JP2020014333A - ステータ冷却構造 - Google Patents

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聡 村上
康志 中村
Koji Nakamura
康志 中村
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Masahiro Hase
将洋 長谷
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Abstract

【課題】ステータコアを効率的に冷却する。【解決手段】回転電機の軸方向に沿った円筒状の形態であり、回転電機のステータコアを支持するケースと、ステータコアの外周面とケースの内周面との間に、蛇行形態の冷却水路と蛇行形態の油路とを含み、冷却水路及び油路は、周方向で隣接する第1領域と、互いに交差する第2領域とを有し、冷却水路及び油路のうちの少なくとも一方は、回転電機の径方向でのそれぞれの寸法が、第2領域において、第1領域においてよりも小さい、ステータ冷却構造が開示される。【選択図】図10

Description

本開示は、回転電機のステータに係るステータ冷却構造に関する。
回転電機の径方向でステータコアとステータホルダとの間に、伝熱体(冷却油)を封入し又は循環させる間隙部を形成し、かつ、ハウジング内に冷却水路を形成する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−273423号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、ステータコアを効率的に冷却することが難しい。冷却油は、一般的にオイルクーラで冷却水(例えばLLC:Long Life Coolantを含む水)と熱交換して放熱される。従って、冷却水の方が冷却油よりも温度が低い。このため、上記のような従来技術のように、冷却水とステータコアとの間に冷却油が介在すると、ステータコアを効率的に冷却することが難しい。
そこで、1つの側面では、本発明は、ステータコアを効率的に冷却することを目的とする。
1つの側面では、回転電機の軸方向に沿った円筒状の形態であり、回転電機のステータコアを支持するケースと、
前記ステータコアの外周面と前記ケースの内周面との間に、蛇行形態の冷却水路と蛇行形態の油路とを含み、
前記冷却水路及び前記油路は、回転電機の周方向で隣接する第1領域と、互いに交差する第2領域とを有し、
前記冷却水路及び前記油路のうちの少なくとも一方は、回転電機の径方向でのそれぞれの寸法が、前記第2領域において、前記第1領域においてよりも小さい、ステータ冷却構造が提供される。
1つの側面では、本発明によれば、ステータコアを効率的に冷却することが可能となる。
車両駆動装置の一例を概略的に示す図である。 車両駆動装置の潤滑・冷却システムの構成の一例を概略的に示す図である。 モータの一部の外観を示す斜視図である。 図3と同じ方向に視た保持環の斜視図である。 天頂部領域の保持環の斜視図である。 X方向X1側(図4A参照)から視た保持環の平面図である。 図3に示すモータの一部の断面図である。 図6のQ1部の拡大図である。 モータのX方向X2側の端部の断面図である。 冷却水入口部と入口水路の関係を示す断面図である。 蛇行水路及びケース油路の展開状態を模式的に示す図である。 図10のラインA−Aに沿った断面図である。 図10のラインB−Bに沿った断面図である。 比較例の説明図である。 油滴下部の油滴下穴を通る断面図である。 油滴下部の油滴下穴を通る断面図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。ここでは、まず、ステータ冷却構造が適用可能な車両駆動装置及び潤滑・冷却システム(ステータ冷却構造を含む潤滑・冷却システム)の説明を行ってから、ステータ冷却構造に係る熱交換兼水冷部を説明する。
<車両駆動装置>
図1は、ステータ冷却構造が適用可能な車両駆動装置1の一例を概略的に示す図である。なお、図1には、駆動輪WL,WRが併せて示されている。
車両駆動装置1は、車両に搭載される。車両駆動装置1は、モータ10(回転電機の一例)と、減速機構12と、モータ10の出力軸116に減速機構12を介して連結される差動装置14とを含む。モータ10は、車両の駆動力を発生させる。モータ10は、ロータ10aと、ステータ10bとを備え、ステータ10bは、ステータコア112と、ステータ10bに装着されるコイル(図示せず)により形成されるコイルエンド110とを含む。なお、ステータコア112は、例えば積層鋼板により形成されてよい。差動装置14には、左右の駆動輪WL,WRが連結される。差動装置14は、リングギア140、ピニオンギア141、及びサイドギア142を含む。また、差動装置14は、内部にギア(ピニオンギア141、サイドギア142等)を収容するデフケース(図示せず)を備える。なお、減速機構12の構成は、図示した簡易な構成に限られず、遊星歯車機構を含んでもよい。車両駆動装置1の各構成要素(モータ10、減速機構12、差動装置14等)は、例えば、単一の車両駆動装置ユニットとしてハウジング(図示せず)内に組み込まれてよいし、複数の別のハウジング(図示せず)内に組み込まれてもよい。
車両駆動装置1は、モータ10、減速機構12、及び差動装置14を油を用いて潤滑及び/又は冷却するための潤滑・冷却システム3を備える。以下では、「潤滑・冷却」とは、潤滑及び冷却の少なくともいずれかを意味する。
なお、後に説明する一実施例によるステータ冷却構造402(図2参照)は、一例として、図1に示す車両駆動装置1のモータ10に適用されるが、後述のステータ冷却構造402は、車両駆動装置1以外の構成の車両駆動装置に含まれるモータにも適用可能である。すなわち、後述のステータ冷却構造402は、モータ10のようなモータを含む任意の構成の車両駆動装置に適用可能である。また、モータに代えて、発電機(回転電機の他の一例)を備える構成にも適用可能である。
<潤滑・冷却システム>
図2は、車両駆動装置1の潤滑・冷却システム3の構成の一例を概略的に示す図である。
潤滑・冷却システム3は、タンク30と、各油路31〜36と、電動式オイルポンプ40と、機械式オイルポンプ42と、熱交換兼水冷部50と、ウォーターポンプ90と、ラジエータ92と、冷却水路94、95とを含む。
タンク30は、車両駆動装置1のハウジング内の最下部(鉛直方向の最も下側の空間)により形成される。タンク30は、例えばオイルパンにより形成される。タンク30には、差動装置14が配置され、差動装置14がタンク30内の油に浸かる。差動装置14は、タンク30の下面に対して、あらかじめ規定された所定高さに設けられる。所定高さは、タンク30の油面の高さが、あらかじめ規定された所定高さ以上あるときに、差動装置14の回転(デフケースの回転)に伴い、タンク30内の油がデフケース内に入り、所望の態様での差動装置14の潤滑・冷却が実現されるように決定される。タンク30の下面には、ストレーナ30aが設けられる。
油路31は、タンク30と電動式オイルポンプ40の吸入側との間に設けられる。電動式オイルポンプ40の作動時、タンク30内の油はストレーナ30a及び油路31を介して電動式オイルポンプ40の吸入口へと吸入される。
油路32は、タンク30と機械式オイルポンプ42の吸入側との間に設けられる。機械式オイルポンプ42の作動時、タンク30内の油はストレーナ30a及び油路32を介して機械式オイルポンプ42の吸入口へと吸入される。なお、図2に示す例では、油路32は、油路31と共通部分を有しているが、かかる共通部分が無く、油路31とは独立に形成されてもよい。
油路33は、電動式オイルポンプ40の吐出側と熱交換兼水冷部50の入口側との間に設けられる。油路33は、電動式オイルポンプ40から吐出された油を熱交換兼水冷部50に導く。従って、電動式オイルポンプ40から吐出された油は、熱交換兼水冷部50により冷却されてから油路36に供給される。
油路34は、機械式オイルポンプ42の吐出側とタンク30との間に設けられる。油路34は、機械式オイルポンプ42から吐出された油をタンク30に導く。油路34は、減速機構のシャフトのような、部材に形成される油路や、単なる空間を含んでよい。単なる空間としては、車両駆動装置1のハウジング内の空間である。油路34から油は、潤滑の対象となる部材(潤滑部位22)での潤滑に供される。潤滑部位22は、例えばモータ10のベアリング等である。
油路35は、熱交換兼水冷部50を通る態様で油路33と油路36との間に接続される。油路35内の油は、後述するが、冷却水路95を通る液体の冷媒(冷却水)により冷却される。油路35の詳細は後述する。
油路36は、熱交換兼水冷部50の出口側とタンク30の間に設けられる。油路36は、熱交換兼水冷部50からの油をタンク30に導く。油路36は、減速機構のシャフトに形成される油路のような、部材に形成される油路や、管により形成される油路等であってもよいが、例えば車両駆動装置1又はモータ10のハウジング(例えば図3のケース70)内の空間を含む。この場合、熱交換兼水冷部50からの油は、重力により滴下され、冷却の対象となる部材(冷却部位23)に供給された後、重力によりタンク30へと導かれる。冷却部位23は、例えばモータ10のステータ10bのコイルエンド110(図1参照)を含む。
電動式オイルポンプ40は、モータ等の専用の駆動源(図示せず)によって駆動される。電動式オイルポンプ40は、作動時にタンク30内の油を油路33へと吐出する。すなわち、電動式オイルポンプ40は、作動時に、タンク30内の油を油路31を介して吸入し、油路33に吐出する。油路33に吐出された油は、熱交換兼水冷部50を介して油路36へと導かれる。なお、電動式オイルポンプ40は、車輪の回転と独立して作動するものであり、電気で作動するタイプのオイルポンプである。なお、電動式オイルポンプ40は、タンク30、油路31、油路33、及び油路36とともに、油路35を通って油を循環させる油循環部400を形成するが、変形例では、油循環部400は、他の要素を含んでもよい。
機械式オイルポンプ42は、作動時に、タンク30内の油を油路32を介して吸入し、油路34に吐出する。機械式オイルポンプ42は、車輪の正回転(前進方向の回転)に伴い作動する。機械式オイルポンプ42は、車輪の正回転に伴って回転する任意の回転部材に対して設けられてよい。例えば、機械式オイルポンプ42は、減速機構12(図1参照)のカウンタ軸に設けられ、減速機構12のカウンタ軸の正回転により作動する。
熱交換兼水冷部50は、熱交換機能と、ステータコア水冷機能とを併せ持つ。具体的には、熱交換兼水冷部50は、油路35内の油と冷却水路95内の冷却水との間の熱交換を実現する熱交換機能を有するとともに、モータ10のステータ10bのステータコア112を冷却水により直接的に冷却する機能(ステータコア水冷機能)を有する。冷却水は、例えば不凍液やLLC(Long Life Coolant)を含む水である。
なお、熱交換兼水冷部50は、オイルクーラとしても機能するが、オイルクーラの機能以外の機能として、モータ10のステータコア112を冷却する機能を有する点で、オイルクーラと同じではない。潤滑・冷却システム3は、熱交換兼水冷部50を備えることで、オイルクーラを不要とすることができる。本実施例では、熱交換兼水冷部50は、モータ10に適用される。熱交換兼水冷部50の詳細は、後述する。
ウォーターポンプ90は、冷却水路94、95に冷却水を循環させるポンプである。なお、ウォーターポンプ90は、ラジエータ92及び冷却水路94とともに、冷却水路95を通って冷却水を循環させる冷却水循環部401を形成するが、変形例では、冷却水循環部401は、他の要素を含んでもよい。また、冷却水循環部401は、上述した油循環部400及び熱交換兼水冷部50とともに、ステータ冷却構造402を形成するが、変形例では、ステータ冷却構造402は、他の要素を含んでもよい。
ラジエータ92は、冷却水路94、95を通る冷却水から熱を奪い、冷却水を冷却する。ラジエータ92は、空気(例えば車両の走行時に通過する空気)と冷却水との間で熱交換を実現するものであってよい。
冷却水路94は、ウォーターポンプ90から吐出された冷却水を熱交換兼水冷部50の冷却水路95に導き、熱交換兼水冷部50の冷却水路95からの冷却水をラジエータ92を介してウォーターポンプ90に戻す。なお、ラジエータ92は、ウォーターポンプ90と熱交換兼水冷部50との間に設けられてもよい。
冷却水路95は、熱交換兼水冷部50内に形成される。冷却水は、冷却水路95を通る際に、上述した熱交換兼水冷部50の熱交換機能とステータコア水冷機能を実現可能である。冷却水路95の詳細は後述する。
なお、図2に示す例では、電動式オイルポンプ40及び機械式オイルポンプ42が設けられるが、電動式オイルポンプ40及び機械式オイルポンプ42のいずれか一方が省略されてもよい。この場合、潤滑部位22及び冷却部位23は、区別されることなく、電動式オイルポンプ40及び機械式オイルポンプ42の他方(省略されない方)からの油により潤滑及び冷却されてよい。
また、図2に示す例において、油路33は、分岐して油路34に接続されてもよい。この場合、電動式オイルポンプ40からの油は、潤滑部位22にも供給される。あるいは、油路36は、分岐して油路34に接続されてもよい。この場合、熱交換兼水冷部50からの油は、潤滑部位22にも供給される。あるいは、油路34は、分岐して油路33に接続されてもよい。また、油路34は、潤滑部位22の後流側で、油路36における冷却部位23の後流側に接続されて一体化されてもよい。
また、図2に示す例では、冷却水路94は、熱交換兼水冷部50だけに接続されるが、冷却の対象となる部材、例えばモータ10を駆動するためのインバータ(図示せず)や、モータ10を駆動する高圧系バッテリ(図示せず)等を通るように形成されてもよい。
<熱交換兼水冷部>
次に、図3以降を参照して、モータ10に適用される熱交換兼水冷部50について説明する。なお、図3以降では、図面の明瞭性を維持する観点から、複数存在する要素については、一部の要素についてのみ符号が付されている場合がある。
図3は、モータ10の一部の外観を示す斜視図であり、図4Aは、保持環60(冷却水路形成部材の一例)の斜視図である。図4Bは、天頂部領域の保持環60の斜視図である。図5は、X方向X1側(図4A参照)から視た保持環60の平面図である。図6は、図3に示すモータ10の一部の断面図である。図7は、図6のQ1部の拡大図である。図3には、モータ10のロータ等の図示が省略されている。
以下では、径方向は、特に言及しない限り、モータ10の中心軸I(=ステータコア112の中心軸)を基準とする。なお、モータ10の軸方向は、X方向に対応する。また、以下の説明では、上下方向は、中心軸Iが水平方向に略平行になるように搭載されたモータ10の搭載状態での上下方向を表す。なお、図6の断面は、中心軸Iを通る平面による断面である。
熱交換兼水冷部50は、保持環60と、ケース70とを含む。熱交換兼水冷部50は、径方向で保持環60とケース70との間に、油路35(図2参照)を形成する。以下、「油路35」を「ケース油路35」と称し、ケース油路35の構造については後述する。また、熱交換兼水冷部50は、保持環60の内部に冷却水路95(図2参照)を備える。冷却水路95の構造については後述する。
保持環60は、図4A及び図4Bに示すように、円筒状の形態である。保持環60は、金属等の熱伝導性の良好な材料により形成される。保持環60は、後述のように冷却水路95(図2参照)を形成する中空部(空洞)を有する構造である。かかる中空部を有する保持環60は、複数のパーツを結合させて製造されてもよいし、鋳造により形成されてもよい。
保持環60は、図4A及び図6に示すように、環状の底面部62(第2部位の一例)と、底面部62の外周縁からX方向に延在する円筒部64(第1部位の一例)とを含む。底面部62及び円筒部64は、一体の連続した部位を形成してよい。
保持環60は、図5に示すように、底面部62に、ロータ(図示せず)が貫通する穴62aを有する。穴62aは、底面部62の中心(中心軸Iが通る中心)を中心として、例えば円形の形態で形成される。
保持環60は、図6に示すように、底面部62に、貫通穴62bを更に有する。貫通穴62bは、保持環60をケース70にボルト固定するために用いられる。貫通穴62bは、ボルトBT(図6参照)の軸部が通る径で形成される。貫通穴62bは、周方向に沿って複数設けられる。この際、貫通穴62bは、周方向に沿って等間隔に形成される。貫通穴62bは、好ましくは、図6に示すように、X方向に視てステータコア112に重ならないような径方向の範囲内に位置する。これにより、保持環60にステータコア112を組み付けた状態で、保持環60をケース70に組み付ける際の作業性が良好となる。すなわち、ステータコア112の外周側に、ボルトBTの締結のための作業スペースが形成されるので、作業性が良好となる。
保持環60は、図5に示すように、底面部62に、貫通穴の形態の油出口穴62cを更に有する。油出口穴62cは、モータ10の下部(油溜め空間)に溜まる油の出口穴であり、タンク30(図2参照)に接続される。油出口穴62cは、好ましくは、図5に示すように、中心軸Iよりも下側、かつ、X方向に視てステータコア112に重なるような径方向の範囲内に位置する。この場合、貫通穴62bの形成に対する制約にならない位置に油出口穴62cを配置できる。なお、油出口穴62cは、油溜め空間に溜まる油の最も高い位置を決めるが、油の当該最も高い位置がロータ10aの最も低い位置よりも低くなるように設定される。すなわち、油出口穴62cは、ステータコア112の内外径差程度の高さに下端が位置するように形成されてよい。
保持環60は、図5にて点線で示すように、底面部62のX方向X2側に、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eを更に有する。冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eは、底面部62に形成される入口水路951及び出口水路952(ともに後述)に対して、底面部62のX方向X2側から連通する。冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eは、例えば、図5に示すように、略同一の径方向の位置でかつ周方向に隣り合う態様で設けられる。
保持環60は、図5に示すように、底面部62のX方向X1側に、入口水路951及び出口水路952を内部に形成する膨らみ部62f、62gを有する。膨らみ部62f及び62gは、X方向で、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eのそれぞれの反対側に設けられる。
なお、入口水路951及び出口水路952は、好ましくは、X方向に視て、油溜め空間と少なくとも部分的に重なるように形成され、より好ましくは、X方向に視て、油溜め空間に略全体が重なるように形成される。なお、油溜め空間は、上述のように、保持環60が形成する径方向内側の空間のうちの、最も高い位置が油出口穴62cにより規定される下部空間である。特に、入口水路951は、X方向に視て、油溜め空間と重なるように形成されることが好ましい。これは、入口水路951内の冷却水は、出口水路952内の冷却水よりも低温であり、出口水路952内の冷却水よりも熱交換能力が高いためである。以下、入口水路951及び出口水路952を、X方向に視て、油溜め空間と少なくとも部分的に重なるように形成することを、「X方向視での油溜め空間とのオーバーラップ配置」とも称する。
保持環60は、円筒部64のX方向X1側の端部640を除いて、円筒部64の径方向外側の表面(外周面)の一部が、ケース油路35(図2参照)の径方向内側の境界面35bを形成する。なお、円筒部64の端部640は、図7に示すように、ケース油路35の径方向の必要な寸法を確保するために、ケース油路35(図2参照)の径方向内側の境界面35bよりも外径が大きい。
保持環60は、図7に示すように、円筒部64の端部640の外周面に、径方向内側に凹むシール溝640aを有する。シール溝640aは、周方向に全周にわたり延在する。円筒部64の端部640の外周面は、周方向の全周にわたり、ケース70の内周面と径方向で当接する。シール溝640aには、Oリングのようなシール材640bが装着される。これにより、円筒部64のX方向X1側においてケース70と保持環60との間(ケース油路35)が油密に保たれる。
保持環60は、径方向でステータコア112に円筒部64が接する態様でステータコア112を径方向内側に保持する。すなわち、保持環60は、ステータコア112の外周面に円筒部64の内周面が接する態様でステータコア112を保持する。例えば、保持環60は、ステータコア112に焼き嵌め等により一体化される。保持環60は、ステータコア112と一体化された状態で、ケース70にボルト固定される。このようにして、保持環60は、ステータコア112を含むステータ10bをケース70に対して支持する。
保持環60は、好ましくは、ステータコア112の外周面の略全体に円筒部64の内周面が接する態様でステータコア112を保持する。この場合、保持環60内の冷却水路95を通る冷却水によりステータコア112の全体を効率的に冷却できる。本実施例では、一例として、保持環60は、図6に示すように、ステータコア112のX方向の全長にわたり延在し、ステータコア112の外周面の略全体に円筒部64の内周面が接する。なお、ステータコア112の外周面の“略全体”とは、ステータコア112の溶接溝(図示せず)のような箇所(ステータコア112の外周面と円筒部64の内周面とが径方向で離間しうる箇所)を許容する概念である。
また、保持環60は、図6に示すように、X方向X2側では、円筒部64がX方向でコイルエンド110を越えて延在する。他方、本実施例では、一例として、保持環60は、図6に示すように、X方向X1側では、円筒部64がX方向でコイルエンド110の端部(X1側の端部)の手前まで延在する。ただし、変形例では、保持環60は、X方向X1側においても、円筒部64がX方向でコイルエンド110の端部(X1側の端部)まで又は当該端部を越えて延在してもよい。
保持環60は、図6に示すように、X方向X2側では、底面部62がステータコア112のX方向X2側の端面にX方向で対向する。この際、本実施例では、一例として、保持環60は、底面部62がステータ10bのX方向X2側の端部(コイルエンド110のX方向X2側の端面)に対してX方向で離間しつつ対向する。この際、離間する距離は、コイルエンド110と保持環60との間の必要な絶縁距離に対応してよい。
保持環60は、図4A及び図4Bに示すように、円筒部64の外周面に、仕切り壁64aと、第1突条部641と、第2突条部642と、第3突条部643と、第4突条部644と、第5突条部645とを含む。
仕切り壁64aは、X方向に直線状に延在する突条部である。仕切り壁64aは、周方向両側に形成される第1油路部3501(後述)を仕切る機能を有する。仕切り壁64aは、中空部(空洞)を備えてもよいが、当該中空部は、油路や水路を形成しない。仕切り壁64aは、X方向X2側が最端部まで延在し、X方向X1側が円筒部64の端部640まで延在する。仕切り壁64aの径方向外側の表面は、円筒部64の端部640の径方向外側の表面と連続してよい。仕切り壁64aは、例えば、第1突条部641、第2突条部642、第3突条部643、第4突条部644、及び第5突条部645よりも下側に配置される。
第1突条部641、第2突条部642、第3突条部643、及び第4突条部644は、保持環60の天頂部領域以外の領域に形成される。第5突条部645は、保持環60の天頂部領域に形成される。なお、保持環60の天頂部領域とは、保持環60の最も高い位置及びその周辺領域を表す。例えば、天頂部領域は、例えば最も高い位置に対応する周方向位置を中心として周方向で120度程度の範囲であってよい。
第1突条部641は、図4Aに示すように、X方向に直線状に延在する。第1突条部641は、中空部(空洞)を備え、当該中空部は、冷却水路95の一部を形成する(後述)。第1突条部641は、X方向X2側が最端部まで延在し、X方向X1側が円筒部64の端部640よりも所定距離L1(図4A参照)だけ手前まで延在する。第1突条部641の径方向外側の表面は、円筒部64の端部640の径方向外側の表面と面一である。所定距離L1は、後述する蛇行水路950(図10参照)の流路幅を定める値であり、蛇行水路950内の冷却水の流れによる熱交換能力を高める観点から決められてよい。
第2突条部642は、図4Aに示すように、X方向に直線状に延在する。第2突条部642は、中空部(空洞)を備え、当該中空部は、冷却水路95の一部を形成する(後述)。第2突条部642は、X方向X2側が最端部よりも所定距離L2(図4A参照)だけ手前まで延在し、X方向X1側が円筒部64の端部640まで延在する。第2突条部642の径方向外側の表面は、円筒部64の端部640の径方向外側の表面と面一である。所定距離L2は、所定距離L1と同一であってよい。
ここで、第1突条部641及び第2突条部642は、保持環60の天頂部領域以外の領域において、周方向で交互に一定角度α(図示せず)ごとに設けられる。一の第1突条部641の周方向の延在範囲(周長)は、一の第2突条部642の周方向の延在範囲と同じであってよく、角度に換算して例えば角度β(図示せず)である。角度βは、一定角度αと同じであってよい。なお、所定距離L1は、一の第1突条部641の周長と同じであってよい。
第3突条部643は、図4Aに示すように、第1突条部641のX方向X1側の端部とX方向で連続し、X方向X1側で周方向に延在し、第2突条部642の周方向の側部に連続する。第3突条部643は中空部(空洞)を備え、当該中空部は、冷却水路95の一部を形成する(後述)。第3突条部643の中空部は、X方向で第1突条部641の中空部と連続し、周方向で第2突条部642の中空部と連続する。
なお、天頂部領域付近の第3突条部643は、第2突条部642の周方向の側部に代えて、第5突条部645の周方向の側部に連続する。天頂部領域付近の第3突条部643の中空部は、X方向で第1突条部641の中空部と連続し、周方向で第5突条部645の中空部と連続する。
第3突条部643は、図4Aに示すように、X方向の幅が所定距離L1であり、端部640にX1側から隣接する。第3突条部643の径方向外側の表面は、第1突条部641の径方向外側の表面よりも径方向内側にある。すなわち、第3突条部643の高さ(径方向の寸法)H2は、第1突条部641の高さ(=第2突条部642の高さ)H1よりも低い。例えば、第3突条部643の高さH2は、第1突条部641の高さH1の略半分である。
第3突条部643の径方向外側の表面は、ケース油路35(図2参照)の径方向内側の境界面35bの一部を形成する。
第4突条部644は、図4Aに示すように、第2突条部642のX方向X2側の端部とX方向で連続し、X方向X2側で周方向に延在し、第1突条部641の周方向の側部に連続する。第4突条部644は、中空部(空洞)を備え、当該中空部は、冷却水路95の一部を形成する(後述)。第4突条部644の中空部は、X方向で第2突条部642の中空部と連続し、周方向で第1突条部641の中空部と連続する。
なお、天頂部領域付近の第4突条部644は、第1突条部641の周方向の側部に代えて、第5突条部645の周方向の側部に連続する。天頂部領域付近の第4突条部644の中空部は、X方向で第2突条部642の中空部と連続し、周方向で第5突条部645の中空部と連続する。
第4突条部644は、X方向の幅が所定距離L2であり、X方向X2側の最端部を形成する態様で周方向に延在する。第4突条部644の径方向外側の表面は、第1突条部641の径方向外側の表面よりも径方向内側にある。すなわち、第4突条部644の高さ(径方向の寸法)は、第1突条部641の高さ(=第2突条部642の高さ)よりも低い。例えば、第4突条部644の高さは第3突条部643の高さと同じであってよい。
第4突条部644の径方向外側の表面は、ケース油路35(図2参照)の径方向内側の境界面35bの一部を形成する。
第5突条部645は、図4Bに示すように、S字状に延在し、一端は保持環60の端部640まで延在し、他端は保持環60のX方向X2側の最端部まで延在する。第5突条部645は、中空部(空洞)を備え、当該中空部は、冷却水路95の一部を形成する(後述)。第5突条部645の中空部は、一端側で第3突条部643の中空部と連続し、他端側で第4突条部644の中空部と連続する。
第5突条部645のS字状のうちの、X方向X1側が開口するU字状の部分は、X方向X2側が円筒部64の最端部よりも所定距離L3(図4B参照)だけ手前まで延在する。また、第5突条部645のS字状のうちの、X方向X2側が開口するU字状の部分は、X方向X1側が円筒部64の最端部よりも所定距離L4(図4B参照)だけ手前まで延在する。所定距離L3及び所定距離L4は、後述の油滴下部356、358の形成領域に対応して決定される。なお、第5突条部645のS字状のうちの、X1側が開口するU字状の部分は、X方向X1側で第3突条部643に周方向で接続される。第5突条部645のS字状のうちの、X2側が開口するU字状の部分は、X方向X2側で第4突条部644に周方向で接続される。
保持環60は、図4Aに示しかつ上述したように、円筒部64の外周面に、上述した仕切り壁64a、第1突条部641、及び第3突条部643を有するので、周方向で仕切り壁64aと第1突条部641及び第3突条部643の間に、凹溝646が形成される。周方向で仕切り壁64aの両側に形成される各凹溝646は、X方向X2側の端部でケース油路35の油入口部35a(図8参照)にそれぞれ連通する。なお、仕切り壁64aは、保持環60の最下部領域内に位置する。保持環60の最下部領域は、保持環60の最も低い位置及びその近傍の領域を表す。最下部領域は、例えば最も低い位置に対応する周方向位置を中心として周方向で60度程度の範囲であってよい。
また、保持環60は、図4Aに示しかつ上述したように、円筒部64の外周面に、上述した第1突条部641、第2突条部642、及び第4突条部644を有するので、周方向で第1突条部641と第2突条部642及び第4突条部644との間に、凹溝647が形成される。また、保持環60は、図4Bに示しかつ上述したように、天頂部領域において、円筒部64の外周面に、上述した第5突条部645を有するので、第5突条部645の非形成領域に凹溝648、649が形成される。凹溝648は、第5突条部645に対してX方向X2側に隣接し、凹溝649は、第5突条部645に対してX方向X1側に隣接する。凹溝646〜649の径方向内側の境界面35bの一部を形成する。従って、凹溝646〜649、第3突条部643、及び第4突条部644は、境界面35bを形成し、境界面35bは、X方向に行き来しつつ周方向に延在する蛇行形態となる。
ケース70は、例えば、アルミのような金属により形成される。なお、ケース70は、2つ以上のパーツを結合して形成されてもよい。ケース70は、保持環60を径方向内側に支持する。すなわち、ケース70は、保持環60の円筒部64の径方向外側を覆うように設けられ、保持環60を支持する。保持環60の支持態様は、任意であるが、好ましくは、ケース70は、図6に示すように、保持環60の底面部62の貫通穴62bを通るボルトBT(固定部材の一例)により保持環60を支持する。すなわち、保持環60は、ケース70にボルトBTにより固定される。これにより、例えば、保持環60が径方向外側に突出した取り付け部(ケースにボルト固定されるための部位)を備える場合に比べて、モータ10の小径化を図ることが容易となる。
ケース70は、径方向で保持環60との間にケース油路35(図2及び図10参照)を形成する。ケース70は、内周面(径方向内側の表面)が保持環60の円筒部64の外周面と径方向で対向する。ケース70の内周面は、例えば凹凸の無い表面であり、ケース油路35(図2及び図7参照)の径方向外側の境界面35cを形成する。
次に、保持環60が形成する冷却水路95(図2参照)と、保持環60とケース70との間に形成されるケース油路35について詳説する。
冷却水路95は、ケース水路942、944に接続される。具体的には、冷却水路95は、上流側の端部がケース水路942に接続され、下流側の端部がケース水路944に接続される。
図8は、ケース70におけるケース水路942、944の説明図であり、モータ10のX方向X2側の端部を、中心軸Iに垂直な平面で切断した際の断面図である。図9は、冷却水入口部62dと入口水路951の関係を示す断面図である。図8には、ケース油路35の油入口部35aまでの入口油路330が併せて示されている。入口油路330は、油路33(図2参照)を形成する。入口油路330は、保持環60に接続される2つの油入口部35aを形成するように途中で分岐する態様で形成される。また、図8には、油出口穴62cに接続される出口油路360が併せて示されている。出口油路360は、油路36(図2参照)を形成する。
ケース水路942、944は、ケース70に形成され、ケース70の外周面からボルトBT用のボルト穴32bの手前まで径方向内側に向けて延在する。ケース水路942、944は、径方向内側の端部付近からX方向X1側へとX方向に延在する(ケース水路942について図9参照)。ケース水路942は、ウォーターポンプ90の吐出側に接続される流路であり、ケース水路944は、ウォーターポンプ90の吸引側に接続される流路である。ケース水路942、944は、X方向X1側の端部で、入口水路951及び出口水路952にそれぞれ接続される。
冷却水は、図9に示すように、冷却水入口部62dから保持環60内に導入されると(矢印R0参照)、入口水路951内を径方向外側に流れ(矢印R1参照)、保持環60の角部(底面部62と円筒部64とが形成する角部)で90度(X方向に向けて)流れの向きを変えて、円筒部64内の蛇行水路950(後述)に導入される(矢印R2参照)。
冷却水路95は、蛇行水路950と、入口水路951(図5参照)と、出口水路952(図5参照)とを含む。
蛇行水路950は、保持環60の円筒部64に形成される。蛇行水路950は、冷却水がX方向に行き来しつつ周方向に流れるように形成される。入口水路951及び出口水路952は、上述のように、保持環60の底面部62に形成される。蛇行水路950は、一端が入口水路951に接続され、他端が出口水路952に接続される。蛇行水路950の詳細は、図10以降を参照して後述する。
ケース油路35は、上述のように、径方向では径方向内側の境界面35bと径方向外側の境界面35cとで画成される。境界面35bは、凹溝646〜649、第3突条部643、及び第4突条部644の径方向外側の表面により形成されるので、ケース油路35は、蛇行形態となる。なお、凹溝648と凹溝649(図4B参照)とは、直接的には接続されないので、ケース油路35は、2系統の蛇行油路を含む。ケース油路35の蛇行態様は、図10以降を参照して後述する。
ケース油路35は、図4Bに示すように、保持環60の天頂部領域に、油滴下部356、358を有する。油滴下部356は、凹溝648のX方向X2側の端部により形成される。油滴下部356には、径方向に貫通する油滴下穴3561を有する。油滴下穴3561の個数は、任意であるが、本実施例では、一例として、油滴下穴3561は、3つ形成される。すなわち、油滴下穴3561は、図4Bに示すように、周方向に等間隔で3つ形成される。油滴下穴3561は、油滴下部356におけるX1側の端部側に形成される。換言すると、油滴下部356は、蛇行水路950の形成範囲に対する制約となるため、蛇行水路950の形成範囲の最大化を図るために、X方向で最小の範囲に形成される。
油滴下部358は、凹溝649のX方向X1側の端部により形成される。油滴下部358には、径方向に貫通する油滴下穴3581が形成される。油滴下穴3581の個数は、任意であるが、本実施例では、一例として、油滴下穴3581は、3つ形成される。すなわち、油滴下穴3581は、図4Bに示すように、周方向に等間隔で3つ形成される。
図10は、蛇行水路950及びケース油路35の蛇行形態の説明図であり、蛇行水路950及びケース油路35の展開状態を模式的に示す図である。すなわち、図10は、保持環60の円筒状を平面状に展開したときの、冷却水路95及びケース油路35の状態を模式的に示す図である。なお、図10は、径方向外側から視た図である。図10には、油の入りが“油IN”で表記され、冷却水の出入りが“水IN”及び“水OUT”で表記されている。なお、図10は、模式図であるので、各流路の幅等の関係は前出の図4A等と異なる場合がある。
蛇行水路950は、上述した第1突条部641、第2突条部642、第3突条部643、第4突条部644、及び第5突条部645のそれぞれの中空部(空洞)により形成される。蛇行水路950は、保持環60の円筒部64に、X方向に行き来する態様で形成される。すなわち、蛇行水路950は、保持環60のX方向X2側からX方向X1側まで延在し、次いで、折り返してX方向X1側からX方向X2側まで延在し、次いで、折り返してX方向X2側からX方向X1側まで延在し、といった具合に、蛇行しながら周方向に進む態様で形成される。この際、蛇行水路950は、当該蛇行水路950を流れる冷却水がステータコア112の全体から熱を奪えるように、ステータコア112のX方向の全体にわたって行き来するように形成される。なお、本実施例では、一例として、蛇行水路950は、後述の油滴下部356、358の形成範囲を除いて、保持環60のX方向の全体にわたって行き来するように形成される。換言すると、保持環60のX方向の長さは、蛇行水路950のX方向の形成範囲に応じて決まる。
より具体的には、蛇行水路950は、図10に示すように、X方向に延在する複数の第1流路部9501と、複数の第1流路部9501のX方向の端部に周方向に接続される第2流路部9502と、S字状の第3流路部9503とを含む。
蛇行水路950は、保持環60の天頂部領域以外の領域において、複数の第1流路部9501が第2流路部9502を介して接続する態様で形成される。この際、第2流路部9502は、周方向に沿ってX1側とX2側とで交互に配置されることで、“蛇行”が実現される。すなわち、一の第2流路部9502と、その両側(周方向の両側)に接続される2つの第1流路部9501とは、U字状の流路を形成し、当該U字状の流路の向きは、一の第2流路部9502が周方向で1つずつ変化するごとに、X方向で反転する。
蛇行水路950は、保持環60の天頂部領域において、S字状の第3流路部9503を有する。S字状の第3流路部9503は、第1流路部9501及び第2流路部9502が形成する蛇行形態を引き継ぐ態様で、第2流路部9502に接続される。
複数の第1流路部9501のうちの、他よりも下側の2つの第1流路部9501−1、9501−12は、それぞれ、冷却水入口部62dに最も近い第1流路部9501と、冷却水出口部62eに最も近い第1流路部9501とに対応する。これにより、上述した入口水路951及び出口水路952のX方向視での油溜め空間とのオーバーラップ配置が容易となる。なお、第1流路部9501−1及び第1流路部9501−12は、他の第1流路部9501とは異なり、一端側(本例ではX方向X1側の端部)でしか第2流路部9502に接続されない。
蛇行水路950の入口側から冷却水が導入されると、冷却水は、蛇行しながら周方向に流れ、出口側から出ていく。この間、後述するようにケース油路35内の油との熱交換が実現され、油が冷却されることになる。
ケース油路35は、蛇行水路950に周方向で隣接する態様で、X方向に行き来する態様で形成される。
すなわち、ケース油路35は、保持環60のX方向X2側からX方向X1側まで延在し、次いで、折り返してX方向X1側からX方向X2側まで延在し、次いで、折り返してX方向X2側からX方向X1側まで延在し、といった具合に、蛇行しながら周方向に進む態様で形成される。この際、ケース油路35のうちの第1系統の蛇行油路35−1は、最下部領域から導入される油を、油滴下部356へと導く。また、ケース油路35のうちの第2系統の蛇行油路35−2は、最下部領域から導入される油を、油滴下部358へと導く。なお、第1系統の蛇行油路35−1と第2系統の蛇行油路35−2とは互いに連通することはない。
より具体的には、ケース油路35は、図10に示すように、X方向に延在する複数の第1油路部3501と、複数の第1油路部3501のX方向の端部に周方向に接続される第2油路部3502とを含む。
第1系統の蛇行油路35−1は、油滴下部356に至るまで、複数の第1油路部3501が第2油路部3502を介して接続する態様で形成される。この際、第2油路部3502は、周方向に沿ってX1側とX2側とで交互に配置されることで、“蛇行”が実現される。また、第2系統の蛇行油路35−2は、油滴下部358に至るまで、複数の第1油路部3501が第2油路部3502を介して接続する態様で形成される。この際、第2油路部3502は、周方向に沿ってX1側とX2側とで交互に配置されることで、“蛇行”が実現される。
複数の第1油路部3501のうちの、他よりも下側の2つの第1油路部3501(周方向で仕切り壁64aに隣接する第1油路部3501)は、それぞれ、油入口部35a(第1系統及び第2系統の油入口部35a)に接続される。
ここで、冷却水路95及びケース油路35は、図10にて点線で囲まれた矩形で示すように、互いに交差する交差領域P1を有する。冷却水路95及びケース油路35は、X方向の端部で交差領域P1を有する。交差領域P1では、冷却水路95及びケース油路35は、径方向の寸法が低減されかつ径方向で隣接する。具体的には、交差領域P1は、図4Aを参照して上述した第3突条部643及び第4突条部644において実現される。第3突条部643及び第4突条部644は、上述のように、第1突条部641及び第2突条部642の高さよりも低い。従って、冷却水路95のうちの、第3突条部643及び第4突条部644の各中空部により形成される流路部分は、第1突条部641及び第2突条部642の各中空部により形成される流路部分よりも、径方向の寸法が低減される。また、第3突条部643及び第4突条部644の径方向外側の表面は、凹溝646〜649の底面よりも径方向外側に延在する。従って、ケース油路35のうちの、径方向内側の境界面が第3突条部643及び第4突条部644の各径方向外側の表面により形成される油路部分は、径方向内側の境界面が凹溝646〜649の底面により形成される油路部分よりも、径方向の寸法が低減される。
交差領域P1における冷却水路95及びケース油路35のそれぞれの径方向の寸法の低減量は、他の領域における冷却水路95及びケース油路35のそれぞれの径方向の寸法の半分程度であってよい。すなわち、交差領域P1における冷却水路95及びケース油路35のそれぞれの径方向の寸法は、他の領域における冷却水路95及びケース油路35のそれぞれの径方向の寸法の約半分であってよい。これにより、冷却水路95及びケース油路35が互いに交差する交差領域P1においても、交差しない領域と同様の寸法(冷却水路95及びケース油路35の全体としての径方向の寸法)を維持できる。
次に、図11及び図12を参照して、ケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間の熱交換の態様について説明する。図11は、図10のラインA−Aに沿った断面図であり、図12は、図10のラインB−Bに沿った断面図である。図11及び図12では、簡略化のため、保持環60の板厚が図示されず(線で表され)、また、説明上の都合、ステータコア112の一部が概略的に示されている。図11及び図12には、蛇行水路950を画成する保持環60の各壁面部位のうちの、ステータコア112に接する内径側壁面部位651と、ケース油路35に径方向で接する径方向の壁面部位652と、周方向の壁面部位656とが示されている。
蛇行水路950とケース油路35とが周方向で隣接する領域(第1領域の一例)では、図11に示すように、ケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間で、周方向の熱交換を実現できる(図11及び図12の矢印Q2参照)。周方向でケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間には、保持環60の壁面部位656が仕切り壁面として存在するだけであるので、他の部材等が介在する場合に比べて、効率的な熱交換を実現できる。この結果、ケース油路35内の油を蛇行水路950内の冷却水により効率的に冷却できる。
また、蛇行水路950とケース油路35とが交差する交差領域P1(第2領域の一例)においては、蛇行水路950とケース油路35とは、径方向で隣接し合う。従って、交差領域P1においては、ケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間で、径方向の熱交換を実現できる(図12の矢印Q3参照)。径方向でケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間には、保持環60の壁面部位652が仕切り壁面として存在するだけであるので、他の部材等が介在する場合に比べて、効率的な熱交換を実現できる。この結果、ケース油路35内の油を蛇行水路950内の冷却水により効率的に冷却でき、油滴下部356、358に至るまでに油を効率的に冷却できる。
また、蛇行水路950とケース油路35とがX方向で隣接する領域(第3領域の一例)、すなわち第5突条部645のX方向X2側の端部と油滴下部356を含む領域と、第5突条部645のX方向X1側の端部と油滴下部358を含む領域では、ケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間で、X方向の熱交換を実現できる(図示せず)。X方向でケース油路35内の油と蛇行水路950内の冷却水との間には、保持環60の壁面部位653、654(図14及び図15参照)が仕切り壁面として存在するだけであるので、他の部材等が介在する場合に比べて、効率的な熱交換を実現できる。この結果、ケース油路35内の油(特に油滴下部356、358内の油)を蛇行水路950内の冷却水により効率的に冷却できる。
ここで、図13に示す比較例と対比して、本実施例の効果を説明する。図13には、比較例による蛇行水路950Aと蛇行油路35Aが部分的な展開状態で示されている。比較例では、蛇行水路950Aと蛇行油路35Aとは、交差しないため、交差領域における径方向の熱交換を実現できない。また、比較例では、蛇行水路950Aは、周方向の両側で蛇行油路35Aと隣接できないため、周方向の熱交換が効率的でない。
この点、本実施例によれば、上述のように径方向の熱交換を実現でき、かつ、周方向で蛇行水路950の第1流路部9501の両側でケース油路35の第1油路部3501が隣接するので、図13に示す比較例に比べて、冷却能力を高めることができる。
次に、油滴下部356、358に至る油によるコイルエンド110の冷却態様を説明する。
図14は、油滴下部356の油滴下穴3561を通る平面であって中心軸Iを含む平面で切断した際の断面図である。図15は、油滴下部358の油滴下穴3581を通る平面であって中心軸Iを含む平面で切断した際の断面図である。
油滴下部356、358は、保持環60の天頂部領域内であって、径方向でコイルエンド110に対向する位置に形成される。油滴下部356は、X方向X2側のコイルエンド110に対して設けられ、油滴下部358は、X方向X1側のコイルエンド110に対して設けられる。
油滴下部356に至った油は、油滴下穴3561から滴下され(図14の矢印R25参照)、直下のコイルエンド110を冷却する。同様に、油滴下部358に至った油は、油滴下穴3581から滴下され(図15の矢印R26参照)、直下のコイルエンド110を冷却する。このようにコイルエンド110の冷却に供された油は、コイルエンド110を伝いながら重力で下方へと流れ、モータ10の下部(油溜め空間)に溜まる。油溜め空間に溜まる油は、油出口穴62cから出口油路360(図8参照)を介してモータ10の外部へと排出される。なお、油溜め空間に溜まる油は、ステータ10bのうちの当該油に浸かる部分(コイルエンド110の一部を含む)を冷却する機能も有する。
以上説明した本実施例によるステータ冷却構造402によれば、とりわけ、以下のような効果が奏される。
本実施例によるステータ冷却構造402によれば、保持環60が蛇行水路950を形成するので、ステータコア112の広範囲に対して、蛇行水路950を流れる冷却水により熱を奪うことができる。特に、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、上述のように、蛇行水路950は、ステータコア112のX方向の全体にわたって行き来するように形成されるので、ステータコア112の全体から熱を奪うことができる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、蛇行水路950とケース油路35とが周方向で隣接するので、油と蛇行水路950を流れる冷却水との間で熱交換できる。周方向で隣り合う第1流路部9501と第1油路部3501との間には、保持環60の周方向の壁面部位656(図11及び図12参照)が存在するだけである。従って、周方向で隣り合う第1流路部9501と第1油路部3501との間に、例えば他の部材や空洞等が介在する場合に比べて、冷却水により油を効率的に冷却できる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、蛇行水路950とケース油路35とが交差する交差領域P1を有するので、交差領域P1において、冷却水と油との間で径方向の熱交換を実現できる。特に、交差領域P1においては、径方向で冷却水と油との間には、保持環60の径方向外側の壁面部位652(図12参照)が存在するだけである。従って、冷却水と油との間に、例えば他の部材や空洞等が介在する場合に比べて、冷却水により油を効率的に冷却できる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、蛇行水路950とケース油路35とが交差する交差領域P1を有するので、上述のように、蛇行水路950の第1流路部9501とケース油路35の第1油路部3501とが周方向で交互に配置することが可能である。これにより、蛇行水路950の第1流路部9501とケース油路35の第1油路部3501とが周方向で交互に配置されない場合(図13参照)に比べて、冷却水と油との間の熱交換量を効率的に増大できる。
このようにして、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、ステータコア112を効率的に冷却することが可能である。従って、ステータ冷却構造402によれば、出力の比較的高いモータ10においても、オイルクーラを不要とすることができる。
また、蛇行水路950とケース油路35とが交差する交差領域P1においては、蛇行水路950とケース油路35のそれぞれの径方向の寸法(高さ)が、他の領域よりも低減されるので、蛇行水路950及びケース油路35全体としての径方向の寸法を、他の領域に比べて有意に増加させることなく、交差領域P1を形成できる。例えば、蛇行水路950とケース油路35のそれぞれの径方向の寸法(高さ)を半減させる場合は、径方向の寸法が他の領域と同一となる態様で、交差領域P1を形成できる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、蛇行水路950を形成する保持環60が、ステータコア112に接するので、冷却水とステータコア112との間には、保持環60の径方向内側の内径側壁面部位651(図11及び図12参照)が存在するだけである。ここで、冷却水は、上述のようにラジエータ92で外気(例えば車両の走行時に通過する空気)と熱交換されて冷却され、油は、熱交換兼水冷部50により冷却水と熱交換されて冷却されるものであるので、冷却水の方が油よりも低温である。従って、冷却水とステータコア112との間に、例えば油等の他の媒体や部材が介在する場合に比べて、冷却水によりステータコア112を効率的に冷却できる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、蛇行水路950を形成することで、冷却水の流れる方向を規制でき、例えば、冷却水入口部62dから冷却水出口部62eまで直線状に冷却水が流れる場合に比べて、淀み等がなく有意な流速が発生する範囲(熱交換が実質的に実現される範囲)が大きくなる。また、蛇行水路950の場合、乱流によるランダムな流れが発生しやすく、その分だけ冷却水内での熱拡散が生じやすくなる。これは、同様の蛇行形態を有するケース油路35についても同様である。この結果、上述した熱交換兼水冷部50の熱交換機能及びステータコア水冷機能を高めることができる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、保持環60における径方向に延在する底面部62にも、冷却水路(すなわち入口水路951及び出口水路952)が形成されるので、底面部62に冷却水路が形成されない場合に比べて、モータ10の油溜め空間に溜まる油を効率的に冷却できる。すなわち、入口水路951及び出口水路952のX方向視での油溜め空間とのオーバーラップ配置によって、入口水路951及び出口水路952内の冷却水により油溜め空間に溜まる油を効率的に冷却できる。特に、入口水路951には比較的低温の冷却水が流れるので、入口水路951が底面部62に形成されることで、モータ10の油溜め空間に溜まる油を効率的に冷却できる。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、保持環60の底面部62に、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eが形成されるので、保持環60の円筒部64に冷却水入口部及び/又は冷却水出口部が形成される場合に比べて、入口水路951及び出口水路952による冷却能力を高めることができる。例えば、保持環60の円筒部64に冷却水入口部を設ける場合は、入口水路951内の冷却水は滞留しやすくなるので、冷却能力が悪くなる傾向があるためである。また、保持環60の底面部62に、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eを形成することで、保持環60の円筒部64に冷却水入口部及び/又は冷却水出口部が形成される場合に比べて、径方向の体格の最小化を図ることも可能である。
また、本実施例によるステータ冷却構造402によれば、油入口部35aが設けられる第1油路部3501が周方向で蛇行水路950に隣り合うので、ケース油路35に導入される油を、第1油路部3501内で、蛇行水路950内の冷却水により冷却(熱交換)できる。すなわち、周方向での熱交換を利用して、ケース油路35に導入される油を、早い段階から冷却できる。
また、上述した実施例では、油入口部35aに接続される第1油路部3501は、最下部領域に配置されるので、油滴下部356、358に至るまでの、蛇行水路950内の冷却水との熱交換の時間の適正化を図ることができる。すなわち、第1系統及び第2系統のそれぞれで油が上側の油滴下部356、358まで到達するまでの時間が略同じとなるので、その間の冷却時間(冷却水との間の熱交換の時間)が略同じとなる。このようにして、第1系統及び第2系統のそれぞれで油滴下部356、358まで均等に周方向に油を流すことができる。この結果、油入口部35aから導入されて油滴下部356、358に至る油の冷却能力の均等化を図ることができる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、冷却水路95の蛇行水路950は、冷却水がX方向に行き来しつつ周方向に流れるように形成されているが、これに限られない。例えば、蛇行水路は、冷却水が、周方向で行き来しつつ、X方向のX2側からX1側までX方向に流れるように形成されてもよい。この場合、蛇行油路についても、蛇行水路にX方向で隣接する領域と、交差する領域とを有する態様で、油が、周方向で行き来しつつ、X方向のX2側からX1側までX方向に流れるように形成されてもよい。
また、上述した実施例では、交差領域P1において、冷却水路95及びケース油路35のそれぞれの径方向の寸法は低減されているが、これに限られない。例えば、交差領域P1において、ケース70に径方向外側に凹む凹溝(第3突条部643及び第4突条部644に径方向で対向する凹溝)を形成することで、交差領域P1における冷却水路95又はケース油路35の径方向の寸法の低減量を低減又はゼロとしてもよい。
また、上述した実施例では、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eが保持環60の底面部62に形成されているが、これに限られない。例えば、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eのうちの、冷却水入口部62dのみが、保持環60の底面部62に形成されてもよい。この場合、冷却水出口部62eは、蛇行水路950の第1流路部9501−12のX方向X2側の端部に径方向で接続する態様で、保持環60の円筒部64に形成されてよく、出口水路952は省略されてもよい。また、同様に、他の変形例では、保持環60の円筒部64に、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eが形成され、入口水路951及び出口水路952についても省略されてもよい。
また、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eは、保持環60の底面部62に、周方向に隣り合う態様で設けられるが、これに限られない。例えば、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eは、保持環60の底面部62に、周方向で例えば40度以上オフセットして設けられてもよい。また、冷却水入口部62d及び冷却水出口部62eは、保持環60の底面部62に、周方向かつ径方向にオフセットして設けられてもよい。
<付記>
なお、以上の実施例に関し、更に以下を開示する。以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。
一の形態は、回転電機(10)の軸方向(X)に沿った円筒状の形態であり、回転電機(10)のステータコア(112)を支持するケース(70)と、
前記ステータコア(112)の外周面と前記ケース(70)の内周面との間に、蛇行形態の冷却水路(95)と蛇行形態の油路(35)とを含み、
前記冷却水路(95)及び前記油路(35)は、周方向で隣接する第1領域と、互いに交差する第2領域(P1)とを有し、
前記冷却水路(95)及び前記油路(35)のうちの少なくとも一方は、回転電機(10)の径方向での寸法が、前記第2領域(P1)において、前記第1領域においてよりも小さい、ステータ冷却構造(402)である。
本形態によれば、ステータコア(112)の外周面と前記ケース(70)の内周面との間に、蛇行形態の冷却水路(95)と蛇行形態の油路(35)が周方向で隣接する態様で設けられるので、ステータコア(112)を冷却水(冷却水路(95)を通る冷却水)により直接的に(例えば冷却水路(95)を形成する壁面部位(656)のみを介して)冷却できる。これにより、ステータコア(112)と冷却水路形成部材(60、60A)との間に他の媒体(例えば油)や他の部材等が介在する場合に比べて、ステータコア(112)を効率的に冷却できる。また、第2領域においては、油路(35)内の油を冷却水により直接的に(径方向の壁面部位(652)のみを介して)冷却できる。これにより、油路(35)内の油と冷却水路(95)を通る冷却水との間の熱交換の効率を高めることができる。
また、本形態によれば、冷却水路(95)及び前記油路(35)のうちの少なくとも一方は、径方向での寸法が、第2領域(P1)において第1領域においてよりも小さいので、冷却水路(95)及び前記油路(35)の交差に起因して回転電機(10)の径方向の体格が大きくなることを、抑制できる。
また、本形態においては、好ましくは、前記冷却水路(95)は、冷却水が前記軸方向(X)に行き来しつつ回転電機(10)の周方向に流れるように形成され、
前記油路(35)は、油が前記軸方向(X)に行き来しつつ前記周方向に流れるように形成され、
前記冷却水路(95)及び前記油路(35)は、前記軸方向(X)の端部において、前記第2領域(P1)を有する。
この場合、蛇行形態の冷却水路(95)と蛇行形態の油路(35)の形成が比較的容易となる。
また、本形態においては、好ましくは、前記冷却水路(95)及び前記油路(35)は、それぞれ、前記第2領域(P1)における前記寸法が、前記第1領域における前記寸法の略半分である。
この場合、蛇行形態の冷却水路(95)と蛇行形態の油路(35)の形成範囲の全体にわたり径方向の寸法を略一定にできる。この結果、蛇行形態の冷却水路(95)よりも径方向外側に円筒状の油路を形成する場合に比べて、回転電機(10)の径方向の体格の小型化を図ることができる。
また、本形態においては、前記冷却水路(95)及び前記油路(35)は、前記軸方向(X)で隣接する第3領域を更に有してもよい。
この場合、第3領域においては、油路(35)内の油を冷却水により直接的に(軸方向の壁面部位(653、654)のみを介して)冷却できる。これにより、油路(35)内の油と冷却水路(95)を通る冷却水との間の熱交換の効率を高めることができる。
また、本形態においては、好ましくは、前記冷却水路(95)は、前記周方向の両側で前記油路(35)と隣り合う。
この場合、冷却水路(95)の周方向の両側で冷却水路(95)内の冷却水と油路(35)内の油との間の熱交換が実現されるので、熱交換量を効率的に増大できる。
また、本形態においては、前記軸方向(X)に沿った円筒状の形態であり、前記ステータコア(112)の外周面に内周面が接する態様で前記ステータコア(112)を保持する冷却水路形成部材(60)を更に含み、
前記冷却水路(95)は、前記冷却水路形成部材(60)の内部に形成され、
前記油路(35)は、前記冷却水路形成部材(60)の前記径方向で外側の表面と前記ケース(70)の前記径方向で内側の表面との間に形成されてもよい。
この場合、冷却水路形成部材(60)の中空部(空洞)を利用して冷却水路(95)を形成できる。また、冷却水路形成部材(60)の径方向外側の表面に、冷却水路(95)に係る突条部(641〜645)に起因した凹溝(646〜649)が形成されるので、かかる凹溝(646〜649)を利用して、冷却水路形成部材(60)の径方向外側の表面とケース(70)の径方向内側の表面との間に油路(35)を形成できる。
1 車両駆動装置
3 潤滑・冷却システム
10 モータ
10a ロータ
10b ステータ
12 減速機構
14 差動装置
22 潤滑部位
23 冷却部位
30 タンク
30a ストレーナ
31 油路
32 油路
33 油路
34 油路
35 ケース油路(油路)
35a 油入口部
35b 境界面
35c 境界面
36 油路
40 電動式オイルポンプ
42 機械式オイルポンプ
50 熱交換兼水冷部
60 保持環
62 底面部
62a 穴
62b 貫通穴
62c 油出口穴
62d 冷却水入口部
62e 冷却水出口部
62f 膨らみ部
62g 膨らみ部
64 円筒部
70 ケース
90 ウォーターポンプ
92 ラジエータ
94 冷却水路
95 冷却水路
110 コイルエンド
112 ステータコア
140 リングギア
141 ピニオンギア
142 サイドギア
330 入口油路
356 油滴下部
358 油滴下部
360 出口油路
400 油循環部
401 冷却水循環部
402 ステータ冷却構造
640 端部
640a シール溝
641 第1突条部
642 第2突条部
643 第3突条部
644 第4突条部
645 第5突条部
646 凹溝
647 凹溝
648 凹溝
649 凹溝
942 ケース水路
944 ケース水路
950 蛇行水路
951 入口水路
952 出口水路
3501 第1油路部
3502 第2油路部
3561 油滴下穴
3581 油滴下穴
9501 第1流路部
9502 第2流路部
9503 第3流路部
BT ボルト
I 中心軸

Claims (6)

  1. 回転電機の軸方向に沿った円筒状の形態であり、回転電機のステータコアを支持するケースと、
    前記ステータコアの外周面と前記ケースの内周面との間に、蛇行形態の冷却水路と蛇行形態の油路とを含み、
    前記冷却水路及び前記油路は、回転電機の周方向で隣接する第1領域と、互いに交差する第2領域とを有し、
    前記冷却水路及び前記油路のうちの少なくとも一方は、回転電機の径方向でのそれぞれの寸法が、前記第2領域において、前記第1領域においてよりも小さい、ステータ冷却構造。
  2. 前記冷却水路は、冷却水が前記軸方向に行き来しつつ回転電機の周方向に流れるように形成され、
    前記油路は、油が前記軸方向に行き来しつつ前記周方向に流れるように形成され、
    前記冷却水路及び前記油路は、前記軸方向の端部において、前記第2領域を有する、請求項1に記載のステータ冷却構造。
  3. 前記冷却水路及び前記油路は、それぞれ、前記第2領域における前記寸法が、前記第1領域における前記寸法の略半分である、請求項1又は2に記載のステータ冷却構造。
  4. 前記冷却水路及び前記油路は、前記軸方向で隣接する第3領域を更に有する、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のステータ冷却構造。
  5. 前記冷却水路は、前記周方向の両側で前記油路と隣り合う、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のステータ冷却構造。
  6. 前記軸方向に沿った円筒状の形態であり、前記ステータコアの外周面に内周面が接する態様で前記ステータコアを保持する冷却水路形成部材を更に含み、
    前記冷却水路は、前記冷却水路形成部材の内部に形成され、
    前記油路は、前記冷却水路形成部材の前記径方向で外側の表面と前記ケースの前記径方向で内側の表面との間に形成される、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のステータ冷却構造。
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