JP2020021834A - インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルを構成する導電性の部材間の短絡を生じ難くする。【解決手段】インダクタ100は、軟磁性粉末が結合剤中に分散した板状の磁性体であって、第1主面105と、第2主面106と、第1主面105と第2主面106との間を貫通する複数の貫通孔107とを含むコア101と、複数の貫通孔107の各々に貫通して配置される導体ピン108と、第1主面105に沿って配置される板状部111を含む複数の第1導体部109と、第2主面に沿って配置される部分を含む第2導体部110とが一連の導電路を形成するように接合されたコイル102と、複数の板状部111の端部の間に介在する絶縁部103とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタ及びその製造方法に関する。
シート状に成形された磁性体をコアに採用したインダクタが提案されている。例えば特許文献1には、扁平形状を有する軟磁性金属粉末をバインダ成分によって結着させてなる弾性を有した磁性体1をコアとして含むインダクタ10が記載されている。
特許文献1に記載のインダクタ10は、図27に示すように、上記の磁性体1と、複数の板状導体部2b,2c,2d及び貫通導体部2aを有するコイル2とを備える。磁性体1は、対向する2つの主面を貫通する複数の孔部3を有する。そして、複数の貫通導体部2aのそれぞれが複数の孔部3を貫通して配置されている。また、複数の板状導体部2b,2c,2dの各々の一面と、1つ又は2つの導通導体部2aの端部とが接合している。
すなわち、引用文献1に記載のコイル2は、導電性の部材である板状導体部2b,2c,2d及び貫通導体部2aを接合することで構成されている。
特開2017−17223号公報
特許文献1に記載のインダクタ10を基板などに実装する場合、コイル2の端部である板状導体部2dが、インダクタ10の入力用又は出力用の端子として基板などに半田付けされることがある。このとき、溶融した半田が、板状導体部2dに近い他の板状導体部2cにも接触し、板状導体部2c,2d同士が短絡する可能性がある。
また、インダクタ10を基板などに実装する場合に限らず、粉塵などが近接する板状導体部2c,2dの間に入り込んで、これらの板状導体部2c,2d同士が短絡する可能性もある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、コイルを構成する導電性の部材間の短絡を生じ難くすることが可能なインダクタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るインダクタは、
軟磁性粉末が結合剤中に分散した板状の磁性体であって、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間を貫通する複数の貫通孔とを含むコアと、
前記複数の貫通孔の各々に貫通して配置される導体ピンと、前記第1主面に沿って配置される板状部を含む複数の第1導体部と、前記第2主面に沿って配置される部分を含む第2導体部とが一連の導電路を形成するように接合されたコイルと、
前記複数の板状部の端部の間に介在する絶縁部とを備える。
本発明の第2の観点に係るインダクタの製造方法は、
軟磁性粉末が結合剤中に分散した板状の磁性体であって、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間を貫通する複数の貫通孔とを含むコアが一体的に複数連接されたコアシートを準備することと、
前記コアの各々に対応付けて、前記第1主面に沿って配置される板状部を含む複数の第1導体部で構成される第1導体グループを複数準備することと、
前記複数の第1導体グループに含まれる前記複数の板状部の端部の間に介在する絶縁体を設けることと、
前記コアの各々に対応付けて、前記第2主面に配置される第2導体部で構成される第2導体グループを複数準備することと、
前記コアシートの前記複数の貫通孔のそれぞれに配置された複数の導体ピンと前記複数の第1導体部と前記第2導体部とで前記コアごとにコイルが形成されるように、前記絶縁体が設けられた前記複数の第1導体グループと前記第2導体グループとをそれぞれ前記コアシートの前記第1主面と前記第2主面に配置することと、
前記コアシートに配置された複数の導体ピンと、前記複数の第1導電板と、前記複数の第2導電板とを接合することによって、複数のインダクタの連続体を形成することと、
前記インダクタの連続体を個々のインダクタに個片化することとを含む。
本発明によれば、コイルを構成する導電性の部材間の短絡を生じ難くすることが可能になる。
本発明の実施の形態1に係るインダクタの斜視図である。 実施の形態1に係るインダクタの分解斜視図である。 実施の形態1に係るインダクタの正面図である。 実施の形態1に係るインダクタの製造方法に含まれる工程の流れを示す図である。 実施の形態1に係るコアシートの斜視図である。 実施の形態1に係る第1絶縁体の斜視図である。 実施の形態1に係る第2絶縁体の斜視図である。 実施の形態1に係るインダクタに、接合のための電極が第1溶接用孔と第2溶接用孔とを通じて配置された状態を示す正面図である。 本発明の実施の形態2に係るインダクタの斜視図である。 実施の形態2に係るインダクタの正面図である。 実施の形態2に係る第1絶縁体の斜視図である。 本発明の実施の形態3に係るインダクタの斜視図である。 実施の形態3に係るインダクタの正面図である。 実施の形態3に係る第1絶縁部の斜視図である。 実施の形態3に係る第1絶縁体の斜視図である。 変形例1に係るインダクタの正面図である。 変形例2に係るインダクタの正面図である。 本発明の実施の形態4に係るインダクタの斜視図である。 実施の形態4に係るインダクタの正面図である。 実施の形態4に係るインダクタの製造方法に含まれる工程の流れを示す図である。 3つの第1導体グループに設けられた実施の形態4に係る第1絶縁体を示す斜視図である。 変形例4に係るインダクタの正面図である。 変形例4に係るインダクタに、接合のための電極が配置された状態を示す正面図である。 変形例5に係る複数の第1導体グループの一例を示す斜視図である。 変形例6に係るインダクタの正面図である。 変形例7に係るインダクタの正面図である。 特許文献1に開示されたインダクタの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。
本発明の実施の形態の説明及び図面では、上・下・前・後・左・右の用語を用いるが、これらは、方向を説明するために用いるのであって、本発明を限定する趣旨ではない。
本発明の実施の形態の説明において、「高さ」又は「厚さ」は、上下方向の長さを意味する。「奥行き」は、前後方向の長さを意味する。「幅」は、左右方向の長さを意味する。
<<実施の形態1>>
(インダクタ100の構成)
本発明の実施の形態1に係るインダクタ100は、基板表面や他の電子部品などの接続対象に接続されるインダクタである。
インダクタ100は、斜視図である図1、分解斜視図である図2及び正面図である図3に示すように、コア101と、コイル102と、第1絶縁部103と、第2絶縁部104とを備える。
コア101は、軟磁性粉末が結合剤中に分散した板状の磁性体である。本実施の形態に係るコア101は、概ね直方体であるが、その形状は適宜変更されてもよい。
コア101は、良好な絶縁性、高い強度、そして多少の弾性を有する。コア101は、空孔を含んでもよい。より詳細には例えば、コア101は、60体積%以上の軟磁性金属粉末と、4体積%以上かつ30体積%以下のバインダ成分と、10体積%以上かつ30体積%以下の開細孔(空孔)と、僅かな体積%の閉細孔(空孔)とを含む。
軟磁性体粉末は、扁平形の粉末であり、その殆どが、コア101においてその主面105,106と概ね平行になるように向きを揃えて配列している。磁性体粉末の材料には、Fe‐Si‐Al合金、Fe‐Si合金、Fe‐Si‐Cr合金、金属酸化物などの軟磁性体が好適に採用される。特に、透磁率特性の向上には、磁化が大きい金属合金が望ましい。
結合剤は、例えば酸化ケイ素を主成分とし、磁性体粉末を結着する。
コア101は、第1主面105と、第2主面106と、2つの貫通孔107a,107bとを含む。以下では、貫通孔107a,107bを特に区別しない場合、単に「貫通孔107」とも記載する。
第1主面105及び第2主面106は、互いに平行なコア101の主面であり、コア101の厚さ方向である上下方向に離間している。第1主面105は、第2主面106の下方に位置する主面である。
貫通孔107の各々は、第1主面105と第2主面106との間を貫通する孔である。本実施の形態では、貫通孔107の各々は、円柱状の孔であり、コア101をその厚さ方向に貫通している。本実施の形態に係る2つの貫通孔107は、前後方向にはいずれも概ね中央に設けられており、左右方向には中央から概ね等しい距離の対称な位置に設けられている。
コイル102は、一連の導電路を形成するように接合された複数の導電性の部材から構成される。コイル102は、これを構成する導電性の部材として、2つの導体ピン108a,108bと、一対の第1導体部109a,109bと、第2導体部110とを含む。
以下では、導体ピン108a,108b、第1導体部109a,109bを特に区別しない場合、それぞれ、単に「導体ピン108」、「第1導体部109」とも記載する。
導体ピン108の各々は、金属などの導電性の材料で作られた柱状の部材である。導体ピン108a,108bは、それぞれ、軸を上下方向に向けて貫通孔107a,107bに貫通して配置される。
本実施の形態に係る導体ピン108の各々は、貫通孔107に嵌まる大きさの円柱状であって、軸方向にはコア101の厚さと概ね同じ長さを有する。なお、導体ピン108の各々は、軸方向から見た直径が貫通孔107の直径より小さくてもよく、軸方向の長さがコア101の厚さよりも長くてもよい。
一対の第1導体部109a,109bは、入出力用の端子として接続対象に接続される一対の端子導体部に相当する。第1導体部109の各々は、金属などの導電性の材料で作られる。
本実施の形態に係る第1導体部109a,109bは、それぞれ、板状部111a,111bと接続部112a,112bとを含み、形状及び大きさが概ね同じであって、左右対称に配置される。
以下では、板状部111a,111b、接続部112a,112bを特に区別しない場合、それぞれ、単に「板状部111」、「接続部112」とも記載する。
板状部111の各々は、平板状の部位であって、コア101の第1主面105に接触又は近接して第1主面105に沿って配置されている。
板状部111a,111bのそれぞれは、コア101に近い主面である内面113a,113bと、コア101から遠い主面である外面114a,114bとを含む。すなわち、本実施の形態では外面114a,114bは、それぞれ、内面113a,113bの下方に位置する板状部111a,111bの主面である。板状部111a,111bの内面113には、それぞれ、導体ピン108a,108bの下端部が導通可能に接合されている。
以下では、内面113a,113b、外面114a,114bを特に区別しない場合、それぞれ、単に「内面113」、「外面114」とも記載する。
本実施の形態では、板状部111の各々は、上方から見て概ね矩形であり、第1主面105の左右対称な領域に対応付けて配置される。詳細には、板状部111aは左方に配置されており、板状部111bは右方に配置されている。そして、板状部111a,111bの近接した端部、すなわち、板状部111aの右辺部と板状部111bの左辺部とが、左右方向に予め定められた間隔を空けて互いに平行になるように配置されている。
これにより、板状部111a,111bの近接した端部及びコア101の第1主面105によって前後に延びる溝状の間隙が形成されている。
接続部112の各々は、接続対象に接続するために外部に露出した部位であって、コイル102の端子として接続対象に導通可能に接続される。本実施の形態の接続部112a,112bは、それぞれ、板状部111a,111bの近接した端部以外の端部に接続し、第1主面105から離れる方向に延びている。
本実施の形態では、接続部112aと接続部112bとは、それぞれ、板状部111aの左辺部と板状部111bの右辺部とに接続しており、屈曲した部分を介して下方へ延びる。接続対象に導通可能に接続される部分は、例えば、接続部112の下端近傍である。
第2導体部110は、金属などの導電性の材料で作られた平板状の部材であって、コア101の第2主面106に接触又は近接して第2主面106に沿って配置されている。第2導体部110の下面には、導体ピン108a,108bの各々の上端部が導通可能に接合される。
このように、第1導体部109a,109b及び第2導体部110は、導体ピン108a,108bの一方又は両方に接合されている。
これによって、導電性の部材108a,108b、109a,109b、110は、コア101に対する各々の位置が固定される。また、第1導体部109a、導体ピン108a、第2導体部110、導体ピン108b及び第2導体部110bの順の、又はこの逆順の、一連の導電路が形成される。
この導電路に通電することで、コア101の内部に磁場を形成することができる。すなわち、導電性の部材108a,108b、109a,109b、110は、コア101に取り付けられたコイル102を形成する。
なお、板状部111a,111bと第2導体部110とは、それぞれ、適宜の方法でコア101の第1主面105と第2主面106とに固定されてもよい。この固定には、接着剤、両面粘着テープなどの接着層を介した接着や、係止爪などによる係止構造、突起と穴などによる嵌合構造などが適宜採用されるとよい。
第1絶縁部103は、第1導体部109a,109bの間の短絡を防ぐためにコア101の下方に設けられる樹脂製の部材である。なお、第1絶縁部103は、絶縁性の材料から構成されていればよく、その材料は、樹脂に限らず、ゴムなどであってもよい。
本実施の形態に係る第1絶縁部103は、仕切部115と、被覆部116とを含む。
仕切部115は、板状部111a,111bの近接した端部の間に介在する部位であり、当該近接した端部及びコア101の第1主面105によって形成された間隙を埋めている。
本実施の形態では、仕切部115は、前後方向に延びた細長い直方体をなす。仕切部115の奥行きは、板状部111の奥行きよりも長い。そのため、仕切部115の前端部と後端部とは、それぞれ、板状部111の前端よりも前方に突き出し、板状部111の後端よりも後方に突き出している。
仕切部115の高さは、板状部111の厚さと概ね等しい。そのため、仕切部115の上方の端部である先端部は、板状部111の内面113と概ね面一である。
なお、仕切部115の高さは、板状部111の厚さよりも高くてもよく、また低くてもよい。すなわち、仕切部115の先端部が板状部111の各々の内面113よりもコア101へ向けて突き出していてもよく、また板状部111の各々の内面113と外面114との間に位置してもよい。
仕切部115の幅は、板状部111a,111bの近接した端部の間の間隔よりも僅かに短い。そのため、仕切部115は、板状部111a,111bの近接した端部の間に、僅かなすき間を空けて嵌っている。
被覆部116は、仕切部115に接続しており、板状部111の外面114に沿って延在する部位である。被覆部116は、接着剤、両面粘着テープなどの接着層を介した接着や、係止爪などによる係止構造、突起と穴などによる嵌合構造などにより(図示せず)、板状部111の外面114に固定されている。
本実施の形態に係る被覆部116は、概ね直方体である。被覆部116は、その上面の左右端部に傾斜面を含む。これによって、被覆部116が接続部112の各々に含まれる屈曲した部分と干渉しなくなるので、被覆部116を外面114に密着又は近接して配置することができる。
本実施の形態に係る被覆部116は、被覆部116をその厚さ方向に貫通する第1溶接用孔117a,117bを含む。従って、被覆部116は、第1溶接用孔117a,117bが対応付けられる領域を除いて、板状部111a,111bのそれぞれの外面114を覆う。
以下では、第1溶接用孔117a,117bを特に区別しない場合、単に「第1溶接用孔117」とも記載する。
第1溶接用孔117a,117bのそれぞれは、導体ピン108a,108bの軸方向である上下方向から見て、導体ピン108a,108bを包含する領域に設けられる。
第2絶縁部104は、第2導体部110を他の部材などから絶縁し保護するために、コア101の上方に配置されて第2導体部110の上面及び側部を覆う樹脂製の部材である。本実施の形態に係る第2絶縁部104は、概ね直方体であり、下面に設けられた凹み118と、厚さ方向に貫通して凹み118に連通する第2溶接用孔119a,119bとを含む。なお、第2絶縁部104は設けられなくてもよい。
凹み118は、第2導体部110を収容するための空間であって、本実施の形態では第2導体部110を収容できる大きさの直方体をなす。凹み118に収容された第2導体部110は、例えば、接着剤、両面粘着テープなどの接着層を介した接着により(図示せず)、第2絶縁部104に固定されている。
なお、第2導体部110を第2絶縁部104に固定する方法は、接着に限られず、係止爪などによる係止構造、突起と穴などによる嵌合構造などが採用されてもよい。
第2溶接用孔119a,119bのそれぞれは、導体ピン108a,108b,の軸方向である上下方向から見て、導体ピン108a,108bを包含する領域に設けられる。以下では、第2溶接用孔119a,119bを特に区別しない場合、単に「第2溶接用孔119」とも記載する。
これまで、本発明の実施の形態1に係るインダクタ100の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係るインダクタ100の製造方法について説明する。
(インダクタ100の製造方法)
本実施の形態に係るインダクタの製造方法は、複数のインダクタ100をまとめて製造するための方法である。本実施の形態では、3つのインダクタ100をまとめて製造する例により説明する。図4は、本実施の形態に係るインダクタの製造方法に含まれる工程の流れを示す。
複数のインダクタ100をまとめて製造するための部材が準備される(ステップS101)。
詳細には、ステップS101では、コアシート120と、3つの第1導体グループと、第1絶縁体121と、3つの第2導体グループと、第2絶縁体122とが準備される。
コアシート120は、図5の斜視図に示すように、3つのコア101が前後方向に連続的に接続して一体的に形成された磁性体のシートである。図5の2点鎖線L1は、コアシート120に含まれるコア101の境界を示す仮想的な線である。
コアシート120の準備では、例えば、磁性体粉末に溶媒、増粘剤及び熱硬化性バインダを混合して作られたスラリを塗布した後に、加熱して溶媒を揮発させることで磁性体シートが製造される。熱硬化性バインダには、例えば、メチルフェニル系シリコーンレジンが使用されるとよい。
そして、コアシート120は、その磁性体シートの予め定められた位置に6個の貫通孔107を設けることにより準備される。貫通孔107は、例えば、左右方向には中央を介して概ね対象な位置に設けられ、前後方向には概ね等間隔で設けられる。
第1導体グループの各々は、1つのインダクタ100が備える第1導体部109a,109b、すなわち、コア101の各々に対応付けて、第1主面105に配置される第1導体部109a,109bから構成される。本実施の形態では、3つの第1導体グループは、3対の第1導体部109a,109bから構成される。
第1絶縁体121は、図6の斜視図に示すように、3つの第1絶縁部103が前後方向に連続的に接続して一体的に形成された樹脂製の部材である。図6の2点鎖線L2は、第1絶縁体121に含まれる第1絶縁部103の境界を示す仮想的な線である。第1絶縁体121は、例えば射出成形により作られる。
本実施の形態に係る第1絶縁体121は、図6に示すように、前後方向に延びる一連の仕切体部123と、概ね直方体状の被覆体部124とを備える。
仕切体部123と被覆体部124とは、それぞれ、3つの仕切部115と3つの被覆部116とが前後方向に連続的に接続したものに相当する。従って、仕切体部123は、被覆体部124の左右方向の概ね中央に設けられる。また、被覆体部124は、3対の第1溶接用孔117a,117bを有する。第1溶接用孔117a,117bの各対は、第1絶縁体121とコアシート120とを組み合わせた際に貫通孔107a,107bのそれぞれと上下に対応するように設けられる。
第2導体グループの各々は、1つのインダクタ100が備える第2導体部110、すなわち、コア101の各々に対応付けて、第2主面106に配置される第2導体部110から構成される。本実施の形態では、3つの第2導体グループは、3つの第2導体部110から構成される。
第2絶縁体122は、図7の斜視図に示すように、3つの第2絶縁部104が前後方向に連続的に接続して一体的に形成された樹脂製の部材である。図7の2点鎖線L3は、第2絶縁体122に含まれる第2絶縁部104の境界を示す仮想的な線である。第2絶縁体122は、例えば射出成形により作られる。
本実施の形態に係る第2絶縁体122は、図7に示すように、概ね直方体をなす。第2絶縁体122は、前後方向に概ね等間隔で設けられた3つの凹み118と、3つの凹み118のそれぞれに連通するように厚さ方向に貫通する3対の第2溶接用孔119a,119bとを含む。
第2溶接用孔119a,119bの各対は、第1絶縁体121とコアシート120とを組み合わせた際に、貫通孔107a,107bのそれぞれと上下に対応するように設けられる。
ステップS101で準備された3つの第1導体グループに第1絶縁体121が設けられる(ステップS102)。本実施の形態では、第1導体部109a,109bの各対が、ステップS101にて別部材として準備された第1絶縁体121に予め定められた間隔で前後方向に並べて取り付けられる。
詳細には、板状部111a,111bが、被覆体部124の上面に配置されて固定される。このとき、板状部111a,111bは、それぞれの右辺部と左辺部とが仕切体部123との間に僅かなすき間が空く間隔で互いに平行になり、第1溶接用孔117a,117bのそれぞれを塞ぐように配置される。
これにより、仕切体部123は、板状部111a,111bの近接した端部の間に介在することになる。また、被覆体部124は、板状部111の各々の外面114に沿って延在し、第1溶接用孔117が対応付けられる領域以外の外面114を概ね覆うことになる。
ステップS101で準備された3つの第2導体グループに第2絶縁体122が設けられる(ステップS103)。
詳細には、第2導体部110の各々が、第2絶縁体122に設けられた凹み118の中に固定され、一対の第2溶接用孔119a,119bの各対の下方を塞ぐ。
コアシート120に設けられた6つの貫通孔107の各々に導体ピン108が配置される(ステップS104)。詳細には、導体ピン108が、その軸方向をコアシート120の厚さ方向に向けて貫通孔107に挿入され、貫通孔107の中に配置される。
第1導体グループと第2導体グループとがコアシート120に配置される(ステップS105)。
詳細には、ステップS102にて、第1絶縁体121が設けられた3つの第1導体グループが、第1主面105に配置される。ステップS103にて、第2絶縁体122が設けられた3つの第2導体グループが、第2主面106に配置される。
3つの第1導体グループは、コアシート120に含まれるコア101の各々に対応付けて第1主面105に沿って配置される。これによって、第1導体部109aと第1導体部109bとがそれぞれ、導体ピン108aの下端部と導体ピン108bの下端部とに接触する。同様に、3つの第2導体グループは、コアシート120に含まれるコア101の各々に対応付けて第2主面106に沿って配置される。これによって、第2導体部110の各々が、導体ピン108a及び108bの上端部に接触する。
また、第1溶接用孔117と第2溶接用孔119とは、上方から見て、導体ピン108を包含するように配置される。
なお、例えば導体ピン108が貫通孔107よりも細い場合、コアシート120から導体ピン108が抜け落ちることを防ぐため、ステップS104の前に、第1導体グループがコアシート120に配置されてもよい。
導電性の部材108a,108b、109a,109b、110が接合される(ステップS106)。
詳細には、導体ピン108aの上端部及び下端部が、それぞれに接触する第2導体部110及び第1導体部109aに接合される。また、導体ピン108bの上端部及び下端部が、それぞれに接触する第2導体部110及び第1導体部109bに接合される。
本実施の形態では、図8に示すように、上下方向に並ぶ第1溶接用孔117aと第2溶接用孔119aとを通じて、電極125a,125bが配置される。図8は、接合のための電極125a,125bが配置された状態を示す正面図である。
図8に示すように、電極125aの先端は、下方から、板状部111aの外面114aに接触するように配置される。また、電極125bの先端は、上方から、第2導体部110の上面に接触するように配置される。
電極125a,125bは、板状部111aと第2導体部110との間を予め設定された圧力で加圧し、導体ピン108aを介して板状部111aと第2導体部110との間に予め設定された電流、時間のパルス電流を流す。これにより、第1導体部109a及び導体ピン108aの下端部の間と、第2導体部110及び導体ピン108aの上端部の間とが同時に接合される。
第1導体部109b及び導体ピン108bの下端部の間と、第2導体部110及び導体ピン108bの上端部の間とについても、同様の方法で接合される。
これにより、コア101の各々において、接合された導電性の部材108a,108b、109a,109b、110で構成されるコイル102が形成され、3つのインダクタ100が前後方向に連続的に接続したインダクタの連続体が形成される。
本実施の形態に係る接合工程(ステップS106)を行うと、第1導体部109の下面と第2導体部110の上面には、第1溶接用孔117及び第2溶接用孔119を通じて視認可能な接合痕が形成される。
ステップS106を経て製造されたインダクタの連続体は、個々のインダクタ100に個片化される(ステップS107)。
詳細には例えば、個々のコア101に応じた位置でコアシート120を分離するように、インダクタの連続体がカッターなどで上下方向に切断される。これにより、コアシート120とともに第1絶縁体121及び第2絶縁体122が切断され、インダクタの連続体が3つのインダクタ100に個片化される。
これまで、本発明の実施の形態1について説明した。
(効果1)
本実施の形態に係るインダクタ100では、第1絶縁部103の仕切部115が、絶縁部として、板状部111a,111bの近接した端部の間に介在する。仕切部115が設けられていない場合、インダクタ100を接続対象に接続する際に溶融した半田、粉塵などが板状部111a,111bの近接した端部の間を架橋して、当該近接した端部の間で短絡が生じる可能性がある。
本実施の形態では、板状部111a,111bの近接した端部の間が仕切部115で仕切られているため、当該近接した端部の間が溶融した半田、粉塵などによって架橋されることは生じ難くなる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡を生じ難くすることが可能になる。
(効果2)
本実施の形態に係るインダクタ100では、第1絶縁部103の仕切部115は、第1導体部109a,109bの端部の間にすき間を空けて設けられている。すなわち、第1導体部109a,109bの端部の一方又は両方と、仕切部115との間にすき間がある。これによって、第1絶縁部103を別部材として予め準備する場合に、許容される誤差を大きくすることができるので、第1絶縁部103の準備を容易にすることができる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡が生じ難いインダクタ100を、容易に製造することが可能になる。
(効果3)
一般的に、板状部111の近接した端部近傍の外面114は、当該近接した端部に次いで、上述のように溶融した半田、粉塵などによって架橋されて短絡する可能性が高い部分である。
本実施の形態に係るインダクタ100では、第1絶縁部103は、仕切部115に接続しており、板状部111の外面114に沿って延在する被覆部116を含む。これによって、板状部111a,111bの近接した端部近傍の外面114が、被覆部116によって覆われるので溶融した半田、粉塵などで架橋されることは生じ難くなる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡を、より生じ難くすることが可能になる。
(効果4)
本実施の形態に係るインダクタ100では、被覆部116と第2絶縁部110とが、それぞれ、第1溶接用孔117と第2溶接用孔119とを含む。そして、各孔117,119は、導体ピン108の軸方向から見て当該導体ピン108を包含する領域に設けられている。これにより、導体ピン108と第1導体部109と第2導体部110とを、容易にかつ確実に接合することができる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡が生じ難いインダクタ100を、容易に製造することが可能になる。
(効果5)
本実施の形態に係るインダクタ100では、第1導体部109は、接続対象に接続するために外部に露出した接続部112を含む。この接続部112は、板状部111に接続しており、第1主面105から離れる方向へ延びている。これにより、接続部112を接続対象に、半田付けなどで容易に接続することができる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡が生じ難いインダクタ100を接続対象に容易に接続することが可能になる。
(効果6)
本実施の形態に係るインダクタの製造方法では、複数のインダクタ100がまとめて製造される。これにより、インダクタ100を1つずつ製造する場合よりも、インダクタ100を効率的に製造することができる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡が生じ難いインダクタ100を、効率的に製造することが可能になる。
なお、実施の形態1では、3つのインダクタ100がまとめて製造される例を説明した。しかし、インダクタの製造方法において、まとめて製造されるインダクタ100の数は、3個に限られず、1つであってもよく、2つであってもよく、4個以上であってもよい。まとめて製造されるインダクタ100の数に応じて、ステップS101で準備される各部材の数は適宜変更されるとよい。
また、実施の形態1では、巻き数が1ターンのコイル102を例に説明した。しかし、コア101に取り付けられるコイルの巻き数は、2ターン以上であってもよい。コイルの巻き数が2ターン以上である場合、その巻き数に応じて、第1導体部109、第2導体部110、導体ピン108が追加されるとよい。追加される導体ピン108の数に応じて、コア101の貫通孔107も追加されるとよい。
この場合に追加される第1導体部109は、第1主面105に配置されて、追加される導体ピン108の下端部の間を電気的に接続する部材であって、入出力用の端子ではない。そのため、当該追加される第1導体部109は、接続部112を含まない。
また、第1絶縁部103は、追加される第1導体部109と一対の端子導体部とを含む複数の第1導体部109の配置に応じた形状に変更されるとよい。第2絶縁部104は、追加される第2導体部110を含む複数の第2導体部110の配置に応じた形状に変更されるとよい。このように場合の第2絶縁部104は、実施の形態1に係る仕切部115に相当する部位を含むことで、複数の複数の第2導体部110の近接した端部の間の短絡を防ぐことができる。
<<実施の形態2>>
実施の形態1では、第1導体部109の各々が備える接続部112が、板状部111a,111bの互いに離れた端部に接続し、第1主面105から離れる方向に延びている例を説明した。接続部は、接続対象に接続するために外部に露出していればよい。本実施の形態では、端子導体部としての第1導体部の各々の接続部が、板状部111の外面114に形成される例を説明する。
(インダクタ200の構成)
本発明の実施の形態2に係るインダクタ200は、斜視図である図9及び正面図である図10に示すように、実施の形態1に係るコイル102と第1絶縁部103とのそれぞれに代わるコイル202と第1絶縁部203とを備える。
これらの点を除いて、インダクタ200は、実施の形態1に係るインダクタ100と同様に構成されてよい。説明を簡明にするため、本実施の形態では、コイル202と第1絶縁部203について説明する。
コイル202は、実施の形態1に係る一対の第1導体部109a,109bに代わる一対の第1導体部209a,209bを含む。そして、一対の第1導体部209a,209bは、実施の形態1に係る接続部112a,112bに代わる接続部212a,212bを含む。
これらの点を除いて、コイル202及び第1導体部209a,209bは、それぞれ、実施の形態1に係るコイル102及び第1導体部109a,109bと同様に構成されてよい。説明を簡明にするため、本実施の形態では、接続部212a,212bについて説明する。
以下では、第1導体部209a,209b、接続部212a,212bを特に区別しない場合、それぞれ、単に「第1導体部209」、「接続部212」とも記載する。
本実施の形態に係る接続部212は、板状部111の外面114に形成されている。
詳細には、接続部212a,212bは、それぞれ、板状部111a,111bが有する外面114の一部の領域であって、後述する接続用孔226a,226bを通じて外部に露出している。言い換えると、本実施の形態に係る接続部212a,212bは、外面114のうち、接続用孔226a,226bの上方に位置する部分である。
このような接続部212は、コイル102の端子として、例えば接続用孔226a,226bに適宜設けられる導体などを介して接続対象に導通可能に接続される。
第1絶縁部203は、実施の形態1に係る被覆部116に代わる被覆部216を含む。そして、被覆部216は、実施の形態1に係る被覆部116の構成に加えて、接続用孔226a,226bを含む。
これらの点を除いて、第1絶縁部203及び被覆部216は、それぞれ、実施の形態1に係る第1絶縁部103及び被覆部116と同様に構成されてよい。簡明にするため、本実施の形態では、接続用孔226a,226bについて説明する。
以下では、接続用孔226a,226bを特に区別しない場合、単に「接続用孔226」とも記載する。
接続用孔226の各々は、被覆部216をその厚さ方向に貫通する孔である。本実施の形態では、接続用孔226の各々は、概ね前後方向に細長い直方体をなす。
接続用孔226aは、第1溶接用孔117aよりも左方に設けられており、その上方には、板状部111aの外面114aが配置されている。接続用孔226bは、第1溶接用孔117bよりも右方に設けられており、その上方には、板状部111bの外面114bが配置されている。
これまで、本発明の実施の形態2に係るインダクタ200の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係るインダクタ200の製造方法について説明する。
(インダクタ200の製造方法)
インダクタ200は、実施の形態1に係るインダクタの製造方法と概ね同様の方法で製造することができる。本実施の形態においても、図4を参照し、3つのインダクタ200をまとめて製造する場合を例に、インダクタの製造方法を説明する。
3つのインダクタ200をまとめて製造するための部材が準備される(ステップS101)。
本実施の形態に係るステップS101では、実施の形態1と同様のコアシート120と、3つの第2導体グループと、第2絶縁体122とが準備される。
また、本実施の形態においても3つの第1導体グループが準備される。ただし、本実施の形態に係る第1導体グループの各々は、実施の形態1に係る第1導体部109a,109bに代わる第1導体部209a,209bから構成される。
さらに、実施の形態1に係る第1絶縁体121に代えて、第1絶縁体221が準備される。
第1絶縁体221は、図11の斜視図に示すように、実施の形態1に係る第1絶縁体121と概ね同様の部材である。すなわち、第1絶縁体221は、3つの第1絶縁部203が前後方向に連続的に接続して一体的に形成された樹脂製の部材である。
図11の2点鎖線L4は、第1絶縁体221に含まれる第1絶縁部203の境界を示す仮想的な線である。第1絶縁体221は、例えば射出成形により作られる。
詳細には、第1絶縁体221は、実施の形態1に係る被覆体部124に代わる被覆体部224を含む。被覆体部224には、接続用孔226が設けられている。これらの点を除いて、第1絶縁体221は、実施の形態1に係る第1絶縁体121と概ね同様に構成される。
そして、実施の形態1と同様のステップS102〜S107の各工程が、実施の形態1に係る第1導体部109a,109bと第1絶縁体121とのそれぞれを第1導体部209a,209bと第1絶縁体221とに代えて行われる。これにより、3つのインダクタ200がまとめて製造される。
これまで、本発明の実施の形態2について説明した。
本実施の形態によっても、実施の形態1で説明した効果1〜4及び6と同様の効果を奏する。
(効果7)
本実施の形態に係るインダクタ200では、接続対象に接続するために外部に露出した接続部212が、板状部111の外面114に形成されている。これにより、第1導体部209を簡易な構成にすることができるので、容易に製造することができる。従って、コイル102を構成する導電性の部材209a,209b間の短絡を生じ難いインダクタ200を、容易に製造することが可能になる。
<<実施の形態3>>
実施の形態1及び2では、板状部111の側方端部が外部に露出している例を説明した。しかし、第1導体部109,209の間で短絡をより一層生じ難くするには、板状部111の側方端部を絶縁体で覆うことが望ましい。本実施の形態では、実施の形態2と同様の第1導体部209において、板状部111の全体の側方端部を絶縁体で覆う例を説明する。
(インダクタ300の構成)
本発明の実施の形態3に係るインダクタ300は、斜視図である図12及び正面図である図13に示すように、実施の形態2に係る第1絶縁部203に代わる第1絶縁部303を備える。そして、第1絶縁部303は、図14の斜視図に示すように、実施の形態2に係る第1絶縁部203の構成に加えて、外縁部327を含む。
これらの点を除いて、インダクタ300及び第1絶縁部303は、それぞれ、実施の形態2に係るインダクタ200及び第1絶縁部203と同様に構成されてよい。説明を簡明にするため、本実施の形態では、外縁部327について説明する。
外縁部327は、被覆部216の上面からその外縁に沿って上方へ、仕切部115と概ね同じ高さで突き出した部位である。これにより、外縁部327は、僅かなすき間を空けて、板状部111a,111bの全体の側方端部を覆っている。外縁部327は、仕切部115及び被覆部216と一体に構成されるとよい。
ここで、板状部111a,111bの全体の側方端部とは、本実施の形態では、板状部111aの左辺部、前辺部及び後辺部と、板状部111bの右辺部、前辺部及び後辺部である。
これまで、本発明の実施の形態3に係るインダクタ300の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係るインダクタ300の製造方法について説明する。
(インダクタ300の製造方法)
インダクタ300は、実施の形態1に係るインダクタの製造方法と同様の方法で製造することができる。本実施の形態でも、図4を参照し、3つのインダクタ300をまとめて製造する場合を例に、インダクタの製造方法を説明する。
3つのインダクタ300をまとめて製造するための部材が準備される(ステップS101)。
本実施の形態に係るステップS101では、実施の形態1と同様のコアシート120と、3つの第2導体グループと、第2絶縁体122とが準備される。また、実施の形態2と同様の第1導体部209a,209bから構成される第1導体グループが3組準備される。さらに、実施の形態1に係る第1絶縁体121に代わる第1絶縁体321が準備される。
第1絶縁体321は、図15の斜視図に示すように、実施の形態1に係る第1絶縁体121と概ね同様の部材である。すなわち、第1絶縁体321は、3つの第1絶縁部303が前後方向に連続的に接続して一体的に形成された樹脂製の部材である。
図15の2点鎖線L5は、第1絶縁体321に含まれる第1絶縁部303の境界を示す仮想的な線である。第1絶縁体321は、例えば射出成形により作られる。
詳細には、第1絶縁体321は、実施の形態2に係る第1絶縁体221が備える構成に加えて、板状部111a,111bの各対の全体の側方端部を覆う外縁体部328を備える。外縁体部328は、3つの外縁部327が前後方向に連続的に接続したものに相当する。この点を除いて、第1絶縁体321は、実施の形態2に係る第1絶縁体221と概ね同様に構成される。
そして、実施の形態1と同様のステップS102〜S107の各工程が、実施の形態1に係る第1導体部109a,109bと第1絶縁体121とのそれぞれを第1導体部209a,209bと第1絶縁体321とに代えて行われる。これにより、3つのインダクタ300がまとめて製造される。
これまで、本発明の実施の形態3について説明した。
本実施の形態によれば、実施の形態1で説明した効果1〜4及び6と同様の効果を奏する。また、実施の形態2で説明した効果7と同様の効果を奏する。
(効果8)
一般的に、板状部111の側方端部は、特に板状部111a,111bの近接した端部近傍において、当該近接した端部近傍の外面114と同様に、短絡の可能性が高い部分である。
本実施の形態に係るインダクタ300では、外縁部327が、板状部111a,111bの全体の側方端部を覆う。これによって、111a,111bの全体の側方端部が、インダクタ300を接続対象に取り付ける際に溶融した半田、粉塵などによって架橋されることは生じ難くなる。従って、コイル102を構成する導電性の部材209a,209b間の短絡を、より生じ難くすることが可能になる。
<変形例1,2>
実施の形態2,3では、被覆部216に接続用孔226が設けられて、接続部212が板状部111の外面114に形成される例を説明した。しかし、実施の形態1に係る第1導体部109と、実施の形態2又は3に係る第1絶縁部203又は303とが組み合わされてもよい。
変形例1に係るインダクタ400は、図16の正面図に示すように、実施の形態1と同様のコア101とコイル102と第2絶縁部104と、実施の形態2と同様の第1絶縁部203とを備える。
変形例2に係るインダクタ500は、図17の正面図に示すように、実施の形態1と同様のコア101とコイル102と第2絶縁部104と、実施の形態3と同様の第1絶縁部303とを備える。
これらの変形例では、接続部112が接続用孔226の中に配置されている。そして、接続部112の下端は、被覆部216の下面と面一か、或いは、被覆部216の下面よりも下方へ僅かに突き出す。これにより、接続部112の下端近傍を、接続対象に導通可能に容易に接続することができる。
これらの変形例によっても、実施の形態1と同様の効果(効果1〜6)を奏する。
<<実施の形態4>>
実施の形態1ではインダクタの製造方法において、第1絶縁部103を設けるために、第1絶縁体121を第1導体部109とは別の部材として予め準備する例を説明した。本実施の形態では、別の部材として第1絶縁体を予め準備する代わりに、液状の樹脂を第1導体部に流し込み、それを硬化させることで、第1絶縁体を設ける例を説明する。
なお、第2絶縁体122も、本実施の形態で説明する第1絶縁体と同様に、液状の樹脂を第2導体部110に流し込み、それを硬化させることで設けられてもよい。
(インダクタ600の構成)
本発明の実施の形態4に係るインダクタ600は、斜視図である図18及び正面図である図19に示すように、実施の形態1に係る第1絶縁部103に代わる第1絶縁部603を備える。この点を除いて、インダクタ600は、実施の形態1に係るインダクタ100と同様に構成されてよい。説明を簡明にするため、本実施の形態では、第1絶縁部603について説明する。
第1絶縁部603は、実施の形態1に係る第1絶縁部103と同様に、第1導体部109a,109bの間の短絡を防ぐためにコア101の下方に設けられる部材であり、樹脂などで一体に形成されている。
本実施の形態に係る第1絶縁部603は、仕切部615と、被覆部616と、外縁部627とを含む。
仕切部615は、実施の形態1に係る仕切部115と同様に、板状部111a,111bの近接した端部の間に介在する部位であり、板状部111a,111bの近接した端部及びコア101の第1主面105によって形成された間隙を埋めている。
本実施の形態に係る仕切部615は、板状部111a,111bの近接した端部の各々に、ほぼすき間なく密着して設けられている。
従って、本実施の形態に係る仕切部615は、前後方向に延びる細長い直方体であり、仕切部615の高さと板状部111の厚さとが概ね等しい点では、実施の形態1に係る仕切部115と同様である。
しかし、後述するように実施の形態1とは製造方法が異なるため、仕切部615と板状部111とは奥行きも概ね等しくなっている。また、仕切部615の幅は、板状部111a,111bの近接した端部の間の間隔と概ね等しくなっている。
被覆部616は、実施の形態1に係る被覆部116と同様に、仕切部615に接続しており、板状部111の外面114に沿って延在する部位であり、適宜の方法で当該外面114に固定される。
本実施の形態に係る被覆部616は、実施の形態1に係る被覆部116と同様に、被覆部616をその厚さ方向に貫通する第1溶接用孔117a,117bが設けられた概ね直方体の部位を含む。
これに加えて、本実施の形態に係る被覆部616は、直方体の部位の左端部から左方へ突き出した部位を含み、当該部位が、接続部112aの前方及び後方の端面の一部を覆っている。被覆部616は、さらに、直方体の部位の右端部から右方へ突き出した部位を含み、当該部位が、接続部112bの前方及び後方の端面の一部を覆っている。
外縁部627は、実施の形態3に係る外縁部327と同様に、被覆部616の上面から被覆部616の外縁に沿って上方へ、仕切部6と概ね同じ高さで突き出した部位である。これにより、外縁部627は、板状部111a,111bの全体の側方端部を覆っている。
本実施の形態に係る板状部111a,111bの全体の側方端部とは、第1導体部109aの左辺部の一部、前辺部及び後辺部と、第1導体部109bの右辺部の一部、前辺部及び後辺部とである。第1導体部109aの左辺部の一部、第1導体部109bの右辺部の一部とは、接続部112a,112bが接続していない部分、すなわち、それぞれの前端近傍及び後端近傍である。
外縁部627は、実施の形態3に係る外縁部327と異なり、板状部111a,111bの全体の側方端部に概ねすき間なく密着している。
これまで、本発明の実施の形態3に係るインダクタ600の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係るインダクタ600の製造方法について説明する。
(インダクタ600の製造方法)
本実施の形態に係るインダクタの製造方法は、実施の形態1と同様に、複数のインダクタ600をまとめて製造するための方法である。本実施の形態においても、3つのインダクタ600をまとめて製造する場合を例に説明する。
本実施の形態に係るインダクタの製造方法は、図20に示すように、実施の形態1でのステップS101及びS102に代わるテップS601及びS602を含む。
3つのインダクタ600をまとめて製造するための部材が準備される(ステップS601)。
詳細には、実施の形態1と同様のコアシート120と、3つの第1導体グループと、3つの第2導体グループと、第2絶縁体122とが準備される。すなわち、ステップS601では第1絶縁体621が準備されず、この点が、実施の形態1に係るステップS101とは異なる。
ステップS601で準備された3つの第1導体グループに第1絶縁体621が設けられる(ステップS602)。
ステップS602では、例えば、樹脂成形用の型に第1導体部109a,109bを配置した後、液状の樹脂を流し込んで硬化させることで、第1絶縁体621が、第1導体部109a,109bに設けられる。これにより、第1絶縁体621は、板状部111に密着して固定された状態で、一体的に作られる。
なお、板状部111と被覆体部624との固定をより強固にするために、例えば、板状部111の外面114に粘着層、係止爪、突起などが設けられてもよい。
3つの第1導体グループに設けられた第1絶縁体621(ステップS602での製造物)の斜視図を図21に示す。第1絶縁体621は、図21に示すように、3つの第1絶縁部603が前後方向に連続的に接続した樹脂製の部位である。図21の2点鎖線L6は、第1絶縁体621に含まれる第1絶縁部603の境界を示す仮想的な線である。
詳細には、第1絶縁体621は、前後方向に延びる仕切体部623と、概ね直方体状の被覆体部624と、板状部111a,111bの各対について板状部111の全体の側方端部を覆う外縁体部628とを含む。
仕切体部623と、被覆体部624と、外縁体部628とは、それぞれ、3つの仕切部615と、3つの被覆部616と、3つの外縁部627とが前後方向に連続的に接続したものに相当する。
従って、仕切体部623は、被覆体部624の上面の左右方向の概ね中央にて前後方向に延びている。また、被覆体部624は、3対の第1溶接用孔117a,117bの対を有する。第1溶接用孔117a,117bの各対は、仕切体部623を介して左右対称な予め定められた位置に設けられている。
ステップS602が行われた後、図20に示すように、実施の形態1と同様のステップS103〜S107の各工程が、実施の形態1に係る第1絶縁体121を第1絶縁体621に代えて行われる。これにより、3つのインダクタ600がまとめて製造される。
これまで、本発明の実施の形態4について説明した。
本実施の形態によれば、実施の形態1で説明した効果1,3〜6と同様の効果を奏する。また、実施の形態3で説明した効果8と同様の効果を奏する。
(効果9)
実施の形態に係るインダクタ600では、第1絶縁部603が、第1導体部109a,109bの各々に密着して設けられる。このような第1絶縁部603は、本実施の形態で説明したように、液状の樹脂を第1導体部109に流し込み、それを硬化させることによって設けられた第1絶縁体621を切断することで得られる。
実施の形態に係るインダクタ600、或いは、その製造方法によれば、実施の形態1〜3とは異なり、ステップS101にて別部材の第1絶縁部103、203、303を準備する必要がない。そのため、インダクタ600を容易かつ効率的に製造することができる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡が生じ難いインダクタ600を、容易かつ効率的に製造することが可能になる。
<変形例3>
本実施の形態4のインダクタの製造方法では、インダクタ600を製造する場合を例に説明した。
しかし、実施の形態1〜3に係るインダクタ100,200,300が、実施の形態4に係るインダクタの製造方法と同様の方法で製造されてもよい。すなわち、第1絶縁部103,203,303が、樹脂成形用の型に配置された第1導体部109,209に液状の樹脂を流し込み、それを硬化させた第1絶縁体121,221,321を切断して設けられてもよい。
本変形例によっても、実施の形態1〜3のそれぞれの効果に加えて、実施の形態4で説明した効果9と同様の効果を奏する。
<変形例4>
実施の形態1〜4では、被覆部116,216,616と第2絶縁部104とのそれぞれに、第1溶接用孔117と第2溶接用孔119とを含む例により説明した。しかし、第1溶接用孔117及び第2溶接用孔119は設けられなくてもよい。
本変形例に係るインダクタ700は、図22の正面図に示すように、実施の形態1に係る第1絶縁部103と第2絶縁部104とのそれぞれに代わる第1絶縁部703と第2絶縁部704とを備える。そして、第1絶縁部703は、第1溶接用孔117が設けられていない被覆部716を有する。第2絶縁部704には、第2溶接用孔119が設けられていない。
これらの点を除いて、インダクタ700は、実施の形態1に係るインダクタ100と同様に構成されてよい。
インダクタ700は、実施の形態1に係るインダクタの製造方法と概ね同様の方法で製造することができる。すなわち、ステップS101にて、実施の形態1と同様のコアシート120と、3つの第1導体グループと、3つの第2導体グループとが準備される。また、実施の形態1に係る第1絶縁体121と第2絶縁体122とのそれぞれに代えて、第1絶縁体721と第2絶縁体722と(図23参照)が準備される。
第1絶縁体721は、第1溶接用孔117が設けられていない被覆体部724を含む。第2絶縁体722には、第2溶接用孔119が設けられていない。これらの点を除いて、第1絶縁体721及び第2絶縁体722は、それぞれ、実施の形態1に係る第1絶縁体121及び第2絶縁体122と同様に構成されるとよい。
そして、実施の形態1と同様のステップS102〜S105の各工程が、実施の形態1に係る第1絶縁体121と第2絶縁体122とのそれぞれを、ステップS101にて準備された第1絶縁体721と第2絶縁体722とに代えて行われる。
ステップS106では、実施の形態1と同様に、導電性の部材108a,108b、109a,109b、110が接合されて、3つのインダクタ700が連続的に接続したインダクタの連続体が形成される。
本変形例では、接合工程(ステップS106)での接合方法が実施の形態1とは異なる。
詳細には、図23に示すように、ステップS105での製造物に含まれる第1絶縁体721と第2絶縁体722とのそれぞれが、押圧部729a,729bにより予め設定された圧力で上下方向に加圧される。これにより、導体ピン108の上端部及び下端部が、それぞれ、予め設定された圧力で第2導体部110及び第1導体部109に押し付けられる。
そして、電極125a,125bが、接続部112a,112bのそれぞれに接触するように押し当てられる。電極125a,125bを用いて、板状部111a,111b、導体ピン108a,108b及び第2導体部110を介して接続部112a,112bの間に予め設定された電流、時間のパルス電流を流す。これにより、第1導体部109a,109b及び導体ピン108a,108bの下端部の間と、第2導体部110及び導体ピン108aの上端部の間とが同時に接合される。
その後に、実施の形態1と同様のステップS107の工程が行われることによって、3つのインダクタ700がまとめて製造される。
実施の形態に係るインダクタ700では、第1溶接用孔117及び第2溶接用孔119が設けられない。そのため、第1絶縁部703と第2絶縁部704とを簡易な構成にすることができる。従って、簡易な構成で、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡を生じ難くすることが可能になる。
また、電極125a,125bの間に電流を1度流すだけで、第1導体部109a,109b及び導体ピン108a,108bの下端部の間と、第2導体部110及び導体ピン108aの上端部の間とが同時に接合される。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡を生じ難いインダクタ700を、容易に製造することが可能になる。
<変形例5>
ステップS101或いはS601にて、3つの第1導体グループが、連結部により連結された一体の部材として準備されてもよい。図24は、実施の形態1に係る3つの第1導体グループを構成する3対の第1導体部109a,109bが、連結部830により連結された例を示す斜視図である。
同様に、3つの第2導体グループが、連結部により連結した一体の部材(図示せず)として準備されてもよい。
なお、第1絶縁体121,221,321,621,721、第1絶縁部103,203,303,603,703には、必要に応じて、連結部830を配置するための凹部が適宜設けられるとよい。
本変形例においても、実施の形態1に係るインダクタの製造方法と同様の方法で、インダクタ100,200,300,400,500,600,700を製造することができる。ただし、本変形例では、個別化工程(ステップS107)において、コアシート120と、第1絶縁体121と、第2絶縁体122に加えて、連結部830も適宜切断されるとよい。
本変形例によれば、インダクタ100,200,300,400,500,600,700の製造において、3つの第1導体グループを1つの部材として準備して取扱うことができる。そのため、インダクタ100,200,300,400,500,600,700の製造が容易になる。従って、コイル102,202を構成する導電性の部材109a,109b、209a,209b間の短絡が生じ難いインダクタ100,200,300,400,500,600,700を、容易に製造することが可能になる。
<変形例6>
実施の形態1〜4では、仕切部115、615の高さが、板状部111の厚さと概ね等しく、その奥行が、板状部111の奥行以上である場合を例に説明した。第1絶縁部は、第1導体部109a,109bの間に介在すればよい。
例えば、本変形例に係るインダクタ900の正面図である図25に示すように、第1絶縁部903は、第1導体部109a,109bの近接した端部の間に介在する部分(すなわち、実施の形態1では仕切部115に相当する部分)のみから構成されてもよい。第1絶縁部903の高さは、板状部111の厚さよりも低くてもよく、その奥行きは、板状部111の奥行よりも短くてもよい。
この場合、第1絶縁部903は、例えば、液状の樹脂を第1導体部109a,109bの近接した端部の間に流し込み、それを硬化させることで第1導体部109a,109bと一体に形成されるとよい。また例えば、第1絶縁部903は、接着剤、両面粘着テープなどの接着層によって、第1導体部109a,109bに接着されて固定されてもよい。
これによっても、少なくとも、実施の形態1で説明した効果1と同様の効果を奏する。
<変形例7>
仕切部は、上述した通り、板状部111a,111bの近接した端部の間に介在すればよく、板状部111a,111bの近接した端部の間のすべてを埋めていなくてもよい。しかし、第1導体部109a,109bの近接した端部の間の短絡をより生じ難くするには、仕切部は、第1導体部109a,109bの間の間隙のすべてを埋めることが望ましい。すなわち、仕切部は、その高さが板状部111の厚さより高く、かつ、その奥行きが板状部111の奥行き以上であることが望ましい。
このような仕切部は、インダクタ100,200,300,400,500,600,700のいずれに適用することもできる。本変形例では、実施の形態1に係るインダクタ100に適用される場合を例に説明する。
本変形例に係るインダクタ1000は、図26の正面図に示すように、実施の形態1に係る第1絶縁部103に代わる第1絶縁部1003を備える。そして、第1絶縁部1003は、実施の形態1に係る仕切部115に代わる仕切部1015を含む。これらの点を除いて、実施の形態1に係るインダクタ100と概ね同様に構成されるとよい。
仕切部1015は、その高さが、板状部111の厚さよりも高い。そのため、仕切部1015の先端部(本変形例では、上端部)は、板状部111の内面113よりもコア101へ向けて(本変形例では、上方へ向けて)突き出している。この点を除いて、仕切部1015は、実施の形態1に係る仕切部115と同様に構成される。
仕切部1015の上方への突出量は、導体ピン108と板状部111との接合を阻害しない程度であればよい。ここで、突出量は、仕切部1015の先端部が板状部111の内面113よりも、上方へ向けて突き出した長さを意味する。
また、仕切部1015の先端部は、板状部111の近接した端部の間から、コア101の下面と板状部111の内面113との間へ(本変形例では、左右方向に)延出していない。すなわち、仕切部115の先端部は、板状部111の厚さ方向から見て、板状部111の近接した端部の間に位置している。
本変形例に係るインダクタ1000は、例えば実施の形態1〜3又は4と同様の方法で製造されるとよい。
すなわち、例えば、本変形例に係る第1絶縁部1003は、実施の形態1〜3に係るインダクタ100,200,300における第1絶縁部103,203,303と同様に、別部材として準備されて第1導体部109に設けられてもよい。
また例えば、本変形例に係る第1絶縁部1003は、実施の形態4に係るインダクタ600における第1絶縁部603と同様の方法で、3つの第1導体グループに設けられてもよい。詳細には例えば、樹脂成形用の型に第1導体部109a,109bを配置した後、液状の樹脂を流し込んで硬化させることで、第1絶縁部1003が第1導体部109a,109bに設けられてもよい。
ここで、仕切部1015の先端部は、コア101と板状部111との間へ延出しない方が望ましい。仕切部1015の先端部が左右に延出すると、その影響で、導体ピン108と板状部111との接合が阻害される可能性があるためである。
従って、実施の形態4と同様に液状の樹脂を流し込んで第1絶縁部1003を設ける場合、樹脂成形用の型は、液状の樹脂がコア101と板状部111との間へ流れ込まないものが望ましい。液状の樹脂がコア101と板状部111との間へ流れ込み、それが硬化すると、仕切部1015の先端部が、コア101と板状部111との間へ延出することになるためである。液状の樹脂がコア101と板状部111との間へ流れ込んだ場合には、例えば樹脂が硬化した後に、コア101と板状部111との間へ延出した樹脂を削り取ることなどによって除去されてもよい。
なお、実施の形態4とは異なり、コアシート120に配置した導体ピン108に第1及び第2導体グループを接合した後に、液状の樹脂を第1導体部109に流し込んで、第1絶縁部1003を設けることも考えられる。この方法は、仕切部115,615の高さが板状部111の厚さ以下の場合には適用されてもよい。しかし、板状部111の厚さよりも高さが高い仕切部1015を含む第1絶縁部1003を、この方法で設けることは困難である。この方法では、液状の樹脂がコア101と板状部111との間へ流れ込み、仕切部1015の先端部が、コア101と板状部111との間へ延出することになる可能性が高いためである。また、脂が硬化した後に、コア101と板状部111との間へ延出した樹脂を削り取ることも困難なためである。
(効果10)
本変形例では、仕切部1015の先端部が、板状部111の内面113よりもコア101へ向けて上方へ突き出す。そのため、板状部111a,111bの近接した端部の間が、高い仕切部1015で仕切られるため、当該近接した端部の間が溶融した半田、粉塵などによって架橋されることは、より一層生じ難くなる。従って、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡を、より一層生じ難くすることが可能になる。
本変形例では、実施の形態1に係るインダクタ100などと同様に、第1絶縁部1003は、別部材として準備されて第1導体部109に設けられるとよい。また、実施の形態4に係るインダクタ600と同様に、第1絶縁部1003は、導体ピン108に第1及び第2導体グループを接合する前に、液状の樹脂を適宜の型に配置した第1導体部109に流し込むことによって設けられてもよい。これにより、仕切部115の先端部が左右方向に延出せず、導体ピン108と板状部111とを確実に接合することができる。これにより、コイル102を構成する導電性の部材109a,109b間の短絡がより一層生じ難いインダクタ1000を容易に製造することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態、変形例などについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。本発明は、例えば、実施の形態に変更を加えた態様、実施の形態と変形例とを適宜組み合わせた態様、これらの態様に適宜変更を加えた態様などを含む。
本発明は、基板表面、他の電子部品などに接続されるインダクタに好適に利用することができる。
100,200,300,400,500,600,700,900,1000 インダクタ
101 コア
102,202 コイル
103,203,303,603,703,903,1003 第1絶縁部
104,704 第2絶縁部
105 第1主面
106 第2主面
107a,107b 貫通孔
108a,108b 導体ピン
109a,109b、209a,209b 第1導体部
110 第2導体部
111a,111b 板状部
112a,112b、212a,212b 接続部
113a,113b 内面
114a,114b 外面
115,615,1015 仕切部
116,216,616,716 被覆部
117a,117b 第1溶接用孔
119a,119b 第2溶接用孔
120 コアシート
121,221,321,621,721 第1絶縁体
122,722 第2絶縁体
123,623 仕切体部
124,224,624,724 被覆体部
125a,125b 電極
226a,226b 接続用孔
327,627 外縁部
328,628 外縁体部

Claims (16)

  1. 軟磁性粉末が結合剤中に分散した板状の磁性体であって、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間を貫通する複数の貫通孔とを含むコアと、
    前記複数の貫通孔の各々に貫通して配置される導体ピンと、前記第1主面に沿って配置される板状部を含む複数の第1導体部と、前記第2主面に沿って配置される部分を含む第2導体部とが一連の導電路を形成するように接合されたコイルと、
    前記複数の板状部の端部の間に介在する絶縁部とを備える
    ことを特徴とするインダクタ。
  2. 前記絶縁部は、前記複数の板状部の端部の間にすき間を空けて設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記絶縁部は、前記複数の板状部の各々に密着して設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
  4. 前記板状部の各々は、前記コアに近い主面である内面と、前記コアから遠い主面である外面とを含み、
    前記絶縁部は、
    前記複数の板状部の端部の間に介在する仕切部と、
    前記仕切部に接続しており、前記板状部の前記外面に沿って延在する被覆部とを含む
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインダクタ。
  5. 前記被覆部は、前記導体ピンの各々の軸方向から見て当該導体ピンの各々を包含する領域に溶接用孔を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載のインダクタ。
  6. 前記仕切部は、前記板状部の各々の前記内面よりも前記コアへ向けて突き出した先端部を含み、
    前記先端部は、前記板状部の各々の厚さ方向から見て、前記板状部の各々の前記端部の間に位置する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のインダクタ。
  7. 前記仕切部の先端部は、前記板状部の前記外面と前記内面との間に位置する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のインダクタ。
  8. 前記絶縁部は、さらに、前記複数の板状部の全体の側方端部を覆う外縁部を含む
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインダクタ。
  9. 前記複数の第1導体部は、入出力用の端子として接続対象に接続される一対の端子導体部を含み、
    前記一対の端子導体部の各々は、前記接続対象に接続するために外部に露出した接続部をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインダクタ。
  10. 前記接続部は、前記板状部に接続しており、前記第1主面から離れる方向へ延びている
    ことを特徴とする請求項9に記載のインダクタ。
  11. 前記一対の端子導体部が有する前記板状部の各々は、前記コアに近い内面と、前記コアから遠い外面とを含み、
    前記接続部は、前記板状部の前記外面に形成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載のインダクタ。
  12. 軟磁性粉末が結合剤中に分散した板状の磁性体であって、第1主面と、第2主面と、前記第1主面と前記第2主面との間を貫通する複数の貫通孔とを含むコアが一体的に複数連接されたコアシートを準備することと、
    前記コアの各々に対応付けて、前記第1主面に沿って配置される板状部を含む複数の第1導体部で構成される第1導体グループを複数準備することと、
    前記複数の第1導体グループに含まれる前記複数の板状部の端部の間に介在する絶縁体を設けることと、
    前記コアの各々に対応付けて、前記第2主面に配置される第2導体部で構成される第2導体グループを複数準備することと、
    前記コアシートの前記複数の貫通孔のそれぞれに配置された複数の導体ピンと前記複数の第1導体部と前記第2導体部とで前記コアごとにコイルが形成されるように、前記絶縁体が設けられた前記複数の第1導体グループと前記第2導体グループとをそれぞれ前記コアシートの前記第1主面と前記第2主面に配置することと、
    前記コアシートに配置された複数の導体ピンと、前記複数の第1導電板と、前記複数の第2導電板とを接合することと、
    前記接合された複数の導体ピン、複数の第1導電板及び複数の第2導電板を含むインダクタの連続体を個々のインダクタに個片化することとを含む
    ことを特徴とするインダクタ製造方法。
  13. 前記絶縁体を設けることでは、前記絶縁体として予め準備された部材に含まれる一連の仕切体部が、前記複数の板状部の端部の間に位置付けられる
    ことを特徴とする請求項12に記載のインダクタ製造方法。
  14. 前記絶縁材を設けることは、
    前記複数の第1導体部の各々の間に液状の樹脂を流し込むことと、
    前記流し込んだ液状の樹脂を硬化させることにより、前記複数の第1導体部の間に介在する一連の仕切体部を形成することとを含む
    ことを特徴とする請求項12に記載のインダクタ製造方法。
  15. 前記板状部の各々は、前記コアに近い内面と、前記コアから遠い外面とを含み、
    前記絶縁体を設けることでは、さらに、前記仕切体部に接続しており、前記複数の板状部の前記外面に沿って延在する一連の被覆体部が設けられる
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載のインダクタ製造方法。
  16. 前記絶縁体を設けることでは、前記複数の導体ピンの各々の軸方向から見て前記複数の導体ピンの各々を包含する領域に前記軸方向に貫通する溶接用孔を含む前記被覆体部が設けられ、
    前記コイルを形成することでは、前記コアシートに配置された前記複数の導体ピンと前記複数の第1導電板と前記複数の第2導電板とは、前記溶接用孔を通じて配置される電極を用いて接合される
    ことを特徴とする請求項15に記載のインダクタ製造方法。
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