JP2019213529A - 修飾ヘリカーゼ - Google Patents

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JP2019213529A JP2019126178A JP2019126178A JP2019213529A JP 2019213529 A JP2019213529 A JP 2019213529A JP 2019126178 A JP2019126178 A JP 2019126178A JP 2019126178 A JP2019126178 A JP 2019126178A JP 2019213529 A JP2019213529 A JP 2019213529A
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ジャイン ウォレス,エリザベス
Jayne Wallace Elizabeth
ジャイン ウォレス,エリザベス
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Bruce Mark
ジャヤシンゲ,ラクマル
Jayasinghe Lakmal
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Caprotti Domenico
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Abstract

【課題】ポリヌクレオチドからの解離が低減している修飾ヘリカーゼの提供。【解決手段】1つまたは複数の単量体から形成され、少なくとも1つのコンホメーション状態において、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含むポリヌクレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼであって、ヘリカーゼの同じ単量体内の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減するように修飾されており、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持しているヘリカーゼ。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリヌクレオチドからの解離が低減している修飾ヘリカーゼに関する。ヘリ
カーゼはポリヌクレオチドの移動を制御するために使用でき、ポリヌクレオチドを配列決
定するために特に有用である。
迅速で安価なポリヌクレオチド(例えばDNAまたはRNA)配列決定および同定技術
が、幅広い応用にわたって現在必要である。既存の技術は、主にそれらが、大量のポリヌ
クレオチドを生成するための増幅技術に依存し、シグナル検出のために多量の専門的な蛍
光化学物質を必要とするために、遅く高価である。
膜貫通ポア(ナノポア)は、ポリマーおよび種々の小分子のための直接的、電気的バイ
オセンサーとして大きな将来性を有する。特に、将来性のあるDNA配列決定技術として
ナノポアが近年注目されている。
電位がナノポア全体に印加される場合、ヌクレオチドなどの分析物が一定時間バレルに
一過的に存在する場合に電流が変化する。ヌクレオチドのナノポア検出は、既知のサイン
および持続時間での電流変化をもたらす。「鎖配列決定」法では、1本のポリヌクレオチ
ド鎖がポアを通り、ヌクレオチドのアイデンティティが得られる。鎖配列決定は、ポアを
通るポリヌクレオチドの移動を制御するためのヘリカーゼなどのヌクレオチドハンドリン
グタンパク質の使用を含み得る。
ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドに結合し、移動を制御できる酵素である。Hel30
8ヘリカーゼを含むいくつかのヘリカーゼは、少なくとも1つのコンホメーション状態で
、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼに結合または解離できる開口部を有するポ
リヌクレオチド結合ドメインを有する。それにより、ヘリカーゼがポリヌクレオチドの末
端に位置していない場合でも、ヘリカーゼがポリヌクレオチドから離れることが可能にな
る。
本発明者らは、ポリヌクレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能力が、それを通って
ポリヌクレオチドが解離する開口部のサイズを低減させることによって改善できることを
驚くべきことに実証した。具体的にはポリヌクレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能
力は、開口部を閉じることによって改善できる。本発明によれば、ヘリカーゼの少なくと
も2つの部分を繋ぐことにより、開口部のサイズは低減され、または開口部は閉鎖される
開口部のサイズの低減または開口部の閉鎖がヘリカーゼのポリヌクレオチドへの結合を
妨げないことから、この結果は驚くべきものである。本発明により修飾されたヘリカーゼ
がポリヌクレオチドに結合すると、解離することも離されることもなく全てではないが大
部分のポリヌクレオチドの移動を制御できる。具体的には本発明者らは、本発明により修
飾されたヘリカーゼが400ヌクレオチド以上を含むポリヌクレオチドなどの長いポリヌ
クレオチドに強く結合し、全てではないが大部分のポリヌクレオチドの移動を制御するこ
とを驚くべきことに実証した。これは、ポリヌクレオチドの移動の有効な制御を、特に鎖
配列決定法の際に可能にする。
本発明者らは、ポリヌクレオチドの移動を制御するHel308ヘリカーゼの能力が特
異的位置に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然
アミノ酸を導入することによって改善できることを驚くべきことに実証した。導入される
残基が繋がれているかどうかに関わらず、修飾Hel308ヘリカーゼは、解離するまた
は離されることなく全てではないが大部分のポリヌクレオチドの移動を制御できる。
したがって本発明は、1つまたは複数の単量体から形成され、少なくとも1つのコンホ
メーション状態において、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開
口部を含むポリヌクレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼであって、ヘリカーゼの同じ
単量体内の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減するように修飾されており、
ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持しているヘリカーゼを提供する。
本発明は、
− 1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ
酸がHel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D274、G281
、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E291、D293
、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N316、H317
、R318、K319、L320、E322、R326、N328、S615、K717
、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に導入されている
Hel308ヘリカーゼであって、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持してい
るHel308ヘリカーゼ;
− 本発明のヘリカーゼおよび追加的ポリヌクレオチド結合成分を含む構築物であって、
ヘリカーゼがポリヌクレオチド結合成分に付着しており、ポリヌクレオチドの移動を制御
する能力を有する構築物;
− ポリヌクレオチドの移動を制御する方法であって、ポリヌクレオチドを本発明のヘリ
カーゼまたは本発明の構築物と接触させ、それによりポリヌクレオチドの移動を制御する
ステップを含む方法;
− 標的ポリヌクレオチドを特性決定する方法であって、(a)標的ポリヌクレオチドを
膜貫通ポアおよび本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物と、ヘリカーゼまたは構築物
がポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように接触させるステップ、ならび
に(b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときに1つまたは複数の測定値を取る
ステップであって、測定値が標的ポリヌクレオチドの特性の1つまたは複数を示し、それ
により標的ポリヌクレオチドを特性決定するステップを含む方法;
− 標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーを形成する方法であって、(a
)ポアと、(b)本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物との間で複合体を形成し、そ
れにより標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーを形成するステップを含む
方法;
− (a)ポアと、(b)本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物との間の複合体を含
む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサー;
− ポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための本発明のヘリカーゼまたは
本発明の構築物の使用;
− (a)ポア、および(b)本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物を含む、標的ポ
リヌクレオチドを特性決定するためのキット;
− (a)複数のポア、および(b)複数の本発明のヘリカーゼまたは複数の本発明の構
築物を含む、試料中の標的ポリヌクレオチドを特性決定するための装置;
− 本発明のヘリカーゼを産生する方法であって、(a)1つまたは複数の単量体から形
成され、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含むポリヌ
クレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼを提供するステップ、および(b)ヘリカーゼ
の同じ単量体上の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減するようにヘリカーゼ
を修飾し、それにより本発明のヘリカーゼを産生するステップを含む方法;
− 本発明の修飾Hel308ヘリカーゼを産生する方法であって、(a)Hel308
ヘリカーゼを提供するステップ、ならびに(b)1つもしくは複数のシステイン残基およ
び/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸をHel308Mbu(配列番号10)中
のD272、N273、D274、G281、E284、E285、E287、S288
、T289、G290、E291、D293、T294、N300、R303、K304
、N314、S315、N316、H317、R318、K319、L320、E322
、R326、N328、S615、K717、Y720、N721およびS724に対応
する位置の1つまたは複数に導入し、それにより本発明の修飾Hel308ヘリカーゼを
産生するステップを含む方法;ならびに
− 本発明の構築物を産生する方法であって、本発明のヘリカーゼを追加的ポリヌクレオ
チド結合成分に付着させ、それにより本発明の構築物を産生するステップを含む方法
も提供する。
Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3反応混合物(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)のクーマシー染色7.5%Tris−HClゲル(Laemmliローディング緩衝液で添加された)を示す図である。レーンXは適切なタンパク質ラダー(質量単位マーカーはゲルの左に示されている)を示す。レーンa〜cは、2μL、5μLまたは10μLの約2.5μM Hel308Mbu(E284C/S615C)単量体(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有する。レーンd〜fは2μL、5μLまたは10μLの約2.5μM Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10、すなわち開口部が閉じられているヘリカーゼ)を含有し、ビスマレイミドPEG3リンカーを付着させる反応がほとんど100%収率に進んだことはゲルから明らかであった。矢印1は、Hel308Mbu(E284C/S615C)単量体(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)に対応し、矢印2はHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10、すなわち開口部が閉じられているヘリカーゼ)に対応する。 Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS(配列番号109)−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)反応混合物のクーマシー染色7.5% Tris−HClゲルを示す図である。レーンXは適切なタンパク質ラダー(質量単位マーカーはゲルの左に示されている)を示す。レーンAは5μLの約10μM Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を基準として含有する。上のバンド(2と標識)はHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3に対応し、下のバンド(1と標識)はHel308Mbu(E284C/S615C)(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)に対応する。レーンBは5μLの約10μM Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有し、Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)(上のバンド)およびHel308Mbu(E284C/S615C)(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)(下のバンド)に対するバンドが観察されることから、mal−pep−malリンカーに付着する反応が完了まで進まなかったことはゲルから明らかであった。レーンCはHel308Mbu(E284C/S615C)(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有する。 開口部が閉鎖されている2つのHel308Mbuヘリカーゼ(Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10))の酵素前進性(processivity)をHel308Mbu単量体(配列番号10)のものと比較するために使用した蛍光アッセイを示す図である。通例の蛍光基質がハイブリダイズされたdsDNAを置換するヘリカーゼの能力をアッセイするために用いられた。蛍光基質(最終50nM)は3’ssDNAオーバーハングならびにハイブリダイズされたdsDNA(セクションA、配列番号110、1と標識)の80および33塩基対セクションを有する。主要な下部「テンプレート」鎖は、5’および3’末端でそれぞれカルボキシフルオレセイン(FAM、4と標識)およびブラックホールクエンチャー(BHQ−1、5と標識)塩基(配列番号112)で標識されている3’オーバーハングおよび33nt蛍光プローブ(3と標識)に隣接して、80nt「ブロッカー」鎖(配列番号111、2と標識)にハイブリダイズされる。ハイブリダイズされると、FAMはBHQ−1から離れ、基質は基本的に蛍光を発する。セクションBに示すとおり、ATP(1mM)およびMgCl(10mM)の存在下でヘリカーゼ(6と標識、10nM)は、基質の3’オーバーハング(配列番号110)に結合し、下鎖に沿って移動し80ntブロッカー鎖(配列番号111)を置換し始める。前進性の場合、ヘリカーゼは、蛍光プローブも置換する(セクションC、配列番号112、カルボキシフルオレセイン(FAM)で5’末端で、ブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で3’末端で標識されている)。蛍光プローブは、その5’および3’末端が自己相補的であり、それにより一度置換されると動力学的に安定なヘアピンを形成しプローブのテンプレート鎖(セクションD)への再アニールを防ぐように設計される。ヘアピン産物の形成により、FAMはBHQ−1の近傍に運ばれ、その蛍光は消光される。80塩基長「ブロッカー」(配列番号111)および蛍光(配列番号112、カルボキシフルオレセイン(FAM)でその5’末端、ブラックホールクエンチャー(BHQ−1)でその3’末端で標識されている)鎖を置換できる前進性酵素は、したがって、蛍光の経時的な減少をもたらす。しかし酵素が80nt未満の前進性を有する場合は、蛍光鎖(配列番号112、カルボキシフルオレセイン(FAM)でその5’末端で、ブラックホールクエンチャー(BHQ−1)でその3’末端で標識されている)を置換することができず、したがって「ブロッカー」鎖(配列番号111)は主要な下部鎖に再アニールする(セクションE)。 制御目的にも用いられた追加的な通例の蛍光基質を示す図である。陰性対照として使用された基質は、図3に記載のものと同一であったが、3’オーバーハングを欠失している(セクションA(配列番号111(図中2と標識)、112(図中3と標識の鎖、その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM、図中4と標識)で、その3’末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1、図中5と標識)で標識されている)ならびに図中7と標識の113))。図3に記載のものに類似しているが80塩基対セクション(配列番号112(図中3と標識の鎖、その5’末端をカルボキシフルオレセイン(図中4と標識のFAM)で、およびその3’末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1、図中5と標識)で標識されている)ならびに図中8と標識の114)を欠失している基質が活性だが前進性である必要はないヘリカーゼの陽性対照として用いられた(セクションB)。 Hel308Mbu、Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を、緩衝溶液(400mM NaCl、10mM Hepes pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、50nM蛍光基質DNA(配列番号110、111および112(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)で、およびその3’末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識された)中の図3に示す前進性基質に対して検査した際の時間依存性蛍光変化のグラフ(y軸標識=正規化された蛍光(無作為値)、x軸標識=時間(分))である。黒菱形で印を付けたデータ点は緩衝液ブランクに対応し、白四角データ点はHel308Mbu単量体(配列番号10)に対応し、黒十字データ点はHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)に対応し、および白丸データ点はHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)に対応する。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)によって示された蛍光の減少は、Hel308Mbu単量体(配列番号10)と比較したこれらの複合体の前進性の増大を記す。 Hel308Mbu(配列番号10)、Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を、緩衝溶液(400mM NaCl、10mM Hepes pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、50nM蛍光基質DNA(配列番号112(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)で、およびその3’末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識された)および114))中の陽性対照前進性基質(図4セクションBに示す、配列番号112(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)で、およびその3’末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識された)および60)に対して検査した際の時間依存性蛍光変化のグラフ(y軸標識=正規化された蛍光(無作為値)、x軸標識=時間(分))である。黒菱形で印を付けたデータ点は緩衝液ブランクに対応し、白四角データ点はHel308Mbu単量体(配列番号10)に対応し、黒十字データ点はHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)に対応し、および白丸データ点はHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)に対応する。この陽性対照は、全ての試料に対する蛍光減少によって示されたとおり、全ての複合体が実際に活性であることを実証した。 膜中のナノポアを通るポリヌクレオチドの酵素制御移行の模式図であって、酵素は印加された場の力とは反対にポリヌクレオチドの移動を制御する。模式図は、3’から5’酵素(Aと標識)の例を示し、ポア中の5’末端でのポリヌクレオチドの捕捉は、印加された場の力とは反対のポリヌクレオチドの酵素制御移動(実施例4において使用されるポリヌクレオチド配列は配列番号115(図7においてBと標識)、配列番号116(図7においてCと標識)および配列番号117(図7においてDと標識)である)を導く。DNA捕捉の際にハイブリダイズされた鎖は開かれる。矢印1はナノポアを通るDNA移動の方向を記し、白矢印2はDNAに沿った酵素移動の方向を記し、矢印3は印加された場の方向を記す。酵素がDNAから解離しない限り膜のcis側に最終的に放されるまで酵素は、ポアの外側にDNAを引く。 膜中のナノポアを通るポリヌクレオチドの酵素制御移行の模式図であって、酵素は印加された場の力と同じ方向にポリヌクレオチドの移動を制御する。模式図は、3’から5’酵素(Aと標識)の例を示し、ポア中の3’末端でのポリヌクレオチドの捕捉は、印加された場の力でのポリヌクレオチドの酵素制御移動を導く。矢印1はナノポアを通るDNA移動の方向を記し、白矢印2はDNAに沿った酵素移動の方向を記し、矢印3は印加された場の方向を記す。酵素がDNAから解離しない限り、膜のtrans側に最終的に放されるまで酵素はポアを通してDNAを供給する。 実施例4において使用されるDNA基質設計を示す図である。900塩基長センス鎖(配列番号115)はAと標識され、4塩基対少ないリーダー(配列番号116)であるアンチセンス鎖はBと標識され、プライマー(配列番号117)はCと標識される。プライマーはDと標識される3’コレステロールタグを有する。 Hel308Mbu単量体(200nM、配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行を制御する場合に観察された電流トレース例を示す図である(+140mV、400mM NaCl、100mM Hepes pH8.0、10mMフェロシアン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウム、0.1nM 900塩基長DNA(配列番号115、116および117(配列の3’末端に2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサーおよび3’コレステロールTEGを有する))、1mM ATP、1mM MgCl)。最も上の電気トレース(y軸標識=電流(pA)、x軸標識=時間(分))は、DNAが印加された電位(+140mV)の力の下で捕捉された場合にオープンポア電流(約120pA)がDNAレベル(20〜50pA)へ低下することを示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。上のトレースは、A〜Hと印を付けた一連の8個の別々のヘリカーゼ制御DNA移動を示す。トレースのこのセクションにおける全てのヘリカーゼ制御DNA移動は、酵素によって場とは反対に(DNAは5’を下に捕捉される)ナノポアを通って移動される(詳細は図7を参照されたい)。下は、DNAがナノポアを出たときの4個のヘリカーゼ制御DNA移動の最後のセクションの拡大である。このセクションにおける8個のヘリカーゼ制御DNA移動の内、1つ(H)だけが酵素がDNAの末端に達し、DNA基質の50T5’−リーダーをポア(と標識)を通して移動させたことを示す特徴的な長いポリTレベルで終わっている。Hel308Mbu(配列番号10)での完全な実行において、ヘリカーゼ制御DNA移動の約30%がポリTで終わることが見出された(n=19 本実験におけるヘリカーゼ制御DNA移動)。 Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(10nM、ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行を制御する場合に観察された電流トレース例を示す図である(+140mV、400mM NaCl、100mM Hepes pH8.0、10mMフェロシアン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウム、0.05nM 900塩基長DNA(配列番号115、116および117(配列の3’末端に2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサーおよび3’コレステロールTEGを有する))、2mM ATP、2mM MgCl)。最も上の電気トレース(y軸標識=電流(pA)、x軸標識=時間(分))は、DNAが印加された電位(+140mV)の力の下で捕捉された場合にオープンポア電流(約115pA)がDNAレベル(15〜40pA)へ低下することを示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。上のトレースは、A〜Hと印を付けた一連の8個の別々のヘリカーゼ制御DNA移動を示す。トレースのこのセクションにおける全てのヘリカーゼ制御DNA移動は、酵素によって場とは反対に(DNAは5’を下に捕捉される)ナノポアを通って移動される(詳細は図7を参照されたい)。下は、DNAがナノポアを出たときの4個のヘリカーゼ制御DNA移動の最後のセクションの拡大である。このセクションにおける8個のヘリカーゼ制御DNA移動の内、どれもが酵素がDNAの末端に達し、DNA基質の50T5’−リーダーをポア(と標識)を通して移動させたことを示す特徴的な長いポリTレベルで終わる。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)での完全な実行において、場と反対(5’が下)のヘリカーゼ制御DNA移動の約85%がポリTで終わることが見出された(n=27 本実験におけるヘリカーゼ制御DNA移動)。 Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(10nM、ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行を制御する場合に観察された電流トレース例を示す図である(+140mV、400mM NaCl、100mM Hepes pH8.0、10mMフェロシアン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウム、0.05nM 900塩基長DNA(配列番号115、116および117(配列の3’末端に2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサーおよび3’コレステロールTEGを有する))、2mM ATP、2mM MgCl)。最も上の電気トレース(y軸標識=電流(pA)、x軸標識=時間(分))は、DNAが印加された電位(+140mV)の力の下で捕捉された場合にオープンポア電流(約120pA)がDNAレベル(15〜40pA)へ低下することを示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。上のトレースは、A〜Dと印を付けた一連の4個の別々のヘリカーゼ制御DNA移動を示す。トレースのこのセクションにおける全てのヘリカーゼ制御DNA移動は、酵素によって場に沿って(DNAは3’を下に捕捉される)ナノポアを通って移動される(詳細は図8を参照されたい)。下は、DNAがナノポアを出たときのヘリカーゼ制御DNA移動の最後のセクションの拡大である。3’が下のDNAは、配列関係に対して異なる電流および異なる変動を伴って5’が下のDNAとは特徴的に異なるサインを示す。このセクションにおける4個のヘリカーゼ制御DNA移動の内、どれもが酵素がDNAの末端に達し、DNA基質の50T5’−リーダーをポア(と標識)を通して移動させたことを示す特徴的な長いポリTレベルで終わる。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)での完全な実行において、場に沿った(3’が下)のヘリカーゼ制御DNA移動の約87%がポリTで終わることが見出された(n=15 本実験におけるヘリカーゼ制御DNA移動)。 Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS(配列番号109)−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行を制御する場合に観察された電流トレース例(上および下のトレースについてy軸=電流(pA)、x軸=時間(秒))を示す図である(+120mV、(625mM KCl、100mM Hepes、75mMフェロシアン化カリウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8.0、0.5nM DNA(配列番号127、その3’末端が4つのiSpC3スペーサーに、その最後が配列番号128の5’末端に付着している)1mM ATP、10mM MgCl)。最も上の電気トレースは、DNAが印加された電位(+120mV)の力の下で捕捉された場合にオープンポア電流(約400pA)がDNAレベル(250〜220pA)へ低下することを示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。下のトレースは、上のトレースの領域を拡大したものである。 TrwC Cba−N691C/Q346C−mal−PEG11−mal(ビスマレイミドポリエチレングリコールリンカーによって繋がれ、変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)反応混合物のクーマシー染色7.5%Tris−HClゲルを示す図である。ゲルの右のレーン(Mと標識)は適切なタンパク質ラダー(質量単位マーカーはゲルの右に示されている)を示す。レーン1は5μLの約10μM TrwC Cba−D657C/R339C単独(変異D657C/R339Cを有する配列番号126)を基準として含有する。レーン2は5μLの約10μMTrwC Cba−N691C/Q346C−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)を含有する。レーン2に示されるとおり、上のバンドは二量体酵素分子種に対応し(Aと標識)、中央のバンドは閉じた複合体(Bと標識)TraI−Cba−N691C/Q346C−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)に対応する。未修飾出発材料(Cと標識)TrwC Cba−N691C/Q346C(変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)に対するバンドが観察されることから、mal−PEG11−malリンカーに付着する反応が進まなかったことはゲルから明らかであった。 dsDNA分子の代謝回転率(分−1酵素−1)を検査するための蛍光アッセイを示す図である。通例の蛍光基質がヘリカーゼ(a)のハイブリダイズdsDNAを置換する能力をアッセイするために使用された。1)蛍光基質鎖(50nM最終、配列番号151および152)は、3’および5’の両方のssDNAオーバーハングを有する。上部鎖(b)はカルボキシフルオレセイン塩基(c)を5’末端近く(カルボキシフルオレセインは配列番号151中の位置6の修飾チミンに付着している)に有し、ハイブリダイズされた相補物(d)はブラックホールクエンチャー(BHQ−1)塩基(e)を3’末端近く(ブラックホールクエンチャーは配列番号152中の位置81の修飾チミンに付着される)に有する。ハイブリダイズされた場合、フルオレセインからの蛍光は局在BHQ−1によって消光され、基質は実質的に非蛍光性である。蛍光基質鎖の下部に部分的に相補的である捕捉鎖(f、配列番号153)1μMがアッセイに含まれる。2)ATP(1mM)およびMgCl(10mM)の存在下で、基質に添加されたヘリカーゼ(10nM)は、蛍光基質の3’尾部に結合し、上部鎖に沿って移動し、示されるとおり相補鎖(d)を置換する。3)BHQ−1を有する相補鎖が完全に置換されると主要な鎖上のフルオレセインは蛍光を発する。4)置換された下部鎖(d)は過剰量の捕捉鎖(f)に優先的にアニールし、初期基質の再アニールおよび蛍光の消失を防ぐ。 多数のヘリカーゼ(Hel308Mbu(1と標識、配列番号10)、Hel308Mbu−E284C(2と標識、変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284C/C301A(3と標識、変異E284C/C301Aを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E285C(4と標識、変異E285Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu−S288C(5と標識、変異S288Cを有する配列番号10))に関して、緩衝液(400mM KCl、100mM Hepes pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、50nM蛍光基質DNA(配列番号151および152)、1μM捕捉DNA(配列番号153))中でのdsDNA代謝回転(酵素−1−1)を示すグラフである。Hel308Mbu−E284C(変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284C/C301A(変異E284C/C301Aを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E285C(変異E285Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu−S288C(変異S288Cを有する配列番号10)は、Hel308Mbu(配列番号10)と比較した場合にdsDNA分子の代謝回転速度(分−1酵素−1)の増加を示した。 多数のヘリカーゼ(Hel308Mbu(1と標識、配列番号10)、Hel308Mbu−E284C(2と標識、変異E284Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu−D274C(6と標識、変異D274Cを有する配列番号10))に関して、緩衝液(400mM KCl、100mM Hepes pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、50nM 蛍光基質DNA(配列番号151および152)、1μM捕捉DNA(配列番号153))中でのdsDNA代謝回転(酵素−1−1)を示す図である。Hel308Mbu−E284C(変異E284Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu−D274C(変異D274Cを有する配列番号10)はHel308Mbu(配列番号10)と比較した場合にdsDNA分子の代謝回転速度(分−1酵素−1)の増加を示した。 膜中のナノポアを通るポリヌクレオチドの酵素制御移行の模式図であって、酵素は印加された場の力とは反対にポリヌクレオチドの移動を制御する。模式図は、3’から5’酵素(Aと標識)の例を示し、5’末端でのポア中のポリヌクレオチド(実施例9において使用するポリヌクレオチド配列は配列番号154(図18においてBと標識)、配列番号155(図18においてCと標識)および配列番156(図18においてDと標識)および、配列番号117(図18においてEと標識))の捕捉は、印加された場の力とは反対のポリヌクレオチドの酵素制御移動(印加された場の方向は矢印1により示される)を導く。DNA捕捉の際にハイブリダイズされた鎖は、開かれる。矢印2はナノポアを通るDNA移動の方向を記し、矢印3はDNAに沿った酵素移動の方向を記す。酵素がDNAから解離しない限り、膜のcis側に最終的に放されるまで酵素はポアの外側にDNAを引く。 Hel308Mbu(配列番号10)がMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行(+120mV、(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリシアン化カリウム pH8.0、10mM MgClおよび1mM ATP)0.2nM DNA((その5’末端が4個のニトロインドールに、その最後が配列番号155の3’末端に付着している配列番号154)、配列番号156および配列番号117)を制御する場合に観察された電流トレース例(y軸=電流(pA)、x軸=時間(秒))を示す図である。電気トレースは、DNAが印加された電位(+120mV)の力の下で捕捉された場合にオープンポア電流(約250pA)がDNAレベル(約50pA)へ低下することを示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。 Hel308Mbu−E284C(変異E284Cを有する配列番号10)がMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行(+120mV、(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリシアン化カリウムpH8.0、10mM MgClおよび1mM ATP)0.2nM DNA((その5’末端が4個のニトロインドールに、その最後が配列番号155の3’末端に付着している配列番号154)、配列番号156および配列番号117)を制御する場合に観察された電流トレース例(両方のトレースについてy軸=電流(pA)、x軸=時間(秒))を示す図である。上の電気トレースは、DNAが印加された電位(+120mV)の力の下で捕捉された場合のDNAレベル(約35pA)を示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。下のトレースは、上のトレースに示すヘリカーゼ制御DNA移動に関して拡大したものを示す。 Hel308Mbu−S288C(変異S288Cを有する配列番号10)がMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行(+120mV、(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリシアン化カリウムpH8.0、10mM MgClおよび1mM ATP)0.2nM DNA((その5’末端が4個のニトロインドールに、その最後が配列番号155の3’末端に付着している配列番号154)、配列番号156および配列番号117)を制御する場合に観察された電流トレース例(両方のトレースについてy軸=電流(pA)、x軸=時間(秒))を示す図である。上の電気トレースは、DNAが印加された電位(+120mV)の力の下で捕捉された場合のDNAレベル(約40pA)を示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。下のトレースは、上のトレースに示すヘリカーゼ制御DNA移動に関して拡大したものを示す。 Hel308Mbu−E284Faz(変異E284Fazを有する配列番号10)がMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行(+120mV、(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリシアン化カリウムpH8.0、10mM MgClおよび1mM ATP)0.2nM DNA((その5’末端が4個のニトロインドールに、その最後が配列番号155の3’末端に付着している配列番号154)、配列番号156および配列番号117)を制御する場合に観察された電流トレース例(両方のトレースについてy軸=電流(pA)、x軸=時間(秒))を示す図である。上の電気トレースは、DNAが印加された電位(+120mV)の力の下で捕捉された場合にDNAレベル(約50pA)を示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。下のトレースは、上のトレースに示すヘリカーゼ制御DNA移動に関して拡大したものを示す。 熱処置Hel308Mbu−E284Faz(変異E284Fazを有する配列番号10、酵素は50mM Tris pH8.0、375mM NaCl、5%グリセロール緩衝液中4℃から50℃、10分間加熱され、次いでBioRad PCRブロックにおいて4℃に冷却された)がMspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通るDNAの移行を(+120mV、(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリシアン化カリウムpH8.0、10mM MgClおよび1mM ATP)0.2nM DNA((その5’末端が4個のニトロインドールに、その最後が配列番号155の3’末端に付着している配列番号154)、配列番号156および配列番号117)制御する場合に観察された電流トレース例(両方のトレースについてy軸=電流(pA)、x軸=時間(秒))を示す図である。上の電気トレースは、DNAが印加された電位(+120mV)の力の下で捕捉された場合に多数のヘリカーゼ制御DNA移動(各移動は1〜3と番号付けられている)に関してDNAレベル(約50pA)を示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。下のトレースは、上のトレースで1と標識するヘリカーゼ制御DNA移動に関して拡大したものである。
配列表の記載
配列番号1は、MS−B1変異MspA単量体をコードするコドン最適化ポリヌクレチ
ド配列を示す。この変異体は、シグナル配列を欠失しており、次の変異:D90N、D9
1N、D93N、D118R、D134RおよびE139Kを含む。
配列番号2は、MspA単量体のMS−B1変異体の成熟形態のアミノ酸配列を示す。
この変異体は、シグナル配列を欠失しており、以下の変異:D90N、D91N、D93
N、D118R、D134RおよびE139Kを含む。
配列番号3は、α−ヘモリジン−E111N/K147N(α−HL−NN;Stoddart
ら、PNAS、2009;106(19):7702-7707)の1つの単量体をコードするポリヌクレオチド配列
を示す。
配列番号4は、α−HL−NNの1つの単量体のアミノ酸配列を示す。
配列番号5から7は、MspB、CおよびDのアミノ酸配列を示す。
配列番号8は、Hel308モチーフのアミノ酸配列を示す。
配列番号9は、拡張Hel308モチーフのアミノ酸配列を示す。
配列番号10から58は、表1におけるHel308ヘリカーゼのアミノ酸配列を示す
配列番号59はRecD様モチーフIを示す。
配列番号60から62は伸長されたRecD様モチーフIを示す。
配列番号63はRecDモチーフIを示す。
配列番号64は好ましいRecDモチーフI、すなわちG−G−P−G−T−G−K−
Tを示す。
配列番号65から67は伸長されたRecDモチーフIを示す。
配列番号68はRecD様モチーフVを示す。
配列番号69はRecDモチーフVを示す。
配列番号70から77はMobFモチーフIIIを示す。
配列番号78から84はMobQモチーフIIIを示す。
配列番号85はTraI Ecoのアミノ酸配列を示す。
配列番号86はTraI EcoのRecD様モチーフIを示す。
配列番号87はTraI EcoのRecD様モチーフVを示す。
配列番号88はTraI EcoのMobFモチーフIIIを示す。
配列番号89はXPDモチーフVを示す。
配列番号90はXPDモチーフVIを示す。
配列番号91はXPD Mbuのアミノ酸配列を示す。
配列番号92はXPD MbuのXPDモチーフVを示す。
配列番号93はXPD MbuのXPDモチーフVIを示す。
配列番号94は好ましいHhHドメインのアミノ酸配列を示す。
配列番号95はgp32遺伝子によってコードされる、バクテリオファージRB69由
来ssbのアミノ酸配列を示す。
配列番号96はgp2.5遺伝子によってコードされるバクテリオファージT7由来s
sbのアミノ酸配列を示す。
配列番号97はヘルペスウイルス1由来UL42前進性因子のアミノ酸配列を示す。
配列番号98はPCNAのサブユニット1のアミノ酸配列を示す。
配列番号99はPCNAのサブユニット2のアミノ酸配列を示す。
配列番号100はPCNAのサブユニット3のアミノ酸配列を示す。
配列番号101はPhi29DNAポリメラーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号102はヘルペスウイルス1由来UL42前進性因子のアミノ酸配列(1から
319)を示す。
配列番号103はバクテリオファージRB69由来ssbのアミノ酸配列、すなわちC
末端が欠失している(gp32RB69CD)配列番号95を示す。
配列番号104はバクテリオファージT7(gp2.5T7−R211Del)由来の
ssbのアミノ酸配列(1から210)を示す。全長タンパク質は配列番号96において
示されている。
配列番号105はHel308Hlaの第5ドメインのアミノ酸配列を示す。
配列番号106はHel308Hvoの第5ドメインのアミノ酸配列を示す。
配列番号107は(HhH)2ドメインのアミノ酸配列を示す。
配列番号108は(HhH)2−(HhH)2ドメインのアミノ酸配列を示す。
配列番号109は開口部が閉じられているヘリカーゼを形成するために使用されるペプ
チドリンカーのアミノ酸配列を示す。
配列番号110から117は実施例において用いられるポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号118はヒトミトコンドリアSSB(HsmtSSB)のアミノ酸配列を示す
配列番号119はPhi29 DNAポリメラーゼ由来p5タンパク質のアミノ酸配列
を示す。
配列番号120は大腸菌(E. coli)由来野生型SSBのアミノ酸配列を示す。
配列番号121は、gp32遺伝子によってコードされるバクテリオファージT4由来
ssbのアミノ酸配列を示す。
配列番号122はEcoSSB−CterAlaのアミノ酸配列を示す。
配列番号123はEcoSSB−CterNGGNのアミノ酸配列を示す。
配列番号124はEcoSSB−Q152delのアミノ酸配列を示す。
配列番号125はEcoSSB−G117delのアミノ酸配列を示す。
配列番号126はTrwC Cbaのアミノ酸配列を示す。
配列番号127は実施例5において使用されるポリヌクレオチド配列の一部を示す。こ
の配列の3’末端に付着しているのは4つのiSpC3スペーサー単位であり、その最後
は配列番号128の5’末端に付着している。
配列番号128は実施例5において使用されるポリヌクレオチド配列の一部を示す。こ
の配列の5’末端に付着しているのは4つのiSpC3スペーサー単位であり、その最後
は配列番号127の3’末端に付着している。
配列番号129はトポイソメラーゼV Mka(メタノピュルス・カンドレリ(Methan
opyrus Kandleri))のアミノ酸配列を示す。
配列番号130はトポイソメラーゼV Mka(メタノピュルス・カンドレリ(Methan
opyrus Kandleri))のドメインH−Lのアミノ酸配列を示す。
配列番号131から139は表3に示すTraI配列のいくつかを示す。
配列番号140は変異体S(大腸菌(Escherichia coli))のアミノ酸配列を示す。
配列番号141はSso7d(スルホロブス・ソルファタリカス(Sufolobus solfatar
icus))のアミノ酸配列を示す。
配列番号142はSso10b1(スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus sol
fataricus)P2)のアミノ酸配列を示す。
配列番号143はSso10b2(スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus sol
fataricus)P2)のアミノ酸配列を示す。
配列番号144はトリプトファンリプレッサー(大腸菌(Escherichia coli))のアミ
ノ酸配列を示す。
配列番号145はラムダリプレッサー(腸内細菌(Enterobacteria)ファージラムダ)
のアミノ酸配列を示す。
配列番号146はCren7(ヒストン・クレンアーキア(Histone crenarchaea)C
ren7 Sso)のアミノ酸配列を示す。
配列番号147はヒトヒストン(ヒト(Homo sapiens))のアミノ酸配列を示す。
配列番号148はdsbA(腸内細菌ファージT4)のアミノ酸配列を示す。
配列番号149はRad51(ヒト(Homo sapiens))のアミノ酸配列を示す。
配列番号150はPCNAスライディングクランプ(sliding clamp)(シトロミクロ
ビウム・バチオマリヌム(Citromicrobium bathyomarinum)JL354)のアミノ酸配列
を示す。
配列番号151は実施例7において使用される配列の1つを示す。この配列は、位置6
に位置付けられた修飾チミンに付着しているカルボキシフルオレセインを有する。
配列番号152は実施例7において使用される配列の1つを示す。この配列は、位置8
1に位置付けられた修飾チミンに付着しているブラックホールクエンチャー(BHQ−1
)を有する。
配列番号153は実施例7において使用される配列の1つを示す。
配列番号154は実施例9において使用される配列の1つを示す。この配列は、その5
’末端で4個のニトロインドールによって配列番号155の3’末端に付着されている。
配列番号155は実施例9において使用される配列の1つを示す。この配列は、4個の
ニトロインドールによってその3’末端で配列番号154の5’末端に付着されている。
配列番号156は実施例9において使用される配列の1つを示す。
発明の詳細な記載
本開示の生成物および方法のさまざまな応用が当技術分野における具体的な必要性に適
合され得ることは理解される。本明細書で用いられる用語は本発明の詳細な実施形態を記
載する目的のためのみであり、限定されることを意図しないことも理解される。
付加的に、本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「
an」および「the」は、内容が他を明確に記す場合を除いて複数の参照物を含む。し
たがって例えば、「ヘリカーゼ(a helicase)」を参照することは「ヘリカーゼ(helica
ses)」を含み、「開口部(an opening)」を参照することは2つ以上のそのような開口
部を含み、「膜貫通タンパク質ポア(a transmembrane protein pore)」を参照すること
は2つ以上のそのようなポアを含む、など。
本明細書に引用する全ての刊行物、特許および特許出願は(上記または下記に関わらず
)それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
2つ以上の部分が繋がれた修飾ヘリカーゼ
本発明は、ポリヌクレオチドの移動を制御するために有用である修飾ヘリカーゼを提供
する。修飾ヘリカーゼは、1つまたは複数の単量体を有する未修飾ヘリカーゼに基づく。
換言するとヘリカーゼは単量体またはオリゴマー/多量体であってよい。これは下でより
詳細に考察される。修飾ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開
口部を少なくとも1つのコンホメーション状態で含むポリヌクレオチド結合ドメインを含
む未修飾ヘリカーゼに基づく。本発明によりヘリカーゼは、ヘリカーゼの同じ単量体上の
2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減するように修飾される。開口部のサイズ
の低減は、ポリヌクレオチドへの結合についてヘリカーゼを妨げない。例えばヘリカーゼ
は、その1つの末端でポリヌクレオチドに結合できる。開口部のサイズの低減は、ポリヌ
クレオチドがへリカーゼから、特にポリヌクレオチドの内部ヌクレオチドから解離するま
たは離される能力を減少させる。これは下でより詳細に考察され、修飾ヘリカーゼを長時
間ポリヌクレオチドに結合したままにする。修飾ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドの移動
を制御する能力を有する。修飾ヘリカーゼは、人工または非天然である。
ポリヌクレオチドに結合および解離するヘリカーゼの能力は、当技術分野において公知
の任意の方法を使用して決定できる。好適な結合/解離アッセイは、これだけに限らない
が、未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、蛍光偏光測定、熱量測定およ
び表面プラズモン共鳴(SPR、Biacore(商標)など)を含む。ポリヌクレオチ
ドから解離するヘリカーゼの能力は、ヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御できる
時間を測定することによって当然決定できる。これも当技術分野において公知の任意の方
法を使用して決定できる。ポリヌクレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能力は、下に
記載のものなどのナノポア系において典型的にはアッセイされる。ポリヌクレオチドの移
動を制御するヘリカーゼの能力は、実施例において記載のとおり決定できる。
本発明の修飾ヘリカーゼは、鎖配列決定法の際にポリヌクレオチドの移動を制御するた
めの有用な手段である。ポリヌクレオチド、特に、500ヌクレオチド以上のものを配列
決定することにおいて生じる問題は、ポリヌクレオチドの移行を制御する分子モーターが
ポリヌクレオチドから離される場合があることである。これは、ポリヌクレオチドが印加
された場の方向に急速かつ制御されない様式でポアを通って引かれるようにする。本発明
の修飾ヘリカーゼは、配列決定されているポリヌクレオチドから解離または離されにくい
。修飾ヘリカーゼは、ナノポアを通るポリヌクレオチドの移動をそれらが制御することか
らポリヌクレオチドの読み取り長さの増大を提供できる。本発明の修飾ヘリカーゼの制御
下でポリヌクレオチド全体をナノポアを通して移動させる能力は、その配列などのポリヌ
クレオチドの特性を改善された確度でおよび公知の方法を超える速度で推定できるように
する。鎖長が長くなるにつれてこれはより重要になり、分子モーターは前進性の改善を必
要とする。発明の修飾ヘリカーゼは、500ヌクレオチド以上、例えば1000ヌクレオ
チド、5000、10000、20000、50000、100000またはそれ以上の
標的ポリヌクレオチドの移動を制御することにおいて特に有効である。
本発明の修飾ヘリカーゼは、等温ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための有用な手段
でもある。そのような方法においては、2本鎖DNAの鎖は典型的には最初に本発明のヘ
リカーゼによって分離され、1本鎖DNA(ssDNA)−結合タンパク質によってコー
トされる。第二ステップでは、2個の配列特異的プライマーが、典型的にはDNA鋳型の
各辺縁にハイブリダイズする。次いでDNAポリメラーゼは鋳型にアニールしたプライマ
ーを、2本鎖DNAを産生するように伸長するために使用でき、2個の新たに合成された
DNA産生物は、次いで本発明のヘリカーゼによって基質として使用され、次の回の反応
に入ることができる。したがって鎖反応が同時に進行し、選択された標的配列の指数関数
的増幅が生じる。
修飾ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を有する。ポリヌクレオチ
ドの移動を制御するヘリカーゼの能力は、当技術分野において公知の任意の方法を使用し
てアッセイできる。例えばヘリカーゼは、ポリヌクレオチドに接触されてよく、ポリヌク
レオチドの位置は、標準的方法を使用して決定され得る。ポリヌクレオチドの移動を制御
する修飾ヘリカーゼの能力は、下に記載のものなどのナノポア系において、具体的には実
施例において記載のとおり典型的にはアッセイされる。
本発明の修飾ヘリカーゼは、単離、実質的に単離、精製または実質的に精製されていて
よい。ヘリカーゼは、それが脂質、ポリヌクレオチド、ポア単量体または他のタンパク質
などの任意の他の構成成分を完全に含まない場合に単離または精製されている。ヘリカー
ゼは、その目的の使用を妨害しない担体または希釈剤と混合されている場合に実質的に単
離されている。例えばヘリカーゼは、10%未満、5%未満、2%未満または1%未満の
脂質、ポリヌクレオチド、ポア単量体または他のタンパク質などの他の構成成分を含む形
態で存在する場合に実質的に単離または実質的に精製されている。
本発明における使用のためのヘリカーゼは、ポリヌクレオチド結合ドメインを含む。ポ
リヌクレオチド結合ドメインは、ポリヌクレオチドに結合できるヘリカーゼの部分である
。ポリヌクレオチドは下に定義される。ポリヌクレオチドに結合するドメインの能力は、
当技術分野において公知の任意の方法を使用して決定できる。公知のヘリカーゼのポリヌ
クレオチド結合ドメインは、当技術分野において典型的には同定されている。ドメイン(
結合ポリヌクレオチドを有するまたは有さない)は、タンパク質モデリング、結晶状態に
おけるタンパク質のX線回折測定(Rupp B (2009). Biomolecular Crystallography: Pri
nciples、Practice and Application to Structural Biology. New York: Garland Scien
ce.)、溶液におけるタンパク質の核磁気共鳴(NMR)分光法(Mark Rance; Cavanagh
、John; Wayne J. Fairbrother; Arthur W. Hunt III; Skelton、NNicholas J. (2007).
Protein NMR spectroscopy: principles and practice (2nd ed.). Boston: Academic Pr
ess.)または凍結水和状態におけるタンパク質のクリオ電子顕微鏡(van Heel M、Gowen
B、Matadeen R、Orlova EV、Finn R、Pape T、Cohen D、Stark H、Schmidt R、Schatz M
、Patwardhan A (2000). ”Single-particle electron cryo-microscopy: towards atomi
c resolution.”. Q Rev Biophys. 33: 307-69を使用して同定できる。上に述べた方法に
よって決定されたタンパク質の構造情報は、タンパク質バンク(PDB)データベースか
ら公開で入手可能である。
タンパク質モデリングは、相同体においてタンパク質構造がタンパク質配列よりも保存
されているという事実を活用する。それにより、タンパク質の原子分解モデルを作成する
ことは、クエリー配列の構造に類似していると考えられる1つまたは複数のタンパク質構
造の同定に依存する。タンパク質モデルを構築するための「鋳型」として使用するための
好適なタンパク質構造が存在するかどうかを評価するために、タンパク質データバンク(
PDB)データベースの検索を実施する。タンパク質構造は、クエリー配列と合理的なレ
ベルの配列同一性を共有している場合に好適な鋳型であると考えられる。そのような鋳型
が存在する場合、次いで鋳型配列はクエリー配列と「配列比較」される、すなわちクエリ
ー配列中の残基が鋳型残基に位置付けられる。配列の配列比較および鋳型構造は、次いで
クエリー配列の構造モデルを作成するために使用される。そのためタンパク質モデルの品
質は、配列の配列比較および鋳型構造の品質に依存する。
ヘリカーゼなどのタンパク質は、常に運動している動的な構造である。タンパク質が動
ける(explore)コンホメーション空間は、さまざまなコンホメーションがそれらのエネ
ルギーに基づいて存在しており、相互変換の速度が状態間のエネルギー障壁に依存するエ
ネルギー地形によって記載されている(Vinson、Science、2009: 324(5924): 197)。ヘ
リカーゼは、したがって、単独であるまたはポリヌクレオチドの移動を制御しているかに
関わらずいくつかのコンホメーション状態で存在できる。少なくとも1つのコンホメーシ
ョン状態において、本発明における使用のための未修飾ヘリカーゼのポリヌクレオチド結
合ドメインは、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含む
。開口部は、ヘリカーゼの全てのコンホメーション状態において存在できるが、しかし必
ずではない。例えば全てのコンホメーション状態において、ポリヌクレオチド結合ドメイ
ンはそれを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含み得る。代替
的に、ヘリカーゼの1つまたは複数のコンホメーション状態ではポリヌクレオチド結合ド
メインは、開口部が小さすぎるためにそれを通ってポリヌクレオチド結合ドメインがヘリ
カーゼから解離できない開口部を含む場合がある。ヘリカーゼの1つまたは複数のコンホ
メーション状態ではポリヌクレオチド結合ドメインは、それを通ってポリヌクレオチドが
ヘリカーゼから解離できる開口部を含まない場合がある。
ポリヌクレオチド結合ドメインは、少なくとも1つのコンホメーション状態において、
それを通ってポリヌクレオチドの1つまたは複数の内部ヌクレオチドがヘリカーゼから解
離できる開口部を好ましくは含む。内部ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド中の末端ヌク
レオチドではないヌクレオチドである。例えばそれは3’末端ヌクレオチドまたは5’末
端ヌクレオチドではない。環状ポリヌクレオチド中の全てのヌクレオチドは内部ヌクレオ
チドである。本発明による1つまたは複数の内部ヌクレオチドからの解離を低減または妨
げることは、ポリヌクレオチドの一方の末端に結合でき、全てではないが大部分のポリヌ
クレオチドの移動を制御でき、次いで他方の末端からから解離できる修飾ヘリカーゼを生
じ得ることから有利である。そのようなヘリカーゼは、鎖配列決定法のために特に有益で
ある。
ヘリカーゼから解離する1つまたは複数の内部ヌクレオチドの能力は、競合アッセイを
実行することによって決定できる。例えば対照ポリヌクレオチドAから解離するヘリカー
ゼの能力は、末端ヌクレオチドに付着しているブロッキング基を含む同じポリヌクレオチ
ド(ポリヌクレオチドB)から解離する能力と比較される。ブロッキング基は、鎖Bの末
端ヌクレオチドでのいかなる解離も妨げ、それによりヘリカーゼの内部解離だけを可能に
する。代替的に、環状ポリヌクレオチドから解離するヘリカーゼの能力はアッセイできる
。解離は上に記載のとおりアッセイできる。
開口部は、ポリヌクレオチド結合ドメインにおける溝、ポケットまたは陥凹であってよ
い。
それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部の存在は、当技術分
野において公知の任意の方法を使用して決定できる。開口部の存在は、上により詳細に考
察のとおり、ポリヌクレオチドから、具体的にはポリヌクレオチドの内部ヌクレオチドか
ら解離するヘリカーゼの能力を測定することによって決定できる。ポリヌクレオチドドメ
インにおける開口部は、上に考察したとおり、タンパク質モデリング、X線回折、NMR
分光法またはクリオ電子顕微鏡を使用して同定できる。
本発明によりヘリカーゼは、ヘリカーゼの同じ単量体上の2つ以上の部分を繋ぐことに
よって修飾される。ヘリカーゼがオリゴマーまたは多量体である場合、2つ以上の部分は
異なる単量体上であることはできない。3つ、4つ、5つまたはそれ以上の部分などの任
意の数の部分を繋ぐことができる。2つ以上の部分を繋ぐ好ましい方法は下により詳細に
考察される。
2つ以上の部分は、本発明により繋がれた場合にそれらが開口部のサイズを低減させる
限り単量体上のどこに位置付けられてもよい。2つ以上の部分は、ポリヌクレオチドドメ
インまたは開口部にあってよいが、必ずではない。例えば、2つ以上の部分の1つ、両方
または全ては、ヘリカーゼの異なるドメインなどのポリヌクレオチド結合ドメインの外に
あってもよい。2つ以上の部分の間の最大距離は、ヘリカーゼの外周である。
2つ以上の部分は、好ましくは空間的に近接している。2つ以上の部分は、40オング
ストローム(Å)未満離れている、30Å未満離れている、25Å未満離れている、20
Å未満離れている、10Å未満離れているまたは10Å未満離れているなど好ましくは5
0Å未満離れている。
2つ以上の部分の少なくとも1つは、好ましくは開口部の部分を形成する、開口部に隣
接しているまたは開口部に近い。上に記載のとおり、開口部内のアミノ酸などの開口部の
部分を同定することは容易である。部分は、それらが開口部の隣にあるが部分を形成しな
い場合に開口部に隣接している。例えば、開口部の部分を形成するアミノ酸の隣に位置す
るがそれ自体は開口部の部分を形成しないアミノ酸は、開口部に隣接している。本発明の
内容では「隣にある」は、ヘリカーゼのアミノ酸配列において隣にあるまたはヘリカーゼ
の三次元構造において続く2つであることを意味する。部分は開口部の部分を形成するア
ミノ酸から15Å未満、10Å未満、5Å未満または2Å未満離れているなどの、開口部
の部分を形成するアミノ酸から20Å未満である場合に典型的には開口部に近い。部分は
、ヘリカーゼのアミノ酸配列において開口部の部分を形成するアミノ酸の1、2、3、4
または5アミノ酸以内である場合に典型的には開口部に近い。そのようなアミノ酸は、上
に考察したとおり同定できる。
2つ以上の部分は、開口部の反対側にあってもよい。2つ以上の部分は、開口部の同じ
側にあってもよい。本実施形態ではヘリカーゼの2つ以上の部分は繋がれて、開口部のサ
イズを低減するループ、蓋、狭窄またはフラップを形成してもよい。
2つ以上の部分は、単量体の表面上、すなわちヘリカーゼの表面上に好ましくはある。
下により詳細に記載のとおり表面上の2つ以上の部分を繋ぐことは容易である。表面部分
は、上に考察したとおりタンパク質モデリング、X線回折、NMR分光法またはクリオ電
子顕微鏡を使用して決定できる。
修飾ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持している。ヘリカー
ゼのこの能力は、そのβ鎖およびαヘリックスによって典型的には提供されるその三次元
構造により典型的には提供される。αヘリックスおよびβ鎖は、ループ領域により典型的
には繋がれている。ポリヌクレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能力に影響を与える
ことを回避するために、2つ以上の部分は好ましくは単量体のループ領域である。具体定
なヘリカーゼのループ領域は、上に考察したとおりタンパク質モデリング、X線回折、N
MR分光法またはクリオ電子顕微鏡などの当技術分野において公知の方法を使用して同定
できる。
Hel308ヘリカーゼ(配列番号10、13、16、19、22、25、28、29
、32、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、
47、48、49、50、51、52、53、54、55および58)に関して、β鎖は
2個のRecA様エンジン(RecA-like engine)ドメイン(ドメイン1および2)におい
てだけ見出すことができる。これらのドメインは、燃料ヌクレオチド(通常はATP)の
加水分解と移動との連関に関与する。ポリヌクレオチドに沿って徐々に動かすための重要
なドメインは、ドメイン3および4であるが、中でもドメイン4である。興味深いことに
ドメイン3および4の両方はαヘリックスだけを含む。ドメイン4中にラチェットヘリッ
クスと称される重要なαヘリックスがある。結果として本発明のHel308実施形態で
は、2つ以上の部分は好ましくはいずれのαヘリックスの中にもない。
開口部のサイズは、ヘリカーゼからのポリヌクレオチドの解離を低減する限り、任意の
程度に低減されてよい。これは上に考察したとおり決定できる。開口部のサイズを低減す
る方法は、下により詳細に考察される.
2つ以上の部分は、開口部を閉じるように好ましくは繋がれる。開口部が閉じられる場
合は、ポリヌクレオチドは開口部を通ってヘリカーゼから解離できない。ヘリカーゼは、
いかなるコンホメーション状態でも開口部を含まないようにより好ましくは修飾される。
ヘリカーゼのいかなるコンホメーション状態においても開口部が存在しない場合、ポリヌ
クレオチドは開口部を通ってヘリカーゼから解離できない。ヘリカーゼは、ポリヌクレオ
チド周囲に共有結合的に閉じた構造を形成できるように最も好ましくは修飾される。共有
結合的に閉じた構造が、例えばポリヌクレオチドの一方の末端でポリヌクレオチドに結合
すると、それが他方の末端に達するまで解離することなくポリヌクレオチドの移動を制御
できる。
接続
2つ以上の部分は、任意の方法で繋がれてよい。接続は一過的、例えば非供給的であっ
てよい。一過的接続でさえ開口部のサイズを低減し、開口部を通るヘリカーゼからのポリ
ヌクレオチドの解離を低減する。
2つ以上の部分は、親和性分子によって好ましくは繋がれる。好適な親和性分子は、当
技術分野において公知である。親和性分子は、好ましくは、(a)相補的ポリヌクレオチ
ド(国際出願第PCT/GB10/000132号(WO2010/086602として
公開)、(b)抗体またはその断片および相補的エピトープ(Biochemistry 6thEd、W.H.
Freeman and co (2007) pp953-954)、(c)ペプチドジッパー(O'Sheaら、Science 25
4 (5031): 539-544)、(d)β−シート増強により相互作用できる(Remaut and Waksma
n Trends Biochem. Sci. (2006) 31 436-444)、(e)水素結合、pi−スタッキングま
たは塩橋形成できる、(f)ロタキサン(Xiang Ma and He Tian Chem. Soc. Rev.、2010
,39、70-80)、(g)アプタマーおよび相補的タンパク質(James、W. in Encyclopedia
of Analytical Chemistry、R.A. Meyers (Ed.) pp. 4848-4871 John Wiley & Sons Ltd、
Chichester、2000)または(h)ハーフキレーター(half-chelator)(Hammersteinら J
Biol Chem. 2011 April 22; 286(16): 14324-14334)である。(e)に関して水素結合
は電気陰性原子に結合したプロトンと別の電気陰性原子との間に生じる。pi−スタッキ
ングは、環の平面が平行である場合に互いにスタックできる2つの芳香族環を必要とする
。塩橋は、それらの電子をいくつかの原子に非局在化できる基の間、例えばアスパラギン
酸とアルギニンとの間にある。
2つ以上の部分は、ヘキサhisタグまたはNi−NTAによって一過的に繋がれる場
合がある。2つ以上の部分は、それらが一過的に相互に繋がれるように修飾されてもよい
2つ以上の部分は、好ましくは永久的に繋がれている。本発明の内容では、ヘリカーゼ
が使用されている間に破壊されないまたは−S−S−結合を開くための還元を使用するな
どの、使用者の部分への介入なしには破壊されない場合に接続は永久的である。
2つ以上の部分は好ましくは共有結合的に付着している。2つ以上の部分は、当技術分
野において公知の任意の方法を使用して共有結合的に付着されてよい。
2つ以上の部分は、システイン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン
、グルタミン酸およびグルタミンなどのそれらの天然に存在するアミノ酸を介して共有結
合的に付着してよい。天然に存在するアミノ酸は、付着を促進するために修飾されてよい
。例えば天然に存在するアミノ酸は、アシル化、リン酸化、グリコシル化またはファルネ
シル化によって修飾されてよい。他の好適な修飾は、当技術分野において公知である。天
然に存在するアミノ酸への修飾は、翻訳後修飾であってよい。2つ以上の部分は、それら
の配列に導入されるアミノ酸を介して付着してよい。そのようなアミノ酸は、好ましくは
置換によって導入される。導入されるアミノ酸は、システインまたは付着を促進する非天
然アミノ酸であってよい。好適な非天然アミノ酸は、これだけに限らないが、4−アジド
−L−フェニルアラニン(Faz)、Liu C. C. and Schultz P. G.、Annu. Rev. Bioche
m.、2010、79、413-444の図1に含まれている1〜71と番号付けられたアミノ酸のいず
れか1つまたは下に列挙するアミノ酸のいずれか1つを含む。導入されるアミノ酸は、上
に考察したとおり修飾されてよい。
好ましい実施形態では2つ以上の部分は、リンカーを使用して繋がれる。リンカー分子
は、下により詳細に考察される。接続の1つの好適な方法は、システイン連結である。こ
れは下でより詳細に考察される。2つ以上の部分は、好ましくは2つまたは3つなどの1
つまたは複数のリンカーを使用して繋がれる。1つまたは複数のリンカーは、上に考察し
たとおり開口部のサイズを低減するまたは閉じるように設計されてよい。1つまたは複数
のリンカーが上に考察したとおり開口部を閉じるために使用される場合、1つまたは複数
のリンカーの少なくとも部分は、ヘリカーゼに結合した際にポリヌクレオチドと平行では
ないように好ましくは方向付けられる。より好ましくは全てのリンカーは、この様式で方
向付けられる。1つまたは複数のリンカーが上に考察したとおり開口部を閉じるために使
用される場合、1つまたは複数のリンカーの少なくとも部分は、好ましくはヘリカーゼに
結合した際にポリヌクレオチドと平行ではない方向で開口部に交差している。より好まし
くは全てのリンカーがこの様式で開口部に交差している。これらの実施形態では1つまた
は複数のリンカーの少なくとも部分は、ポリヌクレオチドに垂直であってよい。そのよう
な方向は、ポリヌクレオチドが開口部を通ってヘリカーゼから解離できないように開口部
を効果的に閉じる。
各リンカーは、2個、3個または4個の機能末端などの2個以上の機能末端を有する場
合がある。リンカーにおける末端の好適な立体配置は当技術分野において十分公知である
1つまたは複数のリンカーの1つまたは複数の末端は、好ましくはヘリカーゼに共有結
合的に付着している。1つの末端が共有結合的に付着している場合、1つまたは複数のリ
ンカーは上に考察したとおり2つ以上の部分を一過的に繋ぎ得る。両方または全ての末端
が共有結合的に付着している場合、1つまたは複数のリンカーは2つ以上の部分を永久的
に繋ぐ。
2つ以上の部分の少なくとも1つは、1つまたは複数のリンカーの付着を促進するため
に好ましくは修飾される。任意の修飾が作製されてよい。リンカーは、2つ以上の部分に
おける1つまたは複数の反応性システイン残基、反応性リシン残基または非天然アミノ酸
に付着してよい。非天然アミノ酸は、上に考察した任意のものであってよい。非天然アミ
ノ酸は、好ましくは4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)である。2つ以上の部
分における少なくとも1つのアミノ酸は、好ましくはシステインまたはFazなどの非天
然アミノ酸で置換される。
1つまたは複数のリンカーは、好ましくはアミノ酸配列および/または化学的架橋剤で
ある。
ペプチドリンカーなどの好適なアミノ酸リンカーは、当技術分野において公知である。
アミノ酸またはペプチドリンカーの長さ、可動性および親水性は、開口部のサイズを低減
するが、ヘリカーゼの機能を妨害しないように典型的には設計される。好ましい可動性ペ
プチドリンカーは4、6、8、10または16などの2から20のセリンおよび/または
グリシンアミノ酸のストレッチである。より好ましい可動性リンカーは(SG)、(S
G)、(SG)、(SG)、(SG)、(SG)、(SG)10、(SG)
または(SG)20を含み、式中Sはセリンであり、Gはグリシンである。好ましい硬
いリンカーは、4、6、8、16または24などの2から30のプロリンアミノ酸のスト
レッチである。より好ましい硬いリンカーは(P)12を含み、式中Pはプロリンである
。リンカーのアミノ酸配列は、好ましくはポリヌクレオチド結合成分を含む。そのような
成分およびそれらの使用に関連する有利点は、下に考察される。
好適な化学的架橋剤は、当技術分野において十分公知である。好適な化学的架橋剤は、
これだけに限らないが、次の官能基: マレイミド、活性エステル、サクシニミド、アジド
、アルキン(ジベンゾシクロオクチノール(DIBOまたはDBCO)、ジフルオロシク
ロアルカンおよび直鎖アルカンなど)、ホスフィン(無痕跡および無痕跡でないシュタウ
ディンガーライゲーションにおいて使用されるものなど)、ハロアセチル(ヨードアセト
アミドなど)、ホスゲン型試薬、スルホニルクロリド試薬、イソチオシアン酸、ハロゲン
化アシル、ヒドラジン、ジスルフィド、ビニルスルホン、アジリジンおよび光反応性試薬
(アリールアジド、ジアジリジンなど)を含むものを含む。
システイン/マレイミドなど、アミノ酸と官能基との間の反応は自発的であってよく、
またはアジドと直鎖状アルキンを連結するためのCu(I)など、他の試薬を必要として
よい。
リンカーは、必要な距離にわたって伸びる任意の分子を含んでよい。リンカーは、炭素
1個(ホスゲン型リンカー)から多数のオングストロームに長さが変化できる。直鎖状分
子の例に含まれるのは、これだけに限らないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポ
リペプチド、多糖、デオキシリボ核酸(DNA)、ペプチド核酸(PNA)、トレオース
核酸(TNA)、グリセロール核酸(GNA)、飽和および不飽和炭化水素、ポリアミド
である。これらのリンカーは不活性または反応性であってよく、具体的にはそれらは、規
定の位置で化学的に切断可能であってよい、またはフルオロフォアもしくはリガンドでそ
れ自体が修飾されてよい。リンカーは、好ましくはジチオスレイトール(dithiothreitol
)(DTT)に抵抗性である。
好ましい架橋剤は、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル3−(ピリジン−2−イル
ジスルファニル)プロパノエート、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル4−(ピリジ
ン−2−イルジスルファニル)ブタノエートおよび2,5−ジオキソピロリジン−1−イ
ル8−(ピリジン−2−イルジスルファニル)オクタノエート、ジ−マレイミドPEG
1k、ジ−マレイミドPEG 3.4k、ジ−マレイミドPEG 5k、ジ−マレイミド
PEG 10k、ビス(マレイミド)エタン(BMOE)、ビス−マレイミドヘキサン(
BMH)、1,4−ビス−マレイミドブタン(BMB)、1,4ビス−マレイミジル−2
,3−ジヒドロキシブタン(BMDB)、BM[PEO]2(1,8−ビス−マレイミド
ジエチレングリコール)、BM[PEO]3(1,11−ビス−マレイミドトリエチレン
グリコール)、トリス[2−マレイミドエチル]アミン(TMEA)、DTMEジチオビ
スマレイミドエタン、ビスマレイミドPEG3、ビスマレイミドPEG11、DBCO−
マレイミド、DBCO−PEG4−マレイミド、DBCO−PEG4−NH2、DBCO
−PEG4−NHS、DBCO−NHS、DBCO−PEG−DBCO 2.8kDa、
DBCO−PEG−DBCO 4.0kDa、DBCO−15原子−DBCO、DBCO
−26原子−DBCO、DBCO−35原子−DBCO、DBCO−PEG4−S−S−
PEG3−ビオチン、DBCO−S−S−PEG3−ビオチン、DBCO−S−S−PE
G11−ビオチン、(サクシニジミル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPD
P)およびマレイミド−PEG(2kDa)−マレイミド(アルファ、オメガ−ビス−マ
レイミドポリ(エチレングリコール))を含む。最も好ましい架橋剤は、実施例において
使用されるマレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノエタン)−プロ
ピル−マレイミドである。
1つまたは複数のリンカーは、切断可能であってよい。これは下でより詳細に考察され
る。
2つ以上の部分は、相互に特異的である2つの異なるリンカーを使用して繋がれる場合
がある。リンカーの一方は、一方の部分に付着しており、他方は別の部分に付着している
。リンカーは、本発明の修飾ヘリカーゼを形成するように反応しなければならない。2つ
以上の部分は、国際出願第PCT/GB10/000132号(WO2010/0866
02として公開)に記載のハイブリダイゼーションリンカーを使用して繋がれてよい。具
体的には2つ以上の部分は、ハイブリダイズ可能な領域および共有結合を形成できる基を
それぞれ含む2つ以上のリンカーを使用して繋がれてよい。リンカーにおけるハイブリダ
イズ可能な領域は、2つ以上の部分にハイブリダイズし、連結する。連結された部分は、
次いで基の間の共有結合の形成を介してカップリングされる。国際出願第PCT/GB1
0/000132号(WO2010/086602として公開)に開示の任意の特異的リ
ンカーは、本発明により使用できる。
2つ以上の部分は、修飾される場合があり、次いで2つの修飾に特異的である化学的架
橋剤を使用して付着されてよい。上に考察した任意の架橋剤は、使用できる。
リンカーは、標識されてよい。好適な標識は、これだけに限らないが、蛍光分子(Cy
3またはAlexaFluor(登録商標)555など)、放射性同位元素、例えば
25I、35S、酵素、抗体、抗原、ポリヌクレオチドおよび、ビオチンなどのリガンド
を含む。そのような標識は、リンカーの量を定量できるようにする。標識は、ビオチンな
どの切断可能な精製タグ、またはタンパク質自体には存在しないがトリプシン消化によっ
て遊離されるペプチドなどの同定方法において明らかになる特異的配列であってもよい。
2つ以上の部分を繋ぐ好ましい方法は、システイン連結を介する。これは、二機能性化
学的架橋剤により、または末端に存在するシステイン残基を有するアミノ酸リンカーによ
り調節できる。連結は、ヘリカーゼ中の天然システインを介して生じてよい。代替的にシ
ステインは、ヘリカーゼの2つ以上の部分に導入される場合がある。2つ以上の部分がシ
ステイン連結を介して繋がれる場合、1つまたは複数のシステインは、置換によって2つ
以上の部分に好ましくは導入される。
任意の二機能性リンカーの長さ、反応性、特異性、硬さおよび溶解度は、開口部のサイ
ズが十分に低減され、ヘリカーゼの機能が保持されることを確実にするように設計される
場合がある。好適なリンカーは、1,4−ビス(マレイミド)ブタン(BMB)またはビ
ス(マレイミド)ヘキサンなどのビスマレイミド架橋剤を含む。特異的部位での付着が好
ましい場合に、表面の利用可能なシステイン残基への二機能性リンカーの結合は制御する
ことが困難である場合があり、基質結合または活性に影響を与える場合があることから、
二機能性リンカーを引き戻すものは、さらなる表面の利用可能なシステイン残基を含まな
いヘリカーゼの必要性である。ヘリカーゼがいくつかの利用可能なシステイン残基を含有
する場合は、修飾がヘリカーゼのフォールディングまたは活性に影響を与えないことを確
実にしながら、それらを除去するためにヘリカーゼの修飾が必要である場合がある。これ
は、国際出願第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として
公開)において考察されている。システイン残基の反応性は隣接残基の、例えばペプチド
リンカー上の修飾によって増強できる。例えば近接するアルギニン、ヒスチジンまたはリ
シン残基の塩基性基は、システインチオール基のpKaをさらに反応性のS基のものに
変化させる。システイン残基の反応性は、5,5’−ジチオビス−(2−ニトロ安息香酸
)(dTNB)などのチオール保護基によって保護できる。これらは、リンカーが付着す
る前にヘリカーゼの1つまたは複数のシステイン残基と反応できる。表面の利用可能なシ
ステインの選択的脱保護は、ビーズに固定した還元試薬(例えば固定化トリス(2−カル
ボキシエチル)ホスフィン、TCEP)を使用して可能である。2つ以上の部分のシステ
イン連結は、下により詳細に考察される。
2つ以上の部分を付着させる別の好ましい方法は、4−アジド−L−フェニルアラニン
(Faz)連結を介する。これは、二機能性化学的リンカーによってまたは末端に存在す
るFaz残基を有するポリペプチドリンカーによって調節できる。1つまたは複数のFa
z残基は、置換によってヘリカーゼに好ましくは導入される。2つ以上のヘリカーゼのF
az連結は、下により詳細に考察される。
ヘリカーゼ
1つまたは複数の単量体で形成されており、少なくとも1つのコンホメーション状態に
おいて、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含むポリヌ
クレオチド結合ドメインを含む任意のヘリカーゼは、本発明により修飾されてよい。ヘリ
カーゼは、しばしばトランスロカーゼとして公知であり、2つの用語は互換的に使用でき
る。
好適なヘリカーゼは、当技術分野において十分公知である(M. E. Fairman-Williamsら
、Curr. Opin. Struct Biol.、2010、20 (3)、313-324、T. M. Lohmanら、Nature Review
s Molecular Cell Biology、2008、9、391-401)。
ヘリカーゼは、好ましくはスーパーファミリー1またはスーパーファミリー2のメンバ
ーである。ヘリカーゼは、より好ましくは次のファミリー:Pif1様、Upf1様、U
vrD/Rep、Ski様、Rad3/XPD、NS3/NPH−II、DEAD、DE
AH/RHA、RecG様、REcQ様、T1R様、Swi/Snf様およびRig−I
様の1つのメンバーである。これらのファミリーの最初の3個は、スーパーファミリー1
であり、次の10個のファミリーはスーパーファミリー2である。ヘリカーゼは、より好
ましくは次のサブファミリー:RecD、Upf1(RNA)、PcrA、Rep、Uv
rD、Hel308、Mtr4(RNA)、XPD、NS3(RNA)、Mss116(
RNA)、Prp43(RNA)、RecG、RecQ、T1R、RapAおよびHef
(RNA)の1つのメンバーである。これらのサブファミリーの最初の5個は、スーパー
ファミリー1であり、次の11個のサブファミリーはスーパーファミリー2である。Up
f1、Mtr4、NS3、Mss116、Prp43およびHefサブファミリーのメン
バーは、RNAヘリカーゼである。残りのサブファミリーのメンバーはDNAヘリカーゼ
である。
ヘリカーゼは、多量体またはオリゴマーヘリカーゼであってよい。換言するとヘリカー
ゼは、機能するために二量体などの多量体またはオリゴマーを形成する必要がある場合が
ある。そのような実施形態においては2つ以上の部分は、異なる単量体上であることはで
きない。ヘリカーゼは、好ましくは単量体である。換言するとヘリカーゼは、好ましくは
機能するために二量体などの多量体またはオリゴマーを形成する必要はない。Hel30
8、RecD、TraIおよびXPDヘリカーゼは、全て単量体ヘリカーゼである。これ
らは下により詳細に考察される。ヘリカーゼがオリゴマー/多量体性または単量体である
かどうかを決定するための方法は、当技術分野において公知である。例えば、ヘリカーゼ
を使用する放射線標識または蛍光標識ポリヌクレオチドの巻き戻しの動態は、調査できる
。代替的にヘリカーゼは、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して分析できる。
単量体ヘリカーゼは、一緒に付着しているいくつかのドメインを含んでよい。例えばT
raIヘリカーゼおよびTraIサブグループヘリカーゼは2つのRecDヘリカーゼド
メイン、レラクサーゼ(relaxase)ドメインおよびC末端ドメインを含有する場合がある
。ドメインは、オリゴマーを形成することなく機能できる単量体ヘリカーゼを典型的には
形成する。2つ以上の部分は、単量体ヘリカーゼの同じまたは異なるドメイン上に存在で
きる。本発明による修飾のために好適な未修飾ヘリカーゼは、好ましくは内部ヌクレオチ
ドで標的ポリヌクレオチドに結合できる。内部ヌクレオチドは上に定義されている。
一般に内部ヌクレオチドで結合できるヘリカーゼは、末端ヌクレオチドでも結合できる
が、いくつかのヘリカーゼについて内部ヌクレオチドで結合する傾向は、他よりも大きい
。本発明による修飾に好適な未修飾ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドへのその結合の典型
的には少なくとも10%が内部ヌクレオチドにである。典型的には、その結合の少なくと
も20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%が内部ヌクレオ
チドにである。末端ヌクレオチドでの結合は、末端ヌクレオチドおよび隣接ヌクレオチド
の両方へ結合を同時に含み得る。本発明の目的のためにこれは、内部ヌクレオチドでの標
的ポリヌクレオチドへの結合ではない。換言すると本発明を使用する修飾のためのヘリカ
ーゼは、1つまたは複数の隣接内部ヌクレオチドとの組合せで末端ヌクレオチドに結合で
きるだけではない。ヘリカーゼは、末端ヌクレオチドに同時に結合することなく内部ヌク
レオチドに結合できる。
内部ヌクレオチドで結合できるヘリカーゼは、1個より多い内部ヌクレオチドに結合で
きる。典型的にはヘリカーゼは、少なくとも2個の内部ヌクレオチド、例えば少なくとも
3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個または少なくとも15個の内
部ヌクレオチドに結合する。典型的にはヘリカーゼは、少なくとも2個の隣接する内部ヌ
クレオチド、例えば少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10
個または少なくとも15個の隣接する内部ヌクレオチドに結合する。少なくとも2個の内
部ヌクレオチドは、隣接または非隣接であってよい。
本発明による修飾が、内部ヌクレオチドからの解離が妨げられるように開口部を閉じる
場合、未修飾ヘリカーゼが末端ヌクレオチドに少なくともいくらか結合できることは好ま
しい。これは、修飾ヘリカーゼがポリヌクレオチドの一方の末端に結合し、その全長に沿
ったポリヌクレオチドの移動を解離することなく制御することを可能にする。最終的にヘ
リカーゼは、それが結合したのとは反対の末端でポリヌクレオチドから解離する。
内部ヌクレオチドでポリヌクレオチドに結合するヘリカーゼの能力は、競合アッセイを
実行することによって決定できる。対照ポリヌクレオチドAに結合するヘリカーゼの能力
は、同じだが末端ヌクレオチドに付着しているブロッキング基を含むポリヌクレオチド(
ポリヌクレオチドB)に結合する能力と比較される。ブロッキング基は、鎖Bの末端ヌク
レオチドでのいかなる結合も妨げ、それによりヘリカーゼの内部結合だけを可能にする。
代替的に、内部ヌクレオチドに結合するヘリカーゼの能力は、環状ポリヌクレオチドを使
用してもアッセイできる。
内部ヌクレオチドで結合できるヘリカーゼの例は、これだけに限らないが、Hel30
8Tga、Hel308MhuおよびHel308Csyを含む。したがってヘリカーゼ
は、好ましくは(a)Hel308Tga(すなわち配列番号33)の配列もしくはその
変種または(b)Hel308Csy(すなわち配列番号22)の配列もしくはその変種
または(c)Hel308Mhu(すなわち配列番号52)の配列もしくはその変種を含
む。これらの配列の変種は、下により詳細に考察される。変種は、上に考察したとおり付
着を促進するために1つもしくは複数の置換システイン残基および/または1つもしくは
複数の置換Faz残基を好ましくは含む。
ヘリカーゼは、好ましくはHel308ヘリカーゼである。本発明に従って、任意のH
el308ヘリカーゼを使用し得る。Hel308ヘリカーゼはski2様ヘリカーゼと
しても公知であり、2つの用語は互換的に用いられ得る。好適なHel308ヘリカーゼ
は、米国特許出願第61,549,998号の表4および第61/599,244ならび
に国際出願第PCT/GB2012/052579号(WO2013/057495とし
て公開)に開示されている。
Hel308ヘリカーゼは、アミノ酸モチーフQ−X1−X2−G−R−A−G−R(
本明細書以下でHel308モチーフと称する;配列番号8)を典型的には含む。Hel
308モチーフは、典型的にはヘリカーゼモチーフVIの部分である(Tuteja and Tutej
a、Eur.J.Biochem.271 1849-1863(2004))。X1は、C、MまたはLであってよい。X1
は、好ましくはCである。X2は、任意のアミノ酸残基であってよい。X2は、典型的に
は疎水性または中性残基である。X2は、A、F、M、C、V、L、I、S、T、Pまた
はRであってよい。X2は、好ましくはA、F、M、C、V、L、I、S、TまたはPで
ある。X2は、より好ましくはA、MまたはLである。X2は、最も好ましくはAまたは
Mである。
Hel308ヘリカーゼは、好ましくはモチーフQ−X1−X2−G−R−A−G−R
−P(本明細書以下で伸張されたHel308モチーフと称される;配列番号9)を含み
、式中X1およびX2は上に記載のとおり。
最も好ましいHel308ヘリカーゼ、Hel308モチーフおよび伸張されたHel
308モチーフは、下の表1に示される。
最も好ましいHel308モチーフは、配列番号17に示されている。最も好ましい伸
長されたHel308モチーフは、配列番号18に示されている。
Hel308ヘリカーゼは、配列番号10、13、16、19、22、25、28、2
9、32、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46
、47、48、49、50、51、52、53、54、55もしくは58の配列またはそ
の変種を好ましくは含む。
Hel308ヘリカーゼではポリヌクレオチドドメインおよび開口部は、ドメイン2(
ATPaseドメインの1つ)とドメイン4(ラッチェットドメイン)の間およびドメイ
ン2とドメイン5(分子ブレーキ)の間に見出すことができる。本発明により繋がれてい
る2つ以上の部分は、好ましくは(a)ドメイン2中の任意のアミノ酸とドメイン4中の
任意のアミノ酸または(b)ドメイン2中の任意のアミノ酸とドメイン5中の任意のアミ
ノ酸とである。種々のHel308ヘリカーゼにおいてドメイン2、4および5を定義す
るアミノ酸残基は、下の表2に記載されている。
Hel308ヘリカーゼは、Hel308Mbu(すなわち配列番号10)の配列また
はその変種を好ましくは含む。Hel308Mbuではポリヌクレオチドドメインおよび
開口部は、ドメイン2(ATPaseドメインの1つ)とドメイン4(ラッチェットドメ
イン)の間およびドメイン2とドメイン5(分子ブレーキ)の間に見出すことができる。
Hel308Mbuの繋がれている2つ以上の部分は、好ましくは(a)ドメイン2中の
任意のアミノ酸とドメイン4中の任意のアミノ酸または(b)ドメイン2中の任意のアミ
ノ酸とドメイン5中の任意のアミノ酸とである。Hel308Mbuにおいてドメイン2
、4および5を定義するアミノ酸残基は、上の表2に記載されている。繋がれているHe
l308Mbuの2つ以上の部分は配列番号10中の好ましくはアミノ酸284と615
とである。これらのアミノ酸は、それらがシステイン連結によって繋がれ得るように好ま
しくはシステインで置換されている(すなわちE284CおよびS615C)。
本発明は、E284およびS615が修飾されている配列番号10の変種を含む変異体
Hel308Mbuタンパク質も提供する。E284およびS615は好ましくは置換さ
れている。E284およびS615は、より好ましくはシステインで置換されている(す
なわちE284CおよびS615C)。変種は、E284およびS615が修飾されてい
る限りE284およびS615以外の位置で配列番号10から異なっていてもよい。変種
は、下により詳細に考察されるとおりアミノ酸同一性に基づいて配列番号10に好ましく
は少なくとも30%相同性である。E284およびS615は繋がれていない。本発明の
変異体Hel308Mbuタンパク質は、E284およびS615が繋がれている本発明
の修飾ヘリカーゼを形成するために使用できる。
Hel308ヘリカーゼは、より好ましくは(a)Hel308Tgaの配列(すなわ
ち、配列番号33)もしくはその変種、(b)Hel308Csyの配列(すなわち、配
列番号22)もしくはその変種、または(c)Hel308Mhuの配列(すなわち配列
番号52)もしくはその変種を含む。
Hel308ヘリカーゼの変種は、野生型ヘリカーゼの配列から変化しているアミノ酸
配列を有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している酵素である。特に、配列番号10
、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37、38、39、
40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、5
3、54、55または58の変種は、配列番号10、13、16、19、22、25、2
8、29、32、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45
、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55または58の配列から
変化しているアミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している酵素である
。ポリヌクレオチド結合活性は、当技術分野において公知の任意の方法を使用して決定で
きる。好適な方法は、これだけに限らないが、蛍光偏光測定、トリプトファン蛍光および
電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)を含む。例えば1本鎖ポリヌクレオチドに結
合する変種の能力は、実施例に記載のとおり決定できる。
変種はヘリカーゼ活性を保持している。これは、種々の方法において測定できる、例え
ばポリヌクレオチドに沿って移行させる変種の能力は電気生理化学、蛍光アッセイまたは
ATP加水分解を使用して測定され得る。
変種は、ヘリカーゼをコードするポリヌクレオチドの操作を促進するならびに/または
高塩濃度および/もしくは室温でのその活性を促進する修飾を含む場合がある。変種は、
上で考察したHel308モチーフまたは伸張されたHel308モチーフの外の領域に
おいて野生型ヘリカーゼとは典型的には異なる。しかし変種は、これらのモチーフ(複数
可)内に修飾を含む場合がある。
配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37
、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、
51、52、53、54、55または58のアミノ酸配列全長にわたって、変種は好まし
くは、アミノ酸同一性に基づいてその配列に対して少なくとも30%相同である。より好
ましくは、変種ポリペプチドは、配列番号10、13、16、19、22、25、28、
29、32、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45、4
6、47、48、49、50、51、52、53、54、55または58のアミノ酸配列
に対して、配列全長にわたるアミノ酸同一性に基づいて、少なくとも40%、少なくとも
45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、
少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくと
も90%およびより好ましくは少なくとも95%、97%または99%相同であってよい
。少なくとも70%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%ま
たは少なくとも95%のアミノ酸同一性が150以上のストレッチ、例えば200、30
0、400、500、600、700、800、900または1000以上の連続するア
ミノ酸にわたってあり得る(「高い相同性」)。相同性は上に記載のとおり決定される。
変種は配列番号2および4を参照して下に考察したいずれの方法においても野生型配列と
異なっていてよい。
配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37
、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、
51、52、53、54、55または58の変種は、上で表1に示されたとおり、野生型
配列のHel308モチーフまたは伸張されたHel308モチーフを好ましくは含む。
しかし変種は、異なる野生型配列由来のHel308モチーフまたは伸長されたHel3
08モチーフを含む場合がある。例えば配列番号10の変種は、Hel308モチーフま
たは配列番号13から伸張されたHel308モチーフ(すなわち配列番号14または1
5)を含んでもよい。配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32
、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、
48、49、50、51、52、53、54、55または58の変種は、関連する野生型
配列のHel308モチーフまたは伸長されたHel308モチーフ内に修飾を含む場合
もある。X1およびX2での好適な修飾は、2つのモチーフを定義する際に上に考察され
ている。配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34
、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、
50、51、52、53、54、55または58の変種は、上に考察したとおり付着を促
進するために1つもしくは複数の置換システイン残基および/または1つもしくは複数の
置換Faz残基を好ましくは含む。
配列番号10の変種は、配列番号10の最初の19アミノ酸を欠失しているおよび/ま
たは配列番号10の最後の33アミノ酸を欠失している場合がある。配列番号10の変種
は、配列番号10のアミノ酸20から211または20から727にアミノ酸同一性に基
づいて少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少
なくとも90%またはより好ましくは少なくとも95%、少なくとも97%もしくは少な
くとも99%相同である配列を好ましくは含む。
配列番号10(Hel308Mbu)は5個の天然システイン残基を含有する。しかし
、これらの残基の全ては酵素のDNA結合グローブ(grove)内または周辺に位置付けら
れている。DNA鎖が酵素内に結合されると、これらの天然システイン残基は、外からの
修飾に関して利用しにくくなる。これは、上に考察したとおり配列番号10の特異的シス
テイン変異体の設計を可能にし、システイン連結を使用して成分に付着できるようにする
。配列番号10の好ましい変種は、次の置換:A29C、Q221C、Q442C、T5
69C、A577C、A700CおよびS708Cの1つまたは複数を有する。これらの
位置の1つまたは複数でのシステイン残基の導入は、上に考察したとおりシステイン連結
を促進する。配列番号10の他の好ましい変種は次の置換:M2Faz、R10Faz、
F15Faz、A29Faz、R185Faz、A268Faz、E284Faz、Y3
87Faz、F400Faz、Y455Faz、E464Faz、E573Faz、A5
77Faz、E649Faz、A700Faz、Y720Faz、Q442Fazおよび
S708Fazの1つまたは複数を有する。これらの位置の1つまたは複数でのFaz残
基の導入は、上に考察したとおりFaz連結を促進する。
ヘリカーゼは、好ましくはRecDヘリカーゼである。任意のRecDヘリカーゼが本
発明により使用できる。RecDヘリカーゼの構造は、当技術分野において公知である(
FEBS J. 2008 Apr;275(8):1835-51. Epub 2008 Mar 9. ATPase activity of RecD is ess
ential for growth of the Antarctic Pseudomonas syringae Lz4W at low temperature.
Satapathy AK、Pavankumar TL、Bhattacharjya S、Sankaranarayanan R、Ray MK; EMS M
icrobiol Rev. 2009 May;33(3):657-87. The diversity of conjugative relaxases and
its application in plasmid classification. Garcillan-Barcia MP、Francia MV、de l
a Cruz F; J Biol Chem. 2011 Apr 8;286(14):12670-82. Epub 2011 Feb 2. Functional
characterization of the multidomain F plasmid TraI relaxase-helicase. Cheng Y、M
cNamara DE、Miley MJ、Nash RP、Redinbo MR)。
RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフX1−X2−X3−G−X4−X5−X6−
X7(本明細書以下でRecD様モチーフIと称する;配列番号59)を典型的には含み
、式中X1はG、SまたはAであり、X2は任意のアミノ酸であり、X3はP、A、Sま
たはGであり、X4はT、A、V、SまたはCであり、X5はGまたはAであり、X6は
KまたはRおよびX7はTまたはSである。X1は好ましくはGである。X2は好ましく
はG、I、YまたはAである。X2はより好ましくはGである。X3は好ましくはPまた
はAである。X4は好ましくはT、A、VまたはCである。X4は好ましくはT、Vまた
はCである。X5は好ましくはGである。X6は好ましくはKである。X7は好ましくは
TまたはSである。RecDヘリカーゼは、Q−(X8)16〜18−X1−X2−X3
−G−X4−X5−X6−X7(本明細書以下で伸長されたRecD様モチーフIと称す
る;配列番号60、61および62)を好ましくは含み、式中X1からX7は上に定義の
とおりであり、X8は任意のアミノ酸である。好ましくは伸長されたRecD様モチーフ
I中に16個のX8残基がある(すなわち(X8)16)(配列番号60)。(X8)
についての好適な配列は、米国特許出願第61/581,332号の配列番号14、1
7、20、23、26、29、32、35、38、41、44、47および50ならびに
国際出願第PCT/GB2012/053274号(WO2012/098562として
公開)の配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41
、42および44で同定できる。
RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフG−G−P−G−Xa−G−K−Xb(本明
細書以下でRecDモチーフIと称する;配列番号63)を好ましくは含み、式中Xaは
T、VまたはCであり、XbはTまたはSである。Xaは好ましくはTである。Xbは好
ましくはTである。RecDヘリカーゼは、配列G−G−P−G−T−G−K−T(配列
番号64)を好ましくは含む。RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフQ−(X8)
6〜18−G−G−P−G−Xa−G−K−Xb(本明細書以下で伸長されたRecDモ
チーフIと称する;配列番号65、66および67)をより好ましくは含み、式中Xaお
よびXbは上に定義のとおりであり、X8は任意のアミノ酸である。伸長されたRecD
モチーフI中に好ましくは16個のX8残基がある(すなわち(X8)16)(配列番号
65)。(X8)16についての好適な配列は、米国特許出願第61/581,332号
の配列番号14、17、20、23、26、29、32、35、38、41、44、47
および50ならびに国際出願第PCT/GB2012/053274号(WO2012/
098562として公開)の配列番号18、21、24、25、28、30、32、35
、37、39、41、42および44で同定できる。
RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフX1−X2−X3−X4−X5−(X6)
−Q−X7(本明細書以下でRecD様モチーフVと称する;配列番号68)を典型的に
は含み、式中X1はY、WまたはFであり、X2はA、T、S、M、CまたはVであり、
X3は任意のアミノ酸であり、X4はT、NまたはSであり、X5はA、T、G、S、V
またはIであり、X6は任意のアミノ酸であり、X7はGまたはSである。X1は好まし
くはYである。X2は好ましくはA、M、CまたはVである。X2はより好ましくはAで
ある。X3は好ましくはI、MまたはLである。X3はより好ましくはIまたはLである
。X4は好ましくはTまたはSである。X4はより好ましくはTである。X5は好ましく
はA、VまたはIである。X5はより好ましくはVまたはIである。X5は最も好ましく
はVである。(X6)は好ましくはH−K−S、H−M−A、H−G−AまたはH−R
−Sである。(X6)はより好ましくはH−K−Sである。X7は好ましくはGである
。RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフXa−Xb−Xc−Xd−Xe−H−K−S
−Q−G(本明細書以下でRecDモチーフVと称する;配列番号69)を好ましくは含
み、式中XaはY、WまたはFであり、XbはA、M、CまたはVであり、XcはI、M
またはLであり、XdはTまたはSであり、XeはVまたはIである。Xaは好ましくは
Yである。Xbは好ましくはAである。Xdは好ましくはTである。Xdは好ましくはV
である。好ましいRecDモチーフIは米国特許出願第61/581,332号の表5に
示されている。好ましいRecD様モチーフIは米国特許出願第61/581,332号
の表7および国際出願第PCT/GB2012/053274号(WO2012/098
562として公開)に示されている。好ましいRecD様モチーフVは米国特許出願第6
1/581,332号の表5および7ならびに国際出願第PCT/GB2012/053
274号(WO2012/098562として公開)に示されている。
RecDヘリカーゼは、好ましくは米国特許出願第61/581,332号の表4もし
くは5および国際出願第PCT/GB2012/053274号(WO2012/098
562として公開)に示されているヘリカーゼの1つまたはその変種である。変種は米国
特許出願第61/581,332号および国際出願第PCT/GB2012/05327
4号(WO2012/098562として公開)に記載されている。
RecDヘリカーゼは、好ましくはTraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘ
リカーゼである。TraIヘリカーゼおよびTraIサブグループヘリカーゼは、2つの
RecDヘリカーゼドメイン、レラクサーゼドメインおよびC末端ドメインを含有する場
合がある。TraIサブグループヘリカーゼは、好ましくはTrwCヘリカーゼである。
TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼは、好ましくは米国特許出願
第61/581,332号の表6および国際出願第PCT/GB2012/053274
号(WO2012/098562として公開)に示すヘリカーゼの1つまたはその変種で
ある。変種は、米国特許出願第61/581,332号および国際出願第PCT/GB2
012/053274号(WO2012/098562として公開)に記載されている。
TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼは、上に定義のRecD様
モチーフI(配列番号59)および/または上に定義のRecD様モチーフV(配列番号
68)を典型的には含む。TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼは
、RecD様モチーフI(配列番号59)およびRecD様モチーフV(配列番号68)
の両方を好ましくは含む。TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼは
、次の2つのモチーフの1つを典型的にはさらに含む:
− アミノ酸モチーフH−(X1)−X2−R−(X3)5〜12−H−X4−H(本
明細書以下でMobFモチーフIIIと称する;配列番号70から77)、式中X1およ
びX2は任意のアミノ酸であり、X2およびX4はD、E、KおよびRを除く任意のアミ
ノ酸から独立に選択される。(X1)は当然ながらX1a−X1bである。X1aおよ
びX1bは、同じまたは異なるアミノ酸であってよい。X1aは、好ましくはDまたはE
である。X1bは、好ましくはTまたはDである。(X1)は、好ましくはDTまたは
EDである。(X1)は、最も好ましくはDTである。(X3)5〜12中の5から1
2個のアミノ酸は同じまたは異なっていてよい。X2およびX4はG、P、A、V、L、
I、M、C、F、Y、W、H、Q、N、SおよびTから独立に選択される。X2およびX
4は、好ましくは荷電していない。X2およびX4は、好ましくはHではない。X2は、
より好ましくはN、SまたはAである。X2は、最も好ましくはNである。X4は、最も
好ましくはFまたはTである。(X3)5〜12は、好ましくは長さ6または10残基で
ある。(X3)5〜12の好適な実施形態は、米国特許出願第61/581,332号の
表7に示す配列番号58、62、66および70、ならびに国際出願第PCT/GB20
12/053274号(WO2012/098562として公開)の配列番号61、65
、69、73、74、82、86、90、94、98、102、110、112、113
、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144
、147、151、152、156、160、164および168由来であってよい。
− アミノ酸モチーフG−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−H−(X8)
〜12−H−X9(本明細書以下でMobQモチーフIIIと称する;配列番号78から
84)、式中X1、X2、X3、X5、X6、X7およびX9はD、E、KおよびRを除
く任意のアミノ酸から独立に選択され、X4はDまたはEであり、X8は任意のアミノ酸
である。X1、X2、X3、X5、X6、X7およびX9はG、P、A、V、L、I、M
、C、F、Y、W、H、Q、N、SおよびTから独立に選択される。X1、X2、X3、
X5、X6、X7およびX9は、好ましくは荷電していない。X1、X2、X3、X5、
X6、X7およびX9は、好ましくはHではない。(X8)6〜12中の6から12個の
アミノ酸は、同じまたは異なっていてよい。好ましいMobFモチーフIIIは、米国特
許出願第61/581,332号の表7および国際出願第PCT/GB2012/053
274号(WO2012/098562として公開)に示されている。
TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼは、より好ましくは米国特
許出願第61/581,332号の表6または7および国際出願第PCT/GB2012
/053274号(WO2012/098562として公開)に示すヘリカーゼの1つま
たはその変種である。TraIヘリカーゼは、配列番号85に示す配列またはその変種を
最も好ましくは含む。配列番号85はTraI Eco(NCBI参照配列:NP_06
1483.1;Genbank AAQ98619.1;配列番号85)である。Tra
I Ecoは、次のモチーフ:RecD様モチーフI(GYAGVGKT;配列番号86
)、RecD様モチーフV(YAITAHGAQG;配列番号87)およびMob Fモ
チーフIII(HDTSRDQEPQLHTH;配列番号88)を含む。
TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼは、下の表3に示すヘリカ
ーゼの1つの配列、すなわち配列番号85、126、134および138の1つまたはそ
の変種をより好ましくは含む。
繋がれているTrwC Cbaの2つ以上の部分は、好ましくは(a)配列番号126
中のアミノ酸691および346;(b)配列番号126中のアミノ酸657および33
9;(c)配列番号126中のアミノ酸691および350;または(d)配列番号12
6中のアミノ酸690および350である。これらのアミノ酸は、それらがシステイン連
結で繋がれ得るように、システインで好ましくは置換されている。
本発明はアミノ酸691および346;657および339;691および350;ま
たは690および350が修飾されている配列番号126の変種を含む変異体TrwC
Cbaタンパク質も提供する。アミノ酸は好ましくは置換されている。アミノ酸は、より
好ましくはシステインで置換されている。変種は、関連するアミノ酸が修飾されている限
り、691および346;657および339;691および350;または690およ
び350以外の位置で配列番号126とは異なっていてよい。変種は、下により詳細に考
察されるとおりアミノ酸同一性に基づいて配列番号126に好ましくは少なくとも10%
相同性である。アミノ酸691および346;657および339;691および350
;または690および350は、繋がれていない。本発明の変異体TrwC Cbaタン
パク質は、修飾されるアミノ酸が繋がれている本発明の修飾ヘリカーゼを形成するために
使用できる。
RecDヘリカーゼ、TraIヘリカーゼまたはTraIサブグループヘリカーゼの変
種は、野生型ヘリカーゼのものから変化しているアミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド
結合活性を保持している酵素である。これは、上に記載のとおり測定され得る。具体的に
は配列番号85、126、134または138の変種は、配列番号85、126、134
または138のものから変化しているアミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド結合活性を
保持している酵素である。変種は、ヘリカーゼ活性を保持している。変種は、下に考察す
る2つのモードの少なくとも1つで作動しなければならない。好ましくは、変種は両方の
モードで作動する。変種は、ヘリカーゼをコードするポリヌクレオチドの操作を促進する
ならびに/または高塩濃度および/もしくは室温でのその活性を促進する修飾を含む場合
がある。変種は、上で考察したモチーフの外の領域において野生型ヘリカーゼとは典型的
には異なる。しかし変種は、これらのモチーフ(複数可)内に修飾を含む場合がある。
配列番号85、126、134および138の任意の1つのアミノ酸配列の全長にわた
って、変種はアミノ酸同一性に基づいてその配列に好ましくは少なくとも10%相同性で
ある。より好ましくは変種ポリペプチドは、配列全長にわたるアミノ酸同一性に基づいて
配列番号85、126、134および138の任意の1つのアミノ酸配列に少なくとも2
0%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少
なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも
70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%お
よびより好ましくは少なくとも95%、97%または99%相同性であってよい。少なく
とも70%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少な
くとも95%のアミノ酸同一性が150以上のストレッチ、例えば200、300、40
0、500、600、700、800、900または1000以上の連続するアミノ酸に
わたってあり得る(「高い相同性」)。相同性は上に記載のとおり決定される。変種は配
列番号2および4を参照して上に考察したいずれの方法においても野生型配列と異なって
いてよい。
配列番号85、126、134および138の任意の1つの変種は、野生型配列のRe
cD様モチーフIおよび/またはRecD様モチーフVを好ましくは含む。しかし配列番
号85、126、134または138の変種は、野生型配列とは異なるRecD様モチー
フIおよび/または伸長されたRecD様モチーフVを含んでよい。例えば変種は、米国
特許出願第61/581,332号の表5および7ならびに国際出願第PCT/GB20
12/053274号(WO2012/098562として公開)に示す好ましいモチー
フの任意の1つを含んでよい。配列番号85、126、134および138の変種は、野
生型配列のRecD様モチーフIおよびV内に修飾を含んでよい。配列番号85、126
、134または138の変種は、上に考察したとおり付着を促進するために1つもしくは
複数の置換システイン残基および/または1つもしくは複数の置換Faz残基を好ましく
は含む。
ヘリカーゼは好ましくはXPDヘリカーゼである。任意のXPDヘリカーゼが本発明に
より使用できる。XPDヘリカーゼはRad3ヘリカーゼとしても公知であり、2つの用
語は互換的に使用できる。
XPDヘリカーゼの構造は、当技術分野において公知である(Cell. 2008 May 30;133(
5):801-12. Structure of the DNA repair helicase XPD. Liu H、Rudolf J、Johnson KA
、McMahon SA、Oke M、Carter L、McRobbie AM、Brown SE、Naismith JH、White MF)。
XPDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフX1−X2−X3−G−X4−X5−X6−E−
G(本明細書以下でXPDモチーフVと称する;配列番号89)を典型的には含む。X1
、X2、X5およびX6はD、E、KおよびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択され
る。X1、X2、X5およびX6は、G、P、A、V、L、I、M、C、F、Y、W、H
、Q、N、SおよびTから独立に選択される。X1、X2、X5およびX6は、好ましく
は荷電していない。X1、X2、X5およびX6は、好ましくはHではない。X1は、よ
り好ましくはV、L、I、SまたはYである。X5は、より好ましくはV、L、I、Nま
たはFである。X6は、より好ましくはSまたはAである。X3およびX4は、任意のア
ミノ酸残基であってよい。X4は、好ましくはK、RまたはTである。
XPDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフQ−Xa−Xb−G−R−Xc−Xd−R−(
Xe)−Xf−(Xg)−D−Xh−R(本明細書以下でXPDモチーフVIと称す
る;配列番号90)を典型的には含む。Xa、XeおよびXgは任意のアミノ酸残基であ
ってよい。Xb、XcおよびXdはD、E、KおよびRを除く任意のアミノ酸から独立に
選択される。Xb、XcおよびXdは、典型的にはG、P、A、V、L、I、M、C、F
、Y、W、H、Q、N、SおよびTから独立に選択される。Xb、XcおよびXdは、好
ましくは荷電していない。Xb、XcおよびXdは、好ましくはHではない。Xbは、よ
り好ましくはV、A、L、IまたはMである。Xcは、より好ましくはV、A、L、I、
MまたはCである。Xdは、より好ましくはI、H、L、F、MまたはVである。Xfは
、DまたはEであってよい。(Xg)はXg1、Xg2、Xg3、Xg4、Xg5、X
g6およびXg7である。Xg2は、好ましくはG、A、SまたはCである。Xg5は、
好ましくはF、V、L、I、M、A、WまたはYである。Xg6は、好ましくはL、F、
Y、M、IまたはVである。Xg7は、好ましくはA、C、V、L、I、MまたはSであ
る。
XPDヘリカーゼは、XPDモチーフVおよびVIを好ましくは含む。最も好ましいX
PDモチーフVおよびVIは、米国特許出願第61/581,340号の表5および国際
出願第PCT/GB2012/053273号(WO2012/098561として公開
)に示されている。
XPDヘリカーゼは、硫化鉄(FeS)コアを2つのウォーカーAおよびBモチーフ(
モチーフIおよびII)の間に好ましくはさらに含む。FeSコアは、システイン残基の
スルフィド基の間に配位した鉄原子を典型的には含む。FeSコアは、典型的には四面体
である。
XPDヘリカーゼは、好ましくは米国特許出願第61/581,340号の表4または
5および国際出願第PCT/GB2012/053273号(WO2012/09856
1として公開)に示されているヘリカーゼの1つまたはその変種である。XPDヘリカー
ゼは、配列番号91に示されている配列またはその変種を最も好ましくは含む。配列番号
91は、XPD Mbu(メタノコッコイデス・ブルトニイ(Methanococcoides burtoni
i);YP_566221.1;GI:91773529)である。XPD Mbuは、
YLWGTLSEG(モチーフV;配列番号92)およびQAMGRVVRSPTDYG
ARILLDGR(モチーフVI;配列番号93)を含む。
XPDヘリカーゼの変種は、野生型ヘリカーゼのものから変化しているアミノ酸配列を
有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している酵素である。これは、上に記載のとおり
測定され得る。具体的には配列番号91の変種は、配列番号91のものから変化している
アミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している酵素である。変種は、ヘ
リカーゼ活性を保持している。変種は、下に考察する2つのモードの少なくとも1つで作
動しなければならない。好ましくは、変種は両方のモードで作動する。変種は、ヘリカー
ゼをコードするポリヌクレオチドの操作を促進するならびに/または高塩濃度および/も
しくは室温でのその活性を促進する修飾を含む場合がある。変種は、上で考察したXPD
モチーフVおよびVIの外の領域において野生型ヘリカーゼとは典型的には異なる。しか
し変種は、これらのモチーフの1つまたは両方の内に修飾を含む場合がある。
配列番号91のアミノ酸配列の全長にわたって、配列番号10などの変種は、アミノ酸
同一性に基づいてその配列に好ましくは少なくとも10%、好ましくは30%相同性であ
る。より好ましくは変種ポリペプチドは、配列番号91のアミノ酸配列に配列全体にわた
るアミノ酸同一性に基づいて少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、
少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくと
も75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%およびより好ましく
は少なくとも95%、97%または99%相同性であってよい。少なくとも70%、例え
ば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%のア
ミノ酸同一性が150以上のストレッチ、例えば200、300、400、500、60
0、700、800、900または1000以上の連続するアミノ酸にわたってあり得る
(「高い相同性」)。相同性は上に記載のとおり決定される。変種は配列番号2および4
を参照して上に考察したいずれの方法においても野生型配列と異なっていてよい。
配列番号91の変種は、野生型配列のXPDモチーフVおよび/またはXPDモチーフ
VIを好ましくは含む。配列番号91の変種は、配列番号91のXPDモチーフVおよび
VIの両方をより好ましくは含む。しかし、配列番号91の変種は、野生型配列とは異な
るXPDモチーフVおよび/またはVIを含む場合がある。例えば、配列番号91の変種
は、米国特許出願第61/581,340号の表5および国際出願第PCT/GB201
2/053273号(WO2012/098561として公開)に示されている好ましい
モチーフの任意の1つを含む場合がある。配列番号91の変種は、野生型配列のXPDモ
チーフVおよび/またはXPDモチーフVI内に修飾も含む場合がある。これらのモチー
フへの好適な修飾は、2つのモチーフを定義する際に上に考察されている。配列番号91
の変種は、上に考察したとおり付着を促進するために1つもしくは複数の置換システイン
残基および/または1つもしくは複数の置換Faz残基を好ましくは含む。
修飾Hel308ヘリカーゼ
本発明は、ポリヌクレオチドの移動を制御するために有用である修飾Hel308ヘリ
カーゼも提供する。本発明によりヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中
のD272、N273、D274、G281、E284、E285、E287、S288
、T289、G290、E291、D293、T294、N300、R303、K304
、N314、S315、N316、H317、R318、K319、L320、E322
、R326、N328、S615、K717、Y720、N721およびS724に対応
する1つまたは複数の位置への1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つも
しくは複数の非天然アミノ酸の導入によって修飾され、ここでヘリカーゼはポリヌクレオ
チドの移動を制御する能力を保持している。1つもしくは複数のシステイン残基および/
または1つもしくは複数の非天然アミノ酸は、好ましくは置換によって導入される。
これらの修飾は、ポリヌクレオチドへの結合についてヘリカーゼを妨げない。例えばヘ
リカーゼは、内部ヌクレオチドを介してまたはその末端の1つでポリヌクレオチドに結合
できる。これらの修飾は、ヘリカーゼから、特にポリヌクレオチドの内部ヌクレオチドか
ら解離するまたは離されるポリヌクレオチドの能力を減少させる。換言すると1つまたは
複数の修飾は、ポリヌクレオチド鎖からの離脱を妨げることによってHel308ヘリカ
ーゼの前進性を増大させる。酵素の熱安定性も1つまたは複数の修飾によって増大され、
鎖配列決定法において有益である改善された構造的安定性をもたらす。本発明の修飾He
l308ヘリカーゼは、上に考察した全ての有利点および使用を有する。
修飾Hel308ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を有する。こ
れは、上に考察したとおり測定できる。修飾Hel308ヘリカーゼは人工または非天然
である。
本発明の修飾Hel308ヘリカーゼは、上に考察したとおり、単離、実質的に単離、
精製または実質的に精製されていてよい。
Hel308ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD272、N2
73、D274、G281、E284、E285、E287、S288、T289、G2
90、E291、D293、T294、N300、R303、K304、N314、S3
15、N316、H317、R318、K319、L320、E322、R326、N3
28、S615、K717、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つま
たは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然
アミノ酸を含む、上の表1に示すヘリカーゼの1つの変種を好ましくは含む。Hel30
8ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D27
4、G281、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E29
1、D293、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N31
6、H317、R318、K319、L320、E322、R326、N328、S61
5、K717、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に1
つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含
む、配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、3
7、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50
、51、52、53、54、55および58の1つの変種を好ましくは含む。
Hel308ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E2
84、E285、E287、S288、T289、G290、E291、N316、K3
19、S615、K717またはY720に対応する位置の1つまたは複数に1つもしく
は複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む、配列
番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37、38
、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、
52、53、54、55および58の1つの変種を好ましくは含む。
下の表4aおよび4bは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E28
4、E285、S288、S615、K717、Y720、E287、T289、G29
0、E291、N316およびK319に対応する、他のHel308ヘリカーゼにおけ
る位置を示す。例えば、Hel308 Hvo(配列番号16)では、E283はHel
308MbuにおけるD274に対応し、E293はHel308MbuにおけるE28
4に対応し、I294はHel308MbuにおけるE285に対応し、V297はHe
l308MbuにおけるS288に対応し、D671はHel308MbuにおけるS6
15に対応し、K775はHel308MbuにおけるK717に対応し、およびE77
8はHel308MbuにおけるY720に対応する。別のHel308ヘリカーゼにお
ける対応する位置の欠如は「−」と印を付ける。
Hel308ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E2
84、E285、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の1つま
たは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然
アミノ酸を含む、配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、3
3、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48
、49、50、51、52、53、54、55および58の1つの変種をより好ましくは
含む。関連する位置は、上の表4aのカラムAからGに示されている。
ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E28
5、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の1個、2個、3個、
4個、5個、6個または7個にシステイン残基を含んでよい。これらの位置の任意の組合
せは、システインで置換されてよい。例えば上の表4aの各列について本発明のヘリカー
ゼは、列においてAからGと標識の位置の次の組合せのいずれにもシステインを含んでよ
い:{A}、{B}、{C}、{D}、{G}、{E}、{F}、{AおよびB}、{A
およびC}、{AおよびD}、{AおよびG}、{AおよびE}、{AおよびF}、{B
およびC}、{BおよびD}、{BおよびG}、{BおよびE}、{BおよびF}、{C
およびD}、{CおよびG}、{CおよびE}、{CおよびF}、{DおよびG}、{D
およびE}、{DおよびF}、{GおよびE}、{GおよびF}、{EおよびF}、{A
、BおよびC}、{A、BおよびD}、{A、BおよびG}、{A、BおよびE}、{A
、BおよびF}、{A、CおよびD}、{A、CおよびG}、{A、CおよびE}、{A
、CおよびF}、{A、DおよびG}、{A、DおよびE}、{A、DおよびF}、{A
、GおよびE}、{A、GおよびF}、{A、EおよびF}、{B、CおよびD}、{B
、CおよびG}、{B、CおよびE}、{B、CおよびF}、{B、DおよびG}、{B
、DおよびE}、{B、DおよびF}、{B、GおよびE}、{B、GおよびF}、{B
、EおよびF}、{C、DおよびG}、{C、DおよびE}、{C、DおよびF}、{C
、GおよびE}、{C、GおよびF}、{C、EおよびF}、{D、GおよびE}、{D
、GおよびF}、{D、EおよびF}、{G、EおよびF}、{A、B、CおよびD}、
{A、B、CおよびG}、{A、B、CおよびE}、{A、B、CおよびF}、{A、B
、DおよびG}、{A、B、DおよびE}、{A、B、DおよびF}、{A、B、Gおよ
びE}、{A、B、GおよびF}、{A、B、EおよびF}、{A、C、DおよびG}、
{A、C、DおよびE}、{A、C、DおよびF}、{A、C、GおよびE}、{A、C
、GおよびF}、{A、C、EおよびF}、{A、D、GおよびE}、{A、D、Gおよ
びF}、{A、D、EおよびF}、{A、G、EおよびF}、{B、C、DおよびG}、
{B、C、DおよびE}、{B、C、DおよびF}、{B、C、GおよびE}、{B、C
、GおよびF}、{B、C、EおよびF}、{B、D、GおよびE}、{B、D、Gおよ
びF}、{B、D、EおよびF}、{B、G、EおよびF}、{C、D、GおよびE}、
{C、D、GおよびF}、{C、D、EおよびF}、{C、G、EおよびF}、{D、G
、EおよびF}、{A、B、C、DおよびG}、{A、B、C、DおよびE}、{A、B
、C、DおよびF}、{A、B、C、GおよびE}、{A、B、C、GおよびF}、{A
、B、C、EおよびF}、{A、B、D、GおよびE}、{A、B、D、GおよびF}、
{A、B、D、EおよびF}、{A、B、G、EおよびF}、{A、C、D、GおよびE
}、{A、C、D、GおよびF}、{A、C、D、EおよびF}、{A、C、G、Eおよ
びF}、{A、D、G、EおよびF}、{B、C、D、GおよびE}、{B、C、D、G
およびF}、{B、C、D、EおよびF}、{B、C、G、EおよびF}、{B、D、G
、EおよびF}、{C、D、G、EおよびF}、{A、B、C、D、GおよびE}、{A
、B、C、D、GおよびF}、{A、B、C、D、EおよびF}、{A、B、C、G、E
およびF}、{A、B、D、G、EおよびF}、{A、C、D、G、EおよびF}、{B
、C、D、G、EおよびF}、または{A、B、C、D、G、EおよびF}。
ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E28
5、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の1個、2個、3個、
4個、5個、6個または7個にFazなどの非天然アミノ酸を含んでよい。これらの位置
の任意の組合せは、Fazなどの非天然アミノ酸で置換されてよい。例えば上の表4aの
各列について本発明のヘリカーゼは、上にAからGと標識の位置の任意の組合せにFaz
などの非天然アミノ酸を含んでよい。
ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E28
5、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の2つ以上に1つまた
は複数のシステインおよび1つまたは複数のFazなどの非天然アミノ酸の組合せを含ん
でよい。1つまたは複数のシステイン残基および1つまたは複数のFazなどの非天然ア
ミノ酸の任意の組合せが関連する位置に存在してよい。例えば上の表4aおよび4bの各
列について本発明のヘリカーゼは、上にAからGと標識の位置の任意の組合せに1つまた
は複数のシステインおよび1つまたは複数のFazなどの非天然アミノ酸を含んでよい。
Hel308ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E2
84、E285、S288およびS615に対応する位置の1つまたは複数に1つもしく
は複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む、配列
番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37、38
、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、
52、53、54、55および58の1つの変種をより好ましくは含む。関連する位置は
、上の表4aのカラムAからEに示されている。
ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E28
5、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の1個、2個、3個、
4個または5個、6個または7個にシステイン残基を含んでよい。これらの位置の任意の
組合せは、システインで置換されてよい。例えば上の表4aの各列について本発明のヘリ
カーゼは、その列にAからEと標識の位置の次の組合せ:{A}、{B}、{C}、{D
}、{E}、{AおよびB}、{AおよびC}、{AおよびD}、{AおよびE}、{B
およびC}、{BおよびD}、{BおよびE}、{CおよびD}、{CおよびE}、{D
およびE}、{A、BおよびC}、{A、BおよびD}、{A、BおよびE}、{A、C
およびD}、{A、CおよびE}、{A、DおよびE}、{B、CおよびD}、{B、C
およびE}、{B、DおよびE}、{C、DおよびE}、{A、B、CおよびD}、{A
、B、CおよびE}、{A、B、DおよびE}、{A、C、DおよびE}、{B、C、D
およびE}または{A、B、C、DおよびE}のいずれにもシステインを含んでよい。
ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E28
5、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の1個、2個、3個、
4個または5個にFazなどの非天然アミノ酸を含んでよい。これらの位置の任意の組合
せは、Fazなどの非天然アミノ酸で置換されてよい。例えば上の表4aの各列について
本発明のヘリカーゼは、上にAからEと標識の位置の任意の組合せにFazなどの非天然
アミノ酸を含んでよい。
ヘリカーゼは、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E28
5、S288およびS615に対応する位置の2つ以上に1つまたは複数のシステインお
よび1つまたは複数のFazなどの非天然アミノ酸の組合せを含んでよい。1つまたは複
数のシステイン残基および1つまたは複数のFazなどの非天然アミノ酸の任意の組合せ
は、関連する位置に存在してよい。例えば上の表4aの各列について本発明のヘリカーゼ
は、上にAからEと標識の位置の任意の組合せに1つまたは複数のシステインおよび1つ
または複数のFazなどの非天然アミノ酸を含んでよい。
Hel308ヘリカーゼはD272、N273、D274、G281、E284、E2
85、E287、S288、T289、G290、E291、D293、T294、N3
00、R303、K304、N314、S315、N316、H317、R318、K3
19、L320、E322、R326、N328、S615、K717、Y720、N7
21およびS724に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
数の非天然アミノ酸を含むHel308Mbu(すなわち配列番号10)の配列の変種を
好ましくは含む。変種は好ましくはD272C、N273C、D274C、G281C、
E284C、E285C、E287C、S288C、T289C、G290C、E291
C、D293C、T294C、N300C、R303C、K304C、N314C、S3
15C、N316C、H317C、R318C、K319C、L320C、E322C、
R326C、N328C、S615C、K717C、Y720C、N721CまたはS7
24Cを含む。変種は好ましくはD272Faz、N273Faz、D274Faz、G
281Faz、E284Faz、E285Faz、E287Faz、S288Faz、T
289Faz、G290Faz、E291Faz、D293Faz、T294Faz、N
300Faz、R303Faz、K304Faz、N314Faz、S315Faz、N
316Faz、H317Faz、R318Faz、K319Faz、L320Faz、E
322Faz、R326Faz、N328Faz、S615Faz、K717Faz、Y
720Faz、N721FazまたはS724Fazを含む。
Hel308ヘリカーゼは、D274、E284、E285、S288、S615、K
717およびY720に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは
複数の非天然アミノ酸を含むHel308Mbu(すなわち配列番号10)の配列の変種
を好ましくは含む。本発明のヘリカーゼは、上にAからGと標識の位置の任意の組合せに
1つまたは複数のシステイン、1つまたは複数のFazなどの非天然アミノ酸またはこれ
らの組合せを含んでよい。
Hel308ヘリカーゼは、D274、E284、E285、S288およびS615
の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数
の非天然アミノ酸を含むHel308Mbu(すなわち配列番号10)の配列の変種を好
ましくは含む。例えばHel308Mbu(配列番号10)に関して、本発明のヘリカー
ゼは、位置の次の組合せ:{D274}、{E284}、{E285}、{S288}、
{S615}、{D274およびE284}、{D274およびE285}、{D274
およびS288}、{D274およびS615}、{E284およびE285}、{E2
84およびS288}、{E284およびS615}、{E285およびS288}、{
E285およびS615}、{S288およびS615}、{D274、E284および
E285}、{D274、E284およびS288}、{D274、E284およびS6
15}、{D274、E285およびS288}、{D274、E285およびS615
}、{D274、S288およびS615}、{E284、E285およびS288}、
{E284、E285およびS615}、{E284、S288およびS615}、{E
285、S288およびS615}、{D274、E284、E285およびS288}
、{D274、E284、E285およびS615}、{D274、E284、S288
およびS615}、{D274、E285、S288およびS615}、{E284、E
285、S288およびS615}または{D274、E284、E285、S288お
よびS615}のいずれにもシステインまたはFazなどの非天然アミノ酸を含んでよい
ヘリカーゼは、(a)E284CおよびS615C、(b)E284FazおよびS6
15Faz、(c)E284CおよびS615Fazまたは(d)E284Fazおよび
S615Cを含む配列番号10の変種を好ましくは含む。
ヘリカーゼは、E284CおよびS615Cを含む配列番号10に示される配列をより
好ましくは含む。
本発明における使用のための好ましい非天然アミノ酸は、これだけに限らないが4−ア
ジド−L−フェニルアラニン(Faz)、4−アセチル−L−フェニルアラニン、3−ア
セチル−L−フェニルアラニン、4−アセトアセチル−L−フェニルアラニン、O−アリ
ル−L−チロシン、3−(フェニルセラニル)−L−アラニン、O−2−プロピン−1−
イル−L−チロシン、4−(ジヒドロキシボリル)−L−フェニルアラニン、4−[(エ
チルスルファニル)カルボニル]−L−フェニルアラニン、(2S)−2−アミノ−3−
{4−[(プロパン−2−イルスルファニル)カルボニル]フェニル}プロパン酸、(2
S)−2−アミノ−3−{4−[(2−アミノ−3−スルファニルプロパノイル)アミノ
]フェニル}プロパン酸、O−メチル−L−チロシン、4−アミノ−L−フェニルアラニ
ン、4−シアノ−L−フェニルアラニン、3−シアノ−L−フェニルアラニン、4−フル
オロ−L−フェニルアラニン、4−ヨード−L−フェニルアラニン、4−ブロモ−L−フ
ェニルアラニン、O−(トリフルオロメチル)チロシン、4−ニトロ−L−フェニルアラ
ニン、3−ヒドロキシ−L−チロシン、3−アミノ−L−チロシン、3−ヨード−L−チ
ロシン、4−イソプロピル−L−フェニルアラニン、3−(2−ナフチル)−L−アラニ
ン、4−フェニル−L−フェニルアラニン、(2S)−2−アミノ−3−(ナフタレン−
2−イルアミノ)プロパン酸、6−(メチルスルファニル)ノルロイシン、6−オキソ−
L−リシン、D−チロシン、(2R)−2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル
)プロパン酸、(2R)−2−アンモニオオクタノエート3−(2,2’−ビピリジン−
5−イル)−D−アラニン、2−アミノ−3−(8−ヒドロキシ−3−キノリル)プロパ
ン酸、4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、S−(2−ニトロベンジル)システイン
、(2R)−2−アミノ−3−[(2−ニトロベンジル)スルファニル]プロパン酸、(
2S)−2−アミノ−3−[(2−ニトロベンジル)オキシ]プロパン酸、O−(4,5
−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)−L−セリン、(2S)−2−アミノ−6−({[
(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、O−(2−ニトロベ
ンジル)−L−チロシン、2−ニトロフェニルアラニン、4−[(E)−フェニルジアゼ
ニル]−L−フェニルアラニン、4−[3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジレン
−3−イル]−D−フェニルアラニン、2−アミノ−3−[[5−(ジメチルアミノ)−
1−ナフチル]スルホニルアミノ]プロパン酸、(2S)−2−アミノ−4−(7−ヒド
ロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)ブタン酸、(2S)−3−[(6−ア
セチルナフタレン−2−イル)アミノ]−2−アミノプロパン酸、4−(カルボキシメチ
ル)フェニルアラニン、3−ニトロ−L−チロシン、O−スルホ−L−チロシン、(2R
)−6−アセトアミド−2−アンモニオヘキサノエート、1−メチルヒスチジン、2−ア
ミノノナン酸、2−アミノデカン酸、L−ホモシステイン、5−スルファニルノルバリン
、6−スルファニル−L−ノルロイシン、5−(メチルスルファニル)−L−ノルバリン
、N−{[(2R,3R)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−イ
ル]カルボニル}−L−リシン、N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]リシン、(2
S)−2−アミノ−6−[(シクロペンチルカルボニル)アミノ]ヘキサン酸、N−[
(シクロペンチルオキシ)カルボニル]−L−リシン、(2S)−2−アミノ−6−{[
(2R)−テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル]アミノ}ヘキサン酸、(2S)−
2−アミノ−8−[(2R,3S)−3−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル]−8
−オキソオクタン酸、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシン、(2S)
−2−ヒドロキシ−6−({[(2−メチル−2−プロパニル)オキシ]カルボニル}ア
ミノ)ヘキサン酸、N−[(アリルオキシ)カルボニル]リシン、(2S)−2−アミ
ノ−6−({[(2−アジドベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、N
−L−プロリル−L−リシン、(2S)−2−アミノ−6−{[(プロパ−2−イン−1
−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸およびN−[(2−アジドエトキシ)
カルボニル]−L−リシンを含む。
最も好ましい非天然アミノ酸は、4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)である
上に考察したとおり、Hel308ヘリカーゼの変種は、野生型ヘリカーゼのものから
変化しているアミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している酵素である
。本発明のHel308ヘリカーゼでは、配列番号10、13、16、19、22、25
、28、29、32、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、
45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55および58の1つ
の変種は、それがHel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D27
4、G281、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E29
1、D293、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N31
6、H317、R318、K319、L320、E322、R326、N328、S61
5、K717、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に1
つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含
む限り追加的修飾を含んでよい。好適な修飾および変種は、2つ以上の部分の接続を伴う
実施形態を参照して上に考察されている。
変種は、Woodmanら(J. Mol. Biol. (2007)374、1139-1144)に開示のドメイン
5中に変異を含んでよい。これらの変異は、配列番号10中のR685A、R687Aお
よびR689Aに対応する。
本発明のHel308ヘリカーゼの2つ以上の部分の接続
本発明において修飾されたHel308ヘリカーゼは、ポリヌクレオチド結合ドメイン
を含む。ポリヌクレオチド結合ドメインは、上に定義されている。本発明における使用の
ための未修飾Hel308ヘリカーゼのポリヌクレオチド結合ドメインは、それを通って
ポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含む。
好ましい実施形態ではHel308ヘリカーゼは、ヘリカーゼの2つ以上の部分が繋が
れて、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できるポリヌクレオチド結合
ドメイン中の開口部のサイズを低減するようにさらに修飾されている。2つ以上の部分は
、上に考察した方法のいずれで繋がれてもよい。
非接続
別の実施形態ではHel308ヘリカーゼは、ヘリカーゼの2つ以上の部分が繋がれて
、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できるポリヌクレオチド結合ドメ
イン中の開口部のサイズを低減するように修飾されていない。好ましくは、1つまたは複
数のシステインまたは1つまたは複数の非天然アミノ酸はいずれもヘリカーゼ中の別のア
ミノ酸に繋がれない。好ましくは、ヘリカーゼ中の2つのアミノ酸は、それらの天然また
は非天然R基を介して併せて繋がれない。
構築物
本発明は、本発明のヘリカーゼおよび追加的ポリヌクレオチド結合成分を含む構築物で
あって、ヘリカーゼがポリヌクレオチド結合成分に付着しており、ポリヌクレオチドの移
動を制御する能力を有する構築物も提供する。ヘリカーゼは、追加的ポリヌクレオチド結
合成分に付着している。構築物は人工または非天然である。
本発明の構築物は、鎖配列決定法の際にポリヌクレオチドの移動を制御するための有用
な手段である。本発明の構築物は、本発明の修飾ヘリカーゼよりも配列決定されているポ
リヌクレオチドから離されにくい。構築物は、それがナノポアを通るポリヌクレオチドの
移行を制御することから、ポリヌクレオチドのさらに長い読み取り長を提供できる。
特異的ポリヌクレオチド配列に結合する標的化構築物も設計できる。下により詳細に考
察されるとおりポリヌクレオチド結合成分は、特異的ポリヌクレオチド配列に結合でき、
それにより構築物のヘリカーゼ部分を特異的配列に標的化できる。
構築物は、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を有する。これは、上に考察したと
おり決定できる。
本発明の構築物は、単離、実質的に単離、精製または実質的に精製されていてよい。構
築物は、それが脂質、ポリヌクレオチドまたはポア単量体などの任意の他の構成成分を完
全に含まない場合に単離または精製されている。構築物は、その目的の使用を妨害しない
担体または希釈剤と混合されている場合に実質的に単離されている。例えば構築物は、1
0%未満、5%未満、2%未満または1%未満の脂質、ポリヌクレオチドまたはポア単量
体などの他の構成成分を含む形態で存在する場合に実質的に単離または実質的に精製され
ている。
ヘリカーゼは、好ましくは共有結合的に追加的ポリヌクレオチド結合成分に付着してい
る。ヘリカーゼは、2個または3個などの1個以上の点で成分に付着していてよい。
ヘリカーゼは、当技術分野において公知の任意の方法を使用して成分に共有結合的に付
着できる。好適な方法は、2つ以上の部分を繋ぐことを参照して上に考察されている。
ヘリカーゼおよび成分は、別々に産生され、次いで一緒に付着されてよい。2つの構成
成分は、任意の立体配置で付着されてよい。例えばそれらは、それらの末端(すなわちア
ミノまたはカルボキシ末端)アミノ酸を介して付着してよい。好適な立体配置は、これだ
けに限らないが、成分のアミノ末端がヘリカーゼのカルボキシ末端に付着しているおよび
その逆を含む。代替的に2つの構成成分は、それらの配列内のアミノ酸を介して付着され
得る。例えば成分は、ヘリカーゼのループ領域中の1つまたは複数のアミノ酸に付着する
場合がある。好ましい実施形態では成分の末端アミノ酸は、ヘリカーゼのループ領域中の
1つまたは複数のアミノ酸に付着する。
好ましい実施形態ではヘリカーゼは、例えば上に考察した1つまたは複数のリンカー分
子を介して、成分に化学的に付着する。別の好ましい実施形態ではヘリカーゼは、成分に
遺伝子的に融合される。構築物全体が1本のポリヌクレオチド配列から発現される場合に
ヘリカーゼは、遺伝子的に成分に融合されている。ヘリカーゼおよび成分のコード配列は
、構築物をコードしている1本のポリヌクレオチド配列を形成するために任意の方法で組
み合わされてよい。核酸結合タンパク質へのポアの遺伝子的融合は、国際出願第PCT/
GB09/001679号(WO2010/004265として公開)において考察され
ている。
ヘリカーゼおよび成分は、任意の立体配置で遺伝的に融合され得る。ヘリカーゼおよび
成分は、それらの末端アミノ酸を介して融合され得る。例えば成分のアミノ末端はヘリカ
ーゼのカルボキシ末端に融合でき、逆も同様である。成分のアミノ酸配列は、ヘリカーゼ
のアミノ酸配列にインフレームで好ましくは付加される。換言すると成分は、ヘリカーゼ
の配列内に好ましくは挿入される。そのような実施形態ではヘリカーゼおよび成分は、2
つの点で、すなわち成分のアミノおよびカルボキシ末端アミノ酸を介して典型的には付着
される。成分がヘリカーゼの配列内に挿入される場合、成分のアミノおよびカルボキシ末
端アミノ酸が近接近にあり、ヘリカーゼまたはその変種の配列内の隣接アミノ酸にそれぞ
れ付着していることは好ましい。好ましい実施形態では成分は、ヘリカーゼのループ領域
に挿入される。
構築物は、ポリヌクレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能力を保持している。ヘリ
カーゼのこの能力は、そのβ鎖およびαヘリックスによって典型的には提供されるその三
次元構造により典型的には提供される。αヘリックスおよびβ鎖は、ループ領域により典
型的には繋がれている。ポリヌクレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能力に影響を与
えることを回避するために、成分は好ましくはヘリカーゼのいずれかの末端に遺伝子的に
融合される、またはヘリカーゼの表面露出ループに挿入される。特異的ヘリカーゼのルー
プ領域は、当技術分野において公知の方法を使用して同定できる。本発明のHel308
実施形態では成分は、αヘリックスのいずれにも好ましくは遺伝子的に融合されない。
ヘリカーゼは、成分に直接付着され得る。ヘリカーゼは、上に考察したとおり2つまた
は3つなどの1つまたは複数のリンカーを使用して成分に好ましくは付着される。1つま
たは複数のリンカーは、成分の移動性を限定するように設計され得る。ヘリカーゼおよび
/または成分は、上に考察したとおり1つまたは複数のリンカーの付着を促進するように
修飾され得る。
切断可能なリンカーは、非付着構成成分からの構築物の分離への補助として使用でき、
合成反応をさらに制御するために使用できる。例えばヘテロ二機能性リンカーは、ヘリカ
ーゼと反応できるが、成分とはできない。ヘリカーゼタンパク質を表面に結合するために
リンカーの遊離末端が使用できる場合、最初の反応由来の未反応ヘリカーゼは混合物から
除去され得る。続いてリンカーは、成分と反応する基を露出させるために切断され得る。
付加的に、一連の連結反応に続いて、条件は最初にヘリカーゼへの反応のために、次いで
リンカーの切断後の成分への反応のために最適化され得る。第二の反応は、リンカーが既
に付着している領域に限定されることから、成分との正確な反応部位に向けてさらに方向
付けられる。
ヘリカーゼは、ヘリカーゼ/架橋剤複合体が成分に共有結合的に付着する前に、二機能
性架橋剤に共有結合的に付着されてよい。代替的に成分は、二機能性架橋剤/成分複合体
がヘリカーゼに付着する前に、二機能性架橋剤に共有結合的に付着してよい。ヘリカーゼ
および成分は、化学的架橋剤に同時に共有結合的に付着してよい。
ヘリカーゼの成分への付着の好ましい方法は、上に記載のとおりシステイン連結および
Faz連結である。好ましい実施形態では反応性システインは、成分に遺伝子的に付着し
ているペプチドリンカー上に存在する。これは、成分から他の利用可能なシステイン残基
を除去するために追加的修飾が必ずしも必要ではないことを意味する。
ヘリカーゼまたは成分のそれ自体への交差結合は、リンカーの濃度をヘリカーゼおよび
/または成分の大過剰に維持することによって妨げることができる。代替的に「鍵と鍵穴
」配置は、2つのリンカーが使用される場合に使用できる。各リンカーの一方の末端だけ
が長いリンカーを形成するために併せて反応でき、リンカーの他方の末端は構築物の異な
る部分(すなわちヘリカーゼまたは成分)とそれぞれ反応する。これは下でより詳細に考
察される。
付着の部位は、構築物がポリヌクレオチドと接触する場合に、ヘリカーゼおよび成分の
両方がポリヌクレオチドに結合でき、その移動を制御できるように選択される。
付着は、ヘリカーゼおよび成分のポリヌクレオチド結合活性を使用して促進され得る。
例えば相補的ポリヌクレオチドは、ヘリカーゼおよび成分を、それらがハイブリダイズす
ることから、併せて運ぶために使用できる。ヘリカーゼは一方のポリヌクレオチドに結合
でき、成分は相補的ポリヌクレオチドに結合できる。次いで2つのポリヌクレオチドは、
相互にハイブリダイズできるようになる。これは、ヘリカーゼを成分と密接に接触するよ
うにして、連結反応をさらに効率的にする。これは、標的ポリヌクレオチドの移動を制御
するための正確な方向で2つ以上のヘリカーゼを付着させるために特に有益である。使用
できる相補的ポリヌクレオチドの一例は、下に示されている。
ヘリカーゼ−Phi29構築物に関して、下のDNAは使用され得る。
構築物の精製を容易にするためにタグが構築物に付加され得る。これらのタグは、次い
でそれらの除去が必要である場合に、化学的にまたは酵素的に切断除去され得る。フルオ
ロフォアまたはクロモフォアも含まれる場合があり、これらも切断可能であってよい。
構築物を精製するための簡単な方法は、各タンパク質(すなわちヘリカーゼおよび成分
)上に、ヘキサ−His−タグおよびStrep−タグ(登録商標)などの異なる精製タ
グを含むことである。2つのタンパク質が互いに異なる場合、この方法は特に有用である
。2つのタグの使用は、両方のタグを含む分子種だけが容易に精製されるようにする。
2つのタンパク質が2つの異なるタグを有さない場合、他の方法が使用できる。例えば
遊離表面システインを有するタンパク質または構築物を形成するために反応していない付
着リンカーを有するタンパク質は、例えばマレイミドリンカーに対するヨードアセトアミ
ドレジンを使用して除去され得る。
本発明の構築物は、未反応タンパク質から異なるDNA前進性特徴に基づいても精製さ
れ得る。具体的には本発明の構築物は、未反応タンパク質からポリヌクレオチドに対する
親和性の増大、既に結合したポリヌクレオチドから離れる可能性の低減および/またはナ
ノポアを通るポリヌクレオチドの移行を制御するときのポリヌクレオチドの読み取り長さ
の増大に基づいて精製され得る。
特異的ポリヌクレオチド配列に結合する標的化構築物も設計され得る。下により詳細に
考察されるとおりポリヌクレオチド結合成分は、特異的ポリヌクレオチド配列に結合でき
、それにより構築物のヘリカーゼ部分を特異的配列に標的化する。
ポリヌクレオチド結合成分
本発明の構築物は、ポリヌクレオチド結合成分を含む。ポリヌクレオチド結合成分は、
ポリヌクレオチドに結合できるポリペプチドである。成分は、規定のポリヌクレオチド配
列に好ましくは特異的結合できる。換言すると成分は、特異的ポリヌクレオチド配列に好
ましくは結合するが、少なくとも10分の1の結合を異なる配列に、またはより好ましく
は少なくとも100分の1の結合を異なる配列に、または最も好ましくは少なくとも10
00分の1の結合を異なる配列に示す。異なる配列は無作為配列であってよい。いくつか
の実施形態では成分は、特異的ポリヌクレオチド配列に結合するが、異なる配列への結合
は測定できない。特異的配列に結合する成分は、そのような配列に標的化される構築物を
設計するために使用され得る。
成分は、典型的にはポリヌクレオチドの少なくとも1つの特徴と相互作用および改変す
る。成分は、個々のヌクレオチドまたは、ジまたはトリヌクレオチドなどのヌクレオチド
の短い鎖を形成するように切断することによってポリヌクレオチドを修飾できる。成分は
、ポリヌクレオチドを特異的位置に方向付けるまたは移動させること、すなわちその移動
を制御することによってそれを修飾できる。
核酸などのポリヌクレオチドは、2個以上のヌクレオチドを含む巨大分子である。ポリ
ヌクレオチドまたは核酸は、任意のヌクレオチドの任意の組合せを含み得る。ヌクレオチ
ドは、天然に存在するものまたは人工的であってよい。標的ポリヌクレオチド中の1つま
たは複数のヌクレオチドは、酸化またはメチル化され得る。標的ポリヌクレオチド中の1
つまたは複数のヌクレオチドは、損傷をうけ得る。例えばポリヌクレオチドは、ピリミジ
ン二量体を含む場合がある。そのような二量体は、紫外光による障害に典型的には関連し
、皮膚メラノーマの主原因である。標的ポリヌクレオチド中の1つまたは複数のヌクレオ
チドは、例えば標識またはタグで、修飾され得る。好適な標識は、上に記載されている。
標的ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のスペーサーを含み得る。
ヌクレオチドは、典型的には、核酸塩基、糖および少なくとも1つのリン酸基を含有す
る。核酸塩基は典型的には複素環である。核酸塩基は、これだけに限らないがプリンおよ
びピリミジンならびにより具体的にはアデニン、グアニン、チミン、ウラシルおよびシト
シンを含む。糖は典型的には五炭糖である。ヌクレオチド糖は、これだけに限らないがリ
ボースおよびデオキシリボースを含む。ヌクレオチドは、典型的にはリボヌクレオチドま
たはデオキシリボヌクレオチドである。ヌクレオチドは典型的には一リン酸、二リン酸ま
たは三リン酸を含有する。リン酸は、ヌクレオチドの5’または3’側に付着できる。
ヌクレオチドは、これだけに限らないがアデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン一
リン酸(GMP)、チミジン一リン酸(TMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、シチジ
ン一リン酸(CMP)、5−メチルシチジンモノホスフェート、5−メチルシチジンジホ
スフェート、5−メチルシチジントリホスフェート、5−ヒドロキシメチルシチジンモノ
ホスフェート、5−ヒドロキシメチルシチジンジホスフェート、5−ヒドロキシメチルシ
チジントリホスフェート、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、環状グアノシン一リン
酸(cGMP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシグアノシン一リン
酸(dGMP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシウリジン一リン酸(
dUMP)およびデオキシシチジン一リン酸(dCMP)を含む。ヌクレオチドは、好ま
しくはAMP、TMP、GMP、CMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMP、dC
MPおよびdUMPから選択される。
ヌクレオチドは、塩基を持たない場合がある(すなわち核酸塩基を欠失している)。ヌ
クレオチドは、核酸塩基および糖も欠失している場合がある(すなわちC3スペーサーで
ある)。
ポリヌクレオチド中のヌクレオチドは、任意の様式で相互に付着されてよい。ヌクレオ
チドは、核酸においてと同様にそれらの糖およびリン酸基により典型的には付着されてい
る。ヌクレオチドは、ピリミジン二量体においてと同様にそれらの核酸塩基を介して繋が
れてよい。
ポリヌクレオチドは、1本鎖または2本鎖であってよい。ポリヌクレオチドの少なくと
も一部は、好ましくは2本鎖である。
ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)などの核
酸であってよい。標的ポリヌクレオチドは、DNAの1本鎖にハイブリダイズしたRNA
の1本鎖を含む場合がある。ポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)、グリセロー
ル核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、ロックド核酸(LNA)またはヌクレオ
チド側鎖を有する他の合成ポリマーなどの当技術分野において公知の任意の合成核酸であ
ってよい。
成分の三次構造が公知であることは好ましい。成分の三次元構造の知識は、本発明の構
築物におけるその機能を促進するために成分に修飾を作製できるようにする。
成分は、任意のサイズであってよく、任意の構造を有してよい。例えば成分は、二量体
または三量体などのオリゴマーである場合がある。成分は、好ましくは1つの単量体から
形成された小さな球状ポリペプチドである。そのような成分は操作が容易であり、ポリヌ
クレオチドの移動を制御するヘリカーゼの能力を、特にヘリカーゼの配列に融合または挿
入された場合に、干渉しにくい。
成分のアミノおよびカルボキシ末端は、好ましくは近接近にある。成分のアミノおよび
カルボキシ末端は、成分の同じ面により好ましくは存在する。そのような実施形態は、ヘ
リカーゼの配列中への成分の挿入を促進する。例えば成分のアミノおよびカルボキシ末端
が近接近にある場合、それぞれはヘリカーゼの配列中の隣接アミノ酸への遺伝子的融合に
よって付着され得る。
成分の活性部位の位置および機能が公知であることも好ましい。これは、成分の活性を
消滅させる活性部位に修飾が作製されることを防ぐ。これは成分がヘリカーゼに付着でき
るようにし、成分はポリヌクレオチドに結合し、その移動を制御する。成分がポリヌクレ
オチドに結合および方向付けられる方法の知識は、有効な構築物を設計できるようにする
本発明の構築物は鎖配列決定法において有用である。成分は、鎖配列決定法およびヌク
レオチドの識別に適合性である緩衝液バックグラウンドにおいてポリヌクレオチドに好ま
しくは結合する。成分は、100mMから2Mなどの通常の生理学的レベルを大幅に上回
る塩濃度において少なくとも残存活性を好ましくは有する。成分は、高塩濃度でのその活
性を増大させるためにより好ましくは修飾される。成分は、その前進性、安定性および有
効期間を改善するために修飾されてもよい。
好適な修飾は、好塩性、中度好塩性細菌、好熱性および中等度好熱性生物などの好極限
性細菌(extremphile)、ならびに中温性または好熱性エキソヌクレアーゼの耐塩性、安
定性および温度依存性を変更するための定向進化手法由来のポリヌクレオチド結合成分の
特性決定から決定され得る。
ポリヌクレオチド結合成分は、ヘリックス−ヘアピン−ヘリックス(helix-hairpin-he
lix)(HhH)ドメイン、真核生物1本鎖結合タンパク質(single-stranded binding p
rotein)(SSB)、細菌性SSB、古細菌SSB、ウイルス性SSB、2本鎖結合タン
パク質、スライディングクランプ、前進性因子(processivity factor)、DNA結合ル
ープ、複製開始タンパク質、テロメア結合タンパク質、リプレッサー、亜鉛フィンガーお
よび増殖細胞核抗原(proliferating cell nuclear antigen)(PCNA)から独立に選
択される1つまたは複数のドメインを好ましくは含む。
ヘリックス−ヘアピン−ヘリックス(HhH)ドメインは、DNAに配列非特異的様式
で結合するポリペプチドモチーフである。それらは、ポリメラーゼに融合された場合に塩
安定性および前進性を付与し、それらの熱安定性を増大させることが示されている。好適
なドメインは、メタノピュルス・カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のトポイソ
メラーゼV(配列番号129)由来のドメインH(残基696〜751)およびドメイン
HI(残基696〜802)を含む。下の考察のとおり、ポリヌクレオチド結合成分は、
配列番号130に示す配列番号129のドメインH〜Lであってよい。メタノピュルス・
カンドレリ(Methanopyrus kandleri)由来のトポイソメラーゼVは、下に考察の2本鎖
結合タンパク質の一例である。
HhHドメインは、配列番号94もしくは107もしくは108に示す配列またはその
変種を好ましくは含む。このドメインは、本発明の構築物において使用された場合にヘリ
カーゼの前進性および耐塩性を増大させる。配列番号94もしくは107もしくは108
の変種は、配列番号94または107または108のものから変化しているアミノ酸配列
を有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持しているタンパク質である。これは、上に記載
のとおり測定され得る。変種は、アミノ酸同一性に基づいてその配列全体にわたって、配
列番号94または107または108に少なくとも50%相同性(またはヘリカーゼと関
連して上に考察した任意の%相同性)を典型的には有し、ポリヌクレオチド結合活性を保
持している。変種はヘリカーゼと関連して上にまたはポアと関連して下に考察したいずれ
の方法においても配列番号94または107または108と異なっていてよい。変種は、
上に考察したとおりヘリカーゼへの付着を促進するために1つもしくは複数の置換システ
イン残基および/または1つもしくは複数の置換Faz残基を好ましくは含む。
SSBは、高親和性で配列非特異的様式で1本鎖DNAに結合する。それらは、全ての
生き物に種々の形態で存在し、単量体または多量体としてDNAに結合する。アミノ酸配
列の配列比較およびアルゴリズム(Hidden Markovモデルなど)を使用して
、SSBはそれらの配列相同に従って分類され得る。Pfamファミリー、PF0043
6は、全てが公知のSSBに配列類似性を示すタンパク質を含む。SSBのこの群は、次
いでタンパク質の構造分類(Structural Classification of Proteins)(SCOP)に
従ってさらに分類され得る。SSBは、次の系列に分けられる:クラス;全てのベータタ
ンパク質、フォールド;OB−フォールド、スーパーファミリー:核酸結合タンパク質、
ファミリー;1本鎖DNA結合ドメイン、SSB。このファミリー内でSSBは、各サブ
ファミリー内でしばしば特性決定されるいくつかの型の分子種を含むサブファミリーに分
類され得る。
SSBは、ヒト、マウス、ラット、真菌、原虫または植物など由来の真核生物由来、細
菌および古細菌などの原核生物由来またはウイルス由来であってよい。
真核性SSBは、複製タンパク質A(RPA)として公知である。多くの場合それらは
、さまざまなサイズの単位から形成されたヘテ三量体である。大きな単位(例えばサッカ
ロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のRPA70)のいくつかは安定
であり、単量体形態でssDNAに結合する。
細菌性SSBは安定なホモ四量体(例えば大腸菌(E.coli)、マイコバクテリウム・ス
メグマチス(Mycobacterium smegmatis)およびヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter
pylori))またはホモ二量体(例えばディノコッカス・ラディオデュランス(Deinococcu
s radiodurans)およびサーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima))としてDNA
に結合する。古細菌ゲノム由来のSSBは、真核RPAと関連すると考えられている。ク
レン古細菌門スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)によってコ
ードされるSSBなどのそのいくつかは、ホモ四量体である。他の大部分の種由来のSS
Bは、真核生物由来の複製タンパク質に密接に関連しており、RPAと称される。これら
の種のいくつかにおいて、それらは単量体であることが示されている(メタノコッカス・
ジャンナスキイ(Methanococcus jannaschii)およびメタノサーモバクター・サーモオー
トトロフィクカム(Methanothermobacter thermoautotrophicum)。さらに、アーケオグ
ロブス・フルギダス(Archaeoglobus fulgidus)およびメタノコッコイデス・ブルトニイ
(Methanococcoides burtonii)を含む古細菌の他の種は、RPAに配列類似性を有する
2つのオープンリーディングフレームをそれぞれ含有すると考えられている。タンパク質
レベルでの証拠はなく、それらのDNA結合能力またはオリゴマー状態に関する公表され
たデータもない。しかし、これらの各遺伝子中の2つのオリゴヌクレオチド/オリゴ糖(
oligonucleotide/oligosaccharide)(OB)フォールドの存在(M.ブルトニイ(M.bur
tonii)ORFの1つの場合にはOBフォールド3個)はそれらも1本鎖DNAに結合す
ることを示唆している。
ウイルス性SSBは、単量体としてDNAに結合する。このことおよびそれらの比較的
小さなサイズは、それらを、例えば可動性ペプチドリンカーを介して他のタンパク質に遺
伝子的に融合しやすくする。代替的にSSBは、別々に発現され、化学的方法(例えばシ
ステイン、非天然アミノ酸)によって他のタンパク質に付着される場合がある。これは下
でより詳細に考察される。
SSBは、好ましくは(i)正味の負電荷を有さないカルボキシ末端(C末端)領域を
含むSSB(ii)C末端領域の正味の負電荷を減少させる1つまたは複数の修飾をその
C末端領域に含む修飾SSBのいずれかである。そのようなSSBは、膜貫通ポアを遮断
せず、したがって標的ポリヌクレオチドの特性決定を可能にする。
正味の負電荷を有さないC末端領域を含むSSBの例は、これだけに限らないが、ヒト
ミトコンドリアSSB(HsmtSSB;配列番号118、ヒト複製タンパク質A 70
kDaサブユニット、ヒト複製タンパク質A 14kDaサブユニット、オキシトリカ・
ノバ(Oxytricha nova)由来テロメア末端結合タンパク質アルファサブユニット、オキシ
トリカ・ノバ(Oxytricha nova)由来テロメア末端結合タンパク質ベータサブユニットの
コアドメイン、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のテ
ロメアタンパク質1(Pot1)の保護、ヒトPot1、マウスまたはラット由来BRC
A2のOB−フォールドドメイン、phi29由来のp5タンパク質(配列番号119)
またはこれらのタンパク質のいずれかの変種を含む。変種は、野生型タンパク質から変化
したアミノ酸配列を有し、1本鎖ポリヌクレオチド結合活性を保持しているタンパク質で
ある。ポリヌクレオチド結合活性は、当技術分野において公知の任意の方法を使用して決
定できる(上に記載のとおり)。例えば、1本鎖ポリヌクレオチドに結合する変種の能力
は、実施例に記載のとおり決定され得る。
配列番号118または119の変種は、アミノ酸同一性に基づいてその配列全体にわた
って、配列番号118または119に少なくとも50%相同性(またはヘリカーゼと関連
して上に考察した任意の%相同性)を典型的には有し、1本鎖ポリヌクレオチド結合活性
を保持している。変種はヘリカーゼと関連して上に考察したいずれの方法においても配列
番号118または119と異なっていてよい。具体的には変種は、表8および9に示す1
つまたは複数の保存的置換を有する場合がある。
正味の負電荷を減少させる1つまたは複数の修飾をそれらのC末端領域に必要とするS
SBの例は、これだけに限らないが、大腸菌(E. coli)のSSB(EcoSSB;配列
番号120、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)の
SSB、ディノコッカス・ラディオデュランス(Deinococcus radiodurans)のSSB、
サーマス・サーモフィラルス(Thermus thermophiles)のSSB、スルホロブス・ソルフ
ァタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来SSB、ヒト複製タンパク質A 32kD
aサブユニット(RPA32)断片、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces ce
revisiae)由来CDC13 SSB、大腸菌(E. coli)由来プライモソーム複製タンパ
ク質N(Primosomal replication protein N)(PriB)、シロイヌナズナ(Arabidop
sis thaliana)由来PriB、仮説タンパク質At4g28440、T4由来SSB(g
p32;配列番号121)、RB69由来SSB(gp32;配列番号95)、T7由来
SSB(gp2.5;配列番号96)またはこれらの任意のタンパク質の変種を含む。し
たがって本発明の方法において使用されるSSBは、これらのタンパク質のいずれかに由
来してよい。
C末端領域中の1つまたは複数の修飾に加えて、方法において使用されるSSBはC末
端領域の外側にあるまたはC末端領域の正味の負電荷を減少させない追加的修飾を含んで
よい。換言すると本発明の方法において使用されるSSBは、野生型タンパク質の変種に
由来する。変種は、野生型タンパク質のものから変化しているアミノ酸配列を有し、1本
鎖ポリヌクレオチド結合活性を保持しているタンパク質である。ポリヌクレオチド結合活
性は、上に考察したとおり決定され得る。
本発明において使用されるSSBは、配列番号95、96、120または121の変種
に由来してよい。換言すると配列番号95、96、120または121の変種は、本発明
において使用されるSSBのための出発点として使用できるが、実際に使用されるSSB
は、C末端領域の正味の負電荷を減少させる1つまたは複数の修飾をそのC末端領域にさ
らに含む。配列番号95、96、120または121の変種は、配列番号95、96、1
20または121にアミノ酸同一性に基づいてその配列全体にわたって少なくとも50%
相同性(またはヘリカーゼと関連して上に考察した任意の%相同性)を典型的には有し、
1本鎖ポリヌクレオチド結合活性を保持している。変種はヘリカーゼと関連して上に考察
したいずれの方法においても配列番号95、96、120または121と異なっていてよ
い。具体的には変種は、表8および9に示す1つまたは複数の保存的置換を有してよい。
通常のタンパク質NからCへの命名法に従ってSSBのC末端領域を同定することは容
易である。SSBのC末端領域は、SSBのC末端の最後の3分の1などの好ましくはS
SBのC末端の最後の約3分の1である。SSBのC末端領域は、より好ましくはSSB
のC末端の最後の4分の1、5分の1または8分の1などのSSBのC末端の最後の約4
分の1、5分の1または8分の1である。SSBの最後の3分の1、4分の1、5分の1
または8分の1は、アミノ酸の数を単位としてまたはSSBタンパク質の一次構造の実際
の長さを単位として測定されてよい。NからC方向での種々のアミノ酸の長さは、当技術
分野において公知である。
C末端領域は、好ましくはSSBのC末端の最後の約10から最後の約60アミノ酸で
ある。C末端領域は、より好ましくはSSBのC末端の最後の約15、最後の約20、最
後の約25、最後の約30、最後の約35、最後の約40、最後の約45、最後の約50
または最後の約55アミノ酸である。
C末端領域は、グリシンおよび/またはプロリンのリッチ領域を典型的には含む。この
プロリン/グリシンリッチ領域は、C末端領域に可動性を与え、C末端領域を同定するた
めに使用され得る。
正味の負電荷を減少させるための好適な修飾は、米国仮特許出願第61/673,45
7号(2012年7月19日出願)、米国仮特許出願第61/774,688号(201
3年3月8日出願)および本出願と同時に出願された国際出願に開示されている(Oxf
ord Nanopore Ref:ONT IP 035)。SSBは、米国仮特許出
願および国際出願に開示されているいずれのSSBであってもよい。
修飾SSBは、配列番号103、104、122から125に示されるものから選択さ
れる配列を最も好ましくは含む。
2本鎖結合タンパク質は高親和性で2本鎖DNAに結合する。好適な2本鎖結合タンパ
ク質は、これだけに限らないがミューテーターS(MutS;NCBI参照配列:NP_
417213.1;配列番号140)、Sso7d(スルホロブス・ソルファタリカス(
Sufolobus solfataricus)P2;NCBI参照配列:NP_343889.1;配列番号
141;Nucleic Acids Research、2004、Vol 32、No. 3、1197-1207)、Sso10b1
(NCBI参照配列:NP_342446.1;配列番号142)、Sso10b2(N
CBI参照配列:NP_342448.1;配列番号143)トリプトファンリプレッサ
ー(Trpリプレッサー;NCBI参照配列:NP_291006.1;配列番号144
)、ラムダリプレッサー(NCBI参照配列:NP_040628.1;配列番号145
)、Cren7(NCBI参照配列:NP_342459.1;配列番号146)、主な
ヒストンクラスH1/H5、H2A、H2B、H3およびH4(NCBI参照配列:NP
_066403.2;配列番号147)、dsbA(NCBI参照配列:NP_0498
58.1;配列番号148)、Rad51(NCBI参照配列:NP_002866.2
;配列番号149)、スライディングクランプおよびトポイソメラーゼV Mka(配列
番号129)またはこれらのタンパク質のいずれかの変種を含む。配列番号129、14
0、141、142、143、144、145、146、147、148または149の
変種は、アミノ酸同一性に基づいてその配列全体にわたって、配列番号129、140、
141、142、143、144、145、146、147、148または149に少な
くとも50%相同性(またはヘリカーゼと関連して上に考察した任意の%相同性)を典型
的には有し、1本鎖ポリヌクレオチド結合活性を保持している。変種は、ヘリカーゼと関
連して上に考察したいずれの方法においても配列番号129、140、141、142、
143、144、145、146、147、148または149と異なっていてよい。具
体的には変種は、表8および9に示す1つまたは複数の保存的置換を有する場合がある。
大部分のポリメラーゼは、スライディングクランプと相互作用することにより前進性を達
成している。一般にこれらは、dsDNAの周囲を囲む多量体タンパク質(ホモ二量体ま
たはホモ三量体)である。これらのスライディングクランプは、ATP依存性プロセスで
それらをDNAヘリックスの周囲に会合させるためにアクセサリータンパク質(クランプ
ローダー)を必要とする。それらもDNAと直接接触せず、形態的テザーとして作用する
。スライディングクランプがポリメラーゼドメインを介する特異的様式で同族ポリメラー
ゼと相互作用することから、この断片はヘリカーゼのスライディングクランプへの動員刺
激のためにヘリカーゼに融合され得る。この相互作用は共有結合の作製によってさらに安
定化され得る(システインまたは非天然アミノ酸の導入)。
DNAスライディングクランプに関して前進性因子は、それらの同族ポリメラーゼをD
NAに固着させるウイルス性タンパク質であり、作製される断片の長さの劇的な増大を導
く。それらは、単量体(単純ヘルペスウイルス(Herpes simplex virus)1由来UL42
についての場合)または多量体(サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)由来UL4
4は二量体である)であってよく、それらはDNA鎖周囲に閉じた環を形成せず、それら
はDNAに直接接触する。UL42は、その対応するポリメラーゼの速度を低減すること
なく前進性を増大させることが示されており、それがSSBとは異なるモードでDNAと
相互作用することを示唆している。UL42は、配列番号97もしくは配列番号102に
示す配列またはその変種を好ましくは含む。配列番号97または102の変種は、配列番
号97または102のものから変化しているアミノ酸配列を有し、ポリヌクレオチド結合
活性を保持しているタンパク質である。これは、上に記載のとおり測定され得る。変種は
、アミノ酸同一性に基づいてその配列全体にわたって、配列番号97または102に少な
くとも50%相同性(またはヘリカーゼと関連して上に考察した任意の%相同性)を典型
的には有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している。変種はヘリカーゼと関連して上
にまたはポアと関連して下に考察したいずれの方法においても配列番号97または配列番
号102と異なっていてよい。変種は、上に考察したとおりヘリカーゼへの付着を促進す
るために1つもしくは複数の置換システイン残基および/または1つもしくは複数の置換
Faz残基を好ましくは含む。
UL42をヘリカーゼに付着させることは、遺伝子的融合または化学的付着(システイ
ン、非天然アミノ酸)を介して行われ得る。UL42に結合しているポリメラーゼポリペ
プチドが結晶構造において観察できることから、これらの35アミノ酸(残基1200〜
1235)はヘリカーゼのC末端に融合でき、このポリペプチドと前進性因子との間の天
然の親和性は複合体を形成するために使用される。相互作用は、共有結合相互作用(シス
テインまたは非天然アミノ酸)を導入することによって安定化され得る。選択肢の1つは
、ポリペプチド相互作用部位近くに位置付けられている天然UL42システイン(C30
0)を利用し、ポリメラーゼポリペプチドに点変異(例えばL1234C)を導入するこ
とである。
ポリメラーゼ前進性を増大する報告された方法は、大腸菌(E.coli)チオレドキシン(
Trx)とバクテリオファージT7DNAポリメラーゼのチオレドキシン結合ドメイン(
TBD)(残基258〜333)との間の相互作用を活用することである。TrxからT
BDへの結合は、DNAに結合するものへのコンホメーション変化をポリペプチドに生じ
させる。TBDは、DNA鎖上に固定され、ポリメラーゼオフ速度を限定し、それにより
前進性を増大させると考えられている。キメラポリメラーゼは、TBDを非前進性ポリメ
ラーゼに転移することによって作製され、重合された断片長の1000倍増加を生じる。
TBDを任意の他のクラスのタンパク質に付着させる試みはなかったが、TBDとTrx
との間の共有結合は操作され、相互作用を安定化するために使用できる。
いくつかのヘリカーゼは、前進性を達成するためにアクセサリータンパク質をin−v
ivoで使用する(例えば大腸菌(E.coli)Repヘリカーゼに関して、ファージΦx1
74由来cisAおよびファージM13由来gene IIタンパク質)。これらのタン
パク質のいくつかは、1つより多いヘリカーゼと相互作用することが示されている(例え
ばMutLは同程度ではないがUvrDおよびRepの両方に作用する)。これらのタン
パク質は内在性DNA結合能力を有し、それらのいくつかは特異的DNA配列を認識する
。いくつかのこれらのアクセサリータンパク質のそれら自体を特異的DNA配列に共有結
合的に付着させる能力は、ヘリカーゼ活性についての一連の開始点を作出するためにも使
用できる。
染色体の末端を保護するタンパク質は、テロメアssDNA配列に高特異性の様式で結
合する。この能力は、そのまままたは配列特異性を消滅させる点変異を使用することによ
ってのいずれかで活用され得る。
小さなDNA結合モチーフ(ヘリックス−ターン−ヘリックスなど)は、特異的DNA
配列を認識する。バクテリオファージ434リプレッサーの場合、62残基断片が操作さ
れ、DNA結合能力および特異性を保持していることが示されている。
真核生物タンパク質における豊富なモチーフ、亜鉛フィンガーは特異的様式でDNAに
結合するおよそ30アミノ酸からなる。典型的には各亜鉛フィンガーは3個のDNA塩基
だけを認識するが、マルチプルフィンガーはより長い配列を認識するために連結されてよ
い。
増殖細胞核抗原(PCNA)は、dsDNAまたはssDNAを引き上げるおよび下げ
る非常に堅固なクランプ(ドーナツ)を形成する。クレン古細菌門(crenarchaeota)由
来PCNAは、ヘテロ三量体になることが特有であり、それにより1つのサブユニットを
機能化し、活性を保持することが可能である。そのサブユニットは、配列番号98、99
および100に示されている。PCNAは、好ましくは配列番号98、99および100
に示す配列またはその変種を含む三量体である。PCNAスライディングクランプ(NC
BI参照配列:ZP_06863050.1;配列番号150)は二量体を形成する。P
CNAは、好ましくは配列番号150またはその変種を含む二量体である。変種は、配列
番号98、99、100または150から変化しているアミノ酸配列を有し、ポリヌクレ
オチド結合活性を保持しているタンパク質である。これは、上に記載のとおり測定され得
る。変種は、アミノ酸同一性に基づいてそれぞれその配列全体にわたって配列番号98、
99および100に少なくとも50%相同性を有する配列を含む典型的には三量体または
、配列番号150に少なくとも50%相同性(またはヘリカーゼと関連して上に考察した
任意の%相同性)を有する配列を含む二量体であり、ポリヌクレオチド結合活性を保持し
ている。変種はヘリカーゼと関連して上にまたはポアと関連して下に考察したいずれの方
法においても配列番号98、99、100または150と異なっている配列を含んでよい
。変種は、上に考察したとおりヘリカーゼへの付着を促進するために1つもしくは複数の
置換システイン残基および/または1つもしくは複数の置換Faz残基を好ましくは含む
。好ましい実施形態では、クレン古細菌門(crenarchaeota)由来PCNAのサブユニッ
ト1および2(すなわち配列番号98および99またはその変種)は、遺伝子的に融合さ
れるなど付着し、得られたタンパク質は本発明の構築物を形成するようにヘリカーゼに付
着される。構築物の使用の際にサブユニット3(すなわち配列番号100またはその変種
)は、構築物がポリヌクレオチドに結合すると、PCNAクランプ(またはドーナツ)を
完了するために付加される場合がある。好ましい実施形態では、PCNAスライディング
クランプ(すなわち配列番号150またはその変種)の1つの単量体は、遺伝子的に融合
されているなど、本発明の構築物を形成するようにヘリカーゼに付着されている。構築物
の使用の際に第二の単量体(すなわち配列番号150またはその変種)は、構築物がポリ
ヌクレオチドに結合すると、PCNAクランプ(またはドーナツ)を完了するために付加
される場合がある。
ポリヌクレオチド結合モチーフは、下の表5に示すもののいずれかから選択されてよい
ポリヌクレオチド結合成分は、ポリヌクレオチド結合酵素に好ましくは由来する。ポリ
ヌクレオチド結合酵素は、ポリヌクレオチドに結合でき、ポリヌクレオチドの少なくとも
1つの特徴と相互作用し、修飾するポリペプチドである。酵素は、個々のヌクレオチドま
たは、ジまたはトリヌクレオチドなどのヌクレオチドの短い鎖を形成するように切断する
ことによってポリヌクレオチドを修飾できる。酵素は、ポリヌクレオチドを特異的位置に
方向付けるまたは移動させることによってそれを修飾できる。ポリヌクレオチド結合成分
は、ポリヌクレオチドに結合でき、その移動を制御できる限り酵素活性を示す必要はない
。例えば成分は、その酵素活性を除去するように修飾されている酵素由来であってよく、
またはそれが酵素として作用することを妨げる条件下で使用されてよい。
ポリヌクレオチド結合成分は、好ましくは核酸分解酵素由来である。酵素は、より好ま
しくは酵素分類(EC)群3.1.11、3.1.13、3.1.14、3.1.15、
3.1.16、3.1.21、3.1.22、3.1.25、3.1.26、3.1.2
7、3.1.30および3.1.31のいずれかのメンバー由来である。酵素は、国際出
願第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として公開)に開
示のもののいずれかであってよい。
好ましい酵素は、エキソヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、ヘリカーゼおよび、ジャイレー
スなどのトポイソメラーゼである。好適なエキソヌクレアーゼは、これだけに限らないが
、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレアーゼI、大腸菌(E. coli)由来エキソヌクレア
ーゼIII酵素、高度好熱菌(T. thermophilus)由来RecJならびにバクテリオファ
ージラムダエキソヌクレアーゼおよびその変種を含む。
ポリメラーゼは、好ましくは成分分類(EC)群2.7.7.6、2.7.7.7、2
.7.7.19、2.7.7.48および2.7.7.49のいずれかのメンバーである
。ポリメラーゼは、好ましくはDNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポ
リメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼまたはRNA依存性RNAポリメラーゼで
ある。ポリヌクレオチド結合成分は、好ましくはPhi29 DNAポリメラーゼ(配列
番号101)由来である。成分は、配列番号101に示す配列またはその変種を含む場合
がある。配列番号101の変種は、配列番号101のものから変化しているアミノ酸配列
を有し、ポリヌクレオチド結合活性を保持している酵素である。これは、上に記載のとお
り測定され得る。変種は、ポリヌクレオチドの結合を促進するならびに/または高塩濃度
および/もしくは室温での活性を促進する修飾を含む場合がある。
配列番号101のアミノ酸配列の全長にわたって変種は、アミノ酸同一性に基づいてそ
の配列に好ましくは少なくとも50%相同性である。より好ましくは変種ポリペプチドは
、アミノ酸同一性に基づいて配列の全長にわたって配列番号101のアミノ酸配列に少な
くとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも7
5%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%およびより好ましくは少
なくとも95%、97%または99%相同性であってよい。少なくとも80%、例えば少
なくとも85%、90%または95%のアミノ酸同一性が200以上のストレッチ、例え
ば230、250、270または280以上の連続するアミノ酸にわたってあり得る(「
高い相同性」)。相同性は下に記載のとおり決定される。変種は配列番号2および4を参
照して下に考察したいずれの方法においても野生型配列と異なっていてよい。
ヘリカーゼは、上に考察したもののいずれであってもよい。ヘリカーゼ二量体および多
量体は下に詳細に考察される。ポリヌクレオチド結合成分は、ヘリカーゼ由来のポリヌク
レオチド結合ドメインであってよい。例えばポリヌクレオチド結合成分は、配列番号10
5または106に示す配列またはその変種を好ましくは含む。配列番号105または10
6の変種は、配列番号105または106のものから変化しているアミノ酸配列を有し、
ポリヌクレオチド結合活性を保持しているタンパク質である。これは、上に記載のとおり
測定され得る。変種は、ポリヌクレオチドの結合を促進するならびに/または高塩濃度お
よび/もしくは室温での活性を促進する修飾を含む場合がある。
配列番号105または106のアミノ酸配列の全長にわたって変種は、アミノ酸同一性
に基づいてその配列に好ましくは少なくとも50%相同性である。より好ましくは変種ポ
リペプチドは、アミノ酸同一性に基づいて配列番号105または106のアミノ酸配列の
配列の全長にわたって少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なく
とも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90
%およびより好ましくは少なくとも95%、97%または99%相同性であってよい。少
なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%または95%のアミノ酸同一性が40
以上のストレッチ、例えば50、60、70または80以上の連続するアミノ酸にわたっ
てあり得る(「高い相同性」)。相同性は下に記載のとおり決定される。変種は配列番号
2および4を参照して下に考察したいずれの方法においても野生型配列と異なっていてよ
い。
トポイソメラーゼは、好ましくは成分分類(EC)群5.99.1.2および5.99
.1.3のいずれかのメンバーである。
ポリヌクレオチド結合成分は、上に考察したいずれの酵素であってもよい。
成分は、明示用標識(revealing label)で標識されてよい。標識は、上に記載のもの
のいずれであってもよい。
成分は、大腸菌(E. coli)、T.サーモフィルス(T. thermophilus)またはバクテリ
オファージ、などの任意の成分産生生物から単離され得る、または合成的もしくは組換え
的手段によって作製できる。例えば成分は、下に記載のとおりin vitro 翻訳お
よび転写によって合成出来る。成分は、下に記載のとおり大規模に産生されてよく、精製
が続く。
ヘリカーゼオリゴマー
上の考察から明らかであるとおり、ポリヌクレオチド結合成分は、ヘリカーゼに好まし
くは由来する。例えばそれは、ヘリカーゼ由来ポリヌクレオチドドメインであってよい。
成分は、1つまたは複数のヘリカーゼをより好ましくは含む。ヘリカーゼは、本発明のヘ
リカーゼを含む上に考察したもののいずれであってもよい。そのような実施形態では本発
明の構築物は、ヘリカーゼの少なくとも1つが本発明により修飾されており、互いに付着
している2個以上のヘリカーゼを当然ながら含む。構築物は、2つ、3つ、4つ、5つま
たはそれ以上のヘリカーゼを含んで良い。換言すると本発明の構築物は、ヘリカーゼ二量
体、ヘリカーゼ三量体、ヘリカーゼ四量体、ヘリカーゼ五量体などを含んでよい。
2つ以上のヘリカーゼは、任意の方向で互いに付着していてよい。同一または類似のヘ
リカーゼは、各ヘリカーゼ中の同一のアミノ酸位置または空間的に近接しているアミノ酸
位置を介して付着してよい。これは、「ヘッドトゥーヘッド」編成と呼ばれる。代替的に
同一または類似のヘリカーゼは、各ヘリカーゼの反対または異なる側の位置を介して付着
してよい。これは、「ヘッドトゥーテール」編成と呼ばれる。3つの同一のまたは類似の
ヘリカーゼを含むヘリカーゼ三量体は、ヘッドトゥーヘッドおよびヘッドトゥーテール編
成の両方を含む場合がある。
2つ以上のヘリカーゼは、互いに異なっていてよい(すなわち構築物はヘテロ二量体、
三量体、四量体または五量体などである)。例えば本発明の構築物は:(a)1つもしく
は複数のHel308ヘリカーゼおよび1つもしくは複数のXPDヘリカーゼ;(b)1
つもしくは複数のHel308ヘリカーゼおよび1つもしくは複数のRecDヘリカーゼ
;(c)1つもしくは複数のHel308ヘリカーゼおよび1つもしくは複数のTraI
ヘリカーゼ;(d)1つもしくは複数のXPDヘリカーゼおよび1つもしくは複数のRe
cDヘリカーゼ;(e)1つもしくは複数のXPDヘリカーゼおよび1つもしくは複数の
TraIヘリカーゼ;または(f)1つもしくは複数のRecDヘリカーゼおよび1つも
しくは複数のTraIヘリカーゼを含む場合がある。構築物は、同じヘリカーゼの2つの
異なる変種を含む場合がある。例えば構築物は、各変種において異なる位置に導入された
1つまたは複数のシステイン残基またはFaz残基を有する、上に考察したヘリカーゼの
内の1つの2つの変種を含む場合がある。この場合ヘリカーゼは、ヘッドトゥーテール編
成であってよい。好ましい実施形態では、Q442Cを含む配列番号10の変種はシステ
イン連結を介してQ557Cを含む配列番号10の変種に付着されてよい。Hel308
MbuのCys変異体は、必要に応じてヘテロ二量体に作製されてもよい。この手法では
Hel308Mbu−Q442CおよびHel308Mbu−Q577Cなどの2つの異
なるCys変異体対は、ヘッドトゥーテール様式で連結されてよい。ヘテロ二量体は、2
つの可能な方法で形成されてもよい。第一は、上に考察したホモ二機能性リンカーの使用
を含む。ヘリカーゼ変種の1つは、1つのリンカーがタンパク質の1分子に付着されるよ
うに大過剰量のリンカーで修飾されてよい。このリンカー修飾変種は、次いで未修飾タン
パク質、潜在的ホモ二量体、および他のヘリカーゼ変種と反応する未反応リンカーから精
製されてよい。得られた二量体は、次いで他の分子種から精製されてよい。
第二は、ヘテロ二機能性リンカーの使用を含む。例えばヘリカーゼ変種の1つは、一方
の末端にマレイミドまたはヨードアセトアミド官能基および他方の末端にシクロオクチン
官能基(DIBO)を含有する第一のPEGリンカーで修飾されてよい。この一例は下に
示される:
第二のヘリカーゼ変種は、一方の末端にマレイミドまたはヨードアセトアミド官能基お
よび他方の末端にアジド官能基を含有する第二のPEGリンカーで修飾されてよい。一例
を下に示す:
2つの異なるリンカーを有する2つのヘリカーゼ変種は、次いで精製され、二量体を作
製するために合わせてクリック(銅フリークリックケミストリーを使用する)されてよい
。銅フリークリックケミストリーは、その望ましい特徴によりこれらの応用において使用
されている。例えばそれは、迅速、清潔およびタンパク質に無毒である。しかし他の好適
な生体直交型化学は、これだけに限らないが、シュタウディンガー化学、ヒドラジンまた
はヒドラジド/アルデヒドまたはケトン試薬(HyNic+4FB化学、全てのSolu
link(商標)試薬を含む)、ディール・アルダー試薬対およびボロン酸/サリチルヒ
ドロキサム酸試薬を含む。
同じヘリカーゼの2つの異なる変種を連結するこれらの2つの方法は、2つの異なるヘ
リカーゼの二量体およびヘリカーゼポリメラーゼ二量体などのヘリカーゼと成分とが互い
に異なっている上に考察した構築物のいずれについても有効である。
類似の方法がさまざまなFaz変種を連結するために使用され得る。1つのFaz変種
(Q442Fazを含む配列番号10など)は、1つのリンカーがタンパク質の1つの分
子に付着されるように大過剰量のリンカーで修飾されてよい。このリンカー修飾Faz変
種は、次いで未修飾タンパク質、潜在的ホモ二量体、および第二のFaz変種(Q577
Fazを含む配列番号10など)と反応する未反応リンカーから精製されてよい。得られ
た二量体は、次いで他の分子種から精製されてよい。
ヘテロ二量体は、同じヘリカーゼまたは異なるヘリカーゼのシステイン変種とFaz変
種とを連結することによっても作製できる。例えば任意の上のシステイン変種(Q442
Cを含む配列番号10など)は、任意の上のFaz変種(Q577Fazを含む配列番号
10など)と二量体を作製するために使用できる。一方の末端にマレイミドまたはヨード
アセトアミド官能性および他方の末端にDBCO官能性を有するヘテロ二機能性PEGリ
ンカーは、この変異体の組合せにおいて使用できる。そのようなリンカーの一例は、下に
示されている(DBCO−PEG4−マレイミド):
リンカーの長さは、2つの官能基間のPEG単位の数を変えることによって変更できる
ヘリカーゼヘテロ三量体は、Hel308ヘリカーゼ、XPDヘリカーゼ、RecDヘ
リカーゼ、TraIヘリカーゼおよびこれらの変種から選択される3種の異なる型のヘリ
カーゼを含んでよい。3個より多いヘリカーゼを含むオリゴマーについても同様である。
構築物中の2つ以上のヘリカーゼは、配列番号10、22、33または52の異なる変種
などの同じヘリカーゼの異なる変種であってよい。異なる変種は、異なる位置を介する付
着を促進するために異なる位置で修飾されてよい。ヘテロ三量体は、したがってヘッドト
ゥーテールおよびヘッドトゥーヘッド編成である場合がある。
本発明の構築物中の2つ以上のヘリカーゼは、互いに同じであってよい(すなわち構築
物はホモ二量体、三量体、四量体または五量体などである)。ホモオリゴマーは、2つ以
上のHel308ヘリカーゼ、2つ以上のXPDヘリカーゼ、2つ以上のRecDヘリカ
ーゼ、2つ以上のTraIヘリカーゼまたは2つ以上の上に考察した任意の変種を含んで
よい。そのような実施形態ではヘリカーゼは、各ヘリカーゼ中の同じ位置を使用して好ま
しくは付着している。ヘリカーゼは、したがってヘッドトゥーヘッドで付着している。ヘ
リカーゼは、同じ位置でヘリカーゼに置換されているシステイン残基またはFaz残基を
使用して連結されてよい。同一のヘリカーゼ変種中のシステイン残基は、マレイミドまた
はヨードアセトアミドなどのチオール反応性基を含有するホモ二機能性リンカーを使用し
て連結されてよい。これらの官能基は、次の例のとおりポリエチレングリコール(PEG
)鎖の末端にあってよい:
リンカーの長さは、必要とされる応用に合わせて変更できる。例えばnは、2、3、4
、8、11、12、16またはそれ以上であってよい。PEGリンカーは、水溶性などの
好都合な特徴を有することから好適である。他の非PEGリンカーもシステイン連結にお
いて使用できる。
同様の手法を使用することによって同一のFaz変種は、ホモ二量体に作製され得る。
DIBO官能基を有するホモ二機能性リンカーは、Cu2+フリークリック化学を使用し
てホモ二量体を作製するために、同じFaz変種の2分子を連結するために使用できる。
リンカーの一例は下に示されている:
PEGリンカーの長さは、2、4、8、12、16またはそれ以上のPEG単位を含ん
で変化してよい。そのようなリンカーは、定量を容易にするために蛍光タグを組み込んで
作製されてもよい。そのような蛍光タグは、マレイミドリンカーにも組み込まれ得る。
本発明は、本発明のヘリカーゼおよび、配列番号130(メタノピュルス・カンドレリ
(Methanopyrus kandleri)由来トポイソメラーゼV由来H−Lドメイン;配列番号12
9)を含むアミノ酸配列または配列番号130の配列全体にわたってアミノ酸同一性に基
づいて配列番号130に少なくとも80%相同を有するその変種を含む構築物であって、
ヘリカーゼがアミノ酸配列に付着しており、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を有
する構築物も提供する。ヘリカーゼは上に考察した任意の方法でアミノ酸配列に付着して
よい。
本発明の好ましい構築物は、下の表6に示されている。各列は、左側のカラムのヘリカ
ーゼが右側のカラムの追加的ポリヌクレオチド結合成分に本発明により付着している好ま
しい構築物を示す。右側のカラムのポリヌクレオチド結合成分がヘリカーゼである場合、
それも本発明のヘリカーゼであり得る。
ポリヌクレオチド配列
本明細書に記載の任意のタンパク質は、当技術分野において公知の方法を使用して発現
され得る。ポリヌクレオチド配列は、当技術分野における標準的方法を使用して単離およ
び複製され得る。染色体DNAは、メタノコッコイデス・ブルトニイ(Methanococcoides
burtonii)などのヘリカーゼ産生生物からおよび/または大腸菌(E. coli)などのSS
B産生生物から抽出され得る。目的の配列をコードしている遺伝子は、特異的プライマー
を伴うPCRを使用して増幅され得る。増幅された配列は、次いでクローニングベクター
などの組換え複製可能ベクターに組み込まれてよい。ベクターは、適合性の宿主細胞にお
いてポリヌクレオチドを複製するために使用され得る。したがってポリヌクレオチド配列
は、目的の配列をコードしているポリヌクレオチドを複製可能ベクターに導入し、ベクタ
ーを適合性の宿主細胞に導入し、ベクターの複製をもたらす条件下で宿主細胞を増殖させ
ることによって作製され得る。ベクターは宿主細胞から回収され得る。ポリヌクレオチド
のクローニングのために好適な宿主細胞は、当技術分野において公知であり、下により詳
細に記載される。
ポリヌクレオチド配列は、好適な発現ベクターにクローニングされてよい。発現ベクタ
ーではポリヌクレオチド配列は、典型的には、宿主細胞によるコード配列の発現をもたら
すことができる制御配列に作動可能に連結される。そのような発現ベクターは構築物を発
現するために使用され得る。
用語「作動可能に連結する」は、記載される構成成分がそれらが意図する様式で機能す
る関係の近位にあることを指す。コード配列に「作動可能に連結される」制御配列は、コ
ード配列の発現が制御配列と適合性である条件下で達成されるような方法でライゲーショ
ンされる。同じまたは異なるポリヌクレオチドの複数のコピーは、ベクターに導入されて
よい。
発現ベクターは、次いで好適な宿主細胞に導入されてよい。それにより構築物は、構築
物をコードしているポリヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入し、ベクターを適合性の
細菌宿主細胞に導入し、ポリヌクレオチド配列の発現をもたらす条件下で宿主細胞を増殖
させることによって産生され得る。
ベクターは、複製開始点、場合により前記ポリヌクレオチド配列の発現のためのプロモ
ーターおよび場合によりプロモーターのレギュレーターと共に提供される例えば、プラス
ミド、ウイルスまたはファージベクターであってよい。ベクターは、1つまたは複数の選
択可能マーカー遺伝子、例えばアンピリシン耐性遺伝子を含有してよい。プロモーターお
よび他の発現調節シグナルは、発現ベクターが設計された宿主細胞に適合性であるように
選択されてよい。T7、trc、lac、araまたはλプロモーターは典型的には使
用される。
宿主細胞は、典型的には高いレベルで構築物を発現する。ポリヌクレオチド配列で形質
転換される宿主細胞は、細胞を形質転換するために使用される発現ベクターに適合性であ
るように選ばれる。宿主細胞は、典型的には細菌性、好ましくは大腸菌(E. coli)であ
る。λDE3溶原菌を有する任意の細胞、例えばC41(DE3)、BL21(DE3)
、JM109(DE3)、B834(DE3)、TUNER、OrigamiおよびOr
igami Bは、T7プロモーターを含むベクターを発現できる。
本発明の方法
本発明は、標的ポリヌクレオチドの移動を制御する方法を提供する。方法は、標的ポリ
ヌクレオチドを本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物と接触させ、それによりポリヌ
クレオチドの移動を制御するステップを含む。方法は、好ましくはポアに電位が印加され
て実行される。下により詳細に考察されるとおり、印加された電位は、ポアとヘリカーゼ
または構築物との複合体の形成を典型的には生じる。印加された電位は、電圧電位であっ
てよい。代替的に印加された電位は、化学電位であってよい。この一例は、両親媒性層全
体に塩勾配を用いている。塩勾配は、Holdenら、J Am Chem Soc. 2007 Jul 11;129(27):8
650-5に開示されている。
本発明は標的ポリヌクレオチドを特性決定する方法も提供する。方法は、
(a)標的ポリヌクレオチドを膜貫通ポアおよび本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築
物に接触させて、ヘリカーゼまたは構築物がポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制
御するステップを含む。方法は、(b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときに
1つまたは複数の測定値を取るステップであって、測定値が標的ポリヌクレオチドの1つ
または複数の特性の指標であり、それにより標的ポリヌクレオチドを特性決定するステッ
プも含む。
ステップ(a)および(b)は、上に考察したとおり好ましくはポアに電位が印加され
て実行される。いくつかの場合では、ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときにポ
アを通る電流が標的ポリヌクレオチドの配列を決定するために使用される。これは、鎖配
列決定法である。
本発明の方法は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためである。ポリヌクレオチド
は上に定義されている。
標的ポリヌクレオチドの全体または部分だけは、本方法を用いて特性付けられ得る。標
的ポリヌクレオチドは、任意の長さであってよい。例えばポリヌクレオチドは、長さ少な
くとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200
、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500ヌク
レオチド対であってよい。ポリヌクレオチドは、1000ヌクレオチド対以上、長さ50
00ヌクレオチド対以上または長さ100000ヌクレオチド対以上であってよい。
標的ポリヌクレオチドは、任意の好適な試料中に存在する。本発明は、標的ポリヌクレ
オチドを含有することが公知であるまたは含有すると考えられる試料について典型的には
実行される。代替的に本発明は、1つまたは複数の標的ポリヌクレオチドの同一性を確認
するために試料中でのその存在が公知であるまたは期待される試料について実行され得る
試料は生物学的試料であってよい。本発明は、任意の生物または微生物から得られたま
たは抽出された試料についてin vitroで実行されてよい。生物または微生物は典
型的には古細菌のもの、原核性または真核性であり、典型的には五界:植物界、動物界、
菌界、モネラ界および原生生物界の1つに属する。本発明は、任意のウイルスから得られ
たまたは抽出された試料についてin vitroで実行されてよい。試料は、好ましく
は液体試料である。試料は典型的には、患者の体液を含む。試料は尿、リンパ液、唾液、
粘液または羊水であってよいが、好ましくは血液、血漿または血清である。典型的には試
料は、ヒト由来であるが、代替的に、ウマ、ウシ、ヒツジまたはブタなどの商業的に飼育
される動物由来などの別の哺乳動物由来であってもよく、代替的にネコまたはイヌなどの
愛玩動物であってもよい。代替的に植物由来の試料は、穀類、マメ、果実または野菜など
の商品作物(例えばコムギ、オオムギ、カラスムギ、セイヨウアブラナ、トウモロコシ、
ダイズ、イネ、バナナ、リンゴ、トマト、ジャガイモ、ブドウ、タバコ、マメ、レンズマ
メ、サトウキビ、ココア、ワタ)から典型的には得られる。
試料は、非生物学的試料であってよい。非生物学的試料は、好ましくは液体試料である
。非生物学的試料の例は、手術用液(surgical fluids)、水(飲料水、海水または河川
水など)および検査室検査のための試薬を含む。
試料は、典型的にはアッセイされる前に例えば遠心分離によってまたは、不要の分子ま
たは細胞(赤血球細胞など)をろ過して除く膜を通すことによって処理される。試料は採
取されてから直ちに測定されてよい。試料は、典型的にはアッセイの前に好ましくは−7
0℃より低くで、保存されてもよい。
膜貫通ポアは、ある程度膜を超える構造である。それは印加された電位によって駆動さ
れた水和イオンが膜を超えてまたは膜内に流れるようにする。膜貫通ポアは、典型的には
膜全体を超え、それにより水和イオンは膜の一方の側から膜の他方の側へ流れられる。し
かし膜貫通ポアは、膜を超えている必要はない。それは、一方の端で閉じていてもよい。
例えばポアは、水和イオンが膜に沿ってまたは膜内に流れ得る穴であってもよい。
任意の膜貫通ポアが本発明において使用され得る。ポアは、生物学的または人工であっ
てよい。好適なポアは、これだけに限らないが、タンパク質ポア、ポリヌクレオチドポア
およびソリッドステートポアを含む。
任意の膜が本発明により用いられ得る。好適な膜は、当技術分野において周知である。
膜は、好ましくは両親媒性層である。両親媒性層は、少なくとも1つの親水性の部分およ
び少なくとも1つの親油性または疎水性の部分の両方を有するリン脂質などの両親媒性分
子から形成される層である。両親媒性分子は合成または天然に存在するものでよい。天然
に存在しない両親媒性物質、および単層を形成する両親媒性物質は当技術分野において公
知であり、例えば7s(Gonzalez-Perezら、Langmuir、2009、25、10447-10450)を含む
。ブロック共重合体は、2つ以上の単量体サブユニットが1本のポリマー鎖を作るように
併せて重合されている重合体材料である。ブロック共重合体は、典型的には各単量体サブ
ユニットによって寄与される特徴を有する。しかし、ブロック共重合体は、個々のサブユ
ニットから形成されたポリマーが有さない特有の特徴を有する場合がある。ブロック共重
合は、単量体サブユニットの1つが疎水性(すなわち親油性)である一方で他のサブユニ
ット(複数可)が水性媒体中では親水性であるように操作されてよい。この場合ブロック
共重合体は、両親媒性特徴を有する場合があり、生物学的膜を模倣する構造を形成できる
。ブロック共重合体は、ジブロック(2個の単量体サブユニットからなる)であってよい
が、両親媒性物質として振る舞うさらに複雑な配置を形成するために2個より多い単量体
サブユニットから構築されてもよい。共重合体はトリブロック、テトラブトックまたはペ
ンタブロック共重合体であってもよい。
両親媒性層は、単層または二重層であってよい。両親媒性層は、典型的には平面状脂質
二重層または支持された二重層である。
両親媒性層は典型的には、脂質二重層である。脂質二重層は細胞膜のモデルであり、さ
まざまな実験研究のための優れたプラットフォームとして役立つ。例えば、脂質二重層は
、単一チャネル記録による膜タンパク質のin vitro調査のために用いられ得る。
代替的に脂質二重層は、さまざまな物質の存在を検出するためのバイオセンサーとして用
いられ得る。脂質二重層は、任意の脂質二重層であってよい。好適な脂質二重層は、これ
だけに限らないが平面状脂質二重層、支持された二重層またはリポソームを含む。脂質二
重層は好ましくは平面状脂質二重層である。好適な脂質二重層は、国際出願第PCT/G
B08/000563号(WO2008/102121として公開)、国際出願第PCT
/GB08/004127号(WO2009/077734として公開)および国際出願
第PCT/GB2006/001057号(WO2006/100484として公開)に
開示されている。
脂質二重層を形成するための方法は、当技術分野において公知である。好適な方法は実
施例に開示する。脂質二重層は、脂質単層が水溶液/空気界面にその界面に垂直である開
口部のいずれかの端を通って運ばれる、モンタルおよびミューラーの方法(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA.、1972;69:3561-3566)によって一般的には形成される。
モンタルおよびミューラーの方法は、タンパク質ポア挿入のために好適である良質な脂
質二重層を形成する対費用効果が高くて比較的簡単な方法であることから一般的である。
二重層形成の他の一般的方法は、チップディッピング、ペインティング二重層およびリポ
ソーム二重層のパッチクランピングを含む。
好ましい実施形態では、脂質二重層は国際出願第PCT/GB08/004127号(
WO2009/077734として公開)に記載のとおり形成される。
別の好ましい実施形態では、膜は、ソリッドステート層である。ソリッドステート層は
生物由来ではない。換言すると、ソリッドステート層は、生物または細胞などの生物学的
環境由来でなく、またはそれから単離されず、生物学的に入手可能な構造の合成的に製造
されたバージョンでもない。ソリッドステート層は、これだけに限らないがミクロ電子材
料、Si、A1およびSiOなどの絶縁材料、ポリアミドなどの有機および
無機ポリマー、Teflon(登録商標)などのプラスチックまたは2要素添加硬化シリ
コンゴム(two-component addition-cure silicone rubber)などのエラストマーならび
にガラスを含む有機材料ならびに無機材料の両方から形成され得る。ソリッドステート層
は、グラフェン(graphene)などの一原子層からまたは数原子厚だけである層から形成さ
れ得る。好適なグラフェン(graphene)層は、国際出願第PCT/US2008/010
637号(WO2009/035647として公開)に開示されている。
方法は、(i)ポアを含む人工両親媒性層、(ii)ポアを含む単離された天然に存在
する脂質二重層、または(iii)挿入されたポアを有する細胞を用いて典型的には実行
される。方法は、人工脂質二重層などの人工両親媒性層を用いて典型的には実行される。
両親媒性層は、ポアに加えて他の膜貫通タンパク質および/または膜内タンパク質ならび
に他の分子を含んでもよい。好適な装置および条件は、下に考察される。本発明の方法は
、典型的にはin vitroで実行される。
ポリヌクレオチドは、膜にカップリングされ得る。これは、任意の公知の方法を用いて
され得る。膜が脂質二重層などの両親媒性層である場合は(下に詳細に考察されるとおり
)、ポリヌクレオチドは、膜に存在するポリペプチドまたは膜に存在する疎水性アンカー
を介して膜に好ましくはカップリングされる。疎水性アンカーは、好ましくは脂質、脂肪
酸、ステロール、カーボンナノチューブまたはアミノ酸である。
ポリヌクレオチドは膜に直接カップリングされ得る。ポリヌクレオチドは好ましくは膜
にリンカーを介してカップリングされる。好ましいリンカーは、これだけに限らないがポ
リヌクレオチド、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリペプチドなどのポリマー
を含む。ポリヌクレオチドが膜に直接カップリングされる場合、膜とヘリカーゼとの間の
距離のためにポリヌクレオチドの末端まで特性決定が継続できないことから、いくらかの
データが失われる。リンカーが用いられる場合、ポリヌクレオチドは完了まで処理され得
る。リンカーが用いられる場合、リンカーはポリヌクレオチドの任意の位置に付着され得
る。リンカーは、テールポリマーでポリヌクレオチドに典型的には付着される。
カップリングは、安定または一過的であってよい。ある種の応用に関してカップリング
の一過的な性質は好ましい。安定カップリング分子がポリヌクレオチドの5’末端または
3’末端のいずれかに直接付着された場合、二重層とヘリカーゼ活性部位との間の距離の
ためにポリヌクレオチドの末端まで特性決定が継続できないことから、いくらかのデータ
が失われる。カップリングが一過的である場合、カップリングされた端は無作為に二重層
から遊離し、ポリヌクレオチドは完了まで処理され得る。安定なまたは一過的連結を膜と
形成する化学基は、下により詳細に考察される。ポリヌクレオチドは、コレステロール(
cholesterol)または脂肪酸アシル鎖を用いて脂質二重層などの両親媒性層に一過的にカ
ップリングされ得る。ヘキサデカン酸などの長さ6から30までの炭素原子を有する任意
の脂肪酸アシル鎖は用いられ得る。
好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、両親媒性層にカップリングされる。合成
脂質二重層へのポリヌクレオチドのカップリングは、種々の異なるテザーリング戦略で既
に実行されている。これらを下の表7に要約する。
ポリヌクレオチドは、合成反応において修飾ホスホラミダイトを用いて官能基化される
ことができ、チオール、コレステロール(cholesterol)、脂質およびビオチン基などの
反応基の付加に容易に適合される。これらのさまざまな付着化学物質は、ポリヌクレオチ
ドに一連の付着選択肢をもたらす。さまざまな各修飾基は、わずかに異なる方法でポリヌ
クレオチドを繋ぎ止め、カップリングは常に永久的ではなく、二重層へのさまざまな残存
時間をポリヌクレオチドにもたらす。一過的カップリングの有利点は、上に考察される。
ポリヌクレオチドのカップリングは、反応基がポリヌクレオチドに付加され得る限り多
数の他の手段によっても達成され得る。DNAのいずれかの端への反応基の付加は既に報
告されている。チオール基はポリヌクレオチドキナーゼおよびATPγSを用いてssD
NAの5’に付加され得る(Grant,G.P.およびP.Z.Qin (2007) "A facile method for att
aching nitroxide spin labels at the 5' terminus of nucleic acids." Nucleic Acids
Res 35(10):e77)。ビオチン、チオールおよびフルオロフォア(fluorophore)などの化
学基のより多様な選択は、修飾オリゴヌクレオチドをssDNAの3’に組み込むために
ターミナルトランスフェラーゼを用いて付加され得る(Kumar,A.,P.Tchenら、(1988)."Non
radioactive labeling of synthetic oligonucleotide probes with terminal deoxynucl
eotidyl transferase." Anal Biochem 169(2):376-82)。
代替的に反応基は、二重層に既にカップリングされたものに相補的なDNAの短片の付
加のために考慮される場合があり、付着はハイブリダイゼーションを介して達成され得る
。ssDNAの短片のライゲーションは、T4RNAリガーゼIを用いて報告されている
(Troutt,A.B.,M.G.McHeyzer-Williamsら、(1992)."Ligation-anchored PCR: a simple am
plification technique with single-sided specificity." Proc Natl Acad Sci U S A 8
9(20):9823-5)。代替的にssDNAまたはdsDNAのいずれかは、天然dsDNAに
ライゲーションされることができ、次いで2本鎖は熱的または化学的変性によって分離さ
れた。天然dsDNAについて、ssDNAの1片を二重鎖の1つもしくは両方の端に、
またはdsDNAを1つまたは両方の端へのいずれかで付加できる。次いで、二重鎖が融
解される際に、ssDNAが5’末端、3’末端もしくは両端でのライゲーションもしく
は修飾のために用いられ、dsDNAがライゲーションのために用いられた場合、各一重
鎖は5’または3’修飾のいずれかを有する。ポリヌクレオチドが合成鎖である場合、カ
ップリング化学はポリペプチドの化学合成の際に組み込まれ得る。ここ例えばポリヌクレ
オチドは、付着された反応基を有するプライマーを用いて合成され得る。
ゲノムDNAのセクションの増幅のための一般的技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を用いている。本明細書では、2個の合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてD
NAの同じセクションの多数の複製物が作製される場合があり、各複製物について二重鎖
中の各鎖の5’は合成ポリヌクレオチドである。コレステロール(cholesterol)、チオ
ール(thiol)、ビオチン(biotin)または脂質などの反応基を有するアンチセンスプラ
イマーを用いるステップによって、増幅された標的DNAの各複製物は、カップリングの
ための反応基を含有する。
膜貫通ポアは、好ましくは膜貫通タンパク質ポアである。膜貫通タンパク質ポアは、分
析物などの水和イオンが膜の一方の側から膜の他方の側へ流れるようにするポリペプチド
またはポリペプチドの集積物である。本発明では膜貫通タンパク質ポアは、水和イオンが
印加された電位によって膜の一方の側から他方へ流れるように駆動されるようにするポア
を形成できる。膜貫通タンパク質ポアは、ヌクレオチドなどの分析物が膜(脂質二重層な
ど)の一方の側から他方へ流れるように好ましくはする。膜貫通タンパク質ポアは、DN
AまたはRNAなどのポリヌクレオチドがポアを通って移動されることを可能にする。
膜貫通タンパク質ポアは、単量体またはオリゴマーであってよい。ポアは、いくつかの
反復サブユニット(6、7、8または9サブユニット)から好ましくは作られる。ポアは
好ましくは六量体、七量体、八量体または九量体ポアである。
膜貫通タンパク質ポアは、イオンが通って流れることができるバレルまたはチャネルを
典型的には含む。ポアのサブユニットは、典型的には中央軸を取り囲み、膜貫通βバレル
もしくはチャネルまたは膜貫通αヘリックス束もしくはチャネルに鎖を供する。
膜貫通タンパク質ポアのバレルまたはチャネルは、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドま
たは核酸などの分析物との相互作用を促進するアミノ酸を典型的には含む。これらのアミ
ノ酸は、バレルまたはチャネルの狭窄部付近に好ましくは位置する。膜貫通タンパク質ポ
アは、アルギニン、リシンもしくはヒスチジンなどの1つもしくは複数の正に荷電したア
ミノ酸またはチロシンもしくはトリプトファンなどの芳香族アミノ酸を典型的には含む。
これらのアミノ酸は、ポアとヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたは核酸との間の相互作
用を典型的には促進する。
本発明による使用のための膜貫通タンパク質ポアは、β−バレルポアまたはα−ヘリッ
クス束ポアから生じ得る。β−バレルポアは、β−鎖から形成されるバレルまたはチャネ
ルを含む。好適なβ−バレルポアは、これだけに限らないが、α−ヘモリジン(hemolysi
n)、炭疽毒素およびロイコシジン(leukocidin)などのβ−毒素、スメグマ菌(Mycobac
terium smegmatis)ポリン(porin)(Msp)、例えばMspA、MspB、MspC
またはMspD、外膜ポリン(porin)F(OmpF)、外膜ポリン(porin)G(Omp
G)、外膜ホスホリパーゼAおよびナイセリア(Neisseria)オートトランスポーターリ
ポタンパク質(NalP)などの細菌の外膜タンパク質/ポリン(porin)を含む。α−
ヘリックス束ポアは、α−ヘリックスから形成されたバレルまたはチャネルを含む。好適
なα−ヘリックス束ポアは、これだけに限らないが内膜タンパク質ならびに、WZAおよ
びClyA毒などのα外膜タンパク質を含む。膜貫通ポアは、Msp由来またはα−ヘモ
リジン(α−HL)由来である場合がある。
膜貫通タンパク質ポアは、好ましくはMspに由来し、好ましくはMspAに由来する
。そのようなポアはオリゴマーであり、典型的にはMsp由来の7、8、9または10個
の単量体を含む。ポアは、同一の単量体を含むMsp由来のホモオリゴマーポアであって
よい。代替的にポアは、少なくとも1個の他とは異なる単量体を含むMsp由来のヘテロ
オリゴマーポアであってもよい。好ましくはポアは、MspAまたはその相同体もしくは
パラログ由来である。
Msp由来の単量体は典型的には、配列番号2に示す配列またはその変種を含む。配列
番号2はMspA単量体のMS−(B1)8変異体である。それは次の変異:D90N、
D91N、D93N、D118R、D134RおよびE139Kを含む。配列番号2の変
種は、配列番号2のものから変化し、ポアを形成する能力を保持しているアミノ酸配列を
有するポリペプチドである。ポアを形成する変種の能力は、当技術分野において公知の任
意の方法を用いてアッセイされ得る。例えば変種は、他の適切なサブユニットと共に両親
媒性層に挿入されることができ、ポアを形成するためにオリゴマー化するその能力は測定
され得る。サブユニットを両親媒性層などの膜に挿入するための方法は、当技術分野にお
いて公知である。例えばサブユニットは、脂質二重層に拡散し、脂質二重層に結合するス
テップおよび機能的状態に会合するステップによって挿入されるように脂質二重層を含有
する溶液中に精製された形態で懸濁され得る。代替的にサブユニットは、M.A.Holden,H.B
ayley.J.Am.Chem.Soc.2005、127、6502-6503および国際出願第PCT/GB2006/0
01057号(WO2006/100484として公開)に記載の「ピックアンドプレー
ス」法を用いて膜に直接挿入され得る。
配列番号2のアミノ酸配列の全長にわたって変種は、アミノ酸同一性に基づいてその配
列に好ましくは少なくとも50%相同である。より好ましくは変種は、配列全体にわたっ
て配列番号2のアミノ酸配列にアミノ酸同一性に基づいて少なくとも55%、少なくとも
60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、
少なくとも85%、少なくとも90%およびより好ましくは少なくとも95%、97%ま
たは99%相同である。少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%または95
%のアミノ酸同一性が100以上(例えば125、150、175もしくは200または
それ以上)のストレッチの連続アミノ酸にわたってある場合がある(「高い相同性」)。
相同性を決定するために当技術分野における標準的方法が用いられ得る。例えばUWG
CGパッケージは、相同性を算出するために用いられ得るBESTFITプログラム(例
えばその初期設定で用いられる)を提供する(Devereuxら、(1984) Nucleic Acids Resea
rch 12、387-395頁)。PILEUPおよびBLASTアルゴリズムは、相同性を算出す
るためまたは配列を列挙するために(等価残基または対応する配列を同定するステップな
ど(典型的にはその初期設定で))用いられ得る、例えばAltschul S.F.(1993)J Mol Evo
l 36:290-300;Altschul,S.Fら、(1990) J Mol Biol 215:403-10に記載のとおり。BLA
ST分析を実施するためのソフトウエアは、the National Center
for Biotechnology Information(http://www
.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公開で入手可能である。
配列番号2は、MspA単量体のMS−(B1)8変異体である。変種は、MspAと
比較してMspB、CまたはD単量体中の任意の変異を含み得る。MspB、CおよびD
の成熟形態は配列番号5から7に示される。詳細には変種は、MspBに存在する次の置
換:A138Pを含む場合がある。変種は、MspCに存在する次の置換:A96G、N
102EおよびA138Pの1つまたは複数を含む場合がある。変種はMspDに存在す
る次の置換:G1の欠失、L2V、E5Q、L8V、D13G、W21A、D22E、K
47T、I49H、I68V、D91G、A96Q、N102D、S103T、V104
I、S136KおよびG141Aの1つまたは複数を含む場合がある。変種は、MspB
、CおよびD由来の1つまたは複数の変異および置換の組合せを含み得る。変種は、好ま
しくは変異L88Nを含む。配列番号2の変種は、MS−(B1)8の全変異に加えて変
異L88Nを有し、MS−(B2)8と称される。本発明において用いられるポアは、好
ましくはMS−(B2)8である。さらに好ましい変種は、変異G75S/G77S/L
88N/Q126Rを含む。配列番号2の変種は変異G75S/G77S/L88N/Q
126RをMS−(B1)8の全ての変異に加えて含み、MS−(B2C)8と称される
。本発明において使用されるポアは、好ましくはMS−(B2)8またはMS−(B2C
)8である。
アミノ酸置換は、上に考察したものに加えて配列番号2のアミノ酸配列に作出され得る
(例えば1、2、3、4、5、10、20または30置換まで)。保存的置換は、アミノ
酸を同様の化学構造、同様の化学的特性または同様の側鎖容積を有する他のアミノ酸で置
き換える。導入されるアミノ酸は、それらが置き換えるアミノ酸と同様の極性、親水性、
疎水性、塩基性度、酸性度、中性度または電荷を有してよい。代替的に保存的置換は、既
存の芳香族または脂肪族アミノ酸の代わりに芳香族または脂肪族である別のアミノ酸を導
入する場合がある。保存的アミノ酸変更は、当技術分野において周知であり、下の表8に
定義のとおり20種の主なアミノ酸の特性に従って選択され得る。アミノ酸が同様の極性
を有する場合、これは表9におけるアミノ酸側鎖についてのハイドロパシースケールを参
照することによっても決定され得る。
配列番号2のアミノ酸配列の1つまたは複数のアミノ酸残基は、上に記載のポリペプチ
ドから追加的に欠失され得る。1、2、3、4、5、10、20または30残基までまた
はそれ以上が欠失され得る。
変種は、配列番号2の断片を含み得る。そのような断片は、ポア形成活性を保持する。
断片は、長さ少なくとも50、100、150または200アミノ酸であってよい。その
ような断片は、ポアを生成するために用いられ得る。断片は、配列番号2のポア形成ドメ
インを好ましくは含む。断片は、配列番号2の残基88、90、91、105、118お
よび134の1つを含まなければならない。典型的には断片は、配列番号2の残基88、
90、91、105、118および134の全てを含む。
1つまたは複数のアミノ酸は、上に記載のポリペプチドに代替的または追加的に付加さ
れ得る。伸長は、配列番号2のアミノ酸配列またはそのポリペプチド変種もしくは断片の
アミノ末端またはカルボキシ末端に与えられ得る。伸長は極めて短い(例えば長さ1から
10アミノ酸)場合がある。代替的に伸長はより長くても(例えば50または100アミ
ノ酸まで)よい。担体タンパク質は、本発明によるアミノ酸配列に融合され得る。他の融
合タンパク質は、下により詳細に考察される。
上に考察したとおり変種は、配列番号2から変更され、ポアを形成する能力を保持して
いるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。変種は、ポア形成に関与する配列番号2
の領域を典型的には含有する。β−バレルを含有するMspのポア形成能力は、各サブユ
ニットのβシートによって与えられる。配列番号2の変種は、β−シートを形成する配列
番号2中の領域を典型的には含む。1つまたは複数の修飾が、得られる変種がポアを形成
する能力を保持する限り、β−シートを形成する配列番号2の領域に作出され得る。配列
番号2の変種は、置換、付加または欠失などの1つまたは複数の修飾をα−ヘリックスお
よび/またはループ領域内に好ましくは含む。
Msp由来の単量体は、それらの同定または精製を支援するために、例えばヒスチジン
残基(histタグ)、アスパラギン酸残基(aspタグ)、ストレプトアビジンタグも
しくはフラッグタグの付加によって、または(細胞からのそれらの分泌を促進するための
シグナル配列の付加によってポリペプチドが天然でそのような配列を含有しない場合に)
修飾され得る。遺伝子タグを導入するための別法は、ポア上の天然のまたは操作された位
置にタグを化学的に反応させることである。この例は、ポアの外側に操作されたシステイ
ンにゲルシフト試薬を反応させることである。これは、ヘモリジンヘテロ−オリゴマーを
分離するステップのための方法として実証されている(Chem Biol.1997 Jul;4(7):497-505
)。
Msp由来の単量体は、明示標識(revealing label)で標識され得る。明示標識は、
ポアが検出されるようにする任意の好適な標識であってよい。好適な標識は、上に記載さ
れている。
Msp由来の単量体は、D−アミノ酸を用いても生成され得る。例えばMsp由来の単
量体は、L−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物を含み得る。これは、そのようなタンパ
ク質またはペプチドを生成するための当技術分野における従来法である。
Msp由来の単量体は、ヌクレオチド識別を促進するために1つまたは複数の特異的修
飾を含有する。Msp由来の単量体は、他の非特異的な修飾をそれらがポア形成を干渉し
ない限り含有できる。多数の非特異的側鎖修飾が当技術分野において公知であり、Msp
由来の単量体の側鎖に作出され得る。そのような修飾は、例えばアルデヒドとの反応に続
くNaBHでの還元によるアミノ酸の還元的アルキル化、メチルアセトイミデート(me
thylacetimidate)でのアミジン化または無水酢酸でのアシル化を含む。
Msp由来の単量体は、当技術分野において公知の標準的方法を用いて生成され得る。
Msp由来の単量体は、合成的にまたは組換え手段によって作出され得る。例えばポアは
in vitro翻訳および転写(IVTT)によって合成され得る。ポアを生成するた
めの好適な方法は、国際出願第PCT/GB09/001690号(WO2010/00
4273として公開)、第PCT/GB09/001679号(WO2010/0042
65として公開)または第PCT/GB10/000133号(WO2010/0866
03として公開)に考察されている。ポアを膜に挿入するための方法は考察されている。
膜貫通タンパク質ポアは、好ましくはα−ヘモリジン(α−HL)由来でもある。野生
型α−HLポアは、7個の同一単量体またはサブユニットから形成される(すなわち七量
体である)。α−ヘモリジン−NNの1個の単量体またはサブユニットの配列は配列番号
4に示されている。膜貫通タンパク質ポアは、配列番号4に示す配列またはその変種をそ
れぞれ含む7個の単量体を好ましくは含む。配列番号4のアミノ酸1、7から21、31
から34、45から51、63から66、72、92から97、104から111、12
4から136、149から153、160から164、173から206、210から2
13、217、218、223から228、236から242、262から265、27
2から274、287から290および294はループ領域を形成する。配列番号4の残
基113および147はα−HLのバレルまたはチャネルの狭窄の一部を形成する。
そのような実施形態では、配列番号4に示す配列またはその変種をそれぞれ含む7個の
タンパク質または単量体を含むポアは、本発明の方法において好ましくは用いられる。7
個のタンパク質は、同じ(ホモ七量体)または異なっていて(ヘテロ七量体)よい。
配列番号4の変種は、配列番号4のものから変化したアミノ酸配列を有し、ポア形成能
力を保持しているタンパク質である。ポアを形成する変種の能力は、当技術分野において
公知の任意の方法を用いてアッセイされ得る。例えば変種は、他の適切なサブユニットと
共に脂質二重層などの両親媒性層に挿入されることができ、ポアを形成するためにオリゴ
マー化するその能力は決定され得る。サブユニットを脂質二重層などの両親媒性層に挿入
するための方法は当技術分野において公知である。好適な方法は上に考察されている。
変種は、ヘリカーゼまたは構築物への共有結合付着または相互作用を促進する修飾を含
み得る。変種は、ヘリカーゼまたは構築物への付着を促進する1つまたは複数の反応性シ
ステイン残基を好ましくは含む。例えば変種は、配列番号4の位置8、9、17、18、
19、44、45、50、51、237、239および287ならびに/またはアミノ末
端もしくはカルボキシ末端の1つまたは複数にシステインを含み得る。好ましい変種は、
配列番号4の位置8、9、17、237、239および287の残基のシステインでの置
換を含む(A8C、T9C、N17C、K237C、S239CまたはE287C)。変
種は、好ましくは国際出願第PCT/GB09/001690号(WO2010/004
273として公開)、第PCT/GB09/001679号(WO2010/00426
5として公開)、または第PCT/GB10/000133号(WO2010/0866
03として公開)に記載の変種のいずれか1つである。
変種は、ヌクレオチドとの任意の相互作用を促進する修飾も含み得る。
変種は、生物(例えば細菌ブドウ球菌(Staphylococcus))によって天然で発現される
天然に存在する変種であってよい。代替的に変種は、大腸菌(Escherichia coli)などの
細菌によってin vitroでまたは組換え的に発現されてもよい。変種は、組換え技
術によって生成される天然に存在しない変種も含む。配列番号4のアミノ酸配列の全長に
わたって変種は、アミノ酸同一性に基づいてその配列に好ましくは少なくとも50%相同
である。より好ましくは変種ポリペプチドは、配列全体にわたって配列番号4のアミノ酸
配列にアミノ酸同一性に基づいて少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65
%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少な
くとも90%およびより好ましくは少なくとも95%、97%または99%相同である。
少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%または95%のアミノ酸同一性が2
00以上(例えば230、250、270もしくは280またはそれ以上)のストレッチ
の連続アミノ酸にわたってある場合がある(「高い相同性」)。相同性は上に考察のとお
り決定され得る。
アミノ酸置換は、上に考察したものに加えて配列番号4のアミノ酸配列に作出され得る
(例えば1、2、3、4、5、10、20または30置換まで)。保存的置換は、上に考
察の通り作出され得る。
配列番号4のアミノ酸配列の1つまたは複数のアミノ酸残基は、上に記載のポリペプチ
ドから追加的に欠失され得る。1、2、3、4、5、10、20または30残基までまた
はそれ以上が欠失され得る。
変種は、配列番号4の断片であり得る。そのような断片はポア形成能力を保持する。断
片は、長さ少なくとも50、100、200または250アミノ酸であってよい。断片は
、配列番号4のポア形成ドメインを好ましくは含む。断片は典型的には配列番号4の残基
119、121、135、113および139を含む。
1つまたは複数のアミノ酸は、上に記載のポリペプチドに代替的にまたは追加的に付加
され得る。伸長は、配列番号4のアミノ酸配列またはその変種もしくは断片のアミノ末端
またはカルボキシ末端に与えられ得る。伸長は極めて短い(例えば長さ1から10アミノ
酸)場合がある。代替的に伸長は、より長くても(例えば50または100アミノ酸まで
)良い。担体タンパク質は、ポアまたは変種に融合されてもよい。
上に考察したとおり、配列番号4の変種は、配列番号4のものから変更され、ポアを形
成する能力を保持しているアミノ酸配列を有するサブユニットである。変種は、ポア形成
に関与する配列番号4の領域を典型的には含有する。β−バレルを含有するα−HLのポ
ア形成能力は、各サブユニットのβシートによって与えられる。配列番号4の変種は、β
鎖を形成する配列番号4の領域を典型的には含む。β鎖を形成する配列番号4のアミノ酸
は上に考察されている。1つまたは複数の修飾が、得られる変種がポアを形成する能力を
保持する限りβ−鎖を形成する配列番号4の領域に作出され得る。配列番号4のβ鎖領域
に作られ得る具体的な修飾は、上に考察されている。
配列番号4の変種は、置換、付加または欠失などの1つまたは複数の修飾をα−ヘリッ
クスおよび/またはループ領域内に好ましくは含む。α−ヘリックスおよびループを形成
するアミノ酸は、上に考察されている。
変種は、上に考察のとおり、その同定または精製を支援するために修飾され得る。
α−HL由来のポアは、Msp由来のポアに関連して上に考察のとおり作出され得る。
いくつかの実施形態では膜貫通タンパク質ポアは、化学的に修飾される。ポアは、任意
の方法および任意の部位で化学的に修飾され得る。膜貫通タンパク質ポアは、1つもしく
は複数のシステインへの分子の付着(システイン連結)、1つもしくは複数のリシンへの
分子の付着、1つもしくは複数の非天然アミノ酸への分子の付着、エピトープの酵素修飾
または末端の修飾によって好ましくは化学的に修飾される。そのような修飾を実行するた
めの好適な方法は、当技術分野において周知である。膜貫通タンパク質ポアは、任意の分
子の付着によって化学的に修飾され得る。例えばポアは、色素またはフルオロフォアの付
着によって化学的に修飾され得る。
ポア中の任意の数の単量体は、化学的に修飾され得る。1つまたは複数(2、3、4、
5、6、7、8、9または10個など)の単量体は、上に考察のとおり好ましくは化学的
に修飾される。
システイン残基の反応性は、隣接残基の修飾によって増強され得る。例えば近接アルギ
ニン、ヒスチジンまたはリシン残基の塩基性基は、システインチオール基のpKaをより
反応性のS基のものに変化させる。システイン残基の反応性は、dTNBなどのチオー
ル保護基によって保護され得る。これらは、リンカーが付着する前にポアの1つまたは複
数のシステイン残基と反応できる。
(ポアが化学的に修飾される)分子は、国際出願第PCT/GB09/001690号
(WO2010/004273として公開)、第PCT/GB09/001679号(W
O2010/004265として公開)または第PCT/GB10/000133号(W
O2010/086603として公開)に開示のとおりポアに直接付着され得るか、また
はリンカーを介して付着され得る。
ヘリカーゼまたは構築物は、ポアに共有結合的に付着されていてもよい。ヘリカーゼま
たは構築物は、好ましくはポアに共有結合的に付着されていない。ポアおよびヘリカーゼ
または構築物への電圧の印加は、典型的には標的ポリヌクレオチドを配列決定できるセン
サーの形成を生じる。これは、下により詳細に考察される。
本明細書に記載の任意のタンパク質、すなわちヘリカーゼ、膜貫通タンパク質ポアまた
は構築物は、それらの同定または精製を支援するために、例えばヒスチジン残基(his
タグ)、アスパラギン酸残基(aspタグ)、ストレプトアビジンタグ、フラッグタグ、
SUMOタグ、GSTタグもしくはMBPタグの付加によって、または、それらの細胞か
らの分泌を促進するために(ポリペプチドが天然でそのような配列を含有していない場合
に)シグナル配列の付加によって修飾され得る。遺伝子タグを導入するための別法は、ヘ
リカーゼ、ポアまたは構築物上の天然のまたは操作された位置にタグを化学的に反応させ
ることである。この例は、ポアの外側の操作されたシステインにゲルシフト試薬を反応さ
せることである。これは、ヘモリジンヘテロ−オリゴマーを分離するステップのための方
法として実証されている(Chem Biol.1997 Jul;4(7):497-505)。
ヘリカーゼ、ポアまたは構築物は明示標識(revealing label)で標識され得る。明示
標識は、ポアが検出されるようにする任意の好適な標識であってよい。好適な標識は、こ
れだけに限らないが蛍光分子、放射性同位元素(例えば125I、35S)、酵素、抗体、抗原
、ポリヌクレオチドおよびリガンド(ビオチンなど)を含む。
タンパク質は、合成的にまたは組換え手段によって作出され得る。例えばヘリカーゼ、
ポアまたは構築物は、in vitro翻訳および転写(IVTT)によって合成され得
る。ヘリカーゼ、ポアまたは構築物のアミノ酸配列は、天然に存在しないアミノ酸を含む
ようにまたはタンパク質の安定性を増大させるように修飾され得る。タンパク質が合成的
手段によって生成される場合、そのようなアミノ酸は、生成の際に導入され得る。ヘリカ
ーゼ、ポアまたは構築物は、合成的にまたは組換え生成のいずれかに続いて変更され得る
ヘリカーゼ、ポアまたは構築物は、D−アミノ酸を用いても生成し得る。例えばポアま
たは構築物は、L−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物を含み得る。これは、そのような
タンパク質またはペプチドを生成するための当技術分野における従来法である。
ヘリカーゼ、ポアまたは構築物は、他の非特異的修飾もそれらがポア形成またはヘリカ
ーゼまたは構築物機能を干渉しない限り含有できる。多数の非特異的側鎖修飾が当技術分
野において公知であり、タンパク質(複数可)の側鎖に作出され得る。そのような修飾は
、例えばアルデヒドとの反応に続くNaBHでの還元によるアミノ酸の還元的アルキル
化、メチルアセトイミデート(methylacetimidate)でのアミジン化または無水酢酸での
アシル化を含む。
ヘリカーゼ、ポアおよび構築物は、当技術分野において公知の標準的方法を用いて生成
され得る。ヘリカーゼ、ポアまたは構築物をコードするポリヌクレオチド配列は、当技術
分野における標準的方法を用いて得られ、複製され得る。ヘリカーゼ、ポアまたは構築物
をコードするポリヌクレオチド配列は、当技術分野における標準的技術を用いて細菌宿主
細胞において発現され得る。ヘリカーゼ、ポアおよび/または構築物は、組換え発現ベク
ターからのポリペプチドの原位置での発現によって細胞において生成され得る。場合によ
り発現ベクターは、ポリペプチドの発現を制御するために誘導性プロモーターを保持する
。これらの方法は、Sambrook,J.and Russell,D.(2001).Molecular Cloning:A Laboratory
Manual、3rd Edition.Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY
に記載されている。
ヘリカーゼ、ポアおよび/または構築物は、大規模に生成されることができ、タンパク
質生成生物または組換え発現からの任意のタンパク質液体クロマトグラフィー系による精
製が続く。典型的なタンパク質液体クロマトグラフィー系は、FPLC、AKTA sy
stems、Bio−Cad system、Bio−Rad BioLogic sy
stemおよびGilson HPLC systemを含む。
本発明の方法は、標的ポリヌクレオチドの1つまたは複数の特性を測定するステップを
含む。方法は、標的ポリヌクレオチドの2つ、3つ、4つまたは5つ以上の特性を測定す
るステップを含み得る。1つまたは複数の特性は、好ましくは(i)標的ポリヌクレオチ
ドの長さ、(ii)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの
配列、(iv)標的ポリヌクレオチドの二次構造および(v)標的ポリヌクレオチドが修
飾されているか否か、から選択される。(i)から(v)の任意の組合せは本発明により
測定され得る。
(i)に関して、ポリヌクレオチドの長さは、例えば標的ポリヌクレオチドとポアとの
間の相互作用の数または標的ポリヌクレオチドとポアとの間の相互作用の持続時間を測定
することによって測定され得る。
(ii)に関して、ポリヌクレオチドの同一性は、多数の方法において測定され得る。
ポリヌクレオチドの同一性は、標的ポリヌクレオチドの配列の測定を伴ってまたは標的ポ
リヌクレオチドの配列の測定を伴わずに測定され得る。前者は、簡単であり、ポリヌクレ
オチドは配列決定され、それにより同定される。後者は、いくつかの方法で行われ得る。
例えばポリヌクレオチド中の具体的なモチーフの存在は(ポリヌクレオチドの残りの配列
を測定するステップを伴わずに)測定され得る。代替的に、方法における具体的な電気的
および/または光学的シグナルの測定は、標的ポリヌクレオチドを具体的な供給源由来で
あるとして同定できる。
(iii)に関して、ポリヌクレオチドの配列は、以前記載されたとおり決定され得る
。好適な配列決定方法、詳細には電気的測定を用いるものは、Stoddart Dら、Proc Natl
Acad Sci、12;106(19):7702-7、Lieberman KRら、J Am Chem Soc.2010;132(50):17961-72
および国際出願第WO2000/28312号に記載されている。
(iv)に関して、二次構造は、種々の方法において測定され得る。例えば方法が電気
的測定を含む場合、二次構造は残存時間における変化またはポアを通って流れる電流にお
ける変化を用いて測定され得る。これは、1本鎖と2本鎖のポリヌクレオチドの領域を区
別できるようにする。
(v)に関して、任意の修飾の存在または非存在は、測定され得る。方法は、好ましく
は標的ポリヌクレオチドが、メチル化によって、酸化によって、損傷によって、1つまた
は複数のタンパク質でまたは1つまたは複数の標識、タグもしくはスペーサーで修飾され
ているかどうかを決定するステップを含む。具体的な修飾は、下に記載の方法を用いて測
定され得るポアとの特異的な相互作用を生じる。例えばメチルシトシンは、各ヌクレオチ
ドとのその相互作用の際にポアを通って流れる電流に基づいてシトシンから区別され得る
種々の異なる種類の測定が作出されてよい。これは、非限定的に:電気的測定および光
学的測定を含む。可能性のある電気的測定は、電流測定:インピーダンス測定、トンネル
測定(Ivanov APら、Nano Lett.2011 Jan 12;11(1):279-85)およびFET測定(国際出
願第WO2005/124888号)を含む。光学的測定は、電気的測定(Soni GVら、Re
v Sci Instrum. 2010 Jan;81(1):014301)と組み合わされ得る。測定は、ポアを通って流
れるイオン電流の測定などの膜貫通電流測定であってよい。
電気的測定は、Stoddart Dら、Proc Natl Acad Sci、12;106(19):7702-7、Lieberman K
Rら、J Am Chem Soc.2010;132(50):17961-72および国際出願第WO−2000/2831
2号に記載の標準的単一チャネル記録機器を用いて作出され得る。代替的に電気的測定は
、例えば国際出願第WO−2009/077734号および国際出願第WO−2011/
067559号に記載のマルチチャネル系を用いても作出され得る。
好ましい実施形態では、方法は、
(a)標的ポリヌクレオチドを膜貫通ポアおよび本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築
物と、標的ポリヌクレオチドがポアを通って移動し、ヘリカーゼまたは構築物がポアを通
る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように接触させるステップ、ならびに
(b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときにポアを通る電流を測定するステッ
プであって、電流が標的ポリヌクレオチドの特性の1つまたは複数を示し、それにより標
的ポリヌクレオチドを特性決定するステップ
を含む。
方法は、ポアが膜内に存在している膜/ポア系を調べるのに好適である任意の装置を用
いて実行され得る。方法は、膜貫通ポアセンシングに好適である任意の装置を用いて実行
され得る。例えば装置は、水性溶液および、チャンバーを2つのセクションに分離する障
壁を含むチャンバーを含む。障壁は典型的にはポアを含有する膜が形成される開口部を有
する。代替的に障壁は、ポアが存在する膜を形成する。
方法は、国際出願第PCT/GB08/000562号(WO2008/102120
)に記載の装置を用いて実行され得る。
方法は、ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときにポアを通る電流を測定するス
テップを含んでよい。したがって装置は、電位を印加でき、膜およびポアを通る電気シグ
ナルを測定できる電気回路も含む。方法は、パッチクランプまたは電圧クランプを用いて
も実行され得る。方法は、電圧クランプの使用を好ましくは含む。
本発明の方法は、ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときにポアを通過する電流
の測定を含み得る。膜貫通タンパク質ポアを通るイオン電流を測定するための好適な条件
は、当技術分野において公知であり、実施例で開示される。方法は、膜およびポア全体に
印加される電圧と共に典型的には実行される。用いられる電圧は典型的には、+2Vから
−2Vまで、典型的には−400mVから+400mVまでである。好ましくは用いられ
る電圧は、−400mV、−300mV、−200mV、−150mV、−100mV、
−50mV、−20mVおよび0mVから選択される下限値および+10mV、+20m
V、+50mV、+100mV、+150mV、+200mV、+300mVおよび+4
00mVから独立に選択される上限値を含む範囲内である。用いられる電圧は、より好ま
しくは100mVから240mVまでの範囲内、最も好ましくは120mVから220m
Vまでの範囲内である。印加される電位を増加させることによってポアによるさまざまな
ヌクレオチド間の識別を向上させることは可能である。
方法は、金属塩(例えばアルカリ金属塩)、ハロゲン化塩(例えばアルカリ金属塩化物
塩などの塩化物塩)などの任意の電荷担体の存在下で典型的には実行される。電荷担体は
、イオン液体または有機塩、例えばテトラメチル塩化アンモニウム、トリメチルフェニル
塩化アンモニウム、フェニルトリメチル塩化アンモニウムもしくは1−エチル−3メチル
イミダゾリウムクロリド(1-ethyl-3-methyl imidazolium chloride)を含み得る。上に
考察した例示的装置では、塩はチャンバー中の水性溶液中に存在する。塩化カリウム(K
Cl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化セシウム(CsCl)またはフェロシアン化
カリウムとフェリシアン化カリウムとの混合物が典型的には使用される。KCl、NaC
lおよびフェロシアン化カリウムとフェリシアン化カリウムとの混合物は 好ましい。塩
濃度は飽和であってよい。塩濃度は、3M以下があり得、典型的には0.1から2.5M
まで、0.3から1.9Mまで、0.5から1.8Mまで、0.7から1.7Mまで、0
.9から1.6Mまでまたは1Mから1.4Mまでである。塩濃度は、好ましくは150
mMから1Mまでである。Hel308、XPD、RecDおよびTraIヘリカーゼは
、高塩濃度下で驚くべきことに作用する。方法は、少なくとも0.4M、少なくとも0.
5M、少なくとも0.6M、少なくとも0.8M、少なくとも1.0M、少なくとも1.
5M、少なくとも2.0M、少なくとも2.5Mまたは少なくとも3.0Mなどの少なく
とも0.3Mの塩濃度を用いて好ましくは実行される。高塩濃度は、高い信号対雑音比を
提供し、通常の電流変動のバックグラウンドに対してヌクレオチドの存在を示す電流が同
定されることを可能にする。
方法は、緩衝剤の存在下で典型的には実行される。上に考察した例示的装置では、緩衝
剤はチャンバー中の水性溶液に存在する。任意の緩衝剤が本発明の方法において用いられ
得る。典型的には、緩衝剤はHEPESである。別の好適な緩衝剤はTris−HCl緩
衝剤である。方法は、4.0から12.0まで、4.5から10.0まで、5.0から9
.0まで、5.5から8.8まで、6.0から8.7までまたは7.0から8.8までま
たは7.5から8.5までのpHで典型的には実行される。用いられるpHは好ましくは
約7.5である。
方法は、0Cから100Cまで、15Cから95Cまで、16Cから90
Cまで、17Cから85Cまで、18Cから80Cまで、19Cから70
までまたは20Cから60Cまでで実行され得る。方法は典型的には室温で実行され
る。方法は、約37℃などの酵素機能を支持する温度で場合により実行される。
方法は、遊離ヌクレオチドまたは遊離ヌクレオチド類似物および/またはヘリカーゼも
しくは構築物の作用を促進する酵素補因子の存在下で実行されてもよい。方法は、遊離ヌ
クレオチドまたは遊離ヌクレオチド類似物の非存在下でおよび酵素補因子の非存在下で実
行されてもよい。遊離ヌクレオチドは、上に考察した個々のヌクレオチドの任意の1つま
たは複数であってよい。遊離ヌクレオチドは、これだけに限らないがアデノシン一リン酸
(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシ
ン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)
、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TT
P)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(
UTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン
酸(CTP)、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、環状グアノシン一リン酸(cGM
P)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン二リン酸(dAD
P)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGM
P)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGT
P)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リン酸(dTDP)
、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、デ
オキシウリジン二リン酸(dUDP)、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、デオキ
シシチジン一リン酸(dCMP)、デオキシシチジン二リン酸(dCDP)およびデオキ
シチジン三リン酸(dCTP)を含む。遊離ヌクレオチドは、好ましくはAMP、TMP
、GMP、CMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMPまたはdCMPから選択され
る。遊離ヌクレオチドは、好ましくはアデノシン三リン酸(ATP)である。酵素補因子
は、ヘリカーゼまたは構築物を機能させる因子である。酵素補因子は、好ましくは二価金
属カチオンである。二価金属カチオンは好ましくはMg2+、Mn2+、Ca2+または
Co2+である。酵素補因子は、最も好ましくはMg2+である。
標的ポリヌクレオチドは、ヘリカーゼまたは構築物およびポアと任意の順序で接触され
得る。標的ポリヌクレオチドがヘリカーゼまたは構築物およびポアと接触される場合、標
的ポリヌクレオチドは最初にヘリカーゼまたは構築物と複合体を形成することは好ましい
。ポアに電圧が印加される場合、標的ポリヌクレオチド/ヘリカーゼまたは構築物複合体
は次いでポアと複合体を形成し、ポアを通るポリヌクレオチドの移動を制御する。
上に考察したとおり、ヘリカーゼは、ポアに関して2つのモードで作動できる。本発明
のヘリカーゼまたは本発明の構築物は、2つのモードでも作動できる。第一に、方法は、
印加された電圧から生じる場に沿ってポアを通って標的配列を移動させるようにヘリカー
ゼまたは構築物を用いて好ましくは実行される。このモードでは、DNAの3’末端が最
初にポア(3’から5’ヘリカーゼ)に捕捉され、標的配列が最終的に二重層のtran
s側に移行されるまで場に沿ってポアを通るようにヘリカーゼまたは構築物は、DNAを
ポア中に移動させる(図8を参照されたい)。代替的に、方法は、印加された電圧から生
じる場とは反対にヘリカーゼまたは構築物が標的配列をポアを通して移動させるように好
ましくは実行される。このモードでは、DNAの5’末端が最初にポア(3’から5’ヘ
リカーゼ)に捕捉され、ヘリカーゼまたは構築物は、標的配列が最終的に二重層のcis
側に戻って放されるまで印加された場とは反対にポアの外側へ引かれるようにDNAをポ
アを通して移動させる(図7を参照されたい)。
他の方法
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーの形成方法も提供する
。方法は、ポアと本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物との複合体を形成するステッ
プを含む。複合体は、ポアとヘリカーゼまたは構築物とを標的ポリヌクレオチドの存在下
で接触させ、次いで、ポアに電位を印加するステップによって形成され得る。印加される
電位は、上に記載のとおり化学電位または電圧電位であってよい。代替的に複合体は、ポ
アをヘリカーゼまたは構築物に共有結合的に付着するステップによっても形成され得る。
共有結合付着のための方法は、当技術分野において公知であり、例えば国際出願第PCT
/GB09/001679号(WO2010/004265として公開)および第PCT
/GB10/000133号(WO2010/086603として公開)において開示さ
れている。複合体は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーである。方法
は、Msp由来のポアと本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物との複合体を形成する
ステップを好ましくは含む。本発明の方法を参照して上に考察した任意の実施形態は、こ
の方法に等しく適用される。本発明は、本発明の方法を使用して産生されるセンサーも提
供する。
キット
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのキットも提供する。キットは、
(a)ポアおよび(b)本発明のヘリカーゼまたは本発明の構築物を含む。本発明の方法
に関連して上に考察された任意の実施形態は、キットに等しく適用する。
キットは、脂質二重層などの両親媒性層を形成するために必要なリン脂質などの膜の構
成成分をさらに含んでよい。
本発明のキットは、上に述べた任意の実施形態が実行されるようにする1つまたは複数
の他の試薬または器具を追加的に含んでよい。そのような試薬または器具は、次の:好適
な緩衝剤(複数可)(水性溶液)、対象から試料を得るための手段(容器もしくは、針を
含む器具など)、ポリヌクレオチドを増幅および/もしくは発現するための手段、上に定
義の膜または電圧もしくはパッチクランプ装置、の1つまたは複数を含む。試薬は、液体
試料が試薬を再懸濁するように乾燥状態でキット中に存在する場合がある。キットは、キ
ットが本発明の方法において用いられ得るようにする説明書、またはいずれの患者に方法
が用いられ得るかに関する詳細も場合により含む場合がある。キットは、場合によりヌク
レオチドを含み得る。
装置
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特性決定するための装置も提供する。装置は、複数
のポアおよび複数の本発明のヘリカーゼまたは複数の本発明の構築物を含む。装置は、本
発明の方法を実行するための説明書を好ましくはさらに含む。装置は、アレイまたはチッ
プなどのポリヌクレオチド分析のための任意の従来装置であってよい。本発明の方法に関
連して上に考察された任意の実施形態は、本発明の装置に等しく適用可能である。
装置は、本発明の方法を実行するために好ましくはセットアップされている。
装置は、好ましくは:
複数のポアを支持でき、ポアおよび構築物を用いてポリヌクレオチド特性決定を実施する
ために作動可能であるセンサーデバイス;ならびに
特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー;
を含む。
装置は、好ましくは:
複数のポアを支持でき、ポアおよびヘリカーゼまたは構築物を用いてポリヌクレオチド特
性決定を実施するために作動可能であるセンサーデバイス;ならびに
特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー;
を含む。
装置は、
膜および複数のポアを支持でき、ポアおよびヘリカーゼまたは構築物を用いてポリヌクレ
オチド特性決定を実施するために作動可能であるセンサーデバイス;
特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー;
少なくとも1つのリザーバーからセンサーデバイスに材料を制御可能に供給するように構
成された流体系;および
各試料を受けるための1つまたは複数の容器を好ましくは含み、
流体系は、1つまたは複数の容器からセンサーデバイスに試料を選択的に供給するように
構成されている。装置は、国際出願第PCT/GB08/004127号(WO2009
/077734として公開)、第PCT/GB10/000789号(WO2010/1
22293として公開)、国際出願第PCT/GB10/002206号(未公開)また
は国際出願第PCT/US99/25679号(WO00/28312として公開)にお
いて記載の任意のものであってよい。
本発明のヘリカーゼを産生する方法
本発明は、本発明のヘリカーゼを産生する方法も提供する。一実施形態では方法は、1
つまたは複数の単量体から形成され、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解
離できる開口部を含むポリヌクレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼを提供するステッ
プを含む。上に考察した任意のヘリカーゼは、方法において使用できる。
方法は、ヘリカーゼの同じ単量体上の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減
するようにヘリカーゼを修飾するステップも含む。接続の部位および方法は、上に考察し
たとおり選択される。
別の実施形態では方法は、Hel308ヘリカーゼを提供するステップを含む。上に考
察した任意のHel308ヘリカーゼは使用できる。
方法は、Hel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D274、G
281、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E291、D
293、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N316、H
317、R318、K319、L320、E322、R326、N328およびS615
に対応する位置の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1
つもしくは複数の非天然アミノ酸を導入するステップをさらに含む。
方法は、(c)例えば50℃、10分間加熱することにより修飾ヘリカーゼを加熱する
ステップ、(d)例えば修飾ヘリカーゼを高強度UV光に254nmで約10から約15
分間曝露することによる修飾ヘリカーゼをUV光に曝露するステップ、または(e)フェ
ロシアン化カリウムおよびフェリシアン化カリウムなどのフェロシアン化物およびフェリ
シアン化物に修飾ヘリカーゼを曝露するステップを好ましくはさらに含む。ステップ(c
)、(d)および(e)の任意の組合せ、(c)、(d)、(e)、(c)および(d)
、(d)および(e)、(c)および(e)または(c)、(d)および(e)などは実
施できる。
方法は、ヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御できるかどうかを決定するステッ
プを好ましくはさらに含む。これを行うためのアッセイは、上に記載されている。ポリヌ
クレオチドの移動が制御され得る場合、ヘリカーゼは正しく修飾されており、本発明のヘ
リカーゼが産生されている。ポリヌクレオチドの移動が制御され得ない場合、本発明のヘ
リカーゼは産生されていない。
本発明の構築物を産生する方法
本発明は、本発明の構築物を産生する方法も提供する。方法は、本発明のヘリカーゼを
追加的ポリヌクレオチド結合成分に付着、好ましくは共有結合的に付着させるステップを
含む。上に考察した任意のヘリカーゼおよび成分が方法において使用できる。共有結合的
付着の部位および方法は上に考察したとおり選択される。
方法は、構築物がポリヌクレオチドの移動を制御できるかどうかを決定するステップを
好ましくはさらに含む。これを行うためのアッセイは、上に記載されている。ポリヌクレ
オチドの移動が制御され得る場合、ヘリカーゼおよび成分は正しく付着され、本発明の構
築物が産生されている。ポリヌクレオチドの移動が制御され得ない場合、本発明の構築物
は産生されていない。
次の実施例は本発明を例示する。
実施例
本実施例は、Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG
3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有
する配列番号10)を合成する方法を記載する。この場合、Hel308Mbu(配列番
号10)の一次配列中の位置284および615のシステイン間の共有結合は、これらの
位置をビスマレイミドPEG3リンカー(長さおよそ3.7nm)と反応させることによ
って作製した。
詳細には、1M DTT 6μlをHel308Mbu(E284C/S615C)(
変異E284C/S615Cを有する配列番号10、50mM Tris−HCl pH
8.0、421mM NaCl、10%グリセロール、10mM DTT中に保存)60
0μLに加え、混合物を室温、20rpmで回転している10”ホイールで30分間イン
キュベートした。この混合物をPierce 2mL Zeba脱塩カラム7k MWC
Oを通して、100mMリン酸カリウム、500mM NaCl、5mM EDTA、0
.1%Tween−20 pH8.0に緩衝液交換し、試料550μLを得た。これにビ
スマレイミドPEG3(QuantaBiodesign、製品番号=10215)5.
5μLを加え、混合物を室温、20rpmで回転している10”ホイールで120分間イ
ンキュベートした。反応を止めるために、残っているマレイミドを消光するための1M
DTT 5.5μLを添加した。反応の分析は、7.5%ポリアクリルアミドゲルによっ
てまたは逆相HPLC(Jupiter C5 300A 5μm 150x4.6mm
カラムでのクロマトグラフ、0.1% TFA中のアセトニトリルグラジエントを使用)
によってであった。図1は、Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレ
イミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S
615Cを有する配列番号10)反応混合物のクーマシー染色7.5% Tris−HC
lゲル(Laemmliローディング緩衝液で添加された)を示す。レーンXは、適切な
タンパク質ラダー(質量単位マーカーはゲルの左に示されている)を示す。レーンa〜c
は、2μL、5μLまたは10μLの約2.5μM Hel308Mbu(E284C/
S615C)単量体(E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有する。レー
ンd〜fは2μL、5μLまたは10μLの約2.5μM Hel308Mbu(E28
4C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによっ
て繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有し、ビスマレイミ
ドPEG3リンカーに付着させる反応がほとんど100%収率に進んだことはゲルから明
らかであった。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG
3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有
する配列番号10)を次いで50mM Tris、500mM NaCl、2mM DT
T、10%グリセロールpH8.0に緩衝液交換した。
本実施例は、Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−ma
l(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,
2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミドによって繋がれ、変異E284C/S61
5Cを有する配列番号10、配列番号109はペプチド配列SRDFWRSに対応する)
)を合成する方法を記載する。この場合Hel308Mbu(配列番号10)の一次配列
中の位置284および615のシステイン間に共有結合を、これらの位置をビスマレイミ
ドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノエタ
ン)−プロピル−マレイミド、配列番号109はペプチド配列SRDFWRSに対応する
)と反応させることによって作製した。
詳細には、1M DTT 2μLをHel308Mbu(E284C/S615C)(
変異E284C/S615Cを有する配列番号10、50mM Tris−HCl pH
8.0、421mM NaCl、10%グリセロール、10mM DTT中に保存)20
0μLに加え、混合物を室温、20rpmで回転している10”ホイールで30分間イン
キュベートした。混合物をPierce 2mL Zeba脱塩カラム7k MWCOを
通して、100mMリン酸カリウム、500mM NaCl、5mM EDTA、0.1
%Tween−20 pH8.0に緩衝液交換し、試料540μLを得た。100ulの
一定分量に、10mMマレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノエタ
ン)−プロピル−マレイミド(PPRL、製品番号=16450)0.5ulを添加し、
混合物を室温、20rpmで回転している10”ホールで120分間インキュベートした
。反応を止めるために、残っているマレイミドを消光するための1M DTT 1uLを
添加した。反応の分析は7.5% ポリアクリルアミドゲルによってまたは逆相HPLC
(Jupiter C5 300A 5μm 150x4.6mmカラムでのクロマトグ
ラフ、0.1%TFA中のアセトニトリルグラジエントを使用)によってである。図2は
、Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレ
イミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノ
エタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有す
る配列番号10)反応混合物のクーマシー染色7.5% Tris−HClゲルを示す。
レーンXは適切なタンパク質ラダー(質量単位マーカーはゲルの左に示されている)を示
す。レーンAは5μLの約10μM Hel308Mbu(E284C/S615C)−
ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E28
4C/S615Cを有する配列番号10)を基準として含有する。上のバンドはHel3
08Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3に対応し、下のバンド
はHel308Mbu(E284C/S615C)(変異E284C/S615Cを有す
る配列番号10)に対応する。レーンBは5μLの約10μM Hel308Mbu(E
284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(
マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレ
イミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有し
、Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレ
イミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノ
エタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有す
る配列番号10)(上のバンド)およびHel308Mbu(E284C/S615C)
(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)(下のバンド)に対するバンドが
観察されることから、mal−pep−malリンカーに付着する反応が完了まで進まな
かったことはゲルから明らかであった。レーンCはHel308Mbu(E284C/S
615C)(変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を含有する。
Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレ
イミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS−(1,2−ジアミノ
エタン)−プロピル−マレイミドによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する
配列番号10、配列番号109はペプチド配列SRDFWRSに対応する))を次いで5
0mM Tris、500mM NaCl、2mM DTT、10%グリセロールpH8
.0に緩衝液交換した。
本実施例は、その開口部が閉じている2つのHel308Mbuヘリカーゼ(Hel3
08Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドP
EG11によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)およびH
el308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3)(ビスマレイ
ミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号1
0)の酵素前進性をHel308Mbu単量体(配列番号10)のものと蛍光に基づくア
ッセイを使用して比較する。
材料および方法
配列番号110から114。配列番号112は5’末端にカルボキシフルオレセインを
、および3’末端にブラックホールクエンチャーを有する。
通例の蛍光基質をハイブリダイズされたdsDNAを置換するヘリカーゼの能力をアッ
セイするために用いた(図3)。蛍光基質(最終50nM)は、3’ssDNAオーバー
ハングならびにハイブリダイズされたdsDNAの80および33塩基対セクション(図
3セクションA、配列番号110)を有する。主要な下部「テンプレート」鎖は、80n
t「ブロッカー」鎖(配列番号111)にハイブリダイズされ、その3’オーバーハング
および33nt蛍光プローブに隣接し、その5’および3’末端をカルボキシフルオレセ
イン(FAM)およびブラックホールクエンチャー(BHQ−1)塩基でそれぞれ標識さ
れる(配列番号112)。ハイブリダイズされると、FAMはBHQ−1から離れ、基質
は基本的に蛍光性である。ATP(1mM)およびMgCl(10mM)の存在下でヘ
リカーゼ(10nM)は、図3セクションBに示すとおり基質の3’オーバーハング(配
列番号110)に結合し、下部鎖に沿って移動し、80ntブロッカー鎖(配列番号11
1)を置換し始める。前進性である場合、ヘリカーゼは、蛍光プローブ(その5’末端を
カルボキシフルオレセイン(FAM)でおよびその3’末端をブラックホールクエンチャ
ー(BHQ−1)で標識された配列番号112)も置換する(図3セクションC)。蛍光
プローブは、その5’および3’末端が自己相補的であり、それにより一度置換されると
動力学的に安定なヘアピンを形成し、プローブのテンプレート鎖への再アニーリングを防
ぐように設計される(図3セクションD)。ヘアピン産物の形成ではFAMはBHQ−1
の近傍に運ばれ、その蛍光は消光される。80塩基長「ブロッカー」(配列番号111)
および蛍光(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)でおよびその3’末端
をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識された配列番号112)鎖を置換で
きる前進性酵素は、したがって経時的な蛍光における減少をもたらす。しかし酵素が80
nt未満の前進性を有する場合は、蛍光鎖(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(
FAM)でおよびその3’末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識され
た配列番号112)を置換することができず、それにより「ブロッカー」鎖(配列番号1
11)は主要な下部鎖(図3セクションE、配列番号110)に再アニールする。
追加的な通例の蛍光基質を対照目的のためにも使用した。陰性対照として使用した基質
は、図3に記載のものと同一であったが、3’オーバーハング(図4セクションA(配列
番号111、112(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)で、その3’
末端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識された)ならびに113))を
欠失している。図3に記載のものと同様だが80塩基対セクションを欠失している基質を
活性だが前進性である必要はないヘリカーゼ(図4セクションB、(配列番号112(そ
の5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)で、その3’末端をブラックホールク
エンチャー(BHQ−1)で標識された)および114))の陽性対照として使用した。
図5は、緩衝溶液(400mM NaCl、10mM Hepes pH8.0、1m
M ATP、10mM MgCl、50nM蛍光基質DNA(配列番号110、111
および112(その5’末端をカルボキシフルオレセイン(FAM)でおよびその3’末
端をブラックホールクエンチャー(BHQ−1)で標識された)中での図3に示す前進性
基質に対するHel308Mbu単量体(配列番号10)、Hel308Mbu(E28
4C/S615C)−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーに
よって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)およびHel308
Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3
リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)の試験で
の時間依存性蛍光変化のグラフを示す。Hel308Mbu(E284C/S615C)
−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異
E284C/S615Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu(E284C
/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋
がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)によって示された蛍光の減少
は、Hel308Mbu単量体(配列番号10)と比較したこれらの複合体の前進性の増
大を示す。図6は、全ての試料に関して蛍光が減少したことから全てのヘリカーゼが実際
に活性であったことを実証する陽性対照を示す。
本実施例は、ナノポアを通るインタクトなDNA鎖(900塩基長)の移動を制御する
Hel308Mbu単量体(配列番号10)の能力をHel308Mbu(E284C/
S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋が
れ、次の変異E284C/S615Cを有する配列番号10)のものと比較する。図7に
場と反対および図8に場に沿ったDNA移行の制御のための一般的方法を示す。
材料および方法
50−ポリT5’リーダーをPhiX dsDNAの約900塩基断片にライゲーショ
ンすることによって、DNAを形成した。リーダーは、DNAが二重層に挿入されるよう
にするために配列番号117(配列の3’末端に2個のチミン残基に付着している6個の
iSp18スペーサーおよび3’コレステロールTEGを有する)がハイブリダイズされ
た相補性セクションも含有する。最後にACGTの4nt 3’−オーバーハングを得る
ためにPhiX dsDNAの3’末端をAatII消化酵素で消化した(DNA基質設
計の図に関して図9を参照されたい)。
Hel308Mbuについて使用した緩衝溶液:400mM NaCl、100mM H
epes、10mM フェロシアン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウムpH8
.0、1mM ATP、1mM MgCl
Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3について使用
した緩衝溶液: 400mM NaCl、100mM Hepes、10mMフェロシア
ン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウムpH8.0、2mM ATP、2mM
MgCl
ナノポア:大腸菌(E.coli)MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q12
6R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2

酵素:Hel308Mbu(配列番号10)は最終200nMで加え、Hel308Mb
u(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミド3PEGリン
カーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)は最終10n
Mで添加した。
1,2−ジフィタノイル−グリセロ−3−ホスホコリン脂質(Avanti Pola
r Lipids)二重層に挿入された単一のMspAナノポアから電気計測値を得た。
二重層は、モンタル−ミューラー技術によって開口部直径約100um、厚さ20umの
PTFEフィルム(Delrin chambers注文生産)で形成され、2個の1m
L緩衝溶液に分けた。全ての実験は、上記の緩衝溶液中で実行した。単一チャネル電流を
1440Aデジタイザーを備えたAxopatch 200B amplifiers(
Molecular Devices)で測定した。白金電極を緩衝溶液に繋ぎ、cis
コンパートメント(ナノポアおよび酵素/DNAの両方が添加されている)をAxopa
tch headstageのアースに繋ぎ、transコンパートメントをheads
tageの探査電極に繋ぐ。
二重層中に単一ポアを達成後、DNA複合体(配列番号115、116および117(
配列の3’末端に2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサーおよび3
’コレステロールTEGを有する))、DNA=Hel308Mbu単量体(配列番号1
0)について0.1nMおよびHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマ
レイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/
S615Cを有する配列番号10)について0.05nM、MgCl(2mM)ならび
にATP(2mM)を電気生理化学チャンバーのcisコンパートメントに添加した。対
照実験を+140mVで行った。次いでヘリカーゼHel308Mbu単量体(配列番号
10、200nM)またはHel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイ
ミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S6
15Cを有する配列番号10、10nM)をcisコンパートメントに添加した。実験は
、+140mVの一定電位で実行した。
結果および考察
図10に示すとおり、ヘリカーゼ−単量体DNA基質のMspAナノポア(図7に示す
)への添加は、特徴的電流遮断を生じる。ヘリカーゼHel308Mbu単量体(配列番
号10)は制御された様式でナノポアを通してDNAを移動させることができ、DNAが
ナノポアを通って移動するときに電流に段階的変化を生じさせる。Hel308Mbu(
200nM、配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMspAナノポア(MS(B1−
G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L
88N/Q126Rを有する配列番号2)を通してDNAの移行を制御するときに観察さ
れた電流トレース例(+140mV、400mM NaCl、100mM Hepes
pH8.0、10mMフェロシアン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウム、0.
1nM 900塩基長DNA(配列番号115、116および117(配列の3’末端に
2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサーおよび3’コレステロール
TEGを有する))、1mM ATP、1mM MgCl)を図10に示す。最も上の
電気トレースは、DNAが印加された電位(+140mV)の力の下で捕捉された場合に
オープンポア電流(約120pA)がDNAレベル(20〜50pA)へ低下することを
示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流
における段階的変化を示す長期遮断を生じる。上のトレースは、A〜Hと印を付けた一連
の8個の別々のヘリカーゼ制御DNA移動を示す(図10を参照されたい)。トレースの
このセクションにおける全てのヘリカーゼ制御DNA移動は、酵素によって場とは反対に
(DNAは5’を下に捕捉される)ナノポアを通って移動される(詳細は図7を参照され
たい)。下は、DNAがナノポアを出たときの4個のヘリカーゼ制御DNA移動の最後の
セクションの拡大である。このセクションにおける8個のヘリカーゼ制御DNA移動の内
、1つ(H)だけが酵素がDNAの末端に達し、DNA基質の50T5’−リーダーをポ
アを通して移動させることを示す特徴的な長いポリTレベルで終わる。Hel308Mb
u単量体(配列番号10)での完全な実行において、ヘリカーゼ制御DNA移動の約30
%がポリTで終わることが見出された(n=19 本実験におけるヘリカーゼ制御DNA
移動)。
Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(10nM
、ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有す
る配列番号10)は、場とは反対に制御された様式でナノポアを通してDNAを移動させ
ることができ、DNAがナノポアを通って移動するときに電流に段階的変化を生じさせる
。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3リンカー(
10nM、ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615
Cを有する配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMspAナノポア(MS(B1−G
75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L8
8N/Q126Rを有する配列番号2)を通してDNAの移行を制御するときに観察され
た電流トレース例(+140mV、400mM NaCl、100mM Hepes p
H8.0、10mMフェロシアン化カリウム、10mMフェリシアン化カリウム、0.0
5nM 900塩基長DNA(配列番号115、116および117(配列の3’末端に
2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサーおよび3’コレステロール
TEGを有する))、2mM ATP、2mM MgCl)を図11に示す。最も上の
電気トレースは、DNAが印加された電位(+140mV)の力の下で捕捉された場合に
オープンポア電流(約115pA)がDNAレベル(15〜40pA)へ低下することを
示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを通して移動させるときに電流
における段階的変化を示す長期遮断を生じる。上のトレースは、A〜Hと印を付けた一連
の8個の別々のヘリカーゼ制御DNA移動を示す(図11を参照されたい)。トレースの
このセクションにおける全てのヘリカーゼ制御DNA移動は、酵素によって場とは反対に
(DNAは5’を下に捕捉される)ナノポアを通って移動される(詳細は図7を参照され
たい)。下は、DNAがナノポアを出たときの4個のヘリカーゼ制御DNA移動の最後の
セクションの拡大である。このセクションにおける8個のヘリカーゼ制御DNA移動のど
れもが酵素がDNAの末端に達し、DNA基質の50T5’−リーダーをポアを通して移
動させたことを示す特徴的な長いポリTレベルで終わる。Hel308Mbu(E284
C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって
繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)での完全な実行において、
場と反対(5’が下)のヘリカーゼ制御DNA移動の約85%がポリTで完了することが
見出され(n=27 本実験におけるヘリカーゼ制御DNA移動)、それにより未修飾H
el308Mbuと比較して前進性の実質的な改善を実証している。この実験は、ヘリカ
ーゼ制御DNA移動を観察するために酵素10nMだけを必要とする、しかしHel30
8Mbu単量体(配列番号10)実験は200nM酵素を使用した。したがって、開口部
が閉じられているヘリカーゼのより低い酵素濃度が長い読み取り長を達成しながら使用で
きる。
Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレイミドPEG3(ビスマレ
イミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号
10)は印加された場の力に沿ってナノポアを通してDNAを移動させることができる増
強された能力を示し(詳細は図8を参照されたい)、DNAがナノポアを通って移動する
ときに電流に段階的変化を生じさせる。Hel308Mbu(E284C/S615C)
−ビスマレイミドPEG3(10nM、ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ
、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)を使用して、ヘリカーゼがMsp
Aナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8MspA(変
異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)を通してDNAの移
行を制御するときに観察された電流トレース例(+140mV、400mM NaCl、
100mM Hepes pH8.0、10mMフェロシアン化カリウム、10mMフェ
リシアン化カリウム、0.05nM 900塩基長DNA(配列番号115、116およ
び117(配列の3’末端に2個のチミン残基に付着している6個のiSp18スペーサ
ーおよび3’コレステロールTEGを有する))、2mM ATP、2mM MgCl
)を図12に示す。最も上の電気トレースは、DNAが印加された電位(+140mV)
の力の下で捕捉された場合にオープンポア電流(約120pA)がDNAレベル(15〜
40pA)へ低下することを示す。酵素が付着しているDNAは、酵素がDNAをポアを
通して移動させるときに電流における段階的変化を示す長期遮断を生じる。上のトレース
は、A−Dと印を付けた一連の4個の別々のヘリカーゼ制御DNA移動を示す(図12を
参照されたい)。トレースのこのセクションにおける全てのヘリカーゼ制御DNA移動は
、酵素によって場に沿って(DNAは3’を下に捕捉される)ナノポアを通って移動され
る(詳細は図8を参照されたい)。下は、DNAがナノポアを出たときのヘリカーゼ制御
DNA移動の最後のセクションの拡大である。3’が下のDNAは、配列に関連して異な
る電流および異なる変動を有して5’が下のDNAとは特徴的に異なるサインを示す。こ
のセクションにおける4個のヘリカーゼ制御DNA移動のどれもが酵素がDNAの末端に
達し、DNA基質の50T5’−リーダーをポアを通して移動させることを示す特徴的な
長いポリTレベルで終わる。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビスマレ
イミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C/S
615Cを有する配列番号10)での完全な実行において、場に沿った(3’が下)ヘリ
カーゼ制御DNA移動の約87%がポリTで完了することが見出された(n=15 本実
験におけるヘリカーゼ制御DNA移動)。比較して、3’が下のヘリカーゼ制御DNA移
動は、Hel308Mbu単量体(配列番号10)を使用する場合にはほとんど観察され
ず、その場合移動は典型的には50未満の状態が観察されて短く、この方向での高いレベ
ルでの酵素解離を示唆している。Hel308Mbu(E284C/S615C)−ビス
マレイミドPEG3(ビスマレイミドPEG3リンカーによって繋がれ、変異E284C
/S615Cを有する配列番号10)での3’が下の長いリカーゼ制御DNA移動は、3
’が下のモードでの前進性における驚くべき改善を示す。
本実施例は、Hel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−ma
l(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS(配列番
号109)−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変
異E284C/S615Cを有する配列番号10)がナノポアを通るインタクトなDNA
鎖(その3’末端で4個のiSpC3スペーサーに付着している配列番号127、その最
後は配列番号128の5’末端に付着している)の移動を制御する能力を有することを示
す。図7に場と反対におよび図8に場に沿った制御されたDNA移行のための一般的方法
を示す。
材料および方法
実験を設定する前に、DNA(0.5nM、(その3’末端で4個のiSpC3スペー
サーに付着している配列番号127、その最後は配列番号128の5’末端に付着してい
る)およびHel308Mbu(E284C/S615C)−mal−pep−mal(
ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピル−SRDFWRS(配列番号1
09)−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E
284C/S615Cを有する配列番号10)を合わせて1時間、予備インキュベートし
た。
緩衝液(625mM KCl、100mM Hepes、75mMフェロシアン化カリ
ウム(II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8)中のブロック共重
合体に挿入された単一MspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/
Q126R)8MspA(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列
番号2)から電気測定値を得た。MgCl(10mM)およびATP(1mM)を緩衝
液(625mM KCl、100mM Hepes、75mMフェロシアン化カリウム(
II)、25mMフェリシアン化カリウム(III)、pH8)と一緒に混合し、次いで
DNA(その3’末端で4個のiSpC3スペーサーに付着している配列番号127、そ
の最後は配列番号128の5’末端に付着している)、Hel308Mbu(E284C
/S615C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミ
ド−プロピル−SRDFWRS(配列番号109)−(1,2−ジアミノエタン)−プロ
ピル−マレイミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10
)予備混合物と合わせて混合した。二重層中に単一ポアを達成した後、予備混合物を単一
ナノポア実験系に添加した。実験は、+120mVの一定電位で実行し、ヘリカーゼ制御
DNA移動をモニターした。
結果および考察
ヘリカーゼ制御DNA移動を閉じた複合体Hel308Mbu(E284C/S615
C)−mal−pep−mal(ビスマレイミドペプチドリンカー(マレイミド−プロピ
ル−SRDFWRS(配列番号109)−(1,2−ジアミノエタン)−プロピル−マレ
イミド)によって繋がれ、変異E284C/S615Cを有する配列番号10)について
観察した。ヘリカーゼ制御DNA移動の一例を図13に示す。
本実施例は、TrwC Cba−N691C/Q346C−PEG11(PEG11リ
ンカーによって繋がれ、変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)を合成す
る方法を記載する。この場合TrwC Cba(配列番号126)の一次配列中の位置3
46および691のシステイン間に共有結合を、これらの位置をPEG11リンカーと反
応させることによって作製した。
材料および方法
詳細には、DTT(2μl、1M)をTrwC Cba−N691C/Q346C(2
00μl、変異N691C/Q346Cを有する配列番号126、50mM Hepes
、10%グリセロール、10mM DTT、692mM NaCl pH7.5中に保存
)に添加し、混合物を室温、20rpmで回転している10”ホールで30分間インキュ
ベートした。この混合物をPierce 2mL Zeba脱塩カラム7k MWCOを
通して、100mMリン酸カリウム、500mM NaCl、5mM EDTA、0.1
%Tween−20 pH8.0に緩衝液交換し、同じ緩衝液に希釈し、10μL一定分
量の試料を得た。マレイミド−PEG11−マレイミド(50uM最終濃度、Quant
a Biodesign、製品番号10397)を一定分量の1つに添加し、混合物を室
温、20rpmで回転している10”ホールで120分間インキュベートした。反応を止
めるために、残っているマレイミドを消光するためのDTT(1Mを1ul)を添加した
。反応の分析は7.5%ポリアクリルアミドゲルによってである。図14は、TrwC
Cba−N691C/Q346C−mal−PEG11−mal(ビスマレイミドポリエ
チレングリコールリンカーによって繋がれ、変異N691C/Q346Cを有する配列番
号126)反応混合物の7.5%Tris−HClゲルのクーマシー染色を示す。ゲルの
右側のレーン(Mと標識)は適切なタンパク質ラダー(質量単位マーカーはゲルの右に示
されている)を示す。レーン1は、およそ10μM TrwC Cba−D657C/R
339C単独(変異D657C/R339Cを有する配列番号126)の5μLを基準と
して含有する。レーン2は、およそ10μM TrwC Cba−N691C/Q346
C−ビスマレイミドPEG11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変
異N691C/Q346Cを有する配列番号126)の5μLを含有する。レーン2に示
すとおり、上のバンドは二量体酵素分子種(Aと標識)に対応する、中央のバンドは閉じ
た複合体(Bと標識)TraI−Cba−N691C/Q346C−ビスマレイミドPE
G11(ビスマレイミドPEG11リンカーによって繋がれ、変異N691C/Q346
Cを有する配列番号126)に対応する。未修飾出発材料(Cと標識)TrwC Cba
−N691C/Q346C(変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)に対
するバンドが観察されたことから、mal−PEG11−malリンカーに付着する反応
が完了まで進まなかったことはゲルから明らかであった。
TrwC Cba−N691C/Q346C−PEG11(PEG11リンカーによっ
て繋がれ、変異N691C/Q346Cを有する配列番号126)を次いで50mM T
ris、500mM NaCl、2mM DTT、pH8.0に緩衝液交換した。
本実施例において記載したものと類似の手順を使用して、下の表10に列挙する次の閉
じた複合体を作製できる。
本実施例は多数のヘリカーゼ(Hel308Mbu(配列番号10)、Hel308M
bu−E284C(変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E2
84C/C301A(変異E284C/C301Aを有する配列番号10)、Hel30
8Mbu−E285C(変異E285Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−
S288C(変異S288Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu−D27
4C(変異D274Cを有する配列番号10)を蛍光アッセイを使用してdsDNA分子
の代謝回転速度(分−1酵素−1)について調査した場合に、検査した変異体ヘリカーゼ
(Hel308Mbu−E284C(変異E284Cを有する配列番号10)、Hel3
08Mbu−E284C/C301A(変異E284C/C301Aを有する配列番号1
0)、Hel308Mbu−E285C(変異E285Cを有する配列番号10)、He
l308Mbu−S288C(変異S288Cを有する配列番号10)およびHel30
8Mbu−D274C(変異D274Cを有する配列番号10))がHel308Mbu
(配列番号10)と比較してdsDNA分子の増大した代謝回転速度(分−1酵素−1
を有することを例示する。
材料および方法
通例の蛍光基質を多数のHel308Mbuヘリカーゼ(Hel308Mbu−E28
4C(変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284C/C3
01A(変異E284C/C301Aを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E
285C(変異E285Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−S288C(
変異S288Cを有する配列番号10)およびHel308Mbu−D274C(変異D
274Cを有する配列番号10))のハイブリダイズされたdsDNAを置換する能力を
アッセイするために使用した。図15の1)に示すとおり、蛍光基質鎖(最終50nM)
は3’および5’ssDNAオーバーハングの両方、ならびにハイブリダイズされたds
DNAの44塩基セクションを有する。3’ssDNAオーバーハングを含有する上部鎖
は、カルボキシフルオレセイン塩基(カルボキシフルオレセイン(図15においてcと標
識)が配列番号151中の位置6でチミンに付着している)を5’末端に有し、ハイブリ
ダイズされた相補物は、ブラックホールクエンチャー(BHQ−1、図15においてeと
標識)塩基(ブラックホールクエンチャーは配列番号152中の位置81でチミンに付着
している)を3’末端に有する。2本の鎖がハイブリダイズされると、フルオレセインか
らの蛍光は局在BHQ−1によって消光され、基質は実質的に非蛍光性である。さらに下
の蛍光基質鎖に部分的に相補的である捕捉鎖(配列番号153)1μMはアッセイに含ま
れる。2)に示すとおりATP(1mM)およびMgCl(1mM)の存在下で、基質
に添加された適切なヘリカーゼ(10nM)は、蛍光基質の3’尾部に結合し、上部鎖に
沿って移動し、相補鎖を置換する。3)に示すとおりBHQ−1を有する相補鎖が完全に
置換されると主要な鎖上のフルオレセインは蛍光を発する。4)に示すとおり置換された
鎖は過剰量の捕捉鎖に優先的にアニールし、初期基質の再アニールおよび蛍光の消失を防
ぐ。
結果および考察
図16および17のグラフは、多数のヘリカーゼ(Hel308Mbu(図16および
17で1と標識、配列番号10)、Hel308Mbu−E284C(図16および17
で2と標識、変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284C
/C301A(図16で3と標識、変異E284C/C301Aを有する配列番号10)
、Hel308Mbu−E285C(図16で4と標識、変異E285Cを有する配列番
号10)、Hel308Mbu−S288C(図16で5と標識、変異S288Cを有す
る配列番号10)ならびにHel308Mbu−D274C(図17で6と標識、変異D
274Cを有する配列番号10))について緩衝液(400mM KCl、100mM
Hepes pH8.0、1mM ATP、10mM MgCl、50nM蛍光基質D
NA(配列番号151および152)、1μM捕捉DNA(配列番号153))中でのd
sDNA代謝回転(酵素−1−1)を示す。調査した塩濃度(400mM KCl)で
は、次のヘリカーゼHel308Mbu−E284C(図16および17で2と標識、変
異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284C/C301A(
図16で3と標識、変異E284C/C301Aを有する配列番号10)、Hel308
Mbu−E285C(図16で4と標識、変異E285Cを有する配列番号10)、He
l308Mbu−S288C(図16で5と標識、変異S288Cを有する配列番号10
)およびHel308Mbu−D274C(図17で6と標識、変異D274Cを有する
配列番号10)は、対照Hel308Mbu(図16および17で1と標識、配列番号1
0)よりも高いdsDNA代謝回転速度を示した(図16および17を参照されたい)。
これは、調査した条件下でHel308Mbu対照(配列番号10)と比較した場合にこ
れらの酵素がdsDNA分子の増大した代謝回転速度(分−1酵素−1)を示すことを示
唆している。
本実施例は、Hel308Mbu−E284Faz(変異E284Fazを有する配列
番号10)およびHel308Mbu−S288Faz(変異S288Fazを有する配
列番号10)の光処置のための2つの手順を記載する。
手順1−UV光への曝露
保存緩衝液(50mM Tris pH8.0、4℃、NaCl(360〜390mM
)および5%グリセロール)中のHel308Mbu−E284Faz(変異E284F
azを有する配列番号10)またはHel308Mbu−S288Faz(変異E288
Fazを有する配列番号10)をPCRチューブ(Fisher 0.2mL thin
wallチューブ)にピペットで取った。試料を氷上に置き、254nmの高強度UV
光(Spectroline Longlife Filter lamp(254nm
および365nm)に4.5cmの距離で上から曝露した。Hel308Mbu−E28
4Faz(変異E284Fazを有する配列番号10)試料を15分間曝露し、Hel3
08Mbu−S288Faz(変異E288Fazを有する配列番号10)試料を10分
間曝露した。次いであらゆる沈殿タンパク質を除去するために両方の試料を5分間、16
000gで遠心分離した。可溶性画分を不溶性沈殿からピペットで慎重に除去した。
手順2−白色光への曝露(LED源)
保存緩衝液(50mM Tris pH8.0、4℃、NaCl(370mM)および
5%グリセロール)中のHel308Mbu−S288Faz(変異E288Fazを有
する配列番号10)を微量遠心管(Eppendorf、1.5mL、Protein
Lo Bind)にピペットで取った。試料を(キャップを開けて)氷上に置き、LED
光源(Schott A20960.1)に全出力で3cmの距離で上から曝露した。H
el308Mbu−S288Faz(変異E288Fazを有する配列番号10)試料を
3時間曝露した。
手順3−白色光(LED源)への曝露および加熱
保存緩衝液(50mM Tris pH8.0、4℃、NaCl(370mM)および
5%グリセロール)中のHel308Mbu−S288Faz(変異E288Fazを有
する配列番号10)を微量遠心管(Eppendorf、1.5mL、Protein
Lo Bind)にピペットで取った。試料を(キャップを開けて)氷上に置き、LED
光源(Schott A20960.1)に全出力で1cmの距離で上から曝露した。H
el308Mbu−S288Faz(変異E288Fazを有する配列番号10)試料を
1時間曝露した。試料をPCRチューブ(Fisher 0.2mL thin wal
lチューブ)に移し、4℃にする前に50℃で10分間加熱し、次いであらゆる沈殿タン
パク質を除去するために5分間、16000gで遠心分離した。可溶性画分を不溶性沈殿
からピペットで慎重に除去した。
本実施例は、ナノポアを通るインタクトなDNA鎖(3.6kb)の移動を制御するH
el308Mbu(配列番号10)の能力を、多数のHel308Mbu変異体(Hel
308Mbu−E284C(変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mb
u−S288C(変異S288Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E28
4Faz(変異E284Fazを有する配列番号10)および熱処置Hel308Mbu
−E284Faz(変異E284Fazを有する配列番号10、酵素は50mM Tri
s pH8.0、375mM NaCl、5%グリセロール緩衝液中で4℃から50℃で
10分間加熱され、次いでBioRad PCRブロックで4℃に冷却された))のもの
と比較する。図18に場と反対の制御されたDNA移行のための一般的方法を示す。
材料および方法
実験を設定する前に、DNA(0.2nM、(その5’末端で4個のニトロインドール
に付着している配列番号154(図18においてxと標識)、その最後は配列番号155
の3’末端に付着している)、配列番号156および配列番号117)ならびに適切なヘ
リカーゼ(Hel308Mbu(100nM、配列番号10)、Hel308Mbu−E
284C(100nM、変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−
S288C(100nM、変異S288Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu
−E284Faz(100nM、変異E284Fazを有する配列番号10)および熱処
置Hel308Mbu−E284Faz(500nM、変異E284Fazを有する配列
番号10、酵素は50mM Tris pH8.0、375mM NaCl、5%グリセ
ロール緩衝液中で4℃から50℃で10分間加熱され、次いでBioRad PCRブロ
ックで4℃に冷却された))を緩衝液(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、
3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリシアン化カリウムpH8.0、10mM
MgClおよび1mM ATP)中に溶解した。
緩衝液(960mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウ
ム、1mMフェリシアン化カリウムpH8.0)中のブロック共重合体に挿入された単一
MspAナノポア(MS(B1−G75S/G77S/L88N/Q126R)8Msp
A(変異G75S/G77S/L88N/Q126Rを有する配列番号2)から電気測定
値を得た。ブロック共重合体中に単一ポアを達成した後、次いで緩衝液(3mL 960
mM KCl、25mMリン酸カリウム、3mMフェロシアン化カリウム、1mMフェリ
シアン化カリウムpH8.0)を系を通して流した。最終に、予備混合物(上に記載)を
単一ナノポア実験系に添加した。実験は、+120mVの一定電位で実行し、ヘリカーゼ
制御DNA移動をモニターした。
結果および考察
検査した全ての酵素、Hel308Mbu(配列番号10)、Hel308Mbu−E
284C(変異E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−S288C(
変異S288Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284Faz(変異E
284Fazを有する配列番号10)および熱処置Hel308Mbu−E284Faz
(変異E284Fazを有する配列番号10、酵素は50mM Tris pH8.0、
375mM NaCl、5%グリセロール緩衝液中で4℃から50℃で10分間加熱され
、次いでBioRad PCRブロックで4℃に冷却された)からヘリカーゼ制御DNA
移動を観察した。ヘリカーゼ制御DNA移動を示す電流トレース例を図19〜23に示す
。しかし変異体Hel308Mbuヘリカーゼ(Hel308Mbu−E284C(変異
E284Cを有する配列番号10)、Hel308Mbu−S288C(変異S288C
を有する配列番号10)、Hel308Mbu−E284Faz(変異E284Fazを
有する配列番号10)および熱処置Hel308Mbu−E284Faz(変異E284
Fazを有する配列番号10、酵素は50mM Tris pH8.0、375mM N
aCl、5%グリセロール緩衝液中で4℃から50℃で10分間加熱され、次いでBio
Rad PCRブロックで4℃に冷却された))はHel308Mbu(配列番号10)
と比較して増大した前進性を示した、表11を参照されたい。実験において観察されたヘ
リカーゼ制御DNA移動の内、鎖の末端(ポリT領域に)まで全てDNAを処理した移動
の%は変異体ヘリカーゼ(Hel308Mbu−E284C(変異E284Cを有する配
列番号10)、Hel308Mbu−S288C(変異S288Cを有する配列番号10
)、Hel308Mbu−E284Faz(変異E284Fazを有する配列番号10)
および熱処置Hel308Mbu−E284Faz(変異E284Fazを有する配列番
号10、酵素は50mM Tris pH8.0、375mM NaCl、5%グリセロ
ール緩衝液中で4℃から50℃で10分間加熱され、次いでBioRad PCRブロッ
クで4℃に冷却された))についてHel308Mbu(配列番号10)と比較した場合
に顕著に高かった。
本発明はまた以下を提供する。
[1] 1つまたは複数の単量体から形成され、少なくとも1つのコンホメーション状態において、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含むポリヌクレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼであって、ヘリカーゼの同じ単量体内の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減するように修飾されており、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持しているヘリカーゼ。
[2] 2つ以上の部分が開口部を閉じるように繋がれている、[1]に記載のヘリカーゼ。
[3] いかなるコンホメーション状態でも開口部を含まないように修飾されている、[1]または[2]に記載のヘリカーゼ。
[4] ポリヌクレオチド周囲の共有結合的に閉じた構造を形成できるように修飾されている、[1]から[3]のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[5] 2つ以上の部分が一過的に繋がれている、[1]から[3]のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[6] ポリヌクレオチド結合ドメインが、少なくとも1つのコンホメーション状態において、それを通ってポリヌクレオチドの内部ヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含む、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[7] 2つ以上の部分の少なくとも1つが開口部の部分を形成する、開口部に隣接しているまたは開口部に近い、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[8] 開口部の部分を形成するまたは開口部に隣接している2つ以上アミノ酸を連結することによって修飾されている、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[9] 2つ以上の部分が親和性分子によって繋がれている、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[10] 親和性分子が、(a)相補的ポリヌクレオチド、(b)抗体またはその断片および相補的エピトープ、(c)ペプチドジッパー、(d)β−シート増強により相互作用できる、(e)水素結合、pi−スタッキングまたは塩橋形成できる、(f)ロタキサン、(g)アプタマーおよび相補的タンパク質または(h)ハーフキレーターである、[9]に記載のヘリカーゼ。
[11] 2つ以上の部分が1つまたは複数のリンカーを使用して繋がれている、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[12] 1つもしくは複数のリンカーがアミノ酸配列および/または1つもしくは複数の化学的架橋剤である、[11]に記載のヘリカーゼ。
[13] アミノ酸配列がポリヌクレオチド結合成分を含む、[12]に記載のヘリカーゼ。
[14] 1つまたは複数のリンカーの一方の末端または両方の末端がヘリカーゼに共有結合的に付着されている、[11]から[12]のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[15] 2つ以上の部分の少なくとも1つが、1つまたは複数のリンカーの付着を促進するために修飾されている、[11]から[13]のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[16] 2つ以上の部分の少なくとも1つのアミノ酸がシステインまたは非天然アミノ酸で置換されている、[15]に記載のヘリカーゼ。
[17] 非天然アミノ酸が4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)である、[16]に記載のヘリカーゼ。
[18] 2つ以上の部分が、単量体の表面上にあるおよび/または単量体のループ領域である、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[19] 2つ以上の部分が単量体中で空間的に近接している、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[20] スーパーファミリー1またはスーパーファミリー2由来である、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[21] Hel308ヘリカーゼ、RecDヘリカーゼ、Tralヘリカーゼ、Tralサブグループヘリカーゼ、XPDヘリカーゼまたはその変種である、前記のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[22] Hel308ヘリカーゼが表1に示すヘリカーゼの1つもしくはその変種である、またはTraIヘリカーゼが表3に示すヘリカーゼの1つもしくはその変種である、[21]に記載のヘリカーゼ。
[23] 1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸がHel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D274、G281、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E291、D293、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N316、H317、R318、K319、L320、E322、R326、N328、S615、K717、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に導入されているHel308ヘリカーゼであって、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持している、Hel308ヘリカーゼ。
[24] ヘリカーゼの2つ以上の部分が繋がれて、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できるポリヌクレオチド結合ドメイン中の開口部のサイズを低減するようにさらに修飾されている、[23]に記載のヘリカーゼ。
[25] ヘリカーゼの2つ以上の部分が繋がれて、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できるポリヌクレオチド結合ドメイン中の開口部のサイズを低減するように修飾されていない、[24]に記載のヘリカーゼ。
[26] 1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸が、(a)Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E285、S288、S615、K717、Y720、E287、T289、G290、E291、N316およびK319に対応する位置の1つもしくは複数に、(b)Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E285、S288、S615、K717およびY720に対応する位置の1つもしくは複数にまたは(c)Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E285、S288およびS615に対応する位置の1つまたは複数に導入されている、[23]から[25]のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[27] 配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55および58のいずれか1つに示す配列の変種を含み、Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E285、S288、S615、K717、Y720、E287、T289、G290、E291、N316およびK319に対応する位置が表4aおよび4bに示されている、[26]に記載のヘリカーゼ。
[28] (a)位置L265、E275、L276、S279、P585、K690およびE693の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号13(Hel308Pfu)に示す配列の変種;
(b)位置E283、E293、I294、V297、D671、K775およびE778の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号16(Hel308Hvo)に示す配列の変種;
(c)位置E283、E293、I294、G297、D668、R775およびE778の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号19(Hel308Hla)に示す配列の変種;
(d)位置D280、K290、I291、S294、P589、T694およびN697の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号22(Hel308Csy)に示す配列の変種;
(e)位置L281、K291、Q292、D295、D596、K702およびQ705の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号25(Hel308Sso)に示す配列の変種;
(f)位置H264、E272、K273、A276、G576、K678およびE681の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号28(Hel308Mfr)に示す配列の変種;
(g)位置S279、L289、S290、D293、P649、K753およびR756の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号29(Hel308Mok)に示す配列の変種;
(h)位置Y276、L286、S287、D290、P579、K679およびK682の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号32(Hel308Mig)に示す配列の変種;
(i)位置L266、S276、L277、Q280、P583、K689およびD692の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号33(Hel308Tga)に示す配列の変種;
(j)位置L287、E297、L298、S301、S604、K710およびE713の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号34(Hel308Tba)に示す配列の変種;
(k)位置L289、Q299、L300、G303、N606、G712およびE715の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号37(Hel308Tsi)に示す配列の変種;
(l)位置E274、D284、E285、E288、S589、K691およびD694の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号38(Hel308Mba)に示す配列の変種;
(m)位置E274、D284、E285、E288、P590、K692およびE695の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号39(Hel308Mac)に示す配列の変種;
(n)位置H272、L282、S283、D286、P621、K725およびK728の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号40(Hel308Mmah)に示す配列の変種;
(o)位置E274、D284、E285、E288、P590、K692およびE698の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号41(Hel308Mmaz)に示す配列の変種;
(p)位置A269、L279、A280、L283、H575、K677およびE680の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号42(Hel308Mth)に示す配列の変種;
(q)位置H274、Q284、E285、E288、P596、K699およびQ702の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号43(Hel308Mzh)に示す配列の変種;
(r)位置G274、E284、E285、E288、T590、K691およびY694の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号44(Hel308Mev)に示す配列の変種;
(s)位置H272、L282、S283、D286、P621、K725およびK728の1つまたは複数にシステイン残基または非天然アミノ酸を含む配列番号45(Hel308Mma)に示す配列の変種;
(t)位置G277、T287、E288、E291、D634、K737およびE740の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号46(Hel308Nma)に示す配列の変種;
(u)位置A270、E277、R278、E281、S583、G685およびE688の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号47(Hel308Mbo)に示す配列の変種;
(v)位置Q264、F267、E268、E271、P559、K663およびK666の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号48(Hel308Fac)に示す配列の変種;
(w)位置R275、L285、S286、E289、P576、K676およびK679の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号49(Hel308Mfe)に示す配列の変種;
(x)位置I273、L283、S284、E287、P574、K674およびK677の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号50(Hel308Mja)に示す配列の変種;
(y)位置R257、L267、S268、D271、P554、K651およびK654の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号51(Hel308Min)に示す配列の変種;
(z)位置S269、Q277、E278、R281、S583、G685およびR688の1つまたは複数にシステイン残基または非天然アミノ酸を含む配列番号52(Hel308Mhu)に示す配列の変種;
(aa)位置K268、K277、A278、E281、D575、R677およびE680の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号53(Hel308Afu)に示す配列の変種;
(ab)位置D277、D287、D288、D291、D626、K729およびE732の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号54(Hel308Htu)に示す配列の変種;
(ac)位置D276、D286、Q287、D290、D595、K707およびE710の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号55(Hel308Hpa)に示す配列の変種;
(ad)位置E286、E296、I297、V300、D633、A737およびE740の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号58(Hel308Hsp(ski2様ヘリカーゼ))に示す配列の変種;または
(ae)D274、E284、E285、S288、S615、K717およびY720の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を含む配列番号10に示す配列の変種
を含む、[26]に記載のヘリカーゼ。
[29] 1つまたは複数の非天然アミノ酸が、4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)、4−アセチル−L−フェニルアラニン、3−アセチル−L−フェニルアラニン、4−アセトアセチル−L−フェニルアラニン、O−アリル−L−チロシン、3−(フェニルセラニル)−L−アラニン、O−2−プロピン−1−イル−L−チロシン、4−(ジヒドロキシボリル)−L−フェニルアラニン、4−[(エチルスルファニル)カルボニル]−L−フェニルアラニン、(2S)−2−アミノ−3−{4−[(プロパン−2−イルスルファニル)カルボニル]フェニル}プロパン酸、(2S)−2−アミノ−3−{4−[(2−アミノ−3−スルファニルプロパノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、O−メチル−L−チロシン、4−アミノ−L−フェニルアラニン、4−シアノ−L−フェニルアラニン、3−シアノ−L−フェニルアラニン、4−フルオロ−L−フェニルアラニン、4−ヨード−L−フェニルアラニン、4−ブロモ−L−フェニルアラニン、O−(トリフルオロメチル)チロシン、4−ニトロ−L−フェニルアラニン、3−ヒドロキシ−L−チロシン、3−アミノ−L−チロシン、3−ヨード−L−チロシン、4−イソプロピル−L−フェニルアラニン、3−(2−ナフチル)−L−アラニン、4−フェニル−L−フェニルアラニン、(2S)−2−アミノ−3−(ナフタレン−2−イルアミノ)プロパン酸、6−(メチルスルファニル)ノルロイシン、6−オキソ−L−リシン、D−チロシン、(2R)−2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、(2R)−2−アンモニオオクタノエート3−(2,2’−ビピリジン−5−イル)−D−アラニン、2−アミノ−3−(8−ヒドロキシ−3−キノリル)プロパン酸、4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、S−(2−ニトロベンジル)システイン、(2R)−2−アミノ−3−[(2−ニトロベンジル)スルファニル]プロパン酸、(2S)−2−アミノ−3−[(2−ニトロベンジル)オキシ]プロパン酸、O−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)−L−セリン、(2S)−2−アミノ−6−({[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、O−(2−ニトロベンジル)−L−チロシン、2−ニトロフェニルアラニン、4−[(E)−フェニルジアゼニル]−L−フェニルアラニン、4−[3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジレン−3−イル]−D−フェニルアラニン、2−アミノ−3−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニルアミノ]プロパン酸、(2S)−2−アミノ−4−(7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4−イル)ブタン酸、(2S)−3−[(6−アセチルナフタレン−2−イル)アミノ]−2−アミノプロパン酸、4−(カルボキシメチル)フェニルアラニン、3−ニトロ−L−チロシン、O−スルホ−L−チロシン、(2R)−6−アセトアミド−2−アンモニオヘキサノエート、1−メチルヒスチジン、2−アミノノナン酸、2−アミノデカン酸、L−ホモシステイン、5−スルファニルノルバリン、6−スルファニル−L−ノルロイシン、5−(メチルスルファニル)−L−ノルバリン、N −{[(2R,3R)−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−イル]カルボニル}−L−リシン、N −[(ベンジルオキシ)カルボニル]リシン、(2S)−2−アミノ−6−[(シクロペンチルカルボニル)アミノ]ヘキサン酸、N −[(シクロペンチルオキシ)カルボニル]−L−リシン、(2S)−2−アミノ−6−{[(2R)−テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル]アミノ}ヘキサン酸、(2S)−2−アミノ−8−[(2R,3S)−3−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル]−8−オキソオクタン酸、N −(tert−ブトキシカルボニル)−L−リシン、(2S)−2−ヒドロキシ−6−({[(2−メチル−2−プロパニル)オキシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、N −[(アリルオキシ)カルボニル]リシン、(2S)−2−アミノ−6−({[(2−アジドベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、N −L−プロリル−L−リシン、(2S)−2−アミノ−6−{[(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキサン酸およびN −[(2−アジドエトキシ)カルボニル]−L−リシンから選択される、[23]から[28]のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
[30] [1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼおよび追加的ポリヌクレオチド結合成分を含む構築物であって、ヘリカーゼがポリヌクレオチド結合成分に付着しており、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を有する構築物。
[31] ポリヌクレオチドの移動を制御する方法であって、ポリヌクレオチドを[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物と接触させ、それによりポリヌクレオチドの移動を制御するステップを含む方法。
[32] 標的ポリヌクレオチドを特性決定する方法であって
(a)標的ポリヌクレオチドを膜貫通ポアおよび[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物と、ヘリカーゼまたは構築物がポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように接触させるステップ;ならびに
(b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときに1つまたは複数の測定値を取るステップであって、測定値が標的ポリヌクレオチドの特性の1つまたは複数を示し、それにより標的ポリヌクレオチドを特性決定するステップ
を含む方法。
[33] 1つまたは複数の特性が、(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(ii)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)標的ポリヌクレオチドの二次構造および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか否か、から選択される、[32]に記載の方法。
[34] 標的ポリヌクレオチドがメチル化によって、酸化によって、損傷によって、1つまたは複数のタンパク質でまたは1つまたは複数の標識、タグもしくはスペーサーで修飾されている、[33]に記載の方法。
[35] 標的ポリヌクレオチドの1つまたは複数の特性が電気的測定および/または光学的測定によって測定される、[32]から[34]のいずれか一項に記載の方法。
[36] 電気的測定が電流測定、インピーダンス測定、トンネル測定または電界効果トランジスタ(FET)測定である、[35]に記載の方法。
[37] (a)標的ポリヌクレオチドを膜貫通ポアおよび[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物に接触させて、ヘリカーゼまたは構築物がポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するようにするステップ;および
(b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときにポアを通過する電流を測定するステップであって、電流が標的ポリヌクレオチドの1つまたは複数の特性を示し、それにより標的ポリヌクレオチドを特性決定するステップ
を含む、[35]に記載の方法。
[38] ポアに電圧を印加して、ポアとヘリカーゼとの複合体を形成するステップをさらに含む、[32]から[37]のいずれか一項に記載の方法。
[39] ポリヌクレオチドの少なくとも一部が2本鎖である、[32]から[38]のいずれか一項に記載の方法。
[40] ポアが、膜貫通タンパク質ポアまたはソリッドステートポアである、[32]から[39]のいずれか一項に記載の方法。
[41] 膜貫通タンパク質ポアが、ヘモリジン(hemolysin)、ロイコシジン(leukocidin)、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)ポリン(porin)A(MspA)、MspB、MspC、MspD、外膜ポリン(porin)F(OmpF)、外膜ポリン(porin)G(OmpG)、外膜ホスホリパーゼA、ナイセリア(Neisseria)オートトランスポーターリポタンパク質(NalP)およびWZA由来である、[40]に記載の方法。
[42] 膜貫通タンパク質が、(a)配列番号2に示す8個の同一のサブユニットから形成されている、または(b)8個のサブユニットの1つもしくは複数が配列全体にわたるアミノ酸同一性に基づいて配列番号2に対して少なくとも50%の相同性を有し、ポア活性を保持しているその変種である、[41]に記載の方法。
[43] 膜貫通タンパク質が、(a)配列番号4に示す7個の同一サブユニットから形成されているα−ヘモリジンである、または(b)7個のサブユニットの1つまたは複数が配列全体にわたるアミノ酸同一性に基づいて配列番号4に対して少なくとも50%の相同性を有し、ポア活性を保持しているその変種である、[41]に記載の方法。
[44] (a)ポアと、(b)[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物との複合体を形成し、それにより標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーを形成するステップを含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサーの形成方法。
[45] 複合体が、(a)標的ポリヌクレオチドの存在下でポアとヘリカーゼまたは構築物とを接触させるステップおよび(a)ポアに電位を印加するステップによって形成される、[44]に記載の方法。
[46] 電位が、電圧電位または化学電位である、[45に記載の方法。
[47] 複合体が、ポアをヘリカーゼまたは構築物に共有結合的に付着するステップによって形成される、[45]に記載の方法。
[48] (a)ポアと、(b)[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物との間の複合体を含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのセンサー。
[49] ポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物の使用。
[50] (a)ポアおよび(b)[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは[30]に記載の構築物を含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのキット。
[51] 両親媒性膜を含むチップをさらに含む、[50]に記載のキット。
[52] (a)複数のポア、および(b)[1]から[29]のいずれか一項に記載の複数のヘリカーゼまたは[30]に記載の複数の構築物を含む、試料中の標的ポリヌクレオチドを特性決定するための装置。
[53] 複数のポアを支持でき、ポアおよび構築物を使用してポリヌクレオチド特性決定を実施するために作動可能であるセンサーデバイス;ならびに
特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー
を含む、[52]に記載の装置。
[54] 複数のポアを支持でき、前記ポアおよびヘリカーゼまたは構築物を用いてポリヌクレオチド特性決定を実施するために作動可能であるセンサーデバイス;
特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー;
前記少なくとも1つのリザーバーから前記センサーデバイスに材料を制御可能に供給するように構成された流体系;および
各試料を受けるための1つまたは複数の容器
を含み、前記流体系が1つまたは複数の容器から前記センサーデバイスに前記試料を選択的に供給するように構成されている、[52]または[53]に記載の装置。
[55] [1]から[22]または[24]のいずれか一項に記載のヘリカーゼを産生する方法であって、
(a)1つまたは複数の単量体から形成され、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含むポリヌクレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼを提供するステップ、ならびに
(b)ヘリカーゼの同じ単量体内の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減するようにヘリカーゼを修飾し、それにより[1]から[22または24]のいずれか一項に記載のヘリカーゼを産生するステップ
を含む方法。
[56] [23]に記載のヘリカーゼを産生する方法であって、
(a)Hel308ヘリカーゼを提供するステップ;ならびに
(b)Hel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D274、G281、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E291、D293、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N316、H317、R318、K319、L320、E322、R326、N328、S615、K717、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を導入し、それにより[23に記載のヘリカーゼを産生するステップを含む方法。
[57] (c)得られたヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御できるかどうかを決定するステップをさらに含む、[55]または[56]に記載の方法。
[58] [30]に記載の構築物を産生する方法であって、[1]から[29]のいずれか一項に記載のヘリカーゼを追加的ポリヌクレオチド結合成分に付着させ、それにより本発明の構築物を産生するステップを含む方法。
[59] 得られた構築物がポリヌクレオチドの移動を制御できるかどうかを決定するステップをさらに含む、[58]に記載の方法。

Claims (59)

  1. 1つまたは複数の単量体から形成され、少なくとも1つのコンホメーション状態におい
    て、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を含むポリヌクレ
    オチド結合ドメインを含むヘリカーゼであって、ヘリカーゼの同じ単量体内の2つ以上の
    部分が繋がれて開口部のサイズを低減するように修飾されており、ポリヌクレオチドの移
    動を制御する能力を保持しているヘリカーゼ。
  2. 2つ以上の部分が開口部を閉じるように繋がれている、請求項1に記載のヘリカーゼ。
  3. いかなるコンホメーション状態でも開口部を含まないように修飾されている、請求項1
    または2に記載のヘリカーゼ。
  4. ポリヌクレオチド周囲の共有結合的に閉じた構造を形成できるように修飾されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  5. 2つ以上の部分が一過的に繋がれている、請求項1から3のいずれか一項に記載のヘリ
    カーゼ。
  6. ポリヌクレオチド結合ドメインが、少なくとも1つのコンホメーション状態において、
    それを通ってポリヌクレオチドの内部ヌクレオチドがヘリカーゼから解離できる開口部を
    含む、前記請求項のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  7. 2つ以上の部分の少なくとも1つが開口部の部分を形成する、開口部に隣接しているま
    たは開口部に近い、前記請求項のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  8. 開口部の部分を形成するまたは開口部に隣接している2つ以上アミノ酸を連結すること
    によって修飾されている、前記請求項のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  9. 2つ以上の部分が親和性分子によって繋がれている、前記請求項のいずれか一項に記載
    のヘリカーゼ。
  10. 親和性分子が、(a)相補的ポリヌクレオチド、(b)抗体またはその断片および相補
    的エピトープ、(c)ペプチドジッパー、(d)β−シート増強により相互作用できる、
    (e)水素結合、pi−スタッキングまたは塩橋形成できる、(f)ロタキサン、(g)
    アプタマーおよび相補的タンパク質または(h)ハーフキレーターである、請求項9に記
    載のヘリカーゼ。
  11. 2つ以上の部分が1つまたは複数のリンカーを使用して繋がれている、前記請求項のい
    ずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  12. 1つもしくは複数のリンカーがアミノ酸配列および/または1つもしくは複数の化学的
    架橋剤である、請求項11に記載のヘリカーゼ。
  13. アミノ酸配列がポリヌクレオチド結合成分を含む、請求項12に記載のヘリカーゼ。
  14. 1つまたは複数のリンカーの一方の末端または両方の末端がヘリカーゼに共有結合的に
    付着されている、請求項11から12のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  15. 2つ以上の部分の少なくとも1つが、1つまたは複数のリンカーの付着を促進するため
    に修飾されている、請求項11から13のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  16. 2つ以上の部分の少なくとも1つのアミノ酸がシステインまたは非天然アミノ酸で置換
    されている、請求項15に記載のヘリカーゼ。
  17. 非天然アミノ酸が4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)である、請求項16に
    記載のヘリカーゼ。
  18. 2つ以上の部分が、単量体の表面上にあるおよび/または単量体のループ領域である、
    前記請求項のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  19. 2つ以上の部分が単量体中で空間的に近接している、前記請求項のいずれか一項に記載
    のヘリカーゼ。
  20. スーパーファミリー1またはスーパーファミリー2由来である、前記請求項のいずれか
    一項に記載のヘリカーゼ。
  21. Hel308ヘリカーゼ、RecDヘリカーゼ、Tralヘリカーゼ、Tralサブグ
    ループヘリカーゼ、XPDヘリカーゼまたはその変種である、前記請求項のいずれか一項
    に記載のヘリカーゼ。
  22. Hel308ヘリカーゼが表1に示すヘリカーゼの1つもしくはその変種である、また
    はTraIヘリカーゼが表3に示すヘリカーゼの1つもしくはその変種である、請求項2
    1に記載のヘリカーゼ。
  23. 1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸
    がHel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D274、G281、
    E284、E285、E287、S288、T289、G290、E291、D293、
    T294、N300、R303、K304、N314、S315、N316、H317、
    R318、K319、L320、E322、R326、N328、S615、K717、
    Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に導入されているH
    el308ヘリカーゼであって、ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を保持している
    、Hel308ヘリカーゼ。
  24. ヘリカーゼの2つ以上の部分が繋がれて、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼ
    から解離できるポリヌクレオチド結合ドメイン中の開口部のサイズを低減するようにさら
    に修飾されている、請求項23に記載のヘリカーゼ。
  25. ヘリカーゼの2つ以上の部分が繋がれて、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカーゼ
    から解離できるポリヌクレオチド結合ドメイン中の開口部のサイズを低減するように修飾
    されていない、請求項24に記載のヘリカーゼ。
  26. 1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸
    が、(a)Hel308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E285、S
    288、S615、K717、Y720、E287、T289、G290、E291、N
    316およびK319に対応する位置の1つもしくは複数に、(b)Hel308Mbu
    (配列番号10)中のD274、E284、E285、S288、S615、K717お
    よびY720に対応する位置の1つもしくは複数にまたは(c)Hel308Mbu(配
    列番号10)中のD274、E284、E285、S288およびS615に対応する位
    置の1つまたは複数に導入されている、請求項23から25のいずれか一項に記載のヘリ
    カーゼ。
  27. 配列番号10、13、16、19、22、25、28、29、32、33、34、37
    、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、
    51、52、53、54、55および58のいずれか1つに示す配列の変種を含み、He
    l308Mbu(配列番号10)中のD274、E284、E285、S288、S61
    5、K717、Y720、E287、T289、G290、E291、N316およびK
    319に対応する位置が表4aおよび4bに示されている、請求項26に記載のヘリカー
    ゼ。
  28. (a)位置L265、E275、L276、S279、P585、K690およびE6
    93の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは
    複数の非天然アミノ酸を含む配列番号13(Hel308Pfu)に示す配列の変種;
    (b)位置E283、E293、I294、V297、D671、K775およびE77
    8の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号16(Hel308Hvo)に示す配列の変種;
    (c)位置E283、E293、I294、G297、D668、R775およびE77
    8の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号19(Hel308Hla)に示す配列の変種;
    (d)位置D280、K290、I291、S294、P589、T694およびN69
    7の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号22(Hel308Csy)に示す配列の変種;
    (e)位置L281、K291、Q292、D295、D596、K702およびQ70
    5の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号25(Hel308Sso)に示す配列の変種;
    (f)位置H264、E272、K273、A276、G576、K678およびE68
    1の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号28(Hel308Mfr)に示す配列の変種;
    (g)位置S279、L289、S290、D293、P649、K753およびR75
    6の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号29(Hel308Mok)に示す配列の変種;
    (h)位置Y276、L286、S287、D290、P579、K679およびK68
    2の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号32(Hel308Mig)に示す配列の変種;
    (i)位置L266、S276、L277、Q280、P583、K689およびD69
    2の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号33(Hel308Tga)に示す配列の変種;
    (j)位置L287、E297、L298、S301、S604、K710およびE71
    3の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号34(Hel308Tba)に示す配列の変種;
    (k)位置L289、Q299、L300、G303、N606、G712およびE71
    5の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号37(Hel308Tsi)に示す配列の変種;
    (l)位置E274、D284、E285、E288、S589、K691およびD69
    4の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号38(Hel308Mba)に示す配列の変種;
    (m)位置E274、D284、E285、E288、P590、K692およびE69
    5の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号39(Hel308Mac)に示す配列の変種;
    (n)位置H272、L282、S283、D286、P621、K725およびK72
    8の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号40(Hel308Mmah)に示す配列の変種;
    (o)位置E274、D284、E285、E288、P590、K692およびE69
    8の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号41(Hel308Mmaz)に示す配列の変種;
    (p)位置A269、L279、A280、L283、H575、K677およびE68
    0の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号42(Hel308Mth)に示す配列の変種;
    (q)位置H274、Q284、E285、E288、P596、K699およびQ70
    2の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号43(Hel308Mzh)に示す配列の変種;
    (r)位置G274、E284、E285、E288、T590、K691およびY69
    4の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号44(Hel308Mev)に示す配列の変種;
    (s)位置H272、L282、S283、D286、P621、K725およびK72
    8の1つまたは複数にシステイン残基または非天然アミノ酸を含む配列番号45(Hel
    308Mma)に示す配列の変種;
    (t)位置G277、T287、E288、E291、D634、K737およびE74
    0の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号46(Hel308Nma)に示す配列の変種;
    (u)位置A270、E277、R278、E281、S583、G685およびE68
    8の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号47(Hel308Mbo)に示す配列の変種;
    (v)位置Q264、F267、E268、E271、P559、K663およびK66
    6の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号48(Hel308Fac)に示す配列の変種;
    (w)位置R275、L285、S286、E289、P576、K676およびK67
    9の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号49(Hel308Mfe)に示す配列の変種;
    (x)位置I273、L283、S284、E287、P574、K674およびK67
    7の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号50(Hel308Mja)に示す配列の変種;
    (y)位置R257、L267、S268、D271、P554、K651およびK65
    4の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複
    数の非天然アミノ酸を含む配列番号51(Hel308Min)に示す配列の変種;
    (z)位置S269、Q277、E278、R281、S583、G685およびR68
    8の1つまたは複数にシステイン残基または非天然アミノ酸を含む配列番号52(Hel
    308Mhu)に示す配列の変種;
    (aa)位置K268、K277、A278、E281、D575、R677およびE6
    80の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは
    複数の非天然アミノ酸を含む配列番号53(Hel308Afu)に示す配列の変種;
    (ab)位置D277、D287、D288、D291、D626、K729およびE7
    32の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは
    複数の非天然アミノ酸を含む配列番号54(Hel308Htu)に示す配列の変種;
    (ac)位置D276、D286、Q287、D290、D595、K707およびE7
    10の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは
    複数の非天然アミノ酸を含む配列番号55(Hel308Hpa)に示す配列の変種;
    (ad)位置E286、E296、I297、V300、D633、A737およびE7
    40の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは
    複数の非天然アミノ酸を含む配列番号58(Hel308Hsp(ski2様ヘリカーゼ
    ))に示す配列の変種;または
    (ae)D274、E284、E285、S288、S615、K717およびY720
    の1つまたは複数に1つもしくは複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数
    の非天然アミノ酸を含む配列番号10に示す配列の変種
    を含む、請求項26に記載のヘリカーゼ。
  29. 1つまたは複数の非天然アミノ酸が、4−アジド−L−フェニルアラニン(Faz)、
    4−アセチル−L−フェニルアラニン、3−アセチル−L−フェニルアラニン、4−アセ
    トアセチル−L−フェニルアラニン、O−アリル−L−チロシン、3−(フェニルセラニ
    ル)−L−アラニン、O−2−プロピン−1−イル−L−チロシン、4−(ジヒドロキシ
    ボリル)−L−フェニルアラニン、4−[(エチルスルファニル)カルボニル]−L−フ
    ェニルアラニン、(2S)−2−アミノ−3−{4−[(プロパン−2−イルスルファニ
    ル)カルボニル]フェニル}プロパン酸、(2S)−2−アミノ−3−{4−[(2−ア
    ミノ−3−スルファニルプロパノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、O−メチル−L
    −チロシン、4−アミノ−L−フェニルアラニン、4−シアノ−L−フェニルアラニン、
    3−シアノ−L−フェニルアラニン、4−フルオロ−L−フェニルアラニン、4−ヨード
    −L−フェニルアラニン、4−ブロモ−L−フェニルアラニン、O−(トリフルオロメチ
    ル)チロシン、4−ニトロ−L−フェニルアラニン、3−ヒドロキシ−L−チロシン、3
    −アミノ−L−チロシン、3−ヨード−L−チロシン、4−イソプロピル−L−フェニル
    アラニン、3−(2−ナフチル)−L−アラニン、4−フェニル−L−フェニルアラニン
    、(2S)−2−アミノ−3−(ナフタレン−2−イルアミノ)プロパン酸、6−(メチ
    ルスルファニル)ノルロイシン、6−オキソ−L−リシン、D−チロシン、(2R)−2
    −ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、(2R)−2−アンモニオ
    オクタノエート3−(2,2’−ビピリジン−5−イル)−D−アラニン、2−アミノ−
    3−(8−ヒドロキシ−3−キノリル)プロパン酸、4−ベンゾイル−L−フェニルアラ
    ニン、S−(2−ニトロベンジル)システイン、(2R)−2−アミノ−3−[(2−ニ
    トロベンジル)スルファニル]プロパン酸、(2S)−2−アミノ−3−[(2−ニトロ
    ベンジル)オキシ]プロパン酸、O−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル)−L
    −セリン、(2S)−2−アミノ−6−({[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニ
    ル}アミノ)ヘキサン酸、O−(2−ニトロベンジル)−L−チロシン、2−ニトロフェ
    ニルアラニン、4−[(E)−フェニルジアゼニル]−L−フェニルアラニン、4−[3
    −(トリフルオロメチル)−3H−ジアジレン−3−イル]−D−フェニルアラニン、2
    −アミノ−3−[[5−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル]スルホニルアミノ]プロパ
    ン酸、(2S)−2−アミノ−4−(7−ヒドロキシ−2−オキソ−2H−クロメン−4
    −イル)ブタン酸、(2S)−3−[(6−アセチルナフタレン−2−イル)アミノ]−
    2−アミノプロパン酸、4−(カルボキシメチル)フェニルアラニン、3−ニトロ−L−
    チロシン、O−スルホ−L−チロシン、(2R)−6−アセトアミド−2−アンモニオヘ
    キサノエート、1−メチルヒスチジン、2−アミノノナン酸、2−アミノデカン酸、L−
    ホモシステイン、5−スルファニルノルバリン、6−スルファニル−L−ノルロイシン、
    5−(メチルスルファニル)−L−ノルバリン、N−{[(2R,3R)−3−メチル
    −3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−2−イル]カルボニル}−L−リシン、N−[
    (ベンジルオキシ)カルボニル]リシン、(2S)−2−アミノ−6−[(シクロペンチ
    ルカルボニル)アミノ]ヘキサン酸、N−[(シクロペンチルオキシ)カルボニル]−
    L−リシン、(2S)−2−アミノ−6−{[(2R)−テトラヒドロフラン−2−イル
    カルボニル]アミノ}ヘキサン酸、(2S)−2−アミノ−8−[(2R,3S)−3−
    エチニルテトラヒドロフラン−2−イル]−8−オキソオクタン酸、N−(tert−
    ブトキシカルボニル)−L−リシン、(2S)−2−ヒドロキシ−6−({[(2−メチ
    ル−2−プロパニル)オキシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、N−[(アリルオキ
    シ)カルボニル]リシン、(2S)−2−アミノ−6−({[(2−アジドベンジル)オ
    キシ]カルボニル}アミノ)ヘキサン酸、N−L−プロリル−L−リシン、(2S)−
    2−アミノ−6−{[(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ヘキ
    サン酸およびN−[(2−アジドエトキシ)カルボニル]−L−リシンから選択される
    、請求項23から28のいずれか一項に記載のヘリカーゼ。
  30. 請求項1から29のいずれか一項に記載のヘリカーゼおよび追加的ポリヌクレオチド結
    合成分を含む構築物であって、ヘリカーゼがポリヌクレオチド結合成分に付着しており、
    ポリヌクレオチドの移動を制御する能力を有する構築物。
  31. ポリヌクレオチドの移動を制御する方法であって、ポリヌクレオチドを請求項1から2
    9のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは請求項30に記載の構築物と接触させ、それ
    によりポリヌクレオチドの移動を制御するステップを含む方法。
  32. 標的ポリヌクレオチドを特性決定する方法であって
    (a)標的ポリヌクレオチドを膜貫通ポアおよび請求項1から29のいずれか一項に記載
    のヘリカーゼまたは請求項30に記載の構築物と、ヘリカーゼまたは構築物がポアを通る
    標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように接触させるステップ;ならびに
    (b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときに1つまたは複数の測定値を取るス
    テップであって、測定値が標的ポリヌクレオチドの特性の1つまたは複数を示し、それに
    より標的ポリヌクレオチドを特性決定するステップ
    を含む方法。
  33. 1つまたは複数の特性が、(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(ii)標的ポリヌク
    レオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)標的ポリヌクレオ
    チドの二次構造および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか否か、から選択さ
    れる、請求項32に記載の方法。
  34. 標的ポリヌクレオチドがメチル化によって、酸化によって、損傷によって、1つまたは
    複数のタンパク質でまたは1つまたは複数の標識、タグもしくはスペーサーで修飾されて
    いる、請求項33に記載の方法。
  35. 標的ポリヌクレオチドの1つまたは複数の特性が電気的測定および/または光学的測定
    によって測定される、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 電気的測定が電流測定、インピーダンス測定、トンネル測定または電界効果トランジス
    タ(FET)測定である、請求項35に記載の方法。
  37. (a)標的ポリヌクレオチドを膜貫通ポアおよび請求項1から29のいずれか一項に記
    載のヘリカーゼまたは請求項30に記載の構築物に接触させて、ヘリカーゼまたは構築物
    がポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するようにするステップ;および
    (b)ポリヌクレオチドがポアに関して移動するときにポアを通過する電流を測定するス
    テップであって、電流が標的ポリヌクレオチドの1つまたは複数の特性を示し、それによ
    り標的ポリヌクレオチドを特性決定するステップ
    を含む、請求項35に記載の方法。
  38. ポアに電圧を印加して、ポアとヘリカーゼとの複合体を形成するステップをさらに含む
    、請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. ポリヌクレオチドの少なくとも一部が2本鎖である、請求項32から38のいずれか一
    項に記載の方法。
  40. ポアが、膜貫通タンパク質ポアまたはソリッドステートポアである、請求項32から3
    9のいずれか一項に記載の方法。
  41. 膜貫通タンパク質ポアが、ヘモリジン(hemolysin)、ロイコシジン(leukocidin)、
    スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)ポリン(porin)A(MspA)、MspB、M
    spC、MspD、外膜ポリン(porin)F(OmpF)、外膜ポリン(porin)G(Om
    pG)、外膜ホスホリパーゼA、ナイセリア(Neisseria)オートトランスポーターリポ
    タンパク質(NalP)およびWZA由来である、請求項40に記載の方法。
  42. 膜貫通タンパク質が、(a)配列番号2に示す8個の同一のサブユニットから形成され
    ている、または(b)8個のサブユニットの1つもしくは複数が配列全体にわたるアミノ
    酸同一性に基づいて配列番号2に対して少なくとも50%の相同性を有し、ポア活性を保
    持しているその変種である、請求項41に記載の方法。
  43. 膜貫通タンパク質が、(a)配列番号4に示す7個の同一サブユニットから形成されて
    いるα−ヘモリジンである、または(b)7個のサブユニットの1つまたは複数が配列全
    体にわたるアミノ酸同一性に基づいて配列番号4に対して少なくとも50%の相同性を有
    し、ポア活性を保持しているその変種である、請求項41に記載の方法。
  44. (a)ポアと、(b)請求項1から29のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは請求
    項30に記載の構築物との複合体を形成し、それにより標的ポリヌクレオチドを特性決定
    するためのセンサーを形成するステップを含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するた
    めのセンサーの形成方法。
  45. 複合体が、(a)標的ポリヌクレオチドの存在下でポアとヘリカーゼまたは構築物とを
    接触させるステップおよび(a)ポアに電位を印加するステップによって形成される、請
    求項44に記載の方法。
  46. 電位が、電圧電位または化学電位である、請求項45に記載の方法。
  47. 複合体が、ポアをヘリカーゼまたは構築物に共有結合的に付着するステップによって形
    成される、請求項45に記載の方法。
  48. (a)ポアと、(b)請求項1から29のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは請求
    項30に記載の構築物との間の複合体を含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するため
    のセンサー。
  49. ポアを通る標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための請求項1から29のいずれか
    一項に記載のヘリカーゼまたは請求項30に記載の構築物の使用。
  50. (a)ポアおよび(b)請求項1から29のいずれか一項に記載のヘリカーゼまたは請
    求項30に記載の構築物を含む、標的ポリヌクレオチドを特性決定するためのキット。
  51. 両親媒性膜を含むチップをさらに含む、請求項50に記載のキット。
  52. (a)複数のポア、および(b)請求項1から29のいずれか一項に記載の複数のヘリ
    カーゼまたは請求項30に記載の複数の構築物を含む、試料中の標的ポリヌクレオチドを
    特性決定するための装置。
  53. 複数のポアを支持でき、ポアおよび構築物を使用してポリヌクレオチド特性決定を実施
    するために作動可能であるセンサーデバイス;ならびに
    特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー
    を含む、請求項52に記載の装置。
  54. 複数のポアを支持でき、前記ポアおよびヘリカーゼまたは構築物を用いてポリヌクレオ
    チド特性決定を実施するために作動可能であるセンサーデバイス;
    特性決定を実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバー;
    前記少なくとも1つのリザーバーから前記センサーデバイスに材料を制御可能に供給する
    ように構成された流体系;および
    各試料を受けるための1つまたは複数の容器
    を含み、前記流体系が1つまたは複数の容器から前記センサーデバイスに前記試料を選択
    的に供給するように構成されている、請求項52または53に記載の装置。
  55. 請求項1から22または24のいずれか一項に記載のヘリカーゼを産生する方法であっ
    て、
    (a)1つまたは複数の単量体から形成され、それを通ってポリヌクレオチドがヘリカー
    ゼから解離できる開口部を含むポリヌクレオチド結合ドメインを含むヘリカーゼを提供す
    るステップ、ならびに
    (b)ヘリカーゼの同じ単量体内の2つ以上の部分が繋がれて開口部のサイズを低減する
    ようにヘリカーゼを修飾し、それにより請求項1から22または24のいずれか一項に記
    載のヘリカーゼを産生するステップ
    を含む方法。
  56. 請求項23に記載のヘリカーゼを産生する方法であって、
    (a)Hel308ヘリカーゼを提供するステップ;ならびに
    (b)Hel308Mbu(配列番号10)中のD272、N273、D274、G28
    1、E284、E285、E287、S288、T289、G290、E291、D29
    3、T294、N300、R303、K304、N314、S315、N316、H31
    7、R318、K319、L320、E322、R326、N328、S615、K71
    7、Y720、N721およびS724に対応する位置の1つまたは複数に1つもしくは
    複数のシステイン残基および/または1つもしくは複数の非天然アミノ酸を導入し、それ
    により請求項23に記載のヘリカーゼを産生するステップ
    を含む方法。
  57. (c)得られたヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御できるかどうかを決定する
    ステップをさらに含む、請求項55または56に記載の方法。
  58. 請求項30に記載の構築物を産生する方法であって、請求項1から29のいずれか一項
    に記載のヘリカーゼを追加的ポリヌクレオチド結合成分に付着させ、それにより本発明の
    構築物を産生するステップを含む方法。
  59. 得られた構築物がポリヌクレオチドの移動を制御できるかどうかを決定するステップを
    さらに含む、請求項58に記載の方法。
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