JP2020020915A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレード部材の先端部の欠けを経時にわたり抑制することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】像担持体と、弾性材料で構成され、先端部が像担持体の表面に当接するブレード部材とを備え、像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、ブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm2]とが、T≧−37Rz+121の関係を満たすよう構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、像担持体と、弾性材料で構成され、先端部が像担持体の表面に当接するブレード部材とを備え、像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置が知られている。
特許文献1には、上記画像形成装置として、ブレード部材たるクリーニングブレードの先端部の欠けを十分抑制して、なおかつ良好な画像形成を行える画像形成装置を提供することを目的として、像担持体たる感光体に圧接されるブレード部材の先端部の硬度を60〜80度(JIS-K6301)、且つ、ヤング率を30〜120[kgf/cm]、引っ張り強さを100〜600[kgf/cm]とする技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置においては、ブレード部材の先端部の欠けを十分抑制できないおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、像担持体と、弾性材料で構成され、先端部が前記像担持体の表面に当接するブレード部材とを備え、前記像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、前記像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、前記ブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、以下の関係式(A)を満たすよう構成されていることを特徴とするものである。
T≧−37Rz+121・・・(A)
本発明によれば、ブレード部材の先端部の欠けを経時にわたり抑制することができる。
本実施形態の複写機の内部構成を示す構成図。 本実施形態の複写機における作像部の概略構成を示す拡大図。 クリーニングブレードの一例を示す図。 クリーニングブレードの他の例を示す図。 クリーニングブレードの摩耗について説明する図。 欠け状摩耗と、クリーニングブレードの引っ張り強さと、感光体の表面粗さの最大高さとの関係を示すグラフ。 摩耗面積と、クリーニングブレードの引っ張り強さと、感光体の表面粗さの最大高さとの関係を示すグラフ。
以下、本発明に係るブレード部材を電子写真方式の画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の複写機の内部構成を示す構成図である。
本複写機には、その略中央に画像形成部200が配置され、この画像形成部200の下方に給紙部400が配置されている。なお、必要に応じて別の給紙装置を下部に増設することができる。また、画像形成部200の上方には、排紙収納部9を隔てて、原稿を読み取る画像読取部300が配設されている。排紙収納部9には、画像が形成された記録材としての記録紙Pが排紙、収納される。なお、図1中矢印Aで示すものは、記録紙Pの通紙経路である。
画像形成部200には、複数の作像部としての画像形成ユニット12Y,12M,12C,12Kが中間転写ベルト41に対向するように並設されている。また、画像形成ユニット12Y,12M,12C,12Kの下側には、潜像形成手段としての露光装置10が設置されている。これらの画像形成ユニット12Y,12M,12C,12Kの符号に付された添え字Y、M、C、Kはその符号が示す部材などが扱うトナーの色と対応している。以下、特にトナーの色を区別しないときには添え字を省略する場合がある。
画像形成ユニット12には、ドラム状の像担持体である感光体1が設けられている。感光体1の周囲には、感光体1の表面を一様に帯電する帯電手段としての帯電装置2、露光装置10により感光体1の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト41へ転写した後の感光体表面に残留する転写残トナー等を除去回収するクリーニング手段としての感光体クリーニング装置6、感光体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段としての潤滑剤塗布装置7などが設けられている。また、感光体1の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト41に転写する一次転写ローラ13が中間転写ベルト41を挟んで感光体1に対向して配置されている。
中間転写ユニット4の図中右側には、複数の感光体1上の各トナー像を重ね合わせて転写された中間転写ベルト41上のトナー像を記録紙Pに二次転写するための二次転写ローラ51を備えた二次転写装置5が配置されている。二次転写ローラ51にトナーが付着すると記録紙Pの裏汚れの原因となるので、二次転写装置5には、二次転写ローラ51の表面に付着したトナーを除去回収する二次転写部材クリーニング装置56が配置されている。さらに、二次転写装置5には、二次転写ローラ51に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段としての二次転写部材潤滑剤塗布装置57が設けられている。
また、中間転写ユニット4には、二次転写後の中間転写ベルト41の表面に残留したトナーを除去回収する中間転写体クリーニング装置46が設けられている。また、二次転写装置5によりトナー像が転写された記録紙Pのトナーを定着処理する定着手段としての定着装置8が配置されている。定着装置8を通紙した記録紙Pは、排紙ローラを経て排紙収納部9に排紙、収納される。
メンテナンスを容易にするため、画像形成ユニット12は、感光体1、帯電装置2、現像装置3、感光体クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置7等をプロセスカートリッジとして1つのユニットに組み込み、複写機100本体に対して着脱可能としている。
給紙部400には、未使用の記録紙Pが収納されており、給紙ローラの回転により一番上の記録紙Pが給紙カセット40から送り出され、レジストローラ11へと搬送される。レジストローラ11は、記録紙Pの搬送と一時的に止めて、中間転写ベルト41の表面のトナー像と記録紙Pの先端との位置関係が所定の位置関係となるタイミングを取って、回転が開始されるように制御される。
画像情報を読み込む画像読取部300では、コンタクトガラス302上に載置される原稿の画像読み取りを行うために、原稿照明用光源とミラーとを搭載した読取走行体301がコンタクトガラス302に沿って往復移動する。原稿からの反射光は、レンズ303の後段に設置されているCCD304により受光される。CCD304は、受光した光を画像信号に変換し、これを制御部に出力する。制御部は、入力された画像信号に基づく画像情報に対して各種画像処理を施した上で、その画像情報に基づいて露光装置10の光源(レーザダイオード等)の駆動などを制御する。レーザーダイオードからの書込光は、ポリゴンミラーやレンズ等を介して感光体1の表面に至り、これにより感光体1の表面には当該画像情報に対応する静電潜像が形成される。
図2は、本実施形態の複写機における現像装置3を除く作像部の概略構成を示す拡大図である。なお、図2中の矢印Bは、感光体1の回転方向を示している。
帯電装置2は、主に、帯電部材である帯電ローラ21と、それを感光体1に所定の圧力で加圧する帯電付勢手段としての加圧バネ22とから構成されている。帯電ローラ21は、導電性のシャフトの周りに導電性弾性層を有するものである。帯電ローラ21は、電圧印加装置により導電性シャフトを介して電圧が供給され、その導電性弾性層と感光体1との空隙に生じる所定の電圧によって感光体1の表面に所定極性の電荷を付与する。また、帯電装置2には、帯電ローラ21に付着した付着物を除去するための帯電クリーナローラ23も備わっている。
本実施形態の現像装置3は、本実施形態では二成分現像方式のものであるが、一成分現像方式のものであってもよい。現像装置3では、攪拌スクリューにより攪拌された現像剤を現像剤担持体としての現像ローラ上に担持させ、現像剤規制部材としての現像ドクタによって薄層化する。そして、薄層化された現像剤を、現像ローラの回転により感光体1との対向領域である現像領域へと搬送し、その現像領域で感光体1上の静電潜像をトナー像化する。
感光体クリーニング装置6は、ブレード部材であるクリーニングブレード61を備えている。このクリーニングブレード61を支持するホルダー62は、クリーニングブレード61のエッジ部が当接する感光体表面箇所よりも感光体表面移動方向下流側でクリーニングブレード61を支持している。また、感光体クリーニング装置6は、クリーニングブレード61により掻き取って回収した転写残トナー等のクリーニング対象物を、廃トナーボトルまで搬送するための回収コイル63も備えている。
次に、潤滑剤塗布装置7の構成について説明する。
本実施形態においては、感光体クリーニング装置6の感光体表面移動方向下流側であって、帯電装置2の感光体表面移動方向上流側に、潤滑剤塗布装置7が配置されている。潤滑剤塗布装置7は、潤滑剤供給部材としての発泡ウレタンローラ71と、発泡ウレタンローラ71に当接して設けられたステアリン酸亜鉛からなる固形潤滑剤72と、固形潤滑剤72を発泡ウレタンローラ71に圧接させるための加圧バネ73とを備えている。発泡ウレタンローラ71は、感光体1の表面にも当接しており、図中の矢印で示すように感光体表面に対してカウンター方向に回転駆動する。発泡ウレタンローラ71は、金属シャフトに発泡ウレタンを巻きつけてローラ状にしたものであり、固形潤滑剤72を削り取り、削り取った粉末状の固形潤滑剤を感光体表面に塗布する。
固形潤滑剤72は、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤と無機微粒子を含有させて形成したものである。また、脂肪酸金属亜鉛としては、少なくともステアリン酸亜鉛を含んだものが好ましい。また、無機潤滑剤としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素のうち少なくとも1つを用いることができ、特に、窒化ホウ素が好ましい。
窒化ホウ素は、放電による特性変化がほとんどないため、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤72を用いることで、感光体1上で帯電工程や転写工程が行われた後にも、放電による劣化が生じにくくなる。また、窒化ホウ素を配合した固形潤滑剤72を用いることで、感光体1が放電により酸化、蒸発してしまうことを防止することもできる。
また、窒化ホウ素だけからなる潤滑剤を用いてしまうと、感光体1の表面に供給された潤滑剤が表面全体に行き渡らずに、表面全体に均一な潤滑剤の薄膜が形成されなくなるおそれがある。そのため、固形潤滑剤72に窒化ホウ素の他に脂肪酸金属塩を配合している。これにより、感光体1の表面全体にわたって潤滑剤の薄膜を効率よく形成することができて、長期にわたって高い潤滑性を維持することができる。
脂肪酸金属塩としては、例えば、フッ素系樹脂、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等のラメラ結晶構造を持つ脂肪酸金属塩や、ラウロイルリジン、モノセチルリン酸エステルナトリウム亜鉛塩、ラウロイルタウリンカルシウム等の物質を使用することができる。特に、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を用いた場合には、感光体1上での伸展性が向上して、吸湿性が低くて湿度が変化しても潤滑性が損なわれにくくなる。
無機微粒子に関しては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられるが、これに限ったものではない。無機微粒子は、感光体1上で研磨力を発揮し、感光体1上に窒化ホウ素などが固着することを抑制する。
また、固形潤滑剤72に配合する材料としては、脂肪酸金属塩や窒化ホウ素の他に、シリコーンオイル、フッ素系オイル、天然ワックス等の液状材料やガス状材料を外添剤として用いることもできる。
このように構成される固形潤滑剤72は、粉体状の潤滑剤を型に入れて型内で圧力をかけて固形のブロックに形成することもできるし、粉体状の潤滑剤を加熱溶融したものを型の中に流し込んだ後に冷却して固形のブロックを形成することもできる。また、潤滑剤の構成材料をブロック状に固める際には、必要に応じて、その構成材料中にバインダーを添加して成形することもできる。
また、潤滑剤塗布装置7は、発泡ウレタンローラ71により感光体1の表面に塗布された潤滑剤を均すための均しブレード74を有している。均しブレード74はウレタンゴム等のゴム材料からなり、発泡ウレタンローラ71に対して感光体1の回転方向下流側の位置で感光体1に対してカウンタ方向に当接するようにホルダー75に保持されている。
固形潤滑剤72を、発泡ウレタンローラ71を介して感光体1の表面に塗布すると、感光体1の表面には粉体状の潤滑剤が塗布されるが、この状態のままでは潤滑性は充分に発揮されないため、ブレード部材としての均しブレード74により潤滑剤を均一化する。
均しブレード74により、感光体1上での潤滑剤の皮膜化がおこなわれて、潤滑剤はその潤滑性を充分に発揮することになる。このとき、発泡ウレタンローラ71により塗布する粉体状の潤滑剤は微粉であるほど、均しブレード74により感光体1上に分子膜レベルで薄膜化されるとともに発泡ウレタンローラ71によって感光体1上に供給された潤滑剤を薄層化することができる。
感光体表面に潤滑剤を塗布することで、感光体1とクリーニングブレード61との摩擦係数を低減することができ、クリーニングブレード61の摩耗を抑制することができる。また、感光体表面に潤滑剤を供給することで、感光体上のトナーやトナーに含まれるシリカなどの外添加剤などをクリーニングブレードにより感光体上から剥離しやすくする効果もある。また、均しブレード74は、クリーニングブレードとしての機能を兼ねてもよい。
感光体1に関しては、ドラム状の導電性支持体上に下引き層、ついで感光層、ついで保護層が形成された構成で、感光層はさらに電荷発生層と電荷輸送層から構成される。電荷発生層は、露光装置によって照射された光によって、十分な電子、正孔対が生成され、表面電荷及び支持体の電荷に応じて分離され、正孔(+)は感光体の表層のマイナス電荷に向かって移動する際に、電荷発生層と電荷輸送層の境界に正孔が飛び越えられない高い障壁が形成されないものであれば、無機系、有機系を問わず公知の材料が使用可能である。
また、保護層に関してはフィラーを分散することで耐摩耗性を向上させることができる。フィラーに関しては、無機フィラーが望ましく、アルミナや酸化チタンなどは好適な材料のひとつである。また、保護層に含有させるフィラーの大きさを変えることによって所望の表面粗さにすることが可能であるが、本発明では表面粗さの調整法に関してはこれに限るものではない。
図3は、クリーニングブレード61の一例を示す図である。
図3(a)は、クリーニングブレードのエッジ部61aの角度θが、直角のクリーニングブレードの一例を示す図であり、図3(b)は、エッジ部61aの角度θが鈍角のクリーニングブレードの一例を示す図であり、図3(c)は、エッジ部61aの角度θが鈍角のクリーニングブレードの他の例を示す図である。
クリーニングブレード61は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなるホルダー62の一端側に接着剤などにより固定されている。クリーニングブレードは、短冊形状であり、感光体1の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが好適である。
クリーニングブレード61は、感光体表面に当接する先端稜線でありブレード先端部であるエッジ部61aと、一辺がエッジ部61aを構成し、感光体表面に対向するブレード下面61cと、一辺がエッジ部61aを構成し、ブレードの厚み方向に延びる先端面61bと、ブレード下面61cに平行なブレード上面61dとを有している。図3(a)のクリーニングブレード61は、ブレード下面61cと先端面61bとのなす角度であるエッジ部の角度θが、直角であり、図3(b)、図3(c)のクリーニングブレード61は、エッジ部の角度θが、鈍角(90°<θ<180°)となっている。
図3(b)のクリーニングブレードは、先端面61b全体が感光体側に傾斜させてエッジ部の角度を鈍角としており、図3(c)のクリーニングブレードは、先端面61bのエッジ部近傍のみを感光体側に傾斜させてエッジ部の角度を鈍角としている。
エッジ部61aの角度θを鈍角とすることで、直角(もしくは鋭角)の場合に比べて、後述するエッジ部61aの欠け状摩耗、通常摩耗を抑制することができる。また、エッジ部61aの角度は95°以上、140°以下が好ましく、95°よりも小さくすると、鈍角による欠け状摩耗、通常摩耗の抑制効果が十分に得られない。一方、140°よりも大きくするとトナーや潤滑剤のすり抜けが発生しやすくなる。
図4は、クリーニングブレードの他の例を示す図である。
図4に示すクリーニングブレードは、エッジ部を含むエッジ層161aとバックアップ層161bとからなる二層構造となっている。二層構造のクリーニングブレードは、押し出し成型や遠心成型によって各層を順次重ね合わせることで作成することができる。エッジ層161aとバックアップ層161bは異なる材料、硬度のウレタンゴムなどのゴム材料からなっている。
クリーニングブレードを積層構造とすることで、クリーニングブレードの感光体表面への追従性、当接圧の維持が容易になる。エッジ部を構成する材料の反発弾性率を低くすることで、エッジ部61aのスティックスリップ運動を抑制することができ、高周波異音や欠け状摩耗の発生を抑制できる。しかし、反発弾性率を低くすることで、クリーニングブレードの感光体表面への追従性、当接圧の維持が難しくなる。特に、低温環境下(10℃、RH15%)における感光体表面への追従性、当接圧の維持が難しくなり、潤滑剤やトナーのすり抜けが発生してしまう可能性が高い。
二層構造とすることで、10℃におけるバックアップ層の反発弾性率を、10℃におけるエッジ層の反発弾性よりも大きくできる。これにより、低温環境下におけるクリーニングブレード全体の反発弾性率の低下が抑制され、クリーニングブレードの感光体表面への追従性、当接圧を維持することができ、低温環境下における潤滑剤やトナーのすり抜けを抑制することができる。また、エッジ部61aの反発弾性率を低く抑えることができるので、エッジ部61aのスティックスリップ運動を抑制することができ、高周波異音や欠け状摩耗の発生を抑制できる。
経時使用によりクリーニングブレードのエッジ部に欠け状摩耗が発生し、欠け状摩耗の発生部からトナーや潤滑剤がすり抜けることによるクリーニング不良が発生する。トナーや潤滑剤がすり抜けることで、帯電ローラ21にすり抜けたトナーなどが付着し、帯電ローラ21に汚れが発生する。汚れた帯電ローラ21は帯電ムラ・帯電不良が引き起こし、ムラ画像・スジ状の異常画像が発生してしまう。
上記欠け状摩耗は、例えば、エッジ部がスティックスリップ運動によって、エッジ部の一部が欠けたり、引き千切られたりして発生する。上記スティックスリップ運動は、感光体1との摩擦力により感光体1に接触するエッジ部が感光体移動方向下流側に弾性変形した状態と未変形の状態の間で振動する現象である。
エッジ部の感光体移動方向下流側への弾性変形は、感光体の表面粗さを粗くして、感光体とエッジ部との接触面積を減らすことで摩擦力を低下させたり、エッジ部を構成する材料の引っ張り強さを高めたりすることで抑制される。エッジ部の感光体移動方向下流側への弾性変形を抑制することで、スティックスリップ運動が抑制され欠け状摩耗を抑制できる。しかし、エッジ部の引っ張り強さを高めすぎると、感光体1との間に働く摩擦力でエッジ部61aが容易に変形せず、エッジ部61aに大きなせん断応力が発生する。そのため、ウレタンゴム材料の分子の切断が発生し易く、摩耗が進行しやすい。
図5は、クリーニングブレードの摩耗について説明する図である。
図5(a)は、クリーニングブレードの欠け状摩耗80の発生部をブレード長手方向に対して垂直に切断したときの切断面を示す模式図である。図5(b)は、図5(a)の上側からブレード下面61c及び、エッジ部61aを観察したときの概略図である。図5(c)は、通常摩耗81が発生したクリーニングブレードをブレード長手方向に対して垂直に切断したときの切断面を示す模式図である。
なお、図5(a),図5(c)に示す破線は、初期時のクリーニングブレードの形状を示している。
図5(a),図5(b)に示すように、欠け状摩耗80は、スティックスリップ運動によりエッジ部61aの一部が先端面61bの一部からブレード下面61cの一部にかけてえぐれたように消失する。また、図5(b)に示すように、欠け状摩耗80はエッジ部61aの長手方向に均一に発生しているわけではなく、部分的に発生する。
一方、図5(c)に示す通常摩耗81は、エッジ部61aが長手方向全に一様に摩耗する。通常摩耗81は、エッジ部61aにせん断力が働くことにより発生する摩耗であり、エッジ部が均一に削れていく。そのため、エッジ部61aの一部に摩耗深さ82aと摩耗幅82bを伴いブレード長手方向に比較的広い幅で均一に発生することが多い。
このように、通常摩耗は、せん断応力が働くことにより発生する摩耗であり、感光体1との間に働く摩擦力でエッジ部61aがほとんど変形しないなど、エッジ部61aに大きなせん断力が働く場合に進行しやすい。通常摩耗が進んでしまうと、クリーニングブレードの感光体への当接面が大きくなることによりピーク圧が低下する。その結果、トナーがすり抜け易くなってしまい通常印刷されない部分にトナーが乗ってしまう異常画像が発生してしまう。
従来技術には、クリーニングブレード61のエッジ部61aの欠けや、耐摩耗性の向上を図る目的で、エッジ部61aを構成する材料の引っ張り強さを規定するものがある(例えば、特許文献1)。しかしながら、従来技術では、感光体1の表面粗さの最大高さについては言及されていない。ブレードの欠け状摩耗を抑制するためには感光体1との摩擦も重要である。感光体1の表面粗さが低いと、感光体1とエッジ部61aとの接触面積が増えて摩擦力が高まり、感光体1の表面移動によりエッジ部61aが感光体移動方向下流側に引き込まれ、スティックスリップ運動が発生し、エッジ部61aに欠け状摩耗、もしくは欠けが発生してしまうことがある。
そこで、本実施形態では、感光体1の表面粗さの最大高さRzと、エッジ部61aを構成する材料の引っ張り強さとの関係を調べ、欠け状摩耗を抑制し、かつ、通常摩耗も抑制できる感光体1の表面粗さの最大高さRzと、エッジ部61aの引っ張り強さとの関係を見出した。以下、本出願人が、感光体1の表面粗さの最大高さRzと、エッジ部61aの引っ張り強さとの関係を見出した評価試験の詳細について記載する。
<評価試験>
評価試験は、23℃における引っ張り強さTが互いに異なる8つのクリーニングブレード(ブレードa〜h)、表面粗さの最大高さRzが互いに異なる3つの感光体(感光体a〜c)を組み合わせてランニング試験を行なった。ランニング試験は、画像面積5%のランニングチャートを両面通紙し、感光体1の走行距離75[Km]に達するまで行なった。
クリーニングブレード61としては、ポリウレタンからなる単層ブレードであり、先の図3(a)に示したエッジ部の角度が直角のものを用いた。クリーニングブレード61を支持するホルダー62は、クリーニングブレード61のエッジ部61aが当接する感光体表面移動方向下流側でクリーニングブレード61の初期当接角度が20°、感光体1への初期当接力が7800[mN]になるようにクリーニングブレードを支持した。
クリーニングブレード61の特性値として、JISアスカーA硬度と23℃における引っ張り強さTを測定した。測定方法としては製造ロットが同じブレードの場合は、その中の一本を抜き出し測定した。
クリーニングブレード61のアスカーA硬度は、JIS-K6301記載の測定方法で、JIS-A型硬さ試験機を使用して測定した。また、23℃における引っ張り強さTはJIS-K6251に準じて測定した。また、少なくとも同じロットはであればこれらの特性値のばらつきは少なく効果確認試験の結果に影響することはない。
また、評価試験は、タンデム式の画像形成装置(図1参照)を用いた。また、評価試験に用いる感光体1に関しては、ドラム状の導電性支持体上に下引き層、ついで感光層、ついで保護層が形成された構成で、感光層はさらに電荷発生層と電荷輸送層から構成されるものを用いた。感光体1の表面粗さ最大高さRzは、接触方式のACCRETECH(東京精密)社製のサーフコム D1400を使用し、評価試験前に測定を行った。
また、使用するトナーに関しては、少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水溶液中で架橋及び/または伸張反応させて得られるトナーを用いた。用いるトナーの平均円形度a(=L0/L)0.93〜1.00である。なお、L0は粒子像と同投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子の周長を示す。
感光体1の走行距離75[Km]のランニング試験後に、摩耗面積と、欠け状摩耗の発生の有無とを調べた。クリーニングブレードの欠け状摩耗発生の有無は、マイクロスコープにより観察し、欠け状摩耗がない場合は「○」、わずかに欠け状摩耗が確認された場合は「△」、欠け状摩耗の多発が確認された場合は「×」と評価した。
一般的に、わずかに欠け状摩耗が確認された程度であれば、クリーニング不良による画質への影響は少ない。従って、評価「△」以上を、欠け状摩耗評価合格レベルとした。
摩耗面積は、KEYENCE製 レーザー顕微鏡 VK-9500にてランニング評価試験後のクリーニングブレード先端の立体像を観察し求めた。摩耗面積は、使用初期に対する喪失部分の断面積を三角形で近似したものであり、図5(c)に示すように、クリーニングブレードの厚み方向の摩耗である摩耗深さ82aと、感光体移動方向の長さである摩耗幅82bを測定する。そして、摩耗深さ×摩耗幅÷2より摩耗面積を求める。求めた摩耗面積の小数点以下は小数点第一位を四捨五入するものとする。摩耗面積は、通常摩耗の評価であり、摩耗面積300[μm]以下の場合は「○」、摩耗面積301[μm]以上800[μm]以下の場合は「△」、摩耗面積801[μm]以上の場合は、「×」と評価した。
一般的に、摩耗面積が300[μm]以下であればクリーニングブレード61からトナーのすり抜けはほとんどない。摩耗面積が301[μm]以上になると、わずかにトナーの粒がすり抜けやすくなり、極小の点状の異常画像が発生する場合もあるが目立つようなものではない。摩耗面積が801[μm]以上になるとトナーが集団ですり抜けることによる、帯状の異常画像が発生しやすくなる。従って、評価「△」以上を、通常摩耗評価合格レベルとした。
下記表1に、実施例、比較例の感光体1の表面粗さの最大高さRzと、クリーニングブレード61のアスカーA硬度と、引っ張り強さTと、評価結果とを示す。
Figure 2020020915
比較例1〜3では、クリーニングブレード61のエッジ部61aに長手方向全域にわたり、深さ5〜30[μm]程度の欠け状摩耗が多数発生しており、欠け状摩耗評価「×」であった。これは、感光体1の表面粗さの最大高さRzが低い。このため、経時の使用で感光体表面が摩耗していくにつれて、感光体1とエッジ部61aとの接触面積が増加し、摩擦力が高まり、エッジ部61aを感光体表面移動方向へ引っ張る力が強く働く。さらに、比較例1〜3においては、クリーニングブレード61の引っ張り強さが弱いため、感光体表面移動方向へ引っ張る力(摩擦力)により、エッジ部61aが感光体表面移動方向に大きく弾性変形し、スティックスリップ運動が発生してしまい、欠け状摩耗が多数になったと考えられる。
一方、比較例1、2と同じ引っ張り強さの実施例1では、クリーニングブレード61のエッジ部61aに数箇所に深さ10[μm]以下程度のわずかな欠け状摩耗であり、評価は「△」であった。これは、感光体1の表面粗さの最大高さRzが、1[μm]と高いため、経時に亘り、感光体1の表面粗さが維持され、感光体1とエッジ部61aとの接触面積の増加が抑えられ、摩擦力の高まりを防げたと考えられる。これにより、クリーニングブレードの引っ張り強さが弱くても、感光体表面移動方向下流側への弾性変形が抑制され、スティックスリップ運動が抑制されたことで、欠け状摩耗が多発しなかったと考えられる。
実施例2については、実施例1よりも引っ張り強さTが強いため、感光体1の表面粗さの最大高さが0.4[μm]で、欠け状摩耗評価「△」となり、実施例4は、実施例2に比べて引っ張り強さTが強いため、感光体1の表面粗さの最大高さが0.07[μm]でも、欠け状摩耗評価「△」となった。一方、引っ張り強さ135[kgf/cm]以上の実施例、比較例については、引っ張り強さTが強いため、エッジ部61aが感光体表面移動方向に大きく弾性変形することがなく、スティックスリップ運動が抑制され、欠け状摩耗が生じることがなかった。
以上の結果より、引っ張り強さTが強いほど欠け状摩耗は抑制できる。さらに、感光体表面粗さの最大高さRzが高いほど、エッジ部61aが感光体表面移動方向下流側に引っ張られる力(摩擦力)を小さくでき、欠け状摩耗が抑制できることがわかった。
図6は、欠け状摩耗と、クリーニングブレードの引っ張り強さTと、感光体の表面粗さの最大高さRzとの関係を示すグラフである。
図中鎖線は、欠け状摩耗評価「△」の実施例1と実施例4の点を通る直線であり、引っ張り強さT、感光体表面粗さの最大高さRzとしたとき、T=−37Rz+121で表される。上述したように欠け状摩耗「△」は、わずかに欠け状摩耗が確認された程度であり、クリーニング不良による画質への影響は少ない。また、この直線よりも下に欠け状摩耗「△」評価の実施例2があることから、この直線よりも上の領域で、欠け状摩耗評価が「×」となることはない。従って、23℃における引っ張り強さTと、感光体の表面粗さ最大高さRzとの関係が、T≧−37Rz+121を満たすものであれば、欠け状摩耗が抑制され、感光体75[Km]走行後も、良好なクリーニング性が維持することができる。
また、図中実線は、欠け状摩耗評価「○」の実施例7と実施例3の点を通る直線であり、引っ張り強さT、感光体表面粗さの最大高さRzとしたとき、T=−37Rz+138で表される。この直線よりも下に欠け状摩耗「○」評価の実施例5があることから、この直線よりも上の領域で、欠け状摩耗評価が「△」となることはない。従って、23℃における引っ張り強さTと、感光体の表面粗さ最大高さRzとの関係が、T≧−37Rz+138を満たすものであれば、感光体75[Km]走行後も、欠け状摩耗が生じることなく、より一層、良好なクリーニング性が維持することができる。
また、表1に示すように、比較例4〜8については、摩耗面積が801[μm]以上であり、通常摩耗評価が「×」となった。これは、引っ張り強さTが強すぎるため、エッジ部61aがほとんど弾性変形しない。その結果、エッジ部61aに大きなせん断応力がかかり、摩耗の進行速度が速く、摩耗面積が801[μm]以上となったと考えられる。また、比較例4、5と同じ引っ張り強さTの実施例16については、摩耗面積が800[μm]以下であり、通常摩耗評価が「△」であった。これは、実施例16の感光体表面粗さの最大高さRzが、1.0[μm]であり、比較例4や5より高い。従って、比較例4や比較例5に比べて、エッジ部61aの感光体1との摩擦力が弱く、エッジ部61aを感光体表面移動方向下流側に引っ張る力が弱い。その結果、エッジ部にかかるせん断応力が、比較例4や比較例5に比べて弱くなり、通常摩耗が抑制されたと考えられる。
実施例10、11、12,14、15ではクリーニングブレードのエッジ部に長手方向全域にわたり、摩耗面積が300[μm]以下であり、通常摩耗評価が「○」であった。これは、引っ張り強さTと感光体の表面粗さの最大高さRzに依存する摩擦力との関係が適切であり、エッジ部61aが適度に弾性変形したことで、エッジ部61aにかかるせん断応力を低減することができ、通常摩耗が抑えられたと考えられる。
以上より、クリーニングブレード61の通常摩耗は、引っ張り強さTが小さいほど、感光体1との摩擦力でエッジ部61aが適度に弾性変形してエッジ部61aにかかるせん断応力が小さくなるために抑制できることがわかる。さらに感光体表面粗さの最大高さRzが大きいほど、感光体1とエッジ部61aとの接触面積の増加が抑制され、摩擦力が抑えられるため通常摩耗は抑制できることがわかる。
図7は、摩耗面積と、クリーニングブレード61の引っ張り強さTと、感光体1の表面粗さの最大高さRzとの関係を示すグラフである。
図中鎖線は、通常摩耗評価「△」の実施例13と実施例16の点を通る直線であり、引っ張り強さT、感光体表面粗さの最大高さRzとしたとき、T=35Rz+507で表される。上述したように、摩耗面積が800[μm]以下であれば、わずかにトナーすり抜けが起こり、極小の点状の異常画像が発生する場合もあるが目立つようなものではない。従って、23℃における引っ張り強さTと、感光体1の表面粗さ最大高さRzとの関係が、T≦35Rz+507を満たすものであれば、通常摩耗が抑制され、感光体75km走行後も、良好な画像を維持することができる。
また、図中実線は、通常摩耗評価「○」の実施例10と実施例15の点を通る直線であり、引っ張り強さT、感光体表面粗さの最大高さRzとしたとき、T=34Rz+475で表される。従って、23℃における引っ張り強さTと、感光体1の表面粗さ最大高さRzとの関係が、T≦34Rz+507を満たすものであれば、感光体75[Km]走行後の摩耗面積を300[μm]以下に抑えることができ、より一層、経時でクリーニング性を維持でき、良好な画像を維持することができる。
特許文献1では、クリーニングブレード61のエッジ部61aの引っ張り強さを100〜600[kgf/cm]と定めているが、引っ張り強さが100[kgf/cm]のとき、図6から明らかなように感光体1として、表面粗さの最大高さRzが0.56[μm]以上のものを用いないと、欠け状摩耗が生じてしまう。また、一般的な感光体1の表面粗さの最大高さRzが0.1〜0.6[μm]であることを考えると、エッジ部61aの引っ張り強さを100[kgf/cm]以上に定めている特許文献1では一般的な感光体1を使用する場合において欠け状摩耗に対して効果不十分である。
また、引っ張り強さが600[kgf/cm]のとき、T≦35Rz+507に基づけば、感光体1として表面粗さの最大高さRzを、2.7[μm]以上にしなければ、通常摩耗の進行が速く、早期にクリーニング不良が発生してしまう。上述したように、一般的な感光体1の表面粗さの最大高さRzが、0.1〜0.6[μm]であることを考えると、クリーニングブレード61の寿命が極端に短いものとなってしまう。さらに、表面粗さの最大高さRzが2.7[μm]付近の感光体1を用いた場合、感光体1の表面粗さが粗いため、クリーニングブレード61のエッジ部61aとの間に隙間ができ、トナーや潤滑剤などがすり抜け易くなってしまい、使用初期時から良好なクリーニング性が得られないおそれもある。
また、表1の実施例1、実施例10〜12に示すように、アスカーA硬度63〜90°で良好な結果が得られた。エッジ部61aのアスカーA硬度が63°よりも低いと、エッジ部61aが感光体1との摩擦力で感光体移動方向下流側に弾性変形しやすくなり、スティックスリップ運動が発生しやすくなり、欠け状摩耗が発生しやすくなる。また、クリーニングブレード61のエッジ部61aのアスカー硬度としては、73°以下が好ましい。これは、アスカーA硬度が高すぎると、感光体1に硬い異物が付着し、その硬い異物がクリーニングブレード61のエッジ部61aに進入したときにエッジ部61aに欠けが発生するリスクが高くなってしまうからである。従って、エッジ部61aのアスカー硬度を、73°以下としてエッジ部61aが硬すぎないようにするのが好ましい。
また、先の図4に示した積層構造のクリーニングブレードの場合は、エッジ層161aの引っ張り強さTを、感光体の表面粗さの最大高さRzの関係で規定すればよい。また、上述では、クリーニングブレードについて説明したが、均しブレード74についても、感光体の表面粗さの最大高さと引っ張り強度との関係を、上述した関係にすることで、均しブレードのエッジ部の欠け状摩耗や、通常摩耗の進行を抑制でき、均しブレード74の長寿命化を図ることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
感光体1などの像担持体と、弾性材料で構成され、エッジ部61aなどの先端部が像担持体の表面に当接するクリーニングブレード61などのブレード部材とを備え、像担持体上に形成した画像を最終的に記録紙Pなどの記録媒体に転移させる画像形成装置において、像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、前記ブレード部材のブレード先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、T≧−37Rz+121の関係を満たすよう構成されている。
特許文献1では、クリーニングブレード61などのブレード部材の引っ張り強さを100〜600[kgf/cm]を規定しているが、感光体などの像担持体の表面粗さによっては十分にブレード部材の先端部の欠けを抑制できないおそれがあった。
これに対し、態様1は、上述した評価試験により、ブレード先端部の引っ張り強さTと、像担持体の表面粗さの最大高さRzとの関係をT≧−37Rz+121とすることでブレード部材の先端部に欠けが生じるのを抑制することを見出しなされたものであり、上記関係を満たすことで、経時にわたりブレード部材の先端部の欠けを抑制できる。
(態様2)
態様1において、感光体1などの像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、エッジ部61aなどのブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、T≧−37Rz+138の関係を満たすよう構成されている。
これによれば、上述した評価試験(特に図6参照)で説明したように、ブレード部材の欠け状摩耗の発生をより一層抑制することができる。
(態様3)
態様1または2において、感光体1などの像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、エッジ部61aなどのブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、T≦35Rz+507の関係を満たすように構成されている。
これによれば、上述した評価試験(特に図7参照)で説明したように、ブレード部材の通常摩耗を抑制することができる。
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、感光体1などの像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、エッジ部61aなどのブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、T≦34Rz+475の関係を満たすよう構成されている。
これによれば、上述した評価試験(特に図7参照)で説明したように、ブレード部材の通常摩耗をより一層抑制することができる。
(態様5)
態様1乃至4において、エッジ部61aなどのブレード部材の先端部を構成する材料の23℃におけるJISアスカーA硬度を、63°以上、90°以下とした。
これによれば、上述した評価試験(特に表1参照)で説明したように、JISアスカーA硬度を、63°以上、90°以下のクリーニングブレードなどのブレード部材で、通常摩耗、欠け状摩耗が抑制された結果を得ることができた。従って、少なくとも、JISアスカーA硬度を、63°以上、90°以下の範囲であれば、感光体1などの像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、エッジ部61aなどのブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]との関係を上述した関係にすることで、ブレード部材の欠け状摩耗や通常摩耗を抑制することができる。
(態様6)
態様5において、エッジ部61aなどのブレード部材もブレード先端部を構成する材料の23℃におけるJISアスカーA硬度を73°以下とした。
これによれば、実施形態で説明したように、感光体1などの像担持体に硬い異物が付着し、その硬い異物がエッジ部61aなどのブレード部材のブレード先端部に進入したときに、先端部に欠けが発生するのを抑制することができる。
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、クリーニングブレード61などのブレード部材は、エッジ部61aなどの先端部を構成するエッジ層161aと、エッジ層161aに積層されるバックアップ層161bとを有する積層構造であり、バックアップ層161bの10℃における反発弾性率が、エッジ層161aの10℃における反発弾性率よりも大きい。
これによれば、実施形態で説明したように、エッジ層161の反発弾性率を低くすることができ、エッジ部61aなどの先端部のスティックスリップ運動を抑制することができ、高周波異音や欠け状摩耗の発生を抑制できる。また、バックアップ層161bの10℃における反発弾性率が高いので、低温環境下でもクブレード部材の弾性を維持でき、低温環境下での像担持体表面への追従性の低下や、当接圧の低下を抑制することができる。
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、クリーニングブレード61などのブレード部材の厚み方向に平行な先端面61bと、先端面61bと隣接し、像担持体と対向するブレード下面61cとのなす角度(エッジ部角度)θが、鈍角である。
これによれば、実施形態で説明したように、直角(もしくは鋭角)の場合に比べて、エッジ部61aなどブレード部材の先端部の欠け状摩耗、通常摩耗を抑制することができる。
(態様9)
態様1乃至8において、潤滑剤を感光体などの像担持体の表面に塗布または付着させる潤滑剤塗布装置7などの潤滑剤供給手段を備える。
これによれば、実施形態で説明したように感光体とクリーニングブレードなどのブレード部材との間の摩擦係数を低減することができ、ブレード部材のエッジ部の感光体との摩擦力を低減することができる。これにより、エッジ部61aなどの先端部のスティックスリップ運動が抑制され欠け状摩耗が発生を抑制することができる。また、摩擦力が低減されることで、先端部にかかるせん断応力を低減することができ、通常摩耗も抑制することができる。
(態様10)
態様9において、ブレード部材が、感光体1などの像担持体の表面の潤滑剤を均す均しブレード74である。
これによれば、均しブレードの先端部の欠けを経時にわたり抑制することができる。
(態様11)
態様1乃至9において、ブレード部材が、感光体1などの像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニングブレードである。
これによれば、リーニングブレードの先端部の欠けを経時にわたり抑制することができる。
1 :感光体
2 :帯電装置
6 :感光体クリーニング装置
7 :潤滑剤塗布装置
12 :画像形成ユニット
21 :帯電ローラ
61 :クリーニングブレード
61a :エッジ部
61b :先端面
61c :ブレード下面
61d :ブレード上面
62 :ホルダー
63 :回収コイル
71 :発泡ウレタンローラ
72 :固形潤滑剤
73 :加圧バネ
74 :均しブレード
80 :欠け状摩耗
81 :通常摩耗
82b :摩耗幅
161 :エッジ層
161a :エッジ層
161b :バックアップ層
200 :画像形成部
P :記録紙
Rz :表面粗さ最大高さ
T :引っ張り強さ
θ :エッジ部角度
特開平9−281865号公報

Claims (11)

  1. 像担持体と、
    弾性材料で構成され、先端部が前記像担持体の表面に当接するブレード部材とを備え、
    前記像担持体上に形成した画像を最終的に記録媒体に転移させる画像形成装置において、
    前記像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、前記ブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、以下の関係式(A)を満たすよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
    T≧−37Rz+121・・・(A)
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、前記ブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、以下の関係式(B)を満たすよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
    T≧−37Rz+138・・・(B)
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
    前記像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、前記ブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、以下の関係式(C)を満たすよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
    T≦35Rz+507・・・(C)
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記像担持体の表面粗さの最大高さRz[μm]と、前記ブレード部材の先端部を構成する材料の引っ張り強さT[kgf/cm]とが、以下の関係式(D)を満たすよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
    T≦34Rz+475・・・(D)
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記ブレード部材の先端部を構成する材料の23℃におけるJISアスカーA硬度を、63°以上、90°以下としたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、
    前記ブレード部材の先端部を構成する材料の23℃におけるJISアスカーA硬度を、73°以下としたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記ブレード部材は、前記先端部を構成するエッジ層と、前記エッジ層に積層されるバックアップ層とを有する積層構造であり、
    前記バックアップ層の10℃における反発弾性率が、前記エッジ層の10℃における反発弾性率よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記ブレード部材の厚み方向に平行な先端面と、前記先端面と隣接し、前記像担持体と対向するブレード下面とのなす角度が、鈍角であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    潤滑剤を前記像担持体の表面に塗布または付着させる潤滑剤供給手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9に記載の画像形成装置において、
    前記ブレード部材が、前記像担持体の表面の前記潤滑剤を均す均しブレードであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記ブレード部材が、前記像担持体の表面に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
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