導電性高分子含有組成物(インク)は、適度なインク粘度と表面張力を有するため、大型基板の印刷法としてプロセス上有利なインクジェット法に適したインク特性を有する。
本願発明の導電性高分子含有組成物(インク)は、含水率を低く制御することによって、表面張力をより低く調整できるために、PEDOT/PSSを含有する導電性インクに比べて、インクジェット法での塗膜均一性を向上させることができるという効果を奏する。
本願発明の導電性高分子含有組成物(インク)は、PEDOT/PSSを含有する導電性インクに比べて耐熱性、耐分解性が高く、保存安定性に優れるという効果を奏する。また、このような耐久性に基づいて、本願発明の導電性高分子含有組成物(インク)は、PEDOT/PSSを含有する導電性インクに比べてインクジェットノズル先端での目詰まりを起こしにくいという顕著な効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、グリコール(C)、下記一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)、及び非プロトン性極性溶媒(E)を含む組成物であって、(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量が、各々、0.005〜1.0重量%、0.1〜10重量%、0.01〜30重量%、及び0.01〜30重量%であり、尚且つ(C)、(D)及び(E)の合計が60〜99重量%であることを特徴とする組成物である。
Figure 2020026490
[式(1)において、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1〜10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
Figure 2020026490
(式中、Rは、炭素数3〜6の直鎖又は分岐アルキル基を表す。R及びRは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。pは1又は2を表す。)
上記式(1)において、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。
前記のアルカリ金属イオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン、又はCsイオンが挙げられるが、これらのうち、Liイオン、Naイオン、又はKイオンが実用上好ましい。
前記のアミン化合物の共役酸としては、アミン化合物にヒドロン(H+)が付加してカチオン種になったものを示す。当該アミン化合物としては、スルホン酸基と反応して共役酸を形成するアミン化合物であればよく、特に限定するものではないが、例えば、sp3混成軌道を有するN(Rで表されるアミン化合物[共役酸としては[NH(Rで表される。]、又はsp2混成軌道を有するアミン化合物(例えば、ピリジン類化合物、イミダゾール類化合物)等が挙げられる。
上記の置換基Rは、特に限定するものではないが、各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
上記の炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記の置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、置換基を有するメチル基、置換基を有するエチル基、置換基を有する炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、当該置換基を有する炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、置換基を有するn−プロピル基、置換基を有するイソプロピル基、置換基を有するn−ブチル基、置換基を有するイソブチル基、置換基を有するsec−ブチル基、置換基を有するtert−ブチル基、置換基を有するn−ペンチル基、置換基を有するイソペンチル基、置換基を有するネオペンチル基、置換基を有するtert−ペンチル基、置換基を有するシクロペンチル基、置換基を有するn−へキシル基、置換基を有する2−エチルブチル基、又は置換基を有するシクロヘキシル基等が挙げられる。
また、上記の置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基における置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミノ基、及びヒドロキシ基からなる群より選ばれる基が挙げられ、当該置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、又は2−ヒドロキシプロピル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、独立して、水素原子、メチル基、エチル基、又は2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
上記のアミン化合物の共役酸を形成するN(Rで表されるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン化合物(例えば、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、又は1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、上記のアミン化合物の共役酸を形成するsp2混成軌道を有するアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、イミダゾール化合物(例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、又は1、2−ジメチルイミダゾール等)、ピリジン、ピコリン、又はルチジン等が挙げられる。
これらのうち、アミン化合物の共役酸に用いるアミン化合物としては、好ましくは、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、又はイミダゾールである。
すなわち、アミン化合物の共役酸としては、導電性に優れる点で、アンモニウム、モノエタノールアミンの共役酸、ジエタノールアミンの共役酸、トリエタノールアミンの共役酸、又はイミダゾールの共役酸が好ましい。
上記の第4級アンモニウムカチオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルプロピルアンモニウムカチオン、テトラノルマルブチルアンモニウムカチオン、又はテトラノルマルヘキシルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、入手の観点から、好ましくは、テトラメチルアンモニウムカチオン、又はテトラエチルアンモニウムカチオンである。
上記式(1)及び式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素原子を表す。
上記の炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記の置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基については、特に限定するものではないが、例えば、置換基を有するメチル基、置換基を有するエチル基、置換基を有する炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、当該置換基を有する炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、置換基を有するn−プロピル基、置換基を有するイソプロピル基、置換基を有するn−ブチル基、置換基を有するイソブチル基、置換基を有するsec−ブチル基、置換基を有するtert−ブチル基、置換基を有するn−ペンチル基、置換基を有するイソペンチル基、置換基を有するネオペンチル基、置換基を有するtert−ペンチル基、置換基を有するシクロペンチル基、置換基を有するn−へキシル基、置換基を有する2−エチルブチル基、又は置換基を有するシクロヘキシル基等が挙げられる。
また、上記の置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基における置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミノ基、及びヒドロキシ基からなる群より選ばれる基が挙げられ、当該置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、又は2−ヒドロキシプロピル基等が例示される。
上記の式(1)及び式(2)のRについては、成膜性の点で、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
上記の式(1)及び式(2)中、mは、1〜10の整数を表し、好ましくは、1〜4の整数であり、より好ましくは2である。
上記の式(1)及び式(2)中、nは、0又は1を表し、好ましくは、1である。
上記の式(2)で表される構造単位は、上記の式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子主鎖に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型導電性高分子と呼ばれている。
本発明のポリチオフェン(A)は、下記式(4)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることで製造することができる。
Figure 2020026490
[上記式(4)中、R、m、及びnは、上記式(1)及び(2)におけるR、m、及びnと同じ定義である。Mは、金属イオンを表わす。]
式(4)におけるMで表される金属イオンとしては、特に限定するものではないが、遷移金属イオン、貴金属イオン、非鉄金属イオン、アルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン、及びKイオン)、アルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
上記式(4)で表されるチオフェンモノマーを重合して得られるポリチオフェン(A)は金属塩となる。当該金属塩については、必要に応じて、酸で処理することでMを水素イオンへ変換可能であり、さらにこれ(水素イオン変換物)をアミン化合物で処理することで、Mがアミン化合物の共役酸であるポリチオフェン(A)が得られる。
上記式(4)で表されるチオフェンモノマーとしては、具体的には、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、及び8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、又は4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)において、Rは、炭素数3〜6の直鎖又は分岐アルキル基を表す。R及びRは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。
前記Rにおける炭素数3〜6の直鎖又は分岐アルキル基については、特に限定するものではないが、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
については、ポリチオフェン(A)及びポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の溶解性・分散性に優れる点で、炭素数3又は4の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であることがより好ましい。
及びRについては、ポリチオフェン(A)及びポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の溶解性・分散性に優れる点で、両方が水素原子であるか又は一方がメチル基で他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)において、pは、1又は2を表すが、成膜性の点で、pは1であることが好ましい。
一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)としては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール モノアルキルエーテル、ジエチレングリコール モノアルキルエーテル、プロピレングリコール モノアルキルエーテル、又はジプロピレングリコール モノアルキルエーテルが挙げられる。
前記のエチレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール モノメチルエーテル、エチレングリコール モノエチルエーテル、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、エチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、エチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、エチレングリコール モノn−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、エチレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はエチレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記のジエチレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジエチレングリコール モノメチルエーテル、ジエチレングリコール モノエチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はジエチレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記のプロピレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、プロピレングリコール モノメチルエーテル、プロピレングリコール モノエチルエーテル、プロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノiso−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノiso−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノsec−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノn−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、プロピレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はプロピレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記のジプロピレングリコール モノアルキルエーテルとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジプロピレングリコール モノメチルエーテル、ジプロピレングリコール モノエチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノsec−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノneo−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノtert−ペンチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ヘキシルエーテル、又はジプロピレングリコール モノiso−ヘキシルエーテル等が挙げられる。
一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)については、本発明の組成物から作製される有機薄膜の平坦性が優れる点で、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、エチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、エチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、エチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノsec−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノtert−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノiso−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノiso−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノsec−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノtert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノiso−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノsec−ブチルエーテル、又はジプロピレングリコール モノtert−ブチルエーテルであることがより好ましく、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、又はジプロピレングリコール モノn−ブチルエーテルであることがより好ましい。
上記一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)については純品を単独で用いてもよいし、複数のグリコールエーテルを組み合わせて用いても良い。
本発明における一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)の含有量は、0.01〜30重量%であるが、インクジェット法、スピンコート法等の方法により作製される塗布膜の平坦性に優れる点で、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.1重量%以上、15重量%以下であることがより好ましい。
本発明の組成物は、グリコール(C)を含むことを特徴とする。
当該グリコール(C)としては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、又は1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の組成物からの乾燥速度が早いという点で、沸点が220℃以下のグリコール(C)が好ましく、具体的には、エチレングリコール(沸点197℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、1,3−ブチレングリコール(沸点207℃)、2,3−ブタンジオール(沸点182℃)、又は2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点197℃)が好ましい。
本発明の組成物におけるグリコール(C)の含有量は、0.01〜30重量%である。当該グリコール(C)の含有量については、本発明の組成物の成膜時の平滑性、及び粘度が低い点で、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.1〜15重量%であることがより好ましい。
本発明において使用するポリチオフェン(A)については、特に限定するものではないが、その導電率が、フィルム状態での導電率(電気伝導度)として、10S/cm以上を示すものであることが好ましい。
本発明の組成物におけるポリチオフェン(A)の含有量(組成)は、0.005〜1.0重量%である。当該ポリチオフェン(A)の含有量(組成)については、正孔注入材料として優れた性能を示す点で、0.01重量%〜0.5重量%であることが好ましく、0.02重量%〜0.3重量%であることがより好ましい。
本発明の組成物におけるポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)は、特に限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のαβ不飽和カルボン酸化合物の単一重合物、又はこれらの共重合物を挙げることができる。前記の単一重合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリアクリル酸、又はポリメタクリル酸等が挙げられる。また前記の共重合物としては、少なくとも1種類のαβ不飽和カルボン酸モノマーとコモノマーを用いて共重合させたものを例示することができ、当該コモノマーとしては当該αβ不飽和カルボン酸モノマーと共重合可能なものを用いることができる。当該共重合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリ(アクリル酸−メタクリル酸)共重合体、ポリ(アクリル酸−ヒドロキシエチルアクリレート)共重合体、ポリ(アクリル酸―マレイン酸)共重合体、ポリ(アクリル酸―ビニルスルホン酸)共重合体、ポリ(アクリル酸−スチレンスルホン酸)共重合体、ポリ(メタクリル酸−スチレンスルホン酸)共重合体、又はポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート−スチレンスルホン酸)共重合体等が挙げられる。当該共重合物については、ブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよいし、交互重合体であってもよい。
前記ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)としては、導電性高分子の耐久性に優れる点で、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(アクリル酸−スチレンスルホン酸)共重合体、又はポリ(メタクリル酸−スチレンスルホン酸)共重合体であることが好ましい。
本発明のポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)については、特に限定されないが、その分子量が1千〜500万であることが好ましく、1千〜50万であることがより好ましく、1万〜30万であることがより好ましい。
本発明の組成物におけるポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の含有量(組成)は、0.1〜10重量%である。当該ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の含有量(組成)については、本発明の組成物の粘度を適正に制御しやすい点で、0.3〜5.0重量%であることが好ましく、0.5〜3.0重量%であることがより好ましい。
なお、本発明の組成物において、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)とポリチオフェン(A)の重量比については、有機電気素子用正孔注入材として導電性を適切に制御しやすい点で、(B)/(A)で表される重量比(重量/重量)が1〜40を満たすものが好ましく、5〜40を満たすものがより好ましく、15〜40を満たすものがより好ましく、20〜40を満たすものがより好ましい。
上記の非プロトン性極性溶媒(E)としては、特に限定するものではないが、沸点が150〜240℃の非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、及びN−エチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の組成物において、非プロトン性極性溶媒(E)の含有量(組成)は、ポリチオフェン(A)の溶解性の観点から、30〜95重量%であることが好ましく、40〜90重量%であることがより好ましく、50〜85重量%であることがより好ましい。
本発明の組成物は、上記のポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、グリコール(C)、上式一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)、及び非プロトン性極性溶媒(E)を含む組成物であり、(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量が、各々、0.005〜1.0重量%、0.1〜10重量%、0.01〜30重量%、及び0.01〜30重量%であり、尚且つ、(C)、(D)、及び(E)の総含有量が60〜99重量%であることを特徴とする。なお、(C)、(D)、及び(E)の総含有量については、70〜98重量%であることが好ましく、80〜98重量%であることがより好ましい。
本発明の組成物は、その成分として、さらに水を含有していることが好ましい。当該水の含有量としては、0.01〜30重量%であることが好ましく、0.01〜20重量%であることがより好ましく、0.01〜15重量%であることがより好ましく、0.01〜10重量%であることがより好ましい。
また、本発明の組成物については、基材への濡れ性に優れる点で、20℃における粘度、及び表面張力が、各々、25mPa・s以下、及び15〜50mN/mであることが好ましく、各々、20mPa・s以下、及び20〜40mN/mであることがより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、界面活性剤を含んでいてもよい。当該界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、高分子型非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
前記高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。本発明に使用されるポリビニルピロリドンの平均分子量は1千〜200万であることが好ましく、好ましくは1万〜150万である。当該ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部をポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマーや、[ビニルピロリドン−酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン−メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、又は[ビニルピロリドン−アクリルアミド]共重合体などが例示できる。
又、ポリアルキレングリコールとしては、特に制限するものではないが、例えば、三洋化成工業(株)製、商品名:ニューポールPE−61、PE−62、PE−64、PE−68、PE−71、PE−74、PE−75、PE−78、PE−108、PE−128、第一工業製薬(株)製、商品名:エパン450、750、785、U−103、U−105、U108等のポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロックポリマー類、三洋化成工業(株)製、商品名:サンニックスGP−250、GP−400、GP−600、GP−1000、GP−3000、GP−4000等のポリオキシプロピル化グリセリンを例示できる。
前記両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。当該ベタイン型両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、又はラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、又はパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、又はシリコーン変性アクリル化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤については、レベリング剤として本発明の組成物の塗膜の平坦性を改善するのに有効である。
また、上記以外の界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アセチレングリコール型界面活性剤が挙げられる。
本発明の組成物を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、上記のポリチオフェン(A)の水溶液又は固体と、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の水溶液又は固体と、グリコール(C)、上式一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)及び非プロトン性極性溶媒(E)、必要に応じて水と、必要に応じてその他添加剤を、本発明の範囲で任意に、混合する方法を挙げることができる。各成分を混合するに当たり特に順番に限定はなく、各成分を任意の順で混合することにより本発明の組成物を調製することができる。
ここで、各成分を混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温〜加温下で行うことができ、0℃以上100℃以下であることが好ましい。
混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でも良い。
本発明の組成物を混合する際には、スターラーチップ、攪拌羽根等による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。
ホモジナイズ処理する場合には、ポリチオフェン(A)の熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本発明の組成物の濃度調整は、配合比で調整しても良いし、配合後に濃縮により調整しても良い。濃縮の方法は、減圧下に溶媒を留去する方法であっても、限外ろ過膜を利用する方法であっても良い。
本発明の組成物については、導電性高分子を含有し、インク特性に優れるため、導電性高分子含有導電性インクであることが好ましい。
本発明の組成物(又は導電性高分子含有導電性インク)から導電性を有する膜を製造することができる。例えば、本発明の組成物(又は導電性高分子含有導電性インク)を、支持体に塗布し乾燥することで支持体上に導電性を有する膜を製造させることができる。
支持体としては、本発明の組成物が塗布可能なものであれば特に限定するものではなく、例えば、高分子基材又は無機基材が挙げられる。高分子基材としては、特に限定するものではないが、例えば、熱可塑性樹脂、不織布、紙、又はレジスト膜基板等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、又はポリカーボネート等が挙げられる。不織布としては、特に限定するものではないが、例えば、天然繊維不織布、合成繊維不織布、又はガラス繊維不織布等が挙げられる。紙としては一般的なセルロースを主成分とするものでよい。無機基材としては、特に限定するものではないが、例えば、ガラス、ITOなどの金属酸化物、セラミックス、酸化アルミニウム、又は酸化タンタル等が挙げられる。
本発明の組成物(又は導電性高分子含有導電性インク)の塗布方法としては、特に限定するものではないが、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ディスペンサ法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、又はインクジェット法等が挙げられる。好ましくは、バーコート法、スピンコート法、又はインクジェット法が挙げられる。
塗膜の乾燥温度は、均一な導電性高分子膜が得られる温度及び基材の耐熱温度以下であれば特に限定するものではないが、室温〜300℃の範囲であり、好ましくは室温〜240℃の範囲であり、さらに好ましくは室温〜220℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
得られる導電性を有する膜の膜厚としては特に限定するものではないが、20〜200nmの範囲が好ましい。より好ましくは30〜80nmである。
上記の方法で製造した本発明の導電性を有する膜については、有機エレクトロルミネッセンス素子又は有機光電発光素子等の有機電子素子における導電体として用いることができる。
当該導電性を有する膜の導電率としては、10−2S/cm以下であることが好ましいが、例えば、有機エレクトロニクス素子、有機光電変換素子等の正孔注入剤として用いる場合、10−8S/cm〜10−3S/cmであることがより好ましく、より好ましくは、10−7〜10−4S/cmである。
本発明の組成物を乾燥させて得られる導電性を有する膜については、特に限定するものではないが、例えば、有機電子阻止の正孔注入材料、又は正孔輸送材料として用いることが可能である。そのため、当該導電性を有する膜については、特に限定するものではないが、例えば、有機エレクトロルミネセンス素子又は有機光電変換素子のいずれかの有機電子素子に包含されて用いられることが好ましい。
以下に本発明に関する実施例を示す。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600
装置:三菱化学社製ハイレスタUX MCP−HT8000
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT
[導電性高分子の導電率測定]
本発明の導電性高分子含有インク約0.4mlを縦横それぞれ33mm角の無アルカリガラス板に塗布後、MIKASA製スピンコーターMS−A150を用いて成膜した(条件=1000rpm(20秒))。その後、ホットプレート上で200℃にて20分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[表面張力測定]
装置:毛管上昇方式表面張力計DG−1(表面側器製)
[平滑性評価]
イソプロパノール洗浄、O洗浄した縦横それぞれ33mm角のガラス基板に、導電性高分子含有組成物(インク)を塗布後、1000rpm(20秒)でスピンコートし(MIKASA製スピンコーターMS−A150使用)、得られた数十nmの薄膜の状態(不均一性、又は凹凸の有無)を目視により観察した。
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 Prime
[ポリアクリル酸系水溶性樹脂のGPC測定]
装置 :ビルドアップGPCシステム
カラム:TSKgel GMPWXL(7.8mmID×30cm)×2本
検出器:RI検出器
溶離液:0.2M−リン酸緩衝液(pH=7.0)/アセトニトリル=9/1
流速 :1.0ml/min
濃度 :0.05wt%
注入量:100μl
カラム温度:40℃
合成例1.
3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム[下記式(5)で表される化合物]の合成.
窒素雰囲気下、1000mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 4.4g(109mmol)、トルエン 400mlを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 15.2g(88.4ml)を添加した。その後、反応液を還流温度に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、2,4−ブタンスルトン 12.1g(89mmol)とトルエン 100mlとからなる混合液を滴下し、同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 1500mlに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過し、真空乾燥させることで18.0gの淡黄色粉末を収率62%で得た。NMR測定から、これが下記式(5)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
Figure 2020026490
1H−NMR(DO)δ(ppm);6.67(s,2H),4.54−4.60(m,1H),4.45(dd,1H,J=12.0,2.2Hz),4.26(dd,1H,J=12.0,6.8Hz),3.90−3.81(m,4H),3.10−3.18(m,1H),2.30−2.47(m,1H),1.77−1.92(m,1H),1.45(d,3H)
13C−NMR(DO)δ(ppm);14.91,31.22,53.13,66.18,69.18,73.29,73.36,100.81,100.94,140.88,141.06。
合成例2.
ポリチオフェン(A)[下記式(6)及び下記式(7)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
500mlセパラブルフラスコに、合成例1に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水 150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III) 2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム 14.5g(60.4mmol)と水 100gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。
次に、この粗ポリマー 14.5gに水を加え1重量%溶液に調製した水溶液 1450gを、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型) 350mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型のポリマー水溶液を1550g得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(分画分子量=10,000、透過倍率=20)により精製することにより下記式(6)及び式(7)で表される構造単位を含む重合体(ポリチオフェン(A))の濃群青色水溶液 579gを得た。
ポリチオフェン(A)水溶液に含まれるポリマー量は1.51重量%であった。又、鉄イオン、及びナトリウムイオンを、各々44ppm、及び12ppm(対ポリマー)含有していた。本ポリマー水溶液を用いて薄膜を作成し、導電率を測定したところ、230S/cmであった。
Figure 2020026490
Figure 2020026490
合成例3(スチレンスルホン酸/メタクリル酸共重合体(モル比 10/90)の合成)
300mlナス型フラスコに、スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー・ファインケム製、純分=88.2wt%) 2.50g(10.7mmol)、メタクリル酸ナトリウム 10.5g(97.2mmol)及び水 142gを加えたのち、窒素雰囲気下、均一になるまで室温下撹拌した。その後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩 59mg(0.21mmol)を加え、80℃で20時間撹拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 2Lに再沈させた。濾過・乾燥の後、12.5gのポリスチレン酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウム共重合体(モル比 10/90)を得た。GPC測定の結果、共重合体の重量平均分子量は170,000(Mw/Mn=1.8)であった。
得られた共重合体を水で希釈後、イオン交換樹脂Lewatit S108H 120mlに通液しイオン交換することにより、スチレンスルホン酸/メタクリル酸共重合体(モル比 10/90) (共重合体Aと略す)を2.7wt%の水溶液として298g得た(収率=76%,粘度=8.3mPa・s(20℃))。
合成例4(スチレンスルホン酸/メタクリル酸共重合体(モル比 25/75)の合成)
スチレンスルホン酸ナトリウム、及びメタクリル酸ナトリウムを各々6.57g(28.1mmol)、9.10g(84.2mmol)に変更した以外は合成例3と同様な操作を行い15.5gのスチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウム共重合体(モル比 25/75)を得た。GPC測定の結果、共重合体の重量平均分子量は220,000(Mw/Mn=2.0)であった。
合成例3と同様にイオン交換処理を行うことによりスチレンスルホン酸/メタクリル酸共重合体(モル比 25/75) (共重合体Bと略す)を2.5wt%の水溶液として301g得た(収率=77%,粘度=9.3mPa・s(20℃)。
実施例1.
30mlサンプル瓶に、20重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 1.52g、プロピレングリコール n−プロピルエーテル 2.00g、ジメチルアセトアミド 11.49g、及びエチレングリコール 4.44gを加えて均一溶液(溶液−1)を得た。その均一溶液 19.45gに、合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(6)及び前記式(7)で表される構造単位を含む重合体][導電率230S/cm]を1.51重量%含む水溶液 0.57gを加えて一晩室温にて撹拌し、導電性高分子含有インク(HIM01)を得た。得られたHIM01中のポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、エチレングリコール(C)、プロピレングリコール n−プロピルエーテル(D)、及びジメチルアセトアミド(E)の各濃度は、各々、0.043重量%、1.5重量%、22.1重量%、10.0重量%、及び57.5重量%であった。
HIM01の粘度、表面張力は、各々、11.3mPa・s、35mN/mであった。
実施例2
エチレングリコールをプロピレングリコールに変えた以外は実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子含有インクHIM02を得た。HIM02の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例3
プロピレングリコール n−プロピルエーテルをエチレングリコール n−ブチルエーテルに変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子含有インクHIM03を得た。HIM03の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例4
30mlサンプル瓶に、20重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 1.52g、エチレングリコール n−ブチルエーテル 2.00g、ジメチルアセトアミド 14.93g、及びプロピレングリコール 1.00gを加えて均一溶液(溶液−1)を得た。その均一溶液 19.45gに、合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(6)又は前記式(7)で表される構造単位を含む重合体][導電率230S/cm]を1.51重量%含む水溶液 0.57gを加えて一晩室温にて撹拌し、導電性高分子含有インク(HIM04)を得た。得られたHIM04中のポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、プロピレングリコール(C)、エチレングリコール n−ブチルエーテル(D)、及びジメチルアセトアミド(E)の各濃度は、各々、0.043重量%、1.5重量%、5.0重量%、10.0重量%、及び74.6重量%であった。
HIM04の粘度、表面張力は、各々、6.7mPa・s、37mN/mであった。
実施例5
エチレングリコール n−ブチルエーテル、プロピレングリコールの量を、それぞれ、1.00g、2.00gに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い、導電性高分子含有インクHIM5を得た。HIM05の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例6
エチレングリコール n−ブチルエーテル 2.0gをプロピレングリコール n−ブチルエーテル 1.0gに変更し、プロピレングリコールの量を1.0gから2.0gに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い、導電性高分子含有インクHIM06を得た。HIM06の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例7
エチレングリコール n−ブチルエーテル 2.0gをジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル 1.0gに変更し、プロピレングリコールの量を1.0gから2.0g、及びジメチルアセトアミドをジエチルアセトアミドに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い、導電性高分子含有インクHIM07を得た。HIM07の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例8
ジメチルアセトアミドをジエチルアセトアミドに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い、導電性ポリマー含有インクHIM08を得た。HIM08の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例9
エチレングリコール n−ブチルエーテル 2.0gを1.0gに変更し、ジメチルアセトアミド 14.93gをジエチルアセトアミド 15.93gに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い、導電性高分子含有インクHIM09を得た。HIM09の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例10
20重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液 1.52gを20重量%のポリアクリル酸(分子量100,000)水溶液 1.51gに変更し、又、プロピレングリコールをエチレングリコールに変更し、エチレングリコール モノn−ブチルエーテルをプロピレングリコール n−ブチルエーテルに変更し、ジメチルアセトアミドをジエチルアセトアミドに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い導電性高分子含有インクHIM10を得た。HIM10の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例11
20重量%のポリアクリル酸(分子量100,000)水溶液50gを減圧濃縮することにより、30.0重量%のポリアクリル酸水溶液 33.2gを得た。実施例10中の20重量%ポリアクリル酸(分子量100,000)水溶液 1.51gを上記で得られた30.0重量のポリアクリル酸(分子量100,000)水溶液 1.00gに変更した以外は実施例10と同様な操作を行い導電性高分子インクHIM11を得た。HIM11の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例12
ポリチオフェン(A)[前記式(6)又は前記式(7)で表される構造単位を含む重合体][導電率230S/cm]を1.51重量%含む水溶液 0.57gを0.67gに変更し、ジメチルアセトアミドをジエチルアセトアミドに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い導電性高分子インクHIM12を得た。HIM12の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例13
ポリチオフェン(A)[前記式(6)又は前記式(7)で表される構造単位を含む重合体][導電率230S/cm]を1.51重量%含む水溶液 0.57gを0.80gに変更し、ジメチルアセトアミドをジエチルアセトアミドに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い導電性高分子インクHIM13を得た。HIM13の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例14
合成例3で得られた2.7重量%の共重合体Aを含む水溶液 250gを減圧濃縮することにより、15.0重量%の共重合体Aを含む水溶液を粘調水溶液として45.1g得た。
20重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液1.52gを上記で得られた15.0重量%の共重合体Aを含む水溶液 1.52gに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い導電性高分子インクHIM14を得た。HIM14の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
実施例15
合成例4で得られた2.5重量%の共重合体Bを含む水溶液 250gを減圧濃縮することにより、15.0重量%の共重合体Bを含む水溶液を粘調水溶液として得た。
20重量%のポリアクリル酸(分子量250,000)水溶液1.52gを上記で得られた15.0重量%の共重合体Bを含む水溶液 1.52gに変更した以外は実施例4と同様な操作を行い導電性高分子インクHIM15を得た。HIM15の粘度、表面張力の測定結果を表1に示す。
Figure 2020026490
実施例16(平滑性、膜厚及び導電率測定)
実施例1で調製した導電性高分子含有インクHIM01について、平滑性評価及び導電性高分子の導電性測定を行った。
その結果、表2に示すように得られた薄膜の平滑性は良好(表中“○”で表現した)であり、導電率は6.7×10−6S/cmを示した。
実施例17〜30(平滑性、膜厚及び導電率測定)
実施例2〜15で調製した導電性高分子含有インクHIM02〜15について、平滑性評価及び導電性高分子の導電性測定を行った。結果を表2に示す。なお、平滑性評価の結果はいずれも良好であった。
Figure 2020026490
比較例1
エチレングリコール モノn−ブチルエーテルをエタノールに変更した以外は実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子含有インク(REF01)を得た。得られたREF01中のポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、プロピレングリコール、エタノール、及びジメチルアセトアミドの各濃度は、各々、0.043重量%、1.5重量%、22.2重量%、10.0重量%、及び57.6重量%であった。
REF01の粘度、表面張力は、各々、7.7mPa・s、32mN/mであった。しかし、REF01から得られるスピンコート膜には凹凸が見られ平滑性はなかった。
比較例2〜3
エチレングリコール モノn−ブチルエーテルをプロピレングリコール モノメチルエーテル又はジエチレングリコール モノメチルエーテルに変更して実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子含有インク(REF02、及び03)を得た。
REF02の粘度、表面張力は、各々、12.7mPa・s、33mN/m、REF03の粘度、表面張力は、各々、13.0mPa・s、33mPa・sであった。しかし、比較例1と同様、REF02及び03共にスピンコート膜の平滑性はなかった。
実施例31.(素子の作製と評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行った。
実施例1で調製した導電性高分子含有インクHIM01を孔径0.4μmのフィルターでろ過し、スピンコート法(700rpm、20秒)によって塗布し、200℃で30分間乾燥した。その結果、63nmの正孔注入層が成膜された。
次に、真空蒸着装置へ設置後、装置内が1.0×10−4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。続いて、正孔輸送層用材料であるN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜し、正孔輸送層を形成した。更に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜し、発光層兼電子輸送層を形成した。
引き続き、陰極としてLiFを1nm、アルミニウムを100nm成膜して金属電極を形成した。なお、それぞれの膜厚は触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。
更に、窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。
このように作製した素子に10mA/cmの電流を印加し、駆動電圧を測定した。また、一定電流印加して初期輝度を1000cd/mとし、輝度が初期輝度の70%まで低下した時間をLT70として評価した。なお、LT70の値が大きい程、耐久性が良好であることを意味する。評価結果を表3に示した。
実施例32〜45(素子の作製と評価)
実施例31において、導電性高分子含有インクHIM01の代わりに実施例2〜15で調製したHIM02〜15を用いた他は、実施例31と同様に有機EL素子を作製して、その駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表3に示した。
比較例4.(素子の作製と評価)
実施例31において、導電性高分子含有インクHIM01の代わりに、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製Clevios P VP AI4083)を用いた他は、実施例31と同様に素子を作製して駆動電圧およびLT70を測定した。評価結果を表3に示した。
なお、実施例31〜実施例45における測定結果については、比較例4の測定値を100として規格化して表示した。駆動電圧は発光に必要な電圧を表し、低ければ低いほど産業利用上優れる。LT70は発光素子寿命を表し、高ければ高いほど長寿命で産業利用上優れる。
Figure 2020026490
実施例46(インクジェットプリンターを用いた吐出性検討)
上記で調製した各導電性高分子含有インク(HIM01〜15)について、それぞれ、ジエチルアセトアミドを添加して、固形分濃度(成分(A)及び成分(B)の合計濃度)が1.2重量%になるように希釈し、インクジェット用組成物を取得した。富士フィルム Dimatix社製インクジェットプリンターDMP−2831を用い、以下の吐出検討を行った。
吐出検討は、打滴量=10plのヘッドカートリッジを用い、上記の各インクジェット用組成物を15分間連続吐出した際の状態を観察した。その結果、全てのインクジェット用組成物において、吐出中の不吐出、又は吐出乱れなど観察されることなく連続吐出が可能であることを確認した。
又、休止後の吐出安定性の評価も行った。休止後の吐出安定性の評価は、上記条件下、5分吐出を行い、一晩休止後、再び同条件で吐出を開始した際の状態を観察した。その結果、全てのインクジェット用組成物において、打滴指示と同時に問題なく吐出が可能であることを確認した。
本発明の導電性高分子含有インクは、良好な正孔輸送性(注入性)と耐久性を有する高分子膜を形成可能であり、それらを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、有機光電変換素子は素子寿命が改善された耐久性のある素子が作製可能である。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子においては、蛍光発光性の有機EL素子だけでなく、消費電力の少ない燐光発光性の有機EL素子も提供することができる。
この導電性高分子含有インクは、ガラスや金属などの基材以外にも、高分子基材への濡れ性が良く、ハジキや斑なく塗布が可能である。従って、各種基材への導電性コーティング剤(帯電防止剤)、固体電解コンデンサの固体電解質(陰極材料)などに使用できる。またこの導電性高分子膜で被覆された高分子基材からなる被覆物品は、帯電防止フィルム、固体電解コンデンサの固体電解質、巻回型アルミ電解コンデンサ用のセパレータへの利用が可能である。その他、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、熱電変換材料、化学センサ、アクチュエータ、電磁波シールド材、有機ELや太陽電池等の電極材料であるITO等の金属酸化物の表面コーティング材等への応用も期待できる。

Claims (16)

  1. 下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)、ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)、グリコール(C)、下記一般式(3)で表されるグリコールエーテル(D)、及び非プロトン性極性溶媒(E)を含む組成物であって、(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量が、各々、0.005〜1.0重量%、0.1〜10重量%、0.01〜30重量%、及び0.01〜30重量%であり、尚且つ(C)、(D)及び(E)の合計が60〜99重量%であることを特徴とする組成物。
    Figure 2020026490
    [式(1)において、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1〜10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
    Figure 2020026490
    (式中、Rは、炭素数3〜6の直鎖又は分岐アルキル基を表す。R及びRは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。pは1又は2を表す。)
  2. (C)、(D)及び(E)の合計が70〜98重量%であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. (C)、(D)及び(E)の合計が80〜98重量%であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  4. ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)を、ポリチオフェン(A)1重量部に対して、5〜40重量部含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の組成物。
  5. グリコール(C)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の組成物。
  6. グリコール(C)の含有量が0.1〜15重量%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. グリコールエーテル(D)が、エチレングリコール モノn−プロピルエーテル、エチレングリコール モノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、プロピレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコール モノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコール モノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール モノn−プロピルエーテル、又はジプロピレングリコール モノn−ブチルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の組成物。
  8. グリコールエーテル(D)の含有量が0.1〜15重量%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の組成物。
  9. 非プロトン性極性溶媒(E)が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、及びN−エチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の組成物。
  10. ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(アクリル酸―スチレンスルホン酸)共重合体、又はポリ(メタクリル酸―スチレンスルホン酸)共重合体であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の組成物。
  11. ポリアクリル酸系水溶性樹脂(B)の重量平均分子量が1千〜50万であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の組成物。
  12. さらに水を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の組成物。
  13. 20℃での粘度が20mPa・s以下であり、尚且つ表面張力が20〜40mN/mであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の組成物。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の組成物からなる導電性高分子含有インク。
  15. 請求項1乃至13のいずれかに記載の組成物を塗布した後、乾燥させることを特徴とする膜の製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法で得られた膜を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネセンス素子又は有機光電変換素子のいずれかの有機電子素子。
JP2018152364A 2018-08-13 2018-08-13 導電性高分子含有インク及びその用途 Active JP7159688B2 (ja)

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