JP2019522026A - 非キラル3’−s−または5’−s−ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの合成 - Google Patents

非キラル3’−s−または5’−s−ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドの合成 Download PDF

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Abstract

本発明は、R1が本明細書および特許請求の範囲で定義したとおりである式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドの製造のための方法に関する。

Description

本発明は、オリゴヌクレオチド、特にホスホロチオエート結合、特に非キラルホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドの製造のための方法に関する。
本発明は特に、式(I)
Figure 2019522026
の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドの製造のための方法であって、
該方法が、式(II)
Figure 2019522026
のヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドをヨウ素の存在下で反応させる工程を含み、ヨウ素の濃度が約0.001M〜約0.01Mであり、かつ
式中、R1はホスフェート保護基である、方法に関する。
相補的RNA鎖を標的とするためにワトソン・クリックハイブリダイゼーションの十分に理解された原理を利用した、治療用物質としてのオリゴデオキシヌクレオチドの使用は、1970年代後半におけるその開始以来目覚しい進歩を遂げてきた(P. C. Zamecnik, M. L. Stephenson, P Natl Acad Sci USA 1978, 75, 280-284(非特許文献1); S. T. Crooke, Antisense drug technology : principles, strategies, and applications, 2nd ed. ed., Boca Raton, FL : CRC Press, 2008(非特許文献2))。
これまでにいくつかの種類の化学的修飾が、合成オリゴヌクレオチドに、例えば、それらの半減期を延ばすため、薬物動態を改善するため、RNaseH活性を向上するため、毒性を低減するため、またはミスマッチの判別を向上するために導入されてきた。
最も成功した修飾の1つは、非架橋ホスフェート酸素原子の1つが硫黄原子と置換される、ホスホロチオエート結合の導入である(F. Eckstein, Antisense and Nucleic Acid Drug Development 2009, 10, 117-121(非特許文献3))。そのようなホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドは、それらの非修飾ホスホジエステルアナログと比べた、タンパク質結合の増大、ならびに核酸分解に対する明らかに高い安定性、ひいては血漿、組織、および細胞における実質的に長い半減期を示す。これが第一世代のオリゴヌクレオチド治療剤の開発を可能にし、ロックド核酸(LNA)などの次世代の修飾物の扉を開いた。
しかしながら、ホスホジエステル結合からホスホロチオエートへの置換はリン原子にてキラル中心を生じさせる。結果として、これまでに承認されたオリゴヌクレオチド治療剤はすべて、生理化学的特性が異なる可能性がある(また正反対の恐れがある)大量のジアステレオ異性体化合物の混合物である。
そのようなオリゴデオキシヌクレオチドのジアステレオ異性的な複雑さを低減するために、理論的にはホスホロチオエート内の硫黄原子を非架橋位置の1つからリボース糖の架橋3'位まで移動させ得る。この修飾がリンの周囲の置換パターンを対称にし、よってキラル中心を除去し、結果として分子のジアステレオ異性的な複雑さを低減する。そのような3'-デオキシ-3'-メルカプト-ならびに2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプトヌクレオチド(M. M. Piperakis, J. W. Gaynor, J. Fisher, R. Cosstick, Org. Biomol. Chem. 2013, 11, 966-974(非特許文献4); J. Bentley, J. A. Brazier, J. Fisher, R. Cosstick, Org. Biomol. Chem. 2007, 5, 3698-3702(非特許文献5); G. Sabbagh, K. J. Fettes, R. Gosain, I. A. O'Neil, R. Cosstick, Nucleic Acids Res. 2004, 32, 495-501(非特許文献6); A. P. G. Beevers, K. J. Fettes, G. Sabbagh, F. K. Murad, J. R. P. Arnold, R. Cosstick, J. Fisher, Org. Biomol. Chem. 2004, 2, 114-119(非特許文献7))は、かねてからオリゴ(デオキシ)ヌクレオチドに導入されてきたが、この修飾は治療剤という文脈でも、オリゴデオキシヌクレオチドホスホロチオエートのジアステレオ異性的な複雑さを低減するという意図でも記載されていない。
1つまたは複数の修飾2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプトヌクレオチドを有する、より長いオリゴデオキシヌクレオチドの合成は、通常は、3'-メルカプトホスホロアミダイト構成単位を伴う固相オリゴヌクレオチド合成技術によって実施される(上記の文献を参照されたい)。しかしながら、そのような修飾ホスホロアミダイトを用いると、低いカップリング効率が報告されており、結果的に所望の生成物の収率が低くなることになる。したがって、これまでの最適化への取り組みは、通常は、カップリング条件(試薬濃度、カップリング時間、活性化物質、または添加剤)に焦点をおいてきたが、合成効率を劇的に改善する普遍的な諸条件を提供していない。
P. C. Zamecnik, M. L. Stephenson, P Natl Acad Sci USA 1978, 75, 280-284 S. T. Crooke, Antisense drug technology : principles, strategies, and applications, 2nd ed. ed., Boca Raton, FL : CRC Press, 2008 F. Eckstein, Antisense and Nucleic Acid Drug Development 2009, 10, 117-121 M. M. Piperakis, J. W. Gaynor, J. Fisher, R. Cosstick, Org. Biomol. Chem. 2013, 11, 966-974 J. Bentley, J. A. Brazier, J. Fisher, R. Cosstick, Org. Biomol. Chem. 2007, 5, 3698-3702 G. Sabbagh, K. J. Fettes, R. Gosain, I. A. O'Neil, R. Cosstick, Nucleic Acids Res. 2004, 32, 495-501 A. P. G. Beevers, K. J. Fettes, G. Sabbagh, F. K. Murad, J. R. P. Arnold, R. Cosstick, J. Fisher, Org. Biomol. Chem. 2004, 2, 114-119
本発明者らは、より長いモデルのオリゴデオキシヌクレオチドへの2'-3'-ジデオキシ-3'-メルカプト-ホスホロアミダイトの組み込みが困難であることを確認した。さらに、本発明者らはその後の酸化も驚くほど困難であることも見出した。これは、観察される合成効率の低さに相当程度寄与していた。標準的な条件下では、比較的高濃度のヨウ素溶液が酸化剤として通常は用いられる(0.1Mもの高さであることが多い)。しかしながら、これらの条件下では、オリゴヌクレオチドの5'末端に追加のホスフェート基を有する欠失フラグメントが副生成物として通常は観察される(所望の生成物と等量であることが多い)。
対照的に、驚くべきことには、酸化剤としてヨウ素を非常に低濃度(当技術分野で公知の標準的な条件下よりも通常は少なくとも50分の1の低さ)で用いると、競合する副生成物の形成をかなりの程度まで抑制し得ることが分かった。これらの新規な酸化条件の適用で今回オリゴヌクレオチドへの2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプト修飾の効率的な組み込みが可能になる。
上記に定義した式(I)のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、最終的な脱保護されたオリゴヌクレオチドでは(すなわち、R1が水素である場合)非キラルであると理解される。しかしながら、式(I)のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、本明細書において、非キラル結合の前駆体として、R1が水素でない場合であっても非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合とみなされる。
本明細書では「アルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、炭素原子を1〜8個有する直鎖または分岐鎖アルキル基、具体的には炭素原子を1〜6個有する直鎖または分岐鎖アルキル基、およびより具体的には炭素原子を1〜3個有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。直鎖および分枝鎖C1〜C8アルキル基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチルおよび異性体オクチル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチル、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert.-ブチルおよびイソペンチルである。アルキルの具体例はメチル、エチルおよびプロピルである。
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec.ブトキシ、およびtert.ブトキシなどの、「アルキル」という用語が先に記載の意味を有する式アルキル-O-の基を意味する。具体的な「アルコキシ」はメトキシおよびエトキシである。
「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」という用語は単独でまたは組み合わせて-OH基を意味する。
「チオヒドロキシル」および「チオヒドロキシ」という用語は単独でまたは組み合わせて-SH基を意味する。
「アミノ」という用語は単独でまたは組み合わせて第一級アミノ基(-NH2)、第二級アミノ基(-NH-)、または第三級アミノ基(-N-)を意味する。
「スルファニル」という用語は単独でまたは組み合わせて-S-基を意味する。
「アジド」という用語は単独でまたは組み合わせて-N3基を意味する。
「オキシ」という用語は単独でまたは組み合わせて-O-基を意味する。
「保護基」という用語は、単独でまたは組み合わせて、後の化学反応において化学的選択性を得るために官能基の化学的修飾によって分子に導入される基を意味する。
「ホスフェート保護基」はホスフェート基の保護基である。ホスフェート保護基の例は2-シアノエチルおよびメチルである。ホスフェート保護基の具体例は2-シアノエチルである。
「ヒドロキシル保護基」はヒドロキシル基の保護基であり、チオール基を保護するためにも用いられる。ヒドロキシル保護基の例は、アセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、β−メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ジメトキシトリチル(またはビス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル)(DMT)、トリメトキシトリチル(またはトリス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル)(TMT)、メトキシメチルエーテル(MOM)、メトキシトリチル[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル(MMT)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、トリチルまたはトリフェニルメチル(Tr)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリ-イソ-プロピルシリルオキシメチル(TOM)およびトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル)、メチルエーテルおよびエトキシエチルエーテル(EE)である。ヒドロキシル保護基の具体例はDMTおよびTMT、特にDMTである。
「チオヒドロキシル保護基」はチオヒドロキシル基の保護基である。チオヒドロキシル保護基の例は「ヒドロキシル保護基」のものである。
「核酸塩基」という用語は、ヌクレオチドの塩基部分を指し、天然に存在する変異体ならびに天然に存在しない変異体の両方を包含する。よって、「核酸塩基」は公知のプリンおよびピリミジンヘテロ環だけでなく、それらのヘテロ環式類似体および互変異性体も包含する。核酸塩基の例はアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、5-メチルシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2-クロロ-6-アミノプリンを非限定的に含む。
本明細書において用いる「ヌクレオチド」という用語は、糖部分と、塩基部分と、ホスフェートまたはホスホロチオエートヌクレオチド間結合基などの共有結合的に連結した基(連結基)とを含むグリコシドを指し、DNAまたはRNAなどの天然に存在するヌクレオチドならびに修飾された糖および/または塩基部分を含む天然に存在しないヌクレオチドの両方を包含する。
「グリコシド」という用語は、糖が、グリコシド結合、すなわちサッカライドのヘミアセタールまたはヘミケタール基(またはサッカライドから誘導された分子)と別の分子のヒドロキシル基との間に形成された結合によって別の官能基に結合している、分子を指す。「グリコシド」という用語は、-SR(チオグリコシド)、-SeR(セレノグリコシド)、-NR'R''(N-グリコシド)または-CR'R''R'''(C-グリコシド)などの、糖のヘミアセタール(またはヘミケタール)基とヒドロキシル以外のいくつかの化学基との間に形成された結合を有する化合物も含む。
「固体支持体」という用語は、特にオリゴマー化合物の固相合成に用いられる支持体を指す。固相支持体の例は、架橋ポリスチレン(Primer Support 5GまたはNittoPhaseHL);調節多孔ガラス(CPG);オキサリル調節多孔ガラス;シリカ含有粒子、例えば、多孔質ガラスビーズおよびシリカゲル、例えば、トリクロロ-[3-(4-クロロメチル)フェニル]プロピルシランと多孔質ガラスビーズとの反応によって形成されるもの(PORASIL E(登録商標))などを含む。調節多孔ガラスが特に有用な固相支持体である。
「オリゴヌクレオチド合成活性化物質」という用語は、入ってくるヌクレオシドホスホロアミダイトモノマーとの非保護ヌクレオシドの反応を活性化することができる化合物を指す。そのようなオリゴヌクレオチド合成活性化物質の例はX. Wei, Tetrahedron 2013, 69, 3615-3637に見出し得る。オリゴヌクレオチド合成活性化物質の例は1H-テトラゾール、5-ニトロフェニル-1H-テトラゾール(NPT)、5-エチルチオ-1H-テトラゾール(ETT)、5-ベンジルチオ-1H-テトラゾール(BTT)、5-メチルチオ-1H-テトラゾール(MTT)、5-メルカプト-テトラゾール(MCT)および4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)のようなアゾール系活性化物質、またはピリジニウム塩酸塩、イミダゾリウムトリフレート、ベンゾイミダゾリウムトリフレート、5-ニトロベンゾイミダゾリウムトリフレートのような酸性塩、または2,4-ジニトロ安息香酸もしくは2,4-ジニトロフェノールなどの弱酸である。5-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-テトラゾールが特に有用なオリゴヌクレオチド合成活性化物質である。
「チオ酸化物質」という用語はホスホロアミダイトをメルカプト-ホスホロアミダイトに変換することができる試薬を指す。チオ酸化試薬の例は、フェニルアセチルジスルフィド、3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン-1,1-ジオキシド、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、ジベンゾイルテトラスルフィド、ビス(O,O-ジイソプロポキシホスフィノチオイル)ジスルフィド(S-テトラ)、ベンジルトリエチル-アンモニウムテトラチオモリブデート(BTTM)、ビス(p-トルエンスルホニル)ジスルフィド、3-エトキシ-1,2,4-ジチアゾリン-5-オン(EDITH)および1,2,4-ジチアゾリジン-3,5-ジオン(DtsNH)、特に、3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンである。
「キャッピング」または「キャッピング工程」という用語は、オリゴヌクレオチドカップリング中(例を挙げると、式(VI)の化合物との式(V)の化合物の反応中、または式(XII)の化合物との式(XI)の化合物の反応中)に反応しなかったヒドロキシルまたはチオヒドロキシル基の、保護ヒドロキシルまたはチオヒドロキシル基への変換を指す。よって、キャッピングは、次のカップリング工程におけるヒドロキシルまたはチオヒドロキシル基の反応を阻害する。例えばキャッピング工程は、例えばTHFまたはアセトニトリル中での、例えばピリジンおよびN-メチル-イミダゾールのような活性化物質と組み合わせた、無水酢酸(Ac2O)または無水フェノキシ酢酸(Pac-無水物)との反応によって都合よく実施される。得られる保護ヒドロキシルまたはチオヒドロキシル基は、例えば、アセテートまたはチオアセテート基である。
「糖修飾ヌクレオシド」という用語は、糖がDNAまたはRNA以外のヌクレオシドを指す。
「カチオンスカベンジャー」という用語は、反応で形成される遊離カチオンと反応し、これによって遊離カチオンを除去する物質を意味する。カチオンスカベンジャーの例は、トリエチルシラン、トリフェニルシラン、トリイソプロピルシランなどの水素化シリル、エタンジチオールのようなチオール、メトキシチオフェノールのようなチオフェノール、フェノール、およびチオアニソールなどのスルフィドである。具体的なカチオンスカベンジャーはトリエチルシランおよびメトキシチオフェノールである。
よって、本発明は特に以下に関する。
式(I)または(II)の少なくとも1つの非キラルホスホロチオエートヌクレオチド間結合の硫黄原子が、オリゴヌクレオチドの隣接ヌクレオシドの3'炭素原子または5'炭素原子に連結している、本発明の方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドが、式(III)
Figure 2019522026
のフラグメントを含み、
式中、
X1は酸素または硫黄であり;
Y1は酸素または硫黄であるが;
但し、X1およびY1は両方が同時に硫黄ではなく;
各R1は独立して、請求項1に定義したとおりであり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
R4aは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
または、R2aおよびR4aは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成するが;
但し、Y1が硫黄である場合、R4aは水素であり;
R2bは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、またはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
R3はヒドロキシル保護基であり;
各Rpは独立してアルキルであり;かつ
Nuは独立して核酸塩基である、本発明の方法;
上記に定義した式(II)のヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドが、式(IV)
Figure 2019522026
のフラグメントを含み、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、およびNuは上記に定義したとおりである、本発明の方法;
式(V)
Figure 2019522026
のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドを酸の存在下で反応させ、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R4a、およびNuは上記に定義したとおりである、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(VII)
Figure 2019522026
のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(V)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを式(VI)
Figure 2019522026
の化合物の存在下で反応させ、
式中、
Y2は酸素または硫黄であり;
R2cは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
R4cは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
または、R2cおよびR4cは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成するが;
但し、Y2が硫黄である場合、R4cは水素であり;
R5はジアルキルアミノであり;
各Rpは独立してアルキルであり;かつ
X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、およびNuは上記に定義したとおりである、本発明の方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(VIII)
Figure 2019522026
のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(VII)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドをチオ酸化物質またはヨウ素の存在下で反応させ、ヨウ素の濃度が約0.001M〜約0.01Mであり、
式中、
X2は酸素または硫黄であり;
Y2は酸素または硫黄であるが;
但し、X2およびY2は両方が同時に硫黄ではなく;かつ
X1、Y1、R1、R2a、R2b、R2c、R3、R4a、R4c、およびNuは上記に定義したとおりである、本発明に係る方法;
上記に定義した式(VII)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを、Y2が酸素である場合にはチオ酸化物質の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
上記に定義した式(VII)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを、Y2が硫黄である場合にはヨウ素の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドが、式(IX)
Figure 2019522026
のフラグメントを含み、
式中、
X1は酸素または硫黄であり;
Y1は酸素または硫黄であり;
各R1は上記に定義したとおりであり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
R4aは水素もしくはヒドロキシアルキル;(ヒドロキシメチル)であるか;
または、R2aおよびR4aは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成し;
R2bは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
R4bは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
または、R2bおよびR4bは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成し;
R3はヒドロキシル保護基またはチオヒドロキシル保護基であり;
各Rpは独立してアルキルであり;かつ
各Nuは独立して核酸塩基である、本発明に係る方法;
上記に定義した式(II)のヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドが、式(X)
Figure 2019522026
のフラグメントを含み、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、R4b、およびNuは式(IX)の化合物において定義したとおりである、本発明に係る方法;
式(XI)
Figure 2019522026
のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(IX)のフラグメントを含む式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドを酸の存在下で反応させ、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R4a、R4b、およびNuは式(IX)の化合物において定義したとおりである、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(XIII)
Figure 2019522026
のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(XI)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを式(XII)
Figure 2019522026
の化合物の存在下で反応させ、
式中、
Y2は酸素または硫黄であり;
R2cは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
R4cは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
または、R2cおよびR4cは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成し;
R3はヒドロキシル保護基またはチオヒドロキシル保護基であり;
R5はジアルキルアミノであり;
各Rpは独立してアルキルであり;かつ
X1、Y1、R1、R2a、R2b、R4a、R4b、およびNuは式(IX)の化合物において定義したとおりである、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(XIV)
Figure 2019522026
のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(XIII)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドをチオ酸化物質またはヨウ素の存在下で反応させ、ヨウ素の濃度が約0.001M〜約0.01Mであり、
式中、
Y1は酸素または硫黄であり;
X2は酸素または硫黄であるが;
但し、Y1およびX2は両方が同時に硫黄ではなく;かつ
X1、Y2、R1、R2a、R2b、R2c、R3、R4a、R4b、R4c、およびNuは式(XIII)の化合物において定義したとおりである、本発明に係る方法;
上記に定義した式(XIII)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを、Y1が酸素である場合にはチオ酸化物質の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
上記に定義した式(XIII)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを、Y1が硫黄である場合にはヨウ素の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドが、式(I)のヌクレオシド間結合を1〜8個、好ましくは式(I)のヌクレオシド間結合を1〜6個含む、本発明に係る方法;
前記ヨウ素の濃度が、約0.001M〜約0.005M、好ましくは約0.002M〜約0.005Mである、本発明に係る方法;
R1がシアノエチルである、本発明に係る方法;
前記ヒドロキシル保護基または前記チオヒドロキシル保護基がビス-(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メチルである、本発明に係る方法;
R5がジイソプロピルアミノである、本発明に係る方法;
各Nuが独立して、アデニン、チミン、ウラシル、グアニン、およびシトシンより選択される、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドが、固相合成用の固体支持体に結合されている、本発明に係る方法;
前記酸がジクロロ酢酸またはトリクロロ酢酸である、本発明に係る方法;
上記に定義した式(V)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチド合成活性化物質の存在下で、上記に定義した式(VI)の化合物の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
上記に定義した式(XI)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチド合成活性化物質の存在下で、上記に定義した式(XII)の化合物の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
オリゴヌクレオチド合成活性化物質が5-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-テトラゾールである、本発明に係る方法;
前記チオ酸化物質が3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンである、本発明に係る方法;
上記に定義した式(II)のヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドをヨウ素の存在下で反応させる前記工程の後にキャッピング工程が続く、本発明に係る方法;
式(XV)
Figure 2019522026
の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドに至るように、上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドのホスフェート保護基R1を除去する、本発明に係る方法;
アンモニア、水酸化アンモニウム、または水酸化アンモニウムとメチルアミンとの混合物の存在下における、上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドの反応によって、前記ホスフェート保護基R1を除去する、本発明に係る方法;
アンモニア水溶液の存在下における、上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドの反応によって、前記ホスフェート保護基R1を除去する、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドが、それが結合している固体支持体から切断される、本発明に係る方法;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドが、それが結合している固体支持体から、アンモニア水溶液の存在下における反応によって切断される、本発明に係る方法;
ヒドロキシル保護基またはチオヒドロキシル保護基を除去するように、上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドを酸の存在下で反応させる、本発明に係る方法;
本発明の方法に従って製造されたオリゴヌクレオチド;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み、ヌクレオチドを7〜31個含む、オリゴヌクレオチド;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドであって、少なくとも1つの式(I)のホスホロチオエートヌクレオチド間結合の硫黄原子が、該オリゴヌクレオチドの隣接ヌクレオシドの3'炭素原子または5'炭素原子に連結している、オリゴヌクレオチド;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドであって、
該オリゴヌクレオチドが、式(XVI)
Figure 2019522026
のヌクレオチドを少なくとも1つ含み、
式中、
Xは酸素または硫黄であり;
R2およびR4は一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2-O-CH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、または-CH2OCH2O-を形成し;
各Rpは独立してアルキルであり;かつ
Nuは核酸塩基である、オリゴヌクレオチド;
上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドであって、
該オリゴヌクレオチドが、式(XVI)
Figure 2019522026
のヌクレオチドを少なくとも1つ含み、
式中、
Xは酸素または硫黄であり;
R2およびR4は一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2-O-CH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、または-CH2OCH2O-を形成し;
各Rpは独立してアルキルであり;かつ
Nuは核酸塩基である、オリゴヌクレオチド;
上記に定義した式(I)のヌクレオシド間結合を少なくとも2つ含む、本発明に係るオリゴヌクレオチド;
上記に定義した式(I)のヌクレオシド間結合を少なくとも2つまたは少なくとも3つ含む、本発明に係るオリゴヌクレオチド;
LNAヌクレオシドを少なくとも1つ含む、本発明に係るオリゴヌクレオチド;
糖修飾ヌクレオシドを少なくとも1つ含む、本発明に係るオリゴヌクレオチド;
少なくとも1つの前記糖修飾ヌクレオシドが独立して親和性増大2'糖修飾ヌクレオシドより選択される、本発明に係るオリゴヌクレオチド;
少なくとも1つの糖修飾ヌクレオシドが独立して、2'-アルコキシ-RNA、特に2'-メトキシ-RNA、2'-アルコキシアルコキシ-RNA、特に2'-メトキシエトキシ-RNA、2'-アミノ−DNA、2'-フルオロ-RNA、2'-フルオロ−ANAヌクレオシド、およびLNAヌクレオシドより選択される、本発明に係るオリゴヌクレオチド;
R2aが、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルコキシ、またはアルコキシアルコキシである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2aが、水素、ヒドロキシル、フルオロ、メトキシ、またはメトキシエトキシである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4aが水素またはヒドロキシアルキルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4aが水素またはヒドロキシメチルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4aが水素である、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2bが、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルコキシ、またはアルコキシアルコキシである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2bが、水素、ヒドロキシル、フルオロ、メトキシ、またはメトキシエトキシである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4bが水素またはヒドロキシアルキルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4bが水素またはヒドロキシメチルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4bが水素である、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2cが、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルコキシ、またはアルコキシアルコキシである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2cが、水素、ヒドロキシル、フルオロ、メトキシ、またはメトキシエトキシである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4cが水素またはヒドロキシアルキルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4cが水素またはヒドロキシメチルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R4cが水素である、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2aおよびR4aが一緒になって-CH2O-を形成する、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2bおよびR4bが一緒になって-CH2O-を形成する、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2cおよびR4cが一緒になって-CH2O-を形成する、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
各Rpが独立してメチル、エチル、またはプロピルである、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;
R2およびR4が一緒になって-CH2O-を形成する、本発明のオリゴヌクレオチド;
本発明のオリゴヌクレオチドが、上記に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を1〜8個含む、本発明の方法またはオリゴヌクレオチド;ならびに
本発明に係るオリゴヌクレオチドを含む、薬学的組成物。
本発明は、式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み、Y1が硫黄である上記に定義した式(IX)のフラグメントを含む、オリゴヌクレオチドを、式(XI)のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、酸およびカチオンスカベンジャーの存在下で反応させる、本発明に係る方法にも関する。
よって、本発明は、特に、オリゴヌクレオチドにおけるDMTで保護された5'-S DNAもしくは5'-S LNAモノマーのまたはDMTで保護された末端5'-S DNAもしくは5'S-LNAヌクレオシドの、酸およびカチオンスカベンジャーによるDMT脱保護に関する。
酸は、例えばトリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸である。
カチオンスカベンジャーの例は、トリエチルシラン、メトキシチオフェノール、およびそれらの混合物である。
酸とカチオンスカベンジャーとの有利な組み合わせの例は、トリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸とトリエチルシランおよび/またはメトキシチオフェノールとの組み合わせである。
酸、特にトリクロロ酢酸は有利には5〜10%(w/v)で用いられる。酸、特にトリフルオロ酢酸は有利には1〜10%(v/v)、特に1〜5%(v/v)で用いられる。
カチオンスカベンジャーは有利には2〜30%(v/v)で用いられる。
カチオンスカベンジャーであるトリエチルシランは有利には5〜30%(v/v)で用いられる。
カチオンスカベンジャーであるp-メトキシチオフェノールは有利には2〜10%(v/v)で用いられる。
本発明に係るDMT脱保護は有利にはジクロロメタン中で行われる。
本発明に係る有利なDMT脱保護はしたがって、
CH2Cl2中20%(v/v)トリエチルシランの存在下における45秒間の10%(w/v)トリクロロ酢酸200μLの6回の適用;
CH2Cl2中5%(v/v)p-メトキシチオフェノールの存在下における45秒間の10%(w/v)トリクロロ酢酸200μLの6回の適用;
CH2Cl2中20%(v/v)トリエチルシランの存在下における45秒間の5%(v/v)トリフルオロ酢酸200μLの6回の適用;
CH2Cl2中5%(v/v)p-メトキシチオフェノールおよび20%(v/v)トリエチルシランの存在下における45秒間の5%(v/v)トリフルオロ酢酸200μLの3回の適用;
CH2Cl2中5〜30%(v/v)トリエチルシランおよび/もしくはCH2Cl2における2〜10%p-メトキシチオフェノールの存在下における45秒間の5〜10%(w/v)トリクロロ酢酸200μLの3〜6回の適用;または
CH2Cl2中5〜30%(v/v)トリエチルシランおよび/もしくはCH2Cl2中2〜10%p-メトキシチオフェノールの存在下における45秒間の1〜10%(v/v)トリフルオロ酢酸200μLの3〜6回の適用である。
1つまたは複数の2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプトヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドホスホロチオエートの合成は、例えば、ユニバーサルリンカーで修飾された調節多孔ガラス(CPG)を支持体として用いた固相オリゴヌクレオチド合成によって実施し得る。この支持体に、酸性活性化物質としてテトラゾール誘導体を用いて、第1のヌクレオチド(DNAまたはLNAのいずれか)を対応するホスホロアミダイトとしてカップリングし得る。カップリング条件は、確実に反応を完了させるために10当量のホスホロアミダイトの使用ならびにトリプルカップリングを含む。得られたホスファイト中間体は次いでチオ酸化に供し得、ホスホロチオエート結合が生じる。未反応の可能性がある5'-ヒドロキシ基をアセチル化によってキャッピング後、このようにして固体支持体上に固定した保護モノヌクレオチドは次いでリボース糖の5'-ヒドロキシ基上のジメトキシトリチル保護基の酸促進性切断によって脱保護される。適切なホスホロアミダイト構成単位を用いたこの合成サイクルを順次繰り返して所望のオリゴヌクレオチド配列が蓄積される。2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプトヌクレオチドは、カップリング効率がより低いので、対応するホスホロアミダイトを4当量および各カップリング毎に15分間のカップリング時間を用いて10回カップリングさせることが好ましい。得られたチオホスファイト中間体は次いで、ヨウ素分子を2mM未満の濃度で用いて、対応するチオホスフェートまで酸化し得る。キャッピング工程後、上記に記載のようなジメトキシトリチル保護基の標準的な酸促進性除去で合成サイクルが終了する。
2',5'-ジデオキシ-5'-メルカプトヌクレオチドは、酸性活性化物質としてのテトラゾール誘導体の存在下で、トリプルカップリングおよび10当量のホスホロアミダイトを用いて導入される。得られたホスファイト中間体は、ヨウ素を用いて対応するホスフェートまで酸化されるか、またはチオ酸化に供されてホスホロチオエート結合が生じ、次にキャッピング工程を行う。ジメトキシトリチル保護基から5'-チオールを遊離するためには長時間の酸処理が必要である。次いで、このようにして得られた遊離5'-チオールは次のヌクレオチドへカップリングし得、チオホスファイト中間体が生じる。この中間体は次いで、ヨウ素分子を2mM未満の濃度で用いて対応するチオホスフェートまで酸化される。キャッピングおよび脱トリチル化して合成サイクルが終了する。
合成サイクルの繰り返しによって所望のオリゴヌクレオチド配列が蓄積されたら、それはアンモニア水溶液との処理によって、固体支持体から切断されかつ全体的に脱保護され得る。
これらの工程を、限定する性質ではない以下のスキームにおいて概略的に記載する。X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、およびNuは上記に定義したとおりである。
スキーム1
Figure 2019522026
スキーム2
Figure 2019522026
5'S-LNAモノマー(式(XII)の化合物、式中、Y2=Sであり、かつR2cおよびR4cが一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、または-CH2OCH2O-を形成する)は、スキーム3に示される手法に従って合成し得る。R3は上記に定義したとおりである。
スキーム3
Figure 2019522026
保護ヌクレオシドから出発して5'-ヒドロキシ基が酸処理によって遊離される。チオ安息香酸を求核剤として用いた光延反応によって5'-硫黄原子が導入され、次に、得られたチオエステルが加水分解される。遊離チオールの保護後、酸性活性化物質としてのテトラゾール誘導体の存在下における好適なホスホロジアミダイトによる3'-ヒドロキシ基のホスフィチル化によって所望のホスホロアミダイト構成単位が得られる。
ここで、限定する性質ではない以下の実施例により本発明を説明する。
実施例1
モノマーの合成 − 5'S-LNAモノマーの合成
CH2Cl2(150ml)中のCl3CCOOH(2.98g、18.23mmol)の溶液に、25℃のN-[9-(1-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル]ベンズアミド(10g、14.58mmol)を加えた。次いで反応混合物を3時間25℃で撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、得られた粗物質をコンビフラッシュ(CH2Cl2中10%MeOH)によって精製して、N-{9-[7-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5g、89%)を白色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=383.8 [M+H]+)。
無水THF(150.0mL)中のトリフェニルホスフィン(10.26g、39.13mmol)の氷***液にアゾジカルボン酸ジエチル(6.14mL、39.13mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。PhCOSH(4.62mL、39.13mmol)を反応混合物に滴下し、これを0℃でさらに30分間撹拌した。N-{9-[7-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5.0g、13.04mmol)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次に室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(120mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO3(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させて、N-(9-{1-[(ベンゾイルスルファニル)メチル]-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル}-9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(25g、粗物質)を黄色の粘稠な油状物として得た。(MS: (ESI): m/z=504.3 [M+H]+)。
NaOH水溶液(0.5M、238mL)とTHF-MeOH混合液(6:4、250mL)にアルゴンを30分間吹き込んだ。N-(9-{1-[(ベンゾイルスルファニル)メチル]-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル}-9H-プリン-6-イル)ベンズアミド(20g、粗物質)をアルゴン下でTHF-MeOHのアルゴンパージ溶液(6:4、250mL)に溶解し、0℃〜-5℃まで冷却した。この溶液にNaOH溶液(0.5M、238mL、119.16mmol)を加え、反応混合物を0°〜-5℃で30分間撹拌した。クエン酸溶液(30.04g、142.98mmol)を0℃で加えた。反応混合物を飽和NaHCO3溶液(300mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させて、N-{9-[7-ヒドロキシ-1-(スルファニルメチル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(20g、粗物質)をオフホワイト色の粘稠な油状物として得た。(MS: (ESI): m/z=400.2 [M+H]+)。
無水ピリジン(20mL、アルゴンパージ)中のN-{9-[7-ヒドロキシ-1-(スルファニルメチル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(20g、粗物質)の溶液に25℃のDMTrCl(5.09g、15.02mmol)を加え、反応混合物を25℃で4時間撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、反応混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈した。有機層を飽和NaHCO3溶液(100mL×2)に続いてブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をコンビフラッシュ(0.5%トリエチルアミンを含有するCH2Cl2中2%MeOH)によって精製して、N-{9-[1-({[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メチル]スルファニル}メチル)-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5g、3工程で68%)を淡黄色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=702.14 [M+H]+)。
5-エチルメルカプト-1H-テトラゾールの溶液(1.3g、9.97mmol、38.4mLの無水のアセトニトリル中0.25M溶液)をアルゴン下室温で、無水のCH2Cl2(120mL)中のN-{9-[1-({[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メチル]スルファニル}メチル)-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(3.5g、4.99mmol)の撹拌溶液に加え、次に2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(3.17mL、9.98mmol)を加えた。室温で4時間撹拌した後、反応混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(100mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をCH2Cl2(70mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物をコンビフラッシュ(DCM中10〜20%ACN)で精製して、不純物質(2.7g)を得た。同じプロトコールを用いて1.0gおよび2.5gの規模でさらに2つのバッチを実施し、それぞれ0.6gおよび2.5gの不純生成物を生じた。異なるバッチからこのようにして得た不純化合物を混合し再精製して、N-{9-[1-({[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メチル]スルファニル}メチル)-7-({[ビス(プロパン-2-イル)アミノ](2-シアノエトキシ)ホスファニル}オキシ)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5'-メルカプト-LNAアデノシンホスホロアミダイト、4.0g、44%)を白色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=901.6 [M+H]+)。
実施例2
5'-Sおよび3'-S DNAモノマーの合成
3'S DNAホスホロアミダイト
無水のTHF(2.0L)中のN-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド)(25g、38.01mmol)と4-ニトロ安息香酸(12.70g、76.02mmol)との氷***液にトリフェニルホスフィン(39.89g、152.04mmol)を加え、次にアゾジカルボン酸ジイソプロピル(30.74g、152.04mmol)を滴下し、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。揮発分を減圧下で除去して淡褐色で粘性の塊である粗化合物を得、これをコンビフラッシュ(ヘキサン中70〜90%EtOAc)で精製して、N-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(40g、粗物質)をオフホワイト色の固形物として生じた。(MS: (ESI): m/z=807.6 [M+H]+)。
無水のメタノール(500mL)中のN-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(40g、粗物質)の氷***液にアルゴン雰囲気下でK2CO3(6.85g、49.58mmol)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。揮発分を減圧下で除去して粗化合物を得、これを酢酸エチル(300mL)に溶解し、水(100mL)で洗浄した。水層をEtOAc(2×100mL)でさらに抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをコンビフラッシュ(EtOAc中5%MeOH)で精製して、N-{9-[(2R,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(13g、2工程後で52%)をオフホワイト色の固形物として生じた。(MS: (ESI): m/z=658.4 [M+H]+)。
無水のTHF(350mL)中のトリフェニルホスフィン(15.55g、59.30mmol)の氷***液にアゾジカルボン酸ジエチル(9.30mL、59.30mmol)を滴下し、反応混合物をアルゴン雰囲気下0℃で30分間撹拌した。チオ安息香酸(7.00mL、59.30mmol)を加え、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。無水のTHF(150mL)中のN-{9-[(2R,4R,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(13.0g、19.77mmol)の添加後、撹拌を0℃で3時間継続し、室温まで温め、25℃で16時間撹拌した。揮発分を減圧下で除去して粗化合物を得、これをコンビフラッシュ(0.5%トリエチルアミンを含有するヘキサン中50%酢酸エチル)によって精製して、N-{9-[(2R,4S,5R)-4-(ベンゾイルスルファニル)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(8.1g、53%)を黄色の固形物として生じた。(MS: (ESI): m/z=777.6 [M+H]+)。
NaOH水溶液(0.5M、38.5mL)とTHF-MeOH混合液(6:4、75mL)にアルゴンを30分間吹き込んだ。N-{9-[(2R,4S,5R)-4-(ベンゾイルスルファニル)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5.0g、6.43mmol)をアルゴン下でMeOH/THF溶液(75.0mL)に加え、0〜-5℃まで冷却した。この溶液に上記のNaOH溶液(38.5mL、19.28mmol)を加え、反応混合物を0〜-5℃で30分間撹拌した。0℃のクエン酸で中和後、飽和NaHCO3溶液を反応混合物に加え、溶液を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、N-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-スルファニルオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5.3g、粗物質)を淡黄色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=673.6 [M+H]+)。
5-エチルメルカプト-1H-テトラゾールの溶液(1.64g、12.62mmol、50.0mLの無水のアセトニトリル中0.25M溶液)をアルゴン雰囲気下室温で無水のCH2Cl2(80.0mL)中のN-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-スルファニルオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(8.5g、粗物質)の撹拌溶液に加え、次に2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(6.004mL、18.92mmol)を加え、反応混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(200mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をCH2Cl2(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをコンビフラッシュ(CH2Cl2中50%アセトニトリル)で精製して、N-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-({[ビス(プロパン-2-イル)アミノ](2-シアノエトキシ)ホスファニル}スルファニル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(3'-メルカプト-DNAアデノシンホスホロアミダイト、6.3g、2工程で70%)をオフホワイト色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=874.7 [M+H]+)。
5'S DNAホスホロアミダイト
CHCl3(300mL)中のN-{9-[(2R,4S,5R)-5-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(20g、30.41mmol)の氷***液にCHCl3(50ml)中のCl3CCOOH(2.48g、15.20mmol)の溶液を加えた。次いで反応混合物を2時間0℃で撹拌した。トリエチルアミン(8.5mL、60.82mmol)を加え、揮発分を減圧下で除去した。得られた粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中10%MeOH)によって精製した。このようにして得られた固形物を水で洗浄し、乾燥させてN-{9-[(2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(7g、65%)を白色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=356.0 [M+H]+)。
無水THF(200mL)中のトリフェニルホスフィン(10.33g、39.40mmol)の氷***液にアゾジカルボン酸ジエチル(6.18mL、39.40mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。PhCOSH(4.65mL、39.40mmol)を滴下し、撹拌を0℃でさらに30分間継続した。得られた反応混合物にN-{9-[(2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(7g、19.70mmol)を加えた。0℃で2時間撹拌した後、混合物を室温まで温め、25℃で2時間撹拌した。揮発分を減圧下で除去し、このようにして得られた粗化合物をコンビフラッシュ(CH2Cl2中2%MeOH)によって精製して、N-{9-[(2R,4S,5S)-5-[(ベンゾイルスルファニル)メチル]-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5g、53%)を淡黄色の粘稠な油状物として得た。(MS: (ESI): m/z=475.6 [M+H]+)。
NaOH水溶液(0.5M、25.25mL)とTHF-MeOH混合液(6:4、75mL)にアルゴンを30分間吹き込んだ。N-{9-[(2R,4S,5S)-5-[(ベンゾイルスルファニル)メチル]-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(2.0g、4.21mmol)をアルゴン下でTHF-MeOHのアルゴンパージ溶液(6:4、75mL)に溶解し、0〜-5℃まで冷却した。この溶液にNaOH溶液(0.5M、25.25mL、12.62mmol)を加え、反応混合物を0〜-5℃で30分間撹拌した。クエン酸を0℃で加えた(3.18g、15.14mmol)。飽和NaHCO3溶液(70mL)を反応混合物に加え、酢酸エチル(75mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させて、N-{9-[(2R,4S,5S)-4-ヒドロキシ-5-(スルファニルメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(1.9g、粗物質)を無色の粘稠な油状物として得た。(MS: (ESI): m/z=372.1 [M+H]+)。
無水のピリジン(10mL、アルゴンパージ)中のN-{9-[(2R,4S,5S)-4-ヒドロキシ-5-(スルファニルメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(1.9g、粗物質、ピリジンと共沸蒸留)の溶液に25℃のDMTrCl(1.56g、4.60mmol)を加え、反応混合物を25℃で4時間撹拌した。揮発分を減圧下で除去して粗化合物を得た。得られた粗物質をコンビフラッシュ(0.5%トリエチルアミンを含有するCH2Cl2中0.5%MeOH)によって精製して、N-{9-[(2R,4S,5S)-5-({[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メチル]スルファニル}メチル)-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(1.2g、2工程後で42%)をオフホワイト色の固形物として得た。(MS: (ESI): m/z=674.3 [M+H]+)。
5-エチルメルカプト-1H-テトラゾールの溶液(1.93g、14.84mmol、60mLの無水のアセトニトリル中0.25M溶液)をアルゴン下25℃で無水のCH2Cl2(120mL)中のN-{9-[(2R,4S,5S)-5-({[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メチル]スルファニル}メチル)-4-ヒドロキシオキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5g、7.42mmol)の撹拌溶液に加えた。得られた反応混合物に2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(4.71mL、14.84mmol)を加え、撹拌を25℃で4時間継続した。次いで、反応混合物をCH2Cl2(250mL)で希釈し飽和NaHCO3溶液(250mL)に注ぎ、有機層を分離し、水層をCH2Cl2(250mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗化合物を得、これをアミンシリカゲル(ヘキサン中80%CH2Cl2)によって精製して不純化合物(3.1g)を得、これを再び上記のように精製して所望のN-{9-[(2R,4S,5S)-5-({[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メチル]スルファニル}メチル)-4-({[ビス(プロパン-2-イル)アミノ](2-シアノメトキシ)ホスファニル}オキシ)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(5'-メルカプト-DNAアデノシンホスホロアミダイト、2.32g、36%)を白色の固体として得た。(MS: (ESI): m/z=874.8 [M+H]+)。
実施例3
オリゴヌクレオチドの合成における3'-S DNAモノマーの組み込み
オリゴヌクレオチドはBioautomationによる自動DNA合成装置MerMade12を用いて合成した。合成はユニバーサルリンカーを有する調節多孔ガラス(500Å)を用いて1μmol規模で行った。
DNAおよびLNAホスホロアミダイトのカップリングのための標準的なサイクル手法において、DMT脱保護は、CH2Cl2中3%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを3回30秒間適用して実施した。それぞれのホスホロアミダイトは、アセトニトリル(またはLNA-MeC構成単位には1:1のアセトニトリル/CH2Cl2)中0.1m溶液100μLおよび活性化物質としてのアセトニトリル中の5-(3,5-ビス(トリフルオロメチルフェニル))-1H-テトラゾールの0.1m溶液110μLを用いて、かつ、カップリング時間が180秒間で、3回カップリングした。チオ酸化のために、1:1のアセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液を用いた(3×190μL、55秒間)。8:1:1のTHF/ルチジン/Ac2O(CapA、75μmol)および8:2のTHF/N-メチルイミダゾール(CapB、75μmol)を用いて55秒間キャッピングを実施した。
2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプトホスホロアミダイトの組み込みのための合成サイクルは、CH2Cl2中3%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを3回30秒間適用したDMT脱保護を含んだ。ホスホロアミダイトカップリングは、カップリング時間が900秒間で、アセトニトリル中0.1M溶液40μLおよびアセトニトリル中の5-(3,5-ビス(トリフルオロメチルフェニル))-1H-テトラゾールの0.1M溶液44μLを用いて10回実施した。カップリング直後に、77:2:21のTHF/H2O/ピリジン中のヨウ素の2mM溶液200μLを6回50秒間適用することによって酸化を実施した。8:1:1のTHF/ルチジン/Ac2O(CapA、75μmol)および8:2のTHF/N-メチルイミダゾール(CapB、75μmol)で55秒間キャッピングを実施した。
核酸塩基保護基の除去、および固体支持体からの切断は、55℃の32%アンモニア水溶液を最低8時間用いた標準条件下で達成された。固相抽出カートリッジを用いるか、またはC18カラムを用いたRP-HPLC精製によってのいずれかで粗DMT含有オリゴヌクレオチドを精製し、次に80%酢酸水溶液およびエタノール析出でDMTを除去した。
実施例4
オリゴヌクレオチドの合成における5'-S-DNAモノマーの組み込み
オリゴヌクレオチドはBioautomationによる自動DNA合成装置MerMade12を用いて合成した。合成はユニバーサルリンカーを有する調節多孔ガラス(500Å)を用いて1μmol規模で行った。
DNAおよびLNAホスホロアミダイトのカップリングのための標準的なサイクル手法において、DMT脱保護は、CH2Cl2中3%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを3回30秒間適用して実施した。それぞれのホスホロアミダイトは、アセトニトリル(またはLNA-MeC構成単位には1:1のアセトニトリル/CH2Cl2)中0.1m溶液100μLおよび活性化物質としてのアセトニトリル中の5-(3,5-ビス(トリフルオロメチルフェニル))-1H-テトラゾールの0.1m溶液110μLを用いて、かつ、カップリング時間が180秒間で、3回カップリングした。チオ酸化のために、1:1のアセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液を用いた(3×190μL、55秒間)。8:1:1のTHF/ルチジン/Ac2O(CapA、75μmol)および8:2のTHF/N-メチルイミダゾール(CapB、75μmol)を用いて55秒間キャッピングを実施した。
2',5'-ジデオキシ-5'-メルカプトホスホロアミダイトの組み込みのための合成サイクルは、カップリング時間が180秒間で、アセトニトリル中0.1M溶液100μLおよびアセトニトリル中の5-(3,5-ビス(トリフルオロメチルフェニル))-1H-テトラゾールの0.1M溶液110μLを用いたホスホロアミダイト構成単位のカップリングを含んだ。トリプルカップリングを実施した。所望の配列に応じて、合成カラムを1:1のアセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液(3×190μL、55秒間)を用いたチオ酸化または77:2:21のTHF/H2O/ピリジン中のヨウ素の2mM溶液(6×200μL、55秒間)を用いた酸化のいずれかに供した。8:1:1のTHF/ルチジン/Ac2O(CapA、75μmol)および8:2のTHF/N-メチルイミダゾール(CapB、75μmol)を用いて55秒間キャッピングを実施した。DMT脱保護およびチオールの遊離は、CH2Cl2中3%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを15回30秒間適用して行った。上に記載の条件に従ったその後のホスホロアミダイト構成単位のカップリング後に、77:2:21のTHF/H2O/ピリジン中のヨウ素の2mM溶液(6×200μL、55秒間)を用いて酸化を実施した。
DMT脱保護およびチオールの遊離は、CH2Cl2中5〜30%(v/v)トリエチルシランおよび/またはCH2Cl2中2〜10%p-メトキシチオフェノールの存在下で、1〜10%(v/v)トリフルオロ酢酸または5〜10%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを45秒間3〜6回適用することでも有利に行われた。
核酸塩基保護基の除去、および固体支持体からの切断は、55℃の32%アンモニア水溶液を最低8時間用いた標準条件下で達成された。固相抽出カートリッジを用いるか、またはC18カラムを用いたRP-HPLC精製によってのいずれかで粗DMT含有オリゴヌクレオチドを精製し、次に80%酢酸水溶液およびエタノール析出でDMTを除去した。
実施例5
オリゴヌクレオチドの合成における5'-S-LNAモノマーの組み込み
オリゴヌクレオチドはBioautomationによる自動DNA合成装置MerMade12を用いて合成した。合成はユニバーサルリンカーを有する調節多孔ガラス(500Å)を用いて1μmol規模で行った。
DNAおよびLNAホスホロアミダイトのカップリングのための標準的なサイクル手法において、DMT脱保護は、CH2Cl2中3%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを3回30秒間適用して実施した。それぞれのホスホロアミダイトは、アセトニトリル(またはLNA-MeC構成単位には1:1のアセトニトリル/CH2Cl2)中0.1m溶液100μLおよび活性化物質としてのアセトニトリル中の5-(3,5-ビス(トリフルオロメチルフェニル))-1H-テトラゾールの0.1m溶液110μLを用いて、かつ、カップリング時間が180秒間で、3回カップリングした。チオ酸化のために、1:1のアセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液を用いた(3×190μL、55秒間)。8:1:1のTHF/ルチジン/Ac2O(CapA、75μmol)および8:2のTHF/N-メチルイミダゾール(CapB、75μmol)を用いて55秒間キャッピングを実施した。
2',5'-ジデオキシ-5'-メルカプトLNA-ホスホロアミダイトの組み込みのための合成サイクルは、カップリング時間が600秒間で、アセトニトリル中0.1M溶液100μLおよびアセトニトリル中5-(3,5-ビス(トリフルオロメチルフェニル))-1H-テトラゾールの0.1M溶液110μLを用いたホスホロアミダイト構成単位のカップリングを含んだ。トリプルカップリングを実施した。所望の配列に応じて、合成カラムを1:1のアセトニトリル/ピリジン中の3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンの0.1M溶液(3×190μL、55秒間)を用いたチオ酸化または77:2:21のTHF/H2O/ピリジン中のヨウ素の2mM溶液(6×200μL、55秒間)を用いた酸化のいずれかに供した。8:1:1のTHF/ルチジン/Ac2O(CapA、75μmol)および8:2のTHF/N-メチルイミダゾール(CapB、75μmol)を用いて55秒間キャッピングを実施した。DMT脱保護およびチオールの遊離は、CH2Cl2中3%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを15回30秒間適用して行った。上に記載の条件に従ったその後のホスホロアミダイト構成単位のカップリング後に、77:2:21のTHF/H2O/ピリジン中のヨウ素の2mM溶液(6×200μL、55秒間)を用いて酸化を実施した。
DMT脱保護およびチオールの遊離は、CH2Cl2中5〜30%(v/v)トリエチルシランおよび/またはCH2Cl2中2〜10%p-メトキシチオフェノールの存在下で、1〜10%(v/v)トリフルオロ酢酸または5〜10%(w/v)トリクロロ酢酸200μLを45秒間3〜6回適用することでも有利に行われた。
核酸塩基保護基の除去、および固体支持体からの切断は、55℃の32%アンモニア水溶液を最低8時間用いた標準条件下で達成された。固相抽出カートリッジを用いるか、またはC18カラムを用いたRP-HPLC精製によってのいずれかで粗DMT含有オリゴヌクレオチドを精製し、次に80%酢酸水溶液およびエタノール析出でDMTを除去した。
実施例6
3'-Sオリゴヌクレオチド
上記に概説した一般的手法に従って以下の分子を調製した。
Figure 2019522026
Figure 2019522026
Figure 2019522026
agctは2',3'-ジデオキシ-3'-メルカプト修飾を表す。
A、G、mC、TはLNAヌクレオチドを表す。
a、g、c、tはDNAヌクレオチドを表す。
すべてのオリゴヌクレオチドは完全なホスホロチオエート(一方の末端にまたは3'位に硫黄原子を有する)として調製した。
実施例7
5'-Sオリゴヌクレオチド
上記に概説した一般的手順に従って以下の分子を調製した。
Figure 2019522026
agctは2',5'-ジデオキシ-5'-メルカプト修飾を表す。
A、G、mC、TはLNAヌクレオチドを表す。
a、g、c、tはDNAヌクレオチドを表す。
すべてのオリゴヌクレオチドは完全なホスホロチオエート(一方の末端にまたは5'位に硫黄原子を有する)として調製した。

Claims (45)

  1. 式(I)
    Figure 2019522026
    の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドの製造のための方法であって、
    該方法が、式(II)
    Figure 2019522026
    のヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドをヨウ素の存在下で反応させる工程を含み、ヨウ素の濃度が約0.001M〜約0.01Mであり;かつ
    式中、R1はホスフェート保護基である、方法。
  2. 少なくとも1つの式(I)または(II)の非キラルホスホロチオエートヌクレオチド間結合の硫黄原子が、前記オリゴヌクレオチドの隣接ヌクレオシドの3'炭素原子または5'炭素原子に連結している、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドが、式(III)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含み、
    式中、
    X1は酸素または硫黄であり;
    Y1は酸素または硫黄であるが;
    但し、X1およびY1は両方が同時に硫黄ではなく;
    各R1は独立して、請求項1に定義したとおりであり;
    R2aは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
    R4aは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
    または、R2aおよびR4aは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成するが;
    但し、Y1が硫黄である場合、R4aは水素であり;
    R2bは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、またはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
    R3はヒドロキシル保護基であり;
    各Rpは独立してアルキルであり;かつ
    各Nuは独立して核酸塩基である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1に定義した式(II)のヌクレオシド間結合を含む前記オリゴヌクレオチドが、式(IV)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含み、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、およびNuは請求項3に定義したとおりである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 式(V)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項3に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドを酸の存在下で反応させ、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R4a、およびNuは請求項3に定義したとおりである、請求項3または4に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(VII)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項5に定義した式(V)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドを式(VI)
    Figure 2019522026
    の化合物の存在下で反応させ、
    式中、
    Y2は酸素または硫黄であり;
    R2cは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
    R4cは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
    または、R2cおよびR4cは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成するが;
    但し、Y2が硫黄である場合、R4cは水素であり;
    R5はジアルキルアミノであり;
    各Rpは独立してアルキルであり;かつ
    X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、およびNuは請求項3に定義したとおりである、請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(VIII)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項6に定義した式(VII)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドをチオ酸化物質またはヨウ素の存在下で反応させ、ヨウ素の濃度が約0.001M〜約0.01Mであり、
    式中、
    X2は酸素または硫黄であり;
    Y2は酸素または硫黄であるが;
    但し、X2およびY2は両方が同時に硫黄ではなく;かつ
    X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、およびNuは請求項3に定義したとおりであり、かつR2cおよびR4cは請求項6に定義したとおりである、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項6に定義した式(VII)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドを、Y2が酸素である場合にはチオ酸化物質の存在下で反応させる、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項6に定義した式(VII)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドを、Y2が硫黄である場合にはヨウ素の存在下で反応させる、請求項7に記載の方法。
  10. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドが、式(IX)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含み、
    式中、
    X1は酸素または硫黄であり;
    Y1は酸素または硫黄であり;
    各R1は独立して、請求項1に定義したとおりであり;
    R2aは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
    R4aは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
    または、R2aおよびR4aは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成し;
    R2bは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
    R4bは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
    または、R2bおよびR4bは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成し;
    R3はヒドロキシル保護基またはチオヒドロキシル保護基であり;
    各Rpは独立してアルキルであり;かつ
    各Nuは独立して核酸塩基である、請求項1または2に記載の方法。
  11. 請求項1に定義した式(II)のヌクレオシド間結合を含む前記オリゴヌクレオチドが、式(X)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含み、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R3、R4a、R4b、およびNuは請求項10に定義したとおりである、請求項1、2、および10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 式(XI)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項10に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドを酸の存在下で反応させ、式中、X1、Y1、R1、R2a、R2b、R4a、R4b、およびNuは請求項10に定義したとおりである、請求項10または11に記載の方法。
  13. 請求項1に記載の式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(XIII)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項12に定義した式(XI)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドを式(XII)
    Figure 2019522026
    の化合物の存在下で反応させ、
    式中、
    Y2は酸素または硫黄であり;
    R2cは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、-NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アジド、-SH、-CN、-CF3、-OCF3、アルキルスルファニルアルコキシ、アミノオキシアルコキシ、アルキルアミノオキシアルコキシ、ジアルキルアミノオキシアルコキシ、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、もしくはジアルキルアミノカルボニルアルコキシであり;
    R4cは水素もしくはヒドロキシアルキルであるか;
    または、R2cおよびR4cは一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2OCH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、もしくは-CH2OCH2O-を形成し;
    R3はヒドロキシル保護基またはチオヒドロキシル保護基であり;
    R5はジアルキルアミノであり;
    各Rpは独立してアルキルであり;かつ
    X1、Y1、R1、R2a、R2b、R4a、R4b、およびNuは請求項10に定義したとおりである、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含み式(XIV)
    Figure 2019522026
    のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項13に定義した式(XIII)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドをチオ酸化物質またはヨウ素の存在下で反応させ、ヨウ素の濃度が約0.001M〜約0.01Mであり、
    式中、
    Y1は酸素または硫黄であり;
    X2は酸素または硫黄であるが;
    但し、Y1およびX2は両方が同時に硫黄ではなく;かつ
    X1、Y2、R1、R2a、R2b、R2c、R3、R4a、R4b、R4c、およびNuは請求項13に定義したとおりである、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項13に定義した式(XIII)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドを、Y1が酸素である場合にはチオ酸化物質の存在下で反応させる、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項13に定義した式(XIII)のフラグメントを含む前記オリゴヌクレオチドを、Y1が硫黄である場合にはヨウ素の存在下で反応させる、請求項14に記載の方法。
  17. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドが、式(I)のヌクレオシド間結合を1〜8個、好ましくは式(I)のヌクレオシド間結合を1〜6個含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ヨウ素の濃度が、約0.001M〜約0.005M、好ましくは約0.002M〜約0.005Mである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. R1がシアノエチルである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ヒドロキシル保護基または前記チオヒドロキシル保護基がビス-(4-メトキシ-フェニル)-フェニル-メチルである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. R5がジイソプロピルアミノである、請求項6〜9および13〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 各Nuが独立して、アデニン、チミン、ウラシル、グアニン、およびシトシンより選択される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドが、固相合成用の固体支持体に結合している、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記酸がジクロロ酢酸またはトリクロロ酢酸である、請求項5〜9および12〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 請求項6または13に記載の反応が、オリゴヌクレオチド合成活性化物質の存在下で行われる、請求項6または13に記載の方法。
  26. 前記オリゴヌクレオチド合成活性化物質が5-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-テトラゾールである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記チオ酸化物質が3-アミノ-1,2,4-ジチアゾール-5-チオンである、請求項7または14に記載の方法。
  28. 請求項1に定義した式(II)のヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドをヨウ素の存在下で反応させる前記工程の後にキャッピング工程が続く、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 式(XV)
    Figure 2019522026
    の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドに至るように、請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドのホスフェート保護基R1を除去する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. アンモニア、水酸化アンモニウム、または水酸化アンモニウムとメチルアミンとの混合物の存在下における、請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドの反応によって、前記ホスフェート保護基R1を除去する、請求項29に記載の方法。
  31. ヒドロキシル保護基またはチオヒドロキシル保護基を除去するように、請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む前記オリゴヌクレオチドを酸の存在下で反応させる、請求項1〜4、6〜11、および13〜29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法に従って製造されたオリゴヌクレオチド。
  33. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含みヌクレオチドを7〜31個含む、オリゴヌクレオチド。
  34. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドであって、
    少なくとも1つの式(I)のホスホロチオエートヌクレオチド間結合の硫黄原子が、該オリゴヌクレオチドの隣接ヌクレオシドの3'炭素原子または5'炭素原子に連結している、オリゴヌクレオチド。
  35. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドであって、
    該オリゴヌクレオチドが、式(XVI)
    Figure 2019522026
    のヌクレオチドを少なくとも1つ含み、
    式中、
    Xは酸素または硫黄であり;
    R2およびR4は一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2-O-CH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、または-CH2OCH2O-を形成し;
    各Rpは独立してアルキルであり;かつ
    Nuは核酸塩基である、オリゴヌクレオチド。
  36. 請求項1に定義した式(I)の非キラルホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドであって、
    該オリゴヌクレオチドが、式(XVII)
    Figure 2019522026
    のヌクレオチドを少なくとも1つ含み、
    式中、
    Xは酸素または硫黄であり;
    R2およびR4は一緒になって、-CH2O-、-CH2NH-、-CH2S-、-CH2N(ORp)-、-CHCH3O-、-C(CH3)2O-、-CH2C(=CH2)-、-CHCH3C(=CH2)-、-CHCH3S-、-CH2NRp-、-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2-O-CH2-、-CH(CH2OCH3)O-、-CH(CH2CH3)O-、または-CH2OCH2O-を形成し;
    各Rpは独立してアルキルであり;かつ
    Nuは核酸塩基である、オリゴヌクレオチド。
  37. 請求項1に定義した式(I)のヌクレオシド間結合を少なくとも2つ含む、請求項32〜36のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
  38. 請求項1に定義した式(I)のヌクレオシド間結合を少なくとも2つまたは少なくとも3つ含む、請求項32〜37のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
  39. LNAヌクレオシドを少なくとも1つ含む、請求項32〜38のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
  40. 糖修飾ヌクレオシドを少なくとも1つ含む、請求項32〜39のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
  41. 少なくとも1つの前記糖修飾ヌクレオシドが独立して親和性増大2'糖修飾ヌクレオシドより選択される、請求項40に記載のオリゴヌクレオチド。
  42. 少なくとも1つの前記糖修飾ヌクレオシドが独立して、2'-アルコキシ-RNA、2'-アルコキシアルコキシ-RNA、2'-アミノ−DNA、2'-フルオロ-RNA、2'-フルオロ−ANAヌクレオシド、およびLNAヌクレオシドより選択される、請求項40または41に記載のオリゴヌクレオチド。
  43. 請求項32〜42のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドを含む、薬学的組成物。
  44. オリゴヌクレオチドにおけるDMTで保護された5'-S DNAもしくは5'-S LNAモノマーのまたはDMTで保護された末端5'-S DNAもしくは5'S-LNAヌクレオシドの、酸およびカチオンスカベンジャーによるDMT脱保護。
  45. 以上に記載の発明。
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