JP2019216398A - 撮像装置、撮像装置の制御方法、および、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 撮像前に設定したシャッタスピードで撮像を行ったとしても、主被写体がぶれて撮像されてしまうことがある。【解決手段】 第一の撮像手段による画像データと第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから主被写体の領域を特定し、第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、複数のフレームの画像データのうちの主被写体の領域の動き量を算出し、その結果に基づいて、第一の撮像手段による第一のフレームの画像データのための露光を停止する撮像装置を提供する。【選択図】 図1
Description
本発明は、ぶれを抑制した画像を撮像するための技術に関するものである。
近年、スマートフォンに搭載されたカメラやデジタルカメラなどの撮像装置において、シャッタスピードを優先する撮影モードを搭載するものが知られている。この撮影モードは、撮像者が所望のシャッタスピードを設定し、絞り値やISO感度といったシャッタスピード以外の露出設定値を撮像装置が自動で設定する撮影モードである。撮像者は、この撮影モードを用いることにより、好みのシャッタスピードで撮像することができる。例えば、露光時間の短いシャッタスピードを設定することで、滝の水しぶきやレーシングカーといった動きの速い主被写体に対しても、主被写体ぶれが少ない画像を撮像することができる。特許文献1には、静止画の撮像前に撮像した画像から主被写体の動き量を検出し、その検出結果に基づいて、シャッタスピードを決定する撮像装置が開示されている。
主被写体ぶれが少ない画像を撮像するためには、露光時間の短い高速のシャッタスピードにて撮像する必要がある。しかしながら、撮像前に高速なシャッタスピードを設定して撮像したとしても、主被写体がぶれた画像が撮像されてしまうことがある。
例えば、撮像者あるいは撮像装置は、撮像前に移動体の動く速さを予測し、主被写体のぶれが少なくなると予想されるシャッタスピードを設定して撮像する。ところが、記録用の画像の撮像時に、予想外に主被写体の動きが速くなってしまうと、撮像前に設定したシャッタスピードで撮像を行ったとしても、主被写体がぶれて撮像されてしまうことがある。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ぶれの少ない画像を撮像する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願発明の撮像装置は、第一の撮像手段と、第二の撮像手段と、第一の撮像手段による画像データ、および、第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから、主被写体の領域を特定する特定手段と、第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、複数のフレームの画像データにおける主被写体の領域の動き量を算出する算出手段と、算出手段が算出した結果に基づいて、第一の撮像手段による第一のフレームの画像データのための露光を停止する制御手段を、有することを特徴とするものである。
同様に、上記課題を解決するため、本願発明の撮像装置は、第一の撮像手段を有する外部の撮像装置に着脱可能な撮像装置であって、第二の撮像手段と、第一の撮像手段による画像データ、および、第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから、主被写体の領域を特定する特定手段と、第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、複数のフレームの画像データにおける主被写体の領域の動き量を算出する算出手段と、算出手段が算出した結果に基づいて、第一の撮像手段による第一のフレームの画像データのための露光を停止するための信号を出力する制御手段を、有することを特徴とするものである。
本発明によれば、ぶれの少ない画像を撮像することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を用いて詳細に説明する。ここでは、本発明の実施形態に係る撮像装置として、所謂、デジタルカメラを取り上げることとするが、本発明はこれに限定されるものではない。撮像機能を有する他の装置、例えば、デジタルビデオカメラ、携帯電話、スマートフォン、その他の携帯型電子機器等として実施されてもよい。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態では、露光中の期間における動きベクトルを用いた動き解析結果に基づき、露光終了のタイミングを決めることにより、ぶれの少ない画像を撮像する撮像装置の説明を行う。以下、本発明の第一の実施形態について説明する。
本発明の第一の実施形態では、露光中の期間における動きベクトルを用いた動き解析結果に基づき、露光終了のタイミングを決めることにより、ぶれの少ない画像を撮像する撮像装置の説明を行う。以下、本発明の第一の実施形態について説明する。
図1は、本発明第一の実施形態に係る撮像装置100の構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、第一の撮像システム110、第二の撮像システム120、および、操作部材130より構成される。
まず、第一の撮像システム110について説明する。第一の制御回路111は、例えばCPUやMPUなどのプロセッサである。第一の制御回路111は、第一の撮像システム110が備える各ブロックの動作プログラムを後述の第一のROM112より読み出し、後述の第一のRAM113に展開して実行することにより第一の撮像システム110が備える各ブロックの動作を制御する。また、第一の制御回路111は、第一の撮像システム110および第二の撮像システム120の全体の動作を統括し、制御する。第一のROM112は、電気的に消去および記録が可能な不揮発性メモリであり、第一の撮像システム110が備える各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作に必要なパラメータ等を記憶する。第一のRAM113は、書き換え可能な揮発性メモリであり、第一の撮像システム110が備える各ブロックの動作において出力されたデータの一時的な記憶領域として用いられる。
第一の光学系114は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群で構成され、被写体像を後述の第一の撮像素子115に結像する。第一の撮像素子115は、例えば複数色のカラーフィルタを備えたCCDやCMOSセンサ等で構成されている。第一の撮像素子115は、第一の光学系114により第一の撮像素子115に結像された光学像を光電変換し、得られたアナログ画像信号を第一のA/D変換回路116に出力する。また、第一の撮像素子115は、操作部材130に含まれるシャッタボタンが全押しされたタイミングに基づき露光を開始し、後述の露光終了のタイミング生成回路200より出力された露光終了のタイミングを指示する信号に基づき露光を終了する。第一のA/D変換回路116は、入力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、得られたデジタル画像データを第一のRAM113に出力する。
第一の画像処理回路117は、第一のRAM113に記憶されている画像データに対して、ホワイトバランス調整、色補間、ノイズ補正、ガンマ処理、輝度/色差信号への変換、および、収差補正など、様々な画像処理を適用する。画像出力回路118は、第一の画像処理回路117で処理された画像データを、第一のRAM113を介して受け取り、外部装置に出力するための回路である。具体的には、撮像装置100に着脱可能な記録メディアに対して画像データの読み出しや書き込みを行ったり、無線あるいは有線通信機能を用いてスマートフォンやサーバーなどと画像の送受信を行ったりする。表示装置119は、LCDや有機ELディスプレイ等の表示デバイスであり、第一のRAM113に記録した画像を表示する。
次に、第二の撮像システム120について説明する。第二の制御回路121は、例えばCPUやMPUなどのプロセッサである。第二の制御回路121は、第二の撮像システム120が備える各ブロックの動作プログラムを後述の第二のROM122より読み出し、後述の第二のRAM123に展開して実行することにより第二の撮像システム120が備える各ブロックの動作を制御する。第二のROM122は、電気的に消去および記録が可能な不揮発性メモリであり、第二の撮像システム120が備える各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作に必要なパラメータ等を記憶する。第二のRAM123は、書き換え可能な揮発性メモリであり、第二の撮像システム120が備える各ブロックの動作において出力されたデータの一時的な記憶領域として用いられる。
第二の光学系124は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群で構成され、被写体像を後述の第二の撮像素子125に結像する。第二の撮像素子125は、例えばCCDやCMOSセンサ等の撮像素子であり、第二の光学系124により第二の撮像素子125に結像された光学像を光電変換し、得られたアナログ画像信号を第二のA/D変換回路126に出力する。第二の撮像素子125は、動きやぶれを検出するために用いる素子であるため、必ずしも複数色のカラーフィルタを備えている必要はなく、単色(ホワイト)のフィルタや赤外フィルタを備えた構成としてもよい。第二のA/D変換回路126は、入力されたアナログ画像信号にデジタル画像信号に変換し、得られたデジタル画像データを第二のRAM123に出力する。
第二の画像処理回路127は、第二のRAM123に記憶されている画像データに対して、簡易的なノイズ補正やガンマ処理など、様々な画像処理を適用する。第二の撮像素子125が複数色のカラーフィルタを備えているのであれば、色補間、あるいは輝度信号への変換処理も行う。また、第二の画像処理回路127は、タイミング生成回路200を具備しており、第二のRAM123に記憶されている画像データを用いた動き解析結果に基づき、第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを指示する信号を生成する。なお、露光終了のタイミングを指示する信号は、第二の制御回路121を介して第一の撮像システム110に出力される。第一の撮像システム110ではこの信号を受け取ると、第一の制御回路111が第一の撮像素子115の露光を終了させるよう制御する。
操作部材130は、ユーザからの指示を受け付ける操作部材であり、シャッタボタンやダイヤルキーを含む。また、表示装置119がタッチパネル機能を備えるようにしてもよい。ユーザがこれらの操作部材を操作することで生成される信号は、第一の撮像システム110と第二の撮像システム120の駆動制御に反映される。
なお、ここでは第一の撮像システム110と第二の撮像システム120が、撮像装置100として一体的に構成されている例を上げて説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、第一の撮像システム110と操作部材130がカメラ本体であり、第二の撮像システム120は、カメラ本体と着脱可能な撮像装置としてもよい。つまり、第二の撮像システム120は、外部の撮像装置に着脱可能な撮像装置であってもよい。また、第一の撮像システム110が一眼レフカメラであるとするならば、第一の光学系114を含む交換レンズ装置は、第一の撮像素子115乃至表示装置119、および、操作部材130を含むカメラ本体に対して着脱可能な構成となる。
また、第二の制御回路121の機能を第一の制御回路111が兼用するようにすれば、第二の制御回路121を省くことも可能である。また、第二の撮像システム120は第二の光学系124、第二の撮像素子125、第二のA/D変換回路126、および、第二のRAM123のみを有し、他の構成要素を第一の撮像システム110が兼用するようにしてもよい。こうすることで、第二の撮像システム120を別のカメラ装置とした場合に、その構成を簡素化することが可能となる。
ここで、第一の撮像素子115が記録用の画像を生成することを目的とするのに対して、第二の撮像素子125は素早く移動する被写体の動きを検出することを目的としており、必要とされるフレームレートが互いに異なる。図12に、本実施形態における第一の撮像素子115と第二の撮像素子125の構成を比較した表を示す。本実施形態では、第一の撮像素子115のフレームレートが20fps(フレーム/秒)であるのに対し、第二の撮像素子125のフレームレートは1000fpsであるものとする。
そのため、第二の撮像素子125は、第一の撮像素子115よりも、より短い露光時間となるシャッタスピードを設定することができる。そして、このシャッタスピードを実現可能とするため、第二の撮像素子125は第一の撮像素子115よりも感度を高くする必要がある。そこで、第二の撮像素子125は、第一の撮像素子115に対して、画素数を減らす代わりに、画素ピッチが大きくなるように構成されている。具体的には、図12に示すように、撮像部の水平サイズは第一の撮像素子115が36mmであるのに対して、第二の撮像素子125は4mmである。水平画素数は第一の撮像素子115が6400画素であるのに対して、第二の撮像素子125は640画素である。画素ピッチは第一の撮像素子115が5.62μmであるのに対して、第二の撮像素子125は6.25μmである。
次に、第二の撮像システム120の第二の画像処理回路127が具備する、タイミング生成回路200の構成について図2を用いて説明する。このタイミング生成回路200は、第二の撮像素子125が高速のフレームレートで撮像して第二のRAM123に記憶した画像データの動きベクトルを検出することで、動きの解析を行う。この画像データは、第二の撮像素子125が複数色のカラーフィルタを備えた構成であるならば、色補間や輝度信号への変換処理が先に行われており、各画素が同じ成分の信号を備えているものとする。そして、この動きの解析結果に基づいて、第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを決定し、第一の撮像素子115の露光を終了させるための信号を、第一の撮像システム110に出力する。
図2は、第一の実施形態に係るタイミング生成回路200の構成例を示すブロック図である。図2において、タイミング生成回路200は、動きベクトル算出回路201、累積量算出回路202、代表累積量算出回路203およびタイミング決定回路204を有する。
次に、本発明の第一の実施形態の撮像装置100における高速撮影モードにおける撮像処理について、図3および図4のフローチャートを用いて説明する。図3および図4は、第一の実施形態の高速撮影モードにおける撮像処理のフローチャートである。図3のフローチャートは撮像装置100の電源がオンになると開始される。
ステップS301において、第一の制御回路111は撮影モードが設定されているかを判定し、設定されていなければステップS302に進み、設定されていればステップS305に進む。
ステップS302において、第一の制御回路111はぶれレベルの設定メニューが選択されているかを判定し、他の処理が選択されていればステップS303に進み、ステップS303において他の処理を行う。第一の制御回路111はぶれレベルの設定メニューが選択されていれば、ステップS304に進む。
ステップS304において、第一の制御回路111は表示装置119にぶれレベル設定のための画面の表示し、ユーザによる操作部材130の操作結果に応じて、ぶれのレベルを設定する。例えば、第一の表示装置119にぶれレベルが「標準」から「低」に向けて段階的なレベルが表示され、ユーザが選択できるようになっている。ユーザが「低」に近い段階のぶれレベルを選択するほど、撮像した画像に含まれるぶれが小さくなるように、後述する閾値が設定される。本実施形態では、ユーザが最もぶれが小さくなるぶれレベル「低」を選択したものとして説明を行う。
ぶれレベルが選択されると、第一の制御回路111は、第一の撮像システム110におけるぶれ許容値を決定し、第二の制御回路121は、このぶれ許容値に基づいて後述のステップS323で用いる閾値を設定する。ぶれレベル「低」の場合、ぶれ許容値は許容錯乱円径に設定されるものとする。ここで許容錯乱円径とは、明視距離250mmで写真を観察するときに、視力1.0の観察者が解像可能な限界値を表し、36×24mmの撮像素子上では約20μmになる。本発明の第一の実施形態では第一の撮像素子115の4画素分のピッチ22.48μm(5.62×4)を許容錯乱円径とする。ぶれレベルおよび閾値の設定を終えると、ステップS301に戻る。
ステップS305において、第一の制御回路111は第一の撮像素子115を起動する。
ステップS306において、第一の制御回路111は撮影モードとして高速撮影モードが選択されているかを判定し、選択されていなければステップS307に進み、ステップS307においてその他の撮影モードの処理を行う。第一の制御回路111は、高速撮影モードが選択されていればステップS308に進む。
ステップS308において、第一の制御回路111は第一の撮像素子115から得られるコントラスト値、あるいは、不図示の測距センサの出力に基づいて、第一の光学系114を駆動して自動フォーカス制御(AF)を行う。
ステップS309において、第一の制御回路111は第一の撮像素子115から得られる被写体の輝度値に基づいて、第一の撮像素子115のための自動露出制御(AE)を行う。
ステップS310において、第一の制御回路111は第一の撮像素子115から得られる画像データにおいて、主被写体の領域を特定する。例えば、ユーザが表示装置119に備えられたタッチパネル機能を用いて主被写体を指定できるようにしてもよいし、第一の制御回路111が画像データ中の顔領域を検出し、この顔領域を主被写体としてもよい。あるいは、画像データにおいて、輝度、彩度、および、色相のいずれか1つ以上の値に基づいて、周囲の領域との差異が大きな特徴的な領域を抽出し、この特徴的な領域を主被写体としてもよい。ステップS310で主被写体を選択した後は、ステップS308の自動フォーカス制御とS309の自動露出制御は、主被写体が適正な状態となるように行われる。
ステップS311において、第一の制御回路111は操作部材130に含まれるシャッタスイッチが半押しされることによって、シャッタスイッチ内のSW1がオンになったかを判定し、オンになるまでステップS308およびS309を繰り返す。
ステップS311においてSW1がオンになると、ステップS312において、第二の制御回路121は第二の撮像素子125を起動する。
ステップS313において、第一の制御回路111は、主被写体に対して、第一の光学系114を用いたAFを行う。
ステップS314において、第一の制御回路111は、主被写体に対して第一の撮像素子115のためのAEを行う。
ステップS315において、第二の制御回路121は、第一の制御回路111から第一の光学系114のズーム情報を受信し、第二の光学系124のズーム状態を制御する。この第二の光学系124のズーム状態を制御について、図5を用いて説明する。
図5は、SW1がオンされたときの撮像装置100と被写体500の位置関係を説明するための図である。図5において、撮像装置100の第一の光学系114は焦点距離300mmであり、40m先を0.3m/sec(300mm/sec)で移動する被写体500を主被写体として撮像しようとしている。なお、被写体500は第一の光学系114の光軸近傍を移動しているものとする。以降の説明において、40m先を物面と呼ぶ。また、被写体500の移動速度は、被写体500までの距離情報と、フレーミング中に得られる画像から後述の動きベクトルを算出することで計測することができる。
また、本実施形態における第一の光学系114の結像倍率は、被写体までの距離÷焦点距離で求められるため、40×1000÷300=133.3となる。
第一の撮像素子115の全体が捉えている物面での被写体の画角は、133.3×5.62×6400/1000=4795.7mmである。
ここで、SW1がオンになる前は、第一の撮像システム110と第二の撮像システム120で得られる画像の画角が同じであるとする。このとき、第二の光学系124の結像倍率は4795.7×1000÷6.25÷640=1198.9であり、焦点距離は40×1000÷1198.9=33.3mmである。また、このとき第二の撮像素子125における単位画素あたりの物面での被写体サイズは、1198.9×6.25÷1000=7.5mmである。この値に後述する動きベクトルの算出の分解能を掛け合わせた値が第二の撮像素子125で捉えることができる動きの分解能となる。動きベクトルの算出の分解能を0.5画素とすると、動きの分解能は7.5×0.5=3.75mmとなる。
一方、第一の撮像素子115における単位画素あたりの物面での被写体サイズは、133.3×5.62÷1000=0.75mmとなり、ぶれ許容値は4画素分なので0.75×4=3.0mmとなる。そのため、このままでは第二の撮像素子125の動きの分解能よりもぶれ許容値のほうが小さいので、第二の撮像素子125を用いたとしても、第一の撮像素子115のぶれが許容値以下であるかを判定することができない。
そこで、第二の制御回路121は第二の光学系124の焦点距離を望遠側に移動してズームを行い、第二の撮像素子125における動き検知の分解能を高くする。
300mm/secで移動する被写体400がぶれ許容値3.0mmに達する時間は3.0÷300×1000=10.0msecである。
そのため、第二の撮像システム120における単位フレーム(1msec)あたりに求められる動きの分解能は3.0÷10.0÷0.5=0.6mmとなる。
そこで、第二の制御回路121は、第二の光学系124の結像倍率を0.6×1000÷6.25=96.0、焦点距離を40×1000÷96.0=416.6mmに移動すれば、動きの分解能がぶれ許容値よりも細かくなる。こうすることで、第二の撮像素子125で得られた画像データを用いて動き検知結果に基づいて、第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを制御し、被写体400を許容錯乱円径以下のぶれで撮像することが可能となる。
なお、第二の光学系124を望遠側にズームしているので、第二の撮像素子125の画角は第一の撮像素子115と異なっており、第二の撮像素子125の画角は、96.0×6.25×640/1000=384.0mmである。このように焦点距離を大きくし、ズーム位置を望遠側に移動すると画角が狭くなるため、光軸近傍以外に主被写体が存在する場合には、主被写体が視野外になってしまう可能性がある。その場合、公知の光軸や撮像素子の位置を移動する技術を用いて、光軸から外れた領域に視野を移動することができる構成とするのがよい。
図3に戻り、ステップS316において、第二の制御回路121は、主被写体の情報に基づいて第二の光学系124を用いたAFを行う。
ステップS317において、第二の制御回路121は、主被写体の情報に基づいて第二の撮像素子115のためのAEを行う。
ステップS318において、第一の制御回路111は操作部材130に含まれるシャッタスイッチが全押しされることによって、シャッタスイッチ内のSW2がオンになったかを判定し、オンになるまでステップS313乃至S317を繰り返す。
ステップS318においてSW2がオンになると、図4のステップS319において、第一の制御回路111は、ステップS314にて行ったAEの結果に基づいて露光期間を設定し、第一の撮像素子の露光を開始する。
ステップS320において、第二の制御回路121は、1000fps、あるいは、第一の撮像素子115に対して設定されたフレームレートの所定倍(例えば、50倍)となるフレームレートを設定し、第二の撮像素子125の露光を開始する。第二の撮像素子125は設定したフレームレートに応じた露光時間に達すると、得られたアナログ画像信号を第二のA/D変換回路126に出力するとともに、すぐさま次の露光を開始する処理を繰り返す。すなわち、第一の撮像素子115の1回の露光期間の間に、それよりも早いフレームレートで、第二の撮像素子125の露光が繰り返し行われる。
ここで、図6は、第一の撮像素子115、第二の撮像素子125、および、タイミング生成回路200による動作を説明するための図である。図6の時刻T0において、ユーザによりシャッタボタンが全押しされてSW2がオンになると、すぐさま第一の撮像システム110における第一の撮像素子115は露光を開始する。さらに、第二の撮像システム120における第二の撮像素子125は高速フレームレートで画像の撮像を開始する。第二の撮像素子125は、SW2がオンになった時刻T0の後は、時刻T1、時刻T2、時刻T3・・・において短い露光時間で連続して撮像を行う。
ステップS321において、タイミング生成回路200内の動きベクトル算出回路201が、第二の撮像素子125で得られた画像データのフレーム間における主被写体の領域の動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を算出する。動きベクトルとは、フレーム間における主被写体の水平方向の移動量と垂直方向の移動量をベクトルとして表したものである。動きベクトルの算出方法について、図7乃至図9を用いて詳しく説明する。
図7は、動きベクトル算出回路201による動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度の算出処理を示すフローチャートである。図8は動きベクトルの算出方法を説明するための図であり、図8(a)はM番目フレームの画像データを示す図であり、図8(b)はM+1番目フレームの画像データを示す図である。また、図8(c)は、M番目フレームとM+1番目フレームの間における動きベクトルを示す図である。図8(c)の動きベクトルは、簡略化のため、代表的な動きベクトルのみを記載している。なお、Mは正の整数である。図9は、ブロックマッチング法による動きベクトルの算出方法を説明するための図である。なお、本実施形態では、動きベクトルの算出手法として、ブロックマッチング法を例に挙げて説明するが、動きベクトルの算出手法はこの例に限定されず、例えば勾配法でもよい。
図7のステップ701において、動きベクトル算出回路201には、時間的に隣接する2つのフレームの画像データが入力される。そして、動きベクトル算出回路201は、M番目フレームを基準フレームに設定し、M+1番目フレームを参照フレームに設定する。
図7のステップ702において、動きベクトル算出回路201は、図9のように、基準フレーム901において、主被写体が存在する領域において、N×N画素の基準ブロック902を配置する。ここでは説明をわかりやすくするために、基準ブロック902をN×N画素として説明をしているが、この基準ブロック902のサイズおよび形状は、主被写体のサイズおよび形状に合わせて、適宜変更することが望ましい。
図7のステップ703において、動きベクトル算出回路201は、図9のように、参照フレーム903に対し、基準フレーム901の基準ブロック902の中心座標と同座標904の周囲(N+n)×(N+n)画素を、探索範囲905として設定する。
図7のステップ704において、動きベクトル算出回路201は、基準フレーム901の基準ブロック902と、参照フレーム903の探索範囲905内に存在する異なる座標のN×N画素の参照ブロック906との相関演算を行い、相関値を算出する。相関値は、基準ブロック902および参照ブロック906の画素に対するフレーム間の差分絶対値の和に基づき算出する。つまり、フレーム間の差分絶対値の和の値が最も小さい座標が、最も相関値が高い座標となる。なお、相関値の算出方法は、フレーム間の差分絶対値の和を求める方法に限定されず、例えばフレーム間の差分二乗和や正規相互相関値に基づく相関値を算出する方法でもよい。図9の例では、参照ブロック906が最も相関が高いことを示しているとする。なお、公知の技術を用いて動きベクトルをサブピクセル単位で算出することができる。具体的には、図10に示す連続した相関値データC(k)において、下記(1)〜(4)式による3点内挿の手法を用いる。
x=k+D÷SLOP・・・(1)
C(x)=C(k)−|D|・・・(2)
D={C(k−1)−C(k+1)}÷2・・・(3)
SLOP=MAX{C(k+1)−C(k)、C(k−1)−C(k)}・・・(4)
x=k+D÷SLOP・・・(1)
C(x)=C(k)−|D|・・・(2)
D={C(k−1)−C(k+1)}÷2・・・(3)
SLOP=MAX{C(k+1)−C(k)、C(k−1)−C(k)}・・・(4)
ただし、図10ではk=2である。
なお、本発明第一の実施形態ではサブピクセル単位の分解能を0.5画素とする。また、(1)はx成分に関する式だが、同様にしてy成分も算出できる。
図7のステップ705において、動きベクトル算出回路201は、ステップ704で求めた最も高い相関値を示す参照ブロックの座標に基づいて動きベクトルを算出し、その動きベクトルの相関値を動きベクトルの信頼度とする。図9の例の場合、参照フレーム903の探索範囲905の中で、基準フレーム901の基準ブロック902の中心座標に対応した同座標904と、参照ブロック906の中心座標に基づき動きベクトルが求められる。つまり、同座標904から参照ブロック906の中心座標までの座標間距離と方向が動きベクトルとして求められる。また、その動きベクトル算出時における参照ブロック906との相関演算結果である相関値が動きベクトルの信頼度として求められる。なお、動きベクトルの信頼度は、基準ブロックと参照ブロックとの相関値が高いほど高くなる。
図7のステップ706において、動きベクトル算出回路201は、基準フレーム701のうち、主被写体の領域に含まれる全画素について動きベクトルを算出したか否か判定する。動きベクトル算出回路201は、ステップ706において主被写体の領域に含まれる全画素の動きベクトルを算出していないと判定した場合には、ステップ702に処理を戻す。そして、ステップ702では、主被写体の領域に含まれる画素のうち、動きベクトルが算出されていない画素を中心として前述した基準フレーム701に基準ブロック902が配置され、以下前述同様に、ステップ703からステップ705の処理が行われる。すなわち、動きベクトル算出回路201は、図9の基準ブロック902を移動させながら、ステップ702からステップ705までの処理を繰り返して、基準フレーム901の主被写体の領域に含まれる全画素の動きベクトルを算出する。この動きベクトルの例を図8(c)に示す。図8の例では、図8(a)のM番目のフレームと図8(b)のM+1番目のフレームの間で、主被写体である人が左から右に移動している例を示している。このように主被写体が移動している場合の動きベクトルの代表例を図8(c)に示している。図8(c)に示す動きベクトルは、M番目のフレームに存在している主被写***置を動きベクトルの始点とし、それに対応するM+1番目のフレームの主被写***置を動きベクトルの終点としている。なお、動きベクトル算出回路201は、主被写体の領域に含まれる全画素の動きベクトルを算出するのではなく、全画素よりも少ない所定画素において動きベクトルを算出してもよい。
以上のような処理により、時間的に隣接する2枚の高速撮像フレーム間における動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を算出する。
なお、主被写体の移動速度が変化する場合もある。そのため、時間的に隣接する2つのフレーム間における動きベクトルの大きさから物面における移動速度に換算し、前述の計算方法で、第一の撮像素子115の露光中に第二の光学系の焦点距離、結像倍率、画角を適宜変更する構成とするのがよい。
次に、動きベクトル算出回路201が、第二の撮像素子125から得られた画像データに対して動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を算出する時系列動作について、図6を参照して説明する。
動きベクトル算出回路201は、時刻T1において、時刻T0と時刻T1で得られた画像データのフレーム間の動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を前述の図7のフローチャートの処理に基づき算出する。その後、時刻T2において、時刻T1と時刻T2で得られた画像データのフレーム間の動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を算出する。時刻T3以後、同様の処理を繰り返し、第二の撮像素子125から得られた画像データのフレーム間における動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を算出する。
以上が、図4のステップS321における動きベクトルの算出方法についての説明である。
図4に戻り、ステップS322において、累積量算出回路202は、ステップ321において算出した主被写体の動きベクトルを複数フレームにおいて追跡し、動きベクトルの累積量を算出する。そして、代表累積量算出回路203は、算出した動きベクトルの累積量に基づき、フレーム全体を代表する代表累積量を決定する。
まず動きベクトルの累積量の算出方法について、図11を用いて説明する。図11は、ステップS321において算出した複数のフレーム間の動きベクトルを示す図である。なお、説明の簡略化のため、時刻T0から時刻T3までの期間における動きベクトルの累積量の算出方法について説明するが、それ以降の期間に関しても同様の方法で動きベクトルの累積量を算出するものとする。
図11において、動きベクトル1101は、図6の時刻T0のフレームと時刻T1のフレームとの間で算出された動きベクトルを示す。動きベクトル1102は、図6の時刻T1のフレームと時刻T2のフレームとの間で算出された動きベクトルを示す。動きベクトル1103は、図6の時刻T2のフレームと時刻T3のフレームとの間で算出された動きベクトルを示す。
累積量算出回路202は、時刻T0と時刻T1のフレーム間で算出した動きベクトル1101の終点座標Qを始点座標とする動きベクトルを、時刻T1と時刻T2のフレーム間で算出した動きベクトルの中から検索する。そして、条件を満たす動きベクトル1102を、動きベクトル1101と連結する。また、累積量算出回路202は、時刻1と時刻T2のフレーム間で算出した動きベクトル1102の終点座標Rを始点座標とする動きベクトルを、時刻T2と時刻T3のフレーム間で算出した動きベクトルの中から検索する。そして、条件を満たす動きベクトル1103を、動きベクトル1102と連結する。これ以降の期間においても同様の処理により、動きベクトルを連結していく。
このような複数フレームにおける動きベクトルの連結処理を時刻T0で算出した全ての動きベクトルに対して行うことにより、主被写体の領域に含まれる全画素の追跡動きベクトルを算出する。なお、算出した追跡動きベクトルにより、時刻T0において座標Pに存在した主被写体が、時刻T1では座標Qに移動し、時刻T2では座標Rに移動し、時刻T3では座標Sに移動したことが分かる。
次に、累積量算出回路202が、追跡動きベクトルに基づき、動きベクトルの累積量を算出する方法について説明する。
累積量算出回路202は、式(5)のように追跡動きベクトルの長さを動きベクトルの累積量(VecLen)として算出する。
VecLen=VecLen1+VecLen2+VecLen3・・・(5)
VecLen=VecLen1+VecLen2+VecLen3・・・(5)
VecLen1は、時刻T0と時刻T1のフレーム間で算出した動きベクトル1101の動きベクトルの長さを示す。VecLen2は、時刻T1と時刻T2のフレーム間で算出した動きベクトル1102の動きベクトルの長さを示す。VecLen3は、時刻T2と時刻T3のフレーム間で算出した動きベクトル1103の動きベクトルの長さを示す。累積量算出回路202は、式(5)に基づき、追跡動きベクトルを構成する動きベクトルの長さの総和を動きベクトルの累積量として算出する。以上のような動きベクトルの累積量の算出処理を主被写体の領域に含まれる全画素の追跡動きベクトルに対して行い、全画素の動きベクトルの累積量を算出する。
なお、累積量算出回路202は、動きベクトルの信頼度が所定値よりも低い動きベクトルに関しては、式(5)による動きベクトルの長さの総和処理から除外してもよい。また、累積量算出回路202は、動きベクトルの信頼度が所定値よりも低い動きベクトルおよび時間的にそれ以降の動きベクトルに関しては、式(5)による動きベクトルの長さの総和処理から除外してもよい。これにより、動きベクトルの信頼度が高い動きベクトルのみを用いた動きベクトルの累積量を算出することができる。また、それぞれの動きベクトルをX方向の成分とY方向の成分に分離し、それぞれの方向毎に動きベクトルの長さの総和を求めるようにしてもよい。
次に、代表累積量の算出方法について説明する。代表累積量算出回路203は、フレーム内の主被写体の領域に含まれる全画素から得られた動きベクトルの累積量のうちの最大値を選択し、選択した最大の動きベクトルの累積量を代表累積量として決定する。このような処理をフレーム毎に行うことにより、図6に示すように、フレーム毎に1つの代表累積量を算出する。
なお、代表累積量算出回路203による代表累積量は、フレーム内の主被写体の領域に含まれる全画素の動きベクトルの累積量のうちの最大値に基づくものに限られるものではなく、累積量の平均値や中央値でもよい。また、動きベクトルの累積量をX方向の成分とY方向の成分に分離した場合には、それぞれの方向における代表累積量を決定するようにしてもよい。
図4に戻り、ステップS323において、タイミング決定回路204は、代表累積量が閾値以上になったかを判定し、閾値以上になっていなければステップS324に進む。
ステップS324において、第一の撮像システム110の第一の制御回路111は、第一の撮像素子115の露光時間がステップS314で行ったAEに基づいて設定された露光時間に達したかを判定し、達していなければステップS323に戻る。第一の撮像素子の露光時間がステップS314で行ったAEに基づいて設定された露光時間に達していれば、ステップS326に進む。
ステップS326において、第一の制御回路111は第一の撮像素子115の露光を停止する。
ステップS323において、タイミング決定回路204は代表累積量が閾値以上なっていればステップS325に進む。
ステップS325において、タイミング決定回路204は、第一の撮像システム110に露光終了を指示するための信号を出力する。この処理は、代表累積量が閾値以上になったことが判定されるとすぐに行われる。図6に示す例では、時刻T8までの各フレーム間で算出した動きベクトルに基づく代表累積量が閾値以上になっている。そのため、この時点でタイミング決定回路204は、第二の制御回路121を介して、第一の撮像システム110に露光終了を指示するための信号を出力する。なお、X方向とY方向で別々に代表累積量を求めた場合には、いずれか一方の代表累積量が閾値以上となった場合に、露光終了を指示するための信号を出力する。
つまり、代表累積量が閾値以上になったことが判定されるとすぐにステップS326に進み、第一の制御回路111は、第一の撮像素子115の露光時間が適正時間に達していなくとも第一の撮像素子115の露光を停止する。そして、第一の制御回路111は、第一の撮像素子115によって生成されたアナログ画像信号を第一のA/D変換回路116に出力する。そして、A/D変換回路116で生成されたデジタル画像データは第一の画像処理回路117で所定の処理が施され、記録用の画像データとして画像出力回路118に出力される。画像出力回路118は、撮像装置100に着脱可能な記録メディアに対して記録用の画像データの書き込みを行ったり、無線あるいは有線通信機能を用いてスマートフォンやサーバーなどの外部装置に記録用の画像データを送信したりする。
図6に示す例では、第一の制御回路111は、時刻T8よりわずかに後のタイミングで第一の撮像素子115の露光を停止することになる。実際には、第二の撮像素子125において時刻T8のフレーム画像が生成されてから代表累積量が得られるまでの算出時間や、タイミング決定回路204から出力された信号が第一の制御回路111に到達するまでの時間がタイムラグとして生じる。しかしながら、これらのタイムラグを考慮して閾値を設定するようにすれば、タイムラグによる影響を抑えることができる。
ステップS327おいて、第二の撮像システム120の第二の制御回路121は、第二の撮像素子125の露光を停止する。
ステップS328において、第一の撮像システム110の第一の制御回路111は、撮影モードが選択されたままであるかを判定し、撮影モードのままであればステップS306に戻り、別のモードが選択されていればステップS302に戻る。
以上説明したように、第一の実施形態においては、第一の撮像素子115の露光期間中の主被写体の動き量に基づいて、第一の撮像素子115の露光を終了させるため、ぶれの少ない画像を撮像することができる。
なお、ステップS323において代表累積量と比較される閾値を調整することによって、ぶれの大きさを調整することができる。例えば、この閾値をぶれの無い移動量相当の値に設定することにより、ぶれが発生する前に第一の撮像素子115の露光を終了させることができる。
また、図3のステップ302において、ユーザがぶれレベル「標準」を選択した場合の閾値を、例えば許容錯乱円径の3倍に相当する値に設定すれば、それに応じたぶれの含まれる画像を撮像することが可能である。その場合、ステップ315において、焦点距離を望遠側に移動する量も少なくなり、第二の撮像システム120はより広い画角の画像を参照し、動きベクトルの算出を行うことになる。
また、第一の実施形態では、タイミング決定回路204は、代表累積量が閾値以上になったタイミングで露光終了を指示する例について説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、タイミング決定回路204は、得られた最新の代表累積量が閾値以上になっていない場合だとしても、次フレームで代表累積量が閾値を大きく超えることが予想される場合は、現フレームに基づき露光終了を指示してもよい。次フレームにおいて代表累積量が閾値を大きく超える場合は、次フレームのタイミングで露光終了を指示したとしても、ぶれが発生してしまう。そのため、次フレームにおいて代表累積量が閾値を大きく超えることが予想される場合は、現フレームにおいて露光終了を指示する。なお、閾値を大きく超えるか否かの判定としては、上述した閾値より十分に値の大きな第二の閾値を設定し、次フレームにおける代表累積量の予測値がこの第二の閾値以上となるか否かを判定すればよい。
次フレームにおける代表累積量の予測値(VecLen_PRED)は、例えば、式(6)のように最新の動きベクトル長を2倍した動きベクトルの累積量に基づき算出すればよい。
VecLen_PRED=VecLen1+VecLen2+2×VecLen3・・・(6)
VecLen_PRED=VecLen1+VecLen2+2×VecLen3・・・(6)
式(6)では、最新の動きベクトル長は、時刻T2と時刻T3のフレーム間で算出したVecLen3としている。このように次に得られる動きベクトルの累積量の予測値を主被写体の領域の全画素に対して算出し、そのフレームの最大値を代表累積量とする。
また、第一の実施形態では、タイミング決定回路204から出力された信号に基づいて、撮像素子115のフレーム全体の露光を終了する例について説明したが、これに限られるものではない。例えば第一の撮像素子115が、ライン、領域、あるいは、画素毎に露光時間を制御できる構成であれば、タイミング決定回路204は、第一の撮像素子115のこれらの部分毎の累積量に基づいて露光終了の信号を出力するようにしてもよい。すなわち、主被写体の領域とそれ以外の領域とで、露光終了のタイミングを異ならせることもできる。
また、第一の実施形態によれば、第二の撮像システム120の焦点距離、結像倍率、および、画角を変更して得た画像を用いた動き解析結果に基づき、第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを決めている。そのため、第一の撮像素子115と第二の撮像素子125で解像度が異なる仕様であっても、ぶれの少ない画像を撮像することができる。
また、第一の実施形態によれば、シャッタスイッチ内のSW2がオンになったことを判定してから、第二の撮像素子125を用いて第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを制御する処理を行ったが、これに限られるものではない。第一の撮像素子115で得られたライブビューのための画像データから主被写体の動きを解析し、主被写体の動きが閾値より小さいと判断された場合に、自動的に第二の撮像素子125を用いて第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを制御するようにしてもよい。これは、主被写体の動きが大きい場合に、第二の撮像素子125を用いて第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを制御しようとすると、露光時間が短くなりすぎてしまい、極端に暗い画像データしか得られなくなるためである。また、初めから第二の撮像素子125を起動させておき、第一の撮像素子115の代わりに、第二の撮像素子125を用いて主被写体の動きを解析するようにしてもよい。第二の撮像素子125を用いて主被写体の動きを解析することで、主被写体の動きの大きさをより細かい分解能で判断することが可能になる。
また、このとき、自動フォーカス制御において得られた主被写体までの距離情報が、所定範囲に収まる場合にのみ、自動的に第二の撮像素子125を用いて第一の撮像素子115の露光終了のタイミングを制御することを許可するようにしてもよい。
なお、第一の実施形態では、第二の光学系124の焦点距離を望遠側に移動することで動きの分解能を上げたが、一般的なレンズにおいて焦点距離を望遠側に移動するとF値が大きくなり、画像が暗くなる。その分、明るくするために感度を上げるとノイズが多くなり、動きベクトルの算出精度が悪化してしまう。そこで、第二の撮像素子125で得られる画像のノイズ成分の大きさに応じて、焦点距離の最大移動量に制限を設ける構成としてもよい。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明を行う。第二の実施形態は、動きベクトルではなく、フレーム間の差分絶対値を用いた動き解析結果に基づいて露光終了のタイミングを決める点が、第一の実施形態とは異なる。
次に、本発明の第二の実施形態について説明を行う。第二の実施形態は、動きベクトルではなく、フレーム間の差分絶対値を用いた動き解析結果に基づいて露光終了のタイミングを決める点が、第一の実施形態とは異なる。
具体的には、第二の実施形態では、第二の撮像システム120の第二の画像処理回路127が、図2におけるタイミング生成回路200の代わりに、タイミング生成回路1500を有している。
まず、第二の画像処理回路127が具備するタイミング生成回路1500の構成について、図13を用いて説明する。
図13は、第二の実施形態に係るタイミング生成回路1500の構成例を示すブロック図である。図13において、タイミング生成回路1500は、差分絶対値算出回路1301、累積量算出回路1302、代表累積量算出回路1303およびタイミング決定回路1304より構成する。
次に、本発明の第二の実施形態の撮像装置100における高速撮影モードにおける撮像処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。図14は、第二の実施形態の高速撮影モードにおける撮像処理のフローチャートである。
第一の実施形態では図3および図4を用いて高速撮影モードにおける撮像処理を説明したが、第二の実施形態では図4に替えて図14に示すフローチャートを用いる。図3に示す処理は第一の実施形態と共通であるため、説明を省略する。また、図14のうち、第一の実施形態の図4のフローチャートと同じ処理を行うステップについては、図4と同じステップ番号を付与している。ここでは、第一の実施形態と異なる処理について説明を行う。
図14のステップ1421において、タイミング生成回路1500内の差分絶対値算出回路1301が、第二の撮像素子125で得られた画像データのうち、主被写体の領域におけるフレーム間の差分絶対値を算出する。フレーム間の差分絶対値とは、第二の撮像素子125から得られたフレーム間で同一座標における画素の値の差分絶対値を、画素ごとに求めた値である。
この差分絶対値算出回路1301が、第二の撮像素子125から得られた画像データの主被写体の領域に対して差分絶対値を算出する時系列動作について、図15を参照して説明する。図15は、第一の撮像素子115、第二の撮像素子125、および、タイミング生成回路1500による動作を説明するための図である。
差分絶対値算出回路1301は、時刻T1において、時刻T0と時刻T1で得られた画像データのフレーム間の差分絶対値を画素ごとに算出する。その後、時刻T2において、時刻T1と時刻T2で得られた画像データの主被写体の領域のフレーム間の差分絶対値を画素ごとに算出する。時刻T3以後、同様の処理を繰り返し、第二の撮像素子125から得られた画像データの主被写体の領域のフレーム間における画素ごとの差分絶対値を算出する。
ステップS1422において、累積量算出回路1302は、式(7)のようにステップ1421において算出した画素ごとの差分絶対値を複数フレームに渡って累積し、差分絶対値累積量(AD)として算出する。
AD=AD1+AD2+AD3・・・(7)
AD=AD1+AD2+AD3・・・(7)
AD1は、時刻T0のフレームと時刻T1のフレームとの間で算出された1つの画素の差分絶対値を示す。AD2は、時刻T1のフレームと時刻T2のフレームとの間で算出された同じ1つの画素の差分絶対値を示す。AD3は、時刻T2のフレームと時刻T3のフレームとの間で算出された同じ1つの画素の差分絶対値を示す。
以上のようなフレーム間の差分絶対値累積量の算出処理を主被写体の領域に含まれる全画素に対して行い、フレーム内の主被写体の領域に含まれる全画素のフレーム間差分絶対値累積量を算出する。
さらに代表累積量算出回路1303が、画素毎に算出したフレーム間差分絶対値累積量に基づき、そのフレーム全体を代表する累積量を算出する。具体的には、代表累積量算出回路1303は、主被写体の領域に含まれる全画素の差分絶対値累積量の最大値を選択し、選択した最大の差分絶対値累積量を代表累積量として決定する。このような処理をフレーム毎に行うことにより、図11のようにフレーム毎に1つの代表累積量を算出する。
なお、代表累積量算出回路1303による代表累積量は、フレーム内の主被写体の領域に含まれる全画素の差分絶対値累積量のうちの最大値に基づくものに限られるものではなく、平均値や中央値でもよい。
ステップS1423において、タイミング決定回路1304は、代表累積量が閾値以上になったかを判定し、閾値以上になっていなければステップS324に進み、閾値以上になっていればステップS325に進む。ステップS325以降の処理は、図3のステップS325以降の処理と同様である。
つまり、代表累積量が閾値以上になったことが判定されると、タイミング決定回路1304は、第二の制御回路121を介して、第一の撮像システム110に露光終了を指示するための信号を出力する。第一の制御回路111は、第一の撮像素子115の露光時間が適正時間に達していなくとも、第一の撮像素子115の露光を停止する。そして、第一の制御回路111は、第一の撮像素子115によって生成されたアナログ画像信号を第一のA/D変換回路116に出力する。
このように、第二の実施形態においても、第一の撮像素子115の露光期間中の主被写体の動き量に基づいて、第一の撮像素子115の露光を終了させるため、ぶれの少ない画像を撮像することができる。動きベクトルの代わりに差分絶対値を用いて主被写体の動き量を判定することで、動きベクトルを用いた場合よりも演算量を減らすことができ、演算負荷の軽減や演算処理の時間短縮といった効果を見込むことができる。
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態について説明を行う。第三の実施形態では、動きベクトル算出回路201で算出された動きベクトルに基づいて、主被写体の領域を特定する。また、第三の実施形態では、第一の実施形態のタイミング生成回路200の代わりに、タイミング生成回路1600が用いられる。
次に、本発明の第三の実施形態について説明を行う。第三の実施形態では、動きベクトル算出回路201で算出された動きベクトルに基づいて、主被写体の領域を特定する。また、第三の実施形態では、第一の実施形態のタイミング生成回路200の代わりに、タイミング生成回路1600が用いられる。
図16は、第三の実施形態に係るタイミング生成回路1600の構成例を示すブロック図である。図16において、タイミング生成回路1600は、動きベクトル算出回路201、撮影状況判定回路1601、主被写体特定回路1602、累積量算出回路202、代表累積量算出回路203およびタイミング決定回路204を有する。動きベクトル算出回路201、累積量算出回路202、代表累積量算出回路203およびタイミング決定回路204は、図2に示すものと同じである。
図17は、第三の実施形態の高速撮影モードにおける撮像処理のフローチャートである。本実施形態では、図3および図17に示す処理を行う。ただし、本実施形態では、図3のステップS310の主被写体を明示的に特定する処理は行われないものとし、ステップS313乃至S317の各処理は、主被写体としての可能性が高い領域に対して行われるものとする。図3に示すそれ以外の処理については、第一の実施形態と同様である。
図3のステップS318においてSW2がオンになると、図17のステップS319において、第一の制御回路111は、図3のステップS314にて行ったAEの結果に基づいて露光期間を設定し、第一の撮像素子の露光を開始する。
ステップS320において、第二の制御回路121は第一の実施形態と同様の方法でフレームレートを設定し、第二の撮像素子125の露光を開始する。第二の撮像素子125は設定したフレームレートに応じた露光時間に達すると、得られたアナログ画像信号を第二のA/D変換回路126に出力するとともに、すぐさま次の露光を開始する処理を繰り返す。
ステップS321において、タイミング生成回路1600内の動きベクトル算出回路201が、第二の撮像素子125で得られた画像データのフレーム間における動きベクトルおよび動きベクトルの信頼度を算出する。ここで、第一の実施形態では、動きベクトル算出回路201は主被写体が存在する領域の動きベクトルを算出していたが、本実施形態では画像データ全体の領域において動きベクトルを算出する。
ステップS1701において、撮影状況判定回路1601が、動きベクトル算出回路201で算出された動きベクトルのうち、方向と大きさの差が所定範囲内に収まる類似した動きベクトルが、閾値以上の数だけ存在するかを判定する。撮影状況判定回路1601は、この条件を満たすと判定した場合には、流し撮り撮影が行われている可能性が高いと判定し、流し撮り撮影であることを示すフラグを主被写体特定回路1602に出力する。なお、ここでは、画像データ全体の領域において算出された動きベクトルに基づいて、流し撮りを判定する構成を例にあげて説明を行ったが、これに限られるものではない。撮像装置100に備えられたジャイロや加速度センサの出力値を用いて、流し撮りが行われているか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS1703において、主被写体特定回路1602は、撮影状況判定回路1601から流し撮りを示すフラグを受け取ったか否かに応じて、後段で動きベクトルの累積量を算出する対象とすべき主被写体の領域を特定する。
流し撮りでは主被写体の動きは小さくなるため、主被写体特定回路1602は、フラグを受け取った場合には、画像データ内で最も小さい動きベクトルが得られた画素の位置における被写体を主被写体として特定する。あるいは、主被写体特定回路1602は、動きベクトルの大きさいが閾値以下となる画素のうち隣接するものをグループ化し、最も大きなグループを主被写体として特定してもよい。
図18は、主被写体の領域を特定する方法を説明するための図である。図18(a)、(b)の左側は、画像データ全体から算出された動きベクトルを示すイメージ図である。図18(a)、(b)の右側は、画像データの中央部の画素ごとの動きベクトルの大きさを示すイメージ図である。説明を簡単にするために、車に相当する画素を3×3画素で示している。
図18(a)では、画像データの中央部に位置する車を対象として流し撮りが行われているため、車の動きベクトルが小さくなるのに対して、背景の動きベクトルは大きく、かつ、その大きさと方向が一律である。そのため、動きベクトルの大きさの閾値を10とすると、主被写体特定回路1602は、フラグを受け取った場合には、動きベクトルの大きさが10未満である中央の3×3の画素を含む領域を主被写体の領域として特定する。
図18(b)では、流し撮りが行われていないため、背景に動きはなく、動体の被写体の動きベクトルが背景に比べて相対的に大きくなる。高速撮影モードは、動く被写体を撮影する場合に効果がある撮影モードであるため、流し撮りをしていないのであれば、動きの大きな被写体が主被写体である可能性が高い。そのため、主被写体特定回路1602は、撮影状況判定回路1601からフラグを受け取っていない場合には、相対的に動きベクトルが大きい中央の3×3の画素を含む領域を主被写体の領域として特定する。
そして、主被写体特定回路1602は、主被写体の領域の位置およびサイズを示す情報を累積量算出回路202に出力する。累積量算出回路202は、主被写体の領域のみを対象として動きベクトルの累積量を算出する。以降の処理は、第一の実施形態と同様である。
なお、ここでは、タイミング生成回路1600が第二の撮像素子125から出力された画像データを用いて流し撮りが行われているか否かを判定しているが、これに限られるものではない。例えば、第一の画像処理回路117が、第一の撮像素子115で得られたライブビューのための画像データから動きベクトルを算出し、流し撮りが行われているか否かを判定するようにしても構わない。
このように、第三の実施形態においても、第一の撮像素子115の露光期間中の主被写体の動き量に基づいて、第一の撮像素子115の露光を終了させるため、ぶれの少ない画像を撮像することができる。流し撮りの有無という撮影状況を判定し、動きの累積量を算出する対象とする領域を自動で選択するため、ユーザの手間を削減し、ユーザビリティを向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 撮像装置
110 第一の撮像システム
111 第一の制御回路
112 第一のROM
113 第一のRAM
114 第一の光学系
115 第一の撮像素子
116 第一のA/D変換回路
117 第一の画像処理回路
118 第一のメモリ
119 第一の表示装置
120 第二の撮像システム
121 第二の制御回路
122 第二のROM
123 第二のRAM
124 第二の光学系
125 第二の撮像素子
126 第二のA/D変換回路
127 第二の画像処理回路
130 操作部材
200、1300、1600 タイミング生成回路
110 第一の撮像システム
111 第一の制御回路
112 第一のROM
113 第一のRAM
114 第一の光学系
115 第一の撮像素子
116 第一のA/D変換回路
117 第一の画像処理回路
118 第一のメモリ
119 第一の表示装置
120 第二の撮像システム
121 第二の制御回路
122 第二のROM
123 第二のRAM
124 第二の光学系
125 第二の撮像素子
126 第二のA/D変換回路
127 第二の画像処理回路
130 操作部材
200、1300、1600 タイミング生成回路
Claims (18)
- 第一の撮像手段と、
第二の撮像手段と、
前記第一の撮像手段による画像データ、および、前記第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから、主被写体の領域を特定する特定手段と、
前記第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に前記第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、前記複数のフレームの画像データにおける前記主被写体の領域の動き量を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した結果に基づいて、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止する制御手段を、
有することを特徴とする撮像装置。 - 前記算出手段は、複数の画像データのフレーム間における前記主被写体の領域の動き量の累積量を算出する累積量算出手段を有し、
前記制御手段は、前記累積量と閾値を比較した結果に応じて、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記累積量算出手段は、前記第二の撮像手段にて新たなフレームの画像データが撮像されると、それまで撮像された複数の画像データのフレーム間における前記主被写体の領域の動き量の累積量を新たに算出し、
前記制御手段は、前記累積量が前記閾値以上となった場合に、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記累積量が前記閾値以上でなくとも、前記第二の撮像手段で撮像される次のフレームにおいて予測される累積量が前記閾値より大きな値の第二の閾値以上である場合に、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記算出手段は、前記主被写体の領域の動き量として、動きベクトルを算出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記累積量算出手段は、前記複数の画像データにおいて算出された複数の動きベクトルを追跡し、追跡した動きベクトルの長さの総和に基づいて、前記累積量を算出することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記算出手段は、前記主被写体の領域の動き量として、画像データのフレーム間における画素の値の差分絶対値を算出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記累積量算出手段は、前記複数の画像データのフレーム間において算出された画素の値の差分絶対値の和を、前記累積量として算出することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
- 前記第一の撮像手段による画像データを用いて、前記主被写体の領域の動き量を算出する第二の算出手段を有し、
前記制御手段は、前記第二の算出手段によって算出された動き量が第三の閾値より小さいと判断された場合には、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止する処理を行い、前記第二の算出手段によって算出された動き量が前記第三の閾値より小さくないと判断された場合には、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止する処理を行わないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記算出手段によって予め算出された前記主被写体の領域の動き量が第三の閾値より小さくないと判断された場合には、前記算出手段が算出した結果に基づいて、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止する処理を行わないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記特定手段は、前記第一の撮像手段による画像データ、および、前記第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかの画像データ全体における動きベクトルの情報を受け取り、受け取った前記動きベクトルの情報が所定の条件を満たす場合に、大きさが第四の閾値以下である動きベクトルが算出された画素あるいは領域を、前記主被写体の領域として特定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記特定手段は、受け取った前記動きベクトルの情報が所定の条件を満たさない場合に、相対的に大きな動きベクトルが算出された画素あるいは領域を、前記主被写体の領域として特定することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
- 前記所定の条件は、類似する動きベクトルが第五の閾値以上の数だけ存在することであることを特徴とする請求項11または12に記載の撮像装置。
- 前記類似する動きベクトルとは、方向および大きさが所定範囲内に収まる動きベクトルであることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
- 前記特定手段は、前記算出手段から前記動きベクトルの情報を受け取ることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 第一の撮像手段を有する外部の撮像装置に着脱可能な撮像装置であって、
第二の撮像手段と、
前記第一の撮像手段による画像データ、および、前記第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから、主被写体の領域を特定する特定手段と、
前記第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に前記第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、前記複数のフレームの画像データにおける前記主被写体の領域の動き量を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した結果に基づいて、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止するための信号を出力する制御手段を、
有することを特徴とする撮像装置。 - 撮像装置の制御方法であって、
第一の撮像手段による画像データ、および、第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから、主被写体の領域を特定し、
前記第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に前記第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、前記複数のフレームの画像データにおける前記主被写体の領域の動き量を算出し、
前記主被写体の動き量に基づいて、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止させるための信号を出力する、
ことを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 撮像装置で用いられるプログラムであって、前記撮像装置に備えられたコンピュータに、
第一の撮像手段による画像データ、および、第二の撮像手段による画像データの少なくともいずれかから、主被写体の領域を特定するステップと、
前記第一の撮像手段が第一のフレームの画像データのための露光を行っている間に前記第二の撮像手段にて撮像された複数のフレームの画像データを用いて、前記複数のフレームの画像データにおける前記主被写体の領域の動き量を算出するステップと
前記主被写体の動き量に基づいて、前記第一の撮像手段による前記第一のフレームの画像データのための露光を停止させるための信号を出力するステップを、
実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018113943A JP2019216398A (ja) | 2018-06-14 | 2018-06-14 | 撮像装置、撮像装置の制御方法、および、プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018113943A JP2019216398A (ja) | 2018-06-14 | 2018-06-14 | 撮像装置、撮像装置の制御方法、および、プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019216398A true JP2019216398A (ja) | 2019-12-19 |
Family
ID=68919633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018113943A Pending JP2019216398A (ja) | 2018-06-14 | 2018-06-14 | 撮像装置、撮像装置の制御方法、および、プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019216398A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021186889A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | ソニーグループ株式会社 | イメージセンサ、画像処理方法、プログラム |
-
2018
- 2018-06-14 JP JP2018113943A patent/JP2019216398A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021186889A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | ソニーグループ株式会社 | イメージセンサ、画像処理方法、プログラム |
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