JP2020020462A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルポンプの駆動時において駆動力源から車輪に伝達される駆動力の損失を抑制する車両用駆動装置を提供する。【解決手段】ポンプ駆動軸48の挿通部48bには、ポンプ駆動軸48の回転時においてスラスト力FSを発生させる第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jが形成されている。このため、オイルポンプ22の駆動時において挿通部48bに形成された第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jにより発生するスラスト力FSによって、ポンプ駆動軸48が第2ケース部材42に対して第3回転軸線C3方向のインナロータ50側とは反対側に向けて相対移動させられて、ポンプ駆動軸48の鍔部48fが第2ケース部材42に形成された円筒突部42hに接触し難くなるので、オイルポンプ22の駆動時において電動モータ12から駆動輪14L、14Rに伝達される駆動力の損失を抑制することができる。【選択図】図5
Description
本発明は、駆動力源からの駆動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、その動力伝達機構に設けられた回転軸に連結されたポンプ駆動軸によりポンプロータが回転駆動させられることによってオイルを吐出するオイルポンプと、を備える車両用駆動装置において、前記オイルポンプの駆動時において前記駆動力源から前記車輪に伝達される駆動力の損失を好適に抑制することができる技術に関する。
(a)駆動力源からの駆動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、(b)前記動力伝達機構を収容するケースと、(c)前記動力伝達機構に設けられ、前記ケースに回転可能に支持された回転軸と、(d)前記ケースと前記ケースに取り付けられたポンプカバーとによって形成されたポンプ室に収容されたポンプロータを有し、前記ポンプロータが前記回転軸に連結されたポンプ駆動軸によって回転駆動させられることによりオイルを吐出するオイルポンプと、を備える車両用駆動装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用駆動装置がそれである。
ところで、上記のような車両用駆動装置では、前記ポンプ駆動軸を前記ポンプロータに動力伝達可能に連結するに当たり、前記ポンプ駆動軸に、前記ケースに形成された挿通孔に挿通させられる挿通部と、前記ポンプ駆動軸において前記挿通部よりも軸方向の一端部側すなわち前記軸方向の前記ポンプロータ側に前記ポンプロータに動力伝達可能且つ前記軸方向の相対移動可能に嵌合される嵌合部と、を設けることが考えられる。しかしながら、たとえば組付時に、前記ポンプ駆動軸から前記軸方向の一端部側に向けて前記ケースまたは前記ポンプロータに対して相対移動する方向に過大な荷重が作用すると、前記嵌合部と前記挿通部との間に形成された段差部が前記ポンプロータに当接して前記ポンプロータに過大な荷重が入力されてしまうという問題がある。
これに対して、前記ポンプ駆動軸に、前記ポンプ駆動軸が前記ケースに対して前記軸方向の一端部側に向けて相対移動させられると、前記段差部が前記ポンプロータに当接する前に前記ケースに当接して、前記ポンプ駆動軸の相対移動を規制するために外周側へ突き出す大径の鍔部を設けることが考えられる。しかしながら、この場合、車両走行時において回転部材である前記ポンプ駆動軸の鍔部が非回転部材である前記ケースに接触して、前記鍔部と前記ケースとの間に摺動摩擦が発生することがあるので、前記ポンプ駆動軸の回転時すなわち前記オイルポンプの駆動時において前記駆動力源から前記車輪に伝達される駆動力に損失が発生する可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、オイルポンプの駆動時において駆動力源から車輪に伝達される駆動力の損失を抑制する車両用駆動装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源からの駆動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構を収容するケースと、前記動力伝達機構に設けられ、前記ケースに回転可能に支持された回転軸と、前記ケースと前記ケースに取り付けられたポンプカバーとによって形成されたポンプ室に収容されたポンプロータを有し、前記ポンプロータが前記回転軸に連結されたポンプ駆動軸によって回転駆動させられることによりオイルを吐出するオイルポンプと、を備える車両用駆動装置であって、(b)前記ポンプ駆動軸は、前記ケースに形成された挿通孔に挿通された挿通部と、(c)前記挿通部よりも軸方向の一端部側に設けられ、前記ポンプロータに動力伝達可能且つ前記ポンプロータに対して前記軸方向の相対移動可能に同心に嵌合した第1嵌合部と、(d)前記第1嵌合部と前記挿通部との間に形成された段差部と、(e)前記挿通部よりも前記軸方向の他端部側に設けられ、前記回転軸に動力伝達可能且つ前記回転軸に対して前記軸方向の相対移動可能に同心に嵌合した第2嵌合部と、(f)前記第2嵌合部と前記挿通部との間に設けられ、前記ポンプ駆動軸が前記ケースに対して前記軸方向の一端部側に向けて相対移動させられると、前記段差部が前記ポンプロータに当接する前に前記ケースに当接して、前記ポンプ駆動軸の相対移動を規制する、前記挿通部よりも大径の鍔部と、を備えており、(g)前記挿通部には、前記ポンプ駆動軸の回転時において前記ポンプ駆動軸を前記ケースに対して前記軸方向の他端部側に向かうスラスト力を発生させる螺旋溝が形成されていることにある。
第1発明によれば、前記挿通部には、前記ポンプ駆動軸の回転時において前記ポンプ駆動軸を前記ケースに対して前記軸方向の他端部側に向かうスラスト力を発生させる螺旋溝が形成されている。このため、前記ポンプ駆動軸の回転時すなわち前記オイルポンプの駆動時において前記挿通部に形成された螺旋溝により発生する前記スラスト力によって、前記ポンプ駆動軸が前記ケースに対して前記軸方向の他端部側に向けて相対移動させられて、前記ポンプ駆動軸の鍔部が前記ケースに接触し難くなるので、前記オイルポンプの駆動時において前記駆動力源から前記車輪に伝達される駆動力の損失を好適に抑制することができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された電気自動車10の構成を概略的に説明する断面図である。電気自動車10は、走行用の駆動力源である電動モータ12によって左右一対の駆動輪(車輪)14L、14Rを駆動させる駆動装置(車両用駆動装置)16を備えている。駆動装置16には、図1に示すように、電動モータ12と、電動モータ12からの駆動力を左右一対の駆動輪14L、14Rに伝達する動力伝達機構18と、電動モータ12および動力伝達機構18等を収容する収容ケース(ケース)20と、電動モータ12によって駆動する機械式のオイルポンプ22と、駆動輪14L、14Rと共に回転するドライブシャフト24L、24Rと、が備えられている。なお、動力伝達機構18には、電動モータ12に動力伝達可能に連結されたギヤ機構26と、ギヤ機構26に動力伝達可能に連結されたデファレンシャル装置28と、が備えられている。
ギヤ機構26は、図1および図2に示すように、電動モータ12に設けられたロータ軸30に動力伝達可能に連結された円筒状の第1回転軸26aと、第1回転軸26aに一体的に形成されたピニオン26bと、デファレンシャル装置28に設けられたリングギヤ28rに噛み合う小径ギヤ26cと、小径ギヤ26cより大径であり、第1回転軸26aに形成されたピニオン26bに噛み合う大径ギヤ26dと、小径ギヤ26cおよび大径ギヤ26dが一体的に固設された円筒状の第2回転軸(回転軸)26eと、を備えている。なお、ギヤ機構26において、第2回転軸26eは、第2回転軸26eの両端部にそれぞれ設けられた一対の第1軸受32、34を介して収容ケース20に第3回転軸線C3まわりに回転可能に支持されている。また、第1軸受32、34は、図2に示すように、円すいころ軸受である。また、第1回転軸26aは、第1回転軸26aの両端部にそれぞれ設けられた一対の第2軸受36、38を介して収容ケース20に第1回転軸線C1まわりに回転可能、すなわち電動モータ12に設けられたロータ軸30と同じ回転軸線C1まわりに回転可能に支持されている。なお、ピニオン26bおよび大径ギヤ26dは、斜歯歯車である。また、デファレンシャル装置28のリングギヤ28rは第2回転軸線C2(図1参照)まわりに回転可能に支持されている。
収容ケース20は、図1および図2に示すように、第1ケース部材40と、第1ケース部材40に第1締結ボルトBo1によって一体的に固定された第2ケース部材42と、第1ケース部材40に第2締結ボルトBo2によって一体的に固定された第3ケース部材44と、を備えている。また、収容ケース20には、第1ケース部材40と第2ケース部材42とにより形成された第1収容空間S1と、第1ケース部材40と第3ケース部材44とにより形成された第2収容空間S2とが形成されており、第1収容空間S1には、動力伝達機構18等すなわちギヤ機構26、デファレンシャル装置28等が収容され、第2収容空間S2には、電動モータ12等が収容されている。なお、第1ケース部材40には、第1収容空間S1と第2収容空間S2とを隔てる隔壁40aが形成されており、第2ケース部材42には、第1ケース部材40に形成された隔壁40aに対向する壁部42aが形成されている。
図2から図4に示すように、オイルポンプ22は、内接歯車型のオイルポンプであり、オイルポンプ22には、第2ケース部材42の壁部42aと第2ケース部材42の壁部42aに取り付けられたポンプカバー46とによって形成されたポンプ室S3と、複数の外周歯50aを有し第2回転軸26eに連結されたポンプ駆動軸48によって第3回転軸線C3まわりに回転可能に支持された円環状のインナロータ(ポンプロータ)50と、インナロータ50の外周歯50aと噛み合う複数の内周歯52aを有し第2ケース部材42の壁部42aに形成された凹部42bによって第3回転軸線C3から偏心した第4回転軸線C4(図4参照)まわりに回転可能に支持された円環状のアウタロータ52と、が備えられている。なお、図4は、図3のIV-IV視断面図であり、図3は、図4のA-A視断面図である。
図2および図3に示すように、ポンプカバー46のインナロータ50およびアウタロータ52との摺動面には、オイルを吸入するための吸入油路(図示しない)に接続された吸入側接続口46aと、例えばポンプ駆動軸48に形成された軸方向油路48a等にオイルを圧送する第1圧送側接続口46bと、が形成されている。なお、ポンプカバー46には、オイルポンプ22から第1圧送側接続口46bに圧送されたオイルをポンプ駆動軸48に形成された軸方向油路48aへ供給する第1オイル供給油路46cが形成されている。
図2および図3に示すように、第2ケース部材42の壁部42aに形成された凹部42b内のインナロータ50およびアウタロータ52との摺動面には、例えば第2ケース部材42の壁部42aに形成された第2オイル供給油路42cに接続された第2圧送側接続口42dが形成されている。
以上のように構成されたオイルポンプ22では、車両前進走行時においてギヤ機構26に設けられた第2回転軸26eが回転駆動させられると、図4に示すように、第2回転軸26eに連結されたポンプ駆動軸48を介してインナロータ50が第3回転軸線C3まわり矢印a方向に回転駆動させられると共に、アウタロータ52が第4回転軸線C4まわり矢印b方向に回転させられる。これによって、ポンプカバー46に形成された吸入側接続口46aからオイルがポンプ室S3内へ吸入され、その吸入されたオイルが、ポンプ室S3内においてアウタロータ52の内周歯52aとインナロータ50の外周歯50aとにより仕切られて形成された複数の空間のいずれか1に取り込まれる。そして、上記空間内に取り込まれたオイルが、その空間の容積がインナロータ50の回転とともに減少する周方向位置に運ばれることで圧縮され、その圧縮により圧力が高められたオイルが、ポンプカバー46に形成された第1圧送側接続口46bおよび第2ケース部材42の壁部42aに形成された第2圧送側接続口42dから吐出される。
図3に示すように、ポンプ駆動軸48には、第2ケース部材42の壁部42aに形成された挿通孔42eに挿通された挿通部48bと、ポンプ駆動軸48において挿通部48bよりも軸方向の一端部側すなわち挿通部48bよりも第3回転軸線C3方向のインナロータ50側に設けられ、インナロータ50に動力伝達可能且つインナロータ50に対して第3回転軸線C3方向の相対移動可能に同心に嵌合した第1嵌合部48cと、ポンプ駆動軸48において第1嵌合部48cと挿通部48bとの間に形成された段差部48dと、ポンプ駆動軸48において挿通部48bよりも軸方向の他端部側すなわち挿通部48bよりも第3回転軸線C3方向のインナロータ50側とは反対側に設けられ、第2回転軸26eに動力伝達可能且つ第2回転軸26eに対して第3回転軸線C3方向の相対移動可能に同心に嵌合した第2嵌合部48eと、ポンプ駆動軸48において第2嵌合部48eと挿通部48bとの間に設けられ、第2嵌合部48eおよび挿通部48bよりも外径(径)Dが大きく形成された鍔部48fと、が一体に形成されている。
ポンプ駆動軸48に形成された第1嵌合部48cには、図3および図4に示すように、第1嵌合部48cの外周部の一部が切り欠かれた一対の切欠E1、E2が形成されており、その一対の切欠E1、E2が形成された第1嵌合部48cがインナロータ50に形成された嵌合孔50bに嵌合されることによって、ポンプ駆動軸48に形成された第1嵌合部48cは、インナロータ50に動力伝達可能すなわちインナロータ50に対して相対回転不能且つインナロータ50に対して第3回転軸線C3方向の相対移動可能に同心に嵌合する。なお、第1嵌合部48cに一対の切欠E1、E2が形成されることによって、第1嵌合部48cと挿通部48bとの間に段差部48dが形成される。
円筒状の第2回転軸26eのポンプ駆動軸48側の端部26fには、図3に示すように、第3回転軸線C3に接近する方向に突き出した円環状の突部26gが形成されており、その突部26gの内周面には、内周スプライン歯26hが形成されている。なお、上記突部26gの内径D2は、第2嵌合部48eの外径より大きく、且つ鍔部48fの外径D1より小さい。また、ポンプ駆動軸48の挿通部48bの外径D3は、鍔部48fの外径D1より小さい。また、ポンプ駆動軸48に形成された第2嵌合部48eの外周面には、第2回転軸26eの突部26gに形成された内周スプライン歯26hにスプライン嵌合する外周スプライン歯48gが形成されている。すなわち、ポンプ駆動軸48に形成された第2嵌合部48eは、第2嵌合部48eに形成された外周スプライン歯48gが第2回転軸26eの突部26gに形成された内周スプライン歯26hにスプライン嵌合されることによって、第2回転軸26eに動力伝達可能すなわち第2回転軸26eに対して相対回転不能且つ第2回転軸26eに対して第3回転軸線C3方向の相対移動可能に同心に嵌合する。
第2ケース部材42の壁部42aに形成された挿通孔42eは、図3に示すように、ポンプ室S3と第2回転軸26eの端部26fの内部空間S4とを連通し且つ第3回転軸線C3方向に延びる円柱状の孔である。また、第2ケース部材42の壁部42aには、図3に示すように、壁部42aに形成された凹部42bの底面42fに開口されたインナロータ側開口42gと、第2ケース部材42の壁部42aからポンプ駆動軸48の鍔部48fに接近する方向に円筒状に突き出した円筒突部42hと、が形成されている。なお、円筒突部42hの内部空間は、挿通孔42eの一部である。
ポンプ駆動軸48の挿通部48bは、図3に示すように、円柱形状に形成されており、そのポンプ駆動軸48の挿通部48bは、第2ケース部材42の壁部42aに形成された円柱形状の挿通孔42eの内周面42iによって、ポンプ駆動軸48の軸心すなわち第3回転軸線C3まわりに回転可能且つ第3回転軸線C3方向の移動可能に支持されている。また、図3に示すように、ポンプ駆動軸48の軸方向すなわち第3回転軸線C3方向において、ポンプ駆動軸48の段差部48dとインナロータ50の第2回転軸26e側の側面50cとの間の隙間B1は、ポンプ駆動軸48の鍔部48fのインナロータ50側の側面48hと第2ケース部材42の壁部42aに形成された円筒突部42hの先端面42jとの間の隙間B2より大きい(B1>B2)。
以上のように構成されたポンプ駆動軸48では、ポンプ駆動軸48が収容ケース20すなわち第2ケース部材42の壁部42aに対して第3回転軸線C3方向のインナロータ50側に向けてすなわち図3に示す矢印G方向に向けて相対移動させられると、段差部48dがインナロータ50の側面50cに当接する前に鍔部48fの側面48hが第2ケース部材42の壁部42aに形成された円筒突部42hの先端面42jに当接してポンプ駆動軸48の相対移動が規制される。
また、ポンプ駆動軸48の挿通部48bには、図5に示すように、一対の第1螺旋溝(螺旋溝)48iおよび第2螺旋溝(螺旋溝)48jが形成されている。第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jは、図5に示すように、第3回転軸線C3方向のインナロータ50側に向かうにつれて、すなわち鍔部48fから第1嵌合部48cに向かうにつれて、円柱状の挿通部48bの外周面に右巻きに巻きつくように形成されている。なお、図5に示す矢印F方向は、鍔部48fからインナロータ50側に向かう方向から見て車両前進走行時において第2回転軸26eすなわちポンプ駆動軸48が第3回転軸線C3に対して左まわりに回転する方向である。すなわち、第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jのねじれ方向とポンプ駆動軸48の前進時の回転方向とは、鍔部48fからインナロータ50側に向かう方向から見て、反対向きである。また、ポンプ駆動軸48が矢印F方向に回転してオイルポンプ22が駆動すると、オイルポンプ22から第2オイル供給油路42cにオイルが吐出されて、第2オイル供給油路42cに吐出されたオイルの一部は、図2および図3に示すように、第1油路42kを通り、例えば、第1軸受34に供給されたり、ポンプ駆動軸48の挿通部48bと第2ケース部材42の壁部42aに形成された挿通孔42eの内周面42iとの間に供給されたりするようになっている。
以上のように構成されたポンプ駆動軸48では、車両前進走行時においてポンプ駆動軸48が矢印F方向に回転すると、ポンプ駆動軸48の挿通部48bと第2ケース部材42の壁部42aに形成された挿通孔42eの内周面42iとの間のオイルが、第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jによって第2ケース部材42の壁部42aに形成された挿通孔42eからインナロータ50に向かって押し出される。これによって、ポンプ駆動軸48は、第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jによってオイルを押し出す力の反力FSすなわち第3回転軸線C3方向のスラスト力FSにより、第2ケース部材42の壁部42aに対して第3回転軸線C3方向のインナロータ50側とは反対側に向けて相対移動、すなわち第2ケース部材42の壁部42aに対して第3回転軸線C3方向の第2回転軸26e側に向けて相対移動する。すなわち、挿通部48bに形成された第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jは、ポンプ駆動軸48が矢印F方向に回転している時において、ポンプ駆動軸48を第2ケース部材42の壁部42aに対して第3回転軸線C3方向のインナロータ50側とは反対側に向かうスラスト力FSを発生させるものである。なお、スラスト力FSによってポンプ駆動軸48が第2ケース部材42の壁部42aに対して第3回転軸線C3方向の第2回転軸26e側に向けて相対移動させられると、鍔部48fが第2ケース部材42の壁部42aに形成された円筒突部42hから離間して第2回転軸26eに形成された突部26gに当接する。
上述のように、本実施例の駆動装置16によれば、ポンプ駆動軸48の挿通部48bには、車両前進走行によるポンプ駆動軸48の回転時においてポンプ駆動軸48を収容ケース20の第2ケース部材42に対して第3回転軸線C3方向のインナロータ50側とは反対側に向かうスラスト力FSを発生させる第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jが形成されている。このため、ポンプ駆動軸48の回転時すなわちオイルポンプ22の駆動時において挿通部48bに形成された第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jにより発生するスラスト力FSによって、ポンプ駆動軸48が収容ケース20の第2ケース部材42に対して第3回転軸線C3方向のインナロータ50側とは反対側に向けて相対移動させられて、ポンプ駆動軸48の鍔部48fが収容ケース20の第2ケース部材42に形成された円筒突部42hに接触し難くなるので、オイルポンプ22の駆動時において電動モータ12から駆動輪14L、14Rに伝達される駆動力の損失を好適に抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例の駆動装置16において、駆動装置16は、駆動力源である電動モータ12によって左右一対の駆動輪14L、14Rを駆動させていたが、例えば電動モータ12以外の駆動力源例えばエンジン等によって左右一対の駆動輪14L、14Rを駆動させても良い。
また、前述の実施例の駆動装置16において、オイルポンプ22は、内接歯車型のオイルポンプであったが、例えば外接歯車型のオイルポンプ、ベーン式のオイルポンプ等であっても良く、ポンプロータが回転駆動させられることによってオイルポンプからオイルを吐出するオイルポンプであればどのような型式のオイルポンプが使用されても良い。
また、前述の実施例の駆動装置16において、ポンプ駆動軸48の挿通部48bには、一対の第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jが形成されていたが、挿通部48bに一対の第1螺旋溝48iおよび第2螺旋溝48jのうちの一方の螺旋溝だけが形成されていても良いし、挿通部48bに3つ以上の螺旋溝が形成されていても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:電動モータ(駆動力源)
14L、14R:駆動輪(車輪)
16:駆動装置(車両用駆動装置)
18:動力伝達機構
20:収容ケース(ケース)
22:オイルポンプ
26e:第2回転軸(回転軸)
42e:挿通孔
46:ポンプカバー
48:ポンプ駆動軸
48b:挿通部
48c:第1嵌合部
48d:段差部
48e:第2嵌合部
48f:鍔部
48i:第1螺旋溝(螺旋溝)
48j:第2螺旋溝(螺旋溝)
50:インナロータ(ポンプロータ)
FS:スラスト力
S3:ポンプ室
14L、14R:駆動輪(車輪)
16:駆動装置(車両用駆動装置)
18:動力伝達機構
20:収容ケース(ケース)
22:オイルポンプ
26e:第2回転軸(回転軸)
42e:挿通孔
46:ポンプカバー
48:ポンプ駆動軸
48b:挿通部
48c:第1嵌合部
48d:段差部
48e:第2嵌合部
48f:鍔部
48i:第1螺旋溝(螺旋溝)
48j:第2螺旋溝(螺旋溝)
50:インナロータ(ポンプロータ)
FS:スラスト力
S3:ポンプ室
Claims (1)
- 駆動力源からの駆動力を車輪に伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構を収容するケースと、前記動力伝達機構に設けられ、前記ケースに回転可能に支持された回転軸と、前記ケースと前記ケースに取り付けられたポンプカバーとによって形成されたポンプ室に収容されたポンプロータを有し、前記ポンプロータが前記回転軸に連結されたポンプ駆動軸によって回転駆動させられることによりオイルを吐出するオイルポンプと、を備える車両用駆動装置であって、
前記ポンプ駆動軸は、
前記ケースに形成された挿通孔に挿通された挿通部と、
前記挿通部よりも軸方向の一端部側に設けられ、前記ポンプロータに動力伝達可能且つ前記ポンプロータに対して前記軸方向の相対移動可能に同心に嵌合した第1嵌合部と、
前記第1嵌合部と前記挿通部との間に形成された段差部と、
前記挿通部よりも前記軸方向の他端部側に設けられ、前記回転軸に動力伝達可能且つ前記回転軸に対して前記軸方向の相対移動可能に同心に嵌合した第2嵌合部と、
前記第2嵌合部と前記挿通部との間に設けられ、前記ポンプ駆動軸が前記ケースに対して前記軸方向の一端部側に向けて相対移動させられると、前記段差部が前記ポンプロータに当接する前に前記ケースに当接して、前記ポンプ駆動軸の相対移動を規制する、前記挿通部よりも大径の鍔部と、
を備えており、
前記挿通部には、前記ポンプ駆動軸の回転時において前記ポンプ駆動軸を前記ケースに対して前記軸方向の他端部側に向かうスラスト力を発生させる螺旋溝が形成されていることを特徴とする車両用駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018147063A JP2020020462A (ja) | 2018-08-03 | 2018-08-03 | 車両用駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018147063A JP2020020462A (ja) | 2018-08-03 | 2018-08-03 | 車両用駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020020462A true JP2020020462A (ja) | 2020-02-06 |
Family
ID=69588302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018147063A Pending JP2020020462A (ja) | 2018-08-03 | 2018-08-03 | 車両用駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020020462A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021161743A1 (ja) | 2020-02-10 | 2021-08-19 | Necプラットフォームズ株式会社 | ナースコールシステム |
JP7446696B2 (ja) | 2021-08-05 | 2024-03-11 | ダイハツ工業株式会社 | オイルポンプ |
-
2018
- 2018-08-03 JP JP2018147063A patent/JP2020020462A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021161743A1 (ja) | 2020-02-10 | 2021-08-19 | Necプラットフォームズ株式会社 | ナースコールシステム |
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