JP2020018574A - 局所清浄化装置の解析方法、局所清浄化装置の除染方法および局所清浄化装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、気化させる過酸化水素水の量と過酸化水素水を揮発させる操作時の過酸化水素の分解率などを用い、一般的な物質収支式を用いて、室内の平均過酸化水素濃度を算出することは可能である。しかし、空気中のゴミや塵埃を取り除いて清浄空気にするHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)やULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)などのエアフィルタに、過酸化水素ガスを通過させて除染を実施する場合は、エアフィルタに吸着する過酸化水素成分量は室内の過酸化水素濃度に反映されない。これらのエアフィルタは主にガラス繊維が充填されて形成されているものが多く、またその表面積も大きいので、過酸化水素ガス(引用文献1における過酸化水素蒸気に相当)が多量に吸着する。そのため、従来の物質収支式を用いて、エアフィルタを備えた局所清浄化装置や除染対象室などにおける過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できなかった。
本明細書では、説明の便宜上、はじめに、局所清浄化装置の実施形態について説明し、次いで、局所清浄化装置の解析方法および除染方法の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る局所清浄化装置10の構成を説明する概略構成図である。図2は、作業ブース部2内を除染する際の過酸化水素ガスの概念的な濃度変遷を説明する模式図である。
図1に示す局所清浄化装置10は、例えば、アクセス制限バリアシステム(Closed-Restricted Access Barrier Systems)やアイソレータなどとして用いられる。なお、本明細書において、アクセス制限バリアシステムとは、無菌操作のためのシステムであり、その内部と周辺環境を分離するために剛性壁による閉空間および吹き出し空気を利用することで、密閉されてはいないが包囲された、ISOクラス5(グレードA、Class100)の条件を満たす環境を実現するシステムをいう。また、本明細書において、アイソレータとは、製品充填用容器や充填後の製品を受け渡すマウスポートを除いて、環境および作業者の直接介入から物理的にほぼ完全に隔離された無菌操作区域を有する装置であって、除染した後にHEPAフィルタやULPAフィルタなどのエアフィルタによりろ過した空気を供給し、外部環境からの汚染の危険性を防ぎながら連続して使用できる装置をいう。
なお、局所清浄化装置10をアクセス制限バリアシステムとして用いる場合は、空気の清浄度レベルがISOクラス7(グレードB、Class10000)以上の環境下で用いることが好ましい。一方、局所清浄化装置10をアイソレータとして用いる場合は、空気の清浄度レベルがISOクラス8(グレードC、Class100000)またはグレードDの環境下で用いることができる。
また、局所清浄化装置10には、作業用のグローブ10bが設けられている。このグローブ10bは、局所清浄化装置10の壁部10aと作業ブース部2とを貫通して、作業ブース部2内に到達するように設けられている。そのため、作業者は当該グローブ10bを介して作業ブース部2内で各種の作業が行えるようになっている。
プレナム部1は、後記する作業ブース部2と隔壁を介して隣接して設けられている。なお、局所清浄化装置10におけるプレナム部1の容積は問わない(特に限定されない)。プレナム部1は、エアフィルタ11を有しており、このエアフィルタ11によって空気中のゴミや塵埃を取り除いて清浄空気にする。なお、エアフィルタ11は、気流において上流となる面にエアフィルタ用ファン13が設けられており、下流となる面に吹出口12が設けられている。プレナム部1は、エアフィルタ用ファン13を駆動させることで、エアフィルタ11によって得られた清浄空気を当該吹出口12から作業ブース部2内に向けて吹き出すことができる。なお、清浄空気は温度、湿度、清浄度などが適宜調整されていることが好ましい。エアフィルタ11としては、例えば、前記したHEPAフィルタまたはULPAフィルタを好適に用いることができるが、これらに限定されない。エアフィルタ11は、例えば、ガラス繊維が充填されて形成されたものを好適に用いることができる。
作業ブース部2は、前記したようにプレナム部1と隣接して設けられている。作業ブース部2は、前記したエアフィルタ11から清浄空気が供給されることにより、局所的に清浄化されている。作業ブース部2には局所清浄化装置10の壁部10aに設けられているグローブ10bの届く範囲に各種の作業を行う作業台10cや各種の生産用装置(図示せず)などが配置されている。なお、局所清浄化装置10における作業ブース部2の容積は問わない(特に限定されない)。
過酸化水素ガス発生部3は、プレナム部1と連通する第1連通部3aと、作業ブース部2の下方で連通する第2連通部3bと、を有する。過酸化水素ガス発生部3は、例えば、生産作業終了後や生産作業開始前などの適時に行う除染処理において、プレナム部1とエアフィルタ11とを介して作業ブース部2内に過酸化水素ガスを導入する。したがって、過酸化水素ガス発生部3は、図2の模式図に示すように、作業ブース部2内を除湿し(除湿工程S1)、作業ブース部2内の過酸化水素ガスの濃度を上昇させ(濃度上昇工程S2)、所定時間、所定の濃度を維持して除染を行うことができる(除染工程S3)。そして、除染工程S3が終了したら、過酸化水素ガス発生部3は運転を停止し、作業ブース部2内を換気して過酸化水素ガスの濃度を低下させ、製品などに対して無害な環境にすることができる(無害化工程S4)。
解析部31は、作業ブース部2内の過酸化水素ガスの濃度を解析する。当該解析を行うため、解析部31は、第1のガス濃度計算手段32と、吸着量計算手段33と、第2のガス濃度計算手段34と、を有する。解析を行う際、解析部31は、これら第1のガス濃度計算手段32と、吸着量計算手段33と、第2のガス濃度計算手段34と、による各処理をこの順で行う。そして、これらの一連の処理は、連続的に行うこともできるし、間欠的に行うこともできる。なお、本明細書において、連続的に行うとは、前回の一連のステップが全て終了し次第、続けて次回の一連のステップを行うことをいう。また、本明細書において、間欠的に行うとは、前回の一連のステップが全て終了した後、所定時間のインターバルを置いてから次回の一連のステップを行うことをいう。
第1のガス濃度計算手段32は、プレナム部1および作業ブース部2を一体とみなし、かつエアフィルタ11を備えていないとした場合における過酸化水素ガスの第1の濃度C1を計算する。つまり、過酸化水素ガスの導入対象となるプレナム部1と作業ブース部2とを合わせて一つの構造物と仮定し、当該構造物の容積Vと、任意の運転時間Tと、前記任意の運転時間Tにおける過酸化水素ガスの発生量(具体的には、単位時間当たりの局所清浄化装置10(プレナム部1および作業ブース部2)への過酸化水素ガス導入量IT)と、前記任意の運転時間Tにおける第2連通部3bから排出される過酸化水素ガスの排出量(具体的には、単位時間当たりの排出量ET)と、に基づいて、前記構造物内(プレナム部1および作業ブース部2内)の過酸化水素ガスの濃度(前記した第1の濃度C1)を計算する。なお、この計算では、エアフィルタ11を備えていないと仮定しているので、エアフィルタ11に吸着される過酸化水素ガスの分量を考慮する必要はない。第1の濃度C1は、例えば、局所清浄化装置10内の過酸化水素ガスの物質収支式(式1)を解いた(式2)で求めることができる。
d(C1・V)/dT=IT−ET …(式1)
(式1)をC1について解くと、次式が得られる。
C1=(IT/Q)(1−e−(Q/V)T) …(式2)
ET=C1×Q
CI=G/Q …(式3)
Q=G/CI …(式3.1)
吸着量計算手段33は、第1のガス濃度計算手段32で計算して得られた第1の濃度C1である場合における、エアフィルタ11に吸着する過酸化水素ガスの吸着量CA(具体的には、フィルタ単位面積あたりの吸着量)を計算する。発明者らが鋭意検討した結果、ガラス繊維製のエアフィルタ11については、過酸化水素ガスの吸着量CAは、エアフィルタ11周囲の過酸化水素ガスの濃度にほぼ比例して増加し、いわゆるヘンリー型の吸着特性(吸着量CAが吸着成分の分圧に比例する性質)を示すことを見出した。そして、過酸化水素ガスの濃度は、800ppmまでは少なくともこの特性を示すことが分かった。なお、エアフィルタ11に吸着する過酸化水素ガス成分の量は、エアフィルタ11を通過してトラップされた過酸化水素ガス成分の量になることも考えられた。しかし、ガラス繊維製のエアフィルタ11の場合、ある濃度まではエアフィルタ11を通過する過酸化水素ガス濃度(分圧)で吸着量CAが決まることが明らかになった。本実施形態において、周辺の濃度がCである過酸化水素ガスを通気したエアフィルタ11の吸着量CAは、温度が一定の場合、例えば、(式4)で求めることができる。なお、CHは定数、Cはエアフィルタ11周辺の過酸化水素ガスの濃度である。
CA=CH×C …(式4)
第2のガス濃度計算手段34は、第1のガス濃度計算手段32で計算した過酸化水素ガスの第1の濃度C1から吸着量CAを差し引いて作業ブース部2内の過酸化水素ガスの第2の濃度C2を計算する。より具体的には、第2のガス濃度計算手段34は、第1のガス濃度計算手段32で単位時間当たりの局所清浄化装置10への過酸化水素ガス導入量ITを与えて計算した過酸化水素ガスの第1の濃度C1から、当該第1の濃度C1環境下でのエアフィルタ11の過酸化水素ガスの吸着量CAを差し引いて作業ブース部2を含む局所清浄化装置10内の過酸化水素ガスの第2の濃度C2を計算する。つまり、第2のガス濃度計算手段34によって、過酸化水素ガスがエアフィルタ11に吸着した量を考慮に入れたプレナム部1および作業ブース部2(特に、作業ブース部2)内の過酸化水素ガスの濃度を推算する。この第2の濃度C2は、(式5)で求めることができる。なお、Aはエアフィルタ11の有効膜面積である。
C2=C1−CA×A …(式5)
以上に説明したように、第1実施形態に係る局所清浄化装置10は、過酸化水素ガスがエアフィルタ11に吸着した量をも考慮に入れて作業ブース部2内における過酸化水素ガスの濃度を計算する。そのため、第1実施形態に係る局所清浄化装置10は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できる。また、第1実施形態に係る局所清浄化装置10は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できるので、これに基づいて、過酸化水素ガス発生部3で用いる装置の設計や運転条件の事前検討(机上検討)を行うことができる。
また、例えば、図2の模式図で示した濃度上昇工程S2では、作業ブース部2内の過酸化水素ガスの濃度を上昇させるために過酸化水素ガス発生部3を最大の能力で運転することになる。そのため、濃度上昇工程S2の過程を局所清浄化装置10で推算できることは、適切な発生能力を持つ過酸化水素ガス発生部3を設計できることにつながる。したがって、局所清浄化装置10は、無駄に発生能力の大きい過酸化水素ガス発生部を設計してしまうという事態を避けることができる。また、局所清浄化装置10は、過酸化水素ガスの濃度を所望の時間までにターゲット濃度まで上昇させることができない発生能力の小さい過酸化水素ガス発生部を設計してしまうという事態を避けることができる。
次に、第2実施形態に係る局所清浄化装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る局所清浄化装置20の構成を説明する概略構成図である。
図3に示すように、局所清浄化装置20は、プレナム部1と、作業ブース部2と、過酸化水素ガス発生部3と、を備えるとともに、制御部41を備えている。この制御部41は、後述するように、局所清浄化装置20を所定の手段として機能させることで、後述する他の実施形態に係る局所清浄化装置の除染方法を行うことができる。
発生量制御手段35は、計測された過酸化水素ガスの濃度C3が第2の濃度C2に近付くように過酸化水素ガス発生部3で発生させる過酸化水素ガスの発生量Gを制御する。より具体的には、発生量制御手段35は、センサSで計測した過酸化水素ガスの濃度C3が、容器3hから気化器3eへの過酸化水素水の供給量が一定であると仮定した条件で計算した前記第2の濃度C2に近付くように、過酸化水素ガスの発生量Gを制御する。これは例えば、過酸化水素ガス発生部3で、容器3hから測定部3fを介して気化器3eへの過酸化水素水の供給量を制御することによって過酸化水素ガスの発生量Gを制御する。この手段の対象となる第2の濃度C2は、第1実施形態で説明した第2の濃度C2と同様であるので、気化器3eへの過酸化水素水の供給量が一定であると仮定した場合の作業ブース部2内における過酸化水素ガスの第2の濃度C2が高い精度で推算されている。
ΔC=C3−C2 …(式6)
以上に説明したように、第2実施形態に係る局所清浄化装置20は、第1実施形態と同様、過酸化水素ガスがエアフィルタ11に吸着した量をも考慮に入れて作業ブース部2内における過酸化水素ガスの濃度を計算する。そのため、第2実施形態に係る局所清浄化装置20は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できる。また、第2実施形態に係る局所清浄化装置20は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できるので、これに基づいて、過酸化水素ガス発生部3で発生させる過酸化水素ガスの発生量Gを高い精度で制御し、作業ブース部2内の除染前準備(除染コンディションの調整)ができる。
以上に説明した実施形態に係る局所清浄化装置10、20は、無菌製剤工場や食品工場、半導体製造工場などで好適に用いられ、より好適にはこれらの施設におけるクリーンルーム内に設置されて用いられる。
次に、本発明に係る局所清浄化装置10の解析方法(以下、単に「本解析方法」と呼称することがある)の一実施形態について説明する。図4は、本解析方法の一実施形態を説明するフローチャートである。ここで、本解析方法で用いられる局所清浄化装置10は、第1実施形態で前記したものであり、前述したように、プレナム部1と、作業ブース部2と、過酸化水素ガス発生部3と、を備えている。本解析方法は、このような局所清浄化装置10における作業ブース部2を含む局所清浄化装置10内の過酸化水素ガスの濃度を解析する。当該解析は、第1実施形態で述べた解析部31で行うことができる。解析部31は前記解析のため、以下のステップを行う。
ここで、第1のガス濃度計算ステップS11の計算の開始のタイミングは、運転時間Tにおける容器3hから気化器3eへの過酸化水素水の供給速度(測定部3fを用いて測定される)に応じて任意に設定できる。すなわち、前記したように連続的に行う場合は、次回の計算の開始のタイミングを前回の一連のステップが全て終了したら直ぐに行う。他方、前記したように間欠的に行う場合は、前回の一連のステップが全て終了した後、所定時間のインターバルを置いてから次回の計算を開始する。いずれによっても、過酸化水素ガスの発生量Gの計算を経て、過酸化水素ガスの第1の濃度C1を計算することができる。なお、第1のガス濃度計算ステップS11の計算の開始のタイミングを連続的に行うようにすると、より正確で計測値に近い値が得られる。一方、第1のガス濃度計算ステップS11の計算の開始のタイミングを間欠的に行うようにすると、データ容量の圧縮等を図ることができる。
以上に説明した本解析方法は、前記した各ステップを行い、過酸化水素ガスがエアフィルタ11に吸着した量をも考慮に入れて作業ブース部2内における過酸化水素ガスの濃度を計算する。そのため、本解析方法は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できる。そして、本解析方法は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できるので、これに基づいて、過酸化水素ガス発生部3で用いる機器の設計や運転条件の事前検討(机上検討)を行うことができる。
次に、本発明に係る局所清浄化装置20の除染方法(以下、単に「本除染方法」と呼称することがある)の一実施形態について説明する。図5は、本除染方法の一実施形態を説明するフローチャートである。ここで、本除染方法で用いられる局所清浄化装置20は、第2実施形態で前記したものであり、前述したように、プレナム部1と、作業ブース部2と、過酸化水素ガス発生部3と、を備えている。本除染方法は、このような局所清浄化装置20における作業ブース部2内の除染を行う。当該除染は、第2実施形態で述べた制御部41による制御で行うことができる。制御部41は前記制御のため、以下のステップを行う。
以上に説明したように、本除染方法は、前述した解析方法と同様、過酸化水素ガスがエアフィルタ11に吸着した量をも考慮に入れて作業ブース部2内における過酸化水素ガスの濃度を計算する。そのため、本除染方法は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できる。そして、本除染方法は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算できるので、これに基づいて、過酸化水素ガス発生部3で発生させる過酸化水素ガスの発生量Gを高い精度で制御し、作業ブース部2内の除染前準備(除染コンディションの調整)ができる。
本発明の効果を確認するため、図3に示す態様の局所清浄化装置20を用意した。なお、前述したように、局所清浄化装置20は、備える手段の一部により局所清浄化装置10を具現する。つまり、この局所清浄化装置20は、過酸化水素ガス発生部3で発生させる過酸化水素ガスの発生量Gを制御する制御部41を備えているが、当該制御部41の一部の手段を用いることによって、作業ブース部2内の過酸化水素ガスの濃度を解析する解析部31(図1参照)が具現される。換言すれば、制御部41による制御の一環で前記した解析を行うことができ、図1に示す態様の局所清浄化装置10が具現される。なお、過酸化水素ガス発生部3には、第2連通部3bから第1連通部3aに至る流路を介して局所清浄化装置20との間でガスを循環させることができるファン(図示せず)が備えられている。そして、図示しない風量計によるフィードバック制御により前記ファンの回転数を制御することで、循環風量Qを制御することができる。気化器3eで発生させた過酸化水素ガスは、この循環している気体と混合し、局所清浄化装置20に送られる。
・過酸化水素ガスの導入対象:プレナム部1
・作業ブース部2内におけるターゲット濃度:400ppm
・HEPAフィルタから作業ブース部2へのダウンフロー風速:0.2m/s
・容器の容積:4.8m3
・運転時間:10分
・第2連通部3bから排出される過酸化水素ガスの排出量(単位時間当たりの排出量ET):C1×Qで算出
・循環風量Q:15m3/h(設定風量値≒風量計実測値、プレナム部1への吹き出し風量)
・過酸化水素水供給量:3.37g/min
・気化器3eのヒータの温度:100℃
・HEPAフィルタの有効濾材面積:16m2
・過酸化水素ガスの導入対象:プレナム部
・容器の容積:4.8m3
・過酸化水素水供給量:3.37g/min
・循環風量Q:15m3/h(設定風量値≒風量計実測値、プレナム部への吹き出し風量)
・HEPAフィルタの有効濾材面積:16m2
なお、実施例2および比較例2は、10分後の目標濃度が500ppmとなるように供給量を固定して供給した場合の計測値である。
これに対し、実施例2は、過酸化水素ガスの濃度を高い精度で推算し、過酸化水素水の供給量を推算値に合わせられるよう制御できるので、狙い通り、10分経過した時点での目標濃度が500ppmとなった。
また、前記した各構成、機能、処理部、処理手段、制御手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSDなどの記録装置、または、ICカード、SDカード、DVDなどの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 プレナム部
11 エアフィルタ
2 作業ブース部
3 過酸化水素ガス発生部
31 解析部
32 第1のガス濃度計算手段
33 吸着量計算手段
34 第2のガス濃度計算手段
41 制御部
35 発生量制御手段
S センサ
14 ファン
S11、S21 第1のガス濃度計算ステップ
S12、S22 吸着量計算ステップ
S13、S23 第2のガス濃度計算ステップ
S24 発生量制御ステップ
Claims (11)
- 空気中のゴミや塵埃を取り除いて清浄空気にするエアフィルタを有するプレナム部と、前記エアフィルタから前記清浄空気が供給されて局所的に清浄化される作業ブース部と、前記エアフィルタ、前記プレナム部および前記作業ブース部に結露が生じない濃度の過酸化水素ガスを発生させて前記プレナム部に導入する過酸化水素ガス発生部と、を備える局所清浄化装置における前記作業ブース部内の前記過酸化水素ガスの濃度を解析する解析方法であり、
前記プレナム部および前記作業ブース部を一体とみなし、かつ前記エアフィルタを備えていないとした場合における前記過酸化水素ガスの第1の濃度を計算する第1のガス濃度計算ステップと、
前記第1の濃度である場合における、前記エアフィルタに吸着する前記過酸化水素ガスの吸着量を計算する吸着量計算ステップと、
前記第1の濃度から前記吸着量を差し引いて前記作業ブース部内の前記過酸化水素ガスの第2の濃度を計算する第2のガス濃度計算ステップと、
を有することを特徴とする局所清浄化装置の解析方法。 - 空気中のゴミや塵埃を取り除いて清浄空気にするエアフィルタを有するプレナム部と、前記エアフィルタから前記清浄空気が供給されて局所的に清浄化される作業ブース部と、前記エアフィルタ、前記プレナム部および前記作業ブース部に結露が生じない濃度の過酸化水素ガスを発生させて前記プレナム部に導入する過酸化水素ガス発生部と、を備える局所清浄化装置における前記作業ブース部内を除染する除染方法であり、
前記プレナム部および前記作業ブース部を一体とみなし、かつ前記エアフィルタを備えていないとした場合における前記過酸化水素ガスの第1の濃度を計算する第1のガス濃度計算ステップと、
前記第1の濃度である場合における、前記エアフィルタに吸着する前記過酸化水素ガスの吸着量を計算する吸着量計算ステップと、
前記第1の濃度から前記吸着量を差し引いて前記作業ブース部内の前記過酸化水素ガスの第2の濃度を計算する第2のガス濃度計算ステップと、
計測された過酸化水素ガスの濃度が前記第2の濃度に近付くように前記過酸化水素ガス発生部で発生させる過酸化水素ガスの発生量を制御する発生量制御ステップと、
を有することを特徴とする局所清浄化装置の除染方法。 - 空気中のゴミや塵埃を取り除いて清浄空気にするエアフィルタを有するプレナム部と、
前記エアフィルタから前記清浄空気が供給されて局所的に清浄化される作業ブース部と、
前記エアフィルタ、前記プレナム部および前記作業ブース部に結露が生じない濃度の過酸化水素ガスを発生させて前記プレナム部に導入する過酸化水素ガス発生部と、
を備えるとともに、
前記作業ブース部内の前記過酸化水素ガスの濃度を解析する解析部を備え、
前記解析部は、
前記プレナム部および前記作業ブース部を一体とみなし、かつ前記エアフィルタを備えていないとした場合における前記過酸化水素ガスの第1の濃度を計算する第1のガス濃度計算手段と、
前記第1の濃度である場合における、前記エアフィルタに吸着する前記過酸化水素ガスの吸着量を計算する吸着量計算手段と、
前記第1の濃度から前記吸着量を差し引いて前記作業ブース部内の前記過酸化水素ガスの第2の濃度を計算する第2のガス濃度計算手段と、
を有することを特徴とする局所清浄化装置。 - 空気中のゴミや塵埃を取り除いて清浄空気にするエアフィルタを有するプレナム部と、
前記エアフィルタから前記清浄空気が供給されて局所的に清浄化される作業ブース部と、
前記エアフィルタ、前記プレナム部および前記作業ブース部に結露が生じない濃度の過酸化水素ガスを発生させて前記プレナム部に導入する過酸化水素ガス発生部と、
を備えるとともに、
前記過酸化水素ガス発生部で発生させる前記過酸化水素ガスの発生量を調節して前記作業ブース部内における前記過酸化水素ガスの濃度を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記プレナム部および前記作業ブース部を一体とみなし、かつ前記エアフィルタを備えていないとした場合における前記過酸化水素ガスの第1の濃度を計算する第1のガス濃度計算手段と、
前記第1の濃度である場合における、前記エアフィルタに吸着する前記過酸化水素ガスの吸着量を計算する吸着量計算手段と、
前記第1の濃度から前記吸着量を差し引いて前記作業ブース部内の前記過酸化水素ガスの第2の濃度を計算する第2のガス濃度計算手段と、
計測された過酸化水素ガスの濃度が前記第2の濃度に近付くように前記過酸化水素ガス発生部で発生させる過酸化水素ガスの発生量を制御する発生量制御手段と、
を有することを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項3または4において、
前記プレナム部から前記エアフィルタを介して前記作業ブース部内への前記過酸化水素ガスを含む清浄空気の吹き出し速度が0.2m/s以下であることを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項3または4において、
前記プレナム部の内部および前記作業ブース部の内部における少なくとも2箇所の前記過酸化水素ガスの濃度を計測するセンサを備えていることを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項6において、
前記センサが、過酸化水素ガス濃度計であることを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項3または4において、
前記プレナム部が内部の気体を攪拌するファンを備えていることを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項6において、
前記センサが前記プレナム部の内部の少なくとも2箇所に備えられており、これらのセンサで計測される前記過酸化水素ガスの濃度が均一になったと判断されたら、前記プレナム部から前記エアフィルタを介して前記過酸化水素ガスを前記作業ブース部内に導入することを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項9において、
前記均一になったとの判断は、前記少なくとも2箇所の前記過酸化水素ガスの濃度を計測するセンサが過酸化水素ガス濃度計である場合、それぞれの箇所で計測される前記過酸化水素ガスの濃度差が20ppm以下であるときに行うことを特徴とする局所清浄化装置。 - 請求項3または4において、
前記エアフィルタがHEPAフィルタまたはULPAフィルタであることを特徴とする局所清浄化装置。
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JP2018144430A JP7004623B2 (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | 局所清浄化装置の解析方法、局所清浄化装置の除染方法および局所清浄化装置 |
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