JP2020017478A - 全固体電池の製造方法及び全固体電池 - Google Patents

全固体電池の製造方法及び全固体電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極層及び負極層がゲル状電解質を確実に含む全固体電池を製造可能な方法及び上記全固体電池を提供する。【解決手段】一実施形態に係る全固体電池の製造方法は、第1イオン液体、第1ゲル化剤、第1バインダ及び正極活物質を含む第1塗工液を、第1集電体の第1主面に塗工した後、第1イオン液体を第1ゲル化剤でゲル化するとともに第1塗工液を第1バインダで固形化して、第1集電体に正極層が配置された第1電極を形成する工程と、第2イオン液体、第2ゲル化剤、第2バインダ及び負極活物質を含む第2塗工液を、第2集電体の第2主面に塗工した後、第2イオン液体を第2ゲル化剤でゲル化するとともに第2塗工液を第2バインダで固形化して、上記第2集電体に負極層が配置された第2電極を形成する工程と、第1及び第2電極を、固体又はゲル状電解質を含むセパレータを挟むように一方向に積層することによって電極積層体を形成する工程と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、全固体電池の製造方法及び全固体電池に関する。
蓄電装置の一種として、全固体電池が挙げられる。下記特許文献1には、複数の積層電池(蓄電セル)が正極集電箔および負極集電箔を介して積み重ねられている態様が開示されている。これらの積層電池は、互いに並列接続され、且つ、モールド樹脂によって封止されている。積層電池は、正極層、固体電解質層及び負極層が積層されて構成されている。
特開2014−116156号公報
特許文献1に記載されているような全固体電池では、正極層及び負極層内も電解質が含まれる。このような正極層及び負極層に電解質を含有させる方法として、例えば、電解質を含まない正極層及び負極層を一旦形成した後、正極層及び負極層内にゲル状電解質を含浸させることが考えられる。しかしながら、全固体電池とするために粘度の高いゲル状電解質を正極層及び負極層に含浸させようとするとゲル状電解質の液体部分のみ正極層及び負極層に含浸してしまい、結果として、全固体電池が製造されない場合があった。
本発明の一側面の目的は、正極層及び負極層がゲル状電解質を確実に含む全固体電池を製造可能な方法及び上記全固体電池を提供することである。
本発明の一側面に係る全固体電池の製造方法(以下、「第1の全固体電池の製造方法」とも呼称する場合もある)は、第1イオン液体、上記第1イオン液体をゲル化させるための第1ゲル化剤、第1バインダ及び正極活物質を含む第1塗工液を、第1集電体の第1主面に塗工した後、上記第1イオン液体を上記第1ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第1塗工液を上記第1バインダで固形化して、上記第1集電体の上記第1主面に正極層が配置された第1電極を形成する工程と、第2イオン液体、上記第2イオン液体をゲル化させるための第2ゲル化剤、第2バインダ及び負極活物質を含む第2塗工液を、第2集電体の第2主面に塗工した後、上記第2イオン液体を上記第2ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第2塗工液を上記第2バインダで固形化して、上記第2集電体の上記第2主面に負極層が配置された第2電極を形成する工程と、形成された上記第1電極及び上記第2電極を、上記第1電極の上記正極層と上記第2電極の上記負極層とによって固体又はゲル状電解質を含むセパレータを挟むように一方向に積層することによって電極積層体を形成する工程と、を備える。
上記第1の全固体電池の製造方法では、第1塗工液を用いて第1集電体の第1主面に正極層を形成し、第2塗工液を用いて第2集電体の第2主面に負極層を形成する。第1塗工液は正極層用の塗工液であり、第1イオン液体に、正極活物質の他、第1ゲル化剤及び第1バインダが混ぜられた塗工液である。第2塗工液は負極用の塗工液であり、第2イオン液体に、負極活物質の他、第2ゲル化剤及び第2バインダが混ぜられた塗工液である。
したがって、第1主面に塗工された第1塗工液をバインダの作用によって固形化させることによって形成された正極層には、正極活物質の他、第1イオン液体及び第1ゲル化剤も含まれる。第1イオン液体はゲル化剤の作用によるゲル化してゲル状電解質になる。そのため、ゲル状電解質を確実に含む正極層が得られる。同様に、第2塗工液によって形成された負極層は、ゲル状電解質を確実に含む。上記正極層を有する第1電極及び負極層を有する第2電極を、ゲル状電解質を含むセパレータを介して積層することによって電極積層体が形成されている。したがって、上記全固体電池の製造方法によれば、正極層及び負極層にゲル状電解質を確実に含む全固体電池を製造できる。
上記第1電極を形成する工程は、上記第1集電体の上記第1主面上に、上記第1塗工液を塗工する工程と、上記第1集電体の上記第1主面と反対側の第2主面上に、上記第2塗工液を塗工する工程と、上記第1集電体の上記第1主面に塗工された上記第1塗工液内の上記第1イオン液体を上記第1ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第1塗工液を上記第1バインダで固形化して、上記第1集電体の上記第1主面上に上記正極層を形成する工程と、上記第1集電体の上記第2主面に塗工された上記第2塗工液内の上記第2イオン液体を上記第2ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第2塗工液を上記第2バインダで固形化して、上記第1集電体の上記第2主面上に上記負極層を形成する工程と、を有してもよく、上記第2電極を形成する工程は、上記第2集電体の上記第2主面上に、上記第2塗工液を塗工する工程と、上記第2集電体の上記第2主面と反対側の第1主面上に、上記第1塗工液を塗工する工程と、上記第2集電体の上記第2主面に塗工された上記第2塗工液内の上記第2イオン液体を上記第2ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第2塗工液を上記第2バインダで固形化して、上記第2集電体の上記第2主面上に上記負極層を形成する工程と、上記第2集電体の上記第1主面に塗工された上記第1塗工液内の上記第1イオン液体を上記第1ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第1塗工液を上記第1バインダで固形化して、上記第2集電体の上記第1主面上に上記正極層を形成する工程と、を有してもよい。
上記のようにして形成される第1電極及び第2電極は、バイポーラ電極である。よって、上記方法では、バイポーラ電極を含む全固体電池が製造され得る。
上記第1イオン液体及び上記第2イオン液体は同じイオン液体であってもよい。
上記第1バインダ及び上記第2バインダは、熱硬化型の樹脂バインダであり、上記第1塗工液及び上記第2塗工液を加熱することによって、上記第1塗工液及び上記第2塗工液を固形化してもよい。上記樹脂バインダを利用して第1塗工液及び第2塗工液を固形化する際には、バインダが揮発してガスが発生することがない。そのため、ガスに起因して例えば正極層及び負極層に孔が形成されない。
上記第1バインダ及び上記第2バインダは同じバインダであってもよい。
上記第1バインダ及び上記第2バインダは同じバインダである形態では、上記電極積層体を形成する工程は、上記第1電極の上記正極層又は上記第2電極の上記負極層のうちの一方の層である下地層に、第3イオン液体、上記第3イオン液体をゲル化させるための第3ゲル化剤、上記第1バインダを含む第3塗工液を塗工する工程と、上記第1電極の上記正極層又は上記第2電極の上記負極層のうちの上記下地層と反対の極性を有する層と上記下地層とによって、塗工された上記第3塗工液を挟むように、上記第1電極及び上記第2電極を配置する工程と、上記第3イオン液体を上記第3ゲル化剤でゲル化するとともに、上記第1電極と上記第2電極の間に配置された上記第3塗工液を上記第1バインダで固形化して、上記第1電極と上記第2電極との間に上記セパレータを形成する工程と、を有してもよい。
この場合、セパレータを形成する第3塗工液には、正極層及び負極層の形成に使用されたバインダと同じバインダを有する。よって、上記のようにして電極積層体を形成することで、第1電極の正極層とセパレータが接合するとともに、第2電極の負極層とセパレータが接合する。
上記電極積層体の外周面に、上記第1電極及び上記第2電極を保持する保持部材を形成することによって蓄電セルを得る工程を更に有してもよい。
上記一方向において上記蓄電セルに隣接するとともに、上記蓄電セルと電気的に接続されるように、上記蓄電セルに集電板を配置する工程を更に有してもよい。
本発明の一側面に係る全固体電池の製造方法(以下、「第2の全固体電池の製造方法」とも呼称する場合もある)は、集電体、上記集電体の第1主面上に配置された正極層及び上記集電体の上記第1主面と反対側に位置する第2主面に配置された負極層を有するバイポーラ電極を形成する工程と、形成された複数の上記バイポーラ電極を、固体又はゲル状電解質を含むセパレータを介して一方向に積層することによって電極積層体を形成する工程と、を備え、上記バイポーラ電極を形成する工程は、上記集電体の上記第1主面上に、イオン液体、上記イオン液体をゲル化させるためのゲル化剤、バインダ及び正極活物質を含む第1塗工液を塗工する工程と、上記集電体の上記第2主面上に、上記イオン液体、上記ゲル化剤、上記バインダ及び負極活物質を含む第2塗工液を塗工する工程と、上記第1主面に塗工された上記第1塗工液内の上記イオン液体を上記ゲル化剤でゲル化させるとともに、上記第1塗工液を固形化して、上記第1主面上に上記正極層を形成する工程と、上記第2主面に塗工された上記第2塗工液内の上記イオン液体を上記ゲル化剤でゲル化させるとともに、上記第2塗工液を固形化して、上記第2主面上に上記負極層を形成する工程と、を有する。
上記第2の全固体電池の製造方法では、バイポーラ電極を含む全固体電池が製造され得る。上記製造方法でも、第1塗工液を用いて集電体の第1主面に正極層を形成し、第2塗工液を用いて集電体の第2主面に負極層を形成する。第1塗工液は正極層用の塗工液であり、第1イオン液体に、正極活物質の他、第1ゲル化剤及び第1バインダが混ぜられた塗工液である。第2塗工液は負極用の塗工液であり、第2イオン液体に、負極活物質の他、第2ゲル化剤及び第2バインダが混ぜられた塗工液である。
したがって、第1主面に塗工された第1塗工液をバインダの作用によって固形化させることによって形成された正極層には、正極活物質の他、第1イオン液体及び第1ゲル化剤も含まれる。第1イオン液体はゲル化剤の作用によるゲル化してゲル状電解質になる。そのため、ゲル状電解質を確実に含む正極層が得られる。同様に、第2塗工液によって形成された負極層は、ゲル状電解質を確実に含む。上記正極層を有する第1電極及び負極層を有する第2電極を、ゲル状電解質を含むセパレータを介して積層することによって電極積層体が形成されている。そして、したがって、上記全固体電池の製造方法によれば、正極層及び負極層にゲル状電解質を確実に含む全固体電池を製造できる。
本発明の他の側面に係る全固体電池は、第1集電体の少なくとも一方の主面に、ゲル状電解質、正極活物質及び熱硬化型の樹脂バインダを含む正極層が配置された第1電極と、第2集電体の少なくとも一方の主面に、ゲル状電解質、負極活物質及び上記樹脂バインダを含む負極層が配置された第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間に配置され且つ上記正極層及び上記負極層とで挟まれており、固体又はゲル状電解質及び上記バインダを含むセパレータと、を備える。この全固体電池は、例えば、上記第1の全固体電池の製造方法で好適に製造され得る。
本発明の一側面によれば、正極層及び負極層がゲル状電解質を確実に含む全固体電池を製造可能な方法及び上記全固体電池を提供できる。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す概略斜視図である。 図2(a)は、蓄電セル及び当該蓄電セルに接触する集電板の概略斜視図であり、図2(b)は、蓄電セル及び当該蓄電セルに接触する集電板の概略側面図である。 図3は、蓄電セルの概略断面図である。 図4は、図1のIV−IV線に沿った概略断面図である。 図5は、図1のV−V線に沿った概略断面図である。 図6(a)は第1塗工液を集電体に塗工する工程を説明する図面であり、図6(b)は、正極層を形成する工程を説明する図面である。 図7(a)は第2塗工液を集電体に塗工する工程を説明する図面であり、図7(b)は、負極層を形成する工程を説明する図面である。 図8(a)は第3塗工液を下地層に塗工する工程を説明する図面であり、図8(b)は、第1及び第2電極を配置する工程及びセパレータを形成する工程を説明する図面である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる蓄電モジュールである。蓄電装置1は、セルスタック2と、セルスタック2に電気的に接続される接続部材3,4と、セルスタック2を拘束する一対の拘束部材5,6と、セルスタック2と拘束部材5との間に配置される絶縁緩衝部材7と、セルスタック2と拘束部材6との間に配置される絶縁緩衝部材8と、セルスタック2の一部を覆うカバー部材9とを備える。以下では、拘束部材5,6がセルスタック2を拘束する方向を図1に示される方向X(一方向)とし、水平方向において方向Xと交差もしくは直交する方向を方向Yとし、方向X及び方向Yと交差もしくは直交する方向を方向Zとする。
セルスタック2は、方向Xに沿って配列される複数の蓄電セル11を有する。すなわち、セルスタック2は、複数の蓄電セル11の集合体である。セルスタック2は、例えば89個以上111個以下の蓄電セル11を含む。本実施形態では、セルスタック2は、100個の蓄電セルを含む。蓄電セル11の構成の詳細については、後述する。セルスタック2は、図1では示されていないが、複数の集電板も有する。集電板の詳細についても、後述する。
接続部材3は、蓄電装置1の正極として機能する導電部材(バスバー)であり、略平板形状を呈している。接続部材3は、方向Yにおけるセルスタック2の一端側に設けられている。接続部材3は、例えば金属板又は合金板である。金属板は、例えば銅板、アルミニウム板、チタン板、もしくはニッケル板である。合金板は、例えばステンレス鋼板(SUS301、SUS304等)、もしくは上記金属の合金板である。
接続部材3は、方向Xに沿って延在すると共に方向Zにおいてセルスタック2及び絶縁緩衝部材7に重なる主板部3aと、主板部3aにおける拘束部材5側の一端から方向Xに沿って突出する突出板部3bとを有する。接続部材3の主板部3aは、セルスタック2内に含まれる複数の蓄電セル11の各正極端子に電気的に接続されている。接続部材3の突出板部3bは、主板部3aに連続して設けられている。方向Xに沿った突出板部3bの端は、拘束部材5よりも外側に位置する。接続部材3は、拘束部材5,6と離間している。
接続部材4は、蓄電装置1の負極として機能する導電部材(バスバー)であり、略平板形状を呈している。接続部材4は、方向Yにおけるセルスタック2の他端側に設けられている。接続部材4は、接続部材3と同様に、例えば金属板又は合金板である。接続部材4は、接続部材3と同一の金属板又は合金板であってもよいし、異なる金属板又は合金板であってもよい。
接続部材4は、方向Xに沿って延在すると共に方向Zにおいてセルスタック2及び絶縁緩衝部材8に重なる主板部4aと、主板部4aにおける拘束部材6側の一端から方向Xに沿って突出する突出板部4bとを有する。突出板部4bは、方向Xにおいて接続部材3の突出板部3bと反対側に設けられている。接続部材4の主板部4aは、セルスタック2内に含まれる複数の蓄電セル11の各負極端子に電気的に接続されている。接続部材4の突出板部4bは、主板部4aに連続して設けられている。方向Xに沿った突出板部4bの端は、拘束部材6よりも外側に位置する。接続部材4は、接続部材3と同様に拘束部材5,6と離間している。
拘束部材5,6のそれぞれは、セルスタック2に対して方向Xに沿った拘束力(拘束荷重)を付加する部材であり、略L字板形状を呈するエンドプレートである。拘束部材5は、方向Xにおけるセルスタック2の一端側に配置されており、セルスタック2に対して拘束荷重を付加する主部5aと、方向Zにおける主部5aの一端から方向Xに沿って延在する延在部5bとを有する。延在部5bは、セルスタック2から離れるように延在している。拘束部材6は、方向Xにおけるセルスタック2の他端側に配置されており、セルスタック2に対して拘束荷重を付加する主部6aと、方向Zにおける主部6aの一端から方向Xに沿って延在する延在部6bとを有する。延在部6bは、拘束部材5の延在部5bと同様に、セルスタック2から離れるように延在している。
拘束部材5,6のそれぞれは、例えば金属製又は合金製の板材である。拘束部材5,6は、例えば締結部材(例えば、ボルト及びナット)等を用いた連結部材を介して互いに連結されてもよい。この場合、拘束部材5,6のそれぞれには、方向Xに沿って延在するボルト等の連結部材が挿通される貫通孔等が設けられてもよい。もしくは、拘束部材5,6のそれぞれは、図示しない基台又はケース等に固定されてもよい。この場合、拘束部材5,6のそれぞれには、これらを基台等に固定するための部材が挿通される貫通孔等が設けられてもよい。
絶縁緩衝部材7,8のそれぞれは、蓄電セル11の膨張を吸収するための絶縁部材であり、略直方体形状を呈している。絶縁緩衝部材7は、方向Xにおいてセルスタック2と拘束部材5との間に配置されている。絶縁緩衝部材8は、方向Xにおいてセルスタック2と拘束部材6との間に配置されている。絶縁緩衝部材7,8のそれぞれにおいて接続部材3,4に対向する端面は、セルスタック2において接続部材3,4に対向する端面に対して揃ってもよい。すなわち、上記端面同士は、面一になっていてもよい。
絶縁緩衝部材7,8のそれぞれは、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ナイロン66(PA66)を含む。絶縁緩衝部材7,8の少なくとも一つは、弾性を示してもよい。絶縁緩衝部材7,8の方向Xに沿った長さ(すなわち、厚さ)は、例えば1mm以上10mm以下である。本実施形態では、絶縁緩衝部材7,8の厚さは、5mmである。
カバー部材9は、蓄電セル11の方向Zにおける移動を規制するための部材であり、略逆U字板形状を呈している。カバー部材9は、方向Yにおいて接続部材3,4の間に設けられており、且つ、接続部材3,4と離間している。カバー部材9は、方向Xに沿って延在するカバー部9aと、方向Xにおけるカバー部9aの一端から方向Zに沿って延在する第1取付部9bと、方向Xにおけるカバー部9aの他端から方向Zに沿って延在する第2取付部9cとを有する。
第1取付部9bは、締結部材E等を介して拘束部材5に固定されている。第2取付部9cは、第1取付部9bと同様に、締結部材等を介して拘束部材6に固定されている。このため本実施形態では、カバー部材9は、拘束部材5,6を連結するための連結部材として機能する。カバー部材9は、例えば金属板又は合金板である。
次に、図2〜図7を参照しながら、セルスタック2に含まれる蓄電セル11と集電板との詳細について説明する。まず、蓄電セル11の構成の詳細について説明する。
図2(a),(b)に示されるように、蓄電セル11は、略直方体形状を呈する単電池である。蓄電セル11においては、方向Xに沿った辺が最も短く、方向Yに沿った辺が最も長くなっている。蓄電セル11は、全固体電池である。蓄電セル11は、例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池である。本実施形態では、蓄電セル11は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池である。
蓄電セル11は、方向Xにおいて正極集電板12と負極集電板13とによって挟まれており、正極集電板12を介して接続部材3に電気的に接続されると共に、負極集電板13を介して接続部材4に電気的に接続される。
蓄電セル11は、方向Xに交差する一対の主面14a,14b及び主面14a,14bをつなぐ外周面14cを有する電極積層体14と、少なくとも電極積層体14の外周面14c上に設けられる保持部材15とを備える。
図3に示されるように、電極積層体14は、複数のバイポーラ電極16(複数の電極)と、複数のセパレータ(固体又はゲル状電解質層を含むセパレータ)17とを有する。複数のバイポーラ電極16と、複数のセパレータ17とは、方向Xに沿って交互に配置されている。
複数のバイポーラ電極16のそれぞれは、集電体(第1集電体、第2集電体)21と、正極層22と、負極層23とを備える。集電体21は、方向Xに交差する一対の主面21a,21bを有する。集電体21の主面(第1主面)21a上には正極層22が設けられ、集電体21の主面(第2主面)21b上には負極層23が設けられる。このため、集電体21は、方向Xに沿って正極層22と負極層23とによって挟まれている。
集電体21は、シート状の導電部材であり、略矩形状を呈している。集電体21は、例えば金属箔又は合金箔である。金属箔は、例えば銅箔、アルミニウム箔、チタン箔、もしくはニッケル箔である。集電体21が金属箔である場合、機械的強度を確保する観点から、当該金属箔はアルミニウム箔であってもよい。合金箔は、例えばステンレス鋼箔(SUS301、SUS304等)、もしくは上記金属の合金箔である。集電体21が合金箔である場合、もしくは集電体21がアルミニウム箔以外の金属箔である場合、集電体21の表面にはアルミニウムが被覆されていてもよい。集電体21の厚さは、例えば5μm以上20μm以下である。本実施形態では、集電体21の厚さは10μmである。
正極層22は、少なくとも正極活物質とゲル状電解質とバインダを含む層状部材であり、略矩形状を呈している。負極層23は、少なくとも負極活物質とゲル状電解質とバインダを含む層状部材であり、略矩形状を呈している。正極層22及び負極層23の材料について後述する。
図3に示したように、セパレータ17は、隣り合うバイポーラ電極16同士を隔てる層状部材であり、略矩形状を呈している。セパレータ17は、正極層22及び負極層23に含まれるゲル状電解質及びバインダを含む。セパレータ17の厚さは、例えば1μm以上10μm以下である。本実施形態では、セパレータ17の厚さは5μmである。
方向Xにおける電極積層体14の両端には、集電体21が設けられている。方向Xにおいて電極積層体14の一端(図3における紙面右側)に配置される集電体21の主面21b上には、負極層が配置されていない。このため、当該集電体21は、電極積層体14における正極端子に相当し、主面21bは、電極積層体14の主面14aに相当する。方向Xにおいて電極積層体14の他端(図3における紙面左側)に配置される集電体21の主面21a上には、負極層が配置されていない。このため、当該集電体21は、電極積層体14における負極端子に相当し、主面21aは、電極積層体14の主面14bに相当する。
保持部材15は、電極積層体14に含まれる複数のバイポーラ電極16、複数のセパレータ17、正極端子、及び負極端子を保持する部材であり、絶縁性を示す。本実施形態では、保持部材15は、電極積層体14の外周面14cを封止するように略矩形枠形状を呈する封止部材、及び、電極積層体14内のバイポーラ電極16同士の短絡を防止する短絡防止部材としても機能し得る。
保持部材15は、電極積層体14の外周面14cと接触する内周面15aと、内周面15aの反対側に位置する外周面15bと、方向Xに交差する側面15cとを有する。側面15cは、電極積層体14の主面14a,14bに対して略平行に設けられる。本実施形態では、方向Xにおける一端(図3における紙面右側)に位置する側面15cは、主面14aと面一になっており、方向Xにおける他端(図3における紙面右側)に位置する側面15cは、主面14bと面一になっている。
保持部材15は、例えば耐熱性を示す樹脂部材を含む。耐熱性を示す樹脂部材は、例えばポリイミド、PP、PPS、PA66等である。保持部材15の厚さは、例えば1mm以上10mm以下である。この場合、熱等による保持部材15の破損防止と、蓄電セル11の重量低減とを両立可能である。保持部材15の厚さは、方向Yもしくは方向Zに沿った内周面15aと外周面15bとの距離に相当する。本実施形態では、保持部材15の厚さは5mmである。
次に、図2(a),(b)に戻って正極集電板12及び負極集電板13の構成について説明する。
正極集電板12は、電極積層体14に接触する導電部材であり、板形状を呈している。正極集電板12は、方向Xに沿って蓄電セル11に隣接している。正極集電板12は、正極端子として機能する集電体21に接触する本体部121と、方向Zに沿って本体部121の縁122の一部から突出する突出部123とを有する。本体部121は、方向Xにおいてバイポーラ電極16及びセパレータ17に重なる部分であり、略矩形状を呈している。本実施形態では、正極集電板12が2つの蓄電セル11によって方向Xに沿って挟持される場合、本体部121の一方面は一方の蓄電セル11に接触し、本体部121の他方面は他方の蓄電セル11に接触する。このとき、正極集電板12は、各蓄電セル11の正極端子に接触しており、負極端子として機能する集電体21には接触していない。
蓄電セル11に接触する正極集電板12の突出部123は、その先端が蓄電セル11の電極積層体14から離れるように折り曲げられている。このため、突出部123は、基端部123a、電極積層体14から離れるように方向Xに沿って延在する先端部123b、及び屈曲部123cを有する。先端部123bは、方向Zにおいて上記電極積層体14と重なっておらず、且つ、蓄電セル11における保持部材15の外周面15bにも接していない。
負極集電板13は、電極積層体14に接触する導電部材であり、板形状を呈している。負極集電板13は、正極集電板12と同様に方向Xに沿って蓄電セル11に隣接している。負極集電板13は、負極端子として機能する集電体21に接触する本体部131と、方向Zに沿って本体部131の縁132の一部から突出する突出部133とを有する。本体部131は、方向Xにおいてバイポーラ電極16及びセパレータ17に重なる部分であり、略矩形状を呈している。本実施形態では、負極集電板13が2つの蓄電セル11によって方向Xに沿って挟持される場合、本体部131の一方面は一方の蓄電セル11に接触し、本体部131の他方面は他方の蓄電セル11に接触する。このとき、負極集電板13は、各蓄電セル11の負極端子に接触しており、正極端子には接触していない。屈曲部123cは、方向Yから見て略直角になるように折り曲げられている。
上述したように本実施形態では、正極集電板12は、各蓄電セル11の正極端子にそれぞれ接触する。このため本実施形態では、セルスタック2内の複数の蓄電セル11は、正極集電板12及び負極集電板13を介して並列接続されている。
負極集電板13の突出部133もまた、その先端が蓄電セル11における電極積層体14から離れるように折り曲げられている。このため、突出部133は、基端部133a、電極積層体14から離れるように方向Xに沿って延在する先端部133b、及び屈曲部133cを有する。先端部133bは、方向Zにおいて上記電極積層体14と重なっておらず、且つ、蓄電セル11における保持部材15の外周面15bにも接していない。
図4に示されるように、セルスタック2内では、複数の蓄電セル11と複数の集電板とが方向Xに沿って交互に配列されている。より具体的には、蓄電セル11、正極集電板12、蓄電セル11、負極集電板13の順に配置されたグループが方向Xに沿って連続して並ぶことによって、セルスタック2が構成されている。各蓄電セル11及び各集電板には、拘束部材5によって方向Xに沿った拘束力が、絶縁緩衝部材7を介して付加されている。
図4に示される、方向Xにおいて最も外側に位置する蓄電セル11に接触する正極集電板12は、当該蓄電セル11と絶縁緩衝部材7との間に配置されており、且つ、当該正極集電板12の本体部121は、絶縁緩衝部材7の主面7aと接触している。以下では、図4に示される、方向Xにおいて最も外側に位置する正極集電板12を最外正極集電板12Aと呼称する。絶縁緩衝部材7は、方向Xに交差すると共に本体部121に接触する主面7aと、主面7aの縁から方向Xに沿って延在する外周面7bとを有する。
最外正極集電板12Aを除く各正極集電板12の突出部123は、保持部材15の側面15cと外周面15bに沿っている。最外正極集電板12Aの突出部123は、絶縁緩衝部材7の主面7aと外周面7bとに沿っている。
突出部123の基端部123aは、方向Xにおいて電極積層体14とは重ならず、且つ、保持部材15の側面15cに沿って設けられている。本実施形態では、各基端部123aの全体は、対応する保持部材15の側面15cに密着している。加えて、最外正極集電板12Aの基端部123aの全体は、絶縁緩衝部材7の主面7aに密着している。
最外正極集電板12Aを除く正極集電板12における突出部123の先端部123bは、方向Zにおいて電極積層体14及び接続部材3と重なり、且つ、保持部材15の外周面15bに沿って延在している。本実施形態では、当該先端部123bの全体は、保持部材15の外周面15bと、接続部材3との両方に密着している。これらの先端部123bと、対応する保持部材15と、接続部材3とが方向Zに沿って重なり、且つ、保持部材15と当該先端部123bとが互いに接触する領域上には、溶接部W1が設けられる。溶接部W1は、正極集電板12と接続部材3とを接合する部分であり、先端部123bと接続部材3とが接触している箇所に設けられる。溶接部W1は、例えばレーザ溶接等によって形成される。溶接部W1が形成されるとき、保持部材15が溶接工程における台座としても機能する。
最外正極集電板12Aにおける突出部123の先端部123bは、蓄電セル11から離れるように方向Xに沿って延在している。このため、当該先端部123bは、方向Zにおいて絶縁緩衝部材7と重なり、且つ、絶縁緩衝部材7の外周面7bに沿って延在している。本実施形態では、当該先端部123bの全体は、絶縁緩衝部材7の外周面7bと、接続部材3との両方に密着している。この先端部123bと、絶縁緩衝部材7と、接続部材3とが方向Zに沿って重なり、且つ、絶縁緩衝部材7と当該先端部123bとが互いに接触する領域上には、溶接部W2が設けられる。溶接部W2は、最外正極集電板12Aと接続部材3とを接合する部分である。溶接部W2は、溶接部W1と同様に、例えばレーザ溶接等によって形成される。溶接部W2が形成されるとき、絶縁緩衝部材7が溶接工程における台座としても機能する。
最外正極集電板12Aを除く正極集電板12の先端部123bと、最外正極集電板12Aの先端部123bとは、互いに同一方向に沿って延在している。具体的には、上記先端部123bは、方向Xの一方側に向かって延在している。
図5に示される、方向Xにおいて最も外側に位置する蓄電セル11に接触する負極集電板13は、蓄電セル11と絶縁緩衝部材8との間に配置されており、且つ、当該負極集電板13の本体部131は、絶縁緩衝部材8の主面8aと接触している。以下では、図5に示される、方向Xにおいて最も外側に位置する負極集電板13を最外負極集電板13Aとも呼称する。
最外負極集電板13Aを除く各負極集電板13の突出部133は、保持部材15の側面15cと外周面15bに沿うように配置されている。最外負極集電板13Aの突出部133は、絶縁緩衝部材8の主面8a及び外周面8bに沿うように配置されている。
最外負極集電板13Aを除く負極集電板13における突出部133は、方向Zにおいて電極積層体14及び接続部材4と重なり、且つ、保持部材15の外周面15bに沿って延在している。本実施形態では、突出部133は、保持部材15の外周面15bと、接続部材4との両方に密着している。これらの先端部133bと、対応する保持部材15と、接続部材4とが方向Zに沿って重なり、且つ、保持部材15と当該先端部133bとが互いに接触する領域上には、溶接部W3が設けられる。溶接部W3は、負極集電板13と接続部材4とを接合する部分であり、先端部133bと接続部材4とが接触している箇所に設けられる。溶接部W3は、例えばレーザ溶接等によって形成される。溶接部W3が形成されるとき、保持部材15が溶接工程における台座としても機能する。
最外負極集電板13Aにおける突出部133の先端部133bは、蓄電セル11から離れるように方向Xに沿って延在している。このため、当該先端部133bは、方向Zにおいて絶縁緩衝部材8と重なり、且つ、絶縁緩衝部材8の外周面8bに沿って延在している。本実施形態では、当該先端部133bの全体は、絶縁緩衝部材8の外周面8bと、接続部材4との両方に密着している。この先端部133bと、絶縁緩衝部材8と、接続部材4とが方向Zに沿って重なり、且つ、絶縁緩衝部材8と当該先端部133bとが互いに接触する領域上には、溶接部W4が設けられる。溶接部W4は、最外負極集電板13Aと接続部材4とを接合する部分である。溶接部W4は、溶接部W3と同様に、例えばレーザ溶接等によって形成される。溶接部W4が形成されるとき、絶縁緩衝部材8が溶接工程における台座としても機能する。
最外負極集電板13Aを除く負極集電板13の先端部133bと、最外負極集電板13Aの先端部133bとは、互いに同一方向に沿って延在している。具体的には、上記先端部133bは、方向Xの他方側に向かって延在している。このため、各正極集電板12の先端部123bの延在方向と、各負極集電板13の先端部133bの延在方向とは、互いに反対になっている。
次に、蓄電装置1の製造方法を説明する。蓄電装置1を製造する場合、上記蓄電セル11を製造する(蓄電セルの製造工程)。蓄電セル11は全固体電池であるため、蓄電セル11は、本実施形態に係る全固体電池の製造方法によって製造される。
蓄電セル11の製造方法(本実施形態に係る全固体電池)は、バイポーラ電極16を形成する工程(第1電極を形成する工程及び第2電極を形成する工程)と、電極積層体14を形成する工程とを有する。
[バイポーラ電極を形成する工程]
バイポーラ電極を形成する工程では、まず、図6(a)に示したように、集電体21の主面21a上に、第1塗工液を塗工し、第1塗工膜F1を形成する(第1塗工液を塗工する工程)。第1塗工液は、イオン液体(第1イオン液体)、イオン液体をゲル化させるためのゲル化剤(第1ゲル化剤)、バインダ(第1バインダ)及び正極活物質を含む。
イオン液体は不揮発性液体であり、例えば、テトラグライム(G4)などの溶媒にLiFSAなどのイミド塩を溶融したものである。イオン液体は、上記ゲル化剤によってゲル化してゲル化イオン液体となる。本明細書では、ゲル化イオン液体をゲル状電解質とも呼称する。
ゲル化剤は、イオン液体をゲル化させるためにイオン液体に混ぜられている。ゲル化剤の例は、シリカ粒子を含む。本実施形態のゲル化剤はシリカ粒子である。ゲル化剤が添加されておりゲル化剤によってゲル化したイオン液体(ゲル状電解質)は、ゲル化解除条件が適用されることによって(例えば剪断力といった応力を加えられることによって)でゲル化が解除され、一定の流動性を有する。換言すれば、上記ゲル化解除条件が適用されない状態(例えば、静置された状態)ではイオン液体は上記ゲル化剤によってゲル化する。以下では、上記ゲル化解除条件が適用されない状態を実現する条件をゲル化条件と呼称する場合もある。ゲル化剤は、ゲル化したイオン液体であるゲル状電解質が、流動性を完全にもしくはほぼ完全に示さない(例えば、20℃における粘度が、0.1Pa・S以上である)ようにイオン液体に混ぜ合わされていればよい。例えば、ゲル化剤の混合量は10wt%〜20wt%である。
正極活物質は、例えば複合酸化物、金属リチウム、及び硫黄等である。複合酸化物の組成には、例えばマンガン、チタン、ニッケル、コバルト、及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。イオン液体中への正極活物質の混合量は、正極層22での電気伝導性などに基づいて設定される。
バインダは、正極活物質とバインダ又はバインダ同士を結合するための結合剤である。本実施形態においてバインダは熱硬化型の樹脂バインダである。熱硬化型の樹脂バインダの例は、ポリイミド系樹脂(例えば、ポリイミド)及びポリアミドイミド樹脂を含む。本実施形態の樹脂バインダは、ポリイミドである。イオン液体へのバインダの混合量は、イオン液体の重量に応じて設定され、例えば2wt%〜10wt%である。
第1塗工液は、正極層22の電子伝導性を高めるための導電助剤を含んでもよい。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等である。
前述したように、ゲル化剤が混合されたイオン液体はゲル化する。そのため、第1塗工液の準備段階でイオン液体がゲル化している場合、第1塗工液を塗工する工程では、上記正極活物質及び上記バインダが混ぜられたゲル化イオン液体にゲル化解除条件を一旦適用(例えば剪断力を付与)してゲル状イオン液体をスラリー状の第1塗工液とする。その後、第1塗工液を主面21aに塗工する。
第1塗工膜F1を形成した後、バインダを利用して第1塗工膜F1(主面21aに塗工された第1塗工液)を固形化して主面21aに正極層22を形成する(正極層を形成する工程)。
第1塗工膜F1はゲル化剤を含んでおり、正極層を形成する工程では、ゲル化解除条件は適用されない。換言すれば、ゲル化条件下(例えば静置した状態)で正極層を形成する工程は実施される。そのため、正極層を形成する工程では、ゲル化剤によってイオン液体がゲル化しゲル状電解質を形成する。
バインダが熱硬化型の樹脂バインダであるため、正極層を形成する工程では、第1塗工膜F1を加熱することによって、正極層22を得る。加熱温度はバインダの特性(例えば硬化温度)に応じた温度のうち、イオン液体(又はゲル化電解質)及び正極活物質が変質しない温度であればよい。加熱温度の例は、100℃〜200℃である。加熱は、例えばチャンバー内で焼き固めることで実施され得る。
第1塗工膜F1は、ゲル化剤、正極活物質、イオン液体及びバインダを含む。よって、上記のように形成された正極層22は、ゲル状電解質(ゲル化剤でゲル化したイオン液体)、正極活物質及びバインダを含む。第1塗工膜F1が導電助剤などを含む場合は、正極層22も導電助剤などを含む。
次に、図7(a)に示したように、集電体21の主面21b上に、イオン液体(第2イオン液体)、ゲル化剤(第2ゲル化剤)、バインダ(第2バインダ)及び負極活物質を含む第2塗工液を塗工し、第2塗工膜を形成する(第2塗工液を塗工する工程)。
イオン液体の例は第1塗工液のイオン液体の例と同じであり得る。本実施形態では、第2塗工液のイオン液体は第1塗工液のイオン液体と同じである。ゲル化剤の例及びイオン液体への混合量は、第1塗工液のイオン化ゲル化剤の例と同じであり得る。本実施形態では、第2塗工液のゲル化剤及びゲル化剤のイオン液体への混合量は、第1塗工液のゲル化剤の場合と同じである。
負極活物質は、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素若しくはその化合物、ホウ素添加炭素などである。リチウムと合金化可能な元素の例としては、シリコン(ケイ素)及びスズが挙げられる。
バインダは、負極活物質とバインダ又はバインダ同士を結合するための結合剤である。本実施形態においてバインダは熱硬化型の樹脂バインダである。熱硬化型の樹脂バインダの例は、第1塗工液に含まれるバインダの例と同じである。バインダのイオン液体への混合量の例も第1塗工液の場合と同様である。本実施形態では、バインダ及びイオン液体への混合量は第1塗工液の場合と同じである。
第2塗工液は、第1塗工液の場合と同様に、導電助剤を含んでもよい。導電助剤の例も第1塗工液の場合と同様である。
第2塗工膜F2を形成した後、第2塗工膜(主面21bに塗工された第2塗工液)を固形化するとともに、第2塗工膜F2にゲル化条件を適用することによって、図7(b)に示したように、主面21bに負極層23を形成する(負極層を形成する工程)。
第2塗工膜F2はゲル化剤を含んでおり、負極層を形成する工程では、ゲル化解除条件は適用されない。換言すれば、ゲル化条件下(例えば静置した状態)で負極層を形成する工程は実施される。そのため、負極層を形成する工程では、ゲル化剤によってイオン液体がゲル化しゲル状電解質を形成する。
バインダが熱硬化型の樹脂バインダであるため、負極層を形成する工程では、第2塗工膜F2を加熱することによって、負極層23を得る。加熱温度はバインダの特性(例えば硬化温度)に応じた温度のうち、イオン液体(又はゲル化電解質)及び負極活物質が変質しない温度であればよい。ここで説明しているように、正極層22を形成した後に負極層23を形成する場合、加熱温度は、正極層22が変質しない温度である必要がある。加熱温度の例は、100℃〜200℃である。加熱方法の例は、正極層を形成する工程の場合と同様である。本実施形態では、加熱方法は、正極層を形成する工程の場合と同じである。
第2塗工膜F2は、ゲル化剤、負極活物質、イオン液体及びバインダを含む。よって、上記のように形成された負極層23は、ゲル状電解質(ゲル化剤でゲル化したイオン液体)、負極活物質及びバインダを含む。第2塗工膜F2が導電助剤などを含む場合は、負極層23も導電助剤などを含む。
第1塗工液及び第2塗工液に含まれるバインダが熱硬化型の樹脂バインダであるため、正極層を形成する工程及び負極層を形成する工程では、第1塗工膜F1及び第2塗工膜F2をそれぞれ加熱することによって、正極層22及び負極層23を得る。加熱温度はバインダの特性(例えば硬化温度)に応じた温度のうち、前述したように、イオン液体(又はゲル状電解質)及び活物質(正極活物質及び負極活物質を含む)が変質しない温度であればよい。換言すれば、本実施形態のように、バインダに熱硬化型の樹脂バインダを使用する場合、樹脂バインダは、イオン液体(又はゲル状電解質)及び上記活物質が変質しない温度で硬化可能な樹脂バインダが選択される。
上記バイポーラ電極の形成工程で複数のバイポーラ電極16を形成した後、形成された複数のバイポーラ電極16を、ゲル状電解質を含むセパレータ17を介して一方向に積層することによって電極積層体14を形成する(電極積層体を形成する工程)。電極積層体を形成する工程の一例を説明する。説明の便宜のため、セパレータ17を挟む2つのバイポーラ電極16のうちの一方を第1バイポーラ電極(第1電極)16Aと呼称し、他方を第2バイポーラ電極(第2電極)16Bと呼称する。
まず、図8(a)に示したように、第1バイポーラ電極16Aの正極層(下地層)22上に、イオン液体(第3イオン液体)、ゲル化剤(第3ゲル化剤)及びバインダ(第1バインダ)を含むセパレータ用の第3塗工液を塗工し、第3塗工膜F3を形成する(第3塗工液を塗工する工程)。その後、図8(b)に示したように、第3塗工膜F3(塗工された第3塗工液)を第2バイポーラ電極16Bの負極層23(下地層と反対の極性を有する層)と第1バイポーラ電極16Aの正極層22とで挟むように、第3塗工膜F3上に第2バイポーラ電極16Bを配置する(第1電極及び第2電極を配置する工程)。続いて、第1バイポーラ電極16Aと第2バイポーラ電極16Bの間に配置された第3塗工膜F3を固形化して、第1バイポーラ電極16Aと第2バイポーラ電極16Bとの間にセパレータ17を形成する(セパレータを形成する工程)。
第3塗工膜F3はゲル化剤を含んでおり、セパレータを形成する工程では、ゲル化解除条件は適用されない。換言すれば、ゲル化条件下(例えば静置した状態)でセパレータを形成する工程は実施される。そのため、セパレータを形成する工程では、ゲル化剤によってイオン液体がゲル化しゲル状電解質を形成する。
第3塗工液が有するバインダは、第1塗工液及び第2塗工液が有するバインダと同じであるため、セパレータを形成する工程では、第3塗工膜F3を加熱することによって、第3塗工膜F3を加熱する。加熱条件及び加熱方法は、第1塗工膜F1及び第2塗工膜F2の場合と同じである。
第3塗工膜F3は、ゲル化剤、イオン液体及びバインダを含む一方、活物質は含まない。よって、上記のように形成されたセパレータ17は、活物質は含まない一方、ゲル状電解質(ゲル化剤でゲル化したイオン液体)及びバインダを含む。
バイポーラ電極16を3つ以上積層する場合、上記第2バイポーラ電極16Bを新しい第1バイポーラ電極16Aとみなして、第3塗工液を塗工する工程、第1電極及び第2電極を配置する工程、セパレータを形成する工程を繰り返すことで、3つ以上のバイポーラ電極16を有する電極積層体14が得られる。
或いは、第3塗工液を塗工する工程と第1電極及び第2電極を配置する工程とを実施した後、上記第2バイポーラ電極16Bを新しい第1バイポーラ電極16Aと見なして、第3塗工液を塗工する工程と第1電極及び第2電極を配置する工程とを繰り返して、第3塗工液を介して複数のバイポーラ電極16が積層された積層体を形成した後、その積層体を加熱して第3塗工液を固形化するとともに、ゲル化条件を適用することによって、電極積層体14を形成してもよい。
上記電極積層体を形成する工程の説明では、第1バイポーラ電極16Aが有する正極層22を下地層として説明した。しかしながら、第1バイポーラ電極16Aが有する負極層23が下地層でもよい。この場合、第2バイポーラ電極16Bが有する正極層22が、下地層と極性の反対の層である。
上記のように電極積層体14を形成した後、電極積層体14の外周面14cに、複数のバイポーラ電極16を保持する保持部材15を形成して、蓄電セル11を得る(保持部材を形成する工程)。保持部材15の材料が樹脂である場合、保持部材15は、例えば外周面14cに樹脂を塗布した後、硬化させることによって形成される。
上記蓄電セルの製造方法の一例では、負極層23を形成する前に正極層22を形成する形態を説明した。しかしながら、負極層23を正極層22の前に形成してもよい。或いは、第1塗工液及び第2塗工液を主面21a及び主面21bに塗工したのち、イオン液体のゲル化が進み流動性が低下している場合等では、第1塗工膜F1及び第2塗工膜F2を形成した後(すなわち、第1塗工液及び第2塗工液を塗工する工程を実施した後)、正極層を形成する工程及び負極層を形成する工程を一緒に実施してもよい。
蓄電装置1を製造する場合、上記蓄電セルの製造方法で複数の蓄電セル11を製造する。その後、複数の蓄電セル11、正極集電板12及び負極集電板13を含む複数の集電板、接続部材3,4、一対の拘束部材5,6、絶縁緩衝部材7,8及びカバー部材9を利用して、蓄電装置1を組み立てることで、蓄電装置1が得られる。蓄電装置1の組み立て方の一例を説明する。
製造された複数の蓄電セル11と複数の集電板(正極集電板12及び負極集電板13を含む)とが方向Xに沿って交互に配列してセルスタック2を得る(セルスタックの製造工程)。セルスタックの製造工程では、方向Xに沿って蓄電セル11が正極集電板12及び負極集電板13で挟まれるように、正極集電板12及び負極集電板13を蓄電セル11に対して配置する(集電板を配置する工程)。
その後、絶縁緩衝部材7,8を介してセルスタック2を一対の拘束部材5,6で拘束する(拘束部材で拘束する工程)。セルスタック2、絶縁緩衝部材7,8及び一対の拘束部材5,6の配置関係及び拘束部材5,6による拘束方法の例は前述したとおりである。
更に、セルスタック2に接続部材3,4及びカバー部材9を取り付けることによって、蓄電装置1を得る(接続部材及びカバー部材の取り付け工程)。接続部材及びカバー部材の取り付け工程は、拘束部材5,6で拘束する工程の前でもよいし、後でもよいし、拘束部材5,6で拘束する工程に含まれてもよい。集電板を配置する工程は、拘束部材で拘束する工程に含まれてもよい。
上記蓄電セル11の製造方法(本実施形態の全固体電池の製造方法)では、第1塗工液及び第2塗工液を用いて集電体21に正極層22及び負極層23を形成する。第1塗工液は正極層用の塗工液であり、イオン液体に、正極活物質の他、ゲル化剤及びバインダが混ぜられた塗工液である。第2塗工液は負極用の塗工液であり、イオン液体に、負極活物質の他、ゲル化剤及びバインダが混ぜられた塗工液である。
したがって、主面21aに第1塗工液を塗工して得られる第1塗工膜F1をバインダの結合力によって固形化(例えば硬化)させることによって形成された正極層22には、正極活物質の他、イオン液体及びゲル化剤も含まれる。イオン液体はゲル化剤の作用によるゲル化してゲル状電解質になる。このように予め正極活物質とイオン液体を含む第1塗工液を利用して正極層22を形成するため、ゲル状電解質を確実に含む正極層22が得られる。同様に、第2塗工液によって形成された負極層23は、ゲル状電解質を含む。上記のように形成された正極層22及び負極層23では、正極層22及び負極層23内においてバインダの作用で区切られる小領域内にゲル状電解質が閉じ込められると考えられる。上記正極層22及び負極層23を有するバイポーラ電極16を、セパレータ17を介して積層することによって電極積層体14が形成されている。したがって、本実施形態の全固体電池の製造方法によれば、電極層にゲル状電解質を確実に含む全固体電池としての蓄電セル11を製造できる。更に蓄電セル11を用いて蓄電装置1を製造することで、蓄電装置1も全固体電池として機能する。
図6(a)〜図8(b)で例示した方法では、電極積層体14を形成する場合であってセパレータ用の第3塗工液に含まれるバインダが、第1塗工液及び第2塗工液に含まれるバインダと同じある形態を説明した。この形態では、第3塗工液を固形化する際、バインダの作用によって、セパレータ17と、セパレータ17に接触する正極層22及び負極層23が接合され易い。その結果、電極積層体14が有する複数のバイポーラ電極16の固定(拘束)が簡素化できるとともに、複数のバイポーラ電極16が分離しにくい。
本実施形態で例示したようにバインダに熱硬化型の樹脂バインダを利用する形態では、塗工液を固形化する際にバインダの揮発に起因したガスが発生しない。そのため、正極層22及び負極層23を形成しても、上記ガスが放出されることによる孔などが生じない。よって、ゲル状電解質を含みながら良好な正極層22及び負極層23が得られる。バインダは、熱硬化型のバインダには限定されないが、バインダを含む塗工液を固形化する際に、揮発してガスが発生しないバインダが好ましい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明に係る全固体電池の製造方法は、集電体の第1主面及び第2主面の両方に正極層が形成された第1電極と、集電体の第1主面及び第2主面の両方に負極層が形成された第2電極とが、ゲル状電解質を含むセパレータを介して積層された電極積層体を備える全固体電池に適用されてもよい。
この場合、正極層及び負極層は、バイポーラ電極が有する正極層及び負極層を形成する場合と同様にして形成すればよい。更に、第1電極及び第2電極を、上記セパレータを介して積層する際、セパレータの積層方法は、上記第1電極を図8(a)及び図8(b)に示した第1バイポーラ電極16Aに対応させ、上記第2電極を図8(b)に示した第2バイポーラ電極16Bに対応させることで、図6(a)〜図8(b)を利用して説明した電極積層体を形成する工程と同様の方法が適用できる。
上記第1電極は、第1主面にのみ正極層が形成された構成でもよいし、上記第2電極は、第2主面にのみ正極層が形成された構成でもよい。
電極積層体が有する複数の電極の集電体は異なる(例えば材料などが異なる)集電体でもよい。同様に、第1塗工液が有するイオン液体、第2塗工液が有する第2イオン液体及び第3塗工液が有する第3イオン液体は例えば材料などが互いに異なってもよい。同様に、第1塗工液が有する第1ゲル化剤、第2塗工液が有する第2ゲル化剤及び第3塗工液が有する第3ゲル化剤は互いに異なってもよい。同様に、第1塗工液が有する第1バインダ、第2塗工液が有する第2バインダは互いに異なってもよい。
上記実施形態では、蓄電セルの形状は方向Xから見て略矩形状であるが、これに限られない。蓄電セルの形状は、方向Xから見て三角形状、五角形状等の多角形状であってもよいし、円形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。同様に、各集電板等の形状も、上記実施形態に限定されない。正極集電板及び負極集電板の形状は例示した形状に限定されない。
電極積層体を形成する工程の例は、図6(a)〜図8(b)を利用して説明した形態に限定されない。例えば、予め固体又はゲル状電解質を含むセパレータを準備しておき、そのセパレータを利用して電極積層体を形成してもよい。
本発明に係る全固体電池の製造方法は、電極積層体で積層される第1電極を形成する工程と、第2電極を形成する工程と、第1電極と第2電極とゲル状電解質を含むセパレータを介して積層することによって電極積層体を形成する工程を備えていればよい。
上記実施形態では、セルスタック内の蓄電セルは並列接続されているが、これに限られない。例えば、蓄電セル同士は直列接続されていてもよい。この場合、蓄電装置の正極として機能する一方の接続部材は、セルスタックに含まれる複数の蓄電セルのうち一つに接続されればよい。蓄電装置の負極として機能する他方の接続部材は、上記一つの蓄電セルとは異なる蓄電セルに接続されればよい。
上記実施形態では、蓄電セルと、正極集電板と、負極集電板とが互いに別体となっているが、これに限られない。例えば、蓄電セルと、正極集電板と、負極集電板とは、互いに一体化されてもよい。この場合、例えば保持部材が、電極積層体と、正極集電板と、負極集電板とを一体化してもよい。これにより、電極積層体と、正極集電板及び負極集電板との接触を確保できる。セルスタックには、蓄電セル、正極集電板及び負極集電板が互いに一体化されたユニットと、正極集電板及び負極集電板が別体である蓄電セルとの両方が含まれてもよい。この場合、当該ユニットと蓄電セルとが、方向Xに沿って交互に配列される。
1…蓄電装置、2…セルスタック、3…接続部材、4…接続部材、11…蓄電セル、12…正極集電板、13…負極集電板、14…電極積層体、14c…外周面、15…保持部材、16…バイポーラ電極、17…セパレータ、21…集電体、21a…主面(第1主面)、21b…主面(第2主面)、22…正極層(下地層)、23…負極層。

Claims (10)

  1. 第1イオン液体、前記第1イオン液体をゲル化させるための第1ゲル化剤、第1バインダ及び正極活物質を含む第1塗工液を、第1集電体の第1主面に塗工した後、前記第1イオン液体を前記第1ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第1塗工液を前記第1バインダで固形化して、前記第1集電体の前記第1主面に正極層が配置された第1電極を形成する工程と、
    第2イオン液体、前記第2イオン液体をゲル化させるための第2ゲル化剤、第2バインダ及び負極活物質を含む第2塗工液を、第2集電体の第2主面に塗工した後、前記第2イオン液体を前記第2ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第2塗工液を前記第2バインダで固形化して、前記第2集電体の前記第2主面に負極層が配置された第2電極を形成する工程と、
    形成された前記第1電極及び前記第2電極を、前記第1電極の前記正極層と前記第2電極の前記負極層とによって固体又はゲル状電解質を含むセパレータを挟むように一方向に積層することによって電極積層体を形成する工程と、
    を備える、
    全固体電池の製造方法。
  2. 前記第1電極を形成する工程は、
    前記第1集電体の前記第1主面上に、前記第1塗工液を塗工する工程と、
    前記第1集電体の前記第1主面と反対側の第2主面上に、前記第2塗工液を塗工する工程と、
    前記第1集電体の前記第1主面に塗工された前記第1塗工液内の前記第1イオン液体を前記第1ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第1塗工液を前記第1バインダで固形化して、前記第1集電体の前記第1主面上に前記正極層を形成する工程と、
    前記第1集電体の前記第2主面に塗工された前記第2塗工液内の前記第2イオン液体を前記第2ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第2塗工液を前記第2バインダで固形化して、前記第1集電体の前記第2主面上に前記負極層を形成する工程と、
    を有し、
    前記第2電極を形成する工程は、
    前記第2集電体の前記第2主面上に、前記第2塗工液を塗工する工程と、
    前記第2集電体の前記第2主面と反対側の第1主面上に、前記第1塗工液を塗工する工程と、
    前記第2集電体の前記第2主面に塗工された前記第2塗工液内の前記第2イオン液体を前記第2ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第2塗工液を前記第2バインダで固形化して、前記第2集電体の前記第2主面上に前記負極層を形成する工程と、
    前記第2集電体の前記第1主面に塗工された前記第1塗工液内の前記第1イオン液体を前記第1ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第1塗工液を前記第1バインダで固形化して、前記第2集電体の前記第1主面上に前記正極層を形成する工程と、
    を有する、
    請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
  3. 前記第1イオン液体及び前記第2イオン液体は同じイオン液体である、
    請求項1又は2に記載の全固体電池の製造方法。
  4. 前記第1バインダ及び前記第2バインダは、熱硬化型の樹脂バインダであり、
    前記第1塗工液及び前記第2塗工液を加熱することによって、前記第1塗工液及び前記第2塗工液を固形化する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の全固体電池の製造方法。
  5. 前記第1バインダ及び前記第2バインダは同じバインダである、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の全固体電池の製造方法。
  6. 前記電極積層体を形成する工程は、
    前記第1電極の前記正極層又は前記第2電極の前記負極層のうちの一方の層である下地層に、第3イオン液体、前記第3イオン液体をゲル化させるための第3ゲル化剤、前記第1バインダを含む第3塗工液を塗工する工程と、
    前記第1電極の前記正極層又は前記第2電極の前記負極層のうちの前記下地層と反対の極性を有する層と前記下地層とによって、塗工された前記第3塗工液を挟むように、前記第1電極及び前記第2電極を配置する工程と、
    前記第3イオン液体を前記第3ゲル化剤でゲル化するとともに、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された前記第3塗工液を前記第1バインダで固形化して、前記第1電極と前記第2電極との間に前記セパレータを形成する工程と、
    を有する、
    請求項5に記載の全固体電池の製造方法。
  7. 前記電極積層体の外周面に、前記第1電極及び前記第2電極を保持する保持部材を形成することによって蓄電セルを得る工程を更に有する、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の全固体電池の製造方法。
  8. 前記一方向において前記蓄電セルに隣接するとともに、前記蓄電セルと電気的に接続されるように、前記蓄電セルに集電板を配置する工程を更に有する、
    請求項7に記載の全固体電池の製造方法。
  9. 集電体、前記集電体の第1主面上に配置された正極層及び前記集電体の前記第1主面と反対側に位置する第2主面に配置された負極層を有するバイポーラ電極を形成する工程と、
    形成された複数の前記バイポーラ電極を、固体又はゲル状電解質を含むセパレータを介して一方向に積層することによって電極積層体を形成する工程と、
    を備え、
    前記バイポーラ電極を形成する工程は、
    前記集電体の前記第1主面上に、イオン液体、前記イオン液体をゲル化させるためのゲル化剤、バインダ及び正極活物質を含む第1塗工液を塗工する工程と、
    前記集電体の前記第2主面上に、前記イオン液体、前記ゲル化剤、前記バインダ及び負極活物質を含む第2塗工液を塗工する工程と、
    前記第1主面に塗工された前記第1塗工液内の前記イオン液体を前記ゲル化剤でゲル化させるとともに、前記第1塗工液を固形化して、前記第1主面上に前記正極層を形成する工程と、
    前記第2主面に塗工された前記第2塗工液内の前記イオン液体を前記ゲル化剤でゲル化させるとともに、前記第2塗工液を固形化して、前記第2主面上に前記負極層を形成する工程と、
    を有する、
    全固体電池の製造方法。
  10. 第1集電体の少なくとも一方の主面に、ゲル状電解質、正極活物質及び熱硬化型の樹脂バインダを含む正極層が配置された第1電極と、
    第2集電体の少なくとも一方の主面に、ゲル状電解質、負極活物質及び前記樹脂バインダを含む負極層が配置された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され且つ前記正極層及び前記負極層とで挟まれており、固体又はゲル状電解質及び前記バインダを含むセパレータと、
    を備える、
    全固体電池。
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JP7488695B2 (ja) 2020-05-29 2024-05-22 本田技研工業株式会社 固体電池モジュール及び固体電池セル

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