JP2019519573A - がんを処置するための方法 - Google Patents
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Abstract
式Aを有する化合物および式Bを有する化合物、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに式Cを有する化合物、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法、ならびにそれらを含むキット。
Description
本出願は、2016年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/355,410号、2017年5月16日に出願された米国仮特許出願第62/506,929号、および2017年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/514,059号の優先権の利益を米国特許法§119の下で主張し、これらの出願の内容は本明細書においてそれらの全体が参照として援用される。
本明細書では、被験体におけるがんを処置するための方法であって、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびにキナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が開示される。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤から選択される少なくとも1種の第1の化合物は、例えば、式Aを有する化合物:
、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤から選択される少なくとも1種の第1の化合物は、例えば、式Bを有する化合物:
、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。
ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種の第2の化合物は、例えば、式Cを有する化合物:
、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。
National Cancer Instituteは、2016年には米国において1,685,210件の新しいがんの症例が診断され、595,690名がこの疾患により死亡すると推定している。最も一般的ながんは、乳がん、肺および気管支がん、前立腺がん、結腸および直腸がん、膀胱がん、皮膚の黒色腫、非ホジキンリンパ腫、甲状腺がん、腎臓および腎盂がん、白血病、子宮内膜がん、ならびに膵臓がんであると予測される。手術、放射線療法、および化学療法による、がんのある特定の形態の処置は進歩しているにもかかわらず、多くの種類のがんは、本質的に治癒不能である。特定のがんに対して有効な処置が利用可能な場合でも、このような処置の副作用は、患者のクオリティオブライフに著しい有害な影響を及ぼすおそれがある。
ほとんどの従来の化学療法剤は、毒性を有しており、特に進行性固形腫瘍を有する患者に対して限られた有効性しかない。従来の化学療法剤は、健康な非がん性細胞ならびにがん性細胞のどちらに対しても細胞傷害性を引き起こす。これらの化学療法化合物の治療指数(すなわち、がん性細胞と正常細胞を区別する治療能力の尺度)は、非常に低い場合がある。しばしば、がん細胞を死滅させるのに有効な化学療法薬の用量は、正常細胞、特に頻繁に細胞***する正常細胞(例えば、上皮細胞および骨髄細胞)も死滅させる。正常細胞が化学療法に供される場合、しばしば、脱け毛、貧血および免疫不全を引き起こす造血抑制、ならびに悪心などの副作用が生じる。患者の全体的な健康状態に応じて、このような副作用は、それらが一緒になって化学療法の投与を妨げるおそれがあり、または少なくとも、がん患者に、クオリティオブライフを低下させる著しい不快感を与えるおそれがある。腫瘍退縮を伴って化学療法に応答するがん患者であっても、がんは、化学療法への初期の応答後にしばしば急速に再燃し、進行し、また、転移によって伝播する。このような再発性がんは、しばしば、化学療法処置の追加のラウンドに対して高度に不応性である。
進行性肝細胞癌(hepatocarcinoma)(HCC)は、疾患の化学療法抵抗性、現在利用可能な全身化学療法剤の毒性プロファイル、ならびにHCC患者の全体的な健康状態の不良および根本的な肝機能障害が原因で、依然として大きな臨床的難題のままである。Sorafenib Hepatocellular Carcinoma Assessment Protocol(SHARP)治験は、依然として唯一の、進行性の切除不能HCCを有する患者における統計的に有意な延命効果を実証するための全身化学療法剤のランダム化対照治験である。この研究では、602名の患者が、ソラフェニブ(400mg、1日2回)またはプラセボを受けるようにランダムに割り当てられた。処置群(arm)では、10.7カ月の全生存率(OS)の中央値が観察され、これと比較して、プラセボでは7.9カ月であった。ソラフェニブ群およびプラセボ群についての腫瘍の進行までの時間(TTP)は、それぞれ5.5カ月および2.8カ月であった。
ソラフェニブ単独療法で実現される利益は重要なものであるが、規模が大きくない。多くの患者では疾患制御が生じず、また、疾患制御は、治療で疾患制御が実現された患者においても一時的なものであり得る。残念ながら、より有効であることが証明された他の薬剤は存在しない。他のレジメン(例えば、FOLFOX、ブリバニブ、スニチニブおよびリニファニブ)を用いた最近の第III相治験は、すべて、ソラフェニブ単独での処置と比較したOSの統計的に有意な改善を実証することに失敗している。
ソラフェニブとそれに加えて追加の薬剤またはレジメンを使用した組合せ治療の研究も複数なされている。しかし、第III相、ピボタルの状況でさらに評価するのに十分にロバストであることが証明された組合せはわずかである。第III相治験で評価されたもの、例えばブリバニブ、FOLFOX、およびエルロチニブなどは、ソラフェニブ単独に対する優位性を示すことができなかった。BRISK−FL研究では、毒性の増大およびより劣るクオリティオブライフが観察され、ならびに5−FUまたは5−FU誘導体による治療を用いた組合せ研究では手足症候群の発生率の上昇が観察された。HCCの活性的な全身治療に対する巨大なまだ対処されていない医学的必要性が存在する。
がん幹細胞(CSC)または高い幹細胞性を有するがん細胞(高幹細胞性がん細胞)は、急速な腫瘍再発および抵抗性に寄与すると考えられる。CSCは、少なくとも以下の4つの特性を有すると考えられる:
1.幹細胞性
本明細書で使用される場合、「幹細胞性」は、自己複製し、がん細胞に形質転換する幹細胞集団の能力を意味する(Gupta PBら、Nat. Med. 2009年;15巻(9号):1010〜1012頁)。CSCは、腫瘍における全がん細胞集団のごくわずかな割合を形成するが(Clarke MF、Biol. Blood Marrow Transplant. 2009年;11巻(2号、付録2):14〜16頁)、腫瘍の大半を構成する、分化したがん細胞の不均一な系列を生じる(Guptaら、2009年を参照のこと)。さらに、CSCは、転移によって体内の他の部位に伝播し、そこで新しい腫瘍の成長を結実する能力を有する(Jordan CTら、N. Engl. J. Med. 2006年;355巻(12号):1253〜1261頁)。
本明細書で使用される場合、「幹細胞性」は、自己複製し、がん細胞に形質転換する幹細胞集団の能力を意味する(Gupta PBら、Nat. Med. 2009年;15巻(9号):1010〜1012頁)。CSCは、腫瘍における全がん細胞集団のごくわずかな割合を形成するが(Clarke MF、Biol. Blood Marrow Transplant. 2009年;11巻(2号、付録2):14〜16頁)、腫瘍の大半を構成する、分化したがん細胞の不均一な系列を生じる(Guptaら、2009年を参照のこと)。さらに、CSCは、転移によって体内の他の部位に伝播し、そこで新しい腫瘍の成長を結実する能力を有する(Jordan CTら、N. Engl. J. Med. 2006年;355巻(12号):1253〜1261頁)。
2.異常なシグナル伝達経路
CSC幹細胞性は、転移する能力の一因となり得る、シグナル伝達経路の調節不全にも関連し得る。正常な幹細胞では、幹細胞性シグナル伝達経路はしっかりと制御され、遺伝的にインタクトである。対照的に、CSCにおける幹細胞性シグナル伝達経路の異常な調節は、これらの細胞の制御の効かない自己複製およびがん細胞へのそれらの形質転換において重要な役割を果たす(Ajaniら、Semin. Oncol.(2015年)42巻、補遺1:S3〜17頁を参照のこと)。幹細胞性シグナル伝達経路の調節不全は、化学療法および放射線療法に対するCSC抵抗性ならびにがんの再発および転移にも寄与する。CSCにおける幹細胞特性の誘導および維持に関与する例示的な幹細胞性シグナル伝達経路は、それらに限定されるものではないが、ヤヌスキナーゼ/シグナル伝達兼転写活性化因子(JAK/STAT)、Hedgehog(Desert(DHH)、Indian(IHH)、およびSonic(SHH))/PATCHED/(PTCH1)/SMOOTHENED(SMO)、NOTCH/DELTA−LIKE(DLL1、DLL3、DLL4)/JAGGED(JAG1、JAG2)/CSL(CBF1/Su(H)/Lag−1)、WNT/APC/GSK3/β−カテニン/TCF4およびNANOG(Boman BMら、J. Clin. Oncol. 2008年;26巻(17号):2828〜2838頁)を含む。
CSC幹細胞性は、転移する能力の一因となり得る、シグナル伝達経路の調節不全にも関連し得る。正常な幹細胞では、幹細胞性シグナル伝達経路はしっかりと制御され、遺伝的にインタクトである。対照的に、CSCにおける幹細胞性シグナル伝達経路の異常な調節は、これらの細胞の制御の効かない自己複製およびがん細胞へのそれらの形質転換において重要な役割を果たす(Ajaniら、Semin. Oncol.(2015年)42巻、補遺1:S3〜17頁を参照のこと)。幹細胞性シグナル伝達経路の調節不全は、化学療法および放射線療法に対するCSC抵抗性ならびにがんの再発および転移にも寄与する。CSCにおける幹細胞特性の誘導および維持に関与する例示的な幹細胞性シグナル伝達経路は、それらに限定されるものではないが、ヤヌスキナーゼ/シグナル伝達兼転写活性化因子(JAK/STAT)、Hedgehog(Desert(DHH)、Indian(IHH)、およびSonic(SHH))/PATCHED/(PTCH1)/SMOOTHENED(SMO)、NOTCH/DELTA−LIKE(DLL1、DLL3、DLL4)/JAGGED(JAG1、JAG2)/CSL(CBF1/Su(H)/Lag−1)、WNT/APC/GSK3/β−カテニン/TCF4およびNANOG(Boman BMら、J. Clin. Oncol. 2008年;26巻(17号):2828〜2838頁)を含む。
3.従来の治療に対する抵抗性
残念ながら、化学療法および放射線処置に初期に応答するがんは、しばしば、これらの従来の治療に対して抵抗性の形態で再燃する。このような抵抗性の根本的な詳細な機構は十分には理解されていないが、腫瘍の微小環境に関しては(Borovski T.ら、Cancer Res.2011年:71巻(3号):634〜639頁)、CSC幹細胞性シグナル伝達経路の異常な調節(Bomanら、2008年を参照のこと)が、このような抵抗性の獲得において重要な役割を果たす可能性がある。
残念ながら、化学療法および放射線処置に初期に応答するがんは、しばしば、これらの従来の治療に対して抵抗性の形態で再燃する。このような抵抗性の根本的な詳細な機構は十分には理解されていないが、腫瘍の微小環境に関しては(Borovski T.ら、Cancer Res.2011年:71巻(3号):634〜639頁)、CSC幹細胞性シグナル伝達経路の異常な調節(Bomanら、2008年を参照のこと)が、このような抵抗性の獲得において重要な役割を果たす可能性がある。
4.腫瘍の再発および転移に寄与する能力
化学療法および放射線では、腫瘍内の大多数の急速に***しているがん細胞は死滅するが、CSCは死滅せず、抵抗性を獲得することによって生存する(Jordanら、2006年を参照のこと)。放射線/化学療法抵抗性のCSCはまた、体内の異なる部位に転移し、これらの場所で微小環境との相互作用を通じて幹細胞性を維持し、それにより、転移性腫瘍成長の伝播を可能にする能力も獲得し得る(Bomanら、2008年を参照のこと)。興味深いことに、このCSCの増強された腫瘍原性は、CD44、CD133、およびCD166のような細胞表面マーカーなどの、成体幹細胞において通常発現する遺伝子の発現と相関する。
化学療法および放射線では、腫瘍内の大多数の急速に***しているがん細胞は死滅するが、CSCは死滅せず、抵抗性を獲得することによって生存する(Jordanら、2006年を参照のこと)。放射線/化学療法抵抗性のCSCはまた、体内の異なる部位に転移し、これらの場所で微小環境との相互作用を通じて幹細胞性を維持し、それにより、転移性腫瘍成長の伝播を可能にする能力も獲得し得る(Bomanら、2008年を参照のこと)。興味深いことに、このCSCの増強された腫瘍原性は、CD44、CD133、およびCD166のような細胞表面マーカーなどの、成体幹細胞において通常発現する遺伝子の発現と相関する。
CSCの生存は、化学療法および/または放射線を用いた処置後にがんが再燃する主な理由であり得るので、CSCの異常なシグナル伝達経路を特異的に標的とする抗がん治療は、腫瘍転移を予防し、もはや従来の治療を使用して処置できない再発疾患を有する患者に対して実行可能な処置選択肢をもたらすために役立ち得る。したがって、このような手法により、がん患者、特に転移性疾患に罹患している患者の生存およびクオリティオブライフを改善することができる。この未開発の潜在的可能性を解き放つには、CSCの自己複製および生存のために不可欠な経路の同定および検証が必要になる。胚性または成体幹細胞の増殖および分化を調節する多くのシグナル伝達経路が公知であるが、これらの同じ経路ががん幹細胞の自己複製および生存に必要であるかどうかについては不明のままである。
転写因子であるシグナル伝達兼転写活性化因子3(急性期応答因子、APRF、DNA結合タンパク質APRF、ADMIO3、HIESとしても公知であり、本明細書ではSTAT3と呼ばれる)は、STAT5aおよびSTAT5bを含めた、7種の転写因子、STAT1〜STAT6のファミリーのメンバーである。STATは、受容体関連チロシンキナーゼ様ヤヌスキナーゼ(JAK)によって、またはPDGFR、EGFR、FLT3、EGFR、ABL、KDR、c−METもしくはHER2などの内因性チロシンキナーゼ活性を有する受容体によってのいずれかで活性化される。受容体関連キナーゼによってチロシンがリン酸化されると、リン酸化STATタンパク質(「pSTAT」)は、ホモ二量体またはヘテロ二量体として二量体化し、細胞質から核へと移行し、そこで標的遺伝子のプロモーターの特異的DNA応答エレメントに結合し、遺伝子発現を誘導する。STAT2、4および6は、主に免疫応答を調節し、STAT3は、STAT1およびSTAT5と共に、細胞周期を制御する遺伝子(サイクリンD1、D2、およびc−MYC)、細胞生存を制御する遺伝子(BCL−XL、BCL−2、MCL−1)、および血管新生を制御する遺伝子(HIF1α、VEGF)の発現を調節する(Furqanら、Journal of Hematology & Oncology(2013年)6巻:90頁)。
正常細胞では、STAT3活性化は、一過性であり、厳密に調節され、例えば約30分間から数時間継続する。しかし、主な癌腫のすべてならびに一部の血液学的腫瘍を含めた多種多様なヒトのがんでは、STAT3は異常活性になることが見出されている。持続的に活性なSTAT3は、すべての乳がんおよび肺がん、ならびに結腸直腸がん(CRC)、卵巣がん、肝細胞癌、多発性骨髄腫の半分よりも多くに存在し、すべての頭部/頸部がんの95%よりも多くに存在する。したがって、STAT3は、がんの進行において中心的な役割を果たすと思われ、がん細胞が薬物耐性を獲得する主要な機構の1つであり得る。STAT3は、それらに限定されるものではないが、BCL−XL、c−MYC、サイクリンD1、VEGF、MMP−2、およびサバイビンを含めた、細胞周期、細胞生存、発癌、腫瘍浸潤、および転移に関与する遺伝子を標的とする強力な転写調節因子である。STAT3はまた、腫瘍免疫監視および免疫細胞動員の非常に重要な負の調節因子でもある。したがって、STAT3は、広範ながんにわたって、CSCの生存および自己複製能を可能にし得る。例えば、STAT3阻害を通じた、CSCに対する活性を有する医薬化合物は、進行疾患を有するがん患者に対する処置選択肢として非常に有望である。
ある特定の実施形態では、式Aを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、例えば、CSCの成長および生存の阻害剤であり得る。米国特許第8,877,803号には、STAT3経路活性を約0.25μMの細胞IC50で阻害する、式Aを有する化合物が記載されている。米国特許第8,877,803号の実施例13には、少なくとも1種の式Aを有する化合物を合成する例示的な方法が提示されている。ある特定の実施形態では、式Aを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、例えば、がんを処置するための方法において使用することができる。PCT特許出願第PCT/US2014/033566号の実施例6では、式Aを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物が、進行がんを有する患者に対する臨床治験に入るために選択された。米国特許第8,877,803号およびPCT特許出願第PCT/US2014/033566号の開示は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
タンパク質キナーゼは、細胞成長、細胞増殖、細胞分化、および代謝を含めた多種多様な細胞プロセスを調節する酵素のファミリーである。タンパク質キナーゼは、経路パートナーの逐次的なリン酸化を通じて細胞成長シグナルを伝達する。したがって、所与のシグナルトランスダクションカスケード上の任意のキナーゼの薬理的阻害により、経路全体に沿った伝達が遮断され得る。さらに、タンパク質キナーゼは、病状および障害において役割を果たすことが公知であり、例えば、多くのがんにおいてキナーゼ変異および/またはキナーゼの過剰発現が頻繁に存在し、その結果、しばしば、制御の効かない細胞成長と相関する、過剰活性化された活性がもたらされる。したがって、がん幹細胞経路キナーゼ(CSCPK)は、様々ながんの処置のための重要な治療標的である(例えば、米国特許第8,299,106号を参照のこと)。CSCPKの非限定的な例としては、STK33、MELK、AXL、p70S6K、およびPDGFRαが挙げられる。
受容体チロシンキナーゼ(RTK)であるCSCPK PDGFRαのPDGFリガンドによる活性化により、細胞増殖、血管新生、およびアポトーシスのために必要な遺伝子発現を活性化するシグナルトランスダクションカスケードがトリガーされる。PDGFRαは、CFS−1受容体/c−fmsおよび幹細胞増殖因子/c−kit癌原遺伝子ファミリーと関連するクラスIII受容体チロシンキナーゼである。初期胎児発生において活性なPDGFRα経路は、肝細胞がん(HCC)、頭頸部がん、脳腫瘍、胃腸腫瘍、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、乳がん、肉腫、および白血病を含めた多くのがんにおいても再活性化される。さらに、PDGFRα活性化は、前立腺がんの骨転移において重要な役割を果たすことが最近示された。モノクローナル抗体を使用してPDGFRαを特異的に標的化することにより、最小の毒性で腫瘍細胞の増殖および生存の著しい低減が導かれる。PDGFRαシグナル伝達の妨害は、広範ながんを最小の毒性で処置するための実行可能な標的であり得る。
CSCPK STK33またはヒトセリン/トレオニンキナーゼ33は、Ca2+/カルモジュリン依存性キナーゼファミリー(CAMK)のメンバーである。正常な生物学におけるその機能は十分には理解されていないが、STK33は、ビメンチンのリン酸化を通じて、中間のフィラメント細胞骨格の動的挙動において特異的な役割を果たし得る。STK33ノックダウンにより、腫瘍関連遺伝子の発現が低減し、細胞遊走、浸潤、およびEMTが阻害され、STK33が、がんに関与するシグナル伝達経路のメディエーターである可能性が示される。例えば、STK33は、下咽頭扁平上皮癌(HSCC)の腫瘍発生および進行に関係づけられている(Huangら、BMC Cancer.(2015年)15巻:13頁)。
母性胚性ロイシンジッパーキナーゼ(またはMELK)は、細胞周期の調節、幹細胞の自己複製、アポトーシスおよびスプライシングの調節に関与するセリン/トレオニン−CSCPKである。MELKは、広範な基質特異性を有する。例えば、MELKは、MAP3K5/ASK1をリン酸化し、活性化することによってアポトーシスの活性化因子として作用する。MELKはまた、有糸***中の中心体および紡錘体極へのCDC25Bの局在をトリガーするCDC25Bのリン酸化により、細胞周期を調節する。MELKはまた、BCL2L14をリン酸化し、阻害し、このことから、BCL2L14のアポトーシス促進機能を阻害することによる***での発癌において役割を果たす可能性が示される。
CSCPK AXL受容体チロシンキナーゼ(またはAXL)は、Tyro3−Axl−Mer(TAM)受容体チロシンキナーゼサブファミリーのメンバーである。コードされるタンパク質は、N末端における2つの免疫グロブリン様(IgL)モチーフ、その後の2つのフィブロネクチンIII型モチーフ(FNIII)で構成される細胞外ドメインを有する。これは、ビタミンK依存性タンパク質成長停止特異的6(Gas6)に結合することにより、細胞外マトリックスから細胞質中にシグナルを伝達する。AXLの下方制御により、脳腫瘍の細胞成長および浸潤が抑制される(Vajkoczyら、Proc. Natl. Acad. Sci. U S A.、2006年11月;103巻(15号):5799〜804頁)。したがって、AXLは、運動性の潜在的なメディエーターであり、乳がん細胞の侵襲性を制御し得る(Zhangら、Cancer Res.(2008年)15;68巻(6号):1905〜15頁)。
p70S6K(またはp70 S6キナーゼ)は、PI3K/Akt/mTOR/P70S6Kシグナル伝達経路の一部である、セリン/トレオニンCSCPKである。p70S6Kの活性化により、S6リボソームタンパク質のリン酸化がトリガーされ、タンパク質合成が誘導される。p70 S6キナーゼ(p70S6K)は、悪性度が高い悪性ヒト卵巣がんにおいて頻繁に活性化され、このことから、転移において役割を果たす可能性が示される。
ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、例えば、CSCPKの阻害剤(例えば、化合物BBI503)であり得る。米国特許第8,299,106号に開示されている通り、式Bの化合物は、CSCの増殖および/または生存を阻害する。米国特許第8,299,106号の実施例1〜5には、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物を合成する例示的な方法がさらに提示されている。米国特許第8,299,106号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
p70S6K(またはp70 S6キナーゼ)は、PI3K/Akt/mTOR/P70S6Kシグナル伝達経路の一部である、セリン/トレオニンCSCPKである。p70S6Kの活性化により、S6リボソームタンパク質のリン酸化がトリガーされ、タンパク質合成が誘導される。p70 S6キナーゼ(p70S6K)は、悪性度が高い悪性ヒト卵巣がんにおいて頻繁に活性化され、このことから、転移において役割を果たす可能性が示される。
ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、例えば、CSCPKの阻害剤(例えば、化合物BBI503)であり得る。米国特許第8,299,106号に開示されている通り、式Bの化合物は、CSCの増殖および/または生存を阻害する。米国特許第8,299,106号の実施例1〜5には、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物を合成する例示的な方法がさらに提示されている。米国特許第8,299,106号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
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本開示は、式Aの化合物から選択される少なくとも1種の化合物と式Cの化合物から選択される少なくとも1種の化合物の処置の組合せが、各化合物を単独で作用させた効果を足したものよりも大きい、がん幹細胞を含めたがん細胞の数を減少させる効果を有したという驚くべき発見を報告する。例えば、本開示の処置の組合せにより、式Aの化合物を単独で用いた処置後と式Cの化合物を単独で用いた処置後に観察される効果を足したものと比較して、in vitroおよびin vivoの両方における、がん細胞幹細胞性関連因子の発現の増強された阻害、ならびにin vitroおよびin vivoの両方における、がん幹細胞の数の増強された減少がもたらされた。
一例では、式Aの化合物から選択される少なくとも1種の化合物(例えば、BBI608)と式Cの化合物から選択される少なくとも1種の化合物(例えば、ソラフェニブ)の組合せ物を用いてHCC細胞系を処置することにより、バルク腫瘍細胞の数の増強された減少(図1)および非接着性幹細胞培地で培養した後にCSCによって形成される球体の数の減少(図2)がもたらされた。図3はまた、少なくとも1種の式Aの化合物(例えば、BBI608)を用いた処置の結果として、対照を用いた処置と比較して、HepG2マウス異種移植マウスモデルにおける腫瘍の体積が低減したことを示す。
本開示は、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物と式Cを有する化合物(ソラフェニブ)から選択される少なくとも1種の化合物の処置の組合せが、いずれかの化合物を単独で作用させた効果を足したものよりも大きい、がん幹細胞を含めたがん細胞の増殖および/または生存を低減する効果を有したという驚くべき発見をさらに報告する。例えば、本開示の処置の組合せにより、式Bの化合物(例えば、BBI503)を単独と式Cの化合物(例えば、ソラフェニブ)を単独で用いた腫瘍の処置の効果を足したものと比較して、in vitroおよびin vivoにおけるがん細胞幹細胞性関連因子の発現の増強された阻害、ならびにin vitroおよびin vivoにおけるがん幹細胞の数の増強された減少がもたらされた。
別の例では、式Bの化合物は、HCC細胞系に由来するCSCに対して、単独でおよび式Cの化合物(例えば、ソラフェニブ)と組み合わせての両方で活性であった。式Bの化合物は、がん幹細胞の増殖および/または生存を阻害しただけでなく、CSCの非接着性幹細胞培地中で特徴的な球体を形成する能力も低下させた。対照的に、式Cの化合物を用いた同等の処置には、CSC球体形成能に対してまたはがん細胞の増殖および/もしくは生存に対して、いかなる著しい阻害活性もなかった。対照的に、式Bの化合物と式Cの化合物の組合せ物を用いたがん細胞の処置では、コロニー形成の低減が増強された(図4、図5、および図6)。式Bの化合物、例えば、BBI503も、CD133およびCD44などのがん幹細胞マーカーの発現を阻害することが示された。
別の例では、ヒト肝臓がん(HepG2)のマウス異種移植モデルにおいて式Bの化合物(例えば、BBI503)を用いて腫瘍を処置することにより、対照と比較して、腫瘍成長が著しく阻害された。図7は、式Bの化合物を用いて処置した動物の平均腫瘍体積が対照において得られた平均腫瘍体積の50%未満であったことを示す。
任意の特定の知見または仮説に限定されることなく、本開示の処置の組合せの構成成分は、がん細胞(例えば、CSC)と関連する異なる経路に対して働くと考えられる。式Aの化合物と式Cの化合物または式Bの化合物と式Cの化合物の処置の組合せにより、いずれかの化合物を単独で用いた処置後に観察される効果を足したものよりも大きな、がん細胞の増殖および/または生存の阻害がもたらされる(時として、「増強された」または「相乗的」効果と呼ばれる)。式Aの化合物は、STAT3シグナル伝達経路を阻害することによって働き得る。具体的には、式Aの化合物は、活性化されたSTAT3(例えば、リン酸化STAT3)に直接結合し、その活性を阻害し、それにより、幹細胞性関連転写因子c−MYC、OCT4、SOX2、およびβ−カテニンを含めたSTAT3依存性標的遺伝子の転写を予防し得る。式Bの化合物は、複数の悪性腫瘍関連セリン−トレオニンキナーゼ(またはがん幹細胞経路キナーゼ(CSCPK))の活性を阻害し得る。
ある特定の実施形態では、がんを処置するための方法であって、
式Aを有する化合物:
そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の化合物、ならびに
式Cを有する化合物:
そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の化合物
を、がんを処置することを必要とする被験体に投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。
式Aを有する化合物:
式Cを有する化合物:
を、がんを処置することを必要とする被験体に投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。
ある特定の実施形態では、がんを処置するための方法であって、
式Bを有する化合物:
そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の化合物、ならびに
式Cを有する化合物:
そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の化合物
を、がんを処置することを必要とする被験体に投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。
式Bを有する化合物:
式Cを有する化合物:
を、がんを処置することを必要とする被験体に投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。
ある特定の実施形態では、がんを処置する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を、がんを処置することを必要とする被験体に投与するステップを含む方法が開示される。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、STAT3経路阻害剤であり得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、前述のいずれかのプロドラッグ、前述のいずれかの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択され得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、がん幹細胞経路キナーゼ(CASPK)阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、以下の式を有する化合物:
、前述のいずれかのプロドラッグ、前述のいずれかの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択され得る。
ある特定の実施形態では、(1)式Aを有する化合物、式Bを有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物、ならびに(2)式Cを有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物を、投与および/または使用に関する指示と一緒に含むキットが開示される。
ある特定の実施形態では、(1)式Aを有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物、ならびに(2)式Cを有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物を、投与および/または使用に関する指示と一緒に含むキットが開示される。
ある特定の実施形態では、(1)式Bを有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物、ならびに(2)式Cを有する化合物、プロドラッグ、誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物を、投与および/または使用に関する指示と一緒に含むキットが開示される。
ある特定の実施形態では、(1)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(2)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物を、投与および/または使用に関する指示と一緒に含むキットが開示される。
本開示の態様および実施形態は、記載されており、または以下の詳細な説明から容易に明らかである。先の概要および以下の詳細な説明の両方は、単に例示的および説明的であり、特許請求の範囲を制限することを意図しないことを理解されるべきである。
以下は、本明細書で使用される用語の定義である。本明細書における群または用語について提供される初期定義は、別段に示されない限り、本明細書を通してその群もしくは用語に個々に、または別の群の一部として適用される。
「約」という用語が数値範囲と併用される場合、この用語は、その境界を、それらの数値より上および下に拡大することによって、その範囲を修正する。一般に本明細書では、「約」という用語は、ある数値を、記載値より上および下に、20%、10%、5%、または1%の分散率によって修正するために使用される。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、ある数値を、記載値より上および下に、10%の分散率によって修正するために使用される。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、ある数値を、記載値より上および下に、5%の分散率によって修正するために使用される。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、ある数値を、記載値より上および下に、1%の分散率によって修正するために使用される。
本明細書である範囲の値が列挙される場合、その範囲の値は、その範囲内の各値および部分範囲を包含することを意図される。例えば、「1〜5mg」は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、1〜2mg、1〜3mg、1〜4mg、1〜5mg、2〜3mg、2〜4mg、2〜5mg、3〜4mg、3〜5mg、および4〜5mgを包含することを意図される。
「投与する」、「投与すること」または「投与」という用語は、本明細書では、それらの最も広範な意味で使用される。これらの用語は、本明細書に記載される化合物または医薬組成物を、被験体に導入する任意の方法を指し、例えば、化合物を、被験体に全身的に、局所的にまたはin situで導入することを含み得る。したがって、被験体内で組成物から生成された本開示の化合物(組成物が化合物を含むかどうかを問わず)は、これらの用語によって包含される。これらの用語は、「全身」または「全身的に」という用語と関連して使用される場合、一般に、血流中の化合物または組成物のin vivoでの全身吸収または蓄積、その後の全身にわたる分布を指す。
「被験体」という用語は、一般に、本明細書に記載される化合物または医薬組成物が投与され得る生物を指す。被験体は、ヒトまたはヒト細胞を含めた、哺乳動物または哺乳動物細胞であり得る。またこの用語は、細胞、またはこのような細胞のドナーもしくはレシピエントを含む生物を指す。ある特定の実施形態では、「被験体」という用語は、本明細書に記載される化合物または医薬組成物のレシピエントとなるべき、ヒト、哺乳動物および非哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、マウス、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類、魚、線虫、および昆虫を含めた任意の動物(例えば、哺乳動物)を指すが、それらに限定されない。ある状況において、ヒト被験体に言及する「被験体」および「患者」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。
「有効量」および「治療有効量」という用語は、それらに限定されるものではないが、以下に例示されている疾患処置を含めた、意図された結果をもたらすために十分な、本明細書に記載の化合物または医薬組成物の量を指す。ある特定の実施形態では、「治療有効量」は、がん細胞の検出可能な死滅または成長もしくは伝播の阻害、腫瘍のサイズまたは数、ならびに/あるいは、がんのレベル、ステージ、進行および/または重症度の他の尺度についての有効な量である。ある特定の実施形態では、「治療有効量」は、全身的に、局所的に、またはin situで投与される量(例えば、被験体においてin situで生成される化合物の量)を指す。治療有効量は、意図された適用(in vitroまたはin vivo)、または処置される被験体および疾患状態、例えば、被験体の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与の様式などに応じて変わり得、これらは、当業者によって容易に決定され得る。用語は、標的細胞における特定の応答、例えば、細胞遊走の低減を誘導する用量にも適用される。特定の用量は、例えば、被験体の体重、特定の医薬組成物、被験体および被験体の年齢および既存の健康状態または健康状態に関するリスク、準拠される投薬レジメン、疾患の重症度、他の薬剤と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、それが投与される組織、ならびにそれが運ばれる物理的送達系に応じて変わり得る。
被験体のがんの処置に言及する「治療有効量」は、例えば、以下の効果の1つまたは複数を引き出すことができる量を意味する:(1)被験体のがんの進行の低下もしくは休止を含む、がんもしくは腫瘍成長のある程度の阻害;(2)がんもしくは腫瘍細胞の数の減少;(3)腫瘍サイズの減少;(4)末梢臓器へのがんもしくは腫瘍細胞の浸潤の阻害、例えば、低減もしくは休止;(5)転移の阻害、例えば、低減もしくは休止;(6)腫瘍の退縮もしくは拒絶をもたらし得るが必須ではない、抗腫瘍免疫応答の増強、または(7)がんもしくは腫瘍と関連する1つもしくは複数の症状のある程度の除去。治療有効量は、個体の病状、年齢、性別、および体重などの因子、ならびに個体における所望の応答を誘発する1種または複数種の抗がん剤の能力に従って変わり得る。「治療有効量」は、例えば、化合物の投与によって生じる任意の毒性または有害作用よりも、治療上有益な効果が上回る化合物の量であり得る。
本明細書で使用される場合、「処置」、「処置すること」、「回復させること」および「助長すること」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。これらの用語は、それらに限定されるものではないが、治療的利益および/または予防的利益を含めた、有益なまたは所望の結果を得るための手法を指す。治療的利益とは、処置される根本的な障害の根絶または回復を意味する。また、治療的利益は、根本的な障害に付随する生理的症状の1つまたは複数の根絶または回復で実現され、したがって、被験体が依然として根本的な障害を患っていることはあり得るにしても、被験体において改善が観察される。予防的利益のために、医薬組成物は、特定の疾患が発生するリスクがある被験体、またはその疾患の診断がなされていないことはあり得るにしても疾患の生理的症状の1つもしくは複数が報告されている被験体に投与され得る。
「組合せ(物)」、「組合せの」または「組合せ処置」という用語は、本明細書で使用される場合、障害、状態、または症状、例えば、がん状態を処置するための、少なくとも2種の異なる薬剤(例えば、式Aを有する化合物および式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の第1の化合物ならびに式Cを有する化合物から選択される少なくとも1種の第2の化合物、ならびに1種または複数種の追加の薬剤)の投与を意味する。このような組合せ/組合せ処置は、1種の薬剤の、第2の薬剤の投与前、投与中、および/または投与後の投与を伴い得る。第1の薬剤および第2の薬剤は、被験体に、別個の医薬組成物で、共に、別個に、または順次に投与され得る。第1の薬剤および第2の薬剤は、被験体に、同じまたは異なる投与経路によって投与され得る。ある特定の実施形態では、処置の組合せは、式Aを有する化合物および式Bを有する化合物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物ならびに式Cを有する化合物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を含む。
例えば、がん幹細胞性阻害剤から選択される少なくとも1種の第1の化合物およびキナーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種の第2の化合物は、異なる作用機構を有し得る。ある特定の実施形態では、組合せ処置により、がん幹細胞性阻害剤から選択される少なくとも1種の第1の化合物およびキナーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種の第2の化合物の予防的または治療的効果が、一緒になって機能して、相加、相乗または増強された効果を有することによって改善される。ある特定の実施形態では、本開示の組合せ処置により、がん幹細胞性阻害剤から選択される少なくとも1種の第1の化合物およびキナーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種の第2の化合物に関連する副作用が低減する。がん幹細胞性阻害剤から選択される少なくとも1種の第1の化合物と、キナーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種の第2の化合物の投与は、最大で数週間の時間的隔たりがあってよいが、より一般には、48時間以内、最も一般的には24時間以内になされる。
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、活性な薬物を放出するためには生物内で自然にまたは酵素によって生体内変換される必要がある、親薬物分子の誘導体を指す。例えば、プロドラッグは、ある特定の代謝条件下で切断可能な基を有し、切断されるとそれぞれ式A、BまたはCの化合物になる、式A、BまたはCの化合物の変形または誘導体である。したがって、このようなプロドラッグは、in vivoでは、生理的条件下で例えば加溶媒分解または酵素による分解の結果として活性になるまでは、薬学的に不活性である。本明細書に記載のプロドラッグ化合物は、生物で活性な薬物が放出されるのに必要な生体内変換ステップの数、および前駆型形態に存在する官能性の数に応じて、シングル、ダブル、トリプルなどと称され得る。
プロドラッグ形態は、しばしば、哺乳動物生物における溶解性、組織適合性、または遅延放出という利点をもたらす。当技術分野で一般に公知のプロドラッグとしては、例えば、親酸と適切なアルコールとの反応によって調製されるエステル、親酸化合物とアミンとの反応によって調製されるアミドなどの、周知の酸誘導体、または反応してアシル化塩基誘導体を形成する塩基性基などが挙げられるが、それらに限定されない。他のプロドラッグ誘導体を本明細書に開示される他の特色と組み合わせて、生物学的利用能を増強することもできる。遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシ、またはカルボキシル基を有するある特定の本開示の化合物をプロドラッグに変換することができることは当業者には理解される。プロドラッグとしては、アミノ酸残基、または本開示の化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシ、またはカルボン酸基とペプチド結合によって共有結合的に接合した2つまたはそれよりも多く(例えば、2つ、3つまたは4つ)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖を有する化合物が挙げられる。アミノ酸残基としては、一般に3文字記号によって示される20種の天然に存在するアミノ酸、ならびに例えば、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デスモシン(demosine)、イソデスモシン(isodemosine)、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータアラニン、ガンマアミノ酪酸、シトルリンホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、およびメチオニンスルホンが挙げられる。プロドラッグは、本明細書に開示される上記の置換基のいずれかと共有結合的に結合したカーボネート、カルバメート、アミド、またはアルキルエステル部分を有する化合物も含み得る。
本明細書で使用される「相乗作用」、「相乗的」、「相乗的に」または「増強された」という用語は、複合効果をもたらす、2つまたはそれよりも多い構成成分の相互作用または組合せの効果が、それらの別個の効果の総和(または「相加効果」)を上回ることを指す。相乗効果は、化合物が、(1)共製剤化され、組合せ製剤として同時に投与もしくは送達される;(2)別個の製剤として交互でもしくは並行して送達される;または(3)いくつかの他のレジメンによる場合、達成され得る。交互治療で送達する場合、相乗効果は、化合物が順次に、例えば、別個の錠剤、丸剤もしくはカプセル剤で、または別個のシリンジでの異なる注射によって投与または送達される場合に達成され得る。一般に、交互治療の間、有効な投与量の各活性成分を、例えば、順次に、すなわち連続的に投与し得るが、一方、組合せ治療では、有効な投与量の2種またはそれよりも多くの活性成分を一緒に投与する。相乗的な抗がん効果とは、別個に投与される組合せの個々の化合物の予測される純粋な相加効果よりも大きい抗がん効果を示す。
本明細書で使用される場合、「がん幹細胞性阻害剤」という用語は、複数のがん幹細胞性遺伝子の少なくとも1つのがん幹細胞性または発現(例えば、機能的産物、例えばタンパク質の産生)に関与する複数の経路の少なくとも1つを標的とする、低下させる、阻害する、干渉する、またはモジュレートすることができる分子を意味する。発現、または発現したタンパク質を、対応するがん幹細胞性遺伝子のバイオマーカーとして使用することができる。これらのバイオマーカーの例としては、β−カテニン、NANOG、SMO、SOX2、STAT3、AXL、ATM、c−MYC、KLF4、サバイビン、またはBMI−1が挙げられるが、それらに限定されない。がん幹細胞性阻害剤により、がん幹細胞の成長ならびに不均一ながん細胞の成長を変化させることができる。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、がん幹細胞性遺伝子によりコードされるタンパク質に結合する低分子であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、生物学的な、例えば、がん幹細胞性遺伝子によりコードされるタンパク質に結合する組換え結合タンパク質もしくはペプチド(例えば、APTSTAT3;Kimら、Cancer Res.(2014年)、74巻(8号):2144〜51頁を参照のこと)または核酸(例えば、STAT3 aiRNA;その内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,328,345号を参照のこと)、またはそのコンジュゲートであり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、細胞であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、STAT3阻害剤であり得る(例えば、STAT3に結合し、その生物学的活性を阻害する(Furtekら、ACS Chem. Biol.、2016年、11巻(2号)、308〜318頁を参照のこと))。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、CSCPK阻害剤であり得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、または2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。
ある特定の実施形態では、例えば、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、以下の式を有する化合物:
、前述のいずれかのプロドラッグ、前述のいずれかの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。
ある特定の実施形態では、本開示のがん幹細胞性阻害剤は、約300mg〜約700mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約700mg〜約1200mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約800mg〜約1100mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約850mg〜約1050mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約960mg〜約1000mgの範囲の量で投与され得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤の総量は、1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約480mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約960mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約1000mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤の総量は、分割用量で1日1回よりも多く、例えば、1日2回(BID)またはより頻繁に投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約240mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約480mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、約500mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、経口投与され得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、式Aを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。本明細書で使用される場合、「式Aを有する化合物(a compund having Formula A)」、「式Aを有する化合物(compounds having Formula A)」および「化合物A(Compound A)」という用語は、交換可能に使用することができ、それぞれ式Aを有する化合物:
そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される化合物を意味する。
ある特定の実施形態では、式Aを有する化合物のプロドラッグおよび誘導体は、例えば、STAT3阻害剤であり得る。式Aを有する化合物のプロドラッグの非限定的な例としては、例えば、米国付与前特許出願公開第2012/0252763号に化合物番号4011および4012として記載されているリン酸エステルおよびリン酸ジエステル、ならびに米国特許第9,150,530号に記載されている同じく適切な化合物が挙げられる。式Aを有する化合物の誘導体の非限定的な例としては、例えば、米国特許第8,977,803号に開示されている誘導体が挙げられる。米国付与前特許出願公開第2012/0252763号および米国特許第9,150,530号および同第8,977,803号の開示は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
以下に示す式Aを有する化合物、
は、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナパブカシン、BBI608、またはBB608としても知られている場合があり、その互変異性体を含む。
その結晶形を含めた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、および追加的ながん幹細胞性阻害剤を調製する適切な方法は、WO2009/036099、WO2009/036101、WO2011/116398、WO2011/116399、およびWO2014/169078として公開された共同保有PCT出願に記載されており、これらの出願はそれぞれの内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、化合物Aは、約80mg〜約1500mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約160mg〜約1000mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、1日に約300mg〜約700mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約700mg〜約1200mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約800mg〜約1100mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約850mg〜約1050mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約960mg〜約1000mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aの総量は、例えば、1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、約480mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、約960mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、約1000mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aの総量は、例えば、分割用量で1日1回よりも多く、例えば、1日2回(BID)またはより頻繁に投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約80mg、1日2回〜約750mg、1日2回の範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、約80mg、1日2回〜約500mg、1日2回の範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、約240mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、約480mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、約500mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、例えば、経口投与され得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。本明細書で使用される場合、「式Bを有する化合物(a compound having Formula B)」、「式Bを有する化合物(compounds having Formula B)」および「化合物B(Compound B)」という用語は、交換可能に使用することができ、それぞれ式Bを有する化合物:
、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される化合物を意味する。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、がん幹細胞経路キナーゼ(CSCPK)阻害剤、STK33阻害剤、MELK阻害剤、AXL阻害剤、p70S6K阻害剤、PDGFRα阻害剤、またはNANOG阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、がん幹細胞経路キナーゼ(CSCPK)阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、STK33阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、MELK阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、AXL阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、p70S6K阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、PDGFRα阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤は、例えば、NANOG阻害剤であり得る。
ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物およびその誘導体は、例えば、がん幹細胞経路キナーゼ(CSCPK)阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物およびその誘導体は、例えば、STK33、MELK、AXL、p70S6K、およびPDGFRαの阻害剤を含み得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物およびその誘導体は、例えば、STK33阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物およびその誘導体は、例えば、MELK阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物およびその誘導体は、例えば、AXL阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物およびその誘導体は、例えば、p70S6K阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物およびその誘導体は、例えば、PDGFRα阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物およびその誘導体は、NANOG発現を阻害し得る。式Bを有する化合物およびその誘導体の非限定的な例としては、例えば、米国特許第8,299,106号およびPCT特許出願公開第WO2014160401号に開示されている誘導体を挙げることができる。米国特許第8,299,106号およびPCT特許出願公開第WO2014160401号の開示は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、以下の式を有する化合物:
、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択され得る。
ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、式Bを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。
式Bを有する化合物およびその誘導体を調製する適切な方法は、米国特許第8,299,106号およびPCT特許出願公開第WO2014160401号に記載され;各出願の内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、約20mg〜約600mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、約50mg〜約500mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、約80mg〜約400mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、約80mg〜約300mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、約100mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、約200mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、約300mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤の総量は、例えば、単回1日用量で投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤の総量は、例えば、分割用量で1日1回よりも多く、例えば、1日2回(BID)またはより頻繁に投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、約100mgの用量で1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、約200mgの用量で1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、CSCPK阻害剤は、例えば、経口投与され得る。
ある特定の実施形態では、化合物Bは、約20mg〜約600mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、約50mg〜約500mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、約80mg〜約400mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、約80mg〜約300mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、約100mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、約200mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、約300mgの用量で毎日投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bの総量は、例えば、単回1日用量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bの総量は、例えば、分割用量で1日1回よりも多く、例えば、1日2回(BID)またはより頻繁に投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、約100mgの用量で1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、約200mgの用量で1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Bは、例えば、経口投与され得る。
本明細書で使用される場合、「キナーゼ阻害剤(kinase inhibitor)」または「キナーゼ阻害剤(kinase inhibitors)」という用語は、複数のタンパク質キナーゼの少なくとも1つの活性を標的とする、低下させる、阻害する、干渉する、またはモジュレートすることができる分子を指す。これらのタンパク質キナーゼの例としては、細胞内キナーゼ(例えば、c−CRAF、BRAF、および変異体BRAF)および細胞表面キナーゼ(例えば、KIT、FLT−3、RET、RET/PTC、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3、およびPDGFR−β)が挙げられるが、それらに限定されない。キナーゼ阻害剤の例としては、アファチニブ(EGFR/ErbB2阻害剤)、アキシチニブ、(VEGFR1/VEGFR2/VEGFR3/PDGFRB/c−KIT阻害剤)、ボスチニブ(Bcr−Abl/SRC阻害剤)、セツキシマブ(EGFR阻害剤)、コビメチニブ(MEK阻害剤)、クリゾチニブ(ALK/Met阻害剤)、カボザンチニブ(RET/MET/VEGFR2阻害剤)、ダサチニブ(複数のキナーゼ阻害剤)、エントレクチニブ(TrkA/TrkB/TrkC/ROS1/ALK阻害剤)、エルロチニブ(EGFR阻害剤)、ホスタマチニブ(Syk阻害剤)、ゲフィチニブ(EGFR阻害剤)、イブルチニブ(BTK阻害剤)、イマチニブ(Bcr−Abl阻害剤)、ラパチニブ(EGFR/ErbB2阻害剤)、レンバチニブ(VEGFR2阻害剤)、ムブリチニブ、ニロチニブ(Bcr−Abl阻害剤)、パゾパニブ(VEGFR2/PDGFR/c−kit阻害剤)、ペガプタニブ(VEGF阻害剤)、ルクソリチニブ(JAK阻害剤)、ソラフェニブ(複数のキナーゼ阻害剤)、スニチニブ(複数のキナーゼ阻害剤)、SU6656(Src阻害剤)、バンデタニブ(RET/VEGFR/EGFR阻害剤)、またはベムラフェニブ(BRAF阻害剤)が挙げられるが、それらに限定されない。
ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、例えば、式Cを有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物であり得る。本明細書で使用される場合、「式Cを有する化合物(a compound having Formula C)」、「式Cを有する化合物(compounds having Formula C)」および「化合物C(Formula C)」という用語は、交換可能に使用することができ、それぞれ式Cを有する化合物:
、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される化合物を意味する。化合物Cは、4−[4−[[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルアミノ]フェノキシ]−N−メチル−ピリジン−2−カルボキサミド、ネクサバール、またはソラフェニブとしても知られている場合がある。
ある特定の実施形態では、化合物Cは、約80mg〜約1500mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約100mg〜約1200mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、1日に約200mg〜約1000mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約400mg〜約900mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約600mg〜約900mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約700mg〜約900mgの範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約800mgの量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cの総量は、例えば、1日1回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cの総量は、例えば、分割用量で1日1回よりも多く、例えば、1日2回(BID)またはより頻繁に投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約80mg、1日2回〜約750mg、1日2回の範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、約80mg、1日2回〜約600mg、1日2回の範囲の量で投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、例えば、約200mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、例えば、約400mgの用量で1日2回投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、例えば、経口投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、例えば、空腹時に投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物Cは、例えば、食事の約1時間前または食事の約2時間後のいずれかに投与され得る。
「進行する」、「進行した」および「進行」という用語は、本明細書で使用される場合、以下の少なくとも1つを指す:(1)進行性疾患(PD)の以前の治療(例えば、化学療法)に対する応答;(2)以前の治療(例えば、化学療法)を用いた処置後の、1つまたは複数の新しい病変の出現;および(3)研究による最小合計(これは、研究によりベースライン合計が最小である場合には、そのベースライン合計を含む)を参照して、標的病変の直径の合計の少なくとも5%(例えば、10%、20%)の増大。
本明細書で使用される場合、「感作すること」は、治療(例えば、化学療法)レジメンに対して、既に抵抗性、非応答性またはいくらか応答性であった被験体を、その治療(例えば、化学療法)レジメンに対して感受性、応答性またはより応答性にすることを意味し得る。
被験体における「がん」という用語は、制御の効かない増殖、不死性、転移能、急速な成長および増殖速度、ならびにある特定の形態学的特色などの、がんを引き起こす細胞に典型的な特徴を有する細胞の存在を指す。しばしば、がん細胞は、腫瘍または塊の形態であり得るが、このような細胞は、被験体内に単独で存在する場合があるか、または白血病もしくはリンパ腫細胞などの独立な細胞として血流中を循環する場合がある。本明細書で使用される場合、がんの例として、肺がん、膵臓がん、骨がん、皮膚がん、頭部もしくは頸部がん、皮膚もしくは眼内黒色腫、乳がん、子宮がん、卵巣がん、腹膜がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌、肛門領域のがん、胃がん(stomach cancer)、胃がん(gastric cancer)、胃腸管がん、胃腺癌、アドレノコルチコイド癌、子宮がん、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、ホジキン病、食道がん、胃食道接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、ユーイング肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、前立腺がん、膀胱がん、精巣がん、尿管のがん、腎盂の癌腫、中皮腫、肝細胞がん、胆道がん、腎臓がん、腎細胞癌、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)の新生物、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、多形神経膠芽腫、星状細胞腫、シュワン細胞腫、上衣腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、扁平上皮癌、下垂体腺腫が挙げられ、上記のがんのいずれかの難治性のもの、または上記のがんの1つもしくは複数の組合せが含まれるが、それらに限定されない。例示されるがんの一部は、一般用語に含まれ、この用語に含まれる。例えば、一般用語である泌尿器がんには、膀胱がん、前立腺がん、腎臓がん、精巣がん等が含まれ得、別の一般用語である肝胆道がんには、肝臓がん(これ自体、肝細胞癌または胆管癌を含む一般用語である)、胆嚢がん、胆道がん、または膵臓がんが含まれる。泌尿器がんと肝胆道がんの両方は、本開示によって企図され、「がん」という用語に含まれる。
本明細書で使用される場合、「がん」は、「固形腫瘍」という用語も含み得る。本明細書で使用される場合、「固形腫瘍」という用語は、肉腫、癌腫、およびリンパ腫などの異常な腫瘍塊を形成する、がんなどの状態を指す。固形腫瘍の例として、非小細胞肺がん(NSCLC)、神経内分泌腫瘍、胸腺腫(thyomas)、線維性腫瘍、転移性結腸直腸がん(mCRC)等が挙げられるが、それらに限定されない。ある特定の実施形態では、固形腫瘍疾患は、例えば、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌等であり得る。
ある特定の実施形態では、がんは、例えば、食道がん、胃食道接合部がん、胃食道腺癌、胃がん(gastric cancer)、軟骨肉腫、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、肺がん、膵臓がん、腎細胞癌、肝細胞癌、子宮頸がん、脳腫瘍、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、前立腺がん、胆管癌、子宮内膜がん、小腸腺癌、子宮肉腫、またはアドレノコルチコイド癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、食道がん、胃食道接合部がん、胃食道腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、肺がん、膵臓がん、腎細胞癌、肝細胞癌、子宮頸がん、脳腫瘍、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、前立腺がん、胆管癌、子宮内膜がん、小腸腺癌、子宮肉腫、またはアドレノコルチコイド癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、乳がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、結腸直腸腺癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、小腸腺癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、肝細胞癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、頭頸部がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、腎細胞癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、卵巣がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、前立腺がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、肺がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、子宮肉腫であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、食道がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、子宮内膜がんであり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、胆管癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんはそれぞれ、例えば、切除不能、進行性、難治性、再発性、または転移性であり得る。
「塩(複数可)」という用語は、本明細書で使用される場合、無機および/または有機の酸および塩基を用いて形成された酸性塩および/または塩基性塩を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、良好な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答および/または同類のものなしに被験体の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比に見合う塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences(1977年)66巻:1〜19頁で薬学的に許容される塩を詳説している。
薬学的に許容される塩は、無機酸または有機酸を用いて形成され得る。適切な無機酸の非限定的な例として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸が挙げられる。適切な有機酸の非限定的な例として、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、およびマロン酸が挙げられる。適切な薬学的に許容される塩の他の非限定的な例として、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩が挙げられる。ある特定の実施形態では、塩が誘導され得る有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸(trifluoracetic acid)、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸が含まれる。
塩は、開示の化合物の単離および精製中にin situで調製され得、または化合物を適切な塩基もしくは酸とそれぞれ反応させることなどによって別個に調製され得る。塩基から誘導された薬学的に許容される塩の非限定的な例として、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN+(C1〜4アルキル)4塩が挙げられる。適切なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の非限定的な例として、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、およびアルミニウム塩が挙げられる。適切な薬学的に許容される塩のさらなる非限定的な例として、適切な場合、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、および対イオン(例えばハロゲン化イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオン)を使用して形成されたアミンカチオンが挙げられる。塩が誘導され得る適切な有機塩基の非限定的な例として、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが挙げられる。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩から選択され得る。
「溶媒和物」という用語は、本開示の化合物の1つまたは複数の分子を、1種または複数種の溶媒の1つまたは複数の分子と共に含む凝集物を表す。本開示の化合物の溶媒和物には、例えば水和物が含まれる。
本明細書において開示される少なくとも1種の化合物は、医薬組成物の形態であり得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の式Aを有する化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含み得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の式Bを有する化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含み得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の式Cを有する化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含み得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1種または複数種の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含むことができ、1種または複数種の化合物は、被験体において少なくとも1種の式Aを有する化合物に変換されることが可能である(すなわち、プロドラッグ)。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1種または複数種の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含むことができ、1種または複数種の化合物は、被験体において少なくとも1種の式Bを有する化合物に変換されることが可能である(すなわち、プロドラッグ)。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1種または複数種の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含むことができ、1種または複数種の化合物は、被験体において少なくとも1種の式Cを有する化合物に変換されることが可能である(すなわち、プロドラッグ)。
本明細書で使用される「担体」という用語は、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、あるいは対象医薬化合物を身体のある臓器もしくは部分から身体の別の臓器もしくは部分に運搬もしくは輸送することに関与する、またはそうすることができる被包材料などを意味する。各担体は、製剤のその他の成分と適合することができ、患者にとって有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体、担体、および/または希釈剤の非限定的な例として、糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに医薬製剤で用いられる他の適合性のある非毒性物質が挙げられる。湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマー、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および賦香剤、保存剤、ならびに抗酸化剤も、組成物中に存在し得る。
経口投与に適した、本明細書に開示される医薬組成物は、それぞれ所定量の本開示の少なくとも1種の化合物を含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(風味付け基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用する)、散剤、顆粒剤、水性もしくは非水性液体中液剤、水性もしくは非水性液体中懸濁剤、水中油乳剤、油中水乳剤、エリキシル剤、シロップ剤、トローチ剤(pastille)(不活性基剤、例えばゼラチン、グリセリン、スクロース、および/またはアカシアを使用する)および/または含嗽剤の形態であり得る。
本明細書に開示される医薬組成物は、ボーラス剤、舐剤、またはペースト剤として投与され得る。
経口投与のための固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤等)は、1種または複数種の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/または以下のいずれか:充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸;結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/もしくはアカシアなど;保湿剤、例えばグリセロール;崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、バレイショもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、炭酸ナトリウム、およびデンプングリコール酸ナトリウム;溶解遅延剤、例えばパラフィン;吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレート、およびポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマーなど;吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土;滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物;ならびに着色剤と混合され得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝剤も含み得る。ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等などの賦形剤を使用して、類似のタイプの固体組成物を、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることもできる。
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれ得る。液体剤形は、活性成分に加えて、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などを含有し得る。さらに、化合物を可溶化するために、シクロデキストリン、例えばヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが使用され得る。
医薬組成物はまた、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、賦香剤、ならびに保存剤を含み得る。懸濁剤は、本開示による化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などを含有し得る。
直腸または膣内投与のための本明細書に開示される医薬組成物は、坐剤として提示され得、この坐剤は、本開示による1種または複数種の化合物を、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含み、室温では固体であるが体温で液体になり、したがって直腸または膣腔内で溶融し、本開示の化合物を放出する、1種または複数種の適切な非刺激性の賦形剤または担体と混合することによって調製され得る。膣内投与に適した医薬組成物には、当技術分野で適切であることが公知の担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡状物質またはスプレー製剤も含まれ得る。
本開示の医薬組成物または医薬錠剤の局所または経皮投与のための剤形には、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤が含まれ得る。医薬組成物または医薬錠剤は、薬学的に許容される担体、および必要とされ得る任意の保存剤、緩衝液または噴霧剤と、無菌条件下で混合され得る。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本開示の医薬組成物または医薬錠剤に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有し得る。
散剤およびスプレー剤は、本開示の医薬組成物または医薬錠剤に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有し得る。さらに、スプレー剤は、通例の噴霧剤、例えばクロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンを含有し得る。
眼科用製剤、眼の軟膏剤、散剤、液剤等も、本開示の範囲に含まれることが企図される。
非経口投与に適した組成物は、少なくとも1種もしくは複数種の薬学的に許容される無菌等張水性もしくは非水性液剤、分散剤(dispersion)、懸濁剤、乳剤、または使用直前に注入可能な滅菌液剤もしくは分散剤に再構築され得る滅菌散剤を含むことができ、これらは、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含有し得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、式Aの化合物ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物、ならびに1種または複数種の界面活性剤を含む。ある特定の実施形態では、界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、または1種もしくは複数種のポリオキシグリセリド(polyoxylglyceride)であり得る。例えば、ポリオキシグリセリドは、ラウロイルポリオキシグリセリド(時としてGelucire(商標)と呼ばれる)またはリノレオイルポリオキシグリセリド(時としてLabrafil(商標)と呼ばれる)であり得る。このような組成物の例は、その内容全体が本明細書に組み込まれる、PCT特許出願番号PCT/US2014/033566に示されている。
本発明は、選択された粒度分布を有する適切な医薬製剤のさらなる実施形態ならびに最適な粒度分布、適切な薬物レジメン、投与量および間隔を同定するための方法、それらの結晶形を含めた2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを調製する適切な方法、ならびにその内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる、WO2009/036099、WO2009/036101、WO2011/116398、WO2011/116399、WO2014/169078、およびWO2009/033033として公開された共同保有PCT出願に記載されている、さらなる特定の適切ながん幹細胞性阻害剤およびキナーゼ阻害剤を提供する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、式Bの化合物ならびにその薬学的に許容される塩および溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物、ならびに1種または複数種の界面活性剤を含み得る。ある特定の実施形態では、界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、または1種もしくは複数種のポリオキシルグリセリドであり得る。例えば、ポリオキシルグリセリドは、ラウロイルポリオキシルグリセリド(時としてGelucire(商標)と呼ばれる)またはリノレオイルポリオキシルグリセリド(時としてLabrafil(商標)と呼ばれる)であり得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、例えば、化学療法剤および他の抗悪性腫瘍剤、抗炎症化合物、および/または免疫抑制性化合物を含めた種々の公知の治療薬のいずれかと組み合わせて投与され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物、生成物、および/または医薬組成物は、非限定的な例として、外科的処置および方法、放射線治療、化学療法、ならびに/またはホルモンもしくは他の内分泌関連処置を含めた種々の公知の処置のいずれかと併せて有用である。
ある特定の実施形態では、がんを処置することを必要とする被験体におけるがんを処置する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。
ある特定の実施形態では、がん細胞を処置する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん細胞は、被験体内にある。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。
ある特定の実施形態では、がん幹細胞の生存および/または自己複製を阻害し、低減しおよび/または減少させる方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん幹細胞は、被験体内にある。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。
ある特定の実施形態では、被験体における従来の化学療法および/または標的化治療に不応性のがんを処置する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、従来の化学療法および/または標的化治療は、キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の化合物を投与するステップを含み得る。ある特定の実施形態では、従来の化学療法および/または標的化治療は、ソラフェニブを投与するステップを含み得る。
ある特定の実施形態では、手術、腫瘍学治療(例えば、化学療法)、および/または放射線治療が失敗した被験体における再発性がんを処置する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。
ある特定の実施形態では、被験体におけるがん転移を処置または予防する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。
ある特定の実施形態では、被験体におけるがんの再燃を予防するまたは再成長もしくは再発性を抑制する方法であって、(a)がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに(b)キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、方法は、アジュバント治療の一部である。ある特定の実施形態では、方法は、本開示の処置の組合せをがんの一次処置の後またはそれと共に施すステップを含む。ある特定の実施形態では、一次処置は、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、標的化治療、または生物学的治療から選択される。
ある特定の実施形態では、細胞を少なくとも1種のキナーゼ阻害剤に感作または再感作するための方法であって、がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物を投与するステップを含む方法が、本明細書において開示される。ある特定の実施形態では、少なくとも1種のキナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。ある特定の実施形態では、方法は、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物が医薬組成物に含まれ得る。ある特定の実施形態では、キナーゼ阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物が医薬組成物に含まれ得る。
ある特定の実施形態では、がんは、例えば、肝細胞癌であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、例えば、胆管癌であり得る。
ある特定の実施形態では、がんは、切除不能であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、進行性であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、難治性であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、再発性であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、転移性であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、STAT3の過剰発現と関連し得る。ある特定の実施形態では、がんは、核のβ−カテニン局在と関連し得る。
以下、本開示の様々な特色をさらに例示するために、実施例が提供される。これらの実施例はまた、本発明を実施するのに有用な方法論を例示する。これらの実施例は、特許請求される本発明を限定しない。
本明細書に開示される方法は、がん幹細胞性阻害剤から選択される治療有効量の少なくとも1種の化合物とキナーゼ阻害剤から選択される治療有効量の少なくとも1種の化合物を組み合わせて、それを必要とする被験体に投与するステップを含む。
(実施例1)
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるバルクがん細胞コロニー形成の阻害が増強された
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるバルクがん細胞コロニー形成の阻害が増強された
化合物Aと化合物Cの組合せ物を用いた処置後の、バルクがん細胞がクローン原性増大を受ける能力を、コロニー形成アッセイを使用して調査した。これらの研究のために、ヒトHCC細胞系(HepG2、1ウェル当たり細胞1000個)を6ウェルプレートに播種した。播種の24時間後、細胞を、DMSO(対照として)、化合物A単独(0.15μM)、化合物C単独(2μM)、または化合物A(0.15μM)と化合物C(2μM)の組合せ物のいずれかを用いて処置した。次いで、細胞を、目に見えるコロニーが形成されるまで7〜10日間培養した。
図1に示されている通り、化合物Aとおよび化合物Cの組合せ物(「combo」)を用いた処置により、化合物A(BBI608)を単独でまたは化合物C(ソラフェニブ)を単独で用いた処置と比較してHCCコロニー形成の増強された阻害がもたらされた。
(実施例2)
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるがん幹細胞球体形成の阻害が増強された
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるがん幹細胞球体形成の阻害が増強された
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物(「combo」)を用いてがん細胞を処置した後、がん幹細胞球体形成(すなわち、球体生成(spherogenesis))を調査した。単一のSk−Hep1、Huh7、およびHepG2細胞を懸濁液中で48時間成長させた後、化合物A単独(BBI608;1.6μM)、化合物C単独(ソラフェニブ;2μM)のいずれかの存在下で、またはそれぞれ1.6μMおよび2μMの濃度の化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物と共に24時間培養した。次いで、細胞を洗浄し、標準の細胞培養培地でさらに24時間培養した。次いで、細胞を、微分干渉(DIC)顕微鏡を使用して調査し、撮影した。細胞の青色の呈色はTryphan Blueによるものであり、それにより死細胞の存在が示される。
図2に示されている通り、化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物(「combo」)を用いた処置により、化合物A(BBI608)を単独でまたは化合物C(ソラフェニブ)を単独で用いた処置と比較して、Sk−Hep1、Huh7、およびHepG2 CSC生存能力の阻害の著しい増大がもたらされた。
要約すると、実施例1および2に記載されている研究により、化合物Aおよび化合物Cがin vitroにおいて相乗的に作用することが実証され、これらのデータから、HCCに対する化合物Aおよび化合物Cを使用した、組み合わせた治療についての顕著な潜在性が示唆される。
(実施例3)
化合物A(BBI608)を用いたヒトがんのマウス異種移植モデルの処置
化合物A(BBI608)を用いたヒトがんのマウス異種移植モデルの処置
ヒトHCCのマウス異種移植モデルにおいて、HepG2細胞を雄胸腺欠損ヌードマウスの皮下に接種し(マウス当たり細胞8×106個)、触知できる腫瘍を形成させた。図3に示されている通り、腫瘍がおよそ500mm3に達したら、動物を、ビヒクル(対照)、または化合物A(BBI608;10mg/kg、i.v.)のいずれかを用いて経口的に処置した。動物は、合計で5回の投薬を受けた。化合物A(BBI608)を用いた処置により、対照の動物と比較して腫瘍成長が阻害された。
(実施例4)
化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるバルクがん細胞コロニー形成の阻害が増強された
化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるバルクがん細胞コロニー形成の阻害が増強された
化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置後の、バルクがん細胞がクローン原性増大を受ける能力を、コロニー形成アッセイを使用して調査した。これらの研究のために、ヒトHCC細胞系(Hep3BおよびHub7、1ウェル当たり細胞1000個)を6ウェルプレートに播種した。播種の24時間後、細胞を、DMSO(対照として)、化合物B単独(0.3μM)、化合物C単独(2μM)、または化合物B(0.3μM)と化合物C(2μM)の組合せ物のいずれかを用いて処置した。次いで、細胞を、目に見えるコロニーが形成されるまで7〜10日間培養した。
図4および図5に示されている通り、化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置により、化合物A(BBI503)を単独でまたは化合物C(ソラフェニブ)を単独で用いた処置と比較してHCCコロニー形成の増強された阻害がもたらされた。
(実施例5)
化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるがん幹細胞球体形成の阻害が増強された
化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物を用いた処置によりin vitroにおけるがん幹細胞球体形成の阻害が増強された
化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物(「combo」)を用いてがん細胞を処置した後、がん幹細胞球体形成(すなわち、球体生成)を調査した。単一のSk−Hep1、Huh7、およびHepG2細胞を懸濁液中で48時間成長させた後、化合物B単独(BBI503;1μM)、化合物C単独(ソラフェニブ;2μM)のいずれかの存在下で、またはそれぞれ1μMおよび2μMの濃度の化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物と共に24時間培養した。次いで、細胞を洗浄し、標準の細胞培養培地でさらに24時間培養した。次いで、細胞を、微分干渉(DIC)顕微鏡を使用して調査し、撮影した。細胞の青色の呈色はTryphan Blueによるものであり、それにより死細胞の存在が示される。
図6に示されている通り、化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の組合せ物(「combo」)を用いた処置により、化合物B(BBI503)を単独でまたは化合物C(ソラフェニブ)を単独で用いた処置と比較して、Sk−Hep1、Huh7、およびHepG2 CSC生存能力の阻害の著しい増大がもたらされた。
要約すると、実施例4および5に記載されている研究により、化合物Bおよび化合物Cがin vitroにおいて相乗的に作用することが実証され、これらのデータから、HCCに対する化合物Aおよび化合物Cを使用した、組み合わせた治療についての顕著な潜在性が示唆される。
(実施例6)
化合物B(BBI503)を用いたヒトがんのマウス異種移植モデルの処置
化合物B(BBI503)を用いたヒトがんのマウス異種移植モデルの処置
ヒトHCCのマウス異種移植モデルにおいて、HepG2細胞を雄胸腺欠損ヌードマウスの皮下に接種し(マウス当たり細胞8×106個)、触知できる腫瘍を形成させた。図7に示されている通り、腫瘍がおよそ500mm3に達したら、動物を、ビヒクル(対照)、または化合物B(BBI503;100mg/kg、p.o.)のいずれかを用いて経口的に処置した。動物は、合計で5回の投薬を受けた。化合物B(BBI503)を用いた処置により、対照の動物と比較して腫瘍成長が阻害された。
(実施例7)
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)のまたは化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の処置の組合せを用いた臨床治験
化合物A(BBI608)と化合物C(ソラフェニブ)のまたは化合物B(BBI503)と化合物C(ソラフェニブ)の処置の組合せを用いた臨床治験
本明細書に開示される薬物の組合せの安全性、忍容性、および予備抗がん活性をアセスメントするために、第IB/II相研究において進行性肝細胞癌の患者における2つの処置の組合せの効果を研究した。第1の処置の組合せには、化合物A(BBI608)および化合物C(ソラフェニブ)が含まれ、第2の処置の組合せには化合物B(BBI503)および化合物C(ソラフェニブ)が含まれた。
この非盲検、第IB/II相研究により、上述の薬物の組合せの、全身化学療法を受けていない進行性肝細胞癌を有する成人患者の集団に対する安全性および有効性が決定された。第IB相部分は、漸増用量の化合物A(BBI608)を出発用量で固定した化合物C(ソラフェニブ)と組み合わせて投与すること(群1)、および漸増用量の化合物B(BBI503)を出発用量で固定した化合物C(ソラフェニブ)と組み合わせて投与すること(群2)を含んだ。ソラフェニブの固定された出発用量レベルは、どちらの群に対しても400mg、1日2回(総1日用量800mg)であった。適格患者を群1または群2のいずれかにランダム化した。
群1では、漸増用量の化合物A(BBI608)を、患者3〜6名のコホートに、用量制限毒性(DLT)および用量漸増を決定するための確立された基準に従って第II相推奨用量(RP2D)が決定されるまで投与した。
群2では、漸増用量の化合物B(BBI503)を、患者3〜6名のコホートに、用量制限毒性(DLT)および用量漸増を決定するための確立された基準に従って第II相推奨用量(RP2D)が決定されるまで投与した。
各群における組合せ治療を開始する前に、化合物C(ソラフェニブ)を単独療法として、サイクル1、1日目に開始して14日間投与した。承認された製品標識に従ったソラフェニブの用量の調整が認められた。ソラフェニブ導入期間後、組合せレジメンをサイクル1、15日目に開始した。プロトコール治療を、疾患の進行、許容されない毒性、または別の中止基準に適合するまで、28日サイクルの繰り返しで継続した。
両方の群について、サイクル1、15日目およびサイクル2、15日目に薬物動態(PK)研究を実施した。用量改変後の曝露を確認するために必要に応じて追加の薬物動態研究も実施した。両方の研究群について第II相推奨用量(RP2D)が確立されたら、第II相部分を開始した。
第II相部分は、以前の全身処置を受けていない進行性HCCを有する患者の非盲検、3群、ランダム化第II相治験であった。患者を、群1:化合物A(BBI608)を組み合わせて投与された化合物C(ソラフェニブ)(第IB相部分の間にBBI608+ソラフェニブについて決定されたRP2Dで);群2:化合物B(BBI503)を組み合わせた化合物C(ソラフェニブ)(第IB相部分の間にBBI503+ソラフェニブについて決定されたRP2Dで)、または群3:化合物C(ソラフェニブ)単独、400mg、1日2回の出発用量でのいずれかを受けるようにランダム化した。ソラフェニブの出発用量はすべての研究群で同じであった。
合計およそ90名の患者が研究の第II相部分に、またはおよそ30名の患者が各研究群に登録された。
任意選択の研究中の腫瘍生検によって容易に入手可能な腫瘍を有する患者において、薬力学的アセスメントを実施した。入手可能であれば、保存用組織をすべての患者から採取した。
研究全体を通して、化合物C(ソラフェニブ)と組み合わせた化合物A(BBI608)および化合物C(ソラフェニブ)と組み合わせた化合物B(BBI503)の安全性および忍容性を、研究処置の持続時間中、および研究薬(化合物Aまたは化合物Bのいずれか)の中止後最大30日まで継続的にアセスメントした。
抗腫瘍活性の評価を定期的な8週間間隔で、最初のアセスメントをサイクル1、1日目の8週間(56日)後に行った。HCCの患者に対する放射線学的アセスメントをRECIST 1.1および改変RECIST(mRECIST)に従って評価した。アルファ−フェトプロテイン(AFP)測定をベースライン、2週間のソラフェニブ単独療法導入の最後、およびその後の各研究サイクルの開始時に実施した。
臨床試験研究者の見解により患者が潜在的な臨床的利益を得られるという条件で、患者に、RECIST基準(HCCの患者に対するRECIST 1.1またはmRECISTのいずれか)によって決定された進行を越えてプロトコール治療を継続した。ソラフェニブに関連する毒性に起因してソラフェニブが中止された場合、毒性の徴候がなく、かつ患者が薬物による臨床的利益を得られるという条件で、患者に、研究薬(BBI608またはBBI503)を受け続けさせた。
患者の特徴
組合せレジメン安全性プロファイル
・ナパブカシンおよびアムカセルチブで観察されたグレード1および2の下痢は管理可能であった
・各群でソラフェニブによる毒性に起因してレベルIで中止となった1名の患者がいた
・研究中に3名が死亡し、全員が群2であった;1名はソラフェニブ導入時のMIに起因し、2名は疾患進行に起因した(上部GI出血1名、急性腹部合併症1名)
・ソラフェニブと組み合わせたナパブカシンおよびアムカセルチブの安全性プロファイルは単独治療の各薬剤の安全性プロファイルと一致した
・RP2Dは、臨床的忍容性に基づいて群1では240mg BID、および群2では100mg QDと決定された。最大耐用量(MTD)は決定されなかった
・ナパブカシンおよびアムカセルチブは推奨用量のソラフェニブと組み合わせて安全であった
薬物動態学
患者の特徴
・ナパブカシンおよびアムカセルチブで観察されたグレード1および2の下痢は管理可能であった
・各群でソラフェニブによる毒性に起因してレベルIで中止となった1名の患者がいた
・研究中に3名が死亡し、全員が群2であった;1名はソラフェニブ導入時のMIに起因し、2名は疾患進行に起因した(上部GI出血1名、急性腹部合併症1名)
・ソラフェニブと組み合わせたナパブカシンおよびアムカセルチブの安全性プロファイルは単独治療の各薬剤の安全性プロファイルと一致した
・RP2Dは、臨床的忍容性に基づいて群1では240mg BID、および群2では100mg QDと決定された。最大耐用量(MTD)は決定されなかった
・ナパブカシンおよびアムカセルチブは推奨用量のソラフェニブと組み合わせて安全であった
RECISTにより評価可能であった17名の患者のうち、9名が群1の、8名が群2の患者であった。群1および2のどちらにおいても評価可能な患者の100%でDCRが観察され、群1では9名がSD、群2では8名がSDであった。ナパブカシン+ソラフェニブおよびアムカセルチブ+ソラフェニブについてのRECIST 1.1.およびmRECISTの最初の結果がそれぞれ図8Aおよび8Bに示されている。
ナパブカシンおよびアムカセルチブは、ソラフェニブと完全な用量で安全に組み合わされ、予想外の有害事象は伴わなかった。以前の全身治療を受けていないHCCの患者における抗がん活性の助長が観察された。RP2D用量は、ナパブカシンについては240mg BID、アムカセルチブについては100mg QDと決定された。この研究のランダム化第II相部では現在、患者を以下の3つの群に登録している。群I:ナパブカシン+ソラフェニブ、群II:アムカセルチブ+ソラフェニブおよび群III:ソラフェニブ単独。
本開示の多くの特色および利点は、詳細な本明細書から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲によって、本開示の真の趣旨および範囲に含まれる本開示のこのようなすべての特色および利点を包含することが意図される。さらに、数々の改変および変更は、当業者に容易に思い当たるので、本開示は、したがって例示され記載されている正確な構成および操作に限定されることは望ましくなく、本開示の範囲に含まれるすべての適切な改変および等価物が用いられ得る。
Claims (34)
- がんを処置することを必要とする被験体におけるがんを処置するための方法であって、
(a)がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに
(b)キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物
を投与するステップを含む方法。 - 被験体におけるキナーゼ阻害剤に不応性または抵抗性のがんを処置するための方法であって、
(a)がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに
(b)キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物
を投与するステップを含む方法。 - 被験体におけるがん再燃を予防するための方法であって、
(a)がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに
(b)キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物
を投与するステップを含む方法。 - 被験体におけるがんの再成長または再発を抑制するための方法であって、
(a)がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物;ならびに
(b)キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物
を投与するステップを含む方法。 - 前記がん幹細胞性阻害剤が、STAT3経路阻害剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、および2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、式Aを有する化合物:
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、がん幹細胞経路キナーゼ(CSCPK)から選択される少なくとも1種のキナーゼの阻害剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1種のキナーゼが、STK33、MELK、AXL、p70S6K、およびPDGFRαから選択される、請求項8に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、式Bを有する化合物:
- 前記キナーゼ阻害剤が、式Cを有する化合物
- 前記がんが、肝臓がんから選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がんが、肝細胞癌および胆管癌から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がんが、進行性、難治性、再発性、または転移性である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- がん細胞をキナーゼ阻害剤に感作または再感作するための方法であって、前記がん細胞に、がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物を投与するステップを含む方法。
- がん細胞を処置するための方法であって、がん幹細胞性阻害剤、前述のもののプロドラッグ、前述のものの誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第1の化合物を投与するステップを含む方法。
- 前記がん細胞が、被験体内にある、請求項16〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、STAT3経路阻害剤を含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、および2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、式Aを有する化合物:
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、がん幹細胞経路阻害剤を含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がん幹細胞性が、
- 前記がん幹細胞性阻害剤が、式Bを有する化合物:
- キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される治療有効量の少なくとも1種の第2の化合物を投与するステップを含む、請求項16〜23のいずれか一項に記載の方法。
- 前記キナーゼ阻害剤が、式Cを有する化合物:
- 前記がんが、肝臓がんから選択される、請求項16〜26のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がんが、肝細胞癌および胆管癌から選択される、請求項16〜27のいずれか一項に記載の方法。
- 前記がんが、進行性、難治性、再発性、または転移性である、請求項16〜28のいずれか一項に記載の方法。
- 被験体におけるがんを処置するための方法であって、式Aを有する化合物:
式Cを有する化合物:
- 被験体における少なくとも1種のキナーゼ阻害剤に不応性または抵抗性のがんを処置するための方法であって、式Aを有する化合物:
式Cを有する化合物:
- 被験体においてがんを少なくとも1種のキナーゼ阻害剤に感作するための方法であって、式Aを有する化合物:
- 被験体においてがんを少なくとも1種のキナーゼ阻害剤に再感作するための方法であって、式Aを有する化合物:
- (a)がん幹細胞性阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第1の化合物;(b)キナーゼ阻害剤、そのプロドラッグ、その誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容される塩、および前述のいずれかの溶媒和物から選択される少なくとも1種の第2の化合物;ならびに(c)前記少なくとも1種の第1の化合物および前記少なくとも1種の第2の化合物の投与および/または使用に関する指示を含むキット。
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