JP2019516002A - 水性樹脂組成物、水性塗料及び該水性塗料の硬化塗膜を有する物品 - Google Patents

水性樹脂組成物、水性塗料及び該水性塗料の硬化塗膜を有する物品 Download PDF

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Abstract

カルボキシル基を有する重合体(A)が塩基性化合物(B)で中和されたアクリル樹脂(C)中に、変性エポキシ樹脂(D)が内包された自己乳化型水性樹脂(E)が、水性媒体中に分散した水性樹脂組成物であって、前記重合体(A)の酸価が40〜90mgKOH/gの範囲内であり、前記塩基性化合物(B)がアルキルアミン(b1)を55mol%以上含有するものであり、前記変性エポキシ樹脂(D)が、エポキシ樹脂(d1)とモノカルボン酸(d2)とリン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)との反応物であることを特徴とする水性樹脂組成物を提供する。この水性樹脂組成物から得られる硬化塗膜は、硬度が高く、基材密着性、耐酸性、耐食性等に優れることから、水性塗料に好適に用いることができる。

Description

本発明は、水性樹脂組成物、水性塗料及び該水性塗料の硬化塗膜を有する物品に関する。
従来、建設材料、鋼製家具、小物装飾品などの金属製品に用いる塗料として、主剤に溶剤型アクリル樹脂塗料や溶剤型アルキド樹脂塗料、硬化剤にアミノ樹脂を用いる焼付け塗料が使用されている。しかし近年、塗料分野全般において、塗料から放出される有機溶剤などの揮発性物質低減による環境保護や、塗料の非危険物化といった観点から、溶剤系塗料から水系塗料への置換が進められており、焼付け塗料においても塗料の水性化が強く求められている。
また、焼付け塗料は一般的に120℃以上の高温で硬化させるが、近年においては、エネルギーコストの低減、及びプラスチック等の高温焼付け処理が困難な基材への利用などの観点から、焼付温度の低減が求められている。
このような水性焼付け塗料用樹脂として、例えば、変性エポキシ樹脂から成る水性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この水性樹脂組成物は乳化剤を含有するため、例えば基材素地にまで達するようにクロスカットを入れた鋼板の塩水噴霧試験ではサビ・膨れ等が発生する問題がある。
また、変性エポキシ樹脂を内包する自己乳化型水性アクリル樹脂が分散した水性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この水性樹脂組成物は、120℃未満で硬化させると塗膜硬度が低く、また耐酸性にも劣るといった問題点があった。
そこで、低温硬化条件下においても、塗膜硬度が高く、耐酸性等の塗膜物性に優れる硬化塗膜を得ることのできる塗料組成物が求められていた。
特開2003−2950号公報 特開2012−92198号公報
本発明が解決しようとする課題は、低温硬化条件下においても、塗膜硬度が高く、基材密着性、耐酸性、耐食性等に優れた硬化塗膜を得ることのできる水性樹脂組成物、水性塗料及び該水性塗料の硬化塗膜を有する物品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定の塩基性化合物で中和されたカルボキシル基を有するアクリル樹脂中に、特定の変性エポキシ樹脂が内包された自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物は、水性塗料用樹脂として用いることができ、該水性樹脂組成物及び硬化剤を含有する水性塗料は、塗膜硬度が高く、基材密着性、耐酸性、耐食性に優れた硬化塗膜を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、カルボキシル基を有する重合体(A)が塩基性化合物(B)で中和されたアクリル樹脂(C)中に、変性エポキシ樹脂(D)が内包された自己乳化型水性樹脂(E)が、水性媒体中に分散した水性樹脂組成物であって、前記重合体(A)の酸価が40〜90mgKOH/gの範囲内であり、前記塩基性化合物(B)がアルキルアミン(b1)を55mol%以上含有するものであり、前記変性エポキシ樹脂(D)が、エポキシ樹脂(d1)とモノカルボン酸(d2)とリン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)との反応物であることを特徴とする水性樹脂組成物、該組成物及び硬化剤(F)を含有する水性塗料、さらには該水性塗料の硬化塗膜を有する物品に関する。
本発明の水性樹脂組成物は、水性塗料用樹脂として用いることができる。また、該水性樹脂組成物及び硬化剤を含有する水性塗料は、塗膜硬度が高く、基材密着性、耐酸性、耐食性に優れた硬化塗膜を得ることができるため、ベルト、ファスナー、カバン、キーホルダー、装飾品等の金属部品;鋼製家具、外壁や屋根等の建築部材;ガードレール、防音壁、排水溝等の土木部材;家電製品、産業機械、自動車等の各種金属基材に好適に使用することができる。
本発明の水性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する重合体(A)が塩基性化合物(B)で中和されたアクリル樹脂(C)中に、変性エポキシ樹脂(D)が内包された自己乳化型水性樹脂(E)が、水性媒体中に分散した水性樹脂組成物であって、前記重合体(A)の酸価が40〜90mgKOH/gの範囲内であり、前記塩基性化合物(B)がアルキルアミン(b1)を55mol%以上含有するものであり、前記変性エポキシ樹脂(D)が、エポキシ樹脂(d1)とモノカルボン酸(d2)とリン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)との反応物であるものである。
まず、カルボキシル基を有する重合体(A)ついて説明する。前記重合体(A)は、例えば、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a1)と該カルボキシル基を有する不飽和単量体(a1)以外の不飽和単量体(a2)とを共重合して得られる。
前記不飽和単量体(a1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、2−(メタ)アクロイルオキシエチルサクシニック酸、2−(メタ)アクロイルオキシヘキサハイドロフタル酸、2−(メタ)アクロイルオキシエチルグルタレート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸及びその無水物;モノメチルマレイン酸、モノエチルマレイン酸、モノブチルマレイン酸、モノオクチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、モノエチルフマル酸、モノブチルフマレイン酸、モノオクチルフマル酸、モノメチルイタコン酸、モノエチルイタコン酸、モノブチルイタコン酸、モノオクチルイタコン酸等のジカルボン酸のモノアルキルエステルなどが挙げられる。前記不飽和単量体(a1)の中でも、低粘度で分散性に優れる樹脂が得られることから、(メタ)アクリル酸が好ましい。また、これらの不飽和単量体(a1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルとアクリロイルの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいう。
前記不飽和単量体(a1)以外の不飽和単量体(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコサニル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン化合物の付加物等の水酸基を有する不飽和単量体;スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の3級アミド基を有する不飽和単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレンレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキサイド構造を有する不飽和単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−iso−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド;メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の二級アミノ基を有する不飽和単量体;ビニルアセトアセテート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の活性メチレン基を有する不飽和単量体;ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有する不飽和単量体;トリメチルシリル(メタ)アクリレート等のシリルエステル基を有する不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する不飽和単量体;2−イソシアナートプロペン、2−イソシアナートエチルビニルエーテル、2−イソシアナートエチルメタアクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート基を有する不飽和単量体などが挙げられる。これらの不飽和単量体(a2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記重合体(A)の製造方法としては、例えば、下記の2つの溶液重合法が挙げられる。
方法1としては、有機溶剤中に、前記不飽和単量体(a1)及び前記不飽和単量体(a2)を重合開始剤とともに滴下し、加熱攪拌して重合する方法が挙げられる。
また、方法2としては、有機溶剤中に、前記不飽和単量体(a1)及び/又は前記不飽和単量体(a2)の単量体混合物(I)を重合開始剤とともに滴下し、加熱攪拌して重合した後、さらに前記不飽和単量体(a1)を必須成分とする単量体混合物(II)を追加して加熱攪拌して重合する方法が挙げられるが、得られる水性樹脂組成物の保存安定性がより向上することから、前記不飽和単量体の混合物(I)中の前記不飽和単量体(a1)のモル比率(x)と前記不飽和単量体の混合物(II)中の前記不飽和単量体(a1)のモル比率(y)との比[(x)/(y)]が、1未満となる範囲が好ましく、0.5未満となる範囲がより好ましい。
また、前記不飽和単量体の混合物(I)と前記不飽和単量体の混合物(II)との質量比[(I)/(II)]は、20/80〜85/15の範囲が好ましく、30/70〜75/25の範囲がより好ましい。
上記の方法2のように、前記重合体(A)の原料となる不飽和単量体の組成が異なる2種の混合物を2段で仕込んで共重合させることで、前記重合体(A)中のカルボキシル基が偏在化し、前記変性エポキシ樹脂(C)を内包させると同時に水性媒体中で分散させる際に、前記自己乳化型水性樹脂(E)のシェル部となる前記重合体(A)が有するカルボキシル基が水相側に配置され、かつ、前記アクリル樹脂重合体(A)の疎水性部分が前記自己乳化型水性樹脂(E)のコア側に配置されることから水性媒体中での安定性が一層向上する。
前記重合体(A)の製造の際に用いる有機溶剤としては、水と分離することなく混和する水混和性有機溶剤が好ましく、中でも水に対する溶解度(水100gに溶解する有機溶剤のグラム数)が25℃において3g以上の有機溶剤が好ましい。これら水混和性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤などが挙げられる。これらの水混和性有機溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記重合体(A)の製造で用いる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物;tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物などが挙げられる。これらの重合体開始剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、前記重合開始剤は、前記重合体(A)の原料となる不飽和単量体の合計に対して、0.1〜10質量%の範囲内で使用することが好ましい。
また、前記重合体(A)を製造する際の反応容器中の不揮発分は、30〜90質量%の範囲が好ましく、50〜85質量%の範囲がより好ましい。
前記重合体(A)の酸価は、優れた低温硬化性を付与するため、40〜90mgKOH/gの範囲であることが重要である。
前記重合体(A)の水酸基価は、低温硬化性がより向上することから、5〜100mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
また、前記重合体(A)の重量平均分子量は、保存安定性に優れて増粘を生じない水性樹脂組成物や塗料が得られることから、5,000〜100,000の範囲が好ましく、10,000〜50,000の範囲がより好ましい。
なお、本発明において、酸価及び水酸基価は、原料である不飽和単量体組成から計算により求めた酸価である。また、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)法により、求めたものである。
前記重合体(A)のガラス転移温度は、塗膜硬度の観点から、50〜100℃の範囲であることが重要である。
なお、本発明におけるガラス転移温度は、
FOXの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・
(Tg:求めるべきガラス転移温度、W1:成分1の重量分率、Tg1:成分1のホモポリマーのガラス転移温度)
に従い計算により求めたものである。各成分のホモポリマーのガラス転移温度の値は、日刊工業新聞社の「粘着技術ハンドブック」またはWiley−Interscienceの「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」に記載の値を採用するものとする。以下、このガラス転移温度を「Tg」と略称する。
前記アクリル樹脂(C)は、前記重合体(A)が前記塩基性化合物(B)で中和されたものであるが、耐酸性の観点から、前記塩基性化合物(B)はアルキルアミン(b1)を55mol%以上含有することが重要であり、70mol%以上含有することが好ましい。
前記アルキルアミン(b1)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられるが、中和工程の温度制御が容易な点から、トリエチルアミンが好ましい。これらのアルキルアミン(b1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記塩基性化合物(B)として使用される前記アルキルアミン(b1)以外のその他の塩基性化合物(b2)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパノール、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の多価アミン等の有機アミンやアンモニア(水)などが挙げられる。これらの塩基性化合物(b2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記アクリル樹脂(C)の有するカルボキシル基の中和率は、分散安定性がより向上することから、50〜100%の範囲であることが好ましい。
前記変性エポキシ樹脂(D)は、エポキシ樹脂(d1)とモノカルボン酸(d2)とリン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)との反応物である。
前記エポキシ樹脂(d1)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、スピログリコールもしくは水添ビスフェノールA等の脂肪族ポリオールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSもしくはビスフェノールAD等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂もしくはクレゾールノボラック樹脂等のグリシジルエールであるノボラック型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂;芳香族系ポリヒドロキシ化合物のエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド付加体等のポリオール類のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等の環状脂肪族型ポリエポキシ樹脂;
プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸もしくはトリメリット酸等のポリカルボン酸のポリグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンもしくはビニルシクロヘキセン等の炭化水素系ジエンのビスエポキシ樹脂;
ポリブタジエンもしくはポリイソプレン等のジエンポリマーのエポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、ジグリシジルアニリンもしくはテトラグリシジルメタキシリレンジアミン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;トリアジンもしくはヒダントインの如き、各種の複素環を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂(c1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
これらのエポキシ樹脂の中でも、耐食性がより向上することから、芳香族エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
前記モノカルボン酸(d2)としては、例えば、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸等の飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、チグリン酸、3,3−ジメチルアクリル酸、ペンテン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、基材密着性がより向上することから、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、炭素原子数3〜5のエチレン性不飽和モノカルボン酸がより好ましく、(メタ)アクリル酸がさらに好ましい。また、これらのモノカルボン酸(d2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記リン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸;モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート等のリン酸モノエステルなどが挙げられるが、耐食性がより向上することから、リン原子に結合した水酸基を2以上有する化合物が好ましく、リン酸がより好ましい。
前記変性エポキシ樹脂(D)を得る際の、前記エポキシ樹脂(d1)、前記モノカルボン酸(d2)、及び前記リン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)の反応は、前記エポキシ樹脂(d1)中のエポキシ基1モル数に対し、前記モノカルボン酸(d2)中のカルボキシル基のモル数と前記化合物(d3)中のリン原子に結合した水酸基のモル数との合計のモル数が、0.9〜1モルであることが好ましい。
前記変性エポキシ樹脂(D)を製造する方法としては、例えば、下記の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
方法(1):前記エポキシ樹脂(d1)と前記モノカルボン酸(d2)と前記化合物(c3)とを一括で仕込んで反応させる方法。
方法(2):前記エポキシ樹脂(d1)と前記モノカルボン酸(d2)とを反応させ、次いで、前記化合物(d3)を反応させる。
方法(3):前記エポキシ樹脂(d1)と前記化合物(d3)とを反応させ、次いで、前記モノカルボン酸(d2)とを反応させる。
これらの方法の中でも、反応効率がより優れることから、方法(2)が好ましい。
また、これらの方法では、必要に応じて、有機溶媒、触媒等を用いてもよく、触媒としては、トリフェニルホスフィン、アミン化合物等を用いることが好ましい。
前記自己乳化型水性樹脂(E)は、前記アクリル樹脂(C)中に、前記変性エポキシ樹脂(D)が内包されたものであるが、例えば、前記重合体(A)と前記変性エポキシ樹脂(D)と前記塩基性化合物(B)とを混合した溶液を、水を用いて転相乳化することで得られる。
前記自己乳化型水性樹脂(E)における前記重合体(A)と前記変性エポキシ樹脂(D)との質量比[(A)/(D)]は、貯蔵安定性及び得られる塗膜の耐食性がより向上することから、70/30〜97/3の範囲が好ましい。
本発明の水性樹脂組成物は、前記自己乳化型水性樹脂(E)が水性媒体中に分散したものであるが、前記水性媒体としては、水、及び前記重合体(A)の製造の際に用いる有機溶剤として列挙した水混和性有機溶剤等が使用できる。これらの水性媒体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の水性樹脂組成物は、前記自己乳化型水性樹脂(E)を水性媒体中に分散したものであるが、さらに硬化剤(F)を配合することで、本発明の水性塗料となる。前記硬化剤(F)としては、例えば、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂等が挙げられる。
前記アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、尿素等のアミノ基を有する化合物を、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド化合物と反応させることによって得られるアルキロール基を有するアミノ樹脂;前記アルキロール基を有するアミノ樹脂と、メタノール、エタノール、n−ブタノール、iso−ブタノール等の低級アルコールとを反応させて得られるアルコキシアルキル基を有するアミノ樹脂などが挙げられる。
前記ブロックイソシアネート樹脂としては、例えば、有機ジイソシアネート化合物と、多価アルコール、低分子量水酸基含有ポリエステル樹脂、低分子水酸基含有アルキド樹脂又は水等との付加物及び前記有機ジイソシアネート化合物同士の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物、ウレトジオン化合物を含む。)を、オキシム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、ジケトン化合物等の種々のブロック化剤でブロック化させて得られるブロックイソシアネートを使用することができる。
前記有機ジイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートもしくは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
前記硬化剤(F)の配合量としては、本発明の水性塗料の硬化性及び硬化塗膜の塗膜外観や耐久性がより向上することから、質量比[自己乳化型水性樹脂(E)/硬化剤(F))]が、50/50〜95/5の範囲であることが好ましく、70/30〜90/10の範囲であることがより好ましい。
さらに、本発明の水性塗料には、必要に応じて、その他の配合物として、無機顔料、有機顔料、体質顔料、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、顔料分散剤等の各種の添加剤等を使用することができる。
本発明の塗料組成物の塗装方法としては、塗装する物品により異なるが、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター等の方法が挙げられる。
本発明の水性塗料は、各種物品の表面に、耐酸性に優れる硬化塗膜を付与することができる。
本発明の塗料組成物は、被塗装物となる物品に、直接塗装してもよいし、被塗装物に適合したプライマー塗材を塗装してから、本発明の塗料組成物を塗装してもよい。
被塗装物となる物品の材質としては、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の各種金属及びこれらの合金;ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、PC−ABSのポリマーアロイ、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)等の各種樹脂;これらの樹脂にガラス繊維等のフィラーを入れた繊維強化プラスチック(FRP);などが挙げられる。
本発明の水性塗料を塗装することのできる物品としては、ベルト、バッグ、装飾品等の金具;鋼製家具、外壁や屋根等の建築部材;ガードレール、防音壁、排水溝等の土木部材;家電製品、産業機械、自動車の部品等の金属基材などが挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。水性樹脂組成物の粘度は、東機産業株式会社製BM粘度計「TVB10形粘度計」にて測定した値であり、水性樹脂組成物中の樹脂粒子の平均粒子径は、日機装株式会社製「Nanotrac UPA−150」を用いて測定した値である。また、重量平均分子量(Mw)は、下記の測定条件で測定した。
[重量平均分子量の測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(合成例1:変性エポキシ樹脂(D−1)の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「エピコート 1001」)545.5質量部と、ジエチレングリコールジメチルエーテル259.0質量部とを仕込んで、加熱溶解させながら、80℃まで昇温した。溶解後、80℃にてアクリル酸59.7質量部を仕込み、110℃まで1時間かけて昇温しながら撹拌した。110℃で3時間保持して反応を続行せしめて、酸価が1.0mgKOH/g以下となった処で、80℃にまで下げて、85質量%リン酸12.1質量部およびジエチレングリコールジメチルエーテル70.2質量部からなる混合物を、1時間かけて連続滴下した。滴下終了後も引き続いて、80℃で4時間反応させ、次いで、ジエチレングリコールジメチルエーテル50.5質量部を仕込むことにより、不揮発分64.0質量%、酸価9.0mgKOH/gの変性エポキシ樹脂(D−1)を得た。
(実施例1:水性樹脂組成物(1)の合成)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル766.8質量部、フマル酸27.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン637.2質量部、メチルメタクリレート145.8質量部、n−ブチルアクリレート62.6質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート108.0質量部、アクリル酸16.2質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート39.6質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン424.8質量部、メチルメタクリレート97.2質量部、n−ブチルアクリレート41.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート72.0質量部、アクリル酸145.8質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート30.6質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価85mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(A−1)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を149.4質量部混合し、次いでトリエチルアミン117.0質量部により中和を行い、イオン交換水2105.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(1)を得た。この水性樹脂組成物(1)は、不揮発分44.0質量%、pH7.5であった。
(実施例2:水性樹脂組成物(2)の合成)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル234.4質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン227.2質量部、メチルメタクリレート58.5質量部、n−ブチルアクリレート21.6質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート38.5質量部、アクリル酸5.0質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート14.1質量部とを3.5時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン97.4質量部、メチルメタクリレート25.1質量部、n−ブチルアクリレート9.2質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5質量部、アクリル酸44.5質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7.7質量部とを1.5時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価70mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(A−2)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を45.8質量部混合し、次いでトリエチルアミン34.7質量部により中和を行い、イオン交換水485.7質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(2)を得た。この水性樹脂組成物(2)は、不揮発分47.0質量%、pH7.5であった。
(実施例3:水性樹脂組成物(3)の合成)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル255.8質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート64.9質量部、n−ブチルアクリレート23.4質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸1.5質量部、メタクリル酸0.7質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.6質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート43.3質量部、n−ブチルアクリレート15.6質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸13.9質量部、メタクリル酸6.5質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート9.8質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価42mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(A−3)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン30.1質量部により中和を行い、イオン交換水725.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(3)を得た。この水性樹脂組成物(3)は、不揮発分36.5質量%、pH7.4であった。
(実施例4:水性樹脂組成物(4)の合成)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル255.0質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート60.8質量部、n−ブチルアクリレート21.6質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸3.3質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.3質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート40.2質量部、n−ブチルアクリレート14.4質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸29.7質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10.0質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価57mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(A−4)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン39.0質量部により中和を行い、イオン交換水735.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(4)を得た。この水性樹脂組成物(4)は、不揮発分40.5質量%、pH7.5であった。
(実施例5:水性樹脂組成物(5)の合成)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル256.5質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート67.0質量部、n−ブチルアクリレート22.0質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸2.1質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.6質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート44.6質量部、n−ブチルアクリレート14.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸19.1質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10.0質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価42mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(A−5)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン29.8質量部により中和を行い、イオン交換水725.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(5)を得た。この水性樹脂組成物(5)は、不揮発分32.0質量%、pH7.6であった。
(実施例6:水性樹脂組成物(6)の合成)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル256.4質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート67.0質量部、n−ブチルアクリレート22.0質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸2.1質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.6質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート44.6質量部、n−ブチルアクリレート14.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸19.1質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10.0質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価43mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(A−6)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン22.3質量部及び25質量%アンモニア水7.2質量部により中和を行い、イオン交換水835.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(6)を得た。この水性樹脂組成物(6)は、不揮発分32.0質量%、pH7.6であった。
(比較例1:水性樹脂組成物(R1)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル255.6質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート48.6質量部、n−ブチルアクリレート20.9質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸5.4質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.0質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート32.4質量部、n−ブチルアクリレート13.9質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸48.6質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10.4質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価85mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(RA−1)の溶液を得た。この溶液にトリエチルアミン38.8質量部を加えることにより中和を行い、イオン交換水870.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(R1)を得た。この水性樹脂組成物(R1)は、不揮発分36.5質量%、pH7.5であった。
(比較例2:水性樹脂組成物(R2)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル766.8質量部、フマル酸27.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン637.2質量部、メチルメタクリレート145.8質量部、n−ブチルアクリレート62.6質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート108.0質量部、アクリル酸16.2質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート39.6質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン424.8質量部、メチルメタクリレート97.2質量部、n−ブチルアクリレート41.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート72.0質量部、アクリル酸145.8質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート30.6質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価85mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(RA−2)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を149.4質量部混合し、次いでジメチルエタノールアミン103.0質量部により中和を行い、イオン交換水2105.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(R2)を得た。この水性樹脂組成物(R2)は、不揮発分44.0質量%、pH7.5であった。
(比較例3:水性樹脂組成物(R3)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル327.7質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.8質量部、メチルメタクリレート83.7質量部、n−ブチルアクリレート390.9質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート129.8質量部、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾イプシロン−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製「プラクセルFM1」)243.0質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート33.6質量部とを3.5時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン91.2質量部、メチルメタクリレート35.8質量部、n−ブチルアクリレート167.5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート55.6質量部、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾イプシロン−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製「プラクセルFM1」)104.2質量部、アクリル酸39.0質量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NK エステル M−230G」)16.0質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート14.4質量部とを、1.5時間かけて連続滴下した。同温度で1時間撹拌後、120℃に降温し、スチレン16.0質量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート5.9質量部を仕込んで、さらに2時間撹拌後に反応を終了し、Tg0℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価100mgKOH/gの重合体(RA−3)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を302.4質量部混合し、次いでジメチルエタノールアミン44.6質量部により中和を行い、イオン交換水1856.3質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(R3)を得た。この水性樹脂組成物(R3)は、不揮発分44.0質量%、pH8.3であった。
(比較例4:水性樹脂組成物(R4)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル329.6質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン214.1質量部、メチルメタクリレート240.8質量部、n−ブチルアクリレート396.3質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート78.3質量部、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾イプシロン−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製「プラクセルFM1」)47.0質量部、からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート39.4質量部とを3.5時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン91.7質量部、メチルメタクリレート103.2質量部、n−ブチルアクリレート169.8質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート33.6質量部、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾イプシロン−カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製「プラクセルFM1」)63.0質量部、アクリル酸39.3質量部、「NK エステル M−230G」16.1質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート16.9質量部とを1.5時間かけて連続滴下した。同温度で1時間撹拌後、120℃に降温し、スチレン16.1質量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート4.8質量部を仕込んで、さらに2時間撹拌後に反応を終了し、計算Tg10℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/gの重合体(RA−4)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を307.2質量部混合し、次いでジメチルエタノールアミン41.4質量部により中和を行い、イオン交換水1891.2質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(R4)を得た。この水性樹脂組成物(R4)は、不揮発分44.0質量%、pH7.8であった。
(比較例5:水性樹脂組成物(R5)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル255.6質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート38.9質量部、n−ブチルアクリレート20.1質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸5.4質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート12.6質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート25.9質量部、n−ブチルアクリレート13.4質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸66.0質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10.8質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価107mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(RA−5)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン37.8質量部により中和を行い、イオン交換水835.0質量部を用いて転相乳化を行い、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物(R5)を得た。この水性樹脂組成物(R5)は、不揮発分40.0質量%、pH7.4であった。
(比較例6:水性樹脂組成物(R6)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル255.4質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート70.2質量部、n−ブチルアクリレート22.4質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸1.6質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.7質量部とを3時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート46.8質量部、n−ブチルアクリレート14.9質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸13.8質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート9.4質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価43mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(RA−6)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン21.5質量部により中和を行い、イオン交換水500.0質量部を用いて転相乳化を行ったが、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物は得られなかった。
(比較例7:水性樹脂組成物(R7)の調製)
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル255.0質量部、フマル酸9.0質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、スチレン212.4質量部、メチルメタクリレート60.8質量部、n−ブチルアクリレート21.6質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36.0質量部、アクリル酸3.3質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.3質量部とを3.0時間かけて連続滴下した。続いて、スチレン141.6質量部、メチルメタクリレート40.2質量部、n−ブチルアクリレート14.4質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.0質量部、アクリル酸29.7質量部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート10.0質量部とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後反応を終了し、Tg80℃、酸価57mgKOH/g、水酸基価43mgKOH/gの重合体(RA−7)の溶液を得た。この溶液に変性エポキシ樹脂(D−1)を50.0質量部混合し、次いでトリエチルアミン19.5質量部により中和を行い、イオン交換水500.0質量部を用いて転相乳化を行ったが、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物は得られなかった。
上記で得られた水性樹脂組成物(1)〜(6)及び(R1)〜(R5)の性状値を表1及び2に示す。表中の「TEA」はトリエチルアミン、「DMEA」はジメチルエタノールアミンを表す。比較例6及び7においては、自己乳化型水性樹脂が水性媒体中に分散した水性樹脂組成物が得られなかったため、性状値は未測定である。
Figure 2019516002
Figure 2019516002
(実施例7〜12:水性塗料(1)〜(6)の調製及び評価)
[水性塗料の調製]
実施例1〜6で得られた各水性樹脂組成物(1)〜(6)と硬化剤(メラミン樹脂)とを下記の表3に示すように配合し、攪拌混合して、水性塗料(1)〜(6)を得た。次いで、得られた水性塗料(1)〜(6)を用いて、下記の塗膜評価を行った。
[評価用塗膜の作製]
上記で得られた各水性塗料(1)〜(6)を、ブリキ板に乾燥後の膜厚が30μmとなるように、バーコーターで塗装した。塗装後、25℃で20分間養生した後、110℃で25分間乾燥し、評価用塗膜(1)〜(6)を作製した。
[塗膜硬度の評価(鉛筆硬度)]
上記で得られた評価用硬化塗膜の表面について、JIS K 5600−5−4:1999の引っかき硬度(鉛筆法)に準じて、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度として測定し、下記の基準により塗膜硬度を評価した。
A:2H以上
B:H
C:F以下
[基材密着性の評価]
上記で得られた評価用塗膜を、JIS K 5600−5−6:1999の付着性(クロスカット法)に基づいて測定した。前記硬化塗膜の上にカッターで1mm幅の切込みを入れ碁盤目の数を100個とし、全ての碁盤目を覆うようにセロハンテープ(ニチバン株式会社製)を貼り付け、すばやく引き剥がした後に、付着して残っている碁盤目の割合から、下記の基準により基材密着性を評価した。
A:塗膜の剥がれが全体の5%未満
B:塗膜の剥がれが全体の5%以上15%未満
C:塗膜の剥がれが全体の15%以上
[耐酸性の評価]
上記で得られた評価用塗膜に50質量%硝酸を2ml垂らし、90秒後に硝酸をふき取った後、塗膜表面を観察し、下記の基準により耐酸性を評価した。
A:試験前後で変化なし
B:痕跡、膨れ、黄変等がわずかにあり
C:痕跡、膨れ、黄変等が大きくあり
[耐食性の評価]
上記で得られた評価用塗膜を、JIS K 5600−7−9:2006の耐塩水噴霧性試験に基づいて測定した。前記硬化塗膜を基材に到達する深さまでカッターナイフで傷を付け(クロスカット部)、スガ試験機株式会社製塩水噴霧試験器にて塩水噴霧試験を実施し、72時間後の錆発生面積を目視により、下記の基準により評価した。
A:クロスカット部の周辺部に錆の発生は見られず又は極微量の錆の発生が見られたが、それに起因した塗膜の剥離や膨れは見られなかった。
B:クロスカット部の周辺部に広く錆の発生が見られ、それに起因した塗膜の剥離や膨れが見られたものの、流れ錆はみられなかった。
C:クロスカット部の周辺部に広く錆の発生と、それに起因した塗膜の剥離や膨れが見られ、更に流れ錆による塗膜の汚染等が見られた。
(比較例8〜12:水性塗料(R1)〜(R5)の調製及び評価)
下記の表4に示す配合に変更した以外は実施例7〜12と同様に操作することにより、水性塗料(R1)〜(R5)を得た後、各塗膜評価を行った。
上記で得られた水性塗料(1)〜(6)の配合及び評価結果を表3に示す。
Figure 2019516002
上記で得られた水性塗料(R1)〜(R5)の配合及び評価結果を表4に示す。
Figure 2019516002
実施例1〜6の本発明の水性樹脂組成物を用いた水性塗料は、各種塗膜物性に優れることが確認された。
一方、比較例1は、変性エポキシ樹脂が内包されていない例であるが、基材密着性、耐酸性及び耐食性に劣ることが確認された。
比較例2〜4は、塩基性化合物としてジメチルエタノールアミンを用いた例であるが、耐酸性に劣ることが確認された。
比較例5は、重合体の酸価が本発明の上限である90mgKOH/gより大きい107mgKOH/gである例であるが、基材密着性及び耐食性に劣ることが確認された。
比較例6は、重合体の酸価が本発明の下限である40mgKOH/gより小さい35mgKOH/gである例であるが、水分散体を得ることができなかった。
比較例7は、塩基性化合物としてアルキルアミンとアンモニア水を併用し、アルキルアミンが本発明の下限である55mol%より少ない50mol%の例であるが、水分散体を得ることができなかった。

Claims (4)

  1. カルボキシル基を有する重合体(A)が塩基性化合物(B)で中和されたアクリル樹脂(C)中に、変性エポキシ樹脂(D)が内包された自己乳化型水性樹脂(E)が、水性媒体中に分散した水性樹脂組成物であって、前記重合体(A)の酸価が40〜90mgKOH/gの範囲内であり、前記塩基性化合物(B)がアルキルアミン(b1)を55mol%以上含有するものであり、前記変性エポキシ樹脂(D)が、エポキシ樹脂(d1)とモノカルボン酸(d2)とリン原子に結合した水酸基を有する化合物(d3)との反応物であることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 前記モノカルボン酸(d2)が、エチレン性不飽和カルボン酸である請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の水性樹脂組成物と、硬化剤(F)とを含有することを特徴とする水性塗料。
  4. 請求項3記載の水性塗料の硬化塗膜を有することを特徴とする物品。
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