JP2020024202A - 分析用具及び洗浄方法 - Google Patents

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Ryosuke Takahashi
良輔 高橋
延彦 乾
Nobuhiko Inui
延彦 乾
隆昌 河野
Takamasa Kono
隆昌 河野
一彦 今村
Kazuhiko Imamura
一彦 今村
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Abstract

【課題】目的物質の回収率を高めることができる、分析用具を提供する。【解決手段】流体が送液される流路2と、流路2aの途中に設けられており、固相抽出法により目的物質を回収及び洗浄するための固相担体6が充填された回収部3と、を備え、流路2が、回収部3の上流側に連ねられている第1の流路2aと、回収部3の下流側に連ねられている第2の流路2bと、を有し、回収部3の平面形状が略円であり、平面視において、第1の流路2aの幅をW1とし、第2の流路2bの幅をW2とし、回収部3の形状が円状である場合は回収部3の直径、又は回収部3の形状が楕円状である場合には(長径+短径)/2をφとしたときに、比φ/W1及び比φ/W2が、それぞれ、1.5以上、6以下の範囲にある、分析用具1。【選択図】図1

Description

本発明は、分析用具及び該分析用具を用いた目的物質の洗浄方法に関する。
従来、流体が送液されるマイクロ流路が設けられた分析用具が種々提案されている。この種の分析用具は、核酸や酵素などの生体物質の分析や無機イオンの分析等に用いられている。このような生化学的及び化学的分析に用いられる核酸などの目的物質は、担持体に担持することによって分離して回収されることがある。
具体的には、固相抽出法では、固相担体が充填された回収部において核酸などの目的物質が担持される。回収部の固相担体に担持された目的物質は、洗浄液で洗浄される。そして、回収液により目的物質が分離され、回収される。特許文献1では、このような回収部としての固相抽出カラムに上下方向から流体が送液され、洗浄及び回収が行われている。
特開2011−158450号公報
しかしながら、特許文献1のような固相抽出法を用いた分析用具では、回収部に液残りが生じることがあった。また、核酸などの目的物質の乾燥が不十分となることがあった。そのため、目的物質の回収率を十分に高めることが困難であった。
本発明の目的は、目的物質の回収率を高めることができる、分析用具及び該分析用具を用いた洗浄方法を提供することにある。
本発明に係る分析用具は、流体が送液される流路と、前記流路の途中に設けられており、固相抽出法により目的物質を回収及び洗浄するための固相担体が充填された回収部と、を備え、前記流路が、前記回収部の上流側に連ねられている第1の流路と、前記回収部の下流側に連ねられている第2の流路と、を有し、前記回収部の平面形状が略円であり、平面視において、前記第1の流路の幅をW1とし、前記第2の流路の幅をW2とし、前記回収部の形状が円状である場合は前記回収部の直径、又は前記回収部の形状が楕円状である場合には(長径+短径)/2をφとしたときに、比φ/W1及び比φ/W2が、それぞれ、1.5以上、6以下の範囲にある。
本発明に係る分析用具のある特定の局面では、平面視において、前記第1の流路が延びる方向に沿う延長線と前記第2の流路が延びる方向に沿う延長線との交点が、前記回収部の重心と重なるように位置している。
本発明に係る分析用具の他の特定の局面では、凹部を有する基板と、前記基板上に設けられており、前記基板の前記凹部を閉成しているカバー部材と、を備え、前記基板の前記凹部が前記カバー部材によって閉成されることにより、前記回収部が構成されている。
本発明に係る分析用具のさらに他の特定の局面では、前記第1の流路、前記第2の流路、及び前記回収部が、前記カバー部材に面するように配置されている。
本発明に係る分析用具のさらに他の特定の局面では、前記第1の流路、前記第2の流路、及び前記回収部の深さが等しくされている。
本発明に係る分析用具のさらに他の特定の局面では、前記カバー部材が樹脂フィルムにより構成されている。前記樹脂フィルムの厚みが200μm以下であることが好ましい。
本発明に係る分析用具のさらに他の特定の局面では、前記目的物質が、核酸である。
本発明に係る分析用具のさらに他の特定の局面では、前記固相担体が、ガラスファイバー又はシリカモノリスである。
本発明の洗浄方法は、本発明に従って構成される分析用具を用いた前記目的物質の洗浄方法であって、前記目的物質を含む液体を前記第1の流路から前記回収部に送液し、前記目的物質を前記固相担体に担持させる工程と、洗浄液を前記第1の流路から前記回収部に送液し、前記固相担体に担持された前記目的物質を洗浄する工程と、前記回収部を加熱することにより、前記目的物質を乾燥させる工程と、を備える。
本発明の洗浄方法のある特定の局面では、前記分析用具が、凹部を有する基板と、前記基板上に設けられており、前記基板の前記凹部を閉成しているカバー部材と、を備え、前記基板の前記凹部が前記カバー部材によって閉成されることにより、前記回収部が構成されており、前記回収部の前記加熱を前記カバー部材側から行なう。
本発明によれば、目的物質の回収率を高めることができる、分析用具及び該分析用具を用いた洗浄方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る分析用具の要部を示す模式的平面図である。 図1中のA−A線及びB−B線に沿う部分の模式的断面図である。 第1の流路が延びる方向に沿う延長線と第2の流路が延びる方向に沿う延長線との交点と、回収部の重心との関係を説明するための模式的平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る分析用具の要部を示す模式的平面図である。 図4中のC−C線に沿う部分の模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
[分析用具]
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る分析用具の要部を示す模式的平面図である。図2は、図1中のA−A線及びB−B線に沿う部分の模式的断面図である。なお、図2の左側部分が図1のA−A線に沿う部分を示している。図2の右側部分が図1のB−B線に沿う部分を示している。また、図1では、分析用具1内を破線で示している。
図1に示すように、分析用具1は、流体が送液される流路2が設けられたマイクロチップである。流路2の途中には、回収部3が設けられている。回収部3には、固相抽出法により目的物質を回収及び洗浄するための固相担体6が充填されている。なお、目的物質としては、例えば、核酸、農薬等が挙げられる。
分析用具1は、特に限定されないが、本実施形態では、図2に示すように、板状の基板4と、カバー部材5とを有する。基板4は、対向し合う第1の主面4a及び第2の主面4bを有する。基板4の第1の主面4a側には、凹部4cが設けられている。凹部4cは、第1の主面4a側に開口するように設けられている。
基板4を構成する材料は、特に限定されず、例えば、合成樹脂、ゴム、金属などを用いることができる。合成樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。なかでも、熱可塑性樹脂としては、例えば、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、又はポリプロピレンなどを用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
基板4は、上記熱可塑性樹脂の成型体からなることが好ましい。成型方法としては、特に限定されず、公知の成型方法を用いることができる。成型方法としては、例えば、射出成型、射出圧縮成型、ガスアシスト法射出成型、押し出し成型、多層押し出し成型、回転成形、熱プレス成型、ブロー成形、又は発泡成形などの方法が挙げられる。なかでも、射出成型であることが好ましい。
基板4は、複数枚の合成樹脂のシートを積層することにより形成されていてもよい。基板4は、ベースシートと、ベースシート上に設けられた貫通孔を有する基板本体とにより構成されていてもよい。
基板4の第1の主面4a上には、カバー部材5が設けられている。カバー部材5は、基板4の凹部4cを閉成するように設けられている。カバー部材5が、基板4の凹部4cを閉成することにより、回収部3が構成されている。なお、本実施形態では、第1の流路2a及び第2の流路2bも同様にカバー部材5が基板4の凹部を閉成することにより構成されている。
カバー部材5は、例えば、樹脂フィルムなどの可撓性を有する材料により構成することができる。樹脂フィルムとしては、例えば、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、又はポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、カバー部材5は、弾性部材により構成されていてもよい。弾性部材としては、特に限定されないが、エラストマーであることが好ましい。なお、本発明において、基板4とカバー部材5とは、一体的に構成されていてもよい。
カバー部材5を基板4の第1の主面4aに貼り合わせる方法は、特に限定されず、公知のラミネート方法を用いることができる。ラミネート方法としては、例えば、プレス圧着、ロールラミネートなどの方法が挙げられる。なお、ラミネート条件は、特に限定されないが、例えば、50℃以下の温度でラミネートすることが好ましい。また、10MPa以下の圧力でラミネートすることが好ましい。このような条件でラミネートすることにより、流路2へのカバー部材5の埋め込みをより一層生じ難くすることができる。
基板4内には、流体が送液される流路2が設けられている。ここでは、流路2がマイクロ流路である。流路2は、マイクロ流路ではなく、マイクロ流路よりも断面積の大きな流路であってもよい。もっとも、マイクロ流路であることが好ましい。それによって、微量の試料により、様々な分析を行うことができる。
マイクロ流路の横断面形状及び大きさは、特に限定はされない。例えば、マイクロ流路に流体を流す際、ポンプや重力を用いる場合には、流路抵抗を低下させる観点から、マイクロ流路の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。分析用具1を用いたマイクロ流体デバイスのより一層の小型化の観点より、小さい方の辺の寸法で、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
また、マイクロ流路の横断面形状がおおむね円形の場合には、直径(楕円の場合には、短径)が、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。上記マイクロ流体デバイスのより一層の小型化の観点より、直径(楕円の場合には、短径)は、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
一方、例えば、マイクロ流路に流体を流す際、毛細管現象を有効に活用する場合には、マイクロ流路の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、小さい方の辺の寸法で、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、流路2の途中には、上述の回収部3が設けられている。また、流路2は、第1の流路2aと、第2の流路2bとを有する。
第1の流路2aは、回収部3より、上流側に設けられている上流側マイクロ流路である。第1の流路2aの一端は、回収部3に接続されている。一方、第1の流路2aの他端が設けられている入口側から、流体やガスを流入させることができる。なお、複数の流体やガスを回収部3に流入させる場合は、全て同じ入口から流入してもよく、流入する流体やガスごとに個別の入口や第1の流路2aが設けられていてもよい。
第2の流路2bは、回収部3より、下流側に設けられている下流側マイクロ流路である。第2の流路2bの一端は、回収部3に接続されている。第2の流路2bの下流側に設けられている他端から、流体やガスを他の部位に送り出すことができる。なお、第1の流路2aと、第2の流路2b以外に必要に応じてその他の流路が接続されていてもよい。また、流路2の形状としては、特に限定されず、目的の検査、反応に合わせて流路、混合・反応部等を配置することができる。
本実施形態では、回収部3に目的物質を担持するための固相担体6が充填されている。このような固相担体6としては、特に限定されないが、例えば、ガラスファイバー、シリカモノリス、セルロースファイバー等を用いることができる。固相担体6は、好ましくは、ガラスファイバー又はシリカモノリスである。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。固相担体6は、例えば、回収部3と同一の形に打ち抜き、充填することができる。
固相担体6の保持粒子径は、1μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましく、また、0.1μm以上が好ましい。固相担体6の保持粒子径が上記上限以下であると、目的物質の回収率をより効果的に高めることができる。また、固相担体6の保持粒子径が上記上限以下であると、回収部3への洗浄液等の送液をより円滑に行うことができる。なお、固相担体6の保持粒子径は、JIS Z 8901で規定された7種粉体の分散水を自然濾過したときに、90%以上を保持できる粒子径をいう。
図1に示すように、本実施形態では、回収部3の平面形状が略円である。回収部3の平面形状は、略真円であってもよく、略楕円であってもよい。また、本実施形態においては、比φ/W1及び比φ/W2が、それぞれ、1.5以上、6以下の範囲にある。なお、W1は、第1の流路2aの幅である。W2は、第2の流路2bの幅である。φは、回収部3の形状が円状である場合は、回収部3の直径である。また、φは、回収部3の形状が楕円状である場合には、(長径+短径)/2である。
本実施形態では、比φ/W1及び比φ/W2がそれぞれ上記範囲内にあるので、後述する洗浄液等の液残りを生じ難くすることができ、目的物質の回収率を高めることができる。
比φ/W1が上記上限を超える場合、洗浄液等が固相担体6全体を満たしきれなくなるため、目的物質の回収率が悪くなることがある。また、比φ/W1が上記下限よりも小さい場合、固相担体への目的物質の吸着量が不足し、回収率が悪くなることがある。
比φ/W2が上記上限を超える場合、洗浄液等を送液しにくくなることがある。また、比φ/W2が上記下限よりも小さい場合、固相担体6への液残りが多くなるため、回収率が悪くなることがある。
目的物質の回収率をより一層高める観点から、比φ/W1及び比φ/W2は、それぞれ、好ましくは2以上、好ましくは5以下である。
なお、W1は、例えば、0.15mm以上、5mm以下とすることができる。W2は、例えば、0.15mm以上、5mm以下とすることができる。φは、例えば、1mm以上、10mm以下とすることができる。
図2に示すように、本実施形態では、第1の流路2a、第2の流路2b、及び回収部3が、カバー部材5に面するように配置されている。そのため、ヒータなどによりカバー部材5側から加熱することにより、目的物質をより一層十分に乾燥することができる。そのため、目的物質の回収率をより一層高めることができる。なお、本発明においては、必ずしも第1の流路2a、第2の流路2b、及び回収部3が、カバー部材5に面するように配置されていなくてもよい。
また、本発明においては、第1の流路2aの深さD1、第2の流路2bの深さD2、及び回収部3の深さD3は等しくされていることが好ましい。この場合、洗浄液等を液残りなく送液できるため、目的物質の回収率をより一層高めることができる。もっとも、第1の流路2aの深さD1、第2の流路2bの深さD2、及び回収部3の深さD3は等しくされていなくてもよく、特に限定されない。
第1の流路2a、第2の流路2b、回収部3の深さは、特に限定されないが、それぞれ、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.7mm以下である。第1の流路2a、第2の流路2b、回収部3の深さの下限は、特に限定されないが、それぞれ、例えば、0.1mmとすることができる。
本発明においては、カバー部材5の厚みが、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。カバー部材5の厚みが上記上限以下である場合、ヒータなどによりカバー部材5側から加熱することにより、目的物質をより一層確実に乾燥することができる。なお、カバー部材5の厚みの下限は、例えば、50μmとすることができる。カバー部材5の厚みが上記下限以上である場合、カバー部材5をより一層破れ難くすることができ、試薬が外部に流出することをより一層抑制することができる。
本発明においては、図3に示すように、平面視において、第1の流路2aが延びる方向に沿う延長線X1と第2の流路2bが延びる方向に沿う延長線X2との交点Pが、回収部3の重心Gと重なるように位置していることが好ましい。この場合、洗浄液の液残りをより一層生じ難くし、目的物質の回収率をより一層高めることができる。
なお、第1の流路2aが延びる方向に沿う延長線X1は、第1の流路2aの幅方向中心を通っている。第2の流路2bが延びる方向に沿う延長線X2は、第2の流路2bの幅方向中心を通っている。
また、本発明において、例えば、回収部3に送液される液体は、分析用具1の内部又は外部に設けられた送液手段により送液することができる。送液手段としては、特に限定されず、例えば、マイクロポンプが挙げられる。具体的には、マイクロポンプを用いて、第1の流路2aに液体や空気、又は所定のガスを送り込むことにより、回収部3側へ液体を送液する手段が挙げられる。この場合、マイクロポンプは、分析用具1の内部に設けられていてもよいし、分析用具1の外部に設けられていてもよい。このような手段により、液体が回収部3に送液される。
また、他の送液手段としては、第1の流路2aより上流側に連結された空間に配置されたガス発生部材が挙げられる。ガス発生部材とは、光や熱等の外力によりガスを発生する部材である。ガス発生部材に所定のタイミングで外力を加えることによりガスを発生させ、第1の流路2aにガスを送り込むことができる。それによって、第1の流路2aから回収部3側へ液体を送液することができる。ガス発生部材としては、例えば、ガス発生テープが挙げられる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る分析用具の要部を示す模式的平面図である。図5は、図4中のC−C線に沿う部分の模式的断面図である。なお、図4では、分析用具21内を破線で示している。
第1の実施形態では、第1の流路2aが延びる方向と、第2の流路2bが延びる方向が異なる方向であったのに対し、第2の実施形態の分析用具21では、第1の流路2aが延びる方向と、第2の流路2bが延びる方向が同じ方向とされている。第1の流路2aの深さD1、第2の流路2bの深さD2、及び回収部3の深さD3は等しくされている。また、第1の流路2aの幅W1と、第2の流路2bの幅W2とが等しくされている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態の分析用具21においても、図1に示す比φ/W1及び比φ/W2がそれぞれ上記範囲内にあるので、洗浄液等の液残りを生じ難くすることができ、目的物質の回収率を高めることができる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態で示すように、第1の流路2aが延びる方向と、第2の流路2bが延びる方向は、同じ方向であってもよく、異なる方向であってもよい。もっとも、平面視において、第1の流路2aが延びる方向に沿う延長線と第2の流路2bが延びる方向に沿う延長線との交点が、回収部3の重心と重なるように位置していることが好ましい。その場合、洗浄液の液残りをより一層生じ難くし、目的物質の回収率をより一層高めることができる。
[洗浄方法]
以下、上述の分析用具1を用いた目的物質の洗浄方法の一例について説明する。
本実施形態の洗浄方法では、まず、目的物質を含む液体を第1の流路2aから回収部3に送液する。それによって、目的物質を固相担体6に担持させる。次に、洗浄液を第1の流路2aから回収部3に送液する。それによって、固相担体6に担持されている目的物質を洗浄する。次に、回収部3を加熱することにより、目的物質を乾燥させる。
なお、乾燥後の目的物質は、回収液を第1の流路2aから回収部3に送液することにより、回収することができる。
目的物質を含む液体、洗浄液、及び回収液は、それぞれ、上述の送液手段によって、送液することができる。
このように、本実施形態の洗浄方法では、分析用具1を用いるので、洗浄液などの液残りが生じ難い。そのため、目的物質の回収率を高めることができる。
また、回収部3の加熱に際しては、ヒータやペルチェ素子などにより加熱することができる。この際、カバー部材5側から回収部3を加熱することが望ましい。その場合、目的物質をより一層確実に乾燥させることができ、目的物質の回収率をさらに一層高めることができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜52,比較例1〜18)
実施例1〜52,比較例1〜18では、以下のようにして図1及び図2に示す分析用具1を作製した。なお、第1の流路2aの幅W1及び深さD1、第2の流路2bの幅W2及び深さD2、並びに回収部3の直径φ及び深さD3は、下記の表1〜表4に示す通りであり、図1及び図2とは異なっている場合があるものとする。
基板4を構成する材料として、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア1060R」)を用い、これを射出成形することにより、凹部4cを有する基板4を作製した。また、カバー部材5には、封止テープ(日本ゼオン社製、商品名「ZF14−188」)を用い、封止テープで基板4の凹部4cを閉成することにより分析用具1を作製した。なお、実施例43では、カバー部材5として、封止テープ(日本ゼオン社製、商品名「ZF14−100」)を用い、実施例44では、封止テープ(日本ゼオン社製、商品名「ZF14−060」)を用いた。
なお、平面視において、第1の流路2aが延びる方向に沿う延長線X1と第2の流路2bが延びる方向に沿う延長線X2との交点Pが、回収部3の重心Gと重なっていた。
また、回収部3の平面形状は円であり、回収部3の直径φ及び深さD3、及び固相担体6の材質は下記の表1〜表4に示す通りである。なお、ガラスファイバーは、GA200(ワットマン社製、保持粒子径0.8μm)、GA201(ワットマン社製、保持粒子径0.6μm)、GB140(ワットマン社製、保持粒子径0.4μm)、GD121(ワットマン社製、保持粒子径0.6μm)、QM−A(ワットマン社製、保持粒子径2.2μm)を用いた。シリカモノリスは、MonoFas(登録商標)DNA精製キットI用スピンカラム中モノリス(ジーエルサイエンス社製)を用いた。また、セルロースファイバーは、ペーパーディスク(アドバンテック社製)を用いた。
第1の流路2aの幅W1、深さ及びφ/W1、並びに第2の流路2bの幅W2、深さ及びφ/W2は下記の表1〜表4に示す通りである。
また、目的物質は、下記の表1〜表4に示すものを用いた。
回収率の測定;
実施例1〜52及び比較例1〜18では、以下のようにして回収率を測定した。
まず、第1のマイクロポンプによりガスを発生させ、目的物質である核酸を含む液体(グアニジン塩酸塩を含む水溶液)の後方から、ガスを付与した。ガスを付与することで目的物質を含む液体を第1の流路2aから回収部3へ押圧することにより、目的物質を、回収部3の固相担体6に担持させた。
目的物質を含む液体の送液後に、第2のマイクロポンプによりガスを発生させ、洗浄液(エタノール70%水溶液)の後方から、ガスを付与した。ガスを付与することで洗浄液を押圧することにより、回収部3に担持された目的物質を洗浄した。続いて、基板4のカバー部材5側にヒータを接触させ、100℃、5分の条件で洗浄液を乾燥させた。
次に、第3のマイクロポンプによりガスを発生させ、回収液(水)の後方から、ガスを付与した。回収液の後方からガスを付与し回収液を押圧することにより、回収液を回収部3に送液し、回収部3に担持された目的物質を分離し回収した。
次に、回収された目的物質を、PCRを行うための複数の温度域(95℃、55℃、72℃)の間で、加熱及び冷却を行った。それによって、PCR反応により、核酸を増幅した。核酸を増幅させたのち、増幅された核酸をQプローブを用いた方法により検出した。得られた増幅曲線から解析手法としてCrossing Point法を用いて、Ct値を算出した。また、既知の濃度の目的物質のCt値を算出し、それより各サンプルのCt値から回収率(%)を算出し、以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
◎…回収率が70%以上
○…回収率が50%以上、70%未満
×…回収率が50%未満
結果を下記の表1〜表4に示す。
Figure 2020024202
Figure 2020024202
Figure 2020024202
Figure 2020024202
1,21…分析用具
2…流路
2a…第1の流路
2b…第2の流路
3…回収部
4…基板
4a,4b…第1,第2の主面
4c…凹部
5…カバー部材
6…固相担体

Claims (11)

  1. 流体が送液される流路と、
    前記流路の途中に設けられており、固相抽出法により目的物質を回収及び洗浄するための固相担体が充填された回収部と、
    を備え、
    前記流路が、前記回収部の上流側に連ねられている第1の流路と、前記回収部の下流側に連ねられている第2の流路と、を有し、
    前記回収部の平面形状が略円であり、
    平面視において、前記第1の流路の幅をW1とし、前記第2の流路の幅をW2とし、前記回収部の形状が円状である場合は前記回収部の直径、又は前記回収部の形状が楕円状である場合には(長径+短径)/2をφとしたときに、比φ/W1及び比φ/W2が、それぞれ、1.5以上、6以下の範囲にある、分析用具。
  2. 平面視において、前記第1の流路が延びる方向に沿う延長線と前記第2の流路が延びる方向に沿う延長線との交点が、前記回収部の重心と重なるように位置している、請求項1に記載の分析用具。
  3. 凹部を有する基板と、
    前記基板上に設けられており、前記基板の前記凹部を閉成しているカバー部材と、
    を備え、
    前記基板の前記凹部が前記カバー部材によって閉成されることにより、前記回収部が構成されている、請求項1又は2に記載の分析用具。
  4. 前記第1の流路、前記第2の流路、及び前記回収部が、前記カバー部材に面するように配置されている、請求項3に記載の分析用具。
  5. 前記第1の流路、前記第2の流路、及び前記回収部の深さが等しくされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析用具。
  6. 前記カバー部材が樹脂フィルムにより構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の分析用具。
  7. 前記樹脂フィルムの厚みが、200μm以下である、請求項6に記載の分析用具。
  8. 前記目的物質が、核酸である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析用具。
  9. 前記固相担体が、ガラスファイバー又はシリカモノリスである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分析用具。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析用具を用いた前記目的物質の洗浄方法であって、
    前記目的物質を含む液体を前記第1の流路から前記回収部に送液し、前記目的物質を前記固相担体に担持させる工程と、
    洗浄液を前記第1の流路から前記回収部に送液し、前記固相担体に担持された目的物質を洗浄する工程と、
    前記回収部を加熱することにより、前記目的物質を乾燥させる工程と、
    を備える、洗浄方法。
  11. 前記分析用具が、凹部を有する基板と、前記基板上に設けられており、前記基板の前記凹部を閉成しているカバー部材と、を備え、前記基板の前記凹部が前記カバー部材によって閉成されることにより、前記回収部が構成されており、前記回収部の前記加熱を前記カバー部材側から行なう、請求項10に記載の洗浄方法。
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