JP2019211674A - 画像形成装置および制御プログラム - Google Patents

画像形成装置および制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2019211674A
JP2019211674A JP2018108774A JP2018108774A JP2019211674A JP 2019211674 A JP2019211674 A JP 2019211674A JP 2018108774 A JP2018108774 A JP 2018108774A JP 2018108774 A JP2018108774 A JP 2018108774A JP 2019211674 A JP2019211674 A JP 2019211674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
fixing
unit
glossiness
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018108774A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7124469B2 (ja
Inventor
白代 康夫
Yasuo Shirodai
康夫 白代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2018108774A priority Critical patent/JP7124469B2/ja
Publication of JP2019211674A publication Critical patent/JP2019211674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7124469B2 publication Critical patent/JP7124469B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】普通紙に合わせた低光沢度から写真画質に合わせた高光沢度までの広い範囲の光沢度を実現可能な画像形成装置および制御プログラムを提供する。【解決手段】画像形成装置100は、画像形成部130、定着部200、光沢度取得部400,500、およびワックス除去調整部500を有する。画像形成部は、ワックスを含むトナーを使用して用紙10にトナー画像を形成する。定着部200は、定着部材220と、定着部材220に圧接し、定着部材との間に定着ニップ部Nを形成する加圧部材240と、用紙に形成されたトナー画像から転移した、定着部材上のワックスを除去するワックス除去部280と、を備え、用紙に形成されたトナー画像を定着する。光沢度取得部は、定着部によって定着される用紙の画像に対して要求される光沢度を取得する。ワックス除去調整部は、光沢度に応じて、ワックス除去部が定着部材から除去する除去性能を調整する。【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置および制御プログラムに関する。
用紙に安定して高品質の画像を定着できる定着装置が求められている。また、近年の定着装置に対しては、高品質に加えて、普通紙に合った低光沢度から写真画像に適した高光沢度までのより広い範囲の光沢度を実現できることも求められている。一般に、電子写真方式の画像形成装置では、画像形成部においてトナー画像が形成された用紙を、定着装置の定着ニップ部を通過させて、加熱・加圧処理することにより、用紙にトナー画像を定着する。定着ニップ部は、定着ベルトを有する構成では、加熱ローラーおよび定着ローラーに架け渡された定着ベルトと加圧ローラーとの間に形成され、定着ベルトを有しない構成では、定着ローラーと加圧ローラーとの間に形成される。
これに関連して、特許文献1には、定着ローラーおよび加圧ローラーの温度に応じて、出力画像の光沢度を変更する技術が開示されている。
特開平9−106210号公報
しかし、特許文献1の技術では、高光沢モード時において、高温オフセットが発生し、画質が劣化するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、普通紙に合った低光沢度から写真画質に適した高光沢度までの広い範囲の光沢度を実現可能な画像形成装置および制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)ワックスを含むトナーを使用して用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、定着部材と、当該定着部材に圧接し、当該定着部材との間に定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記用紙に形成されたトナー画像から転移した、前記定着部材上のワックスを除去するワックス除去部と、を備え、前記用紙に形成されたトナー画像を定着する定着部と、前記定着部によって定着される前記用紙のトナー画像に対して要求される光沢度を取得する光沢度取得部と、前記光沢度に応じて、前記ワックス除去部が前記定着部材から除去する除去性能を調整するワックス除去調整部と、を有する、画像形成装置。
(2)前記ワックス除去部によって前記定着部材上から除去すべきワックスの量と定着後の画像の光沢度との関係を記憶する記憶部をさらに有し、前記ワックス除去調整部は、前記記憶部に記憶された前記ワックスの量と前記光沢度との関係に基づいて、前記ワックス除去部の前記除去性能を調整する、上記(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記定着部材を回転駆動する定着駆動部と、前記加圧部材を回転駆動する加圧駆動部と、前記定着駆動部および前記加圧駆動部の回転駆動を制御する駆動制御部と、を有し、前記ワックス除去調整部は、前記定着部材の周速度と前記加圧部材の周速度との差を変更することによって前記除去性能を調整する、上記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記ワックス除去調整部は、前記周速度の差が大きいほど、除去性能が高くなるように制御する、上記(3)に記載の画像形成装置。
(5)前記ワックス除去部は、前記定着部材上のワックスを除去するウェブと、前記ウェブを巻き取るウェブ巻き取り部と、を有し、前記ワックス除去調整部は、前記周速度の差に応じて、前記ウェブ巻き取り部が巻き取る前記ウェブの巻き取り速度を制御する、上記(3)または(4)に記載の画像形成装置。
(6)前記駆動制御部は、前記定着部材の周速度を前記加圧部材の周速度に対して速度差±10%以内になるように制限し、前記速度差の絶対値が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記ウェブの巻き取り量を少なくする、上記(5)に記載の画像形成装置。
(7)前記定着部材の表面に当接し、ワックスを均す均し部材をさらに有する、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(8)前記トナーのワックスの含有量は、トナー全体に対して5〜20質量%である、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(9)前記ワックス除去調整部は、前記定着部材の周速度と前記加圧部材の周速度との差の絶対値を所定時間毎に算出し、前記絶対値の変化率が所定の閾値を超える場合、前記定着ニップ部にワックス供給用の他の用紙を通紙することにより、前記定着部材のワックスの量を増加させる、上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(10)ワックスを含むトナーを使用して用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、定着部材と、当該定着部材に圧接し、当該定着部材との間に定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記用紙に形成されたトナー画像から転移した、前記定着部材のワックスを除去するワックス除去部と、を備え、前記用紙に形成された画像を定着する定着部と、を有する画像形成装置の制御プログラムであって、前記定着部によって定着される前記用紙の画像に対して要求される光沢度を取得する手順(a)と、前記光沢度に応じて、前記ワックス除去部が前記定着部材から除去する除去性能を決定する手順(b)と、前記用紙にトナー画像を形成する手順(c)と、前記用紙に形成されたトナー画像を定着する手順(d)と、を前記画像形成装置に実行させる、制御プログラム。
本発明によれば、画像形成装置は、高光沢を必要とする画像に対して、定着部材からのワックスの除去を抑制し、ワックスを定着部材上に残すことにより、定着ニップ部における定着部材と加圧部材との間のすべりを向上させる。したがって、用紙上のトナー層の平滑化が促進し、光沢度の実現可能な範囲が高光沢側で広げられる。また、低光沢を必要とする画像に対しては定着部材からのワックスの除去量を多くすることにより、定着ニップ部における定着部材と加圧部材との間のすべりが低下し、光沢度が低下する。したがって、画像形成装置は、低光沢度から高光沢度までのより広い範囲において光沢度を制御できる。
第1の実施形態の画像形成装置の構成を例示する概略断面図である。 図1に示す画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。 図1に示す定着部の主要な構成を例示する模式図である。 第1の実施形態における画像形成装置の制御方法の手順を例示するフローチャートである。 実施例1の定着実験の際に使用したチャートを示す模式図である。 実施例1におけるウェブ巻き取り量と光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。 実施例2において定着ベルトと加圧ローラーの周速度の差を変更した場合におけるウェブ巻き取り量と画像の光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。 実施例2において定着ベルトと加圧ローラーの周速度の差を変更した場合におけるウェブ巻き取り量と画像の光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。 実施例3においてトナーに含まれるワックスの量を変更した場合の光沢度について例示するグラフである。 実施例4においてワックス供給用用紙を通紙した場合と、しない場合とにおける画像の光沢度について例示するグラフである。 第2の実施形態における定着部の一例の主要な構成を示す模式図である。 実施例5の定着実験の際に使用したチャートを示す模式図である。 実施例5におけるウェブ巻き取り量と光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。 第2の実施形態における定着部の他の例の主要な構成を示す模式図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
<画像形成装置100>
図1は第1の実施形態の画像形成装置100の構成を例示する概略断面図であり、図2は図1に示す画像形成装置100の構成を例示する概略ブロック図である。
画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に形成(印刷)する。また、画像形成装置100は、ネットワークを通じて外部のクライアント端末からPDL(Page Description Language)形式の印刷データおよび印刷設定情報を含む印刷ジョブを受信し、これに基づいて用紙にトナー画像を形成する。クライアント端末は、たとえばパーソナルコンピューター、タブレット端末、スマートフォンなどでありうる。
図2に示すように、画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部120、画像形成部130、給紙部140、用紙搬送部150、定着部200、通信部300、操作表示部400、および制御部500を有する。これらの構成要素は、内部バス101により相互に通信可能に接続されている。
画像読取部110は、原稿を読み取り、画像情報信号を出力する。原稿台111上に載置された原稿は画像読み取り装置112の査露光装置の光学系により画像が走査露光され、ラインイメージセンサーに読み込まれる。光電変換された画像情報信号は、画像処理部120において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、印刷画像データとして画像形成部130の光書込部3Y、3M、3C、3K(後述)に入力される。
画像形成部130は、帯電、露光、現像、および転写の各工程を含む電子写真方式などの周知の作像プロセスを用いて、印刷画像データに基づいてトナー画像を用紙上に形成する。画像形成部130は、それぞれ、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、および黒(K)色のトナー画像を形成する4組のサブユニット13Y、サブユニット13M、サブユニット13C、およびサブユニット13Kを有する。
サブユニット13Yは、感光体ドラム1Y、その周囲に配置された帯電部2Y、光書込部3Y、現像装置4Yおよびドラムクリーナ5Yを有して構成される。
同様に、サブユニット13Mは、感光体ドラム1M、その周囲に配置された帯電部2M、光書込部3M、現像装置4Mおよびドラムクリーナ5Mを、サブユニット13Cは、感光体ドラム1C、その周囲に配置された帯電部2C、光書込部3C、現像装置4Cおよびドラムクリーナ5Cを、サブユニット13Kは、感光体ドラム1K、その周囲に配置された帯電部2K、光書込部3K、現像装置4Kおよびドラムクリーナ5Kを有して構成される。
サブユニット13Y、13M、13C、13Kにおけるそれぞれの感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、帯電部2Y、2M、2C、2K、光書込部3Y、3M、3C、3K、現像装置4Y、4M、4C、4K、およびドラムクリーナ5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ共通する内容の構成である。以下、特に区別が必要な場合を除き符号Y、M、C、Kを付さずに表記することにする。
画像形成部130は、光書込部3にて印刷画像データを感光体ドラム1に書き込み、感光体ドラム1に印刷画像データに基づく潜像を形成する。そして潜像は現像装置4により現像され、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー画像が形成される。なお、現像装置4は、離型剤としてのワックスを含有しているトナーを使用しうる。
ワックスとしては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類;合成エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの鉱物、石油系ワックス;これらの変性物などが挙げられる。
ワックスの添加量は、後述するように、トナー全体に対して通常5〜20質量%、好ましくは7〜14質量%となる量とされうる。また、ワックスの大きさとしては、体積平均粒子径で、10〜1000nm、50〜500nmが好ましく、さらには80〜300nmが特に好ましい。
サブユニット13Y、13M、13C、13Kのそれぞれ感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに、それぞれ、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色、のトナー画像が形成される。
中間転写ベルト6は、複数のローラーにより巻き回され、走行可能に支持されている。サブユニット13Y、13M、13C、13Kより形成された各色のトナー画像は、走行する中間転写ベルト6上に一次転写部7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写されてY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色層が重畳したカラーのトナー画像が形成される。
給紙部140は、記録材としての用紙10を画像形成部130に供給する。給紙部140は、上段トレイ141、中段トレイ142、および下段トレイ143を有し、各々のトレイには、たとえばA4サイズやA3サイズなどのサイズの異なる用紙が収容されている。
用紙搬送部150は、用紙10を搬送する。上段トレイ141、中段トレイ142、または下段トレイ143から供給された用紙10は、レジストローラー151を経て、二次転写部7Aに搬送され、用紙10上に中間転写ベルト6上のカラーのトナー画像が転写される。
また、用紙搬送部150は、用紙反転部152を備えており、定着がなされた用紙10を用紙反転部152に導いて表裏を反転し排出、あるいは用紙10の両面に画像形成を行うことを可能としている。
定着部200は、用紙10に形成されたトナー画像を定着する。カラー画像が定着された用紙10は、排紙部153を通じて画像形成装置100の外部に排出される。定着部200の詳細については後述する。
通信部300は、ネットワークを経由して、たとえばパーソナルコンピューターなどのクライアント端末に接続し、印刷ジョブなどのデータを送受信する。
操作表示部400は、入力部および出力部を有する。入力部は、たとえば、キーボードおよびタッチパネルを備え、文字入力、各種設定、印刷指示などの各種指示(入力)をユーザーが行うために利用される。また、出力部は、ディスプレイを備え、機器構成、印刷ジョブの実施状況、用紙搬送における異常(ジャム)の発生状況などを、ユーザーに提示するために使用される。
制御部500は、画像読取部110、画像処理部120、画像形成部130、給紙部140、用紙搬送部150、定着部200、通信部300、および操作表示部400を制御する。制御部500は、CPU510、補助記憶部520、RAM530、およびROM540を有する。
CPU510は、制御プログラムを実行する。制御プログラムは、補助記憶部520に記憶されており、CPU510によって実行される際に、RAM530にロードされる。補助記憶部520は、たとえば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの大容量の記憶装置を備える。RAM530には、CPU510の実行に伴う演算結果などが格納される。ROM540には、各種のパラメーター、各種プログラムなどが記憶されている。CPU510は、上記制御プログラムを実行することにより、様々な機能を実現する。
たとえば、本実施形態では、画像形成装置100は、通常の印刷モードに加えて、定着後の画像の光沢度を調整するための光沢度調整モードを備える。画像形成装置100のモードが光沢度調整モードである場合、制御部500は、ワックス除去調整部として機能し、定着部200によって定着される用紙10上のトナー画像に対して要求される光沢度に応じて、定着ベルト220上から除去するワックスの量、すなわち、後述するワックス除去部280の除去性能(除去強度)を調整する。制御部500は、たとえば、用紙10上のトナー画像に対して要求される光沢度を、操作表示部400を通じて取得する。操作表示部400および制御部500は、光沢度取得部として機能する。
後述するように、定着ベルト220から除去するワックスの量と、定着後の画像の光沢度(以下、単に「画像の光沢度」という)との間には相関があり、定着ベルト220上のワックスの量が多いほど、画像の光沢度が大きくなる。また、定着ベルト220の周速度と加圧ローラー240の周速度との差と、画像の光沢度との間にも相関があり、周速度の差が大きい領域では高光沢度を実現できることがわかっている。
本実施形態では、定着ベルト220上からのワックス除去量と、画像の光沢度との関係を、予め実験によって取得しておき、補助記憶部520またはRAM530にテーブルとして記憶している。制御部500は、用紙10を定着する際に、トナー画像に対して要求される光沢度を実現できるワックス除去量(除去性能)を上記テーブルから求め、定着ベルト220上のワックスの量を調整する。その際、画像形成装置100は、高光沢を必要とするトナー画像に対しては定着ベルト220からのワックスの除去を抑制し、ワックスを定着ベルト220上に残すことにより、定着ニップ部Nにおける定着ベルト220と加圧ローラー240との間のすべりを向上させる。したがって、用紙10上のトナー層の平滑化が促進し、光沢度の実現可能な範囲が高光沢側で広げられる。なお、定着ベルト220のワックス除去の詳細については後述する。
<定着部200の構成>
次に、定着部200の具体的な構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、図1に示す定着部200の主要な構成を例示する模式図である。
定着部200は、非接触温度センサー201、加熱ローラー210、定着ベルト220、定着ローラー230、加圧ローラー240、定着駆動部250、加圧駆動部260、駆動制御部270、およびワックス除去部280を有する。
加熱ローラー210は、たとえば、アルミニウム等の金属から形成された円筒状の芯金そのまま、またはその外周面をフッ素系樹脂等でコーティングしたものであり、その外径は、たとえば65〜75[mm]程度である。加熱ローラー210は、定着ベルト220を加熱する加熱部としてのヒーター(たとえば、ハロゲンヒーター)211を内蔵している。
定着ベルト220は、たとえば、厚さ70[μm]のポリイミド(PI:Polyimide)の基体の外周面を弾性層で被覆し、さらに表層を耐熱性樹脂で被覆したものである。弾性層としては、たとえば厚さ200[μm]の耐熱性のシリコーンゴム(硬度JIS−A30[°])が使用されうる。また、耐熱性樹脂としては、たとえば厚さ50[μm]のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブが使用されうる。定着ベルト220は、無端状のベルトであり、加熱ローラー210と定着ローラー230との間に所定のベルト張力(たとえば、250[N])で張架されている。
定着ベルト220は、定着部材として機能し、トナー画像が形成された用紙10に接触して、用紙10を定着温度で加熱する。ここで、定着温度とは、用紙上のトナーを溶融するのに必要な熱量を供給しうる温度(たとえば、160〜200[℃])であり、画像形成される用紙10の紙種等によって異なる。なお、定着ベルト220の表面温度は、非接触温度センサー201により検知され、制御部500によりヒーター211の加熱を制御し、所定の設定温度に維持される。
定着ローラー230は、内側から順に円筒形の金属からなる芯金231、その表面に形成されたシリコーンゴムや発泡シリコーンゴム等の素材からなる弾性層232、およびフッ素樹脂等の離型層(不図示)を備える。定着ローラー230の外径は、たとえば50〜60[mm]程度であり、弾性層232の厚みは、たとえば15〜25[mm]程度でありうる。定着ローラー230の軸方向の長さは、搬送可能な最大の用紙幅(たとえば、300[mm])に十分対応した長さである。
定着ローラー230は、定着駆動部250から動力が伝達されることにより、たとえば図3の矢印方向、すなわち時計回りに回転駆動される。定着ローラー230の周速度は、たとえば200[mm/s]程度に設定されうる。定着ベルト220は、定着ローラー230の回転に従動して回転する。したがって、定着ローラー230は、定着ベルト220を介してヒーター211によって間接的に加熱されることになる。
加圧ローラー240は、加圧部材として機能し、内側から順に、円筒形の金属からなる芯金241、その表面に形成されたシリコーンゴムや発泡シリコーンゴム等の素材からなる弾性層242、および離型層(不図示)を備える。加圧ローラー240の軸方向の長さおよび離型層については、定着ローラー230と同様でありうる。一方、本実施形態では、加圧ローラー240の外径は、定着ローラー230の外径よりも大きく形成され、弾性層242の厚みは、定着ローラー230の弾性層232よりも小さく、たとえば、2〜5[mm]程度に形成されうる。
また、加圧ローラー240は、加圧駆動部260から動力が伝達されることにより、上記R方向とは反対の方向、すなわち反時計回りに回転駆動されうる。
ワックス除去部280は、用紙から転移した定着ベルト220のワックスを除去する。ワックス除去部280は、ウェブ281、元巻きローラー282、押圧ローラー283、および巻き取りローラー284を有する。
ウェブ281は、たとえば、アラミド繊維等の耐熱性の繊維を用いた不織布であって、通気性を有する。元巻きローラー282から供給されたウェブ281は、定着ローラー230の外周面に摺接し、押圧ローラー283に巻き掛けられて巻き取りローラー284に巻き取られる。
巻き取りローラー284は、ウェブ巻き取り部として機能し、不図示のモーターにより少しずつ回転し、ウェブ281を巻き取っていく。巻き取り量(巻き取り速度)は、たとえば、A3サイズの用紙1枚の印刷につき0.01〜0.5[mm]程度である。また、元巻きローラー282は、制動手段を有し、ウェブ167の進行に常時制動をかけてウェブ281の送り動作中の弛み発生を防止している。
押圧ローラー283は、SUS芯金の金属により構成される円筒状のローラーであり、外周面が弾性部材(発泡シリコーンゴム等)で被膜されている。押圧ローラー283は、押圧駆動機構(不図示)によって、定着ベルト220に対して接近または離間する方向に移動可能である。定着ベルト220のワックスを除去する場合、押圧ローラー283は、定着ベルト220に近接する所定位置に移動され、不図示のバネ等の付勢手段によって定着ベルト220の外周面に対してウェブ281を押圧する。これにより、定着ベルト220にウェブ281が当接または圧接し、回転する定着ベルト220の外周面がウェブ281により摺擦される。その結果、定着ベルト220の外周面に付着したワックスなどはウェブ281に取り込まれ、定着ベルト220の外周面のワックスが除去される。
<画像形成装置100の制御方法>
図4は、第1の実施形態における画像形成装置100の制御方法の手順を例示するフローチャートである。画像形成装置100は、用紙10にトナー画像を形成する前に、光沢度調整の準備段階として、光沢度を取得し、光沢度に応じて定着ベルト220から除去するワックスの量を決定する。
具体的には、制御部500は、定着部200によって定着される用紙10上のトナー画像に対して要求される光沢度を取得する(ステップS101)。ユーザーは、たとえば操作表示部400を通じて、光沢度を画像形成装置100に入力する。あるいは、ユーザーは、光沢度を直接入力する代わりに、低光沢モードまたは高光沢モードを選択することもできる。低光沢モードに対しては、所定の低い値の光沢度が予め設定され、高光沢モードに対しては所定の高い値の光沢度が予め設定されている。なお、光沢モードは、低光沢モードおよび高光沢モードに限らず、低光沢モード、中光沢モード、高光沢モードなど多段階の光沢度を含むように構成してもよい。
また、ユーザーは、定着後の画像の光沢度と用紙10の光沢度とを同等にするように指定することもできる。この場合、制御部500は、印刷ジョブの印刷設定情報等に基づいて光沢度を取得する。たとえば、用紙10が普通紙である場合、低い値の光沢度が取得され、用紙10がコート紙である場合、高い値の光沢度が取得される。
あるいは、用紙搬送路上に設置された光学センサーやインライン・スキャナーなどにより用紙10の反射率を測定し、反射率に基づいて光沢度を算出して取得するように構成してもよい。
次に、光沢度に応じて定着ベルト220から除去するワックスの量を決定する(ステップS102)。ワックス除去部280によって定着ベルト220から除去されるワックスの量(以下、「ワックス除去量」という)は、ウェブ281の巻き取り量と関係がある。ワックス除去量は、定着ベルト220に多量のワックスが付着し、ウェブ281による除去が飽和状態に達している場合等を除き、ウェブ281の巻き取り量に概ね比例するので、ワックス除去量と光沢度とは、一義的に対応づけられている。制御部500は、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との対応関係を保持しているテーブルを使用して、ステップS101で取得した光沢度からウェブ281の巻き取り量を求める。ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係は、後述する実施例1〜4において予め実験的に取得されており、上記テーブルは、これらの実験結果に基づいて作成され、制御部500の補助記憶部520に記憶されている。
次に、用紙10にトナー画像を形成する(ステップS103)。制御部500は、画像形成部130を制御して、印刷ジョブに基づいて用紙10にトナー画像を形成する。
次に、用紙10にトナー画像を定着する(ステップS104)。制御部500は、定着部200を制御して、用紙10のトナー画像を定着する。定着部200は、ステップS102において求めたワックス除去量に応じて、ワックス除去部280により定着ベルト220のワックスを除去して、用紙10にトナー画像を定着する。トナー画像が定着された用紙10は、排紙部153を通じて画像形成装置100の外部に排出される。そして、制御部500は、処理を終了する(エンド)。
<実施例1>
以下、図5および図6を参照して、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係について説明する。図5は本実施例の定着実験の際に使用したチャートを示す模式図であり、図6はウェブ巻き取り量と光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。図6において、グラフの横軸はA3通紙10枚あたりのウェブ281の巻き取り量であり、縦軸は画像の光沢度である。なお、画像の光沢度は、60度光沢度を測定した。
本実施例では、図3に示す定着部200を使用して、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係を取得するための実験を行った。実験の条件は以下のとおりである。
図5に示すように、画像形成部130によって、A3サイズのコート紙(エスプリC209g)に、YMトナー(赤色)を使用してベタでチャートを作成した。トナーのワックス量はトナー全体に対して10質量%であった。また、定着ニップ部Nの手前における定着ベルト220の温度は、170[℃]、ニップ時間は50[ms]であった。
本実施例では、定着部200の加圧ローラー240のみを駆動し、定着ベルト220および定着ローラー230を加圧ローラー240に従動して回転、すなわち定着ベルト220および定着ローラー230を加圧ローラー240に連れ回りするようにした。その結果、定着ベルト220の周速度は、加圧ローラー240の周速度よりも遅くなった。なお、定着ベルト220の周速度は、たとえば定着ベルト220の幅方向端部に沿って周方向に一定間隔でマーカーを付し、光学センサーによってマーカーを読み取ることにより測定することができる。加圧ローラー240の周速度についても定着ベルト220の周速度と同様に測定できる。
測定の結果、定着ベルト220の周速度は、加圧ローラー240の周速度よりも約1%遅く回転していた。本明細書では、このように定着ベルト220の周速度が加圧ローラー240の周速度よりも遅い場合を「ブレーキ」といい、定着ベルト220の周速度が加圧ローラー240の周速度よりも1%遅い場合を「ブレーキ1%」という。また、定着ローラー230を定着駆動部250により回転駆動させるとき、加圧ローラー240を基準として、たとえば定着ベルト220の周速度が加圧ローラー240の周速度よりも1%速い場合、「アシスト1%」という。
本実施例では、ウェブ281の巻き取り量を調整することにより、定着ベルト220上のワックスの除去量を調整した。図6に示すように、ウェブ281の巻き取り量が少ないほど、すなわち除去性能を低くするほど、画像の光沢度は上昇し、ウェブ281の巻き取り量が多いほど、すなわち除去性能を高くするほど、画像の光沢度は低下した。これは、次の理由によるものと考えられる。ウェブ281の巻き取り量が少ない、すなわち定着ベルト220上に残留するワックスの量が多いほど、定着ベルト220と用紙10との間の摩擦係数が低下し、すべりが向上する。したがって、用紙10が加圧ローラー240の回転に従って搬送される際に、用紙10上のトナー層は、定着ベルト220との速度差によってせん断力を受け、平滑化される。その結果、画像の光沢度が上昇する。一方、ウェブ281の巻き取り量が多いほど、定着ベルト220上に残留するワックスの量が少なくなるので、画像の光沢度が低下する。
このように、ウェブ281の巻き取り量を調整することにより、画像の光沢度を所定の範囲において制御することが可能となる。図6に示す例の場合では、ウェブ281の巻き取り量を0〜4[mm]の範囲で変化させることにより、画像の光沢度を20.5〜15.5の範囲で制御できる。したがって、光沢制御幅は、5(=20.5−15.5)となる。
また、オフセット印刷のように、画像の光沢度として、用紙の光沢度に近い光沢度がユーザーによって要求されている場合、用紙の光沢度に近くなるように、ウェブ281の巻き取り量を調整してもよい。また、用紙の光沢度に関係なく、グロスの高い画像が要求されている場合、ワックス除去部280によるワックスの除去を抑制するモードまたは構成を設けてもよい。また、ワックス除去部280の除去性能の調整に関しては、ウェブ281の巻き取り量以外にも、定着ベルト220に対するウェブ281の圧接力などを調整することが可能である。
<実施例2>
実施例1では、加圧ローラー240および定着ベルト220をブレーキ1%で駆動した場合において、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係について説明した。実施例2では、加圧ローラー240の周速度と定着ベルト220の周速度との差(以下、単に「周速度の差」という)を変化させた場合において、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係について説明する。
図7は、定着ベルト220と加圧ローラー240の周速度の差がない場合からブレーキ4%まで変更した場合におけるウェブ巻き取り量と画像の光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。また、図8は、ウェブ巻き取り量を0または4[mm]とした場合において、ブレーキ4〜12%に変更した場合およびアシスト4〜12%に変更した場合におけるウェブ巻き取り量と画像の光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。
本実施例における実験条件は、周速度の差を異なる値に設定することを除いて実施例1と同じである。本実施例では、定着ローラー230および加圧ローラー240について、各々の周速度を調整することにより、用紙10上のトナー画像と定着ベルト220との間に速度差を設定した。加圧ローラー240の周速度と定着ベルト220の周速度との間に差がある場合、用紙10上のトナーが潰れる際にワックスが放出され、この差が大きいほどワックス量は増加する。その結果、定着ベルト220と用紙10との間のすべりも向上する。
図7に示すように、周速度の差なし、ブレーキ1、2、3、および4%の場合について、ウェブ巻き取り量と画像の光沢度との関係を求めた。周速度の差なし、ブレーキ1、2、3、および4%のいずれの場合でも、画像の光沢度は、ウェブ巻き取り量が0[mm]のとき最大となり、ウェブ巻き取り量が大きくなるにつれて漸減した。周速度の差なしでは、ウェブ巻き取り量の変化に対する画像の光沢度の変化の度合いは小さくなった。しかし、周速度の差が大きくなるにつれて、すなわちブレーキのパーセンテージが大きくなるにつれて、ウェブ巻き取り量の変化に対する画像の光沢度の変化の度合いは大きくなった。
このように、画像の光沢度は、ウェブ巻き取り量に応じて変化する。また、同じウェブ巻き取り量でも周速度の差が大きくなるにつれて画像の光沢度は大きくなる。したがって、画像の光沢度がウェブ巻き取り量および周速度の差の大きさに応じて変化することを利用してより広範囲の光沢度を実現することができる。たとえば、図7において「〇」で囲まれたP1〜P5を使用して、ワックスを除去することにより、加圧ローラー240のみ駆動する場合よりも、光沢制御幅をより広く確保できる。図7に示す例では、ウェブ281の巻き取り量を0〜4[mm]の範囲で変化させることにより、光沢度35〜13の範囲で光沢度を制御できる。したがって、光沢制御幅は、22(=35−13)となる。
なお、上述のP1〜P5のように多段階で光沢度を調整するのではなく、高光沢モード時にP1を使用し、低光沢モード時にP5を使用して、2段階で光沢度を調整するように構成してもよい。
図8に示すように、定着ベルト220の周速度が加圧ローラー240の周速度よりも速い場合、すなわちアシストの場合についてもブレーキの場合と同様に、トナーの平滑効果、およびトナーからワックスを放出させる効果を発揮し、画像の光沢度を調整できる。しかし、周速度の差による光沢度の変化は、アシストおよびブレーキともにほぼ±10%で飽和し、周速度の差をそれ以上変化させても光沢度に及ぼす影響はほとんどなかった。このため、駆動制御部270は、定着ベルト220と加圧ローラー240の周速度の差が±10%以内、すなわち周速度の差の絶対値が10以内になるように制限しうる。制御部500は、周速度の差の絶対値が予め定められた閾値よりも大きい場合に、ウェブ281の巻き取り量を少なくするように制御する。
<実施例3>
画像の光沢度は、トナーに含まれるワックスの量にも依存する。実施例1および2では、トナーにワックスが10質量%含まれる場合において、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係について説明した。実施例3では、トナーに含まれるワックスの量を変更した場合において、ワックスの量と画像の光沢度との関係について説明する。
図9は、本実施例においてトナーに含まれるワックスの量を変更した場合の光沢度について例示するグラフである。なお、本実施例の実験条件は、トナーに含まれるワックスの量を変更すること以外は実施例1と同じである。
画像の光沢度を再現できる範囲(以下、「光沢再現範囲」ともいう)は、トナーに含まれるワックスの量に依存する。ワックスは過少または過多とならない範囲で使用されることが好ましい。たとえば、ワックスの量がトナー全体に対して5質量%未満である場合、分離性が低く、著しく光沢度が低下するので、光沢度の制御が困難となる可能性がある。
一方、ワックスの量がトナー全体に対して20質量%を超えると、ワックスの量が多過ぎて定着時の流動性が著しく高くなる。その結果、微小な高温オフセットが発生して画像が乱れ、定着ニップ部N内におけるトナー層の平滑化による光沢度の制御が困難となる可能性がる。したがって、トナーのワックスの含有量は、トナー全体に対して5〜20質量%であることが好ましい。
本実施例では、トナーに含まれるワックスの量を変更し、定着後の画像の光沢度を測定した。まず、光沢度が最小となる条件として、周速度の差なしで、ウェブ巻き取り量が4[mm]の条件で定着を行い、定着後の画像の光沢度を測定した。光沢度の測定結果は下記表1のとおりである。
また、光沢度が最大となる条件として、ブレーキ10%で、ウェブ巻き取り量が0[mm](巻き取り停止)の条件で定着を行い、定着後の画像の光沢度を測定した。光沢度の測定結果は下記表2のとおりである。
図9に示すように、トナーに含まれるワックスの量が増加するにつれて、光沢度の最小値および最大値もそれぞれ大きくなる傾向がある。しかし、最小値は、ワックスが約7質量%においてそれ以上小さくならない飽和状態となり、最大値はワックスが14質量%においてそれ以上大きくならない飽和状態となる。
光沢制御幅C1は、各ワックス量における画像の光沢度の最大値と最小値との差であり、画像に付与できる光沢の範囲を表す。光沢制御幅C1を大きく確保するためには、低光沢度(低グロス)を目標とする場合7質量%、高光沢度(高グロス)を目標とする場合14質量%が望ましい。7質量%未満では光沢再現範囲の下側の限界が飽和し、14%を超える領域では光沢再現範囲の上側の限界が飽和するため、広い光沢制御幅C1が確保できない。ただし、光沢再現範囲の上側の限界よりも低い部分、または光沢再現範囲の下側の限界よりも高い部分には振れるので、それらの部分を目標とする場合は、7質量%未満および14質量%を超える領域を使用することもできる。
したがって、とくに光沢制御可能な範囲を広くする観点から、トナーのワックスの含有量は、トナー全体に対して7〜14質量%であることがより好ましい。
<実施例4>
図10を参照して、ワックス供給用用紙を通紙することにより、定着ベルト220上のワックス量を調整する場合について説明する。図10は、本実施例においてワックス供給用用紙を通紙した場合と、しない場合とにおける画像の光沢度について例示するグラフである。
たとえば、文章中心の一般的なビジネス文書が用紙に印刷される場合、用紙10の面積に占めるトナーが付着している部分の面積の割合、すなわちカバレッジは比較的低いことが多い。また、文章中心の一般的なビジネス文章の場合、画像の光沢度も比較的低いことが多い。以下、本明細書では、このような画像を「低光沢画像」という。一方、写真画質の画像が用紙に印刷されている場合、そのカバレッジおよび光沢度は比較的高いことが多い。このような画像を「高光沢画像」という。
画像形成装置100の実際の使われ方として、低光沢画増を定着した後に高光沢画像を定着する場合がある。本実施例では、このような場合、低光沢画増を定着した後、高光沢画像を定着する前にワックス供給用用紙として、たとえばベタ画像が形成された用紙を通紙する。
より具体的には、制御部500は、定着ベルト220の周速度と加圧ローラー240の周速度との差の絶対値を所定時間毎に算出する。この絶対値の変化率が所定の閾値を超える場合、定着ニップ部Nにワックス供給用の他の用紙を通紙することにより、定着ベルト220のワックスの量を増加させる。なお、定着後、この用紙はヤレ紙として扱われる。本実施例の定着実験の具体的な手順は次のとおりである。
最初に、カバレッジ1%の低光沢画像を低光沢モード(実施例2のP5)で10枚定着した。
次に、定着ベルト220上にワックスを補給するために、ワックス供給用用紙として、ベタ画像が形成された用紙1枚を通紙し、定着を実施した。
次に、高光沢モード(実施例2のP1)で、高光沢画像(ベタ画像)の用紙を定着した。
また、比較例として、ワックス供給用用紙を通紙しない場合についても、同様に定着実験を行った。
図10に示すように、高光沢画像を定着する前にワックス供給用用紙を通紙した方が、通紙しない方に比べて、高光沢画像を定着した画像の光沢度が高くなった。したがって、低光沢画像を定着した後における、定着ベルト220上のワックスの残量が少ない場合であっても、ワックス供給用用紙を通紙することにより定着ベルト220上にワックスが供給され、高光沢画像に必要な光沢度を確保できる。
以上で説明した本実施形態の画像形成装置100は、下記の効果を奏する。
画像形成装置100は、高光沢を必要とする画像に対しては定着ベルト220からのワックスの除去を抑制し、ワックスを定着ベルト220上に残すことにより、定着ニップ部Nにおける定着ベルト220と加圧ローラー240との間のすべりを向上させる。したがって、用紙10上のトナー層の平滑化が促進し、光沢度の実現可能な範囲が高光沢側で広げられる。また、低光沢を必要とする画像に対しては定着ベルト220からのワックスの除去量を多くすることにより、定着ニップ部Nにおける定着ベルト220と加圧ローラー240との間のすべりが低下し、光沢度が低下する。したがって、画像形成装置100は、低光沢度から高光沢度までのより広い範囲において光沢度を制御できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態の構成に加えて、定着部200が均しローラーを有する場合について説明する。
図11は第2の実施形態における定着部の一例の主要な構成を示す模式図である。また、図12は実施例5の定着実験の際に使用したチャートを示す模式図であり、図13はウェブ巻き取り量と光沢度との関係を示す実験結果のグラフである。図13において、グラフ中の横軸はA3通紙10枚あたりのウェブ巻き取り量であり、縦軸は画像の光沢度である。また、画像の光沢度は、60度光沢度を測定した。また、図14は第2の実施形態における定着部の他の例の主要な構成を示す模式図である。
図11に示すように、本実施形態では定着部200は、均しローラー290(均し部材)をさらに有する。均しローラー290は、たとえば、アルミニウム等の金属から形成された円筒状の芯金の外周面を樹脂等でコーティングしたもの、またはゴムローラーであり、定着ベルト220を挟んで加熱ローラー210に対向する位置に配置されている。なお、均しローラー290の位置は、加熱ローラー210に対向する位置に限らず、定着ベルト220上における定着ニップ部Nの後、ワックス除去部280の前まで位置であればどこでもよい。
また、均しローラー290は、外周面が定着ベルト220に対して当接または離間可能に構成される。均しローラー290は、定着ベルト220に外周面が当接しているとき、定着ベルト220に従動して回転するように構成されうる。あるいは、均しローラー290は、定着ベルト220の回転に対してカウンター方向に回転するように構成されうる。
定着ベルト220上のワックスにより、用紙10と定着ベルト220との間のすべりが促進され、光沢度が向上する。定着ベルト220の表面にワックスが均一に存在していない場合であっても、画像の光沢度は向上するが、定着ベルト220の幅方向、すなわち定着ローラー230の軸方向に対してワックスが分散して存在していた方が効率よく光沢度を向上させることができる。一方、光沢度を低下させる場合は、均しローラー290を定着ベルト220から離間し、稼働を停止する。
用紙10に形成されたトナー画像のパターンによっては、定着ベルト220の幅方向の一部分にワックスが集中して付着する場合がある。このような場合、定着部200は、均しローラー290により、ワックスが定着ベルト220の幅方向に広がるように均して、分散させることができる。
<実施例5>
本実施例では、図11に示す定着部200を使用して、ウェブ281の巻き取り量と画像の光沢度との関係を取得するための実験を行った。
図12に示すように、中央部が矩形状に塗りつぶされた画像パターンを生成し、画像形成部130によって、A3サイズのコート紙(エスプリC209g)に、ベタの中央帯チャートのトナー画像を形成した。このようなトナー画像を定着することにより、定着ベルト220の表面において、ワックスの残留量が中央部に多く、周辺部に少なくなるようにした。
本実施例では、定着部200の加圧ローラー240のみを駆動し、定着ベルト220、定着ローラー230、および均しローラー290を加圧ローラー240に従動して回転、すなわち加圧ローラー240に連れ回りするようにした。これ以外の実験の条件は、実施例1の場合と同じである。
図13に示すように、均しローラー290を動作させた場合は、動作させない場合と比較して、画像の光沢度が向上した。
また、図14に示すように、均しローラー290をワックス除去部280と定着ベルト220との間に配置した場合でも、画像の光沢度を向上させる効果は同様であった。
以上で説明した第2の実施形態の画像形成装置100は、第1の実施形態の効果に加えて下記の効果を奏する。
定着ベルト220の幅方向の一部分にワックスが集中して付着している場合であっても、均しローラー290がワックスを定着ベルト220の幅方向に広がるように均して、分散できるので、画像の光沢度を向上させることができる。
以上のように、実施形態において、画像形成装置100および制御プログラムについて説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、画像形成装置100の制御プログラムは、USBメモリー、フレキシブルディスク、CD−ROMなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリーやストレージなどに転送され記憶される。また、この制御プログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成装置100の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
100 画像形成装置、
110 画像読取部、
120 画像処理部、
130 画像形成部、
140 給紙部、
150 用紙搬送部、
200 定着部、
201 非接触温度センサー、
210 加熱ローラー、
211 ヒーター、
220 定着ベルト、
230 定着ローラー、
240 加圧ローラー、
250 定着駆動部、
260 加圧駆動部、
270 駆動制御部、
280 ワックス除去部、
281 ウェブ、
282 元巻きローラー、
283 押圧ローラー、
284 巻き取りローラー、
290 均しローラー、
300 通信部、
400 操作表示部、
500 制御部、
510 CPU、
520 補助記憶部、
530 RAM、
540 ROM。

Claims (10)

  1. ワックスを含むトナーを使用して用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、
    定着部材と、当該定着部材に圧接し、当該定着部材との間に定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記用紙に形成されたトナー画像から転移した、前記定着部材上のワックスを除去するワックス除去部と、を備え、前記用紙に形成されたトナー画像を定着する定着部と、
    前記定着部によって定着される前記用紙のトナー画像に対して要求される光沢度を取得する光沢度取得部と、
    前記光沢度に応じて、前記ワックス除去部が前記定着部材から除去する除去性能を調整するワックス除去調整部と、
    を有する、画像形成装置。
  2. 前記ワックス除去部によって前記定着部材上から除去すべきワックスの量と定着後の画像の光沢度との関係を記憶する記憶部をさらに有し、
    前記ワックス除去調整部は、前記記憶部に記憶された前記ワックスの量と前記光沢度との関係に基づいて、前記ワックス除去部の前記除去性能を調整する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着部材を回転駆動する定着駆動部と、
    前記加圧部材を回転駆動する加圧駆動部と、
    前記定着駆動部および前記加圧駆動部の回転駆動を制御する駆動制御部と、を有し、
    前記ワックス除去調整部は、
    前記定着部材の周速度と前記加圧部材の周速度との差を変更することによって前記除去性能を調整する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ワックス除去調整部は、
    前記周速度の差が大きいほど、除去性能が高くなるように制御する、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記ワックス除去部は、
    前記定着部材上のワックスを除去するウェブと、
    前記ウェブを巻き取るウェブ巻き取り部と、を有し、
    前記ワックス除去調整部は、前記周速度の差に応じて、前記ウェブ巻き取り部が巻き取る前記ウェブの巻き取り速度を制御する、請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記駆動制御部は、
    前記定着部材の周速度を前記加圧部材の周速度に対して速度差±10%以内になるように制限し、前記速度差の絶対値が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記ウェブの巻き取り量を少なくする、請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記定着部材の表面に当接し、ワックスを均す均し部材をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記トナーのワックスの含有量は、トナー全体に対して5〜20質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記ワックス除去調整部は、
    前記定着部材の周速度と前記加圧部材の周速度との差の絶対値を所定時間毎に算出し、
    前記絶対値の変化率が所定の閾値を超える場合、
    前記定着ニップ部にワックス供給用の他の用紙を通紙することにより、前記定着部材のワックスの量を増加させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. ワックスを含むトナーを使用して用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、
    定着部材と、当該定着部材に圧接し、当該定着部材との間に定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記用紙に形成されたトナー画像から転移した、前記定着部材のワックスを除去するワックス除去部と、を備え、前記用紙に形成された画像を定着する定着部と、を有する画像形成装置の制御プログラムであって、
    前記定着部によって定着される前記用紙の画像に対して要求される光沢度を取得する手順(a)と、
    前記光沢度に応じて、前記ワックス除去部が前記定着部材から除去する除去性能を決定する手順(b)と、
    前記用紙にトナー画像を形成する手順(c)と、
    前記用紙に形成されたトナー画像を定着する手順(d)と、
    を前記画像形成装置に実行させる、制御プログラム。
JP2018108774A 2018-06-06 2018-06-06 画像形成装置および制御プログラム Active JP7124469B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018108774A JP7124469B2 (ja) 2018-06-06 2018-06-06 画像形成装置および制御プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018108774A JP7124469B2 (ja) 2018-06-06 2018-06-06 画像形成装置および制御プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019211674A true JP2019211674A (ja) 2019-12-12
JP7124469B2 JP7124469B2 (ja) 2022-08-24

Family

ID=68845172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018108774A Active JP7124469B2 (ja) 2018-06-06 2018-06-06 画像形成装置および制御プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7124469B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7451173B2 (ja) 2019-12-25 2024-03-18 キヤノン株式会社 画像形成システム
JP7494489B2 (ja) 2020-03-03 2024-06-04 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09106210A (ja) * 1995-10-13 1997-04-22 Canon Inc 定着装置
JP2004038022A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2005010744A (ja) * 2003-03-07 2005-01-13 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成装置
JP2009192982A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2014224965A (ja) * 2013-04-18 2014-12-04 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2017078739A (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2017138531A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09106210A (ja) * 1995-10-13 1997-04-22 Canon Inc 定着装置
JP2004038022A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2005010744A (ja) * 2003-03-07 2005-01-13 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成装置
JP2009192982A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2014224965A (ja) * 2013-04-18 2014-12-04 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2017078739A (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2017138531A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7451173B2 (ja) 2019-12-25 2024-03-18 キヤノン株式会社 画像形成システム
JP7494489B2 (ja) 2020-03-03 2024-06-04 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7124469B2 (ja) 2022-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5247504B2 (ja) 像加熱装置、及び画像形成装置
JP5253208B2 (ja) 画像形成装置
JP7006419B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4655822B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007199413A (ja) 定着装置、画像形成装置およびその制御方法
JP6000706B2 (ja) 画像加熱装置
JP4609124B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6176981B2 (ja) 画像加熱装置及び画像形成装置
JP2020020933A (ja) 画像加熱装置
JP4609116B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP7124469B2 (ja) 画像形成装置および制御プログラム
JP2006330556A (ja) 画像形成装置
JP2007114634A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2009271231A (ja) 画像形成装置
CN111487853B (zh) 图像形成装置
JP4701051B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP7059719B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2019200304A (ja) 画像形成装置および制御プログラム
JP7494489B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラム
JP4577148B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
US20230314988A1 (en) Fixing apparatus
JP2023074756A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6840983B2 (ja) 定着装置、画像形成装置、および画像形成装置の制御方法
JP7326821B2 (ja) 画像形成装置
JP2021043408A (ja) 定着装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7124469

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150