JP2019529171A - 耐摩耗層を有する積層体、同積層体を有する装置及び同積層体を製造する方法 - Google Patents

耐摩耗層を有する積層体、同積層体を有する装置及び同積層体を製造する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019529171A
JP2019529171A JP2019513348A JP2019513348A JP2019529171A JP 2019529171 A JP2019529171 A JP 2019529171A JP 2019513348 A JP2019513348 A JP 2019513348A JP 2019513348 A JP2019513348 A JP 2019513348A JP 2019529171 A JP2019529171 A JP 2019529171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
pattern
silica
protrusions
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019513348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6657477B2 (ja
Inventor
マーカス アントニウス ベルシューレン
マーカス アントニウス ベルシューレン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Koninklijke Philips NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koninklijke Philips NV filed Critical Koninklijke Philips NV
Publication of JP2019529171A publication Critical patent/JP2019529171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6657477B2 publication Critical patent/JP6657477B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/118Anti-reflection coatings having sub-optical wavelength surface structures designed to provide an enhanced transmittance, e.g. moth-eye structures
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/14Protective coatings, e.g. hard coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/133502Antiglare, refractive index matching layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y20/00Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2201/00Constructional arrangements not provided for in groups G02F1/00 - G02F7/00
    • G02F2201/38Anti-reflection arrangements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

光学的に透過的な基板103の表面102上に配置された耐摩耗層101を有する積層体100が開示されている。前記層は前記表面から離れる方向に延在する或る材料の空間的に分かれた突起104のパターン及び斯かる突起の間に介挿されたシリカ105を有する。前記材料は前記シリカのヌープ硬度より大きなASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定されたヌープ硬度を有する。前記積層体を備えた光学的に透過性の要素を有する装置及び前記積層体を製造する方法も開示されている。

Description

本発明は、光学的に透過的な基板の表面上に配置された耐摩耗(abrasion resisting)層を有する積層体及び斯かる積層体を有する装置に関する。本発明は、更に、斯かる積層体を製造する方法にも関する。
窓ガラス又はタッチスクリーン等の光学的界面は、理想的には、耐擦過性(scratch resistant)であると共に低反射率を示すものであろう。耐擦過性は、当該光学的境界面の通常の物質による擦り傷に耐える能力により決まる。1つの斯様な通常の物質は、砂の通常の構成物質であるシリカである。シリカは、ASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定されて、800〜900gF・mm-2のヌープ硬度(HK)を有する。このように、光学的界面がシリカより硬く(即ち、例えば1000gF・mm-2より大きな硬度を有するように)されねばならないとしたなら、該界面は砂による摩耗に耐えることができるであろう。
この問題は、砂(シリカ)、鍵(鋼)等との接触による通常の摩耗を防止するために、ガラスに代えてサファイア等の硬質光学透過性材料を採用することにより対処することができる。しかしながら、材料の硬度の増加は屈折率の増加に一致する傾向がある。両特性は当該材料の密度に関係し、従って、より硬い材料は反射率の増加(従って、より低い透過率)を生じ、このことは明らかに光学的界面としての応用にとり望ましくないからである。例えば、サファイア(HK=2000gF・mm-2)及びダイヤモンド(HK=7000gF・mm-2)等の硬い材料は、各々、1.78及び2.4の屈折率を有する。例えば、サファイアの高い屈折率は、その反射率がガラスのものの2倍に近いことを意味する。このことは、光が空気から当該光学的界面を介して通過すると共に空気に戻る(このように、反射が該光学的界面に入射及び出射する際の両方で生じる)時計盤面及びタッチスクリーン等の用途において特に不利である。
増加する反射率の問題は、硬質材料(例えば、サファイア)に反射防止コーティングを塗布することにより対処することができるが、これは耐摩耗性を改善することはできない。このようなコーティング(例えば、MgF2(HK=415gF・mm-2)又はポリマ層等)は、該コーティングが塗布される硬質材料より軟らかい傾向があるからである。
他の例として、より軟らかい材料(例えば、ガラス)に、該軟らかい材料を摩耗から保護するために、より硬い保護層を被着させることもできる。該保護層は、例えば環境に曝される光学的界面の表面を保護するために適用することができる。しかしながら、この構成も、当該硬い材料が大気/保護層界面及び保護層/軟材料界面の両方において反射率を増加させ得る(従って、透過度を減少させ得る)という問題を被る。更に、このような硬い層が軟らかい材料上に(例えば、ガラス上に)被着された場合、耐摩耗性は大幅に改善されることはないであろう。斯かる硬い層が、軟らかい材料により不完全にしか支持されない故に、擦過に際して亀裂し得るからである。
反射率を改善(低減)するためのパターン形成(パターン化)された層が示されている。特に、このようなパターン形成された層は、反射率を例えば界面当たり1%未満に低減することができるようにナノ構造化する(数百ナノメートル又はそれ以下の範囲内の寸法を持つ特徴構造から形成する)ことができる。この低減される反射率は、当該凹凸構造が形成された材料及び斯かる凹凸構造の間に介挿される空気の両方を有する当該ナノ構造化された層によるもので、上記空気は当該パターン形成された層の全体の屈折率を空気/パターン形成層界面における反射率を低減することができるように減少させる助けとなる。しかしながら、このようなナノ構造化層は脆弱となる傾向があり、かくして斯かるナノ構造化層は損傷し易い。このような層は、例えば、ナノ寸法の凹凸構造間に挟まり得る皮膚残留物により、当該パターン形成層の光学特性を損なうまで汚染され得る。
本発明は、光学的に透過的な基板の表面上に配置された耐摩耗層を有する積層体であって、前記層が従来のパターン形成層よりも強靱であまり汚染物質の影響を受けない積層体を提供しようとするものである。
本発明は、更に、前記積層体を有する装置を提供しようとするものである。
本発明は、更に、前記積層体を製造する方法を提供しようとするものである。
本発明は、独立請求項に記載される。従属請求項は有利な実施態様を提供する。
一態様によれば、光学的に透過的な基板の表面上に配置された耐摩耗層を有する積層体が提供され、前記層は、前記表面から離れる方向に延びる或る材料の空間的に分かれた突起のパターンと、これら突起の間に介在されるシリカとを有し、前記材料は前記シリカのヌープ硬度より大きなASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定されたヌープ硬度を有する。
本発明は、或る材料の空間的に分かれた突起(凸部)のパターンを有する層は、シリカが前記突起の間に介在(介挿)されると共に前記材料がシリカのヌープ硬度より大きなヌープ硬度を有する限り、良好な耐摩耗特性及び強靱さを示し得るという理解に基づいている。
前記シリカ及び該シリカのヌープ硬度より大きなヌープ硬度を有する材料の効果は、前記層が例えば砂(石英の形態のシリカを含み得る)等による摩耗に耐えるほど十分に硬くなり得るということである。シリカが当該層の硬度に寄与するのと同時に、前記突起の間に介在される該シリカは該層を、例えば突起の間に空気のみが介在されるパターン化された層と比較して、一層機械的に強靱にさせ得る。シリカの存在は、さもなければ突起の間に集まり当該積層体上にシミ/汚れを生じさせ得るような他の物質による該層の汚染を制限又は防止する助けとなり得る。
前記層の反射防止特性に関し、前記シリカは前記層の全体としての屈折率を、例えば全体が前記材料からなるパターン化されていない層に対して更に減少させる。これは、シリカの屈折率が前記材料の屈折率より低い傾向にあるからである(何故なら、前記材料はシリカより硬く、該材料の一層大きな硬度は該材料が一層高い屈折率を有することに合致し得るからである)。前記層の全体の屈折率の斯かる低下の結果、空気/層界面において一層低い反射率が得られる(前記層の全体の屈折率が、シリカにより、空気のものに近くなるように低下されるからである)。前記基板が前記材料より低い屈折率を有するようなシナリオの場合、前記シリカの存在及び、これと同時的な、前記層の全体の屈折率の低下(即ち、前記基板の屈折率に一層密に近付くような)は、更に、層/基板界面における反射率も減少させることができる。
前記突起は、前記表面とは反対側の前記シリカの露出面と整列する又は前記露出面から突出する末端(先端)を有することができる。
前記突起の末端が前記シリカの露出面と整列される実施態様において、前記層の機械的強靱さ及び前記層の前記突起の間に集まり得る如何なる汚染物質をも排除する能力は、向上され得る。
一方、前記突起が前記露出面から突出する層は、該層の反射防止特性の点で有益であり得る。このような実施態様においては、前記突起における前記露出面から突出する部分の間に空気が介挿され得る。このように、空気が前記露出面と前記末端との間において当該突起に介在し得る一方、シリカが前記表面と前記露出面との間において当該突起に介在し得る。当該層における空気のせいで、例えば前記突起の間にシリカのみが介在されるような前記末端が前記露出面に整列された層に対して、斯様な層の空気との界面の一層緩やかな屈折率の変化を達成することができる(空気の屈折率は明らかにシリカの屈折率より小さいからである)。当該層の斯かる一層緩やかな屈折率の変化の結果、反射防止機能が改善される一方、該層の露出面の良好な耐擦過特性を維持することができる。これは、例えば砂の粒子、鍵等の金属物体等の衝撃が、前記露出層表面から突出する突起の弾性変形を生じさせ、これにより、斯かる突起の間のシリカ部分を斯かる硬い物体による損傷から保護するからである。
前記突起は、前記表面から離れる方向に先細る(テーパ状となる)ことができる。
該先細り(テーパ付け)突起は、前記層の自身の各界面における特性を調整するために用いることができる。即ち、層/基板界面において、当該突起により覆われる全面積を該界面における当該層の実効屈折率が基板の屈折率と(密に)整合するように選択して該界面における低反射率を達成することができる一方、斯様な一層硬い材料(斯かる材料は、前述したように、典型的に高い屈折率を有する)の面積を層/空気界面において減少させて、該界面における反射率を最小にすることができる。
前記突起は、該突起がテーパ付けされた実施態様においては切頭されたものとすることができる。
テーパ状突起の切頭は、前記層の耐摩耗性/強靱さの特性を向上させることができる。
当該テーパ付けは、切頭された突起の最小幅が該突起の最大幅の5%〜60%の間となるようなものとすることができる。
当該テーパ付けが、前記最小幅が前記最大幅の5%〜60%の間となるようなものである場合、前記層は低反射率及び良好な機械的強靱さの両方を示すことができる。
前記突起は、円錐形状、切頭円錐形状、双曲面形状、角錐形状、切頭角錐形状、ドーム形状及び切頭ドーム形状の少なくとも1つを有することができる。
前記材料は、サファイア、窒化ケイ素、立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドから選択された1以上を有することができる。
このような材料は、高いヌープ硬度を示すことができると共に、高度に光学的に透過性であり得る(例えば、可視光波長に対して)。
前記基板は、前記層に接触する相対的に高いヌープ硬度(即ち、シリカより高いヌープ硬度)を持つ材料を有することができる。このような基板材料の例は、サファイア及びダイヤモンドを含む。このような材料は、単独の基板材料として、又は積層基板(例えば、ガラス層及び該ガラス層と本発明の実施態様による反射防止層との間の斯様な基板材料を含む層状基板)の一部としての基板材料として配することができる。このような硬い基板材料は、当該基板の耐擦過特性を改善するために益々普及してきているが、前述したように好ましくない反射性の問題を被る。
前記パターンの周期は、10から350nmまでの範囲とすることができる。
350nmより小さい前記パターンの周期は、回折等の可視光の干渉現象を制限又は防止し、かくして、当該層を可視光透過性基板の表面を保護するための層としての好適性を向上させる助けとなり得る。10nmより大きな周期は、良好な(即ち、低い)反射率特性及び機械的強靱さを保証し得る。
前記突起の高さは、50から500nmまでの範囲とすることができる。
この範囲内の高さは、前記層の反射防止特性を向上させる助けとなり得る。
前記層は第1領域及び第2領域を有することができ、前記第1領域及び前記第2領域が互いに異なる屈折率を有し、及び/又は互いに異なる光学干渉特性を有するように、前記第1領域は第1パターンを有する一方、前記第2領域は前記第1パターンとは異なる第2パターンを有する。
前記第1及び第2領域の異なる屈折率及び/又は光学干渉特性は、これら領域が例えば裸眼により区別可能となることを可能にし得る。かくして、これら領域の間のコントラストを、例えばロゴ、贋作防止(例えば、“ホログラム”型)マーク、装飾的効果等のモチーフを提供するために用いることができる。
前記第1パターン及び前記第2パターンは、互いに異なる形状の突起を有することができる。
前記突起の形状は、前記層の反射率(従って、透過率)に影響を与え得る。該形状は、更に、反射率に波長の関数として影響を与え得る。従って、前記各領域は、これら各領域から反射される(又は各領域を介して透過される)光の強度及び/又はスペクトル組成(即ち、カラー)に関して、例えば裸眼により区別可能となり得る。
他の態様によれば、ここに記載される実施態様の何れかによる積層体を備えた光学的に透過的な要素を有する装置が提供される。該装置は、例えば、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、腕時計、カメラ、窓等であり得る。
前記光学的に透過的な要素は、窓ガラス又はスクリーンとすることができる。
前記窓ガラスは、例えば、強化又は装甲ガラス窓ガラスとすることができ、前記スクリーンは、例えば、タッチスクリーン、液晶表示器等の表示スクリーン、時計盤面等とすることができる。
他の態様によれば、光学的に透過的な基板の表面上に配置された耐摩耗層を有する積層体を製造する方法が提供され、該方法は、前記表面上に或る材料の層を設けるステップと、前記表面から離れる方向に延びる空間的に分かれた突起のパターンを形成するように前記層を構造化するステップと、前記パターンに対しシリカを、該シリカが前記突起の間に介在されるように被着するステップと、を有し、前記材料は前記シリカのヌープ硬度より大きなASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定されたヌープ硬度を有する。
疑義を避けるために、前記或る層を設けるステップは前記基板のものと比較して異なる材料を有する層を設けるステップを必ずしも含むものではないことに留意されたい。例えば、前記基板及び前記材料が共に同一の組成を有し得るような実施態様において、前記或る層を設けるステップは、前記基板の表面層を単に参照するものとなり得る。
前記構造化するステップは、前記層上にパターン化エッチマスクを設けるステップであって、該マスクが前記層の複数の部分を覆うと共に他の部分は覆われないままとするように構造化される、設けるステップと、前記パターン化エッチマスクを用いて前記層を選択的にエッチングして、前記他の部分が少なくとも部分的に除去され、これにより前記パターンを形成するステップとを有することができる。
前記パターン化エッチマスクを設けるステップは、前記層上にパターン前駆物質層を設けるステップと、前記パターン前駆物質層を、パターン化スタンプによりインプリントするステップと、前記パターン前駆物質層を前記パターン化エッチマスクへ展開する(現像する)ステップと、前記パターン化エッチマスクから前記パターン化スタンプを除去するステップとを有することができる。
前記被着するステップは、前記パターンを没させるように前記シリカを堆積するステップと、前記突起の末端が前記表面とは反対側の前記シリカの露出面と整列する又は該露出面から突出するように、前記シリカを部分的に除去するステップとを有することができる。
本発明の実施態様は、添付図面を参照して更に詳細に且つ限定するものでない例示として後に説明される。
図1は、本発明の一実施態様による積層体の断面図を概略的に示す。 図2は、本発明の他の実施態様による積層体の断面図を概略的に示す。 図3は、本発明の更に他の実施態様による積層体の断面図を概略的に示す。 図4は、本発明の更に他の実施態様による積層体の断面図を概略的に示す。 図5Aは、本発明の一実施態様によるパターンに関して透過率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図5Bは、図5Aにおけるのと同一のパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図6Aは、本発明の他の実施態様によるパターンに関して透過率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図6Bは、図6Aにおけるのと同一のパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図7は、本発明の一実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図8は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図9は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図10は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図11は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図12は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図13は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図14は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図15は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図16は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図17は、本発明の他の実施態様によるテーパ状突起を備えたパターンに関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図18は、本発明の一実施態様による層に関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図19は、本発明の他の実施態様による層に関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図20は、本発明の他の実施態様による層に関して反射率対波長のシミュレーションされたプロットを示す。 図21は、本発明の一実施態様による積層体を製造する方法を概略的に示す。 図22は、本発明の一実施態様による層を構造化する方法を概略的に示す。 図23は、本発明の一実施態様によるシリカを被着する方法を概略的に示す。 図24Aは、直上から見たモールドマスタのパターンの電子顕微鏡画像を示す。 図24Bは、垂直から45°の角度で見た図24Aにおけるパターンの電子顕微鏡画像を示す。 図25Aは、直上から見たモールドマスタの他のパターンの電子顕微鏡画像を示す。 図25Bは、垂直から45°の角度で見た図25Aにおけるパターンの電子顕微鏡画像を示す。
以下、本発明の実施態様を、図面を参照して説明する。
当該詳細な説明及び特定の例は、当該装置、システム及び方法の例示的実施態様を示すものであるが、解説のためのみを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないと理解されるべきである。本発明の装置、システム及び方法の、これら及び他のフィーチャ、態様及び利点は、以下の説明、添付請求項及び添付図面から、より良く理解されるであろう。尚、図面は単なる概略的なものであり、寸法通りには描かれていないと理解されるべきである。また、そうでないと言及されない限り同一又は同様の部分を示すために、全図を通して同様の符号が使用されていると理解されるべきである。
ここで引用される屈折率とは、そうでないと言及されない限り、589nmの光波長に基づくものである。しかしながら、このことは本発明の範囲を可視光透過性積層体に限定するものと解釈されるべきではない。
ヌープ硬度は、そうでないと言わない限り、ASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定される。
更に、本発明の耐摩耗層の耐摩耗又は擦過度が参照される場合、斯様な耐摩耗又は擦過度は任意の好適な検査技術を用いて(例えば、適切な寸法のダイヤモンド圧子を用いて)検査することもできると理解されるべきである。限定するものでない例として、このような耐摩耗度は、マイクロ摩擦計上のダイヤモンド針を用いる物質の摩耗硬度のためのASTG G171-03規格検査法を用いて検査することができるが、擦過硬度を決定するための多くの他の検査も当業者にとり容易に利用可能であると理解されるべきである。
パターンの周期は、当該パターンにおける最も近い隣接する突起の中心間の平均距離として定義することができる。
本発明は、或る材料の空間的に分かれた突起のパターンを有する層が、これら突起の間にシリカが介挿されると共に上記材料がシリカのヌープ硬度より大きなヌープ硬度を有する場合、良好な耐摩耗特性及び強靱さと組み合わさった良好な反射特性を示し得るという理解に基づいている。
図1は、光学的に透過的な基板103の表面102上に上記のような層101を有する積層体100の断面を概略的に示す。層101は、或る材料からなる空間的に分かれた突起104のパターンを有することができ、これら突起104は表面102から離れる方向に延在する。シリカ105を空間的に分かれた突起104の間に介挿することができ、該シリカ105の露出面107は表面102の反対側であり得る。
シリカ105は、例えば、800〜900gF・mm-2の相対的に高いヌープ硬度及び約1.45の屈折率を有することができる。シリカ105は、例えば、酸化ケイ素の非晶質及び/又は結晶質形態を有することができる。存在するなら、該結晶質形態(又は複数の形態)は例えば石英を含むことができる。
一実施態様において、前記材料はサファイア、窒化ケイ素、立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドから選択された1以上を有することができる。このような材料は、シリカ105のヌープ硬度より大きなヌープ硬度を有する。これらの材料は、各々、シリカ105より高い屈折率を有することが注記される。
層101の耐摩耗性に関して言うと、シリカ105のヌープ硬度(HKsil)より大きいヌープ硬度(HK)を有する前記材料は、該層101の実効(即ち、全体の)ヌープ硬度(HKeff)が、該層101がシリカ(例えば、砂)による摩耗に耐えることができるほど十分に高くなることを保証することができる。例えば、HKeffは1000〜5000gF・mm-2(例えば、1000〜2000gF・mm-2)の範囲とすることができる。露出面107(即ち、層/空気界面)における該層101の実効ヌープ硬度(HKeff)は式1により、
Figure 2019529171
と定義することができ、ここで、Aは(前記材料の面107上への投影面積)/(面107の全面積)により定義され、Asilは(層101の表面102とは反対側の外側表面上へのシリカ105の投影面積)/(該外側表面の全面積)により定義される。
HKm、A及びAsilのうちの1以上を変化させることにより、HKeffを例えば積層体100の意図する用途に従って調整することができる。例えば、HKmにとり好適な値は1500〜8000gF・mm-2の範囲であり得る。更に、シリカ105の特定のフィーチャ、例えばシリカ105の密度を調整することにより、HKsilを変化させることもできることに注意されたい。
このようにして、HKeffを、例えばシリカ(例えば、砂)による摩耗に耐えるよう十分に高くなるように調整することができる。意図する応用に依存して、HKeffを、例えば積層体100がシリカより硬い物質による摩耗に耐えるよう十分に高くすることができると同時に、露出される表面層107の反射特性を調整する、即ち後に更に詳細に説明するように反射率を最小化することができる。
突起104の間のシリカ105の介挿は、更に、例えば突起の間に空気だけが介挿されるパターン形成層と比較して、当該層101を一層機械的に強靱にさせることができる。シリカ105は、更に、当該層101に圧縮応力を生じさせるように作用することができる。このことは、例えば、突起104の間にシリカ105を高い温度で介挿することから生じ得る。シリカ105の熱膨張係数(0.5 ppm/K)は例えば基板103の熱膨張係数より小さいものであり得るので、当該介挿に後続し得る冷却の結果、基板103はシリカ105より高い度合いで収縮することになり得る。結果的な圧縮応力は、層101を、例えば亀裂に対して一層耐えるよう一層強靱にさせ得る。このことは層101の耐摩耗性も支援し得る。斯かる圧縮応力は、印加される引っ張り応力を層101が擦過の間に発生される機械的応力に一層良く耐え得るように減少させるよう作用し得るからである。更に、シリカ105の存在は、さもなければ突起104の間に集まり、当該積層体100上に跡/汚れが出現するようにさせ得る、他の物質による層101の汚染を制限又は防止する助けとなり得る。
層101の光学特性に関して述べると、材料のより高い硬度は、より高い屈折率に符合することが既知である。従って、層101におけるシリカ105の役割は、層101の全体としての屈折率(neff)を減少させることである。更に詳細には、後に更に詳細に説明するように、層/空気界面107及び層/基板界面102におけるシリカの合計面積割合を、これら各界面における所望の光学特性を達成するように、各々、調整することができる。ここで、媒体/層界面における垂直入射反射率(R)は、層101の屈折率(neff)及び該層101と接触する媒体(例えば、空気)の屈折率(nmed)に依存することに注意されたい。当該式は下記の式2に示される。
Figure 2019529171
式2を考察すると、neffとnmedとの間の一層大きな差は、結果として媒体/層界面に一層高い反射率を生じさせることが容易に理解され得る。従って、層101の全体の屈折率(neff)を低下させることに関するシリカ105の効果の結果、空気/層界面107における反射率は一層低くなり得る。このことは、勿論、当該媒体(例えば、空気;nmed=1.00)が層101より低い屈折率を有する(このこと、一般的に気体媒体の場合に当てはまり得る)と仮定する。
同様にして、基板103が前記材料より低い屈折率を有し得る実施態様において、シリカ105の存在及び、これと同時的な、層101の全体の屈折率の低下(即ち、基板103の屈折率に一層密に近付くような)は、層/基板界面における反射率を更に低減することができる。このように、層101は空気/層及び層/基板の両界面において反射率を減少させることができる。
基板103は、例えばシリカより高いヌープ硬度を有することができる。例えば、基板103は、サファイア、ダイヤモンド等の材料からなることができ、又は、代わりに、該基板が所望の硬度(耐摩耗性)特性を有するように当該層101と接触する斯様な材料の表面層を含むことができる。しかしながら、前述したように、斯様な基板103(例えば、サファイア)の一層高い硬度は一層高い屈折率に、従って一層劣った反射防止特性に(例えば、ガラスと比較して)該当し得る。従って、このような硬い基板103を有する積層体100に対し、層101は該積層体100の反射防止特性を改善することができる。該層101は、硬く、機械的に強靱なものとすることができると共に、前述したように汚染物を除去する助けとなり得る。
図1に示された実施態様において、突起104は表面102から離れる方向に先細りとなる(テーパ状となる)ことができる。このことは、層/基板界面102における層101の光学特性が、基板103の光学特性と(密に)合致し得る(特に、この界面における層101の実効屈折率の基板103の屈折率との合致)という利点を有する。例えば、基板103が層101の前記材料として採用されるものと同一の材料を有する実施態様において、層/基板界面102における層101の表面は完全に突起104から形成することができる。即ち、この界面において突起104は互いに接し、かくして、該界面102における層101の実効屈折率は基板103の屈折率と等しくなり、これにより、この界面における反射を最小化する。当業者により容易に理解されるように、突起104により画定される層/基板界面102における層101の表面の合計面積は、この界面における層101の実効屈折率と基板103の屈折率との間の差を最小にするように調整することができる。言い換えると、界面102における突起104及びシリカ部分105の合計面積を調整することにより、層101の実効屈折率を、基板103の屈折率と密に整合するように(例えば、基板103の屈折率との差を最小にするように)調整することができる。
同時に、このような屈折率の整合は、層/空気界面107においても該界面における反射を最小にするために望ましいものである。明らかなことに、空気の屈折率は基板103の屈折率より低く、従って、界面107における層101の実効屈折率と空気の屈折率との間の差を最小にするために、突起104により画定される層101の露出面の合計面積は、好ましくは、層101の露出面の耐摩耗特性を維持しながら該層101の露出面と空気との間の屈折率の差が最小にされる程度にまで最小化されるものとし、このことは、当業者により容易に理解されるように、突起104の先細りの程度を制御することにより達成することができる。
従って、突起104をテーパ付け(テーパリング)する結果、層101の反射防止特性が向上し得る。該テーパ付けは、典型的に、層101が基板103の表面102に一層近いほど前記材料を累進的に多く(及び、シリカ105を一層少なく)有し得るような、表面102から離れる方向におけるものである。前記材料の量が表面102から一層遠くへと減少するにつれて、突起104の間に介在するシリカ105の量は累進的に増加し得る。ここでも、当該材料はシリカ105よりも大きな(ヌープ)硬度を有し、従って、該材料はシリカ105より高い屈折率を有する傾向にあることに注意されたい。従って、当該テーパ付けの結果、上述した理由により基板103の表面102に向かって屈折率が累進的に増加するような層101が得られる。
一実施態様において、(テーパ状)突起104は、円錐形状、切頭円錐形状、双曲面形状、角錐形状、切頭角錐形状、ドーム形状及び切頭ドーム形状を有することができる。
他の限定するものでない例において、突起104はテーパ状でないものとすることができる。このような非テーパ状突起104は、例えば、円柱状又は多角形状(例えば、立方状)の形状を有する。このような実施態様において、層101は表面102から末端106の方向において相対的に均一な屈折率を有し得る。しかしながら、突起104の非テーパ状形状は、このような突起104を有する層101が、テーパ状突起104を有する層101に対し、入射光の波長及び/又は入射角の関数として異なる形状(プロファイル)の反射率を示すようにさせる。更に、非テーパ状突起104は、例えば末端106における耐摩耗性を向上させることができる(テーパ付けがないことは、前記材料の一層多くの量が末端106に存在することにつながり得るからである)。
図2は、突起104が切頭処理された実施態様による積層体100の断面を概略的に示している。テーパ状突起104の切頭処理は、これら突起104が末端106に近いほど狭くなる程度を制限することができ、これにより、表面102から遠くなるにつれての前記材料(シリカ105より大きなヌープ硬度を有する)の量の減少を制限する。従って、切頭突起104は、層101が表面102から遠くなるにつれて一層軟らかくなる程度を制限することができ、これにより、該層101の耐摩耗特性を向上させる。切頭の程度は、前述から当業者により容易に理解されるように、層/空気界面107(即ち、露出面)における所望の屈折率特性に基づいて選択することができる。
図1及び図2から、突起104の末端106はシリカ105の露出面107と整列させることができることが分かる。このような実施態様において、層101の機械的堅牢さは、層101において突起104の末端106まで延びるシリカ105により向上され得る。更に、層101の突起104の間に集積し得る如何なる汚染物質をも排除する能力が向上され得る。
一方、図3は突起104が露出面107から例えば2〜20nm(より好ましくは5〜10nm)の量だけ突出した積層体100の断面を概略的に示している。限定するものでない例による露出面107から突出する斯様な突起104は、露出面107を平坦化するために例えば機械研磨又は化学機械研磨等を用いて該露出面107を研磨することにより得ることができ、斯かる研磨の間においてシリカ部分105の一部は当該硬質材料の突起104の間から摩滅除去され得る。このような層101は、末端106が露出面107に整列する層101に対して、改善された反射防止特性を有することができる。このことは、突起の間に空気が存在する突起104の上部により画定される第1層及び突起104の間にシリカ105が存在する上記第1層と基板103との間の第2層を備えた2層系を本質的に画定する図3の層101の実効屈折率の徐々の変化により理解することができる。従って、上記第1層は、突起104の末端間における空気部分がシリカ部分105により置換されるような第1層と較べて、空気のものと一層密に整合した実効屈折率を有し、これにより層101に潜在的に改善された反射防止挙動をもたらす。層/空気界面における層101の実効屈折率が、空気の屈折率に一層密に整合し得るからである。
突起104が露出面107から突出する実施態様において、当該露出面107から突出する部分は、例えば、末端106が露出面107から過度に遠くに位置されないように0.5より小さなアスペクト比を有することができる。このようにして、露出面107から突出する突起104に起因する如何なる機械的強靱さの減少及び余り有効でない汚染物の排除も緩和することができる。即ち、砂の粒子又は金属物体(例えば、鍵)等の硬い物体により衝撃を受けた際に、突起104の末端は弾性的に変形し得、これにより、当該突起の間の空気で満たされた間隙を、シリカ105の下に位置する部分も後に当該物体により接触されるように少なくとも部分的に閉じ、この時点で、当該突起104に対する実効圧力は減少すると共に、前記実効硬度が104及び105の組み合わせにより増加して、層101に対する損傷を防止する。ここで、層101の光学特性は、突起104の周期性及び層101の厚さに対する制御により更に制御することができることに注意されたい。例えば、層101に入射する光の有効波長に対して周期性を選択することにより、該層101の回折特性を制御することができる一方、層101に入射する光の有効波長に対して該層101の厚さを選択することにより、当業者により容易に理解されるように該層101の干渉特性を制御することができる。
図4は、層101が第1領域108A及び第2領域108Bを有することができる実施態様を概略的に示し、ここで、第1領域108Aは第1パターンを有する一方、第2領域108Bは第1パターンとは異なる第2パターンを有する。例えば、パターンの周期、突起104の寸法、突起104の形状及びシリカ105が突起104の間に挟まれた空間を満たす割合(前述したような)を含む当該パターンの性質は、層101の光学特性に影響を与え得る。層101が互いに対して異なるパターンを備えた第1領域108A及び第2領域108Bを有する実施態様においては、パターンの差の結果、2つの領域108A/Bは、相違する屈折率及び/又は光学的干渉特性により、互いに対して区別可能となる。例えば、2つの領域108A/Bの反射率の差を、例えば裸眼で識別可能である。代わりに又は加えて、各パターンの周期を、例えば一方の領域が他方の領域よりも可視光に対して大きな回折効果を有するように、異なるものとすることができる。このようにして、領域108A/Bは互いに異なる回折色/層干渉カラーを示すことができる。干渉挙動の斯様な差は、例えば、裸眼でも識別することができる。
一実施態様において、前記第1パターン及び第2パターンは、互いに異なる形状の突起104を有することができる。突起104の形状は、領域108A/B又は層101の屈折率を部分的に決定することができ、これにより、領域108A/B又は層101の反射率(従って、透過度)に影響を与える。突起104の形状は、更に、層101の反射率に波長の関数として影響を与え得る。従って、異なる領域108A/Bを持つ積層体100を設ける結果として、各領域108A/Bは、例えば裸眼により、各領域108A/Bから反射される(又は各領域108A/Bを介して透過される)光の強度及び/又はスペクトル組成(即ち、カラー)に関して識別可能になる。
これらの効果は、例えば、モチーフ(主題)を2つの領域108A/Bにより提供されるコントラストを用いて作成するために使用することができる。斯かるモチーフは、例えば、ロゴ、贋作防止(例えば、“ホログラム”型)マーク、装飾的効果を提供するために用いることができる。限定するものでない例においては、より複雑なモチーフを、3以上の領域(即ち、3以上のパターン)を用いて作成することができる。
以下、突起104の形状及び寸法の両者の影響を図5A/B、図6A/B、図7〜図20を参照して更に詳細に説明するが、これら図は透過率又は反射率対波長のシミュレーションされたプロットを基板103上のパターン(図5A/B、図6A/B、図7〜図17)及び積層体100(シリカ105を含む層101を有する;図18〜図20)に関して示す。これらのシミュレーションされたプロットは、有限時間領域電磁シミュレーション(FDTD)を用いて形成された。当該パターン又は層101の反射率/透過率を入射角の関数として決定するために類似の技術を用いることもできるが、これらは、ここでは提示されない。当該計算は、パターン/層101の外部の媒体として空気を用いている。即ち、これらの限定するものでない例において、前記材料はサファイア(n=1.78)であり、基板はサファイア基板である。当該パターンは空気が突起104の間に介挿されているものとして計算された。層101(図18〜図20)はシリカ105が突起104に挟まるものとして計算され、これらの特定の限定するものでない例において末端106は露出面107に整列している。
図5A及び図5Bは、各々、透過率対波長及び反射率対波長のプロットを、ドーム状突起104(図5A/Bの挿絵参照)を有するパターンの限定するものでない例に関して示す。当該パターンの周期は200nmであり、表面102からの突起104の高さは170nmである。該パターンの透過率は波長に伴い約0.985(98.5%;400nm)から約0.955(95.5%;700nm)まで全般的に減少する。予想されるように、該パターンの反射率は波長に伴い約0.015(1.5%;400nm)から約0.045(4.5%;700nm)まで全般的に増加する。
上記は、透過率対波長及び反射率対波長のプロットを、立方形突起104を有するパターン(図6A/Bの挿絵参照)に関して各々示す図6A及び図6Bと比較することができる。この限定するものでない例におけるパターンの周期も200nmであり、突起104の幅は50nmである。図5A/Bにおけるケースとは対照的に、図6A/Bのパターンの透過率は波長に伴い全般的に増加し得る(図5A/Bにおけるよりも余り一定してではないが)。該増加は約0.94(94%;400nm)から約0.955(95.5%;700nm)までである。予想され得るように、該パターンの反射率は、これに対応して、波長に伴い約0.06(6%;400nm)から約0.045(4.5%;700nm)まで減少する。このように、図5A/B及び6A/Bのパターンを比較すると、テーパ付け突起104は結果として一層低い反射率を生じさせ得る(前述したように)。更に、当該シミュレーションは、反射率の波長の関数としての変化は突起104の形状に(少なくとも部分的に)依存し得ることを示している。このことは、異なる形状の突起104が、層101から反射される(又は層101を介して透過される)光の強度及びスペクトル組成の調整を可能にすることを示す。図5A/B及び図6A/Bでシミュレーションされた限定するものでない例の場合、前者のパターンは一層長い波長の(即ち、当該スペクトルの赤色領域に向かう)光の一層大きな割合を反射することができる一方、後者は一層短い波長(即ち、当該スペクトルの青色領域に向かう)の一層大きな割合を反射することができる。従って、これらパターンから反射される色調のスペクトル組成(即ち、カラー)は、互いに異なって見え得る。このことは、更に、互いに異なる形状の突起104を各々有する2つの領域108A/B(例えば、図4に示された様な)が、各領域108A/Bから反射される(又は、各領域を介して透過される)光のスペクトル組成に関して、及び反射される(又は透過される)光の強度により、互いに対して区別可能であり得ることを示す。
図7〜図10は、切頭角錐突起104を有するパターン(図7〜図10の挿絵参照)の限定するものでない例に関する反射率対波長のプロットを示す。これらのパターンは、全て、200nmの周期、200nmなる突起104の高さ、及び50nmなる突起104の最小幅を有する。これらのパターンは、突起104の最大幅、即ち100nm(図7)、150nm(図8)、170nm(図9)、180nm(図10)なる最大幅の点で相違する。このように、これらの限定するものでない例における最小幅は、最大幅の約15%から約30%まで変化する。図7〜図10に示されるプロットは、同様のプロファイルを有するが、反射率が突起104の最大幅が増加するにつれて、約5〜3.5%(図7)、約1.8〜1.2%(図8)、約1〜0.55%(図9)、約0.70〜0.35%(図10)のように減少することが分かる。このように、これらのシミュレーションは、反射率の度合いを、例えば突起104の最小幅は一定に維持するが最大幅を変化させることにより、即ち、テーパ付けの程度を変化させることにより調整することができることを示す。
図11〜図14は、切頭角錐突起104を有するパターン(図11〜図14の挿絵参照)の限定するものでない例に関する反射率対波長のプロットを示す。これらのパターンは、全て、180nmの周期、200nmなる突起104の高さ、及び190nmなる突起104の最大幅を有する。これらのパターンは、突起104の最小幅、即ち20nm(図11)、30nm(図12)、50nm(図13)及び90nm(図14)なる最小幅の点で相違する。このように、最小幅は、最大幅の約15%から約50%まで変化する。これらプロットのプロファイルは、図7〜図10に関して観察されるものより大幅に大きな変化を示す。しかしながら、これらパターンの各々は、約0.30〜1.5%(図11)、約0.35〜1.2%(図12)、約0.15〜0.75%(図13)、約0.20〜1.8%(図14)のように低い反射率を示すことができることが分かる。このように、突起104の最大幅は一定に維持するが最小幅を変化させることによる反射率の変化は、例えば、反射率が波長の関数としてどの様に変化するかを主に変更することができ、反射率の程度は、特に、突起104の寸法のこの範囲においては低いままとなり得る。
一実施態様において、当該テーパ付けは、突起104の最小幅が該突起104の最大幅の5%〜60%の間となり得るようなものとすることができる。上記シミュレーション(図7〜図14)は、テーパ付け突起104の最大幅のパーセンテージとしての最小幅が該範囲内に入る場合に当該例示されたパターンの低い反射率特性を示している。この範囲は、更に、層101の良好な機械的強靱さも確かなものとすることができる。即ち、テーパ付け突起104は、過度に脆弱となり得るほど細くなることがない。加えて、この範囲は、例えば、層101の(ヌープ)硬度が末端106において耐摩耗性を損なうほど低くなることがないことを保証することができる。
図15〜図17は、切頭角錐突起104を有するパターン(図15〜図17の挿絵参照)の限定するものでない例に関する反射率対波長のプロットを示す。これらのパターンは、全て、200nmの周期、190nmなる突起104の最大幅、及び30nmなる突起104の最小幅を有する。これらのパターンは、突起104の高さ、即ち100nm(図15)、150nm(図16)及び200nm(図17)なる高さの点で相違する。図15〜図17に示されるプロットは、反射率が波長に伴い全般的に増加するという概ね同様のプロファイルを有している。更に、これらの例からは、反射率が突起104の高さが増加するにつれて、約2.0〜4.5%(図15)、約0.2〜3.0%(図16)、約0.2〜1.2%(図17)のように減少し得ることが分かる。これは、テーパ付け突起104が一層高くなると一層緩やかな屈折率の勾配(末端に向かって一層低く、表面102に向かって一層高い)となることに起因するであろう。
一実施態様において、突起104の高さは、50〜500nmの範囲とすることができる。この範囲内の高さは、例えば、層101の表面102から末端106までの屈折率の勾配が十分に緩やかになり、かくして、空気/層(及び幾つかの実施態様においては層/基板)界面における屈折率の不連続性を低減又は除去する助けとなり、これにより、反射率を更に減少させる助けとなることを保証することができる。
図18〜図20は、間にシリカ105が介在された切頭角錐突起104を有する積層体100の限定するものでない例に関する反射率対波長のプロットを示す。これらの限定するものでない例(図18〜図20の挿絵参照)において、末端106は露出面107に整列している。これら層101は、全て、200nmの周期、190nmなる突起104の最大幅、及び30nmなる突起104の最小幅を備えたパターンを有している。これら層101は、突起104の高さ、即ち100nm(図18)、150nm(図19)及び200nm(図20)なる高さの点で相違する。これらのプロットを、シリカ105を有さない対応するパターン(図15〜図17)と比較すると、各プロファイルは大幅に異なることが分かる。前記パターン(図15〜図17)の反射率も、約2.2〜3.6%(図18)、約2.2〜4.5%(図19)、約3.0〜4.5%(図20)なる層101に関して観察されるものより幾らか小さい。これは、単に、空気と比較して高い実効屈折率を有するというサファイア及びシリカ105の組み合わせ層の一層高い屈折率に起因するものであろう。しかしながら、層101は、突起104の間に介在されたシリカ105を有さない前記パターンよりも、一層高い耐摩耗性、一層大きな強靱さ及び汚染物を排除する能力という利点を有する。
図5A/B、図6A/B、図7〜図20は180nm又は200nmの周期を持つパターンに関して反射率/透過率対波長のプロットを示すものであるが、これは限定しようとするものではない。一実施態様において、当該パターンの周期は10〜350nmの範囲とすることができる。該パターンの周期が350nmより小さいことは、回折等の可視光の干渉現象を制限又は防止する助けとなり、従って、可視光透過性基板103の表面102を保護するための層101の好適性を向上させることができる。
他の例において、積層体100は、当該スペクトルのUV又はIR領域において透過的であることが意図され得る。それに応じて、突起104の寸法及び前記パターンの周期を拡縮することができる。例えば、UV応用例は、UV波長に対する干渉効果(例えば、回折)を制限又は回避することができるように、例えば100nm未満の小さな周期を必要とし得る。
一方、積層体100の意図される用途に依存して、当該周期は、例えば意図される入射光の波長と同様になる又は該波長より大きくなるように調整することができる。このような例において、層101は干渉に関係する光学的効果(例えば、回折/層干渉色)を示すことができる。前述したように、層101が2つの領域108A及び108Bを有し得る実施態様において、該2つの領域108A/Bは、互いに異なる回折/層干渉色を示すことができる。これらの効果は、例えば、裸眼により知覚することができ、従って、このような領域108A/Bを有する層101はロゴ、贋作防止(例えば、“ホログラム”型)マーク、装飾的効果等のモチーフを提供するために用いることができる。
ここで、図21を参照して一実施態様による積層体100を製造する方法を説明する。ステップ(a)において、前記材料の層20を基板103の表面102上に設けることができる。図21は、層20が基板103に対して別個の層であるものを示しているが、基板103がシリカ105より硬い材料(例えば、サファイア)を有する限り、基板103上に他の材料の層を形成する必要はない。このような例においては、層20を設けるステップは、単に、基板103の表面層を指すことができる。
層20及び基板103が組成的に異なる限定するものでない例において、層20は表面102に、化学堆積(例えば、化学蒸着)又は物理堆積(例えば、スパッタリング)等の任意の好適な態様で被着させることもできる。このような方法は、それ自体既知であるので、簡略化のみのために、ここでは更に考察されることはない。ステップ(b)において、層20を、表面102から離れる方向に延びる空間的に分かれた突起104のパターンを形成するように構造化することができる。ステップ(c)において、シリカ105が突起104の間に介挿されるように、シリカ105を上記パターンに被着することができる。
層20を構造化する手段(ステップ(b))は、特に限定されるものではなく、リソグラフ法(リソグラフィ)等の任意の好適な態様を用いて実施することもできることに注意すべきである。このようなリソグラフ法は、例えば、インプリント・リソグラフ法、干渉リソグラフ法、X線リソグラフ法等を含むことができる。基板103及び層20が同一の組成を有する限定するものでない例においては、ステップ(b)において基板103の選択された表面を構造化することができる。
一実施態様において、ステップ(b)における構造化ステップは層20上にパターン化されたエッチマスクを設けるステップを有することができ、該マスクは、層20の複数の部分を被覆する一方、他の部分を被覆されないまま残存させるようにパターン化されており、層20を、該パターン化エッチマスクを用いて選択的にエッチングして、前記他の部分が少なくとも部分的に除去され、これにより前記パターンを形成する。
限定するものでない例において、前記構造化ステップは、例えばフィリップス社により開発されたインプリント・リソグラフィ技術である基板共形インプリント・リソグラフィ(SCIL)等のインプリント・リソグラフィ技術を用いて達成することができる。
図22は、このようなインプリント・リソグラフィ処理を概略的に示す。ステップ(i)において、パターン前駆物質層30が層20上に、例えばスプレーコーティング、インクジェット印刷又はネビュラ/超音波霧発生コーティング(nebula/ultrasonic fog-generated coating)により設けられる。パターン先駆物質層30は、例えば有機又は無機レジスト前駆物質材料等の任意の好適な材料を有することもできる。このような材料は、それ自身良く知られていると共に広く文献に記載されているので、斯様な材料の組成に関する更なる説明は、簡略化のために省略される。
図22のステップ(ii)において、パターン前駆物質層30は、パターン化されたスタンプ40によりインプリントされる。該パターン化スタンプ40は、例えば、押し型(スタンプ)パターンを担持した主面を有する弾性スタンプとすることができ、上記押し型パターンは当該パターン前駆物質層30にインプリントされ、これにより、ステップ(ii)に示されるように該押し型パターンを転写することができる。当該押し型パターンの凹凸構造は、典型的に、例えば数十若しくは数百ナノメートル又は数ミクロンまでの寸法(即ち、幅及び高さ)を有することができる。該押し型パターンの凹凸構造の寸法は、突起104の寸法を(少なくとも部分的に)決定することができる。該押し型パターンは互いに異なる2以上のパターンを有することができ、かくして、複数の領域108A/Bを有する積層体100を製造することができるようにする。該押し型パターンは、それ自体既知のように、例えば前記パターン化スタンプ40の少なくとも主面をマスタモールドに形成することによる等の任意の好適な態様で形成することもできる。該パターン化スタンプ40は、例えば、浸透性のものとすることができると共に、例えばPDMS等のポリシロキサン又は80MPa(ASTM D1415-06(2012)規格に従い該規格により指示される条件下で剛球を当該ゴム材料に侵入させることによる規格化された硬度試験により決定される)未満等の低ヤング率を持つ他のゴム状材料等の如何なる好適な弾性材料から形成することもできる。該パターン化スタンプ40は、バルク材料から形成することができるか、又は互いに異なるヤング率の層で構成することもできる。このようなパターン化スタンプ40は、それ自体良く知られているので、ここでは簡略化のみのために更に考察されることはない。
図22のステップ(iii)において、前記パターン前駆物質層30はパターン化エッチマスク50へと展開(現像)される。このことが、図22においては、パターン前駆物質層30を示すために使用される充填模様の変化により示されている。このことは、例えば、パターン前駆物質層30を硬化させることにより達成することができる。この硬化は、例えば、パターン前駆物質層30をパターン化スタンプ40によりインプリントする結果として生じ得る。オプションとして、例えば熱及び/又はUV放射等の刺激の付与を、硬化を実施するために用いることもできる。このようなパターン前駆物質層30(例えば、有機又は無機レジスト前駆物質材料を有する)を硬化させる手段は、それ自体良く知られているので、ここでは簡略化のみのために更に説明されることはない。
図22のステップ(iv)において、前記パターン化スタンプ40を当該パターン化されたエッチマスク50から外すことができる。
図22のステップ(v)において、パターン化エッチマスク50を用いて、前記パターンを前記他の部分(該パターン化エッチマスクにより覆われていない)が少なくとも部分的に除去されるように層20を選択的にエッチングすることにより形成することができ、これにより該パターンを形成する。例えば、反応性イオンエッチング(サファイア等の硬質材料の表面をエッチングするために採用することができる)等の、層20をエッチングする手段は、それ自体良く知られているので、ここでは簡略化のみのため更に考察されることはない。
パターン化エッチマスク50は、オプションとして、上記エッチング処理に続いて除去することができる(図22には示されていない)。このことは、例えば、それ自体良く知られているように、パターン化エッチマスク50を適切な溶媒に溶解させることにより実施することができる。
図23は、一実施態様によるシリカ105を被着させるステップを概略的に示す。図23のステップ(i)において、シリカ105を、前記パターンを没させるようなシリカ被覆層60が形成されるように堆積させることができる。シリカ105を堆積させる手段は、特に限定されるものではなく、例えば、プラズマ強化(PE-CVD)又は低圧(LP-CVD)化学蒸着等の化学蒸着(CVD)を有することができる。このような堆積処理の間において採用される条件は、例えば、シリカ105の密度を適合させるために調整することができ、これにより、例えばHKsil及びnsilに対するある程度の制御が発揮されることを可能にする。当該堆積条件は、上昇された温度を必要とし得る。例えば、基板103(例えば、サファイア;CTE = 8 ppm/K)に対するシリカ105(0.5 ppm/K)の一層低い熱膨張係数は、冷却(例えば、堆積に続く)の間において基板103がシリカ105より大きな度合いで収縮し得るようなものであり得る。
特に有利な実施態様において、層101はシリカの堆積の後に少なくとも約1150℃の温度まで焼き鈍すことができ、当該シリカは該温度において該シリカ内の応力(歪)が解放されるような流動特性を得る。この結果、密な歪のないシリカが得られる。続く室温までの冷却は、当該シリカに対し圧縮応力が付与されることを保証する。結果的な圧縮応力は、層101を一層強靱に(例えば、亀裂に対して一層耐性に)、且つ、摩耗に対して一層大きな復元力を備えるものとさせることができる。このような好適な堆積方法自体が既知であることを考慮して、これらの方法は、ここでは簡略化のみのために更に考察されることはない。
前記シリカの被覆層60には、次いで、薄化処理(例えば、エッチング)を施すことができ、該処理によりシリカ105を部分的に除去することができる。これは、例えば、湿式、乾式及び機械式研磨技術のうちの1以上を用いて達成することができる。余分な無機材料(例えば、シリカ)を除去する斯様な技術自体は良く知られている。シリカ105の該部分的除去ステップは、突起104の末端106が、表面102とは反対側のシリカ105の露出面107と整列するか、又は前述したように且つ限定するものでない例として図23に示されるように露出面107から突出するようなものであり得る。
上記から、当該構造化がパターン化エッチマスク50を用いて実行される実施態様においては、当該パターンがパターン化スタンプ40に由来することが明らかであろう。このようなパターン化スタンプは、例えば、それ自体良く知られているように、3D構造が制御されるマスタモールドから製造することができる。図24A/24B及び図25A/Bは、このようなマスタモールドの限定するものでない例の電子顕微鏡画像を示す。これらの例において、マスタモールドはエッチングされたシリコンから形成され(これらの構造を形成するために使用される初期エッチマスクも、これらの図に存在する)、当該パターンは180nmの周期を有している。図24B及び図25Bに示される(垂直から約45°の角度から見た)異なるパターンから、当該マスタモールドの凹凸構造の周期、幅及び形状を変化させることができることが分かる。このように、突起104の周期、形状/寸法、従って層101の材料の堆積率(vf)は、(少なくとも部分的に)当該マスタモールドにより決定することができる。
尚、開示された実施態様に対する他の変形例は、当業者によれば、請求項に記載された本発明を実施するに際して図面、本開示及び添付請求項の精査から理解し、実施することができる。また、請求項において、“有する”なる文言は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。また、特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。また、請求項における如何なる符号も、当該範囲を限定するものと見なしてはならない。

Claims (16)

  1. 光学的に透過的な基板の表面上に配置された耐摩耗層を有する積層体であって、前記耐摩耗層が、前記表面から離れる方向に延びる材料の空間的に分かれた突起のパターンと、これら突起の間に介在されるシリカとを有し、前記材料が前記シリカのヌープ硬度より大きなASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定されたヌープ硬度を有する、積層体。
  2. 前記突起が、前記表面とは反対側の前記シリカの露出面と整列する又は前記露出面から突出する末端を有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記突起が前記表面から離れる方向に先細る、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記突起は切頭され、オプションとして、前記先細りは前記突起の最小幅が該突起の最大幅の5%〜60%の間となるようなものである、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記突起が、円錐形状、切頭円錐形状、双曲面形状、角錐形状、切頭角錐形状、ドーム形状及び切頭ドーム形状の少なくとも1つを有する、請求項1ないし3の何れか一項に記載の積層体。
  6. 前記材料が、サファイア、窒化ケイ素、立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドから選択された1以上を有する、請求項1ないし5の何れか一項に記載の積層体。
  7. 前記基板がサファイア又はダイヤモンドを有する、請求項1ないし6の何れか一項に記載の積層体。
  8. 前記パターンの周期が10から350nmまでの範囲であり、及び/又は、前記突起の高さが50から500nmまでの範囲である、請求項1ないし7の何れか一項に記載の積層体。
  9. 前記耐摩耗層は第1領域及び第2領域を有し、前記第1領域及び前記第2領域が互いに異なる屈折率を有するか、又は、互いに異なる光学干渉特性を有するように、前記第1領域は第1パターンを有する一方、前記第2領域は前記第1パターンとは異なる第2パターンを有する、請求項1ないし8の何れか一項に記載の積層体。
  10. 前記第1パターン及び前記第2パターンが、互いに異なる形状の突起を有する、請求項9に記載の積層体。
  11. 請求項1ないし10の何れか一項に記載の積層体を備えた光学的に透過的な要素を有する装置であって、オプションとして、前記光学的に透過的な要素が窓ガラス又はスクリーンである、装置。
  12. 光学的に透過的な基板の表面上に配置された耐摩耗層を有する積層体を製造する方法であって、
    前記表面上に材料の層を設けるステップと、
    前記表面から離れる方向に延びる空間的に分かれた突起のパターンを形成するように前記材料の層を構造化するステップと、
    前記パターンに対しシリカを、該シリカが前記突起の間に介在されるように被着するステップと、
    を有し、前記材料が前記シリカのヌープ硬度より大きなASTM E384ヌープ硬度規格に従って測定されたヌープ硬度を有する、方法。
  13. 前記構造化するステップが、
    前記材料の層上にパターン化エッチマスクを設けるステップであって、該パターン化エッチマスクが前記材料の層の複数の部分を覆うと共に他の部分は覆われないままとするように構造化される、設けるステップと、
    前記パターン化エッチマスクを用いて前記材料の層を選択的にエッチングして、前記他の部分が少なくとも部分的に除去され、これにより前記パターンを形成するステップと、
    を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記パターン化エッチマスクを設けるステップが、
    前記材料の層上にパターン前駆物質層を設けるステップと、
    前記パターン前駆物質層を、パターン化スタンプの凹凸パターンでインプリントするステップと、
    前記パターン前駆物質層を前記パターン化エッチマスクへ展開するステップと、
    前記パターン化エッチマスクから前記パターン化スタンプを除去するステップと、
    を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記被着するステップが、
    前記パターンを没させるように前記シリカを堆積するステップと、
    前記突起の末端が前記表面とは反対側の前記シリカの露出面と整列する又は該露出面から突出するように前記シリカを部分的に除去するステップと、
    を有する、請求項12ないし14の何れか一項に記載の方法。
  16. 前記パターン化スタンプが前記凹凸パターンを備えた可撓性材料を有する、請求項14に記載の方法。
JP2019513348A 2016-09-13 2017-08-31 耐摩耗層を有する積層体、同積層体を有する装置及び同積層体を製造する方法 Active JP6657477B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16188588.4 2016-09-13
EP16188588 2016-09-13
PCT/EP2017/071921 WO2018050448A1 (en) 2016-09-13 2017-08-31 Laminate comprising abrasion resisting layer, device comprising the same and method of manufacturing the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019529171A true JP2019529171A (ja) 2019-10-17
JP6657477B2 JP6657477B2 (ja) 2020-03-04

Family

ID=57067929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019513348A Active JP6657477B2 (ja) 2016-09-13 2017-08-31 耐摩耗層を有する積層体、同積層体を有する装置及び同積層体を製造する方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US11022723B2 (ja)
EP (1) EP3513228B1 (ja)
JP (1) JP6657477B2 (ja)
CN (2) CN117538963A (ja)
BR (1) BR112019004605A2 (ja)
RU (1) RU2751800C2 (ja)
WO (1) WO2018050448A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3128033A1 (fr) * 2021-10-08 2023-04-14 Safran Electronics & Defense Elément optique durci fonctionnalisé

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322767A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Nissan Motor Co Ltd 反射防止構造、反射防止構造体及びその製造方法
JP2012182160A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Ulvac Japan Ltd 反射防止体、太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法
WO2016056436A1 (ja) * 2014-10-07 2016-04-14 シャープ株式会社 透明フィルム、及び、透明フィルムの製造方法
WO2016056434A1 (ja) * 2014-10-07 2016-04-14 シャープ株式会社 透明導電体、透明導電体の製造方法、及び、タッチパネル

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4217097B2 (ja) * 2003-04-03 2009-01-28 ダイセル化学工業株式会社 防眩性フィルム
CN100430793C (zh) 2003-12-17 2008-11-05 统宝香港控股有限公司 显示装置
WO2007139210A1 (en) * 2006-05-31 2007-12-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
US7692855B2 (en) * 2006-06-28 2010-04-06 Essilor International Compagnie Generale D'optique Optical article having a temperature-resistant anti-reflection coating with optimized thickness ratio of low index and high index layers
WO2008069221A1 (en) * 2006-12-05 2008-06-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Plasma display panel and field emission display
WO2008069162A1 (en) 2006-12-05 2008-06-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Anti-reflection film and display device
DE102007019179A1 (de) * 2007-04-20 2008-10-30 Center For Abrasives And Refractories Research & Development C.A.R.R.D. Gmbh Verschleißschutzschicht
WO2009061861A2 (en) * 2007-11-05 2009-05-14 Lightsmyth Technologies Inc. Highly efficient optical gratings with reduced thickness requirements and impedance-matching layers
US8270079B1 (en) * 2007-11-15 2012-09-18 Lightsmyth Technologies Inc. Decorative, ornamental, or jewelry articles having diffraction gratings
JP5338280B2 (ja) 2008-11-27 2013-11-13 ソニー株式会社 2次元固体撮像装置
US9158044B2 (en) * 2009-10-16 2015-10-13 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Optical film and display panel
WO2011072227A1 (en) * 2009-12-10 2011-06-16 Nano Terra Inc. Structured smudge-resistant anti-reflective coatings and methods of making and using the same
JP5773576B2 (ja) 2010-04-01 2015-09-02 キヤノン株式会社 反射防止構造および光学機器
WO2013191091A1 (ja) * 2012-06-22 2013-12-27 シャープ株式会社 反射防止構造体、転写用型、これらの製造方法、及び、表示装置
EP3077856A1 (en) * 2013-12-03 2016-10-12 Vertu Corporation Limited Optical element with sapphire layer
CN105304775B (zh) * 2015-11-16 2017-12-15 河北工业大学 具有低折射率微纳结构层的led图形化衬底的制备方法
CN109387889A (zh) * 2017-08-03 2019-02-26 京东方科技集团股份有限公司 抗反射结构、显示装置及抗反射结构制作方法
US10690831B2 (en) * 2018-11-20 2020-06-23 Facebook Technologies, Llc Anisotropically formed diffraction grating device

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322767A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Nissan Motor Co Ltd 反射防止構造、反射防止構造体及びその製造方法
JP2012182160A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Ulvac Japan Ltd 反射防止体、太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法
WO2016056436A1 (ja) * 2014-10-07 2016-04-14 シャープ株式会社 透明フィルム、及び、透明フィルムの製造方法
WO2016056434A1 (ja) * 2014-10-07 2016-04-14 シャープ株式会社 透明導電体、透明導電体の製造方法、及び、タッチパネル

Also Published As

Publication number Publication date
EP3513228B1 (en) 2020-04-22
RU2019110978A (ru) 2020-10-15
RU2751800C2 (ru) 2021-07-19
CN109844572A (zh) 2019-06-04
RU2019110978A3 (ja) 2021-01-15
BR112019004605A2 (pt) 2019-06-18
WO2018050448A1 (en) 2018-03-22
CN117538963A (zh) 2024-02-09
US11022723B2 (en) 2021-06-01
EP3513228A1 (en) 2019-07-24
JP6657477B2 (ja) 2020-03-04
US20190219738A1 (en) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8384998B2 (en) Antireflection film, display device and light transmissive member
US11971519B2 (en) Display articles with antiglare surfaces and thin, durable antireflection coatings
JP2006106758A (ja) ワイヤーグリッド偏光子及びその製造方法
CN113165964B (zh) 包含光学层的高硬度制品及其制造方法
JP6060620B2 (ja) マイクロレンズアレイの製造方法
KR102068138B1 (ko) 회절 도광판 및 회절 도광판의 제조 방법
US20210157041A1 (en) Method of manufacturing a diffractive grating
US8559112B2 (en) Optical element
JP2015528581A (ja) 光回折格子
US20160146976A1 (en) Substrate with moth eye structures and method of manufacturing thereof
CN115793139A (zh) 波导显示器衬底的偏置总厚度变化
JP2009086613A (ja) レリーフ型回折光学素子とその製造方法
JP6657477B2 (ja) 耐摩耗層を有する積層体、同積層体を有する装置及び同積層体を製造する方法
JP2009128539A (ja) 反射防止構造体の製造方法
JP2009128541A (ja) 反射防止構造体の製造方法
CN113454507B (zh) 用于促进波导内的全内反射的气穴结构
JP2009128540A (ja) 反射防止構造体の製造方法
JP2015200840A (ja) マイクロレンズアレイ基板
US20240230955A1 (en) Display articles with antiglare surfaces and thin, durable antireflection coatings
JP2022038039A (ja) 光学素子用微細突起
JP2004271653A (ja) 光学素子
JP2023039111A (ja) 回折光学素子、その製造方法および型の製造方法
JP2020052352A (ja) 眼鏡レンズ
JP2019120825A (ja) ワイヤグリッド偏光板
JP2010243161A (ja) 透光性部材の製造方法、透光性部材、および時計

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20190308

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190308

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190308

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6657477

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250