JP2019203701A - パック詰めされた卵の検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パックに収容された状態の卵の上部側について、表面の汚れなどの瑕疵を容易に検出することができるパック詰めされた卵の検査装置を提供する。【解決手段】パックの各収容部に卵が収容されたパック商品を蓋が開いた状態で検査する検査装置であって、検査対象の卵の斜め上方の複数方向から卵の側方に向けて光を照射して、パックより上方に突出した部分の明るさが均一になるように高さ位置が設定された照射部と、前記照射部で光を照射されたパック商品を真上から撮影する撮像部と、前記撮像部で撮影されたパック商品の画像に基づいて検査を行う検査部とを備えた。【選択図】図1
Description
本発明は、パック詰めされた卵の検査装置に関するものである。
卵を選別して包装するGPセンター(Grading and Packing Center)では、卵を所定方向に搬送させ、方向整列、洗卵・乾燥、計量等の所定の処理を施した後、計量結果に基づいた選別・包装処理を行う。そして、所定のパックに詰められた卵は市場に出荷されることとなる。
上述したGPセンターでは、殻に割れのある卵や、異物(糞尿や卵の内容物など)が付着した卵など、商品化に不向きな卵について、パックに詰める前の段階で取り除く、いわゆる検卵作業が従来から行われている。このパック詰め前の検卵作業は、暗室内で卵の下から光を照射するとともに、検査員が卵の上方から目視によって、または、カメラなどを用いてチェックしている。しかしながら、このような作業では見過ごされてしまうものがあったり、また、この作業を経た後の工程で割れが生じる可能性も否定できない。そのため、パックされた後の卵を人的作業によることなく検査しようとする検査装置が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の卵の検査装置は、透過光像に基づいて検査するものであり、パックに収容されている卵の下面側に関する検査を主として行うものであった。近年、パックの上方に突出した部分に関する検査についても自動化が求められている。
卵の検査装置として、ローラ上に直接置かれて搬送される卵を、反射光像に基づいて検査するものは従来からよく知られている(特許文献2を参照)。この方式をそのまま、パック詰めされた卵に適用するには問題があった。すなわち、パック内に縦向きに置かれた卵に対して従来のような照明方法を適用すると、その卵特有の形状から、上端部が他の部分に比べて明るくなりすぎて、検査に不向きな画像となってしまう。
本発明は、このような問題点に着目したものであり、パックに収容された状態の卵の上部側について、表面の汚れなどの瑕疵を容易に検出することができるパック詰めされた卵の検査装置を提供することを目的としている。
本発明のパック詰めされた卵の検査装置は、パックの各収容部に卵が収容されたパック商品を蓋が開いた状態で検査する検査装置であって、検査対象の卵の斜め上方の複数方向から卵の側方に向けて光を照射して、パックより上方に突出した部分の明るさが均一になるように高さ位置が設定された照射部と、前記照射部で光を照射されたパック商品を真上から撮影する撮像部と、前記撮像部で撮影されたパック商品の画像に基づいて検査を行う検査部とを備えた。
「パックより上方に突出した」とは、パックの本体側に収容されておらず、蓋を開けた状態において外部に露出する部分(言い換えれば、パックの蓋側に収容される部分)を指す。また、「卵の側方」とは、蓋を開けた状態において、外部に露出する部分のうち、卵の上端部を除く部分を指す。
本発明によれば、パックに収容された状態の卵の上部側について、表面の汚れなどの瑕疵を容易に検出することができるパック詰めされた卵の検査装置を提供できる。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
本実施形態のパック詰めされた卵の検査装置1は、図1及び図2に示すように、パックP1の各収容部P2に卵Eが縦向きに収容されたパック商品Pについて検査を行うものである。パックP1は、透光性を有する。
検査装置1は、搬送部2の上方に設けられるもので、照射部3と、撮像部4と、検査部5とを備える。
搬送部2は、図1及び図2に示すように、パック商品Pを搬送可能なコンベヤである。搬送部2は、パック商品Pを蓋P3が開いた状態で搬送する。パック商品Pは、2列に卵Eが並んだパック商品Pの長手方向に沿って搬送される。
照射部3は、図1及び図2に示すように、検査対象の卵Eに向けて光を照射するLED照明である。照射部3は、パックP1より上方に突出した卵Eの側方に向けて、複数方向から光を照射する。本実施形態では、照射部3は、検査対象の卵Eの斜め上方の複数方向から卵の側方の全周に向けて光を照射する。照射部3から卵Eの側面部へ照射される光の入射角度は、照射部3から卵Eの上端部へ照射される光の入射角度よりも小さい。また、照射部3から卵Eの側面部へ照射される光の入射角度は、照射部3から搬送部2側へ照射される光の入射角度よりも小さい。
本実施形態の照射部3は、複数の光源を環状に並べたリング照明装置であり、照射部3は、検査対象の卵Eの真上から卵の上端部へ向かう光を照射しない。この照射部3は、撮像部4の撮影方向の中心線を取り囲むリング状に、少なくとも1列以上配置された複数の光源を備える。
照射部3は、搬送部2の上方の、ローアングル位置に配置される。言い換えれば、照射部3は、パックPより上方に突出した部分の明るさが均一になるように高さ位置が設定されている。明るさが均一とは、卵Eの上端部の照度と、卵Eの側面部の照度とに、ほとんど差がなく、撮影画像に明暗のひずみを生じない状態である。なお、卵の場合、卵殻表面が均等拡散反射面に近いので、輝度が光源の入射角に依存せず照度に比例するという関係より、上述した「照度」を「輝度」または「明度」に言い換えてもよい。
また、本実施形態の照射部3は、搬送方向に沿って2列に並んだ卵Eをまとめて照射する。照射部3は、平面視で、2つの卵Eの周囲を囲むように複数の光源が配置されている。照射部3の中心は、側面視での手前の卵Eと奥の卵Eとの間の隙間の上方に位置する。
撮像部4は、図1及び図2に示すように、検査対象の卵Eを撮影するカラーカメラである。撮像部4は、搬送部2及び照射部3の上方に設けられている。撮像部4は、照射部3の中心の真上に配置されており、リング照明装置の中央に形成された空間を介して、照射部3で光を照射されたパック商品Pを真上から撮影する。本実施形態の撮像部4は、搬送方向に沿って2列に並んだ卵Eをまとめて撮影する。撮像部4は、側面視での手前の卵Eと奥の卵Eとの間の隙間の上方に位置する。
検査部5は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部等の専用ないし汎用のコンピュータにより構成されている。そして、内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUやその他の周辺機器が協働することによって、検査部5としての機能が発揮される。
このプログラムには、コンピュータに、撮影されたパック商品Pの画像6に基づいて、パック商品Pの検査を行う機能を実現させるためのプログラムが含まれている。具体的には、このプログラムには、カラーカメラで撮影した画像6に演算などを施す画像処理機能と、画像処理機能により処理された画像処理情報に基づいて検査対象卵Eが汚卵か否か、または、破卵か否かを判定する判定機能とを実現させるためのプログラムが含まれている。
図4に、パック商品Pの画像6の一例を示す。一実施形態にかかる検査装置1では、プログラムには、パック商品Pの画像6において、搬送部2を背景領域として捉え、光を反射させる卵殻の画像領域62を検査対象領域として捉え、光が透過する収容部P2の画像領域61を搬送部2と同じ背景領域として捉える機能を実現させるためのプログラムが含まれている。検査部5は、画像処理機能により生成された画素毎の輝度値の分布の状態に基づいて、検査対象領域と背景領域とを分ける。
また、一実施形態にかかる検査装置1では、パック商品Pの画像6に基づいて卵Eの表面状態に欠陥があるか否かを判断する機能を実現させるためのプログラムが含まれている。すなわち、本実施形態のプログラムには、卵殻の画像領域62のうち、汚れ付着部分または割れが生じている部分を異常領域として捉え、それ以外の正常な卵殻部分を正常領域として捉える機能を実現させるためのプログラムが含まれる。検査部5は、画像処理機能により生成された画素毎の彩度値または輝度値の分布の状態に基づいて、正常領域と異常領域とを分ける。汚れの代表的なものとしては、糞、卵内容物(卵黄・卵白)、血液等などが挙げられる。例えば、卵殻に付着している卵黄汚れは、卵殻の他の部分の彩度との差を生じさせる。
次に、上記構成における作用を説明する。搬送部2により検査対象のパック商品Pを搬送し、照射部3及び撮像部4の真下に移動させる。なお、パック商品Pは、蓋P3が開いた状態であり、蓋P3は、撮影に影響しない位置に保持されている。
パック商品Pが、所定の撮影位置に達したことを搬送部2に設けられたセンサ(図示しない)で検知すると、制御部(図示しない)が撮像部4によりパック商品Pを撮影する。検査部5は、撮影されたパック商品Pの画像6に、画像処理機能によって2値化処理などを施す。図4に示すように、検査に用いられるパック商品Pの画像6では、卵殻の画像領域62の輝度と、収容部P2の画像領域61の輝度との間に差が生じる。また、図4に示すように、搬送部2の画像領域と、パックPのうち収容部P2以外の部分の画像領域は、収容部P2の画像領域61と同一またはそれに近い輝度となる。検査部5は、画像処理機能により生成された画素毎の輝度値の分布の状態に基づいて、卵Eの輪郭を抽出する。
卵Eの輪郭が抽出された卵殻の画像領域62中に、卵Eの卵殻に糞汚れなどが付着していると、卵殻の画像領域62の輝度に比べて、糞汚れの箇所の輝度が突出して低い値を示す。そのため、卵Eの汚れ付着の有無を判定できる。また、卵Eの輪郭が抽出された卵殻の画像領域62中に、卵Eの卵殻に穴などが生じていると、卵殻の画像領域62の輝度に比べて、穴の箇所の輝度が突出して低い値を示す。そのため、卵Eの割れ等の有無を判定できる。
以上に説明したように、本実施形態の検査装置1は、パックPの各収容部P2に卵Eが収容されたパック商品Pを蓋P3が開いた状態で検査する検査装置1であって、照射部3と、撮像部4と、検査部5とを備える。照射部3は、検査対象の卵Eの斜め上方の複数方向から卵Eの側方に向けて光を照射する。また、照射部3は、パックPより上方に突出した部分の明るさが均一になるように高さ位置が設定される。撮像部4は、照射部3で光を照射されたパック商品Pを真上から撮影する。検査部5は、撮像部4で撮影されたパック商品Pの画像6に基づいて検査を行う。
このようなものであるため、卵Eの検査したい領域全体が均一な明るさとなり、表面の汚れなどの瑕疵を容易に検出することができる。
照射部3は、リング照明装置であり、複数個の卵Eをまとめて照射するので、パックP1に入った卵Eに好適な光を照射できる。
照射部3で照射される搬送部2の明るさが、卵Eの明るさに比べて、無視できるほど小さくなるように、照射部3の高さ位置や照射方向が設定されている。すなわち、パックP1越しの搬送部2からの反射が抑えられるため、搬送部2の反射率(輝度)や色(色相・彩度)にかかわらず、パックP1越しの搬送部2を画像で背景領域とすることができる。したがって、検査を行いたい卵Eの輪郭抽出を行いやすく、パックP1に収容された状態の卵Eの上部側について、表面の汚れなどの瑕疵を容易に検出することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
照射部3は、リング照明装置に限られない。例えば、4本のバー照明装置を用いて卵Eを4方向から囲うように配置するものが挙げられる。バー照明装置とは、複数の光源を直線状に並べたものである。また、単一の照射部3で、2個の卵Eに光を照射するものには限られない。例えば、単一の照射部3で、卵Eを1個ずつ照射してもよいし、卵Eを4個まとめて、もしくは、パック商品P全体をまとめて照射してもよい。
照射部3は、卵Eの真上の空間に光源が存在しないものの他に、光源や光を反射させるための反射部材が卵の真上の空間に存在していても、それら光源や反射部材から卵の上端部へ向かう光が、卵の斜め上方の複数方向から卵の側方へ向かう光に比べて無視できるほど小さいものであればよい。
撮像部4は、卵Eを2個ずつ撮影するものに限られない。例えば、卵Eを1個ずつ撮影してもよいし、パック商品P全体をまとめて撮影してもよい。
パックP1は、透光性を有するもの、すなわち、パックP1を通して向こう側の形状等をある程度認識できるようなものであればどのようなものであってもよく、例えば、光の透過率が極めて高い透明のパックの他、着色された透明(有色透明)の容器であってもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、パック詰めされた卵の検査装置に利用することができる。
1…検査装置
3…照射部
4…撮像部
5…検査部
6…パック商品の画像
P…パック商品
P1…パック
P2…収容部
P3…蓋
E…卵
3…照射部
4…撮像部
5…検査部
6…パック商品の画像
P…パック商品
P1…パック
P2…収容部
P3…蓋
E…卵
Claims (2)
- パックの各収容部に卵が収容されたパック商品を蓋が開いた状態で検査する検査装置であって、
検査対象の卵の斜め上方の複数方向から卵の側方に向けて光を照射して、パックより上方に突出した部分の明るさが均一になるように高さ位置が設定された照射部と、
前記照射部で光を照射されたパック商品を真上から撮影する撮像部と、
前記撮像部で撮影されたパック商品の画像に基づいて検査を行う検査部とを備えた、パック詰めされた卵の検査装置。 - 前記照射部は、リング照明装置であり、複数個の卵をまとめて照射する請求項1記載のパック詰めされた卵の検査装置。
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- 2018-05-21 JP JP2018096891A patent/JP2019203701A/ja active Pending
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