JP2019211653A - 現像装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像ローラー20の表面のトナー薄層乱れを抑制するとともに、画像形成装置内部の汚染を抑制することが可能な現像装置およびそれを備えた画像形成装置を提供する。【解決手段】現像装置4は、磁性一成分の現像剤を収容する現像容器40と、現像容器40内の現像剤を攪拌搬送する攪拌搬送部材30と、攪拌搬送部材30から供給される現像剤を担持する現像ローラー20と、現像ローラー20の表面の現像剤の層厚を規制する規制ブレード21と、を備える。現像ローラー20の軸方向の少なくとも両端部の表面には、常温で液状の界面活性剤が塗布されている。【選択図】図2
Description
本発明は、現像装置およびそれを備えた画像形成装置に関し、特に、磁性一成分の現像剤を担持する現像ローラーを有する現像装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真プロセスを用いた画像形成装置における現像方式としては、主として粉末の現像剤が使用され、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視化し、その可視像(トナー像)を記録媒体上に転写した後、定着処理を行うプロセスが一般的である。
現像剤は、トナー及び磁性キャリアから成る二成分現像剤と、トナーのみから成る一成分現像剤とに大別される。例えば、磁性一成分現像剤を用いる現像方式としては、現像ローラー内部に複数の磁極を備えた固定マグネット体を配置し、磁気的担持力を利用して現像容器内のトナーを現像ローラー上に担持した後、規制ブレードを利用して層厚規制を行うことによりトナー薄層を形成し、現像位置において感光体ドラムへトナーを飛翔させる、いわゆるジャンピング一成分現像方式が知られている。
ところで、画像形成装置に新品の現像装置を取り付けた場合、トナーコンテナから現像装置にトナーを供給した後、攪拌搬送部材および現像ローラーを駆動してセットアップする必要がある。このとき、磁性一成分の現像剤を用いた現像装置では、現像ローラーの表面に最も早く到達したトナー(トナー薄層のうちの最下層のトナー)は、帯電機会が最も多いため帯電量が最も多くなり、現像ローラーの表面に強固に固着してしまう場合がある。なお、この現象は、低湿環境下で特に発生しやすい。
現像ローラーの表面に固着したトナー上にさらにトナーが積層されることにより、トナー薄層が部分的に厚くなり、トナー薄層の厚みにムラが生じる。これを薄層乱れといい、現像ローラーの軸方向の両端部で特に発生しやすい。
そこで、薄層乱れを抑制するために、現像ローラーの表面に金属石鹸を塗布した現像装置が知られている。この現像装置では、現像ローラーの表面に金属石鹸を塗布することによって、現像ローラーの表面とトナーとの間の摩擦力を低減して初期のトナー帯電量を低減することにより、薄層乱れを抑制している。
なお、現像ローラーの表面に金属石鹸を塗布した現像装置は、例えば特許文献1に開示されている。
しかしながら、上記現像ローラーの表面に金属石鹸を塗布した従来の現像装置では、金属石鹸は比較的粒径の大きい(例えば数μm)の粉体であるため、現像ローラーの表面から金属石鹸が落下すると、画像形成装置内部を汚染するという問題点がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、現像ローラーの表面のトナー薄層乱れを抑制するとともに、画像形成装置内部の汚染を抑制することが可能な現像装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の構成の現像装置は、磁性一成分の現像剤を収容する現像容器と、現像容器内の現像剤を攪拌搬送する攪拌搬送部材と、攪拌搬送部材から供給される現像剤を担持する現像ローラーと、現像ローラーに対向配置され、現像ローラーの表面の現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、を備える。現像ローラーの軸方向の少なくとも両端部の表面には、常温で液状の界面活性剤が塗布されている。
本発明の第1の構成の現像装置によれば、現像ローラーの軸方向の少なくとも両端部の表面には、界面活性剤が塗布されている。これにより、界面活性剤が空気中の水分を吸湿するので、現像ローラーの表面に最も早く到達したトナー(トナー薄層のうちの最下層のトナー)の電荷を逃がして帯電量を低減することができる。このため、現像ローラーの表面に帯電量の多いトナーが強固に固着するのを抑制することができるので、トナー薄層が部分的に厚くなりトナー薄層の厚みにムラが生じるのを抑制することができる。すなわち、現像ローラーの表面で薄層乱れが生じるのを抑制することができる。また、現像ローラーの表面に界面活性剤を塗布することによって、現像ローラーの表面とトナーとの間の摩擦力を低減して初期のトナー帯電量を低減することができるので、薄層乱れが生じるのをより抑制することができる。
また、常温で液状の界面活性剤を用いることによって、金属石鹸等の粉体の界面活性剤を用いる場合と異なり、現像ローラーの表面から比較的粒径の大きい粉体が落下して画像形成装置内部を汚染するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による現像装置4を備えた画像形成装置100の構造について説明する。画像形成装置(例えばモノクロプリンター)100では、画像形成動作を行う場合、装置本体内の画像形成部Pにおいて、不図示のパーソナルコンピューター(PC)から送信された原稿画像データに基づく静電潜像が形成され、現像装置4により静電潜像にトナーが付着されてトナー像が形成される。この現像装置4へのトナーの供給はトナーコンテナ5から行われる。そして、このような画像形成装置100では、感光体ドラム(像担持体)1を図1において時計回り方向に回転させながら、感光体ドラム1に対する画像形成プロセスが実行される。
画像形成部Pには、感光体ドラム1の回転方向(時計回り方向)に沿って、帯電部2、露光ユニット3、現像装置4、転写ローラー6、クリーニング装置7、及び除電装置(図示せず)が配設されている。感光体ドラム1は、例えばアルミドラムに感光層が積層されたものであり、帯電部2により、表面を帯電させるようになっている。そして、露光ユニット3からのレーザービームを受けた表面に、帯電を減衰させた静電潜像を形成する。なお、上記の感光層は、特に限定するものではないが、例えば耐久性に優れるアモルファスシリコン(a−Si)や、帯電時のオゾンの発生が少なく高解像度の画像が得られる有機感光層(OPC)等が好ましい。
帯電部2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電させる。露光ユニット3は、画像データに基づいて光ビーム(例えばレーザービーム)を感光体ドラム1に照射し、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
現像装置4は、感光体ドラム1の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。現像装置4には、磁性を有するトナー成分のみから構成される磁性一成分現像剤(以下、単にトナーともいう)が収容されている。なお、現像装置4の詳細な構造については後述する。転写ローラー6は、感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を乱さずに用紙搬送路11を搬送されてくる用紙に転写する。クリーニング装置7は、感光体ドラム1の長手方向に線接触するクリーニングローラーやクリーニングブレード等を備えており、トナー像が用紙に転写された後に、感光体ドラム1の表面に残った残留トナーを除去する。
そして、予め入力された画像データに基づいて露光ユニット3が感光体ドラム1上にレーザービーム(光線)を照射することで、その画像データに基づく静電潜像を感光体ドラム1表面に形成する。その後、現像装置4が静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
上記のようにトナー像が形成された画像形成部Pに向けて、用紙収容部10から用紙が用紙搬送路11及びレジストローラー対13を経由して所定のタイミングで搬送され、画像形成部Pにおいて転写ローラー6により感光体ドラム1表面のトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム1から分離され、定着部8に搬送されて加熱及び加圧されることで用紙にトナー像が定着される。定着部8を通過した用紙は、排出ローラー対14を通過して用紙排出部15に排出される。
次に、図2を参照して、現像装置4の詳細構造について説明する。なお、図2は図1の背面側から見た状態を示しており、現像装置4内の各部材の配置は図1と左右が逆になっている。
図2に示すように、現像装置4は、現像ローラー20と、規制ブレード(層厚規制部材)21と、攪拌搬送部材30と、現像剤供給部材35と、これらを収容する現像容器40等と、により構成されている。
現像容器40は、現像装置4の外郭を構成しており、上面が開口した本体部41と、本体部41の上面を覆うカバー部材42と、を有する。現像容器40は、本体部41に形成された仕切り部41aによって第1搬送室40aと第2搬送室40bに仕切られている。第1搬送室40a及び第2搬送室40bには、磁性トナーからなる一成分現像剤が収容される。また、現像容器40は、攪拌搬送部材30、現像剤供給部材35、及び現像ローラー20を回転可能に保持している。更に、現像容器40には、現像ローラー20を感光体ドラム1(図1参照)に向けて露出させる開口40cが形成されている。
現像ローラー20は、感光体ドラム1に対して一定の間隔を隔てて対向配置される。また、現像ローラー20は、感光体ドラム1に接近した対向領域において、感光体ドラム1にトナーを供給する。攪拌搬送部材30は現像ローラー20の左斜め下方に配設される。また、規制ブレード21は現像ローラー20の左側にて現像容器40に固定保持されている。
攪拌搬送部材30は、第1スパイラル(第1攪拌搬送部材)31と第2スパイラル(第2攪拌搬送部材)32の2本で構成される。第2スパイラル32が現像ローラー20の左斜め下方で、第2搬送室40b内に設けられ、第1スパイラル31が第2スパイラル32の左方に隣接して、第1搬送室40a内に設けられる。
第1及び第2スパイラル31、32は現像剤を攪拌しながら搬送する。また、第1搬送室40aと第2搬送室40bを仕切る仕切り部41aの長手方向(図2の紙面に対して垂直方向)の両端部分には、連通部(後述する上流側連通部40dおよび下流側連通部40e)が設けられており、第1スパイラル31が回転すると、現像剤が仕切り部41aに設けた一方の連通部から第2スパイラル32に搬送され、現像剤が第1搬送室40a内と第2搬送室40b内とを循環する。そして、第2スパイラル32から現像ローラー20に現像剤が供給される。
現像ローラー20は、固定軸20aと、磁極部材20bと、非磁性の金属材料で円筒状に形成される現像スリーブ20c等を備えて構成されている。現像ローラー20は、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、図2の時計回り方向に回転させられる。
現像スリーブ20cの表面は、所定の表面粗さを有するようにブラスト処理が施されている。また、現像スリーブ20cには、トナー(正帯電トナー)と同極性の現像バイアスが印加される。現像バイアスを印加された現像スリーブ20cが回転すると、現像ローラー20と感光体ドラム1との対向領域において、現像バイアス電位と感光体ドラム1の露光部位の電位との電位差により、現像スリーブ20c表面に担持されたトナーが感光体ドラム1に飛翔する。飛翔したトナーは回転する感光体ドラム1上の露光部位に順次付着し、感光体ドラム1上の静電潜像が現像される。
規制ブレード21は、感光体ドラム1に供給するトナー量、すなわち現像スリーブ20cへのトナー付着量を規制するものであり、例えばSUS(ステンレス)等の磁性体が用いられる。そして、規制ブレード21は、その先端と現像スリーブ20cとの間に所定の隙間(0.2〜0.3mm)が形成されるように配設されており、この規制ブレード21と現像スリーブ20cとの間に発生する磁界によって現像スリーブ20cへのトナー付着量が規制され、現像スリーブ20cの表面には数十ミクロンのトナー薄層が形成される。
次に、現像装置4の攪拌部について詳しく説明する。
図3に示すように現像容器40には、前述のように、仕切り部41aと、第1搬送室40aと、第2搬送室40bと、上流側連通部40dと、下流側連通部40eとが形成され、その他に、現像剤補給通路40fが形成されている。この現像剤補給通路40fは、新しい現像剤をトナーコンテナ5から第1搬送室40aに補給するための通路である。
第1搬送室40a、第2搬送室40bおよび現像剤補給通路40fは、互いに並列に配置されている。第1搬送室40aと第2搬送室40bとを仕切るように現像容器40の長手方向に延びる仕切り部41aが設けられており、現像剤補給通路40fと第1搬送室40aとを仕切るように現像容器40の長手方向に延びる仕切り部41bが設けられている。なお、第1搬送室40aにおいて、図3の左側を上流側、図3の右側を下流側とし、また、第2搬送室40bにおいて、図3の右側を上流側、図3の左側を下流側とする。従って、連通部は、第2搬送室40bを基準として、上流及び下流と呼称している。
上流側連通部40dおよび下流側連通部40eは、仕切り部41aの長手方向の一方側および他方側(A1方向側およびA2方向側)にそれぞれ形成されている。上流側連通部40dは、第1搬送室40aおよび第2搬送室40bのA1方向の端部同士を連通している。下流側連通部40eは、第1搬送室40aおよび第2搬送室40bのA2方向の端部同士を連通している。そして現像剤は、第1搬送室40a、上流側連通部40d、第2搬送室40b、及び下流側連通部40e内を循環することが可能である。
第1スパイラル31は、回転軸31aと、回転軸31aに一体に設けられ、回転軸31aの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1螺旋羽根31bとを有する。回転軸31aは現像容器40に回転可能に軸支されている。第1螺旋羽根31bは、第1搬送室40a内の現像剤を攪拌しながらA1方向に搬送する。
第2スパイラル32は、回転軸32aと、回転軸32aに一体に設けられ、回転軸32aの軸方向に第1螺旋羽根31bと同じピッチで第1螺旋羽根31bとは逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成される第2螺旋羽根32bとを有する。回転軸32aは、回転軸31aと平行に配置され、現像容器40に回転可能に軸支されている。第2螺旋羽根32bは、第2搬送室40b内の現像剤をA2方向(A1方向とは反対方向)に攪拌搬送しながら現像ローラー20に現像剤を供給する。
現像剤補給通路40fのA1方向側の部分では図4に示すように、現像容器40の上方に設けられたトナーコンテナ5から新しい現像剤を現像容器40内に補給するための補給口42aがカバー部材42に形成されている。補給口42aは、トナーコンテナ5から現像容器40に現像剤を搬送する現像剤供給装置80(図6参照)に接続されている。現像剤供給装置80は、現像剤搬送路、回転軸および螺旋羽根からなる搬送スクリュー、搬送スクリューを駆動するモーターおよび歯車を有する駆動機構(いずれも図示せず)によって構成されている。
補給口42aには、現像容器40内のトナー量を検知するトナーセンサー(図示せず)の検知結果に応じて、トナーコンテナ5(図1参照)に貯留されたトナー(現像剤)が供給される。現像剤補給通路40fのA2方向側の部分では図3に示すように、現像剤補給通路40fから第1搬送室40aに現像剤を供給するための供給口40gが形成されている。すなわち、現像剤補給通路40fは、A1方向側の部分に供給された現像剤を、A2方向に搬送して第1搬送室40aの上流側に供給するための通路である。
現像剤補給通路40f内には、第1スパイラル31および第2スパイラル32と平行に現像剤供給部材35が配置されている。現像剤供給部材35は図3に示すように、回転軸35aと、回転軸35aに一体に設けられる第3螺旋羽根35bおよび第4螺旋羽根35cとを有する。第3螺旋羽根35bは、回転軸35aの軸方向に第1螺旋羽根31bとは逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成されるとともに、補給口42a(図4参照)から供給口40gまで形成される。第4螺旋羽根35cは、第3螺旋羽根35bとは逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成されるとともに、供給口40gからA2方向側の端部まで形成される。
現像剤供給部材35は、第1スパイラル31と同方向(図2の反時計回り方向)に回転するように構成されており、補給口42aに供給された現像剤は供給口40g側に搬送される。第3螺旋羽根35bと第4螺旋羽根35cとが互いに逆方向を向く(逆位相の)羽根で形成されているので、第3螺旋羽根35bと第4螺旋羽根35cとによって、現像剤は供給部40gで衝突し第1搬送室40aへ搬送される。
なお、現像剤供給部材35、第1スパイラル31および第2スパイラル32の各々は、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により回転駆動させられる。
ここで、本実施形態では、現像ローラー20が新品の状態において、現像スリーブ20cの軸方向の少なくとも両端部の表面には、常温で液状(液体)の界面活性剤が塗布されている。界面活性剤は、現像スリーブ20cの表面のうちの感光体ドラム1の現像領域に対応する領域R(図5参照)の全域に塗布されていてもよい。
また、界面活性剤は、トナーの帯電極性とは逆極性の界面活性剤が用いられてもよい。ここでは、トナーは正帯電トナーであるため、界面活性剤は、例えばアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム等のアニオン界面活性剤が用いられてもよい。
界面活性剤の厚みは、0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、ここでは約0.05μmに設定されている。なお、後述するように、現像スリーブ20cの表面の界面活性剤は、現像装置4を駆動することによってトナーへ徐々に移行するため、現像装置4を所定時間以上駆動した後では現像スリーブ20cの表面に界面活性剤は存在しない。
図6は、画像形成装置100に用いられる制御経路の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
バイアス制御回路51は、帯電バイアス電源52、現像バイアス電源53、及び転写バイアス電源54と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源52〜54を作動させるものであり、各電源52〜54はバイアス制御回路51からの制御信号によって、帯電部2、現像ローラー20、転写ローラー6に所定のバイアスを印加する。
操作部70には、液晶表示部71、各種の状態を示すLED72が設けられており、液晶表示部71およびLED72は、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。画像形成装置100の各種設定はパーソナルコンピューターのプリンタードライバーから行われる。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き可能な記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり、操作部70からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)95を少なくとも備えている。また、制御部90は、画像形成装置100の本体内部の任意の場所に配置可能である。
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F95を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F95を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pの感光体ドラム1、帯電部2、露光ユニット3、現像装置4、転写ローラー6、クリーニング装置7、除電装置(図示せず)、及びバイアス制御回路51、操作部70、定着部8、現像剤供給装置80等が挙げられる。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。タイマー96は、例えば、後述する初期動作の実行時間を計測する。
ここで、本実施形態では、制御部90は、現像装置4が新品である場合(現像装置4が新品に交換された場合や画像形成装置100自体が新品である場合)のセットアップ時において、現像ローラー20の表面の界面活性剤をトナーに移行させる初期動作を実行する。
具体的には、制御部90は、現像装置4が新品の場合に、トナーコンテナ5から現像装置4内にトナーを供給するとともに、攪拌搬送部材30および現像ローラー20を所定時間(例えば1時間)回転駆動する。これにより、画像形成動作に先立って、現像ローラー20の表面の界面活性剤がトナーに徐々に移行し、現像ローラー20の表面において界面活性剤が存在しなくなる。そして、現像ローラー20の表面に正常な(均一な厚みの)トナー薄層が形成される。
なお、初期動作は、現像装置4が新品であることを検知した場合に自動で行ってもよいし、ユーザー又はメンテナンス作業者が操作部70に実行指示を入力することによって行ってもよい。
本実施形態では、上記のように、現像ローラー20の表面には、界面活性剤が塗布されている。これにより、界面活性剤が空気中の水分を吸湿するので、現像ローラー20の表面に最も早く到達したトナー(トナー薄層のうちの最下層のトナー)の電荷を逃がして帯電量を低減することができる。このため、現像ローラー20の表面に帯電量の多いトナーが強固に固着するのを抑制することができるので、トナー薄層が部分的に厚くなりトナー薄層の厚みにムラが生じるのを抑制することができる。すなわち、現像ローラー20の表面で薄層乱れが生じるのを抑制することができる。また、現像ローラー20の表面に界面活性剤を塗布することによって、現像ローラー20の表面とトナーとの間の摩擦力を低減して初期のトナー帯電量を低減することができるので、薄層乱れが生じるのをより抑制することができる。
なお、新品の現像装置4を使用する際のセットアップ時に、現像ローラー20の表面に正常な(均一な厚みの)トナー薄層が一旦形成されれば、その後で薄層乱れは生じない。
また、常温で液状の界面活性剤を用いることによって、金属石鹸等の粉体の界面活性剤を用いる場合と異なり、現像ローラー20の表面から比較的粒径の大きい粉体が落下して画像形成装置100内部を汚染するのを抑制すことができる。
また、上記のように、界面活性剤は、現像剤を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の界面活性剤であってもよい。このように構成すれば、トナーの帯電量を効果的に低減することができる。
また、上記のように、界面活性剤は、現像ローラー20の表面のうちの感光体ドラム1の現像領域に対応する領域Rの全域に塗布されていてもよい。このように構成すれば、現像ローラー20の表面の領域Rの全域において、薄層乱れが生じるのを抑制することができる。
また、上記のように、制御部90は、現像装置4が新品の場合に、現像装置4内に現像剤を供給するとともに、攪拌搬送部材30および現像ローラー20を所定時間回転駆動することにより、画像形成動作に先だって現像ローラー20の表面の界面活性剤を現像剤に移行させる初期動作を実行可能である。これにより、現像ローラー20の表面に正常な(均一な厚みの)トナー薄層を形成した状態で、画像形成動作を実行することができる。また、現像ローラー20の表面において界面活性剤が存在しなくなった状態で、画像形成動作を実行することができるので、画像濃度が低下するのを抑制することができる。なお、現像ローラー20の表面に界面活性剤が残っている状態で画像形成動作を実行した場合、画像濃度が少し低下する場合がある。
次に、上記した本実施形態の効果を確認するために行った確認実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1〜4と、上記実施形態に対応しない比較例と、について行った。
[実施例1]
現像ローラー20の表面の領域R(図5参照)の全域にアニオン界面活性剤であるアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの5%水溶液を均一に塗布し、所定温度で所定時間乾燥させた。この現像ローラー20が取り付けられた新品の現像装置4を搭載した画像形成装置100を実施例1とした。
現像ローラー20の表面の領域R(図5参照)の全域にアニオン界面活性剤であるアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの5%水溶液を均一に塗布し、所定温度で所定時間乾燥させた。この現像ローラー20が取り付けられた新品の現像装置4を搭載した画像形成装置100を実施例1とした。
[実施例2]
現像ローラー20の表面に両性界面活性剤であるアルキルアミンオキシドの5%水溶液を均一に塗布する以外は実施例1と同様に構成したものを実施例2とした。
現像ローラー20の表面に両性界面活性剤であるアルキルアミンオキシドの5%水溶液を均一に塗布する以外は実施例1と同様に構成したものを実施例2とした。
[実施例3]
現像ローラー20の表面に非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルの5%水溶液を均一に塗布する以外は実施例1と同様に構成したものを実施例3とした。
現像ローラー20の表面に非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルの5%水溶液を均一に塗布する以外は実施例1と同様に構成したものを実施例3とした。
[実施例4]
現像ローラー20の表面にカチオン界面活性剤である塩化ジステアリルジメチルアンモニウムの5%水溶液を均一に塗布する以外は実施例1と同様に構成したものを実施例4とした。
現像ローラー20の表面にカチオン界面活性剤である塩化ジステアリルジメチルアンモニウムの5%水溶液を均一に塗布する以外は実施例1と同様に構成したものを実施例4とした。
なお、実施例1〜4では、乾燥後における現像ローラー20の表面の界面活性剤は常温(20℃)で液状であった。
[比較例]
表面に界面活性剤が塗布されていない現像ローラー20が取り付けられた新品の現像装置4を搭載した画像形成装置100を比較例とした。
表面に界面活性剤が塗布されていない現像ローラー20が取り付けられた新品の現像装置4を搭載した画像形成装置100を比較例とした。
そして、実施例1〜4および比較例について、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で、初期動作を実行した。具体的には、現像装置4内に正帯電トナーをインストールした後、攪拌搬送部材30および現像ローラー20を1時間回転駆動した。その後、現像ローラー20の表面のトナー薄層を目視で確認し、薄層乱れを評価した。その結果を表1に示す。なお、トナー薄層が均一に形成されムラが無い状態を◎、画像形成に悪影響を及ぼさないレベルの小さなムラがトナー薄層に生じている状態を○、画像形成に悪影響を及ぼすレベルのムラがトナー薄層に生じている状態を×とした。
表1を参照して、実施例1〜4では、トナー薄層にムラが生じやすい低温低湿環境においても、トナー薄層を良好に形成することができることが判明した。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、界面活性剤が空気中の水分を吸湿するので、現像ローラー20の表面に最も早く到達したトナー(トナー薄層のうちの最下層のトナー)の電荷を逃がして帯電量を低減した。このため、現像ローラー20の表面に帯電量の多いトナーが強固に固着するのを抑制することができたので、トナー薄層が部分的に厚くなりトナー薄層の厚みにムラが生じるのを抑制することができた、と考えられる。
また、実施例1では、実施例2〜4に比べて、トナー薄層をより均一に形成することができることが判明した。これは、アニオン界面活性剤が有する陰イオン性の親水基が、正帯電トナーの帯電量が高くなるのを抑えるように作用したためである、と考えられる。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、プリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、複写機、複合機、ファクシミリ等の、磁性一成分の現像剤を担持する現像ローラーを備えた種々の画像形成装置に本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、現像ローラー20の表面の領域Rの全域に界面活性剤を塗布する例について示したが、本発明はこれに限らない。トナーの種類や特性等によって薄層乱れの生じやすさは異なる。このため、薄層乱れが比較的生じにくいトナーを用いる場合は、現像ローラー20の表面の両端部のみに界面活性剤を塗布してもよい。この場合、例えば、現像ローラー20の表面の領域Rの両端縁から10mmの範囲に界面活性剤を塗布してもよい。
1 感光体ドラム(像担持体)
4 現像装置
5 トナーコンテナ
20 現像ローラー
21 規制ブレード(層厚規制部材)
30 攪拌搬送部材
40 現像容器
80 現像剤供給装置
90 制御部
100 画像形成装置
R 領域
4 現像装置
5 トナーコンテナ
20 現像ローラー
21 規制ブレード(層厚規制部材)
30 攪拌搬送部材
40 現像容器
80 現像剤供給装置
90 制御部
100 画像形成装置
R 領域
Claims (7)
- 磁性一成分の現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器内の前記現像剤を攪拌搬送する攪拌搬送部材と、
前記攪拌搬送部材から供給される前記現像剤を担持する現像ローラーと、
前記現像ローラーに対向配置され、前記現像ローラーの表面の前記現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、
を備え、
前記現像ローラーの軸方向の少なくとも両端部の表面には、常温で液状の界面活性剤が塗布されていることを特徴とする現像装置。 - 前記界面活性剤は、前記現像剤を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記トナーは、正帯電トナーであり、
前記界面活性剤は、アニオン界面活性剤であることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。 - 前記界面活性剤は、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムであることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
- 前記界面活性剤は、前記現像ローラーの表面のうちの像担持体の現像領域に対応する領域の全域に塗布されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 前記現像装置に供給される前記現像剤を収容するトナーコンテナと、
前記トナーコンテナから前記現像装置に前記現像剤を搬送する現像剤供給装置と、
前記現像装置および前記現像剤供給装置を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記現像装置が新品の場合に、前記現像装置内に前記現像剤を供給するとともに、前記攪拌搬送部材および前記現像ローラーを所定時間回転駆動することにより、画像形成動作に先だって前記現像ローラーの表面の前記界面活性剤を前記現像剤に移行させる初期動作を実行可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018108292A JP2019211653A (ja) | 2018-06-06 | 2018-06-06 | 現像装置およびそれを備えた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018108292A JP2019211653A (ja) | 2018-06-06 | 2018-06-06 | 現像装置およびそれを備えた画像形成装置 |
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JP2019211653A true JP2019211653A (ja) | 2019-12-12 |
Family
ID=68846882
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019211653A (ja) |
-
2018
- 2018-06-06 JP JP2018108292A patent/JP2019211653A/ja active Pending
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