JP2019207326A - 回折光学素子およびそれを用いた光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回折光学素子を用いて撮像すると、その同心円状の複数の輪帯からなるレリーフ型の回折格子形状に倣って生じた透過率差が原因で、ボケ像に白輝点が発生するという課題があった。【解決手段】 基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、が積層された回折光学素子である。回折光学素子の積層方向から平面視した際に、その回折格子形状は同心円状の複数の輪帯からなる。また、第2の樹脂層が、第1の樹脂層の輪帯の中心部と接する第1の部と、第1の樹脂層の周縁部と接する第2の部よりなる。そして、第1の部の透過率が第2の部の透過率より低いことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、カメラやビデオ等の光学機器に使用される回折光学素子、特に光学特性が異なる2種類の樹脂を用いた回折光学素子およびそれを用いた光学機器に関する。
レンズなどに用いられる光学素子として、光学特性が異なる2種類の樹脂を用いた回折光学素子が知られている。この回折光学素子は、回折光学系と屈折光学系では色収差が全く逆に発生する性質を利用してレンズとしての色収差を抑制し、かつレンズ全体の大幅な小型化、軽量化を実現可能としている。また、近年のカメラやビデオ等の光学機器の高画質化に伴い、レンズの色収差の抑制は、より高いレベルが要求される様になっている。この高いレベルの要求に対し、回折光学素子は、可視光域(光線の波長で400nm〜700nmの範囲)全域での高い回折効率を達成する必要がある。
例えば、特許文献1には、可視光域全域で高い回折効率を有する回折光学素子の構成として、基材上に回折格子形状を有する高屈折率低分散の樹脂からなる第1の樹脂層と、低屈折率高分散の樹脂からなる第2の樹脂層とが積層された構成が開示されている。なお、回折格子形状は、同心円状の複数の輪帯からなるレリーフ型である。ここで、可視光域全域で高い回折効率を得るために、第1の樹脂層に対して部分分散比が小さいリニア分散特性を有するITO(錫がドープされたインジウム酸化物)等の導電性酸化物の粒子を含有させることが開示されている。しかしながら、ITO等の導電性酸化物の粒子は着色しているため、可視光領域において高い吸収を有する。そのため回折光学素子を透過する光線は第1の樹脂層の回折格子の形状に倣って透過率差が生じ、濃淡ムラが発生する。そして、この回折光学素子を用いたデジタルカメラで撮像すると、ボケ像(レンズの焦点の範囲外の領域における像)において白輝点が発生してしまうことがある。これは同心円状の複数の輪帯からなるレリーフ型の回折格子形状に倣って生じた透過率差が、輪帯間の間隔が大きい回折光学素子の中心近傍(第1輪帯内)で顕著になっていることに起因していると考えられる。また、このような濃淡ムラに対して、デジタルカメラの信号処理部によって部分的に画像信号処理を行うことは容易でない。
この透過率差を改善するために、特許文献2には、導電性酸化物の粒子を含有しない樹脂層に対して着色剤を含有させた回折光学素子が開示されている。導電性酸化物の粒子を含有しない樹脂層に対して着色剤を含有させて透過率を低くし、導電性酸化物の粒子を含有する樹脂層との透過率の差を打ち消して、その差を小さくしようとするものである。
特開2008−203821号公報 特開2016−53736号公報
しかしながら、特許文献2に開示された回折光学素子は透過率差を改善できるものの、導電性酸化物の粒子を含有しない樹脂層の全域の透過率を低くしているため、回折光学素子を透過する光量が少ない。回折光学素子を透過する光量を十分に確保するためには、回折光学素子をレンズに用いて光学系を設計する際に、レンズの枚数を減らさなければならず、所望の光学特性を満たせなくなるという課題があった。
前記課題を解決するための回折光学素子は、基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、が積層された回折光学素子であって、前記回折光学素子の積層方向から平面視した際に、前記回折格子形状が同心円状の複数の輪帯からなり、前記第2の樹脂層が、前記第1の樹脂層の輪帯の中心部と接する第1の部と、前記第1の樹脂層の周縁部と接する第2の部よりなり、前記第1の部の透過率が前記第2の部の透過率より低いことを特徴とする。
本発明の回折光学素子は、第1の樹脂層の周縁部と接する第2の部より透過率が低い第1の部を第1の樹脂層の輪帯の中心部に接して設けるため、回折格子の第1輪帯に生じる透過率差を小さくすることができる。そのため、可視光域全域で高い回折効率を維持し、かつ、ボケ像において白輝点の発生を抑制することができる回折光学素子を提供することができる。また、第1の樹脂層の周縁部は透過率が高い第2の部が設けられているため、透過する光量を十分に確保できる回折光学素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る回折光学素子の概略図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層を示した概略図である。 従来技術の回折光学素子の概略図である。 従来技術の回折光学素子の素子中心からの距離と可視光全域での透過率の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層の第1の部を示した概略図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層を形成する工程を示した図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層を形成する工程を示した図である。 本発明の一実施形態に係る光学機器を示す概略図である。
(回折光学素子)
図1は本発明の一実施形態に係る回折光学素子を表したものであり、回折光学素子の中心を通る面で切断したときの断面図である。
回折光学素子20は、第1の基材上に設けられた回折格子層により構成される。この例においては回折格子層の上に第2の基材2が設けられている。
第1の基材1と第2の基材2は、透明基材であり、例えば、ランタン系の高屈折率低分散ガラスであるS−LAH55(株式会社オハラ製)や超低分散ガラスであるS−FPL51(株式会社オハラ製)などを用いることができる。
回折格子層は第1の樹脂層3と、第1の部5と第2の部4からなる第2の樹脂層とからなる。広い波長帯域で高い回折効率を得るために、第1の樹脂層3は低屈折率高分散に、第2の樹脂層は高屈折率低分散としている。ここで、低屈折率および高屈折率とは第1の樹脂層3および第2の樹脂層の屈折率の相対的な関係を意味する。同様に、高分散および低分散とは第1の樹脂層3および第2の樹脂層の分散特性(アッベ数)の相対的な関係を意味する。すなわち、第1の樹脂層3の屈折率をnd1、アッベ数をν1、第2の樹脂層の屈折率をnd2、アッベ数をν2としたときに、nd1<nd2及びν1<ν2の関係を満たすことを意味する。なお、後述するように、本発明では第2の樹脂層の第1の部5と第2の部4の透過率に差を設けるが、両者の屈折率およびアッベ数はほぼ一定である。
(第1の樹脂層)
第1の樹脂層3は、可視域全域で99%以上という高い回折効率を得るために、部分分散比θgFが小さいリニア分散特性を有する樹脂とする。このリニア分散特性を得るために、第1の樹脂層は、樹脂に導電性酸化物の粒子が分散されて構成されている。樹脂としては、熱硬化性樹脂および紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂を用いることができ、特にアクリレート系樹脂が好ましい。樹脂には、必要に応じて、離型剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、増感剤、増粘剤等を添加することもできる。また、導電性酸化物としては、例えば、酸化チタン、錫がドープされた酸化インジウム(ITO)、アンチモンがドープされた酸化スズ(ATO)を用いることができる。また、亜鉛がドープされた酸化インジウム(IZO)、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛(AZO)及びフッ素がドープされた酸化スズ(FTO)等も用いることができる。これらの導電性酸化物の粒子は着色しているため、第1の樹脂層3の透過率は第2の樹脂層の透過率より低くなる。
ここで、導電性酸化物の粒子の含有量は、第1の樹脂層100体積部に対して5体積部以上25体積部以下であることが好ましい。5体積部未満であると透過率は小さくなるが、所望の屈折率とアッベ数の制御が困難になり、高い回折効率を得られないおそれがある。また、25体積部よりも多いと、透過率が悪化するおそれがある。また、硬化前の樹脂の粘度が高くなり成形性が悪化するおそれがある。
また、導電性酸化物粒子の平均粒子径は3nm以上20nm以下であることが好ましい。3nmより小さいと粒子の表面エネルギーが大きくなるため粒子が凝集し易くなり、樹脂層において光散乱が増大するおそれがある。また、20nmより大きくても樹脂層において光散乱が大きくなるおそれがある。なお、本明細書において、平均粒子径とは、一次粒子の個数平均粒子径のことをさす。導電性酸化物の粒子の平均粒子径を測定する方法は、例えば動的光散乱方式がある。測定できる装置としては粒度分布計があり、例えばELSZ−2000ZS(大塚電子社製)などが挙げられる。
なお、第1の樹脂層の厚さは、例えば、ベース部が1μm以上10μm以下である。また、回折格子の格子高さは、例えば、2μm以上30μm以下である。
図2は輪帯の説明図であり、図2(a)は第1の基材に第1の樹脂層3が設けられた状態を積層方向(図1の光軸O方向)から見た上面図である。また、図2(b)は側面側から見た断面図である。
図2(a)のように、第1の樹脂層3の回折格子形状は、積層方向から平面視した際に、光軸Oを中心にしたN個(Nは2以上の整数)の複数の円からなる同心円状のレリーフパターンからなる。レリーフパターンにおける格子ピッチは、回折光学素子の中心近傍では大きく、周縁部に向かうほどが小さい。本明細書において、回折光学素子の中心と一致した回折格子形状の中心を囲む円の領域を第1輪帯15と呼ぶ。また、中心から数えて2番目の円と中心を囲む円とで囲まれた領域を第2輪帯16、中心から数えて3番目の円と2番目の円とで囲まれた領域を第3輪帯17と呼ぶ。すなわち、中心から数えてN番目の円と(N−1)番目の円とで囲まれた領域を第N輪帯と呼ぶ。
また、図2(b)のように、第1の樹脂層の回折格子形状は斜面部31と壁面部32とから構成されている。第1輪帯15は格子ピッチが最も大きく、第1の樹脂層の斜面部31が中心で線対称、つまりその輪帯内で折り返された形状になっている。このため、回折光学素子中心近傍では透過率差の影響を受けやすい。この要因について図3を用いて説明する。
図3は従来技術(先行技術文献1)の回折光学素子であり、図3(a)は回折光学素子の中心を通る面で切断したときの断面図である。
従来技術の回折光学素子120は、第1の基材101と第2の基材102及びそれらに挟まれた回折格子層で構成される。ここで、回折格子層は第1の樹脂層103と第2の樹脂層104からなる。本発明の回折光学素子とは、第2の樹脂層が第1の部と第2の部に分かれて形成されていないという点で異なる。
図3(b)は第1の樹脂層103が形成されている第1の基材101に入射光105が第1の基材101側から入射している状態を示しており、説明の便宜上、第2の樹脂層104と第2の基材102は省略している。なお、第2の樹脂層104、第2の基材102とも透明度が高く透過率はほぼ100%である。図中のO線は光軸中心、つまり素子中心を表している。この時、第1の樹脂層103には導電性酸化物の粒子が分散されており、かつ第1の樹脂層103は斜面部と壁面部とから段差形状を形成しているため、その膜厚に応じて透過率が変化する。第1の樹脂層103の膜厚が薄い部分からの出射光106は損失がほとんど無い状態であるが、膜厚が厚い部分の出射光107は損失が大きく、弱い光になっている。
また、図3(c)は入射光の透過状態を表した模式図である。各輪帯内での入射光の透過の様子は楕円で示されており、第1の樹脂層103の膜厚が薄い部分で透光性が高いこと、膜厚が厚い部分で透光性が低いことを模式的に表している。図中「A」と記した部分は輪帯の境目であり、第1の樹脂層103の膜厚の厚い部分と薄い部分が隣接している領域である。この領域では透光性が高い部分と低い部分が隣接しているため透光性は平均化される。一方、図中「B」と記した領域はO線で線対称になっているため、透光性の高い部分が連続的に存在しており、透光性が最も高い領域である。つまり、回折光学素子の中心では透光性が高く、その他の領域では透光性がほぼ平均化している状態となっている。加えて、素子中心近傍では格子ピッチが大きいため透光性の平均化が起こりにくく、周辺では格子ピッチが小さいため透光性の平均化が起こりやすい。この素子中心の透光性の高さが原因で、この回折光学素子を有する光学系を用いて撮影された画像は、濃淡ムラが発生し、ボケ像において白輝点が発生する。
図4は従来技術(先行技術文献1)の回折光学素子の透過率を示すグラフである。横軸は素子中心からの距離(mm)、縦軸はその位置における透過率を示している。ここで、導電性酸化物の粒子を含有している第1の樹脂層の回折格子形状は、素子中心から第1輪帯までが3.7mm、第2輪帯までが5.5mm、第3輪帯までが7.1mmである。この図から、透過率は素子中心近傍で大きく、第1輪帯では10%以上も透過率がばらついていることが分かる。また、周縁部に向かうに従って透過率のばらつきは小さくなっていることが分かる。このような従来技術における透過率のばらつきによる濃淡ムラや白輝点等の問題を、本発明は「第2の樹脂層の構造」によって解決している。以下、その具体的構造について説明する。
(第2の樹脂層)
続いて、第2の樹脂層について説明する。第2の樹脂層は第1の部5と第2の部4からなり、それぞれ同一の樹脂を含有する。樹脂としては、熱硬化性樹脂および紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂を用いることができ、特にアクリレート系樹脂が好ましい。樹脂には、必要に応じて、離型剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、増感剤、増粘剤等を添加することもできる。また屈折率やアッベ数といった光学特性を調整するために酸化ジルコニウム等の粒子を分散させても良い。酸化ジルコニウムは微粒子(平均粒子径が3nm以上20nm以下のことを指す)であれば透明度が高い。そのため酸化ジルコニウムを含有しても第2の樹脂層に含有される樹脂は第1の樹脂層に比べて高い透過率を有する。
前述したように、従来技術では、第1の樹脂層3には回折格子の段差形状に応じた透過率差を生じている。そのため、回折光学素子として透過率差を小さくするためには、第2の樹脂層でこの透過率差を相殺する様な透過率分布を持たせる必要がある。
本発明の回折光学素子は2つの樹脂層が互いに密着して設けられているため、段差形状が互い違いに構成されている。そのため、上述した回折格子の段差形状に倣った透過率差を相殺するためには、2つの樹脂層の透過率を同じにすれば良い。ここでの透過率とは、膜厚を考慮したものである。2つの樹脂層の膜厚が等しい場合には、樹脂として同じ透過率であることが求められ、2つの樹脂層の膜厚が異なる場合には、ランバートベール則より算出される透過率とする必要がある。
また、第1の樹脂層3の周縁部と接する部分には第1の部5を設けずに、第2の部4を設ける。そのため、従来技術(先行技術文献2)の回折光学素子より透過する光量が十分に確保することができる。
図5は本発明の回折光学素子において、第1の樹脂層3の輪帯の中心部と接する位置第2の樹脂層の第1の部5が設けられた状態を示しており、図5(a)は積層方向(光軸O方向)から見た上面図である。また、図5(b)は側面図である。
図5(a)のように第1の部5は、積層方向から平面視した際に、第1の樹脂層3の中心部に接するように設けられている。すなわち、第1輪帯の中心部に接するように形成されている。ここで第1の部5は真円形状であることが好ましいが、第1の樹脂層3の回折格子形状の同一輪帯上に設けられていれば良い。多少の隙間が存在したり、円弧の形状が直線になっていたりしても、第1の樹脂層3の回折格子形状の同一輪帯上に設けられていれば良い。
図5(b)は本発明の第一実施形態に係る回折光学素子の断面図である。前述した輪帯内の透過率差を小さくするために、第1の部5の透過率は第1の樹脂層3および第2の部4の透過率より低くしている。
第1の部5は第1の樹脂層3の上に形成されているので、第1の樹脂層3の膜厚が厚い部分は第1の部5の膜厚が薄くなり、反対に第1の樹脂層3の膜厚が薄い部分では第1の層5の膜厚は厚くなっている。これにより、第1の樹脂層と第1の部で合わせて透過率を輪帯内で平均化することが出来る。これにより透過率差に起因する色の濃淡ムラを低減することが出来る。具体的には、回折光学素子の第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周部における透過率との差が7%以下であると、濃淡ムラに起因したボケ像の白輝点の発生をより確実に抑制することが可能となる。
また、前述したように、第1の部5は第1の樹脂層3の周縁部には設けられていない。第1の樹脂層3の周縁部には第2の部4が設けられる。そのため、回折光学素子を透過する光量を十分に確保することができる。
第1の部5の透過率を低くするには、例えば、第1の部5の樹脂に着色剤を含有させる。
第2の樹脂層の第1の部5に添加する着色剤の含有量は、第1の部の樹脂100質量部に対し0.001質量部以上10.0質量部以下、好ましくは0.01質量部以上5.0質量部以下である。含有量が0.001質量部未満であると十分に着色することが出来ず、第1の樹脂層の輪帯内の透過率差が小さくすることができないおそれがある。また含有量が10.0質量部より多すぎても第1の樹脂層の輪帯内の透過率差を小さくすることができないおそれがある。着色剤の含有量は、含有させる樹脂の透過率に応じて調整することも必要である。着色剤としては、染料もしくは顔料から選ばれる少なくとも1つを選択することができる。
染料としては、黒色染料、青色染料、黄色染料、赤色染料のそれぞれを用いることができ、各染料の濃度を調整して所望の色合いにして含有させることが好ましい。より具体的には、日本化薬株式会社製のKAYASETシリーズのYellow G、Yellow 2G、Yellow GN、Yellow A−G、Yellow E−G、Yellow E−AR、Orange G、Orange A−N、Red G、Red 130、Red B、Red A−G、Red A−2G、Red A−BR、Red E−CG、Red E−BG、Violet A−R、Blue N、A−2R、Blue A−D、Blue A−CR、Green A−B、Black G、Black B、Black A−Bが挙げられる。また、日本化薬株式会社製のKAYAlightシリーズのB、OS、OSNが挙げられる。また、住化ケムテックス株式会社製のSumiplastシリーズのYellow FL7G、Yellow GC、Yellow R、Yellow HLR、Lemon Yellow HGN、Lemon Yellow HL、Orange HRP、Red AS、Red B−2、Red FB、Red 3B、Red HF4G、Red HFG、Red H3G、Red H4GR、Red HL2B、Red HL5B、Vioret RR、Vioret B、Blue OR、Blue SR、Blue GP、Blue S、Blue OA、Turq Blue G、Green G、Bordeaux HBL、Black G−2、Black H3B、Black HLG、Black HB、Black A−H、Black A−N、Green A−B、SDO−7、SDO−13、SDO−45が挙げられる。また、大日精化工業株式会社製のダイカラードライ、ダイカラーグラニュー、ダイカラーマスター、コンクペット、HMCシリーズ、PK−、PL−、PT−、PB−、PA−、HS−、ディスコールVTM、EM、VT、PMP、TFM、FCM、FCT、TFD、MA−、AT、レザミンCP、アースリーマスター、ST、ET、FTが挙げられる。
顔料としては、黒色顔料、青色顔料、黄色顔料、赤色顔料のそれぞれを用いることができ、各顔料の濃度を調整して所望の色合いにして含有させることが好ましい。より具体的には、大日精化工業株式会社製のクロモファイン、セイカファスト、セイカライト、ダイピロキサイド、プルシアンブルー、ミロリブルー、ダイプロムナード、NAF、FPGK、FPGS、UTC−O、AF、MF、TF、ラブコロール、RML、RGP、TB、DP、EP、AM、セイカセブン、ダイミックが挙げられる。また、CIKナノテック株式会社製のNanoTekシリーズのAl、Bi、CeO、CoO、Fe(α)、Fe(γ)、Ho、ITO、In、MnO4、SiO、SnO、TiO、Y、ZnO、ZrO、Black、コバルトブルーが挙げられる。
本発明に用いられる着色剤は、上記の具体的に記載した着色剤に限定されるものではなく、樹脂やガラスに着色が可能なものであれば有機、無機イオン等でも良い。着色剤は染料、顔料それぞれ単独で用いてもよく、混合して用いても良い。また紫外線等に対し、耐光性の良いものが好ましい。耐光性の悪いものであると、使用環境に応じて経時的に色の変色や退色を発生するからである。耐光性に優れるという観点においては、顔料が好ましい。また樹脂に着色剤を含有させる場合は、使用する樹脂に着色剤が溶解、または波長以下のサイズで均一に分散していることが必要である。不溶物や凝集体の存在により、散乱や透過率ムラが発生するおそれがあるからである。
ここで、第1の部5が第1の樹脂層の斜面部31に接する面の面積をS1、第2の樹脂層(第1の部と第2の部)が第1の樹脂層の斜面部31に接する面の面積をS2とすると、S1/S2は5%以下が好ましい。S1/S2が5%以下であると、回折光学素子を透過する光量を十分に確保できるためである。また、S1/S2が5%以下であると、回折光学素子の面精度が優れる。第2の部4の膜厚は、第1の部5の上の領域では薄く、第1の樹脂層3の上の領域では厚いため、第2の樹脂層が硬化されると2つの領域の収縮量に差が生じる。膜厚方向の収縮量と各領域の面積の積が各領域の収縮体積となるが、この収縮体積が2つの領域で異なるため、第2の樹脂層の面精度に影響を与えることがある。しかし、S1/S2が5%以下であると、2つの領域のうちS1が小さいため、第2の樹脂層においてS1部分の収縮の影響が小さくなり、S2部分の収縮が支配的になる。そのため、第2の樹脂層内での収縮が一様となり、良好な面精度を有する回折光学素子が得られる。
なお、第2の樹脂層の第1の部の膜厚は、第1の樹脂層の格子の高さ以上であることが好ましい。第1の樹脂層の輪帯を第2の樹脂層の第1の部で埋めることができるため、透過率ムラをより小さくできるためである。
また、第1の樹脂層と第2の樹脂層の厚さの和は70μm以下であることが好ましい。70μmを超えると、環境温度の急激な変化が生じた際に、回折格子層の伸縮量が大きくなるとともに、基材と回折格子層の線膨張係数差に起因する内部歪が増大し、回折格子層に割れが発生するおそれがある。そのため、第1の部5の透過率を低くするには、第1の部5の膜厚を極端に厚くする方法も考えられるが、割れを考慮すると好ましい方法とは言えない。
以上、本発明の回折光学素子は、同一輪帯内の透過率差に起因するボケ像で白輝点の発生を抑制することができ、かつ、回折光学素子と透過する光量を十分に確保できる。
(回折光学素子の評価方法)
本発明の回折光学素子の透過波面は、例えば、以下の手法で測定できる。まず、回折光学素子を回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように光学系を設計する。次に、レーザー干渉計を用いて、レーザー干渉計に対して被計測物、反射ミラーの順に配置する。次に、反射ミラーを回折光学素子の焦点位置に調整して、回折光学素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれ及び輪帯間の位相ずれを算出する。干渉計の計測波長λは例えば、632.8nmである。透過波面のズレは最大で0.05λ以下であることが好ましい。
また、回折光学素子の透過波面は、この回折光学素子を搭載したレンズで用いて撮影した写真によっても評価することができる。具体的には、第2の樹脂層の変形量と撮影写真のボケ像中の明暗の縞模様における輝度差との関係により評価することができる。透過波面の位相ずれは、撮影写真のボケ像中に同心円状の明暗の縞模様として現れるが、その明暗の輝度差やコントラスト値が、透過波面の位相ずれの程度に等しくなるからである。写真のボケ像中の明暗の縞模様の輝度差は、一般的な画像処理ソフトを用いて解析できる。
また、第1の樹脂層の斜面部31と第1の部が接する面の面積S1と、第2の樹脂層に接する面の面積S2は、例えば、光軸Oを通る直線で回折光学素子を切断し、その断面画像を電子顕微鏡により取得することにより、測定することが出来る。
また、面精度は例えば、レーザー干渉計で測定することができる。回折光学素子の光学有効部内でアス、クセが共に0.5本以下であることが好ましい。アス、クセを前記範囲にすることにより、本発明の回折光学素子は特に優れた光学特性を有するからである。
(回折光学素子の製造方法)
本発明の回折光学素子の製造方法を以下に説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層3を形成する工程(成形工程)を示した図である。
初めに、回折格子形状を反転した形状を有する型7と基材1との間に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第1の樹脂6を設ける。以下は、第1の樹脂6として紫外線硬化樹脂を用いた例である。
まず、図6(a)のように第1の基材1に第1の樹脂6として紫外線硬化樹脂を含有する樹脂をディスペンサーで滴下する。次に、図6(b)のように回折格子形状を反転した形状を有する型7を用意する。型の材質は加工性、耐久性、樹脂との密着力などの観点からステンレス鋼(SUS材及びウッデホルム社製STAVAXなど)やNiPなどが好ましい。また、必要に応じてCrNなどのコートを施しても良い。第1の樹脂6を滴下した基材1を型7の上に配置し、基材1を徐々に下降させることにより、滴下した第1の樹脂6と型7を接触させる。空気(泡)を巻き込まないように基材1と型7との間に第1の樹脂6を充填する。この際、加圧用ガラス8を介して、基材1と型7との間に設けた第1の樹脂6に圧力をかけて、回折光学素子の光学有効領域外まで押し拡げる(図6(c))。加圧用ガラス8は基材1を均一に加圧する為に使用され、基材1と接する側は基材1と同一の曲率を有する球面形状、反対側は加圧方向に対して垂直な平面形状を有する。材質は、紫外線透過率が大きいことが好ましく、基材1と同材質であることがより好ましい。加圧用ガラスにかける圧力は、使用する樹脂の粘度、基材の形状等により決まるが、0.01〜10N/mmの範囲であれば充填性、泡の巻き込み等の課題が発生しない。
次いで、光エネルギーを与えて第1の樹脂6を硬化させ、積層方向から平面視した際に同心円状の複数の輪帯を有する回折格子形状である第1の樹脂層3を形成する。
具体的には、図5(d)に示すように、基材1を通して紫外線光源9から紫外線を照射して第1の樹脂6を硬化させ、基材1上に第1の樹脂層3を形成する。紫外線の照射量は硬化反応率が80%以上100%以下の範囲にするのが好ましい。80%より小さいと、離型を行う際に形状が大きく変化し、型の転写精度が低下するおそれがある。硬化反応が完了する紫外線照射量は、使用する樹脂、基材等により決定されるが、アクリレート系樹脂の場合0.5〜50J/cmの照射量が必要となる。紫外線硬化樹脂の反応率は、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光計)を用いて算出することが出来る。具体的には、硬化反応に寄与するC=C二重結合の振動が表す波数(809cm−1)の濃度と寄与しないC−C単結合の振動が表す波数(763cm−1)の濃度を測定し、その比率を照射量毎に算出し、初期(照射量0)との比較で反応率とする。これを事前に行って、予め照射条件を設定することができる。
次いで、型7から第1の樹脂層3を離型する。
硬化が終わったのち、図6(e)に示すように、基材1と一体化した第1の樹脂層3を型7から離型して成形レンズ10を得る。離型の方法は、成形した格子を破損しなければ、エジェクタによる押し上げ、冷却など如何なる方法を用いても良い。
次いで、第1の樹脂層3の中心の上に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第2の樹脂11を設ける。以下は、第2の樹脂11として紫外線硬化樹脂を用いた例である。
図7は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層を形成する工程(接合工程)を示した図である。
具体的には、成形レンズ10に第2の樹脂11として紫外線硬化樹脂と着色剤を含有する樹脂を微量吐出ディスペンサー12を使用して滴下する(図7(a))。滴下量は数マイクロリットルレベル、滴下範囲はφ数mmレベルであるため、ディスペンサーにはサブマイクロリットルレベルの吐出量制御が要求される。ここで、樹脂の滴下領域は光軸に対して軸対称である方が良い。屈折率が変動する領域と光軸との成す角には相関があるためである。また、第2の樹脂11を滴下する前に、成形した格子を破損しないよう成形レンズ10を洗浄し、接合工程前にパーティクルを除去することが好ましい。
次いで、光エネルギーを与えて第2の樹脂11を硬化させ、第2の樹脂層の第1の部5を少なくとも第1の樹脂層3の第1輪帯の上に形成する。
具体的には、滴下した微量の第2の樹脂11に紫外線光源9から紫外線を照射して硬化させ、成形レンズ13を得る(図7(b))。一般に紫外線硬化型のアクリレート系樹脂では、酸素が重合に必要なラジカルと反応してラジカルを消耗することで重合を阻害してしまうことがある。微量の紫外線硬化樹脂を硬化させる場合は、比表面積が大きいために酸素による阻害を一層受けやすくなる。このため、紫外線照射は真空下もしくは窒素雰囲気下などの低酸素雰囲気下で実施することが好ましい。
第1の部5の硬化の際には、第1の部5は厚み方向に加圧等を行わないため、拘束を受けることなく、樹脂の収縮率通りに硬化収縮する。このため、回折光学素子の径方向に粗密差が生じない。
次いで、第1の樹脂層3と第1の部5の上に第3の樹脂14を設ける。
具体的には、図7(c)で示す様に、第2の基材2に、第3の樹脂14の接合層として必要な量をディスペンサーで滴下する。ここで第3の樹脂14は第2の樹脂と同一の紫外線硬化樹脂を含有しているものであるが、着色剤を含有していないため第2の樹脂より透過率が高い。
この際、必要量の一部を成形レンズ13に滴下しておくことが好ましい。接合に必要な第3の樹脂14を第2の基材2と成形レンズ13とに分けて滴下することにより、泡の混入を防いで貼り合わせることができる。液体−固体の接触に比べて液体同士の接触は、泡の混入リスクが小さいためである。更に、一方の樹脂の滴下量を少なくし、曲率を小さくして多点接触させて、泡の混入を防ぐことが出来る。図7(d)に示す様に、第3の樹脂14を滴下した第2の基材2と成形レンズ13を相対速度0.1mm/秒で近づけて接液する。その後加圧用ガラス8を成形レンズ13の上面に設置した状態で加圧して、第3の樹脂14の充填を完了する(図7(e))。
さらに、第3の樹脂14に紫外線光源9から紫外線を照射して硬化させて、第1の部5の上から第1の樹脂層3の周縁部を含む領域の上まで連続的に第2の樹脂層の第2の部4を形成し、回折光学素子を得る(図7(f))。
また、上述した形態の回折光学素子の製造方法によって得られた回折光学素子は第2の基材2を有しているが、図7(f)の工程の後に第2の基材を離型しても構わない。得られる回折格子の光学性能に大きな差が生じないためである。
(光学機器)
次に本発明の光学機器に関して説明する。本発明の光学機器は、筐体と、前記筐体の内部に配置された光学系とを有する光学機器であって、前記光学系が上記回折光学素子とレンズを有する。
図8は、本発明の光学機器の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の光学系の断面図である。レンズ鏡筒30の光学系は、筐体29の内部において、レンズ21〜28および回折光学素子20が光軸Oに対して垂直に配列されている。ここでレンズ21側がレンズ鏡筒の表面であり、レンズ28側がカメラとの着脱マウント側である。
本発明の回折光学素子20を光学系の適切な位置に配置させることにより、ボケ像においても白輝点が発生しないレンズ鏡筒を提供することができる。また、図8のように回折光学素子20をレンズ21の内側に設けることにより、回折光学素子20に外光が直接当たることを防止できるため、フレアを抑制することができる。
次に、実施例を挙げて本発明の回折光学素子、およびその製造方法を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
図6及び図7で説明した製造方法で回折光学素子を製造した。基材1には、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S−FPL)を球面形状に加工(第1の樹脂層3の成形面は曲率半径R200で凸形状、反対側の面はR150に設計)したφ55mmのものを用いた。第1の樹脂層の成形面には樹脂との密着性を高める目的でカップリング処理を施した。カップリング液は、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM503)を水とエタノールの混合液(水10%)に5%濃度で溶かし、pH調整として酢酸を0.5%添加したものを使用した。このカップリング液をスプレーコーターで塗布し、100℃のオーブン内で1時間の脱水乾燥処理をした。反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜した。
型7はステンレス鋼(ウッデホルム株式会社製、商品名:STAVAX)の土台にNiPを200μmメッキしたものを研削機で鋸歯断面形状に加工したものを使用した。
次いで、第1の樹脂6を用意した。まず、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分とし、光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を含有するものを用意した。これらに平均粒子径が15nmの酸化インジウム錫粒子(ITO)を分散させた紫外線硬化樹脂50mgをディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社製、商品名:MEASURING MASTER MPP−1)を使用して基材1に滴下した(図6(a))。基材1を0.1mm/秒の速度でゆっくりと下降させ、滴下した樹脂6と基材1を接触させた後、空気(泡)を巻き込まないように基材1と型とに挟まれた樹脂を光学有効部外まで押し拡げた(図6(b)、(c))。この際、基材1と同材料で構成される加圧用ガラス8を基材1の上に設置してその上から均一に圧力を加えて、樹脂6を充填させた。なお酸化インジウム錫粒子は、紫外線硬化樹脂100体積部に対して5体積部以上25体積部以下であれば所望の光学設計が可能であるが、本実施例においては15体積部となるように分散させた。
その状態で、加圧用ガラスと基材1を通して樹脂に紫外線を照射して、樹脂を硬化させた(図6(d))。紫外線の照射には紫外線照射装置(HOYA CANDEO OPTRONICS 社製、商品名:UV光源UL750)を使用し、その照射量は15J/cm(15mW/cmの照度で1000秒照射)とした。照射終了後に樹脂と一体化した基材1を離型して、同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層3が形成された成形レンズ10を得た(図6(e))。ここで、第1の樹脂層のベース部の厚みは2μmであり、格子の高さは10μmであった。また、第1の樹脂層の屈折率と波長分散を、ng,n,nd,nの屈折率を測定する事により求めた。結果、屈折率および波長分散は(nd,νd,θgF)はそれぞれ(1.57,19.0,0.41)であった。
次いで、第2の樹脂11として、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を含有する物を用意した。これらに平均粒子径が5nmの二酸化ジルコニア粒子を分散させた。更に、着色剤として住化ケムテックス社製のSumipast Black HBとSDO−13をそれぞれ第2の樹脂100質量部に対して0.21質量部、0.26質量部となるように添加した。この紫外線硬化樹脂3.0mgを微量吐出ディスペンサー(エンジニアリングシステム株式会社製、商品名:高精度ディスペンサーR−jet)を使用して、上記で得た成形レンズ10に滴下した(図7(a))。なお二酸化ジルコニア粒子も、紫外線硬化樹脂100体積部に対して5体積部以上25体積部以下であれば所望の光学設計が可能であるが、本実施例においては17体積部となるように分散させた。
成形レンズ10はステージを用いて、ディスペンサーの直下に同心円の中心が来る様に移動させた。滴下した樹脂の第1の樹脂層の斜面部との接触はφ6mmであり、これは第1輪帯内であった。ここで、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積S1は、第2の樹脂層が第1の層の斜面部に接する面の面積であるS2の1%に相当していた。この状態で成形レンズ10を真空チャンバに入れ、100Paまで減圧した後、真空チャンバの石英窓を通して成形レンズ10上に滴下した上記の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した(図7(b))。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は200mJ/cm(10mW/cmの照度で20秒照射)とした。
さらに接合に必要な樹脂として第3の樹脂14を、ディスペンサー(MPP−1)を使用して成形レンズと貼り合せる基材2に362mg滴下した(図7(c))。この時滴下した第3の樹脂14は第2の樹脂11から着色剤を除いたものである。
基材2は、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S−LAH55)を球面形状に加工(第1の層3の成形面は曲率半径R200で凹形状、反対側の面はR300に設計)したφ60mmのものを用いた。基材2は、基材1の時と同様に第1の樹脂層3の成形面にカップリング処理を施した。また、反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜している。
その後、成形レンズと基材2を貼り合わせ装置内で接合した(図7(d))。この装置を用いて、基材2(凹形状)を下側に配置して固定し、成形レンズ(凸形状)を逆向きにして基材2に一定速度で近づけた。ここで、予め成形レンズと基材2との間に60μm厚のSUS製スペーサーを挿入した。成形レンズを下降速度0.1mm/秒で基材2に近付け、完全に接液した後で加圧用ガラスを成形レンズの上に設置し、一定圧力(10kgf)を加えてスペーサーに突き当たるまで成形レンズを下降させた(図7(e))。樹脂が完全に成形レンズと基材2との間に充填され、樹脂の反発力が無くなった後、スペーサーと加圧ガラスを取り除いた。その状態で成形レンズとは反対側から紫外線を照射して充填された樹脂を硬化させて、回折光学素子20を得た(図7(f))。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は32J/cmとした。得られた第1の樹脂層と第2の樹脂層の厚みは68μmであった。ここで、第1の部の最大厚みは20μmであった。また、第2の樹脂層の屈折率および波長分散は(nd,νd,θgF)は、それぞれ(1.62,45.0,0.57)であった。これは第2の樹脂層が第1の樹脂層に対し、高屈折率低分散であることを意味している。
この回折光学素子の透過波面をレーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。素子は回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように設計した。まず、干渉計(ZYGO社製、商品名:レーザー干渉計 GPI)を用いて、干渉計に対して被計測物、反射ミラーの順で配置した。次に、反射ミラーを素子の焦点位置に調整して、素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれ及び輪帯間の位相ずれを算出した。なお、干渉計の計測波長λは632.8nmである。
この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像中には白輝点は見られなかった。
上記で作製した素子の第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率を分光光度計(日立製作所社製、商品名:U4000)にて評価した。なお、波長は550nmとした。結果、その結果、第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率との差は6.8%であった。
上記で作製した素子を、光軸Oを通るようにスライス切断加工し、その断面における各層の反射率測定を行い、その結果から各層毎の透過率を算出した。結果、第1の樹脂層は第1輪帯の中心で2μm換算で97.0%、第1輪帯の円周において12μm換算で82.4%であった。また、第2の樹脂層は第1の部の透過率が50μm換算で81.0%、第2の部の透過率が50μm換算で99.9%であった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.33本、クセ0.43本であった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに平均粒子径が5nmの二酸化ジルコニア粒子を15体積部になるよう分散させた。更に着色剤として銅フタロシニアンブルー顔料(大日精化工業株式会社製、商品名:クロモファインPB−15:4)を第2の樹脂100質量部に対して0.5質量部添加した。この紫外線硬化樹脂10.0mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。滴下した樹脂の第1の樹脂層との接触はφ12mmとなり、第4輪帯より内側に塗布された状態であった。ここで、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積S1は、第2の樹脂層が第1の層の斜面部に接する面の面積であるS2の5%に相当していた。この状態で成形レンズを真空チャンバに入れ、実施例1と同様の条件で紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した。
接合に必要な樹脂355mgを、ディスペンサー(MPP−1)を使用して成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した。ここで使用した第3の樹脂14であり、実施例1と同様に、第3の樹脂14は第2の樹脂11から着色剤を除いたものである。また基材2も、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2を貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像中には白輝点は見られなかった。
上記で作製した素子の第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率を実施例1と同様の手法で評価した。結果、その結果、第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率との差は0.8%であった。
また、実施例1と同様の手法で、光軸Oを通るようにスライス切断加工し、その断面における各層の反射率測定を行い、その結果から各層毎の透過率を算出した。結果、第1の樹脂層は第1輪帯の中心で2μm換算で97.0%、第1輪帯の円周において12μm換算で82.4%であった。また、第2の樹脂層は第1の部の透過率が50μm換算で67.9%、第2の部の透過率が50μm換算で99.9%であった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.35本、クセ0.42本であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに平均粒子径が5nmの二酸化ジルコニア粒子を18体積部になるよう分散させ、更に着色剤として実施例2と同一の顔料を準備し、第2の樹脂100質量部に対して0.8質量部添加した。この紫外線硬化樹脂3.0mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。滴下した樹脂の第1の樹脂層との接触はφ6mmとなり、第1輪帯より内側に塗布された状態であった。ここで、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積S1は、第2の樹脂層が第1の層の斜面部に接する面の面積であるS2の1%に相当していた。この状態で成形レンズを真空チャンバに入れ、実施例1と同様の条件で紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した。
接合に必要な樹脂362mgを、ディスペンサー(MPP−1)を使用して成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した。ここで使用した第3の樹脂14であり、実施例1と同様に、第3の樹脂14は第2の樹脂11から着色剤を除いたものである。また基材2も、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2を貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像中に白輝点は見られなかった。
上記で作製した素子の第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率を実施例1と同様の手法で評価した。結果、その結果、第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率との差は4.1%であった。
また、実施例1と同様の手法で、光軸Oを通るようにスライス切断加工し、その断面における各層の反射率測定を行い、その結果から各層毎の透過率を算出した。結果、第1の樹脂層は第1輪帯の中心で2μm換算で97.0%、第1輪帯の円周において12μm換算で82.4%であった。また、第2の樹脂層は第1の部の透過率が50μm換算で75.0%、第2の部の透過率が50μm換算で99.9%であった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.33本、クセ0.43本であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに平均粒子径が5nmの二酸化ジルコニア微粒子を16体積部になるように分散させた紫外線硬化樹脂370mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。基材2は、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2を貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.10λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様が発生し、その縞模様の中心近傍に白輝点も確認された。
上記で作製した素子の第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率を実施例1と同様の手法で評価した。結果、その結果、第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率との差は14.6%であった。
更にこの素子の面精度を実施例1と同様にレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.32本、クセ0.40本であった。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに平均粒子径が5nmの二酸化ジルコニア微粒子を16体積部になるよう分散させた紫外線硬化樹脂3.0mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。滴下した樹脂の第1の樹脂層との接触はφ6mmとなり、第1輪帯より内側に塗布された状態であった。第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積S1は、第2の樹脂層が第1の層の斜面部に接する面の面積であるS2の1%に相当していた。この状態で成形レンズを真空チャンバに入れ、実施例1と同様の条件で紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した。
接合に必要な樹脂362mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。また基材2も、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2を貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像中には同心円状の縞模様の発生は無かったが、白輝点が確認された。
上記で作製した素子の第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率を実施例1と同様の手法で評価した。結果、その結果、第1輪帯の中心における透過率と、第1輪帯の円周における透過率との差は14.6%であった。
更にこの素子の面精度を実施例1と同様にレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.33本、クセ0.43本であった。
以上、表1に実施例1から3と比較例1、2の結果をまとめた。
Figure 2019207326
実施例1から3の回折光学素子は、第2の樹脂層の第1の部に着色剤を含有させ、第1の樹脂層および第2の部よりの透過率を低くすることにより、第1輪帯内で透過率差を7%以下にすることができたため、白輝点が発生しなかった。
1 第1の基材
2 第2の基材
3 第1の樹脂層
4 第2の樹脂層の第2の部
5 第2の樹脂層の第1の部
6 第1の樹脂
7 型
11 第2の樹脂
14 第3の樹脂
20 回折光学素子
21 レンズ
22 レンズ
23 レンズ
24 レンズ
25 レンズ
26 レンズ
27 レンズ
28 レンズ
29 筐体
30 レンズ鏡筒
31 第1の樹脂層の斜面部
32 第1の樹脂層の壁面部

Claims (14)

  1. 基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、が積層された回折光学素子であって、
    前記回折光学素子の積層方向から平面視した際に、前記回折格子形状が同心円状の複数の輪帯からなり、
    前記第2の樹脂層が、前記第1の樹脂層の輪帯の中心部と接する第1の部と、前記第1の樹脂層の周縁部と接する第2の部よりなり、
    前記第1の部の透過率が前記第2の部の透過率より低いことを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記第1の樹脂層の透過率が前記第2の樹脂層の透過率より低く、
    前記第2の部の透過率が前記第1の樹脂層の透過率より低い請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記輪帯のうち回折光学素子の中心を囲む円である第1輪帯の中心における透過率と、前記第1輪帯の円周部における透過率との差が7%以下である請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 前記第1の樹脂層の回折格子形状は、斜面部と壁面部からなり、
    前記第1の部が前記斜面部に接する面の面積をS1、前記第2の樹脂層が前記斜面部に接する面の面積をS2としたときに、
    S1/S2が5%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  5. 前記第1の部が、着色剤を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 前記着色剤が、染料もしくは顔料から選ばれる少なくとも1つである請求項5に記載の回折光学素子。
  7. 前記第1の樹脂層が導電性酸化物の粒子を含有し、
    前記導電性酸化物の粒子の含有量が、前記第1の樹脂層100体積部に対して5体積部以上25体積部以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  8. 前記導電性酸化物が、錫がドープされた酸化インジウム(ITO)、アンチモンがドープされた酸化スズ(ATO)、亜鉛がドープされた酸化インジウム(IZO)、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛(AZO)及びフッ素がドープされた酸化スズ(FTO)から選ばれる少なくとも1つである請求項7に記載の回折光学素子。
  9. 前記導電性酸化物が、錫がドープされた酸化インジウム(ITO)である請求項8に記載の回折光学素子。
  10. 前記第1の樹脂層の屈折率をnd1、前記第1の樹脂層のアッベ数をν1、前記第2の樹脂層の屈折率をnd2、前記第2の樹脂層のアッベ数をν2としたときに、
    nd1<nd2及びν1<ν2を満たす請求項7乃至9のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  11. 前記第1の樹脂層の厚さと第2の樹脂層の厚さの和が70μm以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  12. 前記第2の樹脂層の上に第2の基材が積層された請求項1乃至11のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  13. 筐体と、前記筐体の内部に配置された光学系とを有する光学機器であって、
    前記光学系が回折光学素子とレンズを有し、
    前記回折光学素子が請求項1乃至12のいずれか1項に記載の回折光学素子であることを特徴とする光学機器。
  14. 基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、が積層された回折光学素子の製造方法であって、
    回折格子形状を反転した形状を有する型と、基材と、の間に第1の樹脂を設け、光エネルギーを与えて第1の樹脂を硬化し、積層方向から平面視した際に同心円状の複数の輪帯を有する回折格子形状を有する第1の樹脂層を形成する工程と、
    前記第1の樹脂層の輪帯の中心部に第2の樹脂を設け、光エネルギーを与えて第2の樹脂層の第1の部を形成する工程と、
    前記第2の樹脂より透過率が高い第3の樹脂を、少なくとも前記第1の樹脂層の周縁部に設け、光エネルギーを与えて第2の樹脂層の第2の部を形成する工程と、
    を有することを特徴とする回折光学素子の製造方法。
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