[1.第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るポイント貸与装置(ポイント貸与サーバ100)を含む決済システム10の全体構成を示すブロック図である。図1に示す決済システム10は、商品又はサービス等の購入代金の一部又は全部を、ポイントサービスのポイントを用いて決済できる。ポイントは、商品又はサービスと交換価値を有する特典である。例えば、電子通貨がポイントに該当する。以下では、1ポイントが1円に相当するとして決済システム10等の構成及び動作を説明する。
図1に例示するように、決済システム10は、ポイント貸与サーバ100と、ネットワークNWと、ポイントを用いた決済を受け付ける店舗端末装置200とを備える。なお、店舗端末装置200の数は、1つに限定されない。ポイント貸与サーバ100は、ポイント貸与装置の一例である。
ポイント貸与サーバ100は、ポイントサービスで使用されるポイントを管理する。例えば、ポイント貸与サーバ100は、処理装置120、記憶装置140、通信装置160、及び計時装置180を具備するコンピュータシステムにより実現される。ポイント貸与サーバ100の各要素は、単体又は複数のバスで相互に接続される。なお、本明細書においては、処理装置、記憶装置、通信装置及び計時装置における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、ポイント貸与サーバ100の各要素は、単数又は複数の機器で構成され、ポイント貸与サーバ100の一部の要素は省略されてもよい。
処理装置120は、ポイント貸与サーバ100の全体を制御するプロセッサであり、例えば単数又は複数のチップで構成される。処理装置120は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置120の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。処理装置120は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
図1の処理装置120内に示した管理部122、決定部124、貸与部126及びポイント決済部128は、ポイントの貸与を実行する機能ブロックの一例である。例えば、処理装置120は、記憶装置140から制御プログラムPR1を読み出して実行することによって、管理部122、決定部124、貸与部126及びポイント決済部128として機能する。
管理部122は、ポイントカードPCDを識別するカードID毎に、ポイントカードPCDの所有者に付与されるポイントを管理する。例えば、管理部122は、ポイントカードPCDの所有者に付与されるポイントの履歴であるポイント付与履歴等を、ポイント管理テーブルTBLを用いて管理する。ポイント管理テーブルTBLの記憶内容は図2で説明する。なお、ポイントカードPCDの所有者は、ポイントの付与対象の一例である。また、カードIDは、ポイントの付与対象を識別するポイント管理識別子の一例である。
決定部124は、ポイントカードPCDの所有者に貸与可能なポイントの上限値をポイント付与履歴に基づいて決定する。上限値は、例えば、カードIDに対応付けて設定される。この場合、決定部124は、カードIDに対応付けて設定する貸与可能なポイントの上限値を、上限値の設定対象となるカードIDに対応付けられたポイント付与履歴に基づいて決定する。例えば、決定部124は、上限値の設定対象となるカードIDに対応付けて将来の所定期間内に付与されるポイントを予定ポイントとしてポイント付与履歴に基づいて推定し、推定した予定ポイントに基づいて上限値を決定する。
貸与可能なポイントの上限値がポイント付与履歴を用いて推定された予定ポイントに基づいて決定されるため、適正なポイントより多いポイントが貸与されること、及び、適正なポイントより少ないポイントしか貸与されないことを低減できる。この結果、利便性の低下の抑制と、貸与したポイントの貸し倒れの低減とを実現できる。なお、上限値を決定する方法の具体例は、図3で説明する。
貸与部126は、ポイントカードPCDの所有者に付与されているポイントの残高(以下、ポイント残高とも称する)が、ポイントカードPCDの所有者からの決済の要求で示される決済金額に満たない場合、上限値以下のポイントを貸与する。例えば、貸与部126は、決済金額と決済に使用されるポイントカードPCDのカードID(図1に示す例では、カードID「Q12345」)とを含む決済情報を店舗端末装置200から受ける。決済に使用されるポイントカードPCDのカードIDは、決済に使用されるポイント管理識別子の一例である。以下、決済に使用されるポイントカードPCDのカードIDは、決済に使用されるカードIDとも称される。
決済情報を受けた貸与部126は、決済に使用されるカードIDに対応付けて付与されたポイントの残高が決済金額に満たない場合、決済に使用されるカードIDに対応付けられた上限値までの範囲で、決済に充てるポイントを貸与する。すなわち、貸与部126は、決済に使用されるポイントカードPCDの所有者が保有しているポイントが決済金額に満たない場合、決済に使用されるポイントカードPCDに対応付けて、貸与可能なポイントの上限値までの範囲で、ポイントを貸与する。
ポイント決済部128は、ポイントカードPCDの所有者が保有しているポイント、及び、ポイントカードPCDの所有者に貸与されたポイントの少なくとも一方を用いて、決済を実行する。例えば、ポイント決済部128は、決済に使用されるポイントカードPCDの所有者が保有するポイント、及び、決済に使用されるポイントカードPCDに対応付けて貸与されたポイントの少なくとも一方を用いて、決済を実行する。なお、ポイント決済部128の機能は、ポイント貸与サーバ100とは別の決済装置等により実現されてもよい。すなわち、ポイント決済部128は、ポイントの貸与を実行する機能ブロックから省かれてもよい。
記憶装置140は、処理装置120が読取可能な記録媒体であり、処理装置120が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム、処理装置120が使用する各種のデータ、及びポイント管理テーブルTBLを記憶する。記憶装置140は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路の1種類以上で構成される。
通信装置160は、移動体通信網又はインターネット等のネットワークNWを介して他の装置と通信する機器である。通信装置160は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード又は通信モジュールとも表記される。通信装置160は、ネットワークNWを介して、例えば、店舗端末装置200と通信可能である。
計時装置180は、現在の日時を示す日時情報を生成する。具体的には、水晶発振器などで生成されるクロック信号を分周して得たパルス信号をカウントすることによって、日時情報を生成する。なお、日時情報は、年月日及び時刻を示す。時刻とは、1日の中の時の意味である。
店舗端末装置200は、例えば、商品又はサービスを顧客に提供する店舗等に設置される。そして、店舗端末装置200は、商品又はサービスの購入代金がポイントを用いて決済される場合、ポイントを用いた電子決済をポイント貸与サーバ100との間で実行する。例えば、店舗端末装置200は、ポイントカードPCDのカードIDを読み取る図示しない読み取り装置を有し、決済金額(購入代金)と読み取り装置を介して取得したカードIDとを含む決済情報をポイント貸与サーバ100に送信する。決済情報を受けたポイント貸与サーバ100の処理装置120は、上述したように、貸与部126及びポイント決済部128等として機能し、ポイントを用いて決済する。なお、ポイントを用いた電子決済を実行する場合のポイント貸与サーバ100及び店舗端末装置200の詳細な動作は、図4で説明する。
図2は、図1に示したポイント管理テーブルTBLの記憶内容の一例を示す説明図である。図2に示す例では、ポイント管理テーブルTBLは、カードID毎に管理される。図2に示されるようにポイント管理テーブルTBLは、イベント日、イベントの内容、付与ポイント、使用ポイント、貸与ポイント、ポイント残高及び上限値を互いに対応付けて記憶する。なお、互いに対応付けて記憶されるイベント日、イベントの内容及び付与ポイントは、ポイント付与履歴の一例である。
イベント日は、ポイントの付与、ポイントの使用、ポイントの貸与又は上限値の更新等のイベントが発生した年月日を示す。イベントの内容は、ポイントの付与、使用又は貸与の理由等を示す。付与ポイントは、ポイントサービスの利用等により付与されたポイントを示す。使用ポイントは、決済に使用されたポイントを示す。貸与ポイントは、決済時に貸与されたポイントを示す。ポイント残高は、カードIDに対応付けて付与されたポイントのイベント後の残高を示す。ポイント残高が負の値である場合、ポイント残高の絶対値は、イベント日までに貸与されたポイントのうちの未返済分のポイントを示す。上限値は、貸与可能なポイントの上限値を示す。図2に示す例では、上限値は、3月1日、4月1日等の各月の初日に更新される。
なお、上限値は、ポイント貸与サーバ100が管理する全てのカードIDに設定されてもよいし、全てのカードIDのうちの特定のカードIDに設定されてもよい。特定のカードIDは、例えば、ポイントカードPCDの所有者により上限値の設定が許可されたカードID等である。また、全てのカードIDに上限値が設定される場合、上限値は、ポイントの貸与が初めて発生するまで、初期値「0」に設定されてもよい。上限値が設定されていないカードID及び上限値が「0」に設定されているカードIDには、ポイントは貸与されない。また、ポイントの貸与を受けるか否かがポイントカードPCD毎にポイントカードPCDの所有者により予め設定されてもよい。
図2に示す例では、2017年4月5日に、カードID「Q12345」に対応するポイントカードPCDの所有者がポイントサービスに1年間継続して加入したことによる継続感謝ポイントとして、500ポイントが付与されていたことが示されている。2017年4月5日時点では、ポイント残高は、「1345」であり、上限値は、「343」である。
また、2018年3月に、スーパーABCの利用、携帯電話の通信料の支払い、アンケートの回答、電気代の支払い、ガス代及び水道代の支払いに対してそれぞれポイントが付与されたことが示されている。さらに、2018年3月18日にドラッグストアで購入した商品の決済にポイントが用いられたことが示され、2018年3月26日にデパートで購入した商品の決済にポイントが用いられ、決済金額の不足分を補うポイントが貸与されたことが示されている。例えば、貸与部126は、2018年3月26日の商品を購入する時点でのポイント残高「1210」が決済金額「1500円」に満たないため、2018年3月1日に更新された上限値「304」までの範囲で、不足分のポイント「290」をカードID「Q12345」に対応付けて貸与する。カードID「Q12345」に対応付けて貸与されたポイントは、カードID「Q12345」に対応付けて付与するポイントが発生した場合に、発生したポイントから回収される。
例えば、2018年4月4日にスーパーABCの利用に対して付与するポイントが発生したため、2018年4月4日までに貸与されたポイント「290」の未返済分「290」のうちの一部が、発生したポイント「44」から回収される。この結果、2018年4月4日のスーパーABCの利用後のポイント残高は、「−246」に更新される。また、2018年4月5日に継続感謝ポイントの付与が発生したため、2018年4月5日までに貸与されたポイント「290」の未返済分「246」の全てが、発生したポイント「500」から回収され、貸与されたポイントの返済が完了する。この結果、2018年4月5日の継続感謝ポイントの付与後のポイント残高は、「254」に更新される。なお、ポイント管理テーブルTBLに記憶される内容は、図2に示した例に限定されない。例えば、付与ポイントと使用ポイントの欄は、統合されてもよい。この場合、使用ポイントは、例えば、負の値で示される。次に、ポイント付与履歴(互いに対応付けて記憶されるイベント日、イベントの内容及び付与ポイント)に基づいて上限値を決定する方法の例を、図3を用いて説明する。
図3は、貸与可能なポイントの上限値を決定する方法の例を説明するための図である。図3では、図を見やすくするために、ポイント管理テーブルTBLの記憶内容のうち、イベント日、イベントの内容、付与ポイント及び上限値以外の項目の記載を省略している。さらに、図3では、図を見やすくするために、各イベント日の上限値のうち、2018年3月1日及び2018年4月1日のみに上限値の数値例を記載している。図3に示す上限値の欄の例1、例2、例3、例4、例5は、下記で説明する5つの例で算出された上限値をそれぞれ示す。
なお、ポイント付与履歴(互いに対応付けて記憶されるイベント日、イベントの内容及び付与ポイント)に基づいて上限値を決定する方法は、下記の5つの例に限定されない。下記の5つの例では、将来の所定期間を上限値の更新日の次の月の1ヶ月間として、上限値の決定方法を説明する。例えば、2018年4月1日に上限値を更新する場合、将来の所定期間は、2018年5月1日から5月31日までの1ヶ月間である。図3では、上限値の設定対象となるポイント管理識別子をカードID「Q12345」とし、ポイント付与履歴をポイント管理テーブルTBLに記憶されたイベント日、イベントの内容及び付与ポイントとして、上限値の決定方法を説明する。すなわち、図3での説明における「付与対象」は、カードID「Q12345」に対応するポイントカードPCDの所有者を示す。
例1では、決定部124は、付与対象に定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。すなわち、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けて定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。例えば、決定部124は、特定の間隔で閾値以上の回数繰り返して付与されているポイントを、定期ポイントとして特定する。そして、決定部124は、将来の所定期間内にカードID「Q12345」に対応付けて付与されるポイントを予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定し、推定した予定ポイントに基づいて上限値を決定する。
例えば、決定部124は、ポイント管理テーブルTBLに記憶されたイベント内容を参照し、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い及びガス代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントを毎月付与される定期ポイントと特定し、水道代の支払いに対して付与されたポイントを2ヶ月毎に付与される定期ポイントと特定する。すなわち、決定部124は、定期的に発生するイベントに対して付与されるポイントを定期ポイントとして特定する。
2018年3月1日の上限値の更新では、水道代の支払いが発生する月は、将来の所定期間に含まれない。この場合、決定部124は、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い及びガス代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントを定期ポイントと特定する。例えば、決定部124は、2018年2月のポイント付与履歴を参照し、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い及びガス代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの合計「261」を、定期ポイントとして算出する。そして、決定部124は、定期ポイント「261」を、将来の所定期間にカードID「Q12345」に対応付けて付与される予定ポイントと推定し、推定した予定ポイント「261」に基づいて上限値を決定する。例えば、決定部124は、予定ポイント「261」と所定の値「0.9」との積「234.9」の整数部「234」を上限値に決定する。
また、2018年4月1日の上限値の更新では、水道代の支払いが発生する月が将来の所定期間に含まれる。この場合、決定部124は、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い、ガス代の支払い及び水道代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントを定期ポイントと特定する。例えば、決定部124は、2018年3月のポイント付与履歴を参照し、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い、ガス代の支払い及び水道代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの合計「277」を、予定ポイントと推定する。そして、決定部124は、予定ポイント「277」と所定の値「0.9」との積「249.3」の整数部「249」を上限値に決定する。
なお、決定部124は、予定ポイントと所定の値との積の小数点以下を四捨五入にした値を、上限値に決定してもよい。また、所定の値は、「1」以下であれば、「0.9」に限定されない。また、例えば、決定部124は、予定ポイントから所定量(例えば、50)を減算した値を上限値に決定してもよい。
あるいは、決定部124は、複数の月のポイント付与履歴に基づいて、定期的に付与されたポイントの1ヶ月の平均値を定期ポイントとして算出し、算出した定期ポイント(平均値)に基づいて、予定ポイントを推定してもよい。また、定期的に発生するイベントのうち、季節によって使用量が変動すると考えられる電気及びガスのそれぞれの代金(電気代及びガス代)に対してそれぞれ付与されたポイントは、例2で説明する将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間のポイント付与履歴から抽出されてもよい。
上述したように、例1では、予定ポイントが定期的に付与されたポイントである定期ポイントに基づいて推定される。このため、例1では、推定された予定ポイントが将来の所定期間内に実際に付与されるポイントより大きな値になることを低減できる。この結果、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
例2では、決定部124は、ポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間の履歴に基づいて、予定ポイントを推定する。例えば、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けられたポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間のポイント付与履歴に基づいて、将来の所定期間内にカードID「Q12345」に対応付けて付与されるポイントを予定ポイントとして推定する。そして、決定部124は、推定した予定ポイントに基づいて、上限値を決定する。
2018年3月1日の上限値の更新では、将来の所定期間(2018年4月1日から4月30日までの1ヶ月間)に対応する過去の年における所定期間は、例えば、2017年4月1日から4月30日までの1ヶ月間である。この場合、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けられたポイント付与履歴のうち、2017年4月1日から4月30日までの1ヶ月間(過去の年における所定期間)のポイント付与履歴を参照する。
そして、決定部124は、2017年4月にカードID「Q12345」に対応付けて付与されたポイント「795」を、2018年4月(将来の所定期間)に付与されるポイント(予定ポイント)と推定する。決定部124は、予定ポイント「795」と所定の値「0.9」との積「715.5」の整数部「715」を上限値に決定する。2018年3月1日の上限値の更新では、継続感謝ポイントの付与が発生する月が将来の所定期間に含まれるため、上限値は、後述する2018年4月1日の上限値等に比べて、大きめに設定される。
2018年4月1日の上限値の更新では、将来の所定期間(2018年5月1日から5月31日までの1ヶ月間)に対応する過去の年における所定期間は、例えば、2017年5月1日から5月31日までの1ヶ月間である。この場合、決定部124は、2017年5月(過去の年における所定期間)に付与されたポイント「331」を、2018年5月(将来の所定期間)に付与されるポイント(予定ポイント)と推定する。そして、決定部124は、予定ポイント「331」と所定の値「0.9」との積「297.9」の整数部「297」を上限値に決定する。
なお、決定部124は、予定ポイントと所定の値との積の小数点以下を四捨五入にした値を、上限値に決定してもよい。また、所定の値は、「1」以下であれば、「0.9」に限定されない。また、例えば、決定部124は、予定ポイントから所定量(例えば、50)を減算した値を上限値に決定してもよい。
また、将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間は、2年以上前の年における所定期間でもよい。あるいは、決定部124は、過去の複数年における所定期間に付与されたポイントの平均値に基づいて、将来の所定期間内に付与されるポイントを推定してもよい。
上述したように、例2では、予定ポイントは、将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間の履歴に基づいて推定される。このため、例2では、予定ポイントの推定結果が春の電気代と冬の電気代等の時期の違いによるポイントの付与量の違い等の影響を受けることを低減できる。この結果、上限値を適切に設定することができ、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
例3では、決定部124は、ポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、直近の一定期間の履歴に基づいて、予定ポイントを推定する。例えば、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けられたポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、直近の一定期間のポイント付与履歴に基づいて、将来の所定期間内にカードID「Q12345」に対応付けて付与されるポイントを予定ポイントとして推定する。そして、決定部124は、推定した予定ポイントに基づいて、上限値を決定する。
2018年3月1日の上限値の更新では、例えば、直近の一定期間の履歴は、2018年2月1日から2月28日までの1ヶ月分のポイント付与履歴である。この場合、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けられたポイント付与履歴のうち、2018年2月のポイント付与履歴を参照し、2018年2月に付与されたポイント「348」を、2018年4月(将来の所定期間)に付与されるポイント(予定ポイント)と推定する。そして、決定部124は、予定ポイント「348」と所定の値「0.8」との積「278.4」の整数部「278」を上限値に決定する。
例3では、予定ポイントが定期的に付与されるポイント(定期ポイント)以外のポイントも含めて推定されるため、推定された予定ポイントが例1に比べて大きくなる。このため、例3では、所定の値を例1の「0.9」より小さい「0.8」にしている。
2018年4月1日の上限値の更新では、例えば、直近の一定期間の履歴は、2018年3月1日から3月31日までの1ヶ月分のポイント付与履歴である。この場合、決定部124は、2018年3月にカードID「Q12345」に対応付けて付与されたポイント「384」を、2018年4月(将来の所定期間)に付与されるポイント(予定ポイント)と推定する。そして、決定部124は、予定ポイント「384」と所定の値「0.8」との積「307.2」の整数部「307」を上限値に決定する。
なお、決定部124は、予定ポイントと所定の値との積の小数点以下を四捨五入にした値を、上限値に決定してもよい。また、所定の値は、「1」以下であれば、「0.8」に限定されない。例えば、所定の値は、「0.9」でもよい。また、例えば、決定部124は、予定ポイントから所定量(例えば、50)を減算した値を上限値に決定してもよい。
また、直近の一定期間の履歴は、1ヶ月分より長い期間のポイント付与履歴でもよい。例えば、決定部124は、2018年4月1日の上限値の更新において、直近の一定期間の履歴を、2018年2月1日から3月31日までの2ヶ月分のポイント付与履歴としてもよい。この場合、決定部124は、2018年2月1日から3月31日までに付与されたポイントの1ヶ月当たりのポイント(平均値)に基づいて、予定ポイントを推定してもよい。
図3に示す例では、2018年2月1日から3月31日までに付与されたポイントの1ヶ月当たりのポイント(2月のポイント「348」と3月のポイント「384」との平均値)は、「366」である。この場合、決定部124は、2018年4月1日の上限値の更新において、2018年2月及び3月に付与されたポイントの1ヶ月当たりのポイント「366」を、予定ポイントと推定する。そして、決定部124は、予定ポイント「366」と所定の値「0.8」との積「292.8」の整数部「292」を上限値に設定する。数ヶ月分のポイント付与履歴を用いることにより、予定ポイントの推定結果が発生頻度の低いイベントの影響を受けることを低減できる。
上述したように、例3では、予定ポイントが直近の一定期間の履歴に基づいて推定される。このため、例3の方法を採用した場合、ポイント付与履歴を記憶するための容量を、例2の方法を採用する場合に比べて小さくできる。
例4では、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けて定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。例えば、決定部124は、上述した例1と同様に、携帯電話の通信料の支払い等の定期的に発生するイベントに対して付与されるポイントを特定する。そして、決定部124は、将来の所定期間内にカードID「Q12345」に対応付けて定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして、定期的ポイントに基づいて推定する。
また、決定部124は、カードID「Q12345」に対応付けて不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。例えば、決定部124は、スーパーABCの利用又はアンケートの回答等の特定のイベントに対するポイントの付与が複数回ある場合、将来の所定期間内に予定される同様のイベント(特定のイベントと同じ種類のイベント)に対してもポイントが付与されると推定する。すなわち、決定部124は、スーパーABCの利用又はアンケートの回答等の不定期に発生するイベントに対して付与されたポイントを、不定期ポイントと特定する。そして、決定部124は、将来の所定期間内にカードID「Q12345」に対応付けて不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして、不定期ポイントに基づいて推定する。
そして、決定部124は、定期的な予定ポイントに重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに定期的な予定ポイントの重み係数より小さい重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。定期的な予定ポイントをPP、不定期の予定ポイントをIP、定期的な予定ポイントの重み係数をWp(Wp≦1)、不定期の予定ポイントの重み係数をWi(Wi<Wp)とすると、上限値(L)は、例えば、式(1)で表される。なお、式(1)の“int()”は、括弧内の値の整数部を示し、“*”は、乗算を示す。
L=int(PP*Wp+IP*Wi) …(1)
例えば、2018年3月1日の上限値の更新では、決定部124は、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い及びガス代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの合計「261」を、定期的な予定ポイントと推定する。また、決定部124は、スーパーABCの利用及びアンケートの回答に対してそれぞれ付与されたポイントの合計「87」を、不定期の予定ポイントと推定する。
そして、決定部124は、重み付けした定期的な予定ポイント及び重み付けした不定期の予定ポイントに基づいて上限値を決定する。例4では、定期的な予定ポイントの重み係数(Wp)を「0.9」とし、不定期の予定ポイントの重み係数(Wi)を「0.8」とした場合の上限値の数値例を示す。決定部124は、上述した式(1)のPP及びIPに定期的な予定ポイント「261」及び不定期の予定ポイント「87」をそれぞれ代入して算出した「304」を、上限値に設定する。
2018年4月1日の上限値の更新では、決定部124は、携帯電話の通信料の支払い、電気代の支払い、ガス代の支払い及び水道代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの合計「277」を、定期的な予定ポイントと推定する。また、決定部124は、スーパーABCの利用及びアンケートの回答に対してそれぞれ付与されたポイントの合計「107」を、不定期の予定ポイントと推定する。そして、決定部124は、例えば、上述した式(1)のPP及びIPに定期的な予定ポイント「277」及び不定期の予定ポイント「107」をそれぞれ代入して算出した「334」を、上限値に設定する。
すなわち、決定部124は、付与対象に定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定する。また、決定部124は、付与対象に不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして不定期ポイントに基づいて推定する。そして、決定部124は、定期的な予定ポイントに重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに定期的な予定ポイントの重み係数より小さい重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。
なお、決定部124は、式(1)の“PP*Wp”の整数部と“IP*Wi”の整数部との和を上限値に決定してもよい。あるいは、決定部124は、式(1)の“PP*Wp+IP*Wi”の小数点以下を四捨五入にした値を、上限値に決定してもよい。また、決定部124は、式(1)の“PP*Wp”の小数点以下を四捨五入にした値と“IP*Wi”の小数点以下を四捨五入にした値との和を上限値に決定してもよい。また、定期的な予定ポイントの重み係数(Wp)及び不定期の予定ポイントの重み係数(Wi)は、Wi<Wp≦1を満たせば、上述した数値例に限定されない。
また、決定部124は、複数の月のポイント付与履歴に基づいて、定期的に付与されたポイントの1ヶ月の平均値を定期ポイントとして算出し、算出した定期ポイント(平均値)に基づいて、定期的な予定ポイントを推定してもよい。同様に、決定部124は、複数の月のポイント付与履歴に基づいて、不定期に付与されたポイントの1ヶ月の平均値を不定期ポイントとして算出し、算出した不定期ポイント(平均値)に基づいて、不定期の予定ポイントを推定してもよい。また、定期的に発生するイベントのうち、季節によって使用量が変動すると考えられる電気及びガスのそれぞれの代金(電気代及びガス代)に対してそれぞれ付与されたポイントは、例2で説明した将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間のポイント付与履歴から抽出されてもよい。
上述したように、例4では、重み付けした定期的な予定ポイント及び重み付けした不定期の予定ポイントに基づいて上限値が設定される。このため、例4では、上限値が小さくなり過ぎることを例1に比べて低減できる。なお、不定期の予定ポイントの重み係数が定期的な予定ポイントの重み係数より小さいため、将来の所定期間内に実際に付与されるポイントより大きな値の上限値が設定されることを低減できる。この結果、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
例5では、決定部124は、例4で説明した定期的な予定ポイントを、カードID「Q12345」に対応付けて定期的に付与されたポイントの変動が所定量未満のポイントに基づいて推定したポイントである固定ポイントと固定ポイント以外のポイントである変動ポイントとに分ける。また、決定部124は、固定ポイントに第1の重み係数を乗じた値と、変動ポイントに第1の重み係数より小さい第2の重み係数を乗じた値と、例4で説明した不定期の予定ポイントに第2の重み係数より小さい第3の重み係数を乗じた値とに基づいて、上限値を決定する。
固定ポイントをPP1、変動ポイントをPP2、不定期の予定ポイントをIP、第1の重み係数をWp1(Wp1≦1)、第2の重み係数をWp2(Wp2<Wp1)、第3の重み係数をWi(Wi<Wp2)とすると、上限値(L)は、例えば、式(2)で表される。なお、式(2)の“int()”及び“*”の意味は、式(1)と同じである。
L=int(PP1*Wp1+PP2*Wp2+IP*Wi) …(2)
例えば、所定量を「10」とした場合、定期的に付与されたポイントのうち、携帯電話の通信料の支払い、ガス代の支払い及び水道代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの複数の月における変動量は、10未満である。また、電気代の支払いに対して付与されたポイントの複数の月における変動量は、10以上である。この場合、定期的な予定ポイントのうち、携帯電話の通信料の支払い、ガス代の支払い及び水道代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントに基づいて推定されたポイントが固定ポイントであり、電気代の支払いに対して付与されたポイントに基づいて推定されたポイントが変動ポイントである。
2018年3月1日の上限値の更新では、決定部124は、携帯電話の通信料の支払い及びガス代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの合計「131」を、定期的な予定ポイントのうちの固定ポイントと推定する。また、決定部124は、電気代の支払いに対して付与されたポイント「130」を、定期的な予定ポイントのうちの変動ポイントと推定する。すなわち、決定部124は、例4で説明した定期的な予定ポイント「261」を、定期的に付与されたポイントの変動が所定量未満のポイントに基づいて推定したポイントである固定ポイント「131」と固定ポイント以外のポイントである変動ポイント「130」とに分ける。また、決定部124は、例4で説明したように、スーパーABCの利用及びアンケートの回答に対してそれぞれ付与されたポイントの合計「87」を、不定期の予定ポイントと推定する。
そして、決定部124は、重み付けした固定ポイント、重み付けした変動ポイント及び重み付けした不定期の予定ポイントに基づいて上限値を決定する。例5では、第1の重み係数(Wp1)を「0.9」とし、第2の重み係数(Wp2)を「0.85」とし、第3の重み係数(Wi)を「0.8」とした場合の上限値の数値例を示す。決定部124は、上述した式(2)のPP1、PP2及びIPに固定ポイント「131」、変動ポイント「130」及び不定期の予定ポイント「87」をそれぞれ代入して算出した「298」を、上限値に設定する。
2018年4月1日の上限値の更新では、決定部124は、携帯電話の通信料の支払い、ガス代の支払い及び水道代の支払いに対してそれぞれ付与されたポイントの合計「171」を、定期的な予定ポイントのうちの固定ポイントと推定する。また、決定部124は、電気代の支払いに対して付与されたポイント「106」を、定期的な予定ポイントのうちの変動ポイントと推定する。また、決定部124は、スーパーABCの利用及びアンケートの回答に対してそれぞれ付与されたポイントの合計「107」を、不定期の予定ポイントと推定する。そして、決定部124は、例えば、上述した式(2)のPP1、PP2及びIPに固定ポイント「171」、変動ポイント「106」及び不定期の予定ポイント「107」をそれぞれ代入して算出した「329」を、上限値に設定する。
すなわち、決定部124は、付与対象に定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定する。さらに、決定部124は、定期的な予定ポイントを、付与対象に定期的に付与されたポイントの変動が所定量未満のポイントに基づいて推定したポイントである固定ポイントと、固定ポイント以外のポイントである変動ポイントとに分ける。また、決定部124は、付与対象に不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして不定期ポイントに基づいて推定する。そして、決定部124は、固定ポイントに第1の重み係数を乗じた値と、変動ポイントに第1の重み係数より小さい第2の重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに第2の重み係数より小さい第3の重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。
なお、決定部124は、式(1)の“PP1*Wp1”の整数部と“PP2*Wp2”の整数部と“IP*Wi”の整数部との和を上限値に決定してもよい。あるいは、決定部124は、式(2)の“PP1*Wp1+PP2*Wp2+IP*Wi”の小数点以下を四捨五入にした値を、上限値に決定してもよい。また、決定部124は、式(2)の“PP1*Wp1”の小数点以下を四捨五入にした値と“PP2*Wp2”の小数点以下を四捨五入にした値と“IP*Wi”の小数点以下を四捨五入にした値との和を上限値に決定してもよい。
また、第1の重み係数(Wp1)、第2の重み係数(Wp2)及び第3の重み係数(Wi)は、Wi<Wp2<Wp1≦1を満たせば、上述した数値例に限定されない。また、決定部124は、複数の月のポイント付与履歴に基づいて、定期的に付与されたポイントの1ヶ月の平均値を定期ポイントとして算出し、算出した定期ポイント(平均値)に基づいて、定期的な予定ポイントを推定してもよい。また、決定部124は、複数の月のポイント付与履歴に基づいて、所定量未満の変動量で定期的に付与されたポイントの1ヶ月の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、固定ポイントを推定してもよい。また、決定部124は、複数の月のポイント付与履歴に基づいて、不定期に付与されたポイントの1ヶ月の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、不定期の予定ポイントを推定してもよい。
上述したように、例5では、定期的な予定ポイントを固定ポイントと変動ポイントとに分け、変動ポイントに付ける第2の重み係数を固定ポイントに付ける第1の重み係数より小さくしている。このため、例5では、固定ポイント、変動ポイント及び不定期の予定ポイントを用いて決定した上限値が春の電気代と冬の電気代等の時期の違いによるポイントの付与量の違い等の影響を受けることを低減できる。この結果、上限値を適切に設定することができ、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
図4は、図1に示した決済システム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図4に示す動作は、ポイント貸与方法の一例である。なお、ステップS120の判定が実行される前に、上限値は、図3で説明したように、決定部124により設定されている。
先ず、ステップS20では、店舗端末装置200は、決済に使用されるカードIDを読み取る。例えば、ポイントカードPCDの所有者は、商品を購入する際に、商品の代金をポイントで全額払う旨を店員に伝え、店舗端末装置200の読み取り装置にポイントカードPCDのカードIDを読み取らせる。
次に、ステップS40では、店舗端末装置200は、決済金額(商品の代金)と読み取り装置を介して取得したカードIDとを含む決済情報を、ポイント貸与サーバ100に送信する。決済情報を受けたポイント貸与サーバ100は、ステップS120の判定を実行する。
ステップS120では、ポイント貸与サーバ100の処理装置120は、貸与部126として機能し、ポイント残高が決済金額に満たないか否かを判定する。ポイント残高が決済金額に満たない場合、処理装置120の動作は、ステップS140に移る。一方、ポイント残高が決済金額以上である場合、処理装置120の動作は、ステップS180に移る。
ステップS140では、処理装置120は、貸与部126として機能し、決済金額に対するポイント残高の不足分と、貸与ポイントの未返済分との和が上限値以下か否かを判定する。不足分と未返済分との和が上限値以下である場合、処理装置120の動作は、ステップS160に移る。一方、不足分と未返済分との和が上限値を超える場合、処理装置120は、ステップS220において、貸与部126として機能し、ポイント残高及び/又は不足金額等を含むポイント不足情報を店舗端末装置200に通知して、ポイント決済に関する動作を終了する。
ステップS160では、処理装置120は、貸与部126として機能し、不足分を補うポイントをカードIDに対応付けて貸与する。すなわち、貸与部126は、上限値までの範囲で、決済に充てるポイントをポイントカードPCDの所有者に貸与する。ステップS160の処理が実行された後、処理装置120の動作は、ステップS180に移る。
ステップS180では、処理装置120は、ポイント決済部128として機能し、ポイントを用いて決済するポイント決済を実行する。例えば、ポイント決済部128は、ポイント残高が決済金額以上である場合、カードIDに対応付けて保有されているポイントを用いて、ポイント決済を実行する。あるいは、ポイント決済部128は、不足分を補うポイントを貸与部126がステップS160で貸与した場合、カードIDに対応付けて貸与されたポイント等を用いて、ポイント決済を実行する。
次に、ステップS200では、処理装置120は、ポイント決済部128として機能し、ポイント残高、決済の完了等を示す決済完了情報を店舗端末装置200に通知して、ポイント決済に関する動作を終了する。
以上、第1実施形態では、決定部124は、付与対象に貸与可能なポイントの上限値をポイント付与履歴に基づいて決定する。また、貸与部126は、付与対象に付与されているポイントの残高が、付与対象からの決済の要求で示される決済金額に満たない場合、上限値以下のポイントを貸与する。具体的には、決定部124は、ポイント管理識別子(例えば、カードID)に対応付けて設定する貸与可能なポイントの上限値を、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けられたポイント付与履歴に基づいて決定する。貸与部126は、決済金額と決済に使用されるポイント管理識別子とを含む決済情報を受ける。例えば、決済情報を受けた貸与部126は、決済に使用されるポイント管理識別子に対応付けて付与されたポイントの残高が決済金額に満たない場合、決済に使用されるポイント管理識別子に対応付けられた上限値までの範囲で、決済に充てるポイントを貸与する。この結果、上限値を適切に設定することができ、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。従って、例えば、ポイントカードPCDの所有者は、ポイント残高が商品の代金に満たない場合でも、他の決済方法に変更することなく、ポイント決済で商品を購入できる。
なお、ポイント貸与サーバ100では、決定部124が貸与可能な上限値を上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けられたポイント付与履歴に基づいて決定するため、貸与したポイントの貸し倒れを低減できる。例えば、ポイント付与履歴に基づいて上限値が決定される場合、ポイントサービスシステム等で上限値が一律に設定される場合に比べて、将来の所定期間内に実際に付与されるポイントより大きな値の上限値が設定されることを低減できる。この結果、上限値までの範囲で貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。また、ポイント貸与サーバ100では、決定部124がポイント管理識別子に対応付けられたポイント付与履歴に基づいて上限値を決定するため、ポイントの貸与対象者の職業、収入、借金等を調査して上限値を決定する場合に比べて、上限値を容易に設定できる。
また、第1実施形態において、決定部124は、将来の所定期間内に付与対象に付与されるポイントを予定ポイントとしてポイント付与履歴に基づいて推定し、予定ポイントに基づいて上限値を決定する。具体的には、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて将来の所定期間内に付与されるポイントを予定ポイントとしてポイント付与履歴に基づいて推定し、予定ポイントに基づいて上限値を決定する。
例えば、上限値を決定する第1の方法では、決定部124は、付与対象に定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、予定ポイントを定期ポイントに基づいて推定する。具体的には、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。そして、決定部124は、予定ポイントを定期ポイントに基づいて推定し、推定した予定ポイントに基づいて上限値を決定する。この場合、予定ポイントが定期的に付与されたポイントに基づいて推定されるため、推定された予定ポイントが将来の所定期間内に実際に付与されるポイントより大きな値になることを低減できる。この結果、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
また、第2の方法では、決定部124は、ポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間の履歴に基づいて、予定ポイントを推定する。具体的には、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けられたポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、将来の所定期間に対応する過去の年における所定期間の履歴に基づいて、予定ポイントを推定する。そして、決定部124は、推定した予定ポイントに基づいて、上限値を決定する。この場合、予定ポイントが過去の年における所定期間の履歴に基づいて推定されるため、予定ポイントの推定結果が春の電気代と冬の電気代等の時期の違いによるポイントの付与量の違いの影響を受けることを低減できる。この結果、上限値を適切に設定することができ、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
また、第3の方法では、決定部124は、ポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、直近の一定期間の履歴に基づいて、予定ポイントを推定する。具体的には、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けられたポイント付与履歴に含まれる履歴のうち、直近の一定期間の履歴に基づいて、予定ポイントを推定する。そして、決定部124は、推定した予定ポイントに基づいて、上限値を決定する。この場合、予定ポイントが直近の一定期間の履歴に基づいて推定されるため、ポイント付与履歴を記憶するための容量を、上述した第2の方法に比べて小さくできる。
また、第4の方法では、決定部124は、付与対象に定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定する。また、決定部124は、付与対象に不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして不定期ポイントに基づいて推定する。そして、決定部124は、定期的な予定ポイントに重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに定期的な予定ポイントの重み係数より小さい重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。
具体的には、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。そして、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて将来の所定期間内に定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定する。また、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。そして、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて将来の所定期間内に不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして不定期ポイントに基づいて推定する。
そして、決定部124は、定期的な予定ポイントに重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに定期的な予定ポイントの重み係数より小さい重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。この場合、重み付けした定期的な予定ポイント及び重み付けした不定期の予定ポイントに基づいて上限値が設定されるため、上限値が小さくなり過ぎることを上述した第1の方法に比べて低減できる。なお、定期的な予定ポイントの重みより小さい重みが不定期の予定ポイントに付けられるため、将来の所定期間内に実際に付与されるポイントより大きな値の上限値が設定されることを低減できる。この結果、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
また、第5の方法では、決定部124は、付与対象に定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定する。さらに、決定部124は、定期的な予定ポイントを、付与対象に定期的に付与されたポイントの変動が所定量未満のポイントに基づいて推定したポイントである固定ポイントと、固定ポイント以外のポイントである変動ポイントとに分ける。また、決定部124は、付与対象に不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定し、将来の所定期間内に付与対象に不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして不定期ポイントに基づいて推定する。そして、決定部124は、固定ポイントに第1の重み係数を乗じた値と、変動ポイントに第1の重み係数より小さい第2の重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに第2の重み係数より小さい第3の重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。
具体的には、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて定期的に付与されたポイントを定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。そして、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて将来の所定期間内に定期的に付与されるポイントを定期的な予定ポイントとして定期ポイントに基づいて推定する。さらに、決定部124は、定期的な予定ポイントを、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて定期的に付与されたポイントの変動が所定量未満のポイントに基づいて推定したポイントである固定ポイントと固定ポイント以外のポイントである変動ポイントとに分ける。また、決定部124は、上限値の設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて不定期に付与されたポイントを不定期ポイントとしてポイント付与履歴から特定する。そして、決定部124は、設定対象となるポイント管理識別子に対応付けて将来の所定期間内に不定期に付与されるポイントを不定期の予定ポイントとして不定期ポイントに基づいて推定する。
そして、決定部124は、固定ポイントに第1の重み係数を乗じた値と、変動ポイントに第1の重み係数より小さい第2の重み係数を乗じた値と、不定期の予定ポイントに第2の重み係数より小さい第3の重み係数を乗じた値とに基づいて上限値を決定する。すなわち、第5の方法では、定期的な予定ポイントのうちの変動ポイントの第2の重み係数を定期的な予定ポイントのうちの固定ポイントの第1の重み係数より小さくしている。このため、第5の方法では、固定ポイント、変動ポイント及び不定期の予定ポイントを用いて決定した上限値が春の電気代と冬の電気代等の時期の違いによるポイントの付与量の違い等の影響を受けることを低減できる。この結果、上限値を適切に設定することができ、貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
[2.第2実施形態]
第2実施形態と上述した第1実施形態の主な相違点は、処理装置120が、貸与ポイントの未返済分を回収する回収部127としても機能する点である。
図5は、本発明の第2実施形態に係るポイント貸与装置(ポイント貸与サーバ100A)を含む決済システム10Aの全体構成を示すブロック図である。図1から図4で説明した要素と同一又は同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。決済システム10Aは、図1に示したポイント貸与サーバ100の代わりにポイント貸与サーバ100Aを有することを除いて、図1に示した決済システム10と同一又は同様である。例えば、決済システム10Aは、ポイント貸与サーバ100Aと、ネットワークNWと、ポイントを用いた決済を受け付ける店舗端末装置200とを備える。なお、店舗端末装置200の数は、1つに限定されない。ポイント貸与サーバ100Aは、ポイント貸与装置の一例である。
ポイント貸与サーバ100Aは、図1に示したポイント貸与サーバ100と同一又は同様の構成である。例えば、ポイント貸与サーバ100Aは、処理装置120、記憶装置140、通信装置160、及び計時装置180を具備するコンピュータシステムにより実現される。図5に示す記憶装置140は、図1に示した制御プログラムPR1の代わりに制御プログラムPR1Aを記憶することを除いて、図1に示した記憶装置140と同一である。ポイント貸与サーバ100Aの各要素は、単体又は複数のバスで相互に接続される。また、ポイント貸与サーバ100Aの各要素は、単数又は複数の機器で構成され、ポイント貸与サーバ100Aの一部の要素は省略されてもよい。
図5に示す処理装置120は、図1に示した制御プログラムPR1の代わりに制御プログラムPR1Aを実行することを除いて、図1に示した処理装置120と同一又は同様である。図5の処理装置120内に示した管理部122、決定部124、貸与部126、回収部127及びポイント決済部128は、ポイントの貸与を実行する機能ブロックの一例である。なお、ポイント決済部128は、ポイントの貸与を実行する機能ブロックから省かれてもよい。例えば、ポイント決済部128の機能は、ポイント貸与サーバ100Aとは別の決済装置等により実現されてもよい。
処理装置120は、例えば、記憶装置140から制御プログラムPR1Aを読み出して実行することによって、管理部122、決定部124、貸与部126、回収部127及びポイント決済部128として機能する。管理部122、決定部124、貸与部126及びポイント決済部128は、図1に示した管理部122、決定部124、貸与部126及びポイント決済部128と同一である。回収部127は、貸与されたポイントの返済が完了していない付与対象に付与するポイントが発生した場合、発生したポイントから、返済が完了していないポイントの少なくとも一部を回収する。
例えば、図2に示したポイント管理テーブルTBLでは、カードID「Q12345」に対応付けてポイントが貸与された2018年3月26日より後の2018年4月4日に、スーパーABCの利用に対して付与するポイントが発生する。この場合、回収部127は、2018年4月4日までに貸与されたポイント「290」の未返済分「290」のうちの一部を、2018年4月4日に発生したポイント「44」から回収する。また、例えば、回収部127は、2018年4月5日に継続感謝ポイント「500」の付与が発生したため、2018年4月4日までに貸与されたポイント「290」の未返済分「246」の全てを、発生したポイント「500」から回収する。この結果、カードID「Q12345」に対応付けて貸与したポイントの返済が完了する。
すなわち、貸与されたポイントの返済が完了していない付与対象のポイントカードPCDのカードID「Q12345」に対応付けて付与するポイントが発生した場合、発生したポイントは、カードID「Q12345」に対応付けて貸与されたポイントの返済に優先的に使用される。このため、カードID「Q12345」に対応付けて貸与したポイントの貸し倒れを低減することができる。
以上、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態では、回収部127は、貸与されたポイントの返済が完了していない付与対象に付与するポイントが発生した場合、発生したポイントから、返済が完了していないポイントの少なくとも一部を回収する。すなわち、第2実施形態では、貸与したポイントの返済が完了していない付与対象のポイント管理識別子に対応付けて付与するポイントが発生する度に、発生したポイントを貸与したポイントの返済に充てることができるため、貸与したポイントの貸し倒れを低減できる。
[3.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
[第1変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、上限値が定期的に更新される例を示したが、上限値は、不定期に更新されてもよい。例えば、決定部124は、ポイント残高が決済金額に満たないと貸与部126が判定する度に、上限値を決定してもよい。すなわち、決定部124は、図4に示したシーケンスチャートのステップS120の判定において、ポイント残高が決済金額に満たないと判定された場合、ステップS140の判定が実行される前に、上限値を決定してもよい。この場合においても、決定部124は、図3で説明した例1、例2、例3、例4及び例5のいずれかの方法で上限値を決定してもよい。
[第2変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、将来の所定期間を上限値の更新日の次の月の1ヶ月間とする例を示したが、将来の所定期間は、上限値の更新日の次の月の1ヶ月間に限定されない。例えば、将来の所定期間は、上限値の更新日の次の月からの2ヶ月間でもよいし、上限値の更新日の次の週の一週間でもよい。あるいは、将来の所定期間は、上限値の更新日又は更新日の翌日からの1ヶ月間でもよいし、上限値の更新日又は更新日の翌日からの一週間でもよい。
[第3変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、ポイントの付与対象としてポイントカードPCDの所有者を例にして説明したが、ポイントの付与対象は、ポイントカードPCDの所有者に限定されない。例えば、ポイントカードPCDと同じ役目をするアプリケーションがスマートフォン又はタブレット端末等の可搬型の情報端末にダウンロードされて使用される場合、アプリケーションの使用者も、ポイントの付与対象の一例である。この場合、アプリケーションの使用者を識別するIDは、ポイント管理識別子の一例である。また、ポイントがポイント口座を用いて管理される場合、ポイント口座の所有者は、ポイントの付与対象の一例であり、ポイント口座を識別する口座番号等の識別情報は、ポイント管理識別子の一例である。なお、例えば、複数のポイントカードPCDが1つのポイント口座に割り当てられている場合、ポイント口座の所有者がポイントの付与対象の一例であり、ポイント口座を識別する口座番号等の識別情報がポイント管理識別子の一例である。
[第4変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態におけるポイント貸与サーバ100、100Aは、外部からの入力を受け付けるキーボード、マウス等の入力装置と、画像等の情報を表示するディスプレイ等の表示装置とを有してもよい。また、入力装置及び表示装置は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
[第5変形例]
上述した図3では、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントを、定期ポイントに含めない例を示したが、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントを、定期ポイントに含めてもよい。例えば、決定部124は、将来の所定期間と同じ長さ又はほぼ同じ長さの期間を単位期間とした場合に、複数の単位期間を参照し、参照した複数の単位期間で毎回発生するイベントに対して付与されるポイントを、定期ポイントとして特定してもよい。
図3に示した例では、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントの発生間隔は、約2週間又は約3週間であり、一定の間隔ではない。しかしながら、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントは、毎月発生している。この場合、決定部124は、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントを、定期ポイントに含めてもよい。なお、図3で説明した例5においては、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントの複数の月における変動量が10以上であるため、スーパーABCの利用に対して付与されるポイントに基づいて推定されたポイントは、定期的な予定ポイントのうちの変動ポイントに含まれる。
[第6変形例]
上述した図4では、不足分と未返済分との和が上限値を超える場合、ポイントを貸与しない例を示したが、貸与部126は、不足分と未返済分との和が上限値を超える場合でも、未返済分のポイントとの合計が上限値を超えない範囲で、ポイントを貸与してもよい。この場合、例えば、ポイントカードPCDの所有者は、不足分を現金と貸与されたポイントで支払うことができ、現金の持ち合わせが少ない場合でも商品等を購入できる。すなわち、利便性の低下を抑制することができる。
[第7変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態における決定部124は、ポイント管理テーブルTBLに記憶されているポイント付与履歴の量又は期間に応じて、ポイントの貸与条件を変更してもよい。貸与条件とは、ポイントの付与対象(例えば、ポイントカードPCDの所有者)にポイントを貸与する場合の条件を意味し、例えば、将来の所定期間および重み係数が該当する。例えば、決定部124は、予定ポイント(将来の所定期間に付与されるポイント)に乗じる重み係数の値を、ポイント付与履歴に含まれる履歴の量に応じて変更し、予定ポイントに重み係数を乗じた値に基づいて、上限値を決定してもよい。具体的には、決定部124は、将来の所定期間に付与されるポイントを推定する際に参照するポイント付与履歴の量が多くなるほど(又は、ポイント付与履歴の期間が長くなるほど)、将来の所定期間に付与されると推定したポイントに乗じる重み係数の値を大きくしてもよい。
[第8変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態における決定部124は、ポイントの付与理由によって、ポイントの貸与条件を変更してもよい。付与理由とは、ポイントの付与の対象となるイベントの内容を意味する。例えば、クレジットカードによる定期的な支払い、電気代の支払い等の将来においてもほぼ確実に発生するイベントがある場合、貸与条件を緩和(例えば、将来の所定期間を通常より長い期間に設定)してもよい。具体的には、決定部124は、付与対象に付与されたポイントの付与理由をポイント付与履歴から検索し、定期的に発生するイベントに対するポイントの付与を付与理由に基づいて検出した場合、定期的に発生するイベントに対するポイントの付与を検出しない場合に比べて、将来の所定期間を長くしてもよい。
[4.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置140は、処理装置120が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(3)上述した実施形態において、説明した情報及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾のない限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(7)図1及び図5に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能は、単体の装置によって実現されてもよいし、相互に別体で構成された2個以上の装置によって実現されてもよい。
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称によって呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順又は機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(10)上述した実施形態において、「接続された(connected)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」されると考えることができる。
(11)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
(12)上述した実施形態において「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
(13)本願の全体において、例えば、英語におけるa、an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数を含む。
(14)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組み合わせてもよい。