JP2019218581A - スパッタリング装置、スパッタリング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体における熱負け発生を防止する。【解決手段】スパッタリング装置100であって、基体Sの被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲット10と、スパッタ時にターゲットにエロージョン部を形成可能な磁気回路12と、基体における被成膜領域の近傍に配置されて被成膜領域を規定する開口部15aを有するとともに被成膜領域の全周を覆う板状のマスク15と、を有し、マスクにおいて開口部には、基体の進行方向とこの進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在してマスクから基体への輻射熱を低減する冷却手段18が、開口部を囲むように基体側の面に配置される。【選択図】図1

Description

本発明はスパッタリング装置、スパッタリング方法に関し、特に、真空雰囲気でドラム状とされるローラの周囲に巻き掛けられたシート状の基体に連続してスパッタリング等の各種真空処理を施すに用いて好適な技術に関する。
例えば、樹脂製のシート状の基体(フィルム)は可撓性を有し、加工性も良いことから、その一方の面に、真空雰囲気で所定の金属膜や酸化物膜等の所定の薄膜を単体または多層で成膜したり、エッチングや熱処理を施したりして電子部品や光学部品とすることが知られている。
シート状の基体の一方の面に連続して各種の真空処理を施すことができるものは例えば特許文献1に記載されている。この技術では、シート状の基体が巻き掛けられるドラム状とされるローラを収容する、真空雰囲気の形成が可能な真空チャンバを有する。真空チャンバ内には、通常、ドラム状とされるローラの周囲に互いに隔絶された複数の処理空間を区画するために複数個の隔壁が固定配置され、例えば、真空処理時の所謂ガスコンタミネーションの発生を可及的に抑制するようにしている。
近年、生産性を向上するために、フィルムの走査速度(移動速度)を増大した状態で成膜をおこなう高速スパッタリング成膜をおこないたいという要求がある。
特開2013−194253号公報
しかし、高速度で走査されたフィルムにスパッタ成膜をおこなおうとすると、ドラム状とされるローラ周囲に巻回された状態のフィルムにしわが発生するなど、熱負けと称する状態が発生する場合があり、均一成膜が実現できない可能性があった。
特に、スパッタリング成膜であると、プラズマ発生に付随する熱輻射などによって熱負荷が増大し、これにともなって樹脂性等のフィルムは変形しやすいため、熱負けを発生しやすくなり、高速スパッタ成膜ができないという問題があった。
同時に、高速度で走査されたフィルムにスパッタ成膜をおこなうためには、対応して成膜速度つまりデポレートを向上しなければならないが、熱負けを発生することなくこれが可能な手段は知られていなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.フィルムにおける熱負けの発生を防止して成膜を実現すること。
2.成膜速度の向上を図ること。
3.高速フィルムへのスパッタ成膜を可能とすること。
本発明者らは、スパッタ成膜における熱負けの発生に関して、次のように分析した。
0.熱負けの分析
熱負けは、成膜中にフィルムの温度上昇によって当該フィルムにしわ等の変形が発生し、被成膜面が平坦ではない状態でスパッタ成膜がおこなわれてしまうことを意味し、膜平坦度が低下すること、これを起因とし後工程の生産阻害要因と成ること、および、熱負けしたフィルムを成膜後に巻き取った場合に、しわ等の凹凸部分が重なると、形成した膜にダメージを与えて成膜品質が維持できないため好ましくない。
特に、ドラム状とされるローラの周方向に、トタン板(波板)形状に複数条として発生する所謂トタンじわは、発生領域が大きくなりやすい傾向を有し、また、フィルムの引張方向に発生するためその補正が困難であるため、好ましくない。
1.ターゲットからの熱輻射
まず、回転するドラム状とされるローラに巻回されたフィルムにおこなうスパッタリング成膜処理においては、成膜中にターゲットからプラズマを発生させている。このとき、ターゲットは、プラズマを発生させることにより温度が上昇することになるが、この高温のターゲットから放射され直接フィルムへ到達する熱輻射によって、フィルムの温度が上昇して変形し、熱負けが発生する原因となることが考えられる。
2.プラズマからの熱輻射
同様に、回転するドラム状とされるローラに巻回されたフィルムへのスパッタリング成膜においては、成膜中にターゲット近傍からプラズマを発生させている。このとき、発生したプラズマは高温であるため、この高温のプラズマから放射され直接フィルムへ到達する熱輻射によってフィルムの温度が上昇して変形し、熱負けが発生する原因となり、しわ等の変形が熱ダメージとして発生することが考えられる。
さらに、高温のプラズマから放射された輻射熱は、フィルムとの間に位置する成膜範囲を規制するマスクなどの部材に到達し、これらの部材が温度上昇する。この高温のマスクなどの部材から放射され直接フィルムへ到達する熱輻射によってフィルムの温度が上昇して変形し、熱負けが発生する原因となり、しわ等の変形が熱ダメージとして発生することが考えられる。
3.自由電子からの熱輻射
プラズマは全体としては電気的に中性になっているが、実際には、プラスイオンとマイナスイオンとが入り乱れた状態として発生している。これに対して、フィルムの側はある程度電位を持っている状態でスパッタ成膜がおこなわれることになるため、プラズマからは、自由電子あるいは正負のイオンなど、何かしらの荷電粒子が直接フィルムに入射することが発生する。これによりフィルムが発熱してフィルムの温度が上昇して変形し、熱負け状態となり、しわ等の変形が熱ダメージとしてフィルムに発生することになると考えられる。
4.凝縮潜熱
例えば、銅(Cu)などからなるターゲットを用いた場合、成膜粒子は一度気化してからフィルムに付着して成膜される。この気化に際して成膜粒子は気化熱を有することになるため、成膜粒子がフィルムに成膜される際には、成膜粒子が冷却されて凝集潜熱が発生する。この潜熱はフィルム上で発生するため、成膜粒子から発生した潜熱は直接フィルムへ伝わり、フィルムの温度が上昇して変形してフィルムが熱負け状態となり、しわ等の変形が熱ダメージとしてフィルムに発生することになると考えられる。
5.フィルム表裏の温度差
外周にフィルムの巻回されるドラム状とされるローラには、その内側に冷温媒が供給されて、フィルム温度の上昇を防止した状態でスパッタ成膜をおこなうことがある。この場合、フィルムの成膜面とドラム状とされるローラに接する面との間には、フィルム厚さ方向に温度勾配つまり温度差が生じることになる。この温度差が熱負荷となり、フィルムが熱負け状態となり、発生したしわ等の変形が熱ダメージとしてフィルムに発生することになると考えられる。
6.ドラム状とされるローラとフィルムとの密着性
従来から知られているが、ローラ面とフィルムとの密着状態によっても、しわ等の変形が熱ダメージとしてフィルムに発生することになると考えられる。
もちろん、これらの原因は、単独で、あるいは、複数組み合わされた状態として熱負けが発生すると考えられる。また、それぞれの原因となる寄与度(ウエイト)も、成膜種類、フィルム材質、フィルム厚さ等の条件、フィルム走査速度、プラズマ状態、成膜条件、装置状態、装置構成等によって変化する上に、それぞれの原因における熱負け発生への寄与度の大きさも同じ成膜処理中においても変化することが考えられ、熱負け発生の防止に至る方策は単純ではない。
本発明者らは、上記のように分析した熱負け発生原因のうち、特に、2.プラズマからの熱輻射に注目し、これを解決しようと試み、次のように本発明に到達した。
本発明のスパッタリング装置は、本発明のスパッタリング装置は、長手方向に移動する可撓性基体に成膜するスパッタリング装置であって、
前記基体の被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲットと、
スパッタ時に前記ターゲットにエロージョン部を形成可能な磁気回路と、
前記基体における被成膜領域の近傍に配置されて前記被成膜領域を規定する開口部を有するとともに前記被成膜領域の全周を覆う板状のマスクと、
を有し、
前記マスクにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記マスクから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることにより、プラズマ発生時に温度上昇するマスクを冷却手段によって冷却することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記マスクと前記ターゲットとの間には、前記マスクにおける前記開口部に対応する開口部を有する板状のアノードが設けられ、
前記アノードにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記アノードから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることがより好ましい。
本発明の前記ターゲットには、前記ターゲットの前記基体側近傍に配置されて前記被成膜領域への成膜粒子の進行方向を規定する開口部を有するケースが設けられ、
前記ケースには前記マスクにおける前記開口部に対応する開口部が設けられ、
前記ケースにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記ケースから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることが可能である。
また、本発明において、前記冷却手段が、前記開口部まわりに延在する冷媒管とされ、
前記冷媒管に冷媒を供給する冷媒供給手段が設けられる手段を採用することもできる。
また、前記基体を長手方向に移動する手段として、前記基体の進行方向と直交する前記幅方向の回転軸線を有するドラム状とされその周囲の円筒外側面に前記基体を引張した状態で巻き掛けられるメインローラを有し、
前記メインローラには、その内側位置にスパッタ時における前記基体の温度を調節する温調手段が設けられることができる。
また、前記ターゲットが、前記基体の進行方向と直交する前記幅方向の回転軸線を有するロータリーターゲットとされるか、または、前記幅方向と略並行な揺動方向を有する平板状ターゲットとされて、
前記ターゲットの前記基体と反対側位置には、前記ターゲットを冷却する冷却手段が設けられることができる。
本発明のスパッタリング方法においては、長手方向に移動する可撓性基体に成膜するスパッタリング方法であって、
前記基体の被成膜面をなす一面に対向するターゲットに電力を供給するとともに、磁気回路により前記ターゲットにエロージョン部を形成してプラズマを発生させ、
前記基体における被成膜領域の近傍全周に配置されて開口部を有する板状のマスクによってこの被成膜領域周辺を覆うことで前記ターゲットからの成膜粒子が前記基体の到達領域に到達する前記被成膜領域を規定するとともに、
前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記開口部を囲むように前記マスクにおける前記基体側の面に配置された冷却手段によって、
スパッタ時に、前記マスクから前記基体への輻射熱を低減することができる。
また、前記冷却手段が、前記開口部まわりに延在する冷媒管とされて、冷媒供給手段によって前記冷媒管に冷媒を供給することができる。
本発明のスパッタリング装置は、長手方向に移動する可撓性基体に成膜するスパッタリング装置であって、
前記基体の被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲットと、
スパッタ時に前記ターゲットにエロージョン部を形成可能な磁気回路と、
前記基体における被成膜領域の近傍に配置されて前記被成膜領域を規定する開口部を有するとともに前記被成膜領域の全周を覆う板状のマスクと、
を有し、
前記マスクにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記マスクから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることにより、プラズマ発生時に温度上昇するマスクを冷却手段によって冷却することにより、マスクにおける基体側に対向する面の温度を下降させ、マスクから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。また、マスクによって、開口部周囲におけるプラズマから基体(フィルム)への輻射熱を遮蔽して基体に対する吸熱量を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
本発明において、前記マスクと前記ターゲットとの間には、前記マスクにおける前記開口部に対応する開口部を有する板状のアノードが設けられ、
前記アノードにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記アノードから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることにより、アノードによって基体(フィルム)の電位を所定の状態に調節して、発生したプラズマから自由電子あるいは正負のイオンなど、何かしらの荷電粒子が直接基体(フィルム)に入射することを防止し、基体(フィルム)の温度上昇を低減して基体に対する熱負荷を低減して、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。同時に、プラズマ発生時に温度上昇するアノードを冷却手段によって冷却することにより、アノードから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
本発明の前記ターゲットには、前記ターゲットの前記基体側近傍に配置されて前記被成膜領域への成膜粒子の進行方向を規定する開口部を有するケースが設けられ、
前記ケースには前記マスクにおける前記開口部に対応する開口部が設けられ、
前記ケースにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記ケースから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることにより、プラズマ発生時に温度上昇するターゲットをケースによって覆うことにより、ターゲットおよびプラズマから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。また、プラズマからターゲットへ入射する輻射熱を減少するとともに、このケースを冷却手段によって冷却することにより、ケースから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
また、本発明において、前記冷却手段が、前記開口部まわりに延在する冷媒管とされ、
前記冷媒管に冷媒を供給する冷媒供給手段が設けられる手段を採用することにより、マスク、アノード、ケースにおけるそれぞれの開口部周辺部を冷媒管中に冷媒を流通することで冷却し、これらから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが簡単な構成で可能となる。また、冷媒供給状態を設定することで、マスク、アノード、ケースにおけるそれぞれの温度状態を適宜設定することができ、基体(フィルム)におけるスパッタ状態を設定することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
また、前記基体を長手方向に移動する手段として、前記基体の進行方向と直交する前記幅方向の回転軸線を有するドラム状とされその周囲の円筒外側面に前記基体を引張した状態で巻き掛けられるメインローラを有し、
前記メインローラには、その内側位置にスパッタ時における前記基体の温度を調節する温調手段が設けられることにより、この温調手段と冷却手段とによって、基体(フィルム)の表裏面、つまり、非成膜面とその裏側面とから基体の温度状態を適宜設定することができ、基体(フィルム)におけるスパッタ状態を好適に設定し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
また、前記ターゲットが、前記基体の進行方向と直交する前記幅方向の回転軸線を有するロータリーターゲットとされるか、または、前記幅方向と略並行な揺動方向を有する平板状ターゲットとされて、
前記ターゲットの前記基体と反対側位置には、前記ターゲットを冷却する冷却手段が設けられることにより、プラズマ発生時に温度上昇するターゲットを冷却手段によって冷却することにより、ターゲットから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
本発明のスパッタリング方法においては、長手方向に移動する可撓性基体に成膜するスパッタリング方法であって、
前記基体の被成膜面をなす一面に対向するターゲットに電力を供給するとともに、磁気回路により前記ターゲットにエロージョン部を形成してプラズマを発生させ、
前記基体における被成膜領域の近傍全周に配置されて開口部を有する板状のマスクによってこの被成膜領域周辺を覆うことで前記ターゲットからの成膜粒子が前記基体の到達領域に到達する前記被成膜領域を規定するとともに、
前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記開口部を囲むように前記マスクにおける前記基体側の面に配置された冷却手段によって、
スパッタ時に、前記マスクから前記基体への輻射熱を低減することにより、マスクにおける基体側に対向する面の温度を低減して、マスクから基体(フィルム)への輻射熱を低減して基体に対する熱負荷を下降させて、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。また、マスクによって、開口部周囲におけるプラズマから基体(フィルム)への輻射熱を遮蔽して基体に対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)において、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
また、前記冷却手段が、前記開口部まわりに延在する冷媒管とされて、冷媒供給手段によって前記冷媒管に冷媒を供給することにより、マスクにおける温度状態を適宜設定することができ、基体(フィルム)におけるスパッタ状態を好適に設定することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
本発明によれば、フィルムにおける熱負けの発生を防止して、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムへのスパッタ成膜を可能とすることができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態におけるマスクを示す斜視図である。 本発明に係るスパッタリング方法の第1実施形態を示す説明図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態のマスクにおける冷媒管配置の例を示す模式図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態のマスクにおける冷媒管配置の例を示す模式図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態のマスクにおける冷媒管配置の例を示す模式図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態のマスクにおける冷媒管配置の例を示す模式図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態のマスクにおける冷媒管配置の例を示す模式図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第1実施形態のマスクにおける冷媒管配置の例を示す模式図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第2実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第3実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るスパッタリング装置の第3実施形態のマスク付近を示す拡大模式断面図である。
以下、本発明に係るスパッタリング装置、スパッタリング方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるスパッタリング装置を示す模式断面図であり、図において、符号100は、スパッタリング装置である。
本実施形態に係るスパッタリング装置100は、図1に示すように、長手方向に移動する可撓性基体(フィルム)Sに金属膜や酸化物膜あるいは透明導電膜などを形成するために、少なくとも、巻出室101、成膜室103、巻取室104、を備えている。ただし、これらの各室に加えて、たとえば、成膜室103の前段に成膜前の基体Sを加熱処理あるいは表面処理などをおこなうための前処理室、成膜室103の後段に成膜後の基体Sを冷却または後加熱するための後処理室など、他のチャンバを有していてもよい。
なお、本発明における可撓性基体(基体)Sとしては、たとえば、テープ状やシート状をなす可撓性の被処理体からなる場合、テープ状やシート状をなす可撓性の支持体とその上に配置された可撓性の被処理体との組合せからなる場合(ただし、この場合における「可撓性の被処理体」は、「可撓性の支持体」に載置されていればよく、その形状や配置などについて特に制限はない)、等が挙げられる。
巻出室101には、図1に示すように、基体Sの巻出手段110が設けられ、巻取室104には基体Sの巻取手段112が設けられ、成膜室103の内部には、基体Sの移動手段111(メインローラMR)が配置され、何れの手段もローラ状の回転体が好適に用いられる。巻出手段110と移動手段111(MR)の中に示した矢印は各手段の回転方向を、基体Sに沿って示した矢印は基体Sの移動方向を、それぞれ表している。
なお、巻出手段110、移動手段111(MR)、巻取手段112の間には、複数の小径のガイドローラGrが配されており、基体Sは各ガイドローラを介して移動することにより、可撓性基体Sに適度な張力が加わった状態を保ちながら、可撓性基体Sはその長手方向に運搬されるように構成されている。いわゆる、基体Sは、巻出手段/巻取手段における張力制御(テンションコントロール)が成された状態とされる。
また、成膜室103は、可撓性基体Sが移動可能に巻出室101、巻取室104と連通されており、成膜室103には、これら成膜室103、巻出室101、巻取室104の各室内を、所望の減圧雰囲気(真空度)とするための排気手段P1が設けられている。
成膜室103には、図1に示すように、成膜手段SPが、移動手段111(MR)によって支持された基体Sと対向するように配置されている。
成膜室103には、図1に示すように、成膜手段SPには、スパッタガスとして用いるアルゴンガスと酸素ガスの導入手段P2が設けられ、また、余分なガスを排気する排気手段P3が設けられている。
移動手段111(MR)には、それ自体の温度を制御できる温調手段が備わっており、成膜手段SPにおける成膜条件に合わせて、該成膜手段の前方を通過する基体Sの温度を制御することが可能とされている。具体的には、温調手段としては、メインローラMR内に冷却(加熱)水等の温冷媒を供給する温冷媒供給手段T1と、温冷媒供給手段T1に接続されてメインローラMR内の外周近傍に設けられた温冷媒通路111aとから構成されることができる。
以下では、成膜手段SPにおいて、基体Sに銅(Cu)からなる膜をスパッタリングにより成膜するものとして説明する。
あるいは、下地層として機能する酸化シリコン膜が予め被成膜面に形成されたものを基体Sとして用い、成膜手段SPにおいて、該酸化シリコン膜上にITOからなる透明導電膜を形成することもできる。この場合、図1に示すような成膜手段が1つである構成に加えて、他の成膜手段を複数台さらに備えてもよい。他の成膜手段は、たとえば、下地膜として機能する酸化シリコン膜や、酸化ニオブ膜を形成するために利用される。
成膜手段SPは、図1に示すように、円筒状のロータリーターゲット(ターゲット)10と、ロータリーターゲット10を回転する図示しない回転手段と、ロータリーターゲット10の内側位置に設けられた磁気回路12と、シールド部材(ケース)13と、から構成されている。
シールド部材(ケース)13は、周囲への不必要な着膜を防ぐために、ロータリーターゲット10の外周を囲むように配されており、ロータリーターゲット10の基体S対向位置に開口部13aが設けられており、ロータリーターゲット10の基体S対向位置がスパッタされるのを防止する。
シールド部材(ケース)13は、スパッタリング処理時に大気側となる位置には排気口が開設され、排気口には排気手段P3が接続されている。排気手段P3は、シールド部材(ケース)13内、および、開口部13aを介して成膜室103内を排気可能とされている。なお、排気手段P3は、開口部13aに限らず、成膜室103内における他の位置に設けられることもできる。
シールド部材(ケース)13は、ロータリーターゲット10の排気口側位置に、クライオポンプ13cが設けられ、シールド部材(ケース)13内における真空度を増加してしまう不要な粒子を吸着する。
同時に、クライオポンプ13cは、ロータリーターゲット10の排気口側、特に、開口部13aに位置して基体Sに対向するように回転する直前位置におけるロータリーターゲット10を冷却可能な位置に配置されている。
ロータリーターゲット10は、成膜される銅からなる母材とされ、図1において紙面の奥行きに軸線方向をなす長方形の円筒部材である。
ロータリーターゲット10の内周面には、プラズマ電源11aからの電力を伝達するバッキングチューブ11が配されている。このバッキングチューブ11のさらに内側位置には、ロータリーターゲット10表面にプラズマをトラップするために機能する磁気回路12が配置されている。本発明における磁気回路12は、固定されており、放電時に揺動しないタイプである。
磁気回路12から発生した磁力により、ロータリーターゲット10の表面には、少なくとも2箇所のエロージョン部が生じるように、スパッタリングが行われる。
磁気回路12の回路構成によっては、エロージョン部は3つ以上となる場合もあり、エロージョン部の数に限定されるものではない。
ロータリーターゲット10の内側位置には、バッキングチューブ11のさらに内側位置に、ロータリーターゲット10を冷却するための冷却手段として、バッキングチューブ11の内側に冷媒を流通可能として冷媒を供給する冷媒供給手段10aが接続されている。
ロータリーターゲット10、バッキングチューブ11、および磁気回路12からなるカソードの表面(ロータリーターゲット10の表面)に対する法線方向が、ローラ状の移動手段111(以下、MR、成膜ローラとも呼ぶ)により裏面が支持された可撓性基体Sの成膜面を略垂直に貫くように、移動手段111は配置される。
つまり、基体Sを側断面視する方向において、基体Sの被成膜面をなす一面に対向して設けられたロータリーターゲット10は、ターゲットあたり複数のエロージョン部を形成させる磁気回路12を備えている。そして、ロータリーターゲット10の複数のエロージョン部は、ロータリーターゲット10の軸線方向に延在して、かつ、基板Sの進行方向に沿って並列に配されている。
ロータリーターゲット10と基体Sを載置する移動手段111(MR、成膜ローラー)との間には、周囲への不必要な着膜を防ぐとともに基板に対し成膜領域を確定させる目的で、マスク15が配されている。マスク15は主に、基体Sに対する着膜を局所的に制限する目的から、そして、成膜空間をつくる成膜室の内側壁への着膜を防ぐ目的から、設けられており、マスク15の開口部15aにおいて、基体Sの被成膜面が、ロータリーターゲット10の表面側から臨める構成とした。
マスク15は、ドラム状の移動手段111(メインローラMR)の近傍に開口部15aが位置するように配置され、開口部15aによって基体Sに対する成膜領域を規定するように被成膜領域の全周を覆う配置とされている。この構成により、ロータリーターゲット10のエロージョン部側から見て、マスク15の開口部15aを通過する基体Sには、スパッタ膜の形成が可能とされている。つまり、基体Sに対する成膜可能な領域は、マスク15の開口部15aによって規制される。
図2は、本実施形態のスパッタリング装置におけるマスクを示す斜視図である。
マスク15は、図1,図2に示すように、略矩形輪郭を有する板状とされ、ドラム状の移動手段111(メインローラMR)の近傍に配置されている。マスク15はまた、略矩形輪郭となる開口部15a輪郭がドラム状の移動手段111(メインローラMR)に際近接するように配置されるとともに、ドラム状の移動手段111(メインローラMR)における外周表面に巻回された基体S表面に対応する位置(マスクすべき領域および境界)が、非成膜領域となるように開口部15aの境界に対して一致するように配置されている。
開口部15aは、矩形状の長手方向がドラム状の移動手段111(メインローラMR)における軸線方向と並行とされ、矩形状の短手方向が、基体Sの走査方向(進行方向)と一致するように配置される。
マスク15は、矩形の開口部15aの周縁が被成膜領域の全周を覆う板状とされており、マスク15の基体S側となる面の四辺には、冷媒管18がそれぞれ開口部15aを囲むように配置されており、冷媒管18には、冷媒を供給する冷媒供給手段19が接続されている。冷媒管18と冷媒供給手段19とは、冷却手段を構成する。
本実施形態において、冷媒管18は、基体S側に対向するマスク15の面に接続固定されるとともに、開口部15aの周縁において、対向する長辺に長冷媒管18a,18bが設けられ、また、開口部15aの周縁において、対向する短辺に短冷媒管18c,18dが設けられている。
長冷媒管18a,18bは、略直線形状を有するように延在して、開口部15aの周縁において対向する長辺といずれも並行状態に設けられる。また、長冷媒管18a,18bは、いずれもその両端が開口部15aの周縁において対向する短辺からはみ出してマスク15の輪郭外側まで延在している。
短冷媒管18c,18dは、開口部15aの周縁において対向する短辺といずれも略並行に設けられているが、その両端は、長冷媒管18a,18bの端部と同じ方向として開口部15aの周縁において対向する短辺からはみ出してマスク15の輪郭外側まで延在するように曲げられている。
なお、図2において、短冷媒管18c,18dは、マスク15に接続された中心位置が開口部15aの周縁において対向する短辺付近に位置するとともに、短冷媒管18c,18dの両端は、長冷媒管18a,18bに近接して、その端部からはみ出すように、全体が湾曲した形状とした構成を例示している。
なお、冷媒管18のマスク15への取り付け位置は、マスク15を充分に冷却することが可能であれば、この構成に限定されるものではない。
本実施形態において、長冷媒管18a,18b、短冷媒管18c,18dは、いずれも、開口部15aの周縁位置では連通しておらず、それぞれが独立して冷媒供給手段19に接続された構成となっている。
長冷媒管18a,18b、短冷媒管18c,18dは、それぞれが、いずれかの端部が冷媒供給手段19が接続されており、内部に冷媒を流通可能とされている。
なお、図2において、長冷媒管18a,18b、短冷媒管18c,18dの設けられた上側となるマスク15の面が基体Sの巻回されたドラム状の移動手段111(メインローラMR)に対向するように設けられる。
次に、本実施形態におけるスパッタリング方法について説明する。
図3は、本実施形態におけるスパッタリング方法を示す説明図である。
本実施形態のスパッタリング装置100におけるスパッタリング処理時には、巻出室101の巻出手段110から基体Sを供給し、巻取室104の巻取手段112によって基体Sを巻き取る。同時に、成膜室103の移動手段111(メインローラMR)表面には基体Sが巻回されて、メインローラMRの回転方向に基体Sが走査される。
このとき、温冷媒供給手段T1からメインローラMR内部の温冷媒通路111aに温冷媒が供給され、基体Sが所定の温度状態となるように設定されている。
また、冷媒供給手段19からマスク15の冷媒管18に冷媒が供給されて、マスク15を冷却する。同時に、冷媒供給手段10aからロータリーターゲット10内側に供給された冷媒10bが充填されてロータリーターゲット10を冷却する。
同時に、導入手段P2からアルゴンガスと酸素ガスとをスパッタガスとして供給するとともに、排気手段P3によって余分なガスを排気する。
この状態で、プラズマ電源11aからバッキングチューブ11を介してロータリーターゲット10に電力を供給するとともに、回転手段によって所定速度でロータリーターゲット10を回転させた状態で磁気回路12によって磁力を発生させ、この磁力によってトラップするようにプラズマPを発生させスパッタ粒子の放出を開始する。
ここで、プラズマPとなったスパッタガスからイオンや自由電子がロータリーターゲット10表面に入射して、磁気回路12の磁力により所定のエロージョン部を生じるとともに、ターゲット母材のCuが粒子となり、基体Sへと付着し、メインローラMR表面と一体に回転(走査)される基体S表面にスパッタ膜SCuが成膜される。
すると、図3に示すように、プラズマPを発生させることにより、イオンや自由電子の入射したロータリーターゲット10の温度が上昇する。また、プラズマPからの輻射熱によってロータリーターゲット10の温度が上昇する。
また、高温のプラズマPからの輻射熱によってマスク15の温度が上昇する。
このとき、次のように基体Sの温度が上昇する原因が考えられる。
1.ロータリーターゲット10起因
まず、高温のロータリーターゲット10から放射され直接基体Sへ到達する熱輻射によって、基体Sの温度が上昇する。
2.プラズマP起因
同様に、プラズマPが高温であるため、この高温のプラズマPから放射され直接基体Sへ到達する熱輻射、および、プラズマPから基体Sに直接入射する自由電子あるいは正負のイオンなどの荷電粒子によって、基体Sの温度が上昇する。
3.マスク15起因
さらに、高温のマスク15などの部材から放射され直接基体Sへ到達する熱輻射によって、基体Sの温度が上昇する。
4.凝縮潜熱
例えば、銅(Cu)からなる成膜粒子が一度気化してから基体Sに付着してスパッタ膜SCuとして成膜される際に発生する凝集潜熱により基体Sの温度が上昇する。
これらに対し、本実施形態においては、以下のように基体Sの温度上昇を防止する。
マスク15における開口部15a以外の部分によって、被成膜領域以外の基体Sを覆うことで、ロータリーターゲット10からの熱輻射、プラズマPからの熱輻射、プラズマPから入射する自由電子あるいは正負のイオンなどの荷電粒子が、被成膜領域以外の基体Sに直接到達しないように被覆して、開口部15aに対応する被成膜領域での基体Sの温度上昇を低減する。
また、シールド部材(ケース)13における開口部13a以外の部分によって、エロージョン部以外のロータリーターゲット10を覆うことで、ロータリーターゲット10からの熱輻射が開口部13a以外から基体Sに直接到達しないように被覆して、基体Sの温度上昇を低減する。
同時に、温冷媒供給手段T1からメインローラMR内部の温冷媒通路111aに温冷媒を供給して、輻射熱、荷電粒子入射、および、凝集潜熱によるメインローラMRおよび基体Sにおける温度上昇を低減する。
同時に、冷媒供給手段10aからロータリーターゲット10内側に冷媒10bを供給してロータリーターゲット10を冷却し、ロータリーターゲット10からの輻射熱を低減する。
また、クライオポンプ13cによって、開口部13aに位置して基体Sに対向するように回転する直前位置におけるロータリーターゲット10を冷却し、ロータリーターゲット10からの輻射熱を低減する。
同時に、冷媒供給手段19からマスク15の冷媒管18に冷媒を供給して、マスク15における開口部15aの四辺をそれぞれ冷媒管18a,18b,18c,18d(18)によって冷却し、ロータリーターゲット10からの熱輻射、プラズマPからの熱輻射、プラズマPから入射する自由電子あるいは正負のイオンなどの荷電粒子が到達したマスク15における温度上昇を低減する。これにより、マスク15における基体S対向面からの輻射熱を低減する。
これらによって基体Sの温度上昇によって変形し、熱負けが発生することを防止する。
また、巻出手段110、移動手段111(MR)、巻取手段112、複数のガイドローラGrによって、可撓性基体Sにおける張力制御(テンションコントロール)が成された状態とすることで、しわ等の変形が熱ダメージとして基体Sに発生することを防止する。
本実施形態においては、上記のように、特に、マスク15から基体Sへの輻射熱を低減することで、熱負けの発生する原因を解消し、しわ等の変形が熱ダメージとして発生することを防止した状態で、スパッタ成膜をおこなうことが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムSへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
さらに、マスク15における温度変化を低減することができるため、成膜中に着膜したマスク15の熱膨張によって発生する膜剥がれを抑制することができ、これにより、成膜中におけるダスト発生を防止して、成膜品質を向上することができるという効果を奏することが可能となる。
なお、本実施形態においては、図2に示すように、冷媒管18をマスク15の開口部15a周囲の四辺に配置したが、この配置に限定されるものではなく、次のような構成とすることもできる。
図4に示すように、4本の冷媒管18a,18b,18c,18dを設けてそれぞれを冷媒供給手段19に接続するとともに、短冷媒管18c,18dの中央位置において、曲部18eを設けて複数回褶曲させ、マスク15との接触長を増大し、マスク15の冷却効率を向上する。
図5に示すように、3本の冷媒管18f,18c,18dを設け、開口部15aの長辺に位置する冷媒管18fを曲部18gで接続して、この長冷媒管18f、短冷媒管18c,18dをそれぞれ冷媒供給手段19に接続する。
図6に示すように、2本の冷媒管18f,18cを設け、開口部15aの長辺に位置する冷媒管18fを曲部18hで接続し、曲部18hを短冷媒管として複数回褶曲させるとともに、短冷媒管18cの中央位置において、曲部18eを設けて複数回褶曲させ、これら曲部18e,18hによってマスク15との接触長を増大し、マスク15の冷却効率を向上する。また、この長冷媒管18f、短冷媒管18cをそれぞれ冷媒供給手段19に接続する。
図7に示すように、1本の冷媒管18jを設けて、それぞれ開口部15aの長辺、短辺、長辺、短辺に沿って、開口部15aを囲むように配置し、冷媒管18jを冷媒供給手段19に接続する。
図8に示すように、1本の冷媒管18kを設けて、それぞれ開口部15aの長辺、短辺、長辺、短辺に沿って、開口部15aを囲むように配置するとともに、開口部15aの周囲で蛇行するように複数の曲部を連続させて囲んだ状態に配置し、開口部15aの周囲で所定幅を持って冷媒管18kがマスク15に接触するようにしてマスク15との接触長を増大した状態で、マスク15の冷却効率を向上、冷媒管18kを冷媒供給手段19に接続する。
図9に示すように、6本の冷媒管18m,18c,18dを設けて、それぞれを冷媒供給手段19に接続する。
開口部15aの長辺に位置する長冷媒管18mは、開口部15aの長辺の中央位置において、曲部18nによって折り返され、それぞれが開口部15aの長辺と並行に設けられ、開口部15aの周囲で所定幅を持って冷媒管18mがマスク15に接触するようにしてマスク15との接触長を増大する。また、短冷媒管18c,18dの中央位置において、曲部18eを設けて複数回褶曲させ、マスク15との接触長を増大し、マスク15の冷却効率を向上する。
なお、長冷媒管18mの折り返し位置は、開口部15aの長辺の中央に限定されるものではない。
これらの構成によっても、上述したマスク15を冷却して、同等かそれ以上の効果を奏することが可能となる。
以下、本発明に係るスパッタリング装置、スパッタリング方法の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図10は、本実施形態におけるスパッタリング装置を示す模式断面図であり、本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、アノードに関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、図10に示すように、マスク15とロータリーターゲット10との間には、マスク15における開口部15aに対応する矩形の開口部14aを有する板状のアノード14が設けられ、電位調整手段14cが接続される。
アノード14において開口部14aの周囲には、基体Sの進行方向と進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在してアノード14から基体Sへの輻射熱を低減する冷却手段としての冷媒管14bとこの冷媒管14bに接続された冷媒供給手段19aが、開口部14aを囲むように基体S側の面に配置される。
また、本実施形態においては、図10に示すように、シールド部材(ケース)13において開口部13aの周囲には、基体Sの進行方向と進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在してシールド部材(ケース)13から基体Sへの輻射熱を低減する冷却手段としての冷媒管13bとこの冷媒管13bに接続された冷媒供給手段19bが、開口部13aを囲むように基体S側の面に配置される。
ここで、アノード14は、基体Sに対する電位調整以外にも、基体Sに対する着膜を局所的に制限可能に設けられることができ、アノード14の開口部14aにおいて、基体Sの被成膜面が、ロータリーターゲット10の表面側から臨める構成とされる。
本実施形態においては、また、アノード14における開口部14a周囲の冷媒管14b配置と、シールド部材(ケース)13における開口部13a周囲の冷媒管13b配置とは、マスク15における開口部15a周囲の冷媒管18の配置に準じることが可能である。
つまり、アノード14およびシールド部材(ケース)13において、矩形の開口部14a,13aまわりにおいて、その四辺に沿って冷媒管14bおよび冷媒管13bを設けることが好ましい。
本実施形態においては、アノード14によって基体(フィルム)Sの電位を所定の状態に調節して、発生したプラズマPから自由電子あるいは正負のイオンなど、何かしらの荷電粒子が直接基体(フィルム)Sに入射することを防止し、基体(フィルム)Sの温度上昇を低減して基体Sに対する熱負荷を低減する。これにより、基体(フィルム)Sにおいて、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。
同時に、プラズマ発生時に温度上昇するアノード14を冷却手段としての冷媒管14bによって冷却するとともに、シールド部材(ケース)13を冷却手段としての冷媒管13bによって冷却することにより、アノード14およびシールド部材(ケース)13から基体(フィルム)Sへの輻射熱を低減して基体Sに対する熱負荷を低減し、基体(フィルム)Sにおいて、熱負荷による熱負けの発生を低減することが可能となる。これにより、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムSへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
さらに、マスク15に加えてアノード14およびシールド部材(ケース)13における温度変化を低減することができるため、成膜中に着膜したマスク15の熱膨張によって発生する膜剥がれを抑制することができ、さらに、成膜中の着膜したアノード14およびシールド部材(ケース)13からの膜剥がれを抑制することができ、これにより、成膜中におけるダスト発生を防止して、成膜品質を向上することができるという効果を奏することが可能となる。
また、上記の実施形態においては、ロータリーターゲット10としたが、平板状ターゲットとして、さらに、磁気回路を揺動させることもできる。
この場合、ターゲットは長方形の板状部材とすることができ、ターゲットの裏面側には、電力を伝達するバッキングプレートが配されている。このバッキングプレートのさらに裏面側には、ターゲット表面にプラズマをトラップするために機能する磁気回路が配置されている。この磁気回路は、固定されるか、あるいは放電時に揺動するタイプとすることができる。
磁気回路から発生した磁力により、ターゲットの表面には、少なくとも2箇所のエロージョン部が生じるように、スパッタリングが行われることができる。この場合、2つのエロージョン部が、ターゲットの短手方向において、磁気回路により定められた所望の位置となる構成を例示ことができる。
以下、本発明に係るスパッタリング装置、スパッタリング方法の第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図11は、本実施形態におけるスパッタリング装置を示す模式断面図であり、図12は、本実施形態におけるスパッタリング装置のマスク付近を示す拡大模式断面図である。
本実施形態のスパッタリング装置200においては、処理ユニットをスパッタリングによる成膜を可能とする成膜ユニットとし、ドラム(メインローラ)の周囲に4個の成膜ユニットを設けてシート状の基体Sに多層膜を成膜する。本実施形態のスパッタリング装置200においては、メインローラの軸線方向が水平方向に一致する姿勢で当該メインローラが真空チャンバ内に収容されているものとし、鉛直方向としての「上」、「下」並びに軸線方向としての「右」、「左」といった方向は「図11の紙面奥側」「図11の紙面手前側」を基準にする。
スパッタリング装置200は、図11に示すように、後述のレール用以外の所謂ピットが存在しない平坦な床面に設置され、略五角形状の輪郭を有し、軸線方向一側(図11の紙面奥側)の面と成膜ユニット取付面が開口部された真空チャンバ201を備える。真空チャンバ201は、その上面が水平となる(この場合、真空チャンバ201の一つの頂部が鉛直方向下方に位置する)姿勢で、その上面に形成した延設部211に立設した支持部材により床面から所定の高さ位置に支持されている。また、真空チャンバ201の周囲には、脚部により真空チャンバ201の上面より高い位置に支持される架台が設けられ、スパッタリング装置200の稼働に必要な電装部品や配線ケーブル等が配置できるようにしている。
延設部211内を含む真空チャンバ201の上部空間212には、外部から移送されるシート状の基体Sを後述のドラム状のメインローラ202へと案内し、ドラム状のメインローラ202を周回したシート状の基体Sを外部へと移送するための複数個のガイドローラGrが配置されている。なお、真空チャンバ201には、軸線方向と水平に直交する方向から上流側真空チャンバと下流側真空チャンバとが連設される。
この場合、上流側真空チャンバにはシート状の基体Sが巻回され、一定の速度でこのシート状の基体Sを繰り出す繰出ローラが設けられ、下流側真空チャンバには真空チャンバ201にてメインローラ202の周囲を周回することで成膜された成膜済みのシート状の基体Sを巻き取る巻取ローラが設けられている。
また、真空チャンバ201の天板213は、アクチュエータ213aにより開閉自在に形成され、架台上からメインローラ202やガイドローラGrへのシート状の基体Sの巻き掛けやメンテナンス等の作業を行うことができるようにしている。
架台には、ターボ分子ポンプ、ロータリーポンプ等で構成される第1真空ポンプが設置され、真空チャンバ201内を真空排気できるようにしている。また、真空チャンバ201内の上部所定位置には、軸線方向に間隔を存して一対の支持台が垂設され、両支持台の間には、シート状の基体Sが巻き掛けられるメインローラ202がその回転軸を介して回転自在に支持されている。
また、メインローラ202には、シート状の基体Sを加熱または冷却する機構が内蔵されている。メインローラ202の軸線方向一側に位置する一方の支持台側に面する真空チャンバ201の大気側壁面には駆動モータが固定配置され、この駆動モータの駆動軸がメインローラ202の回転軸に連結されてメインローラ202を一定の速度で回転駆動できるようにしている。なお、駆動モータの駆動軸には、メインローラ202の機能である基体Sの加熱冷却機構に供する熱媒体を流すことができる機能を設けることもできる。
このように駆動モータを後述の第1台車の進退に関係なく、一方の支持台側の真空チャンバ201の大気側壁面に固定配置したことで、後述の第2台車を退避位置に移動させた後、特に成膜ユニット206c,206dのメンテナンス作業を行う際、作業者は駆動モータの干渉を受けずにメンテナンス作業を実施することができる。なお、熱媒体を流出入できる配管が存在する場合、作業者は更に干渉を受けるが、本構成であればその干渉を受けずに機能追加を図れる。また、軸線方向他側に位置する他方の支持台と比べ、一方の支持台は、その外形寸法を同様とできるが、第1台車に付随する隔壁に対応する開口部分、梁としての断面積の減少を余儀なくされるため、駆動モータの重量によっては、リブ等により一方の支持台を補強するようにしてもよい。
また、真空チャンバ201の軸線方向一側の開口部(以下、「取付開口部」という)の周縁部には、Oリング等の真空シールを介して真空チャンバ201の外壁面に当接して取付開口部を閉塞する蓋体が第1台車の進退に連動することで着脱自在に取り付けられ、真空チャンバ201を気密保持できるようにしている。なお、蓋体には駆動モータが挿通する開口部も形成され、取付開口部への蓋体の取付状態では、真空チャンバ201の気密状態を保持したまま駆動モータが真空チャンバ201の外側に突出するようになっている。
また、蓋体には、軸線方向にのびて真空チャンバ201内でメインローラ202の周囲に互いに隔絶された処理空間216を区画するための4個の隔壁204が後述する第1退避位置において着脱自在に設けられ、隔壁204自体が防着板としての役割を果たすようになっている。これにより、防着板を別途設ける例と比較して隔壁204の構造を簡単にできると共に小型化できる。
各隔壁204は、ドラム状のメインローラ202の周面を部分的に覆うように位置し、シート状の基体Sに対する成膜範囲を制限するマスク板部(マスク)241と、軸線方向と略平行な面に存在し、かつ、マスク板部241の両端部からメインローラ202の径方向外側に向けて夫々突設した一対の第1側壁板部242,242と、各第1側壁板部242,242から真空チャンバ201の内面に向けてのびる一対の第2側壁板部243,243と、隔壁4の真空チャンバ201の軸方向他側面端部に設けられ、マスク板部(マスク)241、第1側壁板部242および第2側壁板部243全ての端面を結ぶ略台形形状を持つ第3側壁板部(図示せず)と、第3側壁板部と同一形状を持ち隔壁204の真空チャンバ201の軸方向一側端部に設けられる第4側壁板部(図示せず)とで構成される。
これら各マスク板部(マスク)241、各第1側壁板部242、各第2側壁板部243、各第3側壁板部および各第4側壁板部からなる隔壁204が支持枠に取り付けられ、略蓋のない棺桶形状を成して成膜ユニット(成膜手段)206側で構成される区画部を除く処理空間216の区画部を構成している。
マスク板部(マスク)241には、後述する筒状のロータリーターゲット(ターゲット材)262b、および、磁気回路262cによるエロージョン領域に対応して、矩形の開口部241aが2箇所設けられる。
開口部241aは、ドラム状のメインローラ(MR)202の近傍に位置するように配置され、開口部241aによって基体Sに対する成膜領域を規定するように被成膜領域の全周を覆う配置とされている。
開口部241aは、対応するロータリーターゲット(ターゲット材)262bごとに、矩形状の長手方向がドラム状のメインローラ(MR)202における軸線方向と並行とされ、矩形状の短手方向が、基体Sの走査方向(進行方向)と一致するように配置される。
マスク241は、矩形の開口部241aの周縁が被成膜領域の全周を覆う板状とされており、図12に示すように、マスク241の基体S側となる面の四辺には、冷媒管241bがそれぞれ開口部241aを囲むように配置されており、冷媒管241bには、冷媒を供給する冷媒供給手段が接続されている。
本実施形態において、冷媒管241bは、基体S側に対向するマスク241の面に接続固定されるとともに、開口部241aの周縁において、対向する長辺に長い冷媒管241bが設けられ、また、開口部241aの周縁において、対向する短辺に短い冷媒管241bがそれぞれ設けられている。
本実施形態におけるマスク241の面内位置において、冷媒管241bの配置は、図2,図4〜図9に示した第1実施形態と同様に設定することができる。
各第1側壁板部242の処理空間216に背向する側にはガス導入管242b,242bが配管され、ガス導入管242b,242bから第1側壁板部242,242に形成したガス孔242a,242aを通して、各処理空間216内に(具体的には、後述のターゲット材に向けて)、流量制御された放電用のガスや反応ガスが導入できるようにしている。なお、ガス導入管242b,242bの一端は、蓋体を貫通して後述の制御ボックス内のマスフローコントローラに接続されている。
各隔壁204を支持する蓋体は、他の台車としての第1台車で保持されている。第1台車は、床面に軸線方向に沿って設けたピット内に敷設したレール上に設置され、蓋体が真空チャンバ201の外壁面に当接してメインローラ202に対して隔壁204が位置決めされることで各隔壁204によって真空チャンバ201内に複数の処理空間216が画成される区画位置と、真空チャンバ201から隔壁204が取り出される、区画位置からメインローラ202の軸線方向一側に離間した、他の退避位置としての第1退避位置(図示せず)との間で進退自在である。
なお、床面をフラットに維持するため、ピット上面の幅は、作業者の足が入らない寸法、例えば、JISB9718「機械類の安全性−危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離」に記載されている、表7ー下肢による定形開口部を通過しての到達による35mm以下として設計することで、想定される作業者にとって平面とみなせる作業空間を確保することができる。
また、第1退避位置と区画位置との間で第1台車を移動するとき、各隔壁204をガイドするために、真空チャンバ201の内面の所定位置には軸線方向にのびるガイド部材Gmが複数設けられている(図11参照)。そして、真空チャンバ201外の第1退避位置にてマスク板部(マスク)241や第1および第2の両側壁板部242,243のクリーニングや交換等のメンテナンスを行い得るようにしている。
第1台車上にはまた、第1制御ボックスが設置されている。第1制御ボックスには、ガス導入管242b,242bを流れる放電用のガスや反応ガスの流量を制御するマスフローコントローラ、メインローラ202を回転駆動するモータを含む駆動機構、および、これらの部品の作動を制御する制御機器等が収納されている。
処理空間216を臨む真空チャンバ201の4つの外周壁面部分には他の取付開口部217が夫々設けられ、各取付開口部217を介して成膜ユニット206が着脱自在に夫々取り付けられる。
各成膜ユニット206は、同一の形態を有し、ここでは、図12に示すように、図11左上の外周壁面部分に取り付けられる成膜ユニット206bを例に説明する。
成膜ユニット206は、Oリング等の真空シール261aを介して真空チャンバ201の外壁面に当接して取付開口部217を閉塞する支持体としての支持板261を備える。
これにより、支持板261を介して成膜ユニット206b(206)を真空チャンバ201に取り付けると(即ち、取付開口部217を支持板261で閉塞すると)、支持板261と、マスク板部(マスク)241と、第1側壁板部242,242と、第2側壁板部243,243と、隔壁204の真空チャンバ201の軸方向他側面端部に設けられる図示しない第3側壁板部と、隔壁204の真空チャンバ201の軸方向一側端部に設けられる図示しない第4側壁板部とによって、真空チャンバ201内でメインローラ202の周囲に隔絶された4つの処理空間216がそれぞれ画成される。
真空チャンバ201の外壁面に正対する支持板261の一方の面(即ち、真空チャンバ201の外壁面に当接する支持板261の面)には、軸線方向に沿ってのびる2本のターゲットユニット262が設けられている。各ターゲットユニット262は、同一の形態を有し、筒状のバッキングチューブ262aと、これに外挿した筒状のロータリーターゲット(ターゲット材)262bと、筒状のバッキングチューブ262a内側の軸線方向全長に延在する磁気回路262cと、を有する。
二本のバッキングチューブ262aは、軸線方向に間隔を存して支持板261に立設した図示しない駆動ブロックと支持ブロックとの間にそれぞれ回転自在に支持されている。
ロータリーターゲット262bとしては、シート状の基体Sの表面に成膜する膜の組成に応じて適宜選択される。スパッタリング処理時に大気側に位置する支持板261の他方の面の中央部には排気口261bが開設され、排気口261bを臨むようにして例えばターボ分子ポンプからなる第2真空ポンプP3が直付けされている。
これにより、真空チャンバ201を真空排気する第1真空ポンプとは別に、互いに隔絶された処理空間216内を夫々独立して真空排気できるようになっている。この場合、各第2側壁板部243,243にはクライオコイル243cが内蔵され、ロータリーターゲット262bを冷却するとともに、クライオコイル243cが、第2真空ポンプP3と協働して処理空間216を真空排気できるようにしている。このように各第2側壁板部243,243にクライオコイル243cを内蔵しておけば、冷却効率を向上でき、さらに構成を簡素化でき、有利である。
また、ロータリーターゲット262bと支持板261との間には、断面略コ字状で軸線方向に長手の遮蔽板264が設けられ、クライオコイル243cを備える第2側壁板部243,243に対するプラズマからの輻射を防止すると共に、スパッタ粒子の付着を防止している。これにより、第2真空ポンプP3により処理空間216を真空引きすると、ロータリーターゲット262bとマスク板部(マスク)241との空間から、遮蔽板264と第2側壁板部243との隙間を通って第2真空ポンプP3へと等方に真空排気され、このとき、第2側壁板部243に設けたクライオコイル243cにより特に水分子が吸着され、処理空間216をより低い圧力まで真空排気できるようになる。
ここで、第2真空ポンプP3の背圧側から夫々のびる排気管(図示せず)は集合配管に接続され、この集合配管が、架台に設置した第1真空ポンプを構成するバックポンプに接続されている。なお、集合配管には、カップリングが設けられ、後述する第2台車を退避位置に移動させると、集合配管が分離され、集合配管の一方の部分が第2台車と共に移動するようになっている。
本実施形態では、成膜ユニット206のうち上下方向に位置する2個の成膜ユニット206a,206dおよび206b,206cを夫々一組とし、各組の成膜ユニット206a,206dおよび206b,206cが、2台の台車としての第2台車で夫々保持されている。各第2台車は、上記同様、床面に軸線方向に沿って設けたピットに敷設したレール上に夫々設置され、組をなす成膜ユニット206a,206dおよび206b,206cが、支持板261で取付開口部217を閉塞可能な取付位置とこの取付位置からドラム202の軸線方向他方に離間した、退避位置としての第2退避位置との間で進退自在である。また、成膜ユニット206にはその姿勢を変更する姿勢変更手段207が夫々設けられている。
姿勢変更手段207は、真空チャンバ201の外壁面の所定位置に設けた軸線方向に長手のレール部材218に摺動自在に係合するスライダ271と、スライダ271に固定のアーム部272と、アーム部272に単一のヒンジ部273を介して連結されたエアーシリンダ274とを有する。姿勢変更手段207は、エアーシリンダ274の操作ロッド274aが支持板261に回転自在に連結されている。
ここで、図11に示すように、水平方向をX軸、鉛直方向をZ軸、メインローラ202の回転中心を原点とするX−Z平面において、X軸上に存する、上側の成膜ユニット206a,206bでは、第2台車の取付位置にて支持板261で取付開口部217を閉塞できる第1姿勢のとき、エアーシリンダ274の操作ロッド274aが略Z軸方向上方に伸びて支持板261に連結されるようにヒンジ部273の位置が設定されている。
そして、エアーシリンダ274により操作ロッド74aを縮めると、成膜ユニット6aがヒンジ部273により時計方向、成膜ユニット206bがヒンジ部273により反時計方向に回転されて支持板261の一方の面が鉛直方向上側を向く(即ち、ターゲットユニット262が上側になる)第2姿勢に変更されて保持される。
この第2姿勢では、他の部品の干渉を受けずに第2台車が進退でき、また、床面から、成膜ユニット206a,206bのロータリーターゲット262bまでの高さ位置が、メインローラ202の回転中心までの高さ位置と同等になるようになっている。
他方、全体がX−Z平面の第3及び第4の象限に存する、下側の成膜ユニット206c,206dは、鉛直方向下側に位置する真空チャンバ201の傾斜面に形成した取付開口部2017に取り付けられているため、第2台車の取付位置にて支持板261で取付開口部217を閉塞できる第1姿勢から、支持板261の一方の面が鉛直方向上側を向く第2姿勢に変更しようとしても、成膜ユニット206c,206dが、真空チャンバ201の壁面やその内部に存する隔壁204(例えば、第1側壁板部242,242等)に干渉して、第1姿勢から直接第2姿勢を取ることができず、これでは、第2台車の取付位置から第2退避位置に移動できない。
そこで、上記第1及び第2の各姿勢に加えて、成膜ユニット206c,206dが真空チャンバ201から斜め下方に取り出されて、第2台車の進退を阻害しない第3姿勢を取れるように姿勢変更手段207が構成されている。即ち、第1姿勢のとき、エアーシリンダ274の操作ロッド274aが略X軸方向内方に伸びて支持板261に連結されるようにヒンジ部273の位置が設定されている。そして、エアーシリンダ274により操作ロッド274aを縮めると、第3象限に位置する成膜ユニット26cがヒンジ部273により時計方向、第4象限に位置する成膜ユニット26dがヒンジ部273により反時計方向に回転されて第3姿勢を取り、この状態で第2台車が進退される。
第2台車が第2退避位置に移動された後、エアーシリンダ274により操作ロッド274aを第3姿勢より更に伸ばすと、第3象限に位置する成膜ユニット26cがヒンジ部273により反時計方向、第4象限に位置する成膜ユニット206dがヒンジ部273により時計方向に回転され第2姿勢になる。この状態では、成膜ユニット206c,206dのロータリーターゲット262bまでの高さ位置が、メインローラ202の回転中心までの高さ位置と同等になるようになっている。
また、第2台車にはまた第2制御ボックスが夫々設置され、第2制御ボックスには、ターゲット材62bに対して電力投入するための電源や出力ケーブル、バッキングチューブ262a内に冷媒を循環させるためのチラーユニットやその水配管、エアーシリンダ274への気体供給管、クライオコイル243cへの冷媒の供給源や供給管等、および、これらの部品を制御する制御機器等が夫々収納されている。
本実施形態のスパッタリング方法においては、それぞれの成膜ユニット206において、冷媒供給手段からマスク241の冷媒管241bに冷媒が供給されて、マスク241を冷却する。
また隔壁204によって、開口部241a以外から基体Sへ到達する輻射熱を遮断することができる。
これにより、基体Sへの輻射熱を低減することで、熱負けの発生する原因を解消し、しわ等の変形が熱ダメージとして発生することを防止した状態で、スパッタ成膜をおこなうことが可能となる。さらに、成膜速度の向上を図り、高速で走査されるフィルムSへのスパッタ成膜を可能とすることができる。
さらに、マスク241における温度変化を低減することができるため、成膜中に着膜したマスク241の熱膨張によって発生する膜剥がれを抑制することができ、これにより、成膜中におけるダスト発生を防止して、成膜品質を向上することができるという効果を奏することが可能となる。
なお、上記の各実施形態において、1つのメインローラに対してその周囲に設けるターゲット数、あるいは、成膜手段数は、成膜する膜の状態に対応して、1以上、任意の複数とすることができる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
なお、本発明における具体例について説明する。
ここでは、図1,図2に示すように、マスク15の開口部15aの周囲四辺に冷媒管18を設けて、冷媒として冷却水を供給し、フィルムSに銅Cu膜をスパッタリング成膜した。
以下にスパッタリングにおける諸元を示す。
T/S寸法;90mm
Ar流量;1000sccm
圧力;0.38Pa
投入パワー;38kW
ターゲット数;2本
成膜する膜厚;400nm
マスク供給水量;7L/min
また、比較のため、マスク15への冷却水供給をおこなわないでフィルムSに銅Cu膜をスパッタリング成膜した。
上記のスパッタリング成膜において、成膜速度を測定した。
その結果、マスク15への冷却水供給をおこなわない場合で熱負けの起きない成膜速度を100とした場合に対し、マスク15への冷却水供給をおこなった場合で熱負けの起きない成膜速度が170となり、成膜速度が向上していることがわかる。
これにより、同じ膜厚でスパッタリング成膜をおこなう場合に、フィルムの走査速度を増大することができる。
さらに、マスク15における温度変化を低減することができるため、成膜中に着膜したマスク15の熱膨張によって発生する膜剥がれを抑制することができ、これにより、成膜中におけるダスト発生を防止して、成膜品質を向上することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明の活用例として、蒸着装置を挙げることができる。
100,200…スパッタリング装置
101…巻出室
103…成膜室
104…巻取室
S…可撓性基体(フィルム)
110…巻出手段
112…巻取手段
111,202(MR)…メインローラ(移動手段)
111a…温冷媒通路(温調手段)
SP…成膜手段
P1…排気手段
P2…導入手段
P3…排気手段
Gr…ガイドローラ
10,262b…ロータリーターゲット
206(206a〜206d)…成膜ユニット
11,262a…バッキングチューブ
11a…プラズマ電源
12,262c…磁気回路
13…シールド部材(ケース)
13c…クライオポンプ
P…プラズマ
10a…冷媒供給手段
18(18a〜18n)14b,13b,241b…冷媒管
15,241…マスク(マスク板部)
15a,14a,13a,241a…開口部
SCu…スパッタ膜
14…アノード

Claims (8)

  1. 長手方向に移動する可撓性基体に成膜するスパッタリング装置であって、
    前記基体の被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲットと、
    スパッタ時に前記ターゲットにエロージョン部を形成可能な磁気回路と、
    前記基体における被成膜領域の近傍に配置されて前記被成膜領域を規定する開口部を有するとともに前記被成膜領域の全周を覆う板状のマスクと、
    を有し、
    前記マスクにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記マスクから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 前記マスクと前記ターゲットとの間には、前記マスクにおける前記開口部に対応する開口部を有する板状のアノードが設けられ、
    前記アノードにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記アノードから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記ターゲットには、前記ターゲットの前記基体側近傍に配置されて前記被成膜領域への成膜粒子の進行方向を規定する開口部を有するケースが設けられ、
    前記ケースには前記マスクにおける前記開口部に対応する開口部が設けられ、
    前記ケースにおいて前記開口部には、前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記ケースから前記基体への輻射熱を低減する冷却手段が、前記開口部を囲むように前記基体側の面に配置されることを特徴とする請求項1または2記載のスパッタリング装置。
  4. 前記冷却手段が、前記開口部まわりに延在する冷媒管とされ、
    前記冷媒管に冷媒を供給する冷媒供給手段が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のスパッタリング装置。
  5. 前記基体を長手方向に移動する手段として、前記基体の進行方向と直交する前記幅方向の回転軸線を有するドラム状とされその周囲の円筒外側面に前記基体を引張した状態で巻き掛けられるメインローラを有し、
    前記メインローラには、その内側位置にスパッタ時における前記基体の温度を調節する温調手段が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のスパッタリング装置。
  6. 前記ターゲットが、前記基体の進行方向に直交する前記幅方向と略並行な回転軸線を有するロータリーターゲットとされるか、または、前記幅方向と略並行な揺動方向を有する平板状ターゲットとされて、
    前記ターゲットの前記基体と反対側位置には、前記ターゲットを冷却する冷却手段が設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載のスパッタリング装置。
  7. 長手方向に移動する可撓性基体に成膜するスパッタリング方法であって、
    前記基体の被成膜面をなす一面に対向するターゲットに電力を供給するとともに、磁気回路により前記ターゲットにエロージョン部を形成してプラズマを発生させ、
    前記基体における被成膜領域の近傍全周に配置されて開口部を有する板状のマスクによってこの被成膜領域周辺を覆うことで前記ターゲットからの成膜粒子が前記基体の到達領域に到達する前記被成膜領域を規定するとともに、
    前記基体の進行方向と該進行方向に直交する幅方向となる四方向に延在して前記開口部を囲むように前記マスクにおける前記基体側の面に配置された冷却手段によって、
    スパッタ時に、前記マスクから前記基体への輻射熱を低減することを特徴とするスパッタリング方法。
  8. 前記冷却手段が、前記開口部まわりに延在する冷媒管とされて、冷媒供給手段によって前記冷媒管に冷媒を供給することを特徴とする請求項7記載のスパッタリング方法。
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