JP2020012095A - シートパッド用ポリウレタンフォーム、自動車用シートパッド、及びシートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

シートパッド用ポリウレタンフォーム、自動車用シートパッド、及びシートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部材軽量化のために求められる高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れるシートパッド用ポリウレタンフォームを提供する。【解決手段】水に不溶で、長さが0.1〜5mmである合成繊維を含む、ことを特徴とする、シートパッド用ポリウレタンフォーム。【選択図】なし

Description

本発明は、シートパッド用ポリウレタンフォーム、自動車用シートパッド、及びシートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
軟質ポリウレタンフォームは、優れたクッション性を有することから、自動車等のシートパッドに多く使用されている。
一方、特に自動車部材においては、燃費の向上及び車内空間の確保のため、軽量化及び薄肉化のニーズが近年高まっている。このことは、シートパッドに対しても例外ではなく、シートパッド、ひいてはポリウレタンフォームの軽量化の更なる向上が要求されている。
ここで、部材を軽量化する技術においては、高硬度化が重要な課題となる。この点に関し、ポリウレタンフォームを高硬度化する手法としては、スチレン/アクリロニトリル共重合体を含むポリマーポリオールを使用することが知られている(特許文献1)。
特開2010−189459号公報
しかしながら、ポリマーポリオールは破泡効果を有するため、ポリウレタンフォームの高硬度化のためにスチレン/アクリロニトリル共重合体を含むポリマーポリオールを多用すると、破泡により振動吸収性が悪化する虞があるという問題があった。かかる振動吸収性は、ポリウレタンフォームを用いたシートパッド、とりわけ自動車用シートパッドに対する乗り心地等の快適性の指標の一つであり、ポリウレタンフォームは、シートパッドに求められる周波数領域での振動吸収性に優れることが肝要である。
一方、上述した振動吸収性の悪化への対処として、整泡剤を配合し或いは配合する整泡剤を増量し、独立気泡性を高める方法が考えられる。しかしながら、この場合には、ポリウレタンフォーム成形後にシワが生じるなど、変形防止性が悪化する虞があった。
従って、従来のポリウレタンフォームには、高硬度、振動吸収性、及び変形防止性を並立させるという点において、改良の余地があった。
本発明は、部材軽量化のために求められる高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れるシートパッド用ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。また、本発明は、セルの粗大化を抑制しつつ当該シートパッド用ポリウレタンフォームを製造可能な、シートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れる自動車用シートパッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、合成繊維を所定の長さに調整した上でポリウレタンフォームに用いることで、高硬度が達成されるとともに変形防止性が改善され、その上、振動吸収性の向上も図られることを見出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明のシートパッド用ポリウレタンフォームは、水に不溶で、長さが0.1〜5mmである合成繊維を含む、ことを特徴とする。かかるシートパッド用ポリウレタンフォームは、部材軽量化のために求められる高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れる。
本発明のシートパッド用ポリウレタンフォームにおいては、前記合成繊維の長さが0.5〜2mmであることが好ましい。これにより、変形防止性をより向上させることができるとともに、振動吸収性及び湿熱耐久性を一層向上させることができる。
本発明のシートパッド用ポリウレタンフォームにおいては、前記合成繊維が、レーヨン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、及びポリエチレンナフタレート繊維から選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
また、本発明の自動車用シートパッドは、上述したシートパッド用ポリウレタンフォームを備える、ことを特徴とする。かかる自動車用シートパッドは、高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れる。
また、本発明のシートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法は、モールド成形により上述したシートパッド用ポリウレタンフォームを得る工程を含む、ことを特徴とする。かかる製造方法によれば、セルの粗大化を抑制しつつ、上述したシートパッド用ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明によれば、部材軽量化のために求められる高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れるシートパッド用ポリウレタンフォームを提供することができる。また、本発明によれば、セルの粗大化を抑制しつつ当該シートパッド用ポリウレタンフォームを製造可能な、シートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れる自動車用シートパッドを提供することができる。
以下に、本発明を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
(シートパッド用ポリウレタンフォーム)
本発明の一実施形態のシートパッド用ポリウレタンフォーム(以下、「本実施形態のポリウレタンフォーム」と称することがある)は、水に不溶で、長さが0.1〜5mmである合成繊維を含むことを一特徴とする。上述の所定長さの合成繊維をポリウレタンフォームに用いることで、見かけの反応率が向上し、ポリウレタンフォームの製造直後(例えば、モールド成形後の脱型時)における硬度を向上させることができ、成形後にシワが生じる、取り出し時にポリウレタンフォームに手跡が残る(ポリウレタンフォームが変形する)などといった、製造上及び加工上の不具合を減少させることができる。そのため、本実施形態のポリウレタンフォームは、変形防止性、特には製造直後における変形防止性が高い。加えて、上述の所定長さの合成繊維をポリウレタンフォームに用いることで、通気性が最適化され、振動吸収性、特に周波数10Hz以下の振動に対する振動吸収性を向上させることもできる。なお、上述した変形防止性及び振動吸収性の向上は、確かではないが、所定長さの合成繊維がポリウレタンフォームの破泡効果に何らかの影響を及ぼしていることに起因しているものと考えられる。
なお、本明細書において「水に不溶」とは、常温(例えば25℃)において、100gの水への溶解度が1g以下であることを指す。
本実施形態のポリウレタンフォームは、自動車等のシートパッドに用いられる。そして、かかる用途のため、本実施形態のポリウレタンフォームは、好ましくは、軟質ポリウレタンフォームであることが好ましい。ここで、本明細書において、「軟質ポリウレタンフォーム」とは、連続気泡を有し、荷重に対する復元性を有するポリウレタンフォームを指すものとする。
<合成繊維>
本実施形態で用いる合成繊維は、長さが0.1〜5mmであることを要する。合成繊維の長さが0.1mm未満であると、ポリウレタンフォームの製造直後における硬度を向上させる効果、ひいては変形防止性の改善効果を十分に得ることができない。また、合成繊維の長さが5mmを超えると、増粘によりポリウレタンフォーム製造時に当該合成繊維を均一に分散させることが困難となり、振動吸収性及び湿熱耐久性が悪化して、高品質のシートパッドの製造には不適となる。
また、本実施形態で用いる合成繊維の長さは、変形防止性をより向上させる観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。また、本実施形態で用いる合成繊維の長さは、均一分散性の向上の観点、ひいては、振動吸収性及び湿熱耐久性の一層の向上の観点から、4mm以下であることが好ましく、2mm以下であることが好ましい。但し、合成繊維の好ましい長さは、一概には言えず、繊維種によりそれぞれ最適な長さが存在するとも考えられる。
本実施形態で用いる合成繊維としては、水に不溶で、合成により得られる有機化合物からなる繊維であれば、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。合成繊維の材料は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。本実施形態で用いる合成繊維は、レーヨン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、及びポリエチレンナフタレート(PEN)繊維から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、レーヨン繊維又はナイロン繊維であることがより好ましく、レーヨン繊維であることが更に好ましい。
なお、本明細書において「合成繊維」は、昆虫及びクモ類などが産出する構造タンパク質(生体構造を構築する役割を有するタンパク質)からなる繊維を含まないものとする。
本実施形態で用いる合成繊維の繊維径は、1〜50μmであることが好ましい。合成繊維の繊維径が1μm以上であれば、加工性が良好となる。また、繊維径が小さすぎると、ポリオール成分等と混ぜた際に増粘し、イソシアネート成分と混ぜた場合に混ざりにくくなり、成形性の悪化をもたらす虞がある。しかし、繊維径が1μm以上であれば、そのような事態をより確実に回避することができる。また、合成繊維の繊維径が50μm以下であれば、軟質ポリウレタンフォームにおける合成繊維の分散性が高まり、硬度をより向上させることができる。同様の観点から、合成繊維の繊維径は、5μm以上であることがより好ましく、7μm以上であることが更に好ましく、9μm以上であることが一層好ましく、11μm以上であることが特に好ましい。また、合成繊維の繊維径は、41μm以下であることがより好ましく、36μm以下であることが更に好ましく、31μm以下であることが一層好ましく、26μm以下であることがより一層好ましく、20μm以下であることが尚より一層好ましく、17μm以下であることが特に好ましく、15μm以下であることが最も好ましい。
本実施形態のポリウレタンフォームにおける合成繊維の含有量としては、特に制限されず、例えば、0.5〜5質量%とすることができる。但し、変形防止性及び振動吸収性のバランスの観点から、本実施形態のポリウレタンフォームにおける合成繊維の含有量は、1質量%以上であることがより好ましく、また、2質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態で用いる合成繊維は、鉱物油、動植物油脂及び合成油から選択される少なくとも1種の油剤でコーティングされていることが好ましい。これにより、合成繊維がポリウレタンフォーム中により均一に分散することができ、ポリウレタンフォームの硬度をより向上させることができる。油剤のコーティング方法としては、特に限定はなく、ディップニップ方式、シャワー状噴射方式等が挙げられる。また、均一分散性をより高める観点から、上記油剤は、鉱物油を含むことがより好ましい。
上記油剤は、或いは、炭化水素類などの水不溶性油剤、イオン活性剤及び非イオン活性剤などの水可溶性油剤であってもよい。
本実施形態で用いる合成繊維は、例えば、溶融紡糸法、湿式紡糸法、又は乾式紡糸法等の公知の紡糸方法により紡糸して、製造することができる。また、上述した油剤のコーティングは、合成繊維の製造の過程で行ってもよい。
<ポリウレタンフォームの製造>
本実施形態のポリウレタンフォームは、例えば、ポリオール成分、イソシアネート成分、触媒、及び発泡剤と、必要に応じて繊維カット機又は粉砕機を用いて所定長さにカットされた上述の合成繊維と、任意に整泡剤及び/又は架橋剤とを用いて調製される発泡原液から、製造することができる。
なお、上記発泡原液は、上述した材料のうち、イソシアネート成分以外のものを配合し、合成繊維が十分に分散した混合物を得、その後、得られた混合物にイソシアネート成分を混合して調製されることが好ましい。
また、上記混合物は、発泡剤と触媒とをなるべく接触させないという観点から、ポリオール成分に触媒を配合し、次いで、任意に整泡剤及び架橋剤等を配合し、最後に、発泡剤を配合して調製されることが好ましい。
ポリオール成分としては、例えば、2価〜6価等の多価アルコール、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。中でも、ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリエーテルポリオールを用いることがより好ましい。ポリオール成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、ポリオール成分としては、エチレンオキシド(以下「EO」と記載する。)及びプロピレンオキシド(以下「PO」と記載する。)の開環重合により得られ、EO及びPOに由来する繰り返し単位のモル比が10/90〜25/75(EO/PO)であり、かつ数平均分子量が6,000〜12,000であるポリエーテルポリオールが好ましい。このポリエーテルポリオールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算値として算出した値である。
イソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、及びこれらの誘導体等が挙げられる。イソシアネート成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、イソシアネート成分としては、得られるポリウレタンフォームの密度の観点から、TDI及びMDIの少なくともいずれかを用いることが好ましく、TDI及びMDIを併用することがより好ましい。
触媒としては、ポリウレタンフォームの製造において汎用のものを用いることができ、例えば、TEDA〔1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン〕、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等の3級アミンや、ジブチル錫ジラウレート、オレイン酸第1錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、触媒の使用量としては、ポリオール成分100質量部に対して、通常0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜1質量部である。
発泡剤としては、水が好ましく用いられる。水は、イソシアネート成分と反応して二酸化炭素ガスを発生させることから、発泡剤として作用する。なお、水以外にも、ポリウレタンフォームの製造に通常用いられる発泡剤、例えば、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、液化炭酸ガス、低沸点の炭化水素などを用いることもできる。
なお、発泡剤の使用量としては、ポリオール成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部である。発泡剤の使用量がポリオール成分100質量部に対して0.1質量部以上であれば、ぐらつき性を抑制する十分な効果が得られる。
整泡剤としては、ポリウレタンフォームの製造において汎用のものを用いることができ、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤を用いることができる。整泡剤の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製「SZ1325」、EVONIK製「B8742LF2」等が挙げられる。
整泡剤の使用量としては、ポリオール成分100質量部に対して、通常0.5〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜3質量部である。整泡剤の使用量がポリオール成分100質量部に対して0.5質量部以上であれば、ポリオール成分とイソシアネート成分の攪拌性が低下せず、所望のポリウレタンフォームが得られ、5質量部以下であればコスト上好ましい。また、得られるポリウレタンフォームの変形防止性をより向上させる観点では、整泡剤の使用量は、ポリオール成分100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましい。
架橋剤としては、ポリウレタンフォームの製造において汎用のものを用いることができ、例えば、低分子量の多価アルコール(例えば、EOやPOの単独の開環重合により得られた数平均分子量が1000以下のポリエーテルポリオール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等)、低分子量のアミンポリオール(例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン等またはポリアミン、例えば、エチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等)が挙げられる。
架橋剤の使用量としては、ポリオール成分100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましい。架橋剤の使用量がポリオール成分100質量部に対して0.5質量部以上であれば、架橋剤の効果が十分に得られ、一方、10質量部以下であれば、独立気泡性が適度であり、成形性が確保できるとともに、フォームダウンの発生を抑制することができる。
そして、本実施形態のポリウレタンフォームは、モールド成形により得ることができる。より具体的に、本実施形態のポリウレタンフォームは、特に限定されることなく、上述した発泡原液をモールド内のキャビティに注入し、温度50〜60℃、キュア時間5〜7分で常法に従ってモールド成形(発泡成形)することにより、得ることができる。その際、時限圧力解放(TPR:Timed Pressure Release)を併用することが好ましい。TPRは、モールド内の圧力を低下させ、気泡の連通化を図る操作である。より具体的には、発泡原液をモールド内のキャビティに注入した後、ゲルタイム(ポリオール成分とイソシアネート成分とが混合され、増粘が生じてゲル強度が出始める時間)より20〜50秒経過した後に、モールド内の圧力を0.15〜0.25MPa低下させる操作である。
成形後のポリウレタンフォームには、ローラ等を用いてクラッシング処理を施すことができる。クラッシング処理は、フォームの形状の安定化及び収縮の抑制を目的として、発泡成形時に生じた気泡のセル膜を破り、気泡の連通化を図る処理である。
(シートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法)
本発明の一実施形態のシートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」と称することがある)は、上述したポリウレタンフォームを、モールド成形により得る工程を含むことを特徴とする。本実施形態の製造方法では、モールド成形を行うことにより、セルの粗大化を抑制しつつ、上述したポリウレタンフォームを製造することができる。モールド成形については、既述した通りである。また、本実施形態の製造方法では、モールド成形によりポリウレタンフォームを得ること以外、特に制限されず、発泡原液の調製、クラッシング処理等の任意の操作を適宜実施することができる。
なお、ポリウレタンフォームの製造方法としては、モールドを用いることなく、例えばベルトコンベア等の上で、大気圧下で発泡及び硬化させる方法も挙げられる。しかしながら、かかる方法では、合成繊維が発泡成形に悪影響を及ぼし、得られるポリウレタンフォーム内のセルが粗大化し得る(例えば、セル径が5mm以上となる)ため、セルの細密性のコントロールをすることが困難となる。
(自動車用シートパッド)
本発明の一実施形態の自動車用シートパッド(以下、「本実施形態のシートパッド」と称することがある)は、上述したシートパッド用ポリウレタンフォームを備える。本実施形態のシートパッドは、上述したポリウレタンフォームを用いて製造され得るため、高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
(1)繊維の準備
以下に示す繊維を用意し、表1に示される長さとなるように繊維カット機を用いてそれぞれカットした。
レーヨン:株式会社中部パイル工業所製、レーヨン繊維カット品 7.8T
ナイロン66:株式会社中部パイル工業所製、ナイロン66繊維カット品 6.7T
(2)ポリウレタンフォームの調製
ポリオール成分としてのポリエーテルポリオール(三洋化成工業株式会社製、「サンニックスFA703」)55質量部及びポリマーポリオール(三洋化成工業株式会社製、「サンニックスKC855)45質量部、触媒(東ソー株式会社製「TEDA−L33」を含む)1質量部、並びに、架橋剤(DOW社製のジエタノールアミン)2質量部に対し、表1に示される材質及び長さの繊維を表1に示される量だけ添加して混合し、整泡剤(EVONIK製、「B8742LF2」)1質量部、及び発泡剤(水)2.5質量部を配合して、ポリオール組成物を調製した。このポリオール組成物に、イソシアネート成分としてのトリレンジイソシアネート(TDI)(三井化学株式会社製、「コスモネートT−80」)及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(東ソー株式会社製、「MR−200HR」)の混合物(TDIの質量:MDIの質量=80:20)32質量部を配合し、発泡原液を調製した。
次いで、調製した発泡原液を用い、モールド内にて発泡・硬化させ、脱型して、ポリウレタンフォーム(軟質ポリウレタンフォーム)を得た。得られたポリウレタンフォームについて、以下の評価・測定を行った。結果を表1に示す。
なお、比較例1は、繊維を添加していない例である。また、比較例2は、繊維の添加に代えて、ポリマーポリオールの配合量を5質量部だけ減らした(40質量部とした)例である。また、比較例3は、繊維の添加に代えて、整泡剤の配合量を0.2質量部増やした(1.2質量部とした)例である。
<クラッシュ荷重>
製造直後のポリウレタンフォームに対し、圧縮率80%で圧縮をかけた際の応力(単位:kgf)をクラッシュローラーで測定し、第1クラッシュ荷重を求めた。また、製造してから24時間が経過した後のポリウレタンフォームに対し、圧縮率80%で圧縮をかけた際の応力をクラッシュローラーで測定し、最終クラッシュ荷重を求めた。最終クラッシュ荷重が高いほど、変形防止性に優れることを示す。
<密度>
使用したモールドのキャビティの容量と、得られたポリウレタンフォームの重量とから、密度(kg/m3)を求めた。
<25%硬度>
インストロン型圧縮試験機を用いて、23℃、相対湿度50%の環境にてポリウレタンフォームを25%圧縮するのに要する荷重(単位:kgf)を25%硬度として測定した。
<共振倍率>
JASO B 407に準拠し、ポリウレタンフォームのサンプルに41kgの加圧板を載せ、周波数を1〜10Hzまで加振させた。最大の伝達率を示した時の伝達率を共振倍率として求めた。共振倍率の値が小さいほど、振動吸収性に優れることを示す。
Figure 2020012095
表1より、所定の長さを有する合成繊維を含む実施例のポリウレタンフォームは、25%硬度が28.2kgf以上であり、最終クラッシュ荷重が47kgf以上であり、共振倍率が3.86以下であった。即ち、実施例のポリウレタンフォームは、高硬度である上、変形防止性及び振動吸収性にも優れることが分かる。
なお、比較例2では、破泡効果を弱める狙いで、繊維の添加に代えて、ポリマーポリオールの配合量を減らした。しかしながら、比較例2では、25%硬度が低下し、少なくとも高硬度を達成することができなかった。
また、比較例3では、独立気泡性を高める狙いで、繊維の添加に代えて、整泡剤を増量した。しかしながら、比較例3では、最終クラッシュ荷重が低く、少なくとも高い変形防止性を達成することができなかった。
本発明によれば、部材軽量化のために求められる高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れるシートパッド用ポリウレタンフォームを提供することができる。また、本発明によれば、セルの粗大化を抑制しつつ当該シートパッド用ポリウレタンフォームを製造可能な、シートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、高い硬度を有する上、振動吸収性及び変形防止性に優れる自動車用シートパッドを提供することができる。

Claims (5)

  1. 水に不溶で、長さが0.1〜5mmである合成繊維を含む、ことを特徴とする、シートパッド用ポリウレタンフォーム。
  2. 前記合成繊維の長さが0.5〜2mmである、請求項1に記載のシートパッド用ポリウレタンフォーム。
  3. 前記合成繊維が、レーヨン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、及びポリエチレンナフタレート繊維から選択される少なくともいずれかである、請求項1又は2に記載のシートパッド用ポリウレタンフォーム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシートパッド用ポリウレタンフォームを備える、ことを特徴とする、自動車用シートパッド。
  5. モールド成形により請求項1〜3のいずれかに記載のシートパッド用ポリウレタンフォームを得る工程を含む、ことを特徴とする、シートパッド用ポリウレタンフォームの製造方法。
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Citations (5)

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